JP2024068520A - パウチ容器 - Google Patents

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健一 宮本
昇 八島
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健太郎 吉田
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Abstract

【課題】落下耐性が向上した可撓性のパウチ容器を提供する。【解決手段】容器本体10と、容器本体を覆っている被覆体30と、を備える可撓性のパウチ容器100であって、本体構成シート材は熱可塑性樹脂により構成されたシーラント層を含み、シーラント層は、エチレン単位含有量が20~50モル%であり且つけん化度が90モル%以上であるEVOH層および密度が0.880g/cm3以上0.925g/cm3以下であるLLDPE層を含む複数の層が積層されて接合されており、さらに、突き刺し強度が6N以上、突き刺し伸度が8mm以上、および厚さが200μm以下であり、被覆シート材は、紙層により構成され且つ突き刺し強度が6N以上であり、被覆体は、胴部16の軸周りの全周を覆っているとともに、胴部の外周面の本体構成シート材に対して非接合で当接しているか、あるいは胴部の外周面の本体構成シート材に部分的に接合されているパウチ容器。【選択図】図1

Description

本発明は、パウチ容器に関する。
洗剤、化粧品、消毒液、薬品、食品などを包装および収容するための容器として熱可塑性樹脂により構成された可撓性のパウチ容器が多く使用されている。そして、この可撓性のパウチ容器は、プラスチック成型容器よりも資源使用量や廃棄物量の削減が可能であるため、経済性や環境問題などを背景として需要が高まっている。
例えば特許文献1には、所定の条件を満たし、炭素数1~20の短鎖分岐と炭素数20を超える長鎖分岐が高分子主鎖に導入されたことを特徴とするエチレン系重合体により形成されたポリエチレン系フィルム、ならびにこのポリエチレン系フィルムにより成形された易引裂性のスタンディングパウチ等が開示されている。
特開2007-177168号公報
しかしながら、このような熱可塑性樹脂により構成された可撓性のパウチ容器は、プラスチック成型容器と比較して落下に対する耐性が十分でない場合が多い。上記した特許文献1に記載のスタンディングパウチは衝撃強度が優れていることが記載されているが、このような可撓性のパウチ容器については、容器を落下させた際の破袋のし難さ(落下耐性)という点においてさらなる改善の余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、落下耐性が向上した可撓性のパウチ容器、および容器詰め品に関する。
本発明は、本体構成シート材が内部に収容領域を有するように製袋されて形成された、前面、後面、および底面を有する容器本体と、被覆シート材により形成された、容器本体を覆っている被覆体と、を備える可撓性のパウチ容器であって、本体構成シート材は熱可塑性樹脂により構成されたシーラント層を含み、本体構成シート材の内面側どうしを対向させてシーラント層どうしで接合されて製袋されており、このシーラント層は、エチレン単位含有量が20~50モル%であり且つけん化度が90モル%以上であるエチレン-ビニルアルコール共重合体により構成されたEVOH層および密度が0.880g/cm3以上0.925g/cm3以下である直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンにより構成されたLLDPE層を含む複数の層が積層されて接合されており、さらに、突き刺し強度が6N以上、突き刺し伸度が8mm以上、および厚さが200μm以下であり、被覆シート材は、紙層により構成され且つ突き刺し強度が6N以上であり、被覆体は、少なくとも容器本体の前面および後面を構成している胴部の軸周りの全周を覆っているとともに、胴部の外周面の本体構成シート材に対して非接合で当接しているか、あるいは胴部の外周面の本体構成シート材に部分的に接合されているパウチ容器に関する。
本発明によれば、落下耐性が向上した可撓性のパウチ容器、およびこのパウチ容器を用いた容器詰め品を提供することができる。
本発明の実施形態に係るパウチ容器の正面図である。 本発明の実施形態に係るパウチ容器の背面図であり、収容物が収容される前の状態を示す。 本発明の実施形態に係るパウチ容器の被覆体を構成している被覆シート材の平面図である。 本発明の実施形態に係るパウチ容器の容器本体を構成している本体構成シート材の平面図である。 本発明の実施形態に係るパウチ容器の容器本体の背面図であり、収容物が収容される前の状態を示す。 本発明の実施形態に係るパウチ容器を構成している被覆シート材および本体構成シート材の部分断面図である。 本発明の実施形態に係るパウチ容器を構成している被覆シート材および本体構成シート材の変形例の部分断面図である。 突き刺し試験の模式図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。また、一部の図面については、便宜上、符号を付していない(省略している)箇所がある。さらに、図面に示された各部材の寸法比率は、発明の理解を容易にするために、実際の寸法比率とは異なる場合がある。
〔全体構成〕
まず、図1から図5を用いて本発明に係るパウチ容器および容器詰め品の実施形態の全体構成について説明する。
本発明に係るパウチ容器は、以下の実施形態を包含するものである。
本実施形態に係るパウチ容器100は、本体構成シート材20が内部に収容領域60を有するように製袋されて形成された、前面、後面、および底面を有する容器本体10と、被覆シート材40により形成された、容器本体10を覆っている被覆体30と、を備える可撓性のパウチ容器である。そして、本体構成シート材20は熱可塑性樹脂により構成されたシーラント層200を含み、本体構成シート材20の内面側どうしを対向させてシーラント層200どうしで接合されて製袋されている。そして、シーラント層200は、エチレン単位含有量が20~50モル%であり且つけん化度が90モル%以上であるエチレン-ビニルアルコール共重合体により構成されたEVOH層および密度が0.880g/cm3以上0.925g/cm3以下である直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンにより構成されたLLDPE層を含む複数の層が積層されて接合されており、さらに、このシーラント層200の突き刺し強度が6N以上、突き刺し伸度が8mm以上、および厚さが200μm以下である。また、被覆シート材40は、紙層401により構成され且つ突き刺し強度が6N以上である。そして、被覆体30は、少なくとも容器本体10の前面および後面を構成している胴部16の軸周りの全周を覆っているとともに、胴部16の外周面の本体構成シート材20に対して非接合で当接しているか、あるいは胴部16の外周面の本体構成シート材20に部分的に接合されている。
なお、以下においては、被覆体30が胴部16の外周面の本体構成シート材20に対して非接合で当接しているパウチ容器100の実施形態を「第1実施形態」と言い、被覆体30が胴部16の外周面の本体構成シート材20に部分的に接合されているパウチ容器100の実施形態を「第2実施形態」と言う。これらの実施形態について以下に詳細に説明するが、パウチ容器100の各構成要素の位置関係(上下関係、左右関係等)の説明は、特に断りのない場合、パウチ容器100の底面を下側にして載置面に自立させた状態での位置関係を説明したものである。よって、これらの説明における位置関係は、パウチ容器100の使用時や製造時の位置関係とは必ずしも一致しない。
<第1実施形態>
本実施形態に係るパウチ容器100の第1実施形態は、容器本体10と、被覆体30と、を備える可撓性のパウチ容器である。そして、容器本体10は、熱可塑性樹脂により構成されたシーラント層200を含む本体構成シート材20が、少なくとも容器本体10の前面、後面、および底面を構成するように折り畳まれ(折り曲げられ)、本体構成シート材20の前面構成シート部21と後面構成シート部23との対向する内面側の側縁部のシーラント層200どうしが接合されて側部シール部11が形成され、且つこの前面構成シート部21と後面構成シート部23とにより形成された胴部16(容器本体10の前面および後面を構成している胴部16)の下部側にある底面に、本体構成シート材20の底面構成シート部22を含む領域が折り畳み可能なマチ構造となって前面と後面とを連結している底マチ部13が設けられ、さらに他の周縁部どうし(シーラント層200どうし)の一部も相互に接合されて製袋された、内部に収容領域60を有する袋状のものである(図4、図5参照)。つまり、本体構成シート材20のシーラント層200が収容領域60を包囲するように製袋されて容器本体10が形成されている。そして、本体構成シート材20のシーラント層200どうしの接合(シール部の形成など)には、ヒートシール、超音波シール、接合剤(接着剤等)などを用いることができるが、容器本体10のリサイクル性向上(リサイクルのし易さや得られるリサイクル樹脂の品質向上)などの観点から、上記接合がヒートシールまたは超音波シールによってなされたものであるのが好ましく、ヒートシールによってなされたものであるのがより好ましい。ヒートシールにより整袋を行う場合のヒートシール条件は、シーラント層200を構成する熱可塑性樹脂の特性などによって適宜設定が可能であるが、例えば110℃以上230℃以下のシール温度、0.1MPa以上1.0MPa以下のシール圧力、0.1秒以上10秒以下のシール時間などが条件として例示される。そして底マチ部13は、収容物を収容前などにおいては折り畳んでパウチ容器100の収容領域60を縮小させることができ、且つ、収容物が収容領域60に収容されたときにパウチ容器100に厚みを与えるように広がることが可能な構造を有する。
さらに、被覆体30は、紙層401により構成されている被覆シート材40が、少なくとも容器本体10の前面および後面を構成している胴部16の軸周りの全周を覆うように折り畳まれ(折り曲げられ)て形成され、容器本体10に被覆されたものである(図1から図3参照)。この被覆体30は、例えば被覆シート材40が容器本体10の胴部16の軸周り方向に全周を覆うように巻き付けられ、その周縁部どうし(糊付部41、フラップなどの接合部43等)が接合されて形成されたスリーブ状(袋状または筒状)の実施形態が示される。あるいは、予め被覆シート材40からスリーブ状の被覆体30を形成し、このスリーブ状の被覆体30を容器本体10に被せて被覆させた実施形態であっても良い。この実施形態では、少なくとも容器本体10の胴部16および側部シール部11は略全面が被覆体30によって被覆されている。なお、限定されるものではないが、容器本体10の前面を被覆している被覆体30の前面被覆部31は容器本体10の前面と略同形状に形成されているのが好ましく、同様に、容器本体10の後面を被覆している被覆体30の後面被覆部32は容器本体10の後面と略同形状に形成されているのが好ましい。また、容器本体10の底面は被覆体30による被覆がされていない実施形態であっても構わないが、本発明の効果がより発揮され易くなることから、図1から図3に示すような、容器本体10の底面にもこの領域を被覆、閉塞している(例えばこの底面と略同形状に形成されている)底面被覆部34を備える実施形態であるのがより好ましい。この場合において、落下耐性がより向上したものとなり易いことから、被覆体30は全体が一体成形されている構成(1枚のシート材から形成されている構成)であるのがより好ましい。例えば図3に示すような形状の各被覆部が一体となっている被覆シート材40により形成された被覆体30であって、被覆体30の前面被覆部31、後面被覆部32、および底面被覆部34はそれぞれ連続して繋がっている領域を有し、容器本体10を被覆した状態において前面被覆部31と後面被覆部32の端部どうしならびに後面被覆部32と底面被覆部34の端部どうしが接合部43(糊付部41等)によって接合されている実施形態などであるのが好適である(図1および図2参照)。そして、この第1実施形態では、この被覆体30が容器本体10における胴部16の外周面の本体構成シート材20に対して非接合で当接している。
但し、この第1実施形態では、被覆体30と胴部16の外周面の本体構成シート材20との少なくとも一部が互いに当接していれば良く、これらが当接していない領域(被覆体30と胴部16との間に空隙を有する領域)を一部に含んでいても良い。また、この胴部16において被覆体30と容器本体10とが非接合である限り、容器本体10における胴部16以外の領域では、被覆体30と容器本体10とが接合されている領域があっても良い。しかしながら、リサイクルの際などにおいて容器本体10と被覆体30とを分離し易くなることから、容器本体10と被覆体30とが全体として非接合である(非接合で一部当接している)のがより好ましい。また、側部シール部11においても、パウチ容器100の左右方向(胴部16の横幅方向)で断面を平面視したときに被覆体30が略U字状(平面視略U字状)となるように側部シール部11を取り囲み、この被覆体30が側部シール部11と非接合で少なくとも一部が当接しているのが好ましい。
なお、上記においては、被覆体30(被覆シート材40)の全体が一体として成形されている例を説明したが、本実施形態において、被覆体30(被覆シート材40)は、例えば、それぞれ別体に成形されている複数の部材によって構成されていてもよい。この場合、これらの複数の部材が、それぞれ個別に容器本体10に装着または接合されていて良い。
さらに、この被覆体30は、パウチ容器100の保形性向上などの観点から、前述した容器本体10の胴部16の外周面と被覆体30の前面被覆部31または後面被覆部32との当接が摩擦的な接触であり、容器本体10が被覆体30に対して胴部16の軸方向に相対変位することを規制している構成であるのが好ましい。さらには、被覆体30が底面被覆部34を有し、この底面被覆部34が前面側と後面側との中央部において底面の反対側(天面または開口部15の側)に向けて凸に折れ曲がっている構成であっても同様に好ましい。
また、この第1実施形態のパウチ容器100は、少なくとも収容領域60に収容物が収容されて底面を下側にして載置面に設置された状態で自立可能なスタンディングパウチであるのが好ましい。店頭などにおいて自立させて陳列することができるからである。このような自立可能なスタンディングパウチの具体的な実施形態としては、図1および図2などに示すようなスカート部18を備えるパウチ容器100が例示される。このスカート部18は、側部シール部11の下部側に配置され、本体構成シート材20の前面構成シート部21の一部および底面構成シート部22の一部により構成された前側下部スカートシート18bと、後面構成シート部23の一部および底面構成シート部22の一部により構成された後側下部スカートシート18cと、の側縁部どうしが接合されてスカートシール部18aが形成され、且つ、このスカートシール部18aを介して前側下部スカートシート18bと後側下部スカートシート18cとが一繋がりになって形成されたものである。ここで、図4の平面図においては、側部シール部11やスカートシール部18aを含むシール部の形成領域を二点鎖線で示している。また、図1、図2、および図5においては、シール部の形成領域など(図1および図2では被覆体30の外部側から見たシール部の形成領域など)を点線で示している。
特に、この第1実施形態のパウチ容器100は、前面を構成する本体構成シート材20(前面構成シート部21)と後面を構成する本体構成シート材20(後面構成シート部23)との対向する内面側の側縁部(側端部)のシーラント層200どうしが接合されて2つの側部シール部11が形成されており、容器本体10の上部側には、本体構成シート材20(天面構成シート部24)により構成され且つ前面と後面とを連結している天面を有し、容器本体10の下部側(天面の反対側)には底面(例えば天面と略同一形状に形成された底面)を有し、天面は収容物の収容および排出が可能であり且つ封止が可能な開口部15(スパウトなど)が備わり、さらに、天面および底面はいずれも折り畳み可能なマチ構造(本体構成シート材20の天面構成シート部24を含む領域がマチ構造となった天マチ部14、ならびに底面構成シート部22を含む領域がマチ構造となった底マチ部13)を有するパウチ容器100であると好ましい。そして、この天面にも、前述した底面と同様にこの領域を閉塞している(例えば天面と略同形状に形成されている)被覆体30である天面被覆部33が備わる実施形態(図1から図3参照)であっても好ましい。なお、この天面を閉塞している天面被覆部33は、開口部15の領域にスパウトなどの開口部15が挿通される挿通孔46を有していても良い。また、この挿通孔46の周縁は、天面の外周面の本体構成シート材20に接合されている構成としても良い。さらに、容器本体10の下部側に前述したようなスカート部18を備えていても良い。そして、この実施形態では、容器本体10を良好な状態で被覆する(落下耐性などの効果をより確実に発揮させる)という観点から、収容領域60に収容物が収容された状態において、容器本体10の前面、後面(胴部16)を被覆している被覆体30の前面被覆部31と後面被覆部32との離間距離が、容器本体10の横幅方向における中央部と比べて両側部(側部シール部11)で小さくなっている構成であるのが好ましい。また、この場合において、容器本体10の前面および被覆体30の前面被覆部31が前面側に向けて弧状の凸形状に湾曲し、且つ容器本体10の後面および被覆体30の後面被覆部32が後面側に向けて弧状の凸形状に湾曲していると、これらの摩擦抵抗によって前述した容器本体10が被覆体30に対して胴部16の軸方向に相対変位することをより確実に規制することができる。
なお、この実施形態では、パウチ容器100の前面および後面において、2つの側部シール部11に挟まれるようにして前面構成シート部21および後面構成シート部23の少なくとも一部の領域が胴部16を形成し、パウチ容器100の収容領域60に収容物が収容されたときに、この胴部16が本体構成シート材20の厚み方向に膨らむような構成となっている。つまり、この胴部16と、底マチ部13と、天マチ部14とによって、収容物の収容前においてはパウチ容器100をかさばらないように縮小する(折り畳む)ことができ、少なくとも収容物が収容された状態では底面を下側にして自立可能となり、さらに収容物を使い切った後にはパウチ容器100を小さく押しつぶすことができるようになっているため、輸送、保管、廃棄などがよりし易い。
しかしながら、本実施形態に係るパウチ容器100の第1実施形態は、前述したような構成においてスカート部18を有さない構成、つまりスカート部18が形成されていない構成であっても構わない。そして、少なくとも収容領域60に収容物が収容されて底面を下側にして載置面に設置された状態で自立可能な別の部材を有していても良い。なお、この部材は、紙材または熱可塑性樹脂(特にポリオレフィン系樹脂、さらにはポリエチレン系樹脂)に構成されているのがより好適であり、被覆シート材40または本体構成シート材20の一部により構成されているとさらに好適である。また、前述したような構成において天面(天マチ部14等)を有さない実施形態であっても構わない。つまり、前面構成シート部21と後面構成シート部23の上部側(容器本体10の上部側)の周縁どうしが互いに接合されている実施形態であっても良い。そして、この天面を有さない実施形態においても、底マチ部13を備え、パウチ容器100の胴部16と、底マチ部13とによって、収容物の収容前においてはパウチ容器100をかさばらないように縮小することができ、さらに収容物を使い切った後にはパウチ容器100を小さく押しつぶすことができるようになっていると好適である。さらに、被覆体30の前面被覆部31および後面被覆部32などについても上記した構成を同様に採用可能である。
また、本実施形態に係るパウチ容器100の第1実施形態は、底面を下側にして載置面に設置された状態で自立可能な形態に限定されるものではなく、例えば、自立せず寝かせて載置することを想定したパウチ容器などであっても良い。後述する第2実施形態も同様である。
なお、この収容物の収容および排出が可能であり且つ封止が可能な開口部15は、例えば図1から図5に示すような、スパウトなどに代表される繰り返し開閉可能な口栓構造(筒状部およびフランジ部を備える口栓構造等)を有する構成であっても良い。この口栓構造は、着脱可能なキャップ50(ポンプ付きキャップなども含む)等により封止することができるネジ山が設けられていても良い。そして、この開口部15は、パウチ容器100などのリサイクル性向上の観点から、本体構成シート材20のシーラント層200に含まれる上記したEVOHおよびLLDPEと同種の材料であるポリオレフィン系樹脂(特にポリエチレン系樹脂)により構成されたものであるか、または本体構成シート材20などから容易に分離が可能な構成であるのが好ましい。
しかしながら、本実施形態に係るパウチ容器100は、その開口部15が収容物を収容および排出が可能な構成であれば口栓構造に特段限定されず、例えば、開口部15が収容領域60における本体構成シート材20(本体構成シート材20の内面側のシーラント層200どうし)の非接合部分であり、この非接合部分から収容物を収容し、ヒートシールなどによってこの非接合部分が接合されて密封された構成であって、収容物の排出時には密封されている開口部15の一部が切除される構成などであっても良く、パウチ容器100の形態などに応じて適宜選択が可能である。なお、落下耐性をより高めるという観点から、開口部15としてスパウトなどの繰り返し開閉可能な口栓構造を有する実施形態の場合にはこの開口部15を除く容器本体10の略全体が被覆体30によって覆われている(被覆体30と容器本体10とが組み合わされて構成されている)のが好ましく、開口部15が上記したような収容領域60における本体構成シート材20の非接合部分または接合部分(収容物の使用時に切除される部分)である実施形態の場合にはこの開口部15を含む容器本体10の略全体が被覆体30によって覆われているのが好ましい。
<第2実施形態>
本実施形態に係るパウチ容器100の第2実施形態は、前述した第1実施形態と同様の容器本体10と被覆体30とを備える可撓性のパウチ容器である。そして、被覆体30は、これも第1実施形態と同様に被覆シート材40がスリーブ状などに形成されたものであって良い。そして、この第2実施形態では、被覆体30が容器本体10における胴部16の外周面の本体構成シート材20に部分的に接合されている。つまり、この第2実施形態では、被覆体30の一部と胴部16の外周面の本体構成シート材20の一部とが互いに接合していれば良く、さらにこの胴部16の外周面においてこれらが非接合である領域も含まれる実施形態である。なお、被覆体30は、容器本体10における胴部16以外の領域とも接合されていても良い。また、被覆体30と容器本体10の胴部16とが接合されていない領域においては、被覆体30と容器本体10とが当接していても良く、あるいはこれらの間に空隙を有していても良いが、保形性向上などの観点から、少なくとも一部が当接している実施形態であるのが好ましい。
本実施形態に係るパウチ容器100は、前述した第1実施形態およびこの第2実施形態も含めて、所定の被覆体30と容器本体10の胴部16の外周面の本体構成シート材20とが非接合である領域を含む。これによって、容器の落下による衝撃が容器本体10(特に胴部16)に伝わり難い構成となっており、本体構成シート材20のシーラント層200の構成とこの構成とによって落下による容器本体10の破袋がし難くなっている。つまり落下耐性が向上したものとなっている。さらに、本実施形態に係るパウチ容器100は、被覆体30と容器本体10の胴部16の外周面の本体構成シート材20とが非接合である領域を含むことによって、容器外部からの突き刺しによる容器本体10の破袋もし難くなり易く、つまり突き刺し耐性もより向上したものとなり易い。
そして、この被覆体30と容器本体10とは、ヒートシール、超音波シール、接合剤(接着剤等)などにより接合されたものであって良い。また、リサイクルの際などにおいて容器本体10と被覆体30とを分離し易くなることから、被覆体30と容器本体10との接合部分の剥離強度(これらを剥離させるときに必要な強度)が、容器本体10における本体構成シート材20のシーラント層200どうしの接合部分の剥離強度(これらを剥離させるときに必要な強度)よりも小さい構成であると好ましい。そして、この構成において、被覆体30を容器本体10から分離したときに、容器本体10に被覆体30の一部がわずかに残存する(容器本体10への被覆体30の残存が、被覆体30の全質量の例えば10質量%未満、さらには5質量%未満となる)実施形態も包含されて良いが、特に、被覆体30を容器本体10に実質的に残存させない(残存が1質量%未満である)ように分離することが可能な構成であるとより好ましい。
そして、この第2実施形態も、前述したスカート部18などの部材等によって、少なくとも収容領域60に収容物が収容されて底面を下側にして載置面に設置された状態で自立可能なスタンディングパウチであるのが好ましい。また、前述したような2つの側部シール部11、底マチ部13、天マチ部14、開口部15等を備えるスタンディングパウチの実施形態であるのも好ましい。さらに、被覆体30が容器本体10の胴部16と部分的に接合している限りにおいて、前述した第1実施形態と同様の構成をこの第2実施形態でも採用することができる。
このような第1実施形態および第2実施形態を含む本実施形態に係るパウチ容器100を使用して、収容領域60に収容物が収容された容器詰め品を得ることができる。なお、前述した第1実施形態では、収容物が収容された状態においても、被覆体30は胴部16の外周面の本体構成シート材20に対して少なくとも一部が当接している。この容器詰め品に収容された収容物を使用する場合には、開口部15などからこの収容物をスクイズ操作等によって排出して使用する。パウチ容器100に収容する収容物の種類は、特に限定されないが、例えば、シャンプー、リンス、コンディショナー、ボディーソープ、洗顔料、洗剤、漂白剤、柔軟剤、飲料、食品、エンジンオイルなどが挙げられる。
また、この収容物は、液体(ペースト状のものを含む)であっても良いし、固体(例えば、粒状のもの(顆粒状のものを含む)、あるいは粉状のものなど)であっても良い。なお、本実施形態に係るパウチ容器100が液体の収容物を収容するための液体収容用パウチ容器であると、落下が要因の破袋による収容物(液体)の漏れなどが発生し難いものとなり易いため非常に好ましい。
収容物が液体である場合には、その粘度は、例えば30℃において1mPa・s以上であることが好ましく、そして、12万mPa・s以下であることが好ましく、6万mPa・s以下であることがより好ましい(いずれもB型粘度計(例えば東機産業社製ビスコメーターTV-10またはビスコメーターTVB-10など)により測定)。
〔本体構成シート材および被覆シート材の層構成〕
次に、本実施形態に係るパウチ容器100(容器本体10および被覆体30)を形成している本体構成シート材20および被覆シート材40の層構成について、図6から図8などを用いて詳細に説明する。なお、図6および図7では、便宜上、被覆シート材40(被覆体30)と本体構成シート材20(容器本体10)とを離して記載している。
まず、本実施形態に係るパウチ容器100の容器本体10を形成している本体構成シート材20は、熱可塑性樹脂により構成されたシーラント層200を含む樹脂シート材である。そして、本体構成シート材20の内面側どうしを対向させてシーラント層200どうしで接合されて製袋され、容器本体10となる。したがって、本体構成シート材20はシーラント層200により構成されているか、あるいは本体構成シート材20の最も内面側(容器内部側)にシーラント層200が配置されたものとなっている。なお、このシーラント層200は、その表面(例えば外面側の表面)や層間などに印刷層(オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等により形成された層など)、保護層(メジウム印刷層、ニスやセルロースナノファイバー(CNF)等がコーティングされたコーティング層、UV吸収層など)、無機層(アルミ箔など)等を含む実施形態であっても良い。しかしながら、容器本体10のリサイクル性向上という観点から、シーラント層200が印刷層、保護層、および無機層を含まない実施形態であるとより好適である。なお、この実施形態においても、無機酸化物(シリカ、アルミナなど)または金属(アルミなど)が樹脂フィルム層の表面に蒸着された蒸着フィルム層は含んでいても良い。
そして、本体構成シート材20が比較的薄肉でありながら、容器本体10を形成して被覆体30と組み合わせたときに落下耐性が向上したパウチ容器100となるようにするために、この本体構成シート材20のシーラント層200は、少なくともエチレン単位含有量が20~50モル%であり且つけん化度が90モル%以上であるエチレン-ビニルアルコール共重合体により構成されたEVOH層および密度が0.880g/cm3以上0.925g/cm3以下である直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンにより構成されたLLDPE層を含み且つ後述する所定の突き刺し強度、突き刺し伸度、および厚さを備える。つまり、このシーラント層200は、上記したEVOH層およびLLDPE層を含む複数の層が積層されて接合された複層構造(ラミネート構造)である。したがって、このEVOH層およびLLDPE層を含み且つ後述する所定の突き刺し強度、突き刺し伸度、および厚さを備える限りにおいて、他の熱可塑性樹脂により構成された層、例えば密度が0.940g/cm3以上である高密度ポリエチレン(例えば中低圧法高密度ポリエチレンなど、密度は例えば0.940g/cm3以上0.970g/cm3以下など)により構成されたHDPE層、密度が0.940g/cm3未満である低密度ポリエチレン(例えば高圧法低密度ポリエチレンなど)により構成されたLDPE層などをさらに含んでいても良い。また、少なくともこれらから選ばれる層どうしを接着することが可能な樹脂材料により構成された接着層をさらに含んでいても良い。接着性樹脂材料としては、例えば不飽和カルボン酸またはその無水物をオレフィン系重合体に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られるカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体を挙げることができ、中でも無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンが好ましい。さらには、上記したEVOH層またはLLDPE層を2層以上含む実施形態(例えば他の熱可塑性樹脂により構成された層を挟んで2層以上含む実施形態)であっても良い。なお、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶性ポリエチレンテレフタレート(非晶性PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等のポリエステル系樹脂、延伸ナイロン(ONy)、未延伸ナイロン(CNy)、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、MXD6等のポリアミド系樹脂などにより構成された層をさらに含んでいても構わないが、容器本体10のリサイクル性向上という観点から、このシーラント層200がポリオレフィン系樹脂により構成されているのがより好ましく、ポリエチレン系樹脂により構成されているのがさらに好ましい。つまり、ポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂により構成された層を含まない実施形態であるのがより好ましく、ポリエチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂により構成された層を含まない実施形態であるのがさらに好ましい。さらに、このシーラント層200がポリオレフィン系樹脂以外の材料を実質的に含まない実施形態であっても良く、ポリエチレン系樹脂以外の材料を実質的に含まない実施形態であっても良い。ここで、「実質的に含まない」とは、質量割合として1%未満であることを意味し、0.5%未満であることが好ましく、0.1%未満であることが最も好ましい。他においても同様である。
ポリオレフィン系樹脂としてはポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂が代表例として挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては上記したようなエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)だけでなく、密度が0.925g/cm3超0.940g/cm3未満である直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレン、これらのいずれかを延伸した一軸延伸ポリエチレン(OPE)、二軸延伸ポリエチレン(BOPE)、サトウキビの廃糖蜜などから製造されたバイオエタノールを脱水、重合することにより得られるバイオポリエチレン(BioPE)、マレイン酸等を用いてグラフト重合などで修飾(変性)した変性ポリエチレン(変性PE、例えば前述した無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンなど)等も挙げられる。なお、ポリオレフィン系樹脂により構成されている実施形態として、例えば、シーラント層200の最外層201がポリプロピレン系樹脂により構成された層であり、他はポリエチレン系樹脂により構成された層である実施形態などであっても良い。
LLDPE層を構成する所定の密度の直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンは、エチレンとα-オレフィンとを共重合させて製造される。α-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、4-メチル-1-ペンテンなどが挙げられ、炭素数4以上のα-オレフィンが好ましく、炭素数6以上のα-オレフィンがより好ましく、炭素数8以上のα-オレフィンがさらに好ましい。エチレンと共重合されるα-オレフィンの炭素数が比較的大きい場合に、突き刺し強伸度や引張強伸度といった種々の機械強度が特に向上する場合がある。
LLDPE層を構成する直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンの密度は、上記したように0.880g/cm3以上0.925g/cm3以下である。この密度が上記範囲内であると、得られるシーラント層200は柔軟でハンドリング性に優れ、突き刺し強伸度や引張強伸度といった種々の機械強度が向上する。この密度の下限は0.885g/cm3が好ましく、0.890g/cm3がより好ましく、0.895g/cm3がさらに好ましい。上限は0.920g/cm3が好ましく、0.915g/cm3がより好ましく、0.910g/cm3がさらに好ましい。
このLLDPE層としては、メタロセン触媒直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンにより構成されたmLLDPE層であることが好ましい。ここで、「メタロセン触媒直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレン」とは、メタロセンを触媒として用いてエチレンとα-オレフィンとを共重合させて製造された直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンである。メタロセン触媒を用いて重合された直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンは、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも1個以上有する、周期律表4族の遷移金属、好ましくはジルコニウムの化合物、有機アルミニウムオキシ化合物および必要により添加される各種成分から形成される触媒の存在下において、エチレンとα-オレフィンとを共重合することによって製造されるものである。このメタロセン触媒直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンは溶融成型性に優れ、得られるシーラント層200は柔軟性および機械強度のバランスに優れたものとなる。
このLLDPE層は、生産性向上(特に本体構成シート材20を袋状に製袋する際の非接合部の開口性向上)の観点から、アンチブロッキング剤またはスリップ剤を含有していても良い。特に、LLDPE層を構成する直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンの密度が0.910g/cm3未満である場合には、アンチブロッキング剤またはスリップ剤を含有することが好ましい。アンチブロッキング剤としては、シリカやゼオライトなどの無機粒子が例示され、平均粒子径(レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置によって測定される体積基準の平均粒子径(D50))が1~30μmで真球状に近いシリカ粒子が好ましい。スリップ剤としては脂肪酸アミドなどが例示され、ステアリン酸アミドなどの高級脂肪酸モノアミドが好ましい。そして、これらのうち少なくとも1つをこのLLDPE層の樹脂成分に対して例えば500ppm以上、さらには600ppm以上含有するのが好適である。
そして、このLLDPE層の厚さは20μm以上150μm以下であって良い。なお、この厚さは、シーラント層200がLLDPE層を2層以上含む場合には、その合計の厚さである。
また、このLLDPE層とともに含まれる上記したEVOH層は、エチレン単位含有量が25~40モル%であり且つけん化度が95モル%以上であるのがより好ましい。さらに、このEVOH層は、上記した効果に加えて、本体構成シート材20にガスバリア性を付与することができる。つまり、この本体構成シート材20に包囲された収容領域60に収容された収容物の香気成分(揮発成分)等が容器外部に抜けることなどを抑制することができる。なお、このガスバリア性は、限定されるものではないが、20℃65%RHにおいて100mL/m2・day・atm以下(MOCON社製 OX-TRAN2/21MLにより、JIS K7126に準拠した方法によって測定)であるのが好ましく、50mL/m2・day・atm以下であるのがより好ましく、10mL/m2・day・atm以下であるのがさらに好ましく、5mL/m2・day・atm以下であるのがさらに好ましい。
そして、このEVOH層の厚さは5μm以上20μm以下であって良い。なお、この厚さは、シーラント層200がEVOH層を2層以上含む場合には、その合計の厚さである。
さらに、この本体構成シート材20のシーラント層200は、前述したように、突き刺し強度が6N以上であり、突き刺し伸度が8mm以上であり、さらに厚さ(表面や層間に形成された蒸着層や接着層なども含めたシーラント層200全体の厚さ、例えば図6および図7のD)が200μm以下となっている。このようなシーラント層200を含む本体構成シート材20により形成された容器本体10を含む本実施形態に係るパウチ容器100は、突き刺し強度および突き刺し伸度がいずれも高い容器本体10のシーラント層200と後述する被覆体30との相乗効果により、比較的薄肉のシート材により形成された容器本体10を備えながら落下耐性が向上したものとなる。さらに、パウチ容器100の突き刺し耐性も向上したものとなり易い。
この突き刺し強度および突き刺し伸度は、いずれもJIS Z 1707:2019に準拠した突き刺し試験により測定されるものである。具体的には、図8に示されるように、先端がφ1mm、角R0.5mmの金属針(突き刺し棒600)を突き刺し速度50mm/minとしてシーラント層200(シート材サンプル602)に突き刺し、突き刺し棒600がシート材サンプル602を貫通するときの最大荷重が突き刺し強度(N)であり、この突き刺し強度の測定時(最大荷重負荷時)のシーラント層200の伸び(金属針600が接するシート材サンプル602の部分が、金属針600が接する前の位置から貫通するまでに伸びた直線距離、図8のL)が突き刺し伸度(mm)である。
なお、この本体構成シート材20のシーラント層200の突き刺し強度は7N以上であるのがより好ましく、8N以上であるのがさらに好ましい。また、突き刺し伸度は9mm以上であるのがより好ましく、10mm以上であるのがさらに好ましく、11mm以上であるのがさらに好ましい。いずれも落下耐性がより向上したパウチ容器100を得ることができるからである。さらに、厚さDは、プラスチック材料使用量低減の観点から、180μm以下であるのがより好ましく、150μm以下であるのがさらに好ましく、120μm以下であるのがさらに好ましい。容器本体10を形成している本体構成シート材20のシーラント層200がこのような薄肉であっても、後述する被覆体30との相乗効果により、得られるパウチ容器100の落下耐性が高度に維持される。また、突き刺し耐性も高度に維持され易い。この厚さの下限は40μm以上であって良く、60μm以上であって良く、80μm以上であって良い。
そして、この本体構成シート材20のシーラント層200は、このシーラント層200における最も外面側に配置された最外層201(製袋時において熱可塑性樹脂により構成された層のうち最も容器外部側に配置されている層、図6参照)を構成している熱可塑性樹脂の示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が、シーラント層200における最も内面側に配置された最内層205(製袋時において熱可塑性樹脂により構成された層のうち最も容器内部側に配置されている層、図6参照)を構成している熱可塑性樹脂の示差走査熱量計(DSC)により測定される融点よりも10℃以上、より好ましくは15℃以上、さらに好ましくは20℃以上高い実施形態であるのが好適である。本体構成シート材20を製袋して容器本体10を形成する際に、ヒートシールによる製袋作業性がより向上するからである。例えば、最内層205として上記したmLLDPE層(示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が95℃以上105℃以下程度)を配置した場合には、最外層201としてHDPE層(示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が125℃以上135℃以下程度)や、メタロセン触媒以外で重合された密度が0.880g/cm3以上0.925g/cm3以下である直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンにより構成されたLLDPE層(示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が110℃以上120℃以下程度)などを配置すると好適である。ヒートシールにより製袋を行う場合のヒートシール条件は、本体構成シート材20のシーラント層200を構成する熱可塑性樹脂の特性などによって適宜設定が可能であるが、例えば前述と同様の条件が例示される。
さらに、この本体構成シート材20のシーラント層200が上記したEVOH層およびLLDPE層に加えて上記したHDPE層をさらに含む実施形態であると、その突き刺し強度がより高まり易く、加えて水分バリア性も高まり易いため好適である。
また、この本体構成シート材20のシーラント層200が上記したEVOH層およびLLDPE層に加えて上記したHDPE層をさらに含む実施形態である場合において、このHDPE層が、シーラント層200における最も外面側に配置された最外層201であると、つまりシーラント層200の最外層201にHDPE層が配置されている(最外層201がHDPE層である)と、その突き刺し強度がより高まり易く、水分バリア性も高まり易いだけでなく、シーラント層200の最も内部側に配置された最内層205を構成している熱可塑性樹脂との融点差を10℃以上とし易いためより好ましい。なお、この最外層201としてメタロセン触媒以外で重合された密度が0.880g/cm3以上0.925g/cm3以下である直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンにより構成されたLLDPE層を配置した場合でも、最内層205を構成している熱可塑性樹脂との上記した融点差を10℃以上とし易いため好適である。
そして、この本体構成シート材20のシーラント層200は、その突き刺し強度および突き刺し伸度がいずれもより高まり易くなることなどから、シーラント層200における最も内面側に配置された最内層205が上記したLLDPE層である実施形態、つまり最内層205にLLDPE層が配置されている実施形態であるのがより好適である。特に、最内層205に上記したmLLDPE層が配置されている実施形態であるのがさらに好適であり、最内層205にmLLDPE層を配置した場合には、最外層201として上記したようなHDPE層やmLLDPE層以外のLLDPE層を配置すると、上記した融点差も10℃以上とし易い。
さらに、この本体構成シート材20のシーラント層200は、上記したEVOH層がポリエチレンにより構成された層に挟まれて配置されている実施形態であると、シーラント層200の成形(ラミネートなど)がし易いため好適である。なお、このEVOH層を挟む2つの層を構成するポリエチレンとしては、上記したようなLLDPE(mLLDPEを含む)、HDPE、LDPE、OPE、BOPE、BioPE、変性PEなどが例示される。つまり、EVOH層がこれらからなる群から選ばれる少なくとも1つにより構成された2つの層に挟まれて配置されている実施形態であるのが好ましく、例えばEVOH層がHDPE層とmLLDPE層とに挟まれて配置されている実施形態や、EVOH層がメタロセン触媒以外で重合された密度が0.880g/cm3以上0.925g/cm3以下である直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンにより構成されたLLDPE層とmLLDPE層とに挟まれて配置されている実施形態、EVOH層が2つのmLLDPE層に挟まれて配置されている実施形態などであって良い。特に、落下耐性およびガスバリア性の観点から、EVOH層が2つのmLLDPE層に挟まれて配置されている実施形態であるのがより好適である。
本体構成シート材20は、上記したようなシーラント層200を含む限り、シーラント層200よりも外面側に、熱可塑性樹脂により構成された基材となる層をさらに含んでいても良い。例えば、図7に示すような、本体構成シート材20が、熱可塑性樹脂により構成され且つシーラント層200よりも外面側(本体構成シート材20の外面側、本体構成シート材20を用いてパウチ容器100を構成するときにシーラント層200よりも容器外部側となる位置)に配置されて接合された基材層210をさらに含む実施形態などであっても良い。基材層210は、シーラント層200の外面側に配置されて接合された基材となる層(表基材層)であり、この基材層210によって本体構成シート材20全体(容器本体10)の突き刺し強度や水分バリア性などをより高めることができる。あわせて、パウチ容器100の自立性や把持性などをより高めることもでき、さらに本体構成シート材20の製袋時のヒートシール性を高めることもできる。そして、この実施形態においても、収容領域を包囲している本体構成シート材20は基材層210よりも内面側にシーラント層200が配置されているため、シーラント層200による落下耐性向上などの効果は十分に発揮される。基材層210は、限定されるものではないが、上記した突き刺し強度および水分バリア性がいずれもより高まることから、少なくとも一軸方向に延伸された層または二軸方向にそれぞれ延伸された層であるのがより好ましく、高密度ポリエチレンにより構成された一軸延伸HDPE層または二軸延伸HDPE層であるのがさらに好ましく、二軸延伸HDPE層であるのが特に好ましい。一軸延伸の延伸倍率としては、限定されるものではないが、一軸方向(例えばMD方向)に3倍以上12倍未満であることが好ましく、二軸延伸の延伸倍率としては、二軸方向(例えばMD方向およびTD方向)にそれぞれ3倍以上12倍未満であることが好ましい。また、これらがHDPE層の場合には、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が128℃以上である高密度ポリエチレンを主成分とすることが好ましい。ここで「主成分」とは、50質量%超であることを意味する。そして、このHDPE層は、上記した融点を有する高密度ポリエチレンを含む割合が70質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、95質量%以上であるのがさらに好ましく、上記した融点を有する高密度ポリエチレンからなっていても良い。このような構成によって、本体構成シート材20全体の突き刺し強度を8N以上、さらには9N以上や10N以上とすることもできる。なお、この突き刺し強度は、測定するシート材サンプル602としてシーラント層200単独ではなく基材層210およびシーラント層200を含む本体構成シート材20全体を使用する以外は前述と同じ方法により測定されるものである。また、本体構成シート材20が基材層210を含む実施形態において、シーラント層200の厚さDだけでなく本体構成シート材20全体の厚さを200μm以下としても上記効果は十分に発揮されるため、この基材層210を含む実施形態において本体構成シート材20全体の厚さを200μm以下、さらには180μm以下、さらには150μm以下としても良い。
ここで、リサイクル性などの観点からは本体構成シート材20が全体として熱可塑性樹脂により構成されたものであるのが好ましいため、上記した基材層210などの、シーラント層200の外面側に配置された基材となる層も熱可塑性樹脂により構成されているのが好ましい。また、シーラント層200も基材となり得る層であるため、本体構成シート材20がシーラント層200により構成されている(シーラント層200以外の基材となる層を含まない)実施形態であっても良く、このような構成であるとシーラント層200による落下耐性および突き刺し耐性の効果がより向上したものとなり易い。
さらに、本体構成シート材20が上記した基材層210を含む実施形態において、基材層210とシーラント層200との剥離強度(接合されている基材層210とシーラント層200の最外層との剥離強度)が、シーラント層200に含まれる層どうしの剥離強度(積層および接合されているEVOH層およびLLDPE層を含む各層どうしの剥離強度)よりも小さい構成であるのがより好適である。パウチ容器100が落下した際に、その衝撃によって基材層210とシーラント層200との接合の方がシーラント層200の積層および接合よりも剥離し易くなっているため、シーラント層200による効果が落下時においてより発揮され易くなり、パウチ容器100の落下耐性がより高まり易いからである。
このような構成としては、限定されるものではないが、本体構成シート材20のシーラント層200は複数の層が共押出成形されて積層および接合された共押出積層フィルム層であり、本体構成シート材20の基材層210とシーラント層200とがドライラミネート接着層301により接合されている(ドライラミネートフィルム層である)実施形態が例示される。特に、パウチ容器100の落下耐性だけでなく、水分バリア性や突き刺し耐性、ヒートシール性などもより好ましくなることから、基材層210が一軸延伸HDPE層または二軸延伸HDPE層であり、この一軸延伸HDPE層または二軸延伸HDPE層が共押出積層フィルム層であるシーラント層200とドライラミネート接着層301により接合されている実施形態がより好適である。
ここで、「共押出積層フィルム層」とは、各層に用いる各樹脂または樹脂混合物を、それぞれ別々の押出機で加熱溶融させ、必要に応じて厚さが10μm未満のアンカー層(接着層)を積層間に用いながらフィルム状に共押出成形されて積層および接合された多層フィルム層である。また、「ドライラミネートフィルム層」とは、接合させる層の各面の少なくとも一方の面に、溶剤により希釈された接着剤(ドライラミネート接着剤)をコーティング後に乾燥することによって溶剤を揮発させてドライラミネート接着層301を形成し、これらを積層させて、必要であれば加熱または加圧をして、このドライラミネート接着層301により接合させた多層フィルム層である。ドライラミネート接着剤としては、2液反応型ポリウレタン系接着剤が好ましく用いられる。
このような構成である本体構成シート材20は、比較的薄肉でありながら、容器本体10を形成して被覆体30と組み合わせたときに落下耐性が向上したものとなる。そして、この本体構成シート材20は、公知の積層フィルム製造法により成形することができるが、その生産性向上という観点から、この本体構成シート材20が、インフレーション成形またはTダイキャスト成形により成形されたフィルム(例えば延伸積層フィルム、無延伸の共押出積層フィルム、ラミネーションフィルム、またはこれらから選ばれる2以上の組み合わせなど)であるとより好ましい。
ここで、「インフレーション成形」とは、丸型のダイ(金型)から溶融樹脂をフィルム状に押し出すと同時に空気を吹き込んで袋状とする成形方法である。また、「Tダイキャスト成形」とは、T型のダイ(金型)から溶融樹脂をフィルム状に押し出す成形方法である。そして、「延伸積層フィルム」とは、シート材に用いる各樹脂フィルム層または樹脂混合物が延伸(例えば一軸延伸や二軸延伸)されながら積層された積層樹脂フィルムであり、「無延伸の共押出積層フィルム」とは、シート材に用いる各樹脂フィルム層を構成する樹脂がそれぞれ別々に加熱溶融され、必要に応じて層厚さが10μm未満のアンカー層(接着層)を積層間に用いながらフィルム状に共押出成形されて延伸されることなく積層された積層樹脂フィルムであり、「ラミネーションフィルム」とは、シート材に用いる各樹脂フィルム層がヒートシールや接着層などによって積層された積層樹脂フィルムである。
一方、本実施形態に係るパウチ容器100の被覆体30を形成している被覆シート材40は、紙層401により構成されている紙シート材である。なお、この紙層401により構成された被覆シート材40も、その表面や層間などに印刷層、保護層(例えばニスなどのコーティング層)等を含む構成であっても良い。
そして、この紙層401により構成された被覆シート材40は、突き刺し強度が6N以上となっている。なお、この突き刺し強度は8N以上であるのが好ましく、9N以上であるのがより好ましく、10N以上であるのがさらに好ましい。ここで、この突き刺し強度は、測定するシート材サンプル602として被覆シート材40を使用する以外は前述と同じ方法により測定されるものである。また、紙層401が複数の紙層が連続して積層された複層構造である場合には、この複層構造全体(被覆シート材40全体)として突き刺し強度が6N以上となっていれば良い。
さらに、この紙層401の坪量は、限定されるものではないが、コストなどの観点から300g/m2以下であるのが好ましく、280g/m2以下であるのがより好ましく、250g/m2以下であるのがさらに好ましい。この下限は、50g/m2以上であって良く、70g/m2以上であって良い。また、紙層401の厚さは、これも限定されるものではないが、容器体積の観点などから、2mm以下であるのが好ましく、1.5mm以下であるのがより好ましく、1mm以下であるのがさらに好ましい。この下限は、0.1mm以上であって良く、0.3mm以上であって良い。しかしながら、本実施形態では、坪量300g/m2以下である厚さ2mm超の紙層401(例えば空隙を多く含む紙層など)であっても構わない。
紙層401を構成している紙材としては、上記突き刺し強度を満たすようにすることができるものとして、例えば、伸張紙(クレープ紙など)、ケント紙等が挙げられる。そして、その原料としては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)あるいは針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)に代表される針葉樹由来のパルプや広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)に代表される広葉樹由来のパルプ等の木材パルプ、綿パルプや麻パルプ等の非木材パルプ、キュプラやレーヨン等の再生セルロース繊維などが挙げられる。耐久性の観点から、この紙層401は、NBKPまたはNUKPを原料として用いた紙材により構成されたものであるのが好ましく、特に、これらのうち繊維長が比較的長いもの(例えば繊維長が0.5mm以上であるNBKPまたはNUKP)を原料として用いた紙材により構成されたものであるのがより好ましい。
このような紙層401により構成された被覆シート材40は、前述した本体構成シート材20により形成された容器本体10を被覆する被覆体30の形成に用い且つ前述したような構成とすることによって、得られるパウチ容器100(容器本体10と被覆体30とにより構成されたパウチ容器100)は落下耐性が向上したものとなる。また、突き刺し耐性も向上したものとなり易い。そして、この被覆シート材40は、公知の紙シート材製造法などにより得ることができるが、その生産性向上という観点から、この被覆シート材40の紙層401が、抄紙機により連続的に成形された紙材により構成されているとより好ましい。
そして、被覆シート材40だけでなく、本実施形態に係るパウチ容器100の生産性向上という観点から、本体構成シート材20が前述したインフレーション成形またはTダイキャスト成形により成形されたフィルムであり、且つこの被覆シート材40の紙層401が抄紙機により連続的に成形された紙材により構成されていると非常に好ましい。
ここで、図6および図7を用いて本実施形態に係るパウチ容器100の本体構成シート材20および被覆シート材40を構成する各層の具体例についてさらに詳しく説明する。
本実施形態に係るパウチ容器100の本体構成シート材20および被覆シート材40は、前述した構成を満たす範囲内において、容器本体10や被覆体30を形成したときに求められる特性や、収容物の種類などに応じて各種変形が可能である。例えば、本体構成シート材20は、図6に示されるような5層構造のシーラント層200により構成されていて良い。この図6の実施形態では、最も外面側に配置された最外層201(層1)と中央に配置された中央層203(層3)とが接着性の熱可塑性樹脂により構成された接着層202(層2)によって接合され、さらにこの中央層203(層3)と最も内面側に配置された最内層205(層5)とが接着性の熱可塑性樹脂により構成された接着層204(層4)によって接合されている。なお、最内層205としてmLLDPE層を配置するのが好ましく、また中央層203としてEVOH層を配置するのが好ましい。さらに、最外層201としてはmLLDPE層、HDPE層、またはメタロセン触媒以外で重合された密度が0.880g/cm3以上0.925g/cm3以下である直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンにより構成されたLLDPE層のいずれかを配置するのが好ましい。特に、最内層205がmLLDPE層であり且つ最外層201がHDPE層であるとより好適である。また、接着層202、204としては、マレイン酸等を用いてグラフト重合などで修飾(変性)した変性ポリエチレン(変性PE、例えば無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンなど)により構成された層などが好ましい例として示される。特に、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンにより構成された接着層は、EVOH層とLLDPE層(mLLDPE層を含む)とを接着させる場合に非常に好適である。
そして、この図6の実施形態のように、EVOH層がLLDPE層またはHDPE層から選ばれる2層に挟まれて配置されている実施形態であるとより好適であり、特にEVOH層がmLLDPE層に挟まれて配置されている実施形態であるとさらに好適である。ここで、「2層に挟まれて配置」とは、特定の2つの熱可塑性樹脂層の間に積層されて配置されていることであり、この2つの熱可塑性樹脂層の間にさらに別の熱可塑性樹脂層(例えば接着層など)が含まれていても良い。他においても同様である。
また、この図6の実施形態において、例えばシーラント層200の最外層201の表面に保護層などがさらに形成されている実施形態であっても良い。
また、本体構成シート材20は、例えば図7に示されるような実施形態であっても良い。この図7の実施形態では、図6と同じ構成のシーラント層200が内面側(容器本体10を形成するときの収容領域側)に配置され、この外面側に基材層210が積層されて、ドライラミネート接着層301によってシーラント層200(最外層201)と接合されている。つまり、本体構成シート材20がシーラント層200と基材層210とを含む構成となっている。この実施形態においても、シーラント層200の各層は図6の実施形態と同様であるのが好ましい。そして、基材層210は前述したように少なくとも一軸方向に延伸された層または二軸方向にそれぞれ延伸された層であるのが好ましく、一軸延伸HDPE層または二軸延伸HDPE層であるのがより好ましく、二軸延伸HDPE層であるのが特に好ましい。また、この基材層210の表面に保護層などがさらに形成されている実施形態などであっても良い。
さらに、被覆シート材40は、図6および図7に示されるような紙層の単層構造であっても良く、その突き刺し強度が所定以上となっていれば、同じ種類や異なる種類の紙材により構成された紙層が複数連続して積層された複層構造であっても構わない。なお、前述した本体構成シート材20のシーラント層200についても、図6および図7のような5層構造に限定されるものではなく、上記したEVOH層およびLLDPE層を含み且つ所定の突き刺し強度および突き刺し伸度を有し所定の厚さ以下である限り、4層構造、6層構造、7層構造などであっても良い。本体構成シート材20の基材層210についても、図7のような単層構造に限定されない。
また、この図6および図7の実施形態において、被覆シート材40の表面にも保護層などがさらに形成されている実施形態であっても良い。
そして、上記のような本体構成シート材20を用いて、例えば次のような方法により容器本体10を作製することができる。まず、この本体構成シート材20を、前面構成シート部21と、後面構成シート部23と、底面構成シート部22と、を含む領域で、最外層201が最内層205よりも外側(容器外部側)に配置されるようにして容器本体10の形状に折り畳んで、その周縁部のシーラント層200どうしの少なくとも一部をヒートシールなどによって接合して側部シール部11などを形成しながら本体構成シート材20が収容領域60を包囲するように製袋し、カットする。そして、側部シール部11の下部側に、前述したような構成の前側下部スカートシート18bおよび後側下部スカートシート18cを形成し、この前側下部スカートシート18bと後側下部スカートシート18cとの側縁部どうしをヒートシールなどによって接合してスカートシール部18aを形成して前述したような構成のスカート部18を形成し、さらに必要であれば開口部15であるスパウトなどを設け、不要な部分を切除することによって容器本体10とする(図4および図5参照)。
一方で、上記のような被覆シート材40を用いて、例えば次のような方法により被覆体30を作製して本実施形態のパウチ容器100を作製することができる。まず、被覆シート材40を所定の形状(少なくとも前面被覆部31および後面被覆部32を含む形状)にカットし、必要であれば開口部15を挿通する挿通孔46や糊付部41などを形成して、上記した容器本体10に巻き付けるように被覆して糊付けなどをして被覆体30を形成し、必要であれば容器本体10と被覆体30との部分的な接着を行って本実施形態のパウチ容器100とする(図1から図3参照)。
なお、この被覆体30と容器本体10とが組み合わされて構成されている領域(胴部16などの被覆シート材40と本体構成シート材20とが重なっている領域)では、その突き刺し強度が10N以上、さらには12.5N以上、さらには14N以上となるようにすることができる。そして、前述したように、このパウチ容器100は落下耐性が向上している。ここで、この突き刺し強度は、測定するシート材サンプル602として被覆シート材40と本体構成シート材20とが重なっている複合シート材を使用する以外は前述と同じ方法により測定されるものである。
〔パウチ容器のリサイクル〕
次に、本実施形態に係るパウチ容器100のリサイクルについて、詳細に説明する。
収容された収容物を使い切った本実施形態に係るパウチ容器100は、必要に応じて押しつぶされ、回収される。そして、その回収前あるいは回収後に、被覆体30が容器本体10と分離される。なお、前述したスパウトを有するパウチ容器100の場合には、このスパウトも容器本体10から分離しても良い。そして、得られた容器本体10は、必要に応じて収容領域60の洗浄などが行われる。
次に、この得られた容器本体10を用いて、リサイクル材料であるリサイクル樹脂(樹脂ペレット等)を形成する。例えば、この容器本体10あるいはその細断物(洗浄された細断物など)を溶融し、押出や圧偏などを行うことによって樹脂ペレット(リサイクル樹脂ペレット)を形成することができる。
なお、新しい樹脂原料(バージン樹脂原料)を主原料として使用し、これに前述した容器本体10またはその細断物の溶融物を混合してリサイクル樹脂を形成しても良いが、例えばこの容器本体10を形成している本体構成シート材20のシーラント層200がポリエチレン系樹脂により構成されている場合には、容器本体10を主原料として使用しても品質が高いリサイクル材料を得ることができるため非常に好適である。
ここで、この「主原料」とは、リサイクル樹脂形成原料中の割合が50質量%超であることを意味し、60質量%以上であっても良く、70質量%以上であっても良く、80質量%以上であっても良く、90質量%以上であっても良く、95質量%以上であっても良く、100質量%であっても良い。
そして、得られたリサイクル樹脂を用いて、例えば本実施形態に係るパウチ容器100の容器本体10を形成している本体構成シート材20の一部を形成することができる。なお、このリサイクル樹脂を用いる場合には、本体構成シート材20のうち、収容物と直接接しない層を形成する(例えば、図7の実施形態におけるシーラント層200の最外層201や基材層210、あるいはこの基材層210のさらに外部側に配置される樹脂層等を形成する)のが好ましい。このようにして得られたリサイクルフィルム層を含む本体構成シート材20により形成された容器本体10は、収容物がこのリサイクルフィルム層に直接接しないため、リサイクルフィルム層中に不純物が少量含まれていたとしても、この不純物が収容物に移行し難く好適である。また、上記リサイクル樹脂を用いて、本実施形態に係るパウチ容器100とは別のパウチ容器の少なくとも一部を形成することもでき、別の樹脂製品の少なくとも一部を形成することもできる。
さらに、被覆体30(被覆シート材40)を構成している紙層401についても、再生紙にリサイクルを行っても良い。その場合、例えば、分離された紙層401を含む被覆体30に温水、薬品当を加え、粗く溶解させ、一定時間保持し、その後の工程でスクリーンセパレーターなどを用いて紙材以外の材料を除去し、必要であれば液状となったパルプ原料から気泡や薬剤などを用いた脱墨工程等によって印刷原料(染料、顔料等)を取り除き、さらに殺菌、漂白などを行い、得られたパルプを用いて再生紙を製造する方法などを採用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例にも限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
下記表1上段に示す被覆シート材と、下記表1中段に示す本体構成シート材と、を組み合わせて複合シート材(被覆シート材と本体構成シート材とが積層された複合シート材)およびパウチ容器(本体構成シート材により形成された容器本体の開口部を除く全面を、被覆シート材により形成されたスリーブ状の被覆体により覆った、容器本体と被覆体とが全体として非接合で、被覆体の一部と胴部とが当接しているパウチ容器)のサンプルを作製した。なお、下記表1中においては、メタロセン触媒直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンをmLLDPE、メタロセン触媒以外で重合された直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンを単にLLDPEと記載している。
なお、各サンプルに用いた被覆シート材はいずれも下記表1上段に示される紙層からなるものであり、下記表1上段の坪量および突き刺し強度は、この紙層からなる被覆シート材に関するデータである。
また、各サンプルに用いた本体構成シート材は、サンプル1-1およびサンプル2~11については、下記表1中段に示されるような、ポリエチレン系樹脂により構成された層1~5が図6のように積層されて共押出により接合された共押出積層フィルム層であるシーラント層からなるものである。サンプル1-2およびサンプル1-3については、ポリエチレン系樹脂により構成された層1~5が積層されて共押出により接合された共押出積層フィルム層であるシーラント層と、下記表1中段に示される中低圧法高密度ポリエチレンにより構成された基材層(サンプル1-2はハイブロンP25(一軸延伸HDPE、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が132℃:東京インキ社製)、サンプル1-3は25HD200(二軸延伸HDPE、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が130℃:Jindal Poly Films Ltd.社製))と、が図7のように積層されてドライラミネート接合されたものである。
そして、シーラント層の層3はいずれのサンプルもエチレン-ビニルアルコール共重合体により構成されたEVOH層(EVAL(登録商標) F171B:クラレ社製、エチレン単位含有量32モル%、けん化度99.9モル%以上)であり、層2および層4はいずれのサンプルも接着性ポリエチレンである無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン(下記表1中では無水マレイン酸変性PEと表記)により構成された接着層(Admer(登録商標) NF518:三井化学社製)である。
さらに、シーラント層の層5は、サンプル1-1~1-3、サンプル2~3、サンプル5~8、およびサンプル11についてはいずれもメタロセン触媒直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンにより構成されたmLLDPE層である。具体的には、サンプル1-1~1-3、サンプル5~8、およびサンプル11の層5のmLLDPE層はいずれもEvolue(登録商標) SP0510(エチレンと1-ヘキセンとの共重合体、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が98℃、密度0.903g/cm3:プライムポリマー社製)、サンプル2の層5のmLLDPE層はElite(登録商標) AT6101(エチレンと1-オクテンとの共重合体、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が101℃、密度0.905g/cm3:ダウ・ケミカル社製)、サンプル3の層5のmLLDPE層はEvolue(登録商標) SP1510(エチレンと1-ヘキセンとの共重合体、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が118℃、密度0.915g/cm3:プライムポリマー社製)である。また、サンプル4および9の層5は、中低圧法直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンにより構成されたLLDPE層である。具体的には、サンプル4の層5のLLDPE層はノバテック(登録商標)LL UF240(エチレンと1-ブテンとの共重合体、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が123℃、密度0.920g/cm3):プライムポリマー社製)、サンプル9の層5のLLDPE層はノバテック(登録商標)LL UF943(エチレンと1-ブテンとの共重合体、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が127℃、密度0.938g/cm3):日本ポリエチレン社製)である。さらに、サンプル10の層5は、高圧法低密度ポリエチレンにより構成されたLDPE層であり、具体的には、ノバテック(登録商標)LD LJ400(示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が108℃、密度0.921g/cm3):日本ポリエチレン社製)である。なお、サンプル2~4およびサンプル9~10を除いて、シーラント層の層5には、スリップ剤としてステアリン酸アミドが樹脂成分に対して800ppm添加されている。
そして、シーラント層の層1は、サンプル5およびサンプル6以外はいずれも層5と同じ構成の層であり、サンプル5の層1は中低圧法直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンにより構成されたLLDPE層(ULT-ZEX(登録商標) 1520L(エチレンと1-ヘキセンとの共重合体、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が115℃、密度0.914g/cm3):プライムポリマー社製)、サンプル6の層1は中低圧法高密度ポリエチレンにより構成されたHDPE層(HI-ZEX(登録商標) 5000SR(示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が131℃、密度0.954g/cm3):プライムポリマー社製)である。
なお、下記表1中段の厚さ、突き刺し強度、および突き刺し伸度は、これらの本体構成シート材サンプル(サンプル1-2およびサンプル1-3は基材層を含む構成)としてのデータである。したがって、サンプル1-2およびサンプル1-3のシーラント層は、シーラント層としてはサンプル1-1やサンプル7、8、11と同じ構成であるため、これらのシーラント層としての厚さ、突き刺し強度、および突き刺し伸度は、サンプル1-1やサンプル7、8、11のデータと同じと言える。
そして、下記表1に示す組み合わせで、これら被覆シート材を本体構成シート材の層1が配置されている側に積層して複合シート材とし、この複合シート材の突き刺し強度を測定した。
また、下記表1に示す組み合わせで、この本体構成シート材を用いて層5が容器内部側(収容領域側)に配置されるように容器本体を形成し、さらに被覆シート材を用いてスリーブ状の被覆体を形成してこの容器本体を被覆し、パウチ容器とした。そして、内部(収容領域)に水を収容して密封し、落下テストを実施した。
これらの突き刺し強度は、突き刺し方向を本体構成シート材は層1側から、複合シート材は被覆シート材側からとしてJIS Z 1707:2019に準拠した突き刺し試験により測定した。被覆シート材のみでの突き刺し方向も複合シート材の測定時と同じ面からとした。具体的には、図8に示すように、まず測定装置の上部の設置盤に突き刺し棒(図8の符号600)の付いた治具を設置し、上昇台には各シート材サンプル(図8の符号602)を固定した。そして、各シート材サンプルの露出している表面の略中央部が突き刺し棒の先端に当たるように位置を調整した。なお、突き刺し棒は先端がφ1mm、角R0.5mmの金属針とし、上昇台の上昇速度(突き刺し速度)は50mm/minとした。そして、上昇台を上昇させて突き刺し棒が各シート材サンプルを貫通するまでの最大荷重である突き刺し強度(N)を測定した(図8のN)。
なお、本体構成シート材の突き刺し伸度は、この突き刺し強度の測定時(最大荷重負荷時)の本体構成シート材の伸び(mm)を測定したものであり、より具体的には、金属針が接する本体構成シート材の部分が、金属針が接する前の位置から貫通するまでに伸びた直線距離である(図8のL)。
さらに、落下耐性は、内部(収容領域)に水を収容して密封した各パウチ容器を5つ用意し、これらを1mの高さから落下させて(N=5)、破袋が1回も起こらなかったものを〇、破袋が1~2回発生したものを△、破袋が3回以上発生したものを×として評価した。
この各複合シート材の突き刺し強度、および各パウチ容器の落下耐性評価についても下記表1下段に示した。
この結果から、紙層からなり突き刺し強度が6N以上である被覆シート材と、突き刺し強度が6N以上であり且つ突き刺し伸度が8mm以上である、エチレン単位含有量が32モル%であり且つけん化度が99.9モル%以上であるEVOH層および密度が0.880g/cm3以上0.925g/cm3以下であるLLDPE層を含む厚さ100μm以下のシーラント層を含む本体構成シート材と、を組み合わせた複合シート材およびパウチ容器(サンプル1-1~1-3、サンプル2~8)は、パウチ容器の落下耐性が向上し、さらに複合シート材の突き刺し強度も11N超と高かった。なお、前述した構成の基材層を含む本体構成シート材を用いたサンプル1-2およびサンプル1-3は、本体構成シート材としての突き刺し伸度はやや低下するものの、シーラント層の構成によって落下耐性は保たれており、特に前述した二軸延伸HDPE層を基材層として含むサンプル1-3の落下耐性はより高度に保たれていた。つまり、本体構成シート材のシーラント層が上記したような構成であれば、所定の被覆体との組み合わせによって、落下耐性が向上した可撓性のパウチ容器を得られることが示された。
一方、本体構成シート材のシーラント層に密度が0.880g/cm3以上0.925g/cm3以下であるLLDPE層を含まないサンプル9およびサンプル10は形成されたパウチ容器の落下耐性が低く、また被覆シート材が突き刺し強度6N未満であるサンプル11は得られる複合シート材の突き刺し強度が10N未満と低いものであった。
Figure 2024068520000002
10 容器本体
11 側部シール部
13 底マチ部
14 天マチ部
15 開口部
16 胴部
18 スカート部
18a スカートシール部
18b 前側下部スカートシート
18c 後側下部スカートシート
20 本体構成シート材
21 前面構成シート部
22 底面構成シート部
23 後面構成シート部
24 天面構成シート部
26 スカートシート構成領域
30 被覆体
31 前面被覆部
32 後面被覆部
33 天面被覆部
34 底面被覆部
40 被覆シート材
41 糊付部
43 接合部
46 挿通孔
50 キャップ
60 収容領域
100 パウチ容器
200 シーラント層
201 最外層(層1)
202 接着層(層2)
203 中央層(層3)
204 接着層(層4)
205 最内層(層5)
210 基材層
301 ドライラミネート接着層
401 被覆シート材の紙層
600 突き刺し棒(金属針)
602 シート材サンプル

Claims (15)

  1. 本体構成シート材が内部に収容領域を有するように製袋されて形成された、前面、後面、および底面を有する容器本体と、被覆シート材により形成された、前記容器本体を覆っている被覆体と、を備える可撓性のパウチ容器であって、
    前記本体構成シート材は熱可塑性樹脂により構成されたシーラント層を含み、前記本体構成シート材の内面側どうしを対向させて前記シーラント層どうしで接合されて製袋されており、
    前記シーラント層は、エチレン単位含有量が20~50モル%であり且つけん化度が90モル%以上であるエチレン-ビニルアルコール共重合体により構成されたEVOH層および密度が0.880g/cm3以上0.925g/cm3以下である直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンにより構成されたLLDPE層を含む複数の層が積層されて接合されており、さらに、突き刺し強度が6N以上、突き刺し伸度が8mm以上、および厚さが200μm以下であり、
    前記被覆シート材は、紙層により構成され且つ突き刺し強度が6N以上であり、
    前記被覆体は、少なくとも前記容器本体の前記前面および前記後面を構成している胴部の軸周りの全周を覆っているとともに、前記胴部の外周面の前記本体構成シート材に対して非接合で当接しているか、あるいは前記胴部の外周面の前記本体構成シート材に部分的に接合されている、パウチ容器。
  2. 前記LLDPE層が、メタロセン触媒直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンにより構成されたmLLDPE層である、請求項1に記載のパウチ容器。
  3. 前記本体構成シート材は、熱可塑性樹脂により構成され且つ前記シーラント層よりも外面側に配置されて接合された基材層を含む、請求項1または2に記載のパウチ容器。
  4. 前記基材層が、少なくとも一軸方向に延伸された層である、請求項3に記載のパウチ容器。
  5. 前記基材層が、二軸方向にそれぞれ延伸された層である、請求項3に記載のパウチ容器。
  6. 前記基材層が、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が128℃以上である高密度ポリエチレンを主成分とする層である、請求項3~5のいずれか1項に記載のパウチ容器。
  7. 前記基材層と前記シーラント層との剥離強度が、前記シーラント層に含まれる層どうしの剥離強度よりも小さい、請求項3~6のいずれか1項に記載のパウチ容器。
  8. 前記シーラント層が共押出成形されて積層および接合された共押出積層フィルム層であり、前記基材層と前記シーラント層とがドライラミネート接着層により接合されている、請求項3~7のいずれか1項に記載のパウチ容器。
  9. 前記本体構成シート材の前記シーラント層は、前記シーラント層における最も外面側に配置された最外層を構成している熱可塑性樹脂の示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が、前記シーラント層における最も内面側に配置された最内層を構成している熱可塑性樹脂の示差走査熱量計(DSC)により測定される融点よりも10℃以上高い、請求項1~8のいずれか1項に記載のパウチ容器。
  10. 前記本体構成シート材の前記シーラント層は、前記シーラント層における最も内面側に配置された最内層が前記LLDPE層である、請求項1~9のいずれか1項に記載のパウチ容器。
  11. 前記本体構成シート材の前記シーラント層は、前記EVOH層が前記LLDPE層に挟まれて配置されている、請求項1~10のいずれか1項に記載のパウチ容器。
  12. 前記本体構成シート材の前記シーラント層は、さらに、前記シーラント層における最も外面側に配置された最外層として、密度が0.940g/cm3以上である高密度ポリエチレンにより構成されたHDPE層を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のパウチ容器。
  13. 少なくとも前記収容領域に収容物が収容されて前記底面を下側にして載置面に設置された状態で自立可能なスタンディングパウチである、請求項1~12のいずれか1項に記載のパウチ容器。
  14. 前記容器本体は、前記前面を構成する前記本体構成シート材と前記後面を構成する前記本体構成シート材との対向する内面側の側縁部の前記シーラント層どうしが接合されて側部シール部が形成されており、
    前記容器本体の上部側には、前記本体構成シート材により構成され且つ前記前面と前記後面とを連結している天面を有し、前記天面は前記収容物の収容および排出が可能であり且つ封止が可能な開口部が備わり、
    さらに、前記天面および前記底面はいずれも折り畳みが可能なマチ構造を有する、請求項13に記載のパウチ容器。
  15. 請求項1~14のいずれか1項に記載のパウチ容器と、前記パウチ容器の前記収容領域に収容された収容物と、を備える、容器詰め品。
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