JP2023028453A - 包装容器 - Google Patents

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健一 宮本
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Abstract

【課題】自立可能な可撓性の包装容器としての機能を維持しつつ、プラスチック使用量または廃棄物量を低減でき、さらに含まれる紙層をリサイクルすることが可能な包装容器を提供する。【解決手段】前面、後面、および底面を有する包装容器100であって、少なくとも一部に印刷が施された紙層を含む外側フィルム層と、水溶性樹脂により構成された内側樹脂フィルム層とを有する積層フィルムのシート材が、対向する内面側の側縁部どうしが接合されて側部シール部101が形成され、シート材の内側樹脂フィルム層が収容領域を形成するように製袋され、側部シール部の下部側には、前側下部スカートシート110と後側下部スカートシート112との側縁部どうしが接合されたスカートシール部114を介して一繋がりになったスカート部108が形成され、少なくとも収容領域に収容物が収容されて底面を下側にして載置面に設置された状態で自立可能である包装容器。【選択図】図1

Description

本発明は、包装容器に関する。
近年、環境問題などを背景として、プラスチック成形容器よりも樹脂原料の使用量が少なく、且つ収容物が収容された状態で自立可能である可撓性の包装容器が開発されている。この包装容器は、プラスチック成形容器よりも樹脂原料の使用量が少ないためプラスチック資源使用量や廃棄物量の低減が可能であり、収容物の収容前にはかさばらないような大きさに縮小することができるため輸送や保管などがし易く、収容物が収容された状態で自立可能であるため店頭などにおいて自立させて陳列することができ、さらに収容物を使い切った後には小さく押しつぶすことができるため廃棄物の体積も低減が可能である。
例えば特許文献1には、二つ折りした底部材を、折り部を上にして表裏のフィルムの下端に挟み込み、周縁部をシールした自立性包装袋であって、底部材に内容物収納部とは別の独立充填室が設けられている、自立性が確保された自立性包装袋が開示されている。
特開2015-000726号公報
このような自立可能である可撓性の包装容器は、通常、樹脂フィルム層を含む複数のフィルム層が積層された積層フィルムのシート材を用いて形成されているが、プラスチック使用量低減と自立性との両立などの観点から、この積層フィルムの一部に紙材により構成された紙層を用いる試みがなされている。さらに、プラスチック廃棄物量低減などの観点から、収容物の使用後にこの積層フィルムに含まれる樹脂フィルム層を分離してリサイクル材料である再生樹脂にリサイクルする試みなどもなされている。
しかしながら、このような可撓性の包装容器においては、プラスチック使用量や廃棄物量(特に焼却処理されるプラスチック廃棄物の量)の低減という観点においてさらなる改善の余地があった。また、包装容器を形成しているシート材に含まれる紙層の再生紙などへのリサイクルという観点においてもさらなる改善の余地があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、自立可能な可撓性の包装容器としての機能を維持しつつ、プラスチック使用量または廃棄物量を低減でき、さらに形成しているシート材に含まれる紙層をリサイクルすることが可能な包装容器、および容器詰め品に関する。
本発明は、シート材が製袋されて形成された、前面、後面、および底面を有する包装容器であって、このシート材は、外側フィルム層と、外側フィルム層よりも包装容器において容器内部側に配置されて外側フィルム層と接合されている内側樹脂フィルム層と、を有する積層フィルムであり、外側フィルム層が、紙材により構成され且つ少なくとも一部に印刷が施された紙層を含み、内側樹脂フィルム層が水溶性樹脂により構成されており、さらにシート材は、前面を構成する前面構成シート部と、後面を構成する後面構成シート部と、底面を構成する底面構成シート部と、を含み、このシート材が、外側フィルム層が包装容器において容器外部側に配置されるように折り畳まれ、前面構成シート部と後面構成シート部との対向する内面側の側縁部どうしが接合されて側部シール部が形成され、シート材の内側樹脂フィルム層が収容物を収容する収容領域を形成するように製袋され、側部シール部の下部側には、前面構成シート部の一部および底面構成シート部の一部により構成された前側下部スカートシートと、後面構成シート部の一部および底面構成シート部の一部により構成された後側下部スカートシートと、が配置されているとともに、前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとの側縁部どうしが接合されたスカートシール部が形成され、且つ、このスカートシール部を介して前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとが一繋がりになったスカート部が形成されており、少なくとも収容領域に収容物が収容されて底面を下側にして載置面に設置された状態で自立可能である包装容器に関する。
本発明によれば、自立可能な可撓性の包装容器としての機能を維持しつつ、プラスチック使用量または廃棄物量を低減でき、さらに形成しているシート材の外側フィルム層に含まれる紙層をリサイクルすることが可能な包装容器、および容器詰め品を提供することができる。
本発明の実施形態に係る包装容器の斜視図である。 本発明の実施形態に係る包装容器の変形例の斜視図である。 図1の包装容器を形成しているシート材を展開した展開図である。 本発明の実施形態に係る包装容器を形成しているシート材の部分断面図である。 本発明の実施形態に係る包装容器を形成しているシート材の変形例の部分断面図である。 本発明の実施形態に係る包装容器を形成しているシート材の別の変形例の部分断面図である。 本発明の実施形態に係る包装容器の別の変形例を底面側から見た部分断面図である。 本発明の実施形態に係る包装容器のさらに別の変形例の上部付近を拡大した斜視図である。 本発明の実施形態に係る包装容器のさらなる変形例の上部付近を拡大した斜視図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。また、一部の図面については、便宜上、符号を付していない(省略している)箇所がある。さらに、図面に示された各部材の寸法比率は、発明の理解を容易にするために、実際の寸法比率とは異なる場合がある。
〔全体構成〕
まず、図1から図3を用いて本発明に係る包装容器および容器詰め品の実施形態の全体構成について説明する。
本発明に係る包装容器は、シート材が製袋されて形成された可撓性の包装容器であって、以下の実施形態を包含するものである。
本実施形態に係る包装容器100は、シート材200が製袋されて形成された、前面、後面、および底面を有するものである。このシート材200は、外側フィルム層11と、外側フィルム層11よりも包装容器100において容器内部側に配置されて外側フィルム層11と接合されている内側樹脂フィルム層21と、を有する積層フィルムである。そして、外側フィルム層11が、紙材により構成され且つ少なくとも一部に印刷41が施された紙層11aを含み、内側樹脂フィルム層21が水溶性樹脂により構成されている。さらに、シート材200は、前面を構成する前面構成シート部203と、後面を構成する後面構成シート部205と、底面を構成する底面構成シート部204と、を含み、このシート材200が、外側フィルム層11が包装容器100において容器外部側に配置されるように折り畳まれ、前面構成シート部203と後面構成シート部205との対向する内面側の側縁部どうしが接合されて側部シール部101が形成され、シート材200の内側樹脂フィルム層21が収容物を収容する収容領域61を形成するように製袋されている。また、側部シール部101の下部側には、前面構成シート部203の一部および底面構成シート部204の一部により構成された前側下部スカートシート110と、後面構成シート部205の一部および底面構成シート部204の一部により構成された後側下部スカートシート112と、が配置されているとともに、前側下部スカートシート110と後側下部スカートシート112との側縁部どうしが接合されたスカートシール部114が形成され、且つ、このスカートシール部114を介して前側下部スカートシート110と後側下部スカートシート112とが一繋がりになったスカート部108が形成されて、包装容器100が形成されている。さらに、この包装容器100は、少なくとも収容領域61に収容物が収容されて底面を下側にして載置面に設置された状態で自立可能である。つまり、少なくとも収容領域61に収容物が収容された状態で、底面を下側にして自立可能な剛性を有する。
例えば、本実施形態に係る包装容器100は、図1または図2に示すような、シート材200が少なくとも包装容器100の前面、後面、および底面を構成するように折り畳まれ、シート材200の前面構成シート部203と後面構成シート部205とが対向する内面側の側縁部どうしで接合されて側部シール部101が形成され、さらに、側部シール部101の下部側にスカート部108が形成され且つシート材200の底面構成シート部204を含む領域がマチ構造となった底マチ部103が設けられ、袋状となったものが例示される。シート材200どうしの接合(シール部の形成など)には、ヒートシール、超音波シール、接合剤(接着剤等)などを用いることができるが、内側樹脂フィルム層21の水または温水による除去のし易さなどの観点から、シート材200の内側樹脂フィルム層21がヒートシール性を有する水溶性樹脂により構成され、上記接合がこの内側樹脂フィルム層21どうしのヒートシールによってなされたものであるのが好ましい。ヒートシール条件は、内側樹脂フィルム層21を構成する水溶性樹脂の特性などによって設定が可能であるが、例えば110℃以上230℃以下のシール温度、0.1MPa以上1.0MPa以下のシール圧力、0.1秒以上10秒以下のシール時間などが条件として例示される。そして底マチ部103は、収容物を収容前などにおいては折り畳んで包装容器100の収容領域61を縮小させることができ、且つ、収容物が収容領域61に収容されたときに包装容器100に厚みを与えるように広がることが可能な構造を有する。
ここで、図1に示す実施形態の包装容器100を形成しているシート材200の展開図の例を図3に示す。本実施形態に係る包装容器100は、例えば、図3に示すシート材200の前面構成シート部203が前面、後面構成シート部205が後面、底面構成シート部204が底面を構成するようにして、外側フィルム層11を容器外部側として折り畳まれ、この前面構成シート部203と後面構成シート部205との対向する内面側の側縁部どうしが接合されて側部シール部101が形成されて袋状となり、さらに、前面構成シート部203の一部および底面構成シート部204の一部の領域、ならびに後面構成シート部205の一部および底面構成シート部204の一部の領域であるスカートシート構成領域208がそれぞれ折り畳まれてこの領域内で接合されて前側下部スカートシート110と後側下部スカートシート112とが構成され、これらの側縁部どうしが接合されてスカートシール部114(側部シール部101の下部)が形成されて、このスカートシール部114を介して前側下部スカートシート110と後側下部スカートシート112とが一繋がりになったスカート部108が形成されることにより得られる。また、底面構成シート部204のスカートシート構成領域208には、スカートシール部114の形成において内側樹脂フィルム層21どうしで接合できるようにするために、例えば図3に示すような、シート材200の周縁から内部側に向かって切り欠きされた部分(切り欠き部)が備わると好適である。
なお、この図1および図2に示す包装容器の実施形態のより詳細な構成については後述する。また、本実施形態に係る包装容器100は、上記のような構成において、スカート部108を有さない構成、つまりスカート部108が形成されていない構成であっても構わない。
また、本実施形態に係る包装容器100には、収容物を収容および排出が可能な開口部107が設けられるが、この開口部107は、例えば図1に示すような、繰り返し開閉可能な口栓構造を有する構成(スパウト)であっても良い。この口栓構造は、キャップやポンプ付きキャップなどにより封止することができるネジ山が設けられていても良い。そして、この開口部107は、リサイクル性を高める観点から、外側フィルム層11などと容易に分離が可能な構成であるのが好ましい。
あるいは、本実施形態に係る包装容器100は、例えば図2に示すような、その開口部107が収容領域61におけるシート材200の非接合部分であり、この非接合部分から収容物を収容し、ヒートシールなどによってこの非接合部分が接合されて密封された構成であって、収容物の排出時には密封されている開口部107の一部が切除される構成あっても良く、包装容器100の形態などに応じて適宜選択が可能である。
そして、このような本実施形態に係る包装容器100を使用して、収容領域61に収容物が収容された容器詰め品を得ることができる。この容器詰め品に収容された収容物を使用する場合には、開口部107などからこの収容物を排出して使用する。包装容器100に収容する収容物の種類は、特に限定されないが、例えば、洗剤、漂白剤、シャンプー、コンディショナー、ボディーソープ、柔軟剤、食品、エンジンオイルなどが挙げられる。
特に、この収容物は、粒状(顆粒状のものを含む)または粉状であるか、あるいは油脂成分(油脂またはその誘導体)を主成分とする液状(ペースト状のものを含む)であるのが好ましい。ここで、「主成分」とは、収容物全量に占める質量割合が80質量%以上であることを意味し、この質量割合は85質量%以上であるのがより好ましく、90質量%以上であるのがさらに好ましく、95質量%以上であるのがさらに好ましい。また、収容物がこのような液状である場合には、その粘度は、例えば30℃において1mPa・s以上であることが好ましく、そして、12万mPa・s以下であることが好ましく、6万mPa・s以下であることがより好ましい(いずれもB型粘度計(例えば東機産業社製ビスコメーターTV-10またはビスコメーターTVB-10など)により測定)。
〔シート材の層構成〕
次に、本発明に係る包装容器を形成するシート材の層構成の実施形態について、図4から図6を用いて詳細に説明する。
本実施形態に係る包装容器100を形成するシート材200は、外側フィルム層11と、内側樹脂フィルム層21とを有する。そして、図4から図6に示すように、包装容器100の容器外部側から順に、外側フィルム層11、内側樹脂フィルム層21が配置された層構成であり、この外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21とが接合されている。つまり、シート材200の製袋時においては、これらのフィルム層は積層されて一体となった積層フィルムとなっている。なお、シート材200の一部に、上記したフィルム層のいずれか1つが形成されていない領域を有していても良い。また、内側樹脂フィルム層21の容器内部側には別のフィルム層は配置されず、つまりシート材200の最も容器内部側に配置されているのが内側樹脂フィルム層21であり、この内側樹脂フィルム層21が収容領域61を形成している。一方、外側フィルム層11の容器外部側にはシート材200とは別のフィルム層(例えばシュリンクフィルム、巻ラベル、ストレットフィルム等)などがさらに配置されていても良いが、プラスチック使用量または廃棄物量の低減やリサイクルのし易さなどの観点から、包装容器100の最も容器外部側に配置されているのがシート材200の外側フィルム層11である構成がより好ましい。なお、容器外部側にシート材200とは別のフィルム層が配置される場合には、上記したシュリンクフィルムなどのように、この別のフィルム層が包装容器100の容器本体(シート材200により形成された容器本体)から取り外し可能であるように装着されている実施形態であるのが好ましい。
外側フィルム層11は、紙材により構成された紙層11a(ペーパーフィルム層)を少なくとも含む。そして、この紙層11aは、少なくとも一部に印刷41が施されている。この印刷41は、例えば染料を用いた染料インクや顔料を用いた顔料インクなどによって施すことができる。なお、この紙層11aは単層であっても良く、あるいは紙材の層が複数積層された構成であっても良い。この紙材により構成された紙層11aは、紙材の特性(印刷特性、紙材の質感など)を有するため、外側フィルム層11に内側樹脂フィルム層21の特性とは異なる紙材の特性を付与することができる。そして、この紙層11aは、その印刷特性から上記した印刷41を容易に施すことができ、収容物の名称、成分やロット番号、図柄などをこの印刷41により表示することが可能である。また、紙層11aのリサイクル時においては、この印刷41を構成している染料、顔料などのインク原料は、脱墨技術などによって紙材から容易に除去可能である。
そして、この紙層11aは、その坪量が150g/m2以下であり且つ比突刺し強度が0.8以上であるのが好ましい。外側フィルム層11に含まれる紙層11aがこのような構成であることにより、引っ張りなどの物理的な力に対して紙層11aの破れや裂けが発生しにくく且つ折り曲げ易さも維持されるため、外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21とを剥離して分離する場合に紙層11aの一部が内側樹脂フィルム層21に剥がれ残る紙剥けが発生しにくく、つまりリサイクル原料となる紙層11aの剥離時におけるロスが少なくなり、且つシート材200などの折り曲げ加工もよりし易いものとなる。また、このような紙層11aを含むシート材200により、突刺し強度がより高く且つ自立性もより高い包装容器100を形成することができる。
ここで、「比突刺し強度」とは、紙層11aにJIS Z 1707:2019に準拠した突刺し試験を実施して測定された突刺し強度(N)と、この紙層11aの坪量(g/m2)とから、以下の式(1)により算出される値である。
比突刺し強度=(突刺し強度/坪量)×10 (1)
なお、紙層11aが引っ張りなどの物理的な力に対してより強くなり、上記した紙剥けがより発生しにくくなることから、紙層11aの比突刺し強度は0.9以上であるのがより好ましく、1.0以上であるのがさらに好ましく、1.1以上であるのがさらに好ましく、1.2以上であるのがさらに好ましい。また、シート材200などの折り曲げ加工がよりし易くなることから、紙層11aの坪量は130g/m2以下であるのがより好ましく、110g/m2以下であるのがさらに好ましく、100g/m2以下であるのがさらに好ましい。
さらに、この紙層11aは、例えば図5に示すような、紙材により構成された第1紙層11a-1と、紙材により構成され且つ第1紙層11a-1よりも包装容器100の内部側に配置されて一部が第1紙層11a-1と接合された第2紙層11a-2と、を含み、さらに第1紙層11a-1と第2紙層11a-2とが非接合である紙層非接合領域81を有し、且つ第1紙層11a-1と第2紙層11a-2との接合面積が内側樹脂フィルム層21と外側フィルム層11との接合面積以下(内側樹脂フィルム層21と外側フィルム層11との接合面積と比較して同じかそれ未満)である実施形態であるのが好ましい。このような実施形態であると、落下時の衝撃によって内側樹脂フィルム層21の伸びなどが発生しても、外側フィルム層11における紙層非接合領域81において第1紙層11a-1と第2紙層11a-2とが互いにずれることによって衝撃を吸収でき、また第1紙層11a-1および第2紙層11a-2自体も全体としてより伸び易くなり、第1紙層11a-1または第2紙層11a-2の破れ、割れなどが発生し難い。つまり落下強度がより優れる包装容器100とすることができる。
この第1紙層11a-1と第2紙層11a-2との接合は、限定されるものではないが、第1紙層11a-1または第2紙層11a-2の少なくとも一方に接着剤を塗布あるいは浸潤させてから加圧あるいは加圧加熱することによって互いに接着させたり、例えば図5のような、これらを接合させる領域に、第1紙層11a-1と第2紙層11a-2とを接合させることが可能な材料により構成された紙層接合層11dを設けて互いに接合させたりする方法で行えば良い。なお、図5においては、第1紙層11a-1と第2紙層11a-2とが接合している領域だけに紙層接合層11dが形成されている実施形態を示しているが、この紙層接合層11dは、第1紙層11a-1または第2紙層11a-2の少なくとも一方の表面に全面(略全面)形成されていても良く、その場合は圧力や熱などを加える領域を調整して紙層非接合領域81を形成すれば良い。つまり、紙層非接合領域81には、第1紙層11a-1または第2紙層11a-2のいずれか一方とだけ接着している紙層接合層11dが形成されていても良い。また、上記した接着剤も同様であり、第1紙層11a-1または第2紙層11a-2の少なくとも一方の表面に全面(略全面)塗布あるいは浸潤されていても良く、その場合は糊殺し剤などにより紙層非接合領域81を形成すれば良い。なお、この「略全面」とは、層の表面の95%以上を意味し、98%以上であるのが好ましい(以下も同様である)。上記した接着剤の材料あるいは紙層接合層11dを構成する材料としては、SBRラテックス、デンプン系糊、ポリ塩化ビニル(PVC)系糊、イージーピール樹脂などが例示される。また、再剥離可能な粘着剤(接合領域の剥離ができるように粘着力が調整された粘着剤)を材料として用いても良い。
ここで、この第1紙層11a-1と第2紙層11a-2との接合面積とは、これらの接合領域の面積であって、上記した接着剤による接着がされている場合には対向する第1紙層11a-1の面と第2紙層11a-2の面とが接着剤により接着されている領域の面積であり、第1紙層11a-1と第2紙層11a-2との間に上記した紙層接合層11dが設けられて接合されている場合には、対向する第1紙層11a-1の面と第2紙層11a-2の面とが紙層接合層11dにより接合されている領域の面積、つまり紙層接合層11dを挟んで対向する第1紙層11a-1の面および第2紙層11a-2の面がいずれも紙層接合層11dと接着されている領域の面積である。また、内側樹脂フィルム層21と外側フィルム層11との接合面積とは、対向する内側樹脂フィルム層21の面と外側フィルム層11の面とが接合されている領域の面積である。特に、この第1紙層11a-1と第2紙層11a-2との接合面積は、内側樹脂フィルム層21と外側フィルム層11との接合面積よりも小さくなるようにすると好ましい。
紙層11aを構成する紙材としては、例えば、クラフト紙、上質紙、模造紙、グラシン紙、パーチメント紙、合成紙、白板紙、マニラボール、ミルクカートン原紙、カップ原紙、アイボリー紙、クレープ紙などが挙げられる。そして、その原料としては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)あるいは針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)に代表される針葉樹由来のパルプや広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)に代表される広葉樹由来のパルプ等の木材パルプ、綿パルプや麻パルプ等の非木材パルプ、キュプラやレーヨン等の再生セルロース繊維などが挙げられる。耐久性の観点から、この紙層11aは、NBKPまたはNUKPを原料として用いた紙材により構成されたものであるのが好ましく、特に、これらのうち繊維長が比較的長いもの(例えば繊維長が0.5mm以上であるNBKPまたはNUKP)を原料として用いた紙材により構成されたものであるのがより好ましい。
さらに、この紙層11aの容器外部側の表面には、耐水性、耐摩耗性などの機能を有する機能層としてニスやセルロースナノファイバー(CNF)等がコーティングされたコーティング層などが形成されていても良い。また、紙層11aが複層である場合などにおいて、その積層間にコーティング層などを含んでいても良い。
そして、この外側フィルム層11は、紙層11aに加えて、樹脂素材により構成された樹脂フィルム層(外側樹脂フィルム層11c)をさらに含む実施形態であっても良い。例えば図6に示すような、外側フィルム層11が樹脂素材により構成された外側樹脂フィルム層11cをさらに含み、この外側樹脂フィルム層11cは、紙層11aと内側樹脂フィルム層21との間に配置されて内側樹脂フィルム層21と接合されている、つまり外側フィルム層11の最も容器内部側に配置されて、この外側樹脂フィルム層11cが内側樹脂フィルム層21と接合されている実施形態であると好適である。なお、この外側樹脂フィルム層11cは、ポリオレフィン系樹脂またはポリエステル系樹脂により構成されていると好ましく、ポリオレフィン系樹脂により構成された層と、ポリエステル系樹脂により構成された層と、の多層構造であっても良い。これにより、外側フィルム層11と接合される内側樹脂フィルム層21に含まれる可塑剤等が表面に浮き出たブリードアウト剤が紙層11aに付着することを防止でき、包装容器100の外観向上を図ることができる。また、包装容器100の外部側からの耐水性もより向上する。さらに、シート材200の製造時において外側フィルム層11が切れにくくなり、ハンドリング性がより高まる。なお、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などを使用できる。そして、ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、これらのいずれかを延伸した一軸延伸ポリエチレン(OPE)、二軸延伸ポリエチレン(BOPE)などが包含される。また、サトウキビの廃糖蜜などから製造されたバイオエタノールを脱水、重合することにより得られるバイオポリエチレン(BioPE)や、ポリエチレン系樹脂により構成されたフィルムや容器を洗浄、溶融して得られた再生ポリエチレンなども包含される。さらに、ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶性ポリエチレンテレフタレート(非晶性PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などが使用できる。
また、外側フィルム層11は、紙層11aを含む限りにおいて、これ以外にも、金属フィルム層(アルミニウムフィルム層、銅フィルム層等)などを含む構成であっても良いが、紙材へのリサイクル性向上という観点から、外側フィルム層11が紙層11aおよび樹脂フィルム層により構成されたもの(紙材および樹脂素材以外の材料により構成された基材となるフィルム層を含まない実施形態)であるのがより好ましく、紙層11aにより構成されたもの(紙材以外の材料により構成された基材となるフィルム層を含まない実施形態)であるのがさらに好ましい。なお、これらの構成の場合でも、各フィルム層の表面や層間には、ニスや接着剤などのコーティング層を含んでいて良い。
内側樹脂フィルム層21は、水溶性樹脂により構成された樹脂フィルム層である。したがって、この内側樹脂フィルム層21は水や温水に溶解可能であり、つまり水や温水との接触により容易に除去することが可能である。また、この水溶性樹脂は加熱によって接合力を有するものとなるため、別途接合層や接着剤を用いなくても外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21とを接合させることが可能である。そして、この内側樹脂フィルム層21は、水溶性樹脂で構成されている限りにおいて、単層であっても、基材となる複数の樹脂フィルム層(水溶性樹脂フィルム層)が積層された複層構成であっても良い。また、水分を含む収容物がこの内側樹脂フィルム層21に与える影響を低減するために、内側樹脂フィルム層21を、収容物と直接接触する最も容器内部側に他の層を構成する水溶性樹脂よりも水への溶解度が低い水溶性樹脂により構成された層が配置された複層構成(例えば水溶性樹脂により構成された2つの層が積層された2層構造であり、容器内部側の層を構成する水溶性樹脂の特定温度の水への溶解度が、容器外部側の層を構成する水溶性樹脂の同じ温度の水への溶解度よりも高い実施形態など)としても良い。なお、内側樹脂フィルム層21の表面や積層間にはコーティング層をさらに含んでも良いが、内側樹脂フィルム層21として水溶性樹脂以外の素材を実質的に含まない構成であることがより好適である。ここで、「実質的に含まない」とは、質量割合として1%未満であることを意味し、0.5%未満であることが好ましく、0%であることが最も好ましい。
この内側樹脂フィルム層21を構成する水溶性樹脂としては、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポリアミド樹脂、水溶性ポリイミド樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリアリルアミン樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性フェノキシ樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性メラミン樹脂、およびポリビニルアルコール樹脂、ならびにこれらの樹脂の変性物などが挙げられる。そして、これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、フィルム層の形成のし易さやコスト面などから、ポリビニルアルコールまたは水溶性のエチレン-ビニルアルコール共重合体を用いるのが好ましい。
ポリビニルアルコール(PVA)は、ビニルアルコールの重合体を分子骨格として含むポリマーであり、ポリ酢酸ビニルをケン化する方法などにより得ることができるものである。そして、このポリビニルアルコールは、側鎖に水酸基および酢酸基以外の官能基を有するものであっても良い。また、その重合度は、上記した性能を有するものであれば限定されないが、例えば500~3000程度が例示される。ポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビニルアルコールの場合、ケン化度も、上記した性能を有するものであれば限定されないが、80mol%以上であるのが好ましく、例えば85~95mol%程度がより好ましい例として示される。
また、水溶性のエチレンビニルアルコール共重合体(水溶性EVOH)は、ビニルアルコールとエチレンとの共重合体を分子骨格として含むポリマーであり、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体をケン化する方法などにより得ることができるものである。そして、この水溶性のエチレンビニルアルコール共重合体も、側鎖に水酸基および酢酸基以外の官能基を有するものであっても良く、その重合度やケン化度も、前述したポリビニルアルコールと同様の値であって良い。また、そのエチレン含有率も、上記した性能を有するものであれば限定されないが、例えば20~40mol%程度が例示される。
そして、この内側樹脂フィルム層21の厚さは、限定されるものではないが、水や温水との接触による除去(溶解)のし易さや、プラスチック使用量低減などの観点から、150μm以下であるのが好ましく、100μm以下であるのがより好ましく、90μm以下であるのがさらに好ましく、80μm以下であるのがさらに好ましく、70μm以下であるのがさらに好ましい。また、下限は、40μm以上であって良く、50μm以上であって良い。
また、このような構成のシート材200の全体の厚さは、限定されるものではないが、好ましくは50μm以上、より好ましくは80μm以上であり、また、好ましくは300μm以下、より好ましくは250μm以下、さらに好ましくは200μm以下である。シート材200がこのような厚さであっても、このシート材200により形成された本実施形態に係る包装容器100は、内側樹脂フィルム層21が水溶性樹脂により構成されたものでありながら、把持感および自立性がいずれも高いものとなる。
そして、このシート材200は、例えば次のような方法により作製することができる。まず、紙層11a(必要であれば第1紙層11a-1および第2紙層11a-2)と、必要に応じて外側樹脂フィルム層11cと、を用いて外側フィルム層11を形成する。そして、この外側フィルム層11の表面に内側樹脂フィルム層21をその加熱による接合力を利用して接合し、シート材200とする。この外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21との接合は、上記したように内側樹脂フィルム層21を構成する水溶性樹脂の加熱による接合力を利用して行われるため、外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21とを接合するための接合層などを別途設ける必要はない。つまり、外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21とは、接合層や別の接着剤を介さずに接合することができる。
また、本実施形態に係る包装容器100は、例えば次のような方法により作製することができる。まず、上記のようにして作製されたシート材200を、上記の2つのフィルム層のうち外側フィルム層11が容器外部側に配置されるようにして包装容器100の形状に折り畳んで、その周縁部の少なくとも一部をヒートシールなどによって接合して側部シール部101などを形成して、内側樹脂フィルム層21が収容物を収容する収容領域61を形成するように製袋し、カットする。つまり、シート材200が収容領域61を包囲するようにし、且つこのシート材200の内側樹脂フィルム層21の容器内部側の表面が収容領域61と直接接触しているように収容領域61を内側樹脂フィルム層21によって形成して製袋しカットする。そして、側部シール部101の下部側に前述したスカート部108を形成し、さらに必要であれば開口部107としてスパウトなどを設け、不要な部分を切除することによって本実施形態に係る包装容器100とする。
〔包装容器の実施形態〕
次に、本発明に係る包装容器の実施形態について、図1、図2、および図4から図9を用いて詳細に説明する。
本実施形態に係る包装容器100は、例えば図1に示すような構成である。具体的には、前述したようなシート材200(例えば内側樹脂フィルム層21が単層の水溶性樹脂フィルム層、あるいは積層されている水溶性樹脂フィルム層どうしがいずれも全面(略全面)接合されている複層の積層フィルム層であるシート材200など)が折り畳まれ、前面構成シート部203と後面構成シート部205との対向する内面側の側縁部どうし(対向する内側樹脂フィルム層21の側縁部どうし)が接合されて側部シール部101が形成され、さらに前面構成シート部203と天面構成シート部206との内面側の周縁部どうしが接合され、シート材200の内側樹脂フィルム層21が収容物を収容する収容領域61を形成するように製袋された、前面、後面、底面、および天面を有する包装容器100である。そして、側部シール部101の下部側に前述したスカート部108が形成されて、シート材200の底面構成シート部204を含む領域がマチ構造となった底マチ部103が設けられている。また、包装容器100の天面側には、シート材200の天面構成シート部206を含む領域がマチ構造となった天マチ部104が設けられている。さらに、この天マチ部104には、収容物を収容および排出可能であり且つ繰り返し開閉可能な口栓構造を有する開口部107(スパウト)が備わる。
そして、この実施形態では、包装容器100の前面および後面において、前面構成シート部203および後面構成シート部205の少なくとも一部の領域が、側部シール部101に挟まれた領域である胴部106を形成している。なお、この実施形態においては、包装容器100の収容領域61に収容物が収容されたときに、この胴部106がシート材200の厚み方向に膨らむような構成となっている。つまり、この胴部106と、底マチ部103と、天マチ部104とによって、収容物の収容前においては包装容器100をかさばらないように縮小することができ、少なくとも収容物が収容された状態では底面を下側にして自立可能となり、さらに収容物を使い切った後には包装容器100を小さく押しつぶすことができるようになっている。
また、この実施形態では、変形例として、図2に示すような構成であっても良い。具体的には、この変形例は少なくとも、前述の構成とは天面および天マチ部104を有さない点、ならびに、開口部107に繰り返し開閉可能な口栓構造を有さない点が上記実施形態とは異なり、前面構成シート部203と後面構成シート部205との対向する内面側の上縁部どうしも接合されている構成である。そして、収容領域61におけるシート材200の非接合部分から収容物を収容後に、この非接合部分が接合されて密封される。収容物の使用時には、この密封された部分を切り取って開口する。つまり、この非接合部分または切り取った部分が開口部107となる。なお、この変形例においても、包装容器100の胴部106と、底マチ部103とによって、収容物の収容前においては包装容器100をかさばらないように縮小することができ、少なくとも収容物が収容された状態では底面を下側にして自立可能となり、さらに収容物を使い切った後には包装容器100を小さく押しつぶすことができるようになっている。
ここで、この実施形態においては、包装容器100を形成するシート材200において、紙層11aを含む外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21とが全面(略全面)接合されている実施形態であると(例えば図4~図6など)、シート材200のハンドリング性がより向上し、且つこのシート材200から形成された包装容器100の自立性もより高まるため好ましい。
あるいは、例えば図7に示すような、包装容器100の側部シール部101では外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21とが接合されており、側部シール部101に挟まれた領域である胴部106には外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21とが接合されていない非接合領域51を有する実施形態であっても好ましい。これにより、外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21との分離や、内側樹脂フィルム層21の水または温水処理による除去がよりし易くなるからである。
なお、図7に示す実施形態では、胴部106において外側フィルム層1と内側樹脂フィルム層21とが全面で非接合であるが、この実施形態において胴部106を形成している領域の一部に、例えばポイントシールなどの、外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21とが接合している接合領域を一部に有する構成であっても良い。そして、側部シール部101を含む包装容器100の周縁部(例えば周縁部全体)で外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21とが接合されている実施形態であっても良い。
さらに、この実施形態においては、包装容器100を形成しているシート材200の少なくとも一部、特に外側フィルム層11を含む領域の少なくとも一部に、外側フィルム層11を内側樹脂フィルム層21から剥離するための起点となる剥離誘導部201が1以上備わる構成であるとより好適である。収容物を使い切った後の包装容器100から、この剥離誘導部201を起点として外側フィルム層11を容易に剥離させて分離することができるからである。
本実施形態に係る包装容器100は、この包装容器100を形成しているシート材200の内側樹脂フィルム層21が水や温水との接触により除去することが可能な構成であるため、外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21とを剥離させて分離しなくても、包装容器100をそのまま水処理や温水処理などを行って内側樹脂フィルム層21を除去し、外側フィルム層11に含まれる紙層11aをリサイクルすることができるのが特徴である。しかしながら、この紙層11aを含む外側フィルム層11のリサイクル工程簡略化(処理時間短縮、コスト低減など)や、得られるリサイクル材(再生紙等)の品質のさらなる向上などの観点から、包装容器100を形成しているシート材200の外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21とを剥離させて分離してから外側フィルム層11のリサイクルを行うとより好ましい。そして、この外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21との剥離および分離は、上記した剥離誘導部201を有さない包装容器100であっても可能であるが、上記した剥離誘導部201を備える包装容器100は、外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21との剥離および分離が容易にできるため非常に好適である。
なお、剥離誘導部201は、外側フィルム層11を剥離する起点となり得るような構成であれば良いが、この「起点」とは、必ずしも最初に剥離が開始する構成でなくても良く、外側フィルム層11の全体が剥離するまでにおける前半段階において剥離させることができ、外側フィルム層11の全体の剥離を誘導できる構成であれば良い。つまり、この実施形態では、剥離誘導部201よりも早く外側フィルム層11の剥離が開始する領域が含まれていても良い。
そして、この剥離誘導部201としては、例えば図8に示すような、シート材200の周縁部の少なくとも一部(図8では包装容器100の上部側におけるシート材200の周縁部どうしが接合されて形成されたシール部)において、シート材200の周縁から内側に向かって一部が切り込みあるいは切り欠きされているノッチ部201aが1箇所以上、より好ましくは2箇所以上形成されている(例えば、いずれも5mm以上の間隔をあけて2箇所以上、より好ましくは5~20mmの間隔をあけて2箇所のノッチ部201aが形成されている)実施形態が例示される。なお、図8では、シート材200の外側フィルム層11にノッチ部201aが形成され、内側樹脂フィルム層21は切り欠きされていない実施形態を示しているが、このノッチ部201aは、外側フィルム層11だけでなく内側樹脂フィルム層21を含むシート材200全体が同様に切り込みあるいは切り欠きされている実施形態であっても良い。このようなノッチ部201aの付近では、内側樹脂フィルム層21に水や温水が侵入し易いため、外側フィルム層11を剥離させる前にこの内側樹脂フィルム層21の一部を溶解させるような水または温水処理を行うことによって、ここを起点として外側フィルム層11の剥離を容易に行うことができる。
さらに、この剥離誘導部201は、図8に示すような、上記したノッチ部201aと連続するようにして、外側フィルム層11の一部に外側フィルム層11を破断することが可能な(例えば外側フィルム層11を貫通する深さを有する)複数の連続した小穴であるミシン目201bをさらに有する実施形態であるとより好ましい。このような構成であると、ミシン目201b付近も水や温水が侵入し易いため、これも外側フィルム層11を剥離させる前にこの内側樹脂フィルム層21の一部を溶解させるような水または温水処理を行うことによって、ここを起点とした外側フィルム層11の剥離がさらに容易となる。なお、剥離誘導部201が、このミシン目201bだけで形成されていても良い。そして、このノッチ部201aおよびミシン目201bは、外側フィルム層11の容器外部側にさらに別のフィルム層を含む構成などである場合には、この容器外部側のフィルム層にも同様に形成されていても良い。また、剥離誘導部201は、このようなノッチ部201aやミシン目201b以外にも、内側樹脂フィルム層21の接合力が他の領域よりも弱くなるように調整された領域などであっても良い。
あるいは、この剥離誘導部201は、図9に示すような、シート材200の周縁部の少なくとも一部において、外側フィルム層11の少なくとも一部が内側樹脂フィルム層21よりも延出している延出部201cであっても好適である。この延出部201cが外側フィルム層11の剥離時に摘みとなり、例えば内側樹脂フィルム層21の一部を溶解させるような水または温水処理を行った後、この延出部201cを摘んで物理的な力などによって引き剥がす方法等により外側フィルム層11を容易に剥離させることができるからである。なお、この延出部201cは、シート材200において、同じ形状の外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21との積層、接合時における位置ズレにより形成されるものではなく、外側フィルム層11が内側樹脂フィルム層21とは別形状の部位を有し、外側フィルム層11におけるこの別形状の部位により形成されるものである。
また、剥離誘導部201は、上記したノッチ部201a、ミシン目201b、またはこの延出部201cのいずれかを複数備える実施形態としても良く、これらの2以上を組み合わせた実施形態としても良い。そして、この延出部201cも、外側フィルム層11の容器外部側にさらに別のフィルム層を含む構成などである場合には、この容器外部側のフィルム層にも同様に形成されていても良い。
特に、包装容器100の上部側に口栓構造を有する開口部107(スパウト)が備わり、この包装容器100の上部側におけるシート材200の周縁部の少なくとも一部に上記の延出部201cを有する実施形態であるとさらに好ましい。例えば、包装容器100の上部側においてシート材200の周縁部どうしが接合されて形成されたシール部(天面構成シート部206と前面構成シート部203との内面側の周縁部どうしが接合されて形成されたシール部など)の少なくとも一部や、開口部107の周縁を包囲しているシート材200の周縁部の少なくとも一部に延出部201cを有する実施形態であると好適である。外側フィルム層11を剥離させて分離する場合に、スパウトを把持部とすることによって包装容器100を確実に把持でき、さらに、例えば内側樹脂フィルム層21の一部を溶解させるような水または温水処理を行った後、あるいはそのまま、把持した包装容器100の上部側の延出部201cから物理的な力などにより外側フィルム層11を容易に剥離させることができるため、外側フィルム層11の分離工程のオートメーション化がし易いからである。なお、この「包装容器100の上部側」とは、包装容器100の底面を下側にして載置面に設置し自立させた状態において、この自立している包装容器100を高さ方向の長さにおいて3等分して3つの領域に分けたときに、最も上側に位置する領域である。
例えば、図9に示す実施形態では、包装容器100の上部側において天面構成シート部206の周縁部と接合される前面構成シート部203の周縁部の一部に、外側フィルム層11が方形状に延出した延出部201cが形成されている。また、開口部107の周縁を包囲しているシート材200の周縁部の少なくとも一部に同様の延出部201cが備わる実施形態であっても良い。あるいは、天マチ部104は有さないがスパウトを有する実施形態(例えば、天面を有さず、前面構成シート部203と後面構成シート部205との内面側の上縁部どうしが接合されて形成されたシール部の一部にスパウトが設けられている実施形態など)においては、互いに接合される後面構成シート部205の上縁部または前面構成シート部203の上縁部に、上記の延出部201cが形成されていても良い。
そして、この延出部201cは、外側フィルム層11の周縁部が内側樹脂フィルム層21の周縁から外側に突き出ている実施形態だけでなく、例えば、シート材200において内側樹脂フィルム層21の周縁部の一部に外側フィルム層11の周縁よりも切欠された部分が形成され、この切欠部分では、結果的に外側フィルム層11の周縁部が延出しているような実施形態であっても良い。この場合においても、上記した切欠部分では外側フィルム層11が内側樹脂フィルム層21とは別形状の部位となり、延出部201cは、外側フィルム層11における内側樹脂フィルム層21とは別形状の部位により形成されていることとなる。
また、この延出部201cは、外側フィルム層11の紙層11aが前述したような第1紙層11a-1および第2紙層11a-2を含む場合、あるいは外側樹脂フィルム層11cを含む場合、これらのいずれか1つだけが延出している構成であっても良く、あるいは、これらの2以上が延出している構成であっても良いが、少なくとも第1紙層11a-1および第2紙層11a-2が延出している構成であると、紙層11aの剥離および分離のし易さという観点からより好ましく、少なくとも第1紙層11a-1、第2紙層11a-2、および外側樹脂フィルム層11cが延出している構成であると、紙剥けの抑制という観点からより好ましい。
また、この実施形態においては、ヒートシールによりシート材200が接合された領域(特に側部シール部101およびスカートシール部114)における外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21との剥離強度が、これ以外の領域の剥離強度よりも大きい構成であると好ましい。包装容器100をそのまま水または温水処理を行う際などに、上記以外の領域に水や温水を侵入させ易くなるからである。
例えば、ヒートシールにより形成された側部シール部101やスカートシール部114の外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21との接合はヒートシールの圧着によって非常に強固となり、これ以外の領域よりも剥離強度が大きくなりやすい。また、ヒートシールによりシート材200が接合された領域以外(例えば胴部106など)では外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21とが非接合であっても良い。このヒートシール条件は、シート材200(例えば内側樹脂フィルム層21)を構成する材料の特性などによって設定が可能であるが、前述した条件などが好ましい例として示される。
〔包装容器のリサイクル方法〕
次に、本発明に係る包装容器のリサイクル方法(本発明に係る包装容器の外側フィルム層を再生紙にリサイクルする方法)の実施形態について、詳細に説明する。
収容された収容物を使い切った本実施形態に係る包装容器100は、必要に応じて押しつぶされ、回収される。そして、回収された包装容器100は、これも必要に応じて、外側フィルム層11が剥離されて内側樹脂フィルム層21と分離される。
具体的には、回収した包装容器100の外側フィルム層11と内側樹脂フィルム層21とを物理的な力の負荷により剥離させて(引き剥がして)分離するか、あるいは、回収した包装容器100に水また温水が内側樹脂フィルム層21に接触するような処理を行い、内側樹脂フィルム層21の少なくとも一部を溶解させて除去しつつ外側フィルム層11を剥離させて分離する。なお、これらを組み合わせて行っても良い。また、前述したスパウトや剥離誘導部201(延出部201cなど)を有する包装容器100の場合には、スパウトを機械などにより把持し、延出部201cなどを利用して機械的に外側フィルム層11を分離しても良い。
次に、この得られた外側フィルム層11を用いて再生紙(トイレットペーパー等)を形成する。まず、パルパーなどを使用して、紙層11aを含む外側フィルム層11に温水、薬品等を加え、粗く溶解させ、一定時間保持する。なお、回収した包装容器100をそのままパルパー等によって処理することも可能であるが、処理時間の短縮などの観点から、上記したように外側フィルム層11を内側樹脂フィルム層21と分離してからこの処理を行うのが好適である。そして、外側フィルム層11にスパウトや外側樹脂フィルム層11cなどの樹脂素材により構成された部材を含む場合には、その後の工程でスクリーンセパレーターなどを用いて除去する。
そして、液状となったパルプ原料から気泡や薬剤などを用いた脱墨工程等によりインク原料(染料、顔料など)を取り除き、さらに殺菌、漂白などを行い、得られたパルプを用いて再生紙を製造する。このようにして、収容された収容物を使い切った後の本実施形態に係る包装容器100から、プラスチックの廃棄物量、特に焼却処理されるプラスチック廃棄物量が非常に少ない紙層のリサイクルシステムを構築することができる。
11 外側フィルム層
11a 紙層
11a-1 第1紙層
11a-2 第2紙層
11c 外側樹脂フィルム層
11d 紙層接合層
21 内側樹脂フィルム層
41 印刷
51 非接合領域
61 収容領域
81 紙層非接合領域
100 包装容器
101 側部シール部
103 底マチ部
104 天マチ部
106 胴部
107 開口部
108 スカート部
110 前側下部スカートシート
112 後側下部スカートシート
114 スカートシール部
200 シート材
201 剥離誘導部
201a ノッチ部
201b ミシン目
201c 延出部
203 前面構成シート部
204 底面構成シート部
205 後面構成シート部
206 天面構成シート部
208 スカートシート構成領域

Claims (10)

  1. シート材が製袋されて形成された、前面、後面、および底面を有する包装容器であって、
    前記シート材は、外側フィルム層と、前記外側フィルム層よりも前記包装容器において容器内部側に配置されて前記外側フィルム層と接合されている内側樹脂フィルム層と、を有する積層フィルムであり、
    前記外側フィルム層が、紙材により構成され且つ少なくとも一部に印刷が施された紙層を含み、
    前記内側樹脂フィルム層が水溶性樹脂により構成されており、
    さらに前記シート材は、前記前面を構成する前面構成シート部と、前記後面を構成する後面構成シート部と、前記底面を構成する底面構成シート部と、を含み、
    前記シート材が、前記外側フィルム層が前記包装容器において容器外部側に配置されるように折り畳まれ、前記前面構成シート部と前記後面構成シート部との対向する内面側の側縁部どうしが接合されて側部シール部が形成され、前記シート材の前記内側樹脂フィルム層が収容物を収容する収容領域を形成するように製袋され、
    前記側部シール部の下部側には、前記前面構成シート部の一部および前記底面構成シート部の一部により構成された前側下部スカートシートと、前記後面構成シート部の一部および前記底面構成シート部の一部により構成された後側下部スカートシートと、が配置されているとともに、前記前側下部スカートシートと前記後側下部スカートシートとの側縁部どうしが接合されたスカートシール部が形成され、且つ、前記スカートシール部を介して前記前側下部スカートシートと前記後側下部スカートシートとが一繋がりになったスカート部が形成されており、
    少なくとも前記収容領域に前記収容物が収容されて前記底面を下側にして載置面に設置された状態で自立可能である、
    包装容器。
  2. 前記外側フィルム層に含まれる前記紙層の坪量が150g/m2以下であり且つ比突刺し強度が0.8以上である、請求項1に記載の包装容器。
  3. 前記外側フィルム層と前記内側樹脂フィルム層とが全面接合されている、請求項1または2に記載の包装容器。
  4. 前記包装容器の前記側部シール部では前記外側フィルム層と前記内側樹脂フィルム層とが接合されており、前記側部シール部に挟まれた領域である胴部には前記外側フィルム層と前記内側樹脂フィルム層とが接合されていない非接合領域を有する、請求項1または2に記載の包装容器。
  5. 前記内側樹脂フィルム層がポリビニルアルコールまたは水溶性のエチレン-ビニルアルコール共重合体により構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の包装容器。
  6. 前記外側フィルム層の前記紙層が、紙材により構成された第1紙層と、紙材により構成され且つ前記第1紙層よりも前記包装容器の内部側に配置されて一部が前記第1紙層と接合された第2紙層と、を含み、さらに前記第1紙層と前記第2紙層とが非接合である紙層非接合領域を有し、且つ前記第1紙層と前記第2紙層との接合面積が前記内側樹脂フィルム層と前記外側フィルム層との接合面積以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の包装容器。
  7. 前記外側フィルム層が樹脂素材により構成された外側樹脂フィルム層をさらに含み、
    前記外側樹脂フィルム層は、前記紙層と前記内側樹脂フィルム層との間に配置されて前記内側樹脂フィルム層と接合されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の包装容器。
  8. 前記シート材の少なくとも一部に、前記外側フィルム層を前記内側樹脂フィルム層から剥離する起点となる剥離誘導部が備わる、請求項1~7のいずれか1項に記載の包装容器。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の包装容器と、前記包装容器の前記収容領域に収容された収容物と、を備える、容器詰め品。
  10. 前記収容物が粒状または粉状であるか、あるいは油脂成分を主成分とする液状である、請求項9に記載の容器詰め品。
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