JP2024067424A - 焼入れ装置及び焼入れ方法 - Google Patents

焼入れ装置及び焼入れ方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024067424A
JP2024067424A JP2022177482A JP2022177482A JP2024067424A JP 2024067424 A JP2024067424 A JP 2024067424A JP 2022177482 A JP2022177482 A JP 2022177482A JP 2022177482 A JP2022177482 A JP 2022177482A JP 2024067424 A JP2024067424 A JP 2024067424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
workpiece
opening
rate
bottom wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022177482A
Other languages
English (en)
Inventor
諒 石丸
弘子 渡邊
Original Assignee
富士電子工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 富士電子工業株式会社 filed Critical 富士電子工業株式会社
Priority to JP2022177482A priority Critical patent/JP2024067424A/ja
Publication of JP2024067424A publication Critical patent/JP2024067424A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Abstract

【課題】本開示の焼入れ装置は、確実にワークに焼入れを行い、ワークの割れを防止でき、小型化を実現できる。【解決手段】本開示に係る焼入れ装置は、誘導加熱コイルと、冷却ジャケットと、底面壁に底面壁開口を有する冷却ボックスと、制御装置とを有する焼入れ装置であって、冷却ボックスは、底面壁に底面壁開口の開口面積を変える開閉部材を有し、制御装置は、誘導加熱コイルで、臨界区域までワークの温度を上昇させ、ワークの温度が臨界区域に達したら、底面壁開口を第1開口面積にした状態で、冷却ジャケットから冷却水を噴射しワークに冷却水を接触させて、第1冷却速度でワークを冷却し、ワークの温度を危険区域の上限温度以下まで冷却させたら、開閉部材を閉じて、底面壁開口を第1開口面積より小さい第2開口面積に狭めて、第1冷却速度より遅い第2冷却速度でワークを冷却するものである。【選択図】図1

Description

本開示は、各種機械部品・自動部品等のワークを加熱する焼入れ装置及び焼入れ方法に関する。
従来、ワークに焼入れを行う場合、ワークを昇温した後、臨界区域を急速に冷却し、危険区域をゆっくり冷却することが知られている(特許文献1)。
具体的には、特許文献1では、工程1において、ワークを昇温した後、焼入れを開始してから臨界区域のAr‘点(加熱されたワークの火色が消える温度)通過までは焼入油を減圧下におくことにより、焼入油の沸点を下降制御して処理品の冷却速度を早める。工程2において、Ar‘点通過後は焼入油を加圧下におくことにより、沸点を上昇制御して処理品の冷却速度をゆるやかにして焼入れを行っている。
特許文献1において、工程1を実施することで、焼入油の沸騰段階の温度範囲を広げ、早い段階からワークを急冷し、ワークに早く焼きを入れている。次に、工程2を実施することで、焼入油の沸点を押さえて、対流段階を広げることで、冷却速度をゆるやかにし、ワークの割れを防止している。
特許第2862017号公報
しかしながら、特許文献1では、冷却剤に焼入油を用い、工程1において、焼入油を減圧した状態でワークを焼入れし、工程2において、焼入油を加圧した状態でワークを焼入れするので、装置が大型化するという課題がある。又、特許文献1では、冷却剤に焼入油を用いるので、取り扱いが難しいという課題がある。
本開示の一態様に係る焼入れ装置は、誘導加熱コイルと、冷却ジャケットと、底面壁に底面壁開口を有する冷却ボックスと、制御装置とを有する焼入れ装置であって、冷却ボックスは、底面壁に底面壁開口の開口面積を変える開閉部材を有し、制御装置は、(i)誘導加熱コイルで、臨界区域までワークの温度を上昇させ、(ii)ワークの温度が臨界区域に達したら、底面壁開口を第1開口面積にした状態で、冷却ジャケットから冷却水を噴射しワークに冷却水を接触させて、第1冷却速度でワークを冷却し、(iii)ワークの温度を危険区域の上限温度以下まで冷却させたら、開閉部材を閉じて、底面壁開口を第1開口面積より小さい第2開口面積に狭めて、第1冷却速度より遅い第2冷却速度でワークを冷却するものである。
本開示の一態様に係る焼入れ方法は、底面壁に底面壁開口を有し、ワークを浸漬する冷却ボックスを用いて、ワークを焼入れする焼入れ方法であって、臨界区域までワークの温度を上昇させ、ワークの温度が臨界区域に達したら、底面壁開口を第1開口面積にし、ワークに冷却水を接触させて、ワークを第1冷却速度で冷却し、ワークの温度を危険区域の上限温度まで冷却させたら、底面壁開口を第1開口面積より小さい第2開口面積に狭めて、第1冷却速度より遅い第2冷却速度でワークを冷却するものである。
本開示の一態様の焼入れ装置は、確実にワークに焼入れを行い、ワークの割れを防止でき、そして小型化を実現できる。又、本開示の焼入れ装置は、冷却剤に水又は水溶性焼入液を使用するので、取り扱いが容易である。
又、本開示の一態様の焼入れ方法は、確実にワークに焼入れを行い、ワークの割れを防止できる。又、本開示の焼入れ方法は、冷却剤に水又は水溶性焼入液を使用するので、取り扱いが容易である。
本実施形態における焼き入れ装置の概略の構成を示す斜視図である。 本実施形態におけるワークの概略の正面図である。 本実施形態における冷却ボックスの概略の斜視図である。 本実施形態における冷却ボックスの概略の正面、平面、左右の側面図である。 本実施形態における底面壁開口と開閉部材との位置関係を示す概略図である。 本実施形態における誘導加熱コイルを駆動する概略の回路図である。 本実施形態における焼入れにおけるワークの温度と時間との関係を示す模式的な図である。 本実施形態における焼入れの動作を示すフローチャートである。 本実施形態におけるワークの冷却状態を示す概略図で、(a)は、第1冷却速度でワークを冷却する図であり、(b)は、第2冷却速度でワークを冷却する図である。
以下、本開示により具体的な実施形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。以下の説明において、同一または類似する構成要素については、同じ参照符号を付している。
(焼入れ装置の全体構成及び概略の焼入れ動作について)
以下、本開示の一態様を示す焼入れ装置1及び焼入れ方法の概略について図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態における焼き入れ装置1の概略の構成を示す斜視図である。
焼き入れ装置1は、冷却ボックス10、誘導加熱コイル20と、冷却ジャケット40と、ワーク回転装置50と、制御装置60とを備えている。
冷却ボックス10は、冷却ジャケット40を有し、冷却ジャケット40は、冷却ボックス10の右側面に右側冷却ジャケット41と、冷却ボックス10の左側面に左側冷却ジャケット42とを備えている。
冷却ボックス10は、箱形の形状をしており、上面が開口している。また、冷却ボックス10は、正面壁11に正面壁開口31と、背面壁12に背面壁開口32とを有している。
ワークは、冷却ボックス10の正面壁開口31と背面壁開口32とに嵌まるように、挿入される。
焼入れ装置は、制御装置60により、冷却ボックス10に挿入されたワークの上から、誘導加熱コイル20がワークを覆いかぶさり、ワークを加熱する。制御装置60は、焼入れ装置1の任意の位置に配置されている。
ワークを加熱した後、誘導加熱コイル20を上昇させ、冷却ボックス10に取り付けられた冷却ジャケット40から冷却水を噴射し、ワークを冷却する。詳細は、後述するが、本開示のワークを冷却する冷却速度は、2段階で行われる。
(ワークについて)
図2は、ワークの概略の正面図である。ワークは、中央部に大径部3と、両端部に小径部4とを有し、ワークの表面は円弧形状である。2つの小径部4は、ワークを保持するためのもので、大径部3は焼入れされる部分である。
(冷却ボックスについて)
図3は、冷却ボックス10の概略の斜視図である。図4は、冷却ボックス10の概略の正面、平面、左右の側面図である。図5は、冷却ボックス10の底面壁15に開閉部材35を設けた概略の配置図である。
図3、4に示す様に、冷却ボックス10は、正面壁11、背面壁12、右側面壁13、左側面壁14、底面壁15を有する。冷却ボックス10の上面は、開口している。
正面壁11には正面壁開口31を有し、背面壁12には背面壁開口32を有している。
底面壁15は、水平面16と傾斜面17とで構成されている。傾斜面17には、冷却水を排出する底面壁開口30が設けられている。
図1、3に示す様に、右側面壁13には、右側冷却ジャケット41から冷却ボックス10に冷却水を供給する右側冷却ジャケット入口44が設けられている。右側冷却ジャケット入口44には、小さな孔が多数設けられており、小さな孔から線状に冷却水が噴射されるようになっている。
同様に、左側面壁14には、左側冷却ジャケット42から冷却ボックス10に冷却水を供給する左側冷却ジャケット入口45が設けられている。左側冷却ジャケット入口45には、小さな孔が多数設けられており、小さな孔から線状に冷却水が噴射されるようになっている。
図5に示す様に、底面壁15に、底面壁開口30の開口面積を変える開閉部材35が設けられている。開閉部材35は、底面壁開口30を覆うものである(図1参照)。開閉部材35(ラック)とモータ36(ピニオン)は、ラックアンドピニオンの構成となっており、モータ36を回転させることで、開閉部材35は傾斜面17と平行で左右方向に移動する。
図4、5に示す様に、冷却ボックス10は底面壁開口30から冷却水を排出する構造で、傾斜面17で水平面16に冷却水を集め、傾斜面17に設けられた底面壁開口30から冷却水を排出している。
尚、図5では、底面壁15に水平面16と傾斜面17とからなる構成を用いたが、底面壁15が水平面16だけでもよい。
(誘導加熱コイルについて)
図6は、誘導加熱コイル20を駆動する概略の回路図である。
図6に示す様に、高周波発振装置29は、高周波発振器22と、トランス23と、接続線24とを有している。
誘導加熱コイル20には、高周波発振装置29側から高周波電力が供給される。
高周波発振器22は、商用電源21と接続され、任意の周波数及び任意の振幅の電力を発生する。高周波発振器22は、通常、高周波の周波数の電力を発生させるが、場合によっては、低周波の周波数の電力を発生させてもよい。
トランス23の一次側は、高周波発振器22と接続されている。また、トランス23の二次側は、接続線24を介して、第1電源リード部25と、第2電源リード部26とに接続され、任意の振幅の電力を第1電源リード部25及び第2電源リード部26に供給する。
つまり、高周波発振装置29は、接続線24を介して、第1電源リード部25と、第2電源リード部26とに接続され、任意の周波数及び任意の振幅の電力を第1電源リード部25及び第2電源リード部26とに供給する。
第1電源リード部25と、誘導加熱コイル20の第1リード部27とが接続され、第2電源リード部26と、誘導加熱コイル20の第2リード部28とが、それぞれ接続され、誘導加熱コイル20に、任意の周波数及び任意の振幅の電力が供給される。
図1に示す様に、誘導加熱コイル20は、内側に配置されたワークを誘導加熱するためのコイルであり、銅又は銅合金等の良導体である。誘導加熱コイル20の断面は、矩形状の中空構造を有している。誘導加熱コイル20内部には、誘導加熱時に自身の昇温を抑制する冷却水が通過する。
(冷却ボックスにワークを保持する方法について)
冷却ボックス10に、ワークを保持する方法について説明する。
図1に示す様に、ワークの2つの小径部4が、冷却ボックス10の正面壁開口31と背面壁開口32とに嵌まるように、挿入される。
ワーク回転装置50は、ワークの回転軸を中心として、ワークを回転するもので、ワーク回転装置50は、駆動装置51とワーク保持装置53とを有する。ワークの小径部4の一端は、駆動装置51のチャック52で固定され、ワークの小径部4の他端においては、ワークの回転軸がワーク保持装置53のセンターピン54で押圧されている。ワークの回転軸とセンターピン54との位置合せは、レール55に乗ったワーク保持装置53がレール55を滑りワークに近づき、センターピン54を上下左右に移動させることで、ワークの回転軸とセンターピン54との位置合せが行われる。
上記により、2つの小径部4は、冷却ボックス10の正面壁開口31と背面壁開口32とに嵌まった状態で保持される。また、ワークの大径部3は、冷却ボックス10の内部に挿入された状態で保持される。
(焼入れの方法について)
図7は、本開示の焼入れにおけるワークの温度と時間との関係を示す模式的な図である。図8は、本開示における焼入れの動作を示すフローチャートである。図9は、ワークの冷却状態を示す概略図である。
図7乃至9を用いて、本開示の焼入れの動作について説明する。
下記の動作は、焼入れ装置1の制御装置60で制御される。
(ステップ1:S1)
図8のS1に示す様に、誘導加熱コイル20をワークに近接するように降下させ、誘導加熱コイル20に電力を供給して、ワークの温度を臨界区域の温度まで上昇させる。ここでは、図7に示す様に、ワークの温度は、臨界区域の上限の温度となっている。また、この時、ワーク回転装置50により、ワークは、回転しながら加熱される。ワークの温度が、臨界区域の上限の温度に達したら、誘導加熱コイル20への供給電力を停止し、誘導加熱コイル20をワークから離れるように上昇させる。
(ステップ2:S2)
図8のS2に示す様に、底面壁開口30を第1開口面積(最大の開口面積)にし、第1冷却速度でワークを冷却する。もし、開閉部材35が最初から第1開口面積になっている場合は、開閉部材35を移動させる必要はない。もし、開閉部材35が第1開口面積になっていない場合は、モータ36を回転させて、開閉部材35を左側に移動させて、底面壁開口30が第1開口面積になるようにする(図9(a)参照)。この時、ワーク回転装置50により、ワークは回転しながら冷却される。
ステップ2における、第1冷却速度について説明する。
図9(a)に示す様に、右側冷却ジャケット41から冷却ボックス10内に冷却水が噴射される時の冷却水の供給速度をP12(単位時間当たりの冷却水の噴射量)とし、左側冷却ジャケット42から冷却ボックス10内に冷却水が噴射される時の冷却水の供給速度をP11(単位時間当たりの冷却水の噴射量)とし、冷却ジャケット40全体から冷却ボックス10内に冷却水が供給される供給速度を第1供給速度P1と定義する(図9(a))。
そうすると、第1供給速度P1は、P11+P12となる。
そして、この時、底面壁開口30を全開にしているので、底面壁開口30から冷却ボックス10の外へ排出する冷却水は、冷却ボックス10に溜まることなく全て排出される。よって、この時の底面壁開口30における冷却水の排出速度を第1排出速度Q1とすると、第1供給速度P1と第1排出速度Q1とは等しい状態である(P1=Q1)。
(ステップ3:S3)
図7に示す様に、ステップ2において第1冷却速度でワークを冷却すると、ワークを急冷することになり、ワークの温度が急激に下がり臨界区域から脱して、危険区域の上限温度(Ar“)に達する。
制御装置60は、ワークの温度が危険区域の上限温度(Ar“)以下になっているかを判断している(図8のS3参照)。そして、制御装置60は、ワークの温度が危険区域の上限温度(Ar“)以下になった場合、ステップ4の動作を行う。
ワークの温度は、熱電対などの温度センサーをワークに直接接触させて測定してもよいし、ワーク以外の部位の温度から推定したり、又は、ワークの色からワークの温度を推定したりするなど間接的に測定してもよい。
(ステップ4:S4)
図7に示す様に、ステップ4は、ワークを第1冷却速度より遅い第2冷却速度で冷却することで、ワークをゆっくり冷却する工程である。
以下、詳細について説明する。
図9(b)左図に示す様に、モータ36を回転させ、開閉部材35を右側に移動させ、底面壁開口30が、例えば、約半分の面積になるように絞る。この時の底面壁開口30の開口面積を第2開口面積と定義する。この時、冷却ジャケット40(右側冷却ジャケット41、左側冷却ジャケット42)から冷却水が、冷却ボックス10に供給される。また、この時、ワーク回転装置50により、ワークは回転しながら冷却される。
第1開口面積より小さい第2開口面積にすることで、底面壁開口30から排出される冷却水の排出速度が遅くなる。この時の底面壁開口30の排出速度をQ3と定義する。また、底面壁開口30を第2開口面積にすることで冷却ボックス10に冷却水が溜り、冷却水の水面は底面壁15から上昇する。そして、冷却水の水面は、正面壁開口31及び背面壁開口32に達し、正面壁開口31及び背面壁開口32から冷却水が漏れ出す。
冷却水の水面をさらに上昇させた後、冷却ジャケット40(右側冷却ジャケット41、左側冷却ジャケット42)の冷却水の供給速度を減少させて、水面が冷却ボックス10の上面より低い位置の所定の範囲Rで維持するように調整される(図9(b)の右図参照)。この時、ワーク全体が冷却ボックス10の冷却水に浸漬した状態となるように、冷却水の供給速度が調整される。
この時の右側冷却ジャケット41の冷却水の供給速度を右側第2供給速度P22、左側冷却ジャケット42の冷却水の供給速度を左側第2供給速度P21、冷却ジャケット40全体の冷却水の供給速度を第2供給速度P2と定義する。
そうすると、冷却ジャケット40全体の冷却水の第2供給速度P2は、P21+P22となる。
この時の正面壁開口31の冷却水の排出速度をQ42、背面壁開口32の冷却水の排出速度をQ41と定義すると、正面壁開口31及び背面壁開口32から排出される開口第2排出速度Q4は、Q41+Q42となる。そして、冷却ボックス10全体の第2排出速度Q2は、Q3+Q4となる。この時、第2排出速度Q2は第1排出速度Q1より小さく(Q1>Q2)、第2供給速度P2と第2排出速度Q2とは等しい状態である(P2=Q2)。
ステップ4では、第2排出速度Q2を第1排出速度Q1より小さく(Q1>Q2)することで、第1冷却速度より遅い第2冷却速度でワークを冷却している。
ステップ4では、第1冷却速度より遅い第2冷却速度を用いることで、冷却ボックスに冷却水を貯留することができ、ステップ2の時より、冷却ボックスにおける冷却水の温度を高めている。そして、第1冷却速度より遅く、冷却水の温度が高い第2冷却速度を用いることで、ワークをゆっくり冷却でき、ワークの割れを防止している。ステップ4において、ワーク全体は、冷却ボックス10の冷却水に浸漬した状態となっている。
(ステップ5:S5)
ワークを第2冷却速度で冷却し、所定の時間が経過し、焼入れが完了したら冷却水の噴射を停止する。
以上で、焼入れ工程は終了する。
上記態様によれば、焼入れを確実に行い、ワークに割れを生じない焼入れ方法を提供できる。又、焼入れを確実に行い、ワークに割れを生じない小型の焼入れ装置を提供できる。又、本開示の焼入れ装置は、冷却剤に水又は水溶性焼入液を使用するので、取り扱いが容易である。
尚、図8の動作を制御装置60により、自動で動作させたが、適宜、作業者が行ってもよい。
尚、図5において、開閉部材35の移動にラックアンドピニオンの構成を用いたが、開閉部材35が傾斜面と平行で左右方向に移動する構成であれば、ラックアンドピニオンの構成に限らない構成でもよい。
尚、本実施形態に係る発明は、矛盾が生じない限り、置き換えたり、組合せたりすることができる。
以上のように、本開示は、以下の項目に記載の焼入れ装置及び焼入れ方法を含む。
〔項目1〕
誘導加熱コイルと、冷却ジャケットと、底面壁に底面壁開口を有する冷却ボックスと、制御装置とを有する焼入れ装置であって、
冷却ボックスは、底面壁に底面壁開口の開口面積を変える開閉部材を有し、
制御装置は、
(i)誘導加熱コイルで、臨界区域までワークの温度を上昇させ、
(ii)ワークの温度が臨界区域に達したら、底面壁開口を第1開口面積にした状態で、冷却ジャケットから冷却水を噴射しワークに冷却水を接触させて、第1冷却速度でワークを冷却し、
(iii)ワークの温度を危険区域の上限温度以下まで冷却させたら、開閉部材を閉じて、底面壁開口を第1開口面積より小さい第2開口面積に狭めて、第1冷却速度より遅い第2冷却速度でワークを冷却する焼入れ装置。
上記態様によれば、底面壁開口を第1開口面積にした状態で、第1冷却速度でワークを急激に冷却し、底面壁開口を第1開口面積より小さい第2開口面積にした状態で、第2冷却速度でワークをゆっくり冷却するので、確実にワークに焼入れを行い、ワークの割れを防止する小型の焼入れ装置を提供できる。又、本開示の焼入れ装置は、冷却剤に水又は水溶性焼入液を使用するので、取り扱いが容易である。
〔項目2〕
第2冷却速度における冷却ボックスから排出される冷却水の第2排出速度が、第1冷却速度における冷却ボックスから排出される冷却水の第1排出速度より遅い項目1に記載の焼入れ装置。
上記態様よれば、第2排出速度を第1冷却速度より遅くすることで、ワークの割れを防止できる。
〔項目3〕
第1冷却速度でワークを冷却している間、冷却ジャケットから冷却ボックスに噴射される冷却水の供給速度と、冷却ボックスから排出される冷却水の排出速度が等しい項目1又は項目2に記載の焼入れ装置。
上記態様によれば、冷却速度が速い第1冷却速度を用いることで、ワークを急激に冷却できる。
〔項目4〕
冷却ボックスは、正面壁、背面壁、右側面壁、左側面壁及び底面壁で囲われた箱状であり、
正面壁は正面壁開口を有し、背面壁は背面壁開口を有し、
冷却ジャケットは、右側面壁に配置された右側冷却ジャケットと、左側面壁に配置された左側冷却ジャケットとから構成され、
第2冷却速度でワークを冷却している間、右側冷却ジャケットと左側冷却ジャケットとから冷却ボックスに噴射される冷却水の供給速度と、正面壁開口、背面壁開口及び底面壁開口から排出される冷却水の排出速度が等しい項目1乃至3のいずれかに記載の焼入れ装置。
上記態様によれば、冷却速度が遅い第2冷却速度を用いることで、ワークをゆっくり冷却し、割れを防止できる。
〔項目5〕
第2冷却速度でワークを冷却している間、冷却ボックスにおける冷却水の水面が、冷却ボックスの上面より低い位置の所定の範囲内で維持されている項目1乃至4のいずれかに記載の焼入れ装置。
上記態様によれば、冷却速度が遅い第2冷却速度を用い、冷却ボックスに冷却水を貯留することで、冷却ボックスの冷却水の温度を高め、ワークをゆっくり冷却できる。
〔項目6〕
底面壁に底面壁開口を有し、ワークを浸漬する冷却ボックスを用いて、ワークを焼入れする焼入れ方法であって、
臨界区域までワークの温度を上昇させ、ワークの温度が臨界区域に達したら、底面壁開口を第1開口面積にし、ワークに冷却水を接触させて、ワークを第1冷却速度で冷却し、
ワークの温度を危険区域の上限温度まで冷却させたら、底面壁開口を第1開口面積より小さい第2開口面積に狭めて、第1冷却速度より遅い第2冷却速度でワークを冷却する焼入れ方法。
上記態様によれば、底面壁開口を第1開口面積にした状態で、第1冷却速度でワークを急激に冷却し、底面壁開口を第1開口面積より小さい第2開口面積にした状態で、第2冷却速度でワークをゆっくり冷却するので、確実にワークに焼入れを行い、ワークの割れを防止する焼入れ方法を提供できる。又、本開示の焼入れ方法は、冷却剤に水又は水溶性焼入液を使用するので、取り扱いが容易である。
〔項目7〕
第2冷却速度における冷却ボックスから排出される冷却水の第2排出速度が、第1冷却速度における冷却ボックスから排出される冷却水の第1排出速度より遅い項目6に記載の焼入れ方法。
上記態様によれば、第2冷却速度を第1冷却速度より遅くすることで、ワークの割れを防止できる。
〔項目8〕
第1冷却速度でワークを冷却している間、冷却ジャケットから冷却ボックスに噴射される冷却水の供給速度と、冷却ボックスから排出される冷却水の排出速度が等しい項目6又は7に記載の焼入れ装置。
上記態様によれば、冷却速度が速い第1冷却速度を用いることで、ワークを急激に冷却できる。
〔項目9〕
第2冷却速度でワークを冷却している間、冷却ボックスにおける冷却水の水面が、冷却ボックスの上面より低い位置の所定の範囲内で維持されている項目6乃至8のいずれかに記載の焼入れ方法。
上記態様によれば、冷却速度が遅い第2冷却速度を用い、冷却ボックスに冷却水を貯留することで、冷却ボックスの冷却水の温度を高め、ワークをゆっくり冷却できる。
1 焼入れ装置
10 冷却ジャケット
11 正面壁
12 背面壁
13 右側面壁
14 左側面壁
15 底面壁
16 水平面
17 傾斜面
20 誘導加熱コイル
30 底面壁開口
31 正面壁開口
32 背面壁開口
35 開閉部材
40 冷却ジャケット
41 右側冷却ジャケット
42 左側冷却ジャケット
50 ワーク回転装置
60 制御装置
W ワーク

Claims (9)

  1. 誘導加熱コイルと、冷却ジャケットと、底面壁に底面壁開口を有する冷却ボックスと、制御装置とを有する焼入れ装置であって、
    冷却ボックスは、底面壁に底面壁開口の開口面積を変える開閉部材を有し、
    制御装置は、
    (i)誘導加熱コイルで、臨界区域までワークの温度を上昇させ、
    (ii)ワークの温度が臨界区域に達したら、底面壁開口を第1開口面積にした状態で、冷却ジャケットから冷却水を噴射しワークに冷却水を接触させて、第1冷却速度でワークを冷却し、
    (iii)ワークの温度を危険区域の上限温度以下まで冷却させたら、開閉部材を閉じて、底面壁開口を第1開口面積より小さい第2開口面積に狭めて、第1冷却速度より遅い第2冷却速度でワークを冷却する焼入れ装置。
  2. 第2冷却速度における冷却ボックスから排出される冷却水の第2排出速度が、第1冷却速度における冷却ボックスから排出される冷却水の第1排出速度より遅い請求項1に記載の焼入れ装置。
  3. 第1冷却速度でワークを冷却している間、冷却ジャケットから冷却ボックスに噴射される冷却水の供給速度と、冷却ボックスから排出される冷却水の排出速度が等しい請求項1に記載の焼入れ装置。
  4. 冷却ボックスは、正面壁、背面壁、右側面壁、左側面壁及び底面壁で囲われた箱状であり、
    正面壁は正面壁開口を有し、背面壁は背面壁開口を有し、
    冷却ジャケットは、右側面壁に配置された右側冷却ジャケットと、左側面壁に配置された左側冷却ジャケットとから構成され、
    第2冷却速度でワークを冷却している間、右側冷却ジャケットと左側冷却ジャケットとから冷却ボックスに噴射される冷却水の供給速度と、正面壁開口、背面壁開口及び底面壁開口から排出される冷却水の排出速度が等しい請求項1に記載の焼入れ装置。
  5. 第2冷却速度でワークを冷却している間、冷却ボックスにおける冷却水の水面が、冷却ボックスの上面より低い位置の所定の範囲内で維持されている請求項1に記載の焼入れ装置。
  6. 底面壁に底面壁開口を有し、ワークを浸漬する冷却ボックスを用いて、ワークを焼入れする焼入れ方法であって、
    臨界区域までワークの温度を上昇させ、ワークの温度が臨界区域に達したら、底面壁開口を第1開口面積にし、ワークに冷却水を接触させて、ワークを第1冷却速度で冷却し、
    ワークの温度を危険区域の上限温度まで冷却させたら、底面壁開口を第1開口面積より小さい第2開口面積に狭めて、第1冷却速度より遅い第2冷却速度でワークを冷却する焼入れ方法。
  7. 第2冷却速度における冷却ボックスから排出される冷却水の第2排出速度が、第1冷却速度における冷却ボックスから排出される冷却水の第1排出速度より遅い請求項6に記載の焼入れ方法。
  8. 第1冷却速度でワークを冷却している間、冷却ジャケットから冷却ボックスに噴射される冷却水の供給速度と、冷却ボックスから排出される冷却水の排出速度が等しい請求項6又は7に記載の焼入れ装置。
  9. 第2冷却速度でワークを冷却している間、冷却ボックスにおける冷却水の水面が、冷却ボックスの上面より低い位置の所定の範囲内で維持されている請求項6に記載の焼入れ方法。
JP2022177482A 2022-11-04 2022-11-04 焼入れ装置及び焼入れ方法 Pending JP2024067424A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022177482A JP2024067424A (ja) 2022-11-04 2022-11-04 焼入れ装置及び焼入れ方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022177482A JP2024067424A (ja) 2022-11-04 2022-11-04 焼入れ装置及び焼入れ方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024067424A true JP2024067424A (ja) 2024-05-17

Family

ID=91068001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022177482A Pending JP2024067424A (ja) 2022-11-04 2022-11-04 焼入れ装置及び焼入れ方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024067424A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008240103A (ja) 移動焼入方法および移動焼入装置
JP2024067424A (ja) 焼入れ装置及び焼入れ方法
JP4575562B2 (ja) ツール焼きばめ焼き抜き用加熱装置
JP5553440B2 (ja) 熱処理方法及び熱処理装置
JP5522661B2 (ja) 高周波誘導加熱装置
JP2008240101A (ja) 移動焼入装置
JP2004169133A (ja) 等速ジョイント用高周波焼入装置
JP5177612B2 (ja) 大型シューの誘導加熱焼入装置
JP6057329B2 (ja) ラックバーの高周波焼入装置
JP6178593B2 (ja) プラグ焼入れ装置及びプラグ焼入れ方法
JPH1121619A (ja) 軸状部材の高周波無酸化焼入方法及びその装置
JP4428545B2 (ja) 高周波誘導加熱用のコイル装置
JP3392200B2 (ja) 丸鋸チップソー台金の焼入方法及びその装置
JP2008101235A (ja) 熱処理方法
CN110283976A (zh) 一种数控卧式高频淬火机床
JP2008179870A (ja) 焼入装置及び焼入方法
JP2511757B2 (ja) 無酸化高周波焼入方法および装置
KR19990020537U (ko) 용접부 냉각장치
KR102419460B1 (ko) 무한궤도용 롤러의 고주파 열처리 장치
JP7457970B2 (ja) 誘導加熱コイル及び誘導加熱装置
JP2709558B2 (ja) クランクシャフトの高周波焼入装置
JP2542116Y2 (ja) クランクシャフトの高周波焼入装置
JP3055658B2 (ja) 内面焼入方法及び装置
CN214572108U (zh) 一种自动化高频感应加热淬火设备
KR100380482B1 (ko) 반응고 성형 시험용 재가열장치