JP2024060790A - 成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の小型化を可能とする成膜装置を提供する。【解決手段】基板を処理する処理室に接続されるロードロックチャンバ100を備える成膜装置であって、それぞれ基板を収容可能に構成され、かつそれぞれ独立に真空度を制御することのできる第1の室S1及び第2の室S2と、第1の室S1の内壁面及び第2の室S2の内壁面を有し、第1の室S1と第2の室S2とを隔てる隔壁114と、を備え、隔壁114の厚さが、第1の室S1及び第2の室S2のうちの少なくとも一方の内壁面を有する他の壁部における少なくとも一部の厚みよりも厚いことを特徴とする。【選択図】図2
Description
本発明は、成膜装置に関する。
蒸着装置などの成膜装置においては、室内を真空状態にすることのできるチャンバが設けられている。
従来技術に係る成膜装置においては、如何に装置を小型化することができるかが課題の一つになっている。
本発明の成膜装置は、
基板を処理する処理室に接続されるロードロックチャンバを備える成膜装置であって、
それぞれ基板を収容可能に構成され、かつそれぞれ独立に真空度を制御することのできる第1の室及び第2の室と、
前記第1の室の内壁面及び前記第2の室の内壁面を有し、前記第1の室と前記第2の室とを隔てる隔壁と、
を備え、
前記隔壁の厚さが、前記第1の室及び前記第2の室のうちの少なくとも一方の内壁面を有する他の壁部における少なくとも一部の厚みよりも厚いことを特徴とする。
基板を処理する処理室に接続されるロードロックチャンバを備える成膜装置であって、
それぞれ基板を収容可能に構成され、かつそれぞれ独立に真空度を制御することのできる第1の室及び第2の室と、
前記第1の室の内壁面及び前記第2の室の内壁面を有し、前記第1の室と前記第2の室とを隔てる隔壁と、
を備え、
前記隔壁の厚さが、前記第1の室及び前記第2の室のうちの少なくとも一方の内壁面を有する他の壁部における少なくとも一部の厚みよりも厚いことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、装置を小型化することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例)
図1~図6を参照して、本発明の実施例に係る成膜装置について説明する。
図1~図6を参照して、本発明の実施例に係る成膜装置について説明する。
<成膜装置>
図1を参照して、本実施例に係る成膜装置全体の構成について説明する。図1は本発明の実施例に係る成膜装置の概略構成図である。本実施例においては、インライン型と呼ばれる成膜装置を例にして説明する。インライン型の成膜装置においては、複数の室が並ぶように配されており、基板10、基板キャリア20、及びマスク30は、順次各室内に搬送され、各室内において各種処理が施される。搬送には、搬送ローラやリニアモータが用いられる。各室においては、個々の室毎、又は隣り合う複数の室毎に、少なくとも真空状態となるように真空度(室内の圧力)を制御することができる。一般的に、真空状態は大気圧よりも低い圧力の状態を意味する。各室においては、大気圧に比して十分に低い圧力、つまり、より高い真空度を実現できることが好ましい。
図1を参照して、本実施例に係る成膜装置全体の構成について説明する。図1は本発明の実施例に係る成膜装置の概略構成図である。本実施例においては、インライン型と呼ばれる成膜装置を例にして説明する。インライン型の成膜装置においては、複数の室が並ぶように配されており、基板10、基板キャリア20、及びマスク30は、順次各室内に搬送され、各室内において各種処理が施される。搬送には、搬送ローラやリニアモータが用いられる。各室においては、個々の室毎、又は隣り合う複数の室毎に、少なくとも真空状態となるように真空度(室内の圧力)を制御することができる。一般的に、真空状態は大気圧よりも低い圧力の状態を意味する。各室においては、大気圧に比して十分に低い圧力、つまり、より高い真空度を実現できることが好ましい。
図1においては、複数の室のうち、代表的な処理を施す室についてのみ、符号Rを付して示し、その他の室については黒点により省略している。また、図1中、点線の矢印は基板10の搬送順序を示し、細い実線の矢印は基板キャリア20の搬送順序を示し、太い実線の矢印はマスク30の搬送順序を示している。各室に備えられる装置の動作はコンピュータなどの制御部Cにより制御される。制御部Cについては、各装置に対して個別に設けることもできるし、複数の装置に対して共通の制御部Cを設けることもできる。一般的に、各種動作が制御部により制御されること自体は周知技術であるので、制御部Cの具体的な構成等については、その説明は省略する。
まず、基板載置室R1に基板10と基板キャリア20が送られ、基板載置室R1にて、基板10は基板キャリア20の上側に保持される。基板キャリア20と、基板キャリア20に保持された基板10は、反転室R2に搬送される。反転室R2において、基板10が基板キャリア20の下側に保持されるように、基板キャリア20は基板10と共に180°回転する。マスク30が基板キャリア20の搬送経路とは別の経路から反転室R2に搬送される。反転室R2では、下側に基板10を保持した基板キャリア20が、マスク30の上に載置される。そして、この反転室R2に送られてきたマスク30と共に、基板キャリア20に保持された基板10は成膜室R3へと搬送される。なお、基板キャリア20の回転、マスク30との合流、マスク30への載置が、それぞれ別のチャンバで行われてもよい。続いて、成膜室R3にて、所望の成膜位置に開口を有するマスク30を介して、基板10の表面に薄膜が形成された後に、基板キャリア20等は、マスク搬出室R4に搬送される。なお、一般的に、異なる材料によって薄膜を形成できるように、図示のように複数の成膜室R3が設けられている。従って、通常、1回の基板10の搬送により、特定の一箇所の成膜室R3にて、成膜処理が施される。
成膜後、マスク搬出室R4において、基板キャリア20に保持された基板10は、マスク30から持ち上げられる。使用回数が所定の回数に到達したマスク30は、マスク搬出室R4から装置外部へ搬出される。基板キャリア20に保持された基板10、及び再度使用されるマスク30は、マスク搬出室R4から中継室R5へ搬送される。中継室R5のマスク30は、反転室R2に向けて搬送される。中継室R5の基板キャリア20及び基板10は、不図示の反転室で反転された後、基板剥離室R6に搬送される。
この基板剥離室R6において、基板キャリア20から基板10は剥離される。その後、基板キャリア20は、成膜装置の外部に搬出されるか、再度、基板載置室R1に搬送される。また、基板キャリア20から剥離された基板10は、外部に取り出される。
そして、本実施例に係る成膜装置においては、各種処理を行う処理室を大気に開放することなく基板10を成膜装置に出し入れすることを可能とするために、基板を処理する処理室に接続されるロードロックチャンバ100が設けられている。図1に示す例では、基板を処理する処理室として、基板載置室R1と基板剥離室R6にロードロックチャンバ1
00が接続されている。ロードロックチャンバ100には、基板10の出し入れを行う側面に第1ゲートバルブ100Xが設けられている。また、ロードロックチャンバ100と処理室(ここでは、基板載置室R1と基板剥離室R6)との間にも第2ゲートバルブ100Yが設けられている。
00が接続されている。ロードロックチャンバ100には、基板10の出し入れを行う側面に第1ゲートバルブ100Xが設けられている。また、ロードロックチャンバ100と処理室(ここでは、基板載置室R1と基板剥離室R6)との間にも第2ゲートバルブ100Yが設けられている。
基板載置室R1に基板10が搬入される場合には、第1ゲートバルブ100Xが開き、第2ゲートバルブ100Yが閉じた状態で、基板10がロードロックチャンバ100に搬入される。その後、第1ゲートバルブ100Xが閉じて、ロードロックチャンバ100の室内が減圧された状態、つまり真空状態にされた後に、第2ゲートバルブ100Yが開き、基板10が基板載置室R1に搬入される。また、基板剥離室R6から基板10が搬出される場合には、第1ゲートバルブ100Xが閉じ、かつロードロックチャンバ100の室内が真空状態で、第2ゲートバルブ100Yが開き、その後、基板剥離室R6から基板10がロードロックチャンバ100に搬入される。その後、第2ゲートバルブ100Yが閉じた後に、ロードロックチャンバ100の室内の真空度を大気圧またはその近くまで下げ、第1ゲートバルブ100Xが開き、基板10は装置外へと搬出される。以上のように、各種処理を行う処理室を大気に開放することなく基板10を成膜装置に出し入れすることができる。
<ロードロックチャンバ>
図2~図4を参照して、ロードロックチャンバ100について、より詳細に説明する。図2及び図3は本発明の実施例に係るロードロックチャンバ100の模式的断面図である。図2は、図1において基板10の搬送方向に垂直な面でロードロックチャンバ100を切断した模式的断面図であり、図3は、ロードロックチャンバ100の設置面に平行な面(水平面)でロードロックチャンバ100を切断した模式的断面図である。図4はロードロックチャンバ100に設けられる大気開放部の説明図である。
図2~図4を参照して、ロードロックチャンバ100について、より詳細に説明する。図2及び図3は本発明の実施例に係るロードロックチャンバ100の模式的断面図である。図2は、図1において基板10の搬送方向に垂直な面でロードロックチャンバ100を切断した模式的断面図であり、図3は、ロードロックチャンバ100の設置面に平行な面(水平面)でロードロックチャンバ100を切断した模式的断面図である。図4はロードロックチャンバ100に設けられる大気開放部の説明図である。
ロードロックチャンバ100は、それぞれ基板10を収容可能に構成され、かつそれぞれ独立に真空度を制御する、つまり、圧力を変更することのできる第1の室S1及び第2の室S2を備えている。そして、第1の室S1及び第2の室S2のうちの少なくとも一方の内壁面を有する壁部として、底板部111と、天井部112と、側板部113と、第1の室S1と第2の室S2とを隔てる隔壁114とが設けられている。隔壁114は、第1の室S1の内壁面及び第2の室S2の内壁面を有する。なお、図2では、側板部113は、隔壁114の上下に分かれて別々に設けられる構成が示されているが、これらが一体に設けられる構成を採用することもできる。この場合には、側板部113は、第1の室S1と第2の室S2の両者の内壁面を有することになる。
以上のように、本実施例に係るロードロックチャンバ100においては、第1の室S1と第2の室S2を備えている。これにより、これらを交互に基板10の出し入れに用いることで、生産性を高めることができる。すなわち、一方の室を基板10の出し入れに利用している間に、他方の室の準備を進めることで、これらの室内を加圧したり減圧したりする期間中も基板の処理を中断する期間をなくすか短縮することができる。
ここで、一般的なチャンバにおいては、チャンバ内が一様に、真空状態となるか大気状態となるように構成される。これに対して、本実施例に係るロードロックチャンバ100の場合、第1の室S1及び第2の室S2の両者が同じ状態(真空状態または大気状態のいずれか)になったり、一方が真空状態となって、他方が大気状態になることもある。そのため、隔壁114には、第1の室S1の内壁面から第2の室S2に向けて力が作用したり、第2の室S2の内壁面から第1の室S1に向けて力が作用するため、隔壁114の変形を抑制する対策として、一般的なチャンバの壁部とは異なる対策が必要となる。そこで、本実施例においては、隔壁114の厚さが、他の壁部(底板部111、天井部112及び
側板部113)の厚みよりも厚くすることで強度を高めている。これにより、隔壁114の強度が増して、隔壁114の変形が抑制される。なお、底板部111、天井部112及び側板部113においても、何らかの理由により、その一部の厚みについては、部分的に隔壁114の厚さよりも厚くする必要が生じる場合もある。そのため、隔壁114の厚さは、第1の室S1及び第2の室S2のうちの少なくとも一方の内壁面を有する他の壁部における少なくとも一部の厚みよりも厚くなるように構成すればよいと言うこともできる。
側板部113)の厚みよりも厚くすることで強度を高めている。これにより、隔壁114の強度が増して、隔壁114の変形が抑制される。なお、底板部111、天井部112及び側板部113においても、何らかの理由により、その一部の厚みについては、部分的に隔壁114の厚さよりも厚くする必要が生じる場合もある。そのため、隔壁114の厚さは、第1の室S1及び第2の室S2のうちの少なくとも一方の内壁面を有する他の壁部における少なくとも一部の厚みよりも厚くなるように構成すればよいと言うこともできる。
また、ロードロックチャンバ100においては、第1の室S1と第2の室S2にそれぞれ複数のピン120が設けられている。各室内に搬入された基板10は、複数のピン120の先端に載置されることで、各室内に一時的に収容される。なお、図3においては、複数のピン120の先端に載置される基板10の配置位置を点線にて示している。
更に、ロードロックチャンバ100には、各室内を大気開放するために、複数の大気開放部130が設けられている。複数の大気開放部130のうちの一部は、隔壁114に設けられている。隔壁114に設けられる大気開放部130の構成について、図4を参照して説明する。図4(a)(b)は隔壁114のうち大気開放部130が設けられた付近を示す平面図であり、同図(a)はカバーが取り付けられた状態を示し、同図(b)はカバーが取り外された状態を示している。また、図4(c)は同図(a)中のAA断面図である。
大気開放部130は、複数のベントフィルター131を備えている。これら複数のベントフィルター131は、配管Pに接続されている。配管Pの管内は大気と連通するように構成されている。ロードロックチャンバ100の各室内を減圧する(真空度を上げる)場合には、不図示の弁が閉じ、不図示の真空ポンプにより室内の気体が排出される。大気開放するために各室内を加圧する(真空度を下げる)場合には弁が開くことで、配管Pの管内を通じて各室に例えば不活性ガスが充填されるように構成されている。ベントフィルター131は、加圧の際に気流が集中しないように管の先端にフィルターが詰められた構成であり、異物の侵入を抑制する機能も兼備している。
そして、複数のベントフィルター131は、隔壁114に設けられた凹部114a内に配されている。また、隔壁114には、ベントフィルター131を覆うカバー114bが設けられている。このカバー114bは、ボルト114cによって隔壁114に固定されている。なお、カバー114bはスペーサー114dを介してボルト114cにより隔壁114に固定されることにより、凹部114aの内壁面とカバー114bとの間には通気を確保する隙間が設けられている(図4(c)参照)。また、隣り合うベントフィルター131の間には仕切り板114eが設けられている。図4に示す例では、3つのベントフィルター131が設けられており、それぞれ隣り合うベントフィルター131の間に仕切り板114eが設けられている。
<成膜室>
図5を参照して、成膜室R3における成膜処理について、より詳細に説明する。成膜室R3内には、成膜源としての蒸発源50が設けられている。基板キャリア20に保持された基板10が下向きとなるように、これらは成膜室R3内に位置決めされた状態で支持部材40に支持される。また、基板10の下側には、基板10に対して位置決めされた状態でマスク30も配される。マスク30には、基板10に薄膜を形成する位置に対応する位置に開口が設けられている。これにより、基板キャリア20に保持された基板10上に、マスク30を介して成膜が行われる。
図5を参照して、成膜室R3における成膜処理について、より詳細に説明する。成膜室R3内には、成膜源としての蒸発源50が設けられている。基板キャリア20に保持された基板10が下向きとなるように、これらは成膜室R3内に位置決めされた状態で支持部材40に支持される。また、基板10の下側には、基板10に対して位置決めされた状態でマスク30も配される。マスク30には、基板10に薄膜を形成する位置に対応する位置に開口が設けられている。これにより、基板キャリア20に保持された基板10上に、マスク30を介して成膜が行われる。
本実施例においては、真空蒸着による成膜(蒸着)が行われる。具体的には、成膜源としての蒸発源50から成膜材料が蒸発または昇華し、基板10上に成膜材料が蒸着すして
基板10上に薄膜が形成される。蒸発源50については、公知技術であるので、その詳細な説明は省略するが、例えば、蒸発源50は、坩堝等の成膜材料を収容する容器と、容器を加熱する加熱装置等により構成することができる。なお、成膜源は蒸発源50に限定されるものではなく、成膜源はスパッタリングによって成膜を行うためのスパッタリングカソードであってもよい。
基板10上に薄膜が形成される。蒸発源50については、公知技術であるので、その詳細な説明は省略するが、例えば、蒸発源50は、坩堝等の成膜材料を収容する容器と、容器を加熱する加熱装置等により構成することができる。なお、成膜源は蒸発源50に限定されるものではなく、成膜源はスパッタリングによって成膜を行うためのスパッタリングカソードであってもよい。
<電子デバイスの製造方法>
次に、本実施例に係る成膜装置を用いた電子デバイスの製造方法の一例を説明する。以下、電子デバイスの例として有機EL表示装置の構成を示し、有機EL表示装置の製造方法を例示する。
次に、本実施例に係る成膜装置を用いた電子デバイスの製造方法の一例を説明する。以下、電子デバイスの例として有機EL表示装置の構成を示し、有機EL表示装置の製造方法を例示する。
まず、製造する有機EL表示装置について説明する。図6(a)は有機EL表示装置700の全体図、図6(b)は1画素の断面構造を表している。
図6(a)に示すように、有機EL表示装置700の表示領域701には、発光素子を複数備える画素702がマトリクス状に複数配置されている。詳細は後で説明するが、発光素子のそれぞれは、一対の電極に挟まれた有機層を備えた構造を有している。なお、ここでいう画素とは、表示領域701において所望の色の表示を可能とする最小単位を指している。本実施例に係る有機EL表示装置の場合、互いに異なる発光を示す第1発光素子702R、第2発光素子702G、第3発光素子702Bの組み合わせにより画素702が構成されている。画素702は、赤色発光素子と緑色発光素子と青色発光素子の組み合わせで構成されることが多いが、黄色発光素子とシアン発光素子と白色発光素子の組み合わせでもよく、少なくとも1色以上であれば特に制限されるものではない。
図6(b)は、同図(a)中のBB線における部分断面模式図である。画素702は、複数の発光素子からなり、各発光素子は、基板703上に、第1電極(陽極)704と、正孔輸送層705と、発光層706R、706G、706Bのいずれかと、電子輸送層707と、第2電極(陰極)708と、を有している。これらのうち、正孔輸送層705、発光層706R、706G、706B、電子輸送層707が有機層に当たる。また、本実施例では、発光層706Rは赤色を発する有機EL層、発光層706Gは緑色を発する有機EL層、発光層706Bは青色を発する有機EL層である。発光層706R、706G、706Bは、それぞれ赤色、緑色、青色を発する発光素子(有機EL素子と記述する場合もある)に対応するパターンに形成されている。
また、第1電極704は、発光素子毎に分離して形成されている。正孔輸送層705と電子輸送層707と第2電極708は、複数の発光素子702R、702G、702Bで共通に形成されていてもよいし、発光素子毎に形成されていてもよい。なお、第1電極704と第2電極708とが異物によってショートするのを防ぐために、第1電極704間に絶縁層709が設けられている。さらに、有機EL層は水分や酸素によって劣化するため、水分や酸素から有機EL素子を保護するための保護層710が設けられている。
図6(b)では正孔輸送層705や電子輸送層707は一つの層で示されているが、有機EL表示素子の構造によっては、正孔ブロック層や電子ブロック層を備える複数の層で形成されてもよい。また、第1電極704と正孔輸送層705との間には第1電極704から正孔輸送層705への正孔の注入が円滑に行われるようにすることのできるエネルギーバンド構造を有する正孔注入層を形成することもできる。同様に、第2電極708と電子輸送層707の間にも電子注入層が形成することもできる。
次に、有機EL表示装置の製造方法の例について具体的に説明する。
まず、有機EL表示装置を駆動するための回路(不図示)及び第1電極704が形成された基板(マザーガラス)703を準備する。
第1電極704が形成された基板703の上にアクリル樹脂をスピンコートで形成し、アクリル樹脂をリソグラフィ法により、第1電極704が形成された部分に開口が形成されるようにパターニングし絶縁層709を形成する。この開口部が、発光素子が実際に発光する発光領域に相当する。
絶縁層709がパターニングされた基板703を粘着部材が配置された基板キャリアに載置する。粘着部材によって、基板703は保持される。第1の有機材料成膜装置に搬入し、反転後、正孔輸送層705を、表示領域の第1電極704の上に共通する層として成膜する。正孔輸送層705は真空蒸着により成膜される。実際には正孔輸送層705は表示領域701よりも大きなサイズに形成されるため、高精細なマスクは不要である。
次に、正孔輸送層705までが形成された基板703を第2の有機材料成膜装置に搬入する。基板とマスクとのアライメントを行い、基板をマスクの上に載置し、基板703の赤色を発する素子を配置する部分に、赤色を発する発光層706Rを成膜する。
発光層706Rの成膜と同様に、第3の有機材料成膜装置により緑色を発する発光層706Gを成膜し、さらに第4の有機材料成膜装置により青色を発する発光層706Bを成膜する。発光層706R、706G、706Bの成膜が完了した後、第5の成膜装置により表示領域701の全体に電子輸送層707を成膜する。電子輸送層707は、3色の発光層706R、706G、706Bに共通の層として形成される。
電子輸送層707まで形成された基板を金属性蒸着材料成膜装置で移動させて第2電極708を成膜する。
その後プラズマCVD装置に移動して保護層710を成膜して、基板703への成膜工程を完了する。反転後、粘着部材を基板703から剥離することで、基板キャリアから基板703を分離する。その後、裁断を経て有機EL表示装置700が完成する。
絶縁層709がパターニングされた基板703を成膜装置に搬入してから保護層710の成膜が完了するまでは、水分や酸素を含む雰囲気にさらしてしまうと、有機EL材料からなる発光層が水分や酸素によって劣化してしまうおそれがある。従って、本実施例において、成膜装置間の基板の搬入搬出は、真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気の下で行われる。
<本実施例に係る成膜装置の優れた点>
本実施例に係る成膜装置においては、それぞれ基板10を収容可能に構成され、かつそれぞれ独立に真空度を制御することのできる第1の室S1及び第2の室S2を備えるロードロックチャンバ100を備えている。また、第1の室S1及び第2の室S2は隔壁114を隔てて設けられる構成である。これにより、複数のロードロックチャンバを縦に並べて配置する構成に比べて、装置の小型化を図ることができる。
本実施例に係る成膜装置においては、それぞれ基板10を収容可能に構成され、かつそれぞれ独立に真空度を制御することのできる第1の室S1及び第2の室S2を備えるロードロックチャンバ100を備えている。また、第1の室S1及び第2の室S2は隔壁114を隔てて設けられる構成である。これにより、複数のロードロックチャンバを縦に並べて配置する構成に比べて、装置の小型化を図ることができる。
そして、隔壁114は、その厚さが、第1の室S1及び第2の室S2のうちの少なくとも一方の内壁面を有する他の壁部における少なくとも一部の厚みよりも厚く構成されることで、強度が高く、変形が抑制される。従って、装置の小型化を実現しつつ、ロードロックチャンバ100としての機能は十分に発揮される。
また、隔壁114に凹部114aが設けられ、この凹部114a内にベントフィルター
131が配されることで、隔壁114を有効利用することができる。これにより、装置の小型化をより一層図ることができる。
131が配されることで、隔壁114を有効利用することができる。これにより、装置の小型化をより一層図ることができる。
なお、本実施例においては、ロードロックチャンバ100の隔壁114に凹部114aが設けられ、この凹部114a内にベントフィルター131が配される構成を示した。しかしながら、一般的な真空チャンバにおいても、厚みの厚い壁部に凹部を設けて、この凹部にベントフィルターを配する構成を採用することで、成膜装置の小型化を図ることもできる。
すなわち、真空チャンバの内壁面を有する第1の壁部と、この真空チャンバの内壁面を有し、かつ第1の壁部の厚みよりも厚みが厚い第2の壁部と、を備え、第2の壁部に凹部が設けられ、この凹部内にベントフィルターが配される成膜装置を採用することで、成膜装置の小型化を図ることができる。なお、本実施例の場合には、第1の壁部は、底板部111、天井部112及び側板部113に相当し、第2の壁部が隔壁114に相当する。隔壁を備えない真空チャンバの場合には、底板部、天井部及び側板部のうち、他の壁部よりも厚みが厚く構成された壁部に対して、ベントフィルターが配される凹部を設ける構成を採用することができる。
(その他)
上記実施例においては、インライン型の成膜装置を例にして説明したが、本発明におけるロードロックチャンバを備える成膜装置はインライン型の成膜装置に限らず、例えばクラスター型の成膜装置などにも適用可能である。
上記実施例においては、インライン型の成膜装置を例にして説明したが、本発明におけるロードロックチャンバを備える成膜装置はインライン型の成膜装置に限らず、例えばクラスター型の成膜装置などにも適用可能である。
10:基板 20:基板キャリア 30:マスク 40:支持部材 50:蒸発源 100:ロードロックチャンバ 100X:第1ゲートバルブ 100Y:第2ゲートバルブ 111:底板部 112:天井部 113:側板部 114:隔壁 114a:凹部
114b:カバー 114c:ボルト 114d:スペーサー 114e:仕切り板 120:ピン 130:大気開放部 131:ベントフィルター C:制御部 P:配管
R1:基板載置室 R2:反転室 R3:成膜室 R4:マスク搬出室 R5:中継室
R6:基板剥離室 S1:第1の室 S2:第2の室
114b:カバー 114c:ボルト 114d:スペーサー 114e:仕切り板 120:ピン 130:大気開放部 131:ベントフィルター C:制御部 P:配管
R1:基板載置室 R2:反転室 R3:成膜室 R4:マスク搬出室 R5:中継室
R6:基板剥離室 S1:第1の室 S2:第2の室
Claims (5)
- 基板を処理する処理室に接続されるロードロックチャンバを備える成膜装置であって、
それぞれ基板を収容可能に構成され、かつそれぞれ独立に真空度を制御することのできる第1の室及び第2の室と、
前記第1の室の内壁面及び前記第2の室の内壁面を有し、前記第1の室と前記第2の室とを隔てる隔壁と、
を備え、
前記隔壁の厚さが、前記第1の室及び前記第2の室のうちの少なくとも一方の内壁面を有する他の壁部における少なくとも一部の厚みよりも厚いことを特徴とする成膜装置。 - 前記隔壁に凹部が設けられ、前記凹部内にベントフィルターが配されることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
- 前記ベントフィルターを覆うカバーを備え、前記凹部の内壁面と前記カバーとの間には通気を確保する隙間が設けられることを特徴とする請求項2に記載の成膜装置。
- 前記凹部内には複数の前記ベントフィルターが配されており、隣り合う前記ベントフィルターの間には仕切り板が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の成膜装置。
- 真空チャンバを備える成膜装置であって、
前記真空チャンバの内壁面を有する第1の壁部と、
前記真空チャンバの内壁面を有し、かつ前記第1の壁部の厚みよりも厚みが厚い第2の壁部と、
を備え、
前記第2の壁部に凹部が設けられ、前記凹部内にベントフィルターが配されることを特徴とする成膜装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022168299A JP2024060790A (ja) | 2022-10-20 | 2022-10-20 | 成膜装置 |
KR1020230136456A KR20240055655A (ko) | 2022-10-20 | 2023-10-13 | 성막 장치 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022168299A JP2024060790A (ja) | 2022-10-20 | 2022-10-20 | 成膜装置 |
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---|---|
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JP2022168299A Pending JP2024060790A (ja) | 2022-10-20 | 2022-10-20 | 成膜装置 |
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KR (1) | KR20240055655A (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2000323551A (ja) | 1999-05-11 | 2000-11-24 | Anelva Corp | 基板処理装置 |
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2022
- 2022-10-20 JP JP2022168299A patent/JP2024060790A/ja active Pending
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2023
- 2023-10-13 KR KR1020230136456A patent/KR20240055655A/ko unknown
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Publication number | Publication date |
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KR20240055655A (ko) | 2024-04-29 |
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