JP2024052849A - 積層体、偏光子保護フィルム及び偏光板 - Google Patents

積層体、偏光子保護フィルム及び偏光板 Download PDF

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Abstract

【課題】各種基材の表面にハードコート層を有する偏光子保護フィルム等の積層体であって、基材とハードコート層との密着性に優れ、ハードコート層による基材の表面硬度の向上効果が高い積層体、この積層体からなる偏光子保護フィルム、及びこの偏光子保護フィルムを偏光子に貼り合せてなる偏光板を提供する。【解決手段】硬化性組成物の硬化物を含むハードコート層が、プラスチック基材の表面に直接積層されている積層体であって、前記硬化性組成物が、ラジカル重合可能な二重結合を3個以上有する(メタ)アクリレート(M)、重量平均分子量が1000以上70000以下のアクリル系重合体(P)、及び光吸収剤(H)を含む硬化性組成物である、積層体。前記プラスチック基材がフィルム状であり、その片面だけに前記ハードコート層を有している積層体からなる偏光子保護フィルム。この偏光子保護フィルムのハードコート層を有していない面を偏光子に貼り合わせてなる偏光板。【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチック基材の表面に表面硬度を付与するハードコート層を有する積層
体、この積層体からなる偏光子保護フィルム、及びこの偏光子保護フィルムを偏光子に貼
り合わせてなる偏光板に関する。
液晶表示装置などに用いられる偏光板には偏光子に偏光子保護フィルムが積層されたも
のが用いられる。従来、偏光子保護フィルムにはトリアセチルセルロース(以下、TAC
という。)フィルムが使用されてきた。TACフィルムは一般的に表面硬度が低いため、
傷付き防止を目的として表面にハードコート層が積層されている。
近年、液晶表示装置の大型化あるいは薄型化に伴い、TACよりも透湿防止性の高いア
クリル系重合体や、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという。)、環状オレフ
ィンポリマー(以下、COPという。)などの各種プラスチック製のフィルムを偏光子保
護フィルムとして利用する検討がなされている。
また、携帯電話、スマートフォン等の液晶表示装置を有する電子機器においては、デザ
インの多様化、薄型化、大面積化の進展に伴い、その液晶表示装置のカバー自体にも薄型
化、軽量化、安価化等の要求が高まっている。この表示体カバーとしてはガラス基材が一
般的に使用されているが、表示体カバーそれ自体の薄型化、軽量化、安価化等の要求に伴
い、現在では前記の偏光子保護フィルムと同様に各種プラスチック製のシートの使用が検
討されている。
このような偏光子保護フィルム、表示体カバーにも傷付き防止を目的として表面にハー
ドコート層が求められている。例えば、特許文献1には、特許文献1には、各種のプラス
チック基材からなるフィルムの表面に、3乃至6官能性アクリレート系単量体および光硬
化性弾性重合体との架橋共重合体である光硬化性架橋共重合体、および前記光硬化性架橋
共重合体内に分散している無機微粒子を含むハードコート層が形成された偏光子保護フィ
ルムが記載されている。
特表2015-532730号公報
しかしながら、特許文献1に記載の偏光子保護フィルムのハードコート層は弾性重合体
由来の構造を含むため、基材の表面硬度の向上効果が不十分という問題があった。また、
弾性重合体由来の構造を減らすとハードコート層の基材フィルムへの密着性が低下する可
能性があった。
本発明は、各種基材の表面にハードコート層を有する偏光子保護フィルム等の積層体で
あって、基材とハードコート層との密着性に優れ、ハードコート層による基材の表面硬度
の向上効果が高い積層体、この積層体からなる偏光子保護フィルム、及びこの偏光子保護
フィルムを偏光子に貼り合せてなる偏光板を提供することを目的とする。
前記課題は本発明によって解決される。本発明の要旨は以下の[1]から[11]にあ
る。
[1] 硬化性組成物の硬化物を含むハードコート層が、プラスチック基材の表面に直
接積層されている積層体であって、前記硬化性組成物が、ラジカル重合可能な二重結合を
3個以上有する(メタ)アクリレート(M)、重量平均分子量が1000以上70000
以下のアクリル系重合体(P)、及び光吸収剤(H)を含む硬化性組成物である、積層体

[2] 前記硬化性組成物が光重合開始剤(I)をさらに含有する[1]に記載の積層
体。
[3] 前記光重合開始剤(I)が分子内開裂型光重合開始剤(I1)を含む[2]に
記載の積層体。
[4] 前記分子内開裂型光重合開始剤(I1)が、光吸収スペクトルの280nm以
上380nm以下の領域に極大吸収波長を有する化合物である[3]に記載の積層体。
[5] 前記光重合開始剤(I)が、水素引き抜き型光重合開始剤(I2)を含む[2
]~[4]のいずれかに記載の積層体。
[6] 前記水素引き抜き型光重合開始剤(I2)が、光吸収スペクトルの200nm
以上280nm以下の領域に極大吸収波長を有する化合物である[5]に記載の積層体。
[7] 前記水素引き抜き型光重合開始剤(I2)が、ベンゾフェノンである[6]に
記載の積層体。
[8] 前記(メタ)アクリレート(M)のラジカル重合可能な二重結合の数が、4以
上15以下である[1]~[7]のいずれかに記載の積層体。
[9] 前記プラスチック基材が、トリアセチルセルロース、アクリル系重合体、ポリ
エチレンテレフタレート及び環状ポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1
種のプラスチックを含む基材である[1]~[8]のいずれかに記載の積層体。
[10] 前記プラスチック基材がフィルム状であり、その片面だけに前記ハードコー
ト層を有している[1]~[9]のいずれかに記載の積層体からなる偏光子保護フィルム

[11] [10]記載の偏光子保護フィルムのハードコート層を有していない面を偏
光子に貼り合わせてなる偏光板。
本発明によれば、各種基材の表面にハードコート層を有する偏光子保護フィルム等の積
層体であって、基材とハードコート層との密着性に優れ、ハードコート層による基材の表
面硬度の向上効果が高い積層体、この積層体からなる偏光子保護フィルム、及びこの偏光
子保護フィルムを偏光子に貼り合せてなる偏光板を提供することができる。
本発明において、「(メタ)アクリレート」という表現を用いる場合、「アクリレート
」及び「メタクリレート」の一方又は両方を意味するものとする。「(メタ)アクリロイ
ル」という表現を用いる場合、「アクリロイル」及び「メタクリロイル」の一方又は両方
を意味するものとする。「(メタ)アクリル」という表現を用いる場合、「アクリル」及
び「メタクリル」の一方又は両方を意味するものとする。
本発明の積層体は、硬化性組成物の硬化物を含むハードコート層(以下、単に「ハード
コート層」ともいう。)が、プラスチック基材の表面に直接積層されている積層体である
[ハードコート層]
本発明の積層体におけるハードコート層は、ラジカル重合可能な二重結合を3個以上有
する(メタ)アクリレート(M)、重量平均分子量が1000以上70000以下のアク
リル系重合体(P)、及び光吸収剤(H)を含む硬化性組成物の硬化物を含む。
[(メタ)アクリレート(M)]
前記硬化性組成物を構成する、ラジカル重合可能な二重結合を3個以上有する(メタ)
アクリレート(M)は、ハードコート層の表面硬度の向上などに寄与するものである。
(メタ)アクリレート(M)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキ
シ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス-2-ヒドロキシエチル
イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート
、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペン
タ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリ
メチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリ
レート;これらの3官能以上の多官能(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε-カ
プロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物の変性物;イソシアヌレート
構造等の窒素原子含有複素環構造を有する多官能(メタ)アクリレート;デンドリマー構
造を有する多官能(メタ)アクリレート、ハイパーブランチ構造を有する多官能(メタ)
アクリレート等の多分岐樹脂状構造を有する多官能(メタ)アクリレート;イソシアネー
トやトリイソシアネート、イソシアヌレートに、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレートが付加し
たウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、前記アクリル系重合
体(P)との相溶性の点から、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレートが好ましく、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートがより好ましい。
(メタ)アクリレート(M)のラジカル重合可能な二重結合の数は、ハードコート層の
表面硬度の点から4以上15以下が好ましく、10以下がより好ましい。
前記硬化性組成物には、ハードコート層の外観や組成液の粘度の調整のために、(メタ
)アクリレート(M)以外の単官能や二官能の(メタ)アクリレートを配合してもよい。
単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、n-ブ
チル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ
)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチ
ル(メタ)アクリート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ
)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ
)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレー
ト等の芳香族(メタ)アクリレート;ジアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート;メトキシエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリール(メタ)アクリ
レート、フェニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等のエチレン
オキサイド変性(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレート等の複素環含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば1,4-ブタンジオールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシク
ロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレ
ート;ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノー
ルFエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等のビスフェノール変性ジ(メタ)
アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ウ
レタンジ(メタ)アクリレート、エポキシジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
[アクリル系重合体(P)]
前記硬化性組成物を構成する、アクリル系重合体(P)は、ハードコート層と各種基材
との密着性の向上などに寄与するものである。
アクリル系重合体(P)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主な構成単位とす
る重合体であり、詳細は後述する側鎖にラジカル重合可能な二重結合を有するアクリル系
重合体(R)以外の重合体である。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、
例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n
-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ
)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸t-
ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル及び(メタ)アクリル酸n-ヘキシル等が挙げ
られる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中
でも、アクリル系重合体(P)の(メタ)アクリレート(M)との相溶性、ハードコート
層の耐熱性の点から、(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。
アクリル系重合体(P)を構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、特にメタク
リル酸メチル由来の構成単位の割合は、重量基準で60%以上が好ましく、70%以上が
より好ましく、80%以上99.9%以下がさらに好ましい。また、ハードコート層の密
着性や表面硬度を向上させるために、アクリル系重合体(P)は末端にラジカル重合可能
な二重結合を有するものも好ましい形態である。
アクリル系重合体(P)の重量平均分子量は好ましくは1000以上70000以下で
あり、3000以上60000以下がより好ましく、5000以上50000以下がさら
に好ましい。上記範囲で使用することでハードコート層の表面硬度と平滑性を確保するこ
とができる。
アクリル系重合体(P)のガラス転移温度(Tg)は、ハードコート層の機械特性を良
好にする点から、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、70℃以上がさら
に好ましい。また、そのガラス転移温度(Tg)は、ハードコート層を積層させて得られ
た積層体の加工性を良好にする点から、140℃以下が好ましく、130℃以下がより好
ましく、120℃以下がさらに好ましい。
ガラス転移温度(Tg)は、アクリル系重合体(P)を構成する単量体単位の種類およ
び質量分率から、下記のFoxの式により求められる。
1/Tg=Σ(Wi/Tgi)
この式で、Tgはアクリル系重合体(P)のガラス転移温度(単位はK)、Wiはアクリ
ル系重合体(P)を構成する単量体i由来の単量体単位の質量分率、Tgiは単量体iの
単独重合体のガラス転移温度(単位はK)を示す。Tgiの値は、POLYMER HA
NDBOOK Volume 1(WILEY-INTERSCIENCE)に記載の値を
用いることができる。
アクリル系重合体(P)の製造方法としては、例えば、溶液重合法、懸濁重合法及び乳
化重合法が挙げられる。アクリル系重合体(P)の重量平均分子量は、重合開始剤、連鎖
移動剤、固形分濃度、反応条件等により調整することができる。
前記硬化性組成物には有機溶媒を含んでいてもよい。その場合、アクリル系重合体(P
)は、有機溶媒に容易に溶解することができる点から、粒子形状のものを用いることが好
ましい。粒子形状のアクリル系重合体(P)の製造方法としては懸濁重合法が好ましい。
懸濁重合法によるアクリル系重合体(P)の製造方法としては、例えば、水、分散剤及
び単量体を含む水性懸濁液に重合開始剤を添加した後にこれを加熱して重合を実施し、次
いで、粒子形状のアクリル系重合体(P)を含む水性懸濁液を濾別、洗浄、脱水及び乾燥
する方法が挙げられる。
懸濁重合法で用いる分散剤としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩
、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩と(メタ)アクリル酸メチルの共重合体、ケン化度
70%以上100%以下のポリビニルアルコ-ル及びメチルセルロ-ス等が挙げられる。
これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
懸濁重合法における分散剤の添加量としては、懸濁重合における分散安定性、並びに得
られる粒子形状の重合体の洗浄性、脱水性、乾燥性及び流動性が向上する点から、重合さ
せる全単量体100質量部に対して0.005質量部以上5質量部以下が好ましく、0.
01質量部以上1質量部以下がより好ましい。
懸濁重合法では分散安定性向上を目的として、水性懸濁液中に炭酸ナトリウム、硫酸ナ
トリウム、硫酸マンガン等の電解質を加えることもできる。
懸濁重合法で用いる重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニト
リル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4
-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキ
シ2-エチルヘキサノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ2-エチ
ルヘキサノエート、t-ヘキシルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;及び過酸化
水素、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物が挙げられる。これらは
1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル系重合体(P)を製造する際、連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動
剤としては、例えば、n-ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、チオグリコール酸オ
クチル等のチオグリコール酸エステル、ビス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシメ
イト)コバルト(II)等のコバルト金属錯体、α-メチルスチレンダイマー及びターピ
ノーレンが挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらの中で、本発明の組成物の臭気や本発明の組成物の硬化物の耐候性の点から、
ビス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシメイト)コバルト(II)等のコバルト金
属錯体が好ましい。
アクリル系重合体(P)を製造する際の重合温度としては、短時間での重合及び重合安
定性の点から、50℃以上130℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ま
しい。
[光吸収剤(H)]
前記硬化性組成物を構成する光吸収剤(H)は、ハードコート層の劣化を防ぎ、ハード
コート層の密着性向上に寄与する。光吸収剤(H)としては、例えば紫外線吸収剤、ヒン
ダートアミン系光安定剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニ
ル)-2H-ベンゾトリアゾール[例えば、商品名「Tinuvin(登録商標)PS」
、BASF社製]、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブチルオキシフェニル)-6-
(2,4-ビス-ブチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン[例えば、商品名「
Tinuvin(登録商標)460」、BASF社製]等が挙げられる。
ヒンダートアミン系光安定剤としては、例えば、セバシン酸ビス[2,2,6,6-テ
トラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジン][例えば、商品名「Tinuv
in(登録商標)123」、BASF社製]、セバシン酸ビス[1,2,2,6,6-ペ
ンタメチル-4-ピペリジン][例えば、商品名「Tinuvin(登録商標)292」
、BASF社製]等が挙げられる。
これらの光吸収剤(H)は、1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい
。これらの中でも、(メタ)アクリレート(M)とアクリル系重合体(P)との相溶性が
良好となる点から、セバシン酸ビス[2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオ
キシ)-4-ピペリジン]が好ましい。
前記硬化性組成物中の(メタ)アクリレート(M)の含有量は、(メタ)アクリレート
(M)とアクリル系重合体(P)との合計100質量%に対して、10質量%以上90質
量%以下が好ましく、20質量%以上80質量%以下がより好ましく、30質量%以上7
0質量%以下がさらに好ましい。(メタ)アクリレート(M)の含有量は、多いほどハー
ドコート層の表面硬度が高くなり、少ないほど、すなわちアクリル系重合体(P)の含有
量が多いほどハードコート層と基材との密着性が高くなる傾向がある。
前記硬化性組成物中の固形分(溶媒以外の成分)に占める(メタ)アクリレート(M)
及びアクリル系重合体(P)の合計量は、ハードコート層の表面硬度と、ハードコート層
と基材との密着性が良好となる点から、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がよ
り好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。上限は特に制限はないが、好ましくは9
9.9質量%以下の範囲である。
前記硬化性組成物中の光吸収剤(H)の含有量は、ハードコート層の密着性向上の点か
ら、(メタ)アクリロイル基を有する化合物の合計100質量部に対して、0.1質量部
以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上がさらに好ましい
。また、硬化性を向上させる点から、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより
好ましく、7質量部以下がさらに好ましい。
[光重合開始剤(I)]
また、前記硬化性組成物には、さらに光重合開始剤(I)を含有することが好ましい。
前記光重合開始剤(I)は光照射によって重合反応を惹起する触媒作用を有するので、前
記硬化性組成物の硬化性向上が期待できる。前記光重合開始剤(I)としては例えば、分
子内開裂型光重合開始剤(I1)、水素引き抜き型光重合開始剤(I2)等が挙げられる
。分子内開裂型光重合開始剤(I1)とは、与えられた光を吸収して励起状態になったの
ち、その物自体が光開裂して2つのラジカルを生成するものであり、水素引き抜き型光重
合開始剤(I2)とは、他の分子から水素を引き抜いてラジカルを生成するものである。
分子内開裂型光重合開始剤(I1)を使用すると表面硬度が向上し、水素引き抜き型光
重合開始剤(I2)を使用するとハードコート層の基材との密着性が向上する傾向がある
。また、これらを併用することで、表面硬度と密着性を両立できる。
分子内開裂型光重合開始剤(I1)としては、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン[例えば、商品名「Omnirad(登録商標)184」、IGM社製]
、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン[例えば、商品名「Omn
irad(登録商標)651」、IGM社製]、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイ
ル)-フェニルフォスフィンオキサイド[例えば、商品名「Omnirad(登録商標)
819」、IGM社製]、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モル
フォリノプロパン-1-オン[例えば、商品名「Omnirad(登録商標)907」、
IGM社製]、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン[例えば
、商品名「Darocure(登録商標)1173」、IGM社製]等が挙げられる。こ
れらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、比較
的小さなエネルギーの光線でも開裂しやすく硬化性が高くなることから、光吸収スペクト
ルの280nm以上380nm未満の波長帯の領域に極大吸収波長を有する2,2-ジメ
トキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイ
ル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニ
ル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン等の化合物が好ましい。
水素引き抜き型光重合開始剤(I2)としては、例えば、2-エチルアントラキノン、
2,4-ジエチルチオキサントン、ベンゾフェノン及びその誘導体からなるベンゾフェノ
ン類等が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい
。これらの中でも、基材に塗布した硬化性組成物に活性エネルギー線を照射してハードコ
ート層を形成する際に塗膜の深部の硬化が表面より遅延するためハードコート層と基材と
の密着性が高くなることから、光吸収スペクトルの200nm以上280nm未満の波長
帯の領域に極大吸収波長を有する化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば
、ベンゾフェノンが挙げられる。
前記硬化性組成物中の光重合開始剤(I)の含有量は、前記硬化性組成物の硬化性を向
上させる点から、(メタ)アクリロイル基を有する化合物の合計100質量部に対して、
0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上がさ
らに好ましい。また、前記硬化性組成物の安定性が良好である点から、15質量部以下が
好ましく、10質量部以下がより好ましく、7質量部以下がさらに好ましい。
[その他の配合物]
前記硬化性組成物には、これまで説明した(メタ)アクリレート(M)、アクリル系重
合体(P)、光重合開始剤(I)、光吸収剤(H)、(メタ)アクリレート(M)以外の
(メタ)アクリレート以外の「その他の成分」を本発明の効果を阻害しない範囲で含んで
いてもよい。その他の成分としては、側鎖にラジカル重合可能な二重結合を有するアクリ
ル系重合体(R)、有機溶媒、充填剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、有機顔料、
有機粒子、無機粒子、レベリング剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、消泡
剤、酸化防止剤、光酸発生剤等が挙げられる。
前記アクリル系重合体(R)とは、アクリル系重合体の側鎖に炭素-炭素二重結合等の
ラジカル重合可能な二重結合を有する化合物のことである。アクリル系重合体(R)を配
合するとハードコート層の表面硬度と各種基材との密着性が向上することがある。アクリ
ル系重合体(R)を製造する方法としては、例えば、エポキシ基を有するアクリル系重合
体に二重結合及びカルボキシル基を有する化合物を反応させる方法(方法1)、カルボキ
シル基を有するアクリル系重合体に二重結合及びエポキシ基を有する化合物を反応させる
方法(方法2)、水酸基を有するアクリル系重合体に二重結合及びカルボキシル基を有す
る化合物を反応させる方法(方法3)、カルボキシル基を有するアクリル系重合体に二重
結合及び水酸基を有する化合物を反応させる方法(方法4)、イソシアネート基を有する
アクリル系重合体に二重結合及び水酸基を有する化合物を反応させる方法(方法5)、水
酸基を有するアクリル系重合体に二重結合及びイソシアネート基を有する化合物を反応さ
せる方法(方法6)等が挙げられる。また、以上の方法は組み合わせて使用してもよい。
前記有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、前記硬化性組成物に含まれる成
分の種類等を考慮して適宜選択することができる。有機溶媒の具体例としては、例えば、
トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、メチ
ルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエー
テル(PGM)、アニソール、フェネトール等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテート等のエステル系溶媒;ジメチル
ホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒;メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;メタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;ジク
ロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。
有機溶媒は1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも
、(メタ)アクリレート(M)とアクリル系重合体(P)との相溶性が良好となる点から
、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒及びケトン系溶媒が好ましい。
[硬化性組成物の製造方法]
前記硬化性組成物の製造方法は特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリレート(
M)、アクリル系重合体(P)及び光吸収剤(H)、並びに、必要により重合開始剤(I
)、(メタ)アクリレート(M)以外の(メタ)アクリレート、及びその他の成分等を混
合する方法が挙げられる。混合に際しては、ディスパーザー、撹拌機等で均一に混合する
ことが好ましい。
[基材]
本発明の積層体におけるプラスチック基材(以下、単に基材ともいう。)には各種のプ
ラスチック製基材を用いることができる。基材の形状はシート形状、フィルム形状等が挙
げられる。
基材の材質としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ア
クリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも透明性及び光学特性が良好である点から、ト
リアセチルセルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリシクロオレフィン樹
脂が好ましく、機械特性、耐熱性が良好である点からアクリル樹脂が好ましい。
また、基材のハードコート層を直接積層する表面以外の部分、例えば基材の内部や反対
側の面は、当該表面と異なる材質であってもよい。そのような異なる材質としては、例え
ば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リシクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、(メタ)アクリル樹脂などが挙
げられる。これらの中でも透明性及び耐熱性が良好である点から、ポリカーボネート樹脂
が好ましく、耐薬品性が良好である点からポリビニルアルコール樹脂が好ましい。そのた
め、基材としては、これら樹脂の層に前記プラスチック製基材の層を積層したものが好ま
しい。
基材は、例えば、インフレーション法、Tダイ法等の溶融押出成形法、溶液流延法、カ
レンダー法等任意の方法で成形して製造することができる。また、必要に応じて1軸もし
くは2軸延伸処理を行ってもよい。
基材には、前記の樹脂以外に機能性重合体、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、離型
剤、着色防止剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、位相差低減剤、無機粒子、有機粒子等の
添加剤を配合してもよい。
[積層体]
本発明の積層体を製造する方法は特に制限されないが、例えば、基材表面に前記硬化性
組成物を塗布して硬化させる方法を挙げることができる。なお、積層体は、基材の一部の
表面、例えば基材がシート状やフィルム状の場合は一方の面のみにハードコート層が形成
されていてもよく、他の面、例えば基材がシート状やフィルム状の場合は裏面にもハード
コート層が形成されていてもよい。
前記硬化性組成物を基材に塗布する方法としては、例えば、リバースコート法、グラビ
アコート法、ロッドコート法、バーコート法、マイヤーバーコート法、ダイコート法、ス
プレーコート法等が挙げられる。
基材に塗布した組成物を硬化する方法としては、好ましくは40℃以上100℃以下、
より好ましくは50℃以上80℃以下で乾燥させた後、40℃以上100℃以下で活性エ
ネルギー線を照射する方法が挙げられる。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、
X線、赤外線及び可視光線が挙げられる。これらの中でも、硬化性及び基材の劣化防止の
点から、紫外線及び電子線が好ましい。
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、種々の紫外線照射装置を用いることがで
きる。前記紫外線照射装置の光源としては、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライ
ドランプ、LED-UVランプ等を使用することができる。
紫外線の照射量は、硬化工程で必要とされる(メタ)アクリロイル基の反応率に応じて
適宜決定されるが、通常10mJ/cm以上10000mJ/cm以下である。前記
硬化性組成物の硬化性、前記硬化物の可撓性等の点から、20mJ/cm以上5000
mJ/cm以下が好ましく、30mJ/cm以上3000mJ/cm以下がより好
ましく、50mJ/cm以上1000mJ/cm以下であることがさらに好ましい。
また、生産性の向上を図る場合には、さらに照射量が少ない方が好ましく、500mJ/
cm以下、さらには400mJ/cm以下、特に200mJ/cm以下が好ましい
。本発明の組成物は、照射量が少なくても性能が発現しやすいという特徴がある。
また、紫外線の照度としては、50mW/cm以上600mW/cm以下が好まし
く、75mW/cm以上450mW/cm以下がより好ましく、100mW/cm
以上300mW/cm以下がさらに好ましい。
活性エネルギー線として電子線を用いる場合、種々の電子線照射装置を使用することが
できる。電子線の照射量は、硬化工程で必要とされる(メタ)アクリロイル基の反応率に
応じて適宜決定されるが、通常、0.5Mrad以上20Mrad以下である。組成物の
硬化性、ハードコート層の可撓性、基材の損傷防止等の点から、1Mrad以上15Mr
ad以下が好ましい。
ハードコート層の形成において、前記硬化性組成物の塗布及び硬化は1回のみ行っても
よいし、複数回行ってもよい。塗布及び硬化を複数回繰り返すことで、基材の反りを防止
することができる。
ハードコート層の厚さは、得られる積層体の鉛筆硬度の点から、1μm以上が好ましく
、3μm以上がより好ましく、4μm以上がさらに好ましい。また、耐クラック性の点か
ら、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ま
しく、8μm以下が特に好ましい。
基材の厚さは任意である。基材がフィルム状の場合、その厚さは、5μm以上3mm以
下が好ましく、10μm以上2mm以下より好ましく、15μm以上1mm以下がさらに
好ましく、20μm以上250μm以下が特に好ましい。
また、本発明の積層体の厚さも任意である。フィルム状の積層体の場合、各層が各々の
機能を十分に発揮させる必要性から、積層体の厚さは6μm以上が好ましく、10μm以
上がより好ましく、15μm以上がさらに好ましい。また、前記積層体が適用される製品
の薄型化、軽量化の要請の点から、積層体の厚さは3mm以下が好ましく、2mm以下が
より好ましく、1mm以下がさらに好ましく、300μm以下が特に好ましい。
本発明の積層体は、基材とハードコート層との密着性及び表面硬度に優れる。このため
、当該積層体は、液晶テレビ、有機ELテレビ、電子ペーパー、タッチパネル、スマート
フォン等の光学ディスプレイ用部品;ランプ関連物品、ウインドウ関連物品(リアウィン
ドウ、サイドウィンドウ、天窓等)等の自動車関連部品;各種電気機器の筐体、化粧板、
家具等の生活関連物品等の幅広い物品の表面カバーに好適に用いることができる。これら
の中でも光学ディスプレイ用部品として好適であり、特にディスプレイ用偏光板の製造に
おいて偏光子に貼りあわせて用いる偏光子保護フィルム、ディスプレイ用保護フィルムに
好適に用いることができる。
[偏光子保護フィルム、偏光板]
本発明の偏光子保護フィルムは、プラスチック基材がフィルム状であり、その片面だけ
に前記ハードコート層を有してる本発明の積層体からなる。また、本発明の偏光板は、本
発明の偏光子保護フィルムのハードコート層を有していない面を偏光子に貼り合わせたも
のである。当該偏光子保護フィルムは、偏光子の片側または両側に貼り合せることができ
る。貼り合せには接着剤や粘着剤等を用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
[アクリル系重合体(P)の重量平均分子量(Mw)]
アクリル系重合体(P)の重量平均分子量(Mw)は、ゲル透過クロマトグラフィー(
GPC)「HLC-8120」(東ソー(株)製)を用いて測定した。カラムとしては、
TSKgel G5000HXL*GMHXL-L(東ソー(株)製)を使用した。また
、標準ポリスチレンとして、F288/F80/F40/F10/F4/F1/A500
0/A1000/A500(東ソー(株)製)及びスチレンを使用して検量線を作成した

測定は、重合体をテトラヒドロフランに濃度が0.4%になるように溶解した溶液10
0μlを使用してカラムオーブン温度40℃で行った。重量平均分子量(Mw)は標準ポ
リスチレン換算にて算出した。
実施例及び比較例の評価は以下の方法で実施した。
[密着性の評価]
積層体のハードコート層側の面をJIS K-5400の碁盤目剥離試験(碁盤目数:
100個)に準じて評価し、剥離試験後に残ったマス目を評価した。残ったマス目の多い
方がより密着性が良好であることを示す。特に初期密着性(耐候性試験をしない場合の密
着性)においては、剥がれがないことが重要であり、好ましくは96個以上、より好まし
くは98個以上、さらに好ましくは100個(剥がれがない)である。
また、後述する耐候性試験後の密着性に関しても同様に評価し、残ったマス目の数が多
い方が密着性が良好であることを示す。耐候性試験後の密着性においては、好ましくは5
0個以上、より好ましくは80個以上、さらに好ましくは96個以上、特に好ましくは1
00個である。
[耐候性試験]
積層体の耐候性試験は、退色性試験機(H40、スガ試験機株式会社製)を用い、JI
S K-5572に準じて、積層体を60℃で400W水銀ランプ光に100時間暴露さ
せることにより行った。
[鉛筆硬度]
積層体のハードコート層を形成する前の基材自体の表面、及び積層体のハードコート層
の表面に対して、JIS準拠鉛筆硬度計を用い、JIS K-5400に準じて、荷重5
00gで傷の入らない鉛筆硬度を測定した。
ハードコート層の鉛筆硬度は基材自体の表面硬度に左右されるので、基材自体の鉛筆硬
度に対して、ハードコート層を形成した場合に鉛筆硬度が何ランク向上したかにより、ハ
ードコート層の表面硬度向上効果を評価した。
[(メタ)アクリレート(M)]
ラジカル重合可能な二重結合を3個以上有する(メタ)アクリレート(M)として、以
下の市販品を使用した。
(B-1I) ビスコート(登録商標)#300(大阪有機化学工業株式会社製)
ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの
混合物
(B-1II) カヤラッド(登録商標)DPHA(日本化薬株式会社製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ートの混合物
[(メタ)アクリレート(M)以外の(メタ)アクリレート]
(メタ)アクリレート(M)以外の(メタ)アクリレートとして、以下の市販品を使用
した。
(B-1III) HEA(大阪有機化学工業株式会社製)
2-ヒドロキシエチルアクリレート
[アクリル系重合体(P)]
アクリル系重合体(P)として、以下の製造例1-1~1-3に記載の方法で製造した
重合体(B-2I)、製造例1-4に記載の方法で製造した重合体(B-2II)、及び
製造例1-5に記載の方法で製造した重合体(B-2III)を使用した。
[製造例1-1]分散剤(X)の製造
撹拌機、冷却管及び温度計を備えたフラスコ中に脱イオン水900部、メタクリル酸2
-スルホエチルナトリウム60部、メタクリル酸カリウム10部及びメタクリル酸メチル
12部を入れて撹拌し、フラスコ内を窒素置換しながら50℃に昇温した。次いで、フラ
スコ中に重合開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸
塩0.08部を添加し、更に60℃に昇温した。昇温後、滴下ポンプを使用して、メタク
リル酸メチル18部を0.24部/分の速度で連続的に滴下した。得られた反応溶液を6
0℃で6時間保持した後、室温に冷却して、透明な水溶液である固形分10%の分散剤(
X)を得た。
[製造例1-2]連鎖移動剤(Y)の製造
撹拌装置を備えたフラスコ中に、窒素雰囲気下で、酢酸コバルト(II)四水和物1.
00g、ジフェニルグリオキシム1.93g及び予め窒素バブリングにより脱酸素したジ
エチルエーテル80mlを入れ、室温で30分間攪拌した。次いで、三フッ化ホウ素ジエ
チルエーテル錯体10mlを加え、更に6時間攪拌した。得られた反応物を濾過し、固形
分をジエチルエーテルで洗浄し、15時間真空乾燥して、赤褐色固体の連鎖移動剤(Y)
2.12gを得た。
[製造例1-3]重合体(B-2I)の製造
撹拌機、冷却管及び温度計を備えたフラスコ中に、脱イオン水145部、硫酸ナトリウ
ム0.1部及び分散剤(X)0.25部を入れて撹拌し、均一な水溶液とした。次いで、
フラスコ中にメタクリル酸メチル100部、連鎖移動剤(Y)0.005部及び2,2’
-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)0.4部の単量体混合物を加え、水性懸濁液と
した。次に、フラスコ内を窒素置換し、80℃に昇温して約1時間反応させ、更に重合率
を上げるため、93℃に昇温して1時間保持した。次に、反応液を40℃に冷却して、水
性重合体懸濁液を得た。目開き45μmのナイロン製濾過布を用いて、この水性重合体懸
濁液に含まれる重合体を濾別し、脱イオン水で洗浄した後、40℃で16時間乾燥するこ
とで、重合体(B-2I)を得た。重合体(B-2I)のガラス転移温度(Tg)は82
℃、重量平均分子量(Mw)は7800であった。
[製造例1-4]重合体(B-2II)の製造
撹拌機、冷却管及び温度計を備えたフラスコ中に、脱イオン水145部、硫酸ナトリウ
ム0.1部及び分散剤(X)0.25部を入れて撹拌し、均一な水溶液とした。次いで、
フラスコ中にメタクリル酸メチル100部、n-ドデシルメルカプタン0.9部及び2,
2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)0.2部の単量体混合物を加え、水性懸濁
液とした。次に、フラスコ内を窒素置換し、68℃に昇温して約3時間反応させ、更に重
合率を上げるため、93℃に昇温して1時間保持した。次に、反応液を40℃に冷却して
、水性重合体懸濁液を得た。目開き45μmのナイロン製濾過布を用いて、この水性重合
体懸濁液に含まれる重合体を濾別し、脱イオン水で洗浄した後、40℃で16時間乾燥す
ることで、重合体(B-2II)を得た。重合体(B-2II)のガラス転移温度(Tg
)は105℃、重量平均分子量(Mw)は40000であった。
[製造例1-5]重合体(B-2III)の製造
撹拌機、冷却管及び温度計を備えたフラスコ中に、脱イオン水145部、硫酸ナトリウ
ム0.1部及び分散剤(X)0.25部を入れて撹拌し、均一な水溶液とした。次いで、
フラスコ中にメタクリル酸メチル69.4部、メタクリル酸n-ブチル30部、メタクリ
ル酸0.6部、t-ドデシルメルカプタン1.0部及び2,2’-アゾビス(2-メチル
ブチロニトリル)0.3部の単量体混合物を加え、水性懸濁液とした。次に、フラスコ内
を窒素置換し、75℃に昇温して約2時間反応させ、更に重合率を上げるため、93℃に
昇温して1時間保持した。次に、反応液を40℃に冷却して、水性重合体懸濁液を得た。
目開き45μmのナイロン製濾過布を用いて、この水性重合体懸濁液に含まれる重合体を
濾別し、脱イオン水で洗浄した後、40℃で16時間乾燥することで、重合体(B-2I
II)を得た。重合体(B-2III)のガラス転移温度(Tg)は75℃、重量平均分
子量(Mw)は30000であった。
光吸収剤(H)として、以下の市販品を使用した。
(H-1)2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジン、
Tinuvin(登録商標)123(BASF社製)
光重合開始剤(I)として、以下の市販品を使用した。
(C-1)Omnirad(登録商標)-651(IGM社製)
2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン
(C-2)ベンゾフェノン(大同化成工業株式会社製)
基材として、以下のフィルムを使用した。
(F-1)ポリメタクリル酸メチル層(40μm)とポリエチレンテレフタレート層を積
層したフィルム(アクリル樹脂フィルム)、鉛筆硬度:2H
(F-2)ポリエチレンテレフタレート製フィルム(三菱ケミカル株式会社製、「ダイア
ホイル(登録商標)T100-50」、厚さ50μm)、鉛筆硬度:H
(F-3)シクロポリオレフィン製フィルム(日本ゼオン株式会社製、ZF16、厚さ5
0μm)、鉛筆硬度:2B
(F-4)トリアセチルセルロース製フィルム(厚さ40μm)、鉛筆硬度:2H
[実施例1]
(メタ)アクリレート(M)として「B-1I」を100質量部、アクリル系重合体(
P)として「B-2I」を100質量部、光吸収剤(H)として「H-1」を1質量部、
並びに光重合開始剤として「C-1」および「C-2」をそれぞれ2.5質量部混合し、
これを溶媒のメチルイソブチルケトン(MIBK)により、固形分濃度40質量%となる
ように希釈して硬化性組成物を得た。
得られた硬化性組成物を、基材となるアクリル樹脂フィルム「F-1」のポリメタクリ
ル酸メチル層側に、バーコーター#10を用いて乾燥後の塗膜厚さが5μmになるように
塗布し、70℃で1分間加熱乾燥した。硬化性組成物の塗膜に高圧水銀灯を光源とした岩
崎電気株式会社製「US5-X0401」を使用してUV照度120mW/cmで積算光
量200mJ/cmとなるように紫外線を1パス照射することで硬化性組成物を硬化さ
せ、基材のポリメタクリル酸メチル層側の表面にハードコート層を積層し、積層体を得た
得られた積層体について、鉛筆硬度および密着性の評価を行ったところ、鉛筆硬度は3
H(基材フィルム自体の鉛筆硬度2Hに対して+1ランク向上)、密着性は100といず
れも良好な結果であった。硬化性組成物の組成(単位は質量部)と評価結果を表1に示す
[実施例2~14]
表1及び2に示すように硬化性組成物の組成、基材フィルム、硬化時の積算光量を変更
した以外は実施例1と同様にしてハードコート層を積層し、積層体を得た。得られた積層
体の評価結果は表1及び2に示す通りであった。実施例3では、耐候性試験後の密着性に
ついても評価した。
[比較例1~7]
表3に示すように硬化性組成物の組成および基材フィルムを変更した以外は実施例1と
同様にしてハードコート層を積層し、積層体を得た。得られた積層体の評価結果は表3に
示す通りであった。比較例7では、耐候性試験後の密着性についても評価した。
アクリル系重合体(P)を配合しなかったものは密着性が悪く、(メタ)アクリレート
(M)を配合しなかったものは鉛筆硬度が低く、光吸収剤を配合しなかったものは初期の
密着性は良好であったが、耐候性試験後に密着性が大幅に低下した。
本発明の積層体は、液晶テレビ、有機ELテレビ、電子ペーパー、タッチパネル、スマ
ートフォン等の光学ディスプレイ用部品等に広く適用できる。特にディスプレイ用偏光板
の製造において偏光子に貼りあわせて用いる偏光子保護フィルム、ディスプレイ用保護フ
ィルム用途に好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. 硬化性組成物の硬化物を含むハードコート層が、プラスチック基材の表面に直接積層さ
    れている積層体であって、前記硬化性組成物が、ラジカル重合可能な二重結合を3個以上
    有する(メタ)アクリレート(M)、重量平均分子量が1000以上70000以下のア
    クリル系重合体(P)、及び光吸収剤(H)を含み、前記アクリル系重合体(P)を構成
    する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの構成単位の割合が80%以上である硬化性組
    成物であって、ハードコート層の厚さが1μm以上50μm以下である積層体。
  2. 前記硬化性組成物が光重合開始剤(I)をさらに含有する請求項1に記載の積層体。
  3. 前記光重合開始剤(I)が分子内開裂型光重合開始剤(I1)を含む請求項2に記載の
    積層体。
  4. 前記分子内開裂型光重合開始剤(I1)が、光吸収スペクトルの280nm以上380
    nm以下の領域に極大吸収波長を有する化合物である請求項3に記載の積層体。
  5. 前記光重合開始剤(I)が、水素引き抜き型光重合開始剤(I2)を含む請求項2~4
    のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記水素引き抜き型光重合開始剤(I2)が、光吸収スペクトルの200nm以上28
    0nm以下の領域に極大吸収波長を有する化合物である請求項5に記載の積層体。
  7. 前記水素引き抜き型光重合開始剤(I2)が、ベンゾフェノンである請求項6に記載の
    積層体。
  8. 前記(メタ)アクリレート(M)のラジカル重合可能な二重結合の数が、4以上15以
    下である請求項1~7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 前記プラスチック基材が、トリアセチルセルロース、アクリル系重合体、ポリエチレン
    テレフタレート及び環状ポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のプラ
    スチックを含む基材である請求項1~8のいずれか1項に記載の積層体。
  10. 前記プラスチック基材がフィルム状であり、その片面だけに前記ハードコート層を有し
    ている請求項1~9のいずれか1項に記載の積層体からなる偏光子保護フィルム。
  11. 請求項10記載の偏光子保護フィルムのハードコート層を有していない面を偏光子に貼
    り合わせてなる偏光板。
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