JP2022100691A - 硬化性組成物、偏光子保護フィルム及び偏光板 - Google Patents

硬化性組成物、偏光子保護フィルム及び偏光板 Download PDF

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Abstract

【課題】各種基材の表面にハードコート層を有する偏光子保護フィルム等の積層体において、ハードコート層の防眩性を概ね維持したままで、基材との密着性を向上できる硬化性組成物、この硬化性組成物の硬化物からなるハードコート層を基材フィルムの表面に有する積層体からなる偏光子保護フィルム、及びこの偏光子保護フィルムを偏光子に貼り合わせてなる偏光板を提供する。【解決手段】ラジカル重合可能な二重結合を3個以上有する(メタ)アクリレート(M)、ヒドロキシル基を有するアクリル系重合体(P1)、及び(P1)とは異なるアクリル系重合体(P2)を含有する硬化性組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、プラスチック基材の表面に耐擦傷性を付与するためのハードコート層を形成するための硬化性組成物、及びその硬化物、及びその硬化物からなるハードコート層を基材フィルムの表面に有する積層体、及びその積層体からなる偏光子保護フィルム、及びその偏光子保護フィルムを偏光子に貼り合わせてなる偏光板に関する。
液晶表示装置などに用いられる偏光板には偏光子に偏光子保護フィルムが積層されたものが用いられる。従来、偏光子保護フィルムにはトリアセチルセルロース(以下、TACという。)フィルムが使用されてきた。TACフィルムは一般的に表面硬度が低いため、傷付き防止を目的として表面にハードコート層が積層されている。
近年、液晶表示装置の大型化あるいは薄型化に伴い、TACよりも透湿防止性の高いアクリル系重合体や、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという。)、環状オレフィンポリマー(以下、COPという。)、環状オレフィンコポリマー(以下、COCという。)などの各種プラスチック製のフィルムを偏光子保護フィルムとして利用する検討がなされている。
また、携帯電話、スマートフォン等の液晶表示装置を有する電子機器においては、デザインの多様化、薄型化、大面積化の進展に伴い、その液晶表示装置のカバー自体にも薄型化、軽量化、安価化等の要求が高まっている。この表示体カバーとしてはガラス基材が一般的に使用されているが、表示体カバーそれ自体の薄型化、軽量化、安価化等の要求に伴い、現在では前記の偏光子保護フィルムと同様に各種プラスチック製のシートの使用が検討されている。
このような偏光子保護フィルム、表示体カバーにも傷付き防止を目的として表面にハードコート層が求められている。ハードコート層には外光を反射し易いものがあり、液晶表示装置の視認性が低下することから、ハードコート剤には防眩性を付与する粒子が配合されることがある。
例えば、特許文献1には、トリアセチルセルロース樹脂フィルムの表面にウレタンアクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート及びヒドロキシル基を2個以上含むアルキル基を有する(メタ)アクリルポリマーを含有する硬化性組成物の硬化物を積層した防眩性積層フィルム、及び前記積層フィルムが偏光子に積層された偏光板が記載されている。また、特許文献2及び3には、樹脂フィルムの表面に分子内にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートと分子内にヒドロキシル基を有さない(メタ)アクリレートを含有する硬化性組成物の硬化物を積層した防眩性積層フィルム、及び前記積層フィルムが偏光子に積層された偏光板が記載されている。
特開2007-047722号公報 特開2011-081118号公報 国際公開第2010/035761号
しかしながら、特許文献1乃至3に記載の硬化性組成物の硬化物からなる層は、基材の材質によっては密着性が課題になる懸念があった。
本発明は、各種基材の表面にハードコート層を有する偏光子保護フィルム等の積層体において、ハードコート層の防眩性を概ね維持したままで、基材との密着性を向上できる硬化性組成物、この硬化性組成物の硬化物からなるハードコート層を基材フィルムの表面に有する積層体からなる偏光子保護フィルム、及びこの偏光子保護フィルムを偏光子に貼り合わせてなる偏光板を提供することを目的とする。
前記課題は本発明によって解決される。本発明の要旨は以下の[1]から[15]にある。
[1]ラジカル重合可能な二重結合を3個以上有する(メタ)アクリレート(M)、ヒドロキシル基を有するアクリル系重合体(P1)、及び(P1)とは異なるアクリル系重合体(P2)を含有する硬化性組成物。
[2]さらに光重合開始剤(I)を含有する[1]に記載の硬化性組成物。
[3]前記(メタ)アクリレート(M)のラジカル重合可能な二重結合の数が、4以上15以下である[1]または[2]に記載の硬化性組成物。
[4]前記アクリル系重合体(P1)における水酸基価が、10mgKOH/g以上である[1]~[3]のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
[5]前記アクリル系重合体(P2)の重量平均分子量が、1000以上100000以下である[1]~[4]のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
[6]前記アクリル系重合体(P2)が、質量基準で30%以上がメタクリル酸メチルに由来する構成単位からなる重合体である[1]~[5]のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
[7]さらに防眩性を付与する粒子(G)を含有する[1]~[6]のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
[8]前記防眩性を付与する粒子(G)が有機粒子である[1]~[7]のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
[9]さらに無機微粒子(S)を含有する[1]~[8]のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
[10][1]~[9]のいずれか1項に記載の硬化性組成物を含む硬化物。
[11]基材層と[10]に記載の硬化物からなる層とを有する積層体。
[12]基材層が、トリアセチルセルロース、(メタ)アクリル、ポリエチレンテレフタレート及び環状ポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種を含む[11]に記載の積層体。
[13]硬化物上に表面機能層を有する[11]または[12]に記載の積層体。
[14][13]記載の積層体からなる偏光子保護フィルム。
[15][14]記載の偏光子保護フィルムのハードコート層を有していない面を偏光子に貼り合わせてなる偏光板。
本発明によれば、各種基材の表面にハードコート層を有する偏光子保護フィルム等の積層体において、ハードコート層の防眩性を概ね維持したままで、基材との密着性を向上できる硬化性組成物、及びその硬化物、及びその硬化物からなるハードコート層を基材フィルムの表面に有する積層体、及びその積層体からなる偏光子保護フィルム、及びその偏光子保護フィルムを偏光子に貼り合わせてなる偏光板を提供することができる。
本発明において、「(メタ)アクリレート」という表現を用いる場合、「アクリレート」及び「メタクリレート」の一方又は両方を意味するものとする。「(メタ)アクリロイル」という表現を用いる場合、「アクリロイル」及び「メタクリロイル」の一方又は両方を意味するものとする。「(メタ)アクリル」という表現を用いる場合、「アクリル」及び「メタクリル」の一方又は両方を意味するものとする。
本発明は、ラジカル重合可能な二重結合を3個以上有する(メタ)アクリレート(M)と、アクリル系重合体(P1)、及び(P1)とは異なるアクリル系重合体(P2)を含有する硬化性組成物(以下、本発明の組成物ともいう。)である。
本発明の組成物を用いることで、各種の基材との密着性が良好な硬化物層を形成することができる。この硬化物層は耐擦傷性も良好であるので、ハードコート層として好適である。
[(メタ)アクリレート(M)]
本発明の組成物を構成する、ラジカル重合可能な二重結合を3個以上有する(メタ)アクリレート(M)は、硬化性組成物の硬化性などに寄与するものである。
(メタ)アクリレート(M)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス-2-ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート;これらの3官能以上の多官能(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε-カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物の変性物;イソシアヌレート構造等の窒素原子含有複素環構造を有する多官能(メタ)アクリレート;デンドリマー構造を有する多官能(メタ)アクリレート、ハイパーブランチ構造を有する多官能(メタ)アクリレート等の多分岐樹脂状構造を有する多官能(メタ)アクリレート;イソシアネートやトリイソシアネート、イソシアヌレートに、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレートが付加したウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも防眩性を向上させるために、ヒドロキシル基を含有する化合物が好ましく、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレートやジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。また、前記アクリル系重合体(P)との相溶性の点から、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましく、硬化性組成物の硬化性の点も考慮するとジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートがより好ましい。
(メタ)アクリレート(M)のラジカル重合可能な二重結合の数は、硬化性組成物の硬化性の点から4以上15以下が好ましく、より好ましくは5以上10以下である。
本発明の組成物には、硬化物層の外観や組成液の粘度の調整のために、(メタ)アクリレート(M)以外の単官能や二官能の(メタ)アクリレートを配合してもよい。
単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;ジアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート;メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリール(メタ)アクリレート、フェニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等のビスフェノール変性ジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ウレタンジ(メタ)アクリレート、エポキシジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
[アクリル系重合体(P1)]
本発明の組成物を構成する、ヒドロキシル基を有するアクリル系重合体(P1)は、硬化物層に含まれる防眩性を付与する粒子の凝集性や各種基材との密着性に寄与するものである。
アクリル系重合体(P1)とは、アクリル系重合体のヒドロキシル基を有する化合物のことである。当該ヒドロキシル基を導入する方法としては、例えば、エポキシ基を有するアクリル系重合体にカルボキシル基を有する化合物を反応させてヒドロキシル基を発生させる方法(方法1)、カルボキシル基を有するアクリル系重合体にエポキシ基を有する化合物を反応させてヒドロキシル基を発生させる方法(方法2)、エステル基を有するアクリル系重合体の加水分解によりヒドロキシル基を発生させる方法(方法3)、カルボキシル基を有するアクリル系重合体に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を反応させる方法(方法4)、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを重合して得る方法(方法5)等が挙げられる。
また、以上の方法は組み合わせて使用してもよい。なお、以下において、ヒドロキシル基を有するラジカル重合可能なモノマーをビニルモノマーと称することがある。
前記方法1において、エポキシ基を有するアクリル系重合体を得るために用いられるエポキシ基を有するビニルモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、特に反応性の良好性、材料の使用のしやすさを考慮するとグリシジル(メタ)アクリレートが好ましく、グリシジルメタクリレートが特に好ましい。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
また、前記方法1におけるカルボキシル基を有する化合物は、硬化性の観点から二重結合も有するものであることが好ましい。二重結合及びカルボキシル基を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートと無水コハク酸の付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと無水コハク酸の付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと無水フタル酸の付加物等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと無水コハク酸の付加物が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましく、さらにハードコート層形成時の反応性を考慮するとアクリル酸が特に好ましい。なお、二重結合及びカルボキシル基を有する化合物は1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
前記方法2において、カルボキシル基を有するアクリル系重合体を得るために用いられるカルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、多塩基酸変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸が好ましい。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
また、前記方法2におけるエポキシ基を有する化合物は、硬化性の観点から二重結合も有するものであることが好ましい。二重結合及びエポキシ基を有する化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
前記方法3において、エステル基を有するアクリル系重合体を得るために用いられるエステル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、酢酸アリル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
また、前記方法3において、エステル基を有するアクリル系重合体の加水分解に際しては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等を用いることができる。
前記方法4において、カルボキシル基を有するアクリル系重合体としては、前記方法2と同様のものを用いることができる。
また、前記方法4において、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としては、例えば、2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記方法5において、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして用いられるビニルモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
以上の方法の中でも、反応を制御しやすく、生成物の取り扱いが容易であることから、方法1が好ましい。方法1では、ヒドロキシル基は、エポキシ基を有するアクリル系重合体のエポキシ基と、カルボキシル基を有する化合物におけるカルボキシル基との間の開環・付加反応により導入される。
前記方法1において、エポキシ基を有するアクリル系重合体中の、エポキシ基を有するモノマーは、エポキシ基を有するアクリル系重合体を構成するモノマー全量のうち、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、特に好ましくは50質量%以上の範囲である。また上限としては特に制限はないが、好ましくは99.9質量%以下の範囲である。当該範囲で使用することで、防眩性の向上、及び基材との密着性の向上を達成することができる。
また、前記方法1において、カルボキシル基を有する化合物は、エポキシ基を有するアクリル系重合体中のエポキシ基に対する、カルボキシル基を有する化合物の割合として、好ましくは10モル%以上150モル%以下であり、より好ましくは30モル%以上130モル%以下、さらに好ましくは50モル%以上110モル%以下である。当該範囲で使用することで、エポキシ基を有するアクリル系重合体に十分な量のヒドロキシル基が導入され、また原料の残渣を少なくする観点からも好ましい。
さらに、上述したエポキシ基を有するアクリル系重合体など、アクリル系重合体は、上述した以外の(メタ)アクリレートやその他のビニルモノマーを共重合したものであってもよい。なお、これらの原料の重合反応は通常、ラジカル重合であり、従来公知の条件で重合することができる。
原料として併用することのできるモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシ(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアロキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;エチル(メタ)アクリルアミド、n-ブチル(メタ)アクリルアミド、i-ブチル(メタ)アクリルアミド、t-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド;スチレン、p-クロロスチレン、p-ブロモスチレン等のスチレン系モノマー等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
アクリル系重合体は、上記の原料ビニルモノマーを用いてラジカル重合反応により製造することができる。ラジカル重合反応は、有機溶媒中でラジカル重合開始剤の存在下で実施することが好ましい。
ラジカル重合に用いる有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン系溶媒;エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、イソブタノール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2-エトキシエチルアセタート等のエステル系溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合に用いるラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキシド等の有機過酸化物;2,2’-アゾビスブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。ラジカル重合開始剤は原料のビニルモノマーの合計100質量%に対して0.01質量%以上5質量%以下の範囲で用いることが好ましい。
また、ラジカル重合の際には、アクリル系重合体の重量平均分子量を制御するなどの目的で、連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、2-メルカプトプロピオン酸オクチル、3-メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸2-エチルヘキシルエステル、チオグリコール酸2-エチルへキシル、ブチル-3-メルカプトプロピオネート、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチル-3-メルカプトプロピオネート、2,2-(エチレンジオキシ)ジエタンチオール、エタンチオール、4-メチルベンゼンチオール、オクタン酸2-メルカプトエチルエステル、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、デカントリチオール、ドデシルメルカプタン、ジフェニルスルホキシド、ジベンジルスルフィド、2,3-ジメチルカプト-1-プロパノ-ル、メルカプトエタノール、チオサリチル酸、チオグリセロール、チオグリコール酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、メルカプト酢酸、メルカプト琥珀酸、2-メルカプトエタンスルホン酸等のチオール系化合物等が挙げられる。これらは、1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
連鎖移動剤の使用量は、原料のビニルモノマーの合計100質量%に対して0.1質量%以上25質量%以下が好ましく、0.5質量%以上20質量%以下がより好ましく、1.0質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
ラジカル重合の反応時間は、1時間以上20時間以下が好ましく、3時間以上12時間以下がより好ましい。また、反応温度は、40℃以上120℃以下が好ましく、50以上100℃以下がより好ましい。
アクリル系重合体にカルボキシル基を有する化合物等を反応させるには、上記のようにして得られたアクリル系重合体に、カルボキシル基を有する化合物等を添加して、トリフェニルホスフィン、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルアミン等の触媒の1種又は2種以上存在下に通常90℃以上140℃以下、好ましくは100℃以上120℃以下の温度で、通常3時間以上9時間以下程度反応されればよい。ここで、触媒は、原料の(メタ)アクリル酸エステル系重合体とカルボキシル基を有する化合物等の化合物との合計100質量%に対して0.5質量%以上3質量%以下程度の割合で用いることが好ましい。この反応は、アクリル系重合体を重合反応で製造した後、引き続き行ってもよく、反応系からアクリル系重合体を一旦分取した後、カルボキシル基を有する化合物等の化合物等を添加して行ってもよい。
アクリル系重合体(P1)における水酸基価は、10mgKOH/g以上が好ましく、30mgKOH/g以上400mgKOH/g以下がより好ましく、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下がさらに好ましく、70mgKOH/g以上250mgKOH/g以下が特に好ましい。当該範囲で使用することで、硬化物層の防眩性向上や各種基材との密着性が良好なものとなる。
アクリル系重合体(P1)の重量平均分子量は、1000以上100000以下が好ましく、3000以上80000以下がより好ましく、5000以上60000以下がさらに好ましく、7000以上50000以下が特に好ましい。当該範囲で使用することで、硬化物層の表面硬度と平滑性を確保することができる。
アクリル系重合体(P1)のガラス転移温度(Tg)は、0℃以上120℃以下が好ましく、5℃以上110℃以下がより好ましく、10℃以上100℃以下がさらに好ましく、15℃以上95℃以下が特に好ましい。当該範囲で使用することで、硬化物層の表面硬度と平滑性を確保することができる。
ガラス転移温度(Tg)は、アクリル系重合体(P1)を構成する単量体単位の種類及び質量分率から、下記のFoxの式により求められる。
1/Tg=Σ(Wi/Tgi)
この式で、Tgはアクリル系重合体(P1)のガラス転移温度(単位はK)、Wiはアクリル系重合体(P1)を構成する単量体i由来の単量体単位の質量分率、Tgiは単量体iの単独重合体のガラス転移温度(単位はK)を示す。Tgiの値は、POLYMER HANDBOOK Volume 1(WILEY-INTERSCIENCE)に記載の値を用いることができる。
[アクリル系重合体(P2)]
本発明の組成物を構成する、(P1)とは異なるアクリル系重合体(P2)は、硬化物層と各種基材との密着性の向上などに寄与するものである。
アクリル系重合体(P2)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主な構成単位とする重合体であり、前記ヒドロキシル基を有するアクリル系重合体(P1)以外の重合体である。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸Sec-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル及び(メタ)アクリル酸n-ヘキシル等が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、アクリル系重合体(P2)の(メタ)アクリレート(M)との相溶性、ハードコート層の耐熱性の点から、(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。
アクリル系重合体(P2)を構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、特にメタクリル酸メチル由来の構成単位の割合は、質量基準で30%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましく、80%以上99.9%以下が特に好ましい。当該範囲で使用することで、硬化物層の表面硬度と密着性が良好なものとなる。
アクリル系重合体(P2)の重量平均分子量は1000以上100000以下好ましくはであり、2000以上80000以下がより好ましく、3000以上50000以下がさらに好ましく、5000以上20000以下が特に好ましい。当該範囲で使用することで硬化物層の平滑性と密着性が良好なものとなる。
アクリル系重合体(P2)のガラス転移温度(Tg)は、0℃以上150℃以下が好ましく、20℃以上130℃以下がより好ましく、40℃以上110℃以下がさらに好ましく、50℃以上100℃以下が特に好ましい。当該範囲で使用することで、硬化物層の機械特性が良好となり、また硬化物層を積層させて得られた積層体の加工性も良好になる。ガラス転移温度(Tg)は、アクリル系重合体(P1)の場合と同様に前記Foxの式により求められる。
アクリル系重合体(P2)の製造方法としては、例えば、溶液重合法、懸濁重合法及び乳化重合法が挙げられる。アクリル系重合体(P2)の重量平均分子量は、重合開始剤、連鎖移動剤、固形分濃度、反応条件等により調整することができる。
本発明の組成物には有機溶媒を含んでいてもよい。その場合、アクリル系重合体(P2)は、有機溶媒に容易に溶解することができる点から、粒子形状のものを用いることが好ましい。粒子形状のアクリル系重合体(P2)の製造方法としては懸濁重合法が好ましい。
懸濁重合法によるアクリル系重合体(P2)の製造方法としては、例えば、水、分散剤及び単量体を含む水性懸濁液に重合開始剤を添加した後にこれを加熱して重合を実施し、次いで、粒子形状のアクリル系重合体(P2)を含む水性懸濁液を濾別、洗浄、脱水及び乾燥する方法が挙げられる。
懸濁重合法で用いる分散剤としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩と(メタ)アクリル酸メチルの共重合体、ケン化度70%以上100%以下のポリビニルアルコ-ル及びメチルセルロ-ス等が挙げられる。
これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
懸濁重合法における分散剤の添加量としては、懸濁重合における分散安定性、並びに得られる粒子形状の重合体の洗浄性、脱水性、乾燥性及び流動性が向上する点から、重合させる全単量体100質量%に対して0.005質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上1質量%以下がより好ましい。
懸濁重合法では分散安定性向上を目的として、水性懸濁液中に炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マンガン等の電解質を加えることもできる。
懸濁重合法で用いる重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;及び過酸化水素、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル系重合体(P2)を製造する際、連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤としては、例えば、n-ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、チオグリコール酸オクチル等のチオグリコール酸エステル、ビス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシメイト)コバルト(II)等のコバルト金属錯体、α-メチルスチレンダイマー及びターピノーレンが挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、本発明の組成物の臭気や本発明の組成物の硬化物の耐候性の点から、ビス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシメイト)コバルト(II)等のコバルト金属錯体が好ましい。
アクリル系重合体(P2)を製造する際の重合温度としては、短時間での重合及び重合安定性の点から、50℃以上130℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
[硬化性組成物の組成割合]
本発明の組成物中の(メタ)アクリレート(M)の割合は、溶媒を除く全成分に対して、5質量%以上90質量%以下が好ましく、10質量%以上80質量%以下がより好ましく、20質量%以上70質量%以下がさらに好ましく、30質量%以上60質量%以下が特に好ましい。当該範囲で使用することで良好な表面硬度が得られる。
本発明の組成物中のアクリル系重合体(P1)の割合は、溶媒を除く全成分に対して、2質量%以上80質量%以下が好ましく、3質量%以上70質量%以下がより好ましく、5質量%以上50質量%以下がさらに好ましく、8質量%以上30質量%以下が特に好ましい。当該範囲で使用することで防眩性と、硬化物と基材との密着性の両立がしやすくなる。
本発明の組成物中のアクリル系重合体(P2)の割合は、溶媒を除く全成分に対して、5質量%以上80質量%以下が好ましく、10質量%以上70質量%以下がより好ましく、15質量%以上60質量%以下がさらに好ましく、20質量%以上50質量%以下が特に好ましい。当該範囲で使用することで硬化物層と基材との良好な密着性が得られる。
[光重合開始剤(I)]
また、本発明の組成物には、さらに光重合開始剤(I)を含有することが好ましい。前記光重合開始剤(I)は光照射によって重合反応を惹起する触媒作用を有するので、本発明の組成物の硬化性向上が期待できる。前記光重合開始剤(I)としては例えば、2-エチルアントラキノン、2,4-ジエチルチオキサントン、ベンゾフェノン及びその誘導体からなるベンゾフェノン類、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[例えば、商品名「Omnirad(登録商標)184」、IGM社製]、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン[例えば、商品名「Omnirad(登録商標)651」、IGM社製]、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド[例えば、商品名「Omnirad(登録商標)819」、IGM社製]、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン[例えば、商品名「Omnirad(登録商標)907」、IGM社製]、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン[例えば、商品名「Darocure(登録商標)1173」、IGM社製]等が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、基材に塗布した硬化性組成物に活性エネルギー線を照射して硬化物層を形成する際に塗膜の深部の硬化が表面より遅延するため硬化物層と基材との密着性が高くなることから、光吸収スペクトルの200nm以上280nm未満の波長帯の領域に極大吸収波長を有する化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、ベンゾフェノンが挙げられる。
本発明の組成物中の光重合開始剤(I)の含有量は、溶媒を除く全成分に対して、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましく、1.0質量%以上7質量%以下がさらに好ましい。当該範囲で使用することで組成物の硬化性を向上させ、また組成物の安定性が良好となる。
[防眩性を付与する粒子(G)]
本発明に用いられる防眩性を付与する粒子(G)としては、アクリル粒子(屈折率1.49)、アクリル-スチレン共重合体粒子(屈折率1.49~1.59)、ポリスチレン粒子(屈折率1.59)、ポリカーボネート粒子(屈折率1.58)、メラミン粒子(屈折率1.66)、エポキシ粒子(屈折率1.58)、ポリウレタン粒子(屈折率1.55)、ナイロン粒子(屈折率1.50)、ポリエチレン粒子(1.50~1.56)、ポリプロピレン粒子(屈折率1.49)、シリコーン粒子(屈折率1.43)、ポリテトラフルオロエチレン粒子(屈折率1.35)、ポリフッ化ビニリデン粒子(屈折率1.42)、ポリ塩化ビニル粒子(屈折率1.54)、ポリ塩化ビニリデン粒子(屈折率1.62)等の有機粒子やガラス粒子(屈折率1.48)、シリカ粒子(屈折率1.43)等を用いることができる。これらの防眩性を付与する粒子(G)は、1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、有機粒子が好ましく、アクリル粒子またはアクリル-スチレン共重合体粒子、ポリスチレン粒子を用いることがより好ましく、これらが架橋された粒子であることが防眩性の耐久面からさらに好ましい。
本発明の組成物中の防眩性を付与する粒子(G)の含有量は、溶媒を除く全成分に対して、0.5質量%以上30質量%以下が好ましく、1質量%以上20質量%以下がより好ましく、2質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。当該範囲で使用することで硬化物層は基材との密着性を保持したまま防眩性が良好となる。
[無機微粒子(S)]
さらに本発明の組成物は、硬化物の防眩性と組成物の硬化性を向上させるため、無機微粒子(S)を含んでいてもよい。無機微粒子は硬化物層の比重を大きくするため、比重の小さい防眩性を付与する粒子を表面に浮かせることで防眩性を向上させる効果がある。また、組成物の硬化性を向上させる点で、無機微粒子は(メタ)アクリロイル基などの反応性基を有するシランカップリング剤で表面修飾した粒子であることが好ましい。表面修飾した粒子は、例えば、(メタ)アクリロイル基などのラジカル重合可能な二重結合を有するシランカップリング剤と無機微粒子とを混合し25℃以上120℃以下で1時間以上24時間以下程度反応させる方法で製造できる。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニアが挙げられ、なかでもシリカが好ましい。
無機微粒子(S)の平均一次粒子径は0.005μm以上10μm以下が好ましく、0.01μm以上1μm以下がより好ましい。比表面積が大きく、反応性基が多く導入された当該範囲の無機微粒子(S)は組成物の硬化性を向上させる。
本発明の組成物中の無機微粒子(S)の含有量は、溶媒を除く全成分に対して、80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。当該範囲で使用することで組成物の硬化性を向上させ、また硬化物の防眩性が良好となる。
[光吸収剤(H)]
本発明の組成物は、光吸収剤(H)をさらに含むことも好ましい形態である。光吸収剤(H)を配合しておくことで硬化物層の劣化を防ぎ、硬化物層の密着性向上が期待できる。光吸収剤(H)としては、例えば紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系光安定剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール[例えば、商品名「Tinuvin(登録商標)PS」、BASF社製]、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ビス-ブチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン[例えば、商品名「Tinuvin(登録商標)460」、BASF社製]等が挙げられる。
ヒンダートアミン系光安定剤としては、例えば、セバシン酸ビス[2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジン][例えば、商品名「Tinuvin(登録商標)123」、BASF社製]、セバシン酸ビス[1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジン][例えば、商品名「Tinuvin(登録商標)292」、BASF社製]等が挙げられる。
これらの光吸収剤(H)は、1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、(メタ)アクリレート(M)とアクリル系重合体(P)との相溶性が良好となる点から、セバシン酸ビス[2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジン]が好ましい。
本発明の組成物中の前記光吸収剤(H)の含有量は、硬化物層の密着性向上の点から、溶媒を除く全成分に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上がさらに好ましい。また、硬化性を向上させる点から、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下がさらに好ましい。
[その他の配合物]
本発明の組成物には、これまで説明した(メタ)アクリレート(M)、アクリル系重合体(P)、光重合開始剤(I)、光吸収剤(H)、(メタ)アクリレート(M)以外の(メタ)アクリレート以外の「その他の成分」を本発明の効果を阻害しない範囲で含んでいてもよい。その他の成分としては、有機溶媒、充填剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、有機顔料、レベリング剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、消泡剤、酸化防止剤、光酸発生剤等が挙げられる。
前記有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、前記硬化性組成物に含まれる成分の種類等を考慮して適宜選択することができる。有機溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、アニソール、フェネトール等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテート等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。
有機溶媒は1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、(メタ)アクリレート(M)とアクリル系重合体(P1)、(P2)との相溶性が良好となる点から、芳香族系溶媒、アルコール系溶媒及びケトン系溶媒が好ましい。
[硬化性組成物の製造方法]
本発明の組成物の製造方法は特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリレート(M)、アクリル系重合体(P1)、(P2)、並びに、必要により重合開始剤(I)、光吸収剤(H)、(メタ)アクリレート(M)以外の(メタ)アクリレート、及びその他の成分等を混合する方法が挙げられる。混合に際しては、ディスパーザー、撹拌機等で均一に混合することが好ましい。
[基材]
本発明の組成物の硬化物層が積層される基材としては各種の材質のものが挙げられるが、特にプラスチック製基材が硬化物層との密着性の点で好適である。基材の形状はシート形状、フィルム形状等が挙げられる。
プラスチック製基材の材質としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも透明性及び光学特性が良好である点から、トリアセチルセルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂が好ましく、機械特性、耐熱性が良好である点からアクリル樹脂が好ましい。
また、基材の硬化物層を直接積層する表面以外の部分、例えば基材の内部や反対側の面は、当該表面と異なる材質であってもよい。そのような異なる材質としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、(メタ)アクリル樹脂などが挙げられる。これらの中でも透明性及び耐熱性が良好である点から、ポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂が好ましく、耐薬品性が良好である点からポリビニルアルコール樹脂が好ましい。そのため、基材としては、これら樹脂の層に前記プラスチック製基材の層を積層したものが好ましい。
基材は、例えば、インフレーション法、Tダイ法等の溶融押出成形法、溶液流延法、カレンダー法等任意の方法で成形して製造することができる。また、必要に応じて1軸もしくは2軸延伸処理を行ってもよい。
基材には、前記の樹脂以外に機能性重合体、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、位相差低減剤、無機粒子、有機粒子等の添加剤を配合してもよい。
[プライマー層]
本発明の硬化性組成物から形成される層は、基材に直接設けることを想定しているが、基材と硬化性組成物から形成される層との間に密着性を向上させる等のためにプライマー層が存在していてもよい。密着性を向上させるために設けるプライマー層としては、従来公知の樹脂を使用することができる。樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニル樹脂(ポリビニルアルコール、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等)等が挙げられる。その中でも、密着性能やプライマー層の形成のしやすさを考慮すると、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。
基材層が樹脂フィルムである場合、プライマー層の樹脂としては、プライマー層と基材層との親和性の観点から、樹脂フィルムの樹脂と同種の樹脂が好ましい。例えば基材層がポリ(メタ)アクリレートフィルムの場合には、プライマー層はアクリル樹脂を含有することが好ましく、基材層がポリエステルフィルムの場合には、プライマー層はポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
また、プライマー層に帯電防止剤を用いて帯電防止性能を付与することも可能である。
[表面機能層]
また、硬化性組成物から形成される層の上に、さらに機能を付与するために表面機能層を設けることも可能である。
表面機能層としては、防汚層、帯電防止層、屈折率調整層(反射防止層、低反射層等)、赤外線吸収層、紫外線吸収層、色補正層等が挙げられる。
防汚層は、凹凸層に撥水性や撥油性を付与することで防汚性能を向上させるために設けるものである。防汚層に用いられる材料としては、シリコーン化合物、フッ素化合物、長鎖アルキル基含有化合物等、従来公知のものを用いることができる。これらの中でもより強力な防汚性能の発現には、シリコーン化合物やフッ素化合物が好ましく、また、防汚層が接触する相手を汚染しないという観点からはフッ素化合物や長鎖アルキル基含有化合物が好ましい。
シリコーン化合物としては、分子内にシリコーン構造を有する化合物のことであり、例えば、ジメチルシリコーン、ジエチルシリコーン等のアルキルシリコーン、また、フェニル基を有するフェニルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等が挙げられる。シリコーンには各種の官能基を有するものも使用することができ、例えば、エーテル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボン酸基、フッ素等のハロゲン基、パーフルオロアルキル基、各種アルキル基や各種芳香族基等の炭化水素基等が挙げられる。他の官能基として、ビニル基を有するシリコーンや水素原子が直接ケイ素原子に結合したハイドロゲンシリコーンも一般的で、両者を併用して、付加型(ビニル基とハイドロゲンシランの付加反応による型)のシリコーンとして使用することも可能である。また、アクリロイル基等の二重結合を導入し、当該二重結合部で反応させる方法も好ましい。
また、シリコーン化合物として、アクリルグラフトシリコーン、シリコーングラフトアクリル、アミノ変性シリコーン、パーフルオロアルキル変性シリコーン等の変性シリコーンを使用することも可能である。耐熱性、汚染性を考慮すると、硬化型シリコーン樹脂を使用することが好ましく、硬化型の種類としては、縮合型、付加型、活性エネルギー線硬化型等いずれの硬化反応タイプでも用いることができる。
フッ素化合物としては、化合物中にフッ素原子を含有している化合物である。フッ素化合物としては、有機系フッ素化合物が好適に用いられ、例えば、パーフルオロアルキル基含有化合物、フッ素原子を含有するオレフィン化合物の重合体、フルオロベンゼン等の芳香族フッ素化合物等が挙げられる。離型性の観点からパーフルオロアルキル基を有する化合物であることが好ましい。さらにフッ素化合物には後述するような長鎖アルキル化合物を含有している化合物も使用することができる。
パーフルオロアルキル基を有する化合物とは、例えば、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート、パーフルオロアルキルメチル(メタ)アクリレート、2-パーフルオロアルキルエチル(メタ)アクリレート、3-パーフルオロアルキルプロピル(メタ)アクリレート、3-パーフルオロアルキル-1-メチルプロピル(メタ)アクリレート、3-パーフルオロアルキル-2-プロペニル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートやその重合物、パーフルオロアルキルメチルビニルエーテル、2-パーフルオロアルキルエチルビニルエーテル、3-パーフルオロプロピルビニルエーテル、3-パーフルオロアルキル-1-メチルプロピルビニルエーテル、3-パーフルオロアルキル-2-プロペニルビニルエーテル等のパーフルオロアルキル基含有ビニルエーテルやその重合物等が挙げられる。耐熱性、汚染性を考慮すると重合物であることが好ましい。重合物は単一化合物のみでも複数化合物の重合物でもよい。また、防汚性の観点からパーフルオロアルキル基は炭素原子数が3以上11以下であることが好ましい。さらに後述するような長鎖アルキル化合物を含有している化合物との重合物であってもよい。
長鎖アルキル基含有化合物とは、炭素数が通常6以上、好ましくは8以上、さらに好ましくは12以上の直鎖または分岐のアルキル基を有する化合物のことである。アルキル基としては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、オクタデシル基、ベヘニル基等が挙げられる。アルキル基を有する化合物とは、例えば、各種の長鎖アルキル基含有高分子化合物、長鎖アルキル基含有アミン化合物、長鎖アルキル基含有エーテル化合物、長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩等が挙げられる。耐熱性、汚染性を考慮すると高分子化合物であることが好ましい。また、効果的に防汚性を得られるという観点から、長鎖アルキル基を側鎖に持つ高分子化合物であることがより好ましい。
長鎖アルキル基を側鎖に持つ高分子化合物とは、反応性基を有する高分子と、当該反応性基と反応可能なアルキル基を有する化合物とを反応させて得ることができる。上記反応性基としては、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物等が挙げられる。これらの反応性基を有する化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリエチレンアミン、反応性基含有ポリエステル樹脂、反応性基含有ポリ(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも防汚性や取り扱い易さを考慮するとポリビニルアルコールであることが好ましい。
上記の反応性基と反応可能なアルキル基を有する化合物とは、例えば、ヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、デシルイソシアネート、ラウリルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、ベヘニルイソシアネート等の長鎖アルキル基含有イソシアネート、ヘキシルクロライド、オクチルクロライド、デシルクロライド、ラウリルクロライド、オクタデシルクロライド、ベヘニルクロライド等の長鎖アルキル基含有酸クロライド、長鎖アルキル基含有アミン、長鎖アルキル基含有アルコール等が挙げられる。これらの中でも離型性や取り扱い易さを考慮すると長鎖アルキル基含有イソシアネートが好ましく、オクタデシルイソシアネートが特に好ましい。
また、長鎖アルキル基を側鎖に持つ高分子化合物は、長鎖アルキル(メタ)アクリレートの重合物や長鎖アルキル(メタ)アクリレートと他のビニル基含有モノマーとの共重合によって得ることもできる。長鎖アルキル(メタ)アクリレートとは、例えば、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
表面機能層中の上述した防汚性能を発現するための防汚材料の含有量は、使用する材料にも依存するので一概にはいえないが、シリコーン化合物やフッ素化合物の場合は通常0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上の範囲であり、上限は100質量%であってもかまわない。また、長鎖アルキル基含有化合物を使用する場合は、通常0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上の範囲であり、上限は100質量%であってもかまわない。上記範囲で使用することで効果的な防汚性能を有することができる。
表面機能層として帯電防止層を形成する際に使用する帯電防止剤としては、従来公知の各種の帯電防止剤を使用することができる。また、例えばアンモニウム基を有する化合物にアクリロイル基等の二重結合を導入し、当該二重結合部で反応させる方法も好ましい。具体的には、N,N-ジアルキルアミノ基含有単量体の4級アンモニウム塩などの4級アンモニウム塩基を有する単量体単位を含んでなる重合体(T)である。このような重合体(T)は、例えば、4級アンモニウム塩基を有する単量体を単独重合、又はその他の単量体と共重合して製造することができる。
N,N-ジアルキルアミノ基含有単量体としては、例えば、アミノアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、具体的には、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N-ジヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、特にN,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好適に使用される。N,N-ジアルキルアミノ基の2つアルキル基は異なっていてもよい。
N,N-ジアルキルアミノ基含有単量体の4級アンモニウム塩としては、例えば、市販のN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライドによる4級化物[例えば、商品名「ライトエステル(登録商標)DQ-100」、共栄社化学株式会社製]などが挙げられる。N,N-ジアルキルアミノ基含有単量体の4級アンモニウム塩は、アミノアルコールの(メタ)アクリル酸エステルの4級化反応によって製造することもできる。
重合体(T)は、4級アンモニウム塩基を有する単量体以外の重合性単量体単位を含んでいてもよく、このような重合性単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;前記のアミノアルコールの(メタ)アクリル酸エステル;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。これらの中で、疎水性の高い長鎖アルキル基を有する重合性単量体は、重合体(T)を硬化物層の空気界面に偏析させて、硬化物層の帯電防止性を高めることができるので好ましい。このような長鎖アルキル基を有する重合性単量体としては、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
重合体(T)中の4級アンモニウム塩基含有単量体単位の割合は、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上70質量%以下がより好ましい。この割合は多いほど帯電防止性が高くなり、少ないほど硬化物層の透明性が向上する傾向がある。
重合体(T)の重量平均分子量は、800以上120,000以下が好ましく、2,000以上60,000以下がより好ましい。
重合体(T)は、上記の原料単量体を用いてラジカル重合反応により製造することができる。ラジカル重合反応は、有機溶媒中でラジカル重合開始剤の存在下で実施することが好ましい。
ラジカル重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン系溶媒;エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、イソブタノール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2-エトキシエチルアセタート等のエステル系溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合反応に用いるラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキシド等の有機過酸化物;2,2’-アゾビスブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。ラジカル重合開始剤は、原料単量体の合計100質量%に対して0.01質量%以上5質量%以下の範囲で用いることが好ましい。
また、ラジカル重合反応の際には、重合体(T)の重量平均分子量を制御する目的で連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、2-メルカプトプロピオン酸オクチル、3-メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸2-エチルヘキシルエステル、チオグリコール酸2-エチルへキシル、ブチル-3-メルカプトプロピオネート、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチル-3-メルカプトプロピオネート、2,2-(エチレンジオキシ)ジエタンチオール、エタンチオール、4-メチルベンゼンチオール、オクタン酸2-メルカプトエチルエステル、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、デカントリチオール、ドデシルメルカプタン、ジフェニルスルホキシド、ジベンジルスルフィド、2,3-ジメチルカプト-1-プロパノ-ル、メルカプトエタノール、チオサリチル酸、チオグリセロール、チオグリコール酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、メルカプト酢酸、メルカプト琥珀酸、2-メルカプトエタンスルホン酸等のチオール系化合物等が挙げられる。これらは、1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
連鎖移動剤の使用量は、原料単量体の合計100質量%に対して0.1質量%以上25質量%以下が好ましく、0.5質量%以上20質量%以下がより好ましく、1.0質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
ラジカル重合反応の反応時間は1時間以上20時間以下が好ましく、3時間以上12時間以下がより好ましい。また、反応温度は40℃以上120℃以下が好ましく、50℃以上100℃以下がより好ましい。
帯電防止剤組成物中の重合体(T)の割合は、溶媒を除く全成分に対して、好ましくは1質量%以上80質量%以下、より好ましくは2質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは3質量%以上40質量%以下、特に好ましくは4質量%以上30質量%以下の範囲である。当該範囲で使用することで硬化物層の帯電防止性と透明性の両立がしやすくなる。
重合体(T)以外の成分としては、帯電防止層の硬度を向上させるため、ラジカル重合可能な二重結合を有する(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス-2-ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート;これらの3官能以上の多官能(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε-カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物の変性物;イソシアヌレート構造等の窒素原子含有複素環構造を有する多官能(メタ)アクリレート;デンドリマー構造を有する多官能(メタ)アクリレート、ハイパーブランチ構造を有する多官能(メタ)アクリレート等の多分岐樹脂状構造を有する多官能(メタ)アクリレート;イソシアネートやトリイソシアネート、イソシアヌレートに、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレートが付加したウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、前記アクリル系重合体(P)との相溶性の点から、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましく、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートがより好ましい。
屈折率調整層としては、例えば、高屈折率層、低屈折率層及びそれらの積層物が挙げられる。表面機能層として屈折率調整層を形成する際に使用する材料として、高屈折率化を目的とする場合は、例えば、ベンゼン構造、ビスフェノールA構造、メラミン構造、フルオレン構造のような芳香族含有化合物、また、芳香族の中でも高屈折率化合物と考えられるナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ナフタセン、ベンゾ[a]アントラセン、ベンゾ[a]フェナントレン、ピレン、ベンゾ[c]フェナントレン、ペリレン構造のような縮合多環式芳香族化合物、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化インジウム、酸化セリウム、ATO(アンチモン・スズ酸化物)、ITO(インジウム・スズ酸化物)等の金属酸化物や、チタンキレートやジルコニウムキレート等の金属キレート化合物等の金属含有化合物、硫黄元素を含有する化合物、ハロゲン元素を含有する化合物等が挙げられる。
金属酸化物は、使用形態によっては密着性が低下する懸念があるため、粒子の状態で使用することが好ましく、また、その平均粒径は塗布外観等の観点から、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは25nm以下の範囲である。
表面機能層として屈折率調整層を形成する際に使用する材料として、低屈折率化を目的とする場合は、従来公知の材料を使用することができ、例えば、アクリル樹脂やウレタン樹脂は一般的には屈折率が低いために可能である。また、特にフッ素原子が樹脂の中に組み込まれた化合物、例えば、フッ素樹脂や、主種骨格にフッ素樹脂を含有する化合物、側鎖にパーフルオロアルキル基を含有する化合物が挙げられる。また、無機材料としては、中空シリカ粒子や、フッ化マグネシウムやフッ化カルシウム等フッ素原子含有無機化合物や、それらの中空粒子やナノポーラス粒子等も挙げられる。
表面機能層の厚みは、特に制約はないが、通常0.001μm以上10μm以下、好ましくは0.005μm以上5μm以下、より好ましくは0.01μm以上1μm以下、さらに好ましくは0.02μm以上0.5μm以下、特に好ましくは0.03μm以上0.2μm以下の範囲である。上記範囲で使用することで、表面機能層による機能の発現と、硬化性組成物から形成される層による性能の両立が可能となる。
なお、表面機能層は、従来公知の方法で形成できる。
[裏面機能層]
さらに基材の硬化性組成物から形成される層が設けられる面とは反対側の面に裏面機能層を設けることも可能である。裏面機能層としては、粘着層、帯電防止層、屈折率調整層、アンチブロッキング層等が挙げられる。
粘着層は、積層体を各種の被着体に接合するために設けられる。帯電防止層は、積層体の最表面、特に基材層の凹凸層側とは反対側の最表面に対する、剥離帯電や摩擦帯電による周囲のゴミ等の付着、それによる欠陥等を防止するために設けられる。屈折率調整層は、例えば、積層体の全光線透過率を向上させるために設けられる。アンチブロッキング層は、積層体のブロッキングを軽減するために設けられる。
粘着層を形成する粘着剤としては、公知のものを使用でき、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、ゴム系等が挙げられる。それらの中でも汎用性を考慮すると、アクリル系が好ましい。
帯電防止層、屈折率調整層はそれぞれ、表面機能層としての帯電防止層、屈折率調整層と同様である。
裏面機能層の厚みは、裏面機能層に使用する材料や発現させる性能にも依存するため一概にはいえないが、例えば0.001μm以上30μm以下である。裏面機能層が粘着層である場合は、好ましくは0.01μm以上30μm以下、より好ましくは0.1μm以上20μm以下である。裏面機能層が帯電防止層である場合は、好ましくは0.001μm以上10μm以下、より好ましくは0.01μm以上5μm以下である。
なお、裏面機能層は、従来公知の方法で形成できる。
[積層体]
本発明の組成物の硬化物層を基材に積層して積層体を製造する方法は特に制限されないが、例えば、基材表面に本発明の組成物を塗布して硬化させる方法を挙げることができる。なお、積層体は、基材の一部の表面、例えば基材がシート状やフィルム状の場合は一方の面のみに硬化物層が形成されていてもよく、他の面、例えば基材がシート状やフィルム状の場合は裏面にも硬化物層が形成されていてもよい。当該硬化物層は基材のハードコート層として機能する。
本発明の組成物を基材に塗布する方法としては、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、マイヤーバーコート法、ダイコート法、スプレーコート法等が挙げられる。
基材に塗布した組成物を硬化する方法としては、好ましくは40℃以上100℃以下、より好ましくは50℃以上90℃以下で乾燥させた後、40℃以上100℃以下で活性エネルギー線を照射する方法が挙げられる。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、赤外線及び可視光線が挙げられる。これらの中でも、硬化性及び基材の劣化防止の点から、紫外線及び電子線が好ましい。
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、種々の紫外線照射装置を用いることができる。前記紫外線照射装置の光源としては、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LED-UVランプ等を使用することができる。
紫外線の照射量は、硬化工程で必要とされる(メタ)アクリロイル基の反応率に応じて適宜決定されるが、通常10mJ/cm以上10000mJ/cm以下である。前記硬化性組成物の硬化性、前記硬化物の可撓性等の点から、20mJ/cm以上5000mJ/cm以下が好ましく、30mJ/cm以上3000mJ/cm以下がより好ましく、50mJ/cm以上1000mJ/cm以下であることがさらに好ましい。
また、生産性の向上を図る場合には、さらに照射量が少ない方が好ましく、500mJ/cm以下、さらには400mJ/cm以下、特に200mJ/cm以下が好ましい。本発明の組成物は、照射量が少なくても性能が発現しやすいという特徴がある。
また、紫外線の照度としては、50mW/cm以上600mW/cm以下が好ましく、75mW/cm以上450mW/cm以下がより好ましく、100mW/cm以上300mW/cm以下がさらに好ましい。
活性エネルギー線として電子線を用いる場合、種々の電子線照射装置を使用することができる。電子線の照射量は、硬化工程で必要とされる(メタ)アクリロイル基の反応率に応じて適宜決定されるが、通常、0.5Mrad以上20Mrad以下である。組成物の硬化性、硬化物の可撓性、基材の損傷防止等の点から、1Mrad以上15Mrad以下が好ましい。
硬化物層の形成において、本発明の組成物の塗布及び硬化は1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。塗布及び硬化を複数回繰り返すことで、基材の反りを防止することができる。
硬化物層の厚さは、得られる積層体の表面硬度の点から、1μm以上が好ましく、1.5μm以上がより好ましく、2μm以上がさらに好ましい。また、耐クラック性や密着性の点から、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5μm以下が特に好ましい。
基材の厚さは任意である。基材がフィルム状の場合、その厚さは、5μm以上3mm以下が好ましく、10μm以上2mm以下より好ましく、15μm以上1mm以下がさらに好ましく、20μm以上250μm以下が特に好ましい。
また、積層体の厚さも任意である。フィルム状の積層体の場合、各層が各々の機能を十分に発揮させる必要性から、積層体の厚さは6μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、15μm以上がさらに好ましい。また、前記積層体が適用される製品の薄型化、軽量化の要請の点から、積層体の厚さは3mm以下が好ましく、2mm以下がより好ましく、1mm以下がさらに好ましく、300μm以下が特に好ましい。
本発明の組成物の硬化物層をハードコート層として基材に積層した積層体は、基材とハードコート層との密着性及び耐擦傷性に優れる。このため、当該積層体は、液晶テレビ、有機ELテレビ、電子ペーパー、タッチパネル、スマートフォン等の光学ディスプレイ用部品;ランプ関連物品、ウインドウ関連物品(リアウィンドウ、サイドウィンドウ、天窓等)等の自動車関連部品;各種電気機器の筐体、化粧板、家具等の生活関連物品等の幅広い物品の表面カバーに好適に用いることができる。これらの中でも光学ディスプレイ用部品として好適であり、特にディスプレイ用偏光板の製造において偏光子に貼りあわせて用いる偏光子保護フィルム、ディスプレイ用保護フィルムに好適に用いることができる。
[偏光子保護フィルム、偏光板]
本発明の偏光子保護フィルムは、本発明の組成物の硬化物からなるハードコート層が、プラスチック製フィルムの片面だけに積層された積層体からなる。また、本発明の偏光板は、本発明の偏光子保護フィルムのハードコート層を有していない面を偏光子に貼り合わせたものである。当該偏光子保護フィルムは、偏光子の片側または両側に貼り合せることができる。貼り合せには接着剤や粘着剤等を用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[アクリル系重合体(P)の重量平均分子量(Mw)]
アクリル系重合体(P)の重量平均分子量(Mw)は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)「HLC-8120」(東ソー(株)製)を用いて測定した。カラムとしては、TSKgel G5000HXL*GMHXL-L(東ソー(株)製)を使用した。また、標準ポリスチレンとして、F288/F80/F40/F10/F4/F1/A5000/A1000/A500(東ソー(株)製)及びスチレンを使用して検量線を作成した。
測定は、重合体をテトラヒドロフランに濃度が0.4%になるように溶解した溶液100μlを使用してカラムオーブン温度40℃で行った。重量平均分子量(Mw)は標準ポリスチレン換算にて算出した。
実施例及び比較例の評価は以下の方法で実施した。
[密着性の評価]
積層体の硬化物層側の面をJIS K-5400の碁盤目剥離試験(碁盤目数:100個)に準じて評価し、剥離試験後に残ったマス目を評価した。残ったマス目の多い方がより密着性が良好であることを示す。特に初期密着性(耐候性試験をしない場合の密着性)においては、剥がれがないことが重要であり、好ましくは96個以上、より好ましくは98個以上、さらに好ましくは100個(剥がれがない)となり、各種の用途に使用するためには100個であることが重要となる。
[防眩性の評価]
積層体の防眩性はヘイズと相関があることから、積層体のヘイズ測定値を基準に評価した。ヘイズは、JIS Z8722:2009(透過物体の照射及び受光の幾何条件)及びJIS K7136:2000(プラスチック-透明材料のヘ-ズの求め方)に準拠し、村上色彩技術研究所製ヘーズメーター「HM-65W」を用いて測定した。評価結果は、ヘイズ測定値が高いほど防眩性が良好であること示し、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上である。上限は特に制限はないが、好ましくは90%以下である。
[硬化性の評価]
硬化性組成物の硬化性は、硬化性組成物の塗膜を下記に示した紫外線照射により硬化させ、十分に硬化される照射パス数を基準に評価した。十分に硬化されているかどうかは照射パスごとに塗膜を指触し、タックの有無を確認することで判断した。タックがある場合はタックがなくなるまで繰り返し紫外線照射し、タックがなくなるまでに必要な照射パス数を記録した。評価結果は、照射パス数が少ないほど硬化性が良好であること示し、好ましくは1回である。
[帯電防止性の評価]
積層体を23℃、湿度50%RHの恒温室内で24時間状態を調整した。その後、同恒温室内で、積層体の硬化物層側の面について高抵抗抵抗率計(三菱ケミカルアナリテック社製「ハイレスタ-UP MCP-HT450」)を用いて500Vの電圧を印加した後の表面固有抵抗値を測定し、帯電防止性の指標とした。表面固有抵抗値は小さいほど帯電防止性が良好であること示し、好ましくは1013Ω/sq.以下、より好ましくは1012Ω/sq.以下、さらに好ましくは1011Ω/sq.以下である。下限は特に制限はないが、好ましくは100Ω以上である。
[(メタ)アクリレート(M)]
ラジカル重合可能な二重結合を3個以上有する(メタ)アクリレート(M)として、以下の市販品を使用した。
(B-1-I) ビスコート(登録商標)#300(大阪有機化学工業株式会社製)
ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物
(B-1-II) カヤラッド(登録商標)DPHA(日本化薬株式会社製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物
(B-1-III) アロニックス(登録商標)M-403(東亞合成株式会社製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物
(B-1-IV) Miramer(登録商標)M200(Miwon Specialty Chemical社製)
1,6-ヘキサンジオールジアクリレート
(B-1-V) アロニックス(登録商標)M-510(東亞合成株式会社製)
ペンタエリスリトールトリアクリレートの無水コハク酸変性物とペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物
[アクリル系重合体(P1)]
アクリル系重合体(P1)として、以下の製造例2-1~2-3に記載の方法で製造した重合体(B-2-I)~(B-2-III)を使用した。
[製造例1-1](B-2-I)の製造
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM):178質量%、グリシジルメタクリレート(GMA):20質量%、メチルメタクリレート(MMA):79質量%、エチルアクリレート(EA):1.0質量%、及び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(V-65、富士フイルム和光純薬株式会社製):0.6質量%を加えて、65℃で3時間反応させた。
その後、さらにV-65:0.3質量%を加えて3時間反応させた後、PGM:48質量%と4-メトキシフェノール(MEHQ):0.5質量%を加え100℃まで加熱した。
次に、アクリル酸(AA):10質量%、及びトリフェニルホスフィン:1.6質量%を添加して、110℃で6時間反応させることで、アクリル系重合体(B-2-I)を得た。アクリル系重合体(B-2-I)のガラス転移温度(Tg)は88℃、重量平均分子量(Mw)は48800、水酸基価(OHV)は91mgKOH/gであった。
[製造例1-2](B-2-II)の製造
GMA:66質量%、MMA:33質量%、及びAA:33質量%に変更した以外は製造例1-1と同様にしてアクリル系重合体(B-2-II)を得た。アクリル系重合体(B-2-II)のTgは53℃、Mwは31800、OHVは211mgKOH/gであった。
[製造例1-3](B-2-III)の製造
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコに、キシレン:33.8質量%、酢酸ブチル:20質量%、スチレン:10質量%、n―ブチルメタクリレート:49質量%、イソブチルメタクリレート:15.2質量%、2-ヒドロキシエチルアクリレート:22.8質量%、モノメチルマレエート:3質量%、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル:2質量%及びt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート:2.5質量%を加えて、130℃で4時間反応させた。
その後、キシレン:12質量%、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル:0.1質量%を加えて3時間反応させることで、アクリル系重合体(B-2-III)を得た。アクリル系重合体(B-2-III)のTgは20℃、Mwは8700、OHVは110mgKOH/gであった。
[アクリル系重合体(P2)]
(P1)とは異なるアクリル系重合体(P2)として、以下の製造例2-1~2-4に記載の方法で製造した重合体(B-3-I)、(B-3-II)を使用した。
[製造例2-1]分散剤(X)の製造
撹拌機、冷却管及び温度計を備えたフラスコ中に脱イオン水:900質量%、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム:60質量%、メタクリル酸カリウム:10質量%及びMMA:12質量%を入れて撹拌し、フラスコ内を窒素置換しながら50℃に昇温した。次いで、フラスコ中に重合開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩:0.08質量%を添加し、更に60℃に昇温した。昇温後、滴下ポンプを使用して、MMA:18部を0.24質量%/分の速度で連続的に滴下した。得られた反応溶液を60℃で6時間保持した後、室温に冷却して、透明な水溶液である固形分10%の分散剤(X)を得た。
[製造例2-2]連鎖移動剤(Y)の製造
撹拌装置を備えたフラスコ中に、窒素雰囲気下で、酢酸コバルト(II)四水和物:1.00g、ジフェニルグリオキシム:1.93g及び予め窒素バブリングにより脱酸素したジエチルエーテル:80mlを入れ、室温で30分間攪拌した。次いで、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体:10mlを加え、更に6時間攪拌した。得られた反応物を濾過し、固形分をジエチルエーテルで洗浄し、15時間真空乾燥して、赤褐色固体の連鎖移動剤(Y)2.12gを得た。
[製造例2-3]重合体(B-3-I)の製造
撹拌機、冷却管及び温度計を備えたフラスコ中に、脱イオン水:145質量%、硫酸ナトリウム:0.1部及び分散剤(X):0.25部を入れて撹拌し、均一な水溶液とした。次いで、フラスコ中にMMA:100質量%、連鎖移動剤(Y):0.005質量%及び2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル):0.4質量%の単量体混合物を加え、水性懸濁液とした。次に、フラスコ内を窒素置換し、80℃に昇温して約1時間反応させ、更に重合率を上げるため、93℃に昇温して1時間保持した。次に、反応液を40℃に冷却して、水性重合体懸濁液を得た。目開き45μmのナイロン製濾過布を用いて、この水性重合体懸濁液に含まれる重合体を濾別し、脱イオン水で洗浄した後、40℃で16時間乾燥することで、アクリル系重合体(B-3-I)を得た。アクリル系重合体(B-3-I)のTgは82℃、Mwは7800であった。
[製造例2-4]重合体(B-3-II)の製造
GMA:50質量%、MMA:50質量%に変更した以外は製造例2-3と同様にしてアクリル系重合体(B-3-II)を得た。アクリル系重合体(B-3-II)のTgは59℃、Mwは6800であった。
[4級アンモニウム塩基を有する重合体]
4級アンモニウム塩基を有する重合体として、以下の製造例3-1に記載の方法で製造した4級アンモニウム塩基を有する重合体(B-4-I)の溶液を使用した。
[製造例3-1]重合体(B-4-I)の製造
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を取り付けた反応器に、(メタクリロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロリド(ライトエステル(登録商標)DQ-100、共栄社化学株式会社製):18質量%、ラウリルメタクリレートとトリデシルメタクリレートの混合物(アクリエステルSL、三菱ケミカル株式会社製):7.5質量%、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート(アクリエステルDM、三菱ケミカル株式会社製):4.5質量%、メチルエチルケトン(MEK):20質量%、イソプロピルアルコール(IPA):50質量%を仕込み、撹拌開始後に系内を窒素置換し、55℃に昇温した。ここへ、V-65:0.6質量%を添加した後、系内を65 ℃まで昇温し、3時間撹拌した後、さらにV-65:0.6質量%を添加して65℃で3時間撹拌した。系内を80℃まで昇温し、2時間撹拌した後、室温まで冷却し、重合体(B-4-I)の溶液を得た。この溶液の組成は重合体(B-4-I)/MEK/IPA=30/20/50(質量比)であった。重合体(B-4-I)のMwは45,200であった。
光重合開始剤(I)として、以下の市販品を使用した。
(C-1-I)ベンゾフェノン(大同化成工業株式会社製)
(C-1-II)1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Omnirad-184、BASF社製)
防眩性を付与する粒子(G)として、以下の市販品を使用した。
(E-1)架橋アクリル単分散粒子MX-500(綜研化学株式会社製)
[無機微粒子(S)]
無機微粒子(S)として、以下の製造例4-1に記載の方法で製造した無機微粒子(D-1)を使用した。
[製造例4-1]無機微粒子(D-1)の製造
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を取り付けた反応器に、メタノールシリカゾル(平均一次粒子径0.012μm、日産化学株式会社製):84質量%、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM-503、信越化学工業株式会社製):16質量%、重合防止のためMEHQ:0.002質量%を仕込み、系内に空気流を通した。撹拌開始後60℃に昇温し、脱イオン水:2.3質量%を投入。2時間かけてメタノールシリカゾルに含まれるメタノールと反応によって生じたメタノールの一部を留去した。一旦加熱を止め、次にトルエン:4.3質量%、MEHQ:0.003質量%を仕込み、90℃に昇温しメタノールを完全に留去し、溶剤をトルエンに置換することにより、メタクリロイル基を有するシランカップリング剤で表面修飾した無機微粒子(D-1)のトルエン分散液が得られた。この分散液の組成は無機微粒子(D-1)/トルエン=60/40(質量比)であった。
基材として、以下のフィルムを使用した。
(F-1)ポリメタクリル酸メチル層とポリエチレンテレフタレート層を積層したフィルム(アクリル樹脂フィルム)、厚さ40μmのポリメタクリル酸メチル層側を使用
(F-2)T602E50(三菱ケミカル株式会社製)
厚さ50μmのPETフィルム
(F-3)TG40UL(富士フイルム株式会社製)
厚さ40μmのTACフィルム
[実施例1]
(メタ)アクリレート(M)として「B-1-I」を13.9質量%、「B-1-II」を32.6質量%、アクリル系重合体(P1)として「B-2-I」を13.9質量%、アクリル系重合体(P2)として「B-3-I」を32.6質量%、光重合開始剤(I)として「C-1-I」を2.3質量%、防眩性を付与する粒子(G)として「E-1」を4.7質量%混合し、これを溶媒のトルエンにより、固形分濃度40質量%となるように希釈して硬化性組成物を得た。
得られた硬化性組成物をスターラーでよく撹拌したのち、基材となるアクリル樹脂フィルム「F-1」のポリメタクリル酸メチル層側に、バーコーター#6を用いて乾燥後の塗膜厚さが3μmになるように塗布し、80℃で1分間加熱乾燥した。硬化性組成物の塗膜に高圧水銀灯を光源とした岩崎電気株式会社製「US5-X0401」を使用してUV照度120mW/cm、照射1パスで積算光量が200mJ/cmとなるように設定し、紫外線を照射することで硬化性組成物を硬化させ、基材のポリメタクリル酸メチル層側の表面に硬化物層を積層し、積層体を得た。
得られた積層体について、密着性及び防眩性、硬化性の評価を行った。評価結果は、密着性が100、防眩性(ヘイズ)が33%、紫外線を1パスで硬化といずれも良好な結果であった。硬化性組成物の組成(単位は質量%)と評価結果を表1に示した。
[実施例2~7]
表1に示すように硬化性組成物の組成を変更した以外は実施例1と同様にして硬化物層を積層し、積層体を得た。得られた積層体の評価結果は表1に示す通りであった。
[実施例8~9]
表1に示すように基材を変更した以外は実施例1と同様にして硬化物層を積層し、積層体を得た。得られた積層体の評価結果は表1に示す通りであった。
[実施例10]
実施例1で得られた塗膜の上に帯電防止層を積層した。帯電防止層は、4級アンモニウム塩基を有する重合体として製造例3-1で製造した「B-4-I」の溶液を38.9質量%(「B-4-I」を11.7質量%)、(メタ)アクリレート(M)「(B-1-II)」を70.8質量%、「(B-1-V)」を6.0質量%、Omnirad-184「C-1-II」を11.5質量%混合し、これを溶媒のIPA、ノルマルブタノール(n-BuOH)及びMEKにより、固形分濃度3質量%となるように希釈して硬化性組成物を得た。
得られた硬化性組成物を、実施例1で得られた塗膜の上に、バーコーター#3を用いて乾燥後の塗膜厚さが0.1μmになるように塗布し、80℃で1分間加熱乾燥した。硬化性組成物の塗膜に高圧水銀灯を光源とした岩崎電気株式会社製「US5-X0401」を使用してUV照度120mW/cmで積算光量が200mJ/cmとなるように紫外線を1パス照射することで硬化性組成物を硬化させ、帯電防止層を積層した積層体を得た。
得られた積層体について、密着性及び防眩性、硬化性、帯電防止性の評価を行った。評価結果は、密着性が100、防眩性(ヘイズ)が21%、紫外線を1パスで硬化、表面固有抵抗値は5.4×1011Ω/sq.といずれも良好な結果であった。硬化性組成物の組成(単位は質量%)と評価結果を表2に示した。
[比較例1~5]
表3に示すように硬化性組成物の組成を変更した以外は実施例1と同様にして硬化物層を積層し、積層体を得た。得られた積層体の評価結果は表3に示すように、密着性、防眩性、硬化性のいずれか一つ以上が悪いものであった。
Figure 2022100691000001
Figure 2022100691000002
Figure 2022100691000003
なお、表1~3中の略語は下記の通りである。
PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
IPA:イソプロピルアルコール
n-BuOH:ノルマルブタノール
MEK:メチルエチルケトン
本発明の組成物の硬化物層をハードコート層として基材に積層した積層体は、液晶テレビ、有機ELテレビ、電子ペーパー、タッチパネル、スマートフォン等の光学ディスプレイ用部品等に広く適用できる。特にディスプレイ用偏光板の製造において偏光子に貼りあわせて用いる偏光子保護フィルム、ディスプレイ用保護フィルム用途に好適に用いることができる。
[4級アンモニウム塩基を有する重合体(T)
4級アンモニウム塩基を有する重合体(T)として、以下の製造例3-1に記載の方法
で製造した4級アンモニウム塩基を有する重合体(B-4-I)の溶液を使用した。
Figure 2022100691000004

Claims (15)

  1. ラジカル重合可能な二重結合を3個以上有する(メタ)アクリレート(M)、ヒドロキシル基を有するアクリル系重合体(P1)、及び(P1)とは異なるアクリル系重合体(P2)を含有する硬化性組成物。
  2. さらに光重合開始剤(I)を含有する請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記(メタ)アクリレート(M)のラジカル重合可能な二重結合の数が、4以上15以下である請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記アクリル系重合体(P1)における水酸基価が、10mgKOH/g以上である請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記アクリル系重合体(P2)の重量平均分子量が、1000以上100000以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記アクリル系重合体(P2)が、質量基準で30%以上がメタクリル酸メチルに由来する構成単位からなる重合体である請求項1~5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. さらに防眩性を付与する粒子(G)を含有する請求項1~6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記防眩性を付与する粒子(G)が有機粒子である請求項1~7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. さらに無機微粒子(S)を含有する請求項1~8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の硬化性組成物を含む硬化物。
  11. 基材層と請求項10に記載の硬化物からなる層とを有する積層体。
  12. 基材層が、トリアセチルセルロース、(メタ)アクリル、ポリエチレンテレフタレート及び環状ポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項11に記載の積層体。
  13. 硬化物上に表面機能層を有する請求項11または12に記載の積層体。
  14. 請求項13記載の積層体からなる偏光子保護フィルム。
  15. 請求項14記載の偏光子保護フィルムのハードコート層を有していない面を偏光子に貼り合わせてなる偏光板。
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