JP2024044412A - 液圧ポンプユニット - Google Patents

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康平 久保
Kohei Kubo
裕樹 池田
Hiroki Ikeda
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Abstract

【課題】液圧ポンプにおいて流体の逆流を防ぐとともにポンプ内部での負圧の発生を防止する。【解決手段】液圧ポンプユニット100は、液圧ポンプ1と、吸込通路10と、吐出ポート3から吐出される流体を供給対象に導く吐出通路20と、吐出ポート3または吐出通路20と、タンク50と、を連通する循環通路30と、吐出通路20に設けられ、循環通路30よりも下流において吐出通路20内の流体の流れを制御する第一の弁と、循環通路30に設けられ、循環通路30内の流体の流れを制御する第二の弁と、を備え、回転軸の正転時には、第一の弁は液圧ポンプ1から供給対象への流体の流れを許容し、第二の弁は液圧ポンプ1からタンク50への流体の流れを遮断し、回転軸の逆転時には、第一の弁は供給対象から液圧ポンプ1への流体の流れを遮断し、第二の弁はタンク50から液圧ポンプ1への流体の流れを許容する。【選択図】図2

Description

本発明は、液圧ポンプユニットに関する。
特許文献1には、車両用駆動ユニットが、電動機もしくは発電機として機能する回転電機であるモータジェネレータと、オイルポンプと、を有する構成が開示されている。オイルポンプは、モータジェネレータのロータコアの回転に伴ってオイルを吐出する。オイルポンプから吐出されたオイルは、モータジェネレータに導かれ、モータジェネレータの各部を冷却もしくは潤滑する。
特開2012-223075号公報
特許文献1に記載のようなオイルポンプでは、ロータコアが逆転すると、オイルポンプの吐出側から吸込側にオイルが逆流してしまう。オイルが逆流すると、ポンプ内部が負圧になってしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、液圧ポンプにおいて流体の逆流を防ぐとともにポンプ内部での負圧の発生を防止することを目的とする。
本発明は、液圧ポンプユニットであって、吸込ポートと吐出ポートとを有し、駆動源により回転軸が回転されて駆動する液圧ポンプと、流体が貯留される貯留部から吸込ポートに流体を導く吸込通路と、吐出ポートから吐出される流体を供給対象に導く吐出通路と、吐出ポートまたは吐出通路と、貯留部と、を連通する循環通路と、吐出通路に設けられ、循環通路よりも下流において吐出通路内の流体の流れを制御する第一の弁と、循環通路に設けられ、循環通路内の流体の流れを制御する第二の弁と、を備え、回転軸の正転時には、第一の弁は液圧ポンプから供給対象への流体の流れを許容し、第二の弁は液圧ポンプから貯留部への流体の流れを遮断し、回転軸の逆転時には、第一の弁は供給対象から液圧ポンプへの流体の流れを遮断し、第二の弁は貯留部から液圧ポンプへの流体の流れを許容することを特徴とする。
この発明では、吐出通路には第一の弁が設けられ、回転軸の逆転時には、第一の弁により供給対象から液圧ポンプへの流体の流れが遮断される。さらに、液圧ポンプユニットは第二の弁が設けられる循環通路を備え、回転軸の逆転時には、貯留部から循環通路を通じて液圧ポンプの吐出側に流体が導かれる。そのため、回転軸が逆転しても、第一の弁により供給対象からの流体の逆流を防止しつつ、循環通路により液圧ポンプ内での負圧の発生を防止できる。
また、本発明は、第一の弁は、液圧ポンプからの流体の流れのみを許容する第一逆止弁であり、第二の弁は、貯留部からの流体の流れのみを許容する第二逆止弁であることを特徴とする。
この発明では、第一逆止弁及び第二逆止弁により、簡易な構成で、液圧ポンプにおいて流体の逆流を防ぐとともに液圧ポンプ内での負圧の発生を防止できる。
また、本発明は、駆動源としての電動モータを有する車両に搭載され、回転軸は、車両が前進する際に正転し、車両が後退する際に逆転することを特徴とする。
この発明では、車両が後退する際に回転軸が逆転しても、流体の逆流を防ぐとともに液圧ポンプ内での負圧の発生を防止できる。
本発明によれば、液圧ポンプにおいて流体の逆流を防ぐとともにポンプ内部での負圧の発生を防止できる。
本発明の実施形態に係る液圧ポンプユニットの回路図であり、回転軸の正転時の状態を示す。 本発明の実施形態に係る液圧ポンプユニットの回路図であり、回転軸の逆転時の状態を示す。
図面を参照して、本発明の実施形態に係る液圧ポンプユニット100について説明する。本実施形態の液圧ポンプユニット100は、電気自動車に適用される。具体的には、液圧ポンプユニット100は、車両を前進及び後退させる電動モータ60(図1,図2参照)を有する車両に搭載される。
図1,図2に示すように、液圧ポンプユニット100は、吸込ポート2と吐出ポート3とを有する液圧ポンプ1を備える。液圧ポンプ1は、回転軸5が回転されて駆動する、例えばトロコイドポンプやベーンポンプ等のポンプである。液圧ポンプ1は、回転軸5が駆動源としての電動モータ60に接続され、電動モータ60により回転軸5が回転されて駆動する。本実施形態では、液圧ポンプ1は、車両内のギヤ部70に流体としての油を供給し、ギヤ部70内のギヤ(図示省略)を潤滑させる。なお、液圧ポンプ1は、油以外の他の流体を供給してもよい。液圧ポンプ1は、吸込ポート2及び吐出ポート3を一つずつ有し、吸込ポート2から油を吸い込み、吐出ポート3から油を吐出する。
液圧ポンプユニット100は、油が貯留される貯留部としてのタンク50から吸込ポート2に流体を導く吸込通路10と、吐出ポート3から吐出される流体を供給対象としてのギヤ部70に導く吐出通路20と、吐出ポート3とタンク50を連通する循環通路30と、吐出通路20に設けられる第一の弁としての第一逆止弁41と、循環通路30に設けられる第二の弁としての第二逆止弁42と、を備える。
吸込通路10は、タンク50と吸込ポート2を連通する。吐出通路20は、吐出ポート3とギヤ部70を連通する。吸込通路10及び吐出通路20により、タンク50からギヤ部70に導かれる油の流路が形成される。第一逆止弁41は、吐出通路20内の油の流れを制御する。具体的には、第一逆止弁41は、液圧ポンプ1からギヤ部70への油の流れのみを許容し、ギヤ部70から液圧ポンプ1への油の流れを遮断する。第二逆止弁42は、循環通路30内の油の流れを制御する。具体的には、第二逆止弁42は、タンク50から吐出ポート3への油の流れのみを許容し、吐出ポート3からタンク50への油の流れを遮断する。循環通路30の機能については後述する。
図1に示すように、液圧ポンプユニット100では、車両が前進する際には電動モータ60が正転し、電動モータ60に接続された液圧ポンプ1の回転軸5が正転する。液圧ポンプ1の回転軸5が正転すると、図1に矢印で示すように、タンク50から吸込通路10及び吸込ポート2を通じて液圧ポンプ1内に油が導かれ、液圧ポンプ1内で加圧された油が吐出ポート3、吐出通路20、及び第一逆止弁41を通じてギヤ部70に導かれる。これにより、タンク50からギヤ部70に油が導かれギヤ部70内のギヤが潤滑される。循環通路30は、高圧である吐出ポート3と低圧であるタンク50を連通するものの、第二逆止弁42により、吐出ポート3からタンク50への油の流れが遮断される。よって、循環通路30を通じて吐出ポート3からタンク50に油が導かれることはない。このように、循環通路30は、回転軸5の正転時にタンク50からギヤ部70に導かれる油の流路を形成するものではない。
また、図2に示すように、液圧ポンプユニット100では、車両が後退する際には電動モータ60が逆転し、電動モータ60に接続された液圧ポンプ1の回転軸5が逆転する。液圧ポンプ1の回転軸5が逆転すると、液圧ポンプ1の吐出側(吐出ポート3、吐出通路20、及びギヤ部70)から吸込側(吸込ポート2、吸込通路10、及びタンク50)に油が逆流しようとする。この際、吐出通路20に設けられる第一逆止弁41により、ギヤ部70から液圧ポンプ1への油の流れが遮断されるため、ギヤ部70内の油は、タンク50に逆流しない。よって、液圧ポンプ1の回転軸5が逆転しても、ギヤ部70内の油が逆流することが第一逆止弁41により防止され、ギヤ部70内のギヤの潤滑が保たれる。
ここで、液圧ポンプ1の回転軸5の逆転時には、上記のように第一逆止弁41によりギヤ部70から液圧ポンプ1への油の流れが遮断される。そのため、仮に液圧ポンプユニット100が循環通路30を備えない構成であると、液圧ポンプ1内が負圧になってしまう。
これに対して、本実施形態の液圧ポンプユニット100は、循環通路30を備え、液圧ポンプ1の回転軸5の逆転時には、タンク50から循環通路30を通じて液圧ポンプ1の吐出側に油が導かれる。具体的には、液圧ポンプ1の回転軸5の逆転時において、吐出ポート3がタンク50よりも低圧になると、タンク50から循環通路30及び第二逆止弁42を通じて吐出ポート3に油が導かれる。吐出ポート3から液圧ポンプ1内に導かれた油は、吸込ポート2から吐出されて再度タンク50に戻る。つまり、図2に矢印で示すように、循環通路30により、タンク50の油が液圧ポンプ1内を循環する。そのため、液圧ポンプ1内での負圧の発生を防止できる。
このように、液圧ポンプユニット100では、回転軸5が逆転しても、第一逆止弁41によりギヤ部70からの油の逆流を防止しつつ、循環通路30により液圧ポンプ1内での負圧の発生を防止できる。よって、ギヤ部70内のギヤの潤滑を保ちつつ、液圧ポンプ1の破損を防止できる。
以上の実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
液圧ポンプユニット100では、回転軸5の逆転時には、第一逆止弁41によりギヤ部70から液圧ポンプ1への油の流れが遮断される。さらに、タンク50から循環通路30を通じて液圧ポンプ1の吐出側に油が導かれる。そのため、回転軸5が逆転しても、第一逆止弁41によりギヤ部70からの油の逆流を防止しつつ、循環通路30により液圧ポンプ1内での負圧の発生を防止できる。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせることも可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、液圧ポンプユニット100は、電気自動車に適用され、液圧ポンプ1は、回転軸5が駆動源としての電動モータ60に接続されて電動モータ60により回転軸5が回転されて駆動する。これに限らず、液圧ポンプユニット100は、電気自動車以外の他の自動車や機器に適用されてもよい。例えば、液圧ポンプユニット100が他の自動車に適用される場合では、液圧ポンプ1は、回転軸5が車両のエンジンに接続され、エンジンを駆動源として回転駆動する。
<変形例2>
上記実施形態では、液圧ポンプ1は、供給対象としてのギヤ部70に流体としての油を吐出通路20を通じて供給し、ギヤ部70内のギヤを潤滑させる。これに限らず、液圧ポンプ1は、流体を供給する供給対象がギヤ部70でなくてもよい。例えば、液圧ポンプ1は、電動モータ等の機器を冷却する流体を吐出通路20を通じて供給するものであってもよい。
<変形例3>
上記実施形態では、循環通路30は、吐出ポート3とタンク50を連通する。これに限らず、循環通路30は、吐出通路20とタンク50を連通してもよい。具体的には、循環通路30は、吐出通路20における吐出ポート3と第一逆止弁41の間とタンク50を連通する。言い換えれば、第一逆止弁41は、循環通路30よりも下流において吐出通路20内の流体の流れを制御する。この構成であっても、液圧ポンプ1の回転軸5の逆転時において、吐出通路20がタンク50よりも低圧になると、タンク50から循環通路30及び第二逆止弁42を通じて吐出通路20に油が導かれる。よって、循環通路30によりタンク50の油が液圧ポンプ1内を循環する。そのため、液圧ポンプ1内での負圧の発生を防止できる。
<変形例4>
上記実施形態の液圧ポンプユニット100では、吐出通路20には第一の弁としての第一逆止弁41が設けられ、循環通路30には第二の弁としての第二逆止弁42が設けられる。これに限らず、第一逆止弁41及び第二逆止弁42に代えて、それぞれ電磁弁や手動弁等が第一の弁及び第二の弁として設けられてもよい。具体的には、第一の弁は、液圧ポンプ1の回転軸5の正転時には液圧ポンプ1からギヤ部70への流体の流れを許容し、液圧ポンプ1の回転軸5の逆転時にはギヤ部70から液圧ポンプ1への流体の流れを遮断すればよい。また、第二の弁は、液圧ポンプ1の回転軸5の正転時には液圧ポンプ1からタンク50への流体の流れを遮断し、液圧ポンプ1の回転軸5の逆転時にはタンク50から液圧ポンプ1への流体の流れを許容すればよい。このような構成であっても、第一の弁によりギヤ部70からの油の逆流を防止しつつ、循環通路30により液圧ポンプ1内での負圧の発生を防止できる。
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
液圧ポンプユニット100は、吸込ポート2と吐出ポート3とを有し、駆動源(電動モータ60)により回転軸5が回転されて駆動する液圧ポンプ1と、流体が貯留される貯留部としてのタンク50から吸込ポート2に流体を導く吸込通路10と、吐出ポート3から吐出される流体を供給対象(ギヤ部70)に導く吐出通路20と、吐出ポート3または吐出通路20と、タンク50と、を連通する循環通路30と、吐出通路20に設けられ、循環通路30よりも下流において吐出通路20内の流体の流れを制御する第一の弁(第一逆止弁41)と、循環通路30に設けられ、循環通路30内の流体の流れを制御する第二の弁(第二逆止弁42)と、を備え、回転軸5の正転時には、第一の弁は液圧ポンプ1から供給対象への流体の流れを許容し、第二の弁は液圧ポンプ1からタンク50への流体の流れを遮断し、回転軸5の逆転時には、第一の弁は供給対象から液圧ポンプ1への流体の流れを遮断し、第二の弁はタンク50から液圧ポンプ1への流体の流れを許容する。
この構成では、吐出通路20には第一の弁が設けられ、回転軸5の逆転時には、第一の弁により供給対象から液圧ポンプ1への流体の流れが遮断される。さらに、液圧ポンプユニット100は第二の弁が設けられる循環通路30を備え、回転軸5の逆転時には、タンク50から循環通路30を通じて液圧ポンプ1の吐出側に流体が導かれる。そのため、回転軸5が逆転しても、第一の弁により供給対象からの流体の逆流を防止しつつ、循環通路30により液圧ポンプ1内での負圧の発生を防止できる。
また、液圧ポンプユニット100では、第一の弁は、液圧ポンプ1からの流体の流れのみを許容する第一逆止弁41であり、第二の弁は、タンク50からの流体の流れのみを許容する第二逆止弁42である。
この構成では、第一逆止弁41及び第二逆止弁42により、簡易な構成で、液圧ポンプ1において流体の逆流を防ぐとともに液圧ポンプ1内での負圧の発生を防止できる。
また、液圧ポンプユニット100は、駆動源としての電動モータ60を有する車両に搭載され、回転軸5は、車両が前進する際に正転し、車両が後退する際に逆転する。
この構成では、車両が後退する際に回転軸5が逆転しても、流体の逆流を防ぐとともに液圧ポンプ1内での負圧の発生を防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1・・・液圧ポンプ、2・・・吸込ポート、3・・・吐出ポート、10・・・吸込通路、20・・・吐出通路、30・・・循環通路、41・・・第一逆止弁(第一の弁)、42・・・第二逆止弁(第二の弁)、50・・・タンク(貯留部)、60・・・電動モータ(駆動源)、70・・・ギヤ部(供給対象)、100・・・液圧ポンプユニット

Claims (3)

  1. 液圧ポンプユニットであって、
    吸込ポートと吐出ポートとを有し、駆動源により回転軸が回転されて駆動する液圧ポンプと、
    流体が貯留される貯留部から前記吸込ポートに流体を導く吸込通路と、
    前記吐出ポートから吐出される流体を供給対象に導く吐出通路と、
    前記吐出ポートまたは前記吐出通路と、前記貯留部と、を連通する循環通路と、
    前記吐出通路に設けられ、前記循環通路よりも下流において前記吐出通路内の流体の流れを制御する第一の弁と、
    前記循環通路に設けられ、前記循環通路内の流体の流れを制御する第二の弁と、を備え、
    前記回転軸の正転時には、前記第一の弁は前記液圧ポンプから前記供給対象への流体の流れを許容し、前記第二の弁は前記液圧ポンプから前記貯留部への流体の流れを遮断し、
    前記回転軸の逆転時には、前記第一の弁は前記供給対象から前記液圧ポンプへの流体の流れを遮断し、前記第二の弁は前記貯留部から前記液圧ポンプへの流体の流れを許容することを特徴とする液圧ポンプユニット。
  2. 請求項1に記載の液圧ポンプユニットであって、
    前記第一の弁は、前記液圧ポンプからの流体の流れのみを許容する第一逆止弁であり、
    前記第二の弁は、前記貯留部からの流体の流れのみを許容する第二逆止弁であることを特徴とする液圧ポンプユニット。
  3. 請求項1または2に記載の液圧ポンプユニットであって、
    前記駆動源としての電動モータを有する車両に搭載され、
    前記回転軸は、前記車両が前進する際に正転し、前記車両が後退する際に逆転することを特徴とする液圧ポンプユニット。
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