JP2024037069A - エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンのポンピングロスを低減できるエンジンを提供する。【解決手段】本開示のエンジンEは、エンジン回転軸であるクランクシャフト2と、クランクシャフト2を支持するクランクケース4と、クランクシャフト2の回転を変速するトランスミッション16と、クランクシャフト2の回転をトランスミッション16に伝達する動力伝達軸10と、クランクケース4の内部空間をクランク室28とミッション室30とに区画する区画壁26と、クランク室28内の流体をミッション室30内に排出してクランク室28を減圧するポンプ32とを備えている。動力伝達軸10は、区画壁26を貫通している。【選択図】図1

Description

本出願は、クランクケースの内部空間に、前記クランクシャフトが収納されるエンジンに関するものである。
エンジンにおいて、隣接するシリンダを仕切る隔壁に連通孔を形成して、シリンダ内のポンピングロスを低減したものがある(例えば、特許文献1)。
特開2005-069170号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているようなエンジンでは、気筒数、クランクシャフト形状、連通孔の形状によっては、ポンピングロスの低減効果が低い場合がある。
本出願の開示は、ピストンのポンピングロスを低減できるエンジンを提供する。
本開示のエンジンは、エンジン回転軸であるクランクシャフトと、前記クランクシャフトを支持するクランクケースと、前記クランクシャフトの回転を変速するトランスミッションと、前記クランクシャフトの回転を前記トランスミッションに伝達する動力伝達軸と、前記クランクケースの内部空間を、前記クランクシャフトが収納されるクランク室と、前記トランスミッションが収納されるミッション室とに区画する区画壁と、前記クランク室内の流体を前記ミッション室内に排出するポンプとを備え、前記動力伝達軸が前記区画壁を貫通している。
本開示のエンジンによれば、ポンプによりクランク室内の流体が排出されることで、クランク室が減圧される。このようにクランク室が減圧されることで、ピストンを挟んで燃焼室と反対側の空間の圧力が低くなるため、クランクシャフトのポンピングロスを低減することができる。また、動力伝達軸が貫通する区画壁によりクランク室とミッション室とが区画されることで、クランクシャフトが貫通する区画壁でクランク室とミッション室とを区画する場合に比べて、区画位置の自由度を高めることができる。
本開示の第1形態に係るエンジンを示す縦断面図である。 同エンジンのクランクシャフト、バランサシャフトおよびクラッチの入出力軸の配置を示す斜視図である。 同エンジンのクランクシャフト、バランサシャフトおよびクラッチの入出力軸の配置を示す平面図である。 比較例の軸の配置を示す平面図である。
以下、本開示の好ましい形態について図面を参照しながら説明する。図1は本開示の第1形態に係るエンジンを示す縦断面図である。本開示のエンジンEは、例えば、自動二輪車のような車両の動力源として用いられる。ただし、エンジンEの用途は、これに限定されない。本実施形態のエンジンEは、4つの気筒がクランクシャフトの軸線方向に沿って並ぶインライン4気筒エンジンである。本実施形態では、自動二輪車に搭載された状態で、エンジンEは、シートとヘッドパイプとの間に配置されて、クランク軸が自動二輪車の車幅方向に延びる。
エンジンEは、エンジン回転軸であるクランクシャフト2と、クランクシャフト2を支持する支持部分を備えるクランクケース4を備えている。クランクケースは、支持部分のほか、クランクシャフトを収容するクランク室の少なくとも一部を形成する。以下の説明において、「幅方向」とは、エンジン回転軸であるクランクシャフト2の軸心AX1に平行な方向をいう。
クランクシャフト2は、クランク構造によって、ピストンの直進運動を回転力に変える。クランクシャフト2は、クランクケース4に支持されるクランクジャーナル2aと、コネクティングロッド6が連結されたクランクピン2bと、クランクジャーナル2aとクランクピン2bをつなぐクランクアーム2cとを有している。
本実施形態のエンジンEはインライン4気筒エンジンであるので、クランクシャフト2の軸心AX1方向に並んだ4つのピストンを備えている。クランクピン2bは、クランクアーム2cによって、クランクシャフト2の軸心AX1から径方向に離れた位置に配置される。各ピストンがコネクティングロッド6を介してクランクピン2bに連結されている。これにより、ピストンの往復運動が、回転運動に変換される。
クランクジャーナル2aは、クランクシャフト2の両端部にそれぞれ設けられる。そのほかに、またクランクジャーナル2aは、クランクピン2bの両側にそれぞれ配置されている。本実施形態のクランクシャフト2は、5つのクランクジャーナル2aを有している。クランクジャーナル2aは、クランクシャフト2がクランクケース4に支持される被支持部を構成する。
クランクアーム2cは、クランクピン2bと、その両隣りのクランクジャーナル2aとを連結する。つまり、本実施形態のクランクシャフト2は、複数のクランクアーム2cを有している。複数のクランクアーム2cのうち1つを除くものは、ピストンの運動により生じる慣性力を軽減するためのウェイトが一体化されたクランクウェブである。
クランクウェブに形成されるウェイトは、クランクジャーナルを挟んで、クランクピンと反対側に配置される。複数のクランクアーム2cのうち残り1つのクランクアーム2cは、外周面に歯車を有するクランクギヤ8である。クランクギヤは、クランクシャフト両端に配置されるクランクジャーナルに対して軸線方向内側に配置される。言い換えると、クランクシャフト両端に配置されるクランクアームよりも、軸線方向内側に配置される。さらに本実施形態では、クランクギヤは、クランクシャフトの軸心方向中央に対して、後述するクラッチと反対側に配置される。本実施形態では、クランクギヤは、図1の左から3番目のクランクアームに形成される。
さらに、本開示のエンジンEは、アイドラシャフト10を備えている。アイドラシャフト10は、クランクシャフト2に平行な軸体で、その両端部でクランクケース4に回転自在に支持されている。本実施形態では、アイドラシャフト10は、クランクシャフト2から発生する振動を低減するバランサウェイトを有する。
詳細には、アイドラシャフト10は、クランクギヤ8に噛合う入力ギヤ12と、バランサウェイト14とを有している。クランクシャフト2が回転する際にウェブの遠心力により回転軸が振れたり偶力が生じたりする。バランサウェイト14は、この振れや偶力を抑制して平衡をとるために配置される。入力ギヤ12は、アイドラシャフト10の軸心方向AX2の一端部である図1の左端部に配置されている。本実施形態では、バランサウェイト14は軸心方向AX2に並んで2つ配置されているが、バランサウェイト14の数はこれに限定されない。バランサシャフト10を備えることにより、振動低減による運転者のフィーリング向上および部品の耐久性向上効果が実現される。
アイドラシャフト10は、クランクケース4に支持されている。本実施形態では、アイドラシャフト10の支持位置が、ジャーナルの支持位置と幅方向に同じ位置に配置される。
本開示のエンジンEは、さらに、クランクシャフト2の回転を変速するトランスミッション16と、トランスミッション16への動力伝達の連結および切り離しを行うクラッチ18を備えている。本実施形態では、トランスミッションは、常時噛合いギヤ変速機である。クランクケース4は、トランスミッションを収容するミッション室の少なくとも一部を形成する。
トランスミッション16は、クランクケース4の内部に配置されており、クランクシャフト2の回転力が入力される変速機入力軸20、これに配置された複数の入力側変速ギヤ20a、変速機入力軸20の回転力が伝達される変速機出力軸22、および変速機出力軸22に配置された複数の出力側変速ギヤ22aを有している。運転者によって選択された変速比となるように、入力側変速ギヤ20aと出力側変速ギヤ22aが噛み合うことで、クランクシャフト2の回転が変速されて出力される。
本実施形態のクラッチ18は、運転者の操作によって連結および切り離しが切り替えられる。クラッチ18はクラッチギヤ18aを有しており、クラッチギヤ18aを介してクランクシャフト2の回転がクラッチ18に入力される。
アイドラシャフト10は、さらに、クラッチギヤ18aに噛合う出力ギヤ24を有している。出力ギヤ24は、アイドラシャフト10の軸心方向AX2の他端部(図1の右端部)に配置されている。クランクシャフト2の回転は、アイドラシャフト10を介してクラッチ18およびトランスミッション16に伝達される。つまり、アイドラシャフト10が、クランクシャフト2の回転をトランスミッション16に伝達する動力伝達軸を構成する。
本実施形態では、アイドラシャフト10(動力伝達軸)の入力ギヤ12が、クランクシャフト2のクランクギヤ8に噛合う第1のギヤを構成し、出力ギヤ24が、クラッチ18のクラッチギヤ18aに噛合う第2のギヤを構成する。本実施形態では、入力ギヤ12と出力ギヤ24の歯数が異なる。具体的には、入力ギヤ12が出力ギヤ24よりも大径で、減速される。これにより、クラッチギヤ18aとクランクギヤ8とを用いた減速に比べて、減速比を大きくすることができること。また、同じ減速比でよい場合には、クラッチギヤ18aを小形化できる。
図2に示すように、バランサシャフト10の軸心AX2は、クランクシャフト2の軸心AX1とクラッチ8のクラッチシャフト(変速機入力軸20)の軸心AX3が通過する仮想平面VPに対して、仮想平面VPに直交する方向(図2の上方)に離れて配置されている。なお、図1は、3つの軸心AX1,AX2,AX3を通る面で切断されたた複数の縦断面を合成した図である。
図2を用いて、本実施形態のエンジンEの動力Pの流れを説明する。エンジンEが始動すると、ピストンが上下動してクランクシャフト2を回転させる。このクランクシャフト2の回転による動力Pが、クランクギヤ8および入力ギヤ12を介してアイドラシャフト10に伝達されて、アイドラシャフト10が回転する。
アイドラシャフト10の回転による動力Pが、出力ギヤ24およびクラッチギヤ18aを介してクラッチ18に入力され、これに連結された変速機入力軸20が回転する。変速機入力軸20の回転による動力Pが、入力側および出力側変速ギヤ20a,22a(図1)を介して変速機出力軸22に伝達され、変速機出力軸22が回転する。この変速機出力軸22の回転による動力Pにより、例えば、車両の駆動輪が回転する。
図1に示すように、クランクケース4の内部空間は、区画壁26により、クランクシャフト2が収納されるクランク室28と、トランスミッション16が収納されるミッション室30とに区画されている。本開示では、クランク室28とミッション室30は、区画壁26により完全に区画され、流体の移動が実質的に不可能となっている。本実施形態では、区画壁26は、型成形によりクランクケース4と一体に形成されている。
ポンプにより流体が吸引された場合に、クランク室28がミッション室30に比べて減圧された状態が維持される程度の区画となっており、軸受部分などで若干の流体通過を許容してもよい。区画壁26は、クランクケース4によって形成される。これにより、部品点数を削減できる。区画壁26は、クランクシャフト2とトランスミッションとの間に形成される。区画壁26は、ミッション室30からクランク室28への流体の流入を防ぐ壁として形成される。アイドラシャフト10のうち、入力ギヤ12はクランク室28に配置され、出力ギヤ24は、ミッション室30に配置される。
本開示では、動力伝達軸であるバランサシャフト10が区画壁26を貫通している。貫通部分は、軸心方向における入力ギヤ12と出力ギヤ24との間の部分である。詳細には、区画壁26は貫通孔26aを有し、この貫通孔26aにバランサシャフト10が貫通し、図示しないシール部材によりシールされている。区画壁26の貫通孔26aは、軸心AX2方向に関して、クランクシャフト2の両端の被支持部2aの間に配置されている。
バランサシャフト10は、この貫通部分で区画壁26に回転自在に支持されている。バランサシャフト10の一端部である図1の左端部がクランクケース4に支持され、他端部である図1の右端部が区画壁26に支持されている。バランサシャフト10の一端部は、入力ギヤ12よりも一端側である図1の右側、つまり軸方向外側でクランクケース4に支持されている。バランサシャフト10の他端部は、出力ギヤ24よりも一端側、つまり軸方向内側で区画壁26に支持されている。
換言すれば、バランサシャフト10は、入力ギヤ12と出力ギヤ24との間で区画壁26を貫通し、区画壁26に支持されている。入力ギヤ12はクランク室28に配置され、出力ギヤ24はミッション室30に配置されている。貫通部分が、出力ギヤ24に隣接して形成される。これにより、支持部分でのギヤから受けるモーメント力を小さくして、貫通部分によるアイドラシャフト10の支持剛税を高めやすくすることができる。
図3に示すように、本開示のエンジンEは、減圧ポンプ32を有している。減圧ポンプ32は、クランク室28内の流体を吸引する。本実施形態では、減圧ポンプ32は、クランク室28の流体をミッション室30内に排出して、クランク室28を減圧する。減圧ポンプ32は、例えば、スカベンジングポンプであり、クランク室28内部に配置されても外部に配置されてもよい。ただし、減圧ポンプ32は、これに限定されない。減圧ポンプ32は、エンジン駆動であってもよく、電動であってもよい。本実施形態では、減圧ポンプ32は、クランク室28に貯留される潤滑液を吸引する。減圧ポンプ32は、クランク室28に浸入する流体、例えば、ブローバイガス、潤滑液等の体積よりも大きい体積の流体を吸引する。これによって、クランク室28を減圧することができる。
本実施形態では、エンジンEは、潤滑オイルが貯留されるオイルタンク34と、オイルタンク34内の潤滑オイルをクランク28室およびミッション室30内の各潤滑部に供給するフィードポンプ36とを有している。オイルタンク34は、ミッション室30の底部に配置され、ミッション室30内の潤滑オイルを回収する。本実施形態では、オイルタンク34は、エンジンEの下部のオイルパンである。ただし、オイルタンク34は、オイルパンに限定されない。フィードポンプ36は、クランクケース4の外側に配置されても、内側に配置されてもよい。
本実施形態のエンジンEのオイルの流れを説明する。図1のエンジンEが始動すると、減圧ポンプ32およびフィードポンプ36が始動する。フィードポンプ36は、オイルタンク34のオイルOLを汲み上げて、クランク室28、ミッション室30等に設定される潤滑箇所、冷却箇所に供給する。
クランク室28に供給されたオイルOLは、ピストンの裏側、コネクティングロッド6等を潤滑したのち、落下する。図3の減圧ポンプ32は、クランク室28内のミスト、ブローバイガス、潤滑オイルOL等を同時に吸引し、ミッション室30に排出する。減圧ポンプ32は、フィードポンプ36よりも大きな吸引量を有した場合、クランク室28内の圧力が負圧になる。
本実施形態では、クランク室28は、潤滑オイルが吸引されて潤滑オイルが少ないドライな状態で、ミッション室30は、潤滑オイルが貯留されるウェットな状態、すなわちミスト状態である。つまり、本実施形態のエンジンEは、ドライサンプ構造のオイル循環方式である。
上記構成によれば、図1のクランク室28が減圧されているから、ピストンの上下運動によるポンピングロスが低減される。これによって、ロスの低減に起因して、エンジン出力の向上や、燃費向上、始動性向上などを図りやすい。ここで、「ポンピングロス」とは、ピストンの往復運動に起因するポンピングによるエネルギー損失で、混合気の燃焼によって生じたエネルギーの一部が、動力として取り出されずに、吸気行程や排気行程で消費されることをいう。
本実施形態では、クランクケース4の内部空間をクランク室28とミッション室30に分け、クランク室28の減圧効果を高めている。ミッション室30は、ポンピングロスへの影響がないので、減圧不要である。このように、限られた空間、すなわちクランク室28を区画して、減圧効果を高めることで、ミッション室30およびクランク室28の両方をポンプ32で吸引する場合に比べて、減圧によるポンピングロスの低減を図ることができる。また、ミッション室30の減圧を不要とすることで、減圧ポンプ32の小形化を図り易い。
また、クランクシャフト2の動力がアイドラシャフト10を介してクラッチ18に伝達され、アイドラシャフト10が貫通する区画壁26によりクランク室28とミッション室30とが区画されている。これにより、クランクシャフト2の軸方向端部で区画する場合に比べて、減圧されるクランク室28の設計の自由度を高めることができる。具体的には、バランサシャフト10に連結されるクランクギヤ8をクランクシャフト2の軸方向の中間部に配置することで、クランク室28およびクランクケース4がクランクシャフト2の軸方向に大形化するのを抑制できる。
例えば、図4に示すように、クランクシャフト100の最も右側のクランクジャーナル102よりも外側である図4の右側にクランクギヤ104を設けて、該クランクギヤ104とクラッチギヤ106をギヤ連結すると、エンジンEが幅方向に大形化する。これに対して、上記構成では、アイドラシャフト10によって、クランクシャフト2の軸心方向内側にクランクギヤ8、クラッチギヤ18aを配置でき、エンジンEの幅方向の大形化を抑制しつつ、ポンピングロスを低減できる。
アイドラシャフト10にバランサウェイト設けることで、振動低減効果による運転者のフィーリング向上、部品の耐久性向上等の効果がある。上記構成では、アイドラシャフト10が、クラッチ18への動力伝達部材を兼用し、クランク室28とミッション室30を区画する区画壁26を貫通している。このように、バランサシャフト10による振動低減を図りつつ、動力伝達軸をバランサシャフト10として利用することで、部品点数の増加を抑制できる。
また、アイドラシャフト10の入出力ギヤ12,24の歯数を異ならせて減速することで、クラッチギヤ18aの小形化が可能である。これにより、アイドラシャフト10を採用することで、クラッチギヤ18aの小形化によるエンジンEのコンパクト化を図りつつ、ポンピングロスを低減できる。
アイドラシャフト10が区画壁26に回転自在に支持されているので、アイドラシャフト10の支持部材を別途設ける必要がなく、部品点数を削減できる。また、区画壁26の貫通孔26aが、軸心方向AX2に関して、クランクシャフト2の両端の被支持部2a,2aの間に配置されている。これにより、クランク室28の軸方向寸法が大形化するのを防ぐことができる。
アイドラシャフト10の入力ギヤ12がクランク室28に配置され、出力ギヤ24がミッション室30に配置され、バランサシャフト10は入出力ギヤ12,24の間で区画壁26を貫通している。これにより、ギヤ12,24との干渉を防いで、区画室26を形成できる。
図2に示すように、アイドラシャフト10の軸心AX2が、クランクシャフト2の軸心AX1とクラッチ10のシャフトの軸心AX3が通過する仮想平面VPに対して、仮想平面VPに直交する方向に離れて配置されている。これにより、クランクシャフト2、クラッチ18のシャフトおよびバランサシャフト10が仮想平面VP上に並ぶ場合に比べて、クランクシャフト2とクラッチ18のシャフトとの間の距離を短くすることができ、これによりクランクケース4を小形化できる。
本実施形態では、アイドラシャフト10が設けられることで、入出力ギヤ12,24の幅方向位置の自由度が向上する。言い換えると、クランクシャフト2に形成されるクランクアームの位置に拘らずに、入出力ギア12,24を配置することができる。
本実施形態では、入出力ギヤ12,24が、幅方向外側に位置するクランクアームよりも幅方向内側に配置されることで、クラッチの幅方向外側端面をなるべく幅方向内側に配置しやすい。これによって、クラッチがクランクケースから幅方向外側に突出する突出量を減らして、エンジン全体として幅方向寸法の大型化を防ぐことができる。
アイドラシャフトは、クランクシャフトからの動力をクラッチに向けて伝達できればよく、クランクギヤの同心円状の任意の位置に配置することができる。例えば、トランスミッションの入力軸と、クランク軸との軸線を結ぶ仮想平面に対して、ずれた位置に配置されてもよい。これによってトランスミッションの入力軸をクランク軸に対して近づけて配置しやすい。
トランスミッション、クラッチは、運転者による動力で切り替わる構成でもよいし、アクチュエータによって与えられる動力で切り替わる構成でもよい。予め定める切替条件に基づいて、制御装置によってアクチュエータが制御されて、切り替わる構成でもよい。
区画壁は、クランクケースの一部で形成されてもよいが、クランクケースと、クランクケース以外の別部材を組み合わせて区画壁が形成されてもよい。また、クランク室の減圧性を高めるために、ブリーザ通路が形成されない場合も本発明に含まれる。ブリーザ通路が形成されないことで、クランク室への流体流入を減らすことができる。
本開示には、以下の態様1~7が含まれる。
[態様1]
エンジン回転軸であるクランクシャフトと、
前記クランクシャフトを支持するクランクケースと、
前記クランクシャフトの回転を変速するトランスミッションと、
前記クランクシャフトの回転を前記トランスミッションに伝達する動力伝達軸と、
前記クランクケースの内部空間を、前記クランクシャフトが収納されるクランク室と、前記トランスミッションが収納されるミッション室とに区画する区画壁と、
前記クランク室内の流体を前記ミッション室内に排出して前記クランク室を減圧するポンプと、を備え、
前記動力伝達軸が、前記区画壁を貫通しているエンジン。
[態様2]
態様1に記載のエンジンにおいて、前記動力伝達軸が、前記区画壁に回転自在に支持されているエンジン。
[態様3]
態様1または2に記載のエンジンにおいて、前記クランクシャフトは、その軸心方向の両端の被支持部で前記クランクケースに支持され、
前記区画壁は、前記動力伝達軸が貫通する貫通孔を有し、
前記クランクシャフトの軸心方向に関して、前記区画壁の貫通孔が、2つの前記被支持部の間に配置されているエンジン。
[態様4]
態様1から3のいずれか一項に記載のエンジンにおいて、前記動力伝達軸は、バランサウェイトを有しているエンジン。
[態様5]
請求項1から4のいずれか一項に記載のエンジンにおいて、さらに、前記トランスミッションへの動力伝達の連結および切り離しを行うクラッチを備え、
前記動力伝達軸は、前記クランクシャフトのギヤに噛合う第1のギヤと、前記クラッチのギヤに噛合う第2のギヤとを有し、
前記第1のギヤが前記クランク室に配置され、前記第2のギヤが前記ミッション室に配置され、
前記動力伝達軸は、前記第1のギヤと前記第2のギヤとの間で前記区画壁を貫通しているエンジン。
[態様6]
態様5に記載のエンジンにおいて、前記動力伝達軸の軸心は、前記クランクシャフトの軸心と前記クラッチのクラッチシャフトの軸心が通過する仮想平面に対して、前記仮想平面に直交する方向に離れて配置されているエンジン。
[態様7]
態様1から6のいずれか一項に記載のエンジンにおいて、前記エンジンが多気筒であるエンジン。
本開示は、以上の形態に限定されるものでなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。上記実施形態では、インライン4気筒エンジンについて説明したが、本開示のエンジンはインライン4気筒エンジンに限定されない。本開示のエンジンは、単気筒エンジンであってもよく、2気筒エンジン、3気筒エンジンまたは5気筒以上のエンジンであってもよい。また、本開示のエンジンは、V型エンジン、水平対向型のエンジンであってもよい。ただし、本開示は、クランクシャフト2の軸方向に大きくなり易い多気筒エンジンに好適である。また、1,2,3気筒エンジンでは、バランサシャフト10の必要性が高いので、本開示に適する。
さらに、クランクシャフト2は、上記実施形態のような180°位相のクランクシャフトであってもよく、または90°位相のクロスプレーンクランクシャフトであってもよい。180°位相のクランクシャフト2では、運転者のフィーリング向上、部品の耐久性向上等を目的としてバランサシャフト10を採用することがある。一方、90°位相のクロスプレーンクランクシャフトでは、バランサシャフト10の必要性が高い。そのため、どちらの場合でも、本開示の構成が好適に用いられる。
本開示のエンジンは、内燃機関と駆動モータとを備えるハイブリッド車両の動力源であってもよい。また、本開示のエンジンは、自動二輪車以外の乗物の内燃機関に用いられてもよいが、特に、エンジンの車幅方向寸法を大きくしにくい鞍乗型車両に好適に適用可能である。また、トランスミッションは、設定される複数の変速比から1つを選択および切替可能に形成されるが、1つの変速比に固定される場合であっても本開示の構成が好適に用いられる。上記実施形態では、クランクギヤは、左から3番目のクランクアームに形成されたが、これに限定されない。例えば、クランクギヤは、両端のクランクアーム以外に形成されることが好ましい。本実施形態では、アイドラシャフトにバランサウェイトが設けられたが、クランクシャフトから発生する振動が大きくないようであれば、バランサウェイトが設けらなくてもよい。また、区画壁と異なる位置でアイドラシャフトを支持してもよい。したがって、そのようなものも本開示の範囲内に含まれる。
2 クランクシャフト
2a クランクジャーナル(被支持部)
4 クランクケース
10 アイドラシャフト(動力伝達軸)
12 入力ギヤ(第1のギヤ)
14 バランサウェイト
16 トランスミッション
18 クラッチ
24 出力ギヤ(第2のギヤ)
26 区画壁
26a 貫通孔(区画壁)
28 クランク室
30 ミッション室
32 減圧ポンプ(ポンプ)
AX1 クランクシャフトの軸心
AX2 動力伝達軸の軸心
E エンジン

Claims (7)

  1. エンジン回転軸であるクランクシャフトと、
    前記クランクシャフトを支持するクランクケースと、
    前記クランクシャフトの回転を変速するトランスミッションと、
    前記クランクシャフトの回転を前記トランスミッションに伝達する動力伝達軸と、
    前記クランクケースの内部空間を、前記クランクシャフトが収納されるクランク室と、前記トランスミッションが収納されるミッション室とに区画する区画壁と、
    前記クランク室内の流体を前記ミッション室内に排出するポンプと、
    を備え、
    前記動力伝達軸が、前記区画壁を貫通しているエンジン。
  2. 請求項1に記載のエンジンにおいて、前記動力伝達軸が、前記区画壁に回転自在に支持されているエンジン。
  3. 請求項1または2に記載のエンジンにおいて、前記クランクシャフトは、その軸心方向の両端の被支持部で前記クランクケースに支持され、
    前記区画壁は、前記動力伝達軸が貫通する貫通孔を有し、
    前記クランクシャフトの軸心方向に関して、前記区画壁の貫通孔が、2つの前記被支持部の間に配置されているエンジン。
  4. 請求項1または2に記載のエンジンにおいて、前記動力伝達軸は、バランサウェイトを有しているエンジン。
  5. 請求項1または2に記載のエンジンにおいて、さらに、前記トランスミッションへの動力伝達の連結および切り離しを行うクラッチを備え、
    前記動力伝達軸は、前記クランクシャフトのギヤに噛合う第1のギヤと、前記クラッチのギヤに噛合う第2のギヤとを有し、
    前記第1のギヤが前記クランク室に配置され、前記第2のギヤが前記ミッション室に配置され、
    前記動力伝達軸は、前記第1のギヤと前記第2のギヤとの間で前記区画壁を貫通しているエンジン。
  6. 請求項5に記載のエンジンにおいて、前記動力伝達軸の軸心は、前記クランクシャフトの軸心と前記クラッチのクラッチシャフトの軸心が通過する仮想平面に対して、前記仮想平面に直交する方向に離れて配置されているエンジン。
  7. 請求項1または2に記載のエンジンにおいて、前記エンジンが多気筒であるエンジン。
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