JP2905462B2 - 自動二輪車用4サイクルエンジンのクランクケース内ブリーザ装置 - Google Patents

自動二輪車用4サイクルエンジンのクランクケース内ブリーザ装置

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JP2905462B2
JP2905462B2 JP12156997A JP12156997A JP2905462B2 JP 2905462 B2 JP2905462 B2 JP 2905462B2 JP 12156997 A JP12156997 A JP 12156997A JP 12156997 A JP12156997 A JP 12156997A JP 2905462 B2 JP2905462 B2 JP 2905462B2
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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Separating Particles In Gases By Inertia (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車用4サ
イクルエンジンのクランクケース内ブリーザ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】4サイクルエンジンでは、クランクケー
ス内にミスト状になった潤滑オイルに混じって、シリン
ダとピストンとの間から吹き抜けたブローバイガスが充
満している。このブローバイガスには潤滑オイルの劣化
を促進する成分が含まれているので、クランクケース内
の流体から潤滑オイルを分離除去した後に、ブローバイ
ガスを吸気系に戻して再燃焼させることが行われてい
る。
【0003】例えば、クランク室の上部にクランクケー
スの上壁を介してガス導入室を形成し、クランク室とガ
ス導入室とを複数の導入孔及び連通室によって連通し、
ガス導入室の上部に分離室を形成して、分離室で分離さ
れたブローバイガスを接続パイプを経て吸気系に導くこ
とが知られている(特開昭62−85110号公報参
照)。この従来例では、ガス導入室と分離室との間の隙
間、通孔及びオイル戻し孔を通って流体が分離室に流入
し、クランク室からガス導入室を通って分離室に至る過
程において、絞られたり流れの方向を変えられたりして
流速が低下し、分離室に流入したときは流速が大幅に低
下している。そのため、潤滑オイルは重力によって落下
し、オイル戻し孔及び隙間を通って分離室からガス導入
室に滴下し、さらに導入孔を通ってクランク室に戻され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来例によれば、クラ
ンク室から連通室を通ってガス導入室に流入する流体は
絞られることがなく、ガス導入室から分離室に入るとき
にのみ絞られるだけであるので、流体から潤滑オイルを
十分に分離することができなかった。また、従来例で
は、シリンダブロックの上部にガス導入室を形成し、さ
らにガス導入室の上部に独立した分離室を形成するの
で、構造が複雑であり、さらにバランサ軸及びシフトド
ラムの組付作業用の開口はガス導入室や分離室とは関係
のない箇所に設けられていたので、部品数及び組立工数
が多くコストが高かった。そこで本発明は、自動二輪車
用4サイクルエンジンのクランクケース内ブリーザ装置
において、簡単な構成により、少ない組立工数で潤滑オ
イルを分離できる部屋を複数形成し、そられの部屋を通
る間に膨張されたり収縮されたりして、気体と液体との
分離が十分行われるようにし、ブリーザ装置の内部にバ
ランサ軸及びシフトドラムの組付作業用の開口を形成
ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、自動二輪車用
4サイクルエンジンのクランクケース内と外部とを連絡
するブリーザ装置において、クランクケースが上ケース
と下ケースとに分割され、クランクケースの上ケースの
天井壁には隔壁が形成され、隔壁を含む上ケースの天井
にはバランサ軸及びシフトドラムの組付作業を行うた
めのバランサ軸用開口及びシフトドラム用開口が形成さ
れ、バランサ軸及びシフトドラムがクランクケースの分
割面以外の上ケースにクランク軸と平行に配置され、上
ケースの天井壁の前記開口上方に膨出した椀形状の上
カバーによって覆われ、カバーの内面には上ケースの
隔壁に対応した隔壁が形成されており、上ケースの隔壁
カバーの隔壁とによって複数の部屋が構成され、各
部屋が流通口によって順次に連通され、クランクケース
内の流体が前記各部屋を順次に流れることによって気体
と液体とが分離され、分離された気体を蓄積する部屋が
接続管によってエアクリーナに連通されたことを構成と
する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
ついて説明する。図1ないし図8は本発明の一実施の形
態を説明するための図である。図8において、1は本実
施の形態のエンジンを搭載した自動二輪車であり、これ
の車体フレーム2の前端部には、下端で前輪3を軸支す
る前フォーク4が左右に操向自在に支持され、中央部下
端には、後端で後輪5を軸支する後アーム6が上下に揺
動自在に枢支され、上部には前から順に大型の燃料タン
ク7,シート8が搭載されている。また、この車体フレ
ーム2の前部下側には、エンジンユニット9が懸架支持
されている。上記エンジンユニット9は、水冷式4サイ
クル並列2気筒型で、クランクケース10の上面前部に、
シリンダブロック11,シリンダヘッド12及びヘッドカバ
ー13を車載状態で水平面に対して略45度の前傾状態に積
み上げた構成となっている。
【0007】図1・図2に示すように、上記シリンダブ
ロック11の左,右気筒11a,11bの上部には、ピストン
14a,14bとシリンダヘッド12の凹部12a,12bとで燃
焼室14が形成されており、該燃焼室14に連通する吸,排
気ポートには、吸気弁15aが3本、排気弁15bが2本配
置されている。該各吸気弁15a,排気弁15b用の吸気カ
ム軸16a,排気カム軸16bの、車両後方から見て(以下
同じ)右側端部には従動スプロケット16cが固着されて
いる。上記各ピストン14a,14bは、コンロッド17a,
17bでクランク軸18のそれぞれ一対のウエブをクランク
ピンで連結してなるクランクアーム部18a,18b部分に
連接されており、該クランク軸18の両クランクアーム部
18a,18b間部分は中央軸受19cで軸支され、左,右外
側部分は左,右軸受19a,19bでそれぞれ軸支されてい
る。
【0008】上記クランクケース10は、上,下ケース2
3,24に2分割された上下割りの構造のものであり、こ
の分割面Aは車載時に前側が低くなるよう傾斜してい
る。上記左,右,中央軸受19a〜19cは、この分割面A
の前側寄り部分に形成されている。また、上記下ケース
24の後端部には、上述の後アーム6の前端を枢支するピ
ボット部24aが一体形成されている。上記クランク軸18
の右側突出部には駆動スプロケット18cが一体形成さ
れ、該スプロケット18cと上記カム軸16a,16bの従動
スプロケット16c間にはカムチェン20が巻回されてい
る。このカムチェン20はシリンダヘッド12,シリンダブ
ロック11及び上ケース23の右側壁に膨出形成されたチェ
ンケース部12c,11c,及び23a内を通るよう配置され
ている。
【0009】上記クランク軸18の駆動スプロケット18c
より外側端部にはポンプ駆動ギヤ25が装着されている。
これの下方には、オイルクーラの機能を有するオイルタ
ンク(図示せず)からの潤滑油を上記軸受19a〜19c等
の要潤滑部に供給するためのフィードポンプ26と、上記
下カバー24の下面に装着されたオイルパン28内の潤滑油
をオイルタンク内に送油するスカベンジポンプ27とが並
列配置されており、上記ポンプ駆動ギヤ25がフィードポ
ンプ26の入力ギヤ26aに、該入力ギヤ26aがスカベンジ
ポンプ27の入力ギヤ27aに順次噛合している。また、上
記クランクケース10右側壁の、上記チェンケース部23a
より前側部分には、冷却水循環用の水ポンプ53が配設さ
れている(図4参照)。この水ポンプ53の吸込口53aは
図示しないラジエータに、吐出口53bは上記シリンダブ
ロック11の冷却ジャケット11dにそれぞれ接続されてい
る。またインペラ軸53cに固着された従動ギヤ53dは後
述の前バランサ軸47の右端に固着された駆動ギヤ47cに
噛合している。
【0010】上記上ケース23のクランク軸18より後側で
かつ分割面Aより上方部分に変速主軸(メイン軸)32が
配設されており、この分割面間の変速主軸32より少し後
方部分には、変速副軸(ドライブ軸)35が配設されてい
る。この変速主軸32は左,右両端が軸受32b,32cで、
変速副軸35は軸受35b,35cでそれぞれ軸支されてい
る。上記変速主軸32の右軸受32cは該主軸32に装着され
た変速歯車32aより大径のハウジング32dを介して上ケ
ース23の右側壁に取り付けられている。また左軸受32b
部分には該主軸32の抜き取り作業用開口が形成されてお
り、該開口はキャップ32eが嵌合装着されている。この
キャップ32e及び上記副軸35の左軸受35bの外側のオイ
ルシール35dはクランクケース10の左側壁に固定された
板金製の押さえ板35eで押圧されている。なお、上記ハ
ウジング32dは変速主軸32を右側壁から挿入するための
ものである。
【0011】上記変速主軸32の右端には、湿式多板クラ
ッチ33が装着されており、該クラッチ33のアウタ33aに
固定された減速大歯車33bは上記クランク軸18に固定さ
れた減速小歯車22に噛合している。上記変速主軸32,副
軸35に装着された各段の変速歯車32a,35a同士が相互
に噛合しており、これにより常時噛み合い式変速装置が
構成されている。上記変速副軸35の左端はクランクケー
ス10の左側壁から外方に突出しており、該突出部には後
輪駆動用スプロケット36が装着され、該スプロケット36
と後輪5の従動スプロケット5a間には伝動チェン37が
巻回されている。このスプロケット36の外側にはこれを
覆うようにチェンカバー38が配設されている。
【0012】上記駆動スプロケット36の下側にはチェン
ジペダル39が揺動自在に設けられており、これは上側に
配設されたシフト軸40に、両端に自動継手41aを有し、
上記駆動スプロケット36の外方を上下方向に延びる連結
ロッド41bによって連結されている。またこの連結ロッ
ド41b及びシフト軸40の外側にはこれらを覆うケースカ
バー42が配設されており、上記チェンカバー38はこのシ
フト軸40とスプロケット36との仕切り部材となってい
る。
【0013】図5に示すように、上記シフト軸40は揺動
アーム54によりシフトドラム55に連結されている。該ド
ラム55のカム溝55aには、シフトフォーク56(本体部)
の従動爪56bが摺動可能に嵌合しており、駆動爪56cは
上記変速歯車32a,35aのシフト溝32d,35eに摺動可
能に嵌合している。また、このシフトフォーク56の支持
筒部(筒状部)56dは支持軸56aによって支持されてい
る。該支持軸56aは上ケース23に形成された挿入孔23d
から挿入され、先端部は該上ケース23に形成された支持
孔23eで支持されている。なお、23fは上記支持軸56a
の抜け止め用ストッパプレートである。
【0014】図4・図2・図1に示すように、上記下ケ
ース24のクランク軸18より前側でかつ分割面Aより下方
部分には前バランサ軸47が、上ケース23のクランク軸18
より後側でかつ分割面Aより上方部分には後バランサ軸
48がそれぞれクランク軸18と平行に配置されており、両
バランサ軸47,48の軸芯を結ぶ線Lは、クランク軸18の
軸芯より前側に位置している。上記前,後バランサ軸4
7,48はバランサ本体(本体部)49内に支持軸50を挿入
し、両者間にニードル軸受51を配設した構造のものであ
る。この支持軸50は上,下ケース23,24の側壁に形成さ
れた挿入孔23b,24fから挿入され、その先端が上,下
ケース23,24の右側壁に形成された支持孔23c,24gで
それぞれ支持され、かつその後端がキープレート47b,
48bによって該左側壁に固定されている。また、上記バ
ランサ本体49は、筒体49aの両端に重錘部49bを、中央
に位置決部49cをそれぞれ一体形成してなり、該重錘部
49bはクランク軸18の各クランクアーム部18a,18b間
に位置している。そして、上記位置決部49cは、該バラ
ンサ軸47,48の下側,上側に配置され、クランクケース
に固定された位置決板52のガイド溝52a内に挿入されて
おり、これにより各バランサ軸47,48は軸方向に位置決
めされている。また、上記バランサ本体49の左端部に固
着された従動ギヤ47a,48aは何れも上記バランサギヤ
21に噛合しており、これによりクランク軸18と反対方向
に回転するようになっている。
【0015】図3・図6・図7に示すように、クランク
ケース10の上ケース23の天井壁には隔壁57gが形成さ
れ、隔壁57gを含む上ケース23の天井壁はブリーザカバ
ー58によって覆われている。ブリーザカバー58の内面に
は上ケース23の隔壁57gに対応した隔壁58aが形成され
ており、上ケース23の隔壁57gとブリーザカバー58の隔
壁58aとによって複数の部屋(ブリーザ室)が構成され
ている。各部屋が流通口58bによって順次に連通され、
クランクケース10内の流体が前記各部屋を順次に流れる
ことによって気体と液体とが分離され、分離された気体
を蓄積する部屋が接続管58fによってエアクリーナ(不
図示)に連通されている。
【0016】上記上ケース23の天井壁後部には、上述の
後バランサ軸48,シフトドラム55の組付作業を行うため
のバランサ軸用開口57aと、シフトドラム用開口57bが
形成されている。該天井壁のバランサ軸用開口57aと
フトドラム用開口57bとの間の部分には、後述の第1,
第3ブリーザ室の下半部を構成する第1,第3隔室57
c,57dが凹状に形成されており、第1隔室57c,第
隔室57dの底壁にはそれぞれ貫通孔57eが形成されてい
る。そして、上記上ケース23の上面には、上記隔壁57
g、両開口57a,57b、両隔室57c,57d部分を覆うブ
リーザカバー(上カバー)58が、ボルト締めにより開閉
可能に装着されている。このブリーザカバー58は、上記
両開口57a,57bを開閉する開閉蓋の機能を有してお
り、またクランクケース内圧の変動を吸収するための外
部放出空気内に混入している潤滑油を分離するブリーザ
室を構成している。
【0017】上記ブリーザカバー58は、上方に膨出した
碗形状のものであり、上記両隔室57c,57dと平面視同
一形状で、かつ流通口58bを有する隔壁58a、すなわち
上ケース23の隔壁57gに対応した隔壁58aが形成されて
いる。また、このブリーザカバー58の上記バランサ軸用
開口57aに対応する部分には、該開口57aを略閉塞する
仕切プレート59が、該ブリーザカバー58にボルト締めに
より装着されている。なお、この仕切プレート59と上記
開口57aの周縁との間には若干の隙間がある。これによ
り、上ケース23の隔壁57gとブリーザカバー58の隔壁58
aとによって、第1〜第3のブリーザ室58c〜58eが形
成されている。上記シフトドラム用開口57b部分から流
入したオイル混じりの気体が、隔壁58aの流通口58bを
通って、順次第1ブリーザ室58c、第2ブリーザ室58d
及び第3ブリーザ室58eを通り、分離された気体を蓄積
する第3ブリーザ室58eが接続管58f及び図示しない導
入ホースによってエアクリーナに送られるオイルブリー
ザが構成されている。
【0018】図4・図1・図2に示すように、上述のよ
うに上記下ケース24の底面にはオイルパン28が装着され
ているが、該オイルパン28を取り外すと、これの装着用
開口24iから上記前バランサ軸47が下方に露出するよう
になっている。即ち、該開口24iは前バランサ軸47の組
付用開口となっている。なお、43はセルモータであり、
これの出力軸43aに装着された駆動ギヤ43bはアイドル
ギヤ45を介して、クランク軸18にワンウェイクラッチを
介して装着された始動ギヤ46に噛合している。
【0019】次に本実施の形態の作用効果について説明
する。先ず、シフトフォーク56及び前,後バランサ軸4
7,48をクランクケース10内に組み付ける手順について
説明する。シフトフォーク56及び後バランサ軸48につい
ては、ブリーザカバー58を取り外し、開口57a,57bが
開いた状態で行う。先ず、シフトドラム55を横方向から
挿入し、開口57bからシフトフォーク56を挿入し、これ
の従動爪56bをシフトドラム55のガイド溝55aに嵌合さ
せるとともに、駆動爪56cを変速歯車32a,35aのシフ
ト溝32d,35eに嵌合させる。この状態で、支持軸56a
を挿入孔23dを通して支持筒部56d内に挿入するととも
に、その先端部を支持孔23e内に挿入し、さらに後端面
をストッパプレート23fで押圧固定する。
【0020】次に、開口57aから後バランサ軸48のバラ
ンサ本体49を挿入し、左,右の重錘部49b,49bをクラ
ンクアーム部18a,18b内に位置させるとともに、従動
ギヤ48aをバランサギヤ21に噛合させる。この状態で、
支持軸50を、上ケース23の左側壁の挿入孔23bを通して
バランサ本体49内に挿入し、その先端部を右側壁の支持
孔23c内に挿入する。さらに該支持軸50の後端部にキー
プレート48bを嵌合させるとともに、該プレート48bを
上ケース23の左側壁にボルト締め固定する。最後に位置
決部49cに位置決板52のガイド溝52aを嵌合させる。
【0021】また、前バランサ軸47については、図4に
示すように、オイルパン28を取り外し、装着開口24iか
ら前バランサ軸47のバランサ本体49を挿入し、従動ギヤ
47aをバランサギヤ21に、駆動ギヤ47cを水ポンプ53の
従動ギヤ53dにそれぞれ噛合させ、支持軸50を挿通し、
キープレート47bで固定するとともに、位置決板52を装
着する。このようにしてバランサ軸47,48等が組み付け
られた本実施の形態のエンジンを始動すると、クランク
軸18の回転が、バランサギヤ21から各バランサ軸47,48
に伝達され、該軸の回転によりエンジン振動が軽減され
る。また、チェンジペダル39を上下させると、この動作
が連結ロッド41b,シフト軸40を介してシフトドラム55
に伝達され、該ドラム55の回動により、シフトフォーク
56が軸方向に移動して所望の変速段に切り替えられる。
【0022】上記変速歯車32a,35aの回転により、ク
ランクケース10内の潤滑油を含んだ気体は、開口57bか
らブリーザカバー58内に押し込まれ、次いで隔壁58aの
流通口58bから第1ブリーザ室58c、隔壁58aの流通口
58b、第2ブリーザ室58d、隔壁58aの流通口58bを通
って膨張収縮し流れの方向を変えて第3ブリーザ室58e
に達し、接続管58fを通ってエアクリーナに送られる
(図6,図7参照)。そして、上記膨張収縮の際に流体
中の潤滑油が分離されて貫通孔57e,仕切プレート59の
周縁の隙間からクランクケース10内に落下し、潤滑油の
ほとんど含まれていない気体がエアクリーナに送られ
る。
【0023】このように本実施の形態では、バランサ軸
47,48及びシフトフォーク56を分割面間以外の位置に配
置でき、クランクケース長を短くしてエンジンの大型化
を回避できる。また、分割面間以外の位置に自由に配置
できるので、配置設計上の自由を確保できる。また、ク
ランクケース側壁に形成する挿入孔23b,23d,24fは
重錘部49bの径,シフトフォーク56の長さに影響される
ことはなく、支持軸の径程度あればよい。従って、クラ
ンクケース側壁に大きな開口を形成する必要はなく、こ
の点からも配置位置の自由度を確保できる。なお、上記
実施の形態では、組付対象部品として、バランサ軸,シ
フトフォークを例にとったが、この対象部品はこれらに
限定されるものではなく、クランク軸と平行に配置さ
れ、軸直角方向に大きな突出部を有するものであれば有
効である。また、上記実施の形態では、クランクケース
が上下分割型の場合を説明したが、本発明は左右分割型
のクランクケース内に上記部品を組み付ける場合にも勿
論適用できる。
【0024】
【発明の効果】本発明では、隔壁を含む上ケースの天井
壁はブリーザカバーによって覆われ、ブリーザカバーの
内面には上ケースの隔壁に対応した隔壁が形成されてお
り、上ケースの隔壁とブリーザカバーの隔壁とによって
複数の部屋が構成されている。このように、ブリーザ室
の機能を奏する複数の部屋が、上ケースの隔壁とブリー
ザカバーの隔壁とによって構成されるので、部屋を簡単
な構成により得ることができ、そのための組立工数も少
ない。また、本発明では、前記の各部屋が流通口によっ
て順次に連通され、そられの部屋と流通口とを通る間に
膨張されたり収縮されたりして、気体と液体との分離が
十分行われる。部屋の数を調節することにより、最適の
分離状態を実現させることができる。さらに、本発明で
は、上ケースの天井壁にバランサ軸及びシフトドラムの
組付作業を行うためのバランサ軸用開口及びシフトドラ
ム用開口が形成され、バランサ軸用開口及びシフトドラ
ム用開口を覆う上カバーにブリーザ機能を持たせたの
で、ブリーザ機能が向上するとともに、部品数及び組付
工数が低減した。しかも、バランサ軸及びシフトドラム
がクランクケースの分割面以外の上ケースに配置されて
いるので、設計上の自由が確保でき、エンジンの小型化
に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態が適用されたエンジンの一
部断面側面図である。
【図2】図1の断面平面展開図である。
【図3】本発明の実施の形態が適用されたエンジンの上
ケースの平面図である。
【図4】本発明の実施の形態が適用されたエンジンの前
バランサ軸部分の断面平面図である。
【図5】本発明の実施の形態が適用されたエンジンのシ
フトフォーク部分の断面平面図である。
【図6】本発明の実施の形態が適用されたエンジンのブ
リーザカバー部分の断面側面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】本発明の実施の形態が適用されたエンジンを搭
載した自動二輪車の左側面図である。
【符号の説明】
10 クランクケース 23 上ケース 57g 隔壁 58 ブリーザカバー 58a 隔壁 58b 流通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−121812(JP,A) 実開 昭62−184121(JP,U) 実開 昭55−121915(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01M 13/04 B01D 45/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動二輪車用4サイクルエンジンのクラ
    ンクケース内と外部とを連絡するブリーザ装置におい
    て、クランクケースが上ケースと下ケースとに分割さ
    れ、クランクケースの上ケースの天井壁には隔壁が形成
    され、隔壁を含む上ケースの天井壁にはバランサ軸及び
    シフトドラムの組付作業を行うためのバランサ軸用開口
    及びシフトドラム用開口が形成され、バランサ軸及びシ
    フトドラムがクランクケースの分割面以外の上ケースに
    クランク軸と平行に配置され、上ケースの天井壁の前記
    開口上方に膨出した碗形状の上カバーによって覆わ
    れ、カバーの内面には上ケースの隔壁に対応した隔壁
    が形成されており、上ケースの隔壁とカバーの隔壁と
    によって複数の部屋が構成され、各部屋が流通口によっ
    て順次に連通され、クランクケース内の流体が前記各部
    屋を順次に流れることによって気体と液体とが分離さ
    れ、分離された気体を蓄積する部屋が接続管によってエ
    アクリーナに連通されたことを特徴とする自動二輪車用
    4サイクルエンジンのクランクケース内ブリーザ装置。
JP12156997A 1997-04-25 1997-04-25 自動二輪車用4サイクルエンジンのクランクケース内ブリーザ装置 Expired - Lifetime JP2905462B2 (ja)

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