JP2024031005A - 進捗管理システム、生産実行システム及び進捗管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】工程の遅延が発生した場合でも、生産性の低下を防ぐ。【解決手段】進捗管理システムであって、制御部と、記憶部と、を有し、記憶部は、1以上の製品の生産計画を保持し、生産計画は、各製品を生産するための工程の作業ごとに、工程の作業の設備への割り付け、工程の作業の開始予定時刻及び工程の作業の終了予定時刻を含み、制御部は、生産計画に基づいて、工程の作業が遅延した場合の生産性を予測し、生産性が所定の基準を満たさなくなると予測される場合の工程の作業の遅延量に基づいて、当該工程の作業に当該遅延量の遅延が発生した場合に生産性が所定の基準を満たすように、生産計画の変更案及び生産計画の前記変更案への切り替えタイミングを生成する。【選択図】図1
Description
本発明は、生産の進捗を管理する技術に関する。
プロジェクトの進行を管理する技術として、例えば特開平8-202773号公報(特許文献1)に記載の技術が開示されている。特許文献1には、「作業者監視部は、作業者の進捗状況をプロジェクト計画作成装置へ通知する。進行制御部は、作業者の進捗状況に基づき、遅延アラームや実行優先作業を作業者に指示する。成果物工数推定部は、作業者監視部からの進捗状況をトリガーに、成果物を基に各工程で作成される成果物の工数を見積る。作業割付部、作業者割付部は成果物工数推定部で求めた各成果物の工数を基に、グループまたは作業者にアクティビティを割り付け、プロジェクト計画を作成する。」と記載されている。
特許文献1に記載の技術によれば、工程の進捗に基づいて工数を見積もり、それに基づいて完了日時を予測することができる。完了日時の予測に基づいて、工程の進捗状況による生産性への影響の有無が評価される。そして、進捗状況に基づいて工程への作業者等のリソースの割り付けを行うことによってプロジェクト計画が作成される。
しかし、実際の進捗状況に基づいて完了日時を予測する場合、ある程度工程が進捗しなければ予測をすることができず、例えば納期遅延といった生産性への影響が発生するとの予測結果が得られた時点でその後のプロジェクトの計画を見直したとしても、その時点で既にある程度の時間が経過してしまっているため、残りの時間で納期遅延を回避するような計画を立案できない場合がある。
上記の課題の少なくとも一つを解決するため、本発明は、進捗管理システムであって、制御部と、記憶部と、を有し、前記記憶部は、1以上の製品の生産計画を保持し、前記生産計画は、前記各製品を生産するための工程の作業ごとに、前記工程の作業の設備への割り付け、前記工程の作業の開始予定時刻及び前記工程の作業の終了予定時刻を含み、前記制御部は、前記生産計画に基づいて、前記工程の作業が遅延した場合の生産性を予測し、前記生産性が所定の基準を満たさなくなると予測される場合の前記工程の作業の遅延量に基づいて、当該工程の作業に当該遅延量の遅延が発生した場合に前記生産性が前記所定の基準を満たすように、前記生産計画の変更案及び前記生産計画の前記変更案への切り替えタイミングを生成することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、工程の遅延が発生した場合でも、生産性の低下を防ぐことができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明について、その実施例に即して図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る生産実行システムの構成を示すブロック図である。
生産実行システム100は、ネットワーク160を介して接続された進捗管理システム110、生産管理システム群130、担当者向け端末140及び生産実施部150によって構成される。
進捗管理システム110は、制御部111、表示部116、入力部118、通信部119及び記憶部120を有する計算機システムである。制御部111は、例えば、記憶部120に格納されたプログラムを実行することによって種々の機能を実現するプロセッサである。本実施例の制御部111は、リスケジュール対象期間導出部112、リスケジュール部113、切り替えタイミング導出部114及び生産遅延検知部115といった機能部を有する。これらの機能部は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、制御部111が汎用のプロセッサであり、そのプロセッサが記憶部120に格納されたプログラムを実行することによって実現されてもよい。これらの各機能部が実行する処理については後述する。
表示部116は、例えば画像表示装置などの出力装置であり、作業指示出力部117を有する。例えば制御部111を構成するプロセッサが画像データを生成して表示部116にその画像の表示を指示することによって、作業指示出力部117の機能が実現されてもよい。
入力部118は、例えばキーボード、マウス又はタッチパネル等の入力装置であり、進捗管理システム110のユーザからの情報の入力を受け付ける。
通信部119は、ネットワーク160を介して生産管理システム群130、担当者向け端末140及び生産実施部150等との通信を行う。
記憶部120は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のいわゆる主記憶装置及び例えばHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等のいわゆる補助記憶装置等によって構成され、生産計画記憶部121、生産実績記憶部122、スケジューリング用マスタ情報記憶部123、生産準備工数記憶部124、及び、リスケジュール案及び切り替えタイミング記憶部125を有する。これらの記憶部に記憶される情報については後述する。
生産管理システム群130は、例えば工場等における製品等の生産を管理するシステムであり、生産計画システム131、実績収集システム132及び作業指示システム133を有する。生産計画システム131は、製品等の生産の計画、具体的には、例えば製品等の生産に必要な各工程の生産設備への割り当て、工程の開始日時及び終了日時等を含む計画を作成する。実績収集システム132は、生産計画に従って実施される生産の実際の進捗を示す情報を収集する。作業指示システム133は、生産計画に従って各工程の作業員及び設備等への指示を行う。
担当者向け端末140は、例えば計画担当者PC(Personal Computer)141及び現場担当者PC142を有する。計画担当者PCは、例えば生産計画の作成の担当者(すなわち計画担当者)が使用する端末装置であり、計画担当者が計画担当者PC141を操作して入力した情報に基づいて生産計画システム131が生産計画を作成してもよい。現場担当者PC142は、例えば各工程の作業を担当する作業員(すなわち現場担当者)が使用する端末装置である。現場担当者PC142は、例えば生産計画システム131から生産計画を取得して現場担当者に提示してもよいし、作業指示システム133から送信された作業指示を受信して現場担当者に提示してもよいし、現場担当者から工程の進捗に関する情報を入力された場合にその情報を実績収集システム132に送信してもよい。
生産実施部150は、例えば加工装置151を有する。これは各工程が割り当てられた設備の一例であり、生産実施部150が複数の加工装置151を含んでもよいし、加工装置以外の設備を含んでもよい。生産実施部150は、例えば作業指示システム133から送信された指示を受信してその指示に従って加工装置151を制御してもよいし、加工装置151から工程の進捗に関する情報を取得してその情報を実績収集システム132に送信してもよい。
図2A~図2Cは、本発明の実施例に係る生産実行システム100による進捗管理の概要を示す説明図である。
最初に、図2Aを参照して、本実施例の生産実行システム100において生成される計画情報を説明する。生産計画201は、進捗管理システム110が生産計画システム131から取得する生産計画の一例であり、ここではいわゆるガントチャートの形式で示す。生産計画201の横軸は時間であり、表示された各ブロックが、設備1~3の各設備に割り付けられたジョブを示す。図2Aにおいて、各ジョブは製品の品目と工程番号との組み合わせで識別される。
例えば、図2Aの例において「1-1」と表示されたブロックは、第1の品目の製品の第1の工程の作業に対応するジョブ1-1を示す。このジョブ1-1は、設備1に割り付けられ、その左端が開始日時、右端が終了日時を示す。同様に、「2-1」と表示されたブロックは、第2の品目の製品の第1の工程の作業に対応するジョブ2-1を示す。他のジョブも同様に識別される。後述するように、より正確には、注文IDと品目IDと工程IDとの組み合わせでジョブが識別されるが、ここでは注文IDは省略する。
図2Aの生産計画201において、最初に設備1においてジョブ1-1が実施され、その後、ジョブ2-1、ジョブ3-1、ジョブ4-1及びジョブ5-1が順次実施される。一方、ジョブ1-1の終了後、設備2においてジョブ1-2が実施される。これは、第1の工程が終了した第1の品目の製品が設備1から設備2に移動して第2の工程が実施されることを示している。
同様に、ジョブ2-1の終了後、設備3においてジョブ2-2が実施される。ジョブ3-1の終了後かつジョブ1-2の終了後、設備2においてジョブ3-2が実施される。ジョブ4-1の終了後かつジョブ3-2の終了後、設備2においてジョブ4-2が実施される。ジョブ5-1の終了後かつジョブ2-2の終了後、設備3においてジョブ5-2が実施される。
本実施例では、進捗管理システム110はリスケジュール案を生成し、さらに、元の生産計画からリスケジュール案への切り替えポイントを算出する。リスケジュール案は、生産計画に含まれるジョブごとに生成される。図2Aには、一例として、ジョブ1-2に対応するリスケジュール案202、及び、そのリスケジュール案202への切り替えタイミング203を示す。
リスケジュール案202では、ジョブ4-2が、ジョブ4-1の終了後かつジョブ2-2の終了後、設備3において実施されるように変更される。また、ジョブ5-2は、ジョブ5-1の終了後かつジョブ4-2の終了後、設備3において実施されるように変更される。
なお、リスケジュール案202及び切り替えタイミング203は、生産計画201が生成された後、それに基づくジョブの実施が開始されるまでの間に生成されることが望ましい。
次に、図2Aに示した生産計画201に基づくジョブの実施が開始された後、ジョブ1-2において遅延が発生した場合のジョブの進捗の例を説明する。
図2Bには、ジョブ1-2の終了が遅延する(すなわち生産計画201における終了予定日時までに終了しない)が、切り替えタイミング203より前の時点で終了した場合の例を示す。進捗管理システム110は、生産現場からの生産実績に基づいて各ジョブの進捗を把握する。図2Bの例では切り替えタイミング203より前の時点でジョブ1-2が終了している。この場合は、リスケジュール案202は採用されず、切り替えタイミング203以降も生産計画201に基づいてジョブが実施される。すなわち、進捗管理システム110は、切り替えタイミング以降も、元の生産計画201に基づく作業指示を製造現場(例えば現場担当者又は設備の制御装置等)に対して出力する。
一方、図2Cには、ジョブ1-2の終了が遅延し、切り替えタイミング203に至ってもまだ終了しない場合の例を示す。この場合は、切り替えタイミング203において生産計画201がリスケジュール案202に切り替えられる。すなわち、生産計画201のうち切り替えタイミング203以降の部分は採用されず、切り替えタイミング203以降、リスケジュール案202に基づいてジョブが実行される。すなわち、進捗管理システム110は、切り替えタイミング以降、リスケジュール案202に基づく作業指示を製造現場に対して出力する。その結果、全てのジョブが納期までに終了し、生産性の低下が防止される。
図3は、本発明の実施例に係る生産実行システム100による生産実行の全体の概要を示す説明図である。
計画担当者は、ある日(ここではN日を記載)の生産計画302を立案する(ステップ301)。例えば計画担当者が計画担当者PC141を操作して入力した情報に基づいて生産計画システム131が生産計画302を立案してもよい(以下同様)。生産計画302は、進捗管理システム110に送信されて生産計画記憶部121に格納されるとともに、現場担当者に送信され、生産計画302に基づいた生産が実施される(ステップ303)。このとき、生産計画が生産実施部150に送信されて自動的に生産が実施されてもよい(以下同様)。
実施された生産の結果は、実績収集システム132によって収集され、進捗管理システム110に送信されて、生産実績記憶部122に生産実績304として保持される。
進捗管理システム110は、生産計画302に基づいて、生産計画のリスケジュール案と、生産計画をそのリスケジュール案に切り替えるタイミングを示す切り替えタイミングとを導出する(ステップ305)。この導出は、生産の実施(ステップ303)が開始される前に終了するように実行することが望ましく、遅くとも、生産計画302に基づいて最初に実行されるジョブの終了予定日時より前に終了していることが望ましい。リスケジュール案及び切り替えタイミングの導出の処理の詳細は後述する(図9等参照)。
進捗管理システム110は、生産実績304を参照して、切り替えタイミングが到達してもジョブが完了していない場合に、ステップ305で導出されたリスケジュール案への切り替えを指示する(ステップ306)。具体的には、進捗管理システム110は、ステップ305で生成したリスケジュール案を現場担当者等に送信し、以後、リスケジュール案に基づいた生産が実施される(ステップ303)。実施された生産の結果は生産実績310として収集され、保持される。
また、リスケジュール案は計画担当者にも送信され、生産計画システム131がリスケジュール案に基づく生産計画を立案する(ステップ307)。この立案は、リスケジュール案に基づいて行われる点を除いて、ステップ301と同様に行うことができる。立案された生産計画308は、生産計画記憶部121に格納される。
進捗管理システム110は、生産計画308に基づいて、ステップ305と同様に、リスケジュール案と切り替えタイミングとを導出する(ステップ309)。そして、進捗管理システム110は、生産実績310を参照して、切り替えタイミングが到達してもジョブが完了していない場合に、ステップ309で導出されたリスケジュール案への切り替えを指示する(ステップ311)。
その後の処理の図示は省略しているが、N日の生産が終了するまで上記と同様の処理が繰り返される。
その後、計画担当者は、N日の最後に得られた生産実績(例えば生産実績310)に基づいて、その翌日(N+1日)の生産計画313を立案する(ステップ312)。この生産計画313に基づいて生産が実施され(ステップ314)、その結果として得られた生産実績315が保持される。進捗管理システム110は、生産計画313に基づいて、リスケジュール案と切り替えタイミングとを導出する(ステップ316)。そして、進捗管理システム110は、生産実績315を参照して、切り替えタイミングが到達してもジョブが完了していない場合に、ステップ316で導出されたリスケジュール案への切り替えを指示する(ステップ317)。これらの処理はN日に行われたものと同様に行われる。
次に、生産実行システム100において保持される情報について、図4A~図8Bを参照して説明する。ここでは説明の便宜上テーブル形式の情報の例を示すが、実際に保持される情報はテーブル形式である必要はなく、以下の説明と同等の情報が含まれている限り、その形式は限定されない。
図4Aは、本発明の実施例に係る進捗管理システム110のスケジューリング用マスタ情報記憶部123に保持される品目マスタ情報を示す説明図である。
図4Aに示す品目マスタ情報400は、生産される各製品の品目を示す情報の一例である。具体的には、品目マスタ情報400は、通し番号401、品目ID402及び品目名403を含む1以上のレコードによって構成される。通し番号401は、各レコードを識別する番号である。品目ID402及び品目名403は、生産される製品の品目を識別する情報である。なお、本実施例では生産対象を製品と記載するが、ここで言う「製品」とは、いわゆる最終製品であってもよいし、最終製品の生産に使用される部品であってもよい。
図4Bは、本発明の実施例に係る進捗管理システム110のスケジューリング用マスタ情報記憶部123に保持される工程マスタ情報を示す説明図である。
図4Bに示す工程マスタ情報410は、各製品を生産するために必要な工程を示す情報の一例である。具体的には、工程マスタ情報410は、通し番号411、品目ID412、工程ID413及び作業時間414を含む1以上のレコードによって構成される。通し番号411は、各レコードを識別する番号である。品目ID412は、生産される製品の品目を識別する情報である。工程ID413は、各製品を生産するために必要な工程を識別する情報である。一般には一つの製品を生産するために複数の工程が必要であり、図4Bの例では各レコードに各工程の情報が保持される。作業時間414は、各工程の作業時間を示す。
図4Cは、本発明の実施例に係る進捗管理システム110のスケジューリング用マスタ情報記憶部123に保持される工程順序マスタ情報を示す説明図である。
図4Cに示す工程順序マスタ情報420は、工程が実施される順序を示す情報の一例である。具体的には、工程順序マスタ情報420は、通し番号421、品目ID422、前工程ID423及び後工程ID424を含む1以上のレコードによって構成される。通し番号421は、各レコードを識別する番号である。品目ID422は、生産される製品の品目を識別する情報である。前工程ID423及び後工程ID424は、それぞれ、各製品を生産するための複数の工程のうち、先に実施される工程、及び、その次に実施される工程を識別する情報である。
図4Dは、本発明の実施例に係る進捗管理システム110のスケジューリング用マスタ情報記憶部123に保持される設備マスタ情報を示す説明図である。
図4Dに示す設備マスタ情報430は、製品の生産に使用される設備を示す情報の一例である。具体的には、設備マスタ情報430は、通し番号431、設備ID432及び設備名433を含む1以上のレコードによって構成される。通し番号431は、各レコードを識別する番号である。設備ID432及び設備名433は、各設備を識別する情報である。
図4Eは、本発明の実施例に係る進捗管理システム110のスケジューリング用マスタ情報記憶部123に保持される設備割り付けマスタ情報を示す説明図である。
図4Eに示す設備割り付けマスタ情報440は、各工程を割り付け可能な設備を示す情報の一例である。具体的には、設備割り付けマスタ情報440は、通し番号441、品目ID442、工程ID443及び設備ID444を含む1以上のレコードによって構成される。通し番号441は、各レコードを識別する番号である。品目ID442は、各製品の品目を識別する情報である。工程ID443は、各工程を識別する情報である。設備ID444は、各製品の各工程を割り付け可能な設備を識別する情報である。一般に、同一の工程を割り付け可能な設備が複数存在する場合があり、その場合、図4Eの例では、一つの工程と一つの設備との組み合わせの情報が一つのレコードに保持される。
ここで、図4A~図4Eに示した具体例を説明する。
品目ID「Prod1」で識別される製品を生産するために、少なくとも工程ID「Proc1」で識別される工程及び工程ID「Proc2」で識別される工程が必要であり、それぞれの工程の作業時間は「100時間」及び「200時間」である(図4B)。これらの工程のうち、「Proc1」を先に、「Proc2」をその次に実行する必要がある(図4C)。そして、「Proc1」は、設備ID「Machine1」で識別される設備に割り付けることができ、「Proc2」は、設備ID「Machine2」で識別される設備及び設備ID「Machine3」で識別される設備のいずれにも割り付けることができる。
図5は、本発明の実施例に係る進捗管理システム110の生産計画記憶部121に保持される生産計画情報を示す説明図である。
図5に示す生産計画情報500は、各々が一つのジョブに対応する複数のレコードによって構成される。各レコードは、通し番号501、受注ID502、品目ID503、工程ID504、設備ID505、開始日時506及び終了日時507を含む。
通し番号501は、各レコードを識別する番号である。受注ID502は、生産される製品がどの注文に対応するものであるかを示す情報である。品目ID503は、生産される製品の品目を識別する情報である。工程ID504は、製品を生産するための工程を識別する情報である。実際の生産現場では複数の注文に応じて同一品目の複数の製品が生産される場合があるため、各ジョブの対象である製品の各個体は、受注IDと品目IDとの組み合わせ(すなわちどの注文に応じて生産されるどの品目の製品であるか)で一意に識別される。そして、各ジョブは、受注IDと品目IDと工程IDとの組み合わせで一意に識別される。設備ID505は、各製品の各工程が割り付けられた設備を識別する情報である。開始日時506及び終了日時507は、それぞれ、各工程を開始することが予定される日時及び終了することが予定される日時を示す。
図6は、本発明の実施例に係る進捗管理システム110の生産実績記憶部122に保持される生産実績情報を示す説明図である。
図6に示す生産実績情報600の各レコードは、通し番号601、受注ID602、品目ID603、工程ID604、設備ID605、日時606及びステータス607を含む。通し番号601~設備ID605は、図5に示した通し番号501~設備ID505と同様であるため、説明を省略する。日時606及びステータス607は、それぞれ、各工程の進捗状況を取得した日時及び取得した進捗状況を示す。
ここで、図5及び図6に示した具体例を説明する。
図5の例は、受注ID「Order1」及び品目ID「Prod1」によって識別される生産対象の製品について、工程ID「Proc1」で識別される工程、及び、工程ID「Proc2」で識別される工程が順次実施されること、各工程がそれぞれ設備ID「Machine1」で識別される設備、及び、設備ID「Machine2」で識別される設備に割り付けられていること、並びに、各工程の開始日時及び終了日時を示している。
そして、図6の例は、上記の工程のうち「Proc1」は既に着手し完了もしており、「Proc2」は着手したが完了していない(すなわち現在実施中である)ことを示している。
図7は、本発明の実施例に係る進捗管理システム110の生産準備工数記憶部124に保持される生産準備工数情報を示す説明図である。
図7に示す生産準備工数情報700は、各工程を実施する準備に要する工数を示す情報を含む。具体的には、生産準備工数情報700は、通し番号701、品目ID702、工程ID703及び生産準備工数704を含む1以上のレコードによって構成される。通し番号701は、各レコードを識別する番号である。品目ID702は、各製品の品目を識別する情報である。工程ID703は、各工程を識別する情報である。生産準備工数704は、各製品の各工程を実施する準備に要する工数を示す。
図7の例は、品目ID「Prod1」及び工程ID「Proc1」に対応する生産準備工数704として「10(分)」が保持され、品目ID「Prod1」及び工程ID「Proc2」に対応する生産準備工数704として「20(分)」が保持されている。これは、それぞれの工程を実施する準備(例えば資材の搬入又は治具の取り付けなど)に10分及び20分を要することを示している。
図8Aは、本発明の実施例に係る進捗管理システム110のリスケジュール案及び切り替えタイミング記憶部125に保持される切り替えタイミング情報を示す説明図である。
図8Aに示す切り替えタイミング情報800は、それぞれが通し番号801、受注ID802、品目ID803、工程ID804、切り替えタイミング805及び切り替え後のリスケジュール案ID806を含む複数のレコードによって構成される。
通し番号801は、各レコードを識別する番号である。受注ID802は、生産される製品がどの注文に対応するものであるかを示す情報である。品目ID803は、生産される製品の品目を識別する情報である。工程ID804は、製品を生産するための工程を識別する情報である。切り替え後のリスケジュール案ID806及び切り替えタイミング805は、それぞれ、生産計画を切り替えるリスケジュール案を識別する情報、及び、生産計画をそのリスケジュール案に切り替えるタイミングとして算出された日時を示す。
図8Bは、本発明の実施例に係る進捗管理システム110のリスケジュール案及び切り替えタイミング記憶部125に保持されるリスケジュール案情報を示す説明図である。
図8Bに示すリスケジュール案情報810は、それぞれが通し番号811、切り替え後のリスケジュール案ID812、受注ID813、品目ID814、工程ID815、設備ID816、開始日時817及び終了日時818を含む複数のレコードによって構成される。
通し番号811は、各レコードを識別する番号である。切り替え後のリスケジュール案ID812は、生成されたリスケジュール案を識別する情報であり、図8Aに示した切り替え後のリスケジュール案ID806に対応する。受注ID813、品目ID814及び工程ID815は、それぞれ、図8Aに示した受注ID802、品目ID803及び工程ID804と同様であるため、説明を省略する。開始日時817及び終了日時818は、それぞれ、各リスケジュール案に基づく工程の開始日時及び終了日時を示す。
図9は、本発明の実施例に係る進捗管理システム110が実行するリスケジュール案及び切り替えタイミングの導出処理を示すフローチャートである。
図9に示す処理は、図3のステップ305、309及び316で実行される処理の一例である。最初に、進捗管理システム110は、生産計画システム131から生産計画(例えば図3の生産計画302、308又は313)を取得する(ステップ901)。取得した生産計画は、例えば生産計画情報500として生産計画記憶部121に格納される。
次に、進捗管理システム110は、取得した生産計画に含まれる各ジョブを対象として、ステップ902~906を実行する。これらの処理は、取得した生産計画に含まれる全ジョブについて終了するまで繰り返し実行される。
最初に、進捗管理システム110のリスケジュール対象期間導出部112が、処理の対象のジョブ(以下、対象ジョブと記載する)が遅延した場合の生産性を評価する(ステップ902)。ここでは、生産性の評価の一例として、いずれかの製品の納期遅延が発生するか否かを評価する例を示す。この時点ではまだ実際のジョブの遅延は発生していないため、納期遅延が発生するか否かはシミュレーション等によって予測される。例えば、対象ジョブの終了日時が生産計画で予定されている日時に対して実際の対象ジョブの終了がどこまで遅延したらいずれかの製品の納期遅延が発生するか、言い換えると、納期遅延を発生させる対象ジョブの遅延量を、例えばシミュレーション等によって算出する。
ただし、納期遅延の発生は生産性の評価指標の一例であり、例えば設備の稼働率など、他の指標に基づいて生産性を評価してもよい。例えば設備の稼働率に基づいて生産性を評価する場合、予め許容される稼働率の下限を定めておき、シミュレーション等によって稼働率が下限を下回るときの対象ジョブの遅延量を算出してもよい。
次に、リスケジュール対象期間導出部112は、対象ジョブの終了が遅延したときのリスケジュール対象のジョブを抽出する(ステップ903)。例えば、リスケジュール対象期間導出部112は、生産計画に含まれるジョブのうち、対象ジョブの終了予定日時においてまだ着手していないジョブ(すなわち、開始日時506の値が対象ジョブの終了日時507の値より遅いジョブ)を、リスケジュール対象のジョブとして抽出してもよい。
次に、進捗管理システム110のリスケジュール部113が、ステップ903で抽出されたリスケジュール対象のジョブを対象としてリスケジューリングを行う(ステップ904)。例えば、リスケジュール部113は、生産計画の対象の全ての製品において納期遅延が発生しないようにリスケジューリングを行う。リスケジューリングの手法としては、例えば総当たり探索又は数理最適化など、任意の手法を採用することができる。これによって、リスケジューリング対象のジョブの少なくとも一つについて、設備への割り付け及び開始日時の少なくともいずれかが変更されたリスケジュール案が生成される。
次に、進捗管理システム110の切り替えタイミング導出部114が、元の生産計画とリスケジュール案との差分を抽出する(ステップ905)。具体的には、リスケジュールによってジョブの割り付け先の設備及びジョブの開始日時の少なくともいずれかが変更された場合等に、それらの変更が、元の生産計画とリスケジュール案との差分として抽出される。
次に、切り替えタイミング導出部114は、切り替えタイミングを導出する(ステップ906)。例えば、切り替えタイミング導出部114は、差分が抽出された各ジョブの開始日時から、そのジョブの生産準備工数分の時間を遡った日時を特定し、それらのうち最先の日時を、切り替えタイミングとして抽出してもよい。
ここで、図9に示した処理の具体例を、図10A~図10Dを参照して説明する。
図10A~図10Dは、本発明の実施例に係る進捗管理システム110が実行するリスケジュール案及び切り替えタイミングの導出処理の具体例を示す説明図である。
まず、図10Aを参照してステップ902の具体例を説明する。ここでは、図2Aに示した生産計画201のジョブ1-2を対象ジョブとした場合を示す。ここで、リスケジュール対象期間導出部112は、ジョブ1-2の終了が遅延した場合に生産性が低下するかを判定する。
例えばジョブ1-2の終了が遅延すると、設備2でジョブ1-2の後に実行されるジョブ3-2及びジョブ4-2が順次遅延する場合がある。また、ジョブ1-2の終了が遅延すると、同じ製品に対する次の工程に相当する設備3におけるジョブ2-2の開始及び終了も遅延し、さらに設備3におけるその後のジョブ502も遅延する場合がある。
リスケジュール対象期間導出部112は、例えば、ジョブ1-2の終了日時を少しずつ遅らせながら生産のシミュレーションを行い、最初にいずれかの製品において納期遅延が発生したときに、そのときの遅延量を、納期遅延を発生させる遅延量として特定する。すなわち、そのときのジョブ1-2の終了日時が、納期遅延を発生させる対象ジョブの最も早い終了日時として特定される。
図10Aの例では、第4の製品の最後の工程に相当するジョブ4-2の終了日時が納期1001に到達するときのジョブ1-2の終了日時1002が特定される。以下、図10B~図10Dには、ジョブ1-2について終了日時1002が特定された場合の例を示す。
次に、図10Bを参照してステップ903の具体例を説明する。この例では、ジョブ1-2の終了予定日時以前を固定期間、以後をリスケジュール対象期間とする。そして、リスケジュール対象期間に開始されるジョブがリスケジュール対象のジョブとして抽出される。図10Bの例では、ジョブ4-1、ジョブ5-1、ジョブ3-2、ジョブ4-2及びジョブ5-2がリスケジュール対象のジョブとして抽出される。
次に、図10Cを参照してステップ905の具体例を説明する。この例では、ジョブ1-2の遅延の結果、ジョブ3-2の開始が遅延し、さらに、リスケジューリング(ステップ904)の結果、ジョブ4-2が設備3に割り付けられ、ジョブ5-2がジョブ4-2の後に実施される。このため、当初の生産計画とリスケジュール案との差分として、ジョブ3-2の開始日時及び終了日時、ジョブ4-2の割り付け先の設備、ジョブ4-2の開始日時及び終了日時、並びに、ジョブ5-2の開始日時及び終了日時が抽出される。
次に、図10Dを参照してステップ906の具体例を説明する。この例では、差分が抽出されたジョブ3-2、ジョブ4-2及びジョブ5-2のそれぞれについて、生産準備工数情報700を参照して、それぞれのジョブの開始日時から生産準備工数分の時間を遡った日時を特定する。そして、それらの日時のうち、最も早い日時を切り替えタイミングとして特定する。図10Dの例では、ジョブ4-2の開始日時から当該ジョブに対応する工程の生産準備工数704の値だけ遡った日時を切り替えタイミング203として特定する。
なお、図10A~図10Dにはジョブ1-2を対象ジョブとした場合のリスケジュール案及び切り替えタイミングの導出の例を示しているが、実際には、図9の処理のループによって、生産計画に含まれる全てのジョブを対象として、各ジョブに対応するリスケジュール案及び切り替えタイミングが導出される。
図11は、本発明の実施例に係る進捗管理システム110が実行するリスケジュール案への切り替え指示処理を示すフローチャートである。
図11に示す処理は、生産計画が立案され、生産計画内の各ジョブに対応するリスケジュール案及び切り替えタイミングの導出が終了し、かつ、生産計画に基づく生産が開始された後に実行される。すなわち、図11に示す処理は、図3のステップ306、311及び317で実行される処理の一例である。
最初に、進捗管理システム110の生産遅延検知部115が、実績収集システム132から生産実績(例えば図3の生産実績304、310又は315)を取得する(ステップ1101)。取得した生産実績は、例えば生産実績情報600として生産実績記憶部122に格納される。
次に、生産遅延検知部115は、生産実績情報600を生産計画情報500と照合することによって、ジョブが終了予定日時(すなわち当該ジョブに対応する終了日時507)までに終了したかを判定する(ステップ1102)。
ステップ1102において当該ジョブが終了予定日時までに終了していないと判定された場合(ステップ1102:No)、当該ジョブの遅延が検知される。この場合、進捗管理システム110の作業指示出力部117が、その時点でまだ開始していないジョブの生産準備の停止指示を出力する(ステップ1103)。これは、後述する図12Aに示すように現場担当者へのメッセージとして出力されてもよいし、設備を制御するための信号として出力されてもよい。
次に、生産遅延検知部115は、遅延が検知されたジョブが、当該ジョブに対応する切り替えタイミングまでに終了したかを判定する(ステップ1104)。当該ジョブが切り替えタイミングまでに終了していない場合(ステップ1104:No)、作業指示出力部117は、当該ジョブに対応するリスケジュール案に基づく作業指示を出力する(ステップ1105)。すなわち、この場合、その時点以降の当初の生産計画は採用されず、リスケジュール案が新たに採用される。なお、ステップ1105の作業指示は、後述する図12Bに示すように現場担当者へのメッセージとして出力されてもよいし、設備を制御するための信号として出力されてもよい。
ステップ1102において当該ジョブが終了予定日時までに終了したと判定された場合(ステップ1102:Yes)には、ステップ1103~1105は実行されない。また、ステップ1104において当該ジョブが切り替えタイミングまでに終了したと判定された場合(ステップ1104:Yes)には、ステップ1105は実行されない。なお、ステップ1104において当該ジョブが切り替えタイミングまでに終了したと判定された場合とは、当該ジョブがまだ終了していないが、現在日時がまだ切り替えタイミングに到達していない場合も含む。
図12Aは、本発明の実施例に係る進捗管理システム110が出力する生産準備の停止指示画面を示す説明図である。
図12Aに示す生産準備の停止指示画面1200は、ステップ1103において作業指示出力部117が出力する画面の一例である。具体的には、生産準備の停止指示画面1200は、当初計画表示部1201、リスケジュール案表示部1202及びメッセージ表示部1203を含む。ここでは、図2Aに示した生産計画201に基づくジョブが実行され、ジョブ1-2の遅延が検知されたが、現在日時がまだジョブ1-2に対応する切り替えタイミングに達していない場合に表示される画面の例を示す。
当初計画表示部1201には、当初の生産計画、すなわち生産計画情報500に基づく生産計画が表示される。ただし、この例では、ジョブ1-2の遅延が検知されているため、その遅延が表示に反映される。具体的には、ジョブ1-2を示すブロックが現在日時まで延長され、さらに、「遅延中」の文字が表示されている。
リスケジュール案表示部1202には、当初の生産計画のうち、遅延が検知されているジョブに対応する切り替えタイミング以降をリスケジュール案によって置き換えた生産計画が表示される。図12Aの例では、図2Aに示したリスケジュール案202と同様に、ジョブ4-2が設備3においてジョブ5-2の前に実施されるように変更されている。リスケジュール案表示部1202には、このような変更を表示する情報(例えばジョブの移動元及び移動先を示す矢印等)が表示されてもよい。
メッセージ表示部1203には、現場担当者へのメッセージが表示される。図12Aの例では、現在日時がまだ切り替えポイントに達していないため、リスケジュール案への切り替えが行われない可能性が残っている。しかし、仮に当初の生産計画に従ってこれから実施されるジョブの生産準備を開始してしまうと、リスケジュール案への切り替えが必要となった場合に生産準備をやり直すための余分な工数が発生して生産性が低下する恐れがある。それを防ぐために、現在日時以降、切り替えタイミングまで、リスケジュール案への切り替えによって変更されるジョブ(図12Aの例では少なくともジョブ5-2)の生産準備を開始しないことを指示するメッセージが表示される。
図12Bは、本発明の実施例に係る進捗管理システム110が出力する生産準備の開始指示画面を示す説明図である。
図12Bに示す生産準備の開始指示画面1210は、ステップ1105において作業指示出力部117が出力する画面の一例である。具体的には、生産準備の開始指示画面1210は、当初計画表示部1211、リスケジュール案表示部1212及びメッセージ表示部1213を含む。ここでは、図12Aに示したジョブ1-2の遅延が、現在日時が切り替えタイミングに達してもまだ解消していない場合に表示される画面の例を示す。
当初計画表示部1211及びスケジュール案表示部1212の表示内容は、それぞれ、図12Aに示した当初計画表示部1201及びリスケジュール案表示部1202の表示内容とほぼ同じである。ただし、図12Bの例では、ジョブ1-2の遅延が現在日時(すなわち切り替えタイミング)に達している。このため、当初計画表示部1211には、ジョブ1-2の終了が現在日時まで遅延し、それに伴って、設備2でジョブ1-2の後に実行される予定であったジョブ3-2及びジョブ4-2も遅延することが表示される。一方、スケジュール案表示部1212には、ジョブ4-2が設備3でジョブ5-2の前に実行されることが表示される。
メッセージ表示部1213には、現場担当者へのメッセージが表示される。図12Bの例では、リスケジュール案が採用されることが決定したため、リスケジュール案に基づく生産準備(具体的には、設備3におけるジョブ4-2の生産準備)を開始することを指示するメッセージが表示される。
また、本発明の実施形態のシステムは次のように構成されてもよい。
(1)進捗管理システム(例えば進捗管理システム110)であって、制御部(例えば制御部111)と、記憶部(例えば記憶部120)と、を有し、記憶部は、1以上の製品の生産計画(例えば生産計画情報500)を保持し、生産計画は、製品及び製品を生産するための工程ごとに、工程の作業(例えばジョブ)の設備への割り付け(例えば設備ID505)、工程の作業の開始予定時刻(例えば開始日時506)及び工程の作業の終了予定時刻(例えば終了日時507)を含み、制御部は、生産計画に基づいて、工程の作業が遅延した場合の生産性を予測し(例えばステップ902)、生産性が所定の基準を満たさなくなると予測される場合の工程の作業の遅延量に基づいて、当該工程の作業に当該遅延量の遅延が発生した場合に生産性が所定の基準を満たすように、生産計画の変更案(例えばリスケジュール案)及び生産計画の変更案への切り替えタイミングを生成する(例えばステップ904~906)。
これによって、工程の遅延が発生した場合でも、生産性の維持が不可能となるタイミングが到来する前に生産計画を適切な変更案に切り替えることができ、これによって生産性の低下を防ぐことができる。
(2)上記(1)において、制御部は、生産計画に含まれる工程の作業のうち、生産性が所定の基準を満たさなくなると予測される遅延が発生した場合の工程の作業の終了予定時刻より開始予定時刻が遅い工程の作業の少なくとも一つの、設備への割り付け及び開始予定時刻の少なくとも一方を変更する変更案を生成する(例えばステップ903~906)。
これによって、工程の遅延が発生した場合でも、生産性の維持が不可能となるタイミングが到来する前に生産計画を適切な変更案に切り替えることができ、これによって生産性の低下を防ぐことができる。
(3)上記(2)において、記憶部は、製品の品目と工程との組み合わせごとに、工程の作業を開始する準備のために必要な工数である生産準備工数(例えば生産準備工数情報700)をさらに保持し、制御部は、変更案において変更される工程の作業ごとに、生産準備工数に基づいて準備を開始する時刻を算出し、算出した時刻のうち最先の時刻を切り替えタイミングとして特定する(ステップ906)。
これによって、生産の準備に要する時間も考慮して、生産性の低下を防止するための変更案への切り替えタイミングを正確に算出することができる。
(4)上記(1)において、制御部は、いずれかの製品の納期が遅延すると予測される場合に、生産性が所定の基準を満たさなくなると予測する。
これによって、工程の遅延が発生した場合でも、納期の遅延を防ぐことができる。
(5)上記(1)において、制御部は、設備の稼働率が所定の基準より低くなることが予測される場合に、生産性が所定の基準を満たさなくなると予測する。
これによって、工程の遅延が発生した場合でも、設備の稼働率の低下を防ぐことができる。
(6)上記(1)において、制御部は、生産計画に基づく工程の作業が開始される前に、生産計画の変更案及び生産計画の変更案への切り替えタイミングを生成する。
これによって、工程の遅延が発生した場合でも、生産性の維持が不可能となるタイミングが到来する前に生産計画を適切な変更案に切り替えることができ、これによって生産性の低下を防ぐことができる。
(7)上記(1)において、制御部は、前記生産計画に基づく工程の作業が開始された後、各工程の作業の実績を取得し、取得した実績と生産計画とに基づいて、いずれかの工程の作業の遅延を検知した場合、その時点より後に開始される工程の作業の準備を停止する指示を出力する(例えばステップ1103)。
(8)上記(7)において、制御部は、遅延が検知された工程の作業が終了する前に、変更案への切り替えタイミングが到来した場合、変更案に基づく工程の作業の指示を出力する(例えばステップ1105)。
これによって、変更案への切り替えタイミングが到来したときに生産計画を変更案に切り替えることができる。
(9)上記(8)に記載の進捗管理システムと、進捗管理システムに接続される生産制御部(例えば生産実施部150)と、を有する生産実行システムであって、生産制御部は、遅延が検知された工程の作業が終了する前に、変更案への切り替えタイミングが到来した場合、変更案に基づく工程の作業を実行するように、設備を制御する。
これによって、工程の遅延が発生した場合でも、生産性が低下しないように工程の作業を制御することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したものであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
100 生産実行システム
110 進捗管理システム
111 制御部
112 リスケジュール対象期間導出部
113 リスケジュール部
114 切り替えタイミング導出部
115 生産遅延検知部
116 表示部
117 作業指示出力部
118 入力部
119 通信部
120 記憶部
121 生産計画記憶部
122 生産実績記憶部
123 スケジューリング用マスタ情報記憶部
124 生産準備工数記憶部
125 リスケジュール案及び切り替えタイミング記憶部
130 生産管理システム群
131 生産計画システム
132 実績収集システム
133 作業指示システム
140 担当者向け端末
141 計画担当者PC
142 現場担当者PC
150 生産実施部
151 加工装置
160 ネットワーク
110 進捗管理システム
111 制御部
112 リスケジュール対象期間導出部
113 リスケジュール部
114 切り替えタイミング導出部
115 生産遅延検知部
116 表示部
117 作業指示出力部
118 入力部
119 通信部
120 記憶部
121 生産計画記憶部
122 生産実績記憶部
123 スケジューリング用マスタ情報記憶部
124 生産準備工数記憶部
125 リスケジュール案及び切り替えタイミング記憶部
130 生産管理システム群
131 生産計画システム
132 実績収集システム
133 作業指示システム
140 担当者向け端末
141 計画担当者PC
142 現場担当者PC
150 生産実施部
151 加工装置
160 ネットワーク
Claims (10)
- 進捗管理システムであって、
制御部と、記憶部と、を有し、
前記記憶部は、1以上の製品の生産計画を保持し、
前記生産計画は、前記各製品を生産するための工程の作業ごとに、前記工程の作業の設備への割り付け、前記工程の作業の開始予定時刻及び前記工程の作業の終了予定時刻を含み、
前記制御部は、
前記生産計画に基づいて、前記工程の作業が遅延した場合の生産性を予測し、
前記生産性が所定の基準を満たさなくなると予測される場合の前記工程の作業の遅延量に基づいて、当該工程の作業に当該遅延量の遅延が発生した場合に前記生産性が前記所定の基準を満たすように、前記生産計画の変更案及び前記生産計画の前記変更案への切り替えタイミングを生成することを特徴とする進捗管理システム。 - 請求項1に記載の進捗管理システムであって、
前記制御部は、前記生産計画に含まれる前記工程の作業のうち、前記生産性が前記所定の基準を満たさなくなると予測される遅延が発生した場合の前記工程の作業の終了予定時刻より前記開始予定時刻が遅い工程の作業の少なくとも一つの、前記設備への割り付け及び前記開始予定時刻の少なくとも一方を変更する変更案を生成することを特徴とする進捗管理システム。 - 請求項2に記載の進捗管理システムであって、
前記記憶部は、前記製品の品目と前記工程との組み合わせごとに、前記工程の作業を開始する準備のために必要な工数である生産準備工数をさらに保持し、
前記制御部は、前記変更案において変更される工程の作業ごとに、前記生産準備工数に基づいて準備を開始する時刻を算出し、前記算出した時刻のうち最先の時刻を前記切り替えタイミングとして生成することを特徴とする進捗管理システム。 - 請求項1に記載の進捗管理システムであって、
前記制御部は、いずれかの前記製品の納期が遅延すると予測される場合に、前記生産性が前記所定の基準を満たさなくなると予測することを特徴とする進捗管理システム。 - 請求項1に記載の進捗管理システムであって、
前記制御部は、前記設備の稼働率が所定の基準より低くなることが予測される場合に、前記生産性が前記所定の基準を満たさなくなると予測することを特徴とする進捗管理システム。 - 請求項1に記載の進捗管理システムであって、
前記制御部は、前記生産計画に基づく前記工程の作業が開始される前に、前記生産計画の変更案及び前記生産計画の前記変更案への切り替えタイミングを生成することを特徴とする進捗管理システム。 - 請求項1に記載の進捗管理システムであって、
前記制御部は、
前記生産計画に基づく前記工程の作業が開始された後、前記各工程の作業の実績を取得し、
取得した前記実績と前記生産計画とに基づいて、いずれかの前記工程の作業の遅延を検知した場合、その時点より後に開始される工程の作業の準備を停止する指示を出力することを特徴とする進捗管理システム。 - 請求項7に記載の進捗管理システムであって、
前記制御部は、前記遅延が検知された工程の作業が終了する前に、前記変更案への切り替えタイミングが到来した場合、前記変更案に基づく工程の作業の指示を出力することを特徴とする進捗管理システム。 - 請求項8に記載の進捗管理システムと、前記進捗管理システムに接続される生産制御部と、を有する生産実行システムであって、
前記生産制御部は、前記遅延が検知された工程の作業が終了する前に、前記変更案への切り替えタイミングが到来した場合、前記変更案に基づく工程の作業を実行するように、前記設備を制御することを特徴とする生産実行システム。 - 進捗管理システムが実行する進捗管理方法であって、
前記進捗管理システムは、制御部と、記憶部と、を有し
前記記憶部は、1以上の製品の生産計画を保持し、
前記生産計画は、前記各製品を生産するための工程の作業ごとに、前記工程の作業の設備への割り付け、前記工程の作業の開始予定時刻及び前記工程の作業の終了予定時刻を含み、
前記進捗管理方法は、
前記制御部が、前記生産計画に基づいて、前記工程の作業が遅延した場合の生産性を予測する手順と、
前記制御部が、前記生産性が所定の基準を満たさなくなると予測される場合の前記工程の作業の遅延量に基づいて、当該工程の作業に当該遅延量の遅延が発生した場合に前記生産性が前記所定の基準を満たすように、前記生産計画の変更案及び前記生産計画の前記変更案への切り替えタイミングを生成する手順と、を含むことを特徴とする進捗管理方法。
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