JP2024024118A - 改善されたアンタゴニスト的抗ヒトcd40モノクローナル抗体 - Google Patents

改善されたアンタゴニスト的抗ヒトcd40モノクローナル抗体 Download PDF

Info

Publication number
JP2024024118A
JP2024024118A JP2024002623A JP2024002623A JP2024024118A JP 2024024118 A JP2024024118 A JP 2024024118A JP 2024002623 A JP2024002623 A JP 2024002623A JP 2024002623 A JP2024002623 A JP 2024002623A JP 2024024118 A JP2024024118 A JP 2024024118A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
cells
antibodies
cell
binding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2024002623A
Other languages
English (en)
Inventor
エグバート ペーター アダング アントン
Egbert Peter Adang Anton
デ ブール マルク
De Boer Mark
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Diabetes Free Inc
Original Assignee
Diabetes Free Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Diabetes Free Inc filed Critical Diabetes Free Inc
Publication of JP2024024118A publication Critical patent/JP2024024118A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2878Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against the NGF-receptor/TNF-receptor superfamily, e.g. CD27, CD30, CD40, CD95
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • A61P17/02Drugs for dermatological disorders for treating wounds, ulcers, burns, scars, keloids, or the like
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/505Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/10Immunoglobulins specific features characterized by their source of isolation or production
    • C07K2317/14Specific host cells or culture conditions, e.g. components, pH or temperature
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/20Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin
    • C07K2317/24Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin containing regions, domains or residues from different species, e.g. chimeric, humanized or veneered
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/56Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments variable (Fv) region, i.e. VH and/or VL
    • C07K2317/565Complementarity determining region [CDR]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/70Immunoglobulins specific features characterized by effect upon binding to a cell or to an antigen
    • C07K2317/76Antagonist effect on antigen, e.g. neutralization or inhibition of binding
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/90Immunoglobulins specific features characterized by (pharmaco)kinetic aspects or by stability of the immunoglobulin
    • C07K2317/94Stability, e.g. half-life, pH, temperature or enzyme-resistance

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】改善されたアンタゴニスト的抗ヒトCD40モノクローナル抗体の提供。【解決手段】本開示は、CD40に結合およびアンタゴナイズする抗体に関する。これらの抗体は、免疫応答を阻害し、自己免疫疾患を処置するために特に有用である。本開示は、本明細書で開示される抗体もしくはその抗原結合フラグメントを含むおよび/もしくは生成する、ならびに/または本明細書で開示される核酸を含む細胞をさらに提供し、好ましくは、ここで上記細胞は、ハイブリドーマ細胞、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞、NS0細胞またはPER-C6TM細胞である。開示はさらに、本明細書で開示される細胞を含む、細胞培養物を提供する。【選択図】なし

Description

発明の分野
本開示は、CD40に結合およびアンタゴナイズする抗体に関する。これらの抗体は、免疫応答を阻害し、自己免疫疾患を処置するために特に有用である。
発明の背景
CD40分子は、50kDaのI型膜糖タンパク質である。このタンパク質は、抗原提示細胞(B細胞、単球/マクロファージおよび樹状細胞(DC)を含む)の表面で主に発現され、他の細胞タイプ(内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、上皮細胞およびケラチノサイトを含む)の広範な種類でも見出され得る。CD40レセプターのリガンドはCD40Lであり、CD154ともいわれる。この32kDaタンパク質は、II型膜内在性糖タンパク質であり、活性化CD4 T細胞および活性化CD8 T細胞の小さな集団上で一過性に発現される。さらに、CD40Lは、多くの他の免疫細胞および他の細胞タイプ上で見出されている。CD40およびそのリガンド(CD40L)は、腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーに属する。
CD40とCD40Lとの相互作用は、種々の下流の効果を誘導する。それがCD40Lとライゲーションした後に、CD40は、その細胞を活性化して進入し、多くの炎症促進性および血栓形成促進性の(prothrombic)遺伝子の発現を刺激する。CD40-CD
40L相互作用は、細胞性および体液性の両方の免疫応答に関わっている。いくつかの研究は、種々の慢性炎症性疾患および自己免疫疾患においてCD40-CD40L相互作用の関与を明らかに示している。従って、CD40-CD40L相互作用における干渉は、免疫応答をモジュレートして、免疫関連疾患を処置するための潜在的な標的を構成する。
マウスモデルにおける研究は、種々の疾患におけるCD40/CD40Lの機能的役割を示している。例えば、CD40Lトランスジェニックマウスは、致死的な炎症性腸疾患を獲得する。他方で、重症複合型免疫不全(SCID)マウス炎症性腸疾患モデルにおいて、T細胞再構成の日からの抗CD40L抗体での処置は、実験的大腸炎の臨床上のおよび組織学的出現を完全に防止することが示された。
クローン病を有する患者は、消化管の消耗性炎症性障害に苦しんでいる。この疾患は、病的な粘膜への活性化T細胞、B細胞およびマクロファージの流入によって特徴づけられる。粘膜免疫細胞は、クローン病における炎症ループを開始することにおいて中心的な役割を果たすことが示される。その活性化CD4 T細胞に対するCD40Lの主な役割は、クローン病におけるCD40/CD40L発現に関する以前の研究によって示唆されている。Mab 5D12抗体は、非刺激性アンタゴニスト的CD40抗体として開発された。その5D12抗体での免疫組織化学を使用して、CD40発現のレベルの増加が、クローン病患者の病的でない粘膜に対して病的な粘膜において見出された。さらに、5D12での患者由来のT細胞の処置は、共培養した単球によって低減したIL-12およびTNF-α生成を生じた。これらの知見は、そのCD40アンタゴニスト的抗体5D12が、クローン病における免疫応答を潜在的に阻害することを意味する。本開示は、CD40をアンタゴナイズするための改善された抗体を提供する。
発明の要旨
本開示の一局面は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗CD40抗体またはその抗原結合フラグメントであって、ここで上記軽鎖可変領域は、配列RSSQSLAZSZGNTYLHを有するCDR1であって、ここでZは、Sであり、Zは、SまたはQであるCDR1;配列KVSNRFSを有するCDR2;および配列SQSTHVPWTを有するCDR3を含み、ここで上記重鎖可変領域は、配列GFSX11SRYを有するCDR1であって、ここでX11は、I、L、またはVであり、好ましくはここでX11はLであるCDR1;配列WGGGSTDを有するCDR2;および配列TDGDYを有するCDR3を含むものを提供する。
好ましくは、上記抗CD40抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列:
QVXLXESGXGLVKPXLXCX10VSGFSX11SRYSVYWX12RQX13PGKGX14EWX15GMMWGGGSTDYX1617SX18KX19RX20TISKDX2122KX2324VX25LX262728SLX293031DTAX32YYCVRTDGDYWGQGTX33VTVSS
を含む重鎖可変領域を有し、ここで:
は、Qであり;Xは、QまたはVであり;Xは、PまたはGであり;Xは、SまたはGであり;Xは、E、Q、またはGであり;Xは、TまたはSであり;Xは、SまたはRであり;Xは、IまたはLであり;Xは、TまたはSであり;X10は、TまたはAであり;X11は、I、L、またはVであり;このましくは、X11は、Lであり;X12は、I、L、またはVであり;好ましくは、X12は、IまたはVであり;X13は、PまたはAであり;X14は、PまたはLであり;X15は、MまたはIであり;X16およびX17は、STまたはNPであり;X18は、LまたはVであり;X19は、SまたはGであり;X20は、LまたはFであり;X21は、TまたはNであり;X22は、SまたはAであり;X23は、SまたはTであり;X24は、QまたはSであり;X25は、SまたはYであり;X26は、KまたはQであり;X27は、MまたはLであり;X28は、Sであり;X29は、RまたはTであり;X30は、Aであり;X31は、AまたはEであり;X32は、Vであり、そしてX33は、Lである。
好ましくは、ここで:
は、Qであり;Xは、Pであり;Xは、Sであり;Xは、EまたはQであり;Xは、Tであり;Xは、Sであり;Xは、Tであり;X10は、Tであり;X13は、Pであり;X18は、Lであり;X19は、Sであり;X20は、Lであり;X21は、Tであり;X22は、Sであり;X23は、Sであり;X24は、Qであり;X25は、Sであり;X26は、Kであり;X29は、Tであり;そしてX31は、Aである。好ましくは、ここで:
は、Vであり;Xは、Gであり;Xは、Gであり;Xは、Gであり;Xは、Sであり;Xは、Rであり;Xは、Lであり;Xは、Sであり;X10は、Aであり;X13は、Aであり;X14は、Lであり;X15は、Mであり;X16およびX17は、STであり;X18は、Vであり;X19は、Gであり;X20は、Fであり;X21は、Nであり;X22は、Aであり;X23は、Tであり;X24は、Sであり;X25は、Yであり;X26は、Qであり;X27は、Mであり;X29は、Rであり;そしてX31は、Eである。
好ましくは、上記抗CD40抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列:
TQSPLSLPVTZGQPASISCRSSQSLAZSZGNTYLHWYLQ ZPGQSPRLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCSQSTHVPWTFGGGTKLEIKR;
を含む軽鎖可変領域を有し、ここで:
、Z、ZおよびZは、ELQLまたはDIVMであり; Zは、LまたはPであり;Zは、SまたはDであり;Zは、SまたはQであり;そしてZは、RまたはKである。
好ましくは、ここで
、Z、ZおよびZは、ELQLであり;Zは、Lであり;そしてZは、Rである。
好ましくは、ここで
、Z、ZおよびZは、DIVMであり;Zは、Pであり;Zは、Sであり;Zは、Qであり;そしてZは、Kである。
好ましくは、上記抗体またはその抗原結合フラグメントは、アンタゴニスト的抗ヒトC
D40モノクローナル抗体である。好ましくは、上記抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト抗体の定常領域、好ましくは、IgG定常領域を含み、好ましくはここで上記定常領域は、補体活性化が欠けている領域であり、好ましくはヒトIgG定常領域または変異ヒトIgG定常領域である。本開示は、本明細書で開示される抗体またはその抗原結合フラグメントのうちのいずれかをコードする核酸をさらに提供する。
本開示は、本明細書で開示される抗体もしくはその抗原結合フラグメントを含むおよび/もしくは生成する、ならびに/または本明細書で開示される核酸を含む細胞をさらに提供し、好ましくは、ここで上記細胞は、ハイブリドーマ細胞、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞、NS0細胞またはPER-C6TM細胞である。開示はさらに、本明細書で開示される細胞を含む、細胞培養物を提供する。
本開示の一局面は、上記抗体または抗原結合フラグメントのうちのいずれかを生成するおよび/または精製するための方法であって、好ましくは、ここで上記抗体は生成され、上記方法は、先に記載されるとおりの細胞を培養する工程、および上記抗体を上記培養物から採取する工程を包含する方法に関する。
本開示の一局面は、開示されるとおりの抗体もしくはその抗原結合フラグメント、核酸および/または細胞を含む医薬組成物を提供する。好ましくは、本明細書で開示されるとおりの組成物または抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、医薬の製造における使用のためのものである。好ましくは、上記医薬は、自己免疫障害、および/もしくは炎症性障害の症状を改善する、ならびに/または移植片拒絶を低減する、ならびに/またはCD40陽性がんの処置のためのものであり、好ましくはここで上記自己免疫障害および/もしくは炎症性障害は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、乾癬、水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoides)および/またはアトピー性皮膚炎の群から選択される。好ましくはここで上記自己免疫障害および/または炎症性障害は、炎症性腸疾患を含み、好ましくは、潰瘍性大腸炎またはクローン病を含む。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗CD40抗体またはその抗原結合フラグメントであって、
ここで前記軽鎖可変領域は、
-配列RSSQSLAZSZGNTYLHを有するCDR1であって、ここでZはSであり、Zは、SまたはQであるCDR1;
-配列KVSNRFSを有するCDR2;および
-配列SQSTHVPWTを有するCDR3、
を含み、ここで前記重鎖可変領域は、
-配列GFSX11SRYを有するCDR1であって、ここでX11は、I、L、またはVであり、好ましくはここでX11はLであるCDR1;
-配列WGGGSTDを有するCDR2;および
-配列TDGDYを有するCDR3、
を含む、抗CD40抗体またはその抗原結合フラグメント。
(項目2)
配列:
QVXLXESGXGLVKPXLXCX10VSGFSX11SRYSVYWX12RQX13PGKGX14EWX15GMMWGGGSTDYX1617SX18KX19RX20TISKDX2122KX2324VX25LX262728SLX293031DTAX32YYCVRTDGDYWGQGTX33VTVSS
を含む重鎖可変領域を有し、ここで:
は、Qであり;
は、QまたはVであり:
は、PまたはGであり;
は、SまたはGであり;
は、E、Q、またはGであり;
は、TまたはSであり;
は、SまたはRであり:
は、IまたはLであり;
は、TまたはSであり;
10は、TまたはAであり;
11は、I、L、またはVであり;このましくは、X11は、Lであり;
12は、I、L、またはVであり;好ましくは、X12は、IまたはVであり、
13は、PまたはAであり;
14は、PまたはLであり;
15は、MまたはIであり;
16およびX17は、STまたはNPであり;
18は、LまたはVであり;
19は、SまたはGであり;
20は、LまたはFであり;
21は、TまたはNであり;
22は、SまたはAであり;
23は、SまたはTであり;
24は、QまたはSであり;
25は、SまたはYであり;
26は、KまたはQであり;
27は、MまたはLであり;
28は、Sであり;
29は、RまたはTであり;
30は、Aであり;
31は、AまたはEであり;
32は、Vであり、そして
33は、Lである、
項目1に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合フラグメント。
(項目3)
は、Qであり;
は、Pであり;
は、Sであり;
は、EまたはQであり;
は、Tであり;
は、Sであり;
は、Tであり;
10は、Tであり;
13は、Pであり;
18は、Lであり;
19は、Sであり;
20は、Lであり;
21は、Tであり;
22は、Sであり;
23は、Sであり;
24は、Qであり;
25は、Sであり;
26は、Kであり;
29は、Tであり;そして
31は、Aである、
項目2に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合フラグメント。
(項目4)
は、Vであり;
は、Gであり;
は、Gであり;
は、Gであり;
は、Sであり;
は、Rであり:
は、Lであり;
は、Sであり;
10は、Aであり;
13は、Aであり;
14は、Lであり;
15は、Mであり;
16およびX17は、STであり;
18は、Vであり;
19は、Gであり;
20は、Fであり;
21は、Nであり;
22は、Aであり;
23は、Tであり;
24は、Sであり;
25は、Yであり;
26は、Qであり;
27は、Mであり;
29は、Rであり;そして
31は、Eである、
項目2に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合フラグメント。
(項目5)
配列:
TQSPLSLPVTZGQPASISCRSSQSLAZSZGNTYLHWYLQ ZPGQSPRLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCSQSTHVPWTFGGGTKLEIKR;
を含む軽鎖可変領域を有し、ここで:
、Z、ZおよびZは、ELQLまたはDIVMであり;
は、LまたはPであり;
は、SまたはDであり;
は、SまたはQであり;そして
は、RまたはKである、
項目1に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合フラグメント。
(項目6)
、Z、ZおよびZは、ELQLであり;
は、Lであり;そして
は、Rである、
項目5に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合フラグメント。
(項目7)
、Z、ZおよびZは、DIVMであり;
は、Pであり;
は、Sであり;
は、Qであり;そして
は、Kである、
項目5に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合フラグメント。
(項目8)
前記抗体は、アンタゴニスト的抗ヒトCD40モノクローナル抗体である、項目1に記
載の抗体。
(項目9)
ヒト抗体の定常領域、好ましくは、IgG定常領域を含み、ここで好ましくは、前記定常領域は、補体活性化が欠けている領域であり、好ましくはヒトIgG定常領域または変異ヒトIgG定常領域である、項目1~8のいずれか1項に記載の抗体。
(項目10)
項目1~9のいずれか1項に記載の抗体をコードする核酸。
(項目11)
項目1~9のいずれか1項に記載の抗体を含むおよび/もしくは生成する、ならびに/または項目10に記載の核酸を含む細胞であって、好ましくは、ここで前記細胞は、ハイブリドーマ細胞、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞、NS0細胞またはPER-C6TM細胞である、細胞。
(項目12)
項目11に記載の細胞のうちのいずれか1種に従う細胞を含む、細胞培養物。
(項目13)
項目1~9に記載の抗体のうちのいずれかを生成するおよび/または精製するための方法であって、ここで好ましくは、前記抗体は生成され、前記方法は、項目11または12のいずれか1項に記載の細胞を培養する工程、および前記抗体を前記培養物から採取する工程を包含する方法。
(項目14)
項目1~9のいずれか1項に記載の抗体、項目10に記載の核酸、および/または項目11に記載の細胞を含む、好ましくは、医薬としての使用のための、医薬組成物。
(項目15)
自己免疫障害、および/もしくは炎症性障害の症状を改善する、ならびに/または移植片拒絶を低減する、ならびに/またはCD40陽性がんの処置のための医薬としての使用のための、好ましくは、ここで前記自己免疫障害および/もしくは炎症性障害は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、乾癬、水疱性類天疱瘡および/またはアトピー性皮膚炎の群から選択される、項目1~9のいずれか1項に記載の抗体、および/または項目10に記載の核酸、および/または項目11に記載の細胞。
可変ドメインのアミノ酸配列アラインメント。PG102抗体の可変領域と比較した、軽鎖および重鎖両方の可変領域のアミノ酸配列アラインメント。アミノ酸配列中の差異を、アミノ酸レベルでの変化の程度に応じて灰色または白で強調する。同一の配列を、黒で強調する。CDRは、Chothiaの定義に従って図面の中で示される。
PG102バリアントのCD40に対する結合親和性。A. PG102 wt(親)および操作されたバリアントを、それらのCD40に対する結合親和性に関して試験した。結合親和性を、PG102 wtと比較して、パーセンテージとして示す。B. PG102 wt(親)および操作されたバリアントを、それらの倍数力価改善(fold titer improvement)に関して試験した。倍数力価改善を、1で設定されるPG102と比較して示す。
TNF分泌を、モノクローナル抗体での処理によって阻害する。CD40に対するモノクローナル抗体によるCD40L誘導性TNF分泌の阻害。PG102 WTおよび新たな抗体バリアントを、4名の異なるドナーに由来する末梢血単核細胞(PBMC)(データ点によって表される)に対して、1ng/mlまたは10ng/mlの濃度で試験する。グラフは、TNF分泌の阻害のパーセンテージを示す。
4名の異なるドナーに由来する末梢血単核細胞(PBMC)に対して試験したモノクローナル抗CD40抗体での処理によるTNF分泌阻害。種々の抗体バリアントを、4名の異なるドナーに対して、CD40L(CD40のリガンド)での誘導後にTNF分泌を低減する能力に関して試験する。細胞を、1ng/mL~1000ng/mLの範囲に及ぶ4種の異なる濃度に曝露する。最高濃度では、全ての抗体バリアントは、TNF分泌の強い阻害を示す。
開示される実施形態の詳細な説明
本開示は、CD40に結合およびアンタゴナイズする抗体に関する。これらの抗体は、免疫応答を阻害し、自己免疫疾患を処置するために特に有用である。
Mab 5D12抗体を、非刺激性アンタゴニスト的CD40抗体として開発した。WO2007/129895は、ヒトIgG定常ドメインとともにMab 5D12の可変重鎖および可変軽鎖を有するキメラ抗体(ch5D12)の生成を記載する。WO2007/129895は、5D12抗体の脱免疫化(deimmunized)バージョンをさらに記載する。WO2007/129895に記載される抗体のうちの1つは、PG102である。
本開示は、抗CD40抗体の発現および製造に関して良好な特性を有する、操作された可変領域、ならびに上記操作された可変領域を含む抗体および抗原結合フラグメントを提供する。このような特性としては、例えば、タンパク質安定性、収量、CD40結合親和性、生成細胞の生存性、および低減した免疫原性が挙げられ得る。このような特性は、上記抗体またはその抗原結合フラグメントを大規模で製造する場合に有用である。好ましくは、その特性のうちの少なくとも1つは、そのPG102抗体を超えて改善される。
用語「抗体とは、本明細書で使用される場合、ポリペプチド鎖の2つの同一の対(鎖の各対は、1本の「重」鎖および1本の「軽」鎖からなる)から代表的には構成される免疫グロブリン分子に言及する。そのヒト軽鎖は、κおよびλとして分類される。その重鎖は、種々のクラス、すなわち:μ、δ、γ、αまたはεを含む。これらのクラスは、それぞれ、IgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEのような抗体のアイソタイプを規定する。これらのクラスは、その抗体の機能にとって重要であり、免疫応答を調節する助けとなる。重鎖および軽鎖の両方は、可変領域および定常領域からなる。その重鎖の定常領域は、その軽鎖の定常領域より明らかに大きく、その重鎖および軽鎖の呼称を説明している。各重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)は、フレームワーク領域(FR)が点在する相補性決定領域(CDR)を含む。その可変領域は、合計4個のFRおよび3個のCDRで構成される。これらは、アミノ末端からカルボキシル末端へと、以下のとおりに配置されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。その軽鎖および重鎖の可変領域は、一緒になって抗体結合部位を形成し、エピトープに対する特異性を規定する。本開示の各領域またはドメインへのアミノ酸の割り当ては、Chothiaの定義に従う。
本明細書で使用される場合、抗原結合フラグメントとしては、Fab、F(ab’)、F(ab’)、相補性決定領域(CDR)フラグメント、単鎖抗体(scFv)、二価単鎖抗体、および他の抗原認識免疫グロブリンフラグメントが挙げられる。場合によっては、用語「抗体」は、本明細書で使用される場合、その抗原結合フラグメントをも含むことが理解され得る。
本開示の一局面は、軽鎖可変領域を含む抗体および/またはその抗原結合フラグメントを提供する。いくつかの実施形態において、その軽鎖可変領域は、CDR1としてVL-CDR1AまたはVL-CDR1Bを、CDR2としてVL-CDR2を、およびCDR3としてVL-CDR3を含む。軽鎖CDRは、以下のように規定される:
Figure 2024024118000001
PG102およびマウス5D12抗体の両方において、軽鎖のCDR1は、3個のアスパラギン残基を含む。そのアスパラギン残基のうちの2個は、本明細書で記載される軽鎖CDR1sにおいて置換される。理論によって拘束されることは望まないが、本発明者らは、そのCDR1置換が、アスパラギン脱アミド化の効果を回避し、タンパク質収量における増加をもたらし、それと同時に、CD40結合をなお保持すると考える。
好ましい実施形態において、その軽鎖可変領域は、CDR1としてVL-CDR1Aを、CDR2としてVL-CDR2を、およびCDR3としてVL-CDR3を含む。別の好ましい実施形態において、その軽鎖可変領域は、CDR1としてVL-CDR1Bを、CDR2としてVL-CDR2を、およびCDR3としてVL-CDR3を含む。
いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、以下のとおり規定されるように、フレームワーク領域1としてVL-FR1AまたはVL-FR1Bを、フレームワーク領域2としてVL-FR2AまたはVL-FR2Bを、フレームワーク領域3としてVL-FR3を、およびフレームワーク領域4としてVL-FR4を含む:
Figure 2024024118000002
好ましい実施形態において、その軽鎖可変領域は、フレームワーク領域1としてVL-FR1Aを、フレームワーク領域2としてVL-FR2Aを、フレームワーク領域3としてVL-FR3を、およびフレームワーク領域4としてVL-FR4を含む。別の好ましい実施形態において、その軽鎖可変領域は、フレームワーク領域1としてVL-FR1Bを、フレームワーク領域2としてVL-FR2Bを、フレームワーク領域3としてVL-FR3を、およびフレームワーク領域4としてVL-FR4を含む。
好ましくは、その軽鎖可変領域は、以下のとおりのアミノ酸配列: ZTQSPLSLPVTZGQPASISCRSSQSLAZSZGNTYLHWYLQ ZPGQSPRLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCSQSTHVPWTFGGGTKLEIKRを含み;ここでZ、Z、ZおよびZは、ELQLまたはDIVMであり;Zは、LまたはPであり;Zは、SまたはDであり;Zは、SまたはQであり;そしてZは、RまたはKである。
その軽鎖可変領域の好ましい実施形態は、以下のとおりである:
Figure 2024024118000003
異なる軽鎖可変領域のアラインメントは、図1に示される。
本開示の一局面は、以下のとおりに規定されるCDRを有する重鎖可変領域を含む抗体および/またはその抗原結合フラグメントを提供する:
Figure 2024024118000004
WO2007/129895に記載されるように、VH CDR1は、VH-CDR1A、VH-CDR1BまたはVH-CDR1Cであり得る。なぜならこれらのアミノ酸配列を有する抗体は、全て類似のCD40結合を示すからである。好ましくは、VH CDR1は、VH-CDR1AまたはVH-CDR1Cである。最も好ましくは、VH CDR1は、VH-CDR1Aである。
いくつかの実施形態において、その重鎖可変領域は、以下のとおり規定されるように、フレームワーク領域1としてVH-FR1A、VH-FR1BまたはVH-FR1Cを、フレームワーク領域2としてVH-FR2A、VH-FR2B、VH-FR2CまたはVH-FR2Dを、フレームワーク領域3としてVH-FR3A、VH-FR3BまたはVH-FR3Cを、およびフレームワーク領域4としてVH-FR4を含む:
Figure 2024024118000005
PG102およびマウス5D12抗体の両方において、FR1は、3位においてリジン残基を含む。このリジン残基は、本明細書で開示される操作された重鎖バリアントの全てにおいてグルタミン残基に置換される。理論によって拘束されることは望まないが、本発明者らは、リジンからグルタミンへの置換が、凝集の低減およびタンパク質発現における増加をもたらすと考える。
好ましい実施形態において、その重鎖可変領域は、フレームワーク領域1としてVH-FR1Aを、フレームワーク領域2としてVH-FR2Aを、フレームワーク領域3としてVH-FR3Aを、およびフレームワーク領域4としてVH-FR4を含む。別の好ましい実施形態において、その重鎖可変領域は、フレームワーク領域1としてVH-FR1Aを、フレームワーク領域2としてVH-FR2Bを、フレームワーク領域3としてVH-FR3Aを、およびフレームワーク領域4としてVH-FR4を含む。別の好ましい実施形態において、その重鎖可変領域は、フレームワーク領域1としてVH-FR1Bを、フレームワーク領域2としてVH-FR2Cを、フレームワーク領域3としてVH-FR3Bを、およびフレームワーク領域4としてVH-FR4を含む。別の好ましい実施形態において、その重鎖可変領域は、フレームワーク領域1としてVH-FR1Cを、フレームワーク領域2としてVH-FR2Dを、フレームワーク領域3としてVH-FR3Cを、およびフレームワーク領域4としてVH-FR4を含む。
好ましくは、その重鎖可変領域は、以下のとおりのアミノ酸配列:
QVXLXESGXGLVKPXLXCX10VSGFSX11SRYSVYWX12RQX13PGKGX14EWX15GMMWGGGSTDYX1617SX18KX19RX20TISKDX2122KX2324VX25LX262728SLX293031DTAX32YYCVRTDGDYWGQGTX33VTVSS
を含み:ここで
は、Qであり;Xは、QまたはVであり;Xは、PまたはGであり;Xは、SまたはGであり;Xは、E、Q、またはGであり;Xは、TまたはSであり;Xは、SまたはRであり;Xは、IまたはLであり;Xは、TまたはSであり;X10は、TまたはAであり;X11は、I、L、またはVであり;好ましくはここでX11は、Lであり;X12は、I、L、またはVであり;好ましくはここでX12は、IまたはVであり;X13は、PまたはAであり;X14は、PまたはLであり;X15は、MまたはIであり;X16およびX17は、STまたはNPであり;X18は、LまたはVであり;X19は、SまたはGであり;X20は、LまたはFであり;X21は、TまたはNであり;X22は、SまたはAであり;X23は、SまたはTであり;X24は、QまたはSであり;X25は、SまたはYであり;X26は、KまたはQであり;X27は、MまたはLであり;X28は、Sであり;X29は、RまたはTであり;X30は、Aであり;X31は、AまたはEであり;X32は、Vであり、そしてX33は、Lである。
その重鎖可変領域の好ましい実施形態は、以下のとおりである:
Figure 2024024118000006
Figure 2024024118000007
種々の重鎖可変領域のアラインメントを、図1に示す。
本開示の一局面は、本明細書で記載されるとおりの軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含む抗体および/またはその抗原結合フラグメントを提供する。
好ましくは、その抗体および/またはその抗原結合フラグメントは、VL-1のCDRを含む軽鎖およびVH-4のCDRを含む重鎖を含み、好ましくは、その軽鎖は、VL-1の配列を含み、その重鎖は、VH4の配列を含む(var4)。
好ましくは、その抗体および/またはその抗原結合フラグメントは、VL-2のCDRを含む軽鎖およびVH-3のCDRを含む重鎖を含み、好ましくは、その軽鎖は、VL-2の配列を含み、その重鎖は、VH3の配列を含む(var7)。
好ましくは、その抗体および/またはその抗原結合フラグメントは、VL-2のCDRを含む軽鎖およびVH-4のCDRを含む重鎖を含み、好ましくは、その軽鎖は、VL-2の配列を含み。その重鎖は、VH4の配列を含む(var8)。
好ましくは、その抗体および/またはその抗原結合フラグメントは、VL-4のCDRを含む軽鎖およびVH-1のCDRを含む重鎖を含み、好ましくは、その軽鎖は、VL-4の配列を含み、その重鎖は、VH1の配列を含む(var13)。
好ましくは、その抗体および/またはその抗原結合フラグメントは、VL-4のCDRを含む軽鎖およびVH-3のCDRを含む重鎖を含み、好ましくは、その軽鎖は、VL-4の配列を含み、その重鎖は、VH3の配列を含む(var15)。
好ましくは、その抗体および/またはその抗原結合フラグメントは、VL-4のCDRを含む軽鎖およびVH-4のCDRを含む重鎖を含み、好ましくは、その軽鎖は、VL-4の配列を含み、その重鎖は、VH4の配列を含む(var16)。
より好ましくは、その抗体および/またはその抗原結合フラグメントは、VL-1のCDRを含む軽鎖およびVH-1のCDRを含む重鎖を含み、好ましくは、その軽鎖は、VL-1の配列を含み、その重鎖は、VH1の配列を含む(var1)。
より好ましくは、その抗体および/またはその抗原結合フラグメントは、VL-1のCDRを含む軽鎖およびVH-2のCDRを含む重鎖を含み、好ましくは、その軽鎖は、VL-1の配列を含み、その重鎖は、VH2の配列を含む(var2)。
より好ましくは、その抗体および/またはその抗原結合フラグメントは、VL-1のCDRを含む軽鎖およびVH-3のCDRを含む重鎖を含み、好ましくは、その軽鎖は、VL-1の配列を含み、その重鎖は、VH3の配列を含む(var3)。
より好ましくは、その抗体および/またはその抗原結合フラグメントは、VL-2のCDRを含む軽鎖およびVH-1のCDRを含む重鎖を含み、好ましくは、その軽鎖は、VL-2の配列を含み、その重鎖は、VH1の配列を含む(var5)。
より好ましくは、その抗体および/またはその抗原結合フラグメントは、VL-2のCDRを含む軽鎖およびVH-2のCDRを含む重鎖を含み、好ましくは、その軽鎖は、VL-2の配列を含み、その重鎖は、VH2の配列を含む(var6)。
より好ましくは、その抗体および/またはその抗原結合フラグメントは、VL-4のCDRを含む軽鎖およびVH-2のCDRを含む重鎖を含み、好ましくは、その軽鎖は、VL-4の配列を含み、その重鎖は、VH2の配列を含む(var14)。
本開示は、CD40に対してアンタゴニスト的特性を有する一群の改善された非常に選択的な抗体およびその抗原結合フラグメントを提供する。これらの抗体バリアントは、発現を増加させるように最適化され、それと同時に、CD40に対するそれらの結合親和性を維持するかまたはさらに改善する。例示的実施形態として、Var1-8および13-16といわれるバリアントは、全て、タンパク質発現およびCD40結合親和性の増加をともに示す(表2を参照のこと)。
好ましくは、本開示の抗体または抗原結合フラグメントは、本明細書で開示される重鎖可変領域のうちのいずれかもしくは元のPG102重鎖可変領域と組み合わせて、本明細書で開示される軽鎖可変領域のうちのいずれか1つから構成されるか;または本明細書で開示される重鎖可変領域のうちのいずれか1つと組み合わせて、本明細書で開示される軽鎖可変領域のうちのいずれか1つまたは元のPG102軽鎖可変領域から構成される。
本開示は、そのPG102抗体と比較して、種々の位置で変化したアミノ酸配列を有する可変ドメインを提供する。その操作された可変ドメイン(重鎖および軽鎖の両方)は、その抗体の安定性および/または発現を改善し、それと同時に、そのCD40結合特性を維持および/または改善するためにデザインされる。安定性の増加は、生成プロセスならびにインビボおよびインビトロでの安定性にとって重要である。
本開示に従う抗体は、好ましくは、動物および/またはヒトにおいて十分に耐容性のある抗体である。本明細書で開示される操作された可変領域は、そのPG102抗体に由来する。PG102は、元のマウス5D12抗体と比較して、ヒトにおいて低減された免疫原性を有する脱免疫化抗体である。用語「脱免疫化」とは、本明細書で使用される場合、動物および/またはヒトにおいて元の抗体より免疫原性が小さいとして定義される。
本開示は、本明細書で開示されるように、ヒトCD40に対するモノクローナル抗体の形態で、上記軽鎖可変ドメインと組み合わされた重鎖可変ドメインをさらに提供する。その抗体可変領域は、例えば、ヒト抗体の定常領域を含む、より大きな抗体分子の中に組み込まれ得る。それらの重鎖定常ドメインにおける差異によれば、抗体は、5つのクラス、またはアイソタイプ:IgG、IgA、IgM、IgDおよびIgEに分けられる。これらのクラスまたはアイソタイプは、対応するギリシャ文字で名付けられる上記重鎖のうちの少なくとも1つを含む。好ましい実施形態において、本開示は、本開示に従う抗体であって、ここで上記定常領域が、IgG、IgA、IgM、IgDおよびIgEの定常領域の群から選択され、より好ましくは、上記定常領域が、IgG定常領域、より好ましくは、IgG定常領域、好ましくは変異したIgG定常領域を含み、より好ましくは、上記定常領域が、IgG定常領域である抗体を提供する。さらに、上記IgG定常領域は、好ましくは、ヒトIgG定常領域である。好ましくは、本開示のIgG定常領域は、重鎖および軽鎖のアミノ酸配列の定常領域を含む。IgGの定常領域におけるいくつかのバリエーションは、天然で起こる、および/またはその得られた抗体の免疫学的特性を変化させることなく許容される。代表的には、約1~5個の間のアミノ酸置換が、その定常領域の中で許容される。IgG定常領域または変異したIgG定常領域を有する抗体は、抗体の薬理学的特性のうちの少なくとも大部分を有するが、補体に結合せず、従って、インビボでその抗体が結合する細胞の枯渇を誘導しない。好ましくは、上記定常領域は、ヒト抗体の定常領域である。
好ましくは、上記定常領域は、補体活性化が欠損した領域、好ましくは、ヒトIgG定常領域または変異したヒトIgG定常領域である。
本明細書で開示される抗体および抗原結合フラグメントによるCD40結合は、当業者に公知の多くの適切なアッセイにおいて確認され得る。このようなアッセイとしては、例えば、アフィニティーアッセイ、例えば、ウェスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、およびELISA(酵素結合免疫吸着測定法(enzyme-linked immunosorbant assay)
)が挙げられる。実施例は、CD40結合を測定するために使用され得る多くのアッセイのうちの1つを詳細に記載する。
さらなる局面において、本開示は、上記抗体および抗原結合フラグメントをコードする核酸分子を提供する。本開示において使用されるとおりの核酸は、代表的には、しかし排他的ではなく、リボ核酸(RNA)またはデオキシリボ核酸(DNA)である。遺伝コードに基づけば、当業者は、本明細書で開示される抗体バリアントをコードする核酸配列を決定し得る。その遺伝コードの縮重に基づけば、64個のコドンが、20個のアミノ酸および翻訳終結シグナルをコードするために使用され得る。当業者に公知であるように、異なる生物におけるコドン使用バイアスが、遺伝子発現レベルをもたらし得る。種々のコンピューター計算ツールが、所望の核酸が発現される生物に依存してコドン使用を最適化するために、当業者に利用可能である。
上記核酸が細胞において発現される場合、その細胞は、本開示に従う抗体を生成する。従って、一実施形態において、本開示に従う抗体および/または核酸を含む細胞が、提供される。その宿主細胞は、哺乳動物、昆虫、植物、細菌または酵母の細胞であり得る。上記細胞は、好ましくは動物細胞、好ましくは哺乳動物細胞、最も好ましくはヒト細胞である。宿主細胞として適切な哺乳動物細胞株の例としては、ハイブリドーマ細胞、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞、NS0細胞、またはPER-C6TM細胞が挙げられる。本開示の目的のために、適切な細胞は、上記抗体および/または上記核酸を含み得る、および好ましくは生成し得る任意の細胞である。本開示は、上記細胞を含む細胞培養物をさらに包含する。
本明細書で開示される抗体は、当業者に公知の任意の方法によって生成され得る。好ましい実施形態において、その抗体は、細胞を使用して生成され、好ましくは、ここでその細胞は、ハイブリドーマ細胞、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞、NS0細胞、またはPER-C6TM細胞である。特に好ましい実施形態において、上記細胞は、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞であり、好ましくは、上記細胞は、無血清培地中で培養される。これは、上記抗体を上記培養物から採取する工程を包含する。その抗体は、好ましくは、培地から精製され、好ましくは、上記抗体は、アフィニティー精製される。あるいは、上記抗体は、合成して生成され得る。
種々の施設および会社が、抗体の大規模生成のために、例えば、臨床的使用のために、細胞株を開発してきた。これらの細胞はまた、タンパク質の生成のような他の目的のために使用される。タンパク質および抗体の産業スケールの生成のために開発された細胞株は、本明細書で産業用細胞株とさらに言及される。従って、本開示の好ましい実施形態は、上記抗体の大規模生成のために開発された細胞株の使用を提供する。
本開示の抗ヒトCD40抗体または抗原結合フラグメントは、好ましくは、本明細書で記載されるとおりの重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含む。このような抗体は、良好な特性を有する。当然のことながら、このような元の抗体のバリアントを、その中で1またはこれより多くのアミノ酸を改変することによって生成することは可能である。このようなバリアントの多くは、上記の元の抗体と比較した場合に多かれ少なかれ同様に挙動する。このようなバリアントはまた、本開示の範囲内に包含される。このような改変の非限定的な例は、グルタミン酸の代わりにピログルタミン酸を含む抗体である。このような改変の他の非限定的な例は、上記元の抗体と比較した場合に、1またはこれより多くのアミノ酸の挿入、欠失、反転および/または置換である。
本開示は、本明細書で開示されるとおりの抗体もしくは抗原結合フラグメントまたはこれをコードする核酸、あるいは本明細書で開示されるとおりの抗体もしくは抗原結合フラグメントまたはこれをコードする核酸を含む細胞を含む医薬組成物をさらに包含する。このような組成物は、医薬としての使用に特に適している。その組成物は、任意の適切な形態(例えば、液体、半固体および固体の投与形態)にあり得る。選択される製剤のための投与量およびスケジューリングは、当業者によって周知である標準的手順によって決定され得る。このような手順は、動物モデルから投与スケジュールを外挿および予測すること、および次いで、ヒト臨床用量範囲試験において最適な投与量を決定することを含む。医薬組成物中の投与量は、多くの要因(例えば、所望の放出特性および薬物動態特性)に依存して様々である。
本明細書で開示される抗体および抗原結合フラグメントは、それらの非刺激性CD40アンタゴニスト的特性に起因して、炎症性障害の症状を改善するために特に適している。本明細書で記載されるとおりの炎症性障害は、炎症性構成要素が関わる任意の疾患に言及する。これは、具体的には、自己免疫障害または移植片拒絶を含む。免疫応答の開始、増幅および延長におけるCD40-CD40L相互作用の中心的役割は、上記抗体を、自己免疫障害における免疫モジュレーションに対して特に適切にする。好ましくは、本明細書で開示される抗体および抗原結合フラグメントは、自己免疫障害および/または抗炎症性障害の症状を改善するためのものである、および/または移植片拒絶を低減するためのものである、および/またはCD40陽性がんの処置のためのものである。好ましい実施形態において、上記自己免疫障害および/または炎症性障害は、炎症性腸疾患、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、乾癬、水疱性類天疱瘡およびアトピー性皮膚炎の群から選択される。好ましくは、ここで上記自己免疫障害および/または炎症性障害は、炎症性腸疾患を含み、好ましくは、潰瘍性大腸炎またはクローン病を含む。
CD40-CD40L相互作用に関する以下の情報は、炎症性障害におけるCD40およびそのリガンドの役割を例証するために提供される。CD40分子は、50kDaのI型膜糖タンパク質である。このタンパク質は、抗原提示細胞(B細胞、単球/マクロファージおよび樹状細胞(DC)を含む)の表面で主に発現される。しかし、CD40は、他の細胞タイプ(内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、上皮細胞およびケラチノサイトを含む)の広範な種類でも見出され得る。CD40レセプターのリガンドはCD40Lであり、CD154ともいわれる。この32kDaタンパク質は、II型膜内在性糖タンパク質であり、活性化CD4 T細胞および活性化CD8 T細胞の小さな集団上で一過性に発現される。さらに、CD40Lは、多くの他の免疫細胞および他の細胞タイプ上で見出されている。CD40およびそのリガンド(CD40L)は、腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーに属する。
CD40とCD40Lとの相互作用は、種々の下流の効果を誘導する。それがCD40Lとライゲーションした後に、CD40は、その細胞を活性化して進入し、多くの炎症促進性および血栓形成促進性の遺伝子の発現を刺激する。CD40-CD40L相互作用は、細胞性および体液性の両方の免疫応答に関わっている。B細胞では、CD40活性化は、増殖、活性化マーカーの発現、免疫グロブリン生成、アイソタイプスイッチング、ホモタイプ接着およびアポトーシスからの救済(rescue form apoptosis)を含む多くの生物学的事象をもたらす。単球/マクロファージにおけるCD40の活性化は、多量の炎症促進性メディエーター(例えば、IL-1、TNF-αおよびIL-12)の分泌を誘導し、これは、炎症応答および腫瘍殺滅活性を誘導し、それらをアポトーシスから救済する。CD40活性化はまた、樹状細胞の分化および活性化の増強、共刺激分子(例えば、CD86、CD80およびCD58)の発現の増強、サイトカイン生成の増加、およびアポトーシスの阻害を引き起こす。さらに、炎症状態下で発現される場合、CD40シグナル伝達は、内皮細胞上での細胞内接着分子1(ICAM-1)、血管細胞接着分子1(VCAM-1)およびE-セレクチン(E-selecting)の発現を誘導し得る。インビボ研究は、体液性免疫応答の生成において、抗原特異的T細胞のプライミングおよび活性化において、マクロファージの一時的活性化において、ならびにPneumocystis、Cryptosporidium、およびLeishmaniaのような細胞内寄生生物感染に対するT細胞媒介性マクロファージ活性化を通じた防御的細胞媒介性免疫応答において、CD40-CD40L相互作用の重要性を示した。
いくつかの研究は、種々の慢性炎症性疾患および自己免疫疾患においてCD40-CD40L相互作用の関与を明らかに示している。マウスモデルにおける研究は、種々の疾患におけるCD40/CD40Lの機能的役割を示している。例えば、CD40Lトランスジェニックマウスは、致死的な炎症性腸疾患を獲得する。他方で、重症複合型免疫不全(SCID)マウス炎症性腸疾患モデルにおいて、T細胞再構成の日からの抗CD40Lでの処置は、実験的大腸炎の臨床上のおよび組織学的出現を完全に防止することが示された。CD40-CD40L相互作用がまた、炎症性腸疾患(これは、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む)の病因において役割を果たすという証拠が示された。CD40-CD40L経路との干渉は、移植モデルにおいて強く免疫抑制性であることがまた、示された。従って、CD40-CD40L相互作用における干渉は、潜在的な標的を構成し、免疫応答をモジュレートして、免疫関連疾患を処置する。
多発性硬化症は、中枢神経系の自己免疫疾患である。この障害では、神経線維を取り囲む白質が、硬化する。用語、多発性硬化症とは、文字どおり「多くの瘢痕」を意味する。おそらく、そのCD40-CD40L相互作用は、その疾患の始まりおよび/または進行に関与し、このことは、これらの患者がCD40アンタゴニスト的抗体から利益を得る可能性があることを意味する。
乾癬は、集団のうちの1~2%が罹患する炎症性皮膚疾患である。この疾患では、病変におけるT細胞およびケラチノサイトが活性化され、活性化マーカーおよび共刺激分子を発現する。ケラチノサイトおよびT細胞で発現されるいくつかの共刺激因子分子が、互いに相互作用し、これらの相互作用が疾患活性に寄与すると考えられる。このような分子のセットに関しては、CD40(これは、活性化ケラチノサイト上で発現される)およびCD40L(これは、活性化CD4+ T細胞上で一過性に発現される)があり得る。従って、抗CD40抗体は、乾癬の処置のために使用され得る。
本開示の別の局面は、哺乳動物、好ましくはヒトにおいてがんを処置するための方法であって、その哺乳動物に、治療上有効な量の、本明細書で記載されるとおりの抗体または抗原結合フラグメントを投与することを包含する方法を包含する。別の好ましい実施形態において、本開示は、哺乳動物、好ましくはヒトにおいてがんを防止するための方法であって、その哺乳動物に、治療上有効な量の、本明細書で記載される抗体または抗原結合フラグメントを投与することを包含する方法を提供する。用語「がんを防止すること」または「がんの防止」とは、哺乳動物、好ましくはヒトにおいてがんの開始を遅らせる、阻害する、または防止することをいう。その用語はまた、前がん状態を有する哺乳動物を処置して、悪性腫瘍への進行を止めるかまたは退縮を誘導することを包含する。前がん状態の例としては、過形成、異形成および化生が挙げられる。本開示のさらなる局面は、ヒトCD40媒介性抗腫瘍免疫応答のモジュレーションのための方法を提供する。
その抗体は、単剤療法として単独で投与されてもよいし、1またはこれより多くのさらなる治療剤または治療と組み合わせて投与されてもよい。がんを処置するために併用療法において使用され得るさらなる治療剤の種類の例としては、以下が挙げられる:(1)化学療法剤、(2)免疫療法剤、および(3)ホルモン療法剤。抗体または組成物は通常、複数の機会に投与される。単回投与間の間隔は、例えば、毎週、毎月、3ヶ月ごとに1回、または毎年であり得る。
1つの特定の局面において、哺乳動物において免疫応答を阻害するための方法であって、その哺乳動物に、治療上有効な量の、本明細書で開示される抗体およびその抗原結合フラグメントを投与することを包含する方法が提供される。いくつかの実施形態において、その哺乳動物はヒトである。その阻害された免疫応答は、細胞応答(すなわち、細胞媒介性応答)または体液性応答(すなわち、抗体媒介性応答)であり得る。そして一次免疫応答または二次免疫応答であり得る。阻害された免疫応答の例としては、CD4 ヘルパーT細胞活性の減少およびB細胞による抗体生成の低減が挙げられる。その阻害された免疫応答は、当業者に公知のように、多くのインビトロおよびインビボでの測定を使用して評価され得る(can be asses)。細胞傷害性Tリンパ球アッセイ、サイトカインの放出、腫瘍の退縮、腫瘍を有する動物の生存、抗体生成、免疫細胞増殖、細胞表面マーカーの発現、および細胞傷害性が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「含む、包含する」およびその語形変化は、その文言に続く項目が含まれるが、具体的に言及されていない項目が排除されないことを意味するために、その非限定的な意味で使用される。その動詞に加えて、「からなる」は、本明細書で定義されるとおりの化合物または付属する化合物が、具体的に特定されたもの以外のさらなる構成要素を含み得る(上記さらなる構成要素は、本発明の特有の特性を変化させない)ことを意味する「から本質的になる」によって置き換えられ得る。
冠詞「1つの、ある(a)」および「1つの、ある(an)」は、その冠詞の文法上の対象の1または1より大きい(すなわち、少なくとも1)に言及するために本明細書で使用される。例示によれば、「1つの要素(an element)」は、1つの要素または1より多くの要素を意味する。
文言「およそ(approximately)」または「約(about)」とは、数値と合わせて使用される場合(およそ10、約10)、好ましくは、その値が、10という所定の値の±1%であってもよいことを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「処置」、「処置する」、および「処置すること」とは、本明細書で記載されるように、疾患もしくは障害、またはこれらの1もしくはこれより多くの症状を改善する、軽減する、それらの始まりを遅らせる、またはそれらの進行を阻害することに言及する。いくつかの実施形態において、処置は、1またはこれより多くの症状が発生した後に投与され得る。他の実施形態において、処置は、症状の非存在下で投与されてもよい。例えば、処置は、症状が始まる前に(例えば、症状の履歴に照らしておよび/または遺伝的もしくは他の感受性因子に照らして)、感受性の個体に投与されてもよい。処置はまた、処置が解消した後に、例えば、それらの再発を防止するもしくは遅らせるために、継続されてもよい。
本明細書で引用される全ての特許および参考文献は、それらの全体において参考として援用される。
本発明は、以下の実施例の中でさらに説明される。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するのではなく、本発明を明瞭にするために役立つに過ぎない。
実施例1. PG102抗体の操作されたバリアントのインビトロでの特徴付け.
野生型組換えPG102抗体を、長期安定性を改善するためにデザインした16種の操作されたバリアントとともに、小規模一過性発現を使用して、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHOK1SV GS-KO)において発現させ、続いて、続いてプロテインA精製および生成物品質分析を行った。バリアントのデザインを表1に詳述し、そのアミノ酸配列を、「付表」の節に詳述する。
単一の遺伝子GSベクター(Lonza’s GS XceedTM Gene Expression Systemを使用)を確立し、CHOK1SV GS-KO細胞における一過性トランスフェクションへと進めて、生成物を発現させた。その生成物を、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーによって精製し、0.22μmフィルターカートリッジを使用して濾過滅菌し、限外濾過によっておよそ10倍濃縮した。SE-HPLC、SDS-PAGEおよびCD40結合アッセイの形態の生成物品質分析を、1mg/mlの精製物質を使用して行った。
バリアント1~16の発現力価は、野生型抗体と比較して、非常に低レベルの凝集した物質を維持しながら(≦4%)およそ3.5~6倍増加した(表2を参照のこと)。相対的結合値は、ELISAからのCD40結合をその計算したタンパク質濃度で除算することによって計算できた。Var9~Var12は、CD40への低減した結合親和性を示した。その残りの抗体は、匹敵したまたはさらには改善した結合親和性を維持した(表2および図2を参照のこと)。
Figure 2024024118000008
Figure 2024024118000009
材料および方法
遺伝子合成
重鎖および軽鎖の可変領域を、Life Technologiesによって合成し、Lonza Biologics GS XceedTM遺伝子発現システムベクター、pXC-KappaおよびpXC-IgG4pro(deltaK)へとサブクローニングした。20アミノ酸のシグナル配列を、軽鎖配列のN末端に付加し、19アミノ酸のシグナル配列を、重鎖生成物配列のN末端に付加した。コザック配列をそのシグナル配列の前に配置し、N末端制限部位が続いた(「付表」の節)。
単一遺伝子ベクター構築
単一遺伝子ベクターを、5’制限部位HindIIIおよび3’制限部位ApaIを使用して、その重鎖可変領域をベクターpXC-IgG4pro(deltaK)へとサブクローニングすることによって構築した。軽鎖可変領域を、5’制限部位HindIIIおよび3’制限部位BsiWIを使用して、ベクターpXC-Kappaへとクローニングした。制限消化物を、1% アガロースゲルで電気泳動し、関連するフラグメントを、QIAquickゲル抽出キット(QIAGEN, 28704)を使用して、製造業者の指示に従ってゲル抽出した。最終容積21μlにおいてライゲーションを設定し、室温において5分間インキュベートした。そのライゲーション反応物のうちの10μlのアリコートを使用して、One Shot Top 10 Chemically Competent Escherichia coli細胞(Life Technologies, C404003)を、ヒートショック法を使用して製造業者の指示に従って形質転換した。細胞を、アンピシリン含有(50μg/ml) Luria Bertaniアガープレート(LB Agar, Sigma-Aldrich L7025)上に拡げ、細菌コロニーが明らかになるまで一晩37℃でインキュベートした。組換え体をスクリーニングするために、単一の細菌コロニーを採集して、50μg/ml アンピシリンを含む5ml Luria Bertani(LB)培地(LB, Sigma-Aldrich L7275)に入れ、振盪しながら一晩37℃でインキュベートした。重鎖ベクターについては、DNAを、QIAGENミニプレップシステム(QIAprepスピンミニプレップキット, 27104)を使用して単離し、30μl EB緩衝液中に溶離した。DNAを、HindIIIおよびEcoRIで消化して、重鎖挿入物の存在を検証し、アガロースゲルで分析した。軽鎖ベクターについては、コロニーを、その軽鎖cDNAのいずれかの末端に結合するプライマーを使用して、PCRによってスクリーニングした。重鎖および軽鎖両方の組換え体の陽性コロニーを、その目的の遺伝子のヌクレオチド配列決定によって検証した。
DNA増幅
Giga prepのために、単一の細菌培養物を使用してスターター培養物に接種し、その後、これを使用して、50μg アンピシリンを含む1.0L LB培地に接種し、振盪しながら37℃で一晩インキュベートした。ベクターDNAを、QIAGEN Gigaprepシステム(Qiagen, 12291)を使用して単離した。全ての場合に、DNA濃度を、Nanodrop 1000分光光度計(Thermo-Scientific)を使用して測定し、1mg/mlに調節した。DNA品質を、260および280nmでの吸光度比を測定することによって評価した。
CHOK1SV GS-KO細胞の慣用的培養
CHOK1SV GS-KO細胞を、6mM L-グルタミン(Life Technologies, 25030-123)を補充したCD-CHO培地(Life Technologies, 10743-029)中で培養した。細胞を、36.5℃、5% CO2、85% 湿度、140rpmにおいて振盪インキュベーター中でインキュベートした。細胞を、3~4日ごとに、0.2×10 細胞/mlで播種して慣用的に継代培養し、トランスフェクションに利用可能な十分な細胞があるように増殖させた。細胞を、20継代目で廃棄した。
CHOK1SV GS-KO細胞の一過性トランスフェクション
一過性トランスフェクションを、最低2週間培養状態にあったCHOK1SV GS-KO細胞を使用して行った。細胞を、トランスフェクションの24時間前に継代培養した。全てのトランスフェクションを、Gene Pulse XCell(Bio-Rad)を使用するエレクトロポレーションを介して行った。各トランスフェクションのために、生細胞を、6mM L-グルタミンを補充した予め加温したCD-CHO培地中に2.86×107 細胞/mlへと再懸濁した。40μgの重鎖SGV DNAおよび40μgの軽鎖SGV DNAの組み合わせを、各キュベット(Bio-Rad, GenePulserキュベット, 0.4cmギャップ, 165-2091)へと、表2中のスキームに従ってアリコートに分け、700μl 細胞懸濁物を添加した。細胞を、300V、900μFでエレクトロポレーションした。トランスフェクトした細胞を、エルレンマイヤーフラスコ中で予め加温した培地中に移し、予め加温した培地で2回すすいだそのキュベットの内容物をまた、そのフラスコに移した。トランスフェクト体培養物を、36.5℃、5% CO2、85% 湿度、140rpmにおいて6日間、振盪インキュベーター中でインキュベートした。細胞生存率を、Cedex HiRes自動化細胞カウンター(Roche)を使用して、採取のときに測定した。
プロテインAアフィニティークロマトグラフィー
培養上清を、遠心分離によって清澄化し、続いて、0.22μmフィルターを通して濾過し、AKTA精製機(10ml/分で実行)上のプレパック5ml HiTrap MabSelect SuREカラム(GE Healthcare, 11-0034-94)を使用するプロテインAアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。全ての場合に、そのカラムを、50mM リン酸ナトリウム、125mM 塩化ナトリウム、pH7.0で平衡化し、50mM リン酸ナトリウムおよび1M 塩化ナトリウム、pH7.0で洗浄し、続いて、溶離前の平衡化の再導入を行った。その分子を、10mM ギ酸ナトリウム、pH3.5で溶離させた。溶離した画分を、2×PBS 緩衝液、pH7.4で中和することによって直ぐにpH調整し、希水酸化ナトリウム溶液を添加することによっておよそpH7.2に滴定した。
SE-HPLC
二連のサンプルを、Agilent 1200シリーズHPLCシステムにおいてSE-HPLCによって、Zorbax GF-250 9.4mm ID×25cmカラム(Agilent)を使用して分析した。1mg/ml サンプル(またはサンプルが<1mg/mlである場合にはストック濃縮物)の80μl アリコートを注入し、1ml/分において、15分間、50mM リン酸ナトリウム、150mM 塩化ナトリウム、500mM L-アルギニン、pH6.0で実行した。可溶性凝集物レベルを、Empowerソフトウェアを使用して分析した。緩衝液成分から生じるシグナルを、ブランク緩衝液注入によって分析したが、別段の指定がない限り、データ分析では省略されている。
SDS-PAGE分析
還元したサンプルを、NuPage 4× LDSサンプル緩衝液(Life Technologies, NP0007)およびNuPage 10× サンプル還元剤(Life Technologies, NP0009)と混合することによって分析用に調製し、70℃で10分間、インキュベートした。非還元サンプルに関しては、その還元剤および熱インキュベーションを省略した。サンプルを、1.5mm NuPage 4-12% Bis-Tris Novexプレキャストゲル(Life Technologies, NP0316)上で、変性条件下でNuPage MES SDS泳動緩衝液を用いて電気泳動した。SeeBlue Plus 2染色済み分子量標準(Life Technologies, LC5925)および1mg/mlのコントロール抗体の10μl アリコートを、そのゲルに含めた。各サンプルの1.5μgを、そのゲルに載せた。いったん電気泳動した後、ゲルを、InstantBlue(TripleRed, ISB01L)で室温において30分間染色した。その染色したゲルの画像を、BioSpectrum Imaging System(UVP)で分析した。
CD40結合アッセイ
CD40への抗体バリアントの結合を、UKSL-2057に基づくELISAベースのアッセイを使用して測定した。マイクロタイタープレートを、組換えCD40でコーティングし、その後、その抗体バリアントを添加し、アルカリホスファターゼ結合体化抗ヒトκIgGを使用して検出した。
結果
ベクター構築
全ての構築物をサブクローニングして、4.2節に記載されるように単一遺伝子ベクター(SGV)を生成し、EcoRI/HindIII二重消化またはPCRによって確認した。最終的なSGVをまた、第三者の供給業者を通じて、目的の遺伝子コード領域のヌクレオチド配列決定によって検証した。
DNA増幅
ベクター増幅を、材料および方法の節に記載される方法に従って達成した。その二重遺伝子ベクターのDNA品質を、吸光度比A260/A280を測定することによって評価した。これは、1.88~1.92の間であることが見出された。
一過性トランスフェクション
生成されたSGVを使用して200mlの一過性トランスフェクションを確立した。その
培養物を、示されるようにインキュベートした。採取の際の細胞計数を、表3に示す。全ての培養物は、代表的に観察される範囲内の細胞成長および生存率を有することが見出された。
Figure 2024024118000010
プロテインAアフィニティークロマトグラフィー
培養物を、トランスフェクション後6日目に採取した。上清を遠心分離および濾過によって清澄化し、5ml HiTrap MabSelect SuREカラムに載せ、溶離した。全ての生成物の溶離プロフィール(FFP104_wtおよびFFP104_Var1~FFP104_Var16)は、予測されるように、その溶離相の間に単一のタンパク質種ピークを示す。これらの一過性培養物の得られた収量を、表2にまとめる。
精製した生成物のSE-HPLC分析
その小規模評価トランスフェクションから精製した生成物のサンプルを、Zorbax
GF-250 9.4mm ID×25cmカラム(Agilent)でSE-HPLCによって分析した。主な(>97.6%)タンパク質種のピークは、抗体コントロール(約8.7分、ここではデータは示さず)に匹敵するおよそ8.58分という保持時間で、全ての生成物に関して観察された。その生成物は、約7.9分においてより短い保持時間のさらなる小さなピークを示した。これは、より高分子量の種(例えば、可溶性凝集物)の存在を示す。
精製した生成物のSDS-PAGE分析
その精製した生成物の還元および非還元サンプルを電気泳動し、InstantBlueで染色した。これは、全ての生成物の存在およびPG102_WtおよびPG102_Var1~PG102_Var16の高い純度レベルを確認した。その生成物は、コントロール抗体と十分に匹敵する:非還元条件下では、>98kDaのタンパク質バンドがその生成物について認められ、同じ条件下で実行したコントロールIgG1抗体と匹敵する。2つのバンドは、還元条件下では、重鎖(>49kDa)および軽鎖(<28kDa)のサイズと一致し、そのコントロール抗体について形成されたバンドと匹敵することが認められた。
CD40結合アッセイ
その清澄化した培養上清中の抗体の濃度を、プロテインAアフィニティー精製からの生成物の回収された収量から予測し、サンプルを、ELISAの範囲内になるように、およそ100ng/mlに希釈した。次いで、サンプルを調製し、分析した。その結果を、その清澄化した上清における有効濃度へと変換して、比較を可能にした。このアッセイは、CD40に対する抗体バリアントの親和性の評価を提供する。そのデータは、FFP104_Var1、FFP104_Var2、FFP104_Var5、およびFFP104_Var6が、プロテインAで得られる力価によって予測されるよりCD40 ELISAによる応答のレベルの増加を示すことを示す。これは、CD40に対するこれらのバリアントの匹敵するまたは改善された結合親和性を示唆する(表2および図2)。バリアントFFP104_Var9~FFP104_Var12は、低減した応答を示す。これは、CD40に対する結合親和性の減少を示唆する。
この情報は、VL3を含むバリアントが、CD40への低減した結合を示すことを示唆する。
結論
16種のバリアントとともにPG102_Wtの小規模一過性トランスフェクションを確立して、抗原CD40への結合を含む、そのバリアントの発現レベル、プロテインA精製および生成物品質を評価した。そのPG102_Wtの発現力価は、10.2mg/Lであることが見出された。全16種のバリアント(PG102_Var1~PG102_Var16)は、そのPG102_Wtより3.5~6倍高い改善された発現レベルを示した。これらのバリアントはまた、SDS-PAGEおよびSE-HPLCによって良好な、より高分子量の不純物(例えば、可溶性凝集物)が低レベル(≦1.08%)で、PG102_Wt親分子(0.6%)に匹敵する純度レベルを示した。CD40結合ELISAからの結果は、CD40に対するそのサンプルの親和性によって影響される。なぜならこれは、そのPG102_Wtおよび標準結合曲線を生成するために使用したPG102の参照物質(ロット番号364190ARS)に関して変動し得るからである。相対的結合値は、CD40 ELISA結合データを、プロテインA精製後に確立されたとおりのタンパク質濃度で除算することによって決定され得る。後者は、その発現された生成物に関するありそうな上清濃度を予測する。なぜなら幾分小さいレベルの生成物喪失(代表的には<10%)が、そのプロテインA精製、溶離液中和および緩衝液交換の間に予測され得るからである。そのPG102_Wt抗体に関して、ELISAとプロテインA後に得た濃度との間の相関は、143%であり、これは、その2つのアッセイ間のかなりの一致を示す。そのデータは、PG102_Var1、PG102_Var2、PG102_Var5、およびPG102_Var6が、プロテインAで得た力価によって予測されるより、CD40 ELISAによる応答のレベルの増加を示すことを示し、これは、CD40に対するこれらのバリアントの匹敵するまたは改善された結合親和性を示唆する。バリアントPG102_Var9~PG102_Var12は、応答の低下を示す。これは、CD40に対する結合親和性の減少を示唆する。これは、VL3を含むバリアントが、CD40に対して結合の低下を示すことを示唆する。
実施例2. 7種の選択したPG102バリアントの生物学的活性の試験
選り抜きの7種のPG102バリアントを、その生物学的活性に関して試験した。末梢血単核細胞(PBMC)を、健常ドナーの血液から単離した。PBMC細胞によるTNF分泌を、CD40L(CD40のリガンド)を使用して誘導した。7種のPG102バリアントを、合計で4名のドナーに由来するPBMCで試験する。全ての試験条件は、二連で行う。1ng/ml、10ng/ml、100ng/mlまたは1000ng/ml モノクローナル抗体の添加は、TNF分泌の低減したレベルをもたらした。そのアッセイは、7種のモノクローナル抗体のうちの5種が、PG102_WTと比較して、少なくとも類似またはわずかに増加した生物学的活性を有することを示した(表4、図3および4)。これは、以下のバリアントに関する: PG102_var2、PG102_var3、PG102_var5、PG102_var6およびPG102_var16。PG102_var1およびPG102_var10は、1ng/mlおよび10ng/mlのレベルで低減した生物学的活性を示し、おそらくPG102_wtより余り有効でない(表4)。PG102_var 10に関しては、これは、CD40結合データと一致し、VL3を有する抗体バリアントの低減した結合親和性を示す(表2)。
材料および方法
1ng/ml、10ng/ml、100ng/mlまたは1000ng/ml モノクローナル抗体の存在下でのPBMCからのCD40L誘導性TNF分泌の測定
全ての培養条件:2連。
結果測定:TNF分泌の阻害のパーセンテージ
Figure 2024024118000011
実施例3: PG102バリアントのインシリコ分析
インシリコ分析は、凝集およびPTMの潜在的リスクの製造可能性評価から構成される。
材料および方法
抗体操作
抗体操作手順を、以下に概説するように行った:
1.バックグラウンド情報を分析した。
2.その抗体配列を、一群の参照配列に対して整列させた。
3.Lonza’s Antibody Aggregationプラットフォームを、その抗体に適用した。
4.重要な位置を同定した。
5.その抗体の3D構造モデルを、構築し、分析した。
6.その配列を、PTMに関してスクリーニングした。潜在的PTMを、製造可能性のリスクに関して分類した。
7.潜在的リスクを分析し、記載した。
8.その集めたデータに基づいて、各位置を置換する可能性の評価を行った。位置を、中立、寄与または重要と分類した。
9.一群の凝集およびPTM緩和配列をデザインし、結合親和性に負の影響を及ぼすことなく、凝集またはPTMのリスクを低減するそれらの潜在的可能性に基づいてランク付けした。配列および構造比較を必要な場合行った。
10.候補配列を、EpibaseTMでスクリーニングした。各残りのThエピトープまたはエピトープのクラスターを試験し、その中の位置を、その推定される免疫原性を低減する能力に関してEpibaseTMによって評価した。
11.脱免疫化置換を可能なところに導入した。
12.一群の推奨される操作したバリアントを、編集した。
13.その操作されたFFP104バリアントのEpibaseTMイムノプロファイリングを行い、親抗体に対する比較を行った。
配列註釈
更新されたChothia CDR定義(Al-Lazikani et al. 1997)を、参照として使用する。この定義は、そのCDR H2定義の中に重鎖Chothia位置H:57およびH:58を含めることによって、元のChothia and Lesk 1987刊行物とは異なる。位置の番号付けは、別段特定されなければ順序を示し、この場合、Chothia番号付け(Chothia and Lesk 1987)を使用する。
配列アラインメント
そのマウスおよびヒト生殖系列配列に対する親配列の多数のアラインメントを生成し、各アラインメントにおけるエントリーを、その親配列との配列同一性(SeqID)に従って整理した。参照セットを、100% SeqIDにおいてクラスター化し、冗長なエントリーを排除することによって、特有の一群の配列に低減した。
抗体凝集
この研究において使用した抗体凝集プラットフォームを、抗体の配列および構造特徴に基づいて機械学習アルゴリズムを使用して開発した(Obrezanova et al. 2015)。その推定凝集モデルをトレーニングして、抗体のセットに対して試験し、広い化学的空間を網羅し、低発現および高発現を含み、凝集する抗体および凝集しない抗体を含むためにデザインした。そのセットの中の全抗体の特性を、組織内で実験的に決定した。そのアルゴリズムは、高い凝集リスクまたは低い凝集リスクのカテゴリー出力を与える;高次の分類にある抗体は、1工程プロテインA精製の後に5%を上回る凝集リスクの増加を有する。高い凝集リスクまたは低い凝集リスクの分類に加えて、その抗体凝集プラットフォームは、関連抗体の凝集傾向を比較するために使用され得るある種のスコアを生成する。
重要な位置にある残基の同定
抗体可変ドメイン(Fv)は、VH/VL鎖間界面を構成する多くの重要な位置を有するか、またはそのCDRのうちの5個に関して定義されている標準構造の別個のセットに関与する(Chothia and Lesk 1987, Al Lazikani et al. 1997);これらの位置は、置換がそれらの位置に関して提唱される前に、詳細に考慮されるべきである。以下の表5および表6は、Chothia定義に従う番号付けで、そのVH/VL界面内の保存された位置およびCDR標準クラスを(それぞれ)決定する位置を示す。
Figure 2024024118000012
Figure 2024024118000013
3Dモデルの構築
抗体PG102、およびそのバリアントのFv領域の構造モデルを、Lonza’sモデリングプラットフォームを使用して生成した。そのフレームワーク(FR)およびCDRならびに全Fvの候補構造テンプレートフラグメントを、スコア付けし、ランク付けし、標的に対するそれらの配列同一性、ならびにそのテンプレート構造の定性的結晶学的尺度(例えば、分離能(オングストローム(Å)単位)に基づいて組織内抗体データベースから選択した。
そのCDRを、そのFRテンプレートに対して構造的に整列させるために、そのCDRのいずれかの側の5残基を、そのCDRテンプレートの中に含めた。そのフラグメントのアラインメントを、重なり合うセグメントに基づいて生成し、構造的配列アラインメントを生成した。そのアラインメントとともに、そのテンプレートフラグメントを、MODELLER(Sali et al. 1993)によって処理した。このプロトコールは、整列させた構造的テンプレートのセットから得られるコンホメーション拘束を作り出す。その拘束を満足させる構造の集団は、共役勾配およびシミュレートされたアニーリング最適化手順によって作られる。1またはこれより多くのモデル構造は、タンパク質構造のスコアおよびそのコンホメーション拘束の満足度から得られる、エネルギースコアに基づいてこの集団から選択される。そのモデルを検査し、その標的とテンプレートとの間で異なる位置の側鎖を、側鎖最適化アルゴリズムを使用して最適化し、エネルギーを最小化した。一揃いの可視化およびコンピューター計算ツールを使用して、CDRのコンホメーション変動性、ならびにドメインおよび領域のコアおよびローカルパッキング、ならびに1またはこれより多くの好ましいモデルを選択する表面分析を評価した。
モデル化した構造の比較
親および操作されたFv領域の構造モデルを、上記で記載されるように(4.6)、個々にモデル化して、そのバリアントモデルが、その親モデル構造に向かういくらかの固有のバイアスを伴って構築されていないことを確実にする。しかし、その親配列に対する操作されたバリアントの高い配列同一性は、多くのモデルに関して選択されている同一の構造テンプレートをしばしば生じる。
親和性および安定性に対する異なる置換の影響を評価するために、多くの構造基準を使用する。溶媒接近性、局所的原子充填、および推定される抗原結合界面またはFvダイマー界面に対する置換の位置が、重要な基準である。不利な溶媒和状態、原子間接触の悪さ、または重要な位置での不適切な残基の不十分な配置の観察は、潜在的な置換の拒絶をもたらす。他の基準(例えば、静電的効果、水素結合パターンまたは潜在的水素結合パターン)はまた、置換が適切であるかを評価するために使用される。いくつかの位置は、置換の受容に関して他より適切である。なぜなら一連の重要な位置は、CDRの標準クラス、その個々のドメインコアの充填またはドメイン間界面を支持するにあたって役割を果たすからである。
翻訳後修飾
PTMは、治療用タンパク質の開発の間に問題(例えば、不均質性の増加、生体活性の低下、安定性の低下、免疫原性、フラグメント化および凝集)を引き起こし得る。PTMの潜在的影響は、それらの位置に依存し、いくつかの場合には、溶媒曝露に依存する。その配列を、以下の潜在的PTMについて分析した: アスパラギン脱アミド化、アスパラギン酸異性化、遊離システインチオール基、N-グリコシル化およびO-グリコシル化、N末端環化、酸化およびピログルタミン酸形成。この研究において2種の抗体に関連することが決定されたPTMのうちの3つのタイプが、以下でより詳細に記載される。
・アスパラギン脱アミド化
アスパラギンの側鎖のアミド基の加水分解である脱アミド化は、そのもたらされる位置において、アスパラギン、イソアスパラギン酸およびアスパラギン酸の不均質混合物を経時的に生成する非酵素的反応である。電荷の不均一性を引き起こすことに加えて、アスパラギン脱アミド化は、これが、抗体CDRにおけるように結合界面において起こる場合、タンパク質機能に影響を及ぼし得る(Harris et al. 2001)。その脱アミド化率は、pHおよび局所コンホメーション、特に、アスパラギンの連続する残基によって影響される(Robinson and Robinson 2004)。
・アスパラギン酸異性化
アスパラギン酸異性化は、アスパラギン酸およびイソアスパラギン酸アミノ酸残基の非酵素的相互変換である。電荷の不均一性を引き起こすことと同様に、アスパラギン脱アミド化は、これが、抗体CDRにおけるように結合界面において起こる場合、タンパク質機能に影響を及ぼし得る(Harris et al. 2001)。その異性化反応は、アスパラギン脱アミド化反応のものに類似の中間体を経て進み、そのリスクは通常、プロセスパラメーターおよび製剤化の注意深い調整によって最小化され得る。
・酸化
メチオニンおよびより少ない程度には、トリプトファンは、非部位特異的酸化に感受性である。メチオニンは、遊離活性酸素種に主に感受性である一方で、トリプトファンは、光誘導性酸化により感受性である。感受性の程度は、その側鎖の溶媒接近性によって大部分は決定される;埋め込まれた残基は、それほど感受性でないか、または反応するのにより長時間かかる。酸化的損傷は、生成、精製、製剤化または貯蔵の間に引き起こされ得、安定性および生物学的活性に影響を及ぼし得る。
潜在的置換の評価
抗体の可変ドメインにおける全ての位置を、結合親和性および安定性に対するそれらの潜在的影響に関して評価した。各位置を、中立、重要または寄与のいずれかとして分類した。
・中立 - この位置における別のアミノ酸への置換は、結合親和性および安定性に影響を及ぼさないはずである。
・寄与 - 置換は行われ得るが、その位置は、結合親和性または安定性に寄与している可能性がある。この位置における親アミノ酸の保持は、考慮されるべきである。
・重要 - その位置は、親アミノ酸を保持されなければならない。そうでなければ、結合親和性の減少または安定性の低下のリスクがある。
親和性および安定性の両方についての懸念に起因する、このカテゴリー分類に寄与する多くの要因が存在する。その分類に寄与する要因は、以下である:
・抗原結合を担う位置
・重要な位置
○ VH/VL界面内の保存された残基
○ CDR標準クラスを決定する位置
・CDRからの距離
・参照アラインメント中の位置における保存またはバリエーション
・溶媒接近性
・局所的原子充填
・局所的二次構造
・静電的効果
・水素結合パターン
・水素結合の潜在性
・翻訳後修飾
重要な位置は、最初に、VH/VL界面における重要な位置に(表5);CDRコンホメーションを決定することを助ける(表6)かまたは参照アラインメントにおいて高度に保存されている位置にあることが決定された、Chothia CDRにあるものとして定義される。
中立の置換は、概して、フレームワークにおける溶媒に曝露される位置であり、任意のCDR残基の任意の側鎖原子から5Å超にある。この領域内の残基は、その親和性に寄与すると分類される。寄与位置は置換され得、多くの場合、これは、抗体を効率的にヒト化、脱免疫化または別の方法で操作するために行われる。全ての位置のリスクカテゴリーは、他の置換の状況において継続して再評価される。
多くの位置は、保存されており、アミノ酸の小さなセット、または1個のみのタイプを受容するに過ぎない。他の位置は、より変動性であるので、それらが溶媒に曝露され、そのCDRから離れていることがわかっている場合、それらはほぼ任意の置換を支持し得る。
エピトープの分析
エピトープ、または隣接するエピトープのクラスターを、HLAアロタイプへの結合を、HLA-DRB1アロタイプに焦点をあてて、可能な最大の程度まで除去または低減する置換に関してEpibaseTMを使用して分析した。中立位置での置換は、寄与位置より好ましく、重要位置での置換は、視覚的検査およびその位置を寄与として再分類した後にのみ提唱できた。置換を、可能な限り保存的であるように選択した。ヒト生殖系列配列を、免疫原性であるとはみなさなかった。なぜならそれらは、循環する抗体のプールにおいて見出されるからである。新たなエピトープを導入する置換または既存のエピトープのためにさらなるアロタイプに結合する置換を同定し、考慮から外した。
置換の組み合わせは、エピトープを除去するために、特に、エピトープのクラスターまたは無差別のエピトープが存在する場合に、ときおり必要とされる。単一の置換と同様に、組み合わせは、これらがさらなるHLAアロタイプへの結合を導入しないように、モニターされなければならない。
イムノプロファイル比較
グローバルセットにおける85のHLAクラスIIアロタイプに対するその操作された抗体バリアントのEpibaseTMイムノプロファイルを、親配列に関するものと同じ様式で行った。
HLA結合予測のみを使用するそれらの免疫原性リスクに関する抗体バリアントの比較は、非常に困難である。これは、いくつかの重要な因子が考慮されていないからである:・結合ペプチドは、プロセシング機構によって生成されなくてもよいので、それは、決してペプチド-HLA複合体として、抗原提示細胞によってTh細胞へ曝露されない。
・そのペプチド-HLA複合体は、Th細胞によって認識されなくてもよい。
これらの検討事項を考慮すると、定量的比較の3つのタイプが、バリアント配列の間でEpibaseTMイムノプロファイリングを使用して行われ得る。第1に、DRB1、DRB3/4/5、DQおよびDPアロタイプセットの各々に関する重要なエピトープの数は、1として数えられる同じ群の多数のアロタイプに結合するペプチドと比較され得る。このようなエピトープのカウントは、各セット内の特有のエピトープの数を示し、その親と操作されたタンパク質との間の差異は、潜在的なThエピトープの完全除去を明らかにする。
しかし、多くのエピトープ、特に、多数のアロタイプを結合する無差別なエピトープは、完全に除去することは困難である。結論として、固有のThエピエトープカウントにおける変化は、免疫原性の潜在性の実際の低減を不明確にし得る。従って、第2の定量的比較は、全てのThエピトープに対する各HLAアロタイプのレベルにある。その場合、その親および操作されたバリアントに関して1アロタイプにつき結合するペプチドのカウントは、血清型および集団頻度を一緒に用いると、その血清型またはアロタイプレベルのいずれかでの比較を可能にする(結果を参照のこと)。第3に、最悪の場合の免疫原性リスクを発現する近似のスコアは、以下のように計算され得る:
スコア=Σ(エピトープカウント×アロタイプ頻度)
各影響を受けたアロタイプについての乗法の積は、所定のアロタイプに結合すると推測されるエピトープの数、およびその影響を及ぼされるアロタイプのアレル頻度から計算される。その積は、その研究において使用される全てのDRB1アロタイプに関して合計される。そのスコアが、免疫原性リスクを測定する絶対的な計量ではなく、その提唱される置換、およびそれらの順序が、全て選択されたHLAアロタイプ(DRB1、DRB3/4/5、DQおよびDP)を、その置換位置および分類と同様に考慮に入れることを、注記するべきである。
PG102のさらなる特徴付けは、トリプシン消化後に質量分析法で検出した3つの領域が存在することを示した。ここではそのトリプシン処理ペプチドは、比較的低レベル(≦4%)を上回る脱アミド化を有した。1つは、保存されたドメインにおける既知の脱アミド化部位であり、2つは、可変ドメインにある: VHにおけるトリプシン処理ペプチドH10(MNSLR)およびVLにおけるトリプシン処理ペプチドL2(SSQSLANSNGNTYLHWYLQRPGQSPR)。
そのL2トリプシン処理ペプチドは、軽鎖のCDR L1領域にあり、その分子に関する結合効率に潜在的に影響を及ぼす。軽鎖CDR L1は、3個の潜在的脱アミド化モチーフを含む。そのうちの2つを実験的に検証した(L:Asn31およびL:Asn33)。しかし、その安定性研究は、CDR L1における脱アミド化が、抗原結合に対して比較的小さな影響を有することを示す。+25℃で12ヶ月後および100% 脱アミド化を伴う場合、その生成物特異的抗原結合ELISAは、参照と比較して、95%の活性である。
低レベルのメチオニン酸化したバリアントは、質量分析法結果において3種のトリプシン処理ペプチドに関して検出された。そのトリプシン処理ペプチドH1(H:Met92を含む)は、PG102薬物生成物が+25℃で貯蔵される場合、メチオニン酸化により感受性であり得るということを注記する報告とともに、2個のVH部位が影響を受けた(H:Met82およびH:Met92)。
最初の分析は、凝集問題の潜在的な原因として、重鎖のCDR H2においてメチオニンを強調した。その安定性研究結果は、そのメチオニン H:Met48、H:Met50およびH:Met51が、その抗体内部に全て埋め込まれ、接近可能ではないことを示す。
EpibaseTMイムノプロファイリング
グローバルセットにおける85の HLAクラスIIアロタイプに対するEpibaseTMイムノプロファイリングを、親抗体および操作されたバリアントPG102_var16の配列に対して行った。
翻訳後修飾
翻訳後修飾(PTM)は、治療用タンパク質の開発の間に問題(例えば、不均質性の増加)を、および場合によっては、生体活性の低下または安定性の低下を引き起こし得る。CDRに位置したPTMは、その修飾が生体活性を変更し得ることから、抗体に関しては特に懸念される。潜在的な製造可能性のリスクを課すいくつかの潜在的なPTM(表7に記載される)が存在する。
Figure 2024024118000014
Figure 2024024118000015
潜在的な操作されたバリアント配列を、Lonza’s Antibody AggregationプラットフォームおよびEpibaseTMを使用してスクリーニングした。
各位置を、Lonza’s Antibody Aggregationプラットフォームを使用して、全ての考えられるアミノ酸置換でスクリーニングし、結果を記録した。各位置の評価は、作業が進むにつれ更新し、スクリーニングツールならびに配列および構造分析に基づいて、凝集、PTMおよび免疫原性に対する位置の影響を反映させた。
軽鎖のPTM操作に続いて、軽鎖における置換によって凝集傾向リスクを減少させることによって、その抗体を改善するいくつかの手段が存在することが見出された。従って、その操作された軽鎖は、CDR L1 PTMに焦点を当て、さらなる置換を伴う単一の操作された鎖を有する。
重鎖における推定凝集傾向リスクを減少させることによって、抗体を改善するより多くの余地が存在した。脱凝集フレームワーク置換の数の増加が、3個の操作された重鎖において提唱されている。さらに、その凝集リスクが、参照として別のヒトVHファミリーに由来する生殖系列、この場合はVH3-3-11を使用することによって、さらに減少され得ることが見出された。この選択肢は、1つの操作された重鎖、FFP_VH_4において調査されている。
最終的な提唱される置換およびそれらの効果は、その軽鎖および重鎖に関して以下に記載される。軽鎖については8個の置換を、および重鎖については30個の置換を提唱しており、多くは、最後の操作された重鎖FFP104_VH_4に関して採用したアプローチに由来する。その操作された鎖を、それぞれ、軽鎖および重鎖に関して図1に示す。全ての操作された鎖のアミノ酸配列は、「開示される実施形態の詳細な説明」の中で入手可能である。その親に対するその操作された配列のアラインメントは、図1に見出され得る。
各候補配列を、その推定免疫原性を改変する置換について分析し、それを増加させるものを回避した。本研究は、DRB1アロタイプが免疫原性評価に最も関連性があることから、EpibaseTMにおいて入手可能な43のDRB1アロタイプに焦点を当てた。
抗体凝集結果
親PG102およびその操作されたバリアントに関する抗体凝集推定結果を、表8に示す。そのプラットフォームは、その抗体が、低い凝集リスククラスにあるか高い凝集リスククラスにあるかを推定する。その凝集スコアはそのクラスに関連しており、正のスコアが高いリスククラスを、かつ負のスコアが低いリスククラスを示す。その凝集スコアの絶対値は、その推測における確実性の増加を示す。よって、より負である凝集スコアは、このプロジェクトにおいて求められる。そのΔスコアは、その親抗体からの変化を示し、より負であるスコアが好ましい。
その親抗体PG102は、低リスククラスにあると既に推測されたが、比較的高スコア、すなわち、ゼロに近かった。1つの操作された重鎖PG102_VH_2は、4つのバリアントに関して凝集スコアの増加をもたらした。上記で注記されるように、この鎖を、最小数のフレームワーク置換を評価するためにデザインした。
Figure 2024024118000016
EpibaseTMイムノプロファイリング比較
PG102の操作されたバリアント組み合わせ(PG102_var16)を、EpibaseTMイムノプロファイリングを通じて採用した。EpibaseTMプロファイルにおける詳細レベルは、詳細に比較するには粗すぎることから、3種のイムノプロファイル統計に基づく比較を、その親抗体とその操作されたバリアントとの間で行った。
全体の推定された免疫原性リスクの潜在性は、その操作されたバリアントでは低い;しかし、それはなお、その親PG102のものに匹敵する。
実施例4:
本開示は、軽鎖可変ドメインにおける変更をさらに提供する(図1)。その軽鎖において、その可変ドメインにおける31位および33位の2個のアスパラギン(N)アミノ酸を、セリン(S)、グルタミン(Q)またはアスパラギン酸(D)によって置き換える(図1)。これらの変更は、アスパラギン脱アミド化を防止すると考えられる。アスパラギンの側鎖におけるアミド基の加水分解である脱アミド化は、そのもたらされる位置において、アスパラギン、イソアスパラギン酸およびアスパラギン酸の不均質混合物を経時的に生成する非酵素的反応である。電荷の不均一性を引き起こすことに加えて、アスパラギン脱アミド化は、これが、抗体CDRのように結合界面において起こる場合、タンパク質機能に影響を及ぼし得る。両方のアスパラギン残基は、その軽鎖のCDR1に位置したので、脱アミド化を防止するために置き換える。
本開示はさらに、重鎖可変領域においてデザインされた変更を提供する(図1)。重鎖可変領域のアミノ酸の3位を、全ての新たな抗体バリアントに関してリジン(K)からグルタミン(Q)に変更する。この変更は、その抗体の安定性を改善し、精製および貯蔵の間の凝集特性を低減する。そのPG102抗体のフレームワーク領域3は、アスパラギン(N)アミノ酸として含まれる配列MNSLRから構成される。このアミノ酸は、その抗体の脱アミノ化を防止するために、セリン(S)によって置換される。その重鎖可変領域の86位、87位および88位のアミノ酸RTDは、凝集を低減するために、スレオニン(T)、アラニン(A)またはグルタミン(Q)に置換される。その重鎖可変領域における92位のメチオニン残基は、メチオニン酸化を防止するためにバリン(V)によって置き換えられる。
付表:アミノ酸配列
可変領域には下線を付し、分泌シグナル配列(N末端)および定常領域(C末端)が隣接している。
Figure 2024024118000017
Figure 2024024118000018
Figure 2024024118000019
Figure 2024024118000020

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
JP2024002623A 2018-02-12 2024-01-11 改善されたアンタゴニスト的抗ヒトcd40モノクローナル抗体 Pending JP2024024118A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP18156288.5 2018-02-12
EP18156288 2018-02-12
PCT/NL2019/050086 WO2019156565A1 (en) 2018-02-12 2019-02-11 Improved antagonistic anti-human cd40 monoclonal antibodies
JP2020565253A JP2021513367A (ja) 2018-02-12 2019-02-11 改善されたアンタゴニスト的抗ヒトcd40モノクローナル抗体

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020565253A Division JP2021513367A (ja) 2018-02-12 2019-02-11 改善されたアンタゴニスト的抗ヒトcd40モノクローナル抗体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024024118A true JP2024024118A (ja) 2024-02-21

Family

ID=61192786

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020565253A Pending JP2021513367A (ja) 2018-02-12 2019-02-11 改善されたアンタゴニスト的抗ヒトcd40モノクローナル抗体
JP2024002623A Pending JP2024024118A (ja) 2018-02-12 2024-01-11 改善されたアンタゴニスト的抗ヒトcd40モノクローナル抗体

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020565253A Pending JP2021513367A (ja) 2018-02-12 2019-02-11 改善されたアンタゴニスト的抗ヒトcd40モノクローナル抗体

Country Status (8)

Country Link
US (2) US11396552B2 (ja)
EP (1) EP3752532A1 (ja)
JP (2) JP2021513367A (ja)
KR (1) KR20200141986A (ja)
CN (1) CN112119092A (ja)
AU (1) AU2019217207A1 (ja)
CA (1) CA3090322A1 (ja)
WO (1) WO2019156565A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2019217207A1 (en) 2018-02-12 2020-08-27 Diabetes-Free, Inc. Improved antagonistic anti-human CD40 monoclonal antibodies
AU2021282629A1 (en) * 2020-06-02 2022-12-01 Teijin Pharma Limited Anti-IGF-1 receptor humanized antibody
JP2024506831A (ja) 2021-01-28 2024-02-15 リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド サイトカイン放出症候群を治療するための組成物及び方法
CN115403670A (zh) * 2021-05-26 2022-11-29 安徽瀚海博兴生物技术有限公司 抗cd40抗体及其用途

Family Cites Families (70)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3536809A (en) 1969-02-17 1970-10-27 Alza Corp Medication method
US3598123A (en) 1969-04-01 1971-08-10 Alza Corp Bandage for administering drugs
US3845770A (en) 1972-06-05 1974-11-05 Alza Corp Osmatic dispensing device for releasing beneficial agent
US3916899A (en) 1973-04-25 1975-11-04 Alza Corp Osmotic dispensing device with maximum and minimum sizes for the passageway
US4008719A (en) 1976-02-02 1977-02-22 Alza Corporation Osmotic system having laminar arrangement for programming delivery of active agent
US4747825A (en) 1984-06-29 1988-05-31 Ferring Laboratories, Inc. Apparatus and methodology for pulsed administration of growth promoting agents
IE58110B1 (en) 1984-10-30 1993-07-14 Elan Corp Plc Controlled release powder and process for its preparation
IT1178786B (it) 1984-12-21 1987-09-16 Assorenti Analoghi retro-inverso parzialmente modificati della neurotensina
US4948592A (en) 1986-05-09 1990-08-14 Alza Corporation Pulsed drug delivery
US4723958A (en) 1986-05-23 1988-02-09 Merck & Co., Inc. Pulsatile drug delivery system
US5075109A (en) 1986-10-24 1991-12-24 Southern Research Institute Method of potentiating an immune response
US4965251A (en) 1987-04-03 1990-10-23 The Board Of Regents Of The University Of Washington Pulse treatment of hemoglobinopathies with erythropoietin
US4880078A (en) 1987-06-29 1989-11-14 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Exhaust muffler
US4897268A (en) 1987-08-03 1990-01-30 Southern Research Institute Drug delivery system and method of making the same
US5073543A (en) 1988-07-21 1991-12-17 G. D. Searle & Co. Controlled release formulations of trophic factors in ganglioside-lipsome vehicle
US5223409A (en) 1988-09-02 1993-06-29 Protein Engineering Corp. Directed evolution of novel binding proteins
WO1990005785A1 (en) 1988-11-18 1990-05-31 The Regents Of The University Of California Method for site-specifically incorporating unnatural amino acids into proteins
US5703055A (en) 1989-03-21 1997-12-30 Wisconsin Alumni Research Foundation Generation of antibodies through lipid mediated DNA delivery
IT1229203B (it) 1989-03-22 1991-07-25 Bioresearch Spa Impiego di acido 5 metiltetraidrofolico, di acido 5 formiltetraidrofolico e dei loro sali farmaceuticamente accettabili per la preparazione di composizioni farmaceutiche in forma a rilascio controllato attive nella terapia dei disturbi mentali organici e composizioni farmaceutiche relative.
US5399346A (en) 1989-06-14 1995-03-21 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Gene therapy
US5585362A (en) 1989-08-22 1996-12-17 The Regents Of The University Of Michigan Adenovirus vectors for gene therapy
US5120548A (en) 1989-11-07 1992-06-09 Merck & Co., Inc. Swelling modulated polymeric drug delivery device
US5733566A (en) 1990-05-15 1998-03-31 Alkermes Controlled Therapeutics Inc. Ii Controlled release of antiparasitic agents in animals
JPH06507404A (ja) 1991-05-01 1994-08-25 ヘンリー エム.ジャクソン ファウンデイション フォー ザ アドバンスメント オブ ミリタリー メディスン 感染性の呼吸性疾患の治療方法
US5580578A (en) 1992-01-27 1996-12-03 Euro-Celtique, S.A. Controlled release formulations coated with aqueous dispersions of acrylic polymers
CA2143823C (en) 1992-08-27 2005-07-26 Alfio Comis Retro-, inverso - and retro-inverso synthetic peptide analogues
US5350674A (en) 1992-09-04 1994-09-27 Becton, Dickinson And Company Intrinsic factor - horse peroxidase conjugates and a method for increasing the stability thereof
US5403590A (en) 1992-12-21 1995-04-04 New England Deaconess Hospital Corporation Method of pulsatile drug infusion
US5591767A (en) 1993-01-25 1997-01-07 Pharmetrix Corporation Liquid reservoir transdermal patch for the administration of ketorolac
US5934272A (en) 1993-01-29 1999-08-10 Aradigm Corporation Device and method of creating aerosolized mist of respiratory drug
IT1270594B (it) 1994-07-07 1997-05-07 Recordati Chem Pharm Composizione farmaceutica a rilascio controllato di moguisteina in sospensione liquida
US6019968A (en) 1995-04-14 2000-02-01 Inhale Therapeutic Systems, Inc. Dispersible antibody compositions and methods for their preparation and use
ATE508733T1 (de) 1996-03-04 2011-05-15 Penn State Res Found Materialien und verfahren zur steigerung der zellulären internalisierung
US5985309A (en) 1996-05-24 1999-11-16 Massachusetts Institute Of Technology Preparation of particles for inhalation
US5855913A (en) 1997-01-16 1999-01-05 Massachusetts Instite Of Technology Particles incorporating surfactants for pulmonary drug delivery
US5874064A (en) 1996-05-24 1999-02-23 Massachusetts Institute Of Technology Aerodynamically light particles for pulmonary drug delivery
US6339069B1 (en) 1996-10-15 2002-01-15 Elan Pharmaceuticalstechnologies, Inc. Peptide-lipid conjugates, liposomes and lipsomal drug delivery
ES2236832T3 (es) 1997-01-16 2005-07-16 Massachusetts Institute Of Technology Preparacion de particulas para inhalacion.
US6103489A (en) 1997-03-21 2000-08-15 University Of Hawaii Cell-free protein synthesis system with protein translocation and processing
WO1998056370A2 (en) 1997-06-13 1998-12-17 Johns Hopkins University School Of Medicine Therapeutic nanospheres
US6365185B1 (en) 1998-03-26 2002-04-02 University Of Cincinnati Self-destructing, controlled release peroral drug delivery system
AU747231B2 (en) 1998-06-24 2002-05-09 Alkermes, Inc. Large porous particles emitted from an inhaler
CA2386270A1 (en) 1999-10-15 2001-04-26 University Of Massachusetts Rna interference pathway genes as tools for targeted genetic interference
US6326193B1 (en) 1999-11-05 2001-12-04 Cambria Biosciences, Llc Insect control agent
WO2001096584A2 (en) 2000-06-12 2001-12-20 Akkadix Corporation Materials and methods for the control of nematodes
FR2840307B1 (fr) 2002-05-30 2006-07-07 Centre Nat Rech Scient Nouvelles molecules multimeriques, leur procede de preparation, et leur utilisation pour la preparation de medicaments
CA2542984A1 (en) 2003-07-07 2005-01-27 David H. Wagner Methods for predicting development of auto-immune diseases and treatment of same
ATE447412T1 (de) * 2003-11-04 2009-11-15 Novartis Vaccines & Diagnostic Antagonist-anti-cd40-monoklonale antikörper und anwendungsverfahren
US20080318837A1 (en) 2003-12-26 2008-12-25 Nastech Pharmaceutical Company Inc. Pharmaceutical Formation For Increased Epithelial Permeability of Glucose-Regulating Peptide
US7659252B2 (en) 2005-09-15 2010-02-09 Novomed Technologies, Inc. (Shanghai) Transdermal delivery peptides and method of use thereof
US20070237826A1 (en) 2006-04-05 2007-10-11 Rao Kollipara K Polymerized solid lipid nanoparticles for oral or mucosal delivery of therapeutic proteins and peptides
NZ571757A (en) * 2006-04-21 2012-01-12 Novartis Ag Antagonist anti-CD40 antibody pharmaceutical compositions comprising arginine-HCl and a citrate or citric acid buffer
EP1854810A1 (en) * 2006-05-09 2007-11-14 PanGenetics B.V. Deimmunized antagonistic anti-human CD40 monoclonal antibody from the ch5D12 antibody
EP2067785A1 (en) 2007-12-03 2009-06-10 Fresenius Medical Care Deutschland GmbH Human CD154-binding synthetic peptide and uses thereof
US8734786B2 (en) 2009-09-16 2014-05-27 Northwestern University Use of ECDI-fixed cell tolerance as a method for preventing allograft rejection
US9289381B2 (en) 2009-12-03 2016-03-22 The University Of North Carolina At Charlotte Stabilization and storage of biological pharmaceutical compositions
MA34091B1 (fr) * 2010-03-31 2013-03-05 Boehringer Ingelheim Int Anticorps anti-cd40
EP3421487B1 (en) 2010-10-19 2023-06-28 The Regents of the University of Colorado, a body corporate Peptides for modulating t-cell activity and uses thereof
CN106279401A (zh) 2011-03-11 2017-01-04 贝丝以色列女执事医疗中心 Cd40片段及其用途
WO2012138768A2 (en) 2011-04-04 2012-10-11 Trustees Of Dartmouth College Anti-cd154 antibodies having impaired fcr binding and/or complement binding properties and the use thereof in immune therapies
WO2012145632A1 (en) 2011-04-21 2012-10-26 Cerulean Pharma Inc. Cyclodextrin-based polymers for therapeutic delivery
KR101329411B1 (ko) 2012-05-31 2013-11-14 주식회사 엘지생활건강 피부투과성 펩타이드
CN115043945A (zh) 2014-10-31 2022-09-13 Ngm生物制药有限公司 用于治疗代谢病症的组合物和方法
JP6830437B2 (ja) 2014-12-10 2021-02-17 リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミネソタ 疾患を処置するための遺伝子改変された細胞、組織および臓器
HUE048284T2 (hu) * 2015-05-29 2020-07-28 Abbvie Inc Anti-CD40 antitestek és alkalmazásuk
WO2016210009A2 (en) 2015-06-22 2016-12-29 University Of Southern California Methods for analyzing the interaction between a target protein and a ligand
KR101810778B1 (ko) 2015-06-23 2017-12-20 서울대학교산학협력단 Cd154 결합 폴리펩타이드 및 그 용도
AU2016315873B2 (en) 2015-09-04 2022-08-18 Primatope Therapeutics Inc. Humanized anti-CD40 antibodies and uses thereof
AU2019217207A1 (en) 2018-02-12 2020-08-27 Diabetes-Free, Inc. Improved antagonistic anti-human CD40 monoclonal antibodies
WO2020102454A1 (en) 2018-11-13 2020-05-22 Regents Of The University Of Minnesota Cd40 targeted peptides and uses thereof

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019156565A1 (en) 2019-08-15
AU2019217207A1 (en) 2020-08-27
EP3752532A1 (en) 2020-12-23
US20230059094A1 (en) 2023-02-23
JP2021513367A (ja) 2021-05-27
US11396552B2 (en) 2022-07-26
US20210101991A1 (en) 2021-04-08
CA3090322A1 (en) 2019-08-15
KR20200141986A (ko) 2020-12-21
CN112119092A (zh) 2020-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2024024118A (ja) 改善されたアンタゴニスト的抗ヒトcd40モノクローナル抗体
JP5191537B2 (ja) ヒトのプログラムされたデスレセプターpd−1に対する抗体
AU2019202447B2 (en) Binding molecules specific for il-21 and uses thereof
JP6794448B2 (ja) 抗体サイトカイングラフト組成物および免疫調節のための使用方法
CA2321165A1 (en) Antibodies against human cd40
WO2017059196A2 (en) Antagonistic antibodies specifically binding human cd40 and methods of use
JP2013223516A (ja) 抗tslpr抗体の設計製作
JP2020503258A (ja) Asct2特異的結合分子及びその使用
JP2020511947A (ja) 抗ニューロピリン抗原結合タンパク質およびその使用の方法
US20200002415A1 (en) Binding molecules specific for fcgamma riia and uses thereof
JP2018522562A (ja) 抗cd154抗体及びこれを使用する方法
EA039946B1 (ru) Антитела-антагонисты к интерферону альфа и интерферону омега
RU2804456C1 (ru) Связывающие молекулы, специфичные к ил-21, и области их применения
WO2023225197A2 (en) Klrb1 binding agents and methods of use thereof
WO2024091919A2 (en) Klrb1 binding agents and methods of use thereof
KR20240049265A (ko) 인간 피브린 또는 피브리노겐 γC 도메인에 결합하는 항체 및 사용 방법
WO2021215919A1 (en) Humanized anti-human cd89 antibodies and uses thereof
TW202229340A (zh) 多特異性抗體及抗體組合
NZ725735B2 (en) Binding molecules specific for il-21 and uses thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240111