JP2024017708A - 球状炭酸カルシウム粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高温での撥水性に優れ、かつ、固化させた場合にも固くなりすぎない球状炭酸カルシウム粒子を提供する。【解決手段】 アシル基とアミノ基と-COOM基(Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)とを有する化合物(a)で被覆された球状炭酸カルシウム粒子。【選択図】なし

Description

本発明は、球状炭酸カルシウム粒子に関する。より詳しくは、化粧料等に有用な球状炭酸カルシウム粒子に関する。
化粧料において、展伸性、高ヘーズ効果、スクラブ効果等を付与することを目的として球状粒子を配合することが広く行われている。この球状粒子はナイロン、ポリスチレン、ポリオルガノシルセスキオキサン系等の有機高分子で構築されるものと、シリカ、炭酸カルシウム等の無機化合物で構築されるものに大別できる。
ところで、近年では、化粧料に配合された樹脂球状粒子が下水を通じて自然界に流出し、有害物質を吸着した樹脂粒子を摂取したプランクトンや魚等により有害物質が濃縮される、いわゆるマイクロプラスチック問題が話題となっている。そのため、比重が重く海中等で浮遊しにくい無機球状粒子を利用することを主眼に、粉体開発や化粧料の処方開発が盛んに行われている状況である。その中で、球状炭酸カルシウムは独特の柔らかく滑る感触や軽さにより注目を浴びている素材である。
無機化合物は親水性のものが大半であり、無機化合物を化粧料に配合する際には有機化合物で被覆された粉体が広く使用されている。つまり、有機化合物で表面処理することにより、粉体に親油性を付与し、より優れた感触や油に対する高分散性等を得ることができる。シリコーンで表面処理を施すことが過去にはよく行われてきたが、最近では化粧料使用者の自然志向が高まり、非石油原料で作られた脂肪酸等の表面処理剤が好まれるようになってきている。
球状炭酸カルシウムへの表面処理技術としては、脂肪酸やシリコーンで処理する技術が提案されており、例えば、特許文献1には、平均粒子径が0.5~20μmの範囲にある球状炭酸カルシウム粒子の水分散液をpH9~11の範囲とし、この上記球状炭酸カルシウム粒子の水分散液中、上記球状炭酸カルシウム粒子100重量部に対して2.5重量部以上の高級脂肪酸塩を上記球状炭酸カルシウム粒子に25℃以上の温度で接触させた後、得られた水分散液を常温でpH6~7に中和することを特徴とする化粧料用表面処理球状炭酸カルシウム粒子の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、体積メジアン径が0.5~20μmの範囲にある球状炭酸カルシウム粒子の表面に含水シリカ被覆を有し、更に、その上にシリコーンオイル被覆を有する化粧料用表面処理球状炭酸カルシウム粒子が開示されている。
特開2012-240930号公報 再表2014-61689号公報
上述のとおり、球状炭酸カルシウムへの表面処理技術として種々の方法が開発されているが、特許文献1等に開示された脂肪酸で表面処理したものは、高温水中での撥水性が充分ではなく、高温の環境での安定性に課題があり、また、脂肪酸を用いることで粉体同士の固着力(凝集性)が強くなる傾向があるため、固化させてプレストファンデーション等に用いると固くなりすぎるという課題があった。また、特許文献2等に記載のシリカ処理を必要とする方法は、工程が長くなることや、化粧料に配合した場合にシリカに由来するざらついた固い感触を与えるという課題があった。
したがって、高温での撥水性に優れ、かつ、固化させた場合にも固くなりすぎない球状炭酸カルシウム粒子が求められていた。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、高温での撥水性に優れ、かつ、固化させた場合にも固くなりすぎない球状炭酸カルシウム粒子を提供することを目的とする。
本発明者は、球状炭酸カルシウムの表面処理について種々検討したところ、アシル基とアミノ基と-COOM基(Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)とを有する化合物で被覆された球状炭酸カルシウム粒子が高温での撥水性に優れ、かつ、固化させた場合にも固くなりすぎないことを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
本発明は、以下の球状炭酸カルシウム粒子等を包含する。
〔1〕アシル基とアミノ基と-COOM基(Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)とを有する化合物(a)で被覆された球状炭酸カルシウム粒子。
〔2〕前記化合物(a)は、N-アシルアミノ酸及び/又はその塩である、上記〔1〕に記載の球状炭酸カルシウム粒子。
〔3〕前記球状炭酸カルシウム粒子は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって測定されるメジアン径(D50)が、0.1~20μmである、上記〔1〕又は〔2〕に記載の球状炭酸カルシウム粒子。
〔4〕前記化合物(a)の被覆量が、被覆された球状炭酸カルシウム粒子の質量100質量%に対して、1~10重量%である、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の球状炭酸カルシウム粒子。
〔5〕上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の球状炭酸カルシウム粒子を含む化粧料。
本発明の球状炭酸カルシウム粒子は、上述の構成よりなり、高温での撥水性に優れ、かつ、固化させた場合にも固くなりすぎないため、化粧料等に好適に用いることができる。
以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。
本発明の球状炭酸カルシウム粒子は、アシル基とアミノ基と-COOM基(Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)とを有する化合物(a)で被覆されたものである。
上記球状炭酸カルシウム粒子における化合物(a)は、赤外分光光度計を用いて、化合物(a)が有するアシル基、アミノ基及び-COOM基の赤外吸収を観測することにより、同定することができる。
上記化合物(a)は、アシル基に由来する疎水性により、高温での撥水性を発揮することができると考えられ、また、アミノ基と-COOM基とを有することにより、炭酸カルシウムの凝集の原因となる炭酸カルシウム粒子の周囲の水分を取り除くことができ、粒子間の流動性が高まることで固化させた場合にも固くなりすぎず、パフやスポンジで取りやすく、肌に伸ばしやすく、さらさらした感触を与えると考えられる。
また、本発明の球状炭酸カルシウム粒子は、撥水性に優れるため、油相配合した場合に水相に移動することを充分に抑制することができる。
上記化合物(a)は、アシル基とアミノ基と-COOM基(Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)とを有するものであれば特に制限されないが、下記式(1);
-CONR-R-COOM (1)
(式中、Rは、炭素1~30の炭化水素基を表す。Rは、水素原子又は炭素数1~5の炭化水素基を表す。Rは、官能基を有していてもよい、炭素数1~20の2価の炭化水素基を表す。Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表されることが好ましい。
上記Rにおける炭化水素基としては特に制限されないが、炭素数1~30の脂肪族アルキル基、炭素数3~30の脂環式アルキル基、炭素数2~30のアルケニル基、炭素数2~30のアルキニル基、炭素数6~30のアリール基等が挙げられる。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基(アミル基)、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-エイコサニル基、i-プロピル基、sec-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、1-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、i-アミル基、ネオペンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、t-アミル基、1,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-エチル-2-メチルプロピル基、1-メチルヘプチル基、2-エチルヘキシル基、1,5-ジメチルヘキシル基、t-オクチル基、分岐したノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基、イコシル基等の脂肪族アルキル基;シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルプロピル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基(C7)、アダマンチル基(C10)、シクロペンチルエチル基等の脂環式アルキル基が挙げられる。
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。
上記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ドデシニル基、オクタデシニル基、イコシニル基等が挙げられる。
炭素数6~30のアリール基としては、例えば、フェニル基;ナフチル基;ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、3-フェニルプロピル基、4-フェニルブチル基、スチリル基(Ph-CH=C-基)、シンナミル基(Ph-CH=CHCH2-基)、1-ベンゾシクロブテニル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記Rにおける炭化水素基の炭素は1~30であり、好ましくは3~28であり、より好ましくは6~25であり、更に好ましくは8~22であり、特に好ましくは10~18である。
上記Rにおける炭化水素基として好ましくは脂肪族アルキル基、アルケニル基であり、より好ましくは脂肪族アルキル基である。
上記Rは、水素原子又は炭素数1~5の炭化水素基であり、炭化水素基としては、炭素数1~5のアルキル基が好ましい。
上記Rとして好ましくは水素原子である。
上記Rは、官能基を有していてもよい、炭素数1~20の2価の炭化水素基である。上記2価の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基から水素原子を1つ引き抜いて得られる基であることが好ましい。より好ましくは、アルキル基から水素原子を1つ引き抜いて得られる基である。アルキル基の具体例は上述のとおりである。
上記Rにおける炭化水素基の炭素数として好ましくは1~15であり、より好ましくは2~12であり、更に好ましくは2~10であり、特に好ましくは2~8である。
上記Rが有していてもよい官能基としては特に制限されないが、カルボキシル基又はその塩の基、アミノ基、水酸基、チオール基、アミド基、グアニジル基、エステル基、エーテル基等が挙げられる。中でも好ましくは、カルボキシル基又はその塩の基、アミノ基、水酸基、チオール基、アミド基であり、より好ましくはカルボキシル基又はその塩の基である。
上記Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基又は有機アミン基である。好ましくは水素原子又はアルカリ金属である。
上記アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、好ましくはナトリウムである。
上記有機アンモニウム基を形成する有機アンモニウム塩としては、例えば、メチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩等が挙げられる。
上記有機アミン基を形成する有機アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、n-ブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン及びフェニルアミン等の第一級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ-sec-ブチルアミン、ジ-tert-ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン及びジフェニルアミン等の第二級アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリベンジルアミン及びトリフェニルアミン等の第三級アミン;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
上記Rとして好ましくは、下記式(2);
-CH(R)- (2)
(Rは、水素原子、又は、官能基を有していてもよい、炭素数1~15の炭化水素基を表す。)で表される基である。
上記Rにおける炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基が好ましい。より好ましくは炭素数1~15のアルキル基である。アルキル基の具体例は上述のとおりである。
上記Rにおける炭化水素基の炭素数として好ましくは1~12であり、より好ましくは1~10であり、更に好ましくは1~8であり、特に好ましくは1~6である。
上記Rが有していてもよい官能基としては特に制限されないが、具体例及び好ましい態様は、上記Rが有していてもよい官能基と同様である。
上記化合物(a)は、N-アシルアミノ酸及び/又はその塩であることが好ましい。
上記N-アシルアミノ酸は、アミノ酸のアミノ基にカルボン酸が縮合した化合物である。
上記アミノ酸としては、タンパク質を形成する20種のアミノ酸の少なくとも1種であればよく、具体的には、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン(トレオニン)、トリプトファン、チロシン及びバリンが挙げられる。中でも好ましくは中性アミノ酸、酸性アミノ酸であり、より好ましくは酸性アミノ酸であり、特に好ましくはアスパラギン酸、グルタミン酸である。
上記カルボン酸としては特に制限されないが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸等の飽和脂肪酸類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸(パウリン酸)、エルカ酸、ネルボン酸等のモノ不飽和脂肪酸;リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸等のジ不飽和脂肪酸;α-リノレン酸、γ-リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ-γ-リノレン酸、エイコサトリエン酸等のトリ不飽和脂肪酸;ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸等のテトラ不飽和脂肪酸;ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサペンタエン酸等のペンタ不飽和脂肪酸;ドコサヘキサエン酸、ニシン酸等のヘキサ不飽和脂肪酸;等が挙げられる。
中でも好ましくは飽和脂肪酸類、モノ不飽和脂肪酸、ジ不飽和脂肪酸であり、より好ましくは上述のRのアルキル基又はアルケニル基にカルボキシル基が結合したカルボン酸である。
上記N-アシルアミノ酸の塩としては、特に制限されないが、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。中でも好ましくはナトリウム塩である。
N-アシルアミノ酸又はその塩として、具体的には、ラウロイルグルタミン酸、ミリストイルグルタミン酸、パルミトイルグルタミン酸、ステアロイルグルタミン酸、カプロイルグルタミン酸、カプリノイルグルタミン酸、オレイリルグルタミン酸、リノレイルグルタミン酸、ココイルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ミリストイルアスパラギン酸、パルミトイルアスパラギン酸、ステアロイルアスパラギン酸、カプロイルアスパラギン酸、カプリノイルアスパラギン酸、オレイリルアスパラギン酸、リノレイルアスパラギン酸、ココイルアスパラギン酸及びこれらの塩等が挙げられる。中でも好ましくはラウロイルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ココイルグルタミン酸、ココイルアスパラギン酸及びこれらの塩である。
本発明の球状炭酸カルシウム粒子における化合物(a)の被覆量は、特に制限されないが、被覆された球状炭酸カルシウム粒子の質量100質量%に対して、1~10重量%であることが好ましい。これにより本発明の作用効果をより充分に発揮することができる。
化合物(a)の被覆量としてより好ましくは1~8質量%であり、更に好ましくは2~7質量%であり、特に好ましくは3~6質量%である。
上記被覆量は、炭素分析装置により測定される炭素量と化合物(a)の分子量に基づき算出することができる。
本発明の炭酸カルシウム粒子は、形状が球状であればよいが、短径/長径比で定義される球状性が0.80以上であることが好ましい。これにより、化粧料としたときの肌における滑り性、ぼかし効果がより向上する。
本発明の球状炭酸カルシウム粒子は、その粒子径は特に制限されないが、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって測定されるメジアン径(D50)が、0.1~20μmであることが好ましい。これにより、化粧料としたときの肌における滑り性、付着性、感触がより向上する。
上記メジアン径(D50)としてより好ましくは0.5~20μmであり、更に好ましくは1~15μmであり、特に好ましくは3~10μmである。
本発明の球状炭酸カルシウム粒子は、バテライト結晶を90%以上含むことが好ましい。より好ましくはバテライト結晶を98~100%含むものである。
炭酸カルシウムにおけるバテライト結晶の割合は、既によく知られているように、下記式(3)に従って求めることができる(M. S. Rao, Bull. Chem. Soc. Japan, 46, 1414(1973))。
バテライト結晶の割合F(v)=f(v)×100 (3)
ここで、f(v)=1-I104(c)/(I110(v)+I112(v)+I114(v)+I104(c))であって、I104(c) はカルサイトの104 面におけるX線回折強度、I110(v) はバテライトの110 面におけるX線回折強度、I112(v)はバテライトの112面におけるX線回折強度、I114(v) はバテライトの114面におけるX線回折強度である。
本発明の球状炭酸カルシウム粒子は、固化させた場合にも固くなりすぎない性質を有するものであるが、以下の方法により測定される針入荷重が1~15mNであることが好ましい。より好ましくは1~10mNである。
(針入荷重の測定方法)
容器に擦り切りまで球状炭酸カルシウム粒子を入れ、ハンドプレスを用いて6MPaの荷重を20秒間掛ける。荷重を開放後、再び6MPaの荷重を20秒間加えて成形体を作成し、レオメーターを用いて直径1mmの針を1mm刺し込んだ時の荷重を3回測定し、その平均値を算出する。
本発明の球状炭酸カルシウム粒子は、高温での撥水性に優れるものであるが、以下の80℃での撥水性の評価試験において、水面に浮いた状態となる球状炭酸カルシウム粒子の割合が90%以上であることが好ましい。そうすることで、配合された化粧料が高温に曝されても乳液系が安定的に維持される。
(80℃での撥水性評価)
80℃の純水100mlの水面に球状炭酸カルシウム粒子1gを静かに載せ、60rpmでマグネットスターラーを用いて1分間撹拌した後に、撥水性を評価する。
本発明の球状炭酸カルシウム粒子の製造方法は、特に制限されないが、原料の炭酸カルシウムと上記化合物(a)とを混合する工程(以下、混合工程ともいう。)を含むことが好ましい。
上記混合工程で用いる原料の炭酸カルシウムは、得られる炭酸カルシウム粒子の形状が球状であればよいが、上述の球状性が0.80以上であることが好ましい。
また、原料の炭酸カルシウムの粒子径は特に制限されないが、上述の方法により測定されるメジアン径(D50)が、0.1~20μmであることが好ましい。
上記の粒形、粒子サイズであれば、感触の良い粉末粒子が得られる。
上記混合工程は、原料の炭酸カルシウムと上記化合物(a)とを混合する限り特に制限されないが、原料の炭酸カルシウムと化合物(a)とを溶媒に添加して混合することが好ましい。より好ましくは炭酸カルシウム及び/又は化合物(a)を溶媒に分散又は溶解させた後、これらを混合する形態である。更に好ましくは炭酸カルシウムの分散液に、化合物(a)又は化合物(a)の溶液を添加して混合する形態である。
上記炭酸カルシウム及び/又は化合物(a)を分散又は溶解させる溶媒は、特に制限されず、例えば、水、及び水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、N-メチルピロリドン等のピロリドン系溶媒、アセトン等のケトン系溶媒等が挙げられる。溶媒として好ましくは水である。
上記球状炭酸カルシウム粒子の製造方法において、炭酸カルシウムの水分散液に、化合物(a)又は化合物(a)の水溶液を添加して混合する形態は、好ましい実施形態の1つである。
上記混合工程で用いられる化合物(a)の使用量は、特に制限されず、好ましい被覆量となるように調整することができるが、原料の炭酸カルシウムの質量100質量%に対して1~10重量%であることが好ましい。より好ましくは2~8重量%である。
上記混合工程において、原料の炭酸カルシウムを分散液とする場合、分散液における炭酸カルシウムの割合は、溶媒1Lに対して100~350gであることが好ましい。より好ましくは150~300gである。
上記混合工程における温度は特に制限されないが、10~100℃が好ましい。より好ましくは20~80℃であり、更に好ましくは25~40℃である。これにより、炭酸カルシウム粒子の形状が球状から立方体形状ヘの変化及びコストをより充分に抑制することができる。
本発明の球状炭酸カルシウム粒子の製造方法において、上記混合工程後に攪拌を行うことが好ましい。
上記攪拌工程における好ましい温度範囲は混合工程の上記好ましい温度範囲と同様である。
上記攪拌工程における攪拌時間は特に制限されないが、1分~24時間であることが好ましい。より好ましくは30分~18時間であり、更に好ましくは1時間~10時間である。
本発明の球状炭酸カルシウム粒子の製造方法は、混合工程(及び攪拌工程)後に、洗浄工程や乾燥工程を行うことが好ましい。
上記洗浄工程は特に制限されないが、混合工程(及び攪拌工程)により得られた球状炭酸カルシウム粒子を濾過し、水洗することが好ましい。より好ましくは得られた球状炭酸カルシウム粒子を濾液の導電率が100μS/cm以下となるまで、繰り返し濾過、水洗することが好ましい。これにより、残存する化合物(a)等により、球状炭酸カルシウム粒子処方時に泡立ちが生じること等をより充分に抑制することができる。
上記乾燥工程における乾燥温度は、50~150℃であることが好ましい。より好ましくは70~120℃であり、更に好ましくは80~110℃である。
上記乾燥工程における乾燥時間は、1~72時間であることが好ましい。より好ましくは10~60時間であり、更に好ましくは24~48時間である。
本発明の球状炭酸カルシウム粒子は、高温での撥水性に優れ、かつ、固化させた場合にも固くなりすぎず、肌に伸ばしやすく、さらさらした感触を与えるため、化粧料等に好適に用いることができる。
本発明の球状炭酸カルシウム粒子を含む化粧料もまた、本発明の1つである。
本発明の化粧料としては、ファンデーション、化粧下地、乳液、クリーム、アイシャドウ、頬紅、マスカラ、口紅、サンスクリーン剤等を挙げることができる。本発明の化粧料は、油性化粧料、水性化粧料、O/W型化粧料、W/O型化粧料の任意の形態とすることができる。中でも、ファンデーション、化粧下地、アイシャドウ等のメイクアップ化粧料、化粧水、クリーム、乳液、美容液等の基礎化粧料やサンスクリーン剤において特に好適に使用することができる。
本発明の化粧料は、上記球状炭酸カルシウム粒子以外に、化粧品分野において使用することができる任意の水性成分、油性成分を併用するものであってもよい。上記水性成分及び油性成分としては特に限定されず、例えば、油分、界面活性剤、保湿剤、高級アルコール、金属イオン封鎖剤、天然及び合成高分子、水溶性及び油溶性高分子、紫外線遮蔽剤、各種抽出液、無機及び有機顔料、無機及び有機粘土鉱物等の各種粉体、金属石鹸処理又はシリコーンで処理された無機及び有機顔料、有機染料等の色剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤等の成分を含有するものであってもよい。具体的には、例えば、特開2014-080392号公報に列挙した配合成分の1種又は2種以上を任意に配合して常法により目的の化粧料を製造することが可能である。これらの配合成分の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されない。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」及び「wt%」とは「重量%(質量%)」を意味する。なお、各物性の測定方法は以下の通りである。
(メジアン径D50)
株式会社堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA-750を用いて、体積基準によるメジアン径D50を測定した。
(濾液の導電率)
(株)堀場製作所製導電率計ES-12を用いて測定した。
(球状炭酸カルシウム粒子の球状性)
SEM写真から粒子100個をランダムに選び、長径と短径をそれぞれ測定して、短径/長径比を求めた。
(25℃での撥水性評価)
室温25℃において、純水100mlの水面に各粉末1gを静かに載せ、60rpmでマグネットスターラーを用いて1分間撹拌した後に、撥水性を目視にて以下の基準で判定した。
〇:ほぼ全量の粉末が水面に浮いた状態である。
△:半分以上の粉末が水面に浮いた状態ではあるが、一部は水に馴染んだ状態である。
×:大部分の粉末が水に馴染んだ状態である。
(80℃での撥水性評価)
80℃の純水100mlの水面に各粉末1gを静かに載せ、60rpmでマグネットスターラーを用いて1分間撹拌した後に、撥水性を目視にて以下の基準で判定した。
〇:ほぼ全量の粉末が水面に浮いた状態である。
△:半分以上の粉末が水面に浮いた状態ではあるが、一部は水に馴染んだ状態である。
×:大部分の粉末が水に馴染んだ状態である。
(化合物(a)の被覆量)
炭素分析装置EMIA-110(堀場製作所製)を用いて500℃設定で検出された炭素量を各表面処理剤(化合物(a))の分子量に対する分子中全炭素重量比(比較例3においてはジメチルシロキシユニットに対する全炭素の重量比)で割って算出した値を化合物(a)の被覆量とした。
(針入荷重の評価)
長方形アルミ皿容器に擦り切りまで粉末を入れ、ハンドプレスを用いて6MPaの荷重を20秒間掛けた。荷重を開放後、再び6MPaの荷重を20秒間加えて成形体を作った。レオメーター(サン科学製CR-100)を用いて直径1mmの針を1mm刺し込んだ時の荷重を、それぞれの成形体で3回測定し、その平均値を算出した。
(増粘剤を併用した場合の粘性評価)
粉末2gを1,3-ブチレングリコール5gに分散させた。その分散液を、増粘剤である(アクリル酸ジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー5wt%水溶液(クラリアント製Aristoflex AVC)10gを水90gで希釈したものに添加し、撹拌機で十分に分散させた。静置24時間後の粘度をB型粘度計で測定した。なお、増粘剤のみの場合の粘度は、11200mPa・sである。
<実施例1>
球状炭酸カルシウム(粒子径5μm:堺化学工業製かるまるSCS-M5)100gを水500mlに分散した。25℃で30分間撹拌を続け、次いで25wt%ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム水溶液(旭化成ファインケム製アミノファーマーFLDS-L)を20g添加した。その後、1時間撹拌を続けた後、濾過と水洗(最終電導度92μS/cm)をして得られたウェットケーキを乾燥機にて105℃で一晩乾燥して、粉末1を得た。
<実施例2>
球状炭酸カルシウム(粒子径5μm:堺化学工業製かるまるSCS-M5)100gを水500mlに分散した。25℃で30分間撹拌を続け、次いでココイルグルタミン酸ナトリウム(味の素ヘルシーサプライ製アミソフトCS-11)を4g添加した。その後、1時間撹拌を続けた後、濾過と水洗(最終電導度95μS/cm)をして得られたウェットケーキを乾燥機にて105℃で一晩乾燥して、粉末2を得た。
<実施例3>
実施例1において、25wt%ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム水溶液の量を32gにした以外は同様の方法で粉末3を得た。なお、水洗最終電導度は70μS/cmであった。
<実施例4>
実施例2において、ココイルグルタミン酸ナトリウムの量を2gにした以外は同様の方法で粉末4を得た。なお、水洗時の最終電導度は86μS/cmであった。
<実施例5>
実施例1において、25wt%ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム水溶液の量を2gにした以外は同様の方法で粉末5を得た。なお、水洗最終電導度は90μS/cmであった。
<比較例1>
球状炭酸カルシウム(粒子径5μm:堺化学工業製かるまるSCS-M5)100gを水500mlに分散した。また、別容器でステアリン酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬製)5gを温水858mlに溶解した。次いで、この溶解液を炭酸カルシウム分散液へ50ml/分の速度で添加した後、70℃に加温し1時間撹拌を続けた。その後に25℃まで冷却し、希塩酸を用いてpH7まで中和し、30分間撹拌した。濾過と水洗(最終電導度93μS/cm)をして得られたウェットケーキを乾燥機にて105℃で一晩乾燥して、粉末6を得た。
<比較例2>
球状炭酸カルシウム(粒子径5μm:堺化学工業製かるまるSCS-M5)100gを水500mlに分散した。また、別容器でミリスチン酸カリウム(富士フイルム和光純薬製)5gを温水858mlに溶解した。次いで、この溶解液を炭酸カルシウム分散液へ50ml/分の速度で添加した後、70℃に加温し1時間撹拌を続けた。その後に25℃まで冷却し、希塩酸を用いてpH7まで中和し、30分間撹拌した。濾過と水洗(最終電導度75μS/cm)をして得られたウェットケーキを乾燥機にて105℃で一晩乾燥して、粉末7を得た。
<比較例3>
球状炭酸カルシウム(粒子径5μm:堺化学工業製かるまるSCS-M5)100gに、ハイドロゲンジメチコン5gを溶解したイソプロピルアルコール50mlを混合し、1時間よく混練した。それを乾燥機にて105℃で一晩乾燥して、粉末8を得た。
<比較例4>
球状炭酸カルシウム(粒子径5μm:堺化学工業製かるまるSCS-M5)を粉末9とした。
実施例1~5及び比較例1~4の各種物性の評価結果を表1に示した。
Figure 2024017708000001
表1の評価結果より、実施例1~5において、化合物(a)で被覆された球状炭酸カルシウム粒子は、高温においても撥水性に優れ、かつ、針入荷重が小さいため、固くなりすぎない効果が得られることが明らかとなった。
また、実施例1~4の球状炭酸カルシウム粒子は、増粘剤と併用した場合に、増粘剤と干渉せず、増粘剤単独の場合(11200mPa・m)と同等の粘度を維持することが明らかとなり、O/W乳液などで増粘剤と併用する際にも本発明の表面処理が有用であり、安定的に球状炭酸カルシウム粒子を配合できるようになることが分かった。
<処方例1>
下記表2の組成のO/W乳液ファンデーションを作製した。
Figure 2024017708000002
(注1)DIP-T1(N)(堺化学工業社製):酸化チタン75wt%、ハイドロゲンジメチコン1wt%、1,3-ブチレングリコール22wt%、PEG-9ジメチコン3wt%
(注2)DIP-Y1(N)(堺化学工業社製):黄酸化鉄59wt%、ハイドロゲンジメチコン1wt%、1,3-ブチレングリコール37.5wt%、PEG-9ジメチコン2.5wt%
(注3)DIP-R1(N)(堺化学工業社製):ベンガラ49wt%、ハイドロゲンジメチコン1wt%、1,3-ブチレングリコール48.5wt%、PEG-9ジメチコン1.5wt%
(注4)DIP-K1(N)(堺化学工業社製):黒酸化鉄59wt%、ハイドロゲンジメチコン1wt%、1,3-ブチレングリコール37.5wt%、PEG-9ジメチコン2.5wt%
(製造方法)
A:成分1~7を均一に混合して80℃に加温した。
B:成分8~14を均一に混合して80℃に加温した。
C:AをBに添加して乳化した。
D:成分16~20を均一に混合した。
E:成分15とDを60℃以下のCへ添加して均一に混合した。
粉末1を配合することにより、耐沈降性と感触がともに優れたO/W乳液ファンデーションを得ることができた。
<処方例2>
下記表3の組成のW/Oクリームを作製した。
Figure 2024017708000003
(製造方法)
A:成分1~5を混合し均一化した後に、更に6を添加して均一に混合した。
B:成分7と成分8を混合し、撹拌する。
C:撹拌をしながら、AにBを徐々に添加した。
粉末2を配合することにより、耐沈降性と感触に優れたW/Oクリームが得られた。
<処方例3>
下記表4の組成のW/O日焼け止め乳液を作製した。
Figure 2024017708000004
(注5)FINEX-52W-LP2(堺化学工業社製):酸化亜鉛86wt%、シリカ10wt%、ハイドロゲンジメチコン4wt%
(製造方法)
A:成分1~5を均一に混合した。
B:成分6~7を80℃に加温して混合溶解し、Aに添加した。
C:成分8~10をBに添加し、強く混合して十分に分散させた。
D:成分11~14を95℃に過熱して混合溶解し、撹拌しながらCに徐々に混合した。
E:十分に均一混合した後、25℃まで冷却して日焼け止め乳液を得た。
粉末1を使用することにより、耐沈降性と感触にともに優れたW/O日焼け止め乳液を得た。
<処方例4>
下記表5の組成のパウダーファンデーションを作製した。
Figure 2024017708000005
(注6)HG―LFP(堺化学工業社製):硫酸バリウム98.9wt%、パルミチン酸1.0wt%、水酸化マグネシウム0.1wt%
(注7)FINEX-50S-LP2(堺化学工業社製):酸化亜鉛96wt%、ハイドロゲンジメチコン4wt%
(注8)MKR-1S(堺化学工業社製):酸化チタン98.5wt%、ハイドロゲンジメチコン1.5wt%
(注9)Y-2300X(ヤマグチマイカ社製):マイカ98wt%、ハイドロゲンジメチコン2wt%
(注10)PDM-5L(S)(トピー工業社製):金雲母98wt%、ハイドロゲンジメチコン2wt%
(注11)SA-タルクJA-46R(三好化成社製):タルク98wt%、ハイドロゲンジメチコン2wt%
(注12)SI-レッドR-516PS LHC(三好化成社製):ベンガラ98wt%、シイドロゲンジメチコン2wt%
(注13)SI-イエローLL-100P LHC(三好化成社製):黄酸化鉄98wt%、シイドロゲンジメチコン2wt%
(注14)SI-ブラックBL-100P LHC(三好化成社製):黒酸化鉄98wt%、シイドロゲンジメチコン2wt%
(製造方法)
A:成分1~14をミキサーで混合した。
B:プレス機を用いて押し固めた。
粉末1を使用することにより、ざらつきのない感触の良いパウダーファンデーションを得ることができた。
<処方例5>
下記表6の組成のパウダーファンデーションを作製した。
Figure 2024017708000006
(製造方法)
A:成分1~14をミキサーで混合した。
B:Aの重量を100として50部の軽質流動イソパラフィンを加えて、ミキサーで均一に混合した。
C:Bのスラリーを皿に充填し、真空で吸引しながら圧縮成型した。
D:Cの成型物を70℃で10時間乾燥して、パウダーファンデーションを得た。
粉末2を使用することにより、感触の良いパウダーファンデーションを得ることができた。

Claims (5)

  1. アシル基とアミノ基と-COOM基(Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)とを有する化合物(a)で被覆された球状炭酸カルシウム粒子。
  2. 前記化合物(a)は、N-アシルアミノ酸及び/又はその塩である、請求項1に記載の球状炭酸カルシウム粒子。
  3. 前記球状炭酸カルシウム粒子は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって測定されるメジアン径(D50)が、0.1~20μmである、請求項1又は2に記載の球状炭酸カルシウム粒子。
  4. 前記化合物(a)の被覆量が、被覆された球状炭酸カルシウム粒子の質量100質量%に対して、1~10重量%である、請求項1又は2に記載の球状炭酸カルシウム粒子。
  5. 請求項1又は2に記載の球状炭酸カルシウム粒子を含む化粧料。

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