JP2024011934A - 金属複合水酸化物粒子、金属複合化合物の製造方法、及びリチウム二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

金属複合水酸化物粒子、金属複合化合物の製造方法、及びリチウム二次電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放電レート特性が高いリチウム二次電池が得られる、リチウム二次電池用正極活物質の前駆体として用いられる金属複合化合物、前記金属複合化合物の製造方法、及び前記金属複合化合物を用いたリチウム二次電池用正極活物質の製造方法の提供。【解決手段】リチウム二次電池用正極活物質の前駆体として用いられる金属複合化合物であって、Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含み、下記要件(1)~(3)をすべて満たす金属複合化合物。(1)平均粒子強度が、10MPa以上45MPa未満である。(2)平均粒子径D50が、1.0μm以上4.0μm以下である。(3)BET比表面積が40m2/g以上100m2/g以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、金属複合化合物、金属複合化合物の製造方法、及びリチウム二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
リチウム二次電池用正極活物質の製造方法としては、例えば、リチウム化合物と、Li以外の金属元素を含む金属複合化合物とを混合して焼成する方法がある。
リチウム二次電池の性能向上を目的として、前記金属複合化合物の検討が行われている。例えば、特許文献1には、リチウムイオン二次電池用正極活物質の前駆体であって、複数の板状一次粒子および前記板状一次粒子よりも小さな微細一次粒子が凝集して形成された二次粒子からなる、ニッケルマンガンコバルト含有複合水酸化物が開示されている。前記ニッケルマンガンコバルト含有複合水酸化物を前駆体とするリチウムイオン二次電池用正極活物質を用いて製造されたリチウムイオン二次電池は、耐久性が高く、出力特性に優れることが開示されている。
JP-A-2020-177860
リチウム二次電池の応用分野が進む中、リチウム二次電池には、さらなる放電レート特性の向上が求められる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、放電レート特性が高いリチウム二次電池が得られる、リチウム二次電池用正極活物質の前駆体として用いられる金属複合化合物、前記金属複合化合物の製造方法、及び前記金属複合化合物を用いたリチウム二次電池用正極活物質の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、下記[1]~[8]である。
[1] リチウム二次電池用正極活物質の前駆体として用いられる金属複合化合物であって、Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含み、下記要件(1)~(3)をすべて満たす金属複合化合物。
(1)平均粒子強度が、10MPa以上45MPa未満である。
(2)平均粒子径D50が、1.0μm以上4.0μm以下である。
(3)BET比表面積が40m/g以上100m/g以下である。
[2] 下記組成式(I)で表される、[1]に記載の金属複合化合物。
Ni(1-x-y-w)CoMn(OH)2-α ・・・式(I)
(前記組成式(I)中は、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0≦w≦0.15、0≦x+y+w<1、0≦z≦3、-0.5≦α≦2、及びα-z<2を満たし、MはFe、Cu、Ti、Mg、Al、Zn、Sn、Zr、Nb、Ga、W、Mo、B、及びSiからなる群より選ばれる1種以上の元素である。)
[3] 粒子強度の標準偏差が1.00以上9.00以下である、[1]又は[2]に記載の金属複合化合物。
[4] タップ密度が0.50g/cm以上1.20g/cm以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の金属複合化合物。
[5] Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の元素の金属塩の溶液と、錯化剤と、アルカリ溶液と、を反応槽に供給して共沈反応を行う反応工程を含む、金属複合化合物の製造方法であって、前記反応工程において、前記反応槽中の反応溶液に酸素を含むガスを供給し、前記金属塩の溶液に含まれる合計の金属元素量(mol)に対する、酸素の消費量(NL)が、0.3NL/mol以上0.7NL/mol以下である、金属複合化合物の製造方法。
[6] 前記反応工程における、反応温度が20℃以上80℃以下である、[5]に記載の金属複合化合物の製造方法。
[7] 前記反応工程において、前記反応槽中の反応溶液を回転型の撹拌装置で撹拌し、撹拌動力が1.0kw/m以上4.0kw/m以下である、[5]又は[6]に記載の金属複合化合物の製造方法。
[8] [1]~[4]のいずれかに記載の金属複合化合物と、リチウム化合物と、を混合する混合工程と、得られた混合物を酸素含有雰囲気下、500℃以上1000℃以下の温度で焼成する焼成工程を有する、リチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
本発明によれば、放電レート特性が高いリチウム二次電池が得られる、リチウム二次電池用正極活物質の前駆体として用いられる金属複合化合物、前記金属複合化合物の製造方法、及び前記金属複合化合物を用いたリチウム二次電池用正極活物質の製造方法を提供することができる。
リチウム二次電池の一例を示す概略構成図である。 全固体リチウム二次電池の全体構成を示す模式図である。
本明細書における用語の定義は以下の通りである。
金属複合化合物(Metal Composite Compound)を以下「MCC」ともいう。
リチウム二次電池用正極活物質(Cathode Active Material
for lithium secondary batteries)を以下「CAM」ともいう。
「Ni」とは、ニッケル金属単体ではなく、Ni元素であることを示す。Co、Mn等の他の元素の表記も同様である。
「一次粒子」とは、走査型電子顕微鏡などを用いて10000倍以上30000倍以下の視野にて観察した際に、外観上に粒界が存在しない粒子を意味する。
「二次粒子」とは、前記一次粒子が凝集している粒子である。即ち、二次粒子は一次粒子の凝集体である。
数値範囲について、「A以上B以下」を「A~B」と表記する。例えば「1~10MPa」と記載されている場合、1MPaから10MPaまでの範囲を意味し、下限値である1MPaと上限値である10MPaを含む数値範囲を意味する。
本明細書におけるMCCの各パラメータの測定方法は以下の通りである。
(平均粒子強度)
MCCの平均粒子強度(単位:MPa)は、以下のように測定及び算出することができる。まず、MCCから無作為に20個の二次粒子を選択する。微小圧縮試験機(例えば島津製作所社製、MCT-510)を用いて、選択された二次粒子それぞれについて粒子径及び粒子強度を測定する。ここで、粒子強度Cs(単位:MPa)は、下記式(A)により求められる。下記式(A)中、Pは試験力(単位:N)であり、dは粒子径(単位:mm)である。Pは、試験圧力を徐々にあげて行った際、試験圧力がほぼ一定のまま変位量が最大となる圧力値である。dは、微小圧縮試験機の観察画像におけるX方向とY方向の径を測定し、その平均値を算出した値である。
Cs=2.8P/πd・・・(A)
得られた20個の二次粒子のCsの平均値が平均粒子強度である。
粒子強度は、粒子径で規格化されているため、各粒子の構造が同じであれば粒子径が異なる粒子であっても同等(平均粒子強度±5%)の粒子強度となる。一方で、粒子間で粒子強度が異なれば、それぞれの粒子の構造が異なるといえる。
(粒子強度の標準偏差)
MCCの粒子強度の標準偏差は、上記(平均粒子強度)で求めた平均粒子強度及び20個の二次粒子のCsにより算出することができる。
(平均粒子径D50
MCCの平均粒子径D50(単位:μm)は、レーザー回折散乱法によって測定されるMCCの粒度分布から求めることができる。具体的には、測定対象、例えばMCCの粉末0.1gを、0.2質量%ヘキサメタりん酸ナトリウム水溶液50mLに投入し、前記粉末を分散させた分散液を得る。次に、得られた分散液についてレーザー回折散乱粒度分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル株式会社製、マイクロトラックMT3300EXII)を用いて、粒度分布を測定し、体積基準の累積粒度分布曲線を得る。得られた累積粒度分布曲線において、微小粒子側から50%累積時の粒子径の値が50%累積体積粒度であり、本明細書における平均粒子径(以下、D50と記載することがある)である。
(BET比表面積)
MCCのBET比表面積(単位:m/g)は、BET(Brunauer,Emmett,Teller)法によって測定することができる。BET比表面積の測定では、吸着ガスとして窒素ガスを用いる。例えば、MCC粉末1gを窒素雰囲気中、105℃で30分間乾燥させた後、BET比表面積計(例えば、マウンテック社製、Macsorb(登録商標))を用いて測定することができる。
(組成)
MCCの各元素の組成は、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP)により測定することができる。例えば、MCCを塩酸に溶解させた後、誘導結合プラズマ発光分析装置(例えば、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、SPS3000)を用いて、各元素量の測定を行うことができる。
(タップ密度)
MCCのタップ密度(単位:g/cm)は、JIS R 1628-1997に準拠して測定することができる。
(XRDパターン)
MCCのXRDパターンは、CuKαを線源とし、かつ回折角2θの測定範囲を10°以上90°以下とする粉末X線回折測定により得ることができる。例えば、粉末状のMCCについて、X線回折装置(例えば、株式会社リガク製、Ultima IV)を用いて、XRDパターンを得ることができる。得られたXRDパターンの解析は、解析ソフトウェア(例えば、株式会社リガク製、統合粉末X線解析ソフトウェアPDXL2)を用いて行うことができる。
本明細書におけるCAMの評価方法は以下の通りである。
(放電レート特性)
後述の実施例に記載の方法により、CAMを用いてリチウム二次電池を製造する。製造されたリチウム二次電池を用いて以下の方法で放電レート試験を実施し、放電レート特性を評価する。
「放電レート特性」とは、1CAでの放電容量を100%とした場合の5CAでの放電容量の比率をいう。この比率が高ければ高いほど電池は高出力を示し、電池性能として好ましい。本明細書では、以下の方法で作製したリチウム二次電池を用いて、以下の条件で放電レート試験を行って得られた値を放電レート特性の指標とする。
<リチウム二次電池用正極の作製>
CAMと導電材(アセチレンブラック)とバインダー(PVdF)とを、CAM:導電材:バインダー=92:5:3(質量比)の組成となるように加えて混練することにより、ペースト状の正極合剤を調製する。正極合剤の調製時には、N-メチル-2-ピロリドンを有機溶媒として用いる。
得られる正極合剤を、集電体となる厚さ40μmのAl箔に塗布して150℃で8時間真空乾燥を行い、リチウム二次電池用正極を得る。このリチウム二次電池用正極の電極面積は1.65cmとする。
<リチウム二次電池(コイン型ハーフセル)の作製>
以下の操作を、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で行う。
上述のリチウム二次電池用正極を、コイン型電池R2032用のパーツ(宝泉株式会社製)の下蓋にアルミ箔面を下に向けて置き、その上にポリエチレン製多孔質フィルムの上に耐熱多孔層を積層した積層フィルムセパレータ(厚み16μm)を置く。ここに電解液を300μl注入する。電解液は、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートを30:35:35(体積比)で混合した混合液にLiPFを1mol/lとなるように溶解した液体を用いる。
次に、負極として金属リチウムを用いて、セパレータの上側に置き、ガスケットを介して上蓋をし、かしめ機でかしめてリチウム二次電池を作製する。
<放電レート試験>
試験温度:25℃
充電最大電圧4.3V、充電電流1CA、定電流定電圧充電
放電最小電圧2.5V、放電電流1CAまたは5CA、定電流放電
1CAで定電流放電させたときの放電容量と5CAで定電流放電させたときの放電容量とを用い、以下の式で求められる5CA/1CA放電容量比率を求め、放電レート特性の指標とする。
(5CA/1CA放電容量比率)
5CA/1CA放電容量比率(%)=5CAにおける放電容量/1CAにおける放電容量×100
≪金属複合化合物≫
本実施形態のMCCは、CAMの前駆体として用いることができる。MCCは、Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含み、下記要件(1)~(3)をすべて満たす。
(1)平均粒子強度が、10MPa以上45MPa未満である。
(2)平均粒子径D50が、1.0μm以上4.0μm以下である。
(3)BET比表面積が40m/g以上100m/g以下である。
本実施形態のMCCは、複数の粒子の集合体である。言い換えれば、本実施形態のMCCは、粉末状である。本実施形態において、複数の粒子の集合体は、二次粒子のみを含んでいてもよく、一次粒子と二次粒子の混合物であってもよい。
<要件(1)>
MCCの平均粒子強度は、10MPa以上45MPa未満である。平均粒子強度は、10MPa以上であり、15MPa以上であることが好ましく、25MPa以上であることがより好ましい。平均粒子強度は、45MPa未満であり、40MPa以下であることが好ましい。
前記下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
例えば、平均粒子強度は、15~40MPaであることが好ましく、25~40MPaであることがより好ましい。平均粒子強度が前記範囲内であると、CAMを製造する際のリチウム化合物の反応性が高まり、CAMの一次粒子の異常な成長が抑制され、CAMのBET比表面積の低下が抑制される。結果、CAM粒子表面の界面抵抗の上昇が抑制され、得られるリチウム二次電池の放電レート特性が向上する。
要件(1)を充足するMCCは、粒子強度が低いMCCである。粒子強度は、二次粒子中の一次粒子の密度、一次粒子同士の配向、一次粒子間の接触面積、一次粒子間の接着の強さ等の一次粒子の凝集状態に関する複数の因子により決定されると考えられる。また、前記因子は、一次粒子の大きさ、形状等の一次粒子由来の特性にも影響される。例えば、二次粒子中の一次粒子の密度が低いMCCでも、前記その他の因子によっては、MCCの平均粒子強度は45MPa以上となり、前記要件(1)を充足しなくなると考えられる。
要件(1)を充足するMCCの二次粒子を構成する一次粒子、及び二次粒子中の一次粒子の凝集状態の好ましい一例を以下に説明する。
一次粒子としては、充分に成長した異方性の形状を有する一次粒子が好ましい。「異方性の形状」とは、一次粒子の短軸に対する長軸の比であるアスペクト比が1.5以上である形状を意味する。異方性の形状としては例えば、棒状の形状や板状の形状が挙げられる。一次粒子が充分に成長すると、一次粒子が比較的大きくなる。大きい一次粒子は、小さい一次粒子に比べ、単位体積当たりの外表面積が小さくなる。したがって、大きい一次粒子は小さい一次粒子に比べ、一次粒子が凝集する際に、一次粒子同士の接触面積が小さくなりやすいと考えられる。また、一次粒子が異方性の形状を有すると、等方性の形状を有する一次粒子と比較し、二次粒子中の一次粒子の密度が低くなると考えられる。「等方性の形状」とは、一次粒子のアスペクト比が1.5未満である形状を意味する。等方性の形状としては例えば、正多角面体状や球状、略球状形状が挙げられる。
二次粒子から無作為に20個の一次粒子を走査型電子顕微鏡により観察したときに、アスペクト比が1.5以上である一次粒子の個数の割合は、20~100%であることが好ましく、30~95%であることがより好ましく、40~90%であることがさらに好ましい。
二次粒子中の一次粒子の平均粒子径は、20~1500nmであることが好ましく、50~1400nmであることが好ましく、100~1000nmであることがさらに好ましい。一次粒子の粒子径は、一次粒子を走査型電子顕微鏡で観察したときの一次粒子の短軸と長軸の平均を意味する。一つの二次粒子の中から無作為に抽出した20個の一次粒子の粒子径の平均を一次粒子の平均粒子径とすることができる。
二次粒子中の一次粒子の凝集状態としては、一次粒子の密度が低く、一次粒子間の接触面積が小さく、一次粒子間の接着の強さが小さいことが好ましい。このような二次粒子は、粒子強度が低くなりやすく、前記要件(1)を充足しやすい。
また、二次粒子中の一次粒子の凝集状態としては、一次粒子同士の配向がそろっていることが好ましい。このような場合、隣り合う一次粒子同士が滑ることにより、二次粒子の割れが生じやすいため、このような二次粒子は、粒子強度が低くなりやすく、前記要件(1)を充足しやすい。
一次粒子、及び二次粒子中の一次粒子の凝集状態は、走査型電子顕微鏡による観察により確認することができる。
<要件(2)>
MCCのD50は、1.0~4.0μmであり、1.5~4.0μmであることが好ましく、2.0~4.0μmであることがより好ましい。D50が前記範囲の下限値以上であると、得られるCAMのBET比表面積が大きくなりすぎず、電解液との副反応によるガスの発生が抑制される。D50が前記範囲の上限値以下であると、得られるCAMのBET比表面積が小さくなりすぎず、CAM粒子表面の界面抵抗の上昇が抑制され、得られるリチウム二次電池の放電レート特性が向上する。
<要件(3)>
MCCのBET比表面積は、40~100m/gである。BET比表面積は40m/g以上であり、45m/g以上であることが好ましく、55m/g以上であることがより好ましい。BET比表面積は100m/g以下であり、90m/g以下であることが好ましく、80m/g以下であることがより好ましい。
前記下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
例えば、BET比表面積は、45~90m/gであることが好ましく、55~80m/gであることがよりに好ましい。BET比表面積が前記下限値以上であると、得られるCAM粒子表面の界面抵抗の上昇が抑制され、得られるリチウム二次電池の放電レート特性が向上する。BET比表面積が前記上限値以下であると、得られるCAMと電解液との副反応によるガスの発生が抑制される。
本実施形態のMCCは、前記要件(1)~(3)の他、以下の物性を満たすことが好ましい。
前駆体の粒子強度の標準偏差は1.00~9.00であることが好ましい。粒子強度の標準偏差は、1.00以上であることが好ましく、3.00以上であることがより好ましく、5.00以上であることがさらに好ましい。粒子強度の標準偏差は、9.00以下であることが好ましく、8.95以下であることがより好ましく、8.90以下であることがさらに好ましい。
前記下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
例えば、粒子強度の標準偏差は、3.00~8.95であることがより好ましく、5.00~8.90であることがさらに好ましい。粒子強度の標準偏差が前記下限値以上であると、粒子同士の接触による粒子割れが生じにくくハンドリング性が高くなる。粒子強度の標準偏差が前記上限値以下であると、前駆体の均一性が高くなり、得られるCAMを用いた電池のサイクル特性が高くなりやすい。
MCCのタップ密度は、0.50~1.20g/cmであることが好ましい。タップ密度は、0.50g/cm以上であることが好ましく、0.60g/cm以上であることがより好ましく、0.65g/cm以上であることがさらに好ましい。タップ密度は、1.20g/cm以下であることが好ましく、1.10g/cm以下であることがより好ましく、1.00g/cm以下であることがさらに好ましい。
前記下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
例えば、タップ密度は、0.60~1.10g/cmであることがより好ましく、0.65~1.00g/cmであることがさらに好ましい。タップ密度が前記下限値以上であると、得られるCAMのBET比表面積が大きくなりすぎず、電解液との副反応によるガスの発生が抑制される。タップ密度が前記上限値以下であると、得られるCAMのBET比表面積が小さくなりすぎず、CAM粒子表面の界面抵抗の上昇が抑制され、得られるリチウム二次電池の放電レート特性が向上する。
本実施形態において、MCCの結晶構造は、CAMを製造する際に反応が容易に進行する観点から、層状構造を有し、六方晶、斜方晶、単斜晶のいずれかの結晶系に属することが好ましく、六方晶に属することが特に好ましい。
MCCは結晶度が低いことが好ましい。MCCのXRDパターンにおける、2θ=38.5±1°の範囲に観察されるピークの半値幅に対する2θ=19.2±1゜の範囲に観察されるピークの半値幅の比は、0.10~1.00であることが好ましく、0.20~0.90であることがより好ましく、0.30~0.80であることがさらに好ましい。
<組成>
前駆体に含まれるMCCは、Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む。MCCはNiを含むことが好ましく、Ni及びCoを含むことがより好ましく、Ni、Co、及びMnを含むことがさらに好ましい。MCCは、Liを実質的に含まない。Liを実質的に含まないとは、MCCのNi、Co、及びMnの合計のモル数に対するLiのモル数の比が0.1以下であることを意味する。
≪組成式≫
MCCは、下記組成式(I)で表される化合物であることが好ましい。
Ni(1-x-y-w)CoMn(OH)2-α ・・・式(I)
前記組成式(I)中、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0≦w≦0.15、0≦x+y+w<1、0≦z≦3、-0.5≦α≦2、及びα-z<2を満たし、MはFe、Cu、Ti、Mg、Al、Zn、Sn、Zr、Nb、Ga、W、Mo、B、及びSiからなる群より選ばれる1種以上の元素である。
MCCは、下記組成式(I)-1で表される水酸化物であることが好ましい。
Ni(1-x-y-w)CoMn(OH)2-α ・・・式(I)-1
前記組成式(I)-1中、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0≦w≦0.15、0≦x+y+w<1、及び-0.5≦α<2を満たし、MはFe、Cu、Ti、Mg、Al、Zn、Sn、Zr、Nb、Ga、W、Mo、B、及びSiからなる群より選ばれる1種以上の元素である。
wが0超の場合、得られるCAMを用いた電池のサイクル特性が高くなりやすい観点からMはTi、Mg、Al、Zr、Nb、W、Mo、B、及びSiからなる群より選ばれる1種以上の元素であることが好ましく、Al、Zr、Nb、及びWからなる群より選ばれる1種以上の元素であることがより好ましい。
xは、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.03以上が特に好ましい。
またxは、0.44以下が好ましく、0.42以下がより好ましく、0.40以下が特に好ましい。
xの上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
上記組成式(I)又は上記組成式(I)-1は0.01≦x≦0.44を満たすことが好ましく、0.02≦x≦0.42を満たすことがより好ましく、0.03≦x≦0.40を満たすことが特に好ましい。
yは、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.03以上が特に好ましい。
またyは、0.44以下が好ましく、0.42以下がより好ましく、0.40以下が特に好ましい。
yの上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
上記組成式(I)又は上記組成式(I)-1は、0.01≦y≦0.44を満たすことが好ましく、0.02≦y≦0.42を満たすことがより好ましく、0.03≦y≦0.40を満たすことが特に好ましい。
wは、0.001以上が好ましく、0.0015以上がより好ましく、0.002以上が特に好ましい。
またwは、0.12以下が好ましく、0.10以下がより好ましく、0.08以下がさらに好ましく、0.05以下が特に好ましい。また、本発明の一実施形態としては、wが0であることが好ましい。
wの上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
上記組成式(I)又は上記組成式(I)-1は、0.001≦w≦0.12を満たすことが好ましく、0.0015≦w≦0.410満たすことがより好ましく、0.002≦w≦0.08を満たすことがさらに好ましく、0.002≦w≦0.05を満たすことが特に好ましい。
x+y+wは、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、0.3以上が特に好ましい。
また、x+y+wは、0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下が特に好ましい。
x+y+wの上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
上記組成式(I)又は上記組成式(I)-1は、0.1≦x+y+w≦0.9を満たすことが好ましく、0.2≦x+y+w≦0.8を満たすことがより好ましく、0.3≦x+y+w≦0.7を満たすことが特に好ましい。
zは、0.02以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.05以上が特に好ましい。
zは、2.8以下が好ましく、2.6以下がより好ましく、2.4以下が特に好ましい。
上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
上記組成式(I)は0≦z≦2.8を満たすことが好ましく、0.02≦z≦2.8を満たすことがより好ましく、0.03≦z≦2.6を満たすことがさらに好ましく、0.05≦z≦2.4を満たすことが特に好ましい。
本発明の一つの側面としては、組成式(I)は0≦z≦0.5を満たすことが好ましく、0.02≦z≦0.3を満たすことがより好ましく、0.03≦z≦0.2を満たすことがさらに好ましく、0.05≦z≦0.15を満たすことが特に好ましい。
αは、-0.45以上が好ましく、-0.40以上がより好ましく、-0.35以上が特に好ましい。
αは、1.8以下が好ましく、1.6以下がより好ましく、1.4以下が特に好ましい。上記上限値及び下限値は任意に組みわせることができる。
上記組成式(I)又は上記組成式(I)-1は-0.45≦α≦1.8を満たすことが好ましく、-0.40≦α≦1.6を満たすことがより好ましく、-0.35≦α≦1.4を満たすことが特に好ましい。
本実施形態において、上記組成式(I)又は上記組成式(I)-1において、0.01≦x≦0.44、0.01≦y≦0.44、0.001≦w≦0.44、0.1≦x+y+w≦0.9、及び-0.45≦α≦1.8を満たすことが好ましく、上記組成式(I)において、0≦z≦2.8を満たすことが好ましい。
≪金属複合化合物の製造方法≫
本実施形態のMCCの製造方法は、Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の元素の金属塩の溶液と、錯化剤と、アルカリ溶液と、を反応槽に供給して共沈反応を行う反応工程を含む。
前記反応工程において、前記反応槽中の反応溶液に酸素を含むガスを供給し、前記金属塩の溶液に含まれる合計の金属元素量(mol)に対する、酸素の消費量(NL)は、0.3NL/mol以上0.7NL/mol以下である。「NL」とは、標準状態換算の酸素の消費量(L)を意味する。
前記金属塩の溶液と、錯化剤と、アルカリ溶液と、を共沈反応させると、得られるMCCは金属複合水酸化物となる。金属複合水酸化物は、公知のバッチ式共沈殿法又は連続式共沈殿法により製造することが可能である。MCCとして、金属複合酸化物を製造する場合、前記金属複合水酸化物を酸化すればよい。
本実施形態においては、共沈反応により生成した金属複合水酸化物と反応槽中の反応溶液に供給された酸素が反応し、金属複合水酸化物の一部が酸化する。金属複合水酸化物の一次粒子は一般的に板状に成長し、粒子同士が密になることが知られているが、金属複合水酸化物の一部が酸化されながら一次粒子が成長する場合、一次粒子は成長しにくくなる。
すなわち、本実施形態の製造方法で製造されるMCCは、異方性の形状を有しやすくなる。また、一次粒子が異方性の形状を有すると、等方性の形状を有する一次粒子と比較し、二次粒子中の一次粒子の密度が低くなると考えられる。結果として、MCCは、要件(1)を充足しやすくなる。
上述の金属塩の溶液に含まれる合計の金属元素量に対する、酸素の消費量(以下、「O/Me」ともいう。)は、0.3NL/mol以上であることが好ましく、0.35NL/mol以上であることがより好ましく、0.38NL/mol以上であることがさらに好ましい。O/Meは、0.7NL/mol以下であることが好ましく、0.65NL/mol以下であることがより好ましく、0.60NL/以下であることがさらに好ましい。
前記下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
例えば、O/Meは、0.35~0.65NL/molであることがより好ましく、0.38~0.60NL/molであることがさらに好ましい。
/Meが前記下限値以上であると、金属複合水酸化物の一部が酸化されやすくなり、一次粒子が異方性の形状を有しやすくなり、上述の効果により、要件(1)を充足しやすくなる。O/Meが前記上限値以下であると、得られるCAMのBET比表面積が大きくなりすぎず、電解液との副反応によるガスの発生が抑制される。
バッチ式共沈殿法、連続式共沈殿法それぞれにおけるO/Meの測定方法は以下の通りである。
バッチ式共沈殿法の場合、バッチ式反応器に金属塩の溶液、錯化剤、及びアルカリ溶液を仕込み、酸素を含むガスを流通させながら反応を行う。また、反応開始後pHを調整するために、適宜アルカリ溶液を滴下する。バッチ式反応器に仕込んだ金属塩の溶液に含まれる合計の金属元素量(mol)を算出する。また、酸素を含むガス中の酸素の供給速度(供給O)(NL/min)を算出する。さらに、反応槽から排出されるガス中の酸素の排出速度(排出O)(NL/min)を算出する。供給O-排出Oを計算し、酸素の消費速度(NL/min)とする。そして、酸素の消費速度に反応時間(min)を乗じることにより、酸素の消費量(NL)を求める。そして、得られた酸素の消費量を上述の金属塩の溶液に含まれる合計の金属元素量で除することにより、O/Meを求めることができる。
連続式共沈殿法の場合、反応槽に金属塩の溶液、錯化剤、アルカリ溶液、及び酸素を含むガスを連続的に供給し、連続式で反応を行う。金属塩の溶液に含まれる合計の金属元素量の供給速度(mol/min)を算出する。また、酸素を含むガス中の酸素の供給速度(供給O)(NL/min)を算出する。さらに、反応槽から排出されるガス中の酸素の排出速度(排出O)(NL/min)を算出する。供給O-排出Oを計算し、酸素の消費速度(NL/min)とする。そして、得られた酸素の消費速度を上述の金属塩の溶液に含まれる合計の金属元素量の供給速度で除することにより、O/Meを求めることができる。
上述の供給O及び排出Oを求める上での酸素量の分析は、例えば飯島電子工業株式会社製、低濃度酸素濃度分析計(PS-800-L)で行うことができる。
以下、連続式共沈殿法を用いたNi、Co、及びMnを含むMCCの製造方法を一例として説明する。具体的には、JP-A-2002-201028に記載された連続式共沈殿法により、ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、マンガン塩溶液、錯化剤、及びアルカリ溶液を反応させ、Ni(1-x’-y’)Cox’Mny’(OH)で表される金属複合水酸化物を製造する。例えば、前記組成式(I)及び前記組成式(I)-1で表されるMCCを製造する場合、x’、y’は前記組成式(I)及び前記組成式(I)-1におけるx、yにそれぞれ対応させる。
ニッケル塩溶液の溶質であるニッケル塩としては、特に限定されないが、例えば硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル及び酢酸ニッケルのうちの少なくとも1種を使用することができる。
コバルト塩溶液の溶質であるコバルト塩としては、例えば硫酸コバルト、硝酸コバルト、塩化コバルト及び酢酸コバルトのうちの少なくとも1種を使用することができる。
マンガン塩溶液の溶質であるマンガン塩としては、例えば硫酸マンガン、硝酸マンガン、塩化マンガン及び酢酸マンガンのうちの少なくとも1種を使用することができる。
なお、Ni、Co、及びMn以外の金属元素を含むMCCを製造する場合も、当該金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物、又は酢酸塩を溶質として使用することができる。
以上の金属塩は、前記Ni(1-x’-y’)Cox’Mny’(OH)の組成比に対応する割合で用いられる。すなわち、上記金属塩を含む混合溶液中におけるNi、Co及びMnのモル比が、前記組成式の(1-x’-y’):x’:y’と対応するように各金属塩の量を規定する。また、溶媒として水が使用される。
錯化剤としては、水溶液中で、ニッケルイオン、コバルトイオン及びマンガンイオンと錯体を形成可能なものであり、例えば、水酸化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、又は弗化アンモニウム等のアンモニウムイオン供給体、ヒドラジン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸及びウラシル二酢酸及びグリシンが挙げられ、アンモニウムイオン供給体が好ましい。
ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、マンガン塩溶液、及び錯化剤を含む混合液に含まれる錯化剤の量は、例えば金属塩(ニッケル塩、コバルト塩、及びマンガン塩)のモル数の合計に対するモル比が0より大きく2.0以下であることが好ましい。
錯化剤として、アンモニウムイオン供給体を使用する場合、反応槽内の溶液の総体積に対するアンモニア濃度は、1.0~3.0g/Lであることが好ましく、1.5~2.5g/Lであることがさらに好ましい。アンモニア濃度が前記範囲内にあると要件(2)及び要件(3)を充足しやすい。
共沈殿法に際しては、ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、マンガン塩溶液、及び錯化剤を含む混合液のpH値を調整するため、混合液のpHがアルカリ性から中性になる前に、混合液にアルカリ溶液を添加する。アルカリ溶液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物の水溶液である。また、アルカリ金属水酸化物とは、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。
なお、本明細書におけるpHの値は、混合液の温度が40℃の時に測定された値であると定義する。混合液のpHは、反応槽からサンプリングした混合液の温度が、40℃になったときに測定する。サンプリングした混合液が40℃未満である場合には、混合液を40℃まで加温してpHを測定する。サンプリングした混合液が40℃を超える場合には、混合液を40℃まで冷却してpHを測定する。
上記ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、及びマンガン塩溶液のほか、錯化剤を反応槽に連続して供給すると、Ni、Co及びMnが反応し、Ni(1-x’-y’)Cox’Mny’(OH)が生成する。
反応温度は、20℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましく、40℃以上であることがさらに好ましい。反応温度は、80℃以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましく、60℃以下であることがさらに好ましい。
前記下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
例えば、反応温度は、20~80℃であることが好ましく、30~70℃であることがより好ましく、40~60℃がさらに好ましい。反応温度が前記下限値以上であると、一次粒子が充分に成長しやすい。また、金属複合水酸化物と酸素の反応が進行しやすくなる。反応温度が前記上限値以下であると、酸素が反応槽中の反応溶液に溶解しやすくなる。
すなわち、反応温度が前記範囲内であると、金属複合水酸化物の一部が酸化されやすく、一次粒子が異方性の形状を有しやすくなり、上述の効果により、要件(1)を充足しやすくなる。
反応槽内のpH値は、9.0以上であることが好ましく、10.0以上であることがより好ましく、11.0以上であることがさらに好ましい、pH値は、13.0以下であることが好ましく、12.7以下であることがより好ましく、12.4以下であることがさらに好ましい。
前記下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
例えば、pH値は、9.0~13であることが好ましく、10.0~12.7であることがより好ましく、11.0~12.4であることがさらに好ましい。pH値が前記範囲内であると、前記要件(2)を充足するMCCが得られやすい。
反応槽内で形成された反応沈殿物を撹拌しながら中和する。反応沈殿物の中和の時間は、例えば1~20時間である。
撹拌は、撹拌翼を有する回転型の撹拌装置で行うことが好ましい。撹拌を行うことにより、酸素が反応槽中の反応溶液に取り込まれやすくなる。
撹拌動力は、1.0kw/m以上であることが好ましく、1.3kw/m以上であることがより好ましく、1.6kw/m以上であることがさらに好ましい。撹拌動力は、4.0kw/m以下であることが好ましく、3.0kw/m以下であることがより好ましく、2.5kw/m以下であることがさらに好ましい。
前記下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
例えば、撹拌動力は、1.0~4.0kw/mであることが好ましく、1.3~3.0kw/mであることがより好ましく、1.6~2.5kw/mであることがさらに好ましい。撹拌動力が前記範囲内であると、酸素が反応槽中の反応溶液により取り込まれやすくなる。結果として、金属複合水酸化物の一部が酸化されやすく、一次粒子が異方性の形状を有しやすくなり、上述の効果により、要件(1)を充足しやすくなる。
連続式共沈殿法で用いる反応槽は、形成された反応沈殿物を分離するためオーバーフローさせるタイプの反応槽を用いることができる。
バッチ式共沈殿法により金属複合水酸化物を製造する場合、反応槽としては、オーバーフローパイプを備えない反応槽、及びオーバーフローパイプに連結された濃縮槽を備え、オーバーフローした反応沈殿物を濃縮槽で濃縮し、再び反応槽へ循環させる機構を有する装置等が挙げられる。
上述した通り、反応槽中の反応溶液に酸素を含むガスを供給する。ガスの総体積に対する酸素の含有量は10~100体積%であることが好ましく、15~90体積%であることがより好ましい。前記ガス中の酸素以外のガスとしては、窒素、アルゴン又は二酸化炭素等の不活性ガスが例として挙げられる。酸素を含むガスとして、空気を使用することができる。
酸素を含むガスは、反応槽中の反応溶液にバブリングすることにより供給することが好ましい。
上述したO/Me、反応温度、撹拌回転数は、得られるMCCの粒子強度に大きく影響する。このため、前記要件(1)を充足するために、各種条件を適宜調整することが好ましい。
本実施形態においては、O/Meを0.3~0.7NL/molとし、反応温度を20~80℃とし、撹拌動力を1.0~4.0kw/mとすることが好ましく、O/Meを0.35~0.65NL/molとし、反応温度を30~70℃とし、撹拌動力を1.0~4.0kw/mとすることがより好ましい。
このような反応条件とすることで、前記要件(1)を充足するMCCが得られやすくなる。
以上の反応後、中和された反応沈殿物を水で洗浄した後に、単離する。単離には、例えば反応沈殿物を含むスラリー(つまり、共沈物スラリー)を遠心分離や吸引ろ過などで脱水する方法が用いられる。
単離された反応沈殿物を洗浄、脱水、乾燥及び篩別し、Ni、Co及びMnを含む金属複合水酸化物が得られる。
反応沈殿物の洗浄は、水、弱酸水、アルカリ性洗浄液で行うことが好ましい。本実施形態においては、アルカリ性洗浄液で洗浄することが好ましく、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液で洗浄することがより好ましい。
反応沈殿物の質量に対して10質量倍以上の水、弱酸水、アルカリ性洗浄液で洗浄することが好ましい。また、使用する水、弱酸水、アルカリ性洗浄液の温度は30℃以上とすることが好ましい。さらに、洗浄は1回以上行うことが好ましい。
なお、水以外の溶液で洗浄を行った後は、さらに水で洗浄を行い、前記溶液由来の化合物が反応沈殿物に残存しないようにすることが好ましい。
乾燥温度は、80~250℃であることが好ましく、90~230℃であることがより好ましい。乾燥時間は0.5~30時間であることが好ましく、1~25時間であることが好ましい。乾燥圧力は、常圧、減圧でもよい。
MCCとして金属複合酸化物を製造する場合、金属複合水酸化物を加熱して金属複合酸化物とすればよい。具体的には、金属複合水酸化物を400~700℃で加熱する。必要ならば複数の加熱工程を実施してもよい。本明細書における加熱温度とは、加熱装置の設定温度を意味する。複数の加熱工程を有する場合、各加熱工程のうち、最高保持温度で加熱した際の温度を意味する。
加熱温度は、400~700℃であることが好ましく、450~680℃であることがより好ましい。加熱温度が400~700℃であると、金属複合水酸化物が十分に酸化され、かつ適切な範囲のBET比表面積を有する金属複合酸化物が得られる。加熱温度が前記範囲の下限値以上であると、金属複合水酸化物が充分に酸化される。加熱温度が前記範囲の上限値以下であると、金属複合水酸化物の過剰な酸化が抑制され、金属複合酸化物のBET比表面積の低下が抑制される。
前記加熱温度で保持する時間は、0.1~20時間が挙げられ、0.5~10時間が好ましい。前記加熱温度までの昇温速度は、例えば、50~400℃/時間である。また、加熱雰囲気としては、大気、酸素、窒素、アルゴン又はこれらの混合ガスを用いることができる。
加熱装置内は、適度な酸素含有雰囲気であってもよい。酸素含有雰囲気は、不活性ガスと酸化性ガスとの混合ガス雰囲気であってもよく、不活性ガス雰囲気下で酸化剤を存在させた状態であってもよい。加熱装置内が適度な酸素含有雰囲気であることにより、金属複合水酸化物に含まれる遷移金属が適度に酸化され、金属複合酸化物の形態を制御しやすくなる。
酸素含有雰囲気中の酸素や酸化剤は、遷移金属を酸化させるために十分な酸素原子が存在すればよい。
酸素含有雰囲気が不活性ガスと酸化性ガスとの混合ガス雰囲気である場合、加熱装置内の雰囲気の制御は、加熱装置内に酸化性ガスを通気させる又は混合液に酸化性ガスをバブリングするなどの方法で行うことができる。
酸化剤として、過酸化水素などの過酸化物、過マンガン酸塩などの過酸化物塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、硝酸、ハロゲン又はオゾンなどを使用できる。
以上の工程により、MCCを製造することができる。
≪リチウム二次電池用正極活物質の製造方法≫
本実施形態のCAMの製造方法は、MCCと、リチウム化合物と、を混合する混合工程と、得られた混合物を酸素含有雰囲気下、500℃以上1000℃以下の温度で焼成する焼成工程を有する。前記方法によってCAMを製造することができる。
CAMの製造方法には、上述した本実施形態のMCCを用いる。
[混合工程]
MCCと、リチウム化合物と、を混合する。
本実施形態に用いるリチウム化合物は、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、水酸化リチウム(水和物を含む)、酸化リチウム、塩化リチウム及びフッ化リチウムの少なくとも何れか一つを使用することができる。これらの中では、水酸化リチウム及び炭酸リチウムのいずれか一方又はその混合物が好ましい。また、水酸化リチウムを含む原料(試薬等)が炭酸リチウムを含む場合には、水酸化リチウム中の炭酸リチウムの含有量は、5質量%以下であることが好ましい。
リチウム化合物とMCCとを、最終目的物の組成比を勘案して混合し、リチウム化合物とMCCとの混合物を得る。MCCに含まれる金属の合計量1に対するリチウムの量(モル比)は、0.98~1.20が好ましく、1.04~1.10がより好ましく、1.05~1.10が特に好ましい。
[焼成工程]
得られた混合物を酸素含有雰囲気下、500℃以上1000℃以下の焼成温度で焼成する。混合物を焼成することにより、CAMの結晶が成長する。
本明細書における焼成温度とは、焼成炉内の雰囲気の温度であって、保持温度の最高温度(最高保持温度)を意味する。
焼成工程が、複数の焼成段階を有する場合、焼成温度とは、各焼成段階のうち最高保持温度で加熱した際の温度を意味する。
焼成温度は、例えば700~1000℃であることが好ましく、750~970℃であることがより好ましく、800~950℃であることが特に好ましい。焼成温度が前記範囲の下限値であると、強固な結晶構造を有するCAMを得ることができる。また、焼成温度が前記範囲の上限値であると、CAMの粒子表面のリチウムイオンの揮発を低減できる。
焼成における保持時間は、3~50時間が好ましく、4~20時間がより好ましい。焼成における保持時間が前記範囲の上限値であると、リチウムイオンの揮発が抑制され、電池性能の低下が抑制される。焼成における保持時間が前記範囲の下限値であると、結晶の発達が促進され、電池性能の低下が抑制される。
本実施形態において、最高保持温度に達する焼成工程の昇温速度は80℃/時間以上が好ましく、100℃/時間以上がより好ましく、150℃/時間以上が特に好ましい。最高保持温度に達する加熱工程の昇温速度は、焼成装置において、昇温を開始した時間から保持温度に到達するまでの時間から算出される。
焼成工程は、焼成温度が異なる複数の焼成段階を有することが好ましい。例えば、第1の焼成段階と、第1の焼成段階よりも高温で焼成する第2の焼成段階を有することが好ましい。さらに焼成温度及び焼成時間が異なる焼成段階を有していてもよい。
焼成雰囲気として、所望の組成に応じて大気、酸素、窒素、アルゴン又はこれらの混合ガス等が用いられ、必要ならば複数の焼成工程が実施される。焼成雰囲気は、酸素含有雰囲気が好ましい。
MCCとリチウム化合物との混合物は、不活性溶融剤の存在下で焼成されてもよい。不活性溶融剤は、CAMを使用した電池の初期容量が損なわれない程度に添加され、焼成物に残留してもよい。不活性溶融剤としては、例えばWO2019/177032A1に記載のものを使用することができる。
焼成時に用いる焼成装置は、特に限定されず、例えば、連続焼成炉又は流動式焼成炉の何れを用いて行ってもよい。連続焼成炉としては、トンネル炉又はローラーハースキルンが挙げられる。流動式焼成炉としては、ロータリーキルンを用いてもよい。
以上のようにMCCとリチウム化合物との混合物を焼成することによりCAMが得られる。
<リチウム二次電池>
本実施形態の製造方法により製造されるCAMを用いる場合に好適なリチウム二次電池用正極について説明する。以下、リチウム二次電池用正極を正極と称することがある。
さらに、正極の用途として好適なリチウム二次電池について説明する。
本実施形態の製造方法により製造されるCAMを用いる場合の好適なリチウム二次電池の一例は、正極及び負極、正極と負極との間に挟持されるセパレータ、正極と負極との間に配置される電解液を有する。
図1は、リチウム二次電池の一例を示す模式図である。例えば円筒型のリチウム二次電池10は、次のようにして製造する。
まず、図1の部分拡大図に示すように、帯状を呈する一対のセパレータ1、一端に正極リード21を有する帯状の正極2、及び一端に負極リード31を有する帯状の負極3を、セパレータ1、正極2、セパレータ1、負極3の順に積層し、巻回することにより電極群4とする。
正極2は、一例として、CAMを含む正極活物質層2aと、正極活物質層2aが一面に形成された正極集電体2bとを有する。このような正極2は、まずCAM、導電材及びバインダーを含む正極合剤を調製し、正極合剤を正極集電体2bの一面に担持させて正極活物質層2aを形成することで製造できる。
負極3は、一例として、不図示の負極活物質を含む負極合剤が負極集電体に担持されてなる電極、及び負極活物質単独からなる電極を挙げることができ、正極2と同様の方法で製造できる。
次いで、電池缶5に電極群4及び不図示のインシュレーターを収容した後、缶底を封止し、電極群4に電解液6を含浸させ、正極2と負極3との間に電解質を配置する。さらに、電池缶5の上部をトップインシュレーター7及び封口体8で封止することで、リチウム二次電池10を製造することができる。
電極群4の形状としては、例えば、電極群4を巻回の軸に対して垂直方向に切断したときの断面形状が、円、楕円、長方形又は角を丸めた長方形となるような柱状の形状を挙げることができる。
また、このような電極群4を有するリチウム二次電池の形状としては、国際電気標準会議(IEC)が定めた電池に対する規格であるIEC60086、又はJIS C 8500で定められる形状を採用することができる。例えば、円筒型又は角型などの形状を挙げることができる。
さらに、リチウム二次電池は、上記巻回型の構成に限らず、正極、セパレータ、負極、セパレータの積層構造を繰り返し重ねた積層型の構成であってもよい。積層型のリチウム二次電池としては、いわゆるコイン型電池、ボタン型電池、又はペーパー型(又はシート型)電池を例示することができる。
リチウム二次電池を構成する正極、セパレータ、負極及び電解液については、例えば、WO2022/113904A1の[0113]~[0140]に記載の構成、材料及び製造方法を用いることが出来る。
<全固体リチウム二次電池>
本実施形態の製造方法により製造されるCAMは、全固体リチウム二次電池に用いることができる。
図2は、全固体リチウム二次電池の一例を示す模式図である。図2に示す全固体リチウム二次電池1000は、正極110と、負極120と、固体電解質層130とを有する積層体100と、積層体100を収容する外装体200と、を有する。また、全固体リチウム二次電池1000は、集電体の両側にCAMと負極活物質とを配置したバイポーラ構造であってもよい。バイポーラ構造の具体例として、例えば、JP-A-2004-95400に記載される構造が挙げられる。
正極110は、正極活物質層111と正極集電体112とを有している。正極活物質層111は、上述したCAM及び固体電解質を含む。また、正極活物質層111は、導電材及びバインダーを含んでいてもよい。
負極120は、負極活物質層121と負極集電体122とを有している。負極活物質層121は、負極活物質を含む。また、負極活物質層121は、固体電解質及び導電材を含んでいてもよい。
積層体100は、正極集電体112に接続される外部端子113と、負極集電体122に接続される外部端子123と、を有していてもよい。その他、全固体リチウム二次電池1000は、正極110と負極120との間にセパレータを有していてもよい。
全固体リチウム二次電池1000は、さらに積層体100と外装体200とを絶縁する不図示のインシュレーター及び外装体200の開口部200aを封止する不図示の封止体を有する。
外装体200は、アルミニウム、ステンレス鋼又はニッケルメッキ鋼などの耐食性の高い金属材料を成形した容器を用いることができる。また、外装体200として、少なくとも一方の面に耐食加工を施したラミネートフィルムを袋状に加工した容器を用いることもできる。
全固体リチウム二次電池1000の形状としては、例えば、コイン型、ボタン型、ペーパー型(またはシート型)、円筒型、角型、又はラミネート型(パウチ型)などの形状を挙げることができる。
全固体リチウム二次電池1000は、一例として積層体100を1つ有する形態が図示されているが、本実施形態はこれに限らない。全固体リチウム二次電池1000は、積層体100を単位セルとし、外装体200の内部に複数の単位セル(積層体100)を封じた構成であってもよい。
全固体リチウム二次電池については、例えば、WO2022/113904A1の[0141]~[0181]に記載の構成、材料及び製造方法を用いることができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<MCCの各種パラメータの測定>
後述の方法で製造されるMCCの各種パラメータの測定は、上述の(平均粒子強度)、(粒子強度の標準偏差)、(平均粒子径D50)、(組成)、(BET比表面積)、(タップ密度)で説明した測定方法等により行った。
<5CA/1CA放電容量比率の測定>
リチウム二次電池の5CA/1CA放電容量比率は、上述の(放電レート特性)で説明した測定方法等により行った。5CA/1CA放電容量比率が90%以上の場合、放電レート特性が高いと評価する。なお、表1中、5CA/1CA放電容量比率を「5C」と表記する。
[実施例1]
撹拌翼を有する回転型の撹拌装置及びオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を50℃(反応温度)に保持した。
硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、硫酸マンガン水溶液、及び硫酸ジルコニウム水溶液をNi:Co:Mn:Zrのモル比が33.8:35.8:29.9:0.5になるように混合して、混合原料液1を調製した。
酸素を含むガスの連続供給下、反応槽内に、撹拌下、混合原料液1及び硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加した。反応槽内の溶液のpHが12.20(測定温度:40℃)になるように水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、槽内アンモニウム濃度が2.0g/Lとなるように硫酸アンモニウム水溶液の滴下速度を調整し、反応沈殿物1を得た。なお、攪拌動力は2.2kw/mであり、O/Meは0.54NL/molであった。
反応沈殿物1の質量に対して、20倍の質量の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:5質量%)を用いて、反応沈殿物1の洗浄を行った。洗浄後、フィルタープレスで脱水し、水で洗浄、脱水、単離して、105℃で20時間乾燥することにより、Ni、Co、Mn、及びZrを含む金属複合水酸化物1を得た。金属複合水酸化物1の各種パラメータについて表1に示す(以下、実施例2、3、比較例1、2も同様に示す。)。なお、表1の組成の1-x-y-w、x、y、wは前記組成式(I)-1に対応する値である。
金属複合水酸化物1に含まれるNi、Co、Mn及びZrの合計量1に対するLiの量(モル比)が1.17となるように炭酸リチウムを秤量した。金属複合酸化物1と炭酸リチウムを混合して混合物1を得た。
次いで、得られた混合物1を、大気雰囲気下、920℃、5時間で焼成し、粉末1を得た。得られた粉末1と液温を5℃に調整した純水とを、全体量に対して上記粉末1の質量の割合が0.3になるように混合し作製したスラリーを20分間撹拌させた後、脱水し、さらに上記粉末1の2倍の質量の液温を5℃に調整した純水でリンス後、単離し、150℃で乾燥することでCAM1を得た。
得られたCAM1を用いて、リチウム二次電池を作製し、5CA/1CA放電容量比率の測定を行った。結果を表1に示す(以下、実施例2、3、比較例1、2も同様に示す。同様に示す。)。
[実施例2]
撹拌翼を有する回転型の撹拌装置及びオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を50℃(反応温度)に保持した。
硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、硫酸マンガン水溶液、及び硫酸ジルコニウム水溶液をNi:Co:Mn:Zrのモル比が33.8:35.8:29.9:0.5になるように混合して、混合原料液2を調製した。
酸素を含むガスの連続供給下、反応槽内に、撹拌下、混合原料液2及び硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加した。反応槽内の溶液のpHが12.20(測定温度:40℃)になるように水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、槽内アンモニウム濃度が2.0g/Lとなるように硫酸アンモニウム水溶液の滴下速度を調整し、反応沈殿物2を得た。なお、攪拌動力は1.8kw/mであり、O/Meは0.47NL/molであった。
反応沈殿物2の質量に対して、20倍の質量の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:5質量%)を用いて、反応沈殿物2の洗浄を行った。洗浄後、フィルタープレスで脱水し、水で洗浄、脱水、単離して、105℃で20時間乾燥することにより、Ni、Co、Mn、及びZrを含む金属複合水酸化物2を得た。
金属複合水酸化物2に含まれるNi、Co、Mn及びZrの合計量1に対するLiの量(モル比)が1.17となるように炭酸リチウムを秤量した。金属複合酸化物2と炭酸リチウムを混合して混合物2を得た。
次いで、得られた混合物2を、大気雰囲気下、920℃、5時間で焼成し、粉末2を得た。得られた粉末2と液温を5℃に調整した純水とを、全体量に対して上記粉末2の質量の割合が0.3になるように混合し作製したスラリーを20分間撹拌させた後、脱水し、さらに上記粉末2の2倍の質量の液温を5℃に調整した純水でリンス後、単離し、150℃で乾燥することでCAM2を得た。
得られたCAM2を用いて、リチウム二次電池を作製し、5CA/1CA放電容量比率の測定を行った。
[実施例3]
撹拌翼を有する回転型の撹拌装置及びオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を50℃(反応温度)に保持した。
硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、及び硫酸マンガン水溶液をNi:Co:Mnのモル比が31.5:33:35.5になるように混合して、混合原料液3を調製した。
酸素を含むガスの連続供給下、反応槽内に、撹拌下、混合原料液3及び硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加した。反応槽内の溶液のpHが12.20(測定温度:40℃)になるように水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、槽内アンモニウム濃度が2.0g/Lとなるように硫酸アンモニウム水溶液の滴下速度を調整し、反応沈殿物3を得た。なお、攪拌動力は1.8kw/mであり、O/Meは0.39NL/molであった。
反応沈殿物3の質量に対して、20倍の質量の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:5質量%)を用いて、反応沈殿物3の洗浄を行った。洗浄後、フィルタープレスで脱水し、水で洗浄、脱水、単離して、105℃で20時間乾燥することにより、Ni、Co、及びMnを含む金属複合水酸化物3を得た。
金属複合水酸化物3に含まれるNi、Co、及びMnの合計量1に対するLiの量(モル比)が1.17となるように炭酸リチウムを秤量した。金属複合酸化物3と炭酸リチウムを混合して混合物3を得た。
次いで、得られた混合物3を、大気雰囲気下、920℃、5時間で焼成し、粉末3を得た。得られた粉末3と液温を5℃に調整した純水とを、全体量に対して上記粉末3の質量の割合が0.3になるように混合し作製したスラリーを20分間撹拌させた後、脱水し、さらに上記粉末3の2倍の質量の液温を5℃に調整した純水でリンス後、単離し、150℃で乾燥することでCAM3を得た。
得られたCAM3を用いて、リチウム二次電池を作製し、5CA/1CA放電容量比率の測定を行った。
[比較例1]
撹拌翼を有する回転型の撹拌装置及びオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を50℃(反応温度)に保持した。
硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、硫酸マンガン水溶液、及び硫酸ジルコニウム水溶液をNi:Co:Mn:Zrのモル比が33.8:35.8:29.9:0.5になるように混合して、混合原料液4を調製した。
酸素を含むガスの連続供給下、反応槽内に、撹拌下、混合原料液4及び硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加した。反応槽内の溶液のpHが12.20(測定温度:40℃)になるように水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、槽内アンモニウム濃度が2.0g/Lとなるように硫酸アンモニウム水溶液の滴下速度を調整し、反応沈殿物4を得た。なお、攪拌動力は1.5kw/mであり、O/Meは0.15NL/molであった。
反応沈殿物4の質量に対して、20倍の質量の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:5質量%)を用いて、反応沈殿物4の洗浄を行った。洗浄後、フィルタープレスで脱水し、水で洗浄、脱水、単離して、105℃で20時間乾燥することにより、Ni、Co、Mn、及びZrを含む金属複合水酸化物4を得た。
金属複合水酸化物4に含まれるNi、Co、Mn及びZrの合計量1に対するLiの量(モル比)が1.17となるように炭酸リチウムを秤量した。金属複合酸化物4と炭酸リチウムを混合して混合物4を得た。
次いで、得られた混合物4を、大気雰囲気下、920℃、5時間で焼成し、粉末4を得た。得られた粉末4と液温を5℃に調整した純水とを、全体量に対して上記粉末4の質量の割合が0.3になるように混合し作製したスラリーを20分間撹拌させた後、脱水し、さらに上記粉末4の2倍の質量の液温を5℃に調整した純水でリンス後、単離し、150℃で乾燥することでCAM4を得た。
得られたCAM4を用いて、リチウム二次電池を作製し、5CA/1CA放電容量比率の測定を行った。
[比較例2]
撹拌翼を有する回転型の撹拌装置及びオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を50℃(反応温度)に保持した。
硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、硫酸マンガン水溶液、及び硫酸ジルコニウム水溶液をNi:Co:Mn:Zrのモル比が33.8:35.8:29.9:0.5になるように混合して、混合原料液5を調製した。
窒素流通下、反応槽内に、撹拌下、混合原料液5及び硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加した。反応槽内の溶液のpHが12.20(測定温度:40℃)になるように水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、槽内アンモニウム濃度が2.0g/Lとなるように硫酸アンモニウム水溶液の滴下速度を調整し、反応沈殿物5を得た。なお、攪拌動力は1.5kw/mであった。
反応沈殿物5の質量に対して、20倍の質量の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:5質量%)を用いて、反応沈殿物5の洗浄を行った。洗浄後、フィルタープレスで脱水し、水で洗浄、脱水、単離して、105℃で20時間乾燥することにより、Ni、Co、Mn、及びZrを含む金属複合水酸化物5を得た。
金属複合水酸化物5に含まれるNi、Co、Mn及びZrの合計量1に対するLiの量(モル比)が1.17となるように炭酸リチウムを秤量した。金属複合酸化物5と炭酸リチウムを混合して混合物5を得た。
次いで、得られた混合物5を、大気雰囲気下、920℃、5時間で焼成し、粉末5を得た。得られた粉末5と液温を5℃に調整した純水とを、全体量に対して上記粉末5の質量の割合が0.3になるように混合し作製したスラリーを20分間撹拌させた後、脱水し、さらに上記粉末5の2倍の質量の液温を5℃に調整した純水でリンス後、単離し、150℃で乾燥することでCAM5を得た。
得られたCAM5を用いて、リチウム二次電池を作製し、5CA/1CA放電容量比率の測定を行った。
Figure 2024011934000001
要件(1)~(3)を充足する実施例1~3のMCCが前駆体であるリチウム二次電池用正極活物質を用いたリチウム二次電池では、放電レート特性が高くなることがわかった。
1…セパレータ、2…正極、2a…正極活物質層、2b…正極集電体、3…負極、4…電極群、5…電池缶、6…電解液、7…トップインシュレーター、8…封口体、10…リチウム二次電池、21…正極リード、31…負極リード、100…積層体、110…正極、111…正極活物質層、112…正極集電体、113…外部端子、120…負極、121…負極活物質層、122…負極集電体、123…外部端子、130…固体電解質層、200…外装体、200a…開口部、1000…全固体リチウム二次電池

Claims (8)

  1. リチウム二次電池用正極活物質の前駆体として用いられる金属複合化合物であって、
    Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含み、
    下記要件(1)~(3)をすべて満たす金属複合化合物。
    (1)平均粒子強度が、10MPa以上45MPa未満である。
    (2)平均粒子径D50が、1.0μm以上4.0μm以下である。
    (3)BET比表面積が40m/g以上100m/g以下である。
  2. 下記組成式(I)で表される、請求項1に記載の金属複合化合物。
    Ni(1-x-y-w)CoMn(OH)2-α ・・・式(I)
    (前記組成式(I)中は、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0≦w≦0.15、0≦x+y+w<1、0≦z≦3、-0.5≦α≦2、及びα-z<2を満たし、MはFe、Cu、Ti、Mg、Al、Zn、Sn、Zr、Nb、Ga、W、Mo、B、及びSiからなる群より選ばれる1種以上の元素である。)
  3. 粒子強度の標準偏差が1.00以上9.00以下である、請求項1又は2に記載の金属複合化合物。
  4. タップ密度が0.50g/cm以上1.20g/cm以下である、請求項1又は2に記載の金属複合化合物。
  5. Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の元素の金属塩の溶液と、錯化剤と、アルカリ溶液と、を反応槽に供給して共沈反応を行う反応工程を含む、金属複合化合物の製造方法であって、
    前記反応工程において、前記反応槽中の反応溶液に酸素を含むガスを供給し、前記金属塩の溶液に含まれる合計の金属元素量(mol)に対する、酸素の消費量(NL)が、0.3NL/mol以上0.7NL/mol以下である、金属複合化合物の製造方法。
  6. 前記反応工程における、反応温度が20℃以上80℃以下である、請求項5に記載の金属複合化合物の製造方法。
  7. 前記反応工程において、前記反応槽中の反応溶液を回転型の撹拌装置で撹拌し、撹拌動力が1.0kw/m以上4.0kw/m以下である、請求項5又は6に記載の金属複合化合物の製造方法。
  8. 請求項1又は2に記載の金属複合化合物と、リチウム化合物と、を混合する混合工程と、得られた混合物を酸素含有雰囲気下、500℃以上1000℃以下の温度で焼成する焼成工程を有する、リチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
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