JP2024003672A - インダクタ部品、及びインダクタ部品の製造方法 - Google Patents

インダクタ部品、及びインダクタ部品の製造方法 Download PDF

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昌行 米田
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Abstract

【課題】インダクタ部品と、他の電子部品と、の干渉を抑制する。【解決手段】第1端面11Cに垂直な方向での、第1端面11Cから第1被覆電極71の表面までの距離を、第1被覆電極71の厚みとする。第1端面11Cの幾何中心Cを通り第1主面11Aに垂直な第2仮想線VL2上において、第1被覆電極71の厚みが最大となる箇所が、第1端面11Cの幾何中心Cよりも第1主面11A側にずれている。【選択図】図4

Description

本発明は、インダクタ部品、及びインダクタ部品の製造方法に関する。
特許文献1に記載のインダクタ部品は、素体と、インダクタ配線と、第1被覆電極と、第2被覆電極と、を備えている。素体は、6つの外面を有する直方体状である。インダクタ配線は、素体の内部で延びている。素体は、第1電極と、第2電極と、を有している。第1電極は、インダクタ配線の第1端に接続している。第2電極は、インダクタ配線の第2端に接続している。素体の外面のうちの1つを主面とし、主面に垂直な面の1つを第1端面とし、第1端面に平行な面を第2端面とし、主面及び第1端面のいずれにも垂直な面の1つを底面とする。この場合、第1電極は、底面から第1端面にかけての領域で素体の外部に露出している。第2電極は、底面から第2端面にかけての領域で素体の外部に露出している。そして、第1被覆電極は、第1電極の表面を覆っている。第2被覆電極は、第2電極の表面を覆っている。
特開2021-27250号公報
特許文献1に記載のようなインダクタ部品は、他の電子部品と隣り合って、基板上に配置される。ここで、第1端面上において第1被覆電極の厚みが均一であるとは限らず、第1被覆電極が、部分的に第1端面が向く方向に突出していることがある。そして、第1被覆電極が過度に突出していると、第1端面と向かい合うように配置される他の電子部品に干渉することがある。このような干渉を避けるためには、インダクタ部品と他の電子部品との間に相当なスペースを確保せざるを得ない。したがって、インダクタ部品及び他の電子部品の高密度な実装の妨げとなっている。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、6つの外面を有する直方体状の素体と、前記素体の内部で延びているインダクタ配線と、前記外面のうちの1つの面である底面を被覆し、前記インダクタ配線の第1端に電気的に接続された第1被覆電極と、前記底面を被覆し、前記インダクタ配線の第2端に電気的に接続された第2被覆電極と、を備え、前記素体の6つの前記外面のうち、前記底面に垂直な面の1つの面を主面とし、前記底面及び前記主面のいずれにも垂直な面を第1端面及び第2端面としたとき、前記第1被覆電極及び前記第2被覆電極は、前記底面の幾何中心を通り前記第1端面に垂直な第1仮想線上の一部を被覆しており、前記第1被覆電極は前記第1端面を、前記第2被覆電極は前記第2端面を覆っており、前記第1端面に垂直な方向での、前記第1端面から前記第1被覆電極の表面までの距離を、前記第1被覆電極の厚みとしたとき、前記第1端面の幾何中心を通り前記主面に垂直な第2仮想線上において、前記第1被覆電極の厚みが最大となる箇所が、前記第1端面の幾何中心よりも前記主面側にずれているインダクタ部品である。
例えば、インダクタ部品の第1端面と隣り合うように配置される他の電子部品として、直方体の素体の端面全域に電極がめっきされたものが挙げられる。このような電子部品においては、端面の中央において電極の厚みが大きくなっている。つまり、この種の電子部品では、素体の端面の中央が膨らんだ形状になっている。また、実質的に電子部品の外径サイズが規格化されつつある現状で、高密度な実装を図る上では、各電子部品を配置する基板上のランドパターンは整列されている。つまり、基板の主面に垂直な方向から視て、インダクタ部品の第1端面の幾何中心と、隣り合う他の電子部品の端面の幾何中心とは、同一直線状に並んで隣り合っている場合が多い。
上記構成によれば、第1被覆電極の厚みが最大となる箇所が、第1端面の幾何中心よりも主面側にずれている。したがって、インダクタ部品と上記他の電子部品を、基板上の整列されたランドパターンの隣り合う位置に配置した場合であっても、インダクタ部品の第1被覆電極の厚みが最大となる箇所と、上記他の電子部品の電極の厚みが最大となる箇所と、がずれるため、両部品の電極同士が干渉しにくい。したがって、基板上での部品の高密度化に寄与できる。
上記課題を解決するため、本発明の他の態様は、絶縁性の絶縁ペースト及び金属粉を含む導電ペーストを用いて、前記絶縁ペーストの内部で螺旋状に延びている前記導電ペーストのパターンと、前記パターンの第1端に接続し前記絶縁ペーストから露出する前記導電ペーストの第1導電部と、前記パターンの第2端に接続し前記絶縁ペーストから露出する前記導電ペーストの第2導電部と、を有する直方体状の積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体を焼成して前記第1導電部が焼結した第1埋込電極、前記第2導電部が焼結した第2埋込電極をそれぞれ有する素体を形成する焼成工程と、前記素体の表面に露出している前記第1埋込電極及び前記第2埋込電極の表面にめっきして、前記第1埋込電極の表面を被覆する第1被覆電極及び前記第2埋込電極の表面を被覆する第2被覆電極を形成するめっき工程と、を備え、前記素体の6つの外面のうち、1つの面を底面とし、前記底面に垂直な面の1つを主面とし、前記底面及び前記主面のいずれにも垂直な面を第1端面及び第2端面としたとき、前記第1埋込電極及び前記第2埋込電極は、前記底面において前記素体の外部に露出し、前記第1埋込電極は、前記第1端面において前記素体の外部に露出する端面電極部を有しており、前記めっき工程において、前記第1端面の幾何中心を絶縁性のカバーで覆うとともに、前記端面電極部のうち、前記第1端面の幾何中心を通り前記主面に垂直な仮想線上において、前記幾何中心に対して前記主面側の部分を前記カバーから露出させてめっきするインダクタ部品の製造方法である。
上記構成によれば、端面電極部に電気めっきをする際に、幾何中心では、カバーによって電流が流れないため電気めっきされない。そのため、仮想線上において、幾何中心に対して主面側の部分のみを電気めっきすることで、端面電極部上における幾何中心に対して主面側の部分のみに第1被覆電極を形成できる。その結果、第1被覆電極の厚みが最大となる箇所が、第1端面の幾何中心よりも主面側にずれた形状になる。
インダクタ部品と、他の電子部品と、の干渉を抑制できる。
図1は、第1実施形態のインダクタ部品の斜視図である。 図2は、第1実施形態のインダクタ部品の分解斜視図である。 図3は、第1実施形態の第1層の平面図である。 図4は、第1実施形態のインダクタ部品の端面図である。 図5は、図4の5-5線に沿う断面図である。 図6は、第1実施形態のインダクタ部品の製造方法を説明する説明図である。 図7は、第2実施形態のインダクタ部品の分解斜視図である。 図8は、第2実施形態のインダクタ部品の端面図である。 図9は、図8の9-9線に沿う断面図である。 図10は、変更例のインダクタ部品の端面図である。 図11は、変更例のインダクタ部品の端面図である。 図12は、変更例のインダクタ部品の端面図である。 図13は、変更例のインダクタ部品の端面図である。 図14は、変更例のインダクタ部品の端面図である。 図15は、変更例のインダクタ部品の端面図である。 図16は、変更例のインダクタ部品の端面図である。 図17は、変更例のインダクタ部品の端面図である。
<第1実施形態について>
以下、インダクタ部品の第1実施形態について説明する。なお、図面は理解を容易にするために、構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、又は別の図中のものと異なる場合がある。
(インダクタ部品の全体構成)
図1に示すように、インダクタ部品10は、直方体状の素体11を備えている。また、図2及び図3に示すように、インダクタ部品10は、素体11の内部で延びているインダクタ配線30を備えている。素体11は、インダクタ配線30の第1端に接続している第1埋込電極40と、インダクタ配線30の第2端に接続している第2埋込電極50と、を有している。
図2に示すように、素体11は、全体として、複数の板状の層が積層されたような構造になっている。また、各層は、平面視で長方形状になっている。そして、素体11は直方体状であることから平面状の6つの外面を有している。図1に示すように、これら6つの外面のうち、1つの面を底面11Eとする。また、6つの外面のうち、底面11Eに垂直な面の1つの面を第1主面11Aとする。また、第1主面11Aと平行な面を第2主面11Bとする。そして、底面11E及び第1主面11Aのいずれにも垂直な面の1つを第1端面11Cとする。また、第1端面11Cに平行な面を第2端面11Dとする。また、底面11Eと平行な面を天面11Fとする。
なお、以下の説明では、複数の層が積層する方向に沿う軸、すなわち第1主面11Aに垂直な軸を第1軸Xとする。また、第1端面11Cに垂直な軸を第2軸Yとする。さらに、底面11Eに垂直な軸を第3軸Zとする。そして、第1軸Xに沿う方向のうちの第1主面11Aが向く方向を第1正方向X1とし、第1正方向X1と反対方向を第1負方向X2とする。また、第2軸Yに沿う方向のうちの第1端面11Cが向く方向を第2正方向Y1とし、第2正方向Y1と反対方向を第2負方向Y2とする。さらに、第3軸Zに沿う方向のうちの天面11Fが向く方向を第3正方向Z1とし、第3正方向Z1と反対方向を第3負方向Z2とする。
図2に示すように、素体11は、第1層L1~第9層L9を有している。第1層L1~第9層L9は、この順で第1負方向X2に並んでいる。第1層L1~第9層L9の厚み、すなわちX軸に沿う方向の寸法は、すべて略同一である。図3に示すように、第1層L1は、第1電極部41と、第2電極部51と、第1配線部31と、第1絶縁部21と、によって構成されている。
第1電極部41は、銀などの導電性材料からなっている。第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1電極部41は、全体としてL字状になっている。第1電極部41は、第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1層L1の中心よりも第2正方向Y1側且つ第3負方向Z2側に位置している。より具体的には、第1電極部41は、第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1層L1の第2正方向Y1側且つ第3負方向Z2側の角を含む箇所に位置している。
第2電極部51は、銀などの導電性材料からなっている。第2電極部51は、棒状である。第2電極部51は、底面11Eに沿って延びている。第2電極部51の第2負方向Y2側の端は、第2端面11Dに位置している。第2電極部51の第2正方向Y1側の端は、底面11Eにおける第2軸Yに沿う方向の中央よりも第2負方向Y2側に位置している。
第1配線部31は、銀などの導電性材料からなっている。第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1配線部31は、全体として、第1層L1の中心を概ねの中心とした渦巻状に延びている。具体的には、第1配線部31の第1端部31Aは、第1電極部41の第3軸Zに沿う方向における第3正方向Z1側の端部に接続している。なお、第1端部31Aは、第1負方向X2を向いて視たときに第1層L1~第9層L9の配線部が重なって構成される周回経路から外れた部分である。すなわち、第1端部31Aは、インダクタ配線30の第1端である。第1配線部31の配線幅は、第2端部31Bを除いて略一定となっている。第1配線部31の第2端部31Bの第3軸Zに沿う方向における位置は、第3軸Zに沿う方向における第1層L1の中央より第3正方向Z1側である。また、第1配線部31の第2端部31Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第2軸Yに沿う方向における第1層L1の中央より第2正方向Y1側である。そして、第1負方向X2を向いて第1配線部31を視たときに、第1配線部31は、第1端部31Aから第2端部31Bに向かって時計回りに延びている。
第1配線部31の第2端部31Bは、後述するビア32と接続するためのパッドとして機能している。第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第2端部31Bは、略円形状になっている。また、第1配線部31の第2端部31Bは、第1配線部31の他の部分よりも配線幅が大きくなっている。
第1層L1において、第1電極部41と、第2電極部51と、第1配線部31と、を除く部分は、第1絶縁部21である。第1絶縁部21は、ガラス、樹脂、アルミナなど非磁性の絶縁体からなっている。
図2に示すように、第2層L2は、第1層L1の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第2層L2を視たときに、第2層L2は、第1層L1と同じ長方形状である。第2層L2は、第3電極部42と、第4電極部52と、ビア32と、第2絶縁部22と、によって構成されている。
第3電極部42は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第3電極部42は、棒状である。第3電極部42は、底面11Eに沿って延びている。第3電極部42の第2正方向Y1側の端は、第1端面11Cに位置している。第3電極部42の第2負方向Y2側の端は、第1電極部41の第2負方向Y2側の端と一致している。そのため、第1負方向X2を向いて第2層L2を視たときに、第3電極部42は、第1電極部41の底面11Eに沿って延びる部分と箇所に位置している。よって、第3電極部42は、第1電極部41の第1負方向X2を向く面に積層されている。
第4電極部52は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第4電極部52は、第2電極部51と同じ寸法の棒状である。また、第1負方向X2を向いて第2層L2を視たときに、第4電極部52は、第2電極部51と同じ箇所に位置している。そのため、第4電極部52は、第2電極部51の第1負方向X2を向く面に積層されている。
ビア32は、第1配線部31と同じ材料からなっている。ビア32は、第1軸Xに沿う方向に延びる円柱状である。ビア32は、第1配線部31の第2端部31Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア32は、第1配線部31の第2端部31Bと電気的に接続している。そして、ビア32は、第1配線部31の第2端部31Bから第1負方向X2に延びている。
第2層L2において、第3電極部42と、第4電極部52と、ビア32と、を除く部分は、第2絶縁部22である。第2絶縁部22は、第1絶縁部21と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
第3層L3は、第2層L2の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第3層L3を視たときに、第3層L3は、第1層L1と同じ長方形状である。第3層L3は、第5電極部43と、第6電極部53と、第2配線部33と、第3絶縁部23と、によって構成されている。
第5電極部43は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第5電極部43は、第3電極部42と同じ寸法の棒状である。また、第1負方向X2を向いて第3層L3を視たときに、第5電極部43は、第3電極部42と同じ箇所に位置している。そのため、第5電極部43は、第3電極部42の第1負方向X2を向く面に積層されている。
第6電極部53は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第6電極部53は、第4電極部52と同じ寸法の棒状である。また、第1負方向X2を向いて第3層L3を視たときに、第6電極部53は、第4電極部52と同じ箇所に位置している。そのため、第6電極部53は、第4電極部52の第1負方向X2を向く面に積層されている。
第2配線部33は、第1配線部31と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第3層L3を視たときに、第2配線部33は、全体として、第3層L3の中心を概ねの中心とした渦巻状に延びている。具体的には、第2配線部33の第1端部33Aの位置は、ビア32の第1負方向X2を向く面上である。そのため、第2配線部33の第1端部33Aは、ビア32に接続している。第2配線部33の配線幅は、第1端部33A及び第2端部33Bを除いて略一定となっている。第2配線部33の第2端部33Bの第3軸Zに沿う方向における位置は、第3軸Zに沿う方向における第3層L3の中央より第3負方向Z2側である。また、第2配線部33の第2端部33Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第2軸Yに沿う方向における第3層L3の中央より第2正方向Y1側である。さらに、第2配線部33の第2端部33Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第1配線部31の第2端部31Bの第2軸Yに沿う方向における位置よりも第2軸Yに沿う方向における中央側である。そして、第1負方向X2を向いて第2配線部33を視たときに、第2配線部33は、第1端部33Aから第2端部33Bに向かって時計回りに延びている。
第3層L3において、第5電極部43と、第6電極部53と、第2配線部33と、を除く部分は、第3絶縁部23である。第3絶縁部23は、第1絶縁部21と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
第4層L4は、第3層L3の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第4層L4を視たときに、第4層L4は、第1層L1と同じ長方形状である。第4層L4は、第7電極部44と、第8電極部54と、ビア34と、第4絶縁部24と、によって構成されている。
第7電極部44は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第7電極部44は、第5電極部43と同じ寸法の棒状である。また、第1負方向X2を向いて第4層L4を視たときに、第7電極部44は、第5電極部43と同じ箇所に位置している。そのため、第7電極部44は、第5電極部43の第1負方向X2を向く面に積層されている。
第8電極部54は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第8電極部54は、第6電極部53と同じ寸法の棒状である。また、第1負方向X2を向いて第4層L4を視たときに、第8電極部54は、第6電極部53と同じ箇所に位置している。そのため、第8電極部54は、第6電極部53の第1負方向X2を向く面に積層されている。
ビア34は、第1配線部31と同じ材料からなっている。ビア34は、第1軸Xに沿う方向に延びる円柱状である。ビア34は、第2配線部33の第2端部33Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア34は、第2配線部33の第2端部33Bと電気的に接続している。そして、ビア34は、第2配線部33の第2端部33Bから第1負方向X2に延びている。
第4層L4において、第7電極部44と、第8電極部54と、ビア34と、を除く部分は、第4絶縁部24である。第4絶縁部24は、第1絶縁部21と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
第5層L5は、第4層L4の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第5層L5を視たときに、第5層L5は、第1層L1と同じ長方形状である。第5層L5は、第9電極部45と、第10電極部55と、第3配線部35と、第5絶縁部25と、によって構成されている。
第9電極部45は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第9電極部45は、第7電極部44と同じ寸法の棒状である。また、第1負方向X2を向いて第5層L5を視たときに、第9電極部45は、第7電極部44と同じ箇所に位置している。そのため、第9電極部45は、第7電極部44の第1負方向X2を向く面に積層されている。
第10電極部55は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第10電極部55は、第8電極部54と同じ寸法の棒状である。また、第1負方向X2を向いて第5層L5を視たときに、第10電極部55は、第2電極部51と同じ箇所に位置している。そのため、第10電極部55は、第8電極部54の第1負方向X2を向く面に積層されている。
第3配線部35は、第1配線部31と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第5層L5を視たときに、第3配線部35は、全体として、第5層L5の中心を概ねの中心とした渦巻状に延びている。具体的には、第3配線部35の第1端部35Aの位置は、ビア34の第1負方向X2を向く面上である。そのため、第3配線部35の第1端部35Aは、ビア34に接続している。第3配線部35の配線幅は、第1端部35A及び第2端部35Bを除いて略一定となっている。第3配線部35の第2端部35Bの第3軸Zに沿う方向における位置は、第3軸Zに沿う方向における第5層L5の中央より第3負方向Z2側である。また、第3配線部35の第2端部35Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第2軸Yに沿う方向における第5層L5の中央より第2負方向Y2側である。そして、第1負方向X2を向いて第3配線部35を視たときに、第3配線部35は、第1端部35Aから第2端部35Bに向かって時計回りに延びている。
第5層L5において、第9電極部45と、第10電極部55と、第3配線部35と、を除く部分は、第5絶縁部25である。第5絶縁部25は、第1絶縁部21と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
第6層L6は、第5層L5の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第6層L6を視たときに、第6層L6は、第1層L1と同じ長方形状である。第6層L6は、第11電極部46と、第12電極部56と、ビア36と、第6絶縁部26と、によって構成されている。
第11電極部46は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第11電極部46は、第9電極部45と同じ寸法の棒状である。また、第1負方向X2を向いて第6層L6を視たときに、第11電極部46は、第9電極部45と同じ箇所に位置している。そのため、第11電極部46は、第9電極部45の第1負方向X2を向く面に積層されている。
第12電極部56は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第12電極部56は、第10電極部55と同じ寸法の棒状である。また、第1負方向X2を向いて第6層L6を視たときに、第12電極部56は、第10電極部55と同じ箇所に位置している。そのため、第12電極部56は、第10電極部55の第1負方向X2を向く面に積層されている。
ビア36は、第1配線部31と同じ材料からなっている。ビア36は、第1軸Xに沿う方向に延びる円柱状である。ビア36は、第3配線部35の第2端部35Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア36は、第3配線部35の第2端部35Bと電気的に接続している。そして、ビア36は、第3配線部35の第2端部35Bから第1負方向X2に延びている。
第6層L6において、第11電極部46と、第12電極部56と、ビア36と、を除く部分は、第6絶縁部26である。第6絶縁部26は、第1絶縁部21と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
第7層L7は、第6層L6の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第7層L7を視たときに、第7層L7は、第1層L1と同じ長方形状である。第7層L7は、第13電極部47と、第14電極部57と、第4配線部37と、第7絶縁部27と、によって構成されている。
第13電極部47は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第13電極部47は、第11電極部46と同じ寸法の棒状である。また、第1負方向X2を向いて第7層L7を視たときに、第13電極部47は、第11電極部46と同じ箇所に位置している。そのため、第13電極部47は、第11電極部46の第1負方向X2を向く面に積層されている。
第14電極部57は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第14電極部57は、第12電極部56と同じ寸法の棒状である。また、第1負方向X2を向いて第7層L7を視たときに、第14電極部57は、第12電極部56と同じ箇所に位置している。そのため、第14電極部57は、第12電極部56の第1負方向X2を向く面に積層されている。
第4配線部37は、第1配線部31と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第7層L7を視たときに、第4配線部37は、全体として、第7層L7の中心を概ねの中心とした渦巻状に延びている。具体的には、第4配線部37の第1端部37Aの位置は、ビア36の第1負方向X2を向く面上である。そのため、第4配線部37の第1端部37Aは、ビア36に接続している。第4配線部37の配線幅は、第1端部37A及び第2端部37Bを除いて略一定となっている。第4配線部37の第2端部37Bの第3軸Zに沿う方向における位置は、第3軸Zに沿う方向における第7層L7の中央より第3正方向Z1側である。また、第4配線部37の第2端部37Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第2軸Yに沿う方向における第7層L7の中央より第2負方向Y2側である。さらに、第4配線部37の第2端部37Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第1端部37Aの第2軸Yに沿う方向における位置よりも第2負方向Y2側である。そして、第1負方向X2を向いて第4配線部37を視たときに、第4配線部37は、第1端部37Aから第2端部37Bに向かって時計回りに延びている。また、第4配線部37は、インダクタ配線30の延び方向における中央を通る第3軸Zに沿う方向の軸を回転軸として、第2配線部33と回転対称となっている。
第7層L7において、第13電極部47と、第14電極部57と、第4配線部37と、を除く部分は、第7絶縁部27である。第7絶縁部27は、第1絶縁部21と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
第8層L8は、第7層L7の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第8層L8を視たときに、第8層L8は、第1層L1と同じ長方形状である。第8層L8は、第15電極部48と、第16電極部58と、ビア38と、第8絶縁部28と、によって構成されている。
第15電極部48は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第15電極部48は、第13電極部47と同じ寸法の棒状である。また、第1負方向X2を向いて第8層L8を視たときに、第15電極部48は、第13電極部47と同じ箇所に位置している。そのため、第15電極部48は、第13電極部47の第1負方向X2を向く面に積層されている。
第16電極部58は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第16電極部58は、第14電極部57と同じ寸法の棒状である。また、第1負方向X2を向いて第8層L8を視たときに、第16電極部58は、第14電極部57と同じ箇所に位置している。そのため、第16電極部58は、第14電極部57の第1負方向X2を向く面に積層されている。
ビア38は、第1配線部31と同じ材料からなっている。ビア38は、第1軸Xに沿う方向に延びる円柱状である。ビア38は、第4配線部37の第2端部37Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア38は、第4配線部37の第2端部37Bと電気的に接続している。そして、ビア38は、第4配線部37の第2端部37Bから第1負方向X2に延びている。
第8層L8において、第15電極部48と、第16電極部58と、ビア38と、を除く部分は、第8絶縁部28である。第8絶縁部28は、第1絶縁部21と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
第9層L9は、第8層L8の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第9層L9は、第1層L1と同じ長方形状である。第9層L9は、第17電極部49と、第18電極部59と、第5配線部39と、第9絶縁部29と、によって構成されている。
第17電極部49は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第17電極部49は、第15電極部48と同じ寸法の棒状である。また、第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第17電極部49は、第15電極部48と同じ箇所に位置している。そのため、第17電極部49は、第15電極部48の第1負方向X2を向く面に積層されている。
第18電極部59は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第18電極部59は、全体としてL字状になっている。第18電極部59は、第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第9層L9の中心よりも第2負方向Y2側且つ第3負方向Z2側に位置している。つまり、第18電極部59は、第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第9層L9の中心よりも第2負方向Y2側且つ第3負方向Z2側の角を含む箇所に位置している。そのため、第18電極部59は、第16電極部58の第1負方向X2を向く面に積層されている。
第5配線部39は、第1配線部31と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第5配線部39は、全体として、第9層L9の中心を概ねの中心とした渦巻状に延びている。具体的には、第5配線部39の第1端部39Aの位置は、ビア38の第1負方向X2を向く面上である。そのため、第5配線部39の第1端部39Aは、ビア38に接続している。第5配線部39の配線幅は、第1端部39Aを除いて略一定となっている。第5配線部39の第2端部39Bは、第18電極部59の第3軸Zに沿う方向における第3正方向Z1側の端部に接続している。そして、第1負方向X2を向いて第5配線部39を視たときに、第5配線部39は、第1端部39Aから第2端部39Bに向かって時計回りに延びている。なお、第5配線部39の第2端部39Bは、インダクタ配線30の第2端である。なお、第2端部39Bは、第1負方向X2を向いて視たときに第1層L1~第9層L9の配線部が重なって構成される周回経路から外れた部分である。また、第5配線部39は、インダクタ配線30の延び方向における中央を通る第3軸Zに沿う方向の軸を回転軸として、第1配線部31と回転対称となっている。
第9層L9において、第17電極部49と、第18電極部59と、第5配線部39と、を除く部分は、第9絶縁部29である。第9絶縁部29は、第1絶縁部21と同じ材料の絶縁体からなっている。
素体11は、第1被覆絶縁層61と、第2被覆絶縁層62と、を有している。第1負方向X2を向いて第1被覆絶縁層61を視たとき、第1被覆絶縁層61は、第1層L1と同じ長方形状である。第1被覆絶縁層61は、第1層L1の第1正方向X1を向く主面に積層されている。第1正方向X1を向いて第2被覆絶縁層62を視たとき、第2被覆絶縁層62は、第1層L1と同じ長方形状である。第2被覆絶縁層62は、第9層L9の第1負方向X2を向く主面に積層されている。
上述した第1絶縁部21~第9絶縁部29と、第1被覆絶縁層61と、第2被覆絶縁層62と、は一体化されている。そのため、これらの間に物理的な境界はない。以下では、これらを区別する必要がない場合には、絶縁部20と総称する。なお、これら第1絶縁部21~第9絶縁部29と、第1被覆絶縁層61と、第2被覆絶縁層62とは、一体化していなくてもよい。つまり、これらの間に物理的な境界があってもよい。
また、第1配線部31と、第2配線部33と、第3配線部35と、第4配線部37と、第5配線部39と、ビア32と、ビア34と、ビア36と、ビア38と、は一体化されている。そのため、これらの間に物理的な境界はない。以下では、これらを区別する必要がない場合には、インダクタ配線30と総称する。そして、インダクタ配線30は、全体として、螺旋状に巻き回されている。インダクタ配線30が巻き回される際の中心軸は、第1軸Xに沿って延びる軸になっている。なお、第1配線部31と、第2配線部33と、第3配線部35と、第4配線部37と、第5配線部39と、ビア32と、ビア34と、ビア36と、ビア38と、は一体化されていなくてもよい。つまり、これらの間に物理的な境界があってもよい。
さらに、上述した第1電極部41と、第3電極部42と、第5電極部43と、第7電極部44と、第9電極部45と、第11電極部46と、第13電極部47と、第15電極部48と、第17電極部49と、は一体化している。そして、これらが合わさって、第1埋込電極40になっている。
同様に、上述した第2電極部51と、第4電極部52と、第6電極部53と、第8電極部54と、第10電極部55と、第12電極部56と、第14電極部57と、第16電極部58と、第18電極部59と、は一体化している。そして、これらが合わさって、第2埋込電極50になっている。
そして、本実施形態においては、絶縁部20と、第1埋込電極40と、第2埋込電極50と、によって、インダクタ部品10の素体11が構成されている。第1層L1~第9層L9、第1被覆絶縁層61、および第2被覆絶縁層62が積層された結果、図1に示すように、素体11は、全体として直方体状になっている。
そして、インダクタ配線30は、素体11の内部で延びている。なお、インダクタ配線30と、第1埋込電極40と、第2埋込電極50とは、一体化していてもよい。つまり、インダクタ配線30と第1埋込電極40との間や、インダクタ配線30と第2埋込電極50との間に、物理的な境界はなくてもよい。
(底面電極部と突起部分)
図3に示すように、第1埋込電極40は、第1端面11Cから底面11Eにかけての領域で素体11の外部に露出している。第1埋込電極40は、第1底面電極部40Aと、第1端面電極部40Bと、を有している。
第1底面電極部40Aは、底面11Eにおいて素体11の外部に露出している。第1底面電極部40Aは、板状である。第3正方向Z1を向いて底面11Eを視たときに、第1底面電極部40Aは、四角形状である。第1底面電極部40Aの第2正方向Y1側の面は、素体11の第1端面11Cの一部を構成している。
第1端面電極部40Bは、第1端面11Cにおいて素体11の外部に露出している。第1端面電極部40Bは、棒状である。第1端面電極部40Bは、第1層L1のみに存在している。第1端面電極部40Bは、第1底面電極部40Aの第2正方向Y1側の端から、第3正方向Z1に向かって延びている。
第1埋込電極40と同様に、図2に示すように、第2埋込電極50は、第2端面11Dから底面11Eにかけての領域で素体11の外部に露出している。図2及び図3に示すように、第2埋込電極50は、第2底面電極部50Aと、第2端面電極部50Bと、を有している。
第2底面電極部50Aは、底面11Eにおいて素体11の外部に露出している。第2底面電極部50Aは、板状である。第3正方向Z1を向いて底面11Eを視たときに、第2底面電極部50Aは、四角形状である。第2底面電極部50Aの第2負方向Y2側の面は、素体11の第2端面11Dの一部を構成している。
第2端面電極部50Bは、第2端面11Dにおいて素体11の外部に露出している。第2端面電極部50Bは、棒状である。第2端面電極部50Bは、第9層L9のみに存在している。第2端面電極部50Bは、第2底面電極部50Aの第2正方向Y1側の端から、第3正方向Z1に向かって延びている。
(被覆電極)
図1に示すように、インダクタ部品10は、第1被覆電極71と、第2被覆電極72と、を備えている。第1被覆電極71及び第2被覆電極72は、底面11Eの幾何中心を通り第1端面11Cに垂直な第1仮想線VL1上の一部を被覆している。第1被覆電極71は、第1埋込電極40のうちの素体11から外部に露出している面を覆っている。そのため、第1被覆電極71は、インダクタ配線30の第1端に電気的に接続されている。また、第1被覆電極71は、第1端面11Cを部分的に覆っている。第1被覆電極71は、図示は省略するが、ニッケルめっき、錫めっきの2層構造になっている。なお、図2及び図3においては、第1被覆電極71の図示を省略している。
また、素体11の外部に露出している、とは、インダクタ部品10の外部に露出していることではなく、素体11から露出していることをいう。そのため、第1被覆電極71など他の部材に覆われていても、素体11から露出していれば、インダクタ部品10の外部に露出していなくてもよい。
第1端面11Cに垂直な方向での、第1端面11Cから第1被覆電極71の表面までの距離を、第1被覆電極71の厚みとする。つまり、第2軸Yに沿う方向での第1端面11Cから第1被覆電極71の表面までの距離が、第1被覆電極71の厚みである。
図4及び図5に示すように、第1端面11Cの幾何中心Cを通り、第1主面11Aに垂直な第2仮想線VL2上において、幾何中心Cに対して第1主面11A側で第1被覆電極71の厚みが最大となっている。具体的には、第2負方向Y2を向いて第1端面11Cを視たときに、第1端面11Cの幾何中心Cは、第5層L5に位置している。そして、第1被覆電極71は、第1層L1のみにおいて、第2仮想線VL2と交差している。上述したように、第1層L1は、第5層L5よりも第1正方向X1側に位置している。よって、第2仮想線VL2上において、第1被覆電極71の厚みが最大となる箇所は、第1端面11Cの幾何中心Cよりも第1主面11A側にずれている。具体的には、第2仮想線VL2上において、第1被覆電極71の厚みは、幾何中心Cよりも第1主面11A側の第1層L1で最大となっている。
一方で、第2仮想線VL2上での幾何中心Cから第1被覆電極71の厚みが最大となっている箇所までの範囲内では、第1被覆電極71の厚みは、幾何中心Cにおいて最小となっている。具体的には、第2仮想線VL2上において、第1被覆電極71は、第1層L1のみに存在している。そのため、第2仮想線VL2上において、第1被覆電極71は、第2層L2~第5層L5までの範囲に存在していない。つまり、幾何中心Cにおいて、第1被覆電極71の厚みはゼロとなっている。よって、第2仮想線VL2上での第1層L1~第5層L5までの範囲内では、第1被覆電極71の厚みは、幾何中心Cの位置する第5層L5において最小となっている。なお、第1被覆電極71の厚みが最小となる箇所は、第1被覆電極71の厚みがゼロであることを含む。すなわち、第1端面11Cの幾何中心Cにおいて第1被覆電極71が存在しないことも含む。
第1端面11C上において、底面11Eに垂直な方向での第1被覆電極71の寸法を、第1被覆電極71の高さとする。つまり、第1端面11C上において、第3軸Zに沿う方向での第1被覆電極71の寸法が、第1被覆電極71の高さである。
第1被覆電極71の高さが最大となる箇所は、第1端面11Cの幾何中心Cよりも第1主面11A側にずれている。具体的には、第1被覆電極71は、第1層L1において、第2層L2~第9層L9と比べて、第3正方向Z1に向かって延びている。第1層L1における第1被覆電極71の上端は、第2仮想線VL2に対して天面11F側に位置している。第2層L2~第9層L9の範囲内では、第1被覆電極71の上端は第2仮想線VL2に対して底面11E側に位置している。また、第2層L2~第9層L9の範囲内では、第1被覆電極71の高さは一定である。なお、高さが一定であるとは、10%程度のばらつきを許容する。
図2に示すように、第1配線部31は、インダクタ配線30の第1端から第1主面11Aに平行に延びている。複数の配線部のうち、インダクタ配線30の第1端から第1主面11Aに平行に延びる配線部を、第1端配線部とする。本実施形態では、第1配線部31が、第1端配線部である。このとき、第2仮想線VL2上での第1被覆電極71の厚みは、第1軸Xに沿う方向において第1配線部31が存在する第1層L1の範囲内で、最大となっている。
また、図1に示すように、第2被覆電極72は、第2埋込電極50のうちの素体11から外部に露出している面を覆っている。そのため、第2被覆電極72は、インダクタ配線30の第2端に電気的に接続されている。また、第2被覆電極72は、第2端面11Dを部分的に覆っている。第2被覆電極72は、図示は省略するが、ニッケルめっき、錫めっきの2層構造になっている。なお、図2及び図3においては、第2被覆電極72の図示を省略している。
第2端面11Dの幾何中心を通り、第2主面11Bに垂直な仮想線上において、第2端面11Dの幾何中心に対して第2主面11B側で第2被覆電極72の厚みが最大となっている。具体的には、第2正方向Y1を向いて第2端面11Dを視たときに、第2端面11Dの幾何中心は、第5層L5に位置している。そして、第2被覆電極72は、第9層L9のみにおいて、当該仮想線と交差している。上述したように、第9層L9は、第5層L5よりも第1負方向X2側に位置している。そのため、当該仮想線上において、第2被覆電極72の厚みは、第2端面11Dの幾何中心よりも第2主面11B側の第9層L9で最大となっている。よって、当該仮想線上において、第2被覆電極72の厚みが最大となる箇所は、第2端面11Dの幾何中心よりも第2主面11B側にずれている。具体的には、当該仮想線上において、第2被覆電極72の厚みは、第2端面11Dの幾何中心よりも第1主面11Aとは反対側の第9層L9で最大となっている。
一方で、当該仮想線上での第2端面11Dの幾何中心から第2被覆電極72の厚みが最大となっている箇所までの範囲内では、第2被覆電極72の厚みは、第2端面11Dの幾何中心において最小となっている。具体的には、当該仮想線上において、第2被覆電極72は、第9層L9のみの存在している。そのため、当該仮想線上において、第2被覆電極72は、第5層L5~第8層L8までの範囲に存在していない。つまり、第2端面11Dの幾何中心において、第2被覆電極72の厚みはゼロとなっている。よって、当該仮想線上での第5層L5~第9層L9までの範囲内では、第2被覆電極72の厚みは、第2端面11Dの幾何中心の位置する第5層L5において最小となっている。
第2被覆電極72の高さが最大となる箇所は、第2端面11Dの幾何中心よりも第2主面11B側にずれている。具体的には、第2被覆電極72は、第9層L9において、第1層L1~第8層L8と比べて、第3正方向Z1に向かって延びている。第9層L9における第2被覆電極72の上端は、第2端面11Dの幾何中心を通り第2主面11Bに垂直な仮想線上に対して天面11F側に位置している。第1層L1~第8層L8の範囲内では、第2被覆電極72の上端は当該仮想線に対して底面11E側に位置している。また、第1層L1~第8層L8の範囲内では、第2被覆電極72の高さは一定である。
第5配線部39は、インダクタ配線30の第2端から第1主面11Aに平行に延びている。複数の配線部のうち、インダクタ配線30の第2端から第2主面11Bに平行に延びる配線部を、第2端配線部とする。本実施形態では、第5配線部39が、第2端配線部である。このとき、第2端面11Dの幾何中心を通り、第2主面11Bに垂直な仮想線上での第2被覆電極72の厚みは、第1軸Xに沿う方向において第5配線部39が存在する第9層L9の範囲内で、最大となっている。
(インダクタ部品の製造方法)
次に、インダクタ部品10の製造方法について説明する。
図6に示すように、インダクタ部品10の製造方法は、積層体形成工程S100と、焼成工程S200と、めっき工程S300と、を備えている。
まず、積層体形成工程S100を行う。積層体形成工程S100は、素体11の焼結前の状態である積層体を形成する工程である。積層体形成工程S100では、第1被覆絶縁層61と、第1層L1~第9層L9と、第2被覆絶縁層62とを、この順に積層することで、積層体を形成する。なお、積層体形成工程S100における第1被覆絶縁層61、第2被覆絶縁層62、第1層L1~第9層L9は、厳密にはこれらの焼結前の層であり、インダクタ部品10における各層とは異なる場合があるが、説明を簡単にするため、同じ名称を用いる。この点、インダクタ配線30、第1埋込電極40、及び第2埋込電極50についても、厳密にはこれらの焼結前の状態であり、インダクタ部品10における各部材とは異なる場合があるが、説明を簡単にするため、同じ名称を用いる。
具体的には、積層体形成工程S100は、第1被覆絶縁層塗布工程S10と、第1層塗布工程S11~第9層塗布工程S19と、第2被覆絶縁層塗布工程S20と、を有している。積層体形成工程S100では、この順に、各工程を行う。
第1被覆絶縁層塗布工程S10では、絶縁性の絶縁ペーストを用いてスクリーン印刷する。そして、スクリーン印刷による塗布を繰り返すことで、第1被覆絶縁層61に相当する絶縁ペースト層を形成する。絶縁ペーストは、例えば、ホウ珪酸ガラスを主成分とする絶縁性のペーストである。
次に、第1層塗布工程S11では、絶縁ペーストに加えて、金属粉を含む導電性の導電ペーストを用いて、第1層L1に相当する層を形成する。金属粉は、例えば、銀である。具体的には、第1被覆絶縁層61に相当する絶縁ペースト層の第1負方向X2を向く面に、フォトリソグラフィにより、導電ペーストを用いて、第1配線部31、第1電極部41、及び第2電極部51に相当する部分に、導電体層を形成する。また、フォトリソグラフィにより、絶縁ペーストを用いて、第1絶縁部21に相当する部分に、絶縁体層を形成する。
次に、第2層塗布工程S12~第9層塗布工程S19では、第1層塗布工程S11と同様に、絶縁ペースト及び導電ペーストを用いて、第2層L2~第9層L9に相当する層を形成する。これにより、絶縁ペーストの内部で螺旋状に延びている導電ペーストのパターンを形成する。また、導電ペーストのパターンの第1端に接続して絶縁ペーストから露出する導電ペーストの第1導電部を形成する。さらに、導電ペーストのパターンの第2端に接続して絶縁ペーストから露出する導電ペーストの第2導電部を形成する。
そして、絶縁ペーストを用いて、スクリーン印刷する。そして、スクリーン印刷による塗布を繰り返すことで、第2被覆絶縁層62に相当する層を形成する。その後、所望のサイズにカットすることで、素体11の焼結前の状態である積層体を形成する。
このようにして、積層体形成工程S100では、絶縁ペーストの内部で螺旋状に延びる導電ペーストのパターンと、第1導電部と、第2導電部と、を有する直方体状の積層体を形成する。
次に、焼成工程S200を行う。焼成工程S200は、積層体を焼成することで、素体11を形成する工程である。具体的には、積層体を、所定の温度で加熱することで、積層体を焼成する。これにより、各ペーストが焼成されることで、絶縁ペーストが絶縁部20、インダクタ配線30のパターンがインダクタ配線30、第1導電部が第1埋込電極40、及び第2導電部が第2埋込電極50へと、それぞれなる。つまり、第1埋込電極40における第1底面電極部40A及び第1端面電極部40Bが形成される。また、第2埋込電極50における第2底面電極部50A及び第2端面電極部50Bが形成される。その結果、素体11を形成する。
次に、めっき工程S300を行う。素体11をめっき液の中に入れて、電気めっきを行う。これにより、素体11のうち、第1埋込電極40の外部に露出している表面に、第1被覆電極71が形成される。また、素体11のうち、第2埋込電極50の外部に露出している表面に、第2被覆電極72が形成される。
電気めっきでは、第1被覆電極71は、第1埋込電極40の外部に露出している表面のみに形成される。そのため、図4に示すように、第1被覆電極71は、第1端面11Cの幾何中心C上には形成されない。一方で、第1被覆電極71は、第1端面11Cの第1層L1の範囲に形成される。よって、第1被覆電極71の厚みは、幾何中心C上でゼロであるとともに、第1層L1の範囲内で最大となっている。つまり、第2仮想線VL2上において、第1被覆電極71の厚みが最大となる箇所は、幾何中心Cよりも第1主面11A側にずれている。なお、第1被覆電極71は、第1埋込電極40の外部に露出している表面のみに形成されるが、多少のめっき延びや、測定や梱包時の外力の影響などにより、第1埋込電極40の素体11の外部に露出している表面の周囲に形成されていてもよい。
(第1実施形態の効果)
上記第1実施形態におけるインダクタ部品10によれば、以下の効果を奏する。なお、以下では、第1被覆電極71に関する効果を代表して記載するが、第2被覆電極72についても同様の効果を奏する。
(1-1)例えば、インダクタ部品10の第1端面11Cと隣り合うように配置される他の電子部品として、直方体状の素体の端面全域に電極がめっきされたものが挙げられる。このような電子部品においては、端面の中央において電極の厚みが大きくなっている。つまり、この種の電子部品では、素体の端面の中央が膨らんだ形状になっている。また、実質的に電子部品の外径サイズが規格化されつつある現状で、高密度な実装を図る上では、各電子部品を配置する基板上のランドパターンは整列されている。つまり、基板の主面に垂直な方向から視て、インダクタ部品10の第1端面11Cの幾何中心Cと、隣り合う他の電子部品の端面の幾何中心とは、同一直線状に並んで隣り合っている場合が多い。
第1実施形態におけるインダクタ部品10によれば、第1被覆電極71の厚みが最大となる箇所が、第1端面11Cの幾何中心Cよりも第1主面11A側にずれている。ここで、インダクタ部品10と上記他の電子部品を、基板上の整列されたランドパターンの隣り合う位置に配置したとする。この場合であっても、インダクタ部品10の第1被覆電極71の厚みが最大となる箇所と、上記他の電子部品の電極の厚みが最大となる箇所と、がずれる。そのため、両部品の電極同士が干渉しにくくなる。したがって、基板上での部品の高密度化に寄与できる。
(1-2)上記第1実施形態におけるインダクタ部品10によれば、第1被覆電極71の高さが最大となる箇所は、第1端面11Cの幾何中心Cよりも第1主面11A側にずれている。仮に、第1被覆電極71の上端の位置が、第1軸Xに沿う方向のすべての範囲で、第2仮想線VL2に対して天面11F側に位置している場合があるとする。この場合と比べて、第1端面11C上における第1軸Xに沿う方向の中央では、第1被覆電極71がインダクタ配線30を覆う範囲が小さくなる。よって、インダクタ配線30に電流が流れたときに発生する浮遊容量を小さくできる。
(1-3)上記第1実施形態におけるインダクタ部品10によれば、第2仮想線VL2上での第1被覆電極71の厚みは、インダクタ配線30の第1端から第1主面11Aに平行に延びる第1配線部31が存在する第1層L1の範囲内で、最大となっている。つまり、第1軸Xに沿う方向において、幾何中心Cから離れた箇所において、第1被覆電極71の厚みが最大となっている。したがって、第1被覆電極71が他の電子部品に干渉することをより好適に抑制できる。
<第2実施形態について>
以下、第2実施形態について、図面を参照して説明する。第2実施形態のインダクタ部品110は、第1実施形態のインダクタ部品10と比べて、第1被覆電極71及び第2被覆電極72の形状が異なる。なお、以下では、第1実施形態におけるインダクタ部品10と比べて異なる点を中心に説明し、同一の点については説明を簡略化又は省略する。また、第2被覆電極72について、第1被覆電極71と同様の点については、説明を簡略化又は省略する。
(端面電極部及び被覆電極)
図7に示すように、インダクタ部品110の第2電極部51~第17電極部49の形状は、第1実施形態と比べて異なっている。具体的には、第3電極部42~第17電極部49は、第1電極部41と同じ大きさ且つ同じ形状のL字状となっている。また、第2電極部51~第16電極部58は、第18電極部59と同じ大きさ且つ同じ形状のL字状となっている。そのため、第2負方向Y2を向いて第1端面11Cを視たときに、第1端面電極部40Bは、四角形状となっている。同様に、第2正方向Y1を向いて第2端面11Dを視たときに、第2端面電極部50Bは、四角形状となっている。
また、第1埋込電極40は、金属とガラスとからなる焼結体である。そして、第1端面電極部40Bのうち第1端面11Cの幾何中心Cでの電気抵抗値は、第1被覆電極71の厚みが最大となる箇所での電気抵抗値よりも大きくなっている。本実施形態においては、第1端面電極部40Bのうち、第1軸Xに沿う方向において幾何中心Cと同一の位置での電気抵抗値は、第1端面電極部40Bのうち最も第1主面11Aに近い箇所での電気抵抗値よりも大きくなっている。具体的には、第1端面電極部40Bのうち、第1端面11Cの幾何中心Cでの金属の密度は、第2仮想線VL2において第1被覆電極71の厚みが最大となる箇所での金属の密度よりも粗になっている。本実施形態においては、第1端面電極部40Bのうち第1軸Xに沿う方向において幾何中心Cと同一の位置での金属の密度は、第1端面電極部40Bのうち最も第1主面11Aに近い箇所での金属の密度よりも粗になっている。本実施形態では、第1埋込電極40のうち、第1電極部41及び第17電極部49は、第3電極部42~第15電極部48と比べて、金属組織が緻密である。
図8に示すように、第1端面電極部40Bの表面を被覆する第1被覆電極71も、第2負方向Y2を向いてインダクタ部品110を視たときに、四角形状となっている。また、第1被覆電極71の高さは、第1軸Xに沿う方向の全ての範囲で同一となっている。なお、第1被覆電極71の高さは、第1軸Xに沿う方向において、幾何中心Cでは他の箇所よりも僅かに高くなっていてもよいし、第1層L1及び第9層L9では他の箇所よりも僅かに低くなっていてもよい。
そして、図9に示すように、第2仮想線VL2上での第1被覆電極71の厚みは、幾何中心Cにおいて最大となっていない。具体的には、第2仮想線VL2上での第1被覆電極71の厚みは、第1層L1及び第9層L9において最大となっている。なお、本実施形態においては、第1端面11Cの幾何中心C上にも第1被覆電極71が存在する。したがって、幾何中心Cでの第1被覆電極71の厚みは、ゼロではない。第2層L2~第8層L8までの第1被覆電極71の厚みは、第1層L1~第9層L9の範囲内において、最小となっている。つまり、幾何中心Cでの第1被覆電極71の厚みは、幾何中心Cから第1層L1までの範囲内で最小となっている。
また、第1埋込電極40と同様に、第2埋込電極50は、金属とガラスとからなる焼結体である。そして、第1端面電極部40Bと同様に、第2端面電極部50Bのうち第2端面11Dの幾何中心での電気抵抗値は、第2被覆電極72の厚みが最大となる箇所での電気抵抗値よりも大きくなっている。本実施形態においては、第2端面電極部50Bのうち、第1軸Xに沿う方向において第2端面11Dの幾何中心と同一の位置での電気抵抗値は、第2端面電極部50Bのうち最も第2主面11Bに近い箇所での電気抵抗値よりも大きくなっている。具体的には、第2端面電極部50Bのうち、第2端面11Dの幾何中心での金属の密度は、第2端面11Dの幾何中心を通り第2主面11Bに垂直な仮想線上において、第1被覆電極71の厚みが最大となる箇所での金属の密度よりも粗になっている。本実施形態においては、第2端面電極部50Bのうち第1軸Xに沿う方向において第2端面11Dの幾何中心と同一の位置での金属の密度は、第2端面電極部50Bのうち最も第2主面11Bに近い箇所での金属の密度よりも疎になっている。本実施形態では、第2埋込電極50のうち、第2電極部51及び第18電極部59は、第4電極部52~第16電極部58と比べて、金属組織が緻密である。
図示は省略するが、第1被覆電極71と同様に、第2端面電極部50Bの表面を被覆する第2被覆電極72も、第2正方向Y1を向いてインダクタ部品110を視たときに、四角形状となっている。また、第2被覆電極72の高さは、第1軸Xに沿う方向の全ての範囲で同一となっている。
そして、第2端面11Dの幾何中心を通り且つ第1軸Xと平行な仮想線上での第2被覆電極72の厚みは、第1層L1及び第9層L9において最大となっている。なお、本実施形態においては、第2端面11Dの幾何中心上にも第2被覆電極72が存在する。したがって、第2端面11Dの幾何中心での第2被覆電極72の厚みは、ゼロではない。第2層L2~第8層L8までの第2被覆電極72の厚みは、第1層L1~第9層L9の範囲内において、最小となっている。つまり、第2端面11Dの幾何中心での第2被覆電極72の厚みは、第2端面11Dの幾何中心から第9層L9までの範囲内で最小となっている。
(インダクタ部品の製造方法)
次に、インダクタ部品110の製造方法について、説明する。第1実施形態のインダクタ部品10の製造方法と比べて、第2実施形態においては、用いる導電ペーストの材料が一部異なる。
具体的には、積層体形成工程S100における第2層塗布工程S12~第8層塗布工程S18において用いる導電ペーストは、焼結阻害剤を含んでいる。焼結阻害剤は、ガラス粉末である。なお、第1層塗布工程S11及び第9層塗布工程S19において用いる導電ペーストは、焼結阻害剤を含んでいない。
焼成工程S200において、焼結阻害剤を含んでいる導電ペーストは、焼結阻害剤を含んでいない導電ペーストよりも、焼結されにくい。金属粉を含むペーストが焼結されると、粒同士が近づくように変化するところ、焼結されにくい箇所では、焼結体となった金属組織は、緻密化されにくい。つまり、第1埋込電極40の第2層L2~第8層L8における金属の密度は、第1埋込電極40の第1層L1及び第9層L9における金属の密度よりも疎になっている。
めっき工程S300において、第1埋込電極40の表面に電気めっきがされる。電気めっきでは、めっきされる量は、めっきされる第1埋込電極40の表面の電気抵抗値に影響される。具体的には、単位時間当たりにより多く電流が流れる場合には、より多くめっきされる。一方で、単位時間あたりにより少なく電流が流れる場合には、より少なくめっきされる。よって、電気抵抗値の大小により、めっきの成膜速度が変化するため、同じめっき時間でもめっきされる量が変化する。本実施形態において、第1埋込電極40の第2層L2~第8層L8の表面は、第1層L1及び第9層L9の表面と比べて、金属の密度が疎である。金属の密度が疎である場合、金属同士の接触箇所が少なくなるため、電気抵抗値がより大きくなる。そのため、第1埋込電極40の第2層L2~第8層L8の表面は、第1層L1及び第9層L9の表面と比べて、多くめっきされる。その結果、第1被覆電極71の厚みは、第2層L2~第8層L8では、第1層L1及び第9層L9よりも小さくなる。
(第2実施形態の効果)
上記第2実施形態によれば、第1実施形態の(1-1)及び(1-3)の効果に加えて、以下の効果を奏する。なお、以下では、第1被覆電極71に関する効果を代表して記載するが、第2被覆電極72についても同様の効果を奏する。
(2-1)上記第2実施形態によれば、第1端面電極部40Bのうち第1端面11Cの幾何中心Cでの電気抵抗値は、第1被覆電極71の厚みが最大となる箇所での電気抵抗値よりも大きくなっている。そのため、めっき工程S300において、幾何中心Cでは、電気めっきされにくい。よって、第1端面電極部40B上に、箇所毎に厚みの異なる第1被覆電極71を形成しやすい。
(2-2)上記第2実施形態によれば、第1端面電極部40Bに電気めっきをする際に、金属の密度が疎であることを反映して、第1端面電極部40Bの第1軸Xに沿う方向の中央では電流が流れにくい。そのため、同一の金属とガラスとからなる焼結体であっても、金属の密度の差によって、電気抵抗値を変化させることができる。
<その他の実施形態について>
上記各実施形態は以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせて実施することができる。なお、第1被覆電極71及び第2被覆電極72に共通する点は、第1被覆電極71を代表して説明し、第2被覆電極72の説明を省略する。
・第1実施形態では、第1層L1~第9層L9の厚みは、すべて略同一であったが、互いに異なっていてもよい。つまり、第1層L1~第9層L9の厚み、すなわち第1軸Xに沿う方向の寸法は、すべて同一でなくてもよい。すべての厚みが互いに異なっていてもよいし、一部の層の厚みが他の層の厚みと異なっていてもよい。
・素体11は、第1軸Xに沿う方向に長い直方体であってもよいし、第3軸Zに沿う方向に長い直方体であってもよい。また、素体11は、第1軸Xに沿う方向の寸法、第2軸Yに沿う方向の寸法、及び第3軸Zに沿う方向の寸法が等しい直方体であってもよい。例えば、素体11の各軸に沿う方向の寸法について、第1軸Xに沿う方向の寸法が第3軸Zに沿う方向の寸法が等しく、且つ第2軸Yに沿う方向の寸法が第1軸Xに沿う方向の寸法よりも大きくてもよい。また例えば、素体11の各軸に沿う方向の寸法について、第2軸Yに沿う方向の寸法が第3軸Zに沿う方向の寸法より大きく、且つ第3軸Zに沿う方向の寸法が第1軸Xに沿う方向の寸法より大きくてもよい。また例えば、第2軸Yに沿う方向の寸法が第1軸Xに沿う方向の寸法より大きく、且つ第1軸Xに沿う方向の寸法が第3軸Zに沿う方向より大きくてもよい。
・また、素体11の各層の積層方向は、上記各実施形態の例に限られない。素体11の各層は、第2軸Yに沿って積層してもよいし、第3軸Zに沿って積層してもよい。
・絶縁部20の材質は、上記実施形態の例に限られず、絶縁体であればよい。例えば、絶縁部20の材質は、磁性の絶縁体であってもよい。また、絶縁部20の一部が、他の部分と異なる非磁性又は磁性の絶縁体であってもよい。
・第1被覆絶縁層61は、複数の絶縁層が積層された構成であってもよい。また、第1被覆絶縁層61が複数の絶縁層で構成される場合、そのうちの一部の絶縁層が着色されていてもよい。この点、第2被覆絶縁層62についても同様である。
・インダクタ配線30の構成は、上記実施形態の例に限られない。素体11の内部において延びていればよく、必要な特性に合わせて、形状や長さ等、適宜変更すればよい。各実施形態では、底面11Eに平行な軸を中心にインダクタ配線30が巻き回された形状であったが、底面11Eに垂直な軸を中心にインダクタ配線30が巻き回された形状であってもよい。また、底面11Eに平行であって、第1端面11Cに垂直な軸を中心にインダクタ配線30が巻き回された形状であってもよい。
・また、インダクタ配線30の各層のターン数は、1周未満に限られない。インダクタ配線30は、各層において、1周以上巻き回されていてもよい。すなわち、インダクタ配線30の構造は、スパイラル構造であってもよい。
・第1実施形態において、第1配線部31の配線幅は、第2端部31Bも含めて略一定となっていてもよい。この点、他の配線部の配線幅においても同様である。
・インダクタ配線30における各配線部の端部の位置は、上記各実施形態の位置に限られない。インダクタ配線30における各配線部の端部の位置は、適宜変更してもよい。
・第1実施形態において、第1電極部41におけるL字状の第3正方向Z1側の先端は、第1層L1の中心よりも第3正方向Z1側に位置していてもよい。この点、第18電極部59についても同様である。
・第1実施形態において、第5電極部43は、第3電極部42と異なる寸法であってもよい。この点、他の電極部においても同様である。
・第1被覆電極71の形状は、上記実施形態の例に限られない。第2負方向Y2を向いてインダクタ部品10を視たとき、第1被覆電極71の形状は、第1埋込電極40の第1端面電極部40Bの露出範囲に併せて変更すればよい。例えば、第1実施形態において、第1層L1での第1被覆電極71は直方体状に突出しているが、曲面状に突出していてもよい。また例えば、第1層L1から第2層L2、第3層L3にかけてなだらかな曲面状やテーパ状に厚みや高さが変化してもよい。
・図10に示す変更例のインダクタ部品210は、第1実施形態のインダクタ部品10と比べて、第2負方向Y2を向いてインダクタ部品110を視たとき、第1被覆電極71の形状が異なる。インダクタ部品210の第1被覆電極71において、第5層L5における第1被覆電極71の高さが最小となっている。そして、第5層L5における第1被覆電極71の上端は、幾何中心Cに対して底面11E側に位置している。また、第4層L4及び第6層L6における第1被覆電極71の高さが、第5層L5における第1被覆電極71の高さよりも大きくなっている。さらに、第3層L3及び第7層L7における第1被覆電極71の高さが、第4層L4及び第6層L6における第1被覆電極71の高さよりも大きくなっている。そして、第2層L2、第8層L8及び第9層L9における第1被覆電極71の高さは、第3層L3及び第7層L7における第1被覆電極71の高さよりも大きくなっている。そのうえで、第1層L1における第1被覆電極71の高さは、第1層L1~第9層L9において、最大となっている。このように、第1層L1から第5層L5に向けて、徐々に第1被覆電極71の高さが変化していてもよい。この変更例では、第1被覆電極71は、第1端面11Cの幾何中心C上に存在しない。したがって、第2仮想線VL2上での第1被覆電極71の厚みは、幾何中心C上で最小である。
なお、第2仮想線上において、第1被覆電極71の厚みが最大となる箇所が、第1端面11Cの幾何中心Cよりも第1主面11A側にずれていれば、第1被覆電極71の厚みは、幾何中心C上で最小とならなくてもよい。また、第1被覆電極71の厚みが最大となる箇所が、第1端面11Cの幾何中心Cよりも第1主面11A側にずれていれば、第1被覆電極71の厚みは、第1層L1や第9層L9で最大となっていなくてもよい。
また、第1被覆電極71は、層間において、なめらかにつながっていてもよい。すなわち、第2負方向Y2を向いてインダクタ部品110を視たとき、第1被覆電極71の外縁は、角を有しておらず、曲線状となっていてもよい。さらに、第1端面11Cを覆う第1被覆電極71の表面は、曲面となっていてもよい。
・図11に示す変更例のインダクタ部品310は、第1実施形態のインダクタ部品10と比べて、第2層L2における第1被覆電極71の高さが異なる。具体的には、第2層L2における第1被覆電極71の高さは、第1層L1における第1被覆電極71の高さよりも大きくなっている。また、第2層L2における第1被覆電極71の上端は、第2仮想線VL2に対して天面11F側に位置している。この場合でも、第1軸Xに沿う方向において、幾何中心Cよりも第1主面11A側において、第1被覆電極71の高さは最大となっている。
・図12に示す変更例のインダクタ部品410は、第1実施形態のインダクタ部品10と比べて、第9層L9における第1被覆電極71の高さが異なる。具体的には、第9層L9における第1被覆電極71の高さは、第1層L1における第1被覆電極71の高さと等しくなっている。そのため、第1軸Xに沿う方向において幾何中心Cから第1正方向X1側の範囲と、第1負方向X2側の範囲と、で、幾何中心Cからの距離が同じ箇所で、第1被覆電極71の高さが等しい。この場合、インダクタ部品410を基板に搭載する場合に、第1軸Xに沿う方向の安定性が向上しやすい。
・図13に示す変更例のインダクタ部品510は、第1実施形態のインダクタ部品10と比べて、第5層L5における第1被覆電極71の高さが最小となっていない。具体的には、インダクタ部品510では、第1実施形態のインダクタ部品10と比べて、第3層L3、第5層L5、第7層L7、及び第9層L9における第1被覆電極71の高さが、異なっている。インダクタ部品510の第3層L3、第5層L5、第7層L7、及び第9層L9における第1被覆電極71の高さは、第2層L2における第1被覆電極71の高さよりも大きくなっている。また、インダクタ部品510の第3層L3、第5層L5、第7層L7、及び第9層L9における第1被覆電極71の高さは、第1層L1における第1被覆電極71の高さよりも小さくなっている。そのため、第2負方向Y2を向いてインダクタ部品510を視たときに、第2層L2~第9層L9における第1被覆電極71は、櫛状になっている。
・図14に示す変更例のインダクタ部品610は、第1実施形態のインダクタ部品10と比べて、第1層L1及び第2層L2における第1被覆電極71の高さが異なっている。具体的には、インダクタ部品610の第2層L2における第1被覆電極71の高さが最大となっており、且つ、第1層L1における第1被覆電極71の高さは、第5層L5における第1被覆電極71の高さと等しくなっている。つまり、インダクタ部品610においては、第2仮想線VL2上での第1被覆電極71の厚みは、第1端配線部である第1配線部31が存在する第1層L1の範囲外で最大となっている。
・図15に示す変更例のインダクタ部品710は、第1実施形態のインダクタ部品10と比べて、第1被覆電極71の存在する範囲が異なる。具体的には、インダクタ部品710における第1被覆電極71は、第1端面11C上において、第1層L1のみに存在している。つまり、第2層L2~第8層L8においては、第1端面11C上に第1被覆電極71は存在していない。例えば、第1底面電極部40A及び第1端面電極部40Bが第1層L1のみに存在していると、このように、第1被覆電極71は、第1層L1のみに存在する。第1端面11C上における浮遊容量をより小さくするうえでは、第1端面11C上に存在する第1被覆電極71の範囲を小さくすることは好適である。
・図16に示す変更例のインダクタ部品810は、変更例のインダクタ部品710と比べて、第1被覆電極71の第3軸Zに沿う方向の範囲で、存在する範囲が異なる。具体的には、インダクタ部品810では、インダクタ部品710と比べて、第3負方向Z2側の端を含む一部が省略されている。つまり、第1被覆電極71は、第1端面電極部40Bを被覆する箇所と、第1底面電極部40Aを被覆する箇所とに、分かれている。この場合であっても、第2仮想線VL2上において、第1層L1における第1被覆電極71の厚みが最大となっていればよい。
・図17に示す変更例のインダクタ部品910は、第1実施形態のインダクタ部品10と比べて、第1被覆電極71の存在する範囲が異なる。具体的には、インダクタ部品910では、インダクタ部品10と比べて、第1被覆電極71のうち、第1端面電極部40Bを被覆する範囲の第3負方向Z2側の端を含む一部が省略されている。そのため、第1被覆電極71は、第1端面11C上において、2箇所に分かれている。
・第2実施形態のインダクタ部品110において、第1層L1及び第9層L9における第1端面電極部40Bの焼結体の組成と、第2層L2~第8層L8における第1端面電極部40Bの焼結体の組成とが、異なっていてもよい。例えば、第1層L1及び第9層L9における第1端面電極部40Bの材質が銀であり、第2層L2~第8層L8における第1端面電極部40Bの材質が金であってもよい。この場合、金の電気抵抗値は、銀の電気抵抗値よりも大きくなっている。そのため、電気めっきをすることで、第1端面電極部40B上に、箇所毎に厚みの異なる第1被覆電極71を形成できる。また例えば、電気抵抗値の異なる金属の組み合わせは、金と銀とに限られず、銀と銅とであってもよいし、銅と金とであってもよい。また例えば、電気抵抗値の違いは、合金の組成比率を異ならせることで実現してもよい。
・第2実施形態のインダクタ部品110において、第2層L2~第8層L8における第1被覆電極71の厚みはゼロであってもよい。すなわち、第1被覆電極71の厚みは、第1端面11Cの幾何中心C上においてゼロであってもよい。つまり、第2層L2~第8層L8において、第1端面電極部40Bが第1被覆電極71に覆われずに素体11の外部に露出していてもよい。この場合、第2実施形態のインダクタ部品110の製造方法におけるめっき工程S300では、第2層L2~第8層L8における第1端面電極部40Bの表面を絶縁性のカバーで覆ってから、電気めっきすればよい。つまり、第1端面電極部40Bの幾何中心Cを当該カバーで覆うとともに、第1端面電極部40Bのうち、第2仮想線VL2上において幾何中心Cに対して第1主面11A側の部分を当該カバーから露出させてめっきすればよい。
・第1埋込電極40は、少なくとも第1端面電極部40Bを有していればよい。つまり、第1埋込電極40の第1底面電極部40Aは、省略してもよい。
・第1埋込電極40を省いてもよい。この場合、第1被覆電極71がインダクタ配線30の第1端に電気的に接続されていればよい。
・第1被覆電極71は、底面11Eのうち、第1仮想線VL1上の一部を被覆していれば、底面11Eを被覆する範囲を適宜変更してもよい。
・第2正方向Y1を向いてインダクタ部品10を視たとの第2被覆電極72の形状は、第2負方向Y2を向いてインダクタ部品10を視たときの第1被覆電極71の形状と、異なっていてもよい。
上記各実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
<1>
6つの外面を有する直方体状の素体と、
前記素体の内部で延びているインダクタ配線と、
前記外面のうちの1つの面である底面を被覆し、前記インダクタ配線の第1端に電気的に接続された第1被覆電極と、
前記底面を被覆し、前記インダクタ配線の第2端に電気的に接続された第2被覆電極と、
を備え、
前記素体の6つの前記外面のうち、前記底面に垂直な面の1つの面を主面とし、前記底面及び前記主面のいずれにも垂直な面を第1端面及び第2端面としたとき、
前記第1被覆電極及び前記第2被覆電極は、前記底面の幾何中心を通り前記第1端面に垂直な第1仮想線上の一部を被覆しており、
前記第1被覆電極は前記第1端面を、前記第2被覆電極は前記第2端面を覆っており、
前記第1端面に垂直な方向での、前記第1端面から前記第1被覆電極の表面までの距離を、前記第1被覆電極の厚みとしたとき、
前記第1端面の幾何中心を通り前記主面に垂直な第2仮想線上において、前記第1被覆電極の厚みが最大となる箇所が、前記第1端面の幾何中心よりも前記主面側にずれている
インダクタ部品。
<2>
前記第1端面上において前記底面に垂直な方向での前記第1被覆電極の寸法を、前記第1被覆電極の高さとしたとき、
前記第1被覆電極の高さが最大となる箇所が、前記第1端面の幾何中心よりも前記主面側にずれている
<1>に記載のインダクタ部品。
<3>
前記インダクタ配線は、前記主面に垂直な方向に並ぶ複数の配線部と、前記主面に垂直な方向に隣り合う前記配線部を繋ぐビアと、を有しており、
複数の前記配線部のうち、前記第1端から前記主面に平行に延びる前記配線部を、第1端配線部としたとき、
前記第2仮想線上での前記第1被覆電極の厚みは、前記主面に垂直な方向において前記第1端配線部が存在する範囲内で、最大となっている
<1>又は<2>に記載のインダクタ部品。
<4>
前記素体は、前記インダクタ配線の前記第1端に接続し、前記第1被覆電極に直接接触している第1埋込電極を有し、
前記第1埋込電極は、前記第1端面において前記素体の外部に露出して前記第1被覆電極に覆われている端面電極部を有している
<1>~<3>のいずれか1つに記載のインダクタ部品。
<5>
前記端面電極部のうち前記第1端面の幾何中心での電気抵抗値は、前記第1被覆電極の厚みが最大となる箇所での電気抵抗値よりも大きくなっている
<4>に記載のインダクタ部品。
<6>
前記端面電極部は、金属とガラスとからなる焼結体であり、
前記端面電極部のうち、前記第1端面の幾何中心での前記金属の密度は、前記第2仮想線上において、前記第1被覆電極の厚みが最大となる箇所での前記金属の密度よりも粗になっている
<5>に記載のインダクタ部品。
<7>
前記端面電極部は、焼結体であり、
前記端面電極部のうち、前記第1端面の幾何中心での前記焼結体の組成と、前記第2仮想線上において、前記第1被覆電極の厚みが最大となる箇所での前記焼結体の組成と、が異なっている
<5>に記載のインダクタ部品。
<8>
前記第1被覆電極の厚みは、前記第1端面の幾何中心上においてゼロである
<1>~<7>のいずれか1つに記載のインダクタ部品。
<9>
絶縁性の絶縁ペースト及び金属粉を含む導電ペーストを用いて、前記絶縁ペーストの内部で螺旋状に延びている前記導電ペーストのパターンと、前記パターンの第1端に接続し前記絶縁ペーストから露出する前記導電ペーストの第1導電部と、前記パターンの第2端に接続し前記絶縁ペーストから露出する前記導電ペーストの第2導電部と、を有する直方体状の積層体を形成する積層体形成工程と、
前記積層体を焼成して前記第1導電部が焼結した第1埋込電極、前記第2導電部が焼結した第2埋込電極をそれぞれ有する素体を形成する焼成工程と、
前記素体の表面に露出している前記第1埋込電極及び前記第2埋込電極の表面にめっきして、前記第1埋込電極の表面を被覆する第1被覆電極及び前記第2埋込電極の表面を被覆する第2被覆電極を形成するめっき工程と、
を備え、
前記素体の6つの外面のうち、1つの面を底面とし、前記底面に垂直な面の1つを主面とし、前記底面及び前記主面のいずれにも垂直な面を第1端面及び第2端面としたとき、
前記第1埋込電極及び前記第2埋込電極は、前記底面において前記素体の外部に露出し、
前記第1埋込電極は、前記第1端面において前記素体の外部に露出する端面電極部を有しており、
前記めっき工程において、
前記第1端面の幾何中心を絶縁性のカバーで覆うとともに、
前記端面電極部のうち、前記第1端面の幾何中心を通り前記主面に垂直な仮想線上において、前記幾何中心に対して前記主面側の部分を前記カバーから露出させてめっきする
インダクタ部品の製造方法。
10,110,210,310,410,510,610,710,810,910…インダクタ部品
11…素体
20…絶縁部
30…インダクタ配線
31…第1配線部
32,34,36,38…ビア
33…第2配線部
35…第3配線部
37…第4配線部
39…第5配線部
40…第1埋込電極
40A…第1底面電極部
40B…第1端面電極部
50…第2埋込電極
50A…第2底面電極部
50B…第2端面電極部
61…第1被覆層
62…第2被覆層
71…第1被覆電極
72…第2被覆電極

Claims (9)

  1. 6つの外面を有する直方体状の素体と、
    前記素体の内部で延びているインダクタ配線と、
    前記外面のうちの1つの面である底面を被覆し、前記インダクタ配線の第1端に電気的に接続された第1被覆電極と、
    前記底面を被覆し、前記インダクタ配線の第2端に電気的に接続された第2被覆電極と、
    を備え、
    前記素体の6つの前記外面のうち、前記底面に垂直な面の1つの面を主面とし、前記底面及び前記主面のいずれにも垂直な面を第1端面及び第2端面としたとき、
    前記第1被覆電極及び前記第2被覆電極は、前記底面の幾何中心を通り前記第1端面に垂直な第1仮想線上の一部を被覆しており、
    前記第1被覆電極は前記第1端面を、前記第2被覆電極は前記第2端面を覆っており、
    前記第1端面に垂直な方向での、前記第1端面から前記第1被覆電極の表面までの距離を、前記第1被覆電極の厚みとしたとき、
    前記第1端面の幾何中心を通り前記主面に垂直な第2仮想線上において、前記第1被覆電極の厚みが最大となる箇所が、前記第1端面の幾何中心よりも前記主面側にずれている
    インダクタ部品。
  2. 前記第1端面上において前記底面に垂直な方向での前記第1被覆電極の寸法を、前記第1被覆電極の高さとしたとき、
    前記第1被覆電極の高さが最大となる箇所が、前記第1端面の幾何中心よりも前記主面側にずれている
    請求項1に記載のインダクタ部品。
  3. 前記インダクタ配線は、前記主面に垂直な方向に並ぶ複数の配線部と、前記主面に垂直な方向に隣り合う前記配線部を繋ぐビアと、を有しており、
    複数の前記配線部のうち、前記第1端から前記主面に平行に延びる前記配線部を、第1端配線部としたとき、
    前記第2仮想線上での前記第1被覆電極の厚みは、前記主面に垂直な方向において前記第1端配線部が存在する範囲内で、最大となっている
    請求項1又は請求項2に記載のインダクタ部品。
  4. 前記素体は、前記インダクタ配線の前記第1端に接続し、前記第1被覆電極に直接接触している第1埋込電極を有し、
    前記第1埋込電極は、前記第1端面において前記素体の外部に露出して前記第1被覆電極に覆われている端面電極部を有している
    請求項1に記載のインダクタ部品。
  5. 前記端面電極部のうち前記第1端面の幾何中心での電気抵抗値は、前記第1被覆電極の厚みが最大となる箇所での電気抵抗値よりも大きくなっている
    請求項4に記載のインダクタ部品。
  6. 前記端面電極部は、金属とガラスとからなる焼結体であり、
    前記端面電極部のうち、前記第1端面の幾何中心での前記金属の密度は、前記第2仮想線上において、前記第1被覆電極の厚みが最大となる箇所での前記金属の密度よりも粗になっている
    請求項5に記載のインダクタ部品。
  7. 前記端面電極部は、焼結体であり、
    前記端面電極部のうち、前記第1端面の幾何中心での前記焼結体の組成と、前記第2仮想線上において、前記第1被覆電極の厚みが最大となる箇所での前記焼結体の組成と、が異なっている
    請求項5に記載のインダクタ部品。
  8. 前記第1被覆電極の厚みは、前記第1端面の幾何中心上においてゼロである
    請求項1に記載のインダクタ部品。
  9. 絶縁性の絶縁ペースト及び金属粉を含む導電ペーストを用いて、前記絶縁ペーストの内部で螺旋状に延びている前記導電ペーストのパターンと、前記パターンの第1端に接続し前記絶縁ペーストから露出する前記導電ペーストの第1導電部と、前記パターンの第2端に接続し前記絶縁ペーストから露出する前記導電ペーストの第2導電部と、を有する直方体状の積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記積層体を焼成して前記第1導電部が焼結した第1埋込電極、前記第2導電部が焼結した第2埋込電極をそれぞれ有する素体を形成する焼成工程と、
    前記素体の表面に露出している前記第1埋込電極及び前記第2埋込電極の表面にめっきして、前記第1埋込電極の表面を被覆する第1被覆電極及び前記第2埋込電極の表面を被覆する第2被覆電極を形成するめっき工程と、
    を備え、
    前記素体の6つの外面のうち、1つの面を底面とし、前記底面に垂直な面の1つを主面とし、前記底面及び前記主面のいずれにも垂直な面を第1端面及び第2端面としたとき、
    前記第1埋込電極及び前記第2埋込電極は、前記底面において前記素体の外部に露出し、
    前記第1埋込電極は、前記第1端面において前記素体の外部に露出する端面電極部を有しており、
    前記めっき工程において、
    前記第1端面の幾何中心を絶縁性のカバーで覆うとともに、
    前記端面電極部のうち、前記第1端面の幾何中心を通り前記主面に垂直な仮想線上において、前記幾何中心に対して前記主面側の部分を前記カバーから露出させてめっきする
    インダクタ部品の製造方法。
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