JP2024002901A - シート搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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純一 杉田
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Abstract

【課題】シート搬送時の騒音を低減しつつ、次シートが狙いのタイミング以外でピックアップローラにより送り出されるのを防止することが可能となるシート搬送装置を提供する。【解決手段】シート搬送装置は、搬送用紙102aの先端が、搬送機構たる装置内搬送部の搬送ローラ対205を抜けてからレジストローラ対106へ到達するまでの所定のタイミングで、搬送用紙の搬送を一時停止する。また、この搬送用紙の搬送を一時停止のタイミングと同時にピックアップローラ201をシート積載部などの手差しトレイ104に積載されたシート束などの用紙束の最上位シートに当接する当接位置から最上位用紙から離間した離間位置へ移動させる離間動作を開始する。そして、ピックアップローラ201が離間位置に到達し、離間動作が終了したら、用紙の搬送を再開する。【選択図】図6

Description

本発明は、シート搬送装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、シート積載部に積載されたシート束の最上位シートに接触してシートを送り出すピックアップローラと、ピックアップローラを、最上位シートに対して接離させる接離機構と、ピックアップローラにより送り出されたシートを搬送する搬送機構とを備えたシート搬送装置が知られている。
特許文献1には、上記シート搬送装置として、ピックアップローラを最上位シートに当接した当接位置から最上位シートから離間した離間位置へ移動させるときの移動速度を離間位置から当接位置へ移動させるときの移動速度よりも低速とし、ピックアップローラが離間位置に位置したときにピックアップローラを回転自在に支持するピックアップアームがストッパに当接するときの衝突音を和らげるものが記載されている。
しかしながら、特許文献1のように、ピックアップアームがストッパに当接するときの衝突音(シート搬送時の騒音)を和らげるために、ピックアップローラを離間位置へ移動させるときの移動速度を低速とすると、ピックアップローラがシートから離間する前に、シートの搬送方向後端がピックアップローラとの当接位置を抜けてしまい、狙いのタイミングではないタイミングで次のシートがピックアップローラによって送り出されるおそれがあった。
上述した課題を解決するために、本発明は、シート積載部に積載されたシート束の最上位シートに接触してシートを送り出すピックアップローラと、前記ピックアップローラを、前記最上位シートに対して接離させる接離機構と、前記ピックアップローラにより送り出されたシートを搬送する搬送機構とを備えたシート搬送装置において、少なくとも前記ピックアップローラを前記最上位シートに当接する当接位置から前記最上位シートから離間した離間位置へ移動させる離間動作の開始から、前記ピックアップローラの前記最上位シートとの接触が解除されるまでの間、前記搬送機構によるシートの搬送を一時停止することを特徴とするものである。
本発明によれば、シート搬送時の騒音を低減しつつ、次シートが狙いのタイミング以外でピックアップローラにより送り出されるのを防止することが可能となる。
本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。 画像形成装置の主要部を示すブロック図。 手差しトレイからレジストローラ対までの給紙搬送動作について説明する図。 手差し給紙装置の動作を説明する図。 ピックアップローラを離間位置へ移動させたときの衝撃音と、離間動作時間との関係を示す図。 本実施形態における搬送制御について説明する図。 (a)は、ピックアップローラによる給送開始からの時間と、搬送用紙のピックアップローラからの搬送距離との関係を示したグラフであり、(b)は、ピックアップローラによる給送開始からの時間と、給紙搬送速度との関係を示すグラフ。 各画像形成モードのときに設定される用紙搬送速度と、各画像形成モードにおけるピックアップローラの当接動作開始から用紙先端がレジストローラ当接するまでの必要な許容時間とをまとめた一例を示す表。 各画像形成モードの諸元の一例を示す表。 高速モードにおける諸元と、高速静音モードの諸元の一例を示す表。 操作表示部の表示部に初期画面が表示された状態を示す図。 操作表示部の表示部に設定画面が表示された状態を示す図。 操作表示部の表示部にモード設定画面が表示された状態を示す図。
本発明を画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図1に示すように、画像形成装置101は、画像形成部107や、この画像形成部107の下方に配置された給紙部110や、画像形成部107の上方に配置された画像読取装置140を有している。また、画像形成装置101により画像形成を行うときなどに作業者が操作するための操作や表示を行う操作表示部130を有している。
給紙部110には、装置本体に対して着脱可能なシート積載部たる給紙カセット103が2つ装着されており、それぞれに紙種の異なる用紙102が収容されている。給紙カセット103に積載された用紙102は、給紙カセット103から給紙コロ111によって、給紙部110から排紙部109に至る略上下(鉛直)方向に延びる搬送路112に給紙される。
また、装置本体の図中右側側面には、シート積載部たる手差しトレイ104が配設されており、手差しトレイ上に積載された用紙102は、手差し給紙装置105によって搬送路112に給紙される。
画像形成部107には、像担持体としての感光体115を有している。また、感光体115の周囲には、帯電装置、現像装置、転写ローラ113、クリーニングユニットなどが配設されている。帯電装置は、感光体115を均一に帯電するものであり、現像装置は、感光体115上の静電潜像にトナーを付着させて可視像化するものである。また、転写ローラ113は、現像装置によって形成されたトナー像を搬送されてきた用紙102に転写するものである。クリーニングユニットは、転写後の感光体115に残存するトナー等を除去して感光体115をクリーニングするものである。
また、画像形成部107は、感光体115に静電潜像を形成する光書込み装置も有している。光書込み装置は、画像読取装置140からの画像データ、あるいは、パーソナルコンピュータなどから入力される画像情報に基づいて、感光体115の表面をレーザー光によって露光し光書込みを行って、感光体115の表面上に静電潜像を形成する。
また、画像形成部107は、転写ローラ113よりも用紙搬送方向下流側に配置され、転写ローラ113で用紙102に転写されたトナー像を加熱及び加圧して、用紙102に定着させる定着装置114を有している。
用紙102は、上下の給紙カセット103、手差しトレイ104から選択的に給紙され、搬送路112内を搬送される。搬送路112に搬送された用紙102は、転写ローラ113よりも用紙搬送方向上流側に設けられているレジストローラ対106にて一旦搬送が停止されて用紙の姿勢を補正される。その後、所定のタイミングで転写ローラ113と感光体115との転写ニップ部にレジストローラ対106によって送り込まれる。そして、転写ニップ部で感光体115から用紙102にトナー像が転写される。
転写ニップ部でトナー像が転写された用紙102は定着装置114に搬送され、定着装置114で熱と圧力とによりトナー像が用紙102に定着され、装置外に設けられた排紙部109に排紙ローラ対116によって排出される。
本実施形態の画像形成装置101では両面印刷も可能であり、その場合は用紙102のおもて面にトナー像が定着された後、分岐爪117で搬送経路を切り替えて反転ローラ対118側に用紙102を搬送する。
反転ローラ対118は、用紙102を反転トレイ119に途中まで排出したのち逆回転し、用紙102を両面搬送路120側へ送り込む。両面搬送路120に送り込まれた用紙102は表裏が判定された状態で、レジストローラ対106の位置まで再度搬送される。
そして、レジストローラ対106から転写ニップ部に送り込まれた用紙102の裏面に、感光体115からトナー像を転写した後、そのトナー像を定着装置114で用紙102に定着し、排紙ローラ対116によって排紙部109に排出する。
また、本実施形態の画像形成装置101は、画像形成動作モードとして、画像形成速度(プロセス速度)が高速である高速モードと、低速である低速モードと、高速モードと低速モードの間の中速モードの3種類が存在する。用紙102の搬送速度は、画像形成速度に応じて変更する必要があるので、高速モードの場合には、搬送速度が高速に設定され、低速モードの場合には、搬送速度が低速に設定され、中速モードの場合には、搬送速度が中速に設定される。普通紙や薄紙、再生紙(以下、まとめて「普通紙等」という。)を給送する場合は、高速モードや中速モードが選択され、厚紙を給送する場合は、低速モードが選択される。また、給送される用紙が普通紙等の場合で、生産性を優先する場合は、高速モード、画質を優先する場合は中速モードが選択される。
図2は、画像形成装置101の主要部を示すブロック図である。
画像形成装置101は、装置全体の制御を司る制御手段としての制御部150を備えている。制御部150は、演算手段たるCPU150aと、情報記憶部とを備えている。情報記憶部は、データを記憶するRAM150b、ROM150c及びHDD(Hard Disk Drive)等で構成される。本実施形態では、例えば、システムOS、コピー、ファクシミリ、プリンタプロセスに必要な各種制御プログラム、画像形成装置のPDL(Page Description Language)処理系、システムの初期設定値等を納めたROM150cや、ワークメモリ用のRAM150b等で構成されている。
搬送機構である装置内搬送部170は、レジストローラ対106、排紙ローラ対116、反転ローラ対118、搬送ローラ対205(図4参照)などの複数の搬送ローラ対、搬送路112、両面搬送路120などを有している。制御部150は、設定された画像形成モード(低速モード、中速モード、高速モード)に基づいて、複数の搬送ローラ対の回転速度を制御し、プロセス速度に応じた用紙搬送速度で用紙を搬送する。
また、制御部150は、設定された画像形成モード(低速モード、中速モード、高速モード)に基づいて、画像形成部107の感光体115、転写ローラ113、定着装置114などを所定のプロセス速度で駆動する。
また、制御部150は、手差し給紙装置105が備える用紙検知センサ209、ソレノイド206(図4参照)及び給送モータ208に電気的に接続されており、それぞれの動作を制御する。用紙検知センサ209は、手差しトレイ104上の用紙102の有無を検知するセンサである。給送モータ208は、手差し給紙装置105の後述するピックアップローラ201、フィードローラ203、セパレートローラ204などを回転駆動するモータである。
図3は、手差しトレイ104からレジストローラ対106までの給紙搬送動作について説明する図である。
図3(a)に示すように、シート積載部たる手差しトレイ104にシートたる用紙102が積載された状態で、例えば、操作表示部130などで作業者が手差しトレイ104の用紙を選択したときは、手差しトレイ104から用紙が給送される。具体的には、図3(b)に示すように、手差し給紙装置105により手差しトレイ104に積載された用紙束について一枚ずつに分離され、用紙束の最上位の用紙が、搬送用紙102aとして搬送路下流に送り出される。
手差し給紙装置105により送り出された搬送用紙102aは、図3(c)に示すように、先端がレジストローラ対106に当接するまで搬送される。その際、レジストローラ対106は非回転であり、搬送用紙102aをレジストローラ対106に押し当てることで搬送方向に対して用紙先端の位置を揃え、印刷の位置精度の補正を実施している。その後、システムよりレジスト搬送再開指示があるまで、搬送用紙102aはレジストローラ対106の位置で待機する。
レジスト搬送再開指示があると、図3(d)に示すように、レジストローラ対106から搬送用紙102aを送り出し搬送を再開する。また、連続給紙の場合、搬送用紙102aのレジスト搬送再開に併せて予め決められた生産性(高速モード、中速モードおよび低速モード)のタイミングで次搬送用紙102bの給紙搬送を開始する。
以上が用紙1枚あたりの手差し給紙搬送動作で、次搬送用紙102bの給紙開始後は図3(b)~(d)の動作を繰り返して連続通紙される。
本構成の印刷の位置精度補正の機能が成立するためには、先行紙と次給紙のレジスト搬送再開指示の間に搬送用紙102aのレジストローラ対106への押し当てが完了している必要がある。印刷生産性の設定から用紙1枚あたりの印刷時間(プロセス速度)が規定されているため、給紙時の各動作時間の合計がその印刷時間未満となっていなければならない。
図4は、手差し給紙装置105の動作を説明する図である。
手差し給紙装置105は、所謂FRR給紙方式で用紙を給紙する。具体的には、手差し給紙装置105は、ピックアップローラ201と、フィードローラ203と、セパレートローラ204とを備えている。また、手差し給紙装置105は、ピックアップローラ201を手差しトレイ104に積載された用紙束の最上位用紙に対して接離させる接離機構210を備えている。接離機構210は、ピックアップアーム202とソレノイド206とソレノイドリンク207などを備えている。
ピックアップローラ201は、接離機構210のピックアップアーム202に対して回転自在に支持されている。このピックアップアーム202は、フィードローラ203の回転軸に対して回転自在に取り付けられている。ピックアップアーム202は、このフィードローラ軸を回動中心にして揺動可能な構成であり、この揺動によってピックアップローラ201を最上位用紙に対して接離させることができる。
ピックアップアーム202の回動中心を挟んでピックアップローラ201の支持箇所とは反対側のピックアップアーム202の部分には、付勢手段としての給紙圧スプリング213が取り付けられている。給紙圧スプリング213は、ピックアップローラ201を最上位用紙の上面に接触させる向きにピックアップアーム202を回動させる方向(図中上方)へ付勢する。この給紙圧スプリング213の付勢力によりピックアップアーム202を回動させる力が働くことによって、ピックアップローラ201は、最上位用紙の上面に対して所望の当接圧(給紙圧)で接触する。
ソレノイドリンク207は回転軸207aを中心に回動可能に構成されている。ソレノイドリンク207は、スプリングにより紙面と直交する方向(軸方向)に付勢されている。ソレノイド206がOFFのときは、スプリングの付勢力でピックアップアーム202の回動中心を挟んでピックアップローラ201の支持箇所とは反対側を、給紙圧スプリング213の付勢力に抗して押し下げている(図4(a)の矢印参照)。これにより、図4(a)に示すように、ピックアップローラ201を最上位用紙の上面から離間した離間位置に位置させている。ピックアップローラ201が離間位置に位置するとき、ピックアップローラ201は、接離機構を隠すカバー部材211に当接しており、このカバー部材211が、ピックアップローラ201を離間位置で止めるストッパの働きをしている。
また、ソレノイドリンク207には、ソレノイド206のプランジャ206aが接続されている。ソレノイド206がONとなり、プランジャ206aを吸引すると、ソレノイドリンク207が、ソレノイドリンク207を付勢するスプリングの付勢力に抗して、このスプリングによる回動方向とは逆方向に回動する。これにより、ソレノイドリンク207のピックアップローラ201との当接箇所が持ち上げられる。すると、ピックアップアーム202が、給紙圧スプリング213の付勢力で図中時計回りに回動する。その結果、最上位用紙から離間した離間位置から、図4(b)に示すピックアップローラ201が最上位用紙の上面に当接する当接位置へ移動する。
このように、ソレノイド206をONにして、ピックアップアーム202を最上位用紙の上面に当接させたら、ピックアップローラ201およびフィードローラ203に給送モータ208から駆動力を伝達する。すると、ピックアップローラ201およびフィードローラ203が図4(b)に示す矢印方向に回転駆動する。これにより、ピックアップローラ201に接触している手差しトレイ104上の最上位用紙が、フィードローラ203とセパレートローラ204とで形成された分離ニップへ送り出される。
セパレートローラ204は、トルクリミッタを介して給送モータ208から駆動力が伝達されるように構成されており、セパレートローラ204は、給送モータ208からの駆動力により図4(b)の矢印方向とは、逆方向に回転駆動するように構成されている。トルクリミッタは、セパレートローラ204に係るトルクが規定値以上ときは、セパレートローラ204への駆動伝達を遮断する。一方、セパレートローラ204に係るトルクが規定値未満のときは、給送モータ208の駆動力を伝達してセパレートローラ204を図4(b)の矢印方向とは逆方向に回転駆動する。
フィードローラ203とセパレートローラ204との分離ニップに1枚の搬送用紙102aが挟持されたとき(図4(b)の状態)や、用紙が挟持されていないときは、セパレートローラ204にかかる回転負荷が比較的大きい。従って、このときは、セパレートローラ204に係るトルクが規定値以上となり、トルクリミッタは、給送モータ208からの駆動力を遮断する。よって、セパレートローラ204はトルクリミッタに対して空転しフィードローラ203に連れ回る(図4(b)の矢印方向に回転する)。
一方、分離ニップに複数枚の用紙が挟持されたときは、用紙同士のすべりでセパレートローラ204にかかる回転負荷が比較的小さい。従って、このときは、セパレートローラ204に係るトルクが規定値未満となり、トルクリミッタは、給送モータ208からの駆動力をセパレートローラ204に伝達する。これにより、セパレートローラ204は、モータからの駆動力により図4(b)の矢印方向の用紙を搬送する方向とは反対方向に回転駆動し、分離ニップに挟まれた複数枚の用紙のうち、最上位用紙を除く下方の用紙を手差しトレイ104へ戻す。
分離ニップを抜けた用紙は、搬送ローラ対205によりレジストローラ対106へむけて搬送される。搬送用紙102aが一定距離搬送されたら、ソレノイド206をOFFとし、プランジャ206aの吸引状態を解除する。すると、ソレノイドリンク207がスプリングの付勢力により回転し、ピックアップアーム202の回動中心を挟んでピックアップローラ201の支持箇所とは反対側を給紙圧スプリング213の付勢力に抗して押し下げる。これにより、ピックアップアーム202が図中反時計回りに回動し、当接位置から、図4(c)に示すように、離間位置へ移動する。このように、ピックアップローラ201を離間させることで、搬送用紙102aの後端がピックアップローラ201を抜けた後に、次の用紙が送り出されるのが防止される。
連続印刷の場合は、図4(d)に示すように、次給紙開始指示(本実施形態では、レジスト搬送再開指示と同時)のタイミングで、図4(b)と同様の動作を開始し、ピックアップローラ201を再び最上位用紙の上面に当接させ用紙を送り出す。
図4(c)において、搬送用紙102aの後端がピックアップローラ201を抜ける前に、ピックアップローラ201の搬送用紙との接触を解除する必要がある。なぜなら、ピックアップローラ201が搬送用紙102aに接触した状態で、搬送用紙102aの後端がピックアップローラ201を抜けてしまうと、次の用紙がピックアップローラ201によって送り出されてしまうからである。搬送方向の長さが短い用紙の場合は、用紙の先端が搬送ローラ対205を抜けて搬送ローラ対205により搬送されてから、用紙の後端がピックアップローラ201を抜けるまでの時間が短い。従来では、この短い時間で、ピックアップローラ201が当接位置から離間位置へ移動できるように高速で、ピックアップローラ201を当接位置から離間位置へ移動させていた。しかし、この場合は、ピックアップローラを離間位置へ移動させたとき、ピックアップローラ201がカバー部材211に高速で当接し、衝突音が発生してしまう。
かかる衝突音を抑制するには、ソレノイドの動作時間を制御的に長くし、ピックアップローラの当接位置から離間位置への移動速度(以下、離間速度という)を遅くすることが考えられる。
図5は、ピックアップローラを離間位置へ移動させたときの衝突音P[db]と、ピックアップローラ201を当接位置から離間位置へ移動するまでの時間である離間動作時間T[sec]との関係を示す図である。
図5に示すように、ピックアップローラ201の離間速度を落として、離間動作時間を長くするほど、ピックアップローラ201がカバー部材211に当接したときの衝突音Pを軽減できることがわかる。
しかしながら、ピックアップローラ201の離間速度が遅いと、搬送方向の長さが短い用紙の場合は、ピックアップローラ201の搬送用紙102aとの接触が解除される前に、搬送用紙102aの後端がピックアップローラから抜けてしまうおそれがある。これは、ピックアップローラ201は、給紙圧スプリング213の付勢力により所定の圧力で最上位用紙に当接しており、このとき、ピックアップローラ201のゴム層が圧縮変形して最上位用紙に当接している。そのため、ピックアップローラ201の当接位置から離間位置へ移動を開始し、ゴム層が元の形状に復元してからピックアップローラ201は最上位用紙から離れる。よって、ピックアップローラ201の離間位置へ移動を開始してからしばらくの間、ピックアップローラ201は、搬送用紙102aに接触している。離間速度が遅いと、ピックアップローラ201の移動開始からピックアップローラの搬送用紙102aとの接触が解除されるまでの時間が長くなる。よって、搬送方向の長さが短い用紙の場合は、ピックアップローラ201の搬送用紙102aとの接触が解除される前に、搬送用紙102aの後端がピックアップローラ201から抜けてしまうおそれがある。このように、ピックアップローラ201の搬送用紙との接触が解除される前に搬送用紙102aの後端がピックアップローラ201から抜けてしまうと、狙いのタイミングではないタイミングで次の用紙がピックアップローラ201により給送されてしまう。
なお、当接位置から離間位置までのピックアップローラの移動距離が長ければ、離間動作開始からピックアップローラ201の搬送用紙との接触が解除されるまでは、離間速度を高速とし、接触解除後に離間速度を落とすことで、衝突音低減を図ることが可能である。しかし、当接位置から離間位置までのピックアップローラ201の移動距離が短い構成では、接触解除後に十分に離間速度を落とすことができず、カバー部材211との衝突音を十分に低減できない。
そこで、本実施形態では、用紙の搬送を一時停止して、ピックアップローラ201の離間動作を行うようにした。これにより、ピックアップローラ201の離間速度を遅くしても、ピックアップローラ201の搬送用紙102aとの接触が解除される前に、搬送用紙102aの後端がピックアップローラ201を抜けないようにできる。以下、本実施形態の特徴部について、図面を用いて説明する。
図6は、本実施形態における搬送制御について説明する図である。
図6(a)に示すように、搬送用紙102aの先端が、搬送ローラ対205を抜けてから搬送用紙102aの先端が搬送センサ212に検知されるまでの間の所定タイミングで、制御部150(図2参照)は、搬送用紙102aの搬送を一時停止する。具体的には、制御部150は、装置内搬送部170を制御して、搬送ローラ対205の回転駆動を停止するとともに、給送モータ208を停止し、ピックアップローラ201、フィードローラ203、セパレートローラ204の回転を停止する。
なお、搬送ローラ対205の搬送方向下流側近傍に、搬送用紙102aの先端が、搬送ローラ対205を抜けたことを検知するセンサを設け、このセンサで先端を検知してから予め定められた時間、搬送用紙102aを搬送した後、搬送用紙102aの搬送を一時停止してもよい。
また、搬送を一時停止すると同時に制御部150は、ソレノイド206を制御し、ピックアップローラ201を当接位置から離間位置へ移動させる。ピックアップローラ201が離間位置へ移動したら、図6(b)に示すように、搬送ローラ対205の回転駆動および給送モータ208の駆動を再開する。これにより、ピックアップローラ201、フィードローラ203、セパレートローラ204の回転駆動が再開し、用紙搬送が再開される。
なお、上記ではピックアップローラ201が離間位置へ移動したら用紙搬送を再開しているが、ピックアップローラ201の搬送用紙102aとの接触が解除されるタイミングで用紙搬送を再開してもよい。また、ピックアップローラ201が離間位置で接触するカバー部材211(図4(c)参照)付近にピックアップローラ201が離間位置に位置したことを検知するセンサを設け、このセンサがピックアップローラ201を検知したら、用紙搬送を再開してもよい。
これにより、ピックアップローラ201の離間速度を遅くしても、ピックアップローラ201の搬送用紙102aとの接触が解除される前に搬送用紙102aの後端がピックアップローラ201を抜けることがない。よって、ピックアップローラ201の当接位置から離間位置への移動時の衝突音を抑制し、かつ、ピックアップローラ201による狙いのタイミング以外での次用紙の送り出しを防止することができる。
しかし、用紙の搬送を一時停止することで、レジストローラ対106への用紙の到達が従来よりも遅れてしまう。本実施形態では、用紙がレジストローラ対106に到達したタイミング(搬送センサ212が用紙を検知したタイミング)を起点に画像形成を開始している。そのため、ピックアップローラ201による用紙給送開始から用紙の先端がレジストローラ対106に到達するまでの時間(以下、レジスト到達時間という)の長さが印刷生産性に直接影響する。その結果、用紙の搬送を一時停止させて、レジスト到達時間が長くなることで、生産性が落ちてしまう。そのため、本実施形態では、レジストローラ対106までの用紙搬送速度(以下、給紙搬送速度という)を速くし、レジスト到達時間が長くならないようにしている。
図7(a)は、ピックアップローラ201による給送開始からの時間と、搬送用紙102aのピックアップローラ201からの搬送距離との関係を示したグラフである。図7(b)は、ピックアップローラ201による給送開始からの時間と、給紙搬送速度との関係を示すグラフである。なお、図7(a)、図7(b)に示すM0が従来を示しており、M1が本実施形態を示しており、Lは、ピックアップローラ201からレジストローラ対106までの用紙搬送距離である。
従来M0は、搬送用紙102aが一時停止することなく、給紙搬送速度V0で搬送することで、目標のレジスト到達時間T1で、用紙の先端をレジストローラ対106に突き当てている。本実施形態では、搬送途中に所定時間、用紙の搬送を一時停止して、ピックアップローラ201を低速で離間させている。しかし、給紙搬送速度V1とし、従来の給紙搬送速度V0よりも速くする(V1>V0)ことで、本実施形態も目標のレジスト到達時間T1で用紙を搬送できる。これにより、生産性を落とさずに、ピックアップローラ201の離間動作時の衝突音を抑制し、かつ、ピックアップローラ201による狙いのタイミング以外での次用紙の送り出しを防止することができる。
本実施形態では、低速モード、中速モード、高速モードを備えており、低速モードは、手差しトレイ104や給紙カセット103にセットされた用紙が厚紙のときに自動的に設定されるモードである。一方、中速モードは、例えば、高画質な画像を得たい場合に設定されるモードであり、高速モードは、標準画質で生産性を高めたい場合に設定されるものである。中速モード、高速モードは、操作表示部130をユーザーが操作して、ユーザーが設定できるようになっている。
図8は、各モードのときに設定される用紙搬送速度と、各画像形成モードにおけるピックアップローラ201の当接動作開始から用紙先端がレジストローラ当接するまでのレジスト到達時間とをまとめた一例を示す表である。
図8では、おおよその速度比として、中速モードは低速モードの2倍の用紙搬送速度、高速モードは低速の4倍の用紙搬送速度に設定する例であり、各モードの速度比は、適宜決めればよい。
図8に示すように、低速モードのときのレジスト到達時間は(L/V)でありこの時間内に搬送用紙の先端をレジストローラ対106に到達させないと、生産性が従来よりも低下してしまう。
中速モードのときのレジスト到達時間は(L/2V)であり、低速モードのとき(L/V)よりもレジスト到達時間が半減する。高速モードのときのレジスト到達時間は(L/4V)となり、低速モードのレジスト到達時間に対して4倍短くなる。
図9は、各モードの諸元の一例を示す表である。
図9は、ピックアップローラ201の離間動作時の一時停止時間THが(L/2V)の場合における各モードの諸元の一例である。
この一時停止時間THは、搬送ローラ対205や給送モータ208の駆動停止から駆動を再開するまでの時間である。本実施形態では、搬送ローラ対205や給送モータ208の駆動停止のタイミングと同タイミングでピックアップローラ201の離間動作を開始しピックアップローラ201が離間位置に位置したら、駆動を再開する。よって、一時停止時間THは、ピックアップローラ201の離間動作時間と同一である。
一時停止時間THが(L/2V)のときは、図9に示すように、低速モードの給紙搬送速度を2V、中速モードの給紙搬送速度を4Vに設定すればよい。
具体的に説明すると、低速モードのときの給紙搬送速度を2Vにしたときは、(L/V)=(L/2V)+THの関係となる。上述したように、一時停止時間THは(L/2V)なので、給紙搬送速度を2Vとすることで上記関係性を満たすことができる。よって、低速モードのときの給紙搬送速度を2Vにすることで、生産性を落とさずに、低速でピックアップローラ201を離間させることができる。
中速モードのときの給紙搬送速度が4Vのときは、(L/2V)=(L/4V)+THの関係となり、一時停止時間THが(L/2V)であるため、給紙搬送速度が4Vとすることで、上記関係式を満たせる。これにより、生産性を落とさずに、低速でピックアップローラ201を離間させることができる。
このように、低速モードのときは給紙搬送速度を2Vとし、中速モードのときは、本装置の最大の用紙搬送速度4Vとすることで、生産性を落とさずに、一時停止制御を実施して、ピックアップローラ201を低速で離間することができる。
また、低速モードのときの給紙搬送速度を4Vにし、中速モードよりも長い一時停止時間を確保し、中速モードのときに比べてよりピックアップローラ201の離間速度を低速にしてもよい。これにより、低速モード時のピックアップローラ離間動作時の衝突音をより一層低減できる。
また、「低速モード」のときは、一時停止制御を行わずに、ピックアップローラ201を低速で離間させるようにしてもよい。これは、「低速モード」の用紙搬送速度は、「中速モード」の用紙搬送速度の1/2であり、所定時間の用紙搬送距離は、「中速モード」のときの1/2ととなる。そのため、装置構成によっては、装置が搬送可能な搬送方向の最小サイズの用紙のときでも、「低速モード」では用紙搬送を一時停止せずとも、ピックアップローラの用紙接触が解除された後に用紙の後端がピックアップローラを抜けることが可能となる。よって、「低速モード」のときは、用紙の搬送を一時停止制御せずに、ピックアップローラの離間動作を低速で行うようにしてもよい。これにより、「低速モード」のときは、レジストローラ対までの用紙搬送速度を設定される用紙搬送速度で搬送することができる。
一方、高速モードのときは、設定用紙搬送速度が、本装置の最大の用紙搬送速度4Vであるため、給紙搬送速度を、設定用紙搬送速度よりも速くできない。従って、高速モードのときは、用紙搬送を一時停止すると生産性が低下してしまう。よって、高速モードのときは、従来と同様、用紙搬送を一時停止させず(図9において、一時停止時間「0」)、離間速度を従来と同様の速度でピックアップローラ201を離間させる。
高速モードでは、離間速度を遅くせず、従来と同様の速度でピックアップローラ201を離間させることで、カバー部材211との衝突音が大きくなる。よって、衝突音を不快と感じるユーザーもいる。そのため、従来と同様の第二モードとしての高速モードと、高速モードよりも生産性は落ちるが、静音性を重視した第一モードとしての高速静音モードとを設けてもよい。高速静音モードのときは、用紙搬送を一時停止してピックアップローラの離間動作を行うとともに、ピックアップローラ201の離間速度を高速モードよりも落として衝突音を低減させる。
図10は、高速モードにおける諸元と、高速静音モードの諸元の一例を示す表である。
図10に示すように、高速静音モードは、高速モード同様、レジストローラ対106までの給紙搬送速度を、設定用紙搬送速度と同じ4Vに設定している。高速静音モードは、一時停止制御を実施し、用紙搬送を一時停止して、ピックアップローラの離間速度を低速にして離間動作を実施する。これにより、衝突音の低減を図り、かつ、搬送方向の長さが短い用紙のときの狙いのタイミング以外での次用紙の給送を防止できる。
しかし、図10に示すように、高速静音モードは、離間動作時に用紙の搬送を一時停止するため、用紙先端のレジストローラ対106への到達タイミングが、高速モードよりもTH時間遅れる。そのため、高速静音モードは、高速モードに比べて生産性が落ちる。このように、本実施形態では、生産性重視の高速モードと、静音性重視の高速静音モードを有しているので、静音性を重視するユーザーは、高速静音モードを選択でき、静音性よりも生産性を重視するユーザーは、高速モードを選択することができる。これにより、静音性を求めるユーザーと、生産性を求めるユーザーの両方を満足させることができる。
図11は、操作表示部130の表示部130aに初期画面(ホーム画面)が表示された状態を示す図である。
図11に示すように、操作表示部130は、液晶ディスプレイ(LCD)等からなる表示部130aと、テンキーやスタートボタンを有する操作部130bとを備える。表示部130aはタッチパネルの機能を有し、各種表示とともに利用者の接触位置検知が可能である。また、操作部130bを、タッチパネルに表示するGUI部品としてもよい。
モードの設定を行なうとき、ユーザーは、まず、表示部130aに表示された「設定」のGUI部品C1に押す。すると、図12に示すように、表示部130aに表示される画面が、初期画面から設定画面に切り替わる。次に、ユーザーが、表示部130aに表示された「モード設定」のGUI部品C2を押すと、図13に示すように、表示部130aの画面が、モード設定画面に切り替わる。そして、表示部130aに表示された「中速モード」、「高速モード」、「高速静音モード」のGUI部品のいずれかをユーザーが押すことで、中速モード、高速モードおよび高速静音モードのいずれかひとつが設定される。なお、低速モードは、上述したように、セットされた用紙が厚紙のときに自動で設定されるモードであるため、モード設定画面には、「低速モード」のGUI部品は、表示されない。
また、図13の各モードに対応するGUI部品のタイトルは、上記に限らず、適宜決めればよい。例えば、「高速モード」に対応するGUI部品のタイトルを「標準モード」、中速モードに対応するGUI部品のタイトルを「高画質モード」、高速静音モードに対応するGUI部品のタイトルを「静音モード」にしてもよい。また、装置構成によっては、「低速モード」を「高画質モード」、「中速モード」を「標準モード」、「高速モード」を「生産性優先モード」、「高速静音モード」を「生産性静音モード」にしてもよい。
なお、搬送用紙102aの搬送方向長さに応じて、一時停止を行うか否かを決めるようにしてもよい。上述したように、用紙の搬送方向長さが短いときに、ピックアップローラ201の離間速度を遅くすると、ピックアップローラ201が搬送用紙102aから離間する前に用紙後端がピックアップローラ201を抜けるおそれがある。そのため、搬送用紙102aの搬送方向長さが、十分に長い場合は、ピックアップローラの離間速度を遅くしても、ピックアップローラ201の搬送用紙との接触が解除される前に用紙後端がピックアップローラを抜けることがない。よって、例えば、手差しトレイにセットされた用紙が規定の長さ以上か否かを検知する検知手段を設ける。そして、この検知手段により、セットされた用紙が規定の長さ未満のときは、用紙搬送を一時停止して離間動作を行うようにし、セットされた用紙が規定の長さ以上のときは、用紙搬送を一時停止せずに離間動作を行うようにしてもよい。
また、上述では、用紙搬送を一時停止してピックアップローラ201の離間動作を行っているが、ピックアップローラ201の離間動作開始から離間動作完了までのシート搬送速度を、離間動作完了後のシート搬送速度よりも遅くするようにしてもよい。このように、用紙搬送速度を遅くすることで、離間動作開始から離間動作終了までの間のシート搬送量が少なくなる。よって、ピックアップローラ201の離間速度を遅くしても、ピックアップローラ201の用紙との接触が解除される前に、搬送用紙102aの後端がピックアップローラ201を抜けないようにできる。なお、上述では、簡単に制御できるよう離間動作完了までシート搬送速度を遅くしているが、ピックアップローラのシートの接触が解除されるまでの間、シート搬送速度を遅くしてもよい。また、搬送されるシートの搬送方向長さに応じて、離間動作時のシート搬送速度を決めて、ピックアップローラのシートの接触が解除されるまでの間にシートの後端がピックアップローラを抜けないようにしてもよい。
また、本実施形態では、手差しトレイ104の搬送について説明したが、給紙カセット103の用紙の搬送に本発明を適用することができる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
手差しトレイ104などのシート積載部に積載された用紙束などのシート束の最上位シートに接触して用紙などのシートを送り出すピックアップローラ201と、ピックアップローラ201を、最上位シートに対して接離させる接離機構210と、ピックアップローラ201により送り出されたシートを搬送する装置内搬送部170などの搬送機構とを備えたシート搬送装置において、少なくともピックアップローラ201を最上位シートに当接する当接位置から最上位シートから離間した離間位置へ移動させる離間動作の開始から、ピックアップローラ201の最上位シートとの接触が解除されるまでの間、搬送機構によるシートの搬送を一時停止する。
ピックアップローラは、離間動作を開始したら、すぐにシートから離間するのではなく、ピックアップローラが離間位置へある程度移動し、弾性変形したピックアップローラの弾性層が復元してからピックアップローラのシート接触が解除されることになる。一般的に、シートの搬送方向の長さによらず、シートの先端がピックアップローラよりも搬送方向下流に配置されシートを搬送する搬送機構の搬送ローラ対を抜けた所定のタイミングで一律にピックアップローラの離間動作を開始している。特許文献1に記載のように、ピックアップローラを最上位シートに当接した当接位置から最上位シートから離間した離間位置へ移動させるときの移動速度(以下、離間速度という)を離間位置から当接位置へ移動させるときの移動速度(以下、当接速度という)よりも低速にすると、ピックアップローラのシートとの接触が解除されるまでの時間が、離間速度が当接速度と同一の場合に比べて長くなる。そのため、この離間動作開始時点でのピックアップローラのシートとの当接位置からシートの後端までの距離によっては、ピックアップローラのシートの接触が解除される前に、シートの後端がピックアップローラを抜けてしまうおそれがある。その結果、狙いのタイミングではないタイミングで次のシートがピックアップローラによって送り出されるおそれがある。
これに対し、態様1では、少なくともピックアップローラの離間動作の開始から、ピックアップローラの最上位シートとの接触が解除されるまでの間、搬送機構によるシートの搬送を一時停止するようにした。これにより、ピックアップローラのシートとの接触が解除される前に、シートの後端がピックアップローラとの当接位置を抜けることがない。よって、衝突音が抑制される離間速度でピックアップローラを離間位置へ移動させることが可能となり、シート搬送時の騒音を低減しつつ、次シートが狙いのタイミング以外でピックアップローラにより送り出されるのを防止することが可能となる。
(態様2)
態様1において、接離機構210は、ピックアップローラ201を回転自在に支持して、ピックアップローラ201が最上位シートに当接する当接位置と、最上位シートから離間した離間位置との間を移動させるピックアップアーム202と、ピックアップローラ201が当接位置に位置するようにピックアップアーム202を付勢する給紙圧スプリング213などの付勢手段と、ソレノイド206と、ソレノイド206に連結され、ソレノイド206の直線運動により回動し、ピックアップアーム202を揺動させるソレノイドリンク207とを備える。
これによれば、ソレノイド206の駆動を制御することで、ピックアップの離間速度を調整することができる。
(態様3)
態様1において、少なくともピックアップローラを最上位シートに当接する当接位置から最上位シートから離間した離間位置へ移動させる離間動作の開始から、ピックアップローラの最上位シートとの接触が解除されるまでの間、搬送機構によるシートの搬送を一時停止させる高速静音モードなどの第一のモードと、ピックアップローラを最上位シートに当接する当接位置から最上位シートから離間した離間位置へ移動させる離間動作の開始から、ピックアップローラの前記最上位シートとの接触が解除されるまでの間、前記搬送機構によるシートの搬送を一時停止させない高速モードなどの第二のモードとを有する。
これによれば、実施形態で説明したように、生産性重視のユーザーは、高速モードなどの第二モードを選択でき、静音性重視のユーザーは高速静音モードなどの第一モードを選択することが可能となる。これにより、静音性を求めるユーザーと、生産性を求めるユーザーの両方を満足させることが可能となる。
(態様4)
態様3において、高速静音モードなどの第一のモードのピックアップローラ201が搬送中のシートから離間する離間スピードは、高速モードなどの第二のモードの離間スピードよりも遅い。
これによれば、高速静音モードなどの第一のモードのときの離間動作時の衝突音を抑えることができ、高速モードなどの第二のモードのときにピックアップローラの搬送用紙との接触が解除される前に用紙の後端が抜けて、狙いのタイミング以外で次の用紙がピックアップローラにより給送されるのを抑制できる。
(態様5)
態様3において、高速静音モードなどの第1のモードでシートの搬送を行うかと高速モードなどの第2のモードでシートの搬送を行うかを、ユーザーが選択可能にした。
これによれば、実施形態で説明したように、ユーザーの好みに応じてモードの選択を行うことができる。
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、装置内搬送部170などの搬送機構は、シートの先端が突き当たって一時停止するレジストローラ対106を有し、レジストローラ対106までのシート搬送速度を、レジストローラ対以降のシート搬送速度よりも速くした。
これによれば、実施形態で説明したように、レジストローラ対106までのシート搬送速度を、レジストローラ対以降のシート搬送速度よりも速くすることで、ピックアップローラ201の離間動作時のシートの搬送の一時停止による遅延を、レジストローラ対にシートが到達するまでの間に回復することができる。これにより、生産性を低下させずに、静音性を高めることができる。
(態様7)
手差しトレイ104などのシート積載部に積載された用紙束などのシート束の最上位シートに接触して用紙などのシートを送り出すピックアップローラ201と、ピックアップローラ201を、最上位シートに対して接離させる接離機構210と、ピックアップローラ201により送り出されたシートを搬送する装置内搬送部170などの搬送機構とを備えたシート搬送装置において、少なくともピックアップローラ201を最上位シートに当接する当接位置から最上位シートから離間した離間位置へ移動させる離間動作の開始から、ピックアップローラの前記最上位シートとの接触が解除されるまでの間のシート搬送速度を、離間動作完了後のシート搬送速度よりも遅くする。
これによれば、実施形態で説明したように、ピックアップローラの離間速度を従来よりも遅くしても、ピックアップローラのシートとの接触が解除される前に、シートの後端がピックアップローラとの当接位置を抜けるのを抑制できる。よって、騒音を低減しつつ、次シートが狙いのタイミング以外でピックアップローラにより送り出されるのを抑制することが可能となる。
(態様8)
シートを搬送するシート搬送装置を備え、シート搬送装置によりシートを搬送して画像を形成する画像形成装置において、シート搬送装置として、態様1乃至6いずれかのシート搬送装置を用いた。
これによれば、静音性を高めることができ、かつ、給送不良の発生を防止できる。
101 :画像形成装置
102 :用紙
102a :搬送用紙
102b :次搬送用紙
104 :手差しトレイ
105 :手差し給紙装置
106 :レジストローラ対
107 :画像形成部
130 :操作表示部
130a :表示部
130b :操作部
150 :制御部
170 :装置内搬送部
201 :ピックアップローラ
202 :ピックアップアーム
203 :フィードローラ
204 :セパレートローラ
205 :搬送ローラ対
206 :ソレノイド
206a :プランジャ
207 :ソレノイドリンク
207a :回転軸
208 :給送モータ
209 :用紙検知センサ
210 :接離機構
211 :カバー部材
212 :搬送センサ
213 :給紙圧スプリング
特開2016-124651号公報

Claims (8)

  1. シート積載部に積載されたシート束の最上位シートに接触してシートを送り出すピックアップローラと、
    前記ピックアップローラを、前記最上位シートに対して接離させる接離機構と、
    前記ピックアップローラにより送り出されたシートを搬送する搬送機構とを備えたシート搬送装置において、
    少なくとも前記ピックアップローラを前記最上位シートに当接する当接位置から前記最上位シートから離間した離間位置へ移動させる離間動作の開始から、前記ピックアップローラの前記最上位シートとの接触が解除されるまでの間、前記搬送機構によるシートの搬送を一時停止することを特徴とするシート搬送装置。
  2. 請求項1に記載のシート搬送装置において、
    前記接離機構は、
    前記ピックアップローラを回転自在に支持して、前記ピックアップローラが前記最上位シートに当接する当接位置と、前記最上位シートから離間した離間位置との間を移動させるピックアップアームと、
    前記ピックアップローラが当接位置に位置するように前記ピックアップアームを付勢する付勢手段と、
    ソレノイドと、
    前記ソレノイドに連結され、前記ソレノイドの直線運動により回動し、前記ピックアップアームを揺動させるソレノイドリンクとを備えることを特徴とするシート搬送装置。
  3. 請求項1に記載のシート搬送装置において、
    少なくとも前記ピックアップローラを前記最上位シートに当接する当接位置から前記最上位シートから離間した離間位置へ移動させる離間動作の開始から、前記ピックアップローラの前記最上位シートとの接触が解除されるまでの間、前記搬送機構によるシートの搬送を一時停止させる第一のモードと、
    前記ピックアップローラを前記最上位シートに当接する当接位置から前記最上位シートから離間した離間位置へ移動させる離間動作の開始から、前記ピックアップローラの前記最上位シートとの接触が解除されるまでの間、前記搬送機構によるシートの搬送を一時停止させない第二のモードとを有することを特徴とするシート搬送装置。
  4. 請求項3に記載のシート搬送装置において、
    前記第一のモードの前記ピックアップローラが搬送中のシートから離間する離間スピードは、前記第二のモードの前記離間スピードよりも遅いことを特徴とするシート搬送装置。
  5. 請求項3に記載のシート搬送装置において、
    前記第一のモードでシートの搬送を行うか、前記第二のモードでシートの搬送を行うかをユーザーが選択可能にしたことを特徴とするシート搬送装置。
  6. 請求項1に記載のシート搬送装置において、
    前記搬送機構は、シートの先端が突き当たって一時停止するレジストローラ対を有し、
    前記レジストローラ対までのシート搬送速度を、レジストローラ対以降のシート搬送速度よりも速くしたことを特徴とするシート搬送装置。
  7. シート積載部に積載されたシート束の最上位シートに接触してシートを送り出すピックアップローラと、
    前記ピックアップローラを、前記最上位シートに対して接離させる接離機構と、
    前記ピックアップローラにより送り出されたシートを搬送する搬送機構とを備えたシート搬送装置において、
    少なくとも前記ピックアップローラを前記最上位シートに当接する当接位置から前記最上位シートから離間した離間位置へ移動させる離間動作の開始から、前記ピックアップローラの前記最上位シートとの接触が解除されるまでの間のシート搬送速度を、離間動作完了後のシート搬送速度よりも遅くすることを特徴とするシート搬送装置。
  8. シートを搬送するシート搬送装置を備え、
    前記シート搬送装置によりシートを搬送して画像を形成する画像形成装置において、
    前記シート搬送装置として、請求項1または7に記載のシート搬送装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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