JP2023526402A - ブチル-(5s)-5-({2-[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]エチル}[2-(2-{[3-クロロ-4′-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレートの製造方法 - Google Patents

ブチル-(5s)-5-({2-[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]エチル}[2-(2-{[3-クロロ-4′-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレートの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(XII)のブチル-(5S)-5-({2-[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]エチル}[2-(2-{[3-クロロ-4′-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレートの新規な及び改善された製造方法、それの製造のための新規な前駆体、並びに、(5S)-5-{[2-(4-カルボキシフェニル)エチル][2-(2-{[3-クロロ-4′-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸の製造におけるそれの使用に関するものである。TIFF2023526402000096.tif66155

Description

本発明は、下記式(XII)のブチル(5S)-5-({2-[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]エチル}[2-(2-{[3-クロロ-4′-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレート:
Figure 2023526402000002


の新規な及び改善された製造方法、それの製造のための新規な前駆体、並びに、(5S)-5-{[2-(4-カルボキシフェニル)エチル][2-(2-{[3-クロロ-4′-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸の製造のための使用に関するものである。
式(XII)の化合物は、下記式(I)の(5S)-5-{[2-(4-カルボキシフェニル)エチル][2-(2-{[3-クロロ-4′-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸の前駆体である。
Figure 2023526402000003

式(XII)の化合物は、エステル加水分解によって式(I)の化合物に変換することができる。
式(I)の化合物は、可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化剤として作用し、肺、心肺及び心血管障害の予防及び/又は治療剤、例えば、肺動脈性肺高血圧症(PAH)、肺高血圧症(PH)、慢性閉塞性肺疾患関連の肺高血圧症(PH-COPD)、特発性間質性肺炎関連の肺高血圧症(PH-IIP)又は慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)の治療剤として使用することができる。
式(I)の化合物及び製造法が、WO2014/012934に記載されている。WO2014/012934に記載の合成の欠点は、特に、一つのラセミ体のエナンチオマーを分離するために七つのクロマトグラフィー精製段階及び一つのキラルクロマトグラフィー段階が必要であるため、この合成が工業規模のプロセスには適さないという事実である。これらは、一般に、技術的に非常に複雑でコストが高く、大量の溶媒消費を必要とするため、できれば回避すべきである。さらに、エナンチオマーへの分離は、キラル相でのクロマトグラフィーにより合成の進んだ段階で行われる。これは、さらなる合成には使用できない生成物を高い割合で生じさせるものである。
WO2014/012934に記載された合成のいくつかの段階は、数日にわたる長い反応時間と低い収率も特徴とし、これは工業規模での合成の効率にとってかなり不利な点である。例えば、反応時間は、実施例6Aの製造では4日間であり、実施例92Aの製造では3日間である。さらに、実施例92Aの製造において、過剰量の4-(2-ヨードエチル)安息香酸メチルを使用すると、重合に至る可能性がある。これによってポリスチレンが形成され、それは複雑な方法で除去しなければならない。
いくつかの段階は、安全性及びプロセスに関連した困難さのために、工業的な規模で実施することができない。いくつかの反応段階は、非常に高い希釈度、および、非常に多量の試薬を用いて進行し、それは、バッチの体積に対してわずかな生成物しか製造されないことを意味する。さらに、WO2014/012934に開示された合成は、17の段階からなり、その理由だけでも非常にコストと時間がかかる。
したがって、式(I)の化合物を、高い全体収率、低い製造コストおよび高い純度で再現性良く提供し、そして、すべての規制要件を満たす、工業規模で実用可能な合成が必要とされていた。
本発明による方法の特徴は、中間体の精製段階が塩形成によって行われ、したがって、クロマトグラフィー精製段階を省略することが可能であるということである。エナンチオ選択的合成とは、ラセミ体のエナンチオマーを分離するのにキラルクロマトグラフィー段階が必要ないことを意味する。本発明による方法における合成段階の数は、WO2014/012934に開示された合成と比較して減少している。
したがって、本発明による方法は、工業規模で実施可能な合成において、式(I)の化合物を再現性よく、高い全体収率及び純度で製造するのに適している。
図式1
Figure 2023526402000004

図式2
Figure 2023526402000005

図式3
Figure 2023526402000006

図式4
Figure 2023526402000007

図式1は、式(XII)の化合物の製造に必要な式(III)の化合物の製造を示す。
図式2は、式(VIII)の化合物の中間体を経由して式(XII)の化合物を製造するための合成段階の概要を示す。
図式3は、式(XV)の化合物の中間体を経由する式(XII)の化合物の製造のための合成段階の概要を示す。
図式4は、式(XII)の化合物の製造のための合成工程の概要を示し、ここで、反応法は、各種中間段階が単離されないことを除いて、図式3に示されるものと類似している。
個々の合成段階の説明
実施例1
工程段階1
Figure 2023526402000008

工程段階1(図式2及び3)は、式(IV)の4-(2-ヒドロキシエチル)ベンゾニトリルからの式(V)の2-(4-シアノフェニル)エチル4-メチルベンゼンスルホネートの製造を説明するものである。式(IV)の化合物、水酸化カリウム及び4-トルエンスルホニルクロリド(TsCl)を、ここで、不活性溶媒、例えば2-メチルテトラヒドロフラン(2-MTHF)、テトラヒドロフラン(THF)又はジオキサン、好ましくはTHFなどの好適なエーテルに加え、攪拌する。シアノスチレン類やその重合物を生じる脱離反応を回避するため、全ての化合物を加えるまで温度を-10℃~0℃に維持する。この後、0℃~30℃、好ましくは22℃の温度で、変換が完了するまで攪拌を行う。
式(V)の化合物は、例えば、水系後処理及びその後の結晶化によって単離することができる。水系後処理の好適な方法は、当業者に公知であり、副生成物及び過剰の水酸化カリウムを分離することが可能な抽出である。水系後処理は、例えば、塩化アンモニウムの存在下、ジクロロメタン(DCM)及び水を用いて実施することができる。結晶化は、例えば、シクロヘキサン中で行うことができる。これには、溶媒をシクロヘキサンに変えること、30℃~50℃、好ましくは41℃の温度で、減圧下で濃縮すること、20℃~30℃、好ましくは22℃の温度まで冷却すること、固体を単離すること、並びに乾燥キャビネット内で30℃~50℃、好ましくは40℃の温度の乾燥機で乾燥させることを含む。
本発明は、式(V)の化合物:
Figure 2023526402000009


の製造方法を提供し、
下記式(IV)の化合物:
Figure 2023526402000010


を、不活性溶媒中、水酸化カリウム及び4-トルエンスルホニルクロリドと反応させることを特徴とする。
本発明はさらに、不活性溶媒が、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン又はジオキサンからなるリストから選択されるエーテル、好ましくはテトラヒドロフランである、上記の式(V)の化合物の製造方法を提供するものである。
本発明はさらに、式(IV)の化合物、水酸化カリウム及び4-トルエンスルホニルクロリドの添加時の温度を-10℃~0℃に保つ、上記の式(V)の化合物の製造方法を提供するものである。
本発明はさらに、変換を、0℃~30℃、好ましくは22℃の温度で行う、上記の式(V)の化合物の製造方法を提供する。
実施例2
工程段階2
Figure 2023526402000011

工程段階2(図式2及び3)による式(VII)の4-(2-{[2-(2-メトキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリルの製造のために、式(V)の2-(4-シアノフェニル)エチル4-メチルベンゼンスルホネートを、好適なエーテル、好ましくはTHFに懸濁させ、式(VI)の2-メトキシフェネチルアミン及び3級アミン塩基、例えば好ましくはトリエチルアミンを加え、還流下で、好ましくは2時間加熱する。その後、溶媒を水に変え、鉱酸、好ましくは塩酸、より好ましくは25%塩酸を、0~30℃の温度で添加する。反応混合物中の固形物を単離する。
式(VII)の化合物は、好ましくは、水系後処理後に油状物として単離される。水系後処理の好適な方法は、当業者に公知であり、副生成物、例えば過剰のトルエンスルホン酸を分離することができる抽出である。例としておよび好ましくは、単離固体を水と混和し、攪拌し、そして固体を濾過して除去する。この操作は繰り返し行うことができる。その固体を、好ましくは、30~60℃、より好ましくは50℃の温度で酢酸エチルと混和して攪拌し、好ましくは10~30℃、より好ましくは20℃の温度で固体を単離する。この操作は繰り返し行うことができ、その後に、固形物を、減圧下、好ましくは40℃の温度で乾燥させる。さらなる段階において、固体を、酢酸エチル及び塩酸、好ましくは15%塩酸の混合物と混和して式(VII)の化合物の塩酸塩を得て、それを、大気圧下、好ましくは40℃の温度で乾燥させる。式(VII)の化合物の遊離塩基を得るために、得られた固体を、好ましくは等しい体積割合でDCM及び水に溶解し、アルカリ、好ましくは水酸化ナトリウム溶液、より好ましくは45%水酸化ナトリウム溶液で13~14のpHに調節する。有機相を単離し、水で洗浄し、減圧下、好ましくは40℃の温度で濃縮して、油状物を得る。
一級アミンのアルキル化反応により、一般に、可能なポリアルキル化生成物の混合物が得られる。この方法の利点は、至適化された反応及び後処理条件下で、所望のモノアルキル化生成物VIIが良好な純度及び収率で得られることである。ここで形成されるポリアルキル化生成物はまた、至適化された精製によって良好に除去される。
本発明はさらに、下記式(VII)の化合物:
Figure 2023526402000012


並びに、それの塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物を提供する。
本発明は、さらに、式(VII)の化合物のシュウ酸塩を提供する。
本発明はさらに、式(VII)の化合物の製造方法であって、第1段階で、三級アミン塩基の存在下、好適なエーテル中に懸濁させた下記式(V)の化合物:
Figure 2023526402000013


を、下記式(VI)の化合物:
Figure 2023526402000014


と反応させ、そして、第2段階で溶媒を水に変え、鉱酸を加えることを特徴とする製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記好適なエーテルがテトラヒドロフランである、上記の式(VII)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記三級アミン塩基がトリエチルアミンである、上記の式(VII)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記第1段階において、前記反応を還流温度で行う、上記の式(VII)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記第2段階を0℃~30℃の温度で行う、上記の式(VII)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記鉱酸が、塩酸、好ましくは25%塩酸である、上記の式(VII)の化合物の製造方法を提供する。
実施例3
工程段階3
Figure 2023526402000015

先行技術は、式XVIIのアミンによる5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル(II)の還元的アミノ化、及びその後のアルキル化反応による式(I)の化合物の製造を記載しており、ラセミ最終生成物を生じている。その後、キラルクロマトグラフィー段階でエナンチオマーを分離することが必要である。これは、技術的に非常に複雑であり、コストがかかり、溶媒消費が大きい。本発明では、驚くべきことに、(5R)-5-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル(式(III)の化合物)の効果的な製造方法が見出されている。式(III)の化合物を用いると、エナンチオマー的に純粋な最終生成物を得ることが可能であり、それは不利なキラルクロマトグラフィー段階を回避するものである。
工程段階3(図式1)における式(III)の(5R)-5-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリルの製造のため、最初に、式(II)の5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル(実施例4AとしてWO2014/12934で開示されている製造)を好適な溶媒に入れる。好適な溶媒は、当業者に溶媒として知られているエステル、例えば酢酸エチル、及び、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランであり、好ましくは酢酸エチルを使用する。好ましくは0~40℃、より好ましくは20℃の温度で、3級アミン塩基、例えば好ましくはトリエチルアミン及びルテニウム-p-シメン-R,R-TsDPEN(CAS番号:192139-92-7)を、好ましくは触媒量で加える。好ましくは-5~10℃、より好ましくは0~5℃の温度で、ギ酸を加え、形成されたガスを除去する。変換が完了するまで、好ましくは20~50℃、より好ましくは40℃の温度で攪拌を続ける。
式(III)の化合物を、好ましくは、後処理及びその後の結晶化後に単離する。後処理には、反応混合物を、好ましくは等体積の酢酸エチルと鉱酸との、好ましくは塩酸、より好ましくは1N塩酸の混合物と混合して撹拌し、上層を単離する。C-C-アルカン、好ましくはヘプタン、より好ましくはn-ヘプタンを上層に加え、混合物を、減圧下、好ましくは20~50℃、より好ましくは40℃の温度で濃縮する。この段階は、繰り返し行うことができる。好ましい温度20℃で、式(III)の化合物を固体形態で混合物から単離し、好ましくは40℃の温度で真空乾燥させる。
本発明はさらに、下記式(III)の(5R)-5-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル:
Figure 2023526402000016


並びに、それの塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物を提供する。
本発明はさらに、式(III)の化合物の製造方法であって、式(II)の化合物:
Figure 2023526402000017


を、3級アミン塩基、ルテニウム-p-シメン-R,R-TsDPEN及びギ酸と反応させて、式(III)の化合物を得ることを特徴とする方法を提供する。
本発明はさらに、前記アミン塩基がトリエチルアミンであり、ルテニウム-p-シメン-R,R-TsDPENを触媒量で用いる、上記の式(III)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記反応の前に、前記式(II)の化合物を、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジオキサン及びテトラヒドロフランを含むリストから選択される溶媒、好ましくは酢酸エチルに溶解する、上記の式(III)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、第1段階で前記式(II)の化合物をアミン塩基及びルテニウム-p-シメン-R,R-TsDPENと混合し、そして、第2段階でギ酸を加える、上記の式(III)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、第1段階で、前記式(II)の化合物を、アミン塩基及びルテニウム-p-シメン-R,R-TsDPENと、0℃~40℃、好ましくは20℃の温度で混合し、そして、第2段階で、-5℃~10℃、好ましくは0℃~5℃の温度でギ酸を加える、上記の式(III)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、ギ酸を加えた後、変換が完了するまで、20℃~50℃、好ましくは40℃の温度で攪拌を続ける、上記の式(III)の化合物の製造方法を提供する。
実施例4
工程段階4
Figure 2023526402000018

工程段階4(図式2)は、式(VIII)の(5S)-5-{[2-(4-シアノフェニル)エチル][2-(2-メトキシフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリルの製造について説明するものである。このためには、好ましくは、水の排除により、より好ましくは保護ガス雰囲気下、例えばアルゴンを吹き込みながら、(5R)-5-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル(III)の溶液を好適な溶媒に溶解させる。好適な溶媒は、反応温度で液体であるもの、例えばTHF又はDCMであり、好ましくはDCMを使用する。好適な塩基を溶液に加える。好適な塩基は、立体障害2級アミン又は2,6-ジ置換ピリジン類、例えば2,6-ルチジン又は2,6-ジ-tert-ブチルピリジンである。好適な立体障害2級アミンは、例えば、ジイソプロピルアミン、2,5-ジメチルピペリジン又は2,2,5,5-テトラメチルピペリジンである。驚くべきことに、これらの化合物を用いると、立体障害アミンや3級アミンと比較して、より良好な収率を達成することが可能である。最も有利な収率が、好ましくは式(III)の化合物基準でモル過剰でのジイソプロピルアミンの使用によって得られることは特に驚くべきものではなかった。2級アミンであるジイソプロピルアミンは、この種の反応には珍しい塩基である。反応混合物を、-90℃~-50℃、好ましくは-78℃~-65℃の温度まで冷却する。この温度範囲を維持しながら、式(VII)の4-(2-{[2-(2-メトキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリルを、式(III)の化合物基準で、好ましくは1:1のモル比で加え、攪拌する。
式(VIII)の化合物は、好ましくは、水系後処理及びその後の結晶化後に単離される。そのような水系後処理方法は、当業者には公知であり、そして、副生成物の分離除去が可能な抽出である。例えばおよび好ましくは、変換完了後に、反応混合物を、好適な酸、好ましくはシュウ酸若しくはリン酸、より好ましくはシュウ酸と混合し、-10~15℃、好ましくは0~5℃の温度に調節する。混合物に珪藻土を加えて、それを攪拌する。固体を濾去して廃棄し、液体有機相を水で洗浄し、塩基、好ましくはアンモニア溶液、より好ましくは27%アンモニア溶液によってpHを7.5~9、好ましくは8に調節する。有機相を単離し、減圧下に濃縮して、油状物を得る。
その油状物をエタノールに溶解させることで、式(VIII)の化合物を結晶化させる。50℃以下、好ましくは40℃以下、より好ましくは40℃の温度で、式(VIII)の化合物を、好ましくはシード添加後に晶出させる。固体を単離し、当業者に公知の方法によって、好ましくは減圧下、25℃の温度で、窒素気流下で単離及び乾燥させる。
本発明はさらに、下記式(VIII)の化合物:
Figure 2023526402000019


並びに、それの塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物を提供する。
本発明はさらに、下記式(VIII-1)の化合物:
Figure 2023526402000020


[式中、Rは、C-C-アルキルである。]、並びに、それの塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物を提供する。
本発明はさらに、式(VIII-1)の化合物:
Figure 2023526402000021


[式中、RはC-C-アルキルである。]の製造方法であって、第1段階で、-90℃~-50℃の温度で、式(III)の化合物:
Figure 2023526402000022


に、立体障害2級アミン類及び2,6-ジ置換されたピリジン類を含むリストから選択される塩基の存在下に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を加え、第2段階で、下記式(VII-1)の化合物:
Figure 2023526402000023


[式中、RはC-C-アルキルである。]と反応させることを特徴とする方法を提供する。
本発明の文脈において、「C-C-アルキル」は、1~4個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐の一価アルキル基を指す。好ましい例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルなどがある。
本発明はさらに、Rがメチルである、上記の式(VIII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記反応を-78℃~-65℃の温度で行う、上記の式(VIII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記立体障害二級アミンが、ジイソプロピルアミン、2,5-ジメチルピペリジン及び2,2,5,5-テトラメチルピペリジンを含むリストから選択される、上記の式(VIII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記塩基がジイソプロピルアミンである、式(VIII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記温度が-78℃~-65℃、好ましくは-76℃である、式(VIII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記式(III)の化合物が、テトラヒドロフラン又はジクロロメタン、好ましくはジクロロメタンに溶解されている、式(VIII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記塩基を、前記式(III)の化合物基準でモル過剰で、好ましくは3:1の比で加える、上記の式(VIII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を、前記式(III)の化合物基準でモル過剰で、好ましくは1.5:1の比で加える、上記の式(VIII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記式(VII-1)の化合物を、式(III)の化合物基準で1:1~1.1:1のモル比で使用する、上記の式(VIII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記方法を、水の排除により、好ましくは保護ガス雰囲気下で、より好ましくはアルゴンを吹き込みながら行う、上記の式(VIII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記方法を、水の排除により、好ましくは保護ガス雰囲気下で、より好ましくはアルゴンを吹き込みながら行う、上記の式(VIII-1)の化合物の製造方法を提供する。
実施例5
工程段階5
Figure 2023526402000024

工程段階5(図式3)における式(XIII)の4-(2-{[2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリルの製造のためには、最初に、塩化アルミニウムを、好ましくは1:1~1:3、より好ましくは1:1のモル比で、好適なアルキルチオール、好ましくはn-ドデカンチオール(ドデシルメルカプタン)と溶解するまで撹拌する。0~40℃、好ましくは10~20℃の温度で、式(VII)の4-(2-{[2-(2-メトキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリルを加え、混合物を、好ましくは30~50℃、より好ましくは40℃の温度で数時間撹拌する。
驚くべきことに、式(XIII)の化合物は、好適な溶媒、例えばDCM又はトルエン中にアルミニウム錯体(Al錯体)として不溶であり、沈殿するので、塩化アルミニウムを用いての製造が有利であることが見出された。Al錯体の溶解度は溶媒に依存し、例えばそれはTHFに可溶である。この予期せぬ状況は、形成された反応生成物が不溶性Al錯体として単離され、好適な溶媒、好ましくはDCM又はトルエン、より好ましくはDCMで洗浄されるという点で、反応混合物の精製に有利に用いることが可能である。その後、その錯体を、好適な溶媒、好ましくはTHFに溶かし、式(XIII)の化合物を、式(VII)の化合物基準で、モル過剰量で、酒石酸塩、好ましくは酒石酸カリウムナトリウム溶液を加えることにより錯体から遊離させることができる。酒石酸塩の添加による錯体からの遊離は、繰り返し行うことができる。
式(XIII)の化合物は、好ましくは水系塩基性後処理の後に単離される。水系塩基性後処理の好適な方法は、当業者に公知であり、副生成物を分離除去することができる抽出である。このためには、例えば、溶媒をDCMに変え、アンモニア水溶液、好ましくは27%アンモニア水溶液を加え、混合物を水で洗浄し、有機相を濃縮して油状物とする。
本発明はさらに、下記式(XIII)の化合物:
Figure 2023526402000025


並びに、それの塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物を提供する。
本発明はさらに、式(XIII)の化合物の製造方法であって、第1段階で、塩化アルミニウムを好適なアルキルチオールと混和し、第2段階で、下記式(VII)の化合物:
Figure 2023526402000026


と、溶媒ジクロロメタン又はトルエン中で反応させることを特徴とする方法を提供する。
本発明はさらに、前記好適なアルキルチオールがn-ドデカンチオールである、上記の式(XIII)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記溶媒が、トルエン及び/又はジクロロメタン、好ましくはジクロロメタンである、上記の式(XIII)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記好適なアルキルチオールを、式(VII)の化合物基準で1:1~1:3のモル比で、より好ましくは式(VII)の化合物基準で1:1.8のモル比で加える、上記の式(XIII)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記式(VII)の化合物を、0℃~40℃、好ましくは10℃~20℃の温度で加える、上記の式(XIII)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、第2段階における変換を、30℃~50℃、より好ましくは40℃の温度で行う、上記の式(XIII)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記形成された不溶性の式(XIII)の化合物を単離し、テトラヒドロフランに溶かし、酒石酸塩溶液を加える、上記の式(XIII)の化合物の製造方法を提供する。
実施例6
工程段階6A及び6Bは、式(XIV)の4-(2-{[2-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリルの製造を説明するものである。
工程段階6A:
Figure 2023526402000027

工程段階6A(図式3)による式(XIV)の4-(2-{[2-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリルの製造のために、式(XIII)の4-(2-{[2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリルを、好適な溶媒、例えばエーテル又はハロ炭化水素、好ましくはDCMに溶解させる。0℃~40℃、好ましくは20℃~35℃の温度で、式(XIII)の化合物のヒドロキシル基を、シリル保護基で保護する。使用されるシリル保護基は、当業者に公知のシリル保護基、例えば、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)又はtert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)であることができ、好ましくはtert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)である。そのために、式(XIII)の化合物を、アミン塩基、好ましくはイミダゾールの存在下、0℃~40℃、好ましくは20℃~35℃の温度で、変換が完了するまで、好適なシリルクロライド、好ましくはtert-ブチルジメチルシリルクロライドと共に攪拌する。アミン塩基は、式(XIII)の化合物に対して1:1又は過剰のモル比で存在し、好ましくは、1.5倍モル過剰で存在する。
濃縮の前に、反応混合物を、当業者に公知の水系塩基性精製によって精製することができる。このためには、例えば、炭酸カリウム水溶液を反応混合物に添加し、有機相を水で繰り返し洗浄し、そして、有機相を硫酸ナトリウムで脱水する。
別の好ましい精製は、式(XIV)の化合物をシュウ酸塩として沈殿させることによって達成することができる。このためには、反応混合物を水で洗浄した後、有機相の溶媒をメタノールに変え、混合物を、40℃~80℃、好ましくは65℃の温度に加熱する。式(XIV)の化合物基準で過剰のシュウ酸を添加した後、混合物を、40℃~65℃、好ましくは50℃~55℃の温度で撹拌し、次いで、0℃~20℃、好ましくは5℃~10℃の温度まで冷却する。沈殿固体を分離し、水及び水と相分離を示す不活性溶媒、例えばDCM、トルエン又はエーテル、好ましくはDCMとの混合溶媒に懸濁させ、攪拌する。好適な塩基、例えばそして好ましくは水酸化ナトリウム溶液によってpHを10.5~12.5に調節した後、相を分離し、有機相を濃縮する。
濃縮は、25℃~70℃、好ましくは30℃~50℃、より好ましくは35℃の温度で、好ましくは減圧下で行い、式(XIV)の化合物が油状物として得られる。
本発明はさらに、下記式(XIV)の化合物:
Figure 2023526402000028


並びに、それの塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物を提供する。
本発明はさらに、下記式(XIV-1)の化合物:
Figure 2023526402000029


[式中、Rはシリル保護基である。]
並びに、それの塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物を提供する。
本発明はさらに、下記式(XIV-1)の化合物:
Figure 2023526402000030


[式中、Rはシリル保護基である。]の製造方法であって、
下記式(XIII)の化合物:
Figure 2023526402000031


を、アミン塩基の存在下に、適切なシリルクロライドと反応させることを特徴とする方法を提供する。
本発明の文脈において、「シリル保護基」は、当業者に知られているシリル保護基であり、有機ケイ素化合物によって反応性官能基を非反応性形態に変換することができる。好ましくは、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)又はtert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)を使用し、特に好ましくはtert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)を使用する。
本発明の文脈では、適切なシリルクロライドは、それぞれのシリル保護基の製造に使用されるシリルクロライドである。
本発明はさらに、前記アミン塩基がイミダゾールである、式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、Rが、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル及びtert-ブチルジメチルシリルを含む群から選択される、式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、Rがtert-ブチルジメチルシリルである、式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記適切なシリルクロライドが、トリメチルシリルクロライド、トリエチルシリルクロライド、トリイソプロピルシリルクロライド、tert-ブチルジフェニルシリルクロライド及びtert-ブチルジメチルシリルクロライドを含む群から選択される、式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記適切なシリルクロライドがtert-ブチルジメチルシリルクロライドである、式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記アミン塩基が、前記式(XIII)の化合物基準で1.5:1又は過剰のモル比で存在する、式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
工程段階6B:
Figure 2023526402000032

或いは、式(XIV)の化合物は、工程段階6B(図式4)において、式(V)の2-(4-シアノフェニル)エチル4-メチルベンゼンスルホネート及び式(XVII)の2-(2-アミノエチル)フェノールから製造することができる。この目的のためには、式(V)の化合物を、好適な溶媒、例えばエーテル、好ましくはDCM又はTHF、より好ましくはTHFに溶解し、式(V)の化合物基準で好ましくは2:1以上の比率の式(XVII)の2-(2-アミノエチル)フェノール、及び、式(V)の化合物基準で好ましくは3:1以上の割合のトリエチルアミンを添加する。反応混合物を、好ましくは反応混合物の沸騰温度に相当する温度で、数時間、好ましくは20~60時間、より好ましくは46時間加熱する。DCMが溶媒として使用されていない場合、溶媒は、好ましくはDCMに変える。これは、例えば、減圧下、60℃以下の温度で元の溶媒を除去した後、DCMを加えることにより行うことができる。次いで、この溶液は、公知の方法、例えば、好ましくは重炭酸ナトリウムによる1回以上の洗浄を行い、任意に、例えば、好ましくは45℃以下の温度でさらに濃縮することができる。
得られた溶液に、イミダゾールを、式(V)の化合物基準で、好ましくは2:1~5:1、好ましくは3:1の比率で加え、20~35℃、より好ましくは室温で、変換が完了するまで攪拌する。
これを、次に、当業者に公知の水系塩基性精製を行ってもよい。この目的のために、好ましくは以下の工程が想定される:反応混合物を水で1回以上洗浄し、溶媒をメタノールに変える。シュウ酸を、40~70℃、好ましくは50~55℃の温度で加え、混合物を攪拌する。0~20℃、好ましくは5~10℃に冷却後、固形分を単離し、メタノールで洗浄する。残留物を、DCM若しくはトルエンと水、好ましくはDCMと水の、好ましくは体積比1:1の混合物に懸濁させ、15~40℃、好ましくは25~35℃で、濃塩基、好ましくは水酸化ナトリウム溶液、より好ましくは45%水酸化ナトリウム溶液と混合し、pH10.5~12.5になるようにする。水を加えた後、有機相を単離し、好ましくは減圧下に濃縮する。式(XIV)の化合物は、油状物として得られる。
この方法の一つの利点は、フェノールのヒドロキシル官能基(塩基性条件下でアルキル化反応に関与し得る)を事前に保護することなく、式(V)の2-(2-アミノエチル)フェノールのアルキル化により、所望の一級アミンのモノアルキル化生成物が得られることである。
本発明はさらに、下記式(XIV-1)の化合物:
Figure 2023526402000033


[式中、Rはシリル保護基である。]の製造方法であって、
第1段階で、下記式(XVI)及び(V)の化合物:
Figure 2023526402000034


を、アミン塩基、例えばトリエチルアミンの存在下にカップリングさせ、第2段階で、その反応生成物を、同様にアミン塩基の存在下、適切なシリルクロライドと反応させることを特徴とする方法を提供する。
本発明はさらに、前記第1段階での前記アミン塩基がトリエチルアミンである、上記の式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記第1段階を、溶媒としての好適なエーテル中で行う、上記の式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記好適なエーテルがジクロロメタン又はテトラヒドロフランである、上記の式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記式(XVI)の化合物を、式(V)の化合物基準で2:1以上のモル比で使用する、上記の式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、トリエチルアミンを、式(V)の化合物基準で3:1以上のモル比で使用する、上記の式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、第1段階での前記変換を、沸騰温度で数時間、好ましくは20~60時間、より好ましくは46時間行う、上記の式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、第2段階での前記アミン塩基がイミダゾールである、上記の式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、第2段階での前記アミン塩基を、式(V)の化合物基準で2:1~5:1、好ましくは3:1のモル比で用いる、上記の式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、第2段階を20℃~35℃の温度で行う、上記の式(XIV-1)の化合物の製造方法を提供する。
実施例7
工程段階7:
Figure 2023526402000035

工程段階7(図式3)における式(XV)の(5S)-5-{[2-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)エチル][2-(4-シアノフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリルの製造のために、式(III)の(5R)-5-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カーボニトリルを、好適な溶媒に加える。好適な溶媒は、反応温度で液体であるもの、例えばTHF又はDCMであり;好ましくはDCMを使用する。好適な塩基は、立体障害2級アミン又は2,6-ジ置換されたピリジンである。好適な立体障害2級アミンは、例えば、ジイソプロピルアミン、2,5-ジメチルピペリジン又は2,2,5,5-テトラメチルピペリジン、好ましくはジイソプロピルアミンである。特に好ましくは、過剰量のジイソプロピルアミン、より好ましくは、式(X)の化合物基準で3当量のジイソプロピルアミンを加える。驚くべきことに、これらの化合物を用いると、立体障害アミン又は3級アミンと比較して、より良好な収率を達成することができる。特に驚くべき点は、ジイソプロピルアミンを用いることで、最も有利な収率が達成されることであった。
反応混合物を、-90℃~-50℃、好ましくは-78℃~-65℃の温度に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を、式(III)の化合物基準で好ましくは過剰量、より好ましくは1.5当量加え、混合物を撹拌する。前述の温度範囲を維持しながら、式(XIV)の4-(2-{[2-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ}エチル)ベンゾニトリルを、式(III)の化合物基準で、好ましくは等モル量、より好ましくは式(III)の化合物基準で1.0~1.2当量でDCMに溶かし、そして、変換が完了するまで混合物を攪拌する。その後、反応混合物を10~30℃、好ましくは20℃の温度まで加温する。
濃縮の前に、反応混合物を、当業者に公知の水系酸性精製によって精製することができる。このためには、反応混合物を、鉱酸、好ましくはリン酸又は塩酸、より好ましくは塩酸で酸性とし、任意に水で洗浄し、有機相を単離する。
濃縮を、30℃~80℃、好ましくは30℃~60℃、より好ましくは40℃の温度で、好ましくは減圧下で行い、式(XV)の化合物を油状物として得る。
任意に、得られた油状物をシリカゲルを介して濾過することができる。このために、油状物を、好適な溶媒、好ましくはDCMに溶解し、シリカゲルで濾過し、そして、好適な溶媒、好ましくは1:2(酢酸エチル:n-ヘキサン)の比率の酢酸エチルとn-ヘキサンの溶媒混合物で希釈する。その後、生成物溶液を、上述の条件下で再度濃縮する。
本発明はさらに、下記式(XV)の化合物:
Figure 2023526402000036


並びに、それの塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物を提供する。
本発明はさらに、下記式(XV-1)の化合物:
Figure 2023526402000037


[式中、Rは、シリル保護基である。]、並びに、それの塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物を提供する。
本発明はさらに、下記式(XV-1)の化合物:
Figure 2023526402000038


[式中、Rはシリル保護基である。]の製造方法であって、第1段階で、-90℃~-50℃の温度で、下記式(III)の化合物:
Figure 2023526402000039


に、立体障害二級アミン及び2,6-ジ置換されたピリジンからなるリストから選択される塩基の存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を加え、第2段階で下記式(XVI-1)の化合物:
Figure 2023526402000040


[式中、Rは、シリル保護基である。]と反応させることを特徴とする方法を提供する。
本発明はさらに、前記立体障害二級アミンが、ジイソプロピルアミン、2,5-ジメチルピペリジン及び2,2,5,5-テトラメチルピペリジンを含むリストから選択される、上記の式(XV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記塩基がジイソプロピルアミンである、上記の式(XV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記温度が、-78℃~-65℃、好ましくは-76℃である、上記の式(XV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記式(III)の化合物が、テトラヒドロフラン又はジクロロメタン、好ましくはジクロロメタンに溶解されている、上記の式(XV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を、式(III)の化合物基準で、モル過剰量で、好ましくは1.5:1の比率で加える、上記の式(XV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記塩基が、式(III)の化合物基準で、モル過剰量で、好ましくは3:1の比率で加える、上記の式(XV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記式(XIV-1)の化合物を、式(III)の化合物基準で1:1~1.1:1のモル比で使用する、上記の式(XV-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記工程を、水の排除により、好ましくは保護ガス雰囲気下、より好ましくはアルゴンを吹き込みながら行う、上記の式(XV-1)の化合物の製造方法を提供する。
実施例8
工程段階8:
Figure 2023526402000041

工程段階8(図式3)における式(XVI)の(5S)-5-{[2-(4-シアノフェニル)エチル][2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリルの製造のため、好適なアルコール、好ましくはメタノール中の式(XV)の(5S)-5-{[2-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)エチル][2-(4-シアノフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリルを、変換が完了するまで、10℃~40℃、好ましくは25℃の温度で、高濃塩酸、好ましくは37%又は25%塩酸と混和する。
アンモニア水溶液、好ましくは30%アンモニア溶液による中和後、式(VI)の化合物を固体形態で抽出することができる。これらの固体は、水及びジクロロメタンの混合物中で攪拌することができ、有機相を水で洗浄し、濃縮することができる。
得られた固体はまた、メタノール及び水の混合物に還流温度で溶かすことができ、そして、室温まで冷却することで、驚くべきことにキラル試薬を加えずに比較的高いエナンチオマー純度で得ることができる。これは、エナンチオマー的に純粋な有効成分の製造には特に有利である。
本発明はさらに、下記式(XVI)の化合物:
Figure 2023526402000042


並びに、それの塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物を提供する。
本発明はさらに、式(XVI)の化合物の製造方法であって、下記式(XV-1)の化合物:
Figure 2023526402000043


[式中、Rは、シリル保護基である。]を、鉱酸と反応させることを特徴とする方法を提供する。
本発明はさらに、前記鉱酸が、塩酸、好ましくは25%塩酸である、上記の式(XVI)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記変換を、10℃~40℃、好ましくは25℃の温度で行う、上記の式(XVI)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記変換をメタノール中で行う、上記の式(XVI)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記反応後に、混合物を、アンモニア溶液、好ましくは30%アンモニア溶液と混合し、そして、前記式(VI)の化合物を固体形態で抽出する、上記の式(XVI)の化合物の製造方法を提供する。
実施例9
工程段階9A:
Figure 2023526402000044

工程段階9A(図式3)における式(IX)の(5S)-5-{[2-(4-カルボキシフェニル)エチル][2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸の製造のために、式(XVI)の(5S)-5-{[2-(4-シアノフェニル)エチル][2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリルを、変換が完了するまで、90℃~110℃、好ましくは103℃の温度で、高濃塩酸、好ましくは25%塩酸中に懸濁させる。その反応生成物は、次の段階で直接用いることができる。
或いは、反応生成物を、最初に、15℃~50℃、好ましくは40℃の温度まで冷却し、その懸濁液を濾過し、そして、濾液を次の段階での使用に用いる。
本発明はさらに、下記式(IX)の化合物:
Figure 2023526402000045


並びに、それの塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物を提供する。
本発明はさらに、式(IX)の化合物の製造方法であって、
下記式(XVI)の化合物:
Figure 2023526402000046


を、鉱酸と反応させることを特徴とする方法を提供する。
本発明はさらに、前記鉱酸が、塩酸、好ましくは25%塩酸である、上記の式(IX)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記変換を、90℃~110℃、好ましくは103℃の温度で行う、上記の式(IX)の化合物の製造方法を提供する。
工程段階9B:
Figure 2023526402000047

別途工程段階9B(図式2)では、式(IX)の化合物を、式(VIII)の(5S)-5-{[2-(4-シアノフェニル)エチル][2-(2-メトキシフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリルから製造することができる。このためには、式(VIII)の化合物を、高濃臭化水素酸、好ましくは48%臭化水素酸に懸濁させ、変換が完了するまで、90℃~110℃、好ましくは108℃の温度で攪拌する。次に、反応生成物を、最初に冷却して、15℃~40℃、好ましくは25℃とし、そして、DCMで洗浄し、そして、水相を、次の段階での使用に用いる。
工程9Bによって有毒な臭化メチルが生じることから、生成したガスは、ガススクラバーによって回収しなければならない。さらに、反応物として使用される臭化水素酸は、非常に腐食性が高い。
本発明はさらに、式(IX)の化合物の製造方法であって、
下記式(VIII)の化合物:
Figure 2023526402000048


を、90℃~110℃の温度で臭化水素酸と反応させることを特徴とする方法を提供する。
本発明はさらに、48%臭化水素酸を用いる、上記の式(IX)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記変換を108℃の温度で行う、上記の式(IX)の化合物の製造方法を提供する。
実施例10
Figure 2023526402000049

工程段階10A:
工程段階10A(図式2及び3)における式(X)のブチル(5S)-5-({2-[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]エチル}[2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレートの製造のために、式(IX)の(5S)-5-{[2-(4-カルボキシフェニル)エチル][2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸を、鉱酸、好ましくは塩酸、及び溶媒としての好適なアルコール、例えばブタノール、好ましくはn-ブタノール中で加熱沸騰させ、変換が完了するまで攪拌する。例えば、前駆体のために存在し、そして反応中に生成する水系溶媒成分は除去する。これは、例えば、有機溶媒の沸騰温度に達するまで、その有機溶媒を連続添加しながらの蒸留によって行うことができる。記載の段階は、好ましくは、減圧下で行う。その後、冷却して、温度を10℃~30℃、好ましくは22℃とし、そして、水系塩基性精製を行う。任意に、冷却後に濾過を行い、そして、濾液により水系塩基性精製を行う。
水系塩基性精製の手順は当業者には公知であり、水系塩基性精製のためには、酢酸エチル及び塩基水溶液、好ましくはアンモニア溶液又は炭酸カリウム及び水を加え、攪拌を行い、水相の除去及び廃棄を行う。第2段階で、好ましくは、残った有機相に水及び塩化ナトリウムを加え、攪拌を行い、水相の除去及び廃棄を行う。第3段階では、好ましくは、残った有機相に水を加え、攪拌し、水相の除去及び廃棄を行う。最後の段階で、残った有機相を、30℃~80℃、好ましくは40℃~70℃、より好ましくは55℃の温度で、好ましくは減圧下に濃縮し、式(X)の化合物を油状物として得る。
任意に、得られた油状物をDCM及びメタノールに溶かし、シリカゲルで濾過し、そして、得られた濾液を、上記の条件下で再度濃縮して油状物を得る。
この工程の一つの利点は、存在する水又は反応で生成される水が、共沸蒸留によって反応混合物から非常に効果的に除去でき、それにより、完全変換が達成されるまでの反応時間を短縮することができるという点である。ブタノールは、この場合、他の溶媒、例えばアセトニトリルと比較して、留去される溶媒の量に基づいて反応混合物からかなり多くの水を除去するという点で、他の溶媒と比較して注目に値するものである。これは、蒸留時間に対する有利な効果を有する。工業的規模では、蒸留時間の短縮により運転コスト削減及び装置占有時間の短縮並びにエネルギーコスト削減につながる。さらに、共沸蒸留に使用される溶媒は、同時に、ブチルエステル形成のための試薬であり、それにより、さらなる溶媒を使用する必要がなくなる。その工程のさらなる利点は、完全な変換が達成される反応終点が、選択される蒸留条件(蒸留圧)下でのブタノールの沸点での内部温度達成により、さらなる分析研究を行うことなく示されるという点である。これは、特に工業的規模ではかなり有利である。
本発明はさらに、下記式(X)の化合物:
Figure 2023526402000050


並びに、それの塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物を提供する。
本発明はさらに、式(X)の化合物の製造方法であって、下記式(IX)の化合物:
Figure 2023526402000051


を、鉱酸の存在下、n-ブタノールと反応させることを特徴とする方法を提供する。
本発明はさらに、n-ブタノールを用いる、上記の式(X)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記鉱酸が塩酸である、上記の式(X)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記変換を沸騰温度で行う、上記の式(X)の化合物の製造方法を提供する。
工程段階10B;
Figure 2023526402000052

或いは、式(X)のブチル(5S)-5-({2-[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]エチル}[2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレートは、中間体の単離を行うことなく、式(III)及び式(XIV)の化合物から得ることができる(工程段階10B-図式4)。このために、工程段階7、8、9A及び10Aを良好に行い、そして、それらの工程段階からの個々の生成物を油状物として得て、そして、個々の次段階で直接用いる。
本発明はさらに、下記式(X)の化合物:
Figure 2023526402000053


の製造方法であって、第1段階で-90℃~-50℃の温度で、下記式(III)の化合物:
Figure 2023526402000054


に、立体障害二級アミン及び2,6-ジ置換されたピリジンからなるリストから選択される塩基の存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を加え、第2段階で、-90℃~-50℃の温度で、下記式(XIV-1)の化合物:
Figure 2023526402000055


[式中、Rはシリル保護基である。]と反応させ、第3段階において、前記反応生成物を、塩酸と反応させ、第4段階において、前記反応生成物を、鉱酸の存在下にブタノールと反応させることを特徴とする方法を提供する。
本発明はさらに、前記立体障害二級アミンが、ジイソプロピルアミン、2,5-ジメチルピペリジン及び2,2,5,5-テトラメチルピペリジンを含むリストから選択される、上記の式(X)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記塩基がジイソプロピルアミンである、上記の式(X)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、第1及び第2の段階における温度が、-78℃~-65℃、好ましくは-76℃である、上記の式(X)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記式(III)の化合物が、テトラヒドロフラン又はジクロロメタン、好ましくはジクロロメタンに溶解されている、上記の式(X)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を、式(III)の化合物基準で、モル過剰量で、好ましくは1.5:1の比率で加える、上記の式(X)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記塩基を、式(III)の化合物基準で、モル過剰量で、好ましくは3:1の比率で加える、上記の式(X)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記式(XIV-1)の化合物を、式(III)の化合物基準で1:1~1.1:1のモル比で使用する、上記の式(X)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記工程を、水の排除により、好ましくは保護ガス雰囲気下、より好ましくはアルゴンを吹き込みながら行う、上記の式(X)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記使用されるブタノールがn-ブタノールである、上記の式(X)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記鉱酸が塩酸である、上記の式(X)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、第3段階での前記変換を、90℃~110℃、好ましくは103℃の温度で行い、そして、第4段階での前記変換を沸騰温度で行う、上記の式(X)の化合物の製造方法を提供する。
実施例11
工程段階11
Figure 2023526402000056

式(XII)の化合物の製造のため、式(X)のブチル(5S)-5-({2-[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]エチル}[2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレート(工程段階11-図式4)を、好ましくは10℃~40℃、好ましくは25℃の温度で、不活性極性溶媒、例えば好適なエーテル、アセトン又はアセトニトリル、好ましくはアセトニトリルに溶かす。次に、好ましくは、40℃~60℃の温度で、減圧下、好ましくは80mbar~120mbar、より好ましくは120mbarで蒸留を行い、そして、アセトニトリルを加える。この段階は繰り返すことができる。
式(XI)の4-(ブロモメチル)-3-クロロ-4′-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]を、溶液に、好ましくは式(X)の化合物基準で、1当量~2当量、より好ましくは1.2当量の量で加える。アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸セシウム、又は、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム、又は、テトラアルキルアンモニウム炭酸塩、例えば、炭酸テトラメチル-、テトラエチル-、テトラプロピル-又はテトラブチルアンモニウム、炭酸ベンジルトリメチル-、ベンジルトリエチル-、ベンジルトリプロピル-又はベンジルトリブチルアンモニウムを含むリストから選択される添加剤を溶液に加え、好ましくは炭酸セシウムを使用する。その添加剤は、式(X)の化合物基準で、モル過剰量、好ましくは2当量~4当量、より好ましくは2当量で加える。式(XII)の化合物への変換が完了するまで、混合物を攪拌する。追加量の添加剤、好ましくは炭酸セシウムを反応混合物に加え、再度攪拌することが可能である。得られた懸濁液を濾過する。フィルター残留物を廃棄する前に、それを好ましくはアセトニトリルで洗浄する。
或いは、式(XII)の化合物は、油状物として単離することができる。その油状物を単離するため、濾液を15℃~60℃、好ましくは30℃~50℃、より好ましくは40℃の温度で濃縮して油状物を得る。その濃縮は、好ましくは、減圧下で行う。
本発明はさらに、下記式(XII)の化合物:
Figure 2023526402000057


並びに、それの塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物を提供する。
本発明はさらに、下記式(XII-1)の化合物:
Figure 2023526402000058


[式中、R及びRは独立にC-C-アルキルである。]の製造方法であって、
下記式(X-1)の化合物:
Figure 2023526402000059


[式中、R及びRは独立にC-C-アルキルである。]を、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物又はテトラアルキルアンモニウム炭酸塩の存在下、下記式(XI)の化合物:
Figure 2023526402000060


と反応させることを特徴とする方法を提供する。
本発明はさらに、下記式(XII)の化合物:
Figure 2023526402000061


の製造方法であって、
下記式(X)の化合物:
Figure 2023526402000062


を、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物又はテトラアルキルアンモニウム炭酸塩の存在下、下記式(XI)の化合物:
Figure 2023526402000063


と反応させることを特徴とする方法を提供する。
本発明はさらに、好適なエーテル、アセトン又はアセトニトリル、好ましくはアセトニトリルを溶媒として用いる、上記の式(XII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸セシウムを含むリストから選択されるアルカリ金属炭酸塩、好ましくは炭酸セシウムを用いる、上記の式(XII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを含むリストから選択されるアルカリ金属水酸化物を用いる、上記の式(XII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、テトラアルキルアンモニウム炭酸塩を用いる、上記の式(XII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物又はテトラアルキルアンモニウム炭酸塩を、式(X)の化合物基準で、モル過剰量で、好ましくは2:1~4:1のモル比で、より好ましくは式(X)の化合物基準で2:1のモル比で用いる、上記の式(XII-1)の化合物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記式(XI)の化合物を、好ましくは式(X)の化合物基準で、1:1~2:1のモル比で、より好ましくは式(X)の化合物基準で1.2:1のモル比で用いる、上記の式(XII-1)の化合物の製造方法を提供する。
式(I)の化合物は、当業者に公知のエステル加水分解法によって、式(XII)又は(XII-A)の化合物から製造することができる。例を挙げると、エステル加水分解は、WO2014/012934の実施例23に記載の方法と同様にして行うことができる。
実験の部
略称及び頭字語
Figure 2023526402000064


Figure 2023526402000065

分析方法
方法A
恒温カラムオーブン、UV検出器及びデータ評価システムを有する高速液体クロマトグラフ、測定波長228nm、範囲:6nm、オーブン温度25℃、カラム:Chiralpak AD-H、長さ:250mm、内径:4.6mm、粒径:5μm、移動相:A:n-ヘプタン、B:イソプロパノール+0.1%ジエチルアミン、勾配プログラム:開始1mL/分80%溶離液A、20%溶離液B;16分1mL/分40%溶離液A、60%溶離液B。サンプル溶媒:エタノール+0.1%ジエチルアミン、分析溶液:物質約1.0mg/mL、サンプル溶媒で溶解、注入量:10μL。
:エナンチオマー1:7.6分、エナンチオマー2:8.5分。
方法B
恒温カラムオーブン、UV検出器及びデータ評価システムを有する高速液体クロマトグラフ、測定波長206nm、範囲6nm、オーブン温度30℃、カラム:Chiralpak AD-H、長さ:250mm、内径:4.6mm、粒径:5μm、移動相:A:n-ヘプタン、B:エタノール+0.1%ジエチルアミン、勾配プログラム:開始1mL/分70%溶離液A、30%溶離液B;12分1mL/分40%溶離液A、60%溶離液B。サンプル溶媒:エタノール+0.1%ジエチルアミン、分析溶液:物質約1.0mg/mL、サンプル溶媒で溶解、注入量:5μL。
:エナンチオマー1:5.8分(RRT 1.00)、エナンチオマー2:7.2分 RRT1.25。
方法C
恒温カラムオーブン、UV検出器及びデータ評価システムを有する高速液体クロマトグラフ、測定波長204nm、範囲:6nm、オーブン温度45℃、カラム:Chiralpak AD-H、長さ:250mm、内径:4.6mm、粒径:5μm、移動相:A:n-ヘプタン、B:エタノール+0.2%トリフルオロ酢酸+0.1%ジエチルアミン、勾配プログラム:1.5分1mL/分60%溶離液A、40%溶離液B;サンプル溶媒:エタノール、分析溶液:約1.0mg/mLの物質、サンプル溶媒で溶解、注入量:10μL。
:エナンチオマー1:2.9分RRT 1.00 エナンチオマー2:3.7分RRT 1.28。
方法D
恒温カラムオーブン、UV検出器及びデータ評価システムを有する高速液体クロマトグラフ、測定波長230nm、範囲6nm、オーブン温度40℃、カラム:Chiralpak AD-H、長さ:250mm、内径:4.6mm、粒径:5μm、移動相:A:n-ヘプタン、B:エタノール+0.1%ジエチルアミン、勾配プログラム:1分1mL/分70%溶離液A、30%溶離液B;サンプル溶媒:エタノール+0.1%ジエチルアミン、分析溶液:物質約2.0mg/mLをサンプル溶媒で溶解、注入量:10μL。
:エナンチオマー1:4.9分(RRT 1.00)、エナンチオマー2:5.7分(RRT 1.16)。
方法E
恒温カラムオーブン、UV検出器及びデータ評価システムを有する高速液体クロマトグラフ、測定波長226nm、範囲:6nm、オーブン温度35℃、カラム:Chiralpak IB、長さ:250mm、内径:4.6mm、粒径:5μm、移動相:A:n-ヘプタン、B:イソプロパノール+0.1%エタノールアミン、勾配プログラム:1.5分1mL/分80%溶離液A、溶離液B20%;サンプル溶媒:n-ヘプタン:イソプロパノール1:1、分析溶液:物質約2.0mg/mLをサンプル溶媒で溶解、注入量:10μL。
:エナンチオマー1:4.1分、エナンチオマー2:4.5分。
方法F
変法1:
恒温カラムオーブン、UV検出器及びデータ評価システムを有する高速液体クロマトグラフ、測定波長228nm、範囲:6nm、オーブン温度40℃、カラム:Chiralpak OJ-H、長さ:250mm、内径:4.6mm、粒径:5μm、移動相:A:n-ヘプタン、B:エタノール+0.1%ジエチルアミン、勾配プログラム:1分1mL/分60%溶離液A、40%溶離液B;サンプル溶媒:エタノール、分析溶液:物質約1.5mg/mLをサンプル溶媒で溶解、注入量:10μL。
:エナンチオマー1:10.68分、エナンチオマー2:12.13分。
変法2:
恒温カラムオーブン、UV検出器及びデータ評価システムを有する高速液体クロマトグラフ、測定波長228nm、範囲:6nm、オーブン温度40℃、カラム:Lux 3μ Cellulose-3(Phenomenex)、長さ:150mm、内径:4.6mm、粒径:3μm、移動相:A:n-ヘプタン、B:エタノール+0.1%ジエチルアミン、勾配プログラム:1分1mL/分75%溶離液A、25%溶離液B;サンプル溶媒:エタノール、分析溶液:物質約1.0mg/mLをサンプル溶媒で溶解、注入量:10μL。
:エナンチオマー1:7.6分、エナンチオマー2:8.6分。
方法G
恒温カラムオーブン、UV検出器及びデータ評価システムを有する高速液体クロマトグラフ、測定波長226nm、範囲:6nm、オーブン温度30℃、カラム:Chiralpak AD-H、長さ:250mm、内径:4.6mm、粒径:5μm、移動相:A:n-ヘプタン、B:イソプロパノール+0.1%ジエチルアミン、勾配プログラム:1分1mL/分96%溶離液A、4%溶離液B;サンプル溶媒:イソプロパノール+0.1%ジエチルアミン、分析溶液:物質約2.0mg/mLをサンプル溶媒で溶解、注入量:10μL。
:エナンチオマー1:8.6分、エナンチオマー2:10.7分。
方法H
装置Waters ACQUITY SQD UPLCシステム;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μm 50x1mm;溶離液A:1リットル水+0.25mL 99%ギ酸、溶離液B:1リットルアセトニトリル+0.25mL 99%ギ酸;勾配:0.0分90%A→1.2分5%A→2.0分5%A;オーブン:50℃、流量:0.40mL/分;UV検出:210nm。
方法I
装置Waters ACQUITY SQD UPLCシステム;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μm 50x1mm;溶離液A:1リットル水+0.25mL 99%ギ酸、溶離液B:1リットルアセトニトリル+0.25mL 99%ギ酸;勾配:0.0分95%A→6.0分5%A→7.5分5%A;オーブン:50℃;流量:0.35mL/分;UV検出:210nm。
方法J
装置:Waters UPLC Acquityを有するMicromass Quattro Premier;カラム:Thermo Hypersil GOLD 1.9μ 50x1mm;溶離液A:1リットル水+0.5mL 50%ギ酸、溶離液B:1リットルアセトニトリル+0.5mL 50%ギ酸;勾配:0.0分97%A→0.5分97%A→3.2分5%A→4.0分5%A;オーブン:50℃;流量:0.3mL/分;UV検出:210nm。
方法K
MS装置:Waters(Micromass)QM;HPLC装置:Agilent 1100シリーズ;カラム:Agilent ZORBAX Extend-C18 3.0x50mm 3.5μ;溶離液A:1リットル水+0.01mol炭酸アンモニウム、溶離液B:1リットルアセトニトリル;勾配:0.0分98%A→0.2分98%A→3.0分5%A→4.5分5%A;オーブン:40℃;流量:1.75mL/分;UV検出:210nm。
方法L
MS装置の種類:Waters Synapt G2S;UPLC装置の種類:Waters Acquity I-CLASS;カラム:Waters、HSST3、2.1x50mm、C18 1.8μm;溶離液A:1リットル水+0.01%ギ酸;溶離液B:1リットルアセトニトリル+0.01%ギ酸;勾配:0.0分2%B→2.0分2%B→13.0分90%B→15.0分90%B;オーブン:
50℃;流量:1.20mL/分;UV検出:210nm。
方法M
恒温カラムオーブン、UV検出器及びデータ評価システムを有する高速液体クロマトグラフ、測定波長226nm、範囲:40nm。カラム:Zorbax Bonus-RP、長さ:150mm、内径:3.0mm、粒径:3.5μm、移動相:A:水+0.1%TFA、B:ACN+0.1%TFA/メタノール=2+1、勾配プログラム:0.0分50%B→12.0分70%B→17.0分90%B→25.0分90%B;流量:0.60mL/分;サンプル溶媒:イソプロパノール+0.1%ジエチルアミン、分析溶液:物質約35mgをACN 25mLに溶解し、水+0.1%TFA(0.7mg/mL)で50mLとする;注入量:3μL。
方法N
恒温カラムオーブン、UV検出器及びデータ評価システムを有する高速液体クロマトグラフ、測定波長210nm。カラム:XBridge BEH Phenyl、長さ:50mm、内径:4.6mm、粒径:2.5μm、移動相:A:ミリポア水1リットル中(NHHPO 0.66g及び(NH)HPO 0.58g;B:ACN、勾配プログラム:0.0分95%B→8.3分80%B→11.0分80%;流量:1.2mL/分;サンプル溶媒:ACN+水、注入量:3μL。
出発材料及び中間体
実施例1
2-(4-シアノフェニル)エチル4-メチルベンゼンスルホネート
Figure 2023526402000066

40リットル反応容器中、テトラヒドロフラン12.6リットル及び水酸化カリウム(粉末、85%)0.62kg(11.05mol)を冷却して-10℃とし、4-(2-ヒドロキシエチル)ベンゾニトリル813.3g(5.53mol)のテトラヒドロフラン(1.2リットル)中溶液を13分以内で加えた。次に、4-トルエンスルホニルクロライド1.370kg(7.18mol)を数回に分けて加え、混合物を-10℃で20分間攪拌し、加熱して22℃とし、そして、22℃で1.5時間攪拌した。水12.2リットル及びジクロロメタン12.2リットルを加え、混合物を20分間攪拌し、そして、有機相を分離した。水相をジクロロメタン12.2リットルで洗浄し、そして、合わせた有機相を飽和塩化アンモニウム水溶液12.2リットルで洗浄した。
二つのバッチにおける有機相を45℃で減圧下に濃縮して8.75リットルとし、そして、残留物を、シクロヘキサン40.7リットルに10分以内で量り入れた。容器をジクロロメタン1リットルで洗い、その洗液を前記シクロヘキサンに加えた。混合物を、減圧下に41℃で濃縮して24.4リットルとし、シクロヘキサン24.4リットルを加え、混合物を再度41℃で減圧下に濃縮して24.4リットルとした。懸濁液を冷却して22℃とし、30分間攪拌し、固体を濾過し、シクロヘキサン8.2リットルで洗浄し、そして、真空乾燥キャビネットにおいて40℃で乾燥させた。
収量:2.82kg;理論値の84.6%。
1H-NMR, DMSO: 2.41 (s, 3H), 2.99 (t, 2H), 4.29 (t, 2H), 7.21-7.42 (dd, 4H), 7.52-7.72 (dd, 4H)
LC-MS(方法H);R=1.03分、302.1[M+H]
実施例2
4-(2-{[2-(2-メトキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリル
Figure 2023526402000067

反応容器中、シアノフェネチルトシレート(実施例1)1.507kg(5.00mol)をテトラヒドロフラン3.8リットルに懸濁させ、そして、2-メトキシフェネチルアミン2.27kg(15.0mol)及びトリエチルアミン1.012kg(10.0mol)とともに2時間にわたり、還流下に加熱した(約77℃)。混合物を冷却して50℃とし、水10.7リットルを加えた。水のみが残るまで、溶媒を減圧下に留去した。残留物を冷却して22℃とし、塩酸(25%)6.78リットルを40分以内で加えた。混合物を30分間攪拌し、固体を吸引濾過し、そして、水1リットルで洗浄した。
二つのバッチの固体を水15リットとともに30分間攪拌し、固体を吸引濾過し、水7.5リットルで洗浄し、そして、その手順を繰り返した。湿った生成物を酢酸エチル7.5リットルとともに50℃で1.5時間攪拌し、冷却して22℃とし、22℃で1時間攪拌し、濾過し、酢酸エチル5リットルで洗浄し、そして、真空乾燥キャビネットにおいて40℃で乾燥させて、2.13kgを得た。その乾燥生成物を、酢酸エチル2.2リットル及び塩酸(15%)5.38リットル中で攪拌し、吸引濾過し、水2.15リットルで洗浄し、そして、真空乾燥キャビネットにおいて40℃で乾燥させて、塩酸塩1.63kgを得た。
その塩酸塩をジクロロメタン8.25リットル及び水8.25リットルに溶かし、45%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを13~14に調節し、相を分離し、そして、有機相を水2.75リットルで洗浄した。有機相を40℃で減圧下に濃縮し、ジクロロメタン3リットルを加え、混合物を再度濃縮して、油状物1.44kgを得た。
収量:1.44kg;理論値の51.5%。
1H-NMR, DMSO: 2.59-2.72 (m, 4H), 2.77 (s, 4H), 3.77 (s, 3H), 6.80-6.98 (m, 2H), 7.08-7.21 (m, 2H), 7.41 (d, 2H), 7.72 (d, 2H)
LC-MS(方法H);R=0.63分、281.2[M+H]
実施例3
(5R)-5-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル
Figure 2023526402000068

30リットルステンレス製リアクターに、最初に5-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル1.0kg及び酢酸エチル10.0リットルを入れた。トリエチルアミン1.175kgを20℃で15分以内に量り入れた。ルテニウム-p-シメン-R,R-TsDPEN(CAS番号:192139-92-7)18.5gを、20℃でその溶液に加えた。ギ酸1.337kgを、その溶液に0℃~5℃で1時間以内で量り入れた(ガス発生)。反応液を内部温度40℃で4時間攪拌した。反応のモニタリングによって、40℃でわずか2時間後に完全に変換されたことが示された(実験室HPLC)。反応混合物を、冷却して20℃とし、ガスを放出させるために20℃で終夜攪拌した。後処理のため、反応混合物を酢酸エチル4.1リットル及び1N塩酸4.1リットルと混合し、さらに15分間攪拌した。相を分離した。暗褐色有機上層約13.9リットルを得た。生成物を含む上層をn-ヘプタン13.9リットルと混合した。その混合物を、蒸留物約17.6リットルの量が得られるまで、約2.5時間以内で減圧下に濃縮した(約800mbar、外部温度約40℃)。追加のn-ヘプタン13.9リットルを加え、混合物を、蒸留物約17.6リットルの量が得られるまで約2.5時間以内で再度濃縮した(混合物の最終容量は約7リットル)。混合物を冷却して約20℃とし、そして、20℃で終夜攪拌した。生成物を濾過によって単離し、そして、結晶をn-ヘプタン各3.7リットルで2回洗浄した。湿った生成物を、真空乾燥キャビネットにおいて、外部温度約40℃で約17時間にわたり、恒量となるまで乾燥させた。
収量:0.975kg;理論値の96%。
1H-NMR, DMSO (NBR 305-22-1): 1.60-1.85 (m, 2 H), 1.90-2.05 (m, 2 H), 2.75-2.93 (m, 2H), 4.65-4.70 (m, 1 H), 5.62 (d, 1 H), 7.85 (d, 1H), 8.0 (d, 1H)
LC-MS(方法H):R=0.52分175.1[M+H]
エナンチオマー純度(HPLC方法D):98.03%ee。
実施例4
(5S)-5-{[2-(4-シアノフェニル)エチル][2-(2-メトキシフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル
Figure 2023526402000069

6リットルフラスコ中、(5R)-5-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル(実施例3)121.2g(0.696mol)のジクロロメタン(220mL)及びジイソプロピルアミン211.2g(2.09mol)中溶液を、アルゴン下に冷却して-76℃とした。85分以内に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物333.6g(1.18mol)を、-76℃~-69℃で量り入れ、ジクロロメタン20mLで洗い、そして、混合物を20分間攪拌した。その後、35分以内に、4-(2-{[2-(2-メトキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリル(実施例3)292.5g(1.044mol)のジクロロメタン(720mL)中溶液を-75℃~-67℃で量り入れ、ジクロロメタン80mLで洗い、そして、混合物を2時間攪拌した。シュウ酸172.1g(1.19mol)を反応混合物に加え、冷却浴を外し、そして、混合物を終夜攪拌した。珪藻土216gを加え、反応混合物を0℃~5℃の温度に調節し、30分間攪拌し、固体を吸引濾過した。フィルターケーキを冷ジクロロメタン1680mLで洗浄し、濾液を水2リットルで洗浄した。有機相を水2リットルと混合し、アンモニア水溶液(27%)40mLでpH=8に調節し、そして、水相を分離した。有機相をロータリーエバポレータで減圧下に40℃で濃縮して、油状物(380.3g)を得た。その油状物を、還流下でエタノール758mLに溶かし、冷却して40℃とし、生成物によるシード添加を行い、さらに冷却して室温とした。固体を吸引濾過し、エタノール300mLで洗浄し、真空乾燥キャビネットにおいて25℃で窒素気流下に乾燥させた。
収量:167.8g;(理論値の55.2%)。
エナンチオマー純度(HPLC方法F):87.9%ee。
LC-MS(方法H);R=1.31分437.2[M+H]
実施例5
4-(2-{[2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリル
Figure 2023526402000070

2リットルフラスコ中、塩化アルミニウム155.6g(1.167mol)及びドデシルメルカプタン429.5g(2.122mol)を、溶解するまで攪拌した(15分)。30分以内に、4-(2-{[2-(2-メトキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリル(実施例2)119.0g(0.424mol)のトルエン(418mL)中溶液を10℃~20℃で量り入れた。それをトルエン42mLで洗い、混合物を40℃で終夜攪拌した。得られた固体を吸引濾過し、ジクロロメタン530mLで洗浄し、ジクロロメタン800mLとともに攪拌し、そして、吸引濾過した。湿った生成物をテトラヒドロフラン835mLに溶かし、そして、冷却しながら飽和(360g/L)酒石酸ナトリウムカリウム溶液526mL(2.33mol)を加えた。その二層混合物を吸引濾過し、固体を酢酸エチル1リットルとともに攪拌し、そして、吸引濾過した。精製固体をテトラヒドロフラン835mLに懸濁させ、飽和(360g/L)酒石酸ナトリウムカリウム溶液526mL(2.33mol)とともに30分間攪拌した。固体を、生成物含有濾液から吸引濾過し、テトラヒドロフラン200mLで洗浄した。生成物含有濾液を合わせ、有機相を分離し、濃縮した。残留物をジクロロメタン835mLに溶かし、アンモニア水溶液(27%)31mLでアルカリ性とし、各回水309mLで3回洗浄した。合わせた有機相をジクロロメタン155mLで洗浄し、合わせた有機相を濃縮して油状物を得た。
粗収量:70.8g;理論値の62.6%。
LC-MS(方法I);R=1.20分、267.2[M+H]
実施例6
4-(2-{[2-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリル
Figure 2023526402000071

方法A:
2リットルフラスコ中、4-(2-{[2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリル(実施例5)68.99g(0.26mol)をジクロロメタン690mLに溶かした。冷却しながら、tert-ブチルジメチルシリルクロライド68.43g(0.44mol)及びイミダゾール26.5g(0.39mol)を23℃~33℃で加え、そして、混合物を室温で16時間攪拌した。その後、炭酸カリウム60.85gの水溶液(水420mL)を加え、有機相を各回水350mLで3回洗浄し、そして、合わせた有機相をジクロロメタン80mLで洗浄し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、35℃でロータリーエバポレータにて濃縮して、粗生成物116.5gを得た。
粗収量:116.5g;理論値の118%。
LC-MS(方法J);R=2.21分、381.3[M+H]、382.2。
方法B;
シアノフェネチルトシレート(10g、33.2mmol、1.0当量)のTHF(130mL)中溶液に、25~35℃の温度で、2-(2-アミノエチル)フェノール(9.1g、66.4mmol、2.0当量)及びトリエチルアミン(13.8mL、99.5mmol、3.0当量)を加えた。その後、反応混合物を46時間加熱還流した。その後、THFを減圧下に60℃未満の温度で除去し、残った量の粗取得物をDCM(50mL)と混合した。次に、溶液を飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し(50mLで2回)、有機相を45℃未満の温度で濃縮した。
このDCM溶液(40mL)に、イミダゾール(6.8g、99.5mmol、3.0当量)を加え、次に、少量ずつ、tert-ブチル-ジメチルシリルクロライド(14.0g、92.9mmol、2.8当量)を加えた。その後、反応混合物を、25~35℃で2時間攪拌した。反応が完了した後、反応混合物を水で洗浄した(100mLで2回)。減圧下での蒸留によって、溶媒をメタノール(100mL)に変え、そして、混合物を加熱して65℃とした。その後、シュウ酸(4.5g、49.7mmol、1.5当量)を加え、混合物を50~55℃で1~2時間攪拌した。反応混合物を徐々に冷却して5~10℃とし、さらに1~2時間攪拌した。次に、固体を濾過し、メタノールで洗浄した(20mLで2回)。その後、フィルター残留物をDCM/水(それぞれ137mL)に懸濁させ、25~35℃で数時間攪拌した。その後、45%NaOH(4.5mL)を加えて、pH10.5~12.5とした。1時間後、追加の水70mLを加え、相を分離した。有機相を減圧下に濃縮した。得られた残留物は標的物質に相当する(6.78g、37%)。
収量:6.78g;理論値の37%。
純度(面積):91.3%(方法N、R11分)。
実施例7
(5S)-5-{[2-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)エチル][2-(4-シアノフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル
Figure 2023526402000072

1リットルフラスコ中、(5R)-5-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル(実施例3)15.0g(86.1mmol)のジクロロメタン(250mL)及びジイソプロピルアミン36.2mL(0.26mol)中溶液を、アルゴン下に冷却して-76℃とした。30分以内に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物24.6mL(0.15mol)を-74℃~-68℃で量り入れ、そして、混合物を30分間攪拌した。その後、46分以内に、4-(2-{[2-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリル(実施例6)49.2g(0.13mol)のジクロロメタン(100mL)中溶液を-75℃~-72℃で量り入れ、ジクロロメタン20mLで洗い、混合物を2時間攪拌した。85%リン酸9.93g(86.1mmol)を反応混合物に加え、反応混合物を、室温で各回水500mLで2回洗浄した。合わせた水相をジクロロメタン300mLで洗浄し、そして、合わせた有機相を、40℃で減圧下にロータリーエバポレータで濃縮して、油状物を得た(96.6g)。
油状物をジクロロメタン50mLに溶かし、シリカゲル150gで濾過し、そして、生成物を、1:2の比の酢酸エチル/n-ヘキサン800mLで溶離した。その生成物溶液を、40℃で減圧下にロータリーエバポレータで濃縮して、油状物を得た(79.3g)。
生成物をジクロロメタン50mLに溶かし、シリカゲル150gで濾過し、1:2の比率の酢酸エチル/n-ヘキサン750mLで溶離した。溶出液を35℃でロータリーエバポレータで濃縮して、粗生成物48.2gを得た。
粗収量:48.2g;理論値の104%。
LC-MS(方法K);R=3.70分537.2[M+H]
実施例8
(5S)-5-{[2-(4-シアノフェニル)エチル][2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル
Figure 2023526402000073

1リットルフラスコ中、(5S)-5-{[2-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)エチル][2-(4-シアノフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル(実施例7)48.2g(86.1mmol以下)をメタノール550mLに懸濁させ、濃塩酸101.8gを加えた。溶液を室温で終夜攪拌した。30%アンモニア溶液150.9gを冷却しながら加え、混合物を、40℃でロータリーエバポレータで濃縮した。固体残留物を、脱塩水480mL及びジクロロメタン250mL中で室温で30分間攪拌し、有機下層を水450mLで洗浄し、35℃でロータリーエバポレータで濃縮して、27.9gを得た。
収量:27.9g;理論値の76.8%。
エナンチオマー純度(HPLC方法A);91.4%ee。
残留物をメタノール100mL/脱塩水10mL中で加熱還流させ、懸濁液を冷却して室温とし、2時間攪拌した。固体を吸引濾過し、メタノール15mLで洗浄し、真空乾燥キャビネットにおいて50℃で乾燥させた。
収量:12.96g;理論値の35.6%。
エナンチオマー純度(HPLC方法A);98.6%ee。
実施例9
(5S)-5-{[2-(4-カルボキシフェニル)エチル][2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸
Figure 2023526402000074

方法A:
25mLフラスコ中、(5S)-5-{[2-(4-シアノフェニル)エチル][2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル(実施例8)1.0g(2.4mmol)を濃塩酸5.79gに懸濁させ、100℃で24時間攪拌した。反応溶液を、次の反応段階で直接用いた(実施例10)。
方法B:
ガススクラバー付きの6リットルフラスコ(内容物:エタノールアミン600g、5%水酸化ナトリウム溶液1200g、イソプロパノール1200g及びブロモチモールブルー約0.5g)中、48%臭化水素酸3210g(2.15mL)中の(5S)-5-{[2-(4-シアノフェニル)エチル][2-(2-メトキシフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル(実施例4)332.5g(0.76mol)を加熱して108℃とし、24時間攪拌した。溶液を冷却して25℃とし、各回ジクロロメタン650mLで2回洗浄した。下層の水系生成物相を次の段階(実施例10)で用いた。サンプルを分析目的に精製した。
LC-MS(方法H);R=0.73分、461.2[M+H]
実施例10
ブチル(5S)-5-({2-[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]エチル}[2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレート
Figure 2023526402000075

方法A;
6リットルフラスコ中、n-ブタノール1.5リットルを、水系生成物相((5S)-5-{[2-(4-カルボキシフェニル)エチル][2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸(実施例9)に加え、その溶液を加熱して沸点とし、頂部温度117℃が得られるまで、ブタノール6リットルを連続添加しながらブタノール/水混合物を留去した。混合物を冷却して室温とし、沈殿塩を吸引濾過し、そして、フィルターケーキをブタノール600mLで洗浄した。合わせた濾液を、65℃で減圧下にロータリーエバポレータで濃縮して、521.7gを得た。残留物を、酢酸エチル2.2リットル及び14%アンモニア水溶液1.1リットルで30分間攪拌し、有機相を分離し、各回水1リットルで2回洗浄し、40℃で減圧下にロータリーエバポレータで濃縮して、油状物409.6gを得た。
その油状物をジクロロメタン500mLに溶かし、シリカゲル1kgで覆われたフィルターで、追加のジクロロメタン8リットルと次にメタノール2リットルによって濾過した。生成物溶液をロータリーエバポレータで濃縮して、油状物337.8gを得た。
収量:337.8g;理論値の77.6%。
LC-MS(方法H);R=1.34分、573.3[M+H]
サンプルを分析目的で精製した。
1H-NMR, (400 MHz, CDCl3): δ= 0.88 1.06 (m, 6H), 1.36 - 1.53 (m, 4H), 1.65 - 1.91 (m, 6H), 2.05 - 2.31 (m, 2H), 2.63 - 3.31 (m, 10H), 4.19 - 4.34 (m, 2H), 4.34 - 4.48 (m, 3H), 6.69 - 6.83 (m, 1H), 6.88 - 6.96 (m, 2H), 7.08 - 7.21 (m, 3H), 7.71 - 7.85 (m, 1H), 7.85 - 7.97 (m, 2H), 8.00 - 8.15 (m, 1H), 10.40 - 10.59 (br. s, 1H)ppm.
方法B
不活性化させた2リットルリアクターに、最初にジクロロメタン(850mL)中の(5R)-5-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル(実施例3)(40g、1.0当量)を入れた。ジイソプロピルアミン(3.0当量、69.6g)を加え、その溶液を冷却してTout=-90℃とした。Tint=-77~-67℃で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.5当量、60mL)及びジクロロメタン(150mL)の溶液を約1時間以内に量り入れた。次にそれをさらに45分間攪拌した。次に、Tint=-78~-70℃で、4-(2-{[2-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}エチル)ベンゾニトリル(実施例6)(1.05当量、70g)及びジクロロメタン(200mL)の溶液を約30分以内に量り入れた。これを次に、さらに1.5時間攪拌した。次に、混合物を加熱して1時間以内にTint=20℃とした。第2の2リットルリアクターに、最初に3.6%塩酸(610mL)を入れた。反応混合物を加え、混合物を5分間攪拌した。相を安定させ、水相を分離した(廃棄)。有機相を、標準圧及びTout=60℃で攪拌可能限界まで濃縮した。25%塩酸を加え、混合物を、標準圧及びTout=85℃で乾燥するまで蒸留した。その後、それを加熱還流させ(Tint=103℃、Tout=125℃)、さらに5時間攪拌した。次に、混合物を冷却してTint=40℃とし、さらに14時間攪拌した。その後、得られた懸濁液を濾過し、n-ブタノール(800mL)を濾液に加え、そして、Tint=88℃の内部温度が達成されるまで混合物を濃縮した。n-ブタノール(800mL)を再度加え、そして、混合物を同じ条件下で濃縮してTint=90℃とした。n-ブタノール(800mL)を再度加え、混合物を同じ条件下で濃縮してTint=102℃とした。n-ブタノール(800mL)を最後にもう一度加え、そして、混合物を、同じ条件下で濃縮して攪拌可能限界とした。溶液を冷却してTint=22℃とした。酢酸エチル(800mL)、脱塩水(400mL)及び炭酸カリウム(44g)を加え、混合物をさらに10分間攪拌した。相を安定させ、水相を分離した(廃棄)。脱塩水(385mL)及び塩化ナトリウム(43kg)を有機相に加え、混合物を10分間攪拌した。相を安定させ、水相を分離した(廃棄)。脱塩水(200mL)を有機相に加え、混合物を10分間攪拌した。相を安定させ、水相を分離した(廃棄)。有機相を、120mbarの圧力及びTout=45~55℃下で濃縮して、攪拌可能限界とした。溶液を冷却してTint=22℃とし、分配する(dispensed)。
収量:23.1%、52%の含有量の溶液68.3kg。
純度(面積):66.6%(方法N、R;11分)。
実施例11
ブチル(5S)-5-({2-[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]エチル}[2-(2-{[3-クロロ-4′-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレート
Figure 2023526402000076

6リットルフラスコ中のブチル(5S)-5-({2-[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]エチル}[2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレート(実施例10)337g(0.56mol)のアセトニトリル(3765g)中溶液に、室温で、4-(ブロモメチル)-3-クロロ-4′-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]197.2g(0.56mol)を加えた。炭酸セシウム551.3g(1.70mol)を溶液に加え、混合物を、変換が完了するまで21時間攪拌した。その後、塩を吸引濾過し、アセトニトリル600mLで洗浄し、合わせた濾液を、40℃でロータリーエバポレータで濃縮して、油状物484.4gを得た。
粗収量:484.4g;理論値の103%。
エナンチオマー純度(HPLC方法B):100.0%ee。
LC-MS(方法L);R=14.63分、841.36[M+H]

Claims (15)

  1. 下記式(XII)の化合物:
    Figure 2023526402000077


    の製造方法であって、
    下記式(X)の化合物:
    Figure 2023526402000078


    を、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物又はテトラアルキルアンモニウム炭酸塩の存在下に、下記式(XI)の化合物:
    Figure 2023526402000079


    と反応させることを特徴とする方法。
  2. 前記アルカリ金属炭酸塩が炭酸セシウムである、請求項1に記載の式(XII)の化合物の製造方法。
  3. 下記式(XII)のブチル(5S)-5-({2-[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]エチル}[2-(2-{[3-クロロ-4′-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレート:
    Figure 2023526402000080


    並びに、該化合物の塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物。
  4. 式(X)の化合物の製造方法であって、下記式(IX)の化合物:
    Figure 2023526402000081


    を、鉱酸の存在下にブタノールと反応させることを特徴とする方法。
  5. 式(X)の化合物の製造方法であって、第1段階で、-90℃~-50℃の温度で、立体障害二級アミン及び2,6-ジ置換されたピリジンからなるリストから選択される塩基の存在下、下記式(III)の化合物:
    Figure 2023526402000082


    に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を加え、そして、第2段階で、下記式(XIV-1)の化合物:
    Figure 2023526402000083


    [式中、Rはシリル保護基である。]と、-90℃~-50℃の温度で反応させ、
    第3段階で、前記反応生成物を塩酸と反応させ、第4段階で、前記反応生成物を鉱酸の存在下にブタノールと反応させることを特徴とする方法。
  6. 下記式(X)のブチル(5S)-5-({2-[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]エチル}[2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレート
    Figure 2023526402000084


    並びに、該化合物の塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物。
  7. 式(IX)の化合物の製造方法であって、下記式(XVI)の化合物:
    Figure 2023526402000085


    を、鉱酸と反応させることを特徴とする方法。
  8. 下記式(IX)の(5S)-5-{[2-(4-カルボキシフェニル)エチル][2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸:
    Figure 2023526402000086


    並びに、該化合物の塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物。
  9. 式(XVI)の化合物の製造方法であって、下記式(XV-1)の化合物:
    Figure 2023526402000087


    [式中、Rはシリル保護基である。]を、鉱酸と反応させることを特徴とする方法。
  10. 下記式(XVI)の(5S)-5-{[2-(4-シアノフェニル)エチル][2-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル:
    Figure 2023526402000088


    並びに、該化合物の塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物。
  11. 式(XV-1)の化合物の製造方法であって、第1段階で、-90℃~-50℃の温度で、立体障害2級アミン及び2,6-ジ置換されたピリジンからなるリストから選択される塩基の存在下、下記式(III)の化合物:
    Figure 2023526402000089


    に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を加え、そして、第2段階で、下記式(XVI-1)の化合物:
    Figure 2023526402000090


    [式中、Rはシリル保護基である。]と反応させることを特徴とする方法。
  12. 式(XIV-1)の化合物の製造方法であって、第1段階で、下記式(XVII)及び(V)の化合物:
    Figure 2023526402000091


    を、アミン塩基の存在下にカップリングさせ、そして、第2段階で、当該反応生成物を、同様にアミン塩基の存在下、適切なシリルクロライドと反応させることを特徴とする方法。
  13. 式(III)の化合物の製造方法であって、下記式(II)の化合物:
    Figure 2023526402000092


    を、3級アミン塩基、ルテニウム-p-シメン-R,R-TsDPEN及びギ酸と反応させて、式(III)の化合物:
    Figure 2023526402000093


    を得ることを特徴とする方法。
  14. 下記式(III)の(5R)-5-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボニトリル:
    Figure 2023526402000094


    並びに、該化合物の塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物。
  15. 式(V)の化合物の製造方法であって、下記式(IV)の化合物:
    Figure 2023526402000095


    を、不活性溶媒中、水酸化カリウム及び4-トルエンスルホニルクロライドと反応させることを特徴とする方法。
JP2022570363A 2020-05-20 2021-05-14 ブチル-(5s)-5-({2-[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]エチル}[2-(2-{[3-クロロ-4′-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレートの製造方法 Pending JP2023526402A (ja)

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