JP2023515127A - 半導体照明用のニトリドリン酸塩系蛍光体および製造方法 - Google Patents

半導体照明用のニトリドリン酸塩系蛍光体および製造方法 Download PDF

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Abstract

ニトリドリン酸塩を形成する方法が開示され、この方法は、金属源材料、リン源材料、および窒素源材料を組み合わせることにより前駆体混合物を形成するステップと、窒素ガスを含む雰囲気において、2MPaから500MPaの間の圧力、800℃から1300℃の間の最高温度で、前記前駆体混合物を加熱するステップと、を有する。

Description

本出願は、2020年3月12日に出願された、欧州特許出願第201632.2号「半導体照明用のニトリドリン酸塩系蛍光体および製造方法」に対する優先権の利益を主張するものであり、この文献は、その全体が参照により本願に組み込まれている。
半導体発光ダイオードおよびレーザダイオード(本願では「LED」と総称される)は、現在利用可能な最も効率的な光源の一つである。LEDの発光スペクトルは、通常、装置の構造、およびそれが構成される半導体材料の組成により決定される波長において、単一の狭小ピークを示す。装置構造および材料系の適切な選択により、LEDは、紫外線、可視光線、または赤外線の波長で動作するように設計され得る。
LEDは、該LEDにより放射された光を吸収し、これに応じてより長波長の光を放射する1または2以上の波長変換材料(全般に、本願では「蛍光体」と称する)と組み合わされる。そのような蛍光体変換LED(「pcLED」)では、LEDにより放射され蛍光体により吸収される光の割合は、LEDにより放射された光の光路における蛍光体材料の量、例えば、LEDの上または周囲に配置された蛍光体層内の蛍光体材料の濃度、および層の厚さに依存する。
蛍光体変換LEDは、LEDにより放射される光の全てが1または2以上の蛍光体により吸収されるように設計され、その場合、pcLEDからの放射は、完全に蛍光体からとなる。そのような場合、蛍光体は、例えば、LEDによっては効率的に直接形成されない、狭小スペクトル領域の光を放射するように選択され得る。
あるいは、pcLEDは、LEDにより放射された光の一部のみが蛍光体により吸収されるように設計されてもよく、この場合、pcLEDからの放射は、LEDにより放射された光と蛍光体により放射された光の混合となる。LED、蛍光体、および蛍光体組成物の適切な選択により、そのようなpcLEDは、例えば、所望の色温度および所望の演色特性を有する白色光を放射するように設計され得る。
ニトリドリン酸塩塩には、構造M-P-N-O-Xを有する化合物が含まれる。ここで、Mは金属であり、Xはハロゲン化物である。そのようなニトリドリン酸塩は、最近のS.D.KloβおよびW.Schnick(ニトリドリン酸塩:A Scccess Story of Nitride Synthesis,Angew.Chem.Int.Ed.2019,58,7933-7944)により詳細にレビューされている。GPa範囲の圧力でマルチアンビル機器において小規模に得られた発光ニトリドリン酸塩は、Marchukら、(Ba3P5N10X:Eu2+(X=Cl,I)の不定形発光特性および構造関係:ゼオライト状構造を有するニトリドリン酸ハロゲン化物,Chem.Mater 2015,27,6432-6441)、およびPucherら、(発光ニトリドリン酸塩CaP2N4:Eu2+、SrP2N4:Eu2+、BaP2N4:Eu2+、およびBaSr2P6N12:Eu2+,Chem.Eur.J.2015,21,6443-6448)に記載されている。
ニトリドリン酸塩蛍光体を含む、ニトリドリン酸塩の商業規模での製造方法を示した図である。 例2から得られたCa2PN3:Euの走査電子顕微鏡(SEM)像である。 例2から得られた単離Ca2PN3:Eu粉末の粉末X線回折(「PXRD」)パターン(CuKa放射線)を示した図である。 Ca2PN3の結晶構造を示した図である。 得られたCa2PN3:Euの正規化された励起スペクトルおよび発光スペクトルを示した図である。 例4から得られたSr3P5N10Cl:Euの走査型電子顕微鏡像である。 例4から得られた単離されたSr3P5N10Cl:Eu粉末の粉末X線回折パターン(CuKα放射線)を示した図である。 Sr3P5N10Cl:Euの結晶構造を示した図である。 得られたSr3P5N10Cl:Euの正規化された励起スペクトルおよび発光スペクトルを示した図である。 例6から得られたSr3P5N10Cl:Euの走査型電子顕微鏡像である。 例6から得られた単離されたSr3P5N10Cl:Eu粉末の粉末X線回折パターン(CuKa放射線)を示した図である。 得られたSr3P5N10Br:Euの正規化された励起スペクトルおよび発光スペクトルを示した図である。 例8から得られたBa3P5N10Cl:Euの走査型電子顕微鏡像である。 例8から得られた単離されたBa3P5N10Cl:Eu粉末の粉末X線回折パターン(CuKα放射線)を示した図である。 得られたBa3P5N10Cl:Euの正規化された励起スペクトルおよび発光スペクトルを示した図である。 例10から得られたBa3P5N10Br:Euの走査型電子顕微鏡像である。 例10から得られた単離されたBa3P5N10Br:Eu粉末の粉末X線回折パターン(CuKα放射線)を示した図である。 得られたBa3P5N10Br:Euの正規化された励起スペクトルおよび発光スペクトルを示した図である。 開示されたニトリドリン酸塩蛍光体材料の少なくとも1つを含む波長変換構造を示した図である。
本願は、ニトリドリン酸塩蛍光体、およびpcLEDに使用される新規なニトリドリン酸塩蛍光体を含む、ニトリドリン酸塩を製造する工業的な製造方法を開示する。
本願中で使用される用語「ニトリドリン酸塩」は、P-N結合および四面体構造ブロックを有する結晶質物質を意味し、この四面体の頂点には、中心原子としての蛍光体と、少なくとも1つの窒素原子が存在する。ニトリドリン酸塩には、例えば、MaPbNxOyXzが含まれる。ここで、Mは、金属または金属の組み合わせであり、例えば、希土類金属またはアルカリ金属であり、Xは、ハロゲン化物である。例えば、ニトリドリン酸塩は、MaPbNxOyXzを含む。ここで、M=Ca、Sr、Ba、Eu、Ce、La、Y、および/またはLuであり、X=F、Cl、Br、またはIであり、a>0、b>0、x>0、y≧0、およびz≧0である。特定のニトリドリン酸塩には、例えば、SrP3N5O、Ba6P12N17O9Br、MP2N4(M=Sr、Ba)、およびBa3P5N10X(X=Cr、Br、I)が含まれる。
そのようなニトリドリン酸塩は、半導体照明蛍光体のホスト格子材料として使用されてもよい。本願で使用される用語「ニトリドリン酸塩蛍光体」は、前述のように定義されたニトリドリン酸塩を意味し、これは、得られる材料が発光するようにドーパントを含む。ニトリドリン酸塩蛍光体において、ホスト格子構造中のP(N,O)4四面体構造ブロックは、さらに、頂点、エッジ、または面共有により、他の四面体構造ブロックと接続されてもよい。ニトリドリン酸塩蛍光体には、例えば、MaPbAqNrOyXz:Dが含まれる。ここで、Dはドーパントであり、MおよびXは前述の通りであり、A=A1および/またはSiであり、a>0、b>0、r>0、q≧0、y≧0およびz≧0である。ドーパントDは、例えば、Eu2+およびCe3+を含んでもよい。新規なニトリドリン酸塩蛍光体の例には、例えば、Ca2PN3:EuおよびSr3P5N10X:Eu(X=Cl、Br)が含まれ、一例には、MLi3PO2N2:Eu、MLiMg2PN4:Eu、MLi2AlPlN4:Eu、M2Li5P3N8:Eu、MLi2Al3PN6:Eu、MLi2Be2P2N6:Eu、MLi4P2N4:Eu、M2AlPSi13N8:Eu、M3P6O6N8:Eu(M=Ca、Sr、Ba)が含まれる。
(方法)
これまで、ニトリドリン酸塩蛍光体を含むニトリドリン酸塩は、高アンモニアガス圧を印加することにより、アンモニア熱合成条件を用いることにより、および/またはマルチアンビル型プレスにおいて1 GPaを超える窒素圧下においてのみ、合成が可能であり、その結果得られるサンプル体積は、数cm3以下であった。そのような方法を用いた場合、ニトリドリン酸塩の合成は、小規模に限定され、コストも高く、商業的応用の可能性は限られていた。本願に開示の方法では、費用対効果の高い、ニトリドリン酸塩蛍光体の大規模合成が可能となる。
図1には、ニトリドリン酸塩蛍光体を含む、ニトリドリン酸塩の商業規模での製造方法100を示す。S110では、ニトリドリン酸塩前駆体材料が組み合わされて、前駆体混合物が形成される。そのようなニトリドリン酸塩前駆体材料は、Mのための金属源材料、Pのためのリン源材料、およびNのための窒素源材料を有し、さらに、酸素(所望のニトリドリン酸塩においてy>0の場合)、アルミニウムおよび/またはケイ素源材料(Aの場合、所望のニトリドリン酸塩において、q>0の場合)、ハロゲン化物源材料(Xの場合、所望のニトリドリン酸塩においてz>0の場合)を含んでもよい。また、所望の化合物がニトリドリン酸塩蛍光体である場合、前駆体混合物に、D用のドーパント源材料が含まれる。
金属源材料には、例えば、金属アジド、金属窒化物、金属水素化物、および/または金属ハロゲン化物が含まれる。
リン源材料は、例えば、赤リンのような元素状リン、ならびにPN4、PON、および/またはP3N5が含まれてもよい。本願に開示の方法において、リン前駆体源材料として元素状(赤)リンを用いてニトリドリン酸塩化合物を適正に合成できることは、予期せぬ結果であった。五窒化三リンP3N5をリン前駆体原料として使用することは、制限され得る。P3N5の合成を市販量で達成することは難しいためである。
窒素源材料は、金属源材料化合物、例えば金属アジドもしくは金属窒化物との、ならびに/またはリン源材料との化合物、例えばHPN2、HP4N7、PON、および/もしくはP3N5におけるカウンターイオンとして提供されてもよい。窒素源は、窒素ガスであってもよい。
y>0の場合、酸素源材料は、リン源材料化合物および/または窒素源材料化合物の一部として、例えば、Li3PO4、(NH42HPO4、NH4H2PO4、CaHPO4、SrHPO4、BaHPO4のような、PONおよび/またはリン酸塩として提供されてもよい。
q>0の場合、アルミニウム源材料および/またはシリコン源材料は、例えば、金属Al、AlN、Al2O3、AlF3、金属Si、Si(NH)2、Si3N4、SiO2および/またはSiOとして提供されてもよい。
z>0の場合、ハロゲン化物源材料は、ハロゲン化物カウンターイオンとして、例えば、金属ハロゲン化物のような金属源材料化合物と共に、ならびに/またはドーパント源のハロゲン化物として、提供されてもよい。
ドーパント源材料は、例えば、EuCl2、Eu2O3、EuF3、EuCl3、EuF2、CeO2、CeF3であってもよい。
前駆体原料材料は、当業者に知られた固体法を用いて混合されてもよい。例えば、前駆体源材料の粉末を組み合わせてまとめて粉砕して、前駆体混合物を形成してもよい。
図1のS120では、前駆体材料の混合物が、ガス加圧炉内に配置される。窒素ガスでパージすることにより、ガス加圧炉から、酸素および他の任意のガスが除去される。ガス炉内の前駆体材料は、窒素ガス下、中程度の静止ガス圧で加熱される。ニトリドリン酸塩化合物を形成するために使用される窒素ガス分圧は、2~300MPaの範囲であってもよい。反応中に加圧ガス炉で使用されるガスは、100%窒素であってもよいが、アルゴンのような不活性ガス、またはよりまれにヘリウムを含んでもよい。窒化反応において、時折、アルゴンガスで「希釈」した窒素ガスが使用され、高い発熱反応が遅くされる。この場合、窒素ガスと不活性ガスの混合ガスが使用されてもよい。反応で使用されるそのような窒素ガスと不活性ガスの混合ガスの全体的な圧力は、2~500MPaの範囲であってもよく、窒素ガス分圧は、2~300MPaの範囲であり、不活性ガス分圧は、10~200MPaの範囲であってもよい。ニトリドリン酸塩化合物を形成するために使用される炉の温度は、800~1300℃の範囲であってもよい。
熱間静水圧加圧プロセスで使用される窒素圧力は、十分に高くして、加熱下で、窒化物のような前駆体源材料の分解を防止し、合成中の材料を安定化する必要がある。従来、ガス加圧炉ではアルゴンガスが使用されているが、本願発明者らは、窒素ガスの使用により前駆体が加熱され、加熱下の前駆体材料からニトリドリン酸塩が形成されることを見出した。炉内の温度が高くなると、高い窒素圧力が使用され、ニトリドリン酸塩化合物が形成される。窒素圧力が高くなると、前駆体材料の分解温度が上昇し、高温を使用できるようになるためである。また、形成されたニトリドリン酸塩蛍光体の分解温度が上昇する。
熱間静水圧反応条件下でニトリドリン酸塩化合物を形成するのに必要な時間は、合成されるニトリドリン酸塩化合物によって異なるが、2~96時間の間であってもよい。
必要な温度および圧力で熱および窒素ガスを供給することができる、任意のガス加圧炉が使用されてもよい。例えば、市販の熱間静水圧(HIP)炉、例えば、HIPグラファイト炉を使用して、本願に開示の方法を用いてニトリドリン酸塩化合物を形成してもよい。
本願に開示のニトリドリン酸塩を合成する方法は、従来の方法に比べて少なくとも2つの利点を有する。第一に、ニトリドリン酸塩化合物を合成する従来の方法とは異なり、本願の方法では、大量のニトリドリン酸塩化合物を合成することができ、これは、例えば、pcLEDにおけるそのような化合物の商業的使用を可能にする。例えば、この方法では、1/2kgのニトリドリン酸塩を1バッチ(1回のラン)で合成できる。これにより、ニトリドリン酸塩化合物を費用効果良く合成できる。第二に、中程度の窒素圧を用いてニトリドリン酸塩が合成できることは、予想外の結果であった。ニトリドリン酸塩を合成する従来の方法は、通常、マルチアンビル型プレスにおいて1GPaを超える窒素圧力を使用する。本願に開示の方法で使用されるMPa範囲の圧力は、一般に、ニトリドリン酸塩を形成するために通常使用される値よりも3桁小さい。従って、この方法で使用される圧力は、1 GPa未満であり、300MPa未満、例えば、150MPa未満および20MPaまでであってもよい。
S130では、炉を室温および室圧に戻した後、合成されたニトリドリン酸塩が炉から除去すされる。合成されたニトリドリン酸塩は、結晶質物質である。合成されたニトリドリン酸塩蛍光体は、以下に示すように、pcLEDを形成するために使用されてもよい。
(反応の例)
新規な蛍光体Ca2PN3:Euは、所与の圧力範囲(MPa)、最高温度(℃)、および炉内滞留時間(h=hours)(「x」は、(a)および(b)における化学量論的量を示す)を用いて、以下の3つの反応((a)~(c))のいずれか1つにより、合成されてもよい:
(a)2-xCa3N2+P3N5 + xEuCl2→3Ca2PN3:Eu(50~150MPa N2、1000~1200℃、10~20時間)
(b)4-xCa(N32+2 Pred+xEuCl2→2Ca2PN3:Eu+9N2(150MPa N2、1100~1200℃、20~40時間)
(c)Sr3P5N10Cl:Eu+2CaCl2+NH4Cl→Ca2PN3:Eu+3SrCl2+4α-HPN2(150MPa N2、1000℃、10時間)。
別の例として、所与の圧力範囲(MPa)、最大温度(℃)、および炉内の滞留時間(h=hour)(「x」は、(d)および(e)における化学量論的量を示す)を用いて、以下の2つの反応((d)~(e))のいずれかにより、新規な蛍光体M3P5N10X:Eu(M=Sr,Ba;X=Cl,Br)が合成されてもよい:
(d)15-xM(N32+10P3N5+3MX2+xEuCl2→6M3P5N5X:Eu+40N2(150MPa N2、1000℃、10時間)
(e)5-xM(N32+10P+MX2+xEuCl2→2M3P5N10X:Eu+5N2(150MPa N2,1100℃、20時間。
前述の反応に使用されるP3N5またはM(N32のような非市販の前駆体は、文献の方法(例えば、MarchukおよびSchnick,Ba3P5N10Br:Eu2+:A Natural-White-Light Single Emitter with a Zeolite Structure Type,Angew.Chem.Int.Ed.2015,54,2383-2387を参照)により合成され得る。これは、以下の特定の実施例においてより詳細に提供される。
本願で提供される実施例では、ドーパントとしてEu2+が使用されるが、Eu2+発光が所与のホスト格子について既知である場合、Ce3+発光も既知である。これは、Stokesシフトがホスト格子の特性であるためである。従って、Eu2+蛍光体が赤色(緑色)のスペクトル範囲で発光する場合、同一ホスト内のCe3+蛍光体は、緑黄色(青色)のスペクトル範囲で発光する。
(例)
(例1:P3N5原料を用いたCa2PN3:Eu(3%)の合成)
Ca2PN3:Euを形成するため、32.3mg(0.22 mmol)のCa3N2(>99%、太平洋セメント(株))、17.73mg(0.11mmol)のP3N5(後述するように合成)、および1.47mg(>0.01 mmol)のEuCl2(99.9%、ストレム化学社)を混合し、熱間静水圧ガス炉において、N2雰囲気下、1500barおよび1200℃で20時間焼結した。室温に冷却し、大気圧に戻した後、結晶質Ca2PN3:Eu(3%)が得られた。
以下のようにP3N5原材料を合成した:
シリカチューブ(φ=5cm)で裏打ちされた十分に乾燥された管状炉中で、乾燥NH3(約3.6L/h、Air Liquide 5.0)の一定の流れにより、P4S10(約8.0g、Sigma Aldrich社99.99%)を処理した。最初に、装置をNH3で4時間パージし、次に3時間以内に850℃まで加熱した。温度を4時間維持した後、再度3時間以内に室温まで低下させた。Arで1時間フラッシュすることにより、残りのNH3を除去した。
(例2:元素状リン原料を用いたCa2PN3:Eu(3%)の合成)
Ca2PN3:Euを形成するため、64.8mg(0.52mmol)のCa(N32(下記に記載のように合成)、8.1mg(0.26 mmol)のPred(≧99.999%、ChemPur社)、および3.45mg(0.02mmol)のEuCl2(99.9%、Strem Chemicals社)を混合し、熱間静水圧ガス炉において、N2雰囲気下、1500barおよび1200℃で20時間焼結した。室温に冷却し、大気圧に戻した後、結晶質Ca2PN3:Eu(3%)が得られた。
Ca(N32を形成するため、Ca、Sr、およびBrのアジドを合成する以下の方法を用いた:カチオン交換器(Amberlyst 15)を介して、アルカリ土類アジドM(N32(M=Ca、Sr、Ba)を合成した。NaN3の水溶液(Acros Organics、99%、超純度)をカチオン交換器に通すことにより、希釈HN3をin-situで形成した。H2O中のMCO3(M=Ca、Sr、Ba)の撹拌懸濁液に、HN3の酸性溶液を注意深く滴下した。Ca(N32の場合は、CaCO3(Merck、分析グレード)を用いた。完全に透明になった際の液相により、反応の終わりが示された。過剰のアルカリ土類炭酸塩は、ろ過して除去し、ろ液は、回転蒸発器(50mbar、40℃)で制限した。アジド類は、無色の粉末として得られ、精製のためアセトンから再結晶化された。
図2は、例2から得られたCa2PN3:Euの走査電子顕微鏡(SEM)像である。図2は、バチルス状(bacillary)粒子を示し、得られたCa2PN3:Euは、粉末状に粉砕され得る。
図3には、単離されたCa2PN3:Eu粉末の粉末X線回折(「PXRD」)パターンを示す(CuKα放射線)。Ca2PN3は、斜方晶系空間群Cmca(No.64)において結晶化し、セルパラメータは、a=5.1908、b=10.3132、およびc=11.2845Åであった。図3には、得られたCa2PN3:Eu発光材料のリートベルト解析も示されており、得られたCa2PN3:Euの反射位置(301)が示されている。
表1には、得られたCa2PN3:Eu構造の原子パラメータをまとめて示す。表1における「Atom」は、特定のワイコフ(Wyckoff)配置(「Wyck」)を有する格子サイトを占める種である。表1における見出し「x/a」、「y/b」および「z/c」は、格子定数a、bおよびcにより定義される結晶格子中の原子位置の座標を表す。斜方晶系では、a≠b≠cであり、α=β=γ=120°である。
Figure 2023515127000002
図4には、Ca2PN3の結晶構造を示す。図4に示すように、これは、頂点を共有するPN4四面体の無限のzweier単鎖から構築される。
得られたCa2PN3:Euのエネルギー分散X線分光(“EDS”)走査は、1.80:1:3,36のCa:P:N比を示す。
図5には、得られたCa2PN3:Euの正規化励起スペクトル501および発光スペクトル502を示す。
(例3:P3N5源材料を用いたSr3P5N10Cl:Eu(3%)の合成)
Sr3P5N10Cl:Euを形成するため、43.40mg(0.25mmol)のSr(N32(前述の例2に関して示したように合成される。ここでMCO3は、SrCO3(99.995%、Sigma-Aldrich)である)、8.02mg(0.05mmol)のSrCl2(>99.99%、Sigma-Aldrich)、27.47mg(0.17mmol)のP3N5(例1に関して前述したように合成)、および1.67mg(~0.1mmol)のEuCl2(99.9%、Strem Chemicals社)を混合し、熱間静水圧ガス炉において、N2雰囲気下、1500barおよび1000℃で10時間焼結した。室温に冷却し、大気圧に戻した後、結晶質Sr3P5N10 Cl:Eu(3%)が得られた。
(例4:元素状リン源材料を用いたSr3P5N10Cl:Eu(3%)の合成)
Sr3P5N10Cl:Euを形成するため、60.0mg(0.35mmol)のSr(N32(例2に関して前述したように合成。ここで、MCO3は、SrCO3(99.995%、Sigma-Aldrich)である)、11.08mg(0.07 mmol)のSrCl2(>99.99%、Sigma-Aldrich)、21.66mg(0.70 mmol)のPred(≧99.99%、ChemPur社)、および2.34mg(0.01 mmol)のEuCl2(99.9%、Strem Chemicals社)を混合し、熱間静水圧ガス炉において、N2雰囲気下、1500barおよび1100℃で20時焼結した。室温に冷却し、大気圧に戻した後、結晶質Sr3P5N10Cl:Eu(3%)が得られた。
図6は、例4から得られたSr3P5N10Cl:Euの走査型電子顕微鏡像である(バーの長さ5μm)。図6には、得られたSr3P5N10Cl:Euのブロック状粒子を示す。これは、粉末状に粉砕することができる。
図7には、単離されたSr3P5N10Cl:Eu粉末の粉末X線回折パターン(Cu Kα放射線)を示す。Sr3P5N10Clは、斜方晶系空間群Pnma(No.62)で結晶化し、セルパラメータは、a=12.2410、b=12.9530、およびc=13.4270Åであった。図7には、得られたSr3P5N10Cl:Eu発光材料のリートベルト解析も示す。図7には、得られたSr3P5N10Cl:Euの反射位置(701)も示されている。
表2には、得られたSr3P5N10Cl:Eu構造の原子パラメータを表2にまとめて示す。表2における「Atom」は、特定のワイコフ(Wyckoff)配置(「Wyck」)を有する格子サイトを占める種である。“S.O.F.”は、分割位置のサイト占有因子を意味する。表2における見出し「x/a」、「y/b」および「z/c」は、格子定数a、bおよびcにより定義される結晶格子中の原子位置の座標を表す。斜方晶系では、a≠b≠cであり、α=β=γ=120°である。
Figure 2023515127000003
得られたSr3P5N10Cl:Euのエネルギー分散X線分光走査では、2.55:4.64:9.81:1のSr:P:N:Cl比を示した。
図8には、Sr3P5N10Cl:Euの結晶構造を示す。図8に見られるように、これは、全面頂点共有PN4四面体から構築される。骨格形状は、JOZゼオライト構造型のものに類似している。この構造型は、8環チャネルを示し、これには、SrイオンとClイオンが交互に充填される。
図9には、得られたSr3P5N10Cl:Euの正規化された励起スペクトル901および放射スペクトル902を示す。
(例5:P3N5源材料を用いたSr3P5N10Br:Euの合成)
Sr3P5N10Br:Euを形成するため、40.38mg(0.24 mmol)のSr(N32(例2に関して前述したように合成。ここでMCO3はSrCO3(99.995%、Sigma-Aldrich)である)、11.64mg(0.05mmol)のSrBr2(99.995%、Sigma-Aldrich)、25.55mg(0.16 mmol)のP3N5(例1に関して前述したように合成)、および1.57
mg(>0.01
mmol)のEuCl2(99.9%、Strem Chemicals)を混合し、熱間静水圧ガス炉において、N2雰囲気下、1500barおよび1000℃で10時間焼結した。室温に冷却し、大気圧に戻した後、結晶質Sr3P5N10Br:Euが得られた。
(例6:元素状リン源材料を使用したSr3P5N10Br:Euの合成)
Sr3P5N10Br:Euを形成するため、60.0mg(0.35mmol)のSr(N32(例2に関して前述したように合成。ここでMCO3は、SrCO3(99.995%、Sigma-Aldrich)である)、17.30mg(0.07mmol)のSrBr2(99.995%、Sigma-Aldrich)、21.65mg(0.70 mmol)のPred(>99.999%、ChemPur)、および2.34mg(>0.01 mmol)のEuCl2(99.9%、Strem Chemicals)EuCh(>0.01mmol)を混合し、熱間静水圧ガス炉において、N2雰囲気下、1500barおよび1100℃で20時間焼結した。室温に冷却し、大気圧に戻した後、結晶質Sr3P5N10Br:Euが得られた。
図10は、例6から得られたSr3P5N10Br:Euの走査型電子顕微鏡像である(バーの長さ5μm)。図10には、得られたSr3P5N10Br:Euのブロック状粒子を示す。これは、粉末形態に粉砕することができる。
図11には、単離されたSr3P5N10Br:Eu粉末の粉末X線回折パターン(CuKa放射線)を示す。Sr3P5N10Brは、斜方晶系空間群Pnma(No.62)で結晶化し、セルパラメータは、a=12.2970、b=12.9896、およびc=13.4585Åであった。また図11には、得られたSr3P5N10Br:Eu発光材料のリートベルト解析を示す。図11には、得られたSr3P5N10Br:Euの反射位置(1101)も示されている。
表3には、得られたSr3P5N10Br:Eu構造の原子パラメータをまとめて示す。表3の「Atom」は、特定のワイコフ(Wyckoff)配置(「Wyck」)を有する格子サイトを占める種である。“S.O.F.”は、分割位置のサイト占有因子を意味する。表3における見出し「x/a」、「y/b」および「z/c」は、格子定数a、bおよびcにより定義される結晶格子中の原子位置の座標を表す。斜方晶系では、a≠b≠cであり、α=β=γ=120°である。
Figure 2023515127000004
得られたSr3P5N10Br:Euのエネルギー分散X線分光走査は、2.72:4.66:7.01:1のSr:P:N:Br比を示した。
図12には、得られたSr3P5N10Br:Euの正規化された励起スペクトル1201および放射スペクトル1202を示す。
(例7:P3N5原料を用いたBa3P5N10Cl:Euの合成)
Ba3P5N10Cl:Euを形成するため、44.73mg(0.20 mmol)のBa(N32(例2に関して前述したように合成。ここでMCO3は、BaCO3(99.8%、Grurssing)である)、8.41mg(0.04mmol)のBaCl2(99.999%、Sigma-Aldrich)、21.95mg(0.13 mmol)のP3N5(例1に関して前述したように合成)、および1.35mg(>0.01 mmol)のEuCl2(99.9%、Strem Chemicals)を混合し、熱間静水圧ガス加熱炉において、N2雰囲気下、1500barおよび1000℃で10時間焼結した。室温に冷却し、大気圧に戻した後、結晶質Ba3P5N10Cl:Euが得られた。
(例8:元素状リン源材料を用いたBa3P5N10Cl:Euの合成)
Ba3P5N10Cl:Euを形成するため、35.00mg(0.16 mmol)のBa(N32(例2に関して前述したように合成。ここでMCO3は、BaCO3(99.8%、Grussing)である)、6.58mg(0.03mmol)のBaCl2(99.999%、Sigma-Aldrich)、9.79mg(0.32mmol)のPred(>99.999%、ChemPur)、および1.06mg(>0.01 mmol)のEuCl2(99.9%、Strem Chemicals)を混合し、熱間静水圧ガス炉において、N2雰囲気下、1500barおよび1100℃で20時間焼結した。室温に冷却し、大気圧に戻した後、結晶質Ba3P5N10Cl:Euが得られた。
図13は、例8から得られたBa3P5N10Cl:Euの走査型電子顕微鏡像である(バーの長さ5μm)。図13には、得られたBa3P5N10Cl:Euのブロック状粒子を示す。これは、粉末形態に粉砕することができる。
図14は、単離されたBa3P5N10Cl:Eu粉末の粉末X線回折パターン(Cu Ka放射線)を示にす。Ba3P5N10Cl:Euは、斜方晶系空間群Pnma(No.62)で結晶化し、セルパラメータは、a=12.5458、b=13.2142、およびc=13.7857Åであった。また図14には、得られたBa3P5N10Cl:Eu発光材料のリートベルト解析を示す。図14には、得られたBa3P5N10Cl:Euの反射位置(1401)も示されている。
表4には、得られたBa3P5N10Cl:Eu構造の原子パラメータをまとめて示す。表4の「Atom」は、特定のワイコフ(Wyckoff)配置(「Wyck」)を有する格子サイトを占める種である。“S.O.F.”は、分割位置のサイト占有因子を意味する。表4における見出し「x/a」、「y/b」および「z/c」は、格子定数a、bおよびcにより定義される結晶格子中の原子位置の座標を表す。斜方晶系では、a≠b≠cであり、α=β=γ=120°である。
Figure 2023515127000005
得られたBa3P5N10Cl:Euのエネルギー分散X線分光走査は、2.83:4.81:8.43:1のBa:P:N:Cl比を示した。
図15には、得られたBa3P5N10Cl:Euの正規化された励起スペクトル1501および放射スペクトル1502を示す。
(例9:P3N5源材料を用いたBa3P5N10Br:Euの合成)
Ba3P5N10Br:Euを形成するため、42.20mg(0.19mmol)のBa(N32(例2に関して前述したように合成。ここでMCO3は、BaCO3(99.8%、グリッシング)である)、11.33mg(0.04mmol)のBaBr2(99.999%、Sigma-Aldrisch)、20.71mg(0.13 mmol)のP3N5(例1に関して前述したように合成)、および1.27mg(>0.01mmol)のEuCl2(99.9%、Strem Chemicals)を混合し、熱間静水圧ガス加圧炉において、N2雰囲気下、1500barおよび1000℃で10時間焼結した。室温に冷却し、大気圧に戻した後、結晶質Ba3P5N10Br:Euが得られた。
(例10:元素状リン源材料を用いたBa3P5N10Br:Euの合成)
Ba3P5N10Br:Euを形成するため、35.00mg(0.16mmol)のBa(N32(例2に関して前述したように合成。ここで、MCO3は、BaCO3(99.8%、グリッシング)である)、9.40mg(0.03mmol)のBaBr2(99.999%、Sigma-Aldrisch)、9.79mg(0.32mmol)のPred(≧99.999%、ChemPur)、および1.06mg(>0.01 mmol)のEuCl2(99.9%、Strem Chemicals)を混合し、熱間静水圧ガス炉において、N2雰囲気下、1500barおよび1100℃で20時間焼結した。室温に冷却し、大気圧に戻した後、結晶質Ba3P5N10Br:Euが得られた。
図16は、例10から得られたBa3P5N10Br:Euの走査型電子顕微鏡像である(バーの長さ5μm)。図16には、得られたBa3P5N10Br:Euのブロック状粒子を示す。これは、粉末形態に粉砕することができる。
図17には、単離されたBa3P5N10Br:Eu粉末の粉末X線回折パターン(CuKa放射線)を示す。Ba3P5N10Br:Euは、斜方晶系空間群Pnma(No.62)で結晶化し、セルパラメータは、a=12.5844、b=13.2290、およびc=13.8106Åであった。得られたBa3P5N10Br:Eu発光材料のリートベルト解析を示す。図17には、得られたBa3P5N10Br:Euの反射位置(1701)も示されている。
表5には、得られたBa3P5N10Br:Eu構造の原子パラメータをまとめて示す。表5の「Atom」は、特定のワイコフ(Wyckoff)配置(「Wyck」)を有する格子サイトを占める種である。“S.O.F.”は、分割位置のサイト占有因子を意味する。表5における見出し「x/a」、「y/b」および「z/c」は、格子定数a、bおよびcにより定義される結晶格子中の原子位置の座標を表す。斜方晶系では、a≠b≠cであり、α=β=γ=120°である。
Figure 2023515127000006
得られたBa3P5N10Br:Euのエネルギー分散X線分光走査は、3.05:4.97:8.20:1のBa:P:N:Br比を示した。
図18には、得られたBa3P5N10Br:Euの正規化された励起スペクトル1801および放射スペクトル1802を示す。
(ニトリドリン酸塩蛍光体を有する照明装置)
図19には、開示されたニトリドリン酸塩蛍光体材料の少なくとも1つを含む波長変換構造1908を示す。波長変換構造1908は、照明装置1901に使用される。光源1900は、LED、または他の任意の好適な光源であってもよく、これには、例えば、共振キャビティ発光ダイオード(RCLED)および垂直キャビティレーザダイオード(VCSEL)が含まれる。光源1900は、第1の光1904を放射する。第1の光1904の一部は、波長変換構造1908に入射する。波長変換構造1908は、第1の光1904を吸収し、第2の光1912を放射する。波長変換構造1908は、必ずしも必要ではないが、第1の光がわずかしか、または全く、装置からの最終放射スペクトルの一部にならないように構造化されてもよい。
図19に関して説明した波長変換構造1908は、例えば、粉末形態、セラミック形態、または任意の他の好適な形態で製造することができる。波長変換構造1908は、1または2以上の構造体に形成されてもよく、これらは、予備加工されたガラスまたはセラミックタイルのような光源とは別個に形成され、または光源とは別個にハンドリングされてもよい。あるいはこれらは、光源の上部に形成された共形のまたは他のコーティングのような、光源とともにin-situで形成される構造に形成されてもよい。
波長変換構造1908は、例えば、シリコーン材料、ガラスマトリックス、セラミックマトリックス、または任意の他の適切な材料もしくは構造のような、透明材料中に分散された、ニトリドリン酸塩蛍光体粉末であってもよい。
透明材料中に分散されたニトリドリン酸塩蛍光体は、光源上に直接形成されてもよく、または、例えば、マトリックスに形成されてもよい。マトリクスは、単一化され、またはタイルに形成され、その後光源の上方に配置されてもよい。

Claims (15)

  1. ニトリドリン酸塩を形成する方法であって、
    金属源材料、リン源材料および窒素源材料を組み合わせて前駆体混合物を形成するステップと、
    窒素ガスを含む雰囲気において、2MPaから500MPaの間の圧力、800℃から1300℃の間の最高温度で、前記前駆体混合物を加熱するステップと、
    を有する、方法。
  2. 前記金属源材料は、金属アジド、金属窒化物、金属水素化物、および金属ハロゲン化物の少なくとも1つを含み、
    前記リン源材料は、元素状リン、HPN2、HP4N7、PON、および/またはP3N5の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記前駆体混合物は、さらに、酸素源材料およびハロゲン化物源材料の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記前駆体材料は、さらに、ドーパント源材料を含み、前記ドーパント源材料は、EuCl2を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記金属源材料中の前記金属は、Ca、Sr、Ba、Eu、Ce、La、Y、およびLuの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記最高温度は、1000℃から1200℃の間である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記雰囲気は、窒素ガスで構成される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記雰囲気は、2MPaから300MPaの間の分圧の窒素ガスと、10MPaから200MPaの間の分圧のアルゴンガスとの混合ガスからなる、請求項1記載の方法。
  9. 前記前駆体混合物は、Ca3N2およびCa(N32の少なくとも1つと、P3N5およびPredの少なくとも1つと、EuCl2とを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記前駆体混合物は、M(N32と、P3N5およびPredの少なくとも1つと、MX2と、EuCl2と含む(M=Sr、Baであり、X=Cl、Brである)、請求項1に記載の方法。
  11. MaPbAqNrOyXz:Dを含む発光材料であって、
    ここで、M=希土類および/またはアルカリ金属であり、A=Alおよび/またはSiであり、X=F、Cl、BrまたはIであり、D=Eu2+またはCe3+であり、
    a>0、b>0、r>0、q≧0、y≧0およびz≧0であり、
    ただし、Ba3P5N10Cl:Eu2+、Ba3P5N10I:Eu2+、CaP2N4:Eu2+、SrP2N4:Eu2+、BaP2N4:Eu2+、Ba3P5N10Br:Eu2+、およびBaSr2P6N12:Eu2+は除く、発光材料。
  12. M=Ca、a=2、b=l、x=3、y=0およびz=0である、請求項11に記載の発光材料。
  13. M=Sr、a=3、b=5、x=10、y=0、およびz=lである、請求項11に記載の発光材料。
  14. 請求項11に記載の発光材料を含む、波長変換構造。
  15. さらに、第1の光を放射する光源を有し、
    当該波長変換構造は、前記第1の光の光路に配置され、
    発光蛍光体は、前記第1の光を吸収し、前記第1の光とは異なる波長を有する第2の光を放射する、請求項14に記載の波長変換構造。
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