JP2023512300A - 回動式医療装置 - Google Patents

Abstract

医療装置は、シャフトと、近位部分と遠位部分とを含むハンドルであって、ハンドルの遠位部分がシャフトの近位部分に固定されているハンドルと、ハンドルからシャフトに延びているチャネルであって、近位チャネルと遠位チャネルとを含み、近位チャネルは遠位チャネルに対して回動可能であり、近位チャネルの回動の間中遠位チャネルに整合されているチャネルと、を含む。ハンドルの近位部分は近位チャネルを含み、ハンドルの遠位部分は遠位チャネルを含み、ハンドルの遠位部分はハンドルの近位部分に対して回動可能であり、シャフトは、ハンドルの遠位部分とともに回動するように構成されている。

Description

本発明は、ハンドルに対して回動可能なシャフトを含む医療装置に関する。より詳細には、本発明は、ハンドルの遠位部分が他の部分に対して回動可能であり、更には同遠位部分がシャフトを収容した状態で、シャフトに連結されている医療装置に関する。

特定の医療処置において、医師や技術者は、気管支鏡（または他のスコープもしくは医療装置）および他の医療付属装置を制御する必要がある。医師の位置に対する患者の位置に応じて、装置を制御する医師は、所望の生体構造の部位に医療装置を案内するために、自身の体を不自然な姿勢にゆがめたり、ねじったりする必要がある。その結果、人間工学的に望ましくない位置に医師が配置されたり、手術がその影響を受けたりする場合がある。

一例によれば、医療装置は、シャフトと、近位部分および遠位部分を含むハンドルであって、遠位部分がシャフトの近位部分に固定されたハンドルと、ハンドルからシャフトの中に延びるチャネルであって、近位チャネルおよび遠位チャネルを含むチャンネルとを備え、近位チャネルは、遠位チャネルに対して回転可能であるとともに、近位チャネルの回転の間中遠位チャネルに整合されており、ハンドルの近位部分は、近位チャネルを含み、ハンドルの遠位部分は、遠位チャネルを含み、ハンドルの遠位部分は、ハンドルの近位部分に対して回動可能であり、シャフトは、ハンドルの遠位部分とともに回動するように構成されている。

別例では、シャフトは、遠位チャネルの少なくとも一部を囲んでおり、遠位チャネルは、シャフトとハンドルの遠位部分とともに回動するように構成されてもよい。ハンドルの遠位部分は、時計方向または反時計方向にハンドルの近位部分に対して回動可能であってもよい。ハンドルの遠位部分の回動は、設定された角度の回動に限定されてもよい。ハンドルの遠位部分は、遠位部分の表面と近位部分の表面との当接によって生じる摩擦力によってハンドルの近位部分に対して静止した状態で維持されてもよい。ハンドルは、ガイドをさらに含み、ガイドは、ガイドの中心軸に沿って延びるルーメンを含み、当該ルーメンは近位チャネルと遠位チャネルとの間に配置されて、近位チャネルおよび遠位チャネルに整合されていてもよい。ガイドは、ハンドルの近位部分の内面に固定されてもよい。ハンドルの遠位部分は、ハンドルの遠位部分の内面に沿って支持体をさらに含んでおり、シャフトの近位部分は、支持体に固定されてもよい。

別例では、医療装置は、第１の形態および第２の形態を有するロックをさらに含み、ロックの第１の形態では、ハンドルの遠位部分は、ハンドルの近位部分に対して静止しており、ロックの第２の形態では、ハンドルの遠位部分は、ハンドルの近位部分に対して回動可能であってもよい。ロックは、近位方向に突出したピンを含む第１ワッシャーであって、遠位チャネルが第１ワッシャーの開口部を介して第１ワッシャーの中を通って延びる第１ワッシャーと、それぞれがピンを収容するように構成されている複数の開口部を含む第２ワッシャーと、第１ワッシャーの遠位面をベースに連結するバネと、を含んでもよい。ロックの第１の形態では、第１ワッシャーのピンが第２ワッシャーの複数の開口部の１つと係合するように、第１ワッシャーは、第２ワッシャーに向かってバネ付勢されてもよく、ロックの第２の形態では、第１ワッシャーは、第２ワッシャーから近位方向に離間され、バネを圧縮し、それによってピンは複数の開口部のすべてから離脱されてもよい。ロックは、管をさらに含み、管は第１ワッシャーおよび第２ワッシャーの開口部内を通って延びており、管は遠位チャネルの上の少なくとも一部を覆っており、第１ワッシャーは管の上を移動するように構成されてもよい。

別例では、医療装置は、第１ステアリングワイヤーと、第１ステアリングワイヤーを保持する第１ジャイロとをさらに含み、第１ジャイロは、近位ジャイロと遠位ジャイロとを含み、遠位ジャイロは、遠位チャネルまたは近位チャネルの外周囲で遠位ジャイロが近位ジャイロに対して回動可能であるように近位ジャイロに嵌合されてもよい。第１ステアリングワイヤーは近位ワイヤーと遠位ワイヤーとを含み、近位ワイヤーの遠位端は第１拡張部に連結されており、遠位ワイヤーの近位端は第２拡張部に連結されており、第１拡張部は近位ジャイロに固定されており、第２拡張部は遠位ジャイロに固定されてもよい。近位ワイヤーが駆動装置を介して引っ張られるとき、遠位ワイヤーが引っ張られるように構成されてもよい。

一例によれば、医療装置は、シャフトと、シャフトの近位部分に接続されたハンドルと、ハンドルからシャフトに延びるチャネルと、を含み、チャネルはハンドルに対して回動可能であり、チャネルの側壁は、ハンドルに収容されるチャネルの一部に開口部を含み、ハンドルは、チャネルの開口部と連通するルーメンを画定し、ルーメンの近位端は、吸引源と連通するように構成されてもよい。開口部は、第１密封体および第２密封体によってハンドルの部分から封止されてもよい。チャネルの側壁は周方向に分布した複数の開口部を含んでもよい。

一例によれば、近位部分と、近位部分に回動可能に取り付けられた遠位部分とを含むハンドルと、第２部分からシャフトに延びているチャネルと、をさらに含み、シャフトの近位部分がハンドルの遠位部分に固定されている医療装置のシャフトを位置決めする方法は、医療装置のシャフトの遠位端を対象者の体内に導入する工程と、導入する工程の後、ハンドルの近位部分に対してハンドルの遠位部分、シャフト、およびチャネルを回動させる工程とを含んでもよい。

別例では、方法は、導入する工程後、ハンドルの近位部分からハンドルの遠位部分をロック解除する工程と、ハンドルの近位部分に対してハンドルの遠位部分、シャフト、およびチャネルを回動させる工程と、ハンドルの遠位部分をハンドルの近位部分にロックする工程とをさらに含んでもよい。

本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、様々な例示的な実施形態を示し、その説明とともに、開示された実施形態の原理を説明する役目を果たす。

一実施形態に係る、医療装置を示す断面図。 図１Ａの医療装置のハンドルの遠位部分を示す断面図。 別の実施形態に係る、医療装置の一部を示す断面図。 図２Ａの医療装置のロック機構を示す側面図。 図２Ａの医療装置のロック機構を示す斜視図。 一実施形態に係る、医療装置の回動可能なジャイロを示す断面図。 図３Ａの回動可能なジャイロを複数含む医療装置を示す斜視図。 別の実施形態に係る、医療装置の一部を示す断面図。

ここで、添付図面に例が示された本発明の態様について詳細に説明する。同一または類似の部品を参照するために、全ての図面に亘って可能な限り同一または類似の参照番号が用いられる。用語「遠位」は、対象者（たとえば患者）に装置を導入するときに使用者から最も離れた部分を意味する。一方、用語「近位」は、対象者に装置を配置するときに使用者に最も近い部分を意味する。

上記一般的な説明と、以下の詳細な説明は、いずれも例示的かつ説明的なものに過ぎず、特許請求される特徴を限定するものではない。本明細書で用いる場合、用語「備える」、「備えている」、「有する」、「含む」、またはそれらの他の変化形は、非排他的包含をカバーすることが意図されており、それにより、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、または装置には、それらの要素だけが含まれるのではなく、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に明示的にリストされていない、または固有ではない他の要素が含まれ得る。本発明において、たとえば、「約」、「ほぼ」、「概ね」、および「概して」などの相対的な用語は、記載された値または特性における±１０％の可能な変動を示すために用いられる。

本発明の実施形態によれば、当該技術分野における１つ以上の課題を解決することが可能である。しかしながら、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されるものであって、特定の問題を解決する能力ではない。本発明は、医療装置のハンドルに対して回動可能であり得るシャフトを含む医療装置について作成されている。医療装置は、例として、ハンドルから遠位方向に延びるシャフトを有する任意のスコープ（たとえば気管支鏡、十二指腸内視鏡、内視鏡、結腸鏡、尿管鏡など）、カテーテル、ツール、器具などであってもよい。実施形態では、医療装置は、ハンドルの近位部分に対して時計回りまたは反時計回りに回動可能な遠位部分を有するハンドルを含む。医療装置は、ハンドルの遠位部分に固定するように連結されてハンドルの遠位部分内に収容されるシャフトをさらに含む。よって、ハンドルの近位部分に対してハンドルの遠位部分が回動されると、シャフトも同時に同様に回動する。ハンドルの遠位部分は、２つの状態または構成のいずれか一方であってもよい。第１の状態では、遠位部分は、ハンドルの近位部分に対して静止して維持され得る。第２の状態では、ハンドルの遠位部分は、ハンドルの近位部分に対して回動し、または回動可能であり得る。代替的には、ハンドルの近位部分は、遠位部分に対して回動し、または回動可能であり得る。医療装置のシャフトは、ハンドルの遠位部分に従って回動し、または静止した状態で維持される。

本発明の医療装置の実施形態は、ハンドルの遠位部分を上記２つの状態のいずれかに配置または維持するために、たとえば摩擦、ロック／ロック解除機構などの任意の適切な手段を用い得る。さらに、このような医療装置は、たとえば手動式、機械式、電気式などの任意の適切な方法を介して、手術時にハンドルの遠位部分を（したがってシャフトを）回動する選択肢と、ハンドルの遠位部分を、装置の他の部分に対してその現在の回動位置に固定して維持する選択肢とを使用者に提供し得る。これにより、装置使用者は、使用者に対する患者の位置にかかわらず、体の手首または他の部分をねじったりゆがめたりする必要なしに、ハンドルの遠位部分およびシャフトの回動を介して、対象とする標的部位に快適にアクセスしたり、それを視認したり、当該部位において治療手技／診断手技を実施したりし得る。

図１Ａでは、一実施形態に係る医療装置１、たとえば気管支鏡が示されている。医療装置１は、可撓性シャフト２４（たとえばカテーテル）と、可撓性シャフト２４の近位端に接続されたハンドル５とを含む。ハンドル５は駆動装置４３を有する。駆動装置４３は、可撓性シャフト２４および可撓性シャフト２４の遠位端に設けられる関節運動式ジョイントのうちの少なくともいずれか一方の関節運動を複数の方向に制御する。装置４３は、たとえば、装置の軸線を中心に回動させて、駆動要素、たとえば、ステアリングワイヤー（図示せず）を押したり引いたりする回動ノブであってもよい。医療処置に適したケーブルまたはワイヤー（たとえば医療グレードのプラスチックまたは金属）などの駆動要素は、医療装置１の近位端から遠位方向に延び、可撓性シャフト２４の遠位部分に接続してその動作を制御する。代替的又は追加的に、使用者は、ハンドル５から独立した駆動要素を操作してもよい。駆動要素の遠位端は、可撓性シャフト２４の中を通って延び、可撓性シャフト２４の関節運動式ジョイントや遠位先端において終端してもよい。たとえば、１つ以上の駆動要素を関節運動式ジョイントに接続して、駆動要素の駆動によって、関節運動式ジョイントまたは可撓性シャフト２４の遠位端を制御して、複数の方向（たとえば上／下および左／右のうちの少なくともいずれか一方）に移動させてもよい。

さらに、１つ以上の電気ケーブル（図示せず）が、医療装置１の近位端から可撓性シャフト２４の遠位端に延びていてもよく、可撓性シャフト２４の遠位端で撮像装置、照明装置、や他の電気装置を電気的に制御したり、処理したりディスプレイに表示したりするために、可撓性シャフト２４の遠位端から近位方向に撮像信号を送信し得る。ハンドル５は、器具、体液、または他の物質を導入したり、患者の体内から器具、体液、または他の物質を除去したりするためにポート１１，４６を含んでもよい。ポート１１は、作業チャネル１２を介して器具を導入するために使用されてもよい。ポート４６は、体液の導入、吸引、および電子部品の配線の少なくともいずれか１つのためのアンビリカス（ｕｍｂｉｌｉｃｕｓ）に接続されてもよい。さらに、医療装置１は、ハンドル５の遠位端に取り付けられた応力緩和部２３をさらに含んでもよい。応力緩和部２３は、遠位方向ほど先細になり、その遠位端においてシャフト２４の開口部を有する任意の適切な軟質材料のカバーであってもよい。応力緩和部２３は特に限定されるものではなく、シャフト２４のねじれを防止することに役立つ。

図１Ａ、図１Ｂを参照して、ハンドル５について以下でさらに詳細に説明する。ハンドル５は、近位部分１０と回動可能な遠位部分２０とを含む。遠位部分２０は、近位部分１０とは別の異なる要素である。したがって、いくつかの実施形態では、ハンドル５は単一部品ではなく、近位部分１０と遠位部分２０からなる２つの異なる部品である。遠位部分２０は近位部分１０に対して回動可能に取り付けられており、両者は互いに隣接している。

近位部分１０は、使用者による取り扱い、または把持のために構成される適切な形状を有し得、適切な材料、たとえばプラスチック、鋼などで形成されてもよい。近位部分１０は、上記で説明した駆動装置４３およびポート４６，１１を含む。上記のように、近位部分１０は、ポート４６，１１を介してさらなる配線および器具に接続されるように構成されているハンドル５の一部であってもよい。ポート１１は、内部に様々な器具を導入するための近位作業チャネル１２につながっていてもよい。

近位作業チャネル１２は、任意の適切な形態であってもよく、特に限定されない。たとえば、いくつかの実施形態では、近位作業チャネル１２は、ポート１１に連結される管であって、可撓性を有していたり、近位部分１０の形状に適合するように形成されたりしている管であってもよい。他の実施形態では、近位部分１０内に中空の管状チャネルを成形して、近位作業チャネル１２を形成してもよく、チャネル１２は任意の適切な材料、たとえばプラスチック、鋼などで形成されてもよい。チャネル１２は、任意の適切な直径または長さを有する。チャネル１２の遠位部分は、ガイド１４のルーメン１４’に移行する。ガイド１４は、一体ユニットとして、チャネル１２とともに成形されてもよい。ガイド１４は管状や円筒形状をなし、ルーメン１４’を含む。ルーメン１４’はガイド１４の中心軸に沿って延びている。ルーメン１４’は、チャネル１２と同一、またはほぼ同一の直径を有する。ガイド１４は、近位部分１０の内面からガイド１４まで延びる支持体１５を介して近位部分１０内に固定される成形物であってもよい。また、支持体１５は、近位部分１０内に挿入された成形物であってもよい。また、支持体１５は、任意のワイヤー、および吸引もしくは洗浄チューブ等を支持体１５内を通ってシャフト２４の遠位端に向かって通過可能にするための好適な開口部、またはチャネルを含んでもよい。さらに、装置１は、また、近位部分１０および遠位部分２０内に、同一のことを可能にするための空間を画定し得る。

ガイド１４およびルーメン１４’は、近位部分１０のチャネル１２の遠位端と、遠位部分２０の遠位作業チャネル２２の近位端との間の移行部として機能する。ガイド１４の遠位端は、密封リング１３を収容するための円形の間隙または凹部１６を含む。リング１３（たとえばＯリング）は、遠位作業チャネル２２の外周囲に取り付けられる。したがって、リング１３内の空間の直径は、作業チャネル２２の外径と同一、またはほぼ同一の直径であり得る。しかしながら、リング１３は、チャネル２２がリング１３内で回動することができるようにチャネル２２の外周囲に取り付けられる。代替的には、リング１３およびチャネル２２は、凹部１６内でともに回動してもよい。リング１３は、遠位チャネル２２の外周囲を密封可能にする任意の好適な材料で形成され、ガイド１４の凹部１６内でチャネル２２の近位端の中央寄せを提供してもよい。したがって、上記観点から、近位チャネル１２、ルーメン１４’および遠位チャネル２２は、ずれることなく完全に整合された状態で維持される。

遠位部分２０は、遠位作業チャネル２２の近位部分を含む。遠位作業チャネル２２は、近位チャネル１２と同様に、任意の適切な形態であってもよい。たとえば、チャネル２２は、上記のように、ガイド１４のルーメン１４’の端部からシャフト２４の遠位端に延びる管であってもよい。形状にかかわらず、チャネル２２の直径はチャネル１２と同一、またはほぼ同一である。他の実施形態では、チャネル２２の直径は、チャネル１２の直径よりも小さくてもよいし、または大きくてもよい。さらに、上記のように、近位チャネル１２は、ルーメン１４’に連通しており、ルーメン１４’は遠位チャネル２２に連通している。

遠位部分２０は、シャフト２４の近位部分およびクランプ２６をさらに含む。シャフト２４は、遠位作業チャネル２２の少なくとも一部または全部を含む任意の適切な長さであって、遠位部分２０から医療装置１の遠位端まで延びる任意の適切な長さを有するチューブであってもよい。シャフト２４は、可撓性を有する任意の適切な材料のチューブであってもよい。シャフト２４の直径は、その直径が、遠位作業チャネル２２および任意の所望のワイヤー、吸引／洗浄チューブなどを収容する限り特に限定されない。クランプ２６は、遠位部分２０の一部として成形される円形のクランプ／開口部である。クランプ２６は、シャフト２４の近位部分を保持／クランプするように構成されており、シャフト２４は遠位部分２０に固定される。このような構成を考慮して、クランプ２６の開口部は、シャフト２４の外径と同一、またはほぼ同一の直径を有する。接着剤、溶接などを含む、クランプ２６をシャフト２４に固定するためのさらなる手段が使用されてもよい。したがって、シャフト２４の近位部分は、ハンドルの遠位部分２０にクランプ固定されるため、ハンドルの遠位部分２０がハンドルの近位部分１０に対して時計方向または反時計方向に回動すると、シャフト２４（および作業チャネル２２）は回動する。遠位作業チャネル２２の少なくとも一部は、同時に回動するように、シャフト２４に（接着剤、溶接などを介して）固定されてもよい。

上記のように、遠位部分２０は、近位部分１０に回動可能に取り付けられる。近位部分１０、遠位部分２０は互いに当接して、互いに面一である。近位部分１０、遠位部分２０の当接する両端部は円形であり、同一直径を有する。遠位部分２０が近位部分１０に回動可能に取り付けられる手段は特に限定されず、近位部分１０、遠位部分２０は、いずれも、任意の適切な連結要素（図示せず）を含み得る。たとえば、遠位部分２０の近位面は、近位部分１０と遠位部分２０との分離を防止するアンカー／スロット連結機構を介して、近位部分１０の遠位面に係合してもよい。このような例では、近位部分１０の遠位面は、当該遠位面の全体にわたって周方向に延びる凹部を有していてもよく、遠位部分１０の近位面は、この凹部内に確実にはめ込まれるように構成される近位方向に突出する要素／特徴を有してもよい。別の例では、近位部分１０の遠位面が遠位方向に突出した形状を有し、遠位部分２０の近位面が凹部を含んでもよい。しかしながら、遠位部分２０と近位部分１０との取り付けは上記説明のとおりに限定されるものではなく、他の適切な手段を用い得る。

遠位部分２０は、近位部分１０に対して、たとえば、およそ９０°、１２０°、１８０°などの回動角度に遠位部分２０が制限されるように、近位部分１０に取り付けられ得る。したがって、このような例では、遠位部分２０および近位部分１０の連結要素は、遠位部分２０の回動を制限するためにさらなる手段を含んでもよい。たとえば、上記凹部内の予め定められた位置または選択された位置に止め具が配置されて、それによって突出した特徴と止め具との間の接触により、当該止め具を超えて遠位部分２０の回動を阻止してもよい。しかし、連結手段は本明細書の説明には限定されず、遠位部分２０の回動角度を制限するために他の適切な要素／特徴を用いてもよい。

遠位部分２０および作業チャネル２２は、遠位作業チャネル２２の中心軸線Ａを中心に回動する。そのため、チャネル２２は、遠位部分２０の回動の間中、ルーメン１４および近位チャネル１２との完全な整合を維持する。したがって、近位チャネル１２に対して遠位チャネル２２が（遠位部分２０の回動によって）回動するとき、チャネル１２，２２の両方の内部を通過して延びる付属装置または器具は、任意の損傷、たとえば挟み込みから保護され得る。

上記のように、遠位部分２０は、近位部分１０に対して静止状態、すなわち静止形態に維持され得る。静止状態を維持するために、遠位部分２０、または少なくとも近位部分１０に当接する遠位部分２０の表面は、任意の好適な摩擦材料で構成されており、それにより、近位部分１０に当接している間、遠位部分２０の望ましくない移動を阻止し得る。近位部分１０と遠位部分２０の両方の間の摩擦を高めるために、近位部分１０、または少なくとも遠位部分２０に当接する近位部分１０の表面も任意の適切な摩擦材料で形成されてよい。遠位部分２０と近位部分１０との間に生じる摩擦力は、近位部分１０に対して、遠位部分２０の望ましくない回動を阻止するのに十分な程度であり得る。しかしながら、当該摩擦力は、医療装置１の使用者によって付与される通常のねじり力を超えない場合もあり、遠位部分２０は当該使用者によって必要に応じて回動され得る。

図１Ａ～図１Ｂを参照して、医療装置１の使用法の例をさらに以下に説明する。医療装置１のシャフト２４の遠位端は、対象とする標的部位に隣接する患者の体内に送達される。送達は、口、鼻、肛門などの自然の身体開口部を介して行い得る。任意の適切な画像処理装置を介する医療装置１に対応するイメージングによって、シャフト２４の遠位端の位置決めを支援し得る。医療装置１および医療装置１の使用者の少なくともいずれか一方に対する、患者および標的部位の少なくともいずれか一方の位置に応じて、使用者は、ハンドル５に対してシャフト２４を回動させることを選択してもよい。シャフト２４を回動させるために、使用者は、近位部分１０と遠位部分２０との間の摩擦力を超えるねじり力を付与することによって、近位部分１０に対してハンドル５の遠位部分２０を回動させ得る。使用者は、より人間工学に基づいた姿勢で使用者によるハンドル５の取り扱いを可能にするため、または様々な他の理由のために、遠位部分２０（およびシャフト２４）を回動させ得る。したがって、使用者は、任意の所望の程度に、シャフト２４（遠位部分２０の回動を介して）またはハンドル５の近位部分１０を、相対回動させ得る。

医療装置１’は、図２Ａに示すように、多くの点で装置１と類似している。同様な参照番号は、同様な部品を示す。装置１と装置１’との違いを以下に述べる。装置１’はロック３０をさらに含む。ロック３０は、遠位部分２０およびシャフト２４が近位部分１０に対して任意の方向（時計回りまたは反時計回り）に自由に回動可能な形態（たとえばロック形態）と、遠位部分２０およびシャフト２４が静止した状態で維持されて近位部分１０に対して回動可能ではない別の形態（たとえばロック解除形態）とを含み得る。図２Ａ～図２Ｃを参照すると、ロック３０は、ロックピン３２を有する摺動可能なロックワッシャー３１と、ロックワッシャー３１およびピン３２に係合するように構成される受けワッシャー３３と、ベースワッシャー３４と、ロックワッシャー３１をベースワッシャー３４に連結するバネ３５とを含む。ロック３０は、ガイド１４より遠位側に位置するように配置されており、チャネル２２は、ワッシャー３１，３３、および３４の軸線に沿う中央開口部内を通って延びている。ロック３０は、ワッシャー３１，３３の軸線に沿う中央開口部内を通って同様に延びる中心管４０をさらに含む。管４０は中空であり、ガイド１４からワッシャー３４まで延びるチャネル２２の一部の上を覆っている。したがって、管４０の一部はガイド１４の凹部１６内に収まっている。以下でさらに詳しく説明するように、管４０は、管４０がワッシャー３１とともに回動、または摺動するように、ワッシャー３１に固定され得る。しかしながら、管４０は、管４０がワッシャー３３に対して回動し、および摺動し得るようにワッシャー３３に固定されなくてもよい。管４０の遠位端はワッシャー３４に固定される。

ロックワッシャー３１は、形状が円形／円盤状であるが、それに限定されない。ワッシャー３１の寸法は、それが遠位部分２０内に固定される限り特に限定されない。ロックワッシャー３１は、ワッシャー３１が、管４０上を摺動することができるように、中央開口部を介して管４０の外周囲に取り付けられる。ロックワッシャー３１はロックピン３２を含み、ロックピン３２は、近位方向に突出したピンであり得る。ピン３２は、ワッシャー３１の近位面上の、受けワッシャー３３の受け穴３６の１つにピン３２が係合する位置に配置される（以下でさらに詳細に説明する）。ピン３１の長さおよび直径は、ピン３２が受け穴３６に係合する限り特に限定されない。同様に、ワッシャー３３も形状が円形／円盤状であるがそれに限定されない。装置１’では、ワッシャー３３は、ワッシャー３１よりも直径が小さい。しかしながら、ワッシャー３３の寸法、たとえば直径は特に限定されない。ワッシャー３３は、ワッシャー３３の中央開口部を介して管４０の外周囲に取り付けられるため、管４０は、ワッシャー３３および近位部分１０に対して、摺動したり、中心軸線を中心として回動したりし得る。ワッシャー３１より近位側に位置してワッシャー３１に隣接するワッシャー３３は、その遠位面上に複数の受け穴３６を含む。穴３６は、ワッシャー３３の厚さを完全に貫通して延びていてもよいし、またはワッシャー３３を部分的に通って（たとえば凹部として）延びていてもよい。穴３６は、ワッシャー３１のピン３２を収容する形状および幅／直径を有してもよい。受け穴３６は、ワッシャー３３の中心点を中心に周方向に均等に配置されてもよい。受け穴３６の数は特に限定されない。ベースワッシャー３３も形状が円形／円盤状であるが、それに限定されない。ワッシャー３３の寸法も、遠位部分２０内に固定される限り特に限定されない。装置１’では、ワッシャー３３の近位面の一部が、遠位部分２０内にあるガイド１４の遠位端に固定される。したがって、ワッシャー３３は、遠位ハンドル部分２０とともに回動しない。しかしながら、ワッシャー３３は、ガイド１４の遠位端に固定されることに限定されない。ワッシャー３３は、また、ワッシャー３３が遠位部分２０とともに回動しないように、近位部分１０内の他の部分または要素に固定されてもよい。ワッシャー３４は、ロックワッシャー３１の遠位側にあり、したがって、ロック３０の最遠位端に位置する。バネ３５は、バネ３５がワッシャー３４の近位面をロックワッシャー３１の遠位面に連結するように、ワッシャー３４とロックワッシャー３１との間に配置される。ワッシャー３４の遠位面は、クランプ２６の近位面に固定される。したがって、ワッシャー３４は、バネ３５の伸縮によりロックワッシャー３１が管４０上を摺動するための固定ベース部として機能し得る。ワッシャー３４，３１およびバネ３５は、遠位ハンドル部分２０とともに回動する。

上記のように、ワッシャー３１の遠位面は、バネ３５を介してベースワッシャー３４に連結される。その結果、遠位部分２０のワッシャー３１は、ピン３２および穴３６の１つを介してワッシャー３３と係合するようにバネ付勢される。上記のように、ワッシャー３３はガイド１４に固定され、ガイド１４は、支持体１５を介して近位部分１０に固定されている。したがって、ロック３０は、ロック形態にデフォルト設定されており、それによって遠位部分２０（およびシャフト２４）または近位部分１０の相対回動を阻止し得る。

ロック３０を、デフォルトのロック形態からロック解除形態（図２Ａで示されている）に移行させるために、遠位部分２０を（方向矢印によって示すように）遠位方向に引っ張る力を加え得る。遠位部分２０と近位部分１０との間の連結によって、軸線Ａに沿った遠位部分２０と近位部分１０との間の相対移動が可能になる。これは、ロック３０がロック解除形態にあるときにおける、遠位部分２０と近位部分１０との間の間隙によって示されている。たとえば、上記した近位部分１０と遠位部分２０との突出部分および凹部、または両接面（図示せず）は、相対移動可能にするように構成され得る。引張力は、近位部分１０の受けワッシャー３３からロックワッシャー３１を離脱させる。ワッシャー３１のピン３２は、ワッシャー３１の開口部３６の１つの外側に後退される。引張力は、たとえば、手動式、機械式、電気式などの任意の適切な方法を介して加えられ得る。離脱時には、遠位部分２０（および部分２０に固定されたシャフト２４）または近位部分１０は、時計回り方向または反時計回り方向に自由に相対回動し得る。加えられた力の解除により、ロックワッシャー３１を元の位置に、つまりロックワッシャー３１がワッシャー３３に当接して係合する位置に復帰させ得る。ピン３２とワッシャー３３の穴３６の１つとの不整合によりワッシャー３１がワッシャー３３と係合できない場合、整合および係合が成立するまでさらに回動を行い得る。

医療装置１’は、使用者が遠位部分２０を遠位方向に引っ張ってロック３０を解除し、遠位部分２０（およびシャフト２４）または近位部分１０を所望の程度に相対回動させ、遠位部分２０を解放してロック３０をロック形態に復帰させることが可能な点を除いて、医療装置１と同様に使用され得る。

図３Ａは、上記の装置１，１’を含む、医療装置の実施形態に含められ得る回動可能なジャイロ５０を示す。図に示すように、回動可能ジャイロ５０は、ガイド１４および作業チャネル２２の一部を囲むとともに、ステアリングワイヤー６０を保持している。ジャイロ５０は、ルーメン１４’と作業チャネル２２とが接する領域の周囲に取り付けられてもよい。しかしながら、ジャイロ５０はこのような位置に限定されず、たとえば、近位部分１０内のガイド１４の部分の外周囲に取り付けられてもよい。さらに、医療装置ハンドルにおけるジャイロ５０およびロック３０の存在は相互に排他的ではない。いくつかの例において、ハンドルは、ガイド１４およびチャネル２２の周囲に取り付けられたジャイロ５０と、チャネル２２の周囲に同様に取り付けられたロック３０とを含んでもよい。

従来の医療装置（たとえばスコープ）のステアリングワイヤーはいずれも、ハンドルからシャフトの遠位端まで配線される単一部品である。しかしながら、シャフトを回動させながらこのようなステアリングワイヤーを回動させると、回動によるねじれのためにステアリングワイヤーを損傷させる場合がある。このような懸念に対処するため、ステアリングワイヤー６０は、上記のようにステアリングワイヤー６０を損傷させることなく遠位部分２０（およびシャフト２４）の回動を可能にするために、２つの別個の分離されたワイヤー、近位ワイヤー６１および遠位ワイヤー６３からなる。近位ワイヤー６１の近位端は、任意の適切なコントローラ、たとえば、図１に示す装置４３に接続され得る。近位ワイヤー６１の遠位端は、第１終端／フェルールボール６２に接続、または第１終端／フェルールボール６２と一体化される。遠位ワイヤー６３の遠位端は、シャフト２４の遠位端に接続して、シャフト２４の関節運動を制御する。遠位ワイヤー６３の近位端は、第２終端／フェルールボール６４に接続、または第２終端／フェルールボール６４と一体化される。ボール６２，６４は、任意の適切な材料、たとえば鉛であってもよく、特に限定されない。代替的には、各ボール６２，６４は、対応するワイヤー６１，６３の機械加工または熱処理された端部であってもよい。さらに、ボール６２，６４は、ボールであることに特に限定されず、任意の適切な拡張部であってもよい。同様に、ワイヤー６１および６３は特に限定されず、医療処置に用いられる任意の適切なケーブルまたはワイヤー（たとえば医療グレードのプラスチックまたは金属）であってもよい。

ジャイロ５０は、相対回動可能に連結された近位ジャイロ５１および遠位ジャイロ５５を含む。近位ジャイロ５１は、ガイド１４を囲み且つ近位ワイヤー６１を保持する構造をなす。遠位ジャイロ５５は、遠位作業チャネル２２を囲み、遠位ワイヤー６３を保持する構造をなす。遠位ジャイロ５５は、近位ジャイロ５１に対して、チャネル２２とともに回動可能であるように、チャネル２２の周囲に固定され得る。近位ジャイロ５１は、ガイド１４に固定され得る。近位ジャイロ５１は、凹部５２と、近位方向に突出して凹部５２を部分的に覆うフランジ５３とを含む。近位ジャイロ５１は、凹部５２より近位側に位置して近位ジャイロ５１の他の部分に対して径方向外側に突出するフランジ７３をさらに含む。フランジ７３が突出する距離は、装置１’’内に収容される限りは、特に限定されない。フランジ７３は、その径方向突出部のほぼ中間点にチャネル７４を含む。チャネル７４は、ガイド１４の長手方向軸に平行またはほぼ平行に延びる。チャネル７４の幅は、近位ワイヤー６１に適合するようなものであり得るが、チャネル７４より遠位側に位置する第１ボール６２の直径よりも狭い。したがって、チャネル７４は、近位ワイヤー６１が近位に引っ張られたとき、チャネル７４から抜け出すことを防止するように、近位ワイヤー６１を保持すると同時に第１ボール６２を固定する。遠位ジャイロ５５は、間隙５６と、遠位方向に突出して間隙５６を部分的に覆うフランジ５７とを含む。遠位ジャイロ５５は、多くの点でフランジ７３と類似するフランジ７１も含む。フランジ７１は、その径方向突出部のほぼ中間点にチャネル７２を含む。フランジ７１は、フランジ７３と同様に、遠位ジャイロ５５が近位方向に引っ張られたときに遠位ワイヤー６３がチャネル７２から抜け出すことを防止するように、遠位ワイヤー６３を保持すると同時に第２ボール６４を固定する。間隙５６、フランジ５７、凹部５２、およびフランジ５３は環状をなすため、それらは近位ジャイロ５１および遠位ジャイロ５５の周方向に係合する。

近位ジャイロ５１と遠位ジャイロ５５とは、それらの嵌合により、相互に常に係合し得る。遠位ジャイロ５５は、遠位ジャイロ５５の部分と近位ジャイロ５１の部分とが互いに堅固に当接すると同時に、遠位ジャイロ５５または近位ジャイロ５１を相対回動可能にするように、近位ジャイロ５１のフランジ５３の外周囲に嵌合される。遠位ジャイロ５５のフランジ５７と近位ジャイロ５１のフランジ５３とは、フランジ５７が近位フランジ５１の凹部５２内に留まり、フランジ５３が遠位ジャイロ５５の間隙５６内に留まるように、互いに対して引っ掛かる。したがって、フランジ５３，５７のフック状の要素は、近位ジャイロ５１と遠位ジャイロ５５とが互いから離脱することを阻止する。フランジ５３，５７、凹部５２および間隙５６の寸法は特に限定されず、近位ジャイロ５１と遠位ジャイロ５５との間の上記の回動可能な嵌合係合を可能にする任意の適切な寸法であり得る。

上記観点から、回動可能なジャイロ５０は、遠位部分２０または近位部分１０が相対回動するとき、近位ステアリングワイヤー６１または遠位ステアリングワイヤー６３の回動を可能にする。さらに、ジャイロ５０の上記構成は、ステアリングワイヤー６０を介して、可撓性シャフト２４の関節運動を可能にする。第１ボール６２を含む近位ワイヤー６１は、任意の適切なコントローラ、たとえば装置４３（図示せず）の駆動を介して引っ張られ、その結果、フランジ７３に対して第１ボール６２を引くことにより近位ジャイロ５１を引いてもよい。近位ジャイロ５１を引くことにより、それらの嵌合係合により、遠位ジャイロ５３が引かれる。これは、次に、第２ボール６４に対してフランジ７１を押しつけることにより遠位ステアリングワイヤー６３を引き、その結果、ステアリングワイヤー６３はシャフト２４の遠位端を引っ張り、それによってその関節運動が可能になる。

図３Ｂは、２つの回動可能ジャイロ５０ａ，５０ｂを含む医療装置１’’を示しているが、そのどちらも図３Ａの回動可能なジャイロ５０と同一である。ジャイロ５０ａ，５０ｂは、それぞれ、２つのステアリングワイヤー６０ａ，６０ｂを保持する。医療装置に含まれるジャイロの数は特に限定されず、医療装置の実施形態内のステアリングワイヤーの数（たとえば１つ、２つ、または４つ）に対応する任意の適切な数であり得る。図３Ｂに示すように、ジャイロの１つである回動可能なジャイロ５０ａは、図３Ａについて上記したように、ガイド１４のルーメン（図示せず）と作業チャネル２２とが接する領域の周囲に配置され得る。一方、第２ジャイロである回動可能ジャイロ５０ｂは、同様に近位部分１０内に位置するようジャイロ５０ａより近位側に配置され得る。ステアリングワイヤー６０ａ，６０ｂは、シャフト２４の遠位端に連結される。したがって、シャフト２４が回動すると、遠位ワイヤー６３ａ，６３ｂを保持する遠位ジャイロ５５ａ，５５ｂも回動し得る。

回動可能な作業チャネルを含む医療装置において、吸引も可能であり得る。図４に示すように、医療装置１’’’は、いくつかの点で装置１と類似している。同様な参照番号は同様な部品を示す。装置１と装置１’’’との間の違いを以下に述べる。装置１’’’では、作業チャネル１２’は、近位部分１０から、回動可能な遠位部分２０’’の中を通ってシャフトの遠位端（図示せず）まで延びる回動可能な管である。チャネル１２’の少なくとも一部はシャフトに固定され得る。したがって、遠位部分２０’’およびシャフトが回動すると、チャネル１２’は、全体として、回動し得る。作業チャネル１２’は、その外周囲に配置される複数の円形／楕円形の開口部１２０を含む。開口部１２０の数および開口部１２０の形状は特に限定されない。さらに、開口部１２０は、密封リング１３ａ，１３ｂを介して、作業チャネル１２’の他の非開口部分から封止される。リング１３ａ，１３ｂは、開口部１２０に隣接する作業チャネル１２’の部分の外周囲に取り付けられ、一方のリング１３ａが開口部１２０より遠位側に、他方のリング１３ｂが開口部１２０より近位側に取り付けられる。リング１３ａ，１３ｂは、リング１３ａ，１３ｂ内のチャネル１２’の回動を可能にすると同時に、それらが密封体として機能するように、作業チャネル１２’の外周囲に取り付けられ得る。リング１３ａ，１３ｂは、密封目的で使用される任意の適切な材料、たとえばゴムで形成され得る。

装置１’’’は、一端が作業チャネル１２’の一部の外周囲に取り付けられた管状吸引体２００をさらに含む。吸引体２００は、管壁２０１、ルーメン２０２、および空洞２０３を含む。ルーメン２０２の一端は、吸引源（図示せず）および吸引物回収装置（図示せず）の少なくともいずれか一方に接続され得る。ルーメン２０２の他端は、開口部１２０を含む作業チャネル１２’の一部を囲む管状吸引体２００の空洞部２０３につながっている。空洞２０３を含む吸引体２００の一部は、近位開口部２０４および遠位開口部２０５を含む。開口部２０４，２０５は、チャネル１２’を覆うとともに、リング１３ａ，１３ｂを含む。図４では、空洞部２０３を含む吸引体２００の一部は、空洞２０３および開口部１２０が装置１’’’の残りの部分から密封されるように、作業チャネル１２’の一部の外周囲に取り付けられる。したがって、かかる構成によれば、吸引体２００は、開口部１２０より遠位側にある作業チャネル１２の部分内に捕捉された物質、たとえば体液を吸引し除去することができる。物質は、吸引によって、開口部１２０を通してチャネル１２’から出して、ルーメン２０１内に落としてもよい。かかる記構成によれば、ポート１１および作業チャネル１２’内を通って、付属装置、たとえば付属品３を導入した状態で吸引することができる。

本発明の範囲から逸脱することなく、開示された装置に対して様々な修正および変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。本発明の他の実施形態は、本明細書の検討および、本明細書に開示された発明の実施から、当事者には明らかであろう。本明細書および実施例は例示として考慮されるに過ぎず、本発明の真の趣旨および範囲は、下記の請求項によって示されるものとする。

Claims (15)

1. シャフトと、
   近位部分および遠位部分を含み、前記遠位部分が前記シャフトの近位部分に固定されているハンドルと、
   前記ハンドルから前記シャフトの中に延びているチャネルであって、近位チャネルと遠位チャネルとを含み、前記近位チャネルは、前記遠位チャネルに対して回動可能であり、更に同近位チャネルは当該近位チャネルの回動の間中、前記遠位チャネルに整合されている前記チャネルと、
   を備え、
   前記ハンドルの近位部分は前記近位チャネルを含み、前記ハンドルの遠位部分は前記遠位チャネルを含み、前記ハンドルの遠位部分は前記ハンドルの近位部分に対して回動可能であり、前記シャフトは前記ハンドルの遠位部分とともに回動するように構成されている、医療装置。
2. 前記シャフトは、前記遠位チャネルの少なくとも一部を囲んでおり、前記遠位チャネルは前記シャフトおよび前記ハンドルの遠位部分とともに回動するように構成されている、請求項１に記載の医療装置。
3. 前記ハンドルの遠位部分は、前記ハンドルの近位部分に対して時計方向または反時計方向に回動可能である、請求項１または２に記載の医療装置。
4. 前記ハンドルの遠位部分の回動は、予め設定された角度にわたる回動に限定されている、請求項１～３のいずれか一項に記載の医療装置。
5. 前記ハンドルの遠位部分は、前記ハンドルの遠位部分の表面と前記ハンドルの近位部分の表面との当接によって生じる摩擦力によって、前記ハンドルの近位部分に対して静止した状態に維持される、請求項１～４のいずれか一項に記載の医療装置。
6. 前記ハンドルはガイドをさらに含み、前記ガイドは、前記ガイドの中心軸に沿って延びるルーメンを含み、前記ルーメンは前記近位チャネルおよび前記遠位チャネルの間に配置され、且つ前記ルーメンは前記近位チャネルおよび前記遠位チャネルに整合されている、請求項１～５のいずれか一項に記載の医療装置。
7. 前記ガイドは、前記ハンドルの近位部分の内面に固定されている、請求項６に記載の医療装置。
8. 前記ハンドルの遠位部分は、前記ハンドルの遠位部分の内面に沿って支持体をさらに含み、前記シャフトの近位部分は前記支持体に固定されている、請求項１～７のいずれか一項に記載の医療装置。
9. 第１の形態および第２の形態を有するロックをさらに含み、前記ロックの前記第１の形態において、前記ハンドルの遠位部分は、前記ハンドルの近位部分に対して静止しており、前記ロックの前記第２の形態において、前記ハンドルの遠位部分は、前記ハンドルの近位部分に対して回動可能である、請求項１～８のいずれか一項に記載の医療装置。
10. 前記ロックは、近位方向に突出したピンを含む第１ワッシャーであって、前記遠位チャネルが前記第１ワッシャーの開口部を介して前記第１ワッシャーの中を通って延びている前記第１ワッシャーと、それぞれが前記ピンを収容するように構成されている複数の開口部を含む第２ワッシャーと、前記第１ワッシャーの遠位面をベースに連結するバネと、を含む、請求項９に記載の医療装置。
11. 前記ロックの前記第１の形態において、前記第１ワッシャーは、前記第１ワッシャーの前記ピンが前記第２ワッシャーの前記複数の開口部の１つと係合するように、前記第２ワッシャーに向かってバネ付勢されており、
    前記ロックの前記第２の形態において、前記第１ワッシャーは前記第２ワッシャーより近位側に離間されて、前記バネを圧縮し、それによって前記ピンは、前記複数の開口部のすべてから離脱される、請求項１０に記載の医療装置。
12. 前記ロックは管をさらに含み、前記管は、前記第１ワッシャーおよび前記第２ワッシャーの開口部内を通って延びており、前記管は、前記遠位チャネルの少なくとも一部の上を覆っており、前記第１ワッシャーは、前記管の上を移動するように構成されている、請求項１１に記載の医療装置。
13. 第１ステアリングワイヤーと、前記第１ステアリングワイヤーを保持する第１ジャイロとをさらに含み、
    前記第１ジャイロは近位ジャイロと遠位ジャイロとを含み、
    前記遠位ジャイロは、前記遠位チャネルまたは前記近位チャネルの外周囲で前記遠位ジャイロが前記近位ジャイロに対して回動可能であるように、前記近位ジャイロと嵌合している、請求項１～１２のいずれか一項に記載の医療装置。
14. 前記第１ステアリングワイヤーは近位ワイヤーと遠位ワイヤーとを含み、前記近位ワイヤーの遠位端は第１拡張部に連結されており、前記遠位ワイヤーの近位端は第２拡張部に連結されており、前記第１拡張部は前記近位ジャイロに固定されており、前記第２拡張部は前記遠位ジャイロに固定されている、請求項１３に記載の医療装置。
15. 前記近位ワイヤーが駆動装置を介して張引されるとき、前記遠位ワイヤーが張引されるように構成されている、請求項１４に記載の医療装置。

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