JP2023502470A - スルフヒドリル変性ヒアルロン酸及びその調製方法並びに用途 - Google Patents

スルフヒドリル変性ヒアルロン酸及びその調製方法並びに用途 Download PDF

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Abstract

本発明は、スルフヒドリル変性ヒアルロン酸化合物及びその調製方法並びに用途に関する。本発明のスルフヒドリル変性ヒアルロン酸は、チオール含有量が高く、主鎖分子の分子量の変化が小さく、顕著に向上した粘度、保水性及び抗酸化性能を有する。本発明は、アクリロイル化合物により修飾されたヒアルロン酸とポリスルフヒドリル化合物を使用してチオールと共役二重結合とのマイケル付加反応によって前記化合物を調製する。この調製方法は、合成生成物の構造、構成、大量の化合物分子末端の官能基の種類と含有量などを柔軟且つ効率的に制御可能であり、生体適合性の高い試薬を使用して、製造コストを効果的に制御すると共に、合成プロセスの毒性を低減し、安全な試薬と簡単な反応ステップを採用する条件下で、原材料の構造と生物活性が好適に維持され、官能基の種類と含有量が必要に応じて調整・制御可能である、細胞外マトリックス材料として使用できるスルフヒドリル変性ヒアルロン酸を得て、様々な臨床応用の要件を満たすことができる。

Description

発明の詳細な説明
本願は、2019年11月18日に中国国家知識産権局に提出した出願番号が201911130065.7で、発明名称が「スルフヒドリル変性ヒアルロン酸及びその調製方法並びに用途」である先行出願の優先権を主張し、当該先行出願の全文は引用により本願に組み込まれる。
〔技術分野〕
本発明は、生体材料分野に属し、具体的にはスルフヒドリル変性ヒアルロン酸及びその調製方法並びに用途に関する。
〔背景技術〕
生体適合性高分子には、多くの重要な生理学的機能がある。一般的な生体適合性高分子には、多糖類、タンパク質及び合成高分子などが含まれる。ヒアルロン酸は代表的な生体適合性高分子である。
ヒアルロン酸(Hyaluronic acid, HA)に関して、1934年、Karl Mayer教授は初めてウシの眼の硝子体から天然ヒアルロン酸を抽出した。天然ヒアルロン酸はD-グルクロン酸とN-アセチル-D-グルコサミンの交互構造で構成される天然ヘテロ多糖である。その後、数十年の研究により、ヒアルロン酸がヒトや他の脊椎動物の結合組織に広く存在することが分かった。例えば、細胞間隙、運動関節組織、臍帯、皮膚、軟骨、血管壁、滑液及び鶏冠などの組織や臓器には、いずれもヒアルロン酸が含まれる。ヒアルロン酸は線状高分子多糖類に属し、構造には二糖繰り返し単位が含まれ、繰り返し単位におけるD-グルクロン酸はβ-1,3グリコシド結合を介してN-アセチル-D-グルコサミンに接続され、数万もの二糖繰り返し単位はβ-1,4グリコシド結合を介して接続され、高分子直鎖全体及び線形構造が形成される。HA鎖の長さは約200 kDa~約10 MDaまで変化し、最も一般的なサイズは2 MDa~5 MDaの範囲である。50%以上のHAは皮膚、肺及び腸の組織に存在する。また、関節滑液、軟骨、臍帯、血管壁などの間質組織にも存在する。ヒト体内のHAは、主に潤滑と緩衝作用、障壁の充填と拡散、及び遊離基の除去などの生理学的機能を果たす。現在、市販されているHA製品は、例えば鶏冠、眼の硝子体、脳軟骨、関節液などの動物組織から抽出でき、例えば連鎖球菌、緑膿菌などの細菌の発酵によって調製することもできる。
近年、HAの機能に関する研究の深まりに伴って、HAは、例えば薬物送達システムの調製、整形外科及び眼科疾患の治療、手術後の癒着防止や軟組織の修復などの医学分野で広く適用されている。HAの応用は、組織工学及び再生医療分野の研究の焦点になっている。
天然のHAは優れた生体適合性と抗炎症などの役割を有するが、機械的強度が弱く、分解しやすい。従って、組織工学の足場材料として、HAは、これらの不足を改善し、その生物学的役割をより良く果たし、細胞の生存と機能及び組織の修復と再生のために良好な環境を提供するために、適切に化学的に変性されるか、又は、他の材料と組み合わせて使用する必要がある。HAは、例えば水素結合、静電相互作用、疎水性相互作用及び鎖間絡み合いなどの分子間物理的相互作用を介して一時的な物理的架橋を行うことができ、このプロセスは可逆的架橋である。修飾されていないHAは、相乗効果を発揮することが困難であり、安定したヒドロゲルを形成することができない。高濃度で高分子量の修飾されていないHAは、ゲル状溶液を形成することができるが、化学架橋していない。このようなゲルは、追加の架橋剤を必要としないが、ゲルは機械的特性が低く、体内での代謝が速いため、大部分の組織工学の応用要件を満たすことができない。
分解しやすい天然HAは、化学的変性により優れた物理的安定性と機械的強度を得ることができる。HAの化学架橋は一般的に、低分子架橋剤によってHAの分子内又は分子間架橋を実現することができ、HAを化学的に修飾して反応性官能基を導入することによって架橋を実現することもできる。HA分子構造には第一級、第二級ヒドロキシル基及びカルボキシル基などの基が多く存在するため、例えばエポキシ化合物、グルタルアルデヒド、ジビニルスルホン、多機能ヒドラジド化合物などの二官能基低分子架橋剤で架橋することができる。また、HA分子側鎖における基は、化学的修飾によって、例えばアルデヒド化HA、ヒドラジド化HA、チオール化HA(即ち、スルフヒドリル化HA)、二重結合HAなどの機能化HAを得ることができる。機能化HAは、それ自体による架橋又は他の成分との架橋によって、優れた機械的特性と分解性を備えるヒドロゲルを得ることができる。HAは、他の成分の生体機能材料と組み合わせて相互補完することによって、優れた性質を備えた三次元足場材料を得ることもできる。
その中で、スルフヒドリル化HAは、その独特な化学的性質を有するため、抗酸化健康製品、生物医学、医療美容と形成外科及び化粧品などの分野に非常に適している。
スルフヒドリル化HAの既存の調製には、主に以下の方法がある。
Prestwich、舒曉正らは、ジチオジヒドラジド法により合成されたスルフヒドリルヒアルロン酸誘導体(以下、HA-SHと略称)を初めて報告した。構造は図1(文献1:Biomacromolecules 2002,3,1304及び公開番号CN101511875Aの特許文献)に示されている。この方法では、マルチステップ反応によりジスルフィド結合を含むジヒドラジド化合物を事前に合成する必要があり、反応プロセスで使用される試薬の毒性が比較的高い。例えば、ヒドラジン水和物は毒性の高い化合物であり、ラットへの経口投与のLD50は129 mg/kgである。続いて、EDCIであるカルボジイミド脱水剤との縮合反応により、ヒアルロン酸とジチオジヒドラジド化合物が架橋してゲルを形成し、このステップでは反応系全体がゲル化するため、pHが4.75であるという最適な反応条件を維持するために連続的に撹拌することができない。従って、均一なスルフヒドリル誘導体を得ることは容易ではない。得られたゲルがジチオスレイトール還元反応を経て、スルフヒドリル修飾されたヒアルロン酸誘導体が得られる。
Prestwichらは、2008年にエチレンスルフィド修飾によるHA-SHの合成方法を報告した。具体的には図2(文献2:Biomaterials 2008,29,1388)に示されている。この方法では、修飾試薬の事前合成を必要としないが、ヒアルロン酸第一級アルコールの低い反応活性によって制限され、その修飾率が比較的低い。
2007年、Shimoboujiらは、ジヒドラジドとTraut’s試薬を使用する2ステップ修飾法によるHA-SHの合成を報告した。具体的には図3(文献3:J Biomed Mater Res A. 2007,80,916.)に示されている。この方法のステップ1では、過剰なジヒドラジド化合物でヒアルロン酸を修飾し、中間生成物が透析や凍結乾燥などの精製ステップを経て、ヒドラジド修飾されたヒアルロン酸誘導体が得られる。ステップ2では、Traut’s試薬でヒドラジドヒアルロン酸誘導体を修飾し、一連の精製操作を経てスルフヒドリル修飾されたヒアルロン酸誘導体が得られる。この反応のステップ2で使用されるTraut’s試薬は高価である(参照価格:374ユーロ/g、Sigma社製、純度:98%)。従って、この方法による大規模な工業生産が大きく妨げられる。
2007年、Tae Gwan Parkらは、シスタミン修飾によるHA-SHの合成方法を報告した。具体的には図4(文献4:Journal of Controlled Release 2007,119,245)に示されている。この方法はジチオジヒドラジド法と類似し、ジスルフィド結合を含むシスタミンを修飾原料として使用し、EDCI脱水縮合により、ジチオスレイトールからジスルフィド結合を還元し、最後にHA-SH誘導体が得られる。アミノ基の反応活性がヒドラジドの反応活性よりも低いため、この方法の置換度はジチオジヒドラジド法により合成されたHA-SHより低い。
2012年、C. Yanらは、β-スルフヒドリルエチルアミンでヒアルロン酸を修飾することによるHA-SHの合成方法を報告した。具体的には図5(文献5:Acta Biomaterialia 2012,8,3643)に示されている。この方法では、チオールを含む低分子化合物を直接使用してヒアルロン酸のカルボキシル基を修飾する。反応プロセスにおいてチオール基への保護措置を取らない。チオールは同じくカルボキシル基とEDCI触媒カップリング反応できるため、この方法で得られる生成物は実際にスルフヒドリル基とアミド基でヒアルロン酸を修飾した混合物であり、且つチオールの置換度はヒドラジド法により合成されたHA-SHより遥かに低い。
2015年、Andreas Bernkop-Schunrchらは、エチルシステインによるHA-SHの合成方法を報告した。具体的には図6(文献6:International Journal of Pharmaceutics 2015,478,383)に示されている。この方法はβ-スルフヒドリルエチルアミン法と類似し、反応プロセスではチオールもカルボキシルカップリング反応に関与し、置換効率を効果的に向上させることができない。
公開番号がCN101200504Aの特許文献には、変性ジチオジヒドラジド化合物でヒアルロン酸を修飾することによるHA-SHの合成方法が開示されており、具体的には図7に示されている。この方法で使用される変性ジチオジヒドラジド化合物はより長い骨格構造を有するため、得られたHA-SHにおいてスルフヒドリル基の反応活性は一般的なジチオジヒドラジド法により得られたチオールの活性より高い。しかし、この変性ジチオジヒドラジドの調製はマルチステップ合成法を必要とするため、工業化コストが比較的高い。
公開番号がCN103613686Aの特許文献には、一連のHA-SHの合成方法が開示されており、その中で、一般的なジチオジヒドラジド法(即ち、文献1と特許CN101511875A)におけるHA-SH構造が含まれ、具体的には図8に示されている。
上記方法で調製して得られたスルフヒドリル変性HAは、以下の3つのタイプにまとめることができる。タイプ1、高分子化合物の側鎖のカルボキシル基に対するアミド化修飾を行って、スルフヒドリル基を含む低分子断片を付加する。タイプ2、高分子化合物の側鎖のカルボキシル基に対するアミド化又はヒドラジド化修飾を行った後に二次機能化を行って、還元反応又は開環反応によりスルフヒドリル基を含む側鎖構造が得られる。タイプ3、高分子化合物の側鎖のヒドロキシル基に対する高塩基性条件でのエチレンスルフィド開環反応を行って、スルフヒドリル基を含む側鎖構造が得られる。これらの方法には、次の欠点がある。1)EDCI、Traut’s試薬などの反応試薬は高価である。2)反応プロセスには非市販試薬が使用されており、例えば、ジチオジヒドラジド化合物は別途2ステップの化学合成により調製する必要があるため、工業化コストを大幅に向上させる。3)カルボキシル変性の方法にはEDCIの使用を必要とし、その最適な反応pHが4.75であるため、一部の高分子化合物(例えば、ヒアルロン酸)の不可逆的な分解を引き起こす。4)ヒドロキシル基のエチレンスルフィド変性方法では、pH=10の反応条件が過酷であるため、同様に、一部の高分子化合物の不可逆的な分解を引き起こす。5)アミノ修飾された方法では、低い反応活性によって制限され、スルフヒドリル修飾度が一般的に高くない。
〔発明の概要〕
上記問題を解決するために、本発明の目的は、より優れた粘度、より優れた保水性及びより高い抗酸化活性を有すると同時に高い反応活性と高いスルフヒドリル化度を有し、更に構造が制御可能で、生物活性に優れるなどの多くの優位性を有する、新規構造のスルフヒドリル変性ヒアルロン酸シリーズ化合物を提供することである。これに基づいて、前記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸は、抗酸化健康製品、生物医学、医療美容と形成外科及び化粧品などの分野への適用に一層有利である。
本発明のもう1つの目的は、従来技術における多くの欠点と不足を克服し、応用の見通しを有する、上記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸シリーズ化合物の調製方法を提供することである。具体的には、前記方法は、従来技術における以下の欠点と不足を克服した。1)ジチオジヒドラジド法と変性ジチオジヒドラジド法などのように、修飾試薬は、マルチステップ反応により合成する必要がある。2)修飾試薬の合成プロセスにおいて、ヒドラジン水和物などの毒性の高い有機物を使用する必要があり、グリーンケミストリー又は環境にやさしい社会の発展ニーズを満たさない。3)EDCIカップリング剤に関わるスルフヒドリル修飾方法は、活性化段階で反応系をpH=4.75に維持する必要があり、ゲル段階に入った後、撹拌などの均質化作用により反応系を安定化・均一化することができず、工業上の操作が難しい。4)Ethylene sulfide法によるHA-SHの合成は、pH=10の条件下で行う必要があり、合成プロセスにおけるヒアルロン酸の分解反応を回避することができない。また、エチレンスルフィドは、可燃性で有毒である危険品であり、水への溶解度が低いため、この方法により高い置換度を得る可能性が制限される。5)Traut’s試薬によるヒドラジドヒアルロン酸誘導体の修飾法は高価の原料コストによって制限され、大規模な工業生産が不可能である。6)チオールとアミノ基の両方とも高活性の求核試薬であるため、β-スルフヒドリルエチルアミンとエチルシステインなどのチオール直接修飾プロセスには、アミノ基とカルボキシル基との縮合である主反応及びチオールとカルボキシル基との縮合である副反応が存在し、且つ反応条件の変更によりこの副反応を完全に回避することができない。
本発明の第1態様は、スルフヒドリル変性ヒアルロン酸を提供し、前記ヒアルロン酸の繰り返し単位の側鎖に含まれる-COOH及び/又は-OHの一部又は全ては、末端基が下記基である側鎖を形成するように修飾され、
Figure 2023502470000002
上記基において、*は結合点を表し、
R1は、水素、ハロゲン、脂肪族基、芳香族基などから選ばれ、
R2とR3は、相同又は相異であり、互いに独立して水素、ハロゲン、脂肪族基、芳香族基などから選ばれ、
R4は、ポリスルフヒドリル化合物断片である。
本発明の第2態様は、上記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸の調製方法を提供し、
1)ヒアルロン酸のアクリロイル化ステップ、即ち、ヒアルロン酸の繰り返し単位の側鎖に含まれる-COOH、-OHの少なくとも1種を下記基に直接又は間接に結合するステップと、
Figure 2023502470000003
(R1、R2及びR3の定義は上記と同じであり、*は結合点を表す)
2)ステップ1)で得られたアクリロイル化されたヒアルロン酸をポリスルフヒドリル化合物HS-R4-SHと反応させ(R4の定義は上記と同じである)、前記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸を調製するステップと、を含む。
本発明の第3態様は、抗酸化健康製品、生物医学、医療美容と形成外科及び化粧品(例えば、抗酸化類化粧品、保水・保湿類化粧品のうちの少なくとも1種)などの分野に適用される上記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸の用途を提供する。
〔本発明の有益な効果〕
本発明は新型のスルフヒドリル変性ヒアルロン酸を提供し、予測可能又は推測可能なチオールの含有量の向上、主鎖分子の分子量の微小の変化に加えて、修飾前のヒアルロン酸及びヒアルロン酸誘導体と比べて、このスルフヒドリル変性ヒアルロン酸が粘度、保水性及び抗酸化性能などにおいて顕著な差別と明らかな改善を有することは予想外である。
具体的には、本発明は、新規構造のスルフヒドリル変性ヒアルロン酸シリーズ化合物を提供し、このシリーズの化合物は、本発明で言及されたチオール基を有する様々な側鎖により修飾されたヒアルロン酸であり、このシリーズの化合物は以下の特徴を有する。
1.合成反応によりヒアルロン酸の活性部位に新しい側鎖を結合することで生成された新規な化合物構造である。
2.合成プロセスにおいて、修飾前のヒアルロン酸及び従来技術における最も類似する化合物の合成プロセスに比べると、以下の優位性を有する。1)ヒアルロン酸の主鎖は修飾プロセスにおいて基本的に分解されていない。2)チオールの含有量が顕著に向上した。3)ポリスルフヒドリル化合物(例えば、ジスルフヒドリル基、トリスルフヒドリル基、テトラスルフヒドリル基、更にはより多くのスルフヒドリル基を有するポリスルフヒドリル化合物)の導入により、このポリスルフヒドリル化合物の構造は柔軟で調整可能であり、側鎖断片の長さは実際の必要に応じてカスタマイズして変性することができ、スルフヒドリル側鎖の活性に対する制御及び微視的な架橋三次元構造の細孔径と空孔率に対する自由な調整が実現される。4)従来技術におけるスルフヒドリル修飾方法の理論的なスルフヒドリル置換度は最大でも僅か100%(繰り返し単位を有する高分子化合物の場合)であり、本発明は、トリスルフヒドリル及びテトラスルフヒドリル化合物を使用することにより、理論的なスルフヒドリル置換度がそれぞれ200%及び300%に達することができ、この効果は他の従来技術の方法に備えられていない独自の利点である。
3.構造変換前のヒアルロン酸又は従来技術における最も類似する変性後のヒアルロン酸に比べると、本発明の新規構造のシリーズ化合物は予想外の有益な技術的効果を有すると共に、従来技術と明らかに異なり、少なくとも異なる予想外の物理的及び化学的性質を有し、具体的には粘度、保水性及び抗酸化性能などでの明らかな優位性に反映されている。
4.前述した新しいシリーズ化合物の性質により潜在的な適用分野の優位性をもたらし、又は、潜在的な新しい用途を有する。
これに基づいて、前記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸は、抗酸化健康製品、生物医学、医療美容と形成外科及び化粧品などの分野への適用に一層有利である。
本発明は、前記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸の新規な調製方法をも提供する。具体的には、本発明は、アクリロイル化合物により修飾されたヒアルロン酸とポリスルフヒドリル化合物を使用してチオールと共役二重結合のマイケル付加反応によってスルフヒドリル変性ヒアルロン酸を調製する。この調製方法は、本発明に記載の新規化合物の構造目的を達成できることに加えて、以下の優位性を有する:合成生成物の構造、構成、大量の化合物分子末端の官能基の種類と含有量などを柔軟且つ効率的に制御可能である;生体適合性の高い試薬を使用して、製造コストを効果的に制御すると共に、合成プロセスの毒性を低減する;安全な試薬と簡単な反応ステップを採用する条件下で、原材料の構造と生物活性が好適に維持され、官能基の種類と含有量が必要に応じて調整・制御可能である、細胞外マトリックス材料として使用できるスルフヒドリル変性ヒアルロン酸を得て、様々な臨床応用の要件を満たすことができる。具体的には、前記方法は以下の優位性を有する。
1)この反応は穏やかで制御可能であり、中性条件下で修飾反応を実現することができ、過酷なpH環境でのヒアルロン酸の主鎖の分解を回避する。
2)このチオールと共役二重結合のマイケル付加反応は、効率が非常に高く、かつ如何なる副生成物も生成されず、アトムエコノミーの原則とグリーンケミストリーの発展条件を満たす。
3)ポリスルフヒドリル化合物(例えば、ジスルフヒドリル基、トリスルフヒドリル基、テトラスルフヒドリル基、更にはより多くのスルフヒドリル基を有するポリスルフヒドリル化合物)は、市販製品から選ばれ、選択範囲が幅広く、マルチステップ合成反応によりスルフヒドリル修飾された試薬を事前に調製する必要がなく、工業化コストが低い。
4)前記ポリスルフヒドリル化合物の構造は柔軟で調整可能であり、側鎖断片の長さは実際の必要に応じてカスタマイズして変性することができ、スルフヒドリル側鎖の活性に対する制御及び微視的な架橋三次元構造の細孔径と空孔率に対する自由な調整が実現される。
5)従来技術におけるスルフヒドリル修飾方法の理論的なスルフヒドリル置換度は最大でも僅か100%(繰り返し単位を有する高分子化合物の場合)であり、本発明は、トリスルフヒドリル及びテトラスルフヒドリル化合物を使用することにより、理論的なスルフヒドリル置換度がそれぞれ200%及び300%に達することができ、この効果は他の従来技術の方法に備えられていない独自の利点である。
〔図面の簡単な説明〕
〔図1〕文献1で報告された主な反応プロセス(ジヒドラジド法によるHA-SHの合成)である。
〔図2〕文献2で報告された主な反応プロセス(Ethylene sulfide法によるHA-SHの合成)である。
〔図3〕文献3で報告された主な反応プロセス(ヒドラジド後修飾法によるHA-SHの合成)である。
〔図4〕文献4で報告された主な反応プロセス(シスタミン修飾法によるHA-SHの合成)である。
〔図5〕文献5で報告された主な反応プロセス(β-スルフヒドリルエチルアミン法によるHA-SHの合成)である。
〔図6〕文献6で報告された主な反応プロセス(エチルシステイン修飾法によるHA-SHの合成)である。
〔図7〕文献CN101200504Aで報告された主な反応プロセス(ジヒドラジド法によるHA-SHの合成)である。そのうち、R1及びR2は、アルキレン基、置換アルキレン基、芳香族基、ポリエーテルなどであり(注:ここでのR1及びR2の定義は図7と文献CN101200504Aのみに限定される)、Pは、側鎖にカルボキシル基を含む高分子化合物残基を指す。
〔図8〕文献CN103613686Aで報告された主な反応プロセス(文献1と類似し、ジヒドラジド法によるHA-SHの合成)である。
〔図9〕実施例1の反応方程式である。
〔図10〕実施例2の反応方程式である。
〔図11〕実施例3の反応方程式である。
〔図12〕実施例4の反応方程式である。
〔図13〕実施例5の反応方程式である。
〔図14〕実施例6の反応方程式である。
〔図15〕実施例7の反応方程式である。
〔図16〕実施例8の反応方程式である。
〔図17〕実施例9の反応方程式である。
〔図18〕実施例10の反応方程式である。
〔図19〕実施例11の反応方程式である。
〔図20〕実施例12の反応方程式である。
〔図21〕実施例13の反応方程式である。
〔図22〕実施例14の反応方程式である。
〔図23〕実施例15の反応方程式である。
〔図24〕実施例16の反応方程式である。
〔図25〕実施例17の反応方程式である。
〔図26〕HA-A1の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図27〕HA-A2の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図28〕HA-MA1の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図29〕HA-MA2の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図30〕HA-A1-SH1の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図31〕HA-A2-SH1の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図32〕HA-MA1-SH1の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図33〕HA-MA2-SH1の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図34〕HA-A1-SH2の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図35〕HA-A1-SH3の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図36〕HA-A2-SH2の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図37〕HA-A2-SH3の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図38〕HA-A2-SH4の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図39〕HA-A2-SH5の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図40〕HA-A2-SH6の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図41〕HA-A2-SH7の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図42〕HA-A2-SH8の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図43〕HA-MA1-SH5の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図44〕HA-MA1-SH6の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図45〕HA-MA2-SH7の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図46〕HA-MA2-SH8の構造式とその1H-NMRスペクトルである。
〔図47〕Ellman検出標準曲線である。
〔図48〕DPPH遊離基含有量の検出標準曲線である。
〔図49〕DPPH遊離基捕捉率である。
〔図50〕HA-A1-SH1、HA-A2-SH1、HA-MA1-SH1、HA-MA2-SH1の細胞生体適合性試験である。
〔発明を実施するための形態〕
[スルフヒドリル変性ヒアルロン酸]
前述したように、本発明は、新規構造を有するスルフヒドリル変性ヒアルロン酸シリーズ化合物を提供し、前記ヒアルロン酸の繰り返し単位の側鎖に含まれる-COOH及び/又は-OHの一部又は全ては、末端基が下記基である側鎖を形成するように修飾され、
Figure 2023502470000004
上記基において、*は結合点を表し、
R1は、水素、ハロゲン、脂肪族基、芳香族基などから選ばれ、具体的には、前記ハロゲン、脂肪族基、芳香族基は後述の更なる定義を満たし、好ましくは、R1は、水素、ハロゲン、脂肪族基から選ばれ、また好ましくは、R1は、水素、ハロゲン、C1-6アルキル基(例えば、メチル基、エチル基など)から選ばれ、
R2とR3は、相同又は相異であり、互いに独立して水素、ハロゲン、脂肪族基、芳香族基などから選ばれ、具体的には、前記ハロゲン、脂肪族基、芳香族基は後述の更なる定義を満たし、
R4は、ポリスルフヒドリル化合物断片である。
具体的な一実施形態において、前記末端基は、R基により-COOH及び/又は-OHに結合され、又は、-COOH及び/又は-OHに直接結合されて以下の構造の少なくとも1種である側鎖が形成され、
Figure 2023502470000005
上記a構造、b構造、c構造及びd構造において、Rは、
Figure 2023502470000006
ヒドロカルビレン基、アリレン基、アミド残基、ヒドラジド残基などから選ばれ、*は結合点を表し、1*は、Rの左側の基との結合点を表し、2*は、Rの右側の基との結合点を表し、R1、R2、R3及びR4の定義は上記と同じである。
そのうち、前記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸の分子量は、5,000~20,000,000ダルトンの範囲である。前記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸の分子量は、変性前と変性後に明らかな変化がなく、又は、分子量はほとんど変化しない。
そのうち、Ellman法により検出された前記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸のスルフヒドリル基の含有量は0.01~30 mmol/gであり、例えば0.1~10.0 mmol/g、また例えば0.3~5.0 mmol/g、更に例えば0.5~3.0 mmol/gである。
例えば、本発明のスルフヒドリル変性ヒアルロン酸は、以下の構造の少なくとも1種を含み、
Figure 2023502470000007
上記構造において、R、R1、R2、R3及びR4の定義は上記と同じであり、(n2+n3)/(n1+n2+n3)はアクリロイル化度を表し、n3/(n1+n2+n3)はスルフヒドリル化度を表し、上記のEllman法により検出された前記スルフヒドリル変性高分子化合物のスルフヒドリル基の含有量に対応する;前記n1は0であってもよいが、0の場合、アクリロイル化度を限定する必要がなく、n3/(n2+n3)のみがスルフヒドリル化度を表し、上記のEllman法により検出された前記スルフヒドリル変性高分子化合物のスルフヒドリル基の含有量に対応する;前記n2は0であってもよいが、0の場合、n3/(n1+n3)はアクリロイル化度を表すと共に、スルフヒドリル化度を表し、上記のEllmanにより検出された前記スルフヒドリル変性高分子化合物のスルフヒドリル基の含有量に対応する;
前記A1は以下のとおりであり、
Figure 2023502470000008
前記A2は以下の構造のうちの1種であり、
Figure 2023502470000009
A1とA2構造における*は、COOH又はOHへの結合点を表す。
本発明において、特に明記しない限り、n1、n2、n3、n4、n5、n6、m1、m2はいずれも構造式における繰り返し単位の数である。その値の範囲は当分野で知られている通常の範囲に属する。
前述したように、R1は、水素、ハロゲン、脂肪族基、芳香族基などから選ばれ、R2とR3は、相同又は相異であり、互いに独立して水素、ハロゲン、脂肪族基、芳香族基などから選ばれる。
前述したように、前記Rは、ヒドロカルビレン基、アリレン基、アミド残基、ヒドラジド残基などから選ばれてもよい。
前記ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。
前記脂肪族基は、例えば直鎖又は分岐鎖飽和/不飽和脂肪族基であり、具体的にはアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基であってもよい。
本発明において、単独で、或いは、サフィックス又はプレフィックスとして使用される「ヒドロカルビル基」は、例えば直鎖又は分岐鎖飽和/不飽和脂肪族基であり、具体的にはアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基であってもよい。
本発明において、単独で、或いは、サフィックス又はプレフィックスとして使用される「アルキル基」は、1~20個、好ましくは1~6個の炭素原子を有する分岐鎖と直鎖飽和脂肪族ヒドロカルビル基を含むことを意図する。例えば、「C1-6アルキル基」は、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有する直鎖と分岐鎖アルキル基を表す。アルキル基の例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基を含むが、これらに限定されない。
本発明において、単独で、或いは、サフィックス又はプレフィックスとして使用される「アルケニル基」は、2~20個、好ましくは2~6個の炭素原子(炭素原子の具体的な数が提供された場合、その具体的な数を指す)を有するアルケニル基又はアルケン含有の分岐鎖と直鎖脂肪族ヒドロカルビル基を含むことを意図する。例えば、「C2-6アルケニル基」は、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有するアルケニル基を表す。アルケニル基の例は、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、2-メチルブト-2-エニル基、3-メチルブト-1-エニル基、1-ペンテニル基、3-ペンテニル基及び4-ヘキセニル基を含むが、これらに限定されない。
本発明において、単独で、或いは、サフィックス又はプレフィックスとして使用される「アルキニル基」は、2~20個、好ましくは2~6個の炭素原子(炭素原子の具体的な数が提供された場合、その具体的な数を指す)を有するアルキニル基又はアルキン含有の分岐鎖と直鎖脂肪族ヒドロカルビル基を含むことを意図する。例えば、エチニル基、プロピニル基(1-プロピニル基、2-プロピニル基など)、3-ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基及び1-メチルペント-2-イニルである。
本発明に記載の「ヒドロカルビレン基」は、上記「ヒドロカルビル基」から1つの水素を除去した後の基である。
前記芳香族基は、5~20個の炭素原子からなる芳香環構造を指す。例えば、5、6、7及び8個の炭素原子を含む芳香環構造は、フェニル基などの単環式芳香族基であってもよく、8、9、10、11、12、13又は14個の炭素原子を含む環構造は、ナフチル基などの多環式であってもよい。芳香環は、1つ又は複数の環位置において置換基で置換することができ、前記置換基は、トリル基などのアルキル基、ハロゲンなどである。「アリール基」という用語は、また、2つ以上の炭素が2つの隣接する環によって共有される2つ以上の環を有する多環式環系を含み(前記環は「縮合環」である)、そのうち、少なくとも1つの環は芳香族であり、他の環は例えば、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基及び/又は複素環基であってもよい。多環の例は、2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキサン及び2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフランを含むが、これらに限定されない。
本発明に記載の「アリレン基」は、上記「アリール基」から1つの水素を除去した後の基である。
本発明に記載の単独で、或いは、サフィックス又はプレフィックスとして使用される「アミド基」はRa-C(=O)-NH-基を指し、そのうち、Raは、非置換又は任意選択的に1つ又は複数のRbで置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基などから選ばれ、Rbは、非置換又は任意選択的に1つ又は複数のRb1で置換されたハロゲン、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、ヒドラジノ基、アシル基、スルフィニル基、スルホニル基及びホスホリル基などから選ばれ、各々のRb1は、互いに独立してハロゲン、ヒドロキシル基、アルキル基及びアリール基から選ばれる。
本発明に記載の単独で、或いは、サフィックス又はプレフィックスとして使用される「ヒドラジド基」はRa-C(=O)-NH-NH-基を指し、そのうち、Raの定義は上記と同じである。
本発明に記載の「アミド残基」は、上記「アミド基」から1つの水素を除去した後の基である。
本発明に記載の「ヒドラジド残基」は、上記「ヒドラジド基」から1つの水素を除去した後の基である。
本発明で使用される「シクロアルキル基」という用語は、特定の数の炭素原子を有する飽和環基を含むことを意図する。これらの用語は、縮合又は架橋の多環式環系を含み得る。シクロアルキル基は、その環構造に3~40個の炭素原子を有する。一実施形態において、シクロアルキル基は、その環構造に3、4、5又は6個の炭素原子を有する。例えば、「C3-6シクロアルキル基」は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基などの基を表す。
本発明で使用される「シクロアルケニル基」という用語は、特定の数の炭素原子を有する少なくとも1つのアルケニル基含有の環基を含むことを意図する。これらの用語は、縮合又は架橋の多環式環系を含み得る。シクロアルケニル基は、その環構造に3~40個の炭素原子を有する。一実施形態において、シクロアルケニル基は、その環構造に3、4、5又は6個の炭素原子を有する。例えば、「C3-6シクロアルケニル基」は、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基又はシクロヘキセニル基などの基を表す。
本発明で使用される「シクロアルキニル基」という用語は、特定の数の炭素原子を有する少なくとも1つのアルキニル基含有の環基を含むことを意図する。これらの用語は、縮合又は架橋の多環式環系を含み得る。シクロアルキニル基は、その環構造に6~40個の炭素原子を有する。一実施形態において、シクロアルキニル基は、その環構造に6個の炭素原子を有する。例えば、「C3-6シクロアルキニル基」は、シクロプロピニル基、シクロブチニル基、シクロペンチニル基又はシクロヘキシニル基などの基を表す。
本発明で使用される「ヘテロアリール基」は、少なくとも1つの環ヘテロ原子(例えば、硫黄、酸素又は窒素)を有するヘテロ芳香族複素環を指す。ヘテロアリール基には、単環式環系と多環式環系(例えば2、3又は4個の縮合環を有する)が含まれる。ヘテロアリール基の例は、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、フリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、チエニル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、インドリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、イソキサゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インダゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチエニル基、プリニル基、カルバゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、アザベンゾオキサゾリル基、イミダゾチアゾリル基、ベンゾ[1,4]ジオキシリル基、ベンゾ[1,3]ジオキソリル基などを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、3~40個の炭素原子を有し、他の実施形態において、3~20個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、3~14個、4~14個、3~7個又は5~6個の環形成原子を含む。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、1~4個、1~3個又は1~2個のヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、1個のヘテロ原子を有する。
本発明で使用される「複素環基」という用語は、3~20個の原子を含む飽和、不飽和又は一部飽和の単環式、二環式又は三環式の環を指し、そのうち、1、2、3、4又は5個の環原子は窒素、硫黄、酸素又はリンから選ばれ、特に明記しない限り、炭素又は窒素により結合可能であり、そのうち-CH2-基は任意選択的に-C(O)-で置換される。逆の説明がない限り、環窒素原子又は環硫黄原子は、N-オキシド又はS-オキシドを形成するように任意選択的に酸化され、又は環窒素原子は任意選択的に四級化され、そのうち、環内の-NHは任意選択的にアセチル基、ホルミル基、メチル基又はメチルスルホニル基で置換され、且つ、環は任意選択的に1つ又は複数のハロゲンで置換される。理解すべきであることは、複素環基におけるS原子とO原子の総数が1を超えた場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接していない。前記複素環基が二環式又は三環式の環である場合、少なくとも1つの環がヘテロ芳香族ではないという前提で、少なくとも1つの環は任意選択的にヘテロ芳香環又は芳香環であってもよい。前記複素環基が単環式の環である場合、芳香族であってはならない。複素環基の例は、ピペリジニル基、N-アセチルピペリジニル基、N-メチルピペリジニル基、N-ホルミルピペラジニル基、N-メタンスルホニルピペラジニル基、ホモピペラジニル基、ピペラジニル基、アゼチジンアルキル基、オキセタニル基、モルホリニル基、テトラヒドロイソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基、インドリニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロ-2H-ピラニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオピラン-1-オキシド、テトラヒドロチオピラン-1,1-ジオキシド、1H-ピリジン-2-オン及び2,5-ジオキソイミダゾリジニル基を含むが、これらに限定されない。
本発明で使用される「アシル基」という用語は、Ra-C(=O)-基を指し、そのうち、Raの定義は上記と同じである。
本発明で使用される「スルフィニル基」という用語は、Ra-S(=O)-基を指し、そのうち、Raの定義は上記と同じである。
本発明で使用される「スルホニル基」という用語は、Ra-S(=O)2-基を指し、そのうち、Raの定義は上記と同じである。
本発明で使用される「ホスホリル基」という用語は、Rc-P(=O)(Rd)-基を指し、そのうち、RcとRdは、相同又は相異であり、互いに独立して非置換又は任意選択的に1つ又は複数のRbで置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基などの基から選ばれ、Rbの定義は上記と同じである。
本発明で使用される「ヒドラジノ基」という用語は、-NHNHRa基を指し、Raの定義は上記と同じである。
本発明で使用される「アミド基」という用語は、-NHRa基又は-N(Ra2基を指し、Raの定義は上記と同じである。
本発明で使用される「アミノ基」という用語は、-NH2基を指す。
本発明で使用される「カルボキシル基」という用語は、-COOH基を指す。
本発明で使用される「エステル基」という用語は、Ra-C(=O)-O-基又はRa-O-C(=O)-基を指し、そのうち、Raの定義は上記と同じである。
前述したように、R4は、ポリスルフヒドリル化合物断片であり、即ち-S-R4-SH断片は、下記ポリスルフヒドリル化合物により導入することができるが、これらに限定されず、
Figure 2023502470000010
そのうち、n4=2~30の整数、例えばn=2、3、4、5又は6などであり、n5=1~30の整数、例えば1、2、3、4、5などであり、n6=1~30の整数、例えば1、2、3、4、5などであり、
4-arm-PEG-SHは4つのスルフヒドリル基を含むPEGポリマーを表し、6-arm-PEG-SHは6つのスルフヒドリル基を含むPEGポリマーを表し、8-arm-PEG-SHは8つのスルフヒドリル基を含むPEGポリマーを表し、前記PEGはポリエチレングリコールの略語である。
具体的には、前記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸は、下記構造のうちの少なくとも1種を有するが、下記構造に限定されない:
Figure 2023502470000011
Figure 2023502470000012
Figure 2023502470000013
Figure 2023502470000014
Figure 2023502470000015
Figure 2023502470000016
Figure 2023502470000017
Figure 2023502470000018
Figure 2023502470000019
上記構造式において、n1、n2及びn3の定義は上記と同じである。
本発明のスルフヒドリル変性ヒアルロン酸について、現在、一般的に使用されるその物理的及び化学的性質を特徴付ける指標と測定方法は、主に固有粘度の測定、保水率の測定、抗酸化性能の測定の3つがある。固有粘度(intrinsic viscosity)は、高分子化合物の分子量を特徴付ける有効なパラメータであり、それに対応する方法は、高速ゲル浸透クロマトグラフィー法、及びマルチアングルレーザー散乱計とゲル浸透クロマトグラフィーを組み合わせた方法である。前述したように、粘度、保水性、抗酸化性能は、ヒアルロン酸の主な物理的及び化学的性質であり、これらの物理的及び化学的性質はヒアルロン酸の適用範囲に密接に関連している。具体的には、本発明に記載のスルフヒドリル変性ヒアルロン酸シリーズ化合物の物理的及び化学的特性を特徴付ける場合、粘度は最も主な性能指標であり、粘度自体が分子量の大きさを反映する外部指標であることに加えて、各スルフヒドリル変性ヒアルロン酸のヒト体内での治療や形成外科などの効果に影響を与える重要な指標でもある。粘度が高いほど、組織内で分散しにくくなり、それにより組織によるこの物質の吸収速度を減少させ、更にこのような物質のヒト体内での作用期間をより長く維持し、即ち体内での代謝半減期を延長する。また、保湿・保湿機能は、このような物質を臨床、化粧品などに適用するための重要な機能指標であり、保水率は、このような物質を評価するための重要な指標と優れた比較指標である。抗酸化性能も、本発明にかかるスルフヒドリル変性ヒアルロン酸の主な機能指標であり、このような物質を抗酸化類化粧品、抗酸化健康製品、抗酸化医療用品に適用するための主な機能指標でもある。抗酸化性能の測定について、完全な検出方法と評価システムを備えている。
固有粘度法は、高分子物質のレオロジー特性を利用して物質の分子量を計算し、この方法は簡単で実施しやすいため、これまで広く適用されている。例えば、『欧州薬典』及び『英国薬典』に記載されているヒアルロン酸ナトリウムの検査項目としては、固有粘度法により質量を制御し、更に分子量を制御する。この方法は対照品を必要としないが、サンプルの純度に大きく影響され、且つ溶液中のヒアルロン酸の含有量を正確に把握する必要がある。固有粘度法は、高価の設備を必要とせず、且つ検出方法が簡単で、結果が正確であるため、最も一般的に使用されるヒアルロン酸の分子量の測定方法である。現在、この方法でヒアルロン酸溶液の分子量を測定する場合、まず溶液をエタノールにより沈殿させ、沈殿物を回収し、乾燥させて固体を得た後に測定する。この方法は複雑で、結果の正確性が低く、時間がかかる。固有粘度法に類似するのは、このような高分子化合物の粘性の直接測定であり、このような高分子化合物の粘度も、その分子量に関連する重要且つ特徴的な物理的及び化学的指標である。
付記:このような高分子化合物の分子量を特徴付ける他の2つの測定方法は、高速ゲル浸透クロマトグラフィー法、及びマルチアングルレーザー散乱計とゲル浸透クロマトグラフィーを組み合わせた方法である。
高速ゲル浸透クロマトグラフィー法(即ち、HPGPC法)は、分子サイズに基づいて分離する液体クロマトグラフィー技術であり、クロマトグラフィーカラムを通過する物質の保持時間は、分子量の対数に線形の負の関係がある。この方法は、再現性が高く、速度が速く、平均分子量とその分布を測定することができる。しかし、HPGPC法で分子量を測定するために、対応する対照品により補正する必要があり、ヒアルロン酸の対照品の入手が一般的に困難であるため、類似構造のサンプルを対照品として選択するしかできない。対照品の構造の異なりによって、測定された分子量も異なるため、測定されたサンプルの分子量は、真の値から一定の偏差がある。
マルチアングルレーザー散乱計とゲル浸透クロマトグラフィーを組み合わせた方法(即ち、GPC/MALLS法)は、任意の分子量範囲の高分子サンプルの場合でも、移動相での分子状態に関係なく、サンプル溶出図の各フラクションの濃度と分子量を得ることができる。この方法は、対照品を必要とせずにサンプルの分子量を得ることができるため、測定結果は正確で信頼できる。しかし、この機器は高価であり、超高分子量を測定する場合、サンプルは多孔質媒体内でせん断及び分解する可能性があり、かつゲルカラムを閉塞する可能性もある。従って、この方法の適用は制限される。
保水率の測定方法:適切なサンプルと効果比較サンプルを選択した上で、主に、純水中の吸水率、適切な溶液中の液体吸収率、純水又は適切な溶液中の吸水速度、保水性、繰り返し吸水性及びシミュレートされた組織液とシミュレートされた細胞液などの人体使用環境をシミュレートする液体の液体吸収性などの指標を含む、様々な生体適合性高分子材料の保水性を測定する。実施された全ての試験は、繰り返しと検証のプロセスを必要とする。
様々な保水剤の吸水率(Q)の測定は、(m2-m1)/m1によって計算され、そのうち、m1とm2は、生体適合性高分子化合物の質量基準による乾燥状態、吸水率が飽和に達した後の保水剤の質量であり、通常はグラム単位で表す。質量基準による乾燥状態とは、製品の水分含有量が10%を超えないことを意味する。
吸水率を測定するためのろ過法に従って、様々な生体適合性高分子化合物の吸水率を測定する。約1 g又は適切な重量部の生体適合性高分子を正確に秤量し、それぞれ水又は様々な溶液に入れて放置し、様々な時点で順にろ過して秤量し、様々な時点での保水剤の吸水速度を得る。
抗酸化性能の測定:この特許に関連する生体適合性高分子材料の抗酸化性能の測定方法は、遊離基の除去能力によって各生体適合性高分子化合物の抗酸化性能を評価し、ここでの遊離基の除去は主に、酸素遊離基の除去を指し、製薬業界では、業界で認められた、かつ成熟した測定方法がある。
[スルフヒドリル変性ヒアルロン酸の調製方法]
前述したように、本発明は、上記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸の調製方法を提供し、
1)ヒアルロン酸のアクリロイル化ステップ、即ち、ヒアルロン酸の繰り返し単位の側鎖に含まれる-COOH、-OHの少なくとも1種を下記基に直接又は間接に結合するステップと、
Figure 2023502470000020
(R1、R2及びR3の定義は上記と同じであり、*は結合点を表す)
2)アクリロイル化されたヒアルロン酸をポリスルフヒドリル化合物HS-R4-SHと反応させ (R4の定義は上記と同じである)、前記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸を調製するステップと、を含む。
具体的には、前記ステップ1)はヒアルロン酸のアクリロイル化ステップであり、ヒアルロン酸の繰り返し単位の側鎖に含まれる-COOH、-OHの少なくとも1種をR基により前記末端基に結合し、又は、前記末端基に直接結合して以下の構造の少なくとも1種である側鎖を形成することである:
Figure 2023502470000021
上記a構造、b構造、c構造及びd構造において、R、R1、R2、R3及びR4の定義は上記と同じであり、*は結合点を表す。
ステップ1)において、前記アクリロイル化ステップは、変性されるヒアルロン酸とアクリレート化合物との反応により実現されてもよく、変性されるヒアルロン酸と塩化アクリロイル化合物又は無水アクリル酸化合物との反応により実現されてもよい。
前記アクリレート化合物は、アクリル酸アルキルエステル化合物、アクリル酸アリールエステル化合物、アクリル酸多価アルコールエステル化合物のうちの1種又は複数種であってもよい。
前記アクリル酸多価アルコールエステル化合物における多価アルコールは、例えばトリオールであり、具体的には、グリセリン、ブタントリオール、ペンタトリオールなどであってもよい。
ステップ1)において、前記アクリロイル化ステップは、通常の反応ステップであってもよく、従来の通常の条件で実施すればよい。通常、塩化アクリロイル及びその誘導体又は無水アクリル酸及びその誘導体と変性されるヒアルロン酸との反応によって得られる。グリシジルアクリレート及びその誘導体と変性されるヒアルロン酸との反応によって得られてもよい。
ステップ1)において、前記アクリロイル化ステップは、上記以外の方法によりa構造式、b構造式、c構造式、d構造式のうちの少なくとも1種を含む高分子化合物を合成する、型破りの反応ステップであってもよい。
ステップ1)において、前記アクリロイル化ステップの生成物の構造は、以下に示される構造のうちの少なくとも1種である:
Figure 2023502470000022
上記構造において、R、R1、R2及びR3の定義は上記と同じであり、(m2)/(m1+m2)はアクリロイル化度を表す。
ステップ2)において、ポリスルフヒドリル化合物HS-R4-SHとの反応は溶媒中で行われる。前記溶媒は例えば水又は有機溶媒であり、更に脱イオン水又はジメチルホルムアミドであってもよい。
ステップ2)において、ポリスルフヒドリル化合物HS-R4-SHとの反応は、低温から高温の条件下で行われる。例えば、反応温度は0~80℃であり、更に10~70℃であってもよく、例えば室温下で反応してもよい。
ステップ2)において、ポリスルフヒドリル化合物HS-R4-SHとの反応の反応時間は0.1~100時間である。
ステップ2)において、ポリスルフヒドリル化合物HS-R4-SHとの反応のpH範囲は-1~15である。例えば、反応のpHは6~8であってもよく、また例えば7である。
そのうち、ステップ2)の反応生成物に対する後処理ステップを更に含む。
そのうち、前記後処理ステップは透析法を使用する。具体的には、反応後の溶液を透析バッグ(例えば、分子量カットオフが2 kDa以上の透析バッグ)に入れ、塩酸溶液(例えば、pH=4)で数日間透析し(例えば1~10日、また例えば5日など)、任意選択的に水を数回(例えば、2回以上など)交換し(例えば、水を毎日又は隔日交換)、最後に透析バッグ内の溶液を収集し、乾燥(例えば、凍結乾燥)後に固体、即ち前記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸を得る。
本発明の方法において、ポリスルフヒドリル化合物のスルフヒドリル基とアクリロイル基の炭素-炭素二重結合のマイケル付加反応により前記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸を調製することを初めて提案し、この方法はスルフヒドリル化度が高く、かつスルフヒドリル化反応の条件が穏やかで(室温、水溶液中で行うことができる)、汚染がなく、調製されたスルフヒドリル変性ヒアルロン酸の純度が高く、医療、美容、医学などの分野での更なる使用に特に適する。
[スルフヒドリル変性ヒアルロン酸の応用]
前述したように、本発明は、抗酸化健康製品、生物医学、医療美容と形成外科、及び化粧品(例えば、抗酸化類化粧品、保水・保湿類化粧品のうちの少なくとも1種)などの分野に適用される上記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸の用途を更に提供する。
ヒアルロン酸(Hyaluronic acid, HA)は、二糖が繰り返し交互に結合した線状の非分岐高分子酸性ムコ多糖ポリマーであることが知られている(構造単位はそれぞれβ-(1,4)-N-アセチル-D-グルコサミン及びβ-(1,3)-D-グルクロン酸である)。HA鎖の長さは約5 kDa~20 MDaまで変化し、最も一般的なサイズは2 MDa~5 MDaの範囲である。50%以上のヒアルロン酸は皮膚、肺及び腸の組織に存在する。また、関節滑液、軟骨、臍帯、血管壁などの間質組織にも存在する。ヒト体内のヒアルロン酸は、主に潤滑と緩衝作用、バリアの充填と拡散、及び遊離基の除去などの生理学的機能を果たす。現在、市販されているヒアルロン酸製品は、動物組織(例えば、鶏冠、眼の硝子体、脳軟骨、関節液)から抽出でき、細菌(例えば、連鎖球菌、緑膿菌など)の発酵によって調製することもできる。近年、HAの機能に関する研究の深まりに伴って、HAは、薬物送達システムの調製、整形外科及び眼科疾患の治療、手術後の癒着防止や軟組織の修復などの医学分野で広く適用されている。これは、組織工学及び再生医療分野の研究の焦点になっている。天然のHAは優れた生体適合性と抗炎症などの役割を有するが、純粋なHAは機械的強度が弱く、分解しやすい。従って、組織工学の足場材料として、HAは、これらの不足を改善し、その生物学的役割をより良く果たし、細胞の生存と機能及び組織の修復と再生のために良好な環境を提供するために、適切に化学的に変性されるか、又は、他の材料と組み合わせて使用する必要がある。
本発明において、HA-SHと記されるスルフヒドリル変性ヒアルロン酸が調製される。このHA-SHはチオール酸化架橋により安定した架橋材料(例えば、ヒドロゲル)を形成することができ、前記架橋材料の機械的特性に優れ、良好な物理的安定性と機械的強度を備え、また、体内での代謝速度が制御可能であり、且つこのHA-SHは他の成分の生体機能材料と組み合わせて相互補完することによって、優れた性質を備えた三次元足場材料を得ることもでき、大部分の組織工学の応用要件を満たすことができる。
以下、具体的な実施例に合わせて本発明を更に説明する。なお、これらの実施例は本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の請求範囲を制限するものではない。また、本発明により開示された内容を読んだ後、当業者は、本発明に対して様々な変更や修正を行うことができ、これらの同等の形態も本発明により限定された請求範囲に含まれることを理解されたい。
本発明において、前記1H-NMRスペクトルは、Varian 400 MHz核磁気共鳴装置によって測定され、テスト温度は摂氏25度、緩和時間は1秒間、走査回数は8回である。具体的には、8~10 mgの検出対象物を採取し、750 μLの重水に溶解させ、得られたサンプル溶液について1H-NMRスペクトルを測定する。
調製例1 アクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-A1と略称)の合成
200 mLのビーカーに1 gのヒアルロン酸(華熙福瑞達社から購入され、その重量平均分子量は約300 kDa)、50 mLの脱イオン水、50 mLのジメチルホルムアミド、12 mLのトリエチルアミン、14 mLのグリシジルアクリレートを加える。室温で均一且つ透明になるまで撹拌した後、48時間撹拌し続ける。300 mLのアセトンを加え、大量の白色沈殿物が生成された。遠心分離により得られた沈殿物を100 mLの脱イオン水に溶解させ、無色透明溶液を得る。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa)に入れ、5 Lの脱イオン水で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に921 mgの白色綿状固体であるHA-A1を得て、収率は92.1%である。
HA-A1の構造式は図26を参照する。図26は模式図に過ぎず、前記ヒアルロン酸の一部の繰り返し単位におけるCOOHがグリシジルアクリレートによりエステル化されたことを表し、即ち、そのうちm2/(m1+m2)はアクリロイル化度を表し、m1+m2=nであり、nは変性されていないヒアルロン酸の繰り返し単位の数である。以下の調製例と実施例における構造式の意味は調製例1と同じであり、繰り返して説明しない。
HA-A1の1H-NMRスペクトルは図26を参照し、6~6.5 ppmの間にあるアクリル官能基に属するNMRピークが確認され、この基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
調製例2 アクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-A2と略称)の合成
200 mLのビーカーに1 gのヒアルロン酸(華熙福瑞達社から購入され、その重量平均分子量は約400 kDa)、50 mLの脱イオン水、50 mLのジメチルホルムアミド、6.3 gの無水アクリル酸を加え、撹拌して溶解させる。1 mol/LのNaOHで溶液のpHを8±0.5に維持し、24時間撹拌し続ける。300 mLのアセトンを加え、大量の白色沈殿物が生成された。遠心分離により得られた沈殿物を100 mLの脱イオン水に溶解させ、無色透明溶液を得る。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 Lの脱イオン水で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に789 mgの白色綿状固体であるHA-A2を得て、収率は78.9%である。
HA-A2の構造式は図27を参照する。
HA-A2の1H-NMRスペクトルは図27を参照し、5.8~6.4 ppmの間にあるアクリル官能基に属するNMRピークが確認され、この基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
調製例3 メタクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-MA1と略称)の合成
200 mLのビーカーに1 gのヒアルロン酸(華熙福瑞達社から購入され、その重量平均分子量は約400 kDa)、50 mLの脱イオン水、50 mLのジメチルホルムアミド(Sigma)、12 mLのトリエチルアミン(Sigma)、15 mLのグリシジルメタクリレートを加える。室温で均一且つ透明になるまで撹拌した後、48時間撹拌し続ける。300 mLのアセトン(Sigma)を加え、大量の白色沈殿物が生成された。遠心分離により得られた沈殿物を100 mLの脱イオン水に溶解させ、無色溶液を得る。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 Lの脱イオン水で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に859 mgの白色綿状固体であるHA-MA1を得て、収率は85.9%である。
HA-MA1の構造式は図28を参照する。
HA-MA1の1H-NMRスペクトルは図28を参照し、5.8~6.2 ppmの間にあるメタクリル官能基に属するNMRピークが確認され、この基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
調製例4 メタクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-MA2と略称)の合成
200 mLのビーカーに1 gのヒアルロン酸(華熙福瑞達社から購入され、その重量平均分子量は約400 kDa)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させる。更に7.7 gの無水メタクリル酸を加え、撹拌して溶解させる。1 mol/LのNaOHで溶液のpHを8±0.5に維持し、24時間撹拌し続ける。200 mLのアセトン(Sigma)を加え、大量の白色沈殿物が生成された。遠心分離により得られた沈殿物を100 mLの脱イオン水に溶解させ、無色透明溶液を得る。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 Lの脱イオン水で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に846 mgの白色綿状固体であるHA-MA2を得て、収率は84.6%である。
HA-MA2の構造式は図29を参照する。
HA-MA2の1H-NMRスペクトルは図29を参照し、5.8~6.2 ppmの間にあるメタクリル官能基に属するNMRピークが確認され、この基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例1 スルフヒドリル-アクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-A1-SH1と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例1の方法により調製された1 gのHA-A1、0.3 gのジチオスレイトール(VWR社から購入)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に842 mgの白色綿状固体であるHA-A1-SH1を得て、収率は84.2%である。
HA-A1-SH1の反応方程式は図9に示され、その構造式は図9と図30を参照する。
HA-A1-SH1の1H-NMRスペクトルは図30を参照し、2.3~2.8 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例2 スルフヒドリル-アクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-A2-SH1と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例2の方法により調製された1 gのHA-A2、0.3 gのジチオスレイトール(VWR)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に827 mgの白色綿状固体であるHA-A2-SH1を得て、収率は82.7%である。
HA-A2-SH1の反応方程式は図10に示され、その構造式は図10と図31を参照する。
HA-A2-SH1の1H-NMRスペクトルは図31を参照し、2.6~2.9 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例3 スルフヒドリル-メタクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-MA1-SH1と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例3の方法により調製された1 gのHA-MA1、0.3 gのジチオスレイトール(VWR)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させる。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に約854 mgの白色綿状固体を得る。即ち、HA-MA1-SH1を得て、収率は85.4%である。
HA-MA1-SH1の反応方程式は図11に示され、その構造式は図11と図32を参照する。
HA-MA1-SH1の1H-NMRスペクトルは図32を参照し、2.6~3.0 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例4 スルフヒドリル-メタクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-MA2-SH1と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例4の方法により調製された1 gのHA-MA2、0.3 gのジチオスレイトール(VWR)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させる。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に約833 mgの白色綿状固体を得る。即ち、HA-MA2-SH1を得て、収率は83.3%である。
HA-MA2-SH1の反応方程式は図12に示され、その構造式は図12と図33を参照する。
HA-MA2-SH1の1H-NMRスペクトルは図33を参照し、2.6~3.0 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例5 スルフヒドリル-アクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-A1-SH2と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例1の方法により調製された1 gのHA-A1、0.42 gの1,4-ブタンジチオール(Sigma社から購入)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に852 mgの白色綿状固体であるHA-A1-SH2を得て、収率は85.2%である。
HA-A1-SH2の反応方程式は図13に示され、その構造式は図13と図34を参照する。
HA-A1-SH2の1H-NMRスペクトルは図34を参照し、1.6~1.9 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例6 スルフヒドリル-アクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-A1-SH3と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例1の方法により調製された1 gのHA-A1、0.43 gの2-アミノ-1,4-ブタンジチオール塩酸塩(Sigma社から購入)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に843 mgの白色綿状固体であるHA-A1-SH3を得て、収率は84.3%である。
HA-A1-SH3の反応方程式は図14に示され、その構造式は図14と図35を参照する。
HA-A1-SH3の1H-NMRスペクトルは図35を参照し、3.0~3.2 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例7 スルフヒドリル-アクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-A2-SH2と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例2の方法により調製された1 gのHA-A2、0.42 gの1,4-ブタンジチオール(Sigma社から購入)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に827 mgの白色綿状固体であるHA-A2-SH2を得て、収率は82.7%である。
HA-A2-SH2の反応方程式は図15に示され、その構造式は図15と図36を参照する。
HA-A2-SH2の1H-NMRスペクトルは図36を参照し、1.6~1.9 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例8 スルフヒドリル-アクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-A2-SH3と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例2の方法により調製された1 gのHA-A2、0.43 gの2-アミノ-1,4-ブタンジチオール塩酸塩(Sigma)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に833 mgの白色綿状固体であるHA-A2-SH3を得て、収率は83.3%である。
HA-A2-SH3の反応方程式は図16に示され、その構造式は図16と図37を参照する。
HA-A2-SH3の1H-NMRスペクトルは図37を参照し、3.0~3.2 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例9 スルフヒドリル-アクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-A2-SH4と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例2の方法により調製された1 gのHA-A2、0.38 gの1,3-プロパンジチオール(Sigma社から購入)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に814 mgの白色綿状固体であるHA-A2-SH4を得て、収率は81.4%である。
HA-A2-SH4の反応方程式は図17に示され、その構造式は図17と図38を参照する。
HA-A2-SH4の1H-NMRスペクトルは図38を参照し、2.5~2.8 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例10 スルフヒドリル-アクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-A2-SH5と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例2の方法により調製された1 gのHA-A2、0.52 gの1,3-ベンゼンジチオール(Sigma社から購入)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に836 mgの白色綿状固体であるHA-A2-SH5を得て、収率は83.6%である。
HA-A2-SH5の反応方程式は図18に示され、その構造式は図18と図39を参照する。
HA-A2-SH5の1H-NMRスペクトルは図39を参照し、6.9~7.4 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例11 スルフヒドリル-アクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-A2-SH6と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例2の方法により調製された1 gのHA-A2、0.52 gの1,4-ベンゼンジチオール(Sigma社から購入)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に831 mgの白色綿状固体であるHA-A2-SH6を得て、収率は83.1%である。
HA-A2-SH6の反応方程式は図19に示され、その構造式は図19と図40を参照する。
HA-A2-SH6の1H-NMRスペクトルは図40を参照し、6.8~7.0 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例12 スルフヒドリル-アクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-A2-SH7と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例2の方法により調製された1 gのHA-A2、0.96 gのメルカプトポリエチレングリコール(Sigma社から購入)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に894 mgの白色綿状固体であるHA-A2-SH7を得て、収率は89.4%である。
HA-A2-SH7の反応方程式は図20に示され、その構造式は図20と図41を参照する。
HA-A2-SH7の1H-NMRスペクトルは図41を参照し、3.6 ppmにあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例13 スルフヒドリル-アクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-A2-SH8と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例2の方法により調製された1 gのHA-A2、0.74 gのトリメチロールプロパン-トリス(3-メルカプトプロピオネート)(Sigma社から購入)、50 mLの脱イオン水及び50 mLのジメチルホルムアミドを加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に785 mgの白色綿状固体であるHA-A2-SH8を得て、収率は78.5%である。
HA-A2-SH8の反応方程式は図21に示され、その構造式は図21と図42を参照する。
HA-A2-SH8の1H-NMRスペクトルは図42を参照し、0.8~1.0 ppm、1.5 ppm、2.6~2.9 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例14 スルフヒドリル-メタクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-MA1-SH5と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例3の方法により調製された1 gのHA-MA1、0.50 gの1,3-ベンゼンジチオール(Sigma社から購入)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に828 mgの白色綿状固体であるHA-MA1-SH5を得て、収率は82.8%である。
HA-MA1-SH5の反応方程式は図22に示され、その構造式は図22と図43を参照する。
HA-MA1-SH5の1H-NMRスペクトルは図43を参照し、6.9~7.4 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例15 スルフヒドリル-メタクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-MA1-SH6と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例3の方法により調製された1 gのHA-MA1、0.50 gの1,4-ベンゼンジチオール(Sigma社から購入)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に833 mgの白色綿状固体であるHA-MA1-SH6を得て、収率は83.3%である。
HA-MA1-SH6の反応方程式は図23に示され、その構造式は図23と図44を参照する。
HA-MA1-SH6の1H-NMRスペクトルは図44を参照し、6.9~7.0 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例16 スルフヒドリル-メタクリレートにより修飾されたヒアルロン酸(HA-MA2-SH7と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例4の方法により調製された1 gのHA-MA2、0.92 gのメルカプトポリエチレングリコール(Sigma社から購入)、100 mLの脱イオン水を加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に876 mgの白色綿状固体であるHA-MA2-SH7を得て、収率は87.6%である。
HA-MA2-SH7の反応方程式は図24に示され、その構造式は図24と図45を参照する。
HA-MA2-SH7の1H-NMRスペクトルは図45を参照し、3.6 ppmにあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例17 スルフヒドリル-メタクリレート2により修飾されたヒアルロン酸(HA-MA2-SH8と略称)の合成
200 mLのビーカーに調製例4の方法により調製された1 gのHA-MA2、0.68 gのトリメチロールプロパン-トリス(3-メルカプトプロピオネート)(Sigma社から購入)、50 mLの脱イオン水及び50 mLのジメチルホルムアミドを加え、室温で撹拌して溶解させ、透明溶液を得る。得られた透明溶液を12時間撹拌し続ける。上記溶液を透析バッグ(分子量カットオフ8 kDa、Spectrumlabs)に入れ、5 LのpH=4の塩酸溶液で5日間透析し、1日2回水を交換する。最後に透析バッグ内の溶液を収集し、凍結乾燥後に825 mgの白色綿状固体であるHA-MA2-SH8を得て、収率は82.5%である。
HA-MA2-SH8の反応方程式は図25に示され、その構造式は図25と図46を参照する。
HA-MA2-SH8の1H-NMRスペクトルは図46を参照し、0.8~1.0 ppm、1.5 ppm、2.6~2.9 ppmの間にあるスルフヒドリル側鎖に属するNMRピークが確認され、スルフヒドリル基がヒアルロン酸の構造に順調にグラフトされたことが証明される。
実施例18 Ellman法によるスルフヒドリル変性高分子化合物のスルフヒドリル基の含有量の検出
準備プロセス:
1. テスト緩衝溶液の配合:0.1 mol/LのNa2HPO4(1 mmol/LのEDTAを含み、濃塩酸で緩衝液のpHを8.0に調節する)。
2. 標準作業溶液の配合:30 mmol/Lのシステイン溶液。
3. Ellman試薬母液の配合:0.1 mol/LのEllman試薬溶液。
4. 標準溶液の配合:
Figure 2023502470000023
5. 生成物テストサンプル:適量のスルフヒドリル変性高分子化合物のサンプルを緩衝溶液に溶解させ、1 mg/mlの被検溶液を配合する(サンプル毎に3セットの並列サンプル)。
テストプロセス:
1. システイン標準溶液を、上記ステップ4により0.5 mLの遠心分離管で配合する。
2. 1.5 mLの遠心分離管を別途取り、50 μLのEllman検出液を1 mlの緩衝溶液に加え、検出液を得る。
3. 240 μLの標準溶液/テストサンプル溶液を取り、それぞれテストプロセスのステップ2におけるEllman検出液に混合して溶解させ、室温で15 min反応させる。
4. 15 min後、ウェルプレートを使用して412 nmでの吸光度を検出する。
5. 生成物におけるチオールの含有量は、得られた標準溶液の吸光度/濃度の標準曲線により算出できる。
スルフヒドリル基の含有量検出の標準曲線は図47を参照し、スルフヒドリル基の含有量の検出結果は表1を参照する。
実施例19 スルフヒドリル修飾HAの動的粘度の検出
500 mgのスルフヒドリル修飾高分子化合物を取り、50 mLの脱イオン水に溶解させ、濃度が1% w/vの溶液を得る。25℃の条件下で回転粘度計を使用して得られた溶液をテストし、動的粘度を得る。結果は表1を参照する。
Figure 2023502470000024
実施例20 GPCによるスルフヒドリル修飾高分子化合物の分子量及びその分布の測定
GPC移動相は0.05 M硫酸ナトリウム溶液であり、流速が1 mL/minであり、カラム温度が30℃であり、標準ポリエチレングリコールポリマーを標準曲線とする。
5 mgのスルフヒドリル修飾HAを取り、1 mLの0.05 M硫酸ナトリウム溶液に溶解させ、0.22 μmのフィルターでろ過した後にGPCテストを行い、分子量及び分布結果は表2を参照する。
Figure 2023502470000025
実施例21 スルフヒドリル修飾HAの保水性テスト
事前に重量が秤量された20 mLのガラス瓶に50 mgのスルフヒドリル修飾HAを加え、5 mLの脱イオン水を加えて溶解させ、濃度1%の溶液を得て、質量減算法により溶液の質量m0を得る。ガラス瓶を37℃のシェーカーに入れ、一定の時間間隔で溶液の質量を秤量し、mtを得る。スルフヒドリル修飾HAの保水能力は、次の式により計算できる。
保水率(%)=mt/m0×100%
保水率の結果は表3を参照する。
Figure 2023502470000026
実施例22 DPPH遊離基捕捉法によるスルフヒドリル修飾HAの抗酸化性の検出
作業溶液として25 μmol/Lの1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル(TNBS)の絶対エタノール溶液を正確に配合する。一定量の作業溶液を取り、エタノールで希釈した後に一連の標準溶液(0、5、10、15、20、25 μmol/L)を得る。
スルフヒドリル修飾HAのPBS溶液を正確に配合し、一連の濃度が0.1 mg/mLのテストサンプル溶液を得る。
90 μLのTNBS作業溶液を取り、10 μLのテストサンプル溶液と均一に混合し、室温・暗所で30分間保存した後、TNBS標準溶液とテストサンプルの混合液の517 nmでの吸光度を検出し、得られた標準曲線により計算してテストサンプルにおける残りのDPPHの濃度を得る。テストサンプルの遊離基捕捉能力(%)は次の式により計算される:
遊離基捕捉能力(%)=(1-(Cサンプル/CDPPH))×100%
DPPH標準曲線は図48を参照する。
遊離基捕捉能力は図49を参照する。
実施例23 本発明のHA-SH細胞活性の優れた実施例
「GBT 16886.5-2017医療機器生物学的評価+パート5+インビトロ細胞毒性試験」の基準を参照して、本発明のHA-SHの細胞活性と生体適合性を測定する。具体的には、以下のMTT法を使用する。MTT法はMTT比色法とも呼ばれ、細胞の生存と増殖の検出方法である。検出原理は、生細胞のミトコンドリアにあるコハク酸デヒドロゲナーゼが外因性MTTを水不溶性の青紫色結晶ホルマザン(Formazan)に還元して細胞内に沈着させることができるが、死んだ細胞にはそのような機能がないことである。ジメチルスルホキシド(DMSO)は細胞内のホルマザンを溶解させることができ、酵素結合免疫測定計により490 nmの波長での光吸収値を測定することで、生細胞の数を間接的に反映することができる。細胞数の特定の範囲内で、MTT結晶形成の量は細胞の数に比例する。具体的な試験プロセスと結果は以下のとおりである。
実施例1~4で調製されたスルフヒドリル-アクリレートにより修飾されたヒアルロン酸を、PBSを溶媒とする10 mg/mLの溶液にそれぞれ調製し、溶液のpHを7.35~7.45の間に調節する。
ダルベッコ改変イーグル培地、10%のウシ胎児血清及び1%のペニシリン/ストレプトマイシン溶液によって調製された細胞培養液で、本発明の試験サンプルを100、500、1000、2500、5000、10000 μg/mLの濃度に希釈する。ブランク対照サンプルは溶媒である。陰性対照サンプルは細胞培養液である。L929細胞を96ウェルプレートに接種し、各ウェルに8000個細胞を加え、細胞が壁に付着するまで一晩培養し、培養液を100 μLのサンプル溶液に交換し、5%のCO2、37℃、>90%の湿度条件下で細胞インキュベータで24時間培養する。上記試験サンプル、対照サンプルを細胞と共同で培養する。24時間後に各試験濃度条件下の細胞活性を測定し、陰性対照サンプルの細胞活性と比較する。陰性対照群は100%活性である。24時間後、まず各サンプルの細胞毒性作用によって引き起こされた細胞形態の変化を観察して記録する。結果により、様々な濃度の試験サンプルがいずれも細胞形態の変化を引き起こさなかったことが示されている。培養液を除去し、20 μL、5 mg/mLのMTTを各試験ウェルに加え、4時間インキュベートし続ける。次に、MTT溶液を廃棄し、各ウェルに100 μLのDMSO溶液を加え、15 min均一に振とうした後、マイクロプレートリーダーで490 nmでの吸光度を測定する。結果は図50を参照する。MTT実験での細胞生存率の結果が70%未満の材料は、潜在的な細胞毒性があると見なされる。結果により、本発明に記載のスルフヒドリル修飾されたヒアルロン酸の細胞生存率は、様々な材料と様々な濃度の試験条件下で、いずれも70%以上であることが示され、材料には明らかな細胞毒性がなく、生体適合性が良好であることが示されている。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されない。本発明の精神と原則において行われた修正、等価置換や改良などは、いずれも本発明の請求範囲内に含まれるべきである。
文献1で報告された主な反応プロセス(ジヒドラジド法によるHA-SHの合成)である。 文献2で報告された主な反応プロセス(Ethylene sulfide法によるHA-SHの合成)である。 文献3で報告された主な反応プロセス(ヒドラジド後修飾法によるHA-SHの合成)である。 文献4で報告された主な反応プロセス(シスタミン修飾法によるHA-SHの合成)である。 文献5で報告された主な反応プロセス(β-スルフヒドリルエチルアミン法によるHA-SHの合成)である。 文献6で報告された主な反応プロセス(エチルシステイン修飾法によるHA-SHの合成)である。 文献CN101200504Aで報告された主な反応プロセス(ジヒドラジド法によるHA-SHの合成)である。そのうち、R1及びR2は、アルキレン基、置換アルキレン基、芳香族基、ポリエーテルなどであり(注:ここでのR1及びR2の定義は図7と文献CN101200504Aのみに限定される)、Pは、側鎖にカルボキシル基を含む高分子化合物残基を指す。 文献CN103613686Aで報告された主な反応プロセス(文献1と類似し、ジヒドラジド法によるHA-SHの合成)である。 実施例1の反応方程式である。 実施例2の反応方程式である。 実施例3の反応方程式である。 実施例4の反応方程式である。 実施例5の反応方程式である。 実施例6の反応方程式である。 実施例7の反応方程式である。 実施例8の反応方程式である。 実施例9の反応方程式である。 実施例10の反応方程式である。 実施例11の反応方程式である。 実施例12の反応方程式である。 実施例13の反応方程式である。 実施例14の反応方程式である。 実施例15の反応方程式である。 実施例16の反応方程式である。 実施例17の反応方程式である。 HA-A1の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-A2の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-MA1の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-MA2の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-A1-SH1の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-A2-SH1の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-MA1-SH1の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-MA2-SH1の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-A1-SH2の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-A1-SH3の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-A2-SH2の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-A2-SH3の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-A2-SH4の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-A2-SH5の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-A2-SH6の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-A2-SH7の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-A2-SH8の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-MA1-SH5の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-MA1-SH6の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-MA2-SH7の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 HA-MA2-SH8の構造式とその1H-NMRスペクトルである。 Ellman検出標準曲線である。 DPPH遊離基含有量の検出標準曲線である。 DPPH遊離基捕捉率である。 HA-A1-SH1、HA-A2-SH1、HA-MA1-SH1、HA-MA2-SH1の細胞生体適合性試験である。

Claims (10)

  1. ヒアルロン酸の繰り返し単位の側鎖に含まれる-COOH及び/又は-OHの一部又は全ては、末端基が下記基である側鎖を形成するように修飾され、
    Figure 2023502470000027

    上記基において、*は結合点を表し、
    R1は、水素、ハロゲン、脂肪族基、芳香族基などから選ばれ、
    R2とR3は、相同又は相異であり、互いに独立して水素、ハロゲン、脂肪族基、芳香族基などから選ばれ、
    R4は、ポリスルフヒドリル化合物断片である、
    ことを特徴とするスルフヒドリル変性ヒアルロン酸化合物。
  2. 前記末端基は、R基により-COOH及び/又は-OHに結合され、又は、-COOH及び/又は-OHに直接結合されて以下の構造の少なくとも1種である側鎖が形成され、
    Figure 2023502470000028

    上記a構造、b構造、c構造及びd構造において、Rは、
    Figure 2023502470000029

    ヒドロカルビレン基、アリレン基、アミド残基、ヒドラジド残基などから選ばれ、*は結合点を表し、1*は、Rの左側の基との結合点を表し、2*は、Rの右側の基との結合点を表し、R1、R2、R3及びR4の定義は上記と同じである、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスルフヒドリル変性ヒアルロン酸化合物。
  3. 前記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸は、以下の構造の少なくとも1種を含み、
    Figure 2023502470000030

    上記構造において、R、R1、R2、R3及びR4の定義は上記と同じであり、(n2+n3)/(n1+n2+n3)はアクリロイル化度を表し、n3/(n1+n2+n3)はスルフヒドリル化度を表し、上記のEllman法により検出された前記スルフヒドリル変性高分子化合物のスルフヒドリル基の含有量に対応する;前記n1は0であってもよいが、0の場合、アクリロイル化度を限定する必要がなく、n3/(n2+n3)のみがスルフヒドリル化度を表し、上記のEllman法により検出された前記スルフヒドリル変性高分子化合物のスルフヒドリル基の含有量に対応する;前記n2は0であってもよいが、0の場合、n3/(n1+n3)はアクリロイル化度を表すと共に、スルフヒドリル化度を表し、上記のEllmanにより検出された前記スルフヒドリル変性高分子化合物のスルフヒドリル基の含有量に対応する;
    前記A1は以下のとおりであり、
    Figure 2023502470000031

    前記A2は以下の構造のうちの1種であり、
    Figure 2023502470000032

    A1とA2構造における*は、COOH又はOHへの結合点を表す、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスルフヒドリル変性ヒアルロン酸化合物。
  4. R4は、ポリスルフヒドリル化合物断片であり、即ち-S-R4-SH断片は、下記ポリスルフヒドリル化合物により導入することができるが、これらに限定されず、
    Figure 2023502470000033

    そのうち、n4=2~30の整数、例えばn=2、3、4、5又は6などであり、n5=1~30の整数、例えば1、2、3、4、5などであり、n6=1~30の整数、例えば1、2、3、4、5などであり、
    4-arm-PEG-SHは4つのスルフヒドリル基を含むPEGポリマーを表し、6-arm-PEG-SHは6つのスルフヒドリル基を含むPEGポリマーを表し、8-arm-PEG-SHは8つのスルフヒドリル基を含むPEGポリマーを表し、前記PEGはポリエチレングリコールの略語である、
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のスルフヒドリル変性ヒアルロン酸化合物。
  5. 前記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸は下記構造のうちの少なくとも1種を有し、
    Figure 2023502470000034
    Figure 2023502470000035
    Figure 2023502470000036
    Figure 2023502470000037
    Figure 2023502470000038
    Figure 2023502470000039
    Figure 2023502470000040
    Figure 2023502470000041
    Figure 2023502470000042
    上記構造式において、n1、n2及びn3の定義は上記と同じである
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のスルフヒドリル変性ヒアルロン酸化合物。
  6. 1)ヒアルロン酸のアクリロイル化ステップ、即ち、ヒアルロン酸の繰り返し単位の側鎖に含まれる-COOH、-OHの少なくとも1種を下記基に直接又は間接に結合するステップと、
    Figure 2023502470000043

    (R1は、水素、ハロゲン、脂肪族基、芳香族基などから選ばれ、R2とR3は、相同又は相異であり、互いに独立して水素、ハロゲン、脂肪族基、芳香族基などから選ばれ、*は結合点を表す)
    2)アクリロイル化されたヒアルロン酸をポリスルフヒドリル化合物HS-R4-SHと反応させ(R4の定義は上記と同じである)、前記スルフヒドリル変性ヒアルロン酸を調製するステップと、を含む、
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のスルフヒドリル変性ヒアルロン酸の調製方法。
  7. 前記ステップ1)はヒアルロン酸のアクリロイル化ステップであり、ヒアルロン酸の繰り返し単位の側鎖に含まれる-COOH、-OHの少なくとも1種をR基により前記末端基に結合し、又は、前記末端基に直接結合して以下の構造の少なくとも1種である側鎖を形成することであり、
    Figure 2023502470000044

    上記a構造、b構造、c構造及びd構造において、R、R1、R2、R3及びR4の定義は上記と同じであり、*は結合点を表す、
    ことを特徴とする請求項6に記載の調製方法。
  8. ステップ1)において、前記アクリロイル化ステップは、変性されるヒアルロン酸とアクリレート化合物との反応により実現されてもよく、変性されるヒアルロン酸と塩化アクリロイル化合物又は無水アクリル酸化合物との反応により実現されてもよい、ことを特徴とする請求項7に記載の調製方法。
  9. ステップ2)において、ポリスルフヒドリル化合物HS-R4-SHとの反応は溶媒中で行われ、
    好ましくは、ステップ2)において、ポリスルフヒドリル化合物HS-R4-SHとの反応は低温から高温の条件下で行われ、
    好ましくは、ステップ2)において、ポリスルフヒドリル化合物HS-R4-SHとの反応のpH範囲は-1~15である、
    ことを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載の調製方法。
  10. 抗酸化健康製品、生物医学、医療美容と形成外科、及び化粧品などの分野に適用される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のスルフヒドリル変性ヒアルロン酸の用途。
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