JP2023173441A - 現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期使用後においても安定した帯電性を有する正帯電トナーと磁性キャリアを含む現像剤の提供。【解決手段】正帯電トナー、磁性キャリア、有機ケイ素重合体微粒子を含有する現像剤であって、磁性キャリアコア粒子の表面に存在する樹脂被覆層を有し、樹脂被覆層は、磁性キャリアの表面における窒素元素の比率をN1(原子%)、ケイ素元素の比率をS1(原子%)、フッ素元素の比率をF1(原子%)とし、磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置における窒素元素の比率をN2(原子%)、ケイ素元素の比率をS2(原子%)、フッ素元素の比率をF2(原子%)としたとき、N1、S1、F1、N2、S2およびF2が、0.1≦N1≦1.5、0.3≦S1≦5.0、45.0≦F1≦65.0、S1<S2、S1/N1<S2/N2、F1>F2を満たし、有機ケイ素重合体微粒子の一次粒子の個数平均粒径が0.05μm以上0.20μm以下。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、及び静電記録法などに用いられる静電荷像を現像するための、正帯電トナーと磁性キャリアを含む現像剤に関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及し、印刷市場への適用も始まっている。印刷市場では、幅広いメディア(紙種)に対応しながら、高速、高画質、高生産性が要求されるようになってきている。
高画質化の為には、トナーの帯電特性を安定化する必要がある。トナーの帯電特性を安定化する為に、外添剤の検討が種々行われている。例えば、特許文献1では、カチオン系界面活性剤が付着した樹脂微粒子と表面にアニオン界面活性剤が付着した樹脂微粒子を外添することで長期安定性を向上させたトナーが開示されている。
一方で、二成分系の現像剤において、トナー由来成分のキャリアへの移行により、帯電能が低下することは広く知られており、キャリアの低表面自由エネルギー化のため、フッ素樹脂コートを行うことも広く知られている。それを改善する例として、特許文献2では、含フッ素シランカップリング剤及び正帯電特性を有する組成物を含有させた磁性キャリアが開示されている。
特開2018-185465号公報 特開2003-280286号公報
フッ素樹脂は正帯電トナーへの帯電性が高く、磁性キャリアのコート樹脂としても非常に有用である。しかしながら、フッ素樹脂コートは脆い性質があり、正帯電トナーへの帯電性を向上させるためにフッ素の含有率が高い場合には、特許文献2に開示されている技術を用いても長期安定性に課題が生じる場合があった。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、長期使用においてもキャリアのフッ素樹脂コートの劣化を抑制し、長期使用後においても安定した帯電性を有する、正帯電トナーと磁性キャリアを含む現像剤を提供することである。
本発明は、正帯電トナー、磁性キャリア、有機ケイ素重合体微粒子を含有する現像剤であって、
前記磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子及び前記磁性キャリアコア粒子の表面に存在する樹脂被覆層を有し、
前記樹脂被覆層は、窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素を含有しており、
前記磁性キャリアの表面におけるX線光電子分光分析で検出される窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素、炭素元素及び酸素元素の総和を基準として、前記磁性キャリアの表面における窒素元素の比率をN1(原子%)、ケイ素元素の比率をS1(原子%)、フッ素元素の比率をF1(原子%)とし、
前記磁性キャリアの表面から深さ40nm位置におけるX線光電子分光分析で検出される窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素、炭素元素及び酸素元素の総和を基準として、前記磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置における窒素元素の比率をN2(原子%)、ケイ素元素の比率をS2(原子%)、フッ素元素の比率をF2(原子%)としたとき、
前記N1、S1、F1、N2、S2およびF2が、
0.1≦N1≦1.5
0.3≦S1≦5.0
45.0≦F1≦65.0
S1<S2
S1/N1<S2/N2
F1>F2
を満たし、
前記有機ケイ素重合体微粒子の一次粒子の個数平均粒径が0.05μm以上0.20μm以下であることを特徴とする現像剤に関する。
本発明によれば、長期使用後においても安定した帯電性を有する正帯電トナーと磁性キャリアを含む現像剤を提供することができる。
本発明において、数値範囲を示す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明は、正帯電トナー、磁性キャリア、有機ケイ素重合体微粒子を含有する現像剤であって、
前記磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子及び前記磁性キャリアコア粒子の表面に存在する樹脂被覆層を有し、
前記樹脂被覆層は、窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素を含有しており、
前記磁性キャリアの表面におけるX線光電子分光分析で検出される窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素、炭素元素及び酸素元素の総和を基準として、前記磁性キャリアの表面における窒素元素の比率をN1(原子%)、ケイ素元素の比率をS1(原子%)、フッ素元素の比率をF1(原子%)とし、
前記磁性キャリアの表面から深さ40nm位置におけるX線光電子分光分析で検出される窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素、炭素元素及び酸素元素の総和を基準として、前記磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置における窒素元素の比率をN2(原子%)、ケイ素元素の比率をS2(原子%)、フッ素元素の比率をF2(原子%)としたとき、
前記N1、S1、F1、N2、S2およびF2が、
0.1≦N1≦1.5
0.3≦S1≦5.0
45.0≦F1≦65.0
S1<S2
S1/N1<S2/N2
F1>F2
を満たし、
前記有機ケイ素重合体微粒子の一次粒子の個数平均粒径が0.05μm以上0.20μm以下であることを特徴とするものである。
本発明者らが鋭意検討した結果、磁性キャリアの樹脂被覆層表面に窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素を所定濃度で含有させ、樹脂被覆層の厚さ方向に分布を持たせ、所定の個数平均粒径の有機ケイ素重合体微粒子をトナー及び磁性キャリアと共に含有させることによって、上記課題を解決できることを見出した。
上記課題を解決するに至った理由を、本発明者らは以下のように推測している。
まず、磁性キャリアの樹脂被覆層表面のフッ素元素の含有量F1(原子%)を45.0%以上とすることで正帯電トナーへの高い帯電付与性能が得られる。一方、F1(原子%)を65.0%以下とすることで、樹脂被覆層の機械的強度が担保され長期安定性が得られる。より好ましいF1(原子%)の範囲は46.0%以上62.0%以下である。
また、磁性キャリアの樹脂被覆層表面のケイ素元素の含有量S1(原子%)を0.3%以上とし、樹脂被覆層の表面から深さ40nmの位置におけるケイ素元素の含有量S2(原子%)、フッ素元素の含有量F2(原子%)としたときに、それぞれの元素の含有量が、F1>F2、S1<S2を満たすことで、磁性キャリアコアに対する樹脂被覆層の密着性が向上し、長期安定性が得られる。一方、磁性キャリアの樹脂被覆層表面のケイ素元素の含有量S1(原子%)を5.0%以下とすることで、正帯電トナーへの高い帯電付与性能が維持される。より好ましいS1(原子%)の範囲は0.35%以上4.50%以下である。
次に、磁性キャリアの樹脂被覆層表面の窒素元素の含有量N1(原子%)を0.1%以上とすることで、樹脂被覆層に正に分極する部分が形成され、負帯電しやすい有機ケイ素重合体微粒子を樹脂被覆層の表面に担持しやすくなる。一方、N1(原子%)を1.5%以下とすることで、正帯電トナーへの高い帯電付与性能が得られる。また、S1/N1<S2/N2とすることで、磁性キャリアコアに対する樹脂被覆層の密着性が向上し、長期安定性が得られる。
最表層の原子比率や最表層から深さ40nm位置での原子比率は、磁性キャリアコア粒子の樹脂被覆層を多段コートして、各層に使用する樹脂の種類や添加量により調整可能である。
さらに、現像剤中に所定の一次粒子の個数平均粒径の有機ケイ素重合体を含有することによって、前述した通り、樹脂被覆層表面の窒素元素を含む領域が正に分極し、負帯電しやすい有機ケイ素重合体微粒子との間に引力が働き、磁性キャリア表面に有機ケイ素重合体微粒子が担持されやすい。弾性特性を有する有機ケイ素重合体微粒子は磁性キャリアの樹脂被覆層が受ける応力を緩和し、樹脂被覆層のダメージを軽減できる。その結果、長期安定性が得られる。
本発明の現像剤は、正帯電トナー用に適した構成である。まず、本発明の現像剤に適した磁性キャリアについて説明する。
<磁性キャリア>
磁性キャリアコアとしては、通常のフェライト、マグネタイト等の磁性キャリアや樹脂コートキャリアを使用することができる。また、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型の磁性キャリアコアも用いることができる。
本発明の磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子と磁性キャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂被覆層からなる。樹脂被覆層に用いられる樹脂としては、フッ素元素を含有する樹脂、ケイ素元素を含有する樹脂、窒素元素を含有する化合物である。
本発明の磁性キャリアにおける樹脂被覆層のフッ素元素を含有する樹脂としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリトリフルオロエチレン(より具体的には、ポリクロロトリフルオロエチレン等)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、及びテトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)からなる群より選択される1種以上の樹脂が好ましく、FEP又はPFAが特に好ましい。
フッ素元素を含有する樹脂の添加量としては、磁性キャリアコア100質量部に対して0.40質量部以上5.20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.55質量部以上4.90質量部以下である。
本発明の磁性キャリアにおける樹脂被覆層のケイ素元素を含有する樹脂としては、シリコーン樹脂などが挙げられるが、ジメチルシリコーン樹脂又はメチルフェニルシリコーン樹脂が好ましい。中でも特に好ましいのはジメチルシリコーン樹脂である。シリコーン樹脂は、主鎖としてシロキサン結合「Si-O-Si」を有し、側鎖として有機基を有する。ジメチルシリコーン樹脂は、側鎖の有機基としてメチル基のみを有する。メチルフェニルシリコーン樹脂は、側鎖の有機基としてメチル基及びフェニル基を有する。シリコーン樹脂が優れた耐久性を有するためには、シリコーン樹脂の主鎖(シロキサン結合:Si-O-Si)同士が3次元的につながっていることが好ましい。ケイ素元素を含有する樹脂の添加量としては、磁性キャリアコア100質量部に対して0.15質量部以上1.60質量部以下であることが好ましい。
本発明の磁性キャリアにおける樹脂被覆層の窒素元素を含有する化合物としては、含窒素系樹脂や含窒素化合物が挙げられる。含窒素系樹脂としては、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、スルホンアミド系樹脂、グリオキザール系樹脂、グアナミン系樹脂、又はアニリン系樹脂が挙げられる。また、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、含フッ素系ポリアミドイミド樹脂等も好ましく使用できる。また含窒素化合物としては、アミノシランカップリング剤等も好ましく使用できる。窒素元素を含有する化合物の添加量としては、磁性キャリアコア100質量部に対して0.03質量部以上0.14質量部以下であることが好ましい。
本発明のように、磁性キャリア最表層から深さ40nm位置に向けてケイ素原子の比率が増加し、フッ素原子の比率は減少するような具体的な方法としては、まず、第一被覆層としてシリコーン樹脂を被覆する。その際にアミノシランカップリング剤をシリコーン樹脂に添加しても良い。次に第二被覆層としてフッ素含有樹脂を被覆する。
最表層の原子比率や最表層から深さ40nm位置での原子比率は、使用する樹脂の種類や添加量により調整可能である。
樹脂コートキャリアは、上記のフッ素元素を含有する樹脂、ケイ素元素を含有する樹脂、窒素元素を含有する化合物以外に、以下に示すものを併用して使用することも可能である。スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン-アクリル系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂;ポリビニルブチラール;アミノアクリレート樹脂が挙げられる。その他には、アイオモノマー樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂が挙げられる。
また、磁性キャリア表面の算術平均粗さRa(μm)は、本発明に用いる有機ケイ素重合体微粒子の個数平均粒径D(μm)に対して、Ra<D(Ra/D<1.0)が好ましい範囲である。有機ケイ素重合体微粒子が磁性キャリの表面に担持され、磁性キャリアの樹脂被覆層が受ける応力を緩和させる効果を得ている。しかし、Ra≧Dの場合、有機ケイ素重合体微粒子が応力を緩和する効果が得られにくくなる。更に、Ra>D/10が好ましい範囲であった。Raが小さ過ぎると、有機ケイ素重合体微粒子が磁性キャリア表面に担持され難くなる場合があった。その結果、有機ケイ素重合体微粒子が応力を緩和する効果が得られにくい。
なお、磁性キャリア表面の算術平均粗さRaは、磁性キャリアコア粒子の表面形状や磁性キャリアの被覆樹脂層の膜厚などで制御できる。被覆樹脂層の膜厚を厚くすると磁性キャリアコアの表面形状に対して平滑にする効果が得られるので、Raを小さくすることができる。
次に、本発明の磁性キャリアに係る物性の測定方法を説明する。
[磁性キャリアのX線光電子分光法による元素分析方法]
磁性キャリアの元素分析は、X線光電子分光分析(XPS)を用いて、以下のように測定する。測定サンプルとしては、XPS専用プラテン上に加工されたφ2mm・深さ2mmのサンプルセット孔に、磁性キャリアをセットする。そして、下記XPS装置により、X線照射箇所およびGCIB照射によるスパッタリング箇所を、上記サンプルセット孔部に設定する。
使用装置:アルバック・ファイ社製 PHI5000VersaProbeII
照射線:Al-Kα線
ビーム径:100μ
出力:25W15kV
光電子取り込み角度:45°
PassEnergy:58.70eV
Stepsize:0.125eV
XPSピーク:F1s、Si2p、N1s、C1s、O1s
測定範囲:300μm×200μm
以上の条件より、窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素、炭素元素及び酸素元素の総和を基準としてN1、S1、F1(原子%)の測定を行った。
更に、以下のスパッタ条件により、磁性キャリア表面から深さ40nmの位置までスパッタを行い、上記測定条件により測定した値を、窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素、炭素元素及び酸素元素の総和を基準とするN2、S2、F2(原子%)とした。
GUNタイプ:GCIB
SputterSetting:20kV
なお、深さ40nmの位置に関しては、事前にスパッタレート(時間に対する深さのレート)を測定し、40nmに相当するスパッタ時間を算出し、該当する時間スパッタすることで、深さ40nmの位置とした。
[磁性キャリアの表面粗さRaの測定]
本発明においては、非接触3次元表面測定機(マイクロマップ123(株)菱化システム社)を用いて測定した。この測定機は、高精度レーザー顕微鏡であり、観察している面内の表面粗さを3次元化することができる。以下に、測定方法の具体例を示す。
上記マイクロマップの光学顕微鏡部に20倍の二光束干渉対物レンズを装着した。レンズ下に磁性キャリア粒子を配置し、表面形状画像をWaveモードでCCDカメラを用いて干渉像を垂直走査させて磁性キャリア粒子表面の3次元画像を得た。得られた画像を、上記測定機に付随している解析ソフト(SX-Viewer(株)菱化システム社)を用いて、切断線における断面の表面粗さRaを測定した。
本発明では、磁性キャリア粒子表面の凹凸に対し、より曲率の影響を排除する為、測定条件は、切断長さを24μm、評価長さを8μm、カットオフ値を8μmとし、3次元画像上の磁性キャリア粒子の中心と切断線の中点を合わせ、表面粗さRaを算出した。なお、本発明における表面粗さRaは、50個の磁性キャリア粒子について測定し、その平均値として得られた値である。
以下に、本発明の現像剤に適した有機ケイ素重合体微粒子について説明する。
<有機ケイ素重合体微粒子>
本発明において、有機ケイ素重合体微粒子の一次粒子の個数平均粒径が0.05μm以上0.20μm以下であることが必要である。有機ケイ素重合体微粒子の個数平均粒径が下限値を下回ると、有機ケイ素重合体微粒子使用によるキャリア樹脂被覆層の十分な保護効果が得られない。有機ケイ素重合体微粒子の個数平均粒径が上限値を超えると、磁性キャリア表面への有機ケイ素重合体微粒子の担持が弱く、この場合もキャリア樹脂被覆層の十分な保護効果が得られない。
また、本発明に適した有機ケイ素重合体微粒子は、シロキサン結合の密度によって、硬度の調整が可能であり、キャリアの被覆樹脂層が受ける応力を緩和し、樹脂被覆層のダメージを軽減する役割を果たす。
本発明に適した有機ケイ素重合体微粒子の硬さは、シロキサン結合の密度と相関する。したがって、下記(a)、(b)、(c)、(d)で表される部分構造の比率によって制御可能である。
Figure 2023173441000001
なお、前記(a)、(b)、(c)、(d)で表される部分構造中のR1、R2、R3、R4、R5、R6はケイ素に結合している、炭素数1以上6以下のアルキル基などの有機基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基又はアルコキシ基を示す。
本発明に適用する有機ケイ素重合体微粒子は、前記(a)、(b)、(c)、(d)で表される部分構造から選択される少なくともいずれか1つの部分構造を有する重合体微粒子が好ましい。
中でも、前記(a)で表される部分構造と、前記(b)、(c)、(d)で表される部分構造からなる群から選択される少なくともいずれか1つの部分構造を有する重合体微粒子が好ましい。前記(a)で表される部分構造を含有することで、3次元的な構造が安定し、前記(b)、(c)、(d)を含有させることで、硬さの制御がしやすくなっていると考えられる。
特に、前記(a)で表される部分構造と、前記(c)で表される部分構造を有する重合体微粒子はその比率によって、硬さの制御の点でより適している。
有機ケイ素重合体微粒子による磁性キャリアの被覆樹脂層のダメージを軽減するためには、有機ケイ素重合体微粒子のヤング率をE1(MPa)としたとき、E1は2000以上10000以下が好ましい。E1が2000未満の場合、有機ケイ素重合体微粒子が変形しやすく長期安定性が低下する場合がある。一方、10000より高くなると、磁性キャリアの被覆樹脂層へ埋め込まれることによって、長期安定性が低下する場合がある。
本発明の現像剤において、有機ケイ素重合体微粒子の適切な含有量は、磁性キャリアに対して0.5質量%以上2.0質量%以下である。0.5質量%以上とすることで、被覆樹脂層のダメージを軽減できた。一方、2.0質量%以下とすることで、キャリア表面とトナーとの摩擦が担保されるため、高い帯電付与性が得られた。
磁性キャリア粒子と該トナー粒子とを電界によって分離した際に、有機ケイ素重合体微粒子による磁性キャリア表面の被覆率は10面積%以上50面積%以下が好ましい範囲であった。有機ケイ素重合体微粒子による磁性キャリア表面の被覆率が10面積%以上とすることで、被覆樹脂層のダメージを軽減する観点で好ましい。50面積%以下とすることで、キャリア表面とトナーとの摩擦が担保されるため、高い帯電付与性が得られた。
<有機ケイ素重合体微粒子の製造方法>
本発明に適用する有機ケイ素重合体微粒子の製造方法は、特に限定されないが、ゾルゲル法によるシランモノマーの加水分解、縮重合反応を経て粒子を形成することが好ましい。具体的には、(a)シロキサン結合を4つ有する4官能モノマー、(b)シロキサン結合を3つ有する3官能モノマー、(c)シロキサン結合を2つ有する2官能モノマー、(d)シロキサン結合を1つ有する1官能モノマーの中から選択したモノマーの混合体を加水分解、及び縮重合反応によりポリマー化させることによって粒子を形成する。本発明で使用する4官能モノマーは、溶媒との加水分解性などによって適宜選択できるが、テトラエトキシシランであることが好ましい。3官能モノマーとしては、トリメトキシメチルシランであることが好ましい。2官能モノマーとしては、ジメチルジメトキシシランであることが好ましい。1官能モノマーとしては、トリメチルメトキシシランであることが好ましい。
本発明者らは製造方法において、上記モノマーの混合比率、加水分解、及び縮合反応時の溶媒温度、触媒の種類、撹拌時間、及び溶液のpHなどを調整することによって上記の効果が発現する有機ケイ素重合体微粒子を作製した。
次に、本発明の有機ケイ素重合体微粒子に係る物性の測定方法を説明する。
[有機ケイ素重合体微粒子の一次粒子の個数平均粒径の測定方法]
まず、電界分離式帯電量測定装置を用いて現像剤から磁性キャリアの分離を行った。得られた磁性キャリアに付着している有機ケイ素重合体微粒子を以下の方法により分離して測定した。
まず、イオン交換水100gに、Triton-X100(キシダ化学(株)製)を0.5mg入れて、分散媒を作製する。この分散媒10gに、磁性キャリア5gを添加し、超音波分散機で5分間分散させる。その後、ネオジム磁石を用いてトナー粒子を拘束し、上澄み液を作製する。
シリンジで採取した上澄み液をCPS Instruments社遠心沈降粒度分布測定装置DC24000により一次粒子の個数平均粒径を測定した。ディスクの回転数は18000rpmに設定し、真密度は1.3g/cm3に設定した。測定前に、平均粒径0.476μmのポリ塩化ビニル粒子を使用して装置の校正を行った。
<固体29Si-NMRによる有機ケイ素重合体微粒子の部分構造比の測定方法>
29Si-NMRでは、有機ケイ素重合体微粒子の部分構造のSiに結合する官能基の構造によって、異なるシフト領域にピークが検出される。
各ピーク位置は標準サンプルを用いて特定することでSiに結合する構造を特定することができる。また得られたピーク面積から各構成化合物の存在量比を算出することができる。全ピーク面積に対してQ単位構造、T単位構造、D単位構造、及び、M単位構造のピーク面積の割合を計算によって求めることができる。
固体29Si-NMRの測定条件は、具体的には下記の通りである。
装置:JNM-ECX5002 (JEOL RESONANCE)
温度:室温
測定法:DDMAS法 29Si 45°
試料管:ジルコニア3.2mmφ
試料:試験管に粉末状態で充填
試料回転数:10kHz
relaxation delay :180s
Scan:2000
該測定後に、サンプル又は有機ケイ素重合体微粒子の、置換基及び結合基の異なる複数のシラン成分をカーブフィティングにて前記(a)、(b)、(c)、(d)で表される部分構造に起因したピーク分離して、それぞれピーク面積を算出する。
前記(a)で表される部分構造に起因したピーク面積をSa、前記(b)で表される部分構造に起因したピーク面積をSb、前記(c)で表される部分構造に起因したピーク面積をSc、前記(d)で表される部分構造に起因したピーク面積をSdとし、Sa+Sb+Sc+Sd=Sとする。
なお、構造をさらに詳細に確認する必要がある場合、上記13C-NMR及び29Si-NMRの測定結果と共に1H-NMRの測定結果によって同定してもよい。
このようにして求めた、S、Sa、Sb、Sc、及びSdからSa/S、Sb/S、Sc/S、及びSd/Sを算出する。
[キャリア表面における有機ケイ素重合体微粒子の被覆率]
被覆率は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S-4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたキャリア表面画像を、画像解析ソフトImage-Pro Plus ver.5.0((株)日本ローパー)により解析して算出する。S-4800の画像撮影条件は以下のとおりである。
(1)試料作製
まず、電界分離式帯電量測定装置を用いて現像剤から磁性キャリアの分離を行った。
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にキャリアを吹きつける。さらにエアブローして、余分なキャリアを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(2)S-4800観察条件設定
被覆率の算出は、S-4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。被覆率を測定する際には、予めエネルギー分散型X線分析装置(EDAX)による元素分析や、粒径・形状による判別を行い、キャリア表面における被覆率を測定したい有機ケイ素重合体微粒子以外の粒子を除外した上で測定を行う。例えば、有機ケイ素重合体微粒子とシリカなどその他の外添剤とは、前述したSEMによる形状観察及びEDSによる元素分析を組み合わせて区別すことができる。
S-4800の筺体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S-4800の「PC-SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20~40μAであることを確認する。試料ホルダをS-4800筺体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[1.1kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]および[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[4.5mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)焦点調整
操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャー]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を50,000(50k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと被覆率の測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析する。
(4)画像保存
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。トナー一つに対して写真を1枚撮影し、少なくともトナー25粒子以上について画像を得る。
(5)画像解析
本発明では下記解析ソフトを用いて、上述した手法で得た画像を2値化処理することで被覆率を算出する。このとき、上記一画面を正方形で12分割してそれぞれ解析する。画像解析ソフトImage-Pro Plus ver.5.0の解析条件は以下のとおりである。
ソフトImage-ProPlus5.1J
ツールバーの「測定」から「カウント/サイズ」、「オプション」の順に選択し、二値化条件を設定する。オブジェト抽出オプションの中で8連結を選択し、平滑化を0とする。その他、予め選別、穴を埋める、包括線は選択せず、「境界線を除外」は「なし」とする。ツールバーの「測定」から「測定項目」を選択し、面積の選別レンジに2~107と入力する。
被覆率の計算は、正方形の領域を囲って行う。このとき、領域の面積(C)は24,000~26,000ピクセルになるようにする。「処理」-2値化で自動2値化し、被覆率を測定したい外添剤の無い領域の面積の総和(D)を算出する。
正方形の領域の面積C、被覆率を測定したい外添剤の無い領域の面積の総和Dから下記式で被覆率が求められる。
被覆率(%)=100-(D/C×100)
得られた全データの平均値を被覆率とする。
以下に、本発明の現像剤に適したトナーについて説明する。
<トナー>
トナー粒子は公知の結着樹脂を用いることができる。例えば、結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。
(結着樹脂)
スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂。好ましく用いられる樹脂として、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリエステル樹脂とスチレン系共重合樹脂が混合又は両者が一部反応したハイブリッド樹脂が挙げられる。さらに好ましくは、結着樹脂として、ポリエステル樹脂を含む態様である。
本発明におけるトナー粒子は、結晶性ポリエステルを含有することが好ましい。結晶性ポリエステルを含有することで、転写時の放電の影響をより効果的に緩和することができ、エンボス転写性が良好となる。上記特性を効果的に得る上で、結晶性ポリエステルの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下含有することが好ましい。
結晶性ポリエステルの原料モノマーに用いられるアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,20-イコサンジオールなどの脂肪族ジオールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂肪族ジオールの含有量は、結晶性ポリエステルの結晶性をより高める観点から、アルコール成分中に80モル%以上100モル%以下含有されることが好ましい。
結晶性ポリエステルを得るためのアルコール成分としては、上記の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分を含有していても良い。例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物を含むビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
一方、結晶性ポリエステルの原料モノマーに用いられるカルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、さらにこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中に80モル%以上100モル%以下含有されることが好ましい。
結晶性ポリエステルを得るためのカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸化合物以外のカルボン酸成分を含有していても良い。例えば、芳香族ジカルボン酸化合物、3価以上の芳香族多価カルボン酸化合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。芳香族ジカルボン酸化合物には、芳香族ジカルボン酸誘導体も含まれる。芳香族ジカルボン酸化合物の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、並びにそれらのアルキル(炭素数1以上3以下)エステルが好ましく挙げられる。該アルキルエステル中のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1以上3以下)エステル等の誘導体が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の原料モノマーであるアルコール成分とカルボン酸成分とのモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、0.80以上1.20以下であることが好ましい。
(着色剤)
トナーに用いる場合の着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色の顔料としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが用いられ、また、マグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
イエロー色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12、13、14、15、17、23、62、65、73、74、81、83、93、94、95、97、98、109、110、111、117、120、127、128、129、137、138、139、147、151、154、155、167、168、173、174、176、180、181、183、191、C.I.バットイエロー1,3,20が挙げられる。染料としては、C.I.ソルベントイエロー19、44、77、79、81、82、93、98、103、104、112、162等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
シアン色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15;1、15;2、15;3、15;4、16、17、60、62、66等、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45が挙げられる。染料としては、C.I.ソルベントブルー25、36、60、70、93、95等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
マゼンタ色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,48;2、48;3、48;4、49,50,51,52,53,54,55,57,57;1、58,60,63,64,68,81,81;1、83,87,88,89,90,112,114,122,123,144、146,150,163,166、169、177、184,185,202,206,207,209,220、221、238、254等、C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35が挙げられる。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,52、58、63、81,82,83,84,100,109,111、121、122等、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27等、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40等、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、1質量部以上20質量部以下が好ましい。
(離型剤)
トナーに離型性を与えるために、離型剤(ワックス)を用いてもよい。本発明に用いられるワックスの一例としては、次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化型ワックス;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系共重合モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
特に好ましく用いられるワックスは、脂肪族炭化水素系ワックスである。例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒で重合した低分子量の炭化水素;石炭又は天然ガスから合成されるフィッシャートロプシュワックス;高分子量のオレフィンポリマーを熱分解して得られるオレフィンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素ワックス、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックスがよい。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものが、より好ましく用いられる。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。
これらワックスは、一種類を単独で使用してもよいし二種類以上を併用して使用してもよい。ワックスは、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下添加することが好ましい。
(荷電制御剤)
トナーは、荷電制御剤として、既知の荷電制御剤を用いることができる。正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、1,2,4-オキサジアジン、1,3,4-オキサジアジン、1,2,6-オキサジアジン、1,3,4-チアジアジン、1,3,5-チアジアジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、1,2,4,6-オキサトリアジン、1,3,4,5-オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンのようなアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ-ンBH/C、アジンディ-プブラックEW、およびアジンディープブラック3RLのようなアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体のようなニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZのようなニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライドのような4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの正帯電性の電荷制御剤の中では、より迅速な帯電の立ち上がり性が得られる点で、4級アンモニウム塩が特に好ましい。これらの正帯電性の電荷制御剤は、必要に応じて一種類又は二種類以上の荷電制御剤を併用してもかまわない。
正帯電性の電荷制御剤を使用する場合、その使用量は、荷電制御剤は結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下添加することが好ましい。
(外添剤)
本発明のトナーにおいては、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のために、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムのような金属酸化物が挙げられる。
中でも、シリカ微粉体をトナー粒子に外添することが好ましい。シリカ微粉体は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m2/g以上500m2/g以下であることが好ましく、50m2/g以上400m2/g以下であることがさらに好ましい。また、トナー粒子100質量部に対して、シリカ微粉体を0.01質量部以上8.00質量部以下用いることが好ましく、0.10質量部以上5.00質量部以下用いることがより好ましい。
シリカ微粉体のBET比表面積は、例えば比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)、GEMINI2360/2375(マイクロメティリック社製)、トライスター3000(マイクロメティリック社製)を用いてシリカ微粉体の表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
シリカ微粉体は、必要に応じ、疎水化、摩擦帯電性コントロールの目的で未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物又は、その他の有機ケイ素化合物のような処理剤で、あるいは種々の処理剤を併用して処理されていることも好ましい。特に正帯電トナーの場合、アミノシランカップリング剤や4級アンモニウム塩で表面処理されたものが好ましい。
さらに本発明のトナーには、必要に応じて他の外添剤を添加してもよい。このような外添剤としては、例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラ定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粉体が挙げられる。帯電補助剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナなどの金属酸化物が挙げられる。滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられる。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられる。
<トナーの製造方法>
本発明におけるトナーを製造する方法としては、特に限定されず、公知の方法によって製造することができる。例えば、粉砕法、乳化凝集法、懸濁重合法、溶解懸濁法などが挙げられる。
粉砕法により製造されるトナー粒子は、例えば下記のようにして製造される。
結着樹脂、着色剤及び必要に応じてその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミルのような混合機により充分混合する。
混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練する。その際、ワックス、磁性酸化鉄粒子及び含金属化合物を添加することもできる。
溶融混練物を冷却固化した後、粉砕及び分級を行い、トナー粒子を得る。この際、微粉砕時の排気温度を調整することで、トナー粒子の平均円形度を制御することができる。
さらに必要に応じて、トナー粒子と外添剤をヘンシェルミキサーのような混合機により混合し、トナーを得ることができる。
混合機としては、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)、メカノミル(岡田精工社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、トナー粒子の表面処理を行い、トナー粒子の平均円形度を制御することもできる。
分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラッシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
[トナー粒子の粒度分布測定]
次に本発明に関わるトナー粒子の粒度分布の測定方法に関して記載する。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
〔本発明の実施形態に含まれる構成〕
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)正帯電トナー、磁性キャリア、有機ケイ素重合体微粒子を含有する現像剤であって、
前記磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子及び前記磁性キャリアコア粒子の表面に存在する樹脂被覆層を有し、
前記樹脂被覆層は、窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素を含有しており、
前記磁性キャリアの表面におけるX線光電子分光分析で検出される窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素、炭素元素及び酸素元素の総和を基準として、前記磁性キャリアの表面における窒素元素の比率をN1(原子%)、ケイ素元素の比率をS1(原子%)、フッ素元素の比率をF1(原子%)とし、
前記磁性キャリアの表面から深さ40nm位置におけるX線光電子分光分析で検出される窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素、炭素元素及び酸素元素の総和を基準として、前記磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置における窒素元素の比率をN2(原子%)、ケイ素元素の比率をS2(原子%)、フッ素元素の比率をF2(原子%)としたとき、
前記N1、S1、F1、N2、S2およびF2が、
0.1≦N1≦1.5
0.3≦S1≦5.0
45.0≦F1≦65.0
S1<S2
S1/N1<S2/N2
F1>F2
を満たし、
前記有機ケイ素重合体微粒子の一次粒子の個数平均粒径が0.05μm以上0.20μm以下であることを特徴とする現像剤。
(構成2)該有機ケイ素重合体微粒子のヤング率をE1(MPa)としたとき、E1が10000以下である構成1に記載の現像剤。
(構成3)該有機ケイ素重合体微粒子が、該磁性キャリアに対して、0.5質量%以上2.0質量%以下含有されている構成1または2に記載の現像剤。
(構成4)該磁性キャリアと該トナーとを電界によって分離した際に、該有機ケイ素重合体微粒子による該磁性キャリア表面の被覆率が、10面積%以上50面積%以下である構成1~3のいずれかに記載の現像剤。
(構成5)該有機ケイ素重合体微粒子の一次粒子の個数平均粒径をD、該磁性キャリア表面の算術平均粗さをRaとしたとき、
Ra/D<1.0
を満たす構成1~4のいずれかに記載の現像剤。
(構成6)該有機ケイ素重合体微粒子が、
(i)上記(a)で表される部分構造と、
(ii)上記(b)で表される部分構造、上記(c)で表される部分構造、及び、上記(d)で表される部分構造からなる群から選択される少なくともいずれか1つの部分構造を有する構成1~5のいずれかに記載の現像剤。
(構成7)該有機ケイ素重合体微粒子が、該(a)で表される部分構造と、該(c)で表される部分構造を有する構成6に記載の現像剤。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。しかし、これらは本発明をなんら限定するものではない。以下の処方の「部」及び「%」は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<磁性キャリアコア粒子の製造例>
・Fe23 62.7部
・MnCO3 29.5部
・Mg(OH)2 6.8部
・SrCO3 1.0部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、ステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕及び混合した。得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。
このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
該仮焼フェライトをクラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、ジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。さらに、得られたスラリーを、湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
該フェライトスラリーに、仮焼フェライト100部に対して、分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム1.0部、及び、バインダーとしてのポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子の粒度を調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積基準の50%粒径(D50)が37.0μmの磁性キャリアコア粒子を得た。
<磁性キャリア1の製造例>
第1被覆工程(第1コート)として、表1に示すメチルエチルケトンで希釈されたシリコーン樹脂溶液(ジメチルシリコーン樹脂;固形分として磁性キャリアコア粒子100部に対して0.2部)を、被覆樹脂量が磁性キャリアコア粒子100部に対して0.2部になるよう流動床内に回転式底板ディスクと撹拌羽を設けて旋回流を形成させながら被覆を行う被覆装置を使用して、磁性キャリアコア粒子に塗布した。尚、上述の樹脂溶液は、流動床の装置内での移動方向に対して垂直な方向から噴霧した。
次いで、第2被覆工程(第2コート)として、表1に示すメチルエチルケトンで希釈されたシリコーン樹脂溶液(ジメチルシリコーン樹脂;固形分として磁性キャリアコア粒子100部に対して0.30部)と、メチルエチルケトンで希釈されたフッ素樹脂溶液(FEP;固形分として磁性キャリアコア粒子100部に対して2.67部)と、メチルエチルケトンで希釈された熱硬化型メラミン樹脂溶液(固形分として磁性キャリアコア粒子100部に対して0.030部)を十分な撹拌を行って混合し、キャリア被覆溶液を作製した。この被覆溶液を、流動床内に回転式底板ディスクと撹拌羽を設けて旋回流を形成させながら被覆を行う被覆装置を使用して、磁性キャリアコア粒子に塗布した。その後、得られたキャリアを流動床中で温度280℃で1時間乾燥して溶剤を除去後、磁性キャリア1を得た。
得られた磁性キャリアに対して、X線光電子分光法による元素分析を行った。分析結果を表2に示す。
<磁性キャリア2~12の製造例>
第1被覆工程として表1に示す樹脂または化合物を、磁性キャリアコア粒子100部に対して固形分が表1に示す部数となるよう混合し、それ以外は磁性キャリア1と同様に流動床による被覆装置を用いて被覆した。次に第2被覆工程として表1に示す樹脂または化合物を、磁性キャリアコア粒子100部に対して固形分が表1に示す部数となるよう混合し、それ以外は磁性キャリア1と同様に塗布した。その後、磁性キャリア1と同様に流動床中で加熱、乾燥させ、磁性キャリア2~12を得た。分析結果を表2に示す。
Figure 2023173441000002
Figure 2023173441000003
<有機ケイ素重合体微粒子1の製造例>
1.加水分解工程
200mlビーカーに、RO水43.2g、触媒として酢酸0.008gを仕込み、45℃で撹拌した。ここにテトラエトキシシラン27.2g、及びジメチルジメトキシシラン27.2gを加えて1.5時間撹拌し、原料溶液を得た。
2.縮重合工程
1000mlビーカーに、RO水68.8g、メタノール340.0g、25%アンモニア水2.0gを投入して30℃で撹拌し、アルカリ性水系媒体を調製した。このアルカリ性水系媒体に、1.加水分解工程で得た原料溶液を1分間かけて滴下した。この原料溶液を滴下後の混合液をそのまま30℃に保ったまま1.5時間撹拌して、重縮合反応を進行させ重縮合反応液を得た。
3.粒子化工程
2000mlビーカーにRO水1000gを投入し、これを25℃で撹拌しながら2.縮重合工程で得た重縮合反応液を10分間かけて滴下した。重縮合反応液が水に混ざるとすぐに白濁し、シロキサン結合を有するケイ素重合体粒子を含む分散液を得た。
4.疎水化工程
粒子化工程で得たシロキサン結合を有するケイ素重合体粒子を含む分散液に、疎水化剤としてヘキサメチルジシラザン27.1gを添加して、60℃で2.5時間撹拌した。5分静置して溶液下部に沈殿した粉体を吸引濾過で回収し、120℃で24時間減圧乾燥して有機ケイ素重合体微粒子1を得た。得られたトナー用外添剤粒子1の一次粒径の個数平均粒径は0.12μmであった。
<有機ケイ素重合体微粒子2の製造例>
加水分解工程において、撹拌温度を50℃に変更し、2.縮重合工程で使用する25%アンモニア水を1.5gに変更した以外は、有機ケイ素重合体微粒子1の製造例と同様にして有機ケイ素重合体微粒子2を得た。得られた有機ケイ素重合体微粒子2の物性を表3に示す。
<有機ケイ素重合体微粒子3の製造例>
加水分解工程において、撹拌温度を40℃に変更し、縮重合工程で使用する25%アンモニア水を2.3gに変更した以外は、トナー用外添剤粒子1の製造例と同様にしてトナー用外添剤粒子4を得た。得られたトナー用外添剤粒子5の物性を表3に示す。
<有機ケイ素重合体微粒子4の製造例>
加水分解工程において、テトラエトキシシランを33.8g、及びジメチルジメトキシシランを20.6gに変更した以外は、有機ケイ素重合体微粒子1の製造例と同様にして有機ケイ素重合体微粒子4を得た。得られた有機ケイ素重合体微粒子4の物性を表3に示す。
<有機ケイ素重合体微粒子5の製造例>
加水分解工程において、テトラエトキシシランを23.5g、及びジメチルジメトキシシランを30.9gに変更した以外は、有機ケイ素重合体微粒子1の製造例と同様にして有機ケイ素重合体微粒子5を得た。得られた有機ケイ素重合体微粒子5の物性を表3に示す。
<有機ケイ素重合体微粒子6の製造例>
加水分解工程において、テトラエトキシシラン及びジメチルジメトキシシランに替えて、トリメチルシラノールを54.4g用いたこと以外は、有機ケイ素重合体微粒子1の製造例と同様にして有機ケイ素重合体微粒子6を得た。得られた有機ケイ素重合体微粒子6の物性を表3に示す。
<有機ケイ素重合体微粒子7の製造例>
加水分解工程において、撹拌温度を50℃に変更し、縮重合工程で使用するRO水を98.8g、メタノールを310.0g、25%アンモニア水を1.5gに変更した以外は、有機ケイ素重合体微粒子1の製造例と同様にして有機ケイ素重合体微粒子7を得た。得られた有機ケイ素重合体微粒子7の物性を表3に示す。
<有機ケイ素重合体微粒子8の製造例>
加水分解工程において、撹拌温度を40℃に変更し、縮重合工程で使用するRO水を58.8g、メタノールを350.0g、25%アンモニア水を2.5gに変更した以外は、有機ケイ素重合体微粒子1の製造例と同様にして有機ケイ素重合体微粒子8を得た。得られた有機ケイ素重合体微粒子8の物性を表3に示す。
<有機ケイ素重合体微粒子9の製造例>
2000mlビーカーに、エタノール124.0gと、RO水24.0gと、28%アンモニア水10.0gを投入し、この溶液を70℃となるよう調整し、撹拌しながらテトラエトキシシラン232.0g、及び5.4%アンモニア水84.0gを共に0.5時間かけて滴下した。この滴下が終了した後、更に0.5時間撹拌を継続して加水分解を行うことにより、シロキサン結合を有するケイ素重合体粒子の分散液を得た。
上記工程で得たシロキサン結合を有するケイ素重合体粒子の分散液に、室温下でヘキサメチルジシラザン95.0gを添加した後、この分散液を50~60℃に加熱して3.0時間撹拌し、分散液中の粉体を吸引濾過で回収し、120℃で24時間減圧乾燥して有機ケイ素重合体微粒子9を得た。得られた有機ケイ素重合体微粒子9の物性を表3に示す。
Figure 2023173441000004
<トナー>
<結着樹脂1の製造例>
・ビスフェノールAエチレンオキサイド(2.2モル付加物) 50.0モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド(2.2モル付加物) 50.0モル部
・テレフタル酸 90.0モル部
・無水トリメリット酸 10.0モル部
上記ポリエステルユニットを構成するモノマー100部をチタンテトラブトキシド500ppmと共に5リットルオートクレーブに混合した。
そこに、還流冷却器、水分分離装置、N2ガス導入管、温度計及び撹拌装置を付し、オートクレーブ内にN2ガスを導入しながら230℃で縮重合反応を行った。所望の軟化点になるように反応時間を調整し、反応終了後、容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂1を得た。結着樹脂1のTmは130℃、Tgは57℃であった。
<結晶性ポリエステル1の製造例>
・1,10-デカンジカルボン酸 50モル部
・エチレングリコール 50モル部
上記モノマー及びモノマー総量に対して、0.2%のジブチル錫オキシドを、窒素導入管、脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した10Lの四つ口フラスコに入れ、180℃で4時間反応させた。その後、10℃/1時間で210℃まで昇温、210℃で8時間保持した後、8.3kPaにて1時間反応させることにより、結晶性ポリエステル1を得た。
<トナー粒子1>
・結着樹脂1 100部
・結晶性ポリエステル1 5部
・C.I.ピグメントブルー 15:3 4部
上記材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、二軸混練押し出し機によって、160℃で溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミルで微粉砕した。
得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)6.0μmのトナー粒子1を得た。
<トナー1の製造例>
トナー粒子1を100部に対して、疎水化処理したシリカ微粒子(アミノシランカップリング剤による表面処理、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が140m2/g)5.0部と酸化チタン微粒子0.5部を外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。
〔実施例1~14、比較例1~10〕
まず、表4-1に示す磁性キャリア1と有機ケイ素重合体微粒子1を、磁性キャリア90部に対して、有機ケイ素重合体微粒子が1.0部になるように、V型混合機(V-10型:株式会社徳寿製作所)を用いて、0.5s-1、回転時間5minの条件で混合した。
さらに、表4-1に示すトナー10部を加えて、V型混合機(V-10型:株式会社徳寿製作所)を用いて、0.5s-1、回転時間5minの条件で混合して現像剤1を調製した。
同様にして表4-1に示すトナーと磁性キャリアの組み合わせで現像剤2~24を作製し、得られた現像剤1~24を用いてそれぞれ以下の評価を行った。評価結果を表4-2に示す。
[評価]
<キャリア表面における有機ケイ素重合体微粒子の被覆率>
作製した現像剤について、前述した方法によって、キャリア表面における有機ケイ素重合体微粒子の被覆率を測定した。
<帯電特性評価>
画像形成装置として、imagePRESS C800(キヤノン製)を用い、現像剤担持体の露光を反転させ、直流電圧VDC、転写電流を自由に設定できるように改造し、正帯電トナー用現像剤の画像が出力できるようにした。この改造機のシアン位置の現像器に現像剤を入れ、紙上のトナーの載り量が所望になるように静電潜像担持体の帯電電圧VD、現像剤担持体の直流電圧VDC、レーザーパワーを調整した。それ以外は下記とした。
・紙:GFC-081(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
・紙上のトナーの載り量:0.35mg/cm2
・定着試験環境:高温高湿環境:温度30℃/湿度80%RH(以下「H/H」)
・評価画像:上記A4用紙の中心に2cm×5cmの画像を配置
静電潜像担持体上に上記評価画像を形成し、中間転写体に転写される前に、静電潜像担持体の回転を止め、静電潜像担持体上のトナーを金属円筒管と円筒フィルターを用いて吸引捕集することにより、トナーの摩擦帯電量を算出した。
具体的には、静電潜像担持体上のトナーの摩擦帯電量は、ファラデー・ケージ(Faraday-Cage)によって測定した。ファラデー・ケージとは、同軸の2重筒のことで内筒と外筒は絶縁されている。この内筒の中に電荷量Qの帯電体を入れたとすると、静電誘導によりあたかも電荷量Qの金属円筒が存在するのと同様になる。この誘起された電荷量をエレクトロメーター(ケスレー6517A ケスレー社製)で測定し、内筒中のトナー質量M(kg)で電荷量Q(mC)を割ったもの(Q/M)をトナーの摩擦帯電量とした。
トナーの摩擦帯電量(mC/kg)=Q/M
先ず、静電潜像担持体上に上記評価画像を形成し、中間転写体に転写される前に、静電潜像担持体の回転を止め、静電潜像担持体上のトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集し、初期のトナーの摩擦帯電量を測定した。ランクC以上であれば、本発明の効果が得られていると判断する。
A:トナーの摩擦帯電量の絶対値が、25.0mC/kg以上。
B:トナーの摩擦帯電量の絶対値が、20.0mC/kg以上、25.0mC/kg未満。
C:トナーの摩擦帯電量の絶対値が、15.0mC/kg以上、20.0mC/kg未満。
D:トナーの摩擦帯電量の絶対値が、15.0mC/kg未満。
<現像剤劣化の評価>
前述の画像形成装置のトナー容器に作製したトナーを入れ、1万枚の耐久試験を実施した。
・紙:GFC-081(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
・紙上のトナーの載り量:0.35mg/cm2
・定着試験環境:高温高湿環境:温度30℃/湿度80%RH(以下「H/H」)
・耐久試験用画像:上記A4用紙に画像面積率5%のテスト画像
耐久試験が終了した後、静電潜像担持体上に上記初期の帯電性特性の評価と同様の方法によって、耐久後のトナーの摩擦帯電量を測定した。現像剤劣化は以下の定義「現像剤劣化=初期のトナーの摩擦帯電量-耐久後のトナーの摩擦帯電量」とした。評価基準は以下の通りとした。ランクC以上であれば、本発明の効果が得られていると判断する。
A:現像剤劣化の絶対値が、3.0mC/kg未満。
B:現像剤劣化の絶対値が、3.0mC/kg以上、5.0mC/kg未満。
C:現像剤劣化の絶対値が、5.0mC/kg以上、8.0mC/kg未満。
D:現像剤劣化の絶対値が、8.0mC/kg以上。
Figure 2023173441000005
Figure 2023173441000006

Claims (7)

  1. 正帯電トナー、磁性キャリア、有機ケイ素重合体微粒子を含有する現像剤であって、
    前記磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子及び前記磁性キャリアコア粒子の表面に存在する樹脂被覆層を有し、
    前記樹脂被覆層は、窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素を含有しており、
    前記磁性キャリアの表面におけるX線光電子分光分析で検出される窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素、炭素元素及び酸素元素の総和を基準として、前記磁性キャリアの表面における窒素元素の比率をN1(原子%)、ケイ素元素の比率をS1(原子%)、フッ素元素の比率をF1(原子%)とし、
    前記磁性キャリアの表面から深さ40nm位置におけるX線光電子分光分析で検出される窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素、炭素元素及び酸素元素の総和を基準として、前記磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置における窒素元素の比率をN2(原子%)、ケイ素元素の比率をS2(原子%)、フッ素元素の比率をF2(原子%)としたとき、
    前記N1、S1、F1、N2、S2およびF2が、
    0.1≦N1≦1.5
    0.3≦S1≦5.0
    45.0≦F1≦65.0
    S1<S2
    S1/N1<S2/N2
    F1>F2
    を満たし、
    前記有機ケイ素重合体微粒子の一次粒子の個数平均粒径が0.05μm以上0.20μm以下であることを特徴とする現像剤。
  2. 該有機ケイ素重合体微粒子のヤング率をE1(MPa)としたとき、E1が10000以下である請求項1に記載の現像剤。
  3. 該有機ケイ素重合体微粒子が、該磁性キャリアに対して、0.5質量%以上2.0質量%以下含有されている請求項1または2に記載の現像剤。
  4. 該磁性キャリアと該トナーとを電界によって分離した際に、該有機ケイ素重合体微粒子による該磁性キャリア表面の被覆率が、10面積%以上50面積%以下である請求項1または2に記載の現像剤。
  5. 該有機ケイ素重合体微粒子の一次粒子の個数平均粒径をD、該磁性キャリア表面の算術平均粗さをRaとしたとき、
    Ra/D<1.0
    を満たす請求項1または2に記載の現像剤。
  6. 該有機ケイ素重合体微粒子が、
    (i)下記(a)で表される部分構造と、
    (ii)下記(b)で表される部分構造、下記(c)で表される部分構造、及び、下記(d)で表される部分構造からなる群から選択される少なくともいずれか1つの部分構造を有する請求項1または2に記載の現像剤。
    Figure 2023173441000007
    (R1~R6はそれぞれ炭素数が1以上6以下のアルキル基を表す。)
  7. 該有機ケイ素重合体微粒子が、該(a)で表される部分構造と、該(c)で表される部分構造を有する請求項6に記載の現像剤。
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