JP2023170147A - 半導体装置、半導体装置の製造方法及び電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロウ材を用いて絶縁回路基板と放熱部材とが接続された半導体装置及び半導体装置の製造方法にて、リフロー時におけるロウ材の濡れ広がりを改善可能とする。【解決手段】半導体チップ4が実装された絶縁回路基板3と、半田21を用いて絶縁回路基板3が接続される放熱器1とを備える電力変換装置Aであって、絶縁回路基板3と放熱器1との間に介装されると共に、半田21の表面に形成された酸化膜を除去するギ酸ガスGを吸着可能な多孔質金属シート9を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、半導体装置、半導体装置の製造方法及び電力変換装置に関するものである。
例えば、特許文献1には、半導体チップが実装された絶縁回路基板が半田を介してヒートシンクに設置された電力変換装置が開示されている。特許文献1の電力変換装置によれば、半導体チップで発生した熱が半田を介してヒートシンクに伝達される。ヒートシンクに伝達された熱は、外部に放出される。
特開2014-187818号公報
ところで、半導体チップが実装された絶縁回路基板をヒートシンク等の放熱部材に半田等のロウ材を用いて接合する場合には、いわゆるリフローが行われる。つまり、リフローにてロウ材が溶融され、溶融されたロウ材が再固化することで、絶縁回路基板が放熱部材に固定される。再固化したロウ材にボイドが形成されることを防ぐためには、ロウ材の表面に形成された酸化膜を除去する効果を有する還元ガスの雰囲気中でリフローを行うことがよい。ところが、絶縁回路基板と放熱部材との間にロウ材が挟まれているため、還元ガスがロウ材に接触し難く、リフロー時のロウ材の濡れ広がりが悪い。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、ロウ材を用いて絶縁回路基板と放熱部材とが接続された半導体装置、半導体装置の製造方法及び電力変換装置にて、リフロー時におけるロウ材の濡れ広がりを改善可能とすることを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
本発明の第1の態様は、半導体チップが実装された絶縁回路基板と、ロウ材を用いて上記絶縁回路基板が接続される放熱部材とを備える半導体装置であって、上記絶縁回路基板と上記放熱部材との間に介装されると共に、上記ロウ材の表面に形成された酸化膜を除去する還元ガスを吸着可能な多孔質部材を備えるという構成を採用する。
本発明の第2の態様は、半導体チップが実装された絶縁回路基板と、ロウ材を用いて上記絶縁回路基板が接続される放熱部材とを備える半導体装置の製造方法であって、上記絶縁回路基板と上記放熱部材との間に、還元ガスを吸着可能な多孔質部材と、上記ロウ材とを配置する介装工程と、上記ロウ材の表面に形成された酸化膜を除去する上記還元ガスの雰囲気中にて上記ロウ材を加熱する溶融工程とを有するという構成を採用する。
本発明によれば、絶縁回路基板と放熱部材との間に、還元ガスを吸着可能な多孔質部材が介装されている。このため、リフロー時に多孔質部材に吸着された還元ガスが多孔質部材の内部からロウ材に接触する。したがって、多孔質部材を設けない場合と比較して、還元ガスがロウ材に接触しやすくなり、リフロー時におけるロウ材の濡れ広がりを改善することが可能となる。
本発明の第1実施形態の電力変換装置の電気的な概略構成を示す回路図である。 本発明の第1実施形態の電力変換装置のパワーデバイスDを含む模式的な部分拡大図である。 図2のA-A断面図である。 本発明の第1実施形態の電力変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態の電力変換装置のパワーデバイスDを含む模式的な部分拡大断面図である。 本発明の第2実施形態の電力変換装置が備える多孔質金属シートの平面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法の一実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、本発明の半導体装置を車両に搭載される電力変換装置に適用した例について説明する。ただし、本発明は、電力変換装置に限定されるものではなく、半導体チップを備える半導体装置に適用可能である。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の電力変換装置Aの電気的な概略構成を示す回路図である。本実施形態の電力変換装置Aは、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に搭載されるPCU(パワーコントロールユニット)であり、昇降圧回路E1及び2つのインバータ回路(第1インバータ回路E2と第2インバータ回路E3)を備えている。また、本実施形態の電力変換装置Aは、昇降圧回路E1と2つのインバータ回路や、インバータ回路とモータを接続するバスバーBを備えている。
このような本実施形態の電力変換装置Aは、バッテリから供給された電力を三相交流電力に変換してモータに供給する。また、電力変換装置Aは、モータからの回生電力をバッテリに供給する。
図1に示すように、昇降圧回路E1は、4つのパワーデバイスDと、コンデンサCと、リアクトルLとを備えている。また、第1インバータ回路E2は、6つのパワーデバイスDを備えている。また、第2インバータ回路E3は、6つのパワーデバイスDを備えている。
各々のパワーデバイスDは、パワートランジスタを有している。これらのパワートランジスタは、半導体チップ4(図2参照)に形成され、絶縁回路基板3(図2参照)に実装されている。なお、本実施形態においては、1つのパワーデバイスDが1つのパワートランジスタを備える例について説明する。しかしながら、1つのパワーデバイスDが複数のパワートランジスタを備えてもよい。
図2は、1つのパワーデバイスDを含む電力変換装置Aの模式的な部分拡大図である。また、図3は、図2のA-A断面図である。これらの図に示すように、電力変換装置Aは、放熱器1(放熱部材)と、樹脂ケース2と、絶縁回路基板3と、半導体チップ4と、外部端子5と、リードフレーム6と、リードワイヤ7と、封止材8と、多孔質金属シート9(多孔質部材)とを備えている。なお、本実施形態では、パワーデバイスDは、絶縁回路基板3と、半導体チップ4とで構成されている。
放熱器1は、例えばウォータジャケットである。放熱器1は、半導体チップ4等を冷却する。放熱器1は、例えば冷却液を有しており、絶縁回路基板3等を介して半導体チップ4から伝達された熱を冷却液によって回収する。なお、図3においては、放熱器1の一部(天板部)のみを図示している。放熱器1の天板の表面(図3における上面)には樹脂ケース2等が配置されている。一方、天板の裏面(図3における下面)には複数のフィンが形成されている。フィンが形成された天板の裏面側には、例えば冷却液の水路が形成されている。
樹脂ケース2は、接着剤20を介して、放熱器1に接着されている。樹脂ケース2は、パワーデバイスDが収容される開口部2aを有している。樹脂ケース2は、パワーデバイスDの数と同数の開口部2aを有している。各々の開口部2aに対して1つのパワーデバイスDが収容されている。この樹脂ケース2は、バスバーBを保持している。図3に示すように、バスバーBは、リードフレーム6との接合箇所が開口部2aの内側に向けて露出された状態で保持されている。
絶縁回路基板3は、絶縁性セラミックス基板と、絶縁性セラミックス基板の両面に形成された金属層とを有する。絶縁性セラミックス基板の表側(図3における上面)に形成された金属層は、半導体チップ4と電気的に接続され、導電回路の一部を形成する。絶縁性セラミックス基板の裏側(図3における下面)に形成された金属層は、半導体チップ4等から伝わる熱を放熱器1に伝達する伝熱路の一部を形成する。
絶縁性セラミックス基板は、例えば、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、シリコン系セラミックス(SiNi)によって形成することができる。また、金属層は、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)によって形成することができる。
半導体チップ4は、例えば、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等の半導体素子が形成されたチップである。半導体チップ4は、絶縁回路基板3上に実装されている。本実施形態においては、1つの絶縁回路基板3に対して、1つの半導体チップ4が実装されている。なお、1つの絶縁回路基板3に対して複数の半導体チップ4が実装されていてもよい。このような半導体チップ4は、シリコン(Si)半導体を用いて形成することができる。また、半導体チップ4は、炭化ケイ素(SiC)半導体、窒化ガリウム(GaN)半導体等のワイドギャップ半導体を用いて形成することも可能である。
外部端子5は、樹脂ケース2に対して保持されている。外部端子5は、複数設けられており、各々がリードワイヤ7を介して半導体チップ4に接続されている。これらの外部端子5を介して外部から半導体チップ4が制御される。
リードフレーム6は、パワーデバイスDとバスバーBとを接続する板状の導電部材である。本実施形態においては、2つのリードフレーム6が1つのパワーデバイスDに対して接続されている。なお、1つのパワーデバイスDに対して接続されるリードフレーム6の数は、変更することができる。これらのリードフレーム6は、制御信号が流れるリードワイヤ7と比較して、大きな電流が流れる導電部材である。
本実施形態では、リードフレーム6として、第1リードフレーム6aと第2リードフレーム6bとが設けられている。第1リードフレーム6aは、半導体チップ4とバスバーBとに接続されている。また、第2リードフレーム6bは、絶縁回路基板3とバスバーBとに接続されている。
リードワイヤ7は、半導体チップ4と外部端子5とを接続する導電部材である。つまり、半導体チップ4と外部端子5とは、いわゆるワイヤボンディングによって電気的に接続されている。
封止材8は、樹脂ケース2の開口部2aの内部に充填されている。封止材8は、絶縁回路基板3及び半導体チップ4等を覆い、絶縁回路基板3及び半導体チップ4等が空気等に触れることを抑止する。この封止材8は、例えば、シリコーンゲルによって形成することができる。
多孔質金属シート9は、図3に示すように、放熱器1と絶縁回路基板3との間に介装されている。多孔質金属シート9は、微細孔を多数有する多孔質部材であり、後述するリフローにおいて用いられるギ酸ガスG(還元ガス)を吸着可能である。多孔質金属シート9は、微細孔にギ酸ガスGを取り込むことで、ギ酸ガスGを吸着可能である。
このような多孔質金属シート9は、金属材料によって形成されている。多孔質金属シート9が金属材料で形成されているため、絶縁回路基板3から放熱器1に効率的に熱を伝達することができる。多孔質金属シート9を形成する金属としては、例えばスズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)を用いることができる。これらの金属は、半田に対する濡れ広がりやすい。このため、多孔質金属シート9をスズ(Sn)、ニッケル(Ni)あるいは銅(Cu)で形成することで、半田の濡れ広がりを促進することができる。
また、多孔質金属シート9は、厚さ寸法が一定のシート形状に形成されている。このような多孔質金属シート9の表面(図3における上面)は絶縁回路基板3の下面と面接触している。また、多孔質金属シート9の裏面(図3における下面)は放熱器1の上面と面接触している。つまり、多孔質金属シート9は、絶縁回路基板3側の表面から放熱器1側の表面までの寸法が一定のシート形状に形成されている。
このような多孔質金属シート9は、粉末状の金属を焼結することで得られる焼結体を用いて形成することができる。また、多孔質金属シート9は、金属材を発泡させることで得られる発泡体を用いて形成することもできる。
多孔質金属シート9は、リフローにて溶融した半田21が再固化することで、絶縁回路基板3と放熱器1とに固定されている。なお、多孔質金属シート9の表面(図3における上面)を絶縁回路基板3の下面に対して直接的に面接合させてもよい。ここで言う面接合とは、半田等のロウ材が存在しなくても面同士が接合されることを意味する。つまり、多孔質金属シート9の表面(図3における上面)は、半田21がなくても絶縁回路基板3の下面に対して固定されていてもよい。このように、多孔質金属シート9の表面(図3における上面)を絶縁回路基板3の下面に対して直接的に面接合させておくことで、リフロー時に多孔質金属シート9が絶縁回路基板3に対して移動することを防止することが可能となる。
また、多孔質金属シート9の裏面(図3における下面)を放熱器1の上面に対して直接的に面接合させてもよい。つまり、多孔質金属シート9の裏面(図3における下面)は、半田21がなくても放熱器1の上面に対して固定されていてもよい。このように、多孔質金属シート9の裏面(図3における下面)を放熱器1の上面に対して直接的に面接合させておくことで、リフロー時に多孔質金属シート9が放熱器1に対して移動することを防止することが可能となる。
また、多孔質金属シート9は、一定の厚さ寸法を有するシート形状に形成されている。また、多孔質金属シート9の表面(図3における上面)は絶縁回路基板3の下面と面接触している。また、多孔質金属シート9の裏面(図3における下面)は放熱器1の上面と面接触している。このため、絶縁回路基板3から放熱器1までの距離が一定となり、絶縁回路基板3が放熱器1に対して傾斜していない。
また、本実施形態の電力変換装置Aには、ロウ材である半田21が各所に設けられている。具体的には、図3に示すように、第1リードフレーム6aとバスバーBとの接合箇所に半田21が設けられている。つまり、第1リードフレーム6aとバスバーBとは、半田21を用いて接合されている。また、第1リードフレーム6aと半導体チップ4との接合箇所に半田21が設けられている。つまり、第1リードフレーム6aと半導体チップ4とは、半田21を用いて接合されている。
また、半導体チップ4と絶縁回路基板3との間に半田21が設けられている。つまり、半導体チップ4と絶縁回路基板3とは、半田21を用いて接合されている。また、絶縁回路基板3と放熱器1との間に半田21が設けられている。つまり、絶縁回路基板3と放熱器1とは、半田21を用いて接合されている。なお、本実施形態においては、絶縁回路基板3と放熱器1との間の半田21が多孔質金属シート9を覆うように設けられている。
また、図3においては省略されているが、リードワイヤ7と外部端子5も半田を用いて接合されている。また、リードワイヤ7と半導体チップ4も半田を用いて接合されている。また、同様に、図3においては省略されているが、第2リードフレーム6bとバスバーBも、半田を用いて接合されている。また、第2リードフレーム6bと絶縁回路基板3も半田を用いて接合されている。
続いて、このような電力変換装置Aの製造方法の途中工程であるリフロー工程について、図4を参照して説明する。まず、図4(a)に示すように、封止材8が設けられていない状態で、接合を要する箇所に半田シート21aあるいは半田片21bを配置する。
具体的には、図4(a)に示すように、第1リードフレーム6aとバスバーBとの接合箇所に半田片21bを配置する。また、第1リードフレーム6aと半導体チップ4との接合箇所に半田シート21aを配置する。また、半導体チップ4と絶縁回路基板3との間に半田シート21aを配置する。また、絶縁回路基板3と多孔質金属シート9との間に半田シート21aを配置する。
なお、図4(a)に示すように、多孔質金属シート9は、例えば溶着や接着剤を用いることで、放熱器1の上面に対して面接合しておくことができる。また、多孔質金属シート9を、例えば溶着や接着剤を用いることで、絶縁回路基板3の下面に対して面接合しておくこともできる。このような場合には、多孔質金属シート9と放熱器1との間に半田シート21aを配置する。
また、図4(a)では省略されているが、リードワイヤ7と外部端子5との接合箇所と、リードワイヤ7と半導体チップ4との接合箇所にも半田シート21aあるいは半田片21bを配置する。また、同様に、図4(a)では省略されているが、第2リードフレーム6bとバスバーBとの接合箇所と、第2リードフレーム6bと絶縁回路基板3との接合箇所にも、半田シート21aあるいは半田片21bを配置する。
このような図4(a)に示す工程は、絶縁回路基板3と放熱器1との間に、ギ酸ガスG(還元ガス)を吸着可能な多孔質金属シート9と、ロウ材である半田シート21aあるいは半田片21bとを配置する介装工程である。
続いて、図4(b)に示すように、ギ酸ガスGの雰囲気中において、ロウ材である半田シート21a及び半田片21bを溶融させる。このとき、還元ガスであるギ酸ガスGの作用により、半田シート21a及び半田片21bの表面の酸化層が除去される。溶融された半田シート21a及び半田片21bは、接合箇所において濡れ広がる。
ここで、本実施形態においては、多孔質金属シート9の内部にギ酸ガスGが浸透し、多孔質金属シート9にギ酸ガスGが吸着される。つまり、多孔質金属シート9は、ギ酸ガスGが浸透可能である。このように多孔質金属シート9に浸透したギ酸ガスGは、絶縁回路基板3と放熱器1との間に配置された半田シート21aに接触する。このため、絶縁回路基板3と放熱器1との間に配置された半田シート21aの表面の広い範囲が還元処理される。したがって、半田を広範囲に濡れ広がらせることが可能となる。
このような図4(b)に示す工程は、多孔質金属シート9は、ロウ材の表面に形成された酸化膜を除去する還元ガスの雰囲気中にてロウ材を加熱する溶融工程である。なお、本実施形態では、還元ガスとしてギ酸ガスGを用いているが、例えば還元ガスとして水素ガスを用いることも可能である。
その後、溶融した半田を冷却して再固化させることで、接合を要する箇所に半田21が形成される。その後、樹脂ケース2の開口部2aに封止材8を設ける。
以上のような本実施形態の電力変換装置Aは、絶縁回路基板3と、放熱器1とを備えている。絶縁回路基板3は、半導体チップ4が実装されている。放熱器1は、半田21を用いて絶縁回路基板3が接続されている。また、本実施形態の電力変換装置Aは、多孔質金属シート9を備えている。多孔質金属シート9は、絶縁回路基板3と放熱器1との間に介装されている。また、多孔質金属シート9は、半田21の表面に形成された酸化膜を除去するギ酸ガスGを吸着可能である。
このような本実施形態の電力変換装置Aによれば、絶縁回路基板3と放熱器1との間に、ギ酸ガスGを吸着可能な多孔質金属シート9が介装されている。このため、リフロー時に多孔質金属シート9に吸着されたギ酸ガスGが多孔質金属シート9の内部から半田シート21aに接触する。したがって、多孔質金属シート9を設けない場合と比較して、ギ酸ガスGが半田シート21aに接触しやすくなり、リフロー時における半田の濡れ広がりを改善することが可能となる。
また、本実施形態の電力変換装置Aは、多孔質金属シート9が、金属材料によって形成されている。このため、多孔質部材がセラミックスや樹脂等で形成されている場合よりも、多孔質部材の熱伝導性を高めることができる。したがって、本実施形態の電力変換装置Aによれば、半導体チップ4の冷却効果を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の電力変換装置Aにおいては、多孔質金属シート9が、絶縁回路基板3側の表面から放熱器1側の表面までの寸法が一定のシート形状に形成されている。このため、多孔質金属シート9が絶縁回路基板3と放熱器1とに接触することで、絶縁回路基板3から放熱器1までの距離が一定となり、絶縁回路基板3が放熱器1に対して傾斜することを防止できる。
また、本実施形態の電力変換装置Aにおいては、多孔質金属シート9が、絶縁回路基板3及び放熱器1の少なくともいずれか一方に対して面接合されていてもよい。多孔質金属シート9の表面(図3における上面)が絶縁回路基板3の下面に対して直接的に面接合されている場合には、リフロー時に多孔質金属シート9が絶縁回路基板3に対して移動することを防止することが可能となる。また、多孔質金属シート9の裏面(図3における下面)を放熱器1の上面に対して直接的に面接合されている場合には、リフロー時に多孔質金属シート9が放熱器1に対して移動することを防止することが可能となる。したがって、本実施形態の電力変換装置Aによれば、多孔質金属シート9の位置決め精度を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の電力変換装置Aの製造方法は、介装工程と、溶融工程とを有する。介装工程は、絶縁回路基板3と放熱器1との間に、ギ酸ガスGを吸着可能な多孔質金属シート9と、半田21とを配置する工程である。溶融工程は、半田21の表面に形成された酸化膜を除去するギ酸ガスGの雰囲気中にて半田21を加熱する工程である。このような本実施形態の電力変換装置Aの製造方法によれば、絶縁回路基板3と放熱器1との間に、ギ酸ガスGを吸着可能な多孔質金属シート9が介装される。このため、リフロー時に多孔質金属シート9に吸着されたギ酸ガスGが多孔質金属シート9の内部から半田シート21aに接触する。したがって、多孔質金属シート9を設けない場合と比較して、ギ酸ガスGが半田シート21aに接触しやすくなり、リフロー時における半田の濡れ広がりを改善することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図5は、本実施形態の電力変換装置A1の1つのパワーデバイスDを含む模式的な部分拡大断面図である。図6は、本実施形態の電力変換装置A1が備える多孔質金属シート9の模式的な平面図である。
これらの図に示すように、本実施形態の電力変換装置A1が備える多孔質金属シート9は、複数の貫通孔9aを備えている。各々の貫通孔9aは、多孔質金属シート9の絶縁回路基板3側の表面から放熱器1側の表面に貫通するように形成されている。各々の貫通孔9aの内部は、半田21によって埋設されている。つまり、半田21は、貫通孔9aを介して、絶縁回路基板3と放熱器1とに接触している。
このような本実施形態の電力変換装置A1によれば、上記第1実施形態の電力変換装置Aと同様に、絶縁回路基板3と放熱器1との間に、ギ酸ガスGを吸着可能な多孔質金属シート9が介装されている。このため、リフロー時に多孔質金属シート9に吸着されたギ酸ガスGが多孔質金属シート9の内部から半田シート21aに接触する。したがって、多孔質金属シート9を設けない場合と比較して、ギ酸ガスGが半田シート21aに接触しやすくなり、リフロー時における半田の濡れ広がりを改善することが可能となる。
さらに、本実施形態の電力変換装置A1によれば、貫通孔9aでの毛細管現象によって、溶融した半田をより広範囲に濡れ広がらせることが可能になる。このため、本実施形態の電力変換装置A1によれば、リフロー時における半田の濡れ広がりをさらに改善することが可能となる。
なお、本実施形態においては、多孔質金属シート9がスズ(Sn)、ニッケル(Ni)あるいは銅(Cu)で形成されていることが好ましい。これらの金属は、半田が濡れ広がりやすい材料である。このため、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)あるいは銅(Cu)で多孔質金属シート9を形成することで、貫通孔9aでの毛細管現象をより確実に生じさせることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、多孔質部材として、多孔質金属シート9を用いる構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、多孔質部材として、セラミックスや樹脂によって形成された多孔質部材を用いることも可能である。このようなセラミックスや樹脂によって形成された多孔質部材であっても、還元ガスを吸着可能であれば、ロウ材の表面のより広い範囲に還元ガスを接触させることができ、ロウ材の濡れ広がりを改善することが可能となる。
また、上記実施形態においては、ロウ材として半田を用いる構成について説明した。つまり、本発明においてロウ材は半田を含む概念である。しかしながら、本発明のロウ材は半田に限定されるものではない。半田と異なるロウ材を用いる場合であっても、本発明によれば、ロウ材の表面の酸化膜をより確実に除去することが可能となる。
なお、上記実施形態については、例えば以下の付記のようにも記載できる。
(付記1)
半導体チップが実装された絶縁回路基板と、ロウ材を用いて上記絶縁回路基板が接続される放熱部材とを備える半導体装置であって、
上記絶縁回路基板と上記放熱部材との間に介装されると共に、上記ロウ材の表面に形成された酸化膜を除去する還元ガスを吸着可能な多孔質部材を備えることを特徴とする半導体装置。
(付記2)
上記多孔質部材は、金属材料によって形成されていることを特徴とする付記1記載の半導体装置。
(付記3)
上記多孔質部材は、上記絶縁回路基板側の表面から上記放熱部材側の表面に貫通すると共に内部に上記ロウ材が充填された貫通孔を有することを特徴とする付記1または2記載の半導体装置。
(付記4)
上記多孔質部材は、上記絶縁回路基板側の表面から上記放熱部材側の表面までの寸法が一定のシート形状に形成されていることを特徴とする付記1~3のいずれか一つの半導体装置。
(付記5)
上記多孔質部材は、上記絶縁回路基板及び上記放熱部材の少なくともいずれか一方に対して面接合されていることを特徴とする付記1~4のいずれか一つに記載の半導体装置。
(付記6)
半導体チップが実装された絶縁回路基板と、ロウ材を用いて上記絶縁回路基板が接続される放熱部材とを備える半導体装置の製造方法であって、
上記絶縁回路基板と上記放熱部材との間に、還元ガスを吸着可能な多孔質部材と、上記ロウ材とを配置する介装工程と、
上記ロウ材の表面に形成された酸化膜を除去する上記還元ガスの雰囲気中にて上記ロウ材を加熱する溶融工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記7)
付記1~5のいずれか一つに記載の半導体装置からなることを特徴とする電力変換装置。
1……放熱器(放熱部材)、2……樹脂ケース、2a……開口部、3……絶縁回路基板、4……半導体チップ、5……外部端子、6……リードフレーム、6a……第1リードフレーム、6b……第2リードフレーム、7……リードワイヤ、8……封止材、9……多孔質金属シート(多孔質部材)、9a……貫通孔、20……接着剤、21……半田(ロウ材)、21a……半田シート(ロウ材)、21b……半田片(ロウ材)、A……電力変換装置(半導体装置)、A1……電力変換装置(半導体装置)、G……ギ酸ガス(還元ガス)

Claims (7)

  1. 半導体チップが実装された絶縁回路基板と、ロウ材を用いて前記絶縁回路基板が接続される放熱部材とを備える半導体装置であって、
    前記絶縁回路基板と前記放熱部材との間に介装されると共に、前記ロウ材の表面に形成された酸化膜を除去する還元ガスを吸着可能な多孔質部材を備えることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記多孔質部材は、金属材料によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記多孔質部材は、前記絶縁回路基板側の表面から前記放熱部材側の表面に貫通すると共に内部に前記ロウ材が充填された貫通孔を有することを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
  4. 前記多孔質部材は、前記絶縁回路基板側の表面から前記放熱部材側の表面までの寸法が一定のシート形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
  5. 前記多孔質部材は、前記絶縁回路基板及び前記放熱部材の少なくともいずれか一方に対して面接合されていることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
  6. 半導体チップが実装された絶縁回路基板と、ロウ材を用いて前記絶縁回路基板が接続される放熱部材とを備える半導体装置の製造方法であって、
    前記絶縁回路基板と前記放熱部材との間に、還元ガスを吸着可能な多孔質部材と、前記ロウ材とを配置する介装工程と、
    前記ロウ材の表面に形成された酸化膜を除去する前記還元ガスの雰囲気中にて前記ロウ材を加熱する溶融工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1または2記載の半導体装置からなることを特徴とする電力変換装置。
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