JP2023169422A - 結合ポリペプチドおよびそれを作製する方法 - Google Patents

結合ポリペプチドおよびそれを作製する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抗体分子およびTCR分子などのポリペプチド、ならびにそれを作製する方法を提供すること。【解決手段】そのポリペプチドは、障害を処置し、防止し、および/または診断するために使用することができる。この開示は、少なくとも部分的に、本明細書に開示された構造的または機能的特性の1つまたは複数を含む結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはT細胞受容体(TCR)分子)を提供する。ある実施形態では、その結合ポリペプチドのライブラリー、そのポリペプチドまたはライブラリーを作製するための方法、その結合ポリペプチドをコードする核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、組成物(例えば、薬学的組成物)、キット、および容器を作製するための方法もまた、提供される。【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
この出願は、2016年12月23日に出願された米国仮出願第62/438,712号の利益を主張する。上記出願の内容は、その全体が参考として本明細書に援用される。
モノクローナル抗体療法は、疾患関連生物学的分子と特異的に相互作用する能力があるモノクローナル抗体(mAb)を含む免疫療法の一クラスである。ここ数年、治療抗体がターゲティングしうる疾患分野は、かなり拡大しており、いくつかのモノクローナル抗体および抗体誘導体生成物が、米国および多くの他の国において治療的使用に認可されている。モノクローナル抗体療法は、現在、様々な疾患または状態を処置するために使用され、または調べられており、その疾患または状態には、例えば、感染性疾患、がん、免疫疾患、臓器移植、循環器疾患、および代謝性疾患が含まれる。
様々な生物学的機能をモジュレートすることにおけるモノクローナル抗体および抗体誘導体生成物の能力を考慮すれば、障害を処置し、防止し、および診断するのに適した抗体の作出のための新しい手法を開発する必要性が存在する。
この開示は、少なくとも部分的に、本明細書に開示された構造的または機能的特性の1つまたは複数を含む結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはT細胞受容体(TCR)分子)を提供する。ある実施形態では、その結合ポリペプチドのライブラリー、そのポリペプチドまたはライブラリーを作製するための方法、その結合ポリペプチドをコードする核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、組成物(例えば、薬学的組成物)、キット、および容器を作製するための方法もまた、提供される。本明細書に開示されたポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)は、本明細書に開示された障害および状態などの障害を処置し、防止し、および/または診断するために、(単独で、または他の作用物質もしくは治療モダリティーと組み合わせて)使用することができる。
ある局面では、本開示は、抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、HCVRおよびLCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、方法が、以下:
a)以下:
i)細胞由来のHCVRのHCエレメント、例えば、重鎖可変領域配列(HCVRS)をコードするセグメントを含む重鎖二本鎖cDNA(HC ds cDNA)のストランドである、重鎖(HC)ストランド;および
ii)上記細胞由来のLCVRのLCエレメント、例えば、軽鎖可変領域配列(LCVRS)をコードするセグメントを含む軽鎖二本鎖cDNA(LC ds cDNA)のストランドである、軽鎖(LC)ストランド、
を含む、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップ、ならびに
b)HCストランドをLCストランドへ共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションするステップ
を含み、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞、例えば、異なるB細胞)由来のHCVRまたはLCVRをコードする核酸を含まず、それにより、HCVRのHCエレメントおよびLCVRのLCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、HCVRおよびLCVRがマッチしている、核酸配列を作製する、方法を特徴とする。
ある実施形態では、HCエレメントは、HCVRSまたはその機能性断片(例えば、その抗原結合断片)を含み、またはそれからなる。ある実施形態では、LCエレメントは、LCVRSまたはその機能性断片(例えば、その抗原結合断片)を含み、またはそれからなる。
ある実施形態では、HC ds cDNAは、HCVRSをコードするセグメントを含む。ある実施形態では、LC ds cDNAは、LCVRSをコードするセグメントを含む。ある実施形態では、HC ds cDNAは、HCVRSをコードするセグメントを含み、かつLC ds cDNAは、LCVRSをコードするセグメントを含む。
ある実施形態では、細胞は免疫細胞、例えば、B細胞、例えば、ヒトB細胞である。ある実施形態では、細胞は哺乳動物細胞またはトリ細胞である。
ある実施形態では、核酸配列が、発現した時、HCエレメントおよびLCエレメント(例えば、HCVRSおよびLCVRS)が機能性抗原結合分子、例えば、scFv、FabまたはscFabを形成するように、構成される。ある実施形態では、抗原結合分子、例えば、scFvが、例えば、本明細書に記載された方法またはアッセイにより決定される場合、in vitro、ex vivo、またはin vivoで機能的である。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップは、以下:
a)以下:(i)細胞由来のHCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および(ii)上記細胞由来のLCVRをコードする第2のmRNAに相補的なストランド
を含む第2のds cDNA、と結合した捕捉支持体(cDNAを担持させた捕捉支持体)を獲得するステップ、ならびに
b)第1および第2のds cDNAの増幅を可能にする条件下で、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを維持して、以下:上記細胞由来のHCVRのHCエレメント、例えば、HCVRSをコードするセグメントを含む複数個のHC ds
cDNA、および上記細胞由来のLCVRのLCエレメント、例えば、LCVRSをコードするセグメントを含む複数個のLC ds cDNA
を産生する、ステップを含む。
ある実施形態では、HC ds cDNAは、第1のds cDNAと同一、または実質的に同一である。例えば、HC ds cDNAのセンス鎖は、第1のds cDNAのセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なり、ならびに/またはHC ds cDNAのアンチセンス鎖は、第1のds cDNAのアンチセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なる。
ある実施形態では、LC ds cDNAは、第2のds cDNAと同一、または実質的に同一である。例えば、LC ds cDNAのセンス鎖は、第2のds cDNAのセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なり、ならびに/またはLC ds cDNAのアンチセンス鎖は、第2のds cDNAのアンチセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なる。
ある実施形態では、HCストランドはセンス鎖である。ある実施形態では、LCストランドはセンス鎖である。ある実施形態では、HCストランドはアンチセンス鎖である。ある実施形態では、LCストランドはアンチセンス鎖である。ある実施形態では、HCストランドとLCストランドの両方がセンス鎖である。ある実施形態では、HCストランドとLCストランドの両方がアンチセンス鎖である。
ある実施形態では、捕捉支持体は、ビーズ、例えば、磁気ビーズを含む。ある実施形態では、捕捉支持体は、cDNAと結合する部分(例えば、オリゴヌクレオチド)、例えば、(i)HCストランドと結合する部分;(ii)LCストランドと結合する部分;または(iii)(i)と(ii)の両方を含む。ある実施形態では、例えば同様のレベルの各DNA分子型を捕捉するのに都合良い条件を生じることを促進するために、HCストランドと結合する部分は、LCストランドと結合する部分と異なる。ある実施形態では、HCストランドと結合する部分は、LCストランドと結合する部分と同一である。
ある実施形態では、第1のmRNAおよび第2のmRNAは、mRNAを担持させた捕捉支持体上に配置されている。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、以下:第1および第2のmRNAから(例えば、第1および第2のmRNAが、mRNAを担持させた捕捉支持体から溶液へ放出された後)、細胞のHCVRのHCエレメント、例えば、HCVRSをコードするセグメントを含む第1のds cDNA、および細胞のLCVRのLCエレメント、例えば、LCVRSをコードするセグメントを含む第2のds
cDNAを産生するのに適した試薬混合物を含む。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、第1のds cDNAの産生を媒介するプライマーを含む。ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、第2のds cDNAの産生を媒介するプライマーを含む。
ある実施形態では、細胞由来のHCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるcDNAストランドが、第1のmRNAの逆転写により生成される。ある実施形態では、細胞由来のLCVRをコードする第2のmRNAに相補的であるcDNAストランドは、第2のmRNAの逆転写により生成される。
ある実施形態では、逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー内で起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバー内で起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で、または隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーの外側で、起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で、および隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーの外側で、起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された反応部位の外側で、例えば、マイクロチャンバーの外側で、起こる。
ある実施形態では、増幅は、30サイクルまたはそれ未満、例えば、20サイクルまたはそれ未満、例えば、15サイクルもしくはそれ未満、14サイクルもしくはそれ未満、13サイクルもしくはそれ未満、12サイクルもしくはそれ未満、11サイクルもしくはそれ未満、10サイクルもしくはそれ未満、9サイクルもしくはそれ未満、8サイクルもしくはそれ未満、7サイクルもしくはそれ未満、6サイクルもしくはそれ未満、または5サイクルもしくはそれ未満を含む。
ある実施形態では、逆転写および/または増幅は、例えばHCVRSおよび/またはLCVRSに特異的な配列を含む、1つまたは複数のプライマーを使用する。
ある実施形態では、逆転写および/または増幅は、HC ds cDNAの産生を媒介する2つまたはそれより多いプライマーを使用するステップ含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含まない。ある実施形態では、増幅は、LC ds cDNAの産生を媒介する2つまたはそれより多いプライマーを使用するステップを含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含まない。
ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーは、例えばDNAポリメラーゼによるDNA合成を、例えば、低下させる、例えば、阻害する、ヌクレオチド修飾を含む。ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーは、例えば、DNAポリメラーゼによるDNA合成を、例えば、低下させる、例えば、阻害する、ヌクレオチド修飾を含まない。
ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、DNAポリメラーゼがDNAを伸長することを阻害する。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、DNAポリメラーゼ伸長を低下させる(例えば、ブロックする)任意の化学的実体が、本明細書に記載された方法に従って使用することができると考えられる。
ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、プライマーへの、例えば、プライマーにおける2個の隣接したヌクレオチド間での、スペーサーの挿入である。ある実施形態では、スペーサーは可撓性スペーサーである。ある実施形態では、スペーサーは炭素スペーサー(例えば、-(CH2)n-、式中、n=3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより大きい)、2個もしくはそれより多い(例えば、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多い)脱塩基ヌクレオチド、またはポリエチレングリコール(PEG)スペーサーである。ある実施形態では、スペーサーはPEGスペーサーである。ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、例えばリボースへの、2’-O-メチル、2’-OH、2’-NH、またはウラシルである。
ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、プライマーの内部に、または3’末端に位置する。ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーが、(i)第1のメンバー;(ii)第2のメンバー;および必要に応じて、(iii)第3のメンバー(例えば、本明細書に記載された、例えば、(i)と(ii)の間に位置する、ヌクレオチド修飾を含む)を含む。
ある実施形態では、第1のメンバーは、第2のメンバーとアニールする能力がある。ある実施形態では、第1のメンバーは、同じプライマー内の第2のメンバーと、例えば、分子内ハイブリダイゼーションを通して、アニールして、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含むヘアピン構造を形成する能力がある。別の実施形態では、第1のメンバーは、異なるプライマー内の第2のメンバーと、例えば、分子間ハイブリダイゼーションを通して、アニールまたはハイブリダイズして、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む二本鎖構造を形成する能力がある。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、修飾プライマーが形成し、支持体(例えば、ビーズ)捕捉に対する競合の低下(例えば、防止)を促進することができる、少なくとも2つの二次構造があると考えられる。例えば、二次構造は、(同じプライマー内での)分子内ハイブリダイゼーションにより形成されるヘアピン様構造であり得、または二次構造は、(2つの異なるプライマー間の)分子間ハイブリダイゼーションにより形成される二重鎖構造であり得る。
ある実施形態では、第1のメンバーは、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドの配列に相補的である配列を含む。ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、5’から3’へ)以下:(i)第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列;(ii)(例えば、PCR増幅または次世代シーケンシングのための)ユニバーサルプライミング配列;ならびに(iii)標的配列、例えば、HCVRSおよび/またはLCVRSに相補的な配列の1つ、2つ、または全部を含む。ある実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と同一、または実質的に同一である。別の実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と異なる。ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、酵母または哺乳動物細胞における)相同組換えのための配列を含む。
ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーは、リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含む。ある実施形態では、リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含むプライマーは、リン酸化、例えば、5’リン酸化されている。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、可撓性(例えば、グリシンにより促進される)および親水性の一般的性質をもつ任意の配列は、本明細書に記載された方法に従って、有効に働き得ると考えられる。例示的なリンカーは、一般的に、Gly、Ser、Thr、またはAlaの1つまたは複数が過剰出現(overrepresentation)し、および疎水性残基、例えば、Trp、Tyr、Phe、Cys、Met、Leu、またはIleの1つまたは複数が過少出現(underrepresentation)し得る。プライマーの長さは、様々であり得、例えば、3~50個のアミノ酸残基(例えば、5~45個、10~40個、15~35個、20~30個、10~20個、10~30個、20~40個、または30~40個のアミノ酸残基)である。ある実施形態では、リンカー配列は、((Gly)m-Ser))n(式中、m=3、4、5、またはそれより大きい、およびn=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより大きい)を含み、またはそれからなる。ある実施形態では、リンカー配列は、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(式中、n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより大きい)を含み、またはそれからなる。
ある実施形態では、プライマーは、本明細書に、例えば、実施例に、記載されたプライマーである。
ある実施形態では、逆転写、増幅、またはその両方は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーにおける溶液中で起こる。ある実施形態では、逆転写、増幅、またはその両方は、支持体(例えば、ビーズ)上で起こらない。例えば、逆転写、増幅、またはその両方は、液滴内の溶液中で起こり得る。
ある実施形態では、HC ds cDNAは、5’オーバーハング、例えば、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力がある5’オーバーハングを含む。ある実施形態では、HC ds cDNAは、平滑末端、例えば、5’ホスフェートを含む平滑末端を含む。ある実施形態では、LC ds cDNAは、5’オーバーハング、例えば、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力がある5’オーバーハングを含む。ある実施形態では、LC ds cDNAは、平滑末端、例えば、5’ホスフェートを含む平滑末端を含む。ある実施形態では、HC ds cDNAおよびLC ds cDNAは、粘着末端を含み、例えば、両方が5’オーバーハングを有する。
ある実施形態では、HCストランドおよびLCストランドは、共有結合性に連結されて、例えば、ライゲーションされて、一本鎖核酸配列を生じ、HCおよびLCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である。ある実施形態では、HC ds cDNAの変性HCストランドおよびLC ds cDNAの変性LCストランドは、共有結合性に連結され、例えば、ライゲーションされ、HCおよびLCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である。ある実施形態では、HCストランドは、HC ds cDNA内に存在し、かつLCストランドがLC ds cDNA内に存在し、ならびにHC ds cDNAおよびLC ds cDNAが共有結合性に連結されて、例えば、ライゲーションされて、例えば、二本鎖核酸配列を生じる。
ある実施形態では、共有結合性連結、例えば、ライゲーションが、隔離された産生反応部位において起こる。ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー、または隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、HCストランドおよびLCストランド、またはHC ds cDNAおよびLC ds cDNAを共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションする能力がある試薬を含む。ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、HCストランドおよびLCストランド、またはHC ds cDNAおよびLC ds cDNAを共有結合性にカップリングする酵素を含む。ある実施形態では、酵素は、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼである。ある実施形態では、共有結合性連結は、リガーゼ熱サイクリングを含む。
ある実施形態では、共有結合性連結、例えば、ライゲーションは、隔離された産生反応部位とは異なる部位において起こる、例えば、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーにおいて起こる。ある実施形態では、HCストランドおよびLCストランドは、隔離された産生部位から隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーへ移され、共有結合性連結が、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーにおいて起こる。ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、HCストランドおよびLCストランド、またはHC ds cDNAおよびLC ds cDNAを共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションする能力がある試薬を含む。ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、HCストランドおよびLCストランド、またはHC ds cDNAおよびLC ds cDNAを共有結合性にカップリングする酵素を含む。ある実施形態では、酵素は、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼである。ある実施形態では、共有結合性連結は、リガーゼ熱サイクリングを含む。
ある実施形態では、共有結合性連結、例えば、ライゲーションは、以下:(a)隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを、HCストランドおよびLCストランドの変性を可能にする条件下で(例えば、95℃で)、加熱するステップ;(b)隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを、HCストランドおよびLCストランドへのスプリントオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で(例えば、50~65℃で)、冷却するステップ;(c)HCストランドおよびLCストランドのライゲーション(例えば、HCストランドとLCストランドの間のホスホジエステル結合の形成)を可能にする条件下で(例えば、45~65℃で)、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを維持するステップ;ならびに(d)ステップ(a)、(b)、および(c)を逐次的に、2サイクル、5サイクル、10サイクル、15サイクル、20サイクル、25サイクル、30サイクル、35サイクル、40サイクル、45サイクル、50サイクル、またはそれより多くのサイクル、繰り返すステップを含む。
ある実施形態では、HCストランドおよびLCストランドは、スプリントオリゴヌクレオチドの存在下で共有結合性に連結される、例えば、ライゲーションされる。ある実施形態では、スプリントオリゴヌクレオチドは、HCストランドとLCストランドの接合部を含む配列、またはその相補的配列にハイブリダイズし、ライゲーション部位において二重鎖領域を形成する。ある実施形態では、スプリントオリゴヌクレオチドは、例えばDNAポリメラーゼによる、DNA合成を阻害する修飾(例えば、NH基)を含む。ある実施形態では、修飾は、スプリントオリゴヌクレオチドの3’末端にある。
ある実施形態では、共有結合性に連結された、例えば、ライゲーションされた、HCおよびLCストランドに相補的なストランドは、増幅により産生される。
ある実施形態では、方法、例えば、共有結合性の連結のステップは、オーバーラップ伸長によるスプライシングまたはオーバーハング伸長によるスプライシング(SOE)PCRとしても公知のオーバーラップ伸長ポリメラーゼ連鎖反応(OE-PCR)のステップを含まない。
ある実施形態では、方法は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップの前に、mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップをさらに含む。
ある実施形態では、mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップは、a)i)細胞;ならびにii)上記細胞由来のHCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のLCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびにb)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体を、第1のmRNAおよび第2のmRNAと結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップを含み、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のHCVRまたはLCVRをコードする核酸を含まない。
ある実施形態では、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーは、溶解試薬、例えば、洗剤を含む。ある実施形態では、細胞は、熱または酵素により溶解される。ある実施形態では、捕捉支持体は、mRNA、例えば、オリゴ(dT)を結合する部分(例えば、オリゴヌクレオチド)を含む。
ある実施形態では、方法は、mRNAを担持させた捕捉支持体を、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーから放出させるステップをさらに含む。ある実施形態では、放出ステップは、例えば、非捕捉mRNAの交差結合を低下させるために、ポリ(dA)またはポリ(dT)オリゴヌクレオチドの存在下で実施される。
ある実施形態では、mRNAを担持させた捕捉支持体は、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーから、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーへ移される。
ある実施形態では、方法は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーから核酸配列を放出させるステップをさらに含む。ある実施形態では、方法は、核酸配列を増幅するステップをさらに含む。ある実施形態では、核酸配列の増幅は、例えば、核酸が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーから放出された後、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で起こる。ある実施形態では、核酸配列の増幅は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーで起こる。
ある実施形態では、方法は、核酸配列の全部または一部分をシーケンシングするステップをさらに含む。
ある実施形態では、方法は、核酸配列の全部または一部分をベクターへ挿入するステップをさらに含む。ある実施形態では、ベクターは、核酸配列内に含まれない追加のHCエレメントまたはLCエレメントを供給する。ある実施形態では、ベクターは、HC CDR1、HC CDR2、またはその両方を供給する。ある実施形態では、方法は、ベクターを発現するステップをさらに含む。
ある実施形態では、方法は、核酸配列を発現して、HCVRのHCエレメント、例えば、HCVRSをコードするセグメント、およびLCVRのLCエレメント、例えば、LCVRSをコードするセグメントを含むポリペプチドを産生するステップをさらに含む。ある実施形態では、LCエレメントは、ポリペプチドにおいてHCエレメントのN末端側にある。ある実施形態では、HCエレメントは、ポリペプチドにおいてLCエレメントのC末端側にある。
ある実施形態では、方法は、前記ポリペプチドを抗原と接触させるステップをさらに含む。ある実施形態では、方法は、前記ポリペプチドがin vitro、ex vivo、またはin vivoで抗原を結合するかどうかを、例えば、本明細書に記載された方法またはアッセイにより、決定するステップをさらに含む。
ある局面では、本開示は、抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、HCVRおよびLCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、以下:
a)i)細胞(例えば、本明細書に記載される細胞);ならびに
ii)上記細胞由来のHCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のLCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体(例えば、本明細書に記載される捕捉支持体)
を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体に、第1のmRNAおよび第2のmRNAを結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された細胞反応部位)、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップであって、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のHCVRまたはLCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
c)担持されたmRNAを鋳型として使用して、cDNAを生成する反応混合物、例えば、逆転写酵素を含む反応混合物とmRNAを担持させた捕捉支持体を接触させるステップ(これは、例えば、隔離された細胞反応部位において、隔離された産生反応部位において、またはいずれにおいてでもなく、例えば、隔離された反応部位においてではなく、起こり得る);
d)i)重鎖(HC)ストランドであって、上記細胞由来のHCVRのHCエレメント、例えば、重鎖可変領域配列(HCVRS)をコードするセグメントを含む重鎖二本鎖cDNA(HC ds cDNA)のストランドであるHCストランド;および
ii)軽鎖(LC)ストランドであって、上記細胞由来のLCVRのLCエレメント、例えば、軽鎖可変領域配列(LCVRS)をコードするセグメントを含む軽鎖二本鎖cDNA(LC ds cDNA)のストランドであるLCストランド
を含む、隔離された産生反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された産生反応部位)、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得し、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のLCVRまたはHCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;ならびに
e)HCストランドをLCストランドへ共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションするステップ
を含む、方法を特徴とする。
ある実施形態では、ステップa)~e)の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、または全部)は、本明細書に記載された方法に従って実施される。ある実施形態では、ステップa)~e)のそれぞれは、本明細書に記載された方法に従って実施される。
ある局面では、本開示は、抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、HCVRおよびLCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって
a)i)細胞(例えば、本明細書に記載される細胞);ならびにii)上記細胞由来のHCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のLCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体(例えば、本明細書に記載される捕捉支持体)を含む、隔離された細胞反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された細胞反応部位)、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体に、第1のmRNAおよび第2のmRNAを結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップであって、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のHCVRまたはLCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
c)担持されたmRNAを鋳型として使用して、細胞由来のHCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および細胞由来のLCVRをコードする第2のmRNAに相補的なストランドを含む第2のds cDNA(cDNAを担持させた捕捉支持体)を産生する、反応混合物、例えば、逆転写酵素を含む反応混合物と、mRNAを担持させた捕捉支持体を接触させるステップを含む、隔離された産生反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された産生反応部位)、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップであって、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のLCVRまたはHCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
d)第1のds cDNAおよび第2のds cDNAを増幅して、上記細胞由来のHCVRのHCエレメント、例えば、HCVRSをコードするセグメントを含む複数個のHC
ds cDNA;および上記細胞由来のLCVRのLCエレメント、例えば、LCVRSをコードするセグメントを含む複数個のLC ds cDNAを産生することを可能にする条件下で、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを維持するステップ;
e)HC ds cDNAのストランド(HCストランド)の、LC ds cDNAのストランド(LCストランド)への共有結合性連結、例えば、ライゲーションを含み、HCストランドおよびLCストランドがどちらもセンス鎖またはアンチセンス鎖である、隔離された連結反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された連結反応部位)、例えば、連結マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびに
f)共有結合性に連結された、例えば、ライゲーションされた、HCおよびLCストランドを増幅するステップ
を含む、方法を特徴とする。
ある実施形態では、ステップa)~f)の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または全部)は、本明細書に記載された方法に従って実施される。ある実施形態では、ステップa)~f)のそれぞれは、本明細書に記載された方法に従って実施される。
ある局面では、本開示は、複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する方法を特徴とし、方法は、
複数個のメンバーを作製するステップであって、メンバーのそれぞれが、重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含み、かつHCVRおよびLCVRがマッチしており、本明細書に記載の方法により作製される、ステップ
を含み、複数個の固有核酸配列のそれぞれが、異なる固有の細胞由来のHCエレメントおよびLCエレメントを含み、それにより、複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する。
ある実施形態では、複数個の固有メンバーは、少なくとも10個、10個、10個、10個、10個、または10個の固有メンバーを含む。ある実施形態では、複数個の固有メンバーは、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、または10~10個の固有メンバーを含む。ある実施形態では、ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、(マッチしたHCエレメント配列およびLCエレメント配列をコードする)固有メンバーである。ある実施形態では、ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、(マッチしたHCエレメント配列およびLCエレメント配列をコードする)固有メンバーである。
ある局面では、本開示は、複数個の固有メンバーを含むライブラリーであって、
i)複数個の固有メンバーのそれぞれが、HCエレメント、例えば、HCVRSをコードするセグメント、およびLCエレメント、例えば、LCVRSをコードするセグメントを含み、各固有メンバーにおけるHCエレメントおよびLCエレメントがマッチしている;ii)複数個の固有メンバーのそれぞれが、異なる固有細胞由来の、HCエレメント、例えば、HCVRSをコードするセグメント、およびLCエレメント、例えば、LCVRSをコードするセグメントを含む;および
iii)ライブラリーが、以下:
a)ライブラリーが、本明細書に記載の方法により作製される;
b)複数個の固有メンバーが、少なくとも10個、10個、10個、10個、10個、もしくは10個の固有核酸配列を含む;
c)複数個の固有メンバーが、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、もしくは10~10個の固有メンバーを含む;
d)ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%が、(マッチしたHCエレメント配列およびLCエレメント配列をコードする)固有メンバーである;または
e)ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、(マッチしたHCエレメント配列およびLCエレメント配列をコードする)固有メンバーである、
の性質の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、または全部)を含む、
ライブラリーを特徴とする。
ある実施形態では、複数個の固有メンバーのそれぞれが、発現した時、HCエレメント、例えば、HCVRS、およびLCエレメント、例えば、LCVRSが、機能性抗原結合分子、例えば、scFv、FabまたはscFabを形成するように、構成される。
ある実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーである。ある実施形態では、複数個のメンバーのそれぞれはさらに、ディスプレイ実体の表面上のメンバーのディスプレイを生じるポリペプチドをさらにコードする。ある実施形態では、ライブラリーはファージディスプレイライブラリーである。ある実施形態では、ライブラリーは酵母ディスプレイライブラリーである。ある実施形態では、ライブラリーは哺乳動物ディスプレイライブラリーである。
ある態様では、本開示は、a)本明細書に記載されたライブラリーを、例えば、本明細書に記載された方法により、獲得するステップ;およびb)前記ライブラリーの固有核酸によりコードされるポリペプチドを発現するステップを含む、結合ポリペプチド(例えば、HCエレメントおよびLCエレメントを含むポリペプチド)を作製する方法を特徴とする。
ある実施形態では、方法は、前記ポリペプチドを抗原と接触させるステップをさらに含む。ある実施形態では、方法は、抗原を結合するポリペプチドをコードする核酸を回収する(例えば、単離し、または精製する)ステップをさらに含む。
ある態様では、本開示は、本明細書に記載された隔離された産生反応部位(例えば、HCVRをコードする核酸、およびLCVRをコードする核酸を含み、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている)である、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを特徴とする。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、異なる細胞由来のHCVRまたはLCVRをコードする核酸を含まない。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、以下の1つ、2つ、または全部を含む:(i)HCおよびLCのV遺伝子配列に特異的な1つもしくは複数のプライマー;(ii)HC cDNAおよびLC cDNA上へ導入されたオーバーハングに特異的な1つもしくは複数のプライマー;または(iii)第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーの間に位置するヌクレオチド修飾を含む第3のメンバー(例えば、スペーサー)を含む、1つもしくは複数のプライマーであって、前記第1のメンバーが、同じプライマーまたは異なるプライマーの前記第2のメンバーとアニールする能力、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む構造を形成する能力がある。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含まない。別の実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含む。
ある態様では、本開示は、(例えば、HCVRのHCエレメントおよびLCVRのLCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法のための、)第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーの間に位置するヌクレオチド修飾を含む第3のメンバー(例えば、スペーサー)を含み、前記第1のメンバーが、同じオリゴヌクレオチドの前記第2のメンバーとアニールする能力がある、自己アニーリング性オリゴヌクレオチドを特徴とする。
ある実施形態では、第1のメンバーおよび第2のメンバーは、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含むヘアピン構造を形成する能力がある。ある実施形態では、第1のメンバーは5~40ヌクレオチド長、例えば、5~10ヌクレオチド長、5~20ヌクレオチド長、5~30ヌクレオチド長、30~40ヌクレオチド長、20~40ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、または15~25ヌクレオチド長である。ある実施形態では、第2のメンバーは5~40ヌクレオチド長、例えば、5~10ヌクレオチド長、5~20ヌクレオチド長、5~30ヌクレオチド長、30~40ヌクレオチド長、20~40ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、または15~25ヌクレオチド長である。
ある実施形態では、スペーサーは、本明細書に記載されたスペーサー、例えば、可撓性スペーサーまたはPEGスペーサーである。
ある実施形態では、第1のメンバーは、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドの配列に相補的である配列を含む。
ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、5’から3’へ)以下:(i)第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列;(ii)(例えば、PCR増幅または次世代シーケンシングのための)ユニバーサルプライミング配列;ならびに(iii)標的配列、例えば、HCVRSおよび/またはLCVRSに相補的な配列の1つ、2つ、または全部を含む。ある実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と同一、または実質的に同一である。別の実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と異なる。ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、酵母または哺乳動物細胞における)相同組換えのための配列を含む。
ある態様では、本開示は、本明細書に記載された隔離された連結反応部位(例えば、HCVRをコードする核酸、およびLCVRをコードする核酸を含み、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている)である、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを特徴とする。
ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、異なる細胞由来のHCVRまたはLCVRをコードする核酸を含まない。
ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、HCストランドとLCストランドの接合部を含む配列またはその相補的配列にハイブリダイズして、ライゲーションの部位に二重鎖領域を形成する能力があるスプリントオリゴヌクレオチド(例えば、本明細書に記載されたスプリントオリゴヌクレオチド)を含む。
ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含む。
ある局面では、本開示は、TCRα鎖可変領域(ACVR)のα鎖エレメント(ACエレメント)およびTCRβ鎖可変領域(BCVR)のβ鎖エレメント(BCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、ACVRおよびBCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、方法が、以下:
a)以下:
i)細胞由来のACVRのACエレメント、例えば、α鎖可変領域配列(ACVRS)をコードするセグメントを含むα鎖二本鎖cDNA(AC ds cDNA)のストランドである、α鎖(AC)ストランド;および
ii)上記細胞由来のBCVRのBCエレメント、例えば、β鎖可変領域配列(BCVRS)をコードするセグメントを含むβ鎖ds cDNA(BC ds cDNA)のストランドである、β鎖(BC)ストランド、
を含む、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップ、ならびに
b)第1のストランドを第2のストランドへ共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションするステップ
を含み、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞、例えば、異なるT細胞)由来のACVRまたはBCVRをコードする核酸を含まず、それにより、ACVRのACエレメントおよびBCVRのBCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、ACVRおよびBCVRがマッチしている、核酸配列を作製する、方法を特徴とする。
ある実施形態では、ACエレメントは、ACVRSまたはその機能性断片(例えば、その抗原結合断片)を含み、またはそれからなる。ある実施形態では、BCエレメントは、BCVRSまたはその機能性断片(例えば、その抗原結合断片)を含み、またはそれからなる。
ある実施形態では、AC ds cDNAは、ACVRSをコードするセグメントを含む。ある実施形態では、BC ds cDNAは、BCVRSをコードするセグメントを含む。ある実施形態では、AC ds cDNAは、ACVRSをコードするセグメントを含み、かつBC ds cDNAは、BCVRSをコードするセグメントを含む。
ある実施形態では、細胞は免疫細胞、例えば、T細胞、例えば、ヒトT細胞である。ある実施形態では、細胞は哺乳動物細胞またはトリ細胞である。
ある実施形態では、核酸配列が、発現した時、ACエレメントおよびBCエレメント(例えば、ACVRSおよびBCVRS)が機能性抗原結合分子、例えば、TCR α鎖およびβ鎖の単一鎖または複合体を形成するように、構成される。ある実施形態では、抗原結合分子、例えば、TCR α鎖および/またはβ鎖が、例えば、本明細書に記載された方法またはアッセイにより決定される場合、in vitro、ex vivo、またはin vivoで機能的である。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップは、以下:
a)以下:(i)細胞由来のACVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および(ii)上記細胞由来のBCVRをコードする第2のmRNAに相補的なストランド
を含む第2のds cDNA、と結合した捕捉支持体(cDNAを担持させた捕捉支持体)を獲得するステップ、ならびに
b)第1および第2のds cDNAの増幅を可能にする条件下で、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを維持して、以下:上記細胞由来のACVRのACエレメント、例えば、ACVRSをコードするセグメントを含む複数個のAC ds
cDNA、および上記細胞由来のBCVRのBCエレメント、例えば、BCVRSをコードするセグメントを含む複数個のBC ds cDNA
を産生する、ステップを含む。
ある実施形態では、AC ds cDNAは、第1のds cDNAと同一、または実質的に同一である。例えば、AC ds cDNAのセンス鎖は、第1のds cDNAのセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なり、ならびに/またはAC ds cDNAのアンチセンス鎖は、第1のds cDNAのアンチセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なる。
ある実施形態では、BC ds cDNAは、第2のds cDNAと同一、または実質的に同一である。例えば、BC ds cDNAのセンス鎖は、第2のds cDNAのセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なり、ならびに/またはBC ds cDNAのアンチセンス鎖は、第2のds cDNAのアンチセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なる。
ある実施形態では、ACストランドはセンス鎖である。ある実施形態では、BCストランドはセンス鎖である。ある実施形態では、ACストランドはアンチセンス鎖である。ある実施形態では、BCストランドはアンチセンス鎖である。ある実施形態では、ACストランドとBCストランドの両方がセンス鎖である。ある実施形態では、ACストランドとBCストランドの両方がアンチセンス鎖である。
ある実施形態では、捕捉支持体は、ビーズ、例えば、磁気ビーズを含む。ある実施形態では、捕捉支持体は、cDNAと結合する部分(例えば、オリゴヌクレオチド)、例えば、(i)ACストランドと結合する部分;(ii)BCストランドと結合する部分;または(iii)(i)と(ii)の両方を含む。ある実施形態では、例えば同様のレベルの各DNA分子型を捕捉するのに都合良い条件を生じることを促進するために、ACストランドと結合する部分は、BCストランドと結合する部分と異なる。ある実施形態では、ACストランドと結合する部分は、BCストランドと結合する部分と同一である。
ある実施形態では、第1のmRNAおよび第2のmRNAは、mRNAを担持させた捕捉支持体上に配置されている。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、以下:第1および第2のmRNAから(例えば、第1および第2のmRNAが、mRNAを担持させた捕捉支持体から溶液へ放出された後)、細胞のACVRのACエレメント、例えば、ACVRSをコードするセグメントを含む第1のcDNA、および細胞のBCVRのBCエレメント、例えば、BCVRSをコードするセグメントを含む第2のcDNAを産生するのに適した試薬混合物を含む。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、第1のds cDNAの産生を媒介するプライマーを含む。ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、第2のds cDNAの産生を媒介するプライマーを含む。
ある実施形態では、細胞由来のACVRをコードする第1のmRNAに相補的であるcDNAストランドが、第1のmRNAの逆転写により生成される。ある実施形態では、細胞由来のBCVRをコードする第2のmRNAに相補的であるcDNAストランドは、第2のmRNAの逆転写により生成される。
ある実施形態では、逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー内で起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバー内で起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で、または隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーの外側で、起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で、および隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーの外側で、起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された反応部位の外側で、例えば、マイクロチャンバーの外側で、起こる。
ある実施形態では、増幅は、20サイクルまたはそれ未満、例えば、15サイクルもしくはそれ未満、14サイクルもしくはそれ未満、13サイクルもしくはそれ未満、12サイクルもしくはそれ未満、11サイクルもしくはそれ未満、10サイクルもしくはそれ未満、9サイクルもしくはそれ未満、8サイクルもしくはそれ未満、7サイクルもしくはそれ未満、6サイクルもしくはそれ未満、または5サイクルもしくはそれ未満を含む。
ある実施形態では、逆転写および/または増幅は、例えばACVRSおよび/またはBCVRSに特異的な配列を含む、1つまたは複数のプライマーを使用する。
ある実施形態では、逆転写および/または増幅は、AC ds cDNAの産生を媒介する2つまたはそれより多いプライマーを使用するステップ含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含まない。ある実施形態では、増幅は、BC ds cDNAの産生を媒介する2つまたはそれより多いプライマーを使用するステップを含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含まない。
ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーは、例えばDNAポリメラーゼによるDNA合成を、例えば、低下させる、例えば、阻害する、ヌクレオチド修飾を含む。ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーは、例えば、DNAポリメラーゼによるDNA合成を、例えば、低下させる、例えば、阻害する、ヌクレオチド修飾を含まない。
ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、DNAポリメラーゼがDNAを伸長することを阻害する。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、DNAポリメラーゼ伸長を低下させる(例えば、ブロックする)任意の化学的実体が、本明細書に記載された方法に従って使用することができると考えられる。
ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、プライマーへの、例えば、プライマーにおける2個の隣接したヌクレオチド間での、スペーサーの挿入である。ある実施形態では、スペーサーは可撓性スペーサーである。ある実施形態では、スペーサーは炭素スペーサー(例えば、-(CH2)n-、式中、n=3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより大きい)、2個もしくはそれより多い(例えば、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多い)脱塩基ヌクレオチド、またはポリエチレングリコール(PEG)スペーサーである。ある実施形態では、スペーサーはPEGスペーサーである。ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、例えばリボースへの、2’-O-メチル、2’-OH、2’-NH、またはウラシルである。
ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、プライマーの内部に、または3’末端に位置する。ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーが、(i)第1のメンバー;(ii)第2のメンバー;および必要に応じて、(iii)第3のメンバー(例えば、本明細書に記載された、例えば、(i)と(ii)の間に位置する、ヌクレオチド修飾を含む)を含む。
ある実施形態では、第1のメンバーは、第2のメンバーとアニールする能力がある。ある実施形態では、第1のメンバーは、同じプライマー内の第2のメンバーと、例えば、分子内ハイブリダイゼーションを通して、アニールして、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含むヘアピン構造を形成する能力がある。別の実施形態では、第1のメンバーは、異なるプライマー内の第2のメンバーと、例えば、分子間ハイブリダイゼーションを通して、アニールまたはハイブリダイズして、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む二本鎖構造を形成する能力がある。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、修飾プライマーが形成し、支持体(例えば、ビーズ)捕捉に対する競合の低下(例えば、防止)を促進することができる、少なくとも2つの二次構造があると考えられる。例えば、二次構造は、(同じプライマー内での)分子内ハイブリダイゼーションにより形成されるヘアピン様構造であり得、または二次構造は、(2つの異なるプライマー間の)分子間ハイブリダイゼーションにより形成される二重鎖構造であり得る。
ある実施形態では、第1のメンバーは、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドの配列に相補的である配列を含む。ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、5’から3’へ)以下:(i)第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列;(ii)(例えば、PCR増幅または次世代シーケンシングのための)ユニバーサルプライミング配列;ならびに(iii)標的配列、例えば、ACVRSおよび/またはBCVRSに相補的な配列の1つ、2つ、または全部を含む。ある実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と同一、または実質的に同一である。別の実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と異なる。ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、酵母または哺乳動物細胞における)相同組換えのための配列を含む。
ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーは、リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含む。ある実施形態では、リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含むプライマーは、リン酸化、例えば、5’リン酸化されている。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、可撓性(例えば、グリシンにより促進される)および親水性の一般的性質をもつ任意の配列は、本明細書に記載された方法に従って、有効に働き得ると考えられる。例示的なリンカーは、一般的に、Gly、Ser、Thr、またはAlaの1つまたは複数が過剰出現(overrepresentation)し、および疎水性残基、例えば、Trp、Tyr、Phe、Cys、Met、Leu、またはIleの1つまたは複数が過少出現(underrepresentation)し得る。プライマーの長さは、様々であり得、例えば、3~50個のアミノ酸残基(例えば、5~45個、10~40個、15~35個、20~30個、10~20個、10~30個、20~40個、または30~40個のアミノ酸残基)である。ある実施形態では、リンカー配列は、((Gly)m-Ser))n(式中、m=3、4、5、またはそれより大きい、およびn=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより大きい)を含み、またはそれからなる。ある実施形態では、リンカー配列は、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(式中、n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより大きい)を含み、またはそれからなる。
ある実施形態では、プライマーは、本明細書に、例えば、実施例に、記載されたプライマーである。
ある実施形態では、逆転写、増幅、またはその両方は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーにおける溶液中で起こる。ある実施形態では、逆転写、増幅、またはその両方は、支持体(例えば、ビーズ)上で起こらない。例えば、逆転写、増幅、またはその両方は、液滴内の溶液中で起こり得る。
ある実施形態では、AC ds cDNAは、5’オーバーハング、例えば、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力がある5’オーバーハングを含む。ある実施形態では、AC ds cDNAは、平滑末端、例えば、5’ホスフェートを含む平滑末端を含む。ある実施形態では、BC ds cDNAは、5’オーバーハング、例えば、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力がある5’オーバーハングを含む。ある実施形態では、BC ds cDNAは、平滑末端、例えば、5’ホスフェートを含む平滑末端を含む。ある実施形態では、AC ds cDNAおよびBC ds cDNAは、粘着末端を含み、例えば、両方が5’オーバーハングを有する。
ある実施形態では、ACストランドおよびBCストランドは、共有結合性に連結されて、例えば、ライゲーションされて、一本鎖核酸配列を生じ、ACおよびBCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である。ある実施形態では、AC ds cDNAの変性ACストランドおよびBC ds cDNAの変性BCストランドは、共有結合性に連結され、例えば、ライゲーションされ、ACおよびBCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である。ある実施形態では、ACストランドは、AC ds cDNA内に存在し、かつBCストランドがBC ds cDNA内に存在し、ならびにAC ds cDNAおよびBC ds cDNAが共有結合性に連結されて、例えば、ライゲーションされて、例えば、二本鎖核酸配列を生じる。
ある実施形態では、共有結合性連結、例えば、ライゲーションが、隔離された産生反応部位において起こる。ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー、または隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、ACストランドおよびBCストランド、またはAC ds cDNAおよびBC ds cDNAを共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションする能力がある試薬を含む。ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、ACストランドおよびBCストランド、またはAC ds cDNAおよびBC ds cDNAを共有結合性にカップリングする酵素を含む。ある実施形態では、酵素は、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼである。ある実施形態では、共有結合性連結は、リガーゼ熱サイクリングを含む。
ある実施形態では、共有結合性連結、例えば、ライゲーションは、隔離された産生反応部位とは異なる部位において起こる、例えば、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーにおいて起こる。ある実施形態では、ACストランドおよびBCストランドは、隔離された産生部位から隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーへ移され、共有結合性連結が、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーにおいて起こる。ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、ACストランドおよびBCストランド、またはAC ds cDNAおよびBC ds cDNAを共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションする能力がある試薬を含む。ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、ACストランドおよびBCストランド、またはAC ds cDNAおよびBC ds cDNAを共有結合性にカップリングする酵素を含む。ある実施形態では、酵素は、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼである。ある実施形態では、共有結合性連結は、リガーゼ熱サイクリングを含む。
ある実施形態では、共有結合性連結、例えば、ライゲーションは、以下:(a)隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを、ACストランドおよびBCストランドの変性を可能にする条件下で(例えば、95℃で)、加熱するステップ;(b)隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを、ACストランドおよびBCストランドへのスプリントオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で(例えば、50~65℃で)、冷却するステップ;(c)ACストランドおよびBCストランドのライゲーション(例えば、ACストランドとBCストランドの間のホスホジエステル結合の形成)を可能にする条件下で(例えば、45~65℃で)、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを維持するステップ;ならびに(d)ステップ(a)、(b)、および(c)を逐次的に、2サイクル、5サイクル、10サイクル、15サイクル、20サイクル、25サイクル、30サイクル、35サイクル、40サイクル、45サイクル、50サイクル、またはそれより多くのサイクル、繰り返すステップを含む。
ある実施形態では、ACストランドおよびBCストランドは、スプリントオリゴヌクレオチドの存在下で共有結合性に連結される、例えば、ライゲーションされる。ある実施形態では、スプリントオリゴヌクレオチドは、ACストランドとBCストランドの接合部を含む配列、またはその相補的配列にハイブリダイズし、ライゲーション部位において二重鎖領域を形成する。ある実施形態では、スプリントオリゴヌクレオチドは、例えばDNAポリメラーゼによる、DNA合成を阻害する修飾(例えば、NH基)を含む。ある実施形態では、修飾は、スプリントオリゴヌクレオチドの3’末端にある。
ある実施形態では、共有結合性に連結された、例えば、ライゲーションされた、ACおよびBCストランドに相補的なストランドは、増幅により産生される。
ある実施形態では、方法、例えば、共有結合性の連結のステップは、オーバーラップ伸長によるスプライシングまたはオーバーハング伸長によるスプライシング(SOE)PCRとしても公知のオーバーラップ伸長ポリメラーゼ連鎖反応(OE-PCR)のステップを含まない。
ある実施形態では、方法は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップの前に、mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップをさらに含む。
ある実施形態では、mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップは、a)i)細胞;ならびにii)上記細胞由来のACVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のBCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびにb)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体を、第1のmRNAおよび第2のmRNAと結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップを含み、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のACVRまたはBCVRをコードする核酸を含まない。
ある実施形態では、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーは、溶解試薬、例えば、洗剤を含む。ある実施形態では、細胞は、熱または酵素により溶解される。ある実施形態では、捕捉支持体は、mRNA、例えば、オリゴ(dT)を結合する部分(例えば、オリゴヌクレオチド)を含む。
ある実施形態では、方法は、mRNAを担持させた捕捉支持体を、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーから放出させるステップをさらに含む。ある実施形態では、放出ステップは、例えば、非捕捉mRNAの交差結合を低下させるために、ポリ(dA)またはポリ(dT)オリゴヌクレオチドの存在下で実施される。
ある実施形態では、mRNAを担持させた捕捉支持体は、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーから、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーへ移される。
ある実施形態では、方法は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーから核酸配列を放出させるステップをさらに含む。ある実施形態では、方法は、核酸配列を増幅するステップをさらに含む。ある実施形態では、核酸配列の増幅は、例えば、核酸が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーから放出された後、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で起こる。ある実施形態では、核酸配列の増幅は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーで起こる。
ある実施形態では、方法は、核酸配列の全部または一部分をシーケンシングするステップをさらに含む。
ある実施形態では、方法は、核酸配列の全部または一部分をベクターへ挿入するステップをさらに含む。ある実施形態では、ベクターは、核酸配列内に含まれない追加のACエレメントまたはBCエレメントを供給する。ある実施形態では、方法は、ベクターを発現するステップをさらに含む。
ある実施形態では、方法は、核酸配列を発現して、ACVRのACエレメント、例えば、ACVRSをコードするセグメント、およびBCVRのBCエレメント、例えば、BCVRSをコードするセグメントを含むポリペプチドを産生するステップをさらに含む。ある実施形態では、BCエレメントは、ポリペプチドにおいてACエレメントのN末端側にある。ある実施形態では、ACエレメントは、ポリペプチドにおいてBCエレメントのC末端側にある。
ある実施形態では、方法は、前記ポリペプチドを抗原と接触させるステップをさらに含む。ある実施形態では、方法は、前記ポリペプチドがin vitro、ex vivo、またはin vivoで抗原を結合するかどうかを、例えば、本明細書に記載された方法またはアッセイにより、決定するステップをさらに含む。
あるる実施形態では、本開示は、TCRα鎖可変領域(ACVR)のTCRα鎖エレメント(ACエレメント)およびTCRβ鎖可変領域(BCVR)のTCRβ鎖エレメント(BCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、ACVRおよびBCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、以下:
a)i)細胞(例えば、本明細書に記載される細胞);ならびに
ii)上記細胞由来のACVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のBCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体(例えば、本明細書に記載される捕捉支持体)
を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体に、第1のmRNAおよび第2のmRNAを結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された細胞反応部位)、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップであって、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のACVRまたはBCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
c)担持されたmRNAを鋳型として使用して、cDNAを生成する反応混合物、例えば、逆転写酵素を含む反応混合物とmRNAを担持させた捕捉支持体を接触させるステップ(これは、例えば、隔離された細胞反応部位において、隔離された産生反応部位において、またはいずれにおいてでもなく、例えば、隔離された反応部位においてではなく、起こり得る);
d)i)TCRα鎖(AC)ストランドであって、上記細胞由来のACVRのACエレメント、例えば、TCRα鎖可変領域配列(ACVRS)をコードするセグメントを含むTCRα鎖二本鎖cDNA(AC ds cDNA)のストランドであるACストランド;および
ii)TCRβ鎖(BC)ストランドであって、上記細胞由来のBCVRのBCエレメント、例えば、TCRβ鎖可変領域配列(BCVRS)をコードするセグメントを含むTCRβ鎖二本鎖cDNA(BC ds cDNA)のストランドであるBCストランド
を含む、隔離された産生反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された産生反応部位)、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得し、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のACVRまたはBCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;ならびに
e)ACストランドをBCストランドへ共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションするステップ
を含む、方法を特徴とする。
ある実施形態では、ステップa)~e)の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、または全部)は、本明細書に記載された方法に従って実施される。ある実施形態では、ステップa)~e)のそれぞれは、本明細書に記載された方法に従って実施される。
ある局面では、本開示は、TCRα鎖可変領域(ACVR)のTCRα鎖エレメント(ACエレメント)およびTCRβ鎖可変領域(BCVR)のTCRβ鎖エレメント(BCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、ACVRおよびBCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって
a)i)細胞(例えば、本明細書に記載される細胞);ならびにii)上記細胞由来のACVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のBCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体(例えば、本明細書に記載される捕捉支持体)を含む、隔離された細胞反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された細胞反応部位)、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体に、第1のmRNAおよび第2のmRNAを結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップであって、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のACVRまたはBCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
c)担持されたmRNAを鋳型として使用して、細胞由来のACVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および細胞由来のBCVRをコードする第2のmRNAに相補的なストランドを含む第2のds cDNA(cDNAを担持させた捕捉支持体)を産生する、反応混合物、例えば、逆転写酵素を含む反応混合物と、mRNAを担持させた捕捉支持体を接触させるステップを含む、隔離された産生反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された産生反応部位)、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップであって、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のACVRまたはBCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
d)第1のds cDNAおよび第2のds cDNAを増幅して、上記細胞由来のACVRのACエレメント、例えば、ACVRSをコードするセグメントを含む複数個のAC
ds cDNA;および上記細胞由来のBCVRのBCエレメント、例えば、BCVRSをコードするセグメントを含む複数個のBC ds cDNAを産生することを可能にする条件下で、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを維持するステップ;
e)AC ds cDNAのストランド(ACストランド)の、BC ds cDNAのストランド(BCストランド)への共有結合性連結、例えば、ライゲーションを含み、ACストランドおよびBCストランドがどちらもセンス鎖またはアンチセンス鎖である、隔離された連結反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された連結反応部位)、例えば、連結マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびに
f)共有結合性に連結された、例えば、ライゲーションされた、ACおよびBCストランドを増幅するステップ
を含む、方法を特徴とする。
ある実施形態では、ステップa)~f)の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または全部)は、本明細書に記載された方法に従って実施される。ある実施形態では、ステップa)~f)のそれぞれは、本明細書に記載された方法に従って実施される。
ある局面では、本開示は、複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する方法を特徴とし、方法は、
複数個のメンバーを作製するステップであって、メンバーのそれぞれが、TCRα鎖可変領域(ACVR)のTCRα鎖エレメント(ACエレメント)およびTCRβ鎖可変領域(BCVR)のTCRβ鎖エレメント(BCエレメント)をコードする配列を含み、かつACVRおよびBCVRがマッチしており、本明細書に記載の方法により作製される、ステップ
を含み、複数個の固有核酸配列のそれぞれが、異なる固有の細胞由来のACエレメントおよびBCエレメントを含み、それにより、複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する。
ある実施形態では、複数個の固有メンバーは、少なくとも10個、10個、10個、10個、10個、または10個の固有メンバーを含む。ある実施形態では、複数個の固有メンバーは、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、または10~10個の固有メンバーを含む。ある実施形態では、ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、(マッチしたACエレメント配列およびBCエレメント配列をコードする)固有メンバーである。ある実施形態では、ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、(マッチしたACエレメント配列およびBCエレメント配列をコードする)固有メンバーである。
ある局面では、本開示は、複数個の固有メンバーを含むライブラリーであって、
i)複数個の固有メンバーのそれぞれが、ACエレメント、例えば、ACVRSをコードするセグメント、およびBCエレメント、例えば、BCVRSをコードするセグメントを含み、各固有メンバーにおけるACエレメントおよびBCエレメントがマッチしている;ii)複数個の固有メンバーのそれぞれが、異なる固有細胞由来の、ACエレメント、例えば、ACVRSをコードするセグメント、およびBCエレメント、例えば、BCVRSをコードするセグメントを含む;および
iii)ライブラリーが、以下:
a)ライブラリーが、本明細書に記載の方法により作製される;
b)複数個の固有メンバーが、少なくとも10個、10個、10個、10個、10個、もしくは10個の固有核酸配列を含む;
c)複数個の固有メンバーが、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、もしくは10~10個の固有メンバーを含む;
d)ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%が、(マッチしたACエレメント配列およびBCエレメント配列をコードする)固有メンバーである;または
e)ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、(マッチしたACエレメント配列およびBCエレメント配列をコードする)固有メンバーである、
の性質の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、または全部)を含む、
ライブラリーを特徴とする。
ある実施形態では、複数個の固有メンバーのそれぞれが、発現した時、ACエレメント、例えば、ACVRS、およびBCエレメント、例えば、BCVRSが、機能性抗原結合分子、例えば、TCR α鎖およびβ鎖の単一鎖または複合体を形成するように、構成される。
ある実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーである。ある実施形態では、複数個のメンバーのそれぞれはさらに、ディスプレイ実体の表面上のメンバーのディスプレイを生じるポリペプチドをさらにコードする。ある実施形態では、ライブラリーはファージディスプレイライブラリーである。ある実施形態では、ライブラリーは酵母ディスプレイライブラリーである。ある実施形態では、ライブラリーは哺乳動物ディスプレイライブラリーである。
ある態様では、本開示は、a)本明細書に記載されたライブラリーを、例えば、本明細書に記載された方法により、獲得するステップ;およびb)前記ライブラリーの固有核酸によりコードされるポリペプチドを発現するステップを含む、結合ポリペプチド(例えば、ACエレメントおよびBCエレメントを含むポリペプチド)を作製する方法を特徴とする。
ある実施形態では、方法は、前記ポリペプチドを抗原と接触させるステップをさらに含む。ある実施形態では、方法は、抗原を結合するポリペプチドをコードする核酸を回収する(例えば、単離し、または精製する)ステップをさらに含む。
ある態様では、本開示は、本明細書に記載された隔離された産生反応部位(例えば、ACVRをコードする核酸、およびBCVRをコードする核酸を含み、前記ACVRおよび前記BCVRがマッチしている)である、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを特徴とする。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、異なる細胞由来のACVRまたはBCVRをコードする核酸を含まない。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、以下の1つ、2つ、または全部を含む:(i)ACおよびBCのV遺伝子配列に特異的な1つもしくは複数のプライマー;(ii)AC cDNAおよびBC cDNA上へ導入されたオーバーハングに特異的な1つもしくは複数のプライマー;または(iii)第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーの間に位置するヌクレオチド修飾を含む第3のメンバー(例えば、スペーサー)を含む、1つもしくは複数のプライマーであって、前記第1のメンバーが、同じプライマーまたは異なるプライマーの前記第2のメンバーとアニールする能力、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む構造を形成する能力がある。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含まない。別の実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含む。
ある態様では、本開示は、(例えば、ACVRのACエレメントおよびBCVRのBCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、前記ACVRおよび前記BCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法のための、)第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーの間に位置するヌクレオチド修飾を含む第3のメンバー(例えば、スペーサー)を含み、前記第1のメンバーが、同じオリゴヌクレオチドの前記第2のメンバーとアニールする能力がある、自己アニーリング性オリゴヌクレオチドを特徴とする。
ある実施形態では、第1のメンバーおよび第2のメンバーは、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含むヘアピン構造を形成する能力がある。ある実施形態では、第1のメンバーは5~40ヌクレオチド長、例えば、5~10ヌクレオチド長、5~20ヌクレオチド長、5~30ヌクレオチド長、30~40ヌクレオチド長、20~40ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、または15~25ヌクレオチド長である。ある実施形態では、第2のメンバーは5~40ヌクレオチド長、例えば、5~10ヌクレオチド長、5~20ヌクレオチド長、5~30ヌクレオチド長、30~40ヌクレオチド長、20~40ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、または15~25ヌクレオチド長である。
ある実施形態では、スペーサーは、本明細書に記載されたスペーサー、例えば、可撓性スペーサーまたはPEGスペーサーである。
ある実施形態では、第1のメンバーは、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドの配列に相補的である配列を含む。
ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、5’から3’へ)以下:(i)第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列;(ii)(例えば、PCR増幅または次世代シーケンシングのための)ユニバーサルプライミング配列;ならびに(iii)標的配列、例えば、ACVRSおよび/またはBCVRSに相補的な配列の1つ、2つ、または全部を含む。ある実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と同一、または実質的に同一である。別の実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と異なる。ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、酵母または哺乳動物細胞における)相同組換えのための配列を含む。
ある態様では、本開示は、本明細書に記載された隔離された連結反応部位(例えば、ACVRをコードする核酸、およびBCVRをコードする核酸を含み、前記ACVRおよび前記BCVRがマッチしている)である、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを特徴とする。
ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、異なる細胞由来のACVRまたはBCVRをコードする核酸を含まない。
ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、ACストランドとBCストランドの接合部を含む配列またはその相補的配列にハイブリダイズして、ライゲーションの部位に二重鎖領域を形成する能力があるスプリントオリゴヌクレオチド(例えば、本明細書に記載されたスプリントオリゴヌクレオチド)を含む。
ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含む。
ある局面では、本開示は、TCRγ鎖可変領域(GCVR)のγ鎖エレメント(GCエレメント)およびTCRδ鎖可変領域(DCVR)のδ鎖エレメント(DCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、GCVRおよびDCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、方法が、以下:
a)以下:
i)細胞由来のGCVRのGCエレメント、例えば、γ鎖可変領域配列(GCVRS)をコードするセグメントを含むγ鎖二本鎖cDNA(GC ds cDNA)のストランドである、γ鎖(GC)ストランド;および
ii)上記細胞由来のDCVRのDCエレメント、例えば、δ鎖可変領域配列(DCVRS)をコードするセグメントを含むδ鎖ds cDNA(DC ds cDNA)のストランドである、δ鎖(DC)ストランド、
を含む、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップ、ならびに
b)第1のストランドを第2のストランドへ共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションするステップ
を含み、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞、例えば、異なるT細胞)由来のGCVRまたはDCVRをコードする核酸を含まず、それにより、GCVRのGCエレメントおよびDCVRのDCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、GCVRおよびDCVRがマッチしている、核酸配列を作製する、方法を特徴とする。
ある実施形態では、GCエレメントは、GCVRSまたはその機能性断片(例えば、その抗原結合断片)を含み、またはそれからなる。ある実施形態では、DCエレメントは、DCVRSまたはその機能性断片(例えば、その抗原結合断片)を含み、またはそれからなる。
ある実施形態では、GC ds cDNAは、GCVRSをコードするセグメントを含む。ある実施形態では、DC ds cDNAは、DCVRSをコードするセグメントを含む。ある実施形態では、GC ds cDNAは、GCVRSをコードするセグメントを含み、かつDC ds cDNAは、DCVRSをコードするセグメントを含む。
ある実施形態では、細胞は免疫細胞、例えば、T細胞、例えば、ヒトT細胞である。ある実施形態では、細胞は哺乳動物細胞またはトリ細胞である。
ある実施形態では、核酸配列が、発現した時、GCエレメントおよびDCエレメント(例えば、GCVRSおよびDCVRS)が機能性抗原結合分子、例えば、TCRγ鎖およびδ鎖の単一鎖または複合体を形成するように、構成される。ある実施形態では、抗原結合分子、例えば、TCRγ鎖および/またはδ鎖が、例えば、本明細書に記載された方法またはアッセイにより決定される場合、in vitro、ex vivo、またはin
vivoで機能的である。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップは、以下:
a)以下:(i)細胞由来のGCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および(ii)上記細胞由来のDCVRをコードする第2のmRNAに相補的なストランド
を含む第2のds cDNA、と結合した捕捉支持体(cDNAを担持させた捕捉支持体)を獲得するステップ、ならびに
b)第1および第2のds cDNAの増幅を可能にする条件下で、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを維持して、以下:上記細胞由来のGCVRのGCエレメント、例えば、GCVRSをコードするセグメントを含む複数個のGC ds
cDNA、および上記細胞由来のDCVRのDCエレメント、例えば、DCVRSをコードするセグメントを含む複数個のDC ds cDNA
を産生する、ステップを含む。
ある実施形態では、GC ds cDNAは、第1のds cDNAと同一、または実質的に同一である。例えば、GC ds cDNAのセンス鎖は、第1のds cDNAのセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なり、ならびに/またはGC ds cDNAのアンチセンス鎖は、第1のds cDNAのアンチセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なる。
ある実施形態では、DC ds cDNAは、第2のds cDNAと同一、または実質的に同一である。例えば、DC ds cDNAのセンス鎖は、第2のds cDNAのセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なり、ならびに/またはDC ds cDNAのアンチセンス鎖は、第2のds cDNAのアンチセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なる。
ある実施形態では、GCストランドはセンス鎖である。ある実施形態では、DCストランドはセンス鎖である。ある実施形態では、GCストランドはアンチセンス鎖である。ある実施形態では、DCストランドはアンチセンス鎖である。ある実施形態では、GCストランドとDCストランドの両方がセンス鎖である。ある実施形態では、GCストランドとDCストランドの両方がアンチセンス鎖である。
ある実施形態では、捕捉支持体は、ビーズ、例えば、磁気ビーズを含む。ある実施形態では、捕捉支持体は、cDNAと結合する部分(例えば、オリゴヌクレオチド)、例えば、(i)GCストランドと結合する部分;(ii)DCストランドと結合する部分;または(iii)(i)と(ii)の両方を含む。ある実施形態では、例えば同様のレベルの各DNA分子型を捕捉するのに都合良い条件を生じることを促進するために、GCストランドと結合する部分は、DCストランドと結合する部分と異なる。ある実施形態では、GCストランドと結合する部分は、DCストランドと結合する部分と同一である。
ある実施形態では、第1のmRNAおよび第2のmRNAは、mRNAを担持させた捕捉支持体上に配置されている。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、以下:第1および第2のmRNAから(例えば、第1および第2のmRNAが、mRNAを担持させた捕捉支持体から溶液へ放出された後)、細胞のGCVRのGCエレメント、例えば、GCVRSをコードするセグメントを含む第1のds cDNA、および細胞のDCVRのDCエレメント、例えば、DCVRSをコードするセグメントを含む第2のds
cDNAを産生するのに適した試薬混合物を含む。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、第1のds cDNAの産生を媒介するプライマーを含む。ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、第2のds cDNAの産生を媒介するプライマーを含む。
ある実施形態では、細胞由来のGCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるcDNAストランドが、第1のmRNAの逆転写により生成される。ある実施形態では、細胞由来のDCVRをコードする第2のmRNAに相補的であるcDNAストランドは、第2のmRNAの逆転写により生成される。
ある実施形態では、逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー内で起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバー内で起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で、または隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーの外側で、起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で、および隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーの外側で、起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された反応部位の外側で、例えば、マイクロチャンバーの外側で、起こる。
ある実施形態では、増幅は、20サイクルまたはそれ未満、例えば、15サイクルもしくはそれ未満、14サイクルもしくはそれ未満、13サイクルもしくはそれ未満、12サイクルもしくはそれ未満、11サイクルもしくはそれ未満、10サイクルもしくはそれ未満、9サイクルもしくはそれ未満、8サイクルもしくはそれ未満、7サイクルもしくはそれ未満、6サイクルもしくはそれ未満、または5サイクルもしくはそれ未満を含む。
ある実施形態では、逆転写および/または増幅は、例えばGCVRSおよび/またはDCVRSに特異的な配列を含む、1つまたは複数のプライマーを使用する。
ある実施形態では、逆転写および/または増幅は、GC ds cDNAの産生を媒介する2つまたはそれより多いプライマーを使用するステップ含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含まない。ある実施形態では、増幅は、DC ds cDNAの産生を媒介する2つまたはそれより多いプライマーを使用するステップを含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含まない。
ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーは、例えばDNAポリメラーゼによるDNA合成を、例えば、低下させる、例えば、阻害する、ヌクレオチド修飾を含む。ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーは、例えば、DNAポリメラーゼによるDNA合成を、例えば、低下させる、例えば、阻害する、ヌクレオチド修飾を含まない。
ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、DNAポリメラーゼがDNAを伸長することを阻害する。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、DNAポリメラーゼ伸長を低下させる(例えば、ブロックする)任意の化学的実体が、本明細書に記載された方法に従って使用することができると考えられる。
ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、プライマーへの、例えば、プライマーにおける2個の隣接したヌクレオチド間での、スペーサーの挿入である。ある実施形態では、スペーサーは可撓性スペーサーである。ある実施形態では、スペーサーは炭素スペーサー(例えば、-(CH2)n-、式中、n=3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより大きい)、2個もしくはそれより多い(例えば、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多い)脱塩基ヌクレオチド、またはポリエチレングリコール(PEG)スペーサーである。ある実施形態では、スペーサーはPEGスペーサーである。ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、例えばリボースへの、2’-O-メチル、2’-OH、2’-NH、またはウラシルである。
ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、プライマーの内部に、または3’末端に位置する。ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーが、(i)第1のメンバー;(ii)第2のメンバー;および必要に応じて、(iii)第3のメンバー(例えば、本明細書に記載された、例えば、(i)と(ii)の間に位置する、ヌクレオチド修飾を含む)を含む。
ある実施形態では、第1のメンバーは、第2のメンバーとアニールする能力がある。ある実施形態では、第1のメンバーは、同じプライマー内の第2のメンバーと、例えば、分子内ハイブリダイゼーションを通して、アニールして、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含むヘアピン構造を形成する能力がある。別の実施形態では、第1のメンバーは、異なるプライマー内の第2のメンバーと、例えば、分子間ハイブリダイゼーションを通して、アニールまたはハイブリダイズして、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む二本鎖構造を形成する能力がある。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、修飾プライマーが形成し、支持体(例えば、ビーズ)捕捉に対する競合の低下(例えば、防止)を促進することができる、少なくとも2つの二次構造があると考えられる。例えば、二次構造は、(同じプライマー内での)分子内ハイブリダイゼーションにより形成されるヘアピン様構造であり得、または二次構造は、(2つの異なるプライマー間の)分子間ハイブリダイゼーションにより形成される二重鎖構造であり得る。
ある実施形態では、第1のメンバーは、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドの配列に相補的である配列を含む。ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、5’から3’へ)以下:(i)第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列;(ii)(例えば、PCR増幅または次世代シーケンシングのための)ユニバーサルプライミング配列;ならびに(iii)標的配列、例えば、GCVRSおよび/またはDCVRSに相補的な配列の1つ、2つ、または全部を含む。ある実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と同一、または実質的に同一である。別の実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と異なる。ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、酵母または哺乳動物細胞における)相同組換えのための配列を含む。
ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーは、リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含む。ある実施形態では、リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含むプライマーは、リン酸化、例えば、5’リン酸化されている。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、可撓性(例えば、グリシンにより促進される)および親水性の一般的性質をもつ任意の配列は、本明細書に記載された方法に従って、有効に働き得ると考えられる。例示的なリンカーは、一般的に、Gly、Ser、Thr、またはAlaの1つまたは複数が過剰出現(overrepresentation)し、および疎水性残基、例えば、Trp、Tyr、Phe、Cys、Met、Leu、またはIleの1つまたは複数が過少出現(underrepresentation)し得る。プライマーの長さは、様々であり得、例えば、3~50個のアミノ酸残基(例えば、5~45個、10~40個、15~35個、20~30個、10~20個、10~30個、20~40個、または30~40個のアミノ酸残基)である。ある実施形態では、リンカー配列は、((Gly)m-Ser))n(式中、m=3、4、5、またはそれより大きい、およびn=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより大きい)を含み、またはそれからなる。ある実施形態では、リンカー配列は、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(式中、n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより大きい)を含み、またはそれからなる。
ある実施形態では、プライマーは、本明細書に、例えば、実施例に、記載されたプライマーである。
ある実施形態では、逆転写、増幅、またはその両方は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーにおける溶液中で起こる。ある実施形態では、逆転写、増幅、またはその両方は、支持体(例えば、ビーズ)上で起こらない。例えば、逆転写、増幅、またはその両方は、液滴内の溶液中で起こり得る。
ある実施形態では、GC ds cDNAは、5’オーバーハング、例えば、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力がある5’オーバーハングを含む。ある実施形態では、GC ds cDNAは、平滑末端、例えば、5’ホスフェートを含む平滑末端を含む。ある実施形態では、DC ds cDNAは、5’オーバーハング、例えば、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力がある5’オーバーハングを含む。ある実施形態では、DC ds cDNAは、平滑末端、例えば、5’ホスフェートを含む平滑末端を含む。ある実施形態では、GC ds cDNAおよびDC ds cDNAは、粘着末端を含み、例えば、両方が5’オーバーハングを有する。
ある実施形態では、GCストランドおよびDCストランドは、共有結合性に連結されて、例えば、ライゲーションされて、一本鎖核酸配列を生じ、GCおよびDCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である。ある実施形態では、GC ds cDNAの変性GCストランドおよびDC ds cDNAの変性DCストランドは、共有結合性に連結され、例えば、ライゲーションされ、GCおよびDCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である。ある実施形態では、GCストランドは、GC ds cDNA内に存在し、かつDCストランドがDC ds cDNA内に存在し、ならびにGC ds cDNAおよびDC ds cDNAが共有結合性に連結されて、例えば、ライゲーションされて、例えば、二本鎖核酸配列を生じる。
ある実施形態では、共有結合性連結、例えば、ライゲーションが、隔離された産生反応部位において起こる。ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー、または隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、GCストランドおよびDCストランド、またはGC ds cDNAおよびDC ds cDNAを共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションする能力がある試薬を含む。ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、GCストランドおよびDCストランド、またはGC ds cDNAおよびDC ds cDNAを共有結合性にカップリングする酵素を含む。ある実施形態では、酵素は、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼである。ある実施形態では、共有結合性連結は、リガーゼ熱サイクリングを含む。
ある実施形態では、共有結合性連結、例えば、ライゲーションは、隔離された産生反応部位とは異なる部位において起こる、例えば、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーにおいて起こる。ある実施形態では、GCストランドおよびDCストランドは、隔離された産生部位から隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーへ移され、共有結合性連結が、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーにおいて起こる。ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、GCストランドおよびDCストランド、またはGC ds cDNAおよびDC ds cDNAを共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションする能力がある試薬を含む。ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、GCストランドおよびDCストランド、またはGC ds cDNAおよびDC ds cDNAを共有結合性にカップリングする酵素を含む。ある実施形態では、酵素は、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼである。ある実施形態では、共有結合性連結は、リガーゼ熱サイクリングを含む。
ある実施形態では、共有結合性連結、例えば、ライゲーションは、以下:(a)隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを、GCストランドおよびDCストランドの変性を可能にする条件下で(例えば、95℃で)、加熱するステップ;(b)隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを、GCストランドおよびDCストランドへのスプリントオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で(例えば、50~65℃で)、冷却するステップ;(c)GCストランドおよびDCストランドのライゲーション(例えば、GCストランドとDCストランドの間のホスホジエステル結合の形成)を可能にする条件下で(例えば、45~65℃で)、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを維持するステップ;ならびに(d)ステップ(a)、(b)、および(c)を逐次的に、2サイクル、5サイクル、10サイクル、15サイクル、20サイクル、25サイクル、30サイクル、35サイクル、40サイクル、45サイクル、50サイクル、またはそれより多くのサイクル、繰り返すステップを含む。
ある実施形態では、GCストランドおよびDCストランドは、スプリントオリゴヌクレオチドの存在下で共有結合性に連結される、例えば、ライゲーションされる。ある実施形態では、スプリントオリゴヌクレオチドは、GCストランドとDCストランドの接合部を含む配列、またはその相補的配列にハイブリダイズし、ライゲーション部位において二重鎖領域を形成する。ある実施形態では、スプリントオリゴヌクレオチドは、例えばDNAポリメラーゼによる、DNA合成を阻害する修飾(例えば、NH基)を含む。ある実施形態では、修飾は、スプリントオリゴヌクレオチドの3’末端にある。
ある実施形態では、共有結合性に連結された、例えば、ライゲーションされた、GCおよびDCストランドに相補的なストランドは、増幅により産生される。
ある実施形態では、方法、例えば、共有結合性の連結のステップは、オーバーラップ伸長によるスプライシングまたはオーバーハング伸長によるスプライシング(SOE)PCRとしても公知のオーバーラップ伸長ポリメラーゼ連鎖反応(OE-PCR)のステップを含まない。
ある実施形態では、方法は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップの前に、mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップをさらに含む。
ある実施形態では、mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップは、a)i)細胞;ならびにii)上記細胞由来のGCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のDCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびにb)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体を、第1のmRNAおよび第2のmRNAと結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップを含み、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のGCVRまたはDCVRをコードする核酸を含まない。
ある実施形態では、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーは、溶解試薬、例えば、洗剤を含む。ある実施形態では、細胞は、熱または酵素により溶解される。ある実施形態では、捕捉支持体は、mRNA、例えば、オリゴ(dT)を結合する部分(例えば、オリゴヌクレオチド)を含む。
ある実施形態では、方法は、mRNAを担持させた捕捉支持体を、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーから放出させるステップをさらに含む。ある実施形態では、放出ステップは、例えば、非捕捉mRNAの交差結合を低下させるために、ポリ(dA)またはポリ(dT)オリゴヌクレオチドの存在下で実施される。
ある実施形態では、mRNAを担持させた捕捉支持体は、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーから、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーへ移される。
ある実施形態では、方法は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーから核酸配列を放出させるステップをさらに含む。ある実施形態では、方法は、核酸配列を増幅するステップをさらに含む。ある実施形態では、核酸配列の増幅は、例えば、核酸が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーから放出された後、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で起こる。ある実施形態では、核酸配列の増幅は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーで起こる。
ある実施形態では、方法は、核酸配列の全部または一部分をシーケンシングするステップをさらに含む。
ある実施形態では、方法は、核酸配列の全部または一部分をベクターへ挿入するステップをさらに含む。ある実施形態では、ベクターは、核酸配列内に含まれない追加のGCエレメントまたはDCエレメントを供給する。ある実施形態では、方法は、ベクターを発現するステップをさらに含む。
ある実施形態では、方法は、核酸配列を発現して、GCVRのGCエレメント、例えば、GCVRSをコードするセグメント、およびDCVRのDCエレメント、例えば、DCVRSをコードするセグメントを含むポリペプチドを産生するステップをさらに含む。ある実施形態では、DCエレメントは、ポリペプチドにおいてGCエレメントのN末端側にある。ある実施形態では、GCエレメントは、ポリペプチドにおいてDCエレメントのC末端側にある。
ある実施形態では、方法は、前記ポリペプチドを抗原と接触させるステップをさらに含む。ある実施形態では、方法は、前記ポリペプチドがin vitro、ex vivo、またはin vivoで抗原を結合するかどうかを、例えば、本明細書に記載された方法またはアッセイにより、決定するステップをさらに含む。
あるる実施形態では、本開示は、TCRγ鎖可変領域(GCVR)のTCRγ鎖エレメント(GCエレメント)およびTCRδ鎖可変領域(DCVR)のTCRδ鎖エレメント(DCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、GCVRおよびDCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、以下:
a)i)細胞(例えば、本明細書に記載される細胞);ならびに
ii)上記細胞由来のGCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のDCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体(例えば、本明細書に記載される捕捉支持体)
を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体に、第1のmRNAおよび第2のmRNAを結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された細胞反応部位)、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップであって、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のGCVRまたはDCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
c)担持されたmRNAを鋳型として使用して、cDNAを生成する反応混合物、例えば、逆転写酵素を含む反応混合物とmRNAを担持させた捕捉支持体を接触させるステップ(これは、例えば、隔離された細胞反応部位において、隔離された産生反応部位において、またはいずれにおいてでもなく、例えば、隔離された反応部位においてではなく、起こり得る);
d)i)TCRγ鎖(GC)ストランドであって、上記細胞由来のGCVRのGCエレメント、例えば、TCRγ鎖可変領域配列(GCVRS)をコードするセグメントを含むTCRγ鎖二本鎖cDNA(GC ds cDNA)のストランドであるGCストランド;および
ii)TCRδ鎖(DC)ストランドであって、上記細胞由来のDCVRのDCエレメント、例えば、TCRδ鎖可変領域配列(DCVRS)をコードするセグメントを含むTCRδ鎖二本鎖cDNA(DC ds cDNA)のストランドであるDCストランド
を含む、隔離された産生反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された産生反応部位)、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得し、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のGCVRまたはDCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;ならびに
e)GCストランドをDCストランドへ共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションするステップ
を含む、方法を特徴とする。
ある実施形態では、ステップa)~e)の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、または全部)は、本明細書に記載された方法に従って実施される。ある実施形態では、ステップa)~e)のそれぞれは、本明細書に記載された方法に従って実施される。
ある局面では、本開示は、TCRγ鎖可変領域(GCVR)のTCRγ鎖エレメント(GCエレメント)およびTCRδ鎖可変領域(DCVR)のTCRδ鎖エレメント(DCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、GCVRおよびDCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって
a)i)細胞(例えば、本明細書に記載される細胞);ならびにii)上記細胞由来のGCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のDCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体(例えば、本明細書に記載される捕捉支持体)を含む、隔離された細胞反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された細胞反応部位)、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体に、第1のmRNAおよび第2のmRNAを結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップであって、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のGCVRまたはDCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
c)担持されたmRNAを鋳型として使用して、細胞由来のGCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および細胞由来のDCVRをコードする第2のmRNAに相補的なストランドを含む第2のds cDNA(cDNAを担持させた捕捉支持体)を産生する、反応混合物、例えば、逆転写酵素を含む反応混合物と、mRNAを担持させた捕捉支持体を接触させるステップを含む、隔離された産生反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された産生反応部位)、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップであって、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のGCVRまたはDCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
d)第1のds cDNAおよび第2のds cDNAを増幅して、上記細胞由来のGCVRのGCエレメント、例えば、GCVRSをコードするセグメントを含む複数個のGC
ds cDNA;および上記細胞由来のDCVRのDCエレメント、例えば、DCVRSをコードするセグメントを含む複数個のDC ds cDNAを産生することを可能にする条件下で、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを維持するステップ;
e)GC ds cDNAのストランド(GCストランド)の、DC ds cDNAのストランド(DCストランド)への共有結合性連結、例えば、ライゲーションを含み、GCストランドおよびDCストランドがどちらもセンス鎖またはアンチセンス鎖である、隔離された連結反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された連結反応部位)、例えば、連結マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびに
f)共有結合性に連結された、例えば、ライゲーションされた、GCおよびDCストランドを増幅するステップ
を含む、方法を特徴とする。
ある実施形態では、ステップa)~f)の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または全部)は、本明細書に記載された方法に従って実施される。ある実施形態では、ステップa)~f)のそれぞれは、本明細書に記載された方法に従って実施される。
ある局面では、本開示は、複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する方法を特徴とし、方法は、
複数個のメンバーを作製するステップであって、メンバーのそれぞれが、TCRγ鎖可変領域(GCVR)のTCRγ鎖エレメント(GCエレメント)およびTCRδ鎖可変領域(DCVR)のTCRδ鎖エレメント(DCエレメント)をコードする配列を含み、かつGCVRおよびDCVRがマッチしており、本明細書に記載の方法により作製される、ステップ
を含み、複数個の固有核酸配列のそれぞれが、異なる固有の細胞由来のGCエレメントおよびDCエレメントを含み、それにより、複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する。
ある実施形態では、複数個の固有メンバーは、少なくとも10個、10個、10個、10個、10個、または10個の固有メンバーを含む。ある実施形態では、複数個の固有メンバーは、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、または10~10個の固有メンバーを含む。ある実施形態では、ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、(マッチしたGCエレメント配列およびDCエレメント配列をコードする)固有メンバーである。ある実施形態では、ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、(マッチしたGCエレメント配列およびDCエレメント配列をコードする)固有メンバーである。
ある局面では、本開示は、複数個の固有メンバーを含むライブラリーであって、
i)複数個の固有メンバーのそれぞれが、GCエレメント、例えば、GCVRSをコードするセグメント、およびDCエレメント、例えば、DCVRSをコードするセグメントを含み、各固有メンバーにおけるGCエレメントおよびDCエレメントがマッチしている;ii)複数個の固有メンバーのそれぞれが、異なる固有細胞由来の、GCエレメント、例えば、GCVRSをコードするセグメント、およびDCエレメント、例えば、DCVRSをコードするセグメントを含む;および
iii)ライブラリーが、以下:
a)ライブラリーが、本明細書に記載の方法により作製される;
b)複数個の固有メンバーが、少なくとも10個、10個、10個、10個、10個、もしくは10個の固有核酸配列を含む;
c)複数個の固有メンバーが、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、もしくは10~10個の固有メンバーを含む;
d)ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%が、(マッチしたGCエレメント配列およびDCエレメント配列をコードする)固有メンバーである;または
e)ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、(マッチしたGCエレメント配列およびDCエレメント配列をコードする)固有メンバーである、
の性質の1つまたは複数を含む、
ライブラリーを特徴とする。
ある実施形態では、複数個の固有メンバーのそれぞれが、発現した時、GCエレメント、例えば、GCVRS、およびDCエレメント、例えば、DCVRSが、機能性抗原結合分子、例えば、TCRγ鎖およびδ鎖の単一鎖または複合体を形成するように、構成される。
ある実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーである。ある実施形態では、複数個のメンバーのそれぞれはさらに、ディスプレイ実体の表面上のメンバーのディスプレイを生じるポリペプチドをさらにコードする。ある実施形態では、ライブラリーはファージディスプレイライブラリーである。ある実施形態では、ライブラリーは酵母ディスプレイライブラリーである。ある実施形態では、ライブラリーは哺乳動物ディスプレイライブラリーである。
ある態様では、本開示は、a)本明細書に記載されたライブラリーを、例えば、本明細書に記載された方法により、獲得するステップ;およびb)前記ライブラリーの固有核酸によりコードされるポリペプチドを発現するステップを含む、結合ポリペプチド(例えば、GCエレメントおよびDCエレメントを含むポリペプチド)を作製する方法を特徴とする。
ある実施形態では、方法は、前記ポリペプチドを抗原と接触させるステップをさらに含む。ある実施形態では、方法は、抗原を結合するポリペプチドをコードする核酸を回収する(例えば、単離し、または精製する)ステップをさらに含む。
ある態様では、本開示は、本明細書に記載された隔離された産生反応部位(例えば、GCVRをコードする核酸、およびDCVRをコードする核酸を含み、前記GCVRおよび前記DCVRがマッチしている)である、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを特徴とする。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、異なる細胞由来のGCVRまたはDCVRをコードする核酸を含まない。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、以下の1つ、2つ、または全部を含む:(i)GCおよびDCのV遺伝子配列に特異的な1つもしくは複数のプライマー;(ii)GC cDNAおよびDC cDNA上へ導入されたオーバーハングに特異的な1つもしくは複数のプライマー;または(iii)第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーの間に位置するヌクレオチド修飾を含む第3のメンバー(例えば、スペーサー)を含む、1つもしくは複数のプライマーであって、前記第1のメンバーが、同じプライマーまたは異なるプライマーの前記第2のメンバーとアニールする能力、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む構造を形成する能力がある。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含まない。別の実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含む。
ある態様では、本開示は、(例えば、GCVRのGCエレメントおよびDCVRのDCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、前記GCVRおよび前記DCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法のための、)第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーの間に位置するヌクレオチド修飾を含む第3のメンバー(例えば、スペーサー)を含み、前記第1のメンバーが、同じオリゴヌクレオチドの前記第2のメンバーとアニールする能力がある、自己アニーリング性オリゴヌクレオチドを特徴とする。
ある実施形態では、第1のメンバーおよび第2のメンバーは、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含むヘアピン構造を形成する能力がある。ある実施形態では、第1のメンバーは5~40ヌクレオチド長、例えば、5~10ヌクレオチド長、5~20ヌクレオチド長、5~30ヌクレオチド長、30~40ヌクレオチド長、20~40ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、または15~25ヌクレオチド長である。ある実施形態では、第2のメンバーは5~40ヌクレオチド長、例えば、5~10ヌクレオチド長、5~20ヌクレオチド長、5~30ヌクレオチド長、30~40ヌクレオチド長、20~40ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、または15~25ヌクレオチド長である。
ある実施形態では、スペーサーは、本明細書に記載されたスペーサー、例えば、可撓性スペーサーまたはPEGスペーサーである。
ある実施形態では、第1のメンバーは、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドの配列に相補的である配列を含む。
ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、5’から3’へ)以下:(i)第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列;(ii)(例えば、PCR増幅または次世代シーケンシングのための)ユニバーサルプライミング配列;ならびに(iii)標的配列、例えば、GCVRSおよび/またはDCVRSに相補的な配列の1つ、2つ、または全部を含む。ある実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と同一、または実質的に同一である。別の実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と異なる。ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、酵母または哺乳動物細胞における)相同組換えのための配列を含む。
ある態様では、本開示は、本明細書に記載された隔離された連結反応部位(例えば、GCVRをコードする核酸、およびDCVRをコードする核酸を含み、前記GCVRおよび前記DCVRがマッチしている)である、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを特徴とする。
ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、異なる細胞由来のGCVRまたはDCVRをコードする核酸を含まない。
ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、GCストランドとDCストランドの接合部を含む配列またはその相補的配列にハイブリダイズして、ライゲーションの部位に二重鎖領域を形成する能力があるスプリントオリゴヌクレオチド(例えば、本明細書に記載されたスプリントオリゴヌクレオチド)を含む。
ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含む。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、HCVRおよびLCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、方法が、以下:
a)以下:
i)細胞由来のHCVRの前記HCエレメントをコードするセグメントを含む重鎖二本鎖cDNA(HC ds cDNA)のストランドである、重鎖(HC)ストランド;および
ii)前記細胞由来のLCVRの前記LCエレメントをコードするセグメントを含む軽鎖二本鎖cDNA(LC ds cDNA)のストランドである、軽鎖(LC)ストランド、
を含む、隔離された産生反応部位を獲得するステップ、ならびに
b)前記HCストランドを前記LCストランドへ共有結合性に連結するステップ
を含み、前記隔離された産生反応部位が、前記細胞以外の細胞由来のHCVRまたはLCVRをコードする核酸を含まず、
それにより、前記核酸配列を作製する、
方法。
(項目2)
前記HCエレメントが、重鎖可変領域配列(HCVRS)またはその抗原結合断片を含み、またはそれからなる、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記LCエレメントが、軽鎖可変領域配列(LCVRS)またはその抗原結合断片を含み、またはそれからなる、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記核酸配列が、発現した時、前記HCエレメントおよび前記LCエレメントが、in
vitro、ex vivo、またはin vivoで機能性抗原結合分子を形成するように、構成される、項目1~3のいずれかに記載の方法。
(項目5)
前記隔離された産生反応部位を獲得するステップが、以下:
a)以下:
(i)前記細胞由来の前記HCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および
(ii)前記細胞由来の前記LCVRをコードし、捕捉支持体を生成する第2のmRNAに相補的なストランドを含む第2のds cDNA、
と結合した捕捉支持体を獲得するステップ、ならびに
b)前記第1および前記第2のds cDNAの増幅を可能にする条件下で、前記隔離された産生反応部位を維持して、以下:
前記細胞由来の前記HCVRの前記HCエレメントをコードするセグメントを含む複数個のHC ds cDNA、および
前記細胞由来の前記LCVRの前記LCエレメントをコードするセグメントを含む複数個のLC ds cDNA
を産生する、ステップ
を含む、項目1~4のいずれかに記載の方法。
(項目6)
前記捕捉支持体が、ビーズ、およびcDNAと結合する部分を含む、項目1~5のいずれかに記載の方法。
(項目7)
前記隔離された産生反応部位が、前記第1および前記第2のmRNAから、前記細胞の前記HCVRの前記HCエレメント、をコードするセグメントを含む第1のds cDNA、および前記細胞の前記LCVRの前記LCエレメントをコードするセグメントを含む第2のds cDNAを産生するのに適した試薬混合物を含む、項目1~6のいずれかに記載の方法。
(項目8)
前記第1のds cDNAおよび前記第2のds cDNAが、プライマーの存在下で増幅され、前記プライマーの少なくとも1つが、第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーの間のヌクレオチド修飾を含み、前記ヌクレオチド修飾がDNA合成を低下させる、項目5~7のいずれかに記載の方法。
(項目9)
前記ヌクレオチド修飾が、2個の隣接したヌクレオチド間のスペーサーの挿入、またはリボースへの修飾を含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記第1のメンバーが、同じプライマーまたは異なるプライマー内の前記第2のメンバーとアニールして、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む二本鎖構造を形成する能力がある、項目8または9に記載の方法。
(項目11)
前記プライマーの少なくとも1つのプライマーが、リン酸化されており、リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含む、項目8~10のいずれかに記載の方法。
(項目12)
前記HC ds cDNAが、5’オーバーハングおよび平滑末端を含み、かつ前記LC ds cDNAが5’オーバーハングおよび平滑末端を含む、項目1~11のいずれかに記載の方法。
(項目13)
前記HCストランドおよび前記LCストランドが、共有結合性に連結されて一本鎖核酸配列を生じ、前記HCおよびLCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である、項目1~12のいずれかに記載の方法。
(項目14)
前記共有結合性連結が、リガーゼを含む隔離された連結反応部位において起こる、項目1~13のいずれかに記載の方法。
(項目15)
前記HCストランドおよび前記LCストランドが、スプリントオリゴヌクレオチドの存在下で共有結合性に連結され、前記スプリントオリゴヌクレオチドが、前記HCストランドと前記LCストランドの接合部を含む配列にハイブリダイズして連結部位において二重鎖領域を形成する、項目1~14のいずれかに記載の方法。
(項目16)
前記スプリントオリゴヌクレオチドが、DNA合成を阻害する修飾を含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記隔離された産生反応部位を獲得するステップの前に、mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップであって、
a)i)細胞;ならびに
ii)前記細胞由来のHCVRをコードする第1のmRNAおよび前記細胞由来のLCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体
を含む、隔離された細胞反応部位を獲得するステップ;ならびに
b)前記細胞の溶解、ならびに前記捕捉支持体を、前記第1のmRNAおよび前記第2のmRNAと結合させて、前記mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、前記隔離された細胞反応部位を維持するステップ
を含み、前記隔離された細胞反応部位が、前記細胞以外の細胞由来のHCVRまたはLCVRをコードする核酸を含まない、ステップ
をさらに含む、項目1~16のいずれかに記載の方法。
(項目18)
ポリ(dA)またはポリ(dT)オリゴヌクレオチドの存在下で、前記隔離された細胞反応部位から、前記mRNAを担持させた捕捉支持体を放出させるステップをさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記核酸配列を増幅するステップをさらに含む、項目1~18のいずれかに記載の方法。
(項目20)
前記核酸配列の全部または一部分をシーケンシングするステップをさらに含む、項目1~19のいずれかに記載の方法。
(項目21)
核酸配列の全部または一部分をベクターへ挿入するステップをさらに含む、項目1~20のいずれかに記載の方法。
(項目22)
前記核酸配列を発現して、前記HCVRの前記HCエレメントをコードするセグメント、および前記LCVRの前記LCエレメントをコードするセグメントを含むポリペプチドを産生するステップを含む、項目1~21のいずれかに記載の方法。
(項目23)
前記ポリペプチドを抗原と接触させ、前記ポリペプチドが前記抗原を結合するかどうかを決定するステップをさらに含む、項目22に記載の方法。
(項目24)
複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する方法であって、方法が、
項目1~23のいずれかに記載の方法によって前記複数個のメンバーを作製するステップであって、メンバーのそれぞれが、重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含み、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、ステップを含み、前記複数個のそれぞれの固有核酸配列が、異なる固有の細胞由来のHCエレメントおよびLCエレメントを含み、
それにより、ライブラリーを作製する、
方法。
(項目25)
前記ライブラリーが、以下:
a)前記複数個の固有メンバーが、少なくとも10個、10個、10個、10個、10個、または10個の固有メンバーを含む、
b)前記複数個の固有メンバーが、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、または10~10個の固有メンバーを含む、
c)前記ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、固有メンバーである、または d)前記ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、固有メンバーである、
の特性のうちの1つ、2つ、3つまたは全てを含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
項目25に記載の方法により作製されたライブラリー。
(項目27)
前記ライブラリーがディスプレイライブラリーである、項目26に記載のライブラリー。
(項目28)
a)項目26または27に記載のライブラリーを獲得するステップ;および
b)前記ライブラリーの固有核酸によりコードされるポリペプチドを発現するステップを含む、結合ポリペプチドを作製する方法。
(項目29)
前記ポリペプチドを抗原に接触させるステップ、および前記抗原を結合するポリペプチドをコードする核酸を回収するステップをさらに含む、項目28に記載の方法。
(項目30)
T細胞受容体(TCR)α鎖可変領域(ACVR)のα鎖エレメント(ACエレメント)およびTCRβ鎖可変領域(BCVR)のβ鎖エレメント(BCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、ACVRおよびBCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、方法が、以下:
a)以下:
i)細胞由来のACVRのACエレメントをコードするセグメントを含むα鎖二本鎖cDNA(AC ds cDNA)のストランドである、α鎖(AC)ストランド;および
ii)前記細胞由来のBCVRのBCエレメントをコードするセグメントを含むβ鎖二本鎖cDNA(BC ds cDNA)のストランドである、β鎖(BC)ストランド、
を含む、隔離された産生反応部位を獲得するステップ、ならびに
b)ACストランドをBCストランドへ共有結合性に連結するステップ
を含み、前記隔離された産生反応部位が、前記細胞以外の細胞由来のBCVRまたはACVRをコードする核酸を含まず、
それにより、前記核酸配列を作製する、
方法。
(項目31)
前記核酸配列が、発現した時、前記ACエレメントおよび前記BCエレメントが、機能性抗原結合分子を形成するように、構成される、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記共有結合性連結が、リガーゼを含む隔離された連結反応部位において起こる、項目31に記載の方法。
(項目33)
複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する方法であって、方法が、
項目30~32のいずれかに記載の方法によって前記複数個のメンバーを作製するステップであって、メンバーのそれぞれが、α鎖可変領域(ACVR)のα鎖エレメント(ACエレメント)およびβ鎖可変領域(BCVR)のβ鎖エレメント(BCエレメント)をコードする配列を含み、前記ACVRおよび前記BCVRがマッチしている、ステップを含み、前記複数個のそれぞれの固有核酸配列が、異なる固有の細胞由来のACエレメントおよびBCエレメントを含み、
それにより、ライブラリーを作製する、
方法。
(項目34)
項目33に記載の方法により作製されたライブラリー。
(項目35)
a)項目34に記載のライブラリーを獲得するステップ;および
b)前記ライブラリーの固有核酸によりコードされるポリペプチドを発現するステップを含む、結合ポリペプチドを作製する方法。
(項目36)
TCRγ鎖可変領域(GCVR)のγ鎖エレメント(GCエレメント)およびTCRδ鎖可変領域(DCVR)のδ鎖エレメント(DCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、GCVRおよびDCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、方法が、以下:
a)以下:
i)細胞由来のGCVRのGCエレメントをコードするセグメントを含むγ鎖二本鎖cDNA(GC ds cDNA)のストランドである、γ鎖(GC)ストランド;および
ii)前記細胞由来のDCVRのDCエレメントをコードするセグメントを含むδ鎖二本鎖cDNA(DC ds cDNA)のストランドである、δ鎖(DC)ストランド、
を含む、隔離された産生反応部位を獲得するステップ、ならびに
b)GCストランドをDCストランドへ共有結合性に連結するステップ
を含み、前記隔離された産生反応部位が、前記細胞以外の細胞由来のDCVRまたはGCVRをコードする核酸を含まず、
それにより、前記核酸配列を作製する、
方法。
(項目37)
前記核酸配列が、発現した時、前記GCエレメントおよび前記DCエレメントが、機能性抗原結合分子を形成するように、構成される、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記共有結合性連結が、リガーゼを含む隔離された連結反応部位において起こる、項目36または37に記載の方法。
(項目39)
複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する方法であって、方法が、
項目36~38のいずれかに記載の方法によって前記複数個のメンバーを作製するステップであって、メンバーのそれぞれが、γ鎖可変領域(GCVR)のγ鎖エレメント(GCエレメント)およびδ鎖可変領域(DCVR)のδ鎖エレメント(DCエレメント)をコードする配列を含み、前記GCVRおよび前記DCVRがマッチしている、ステップを含み、前記複数個のそれぞれの固有核酸配列が、異なる固有の細胞由来のGCエレメントおよびDCエレメントを含み、
それにより、ライブラリーを作製する、
方法。
(項目40)
項目39に記載の方法により作製されたライブラリー。
(項目41)
a)項目40に記載のライブラリーを獲得するステップ;および
b)前記ライブラリーの固有核酸によりコードされるポリペプチドを発現するステップを含む、結合ポリペプチドを作製する方法。
(項目42)
a)細胞由来のHCVRの重鎖(HC)エレメントをコードするセグメントを含む重鎖二本鎖cDNA(HC ds cDNA)のストランドであるHCストランド;ならびに
b)前記細胞由来のLCVRの軽鎖(LC)エレメントをコードするセグメントを含む軽鎖二本鎖cDNA(LC ds cDNA)のストランドであるLCストランド、
c)第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーとの間のヌクレオチド修飾を含むプライマーであって、前記ヌクレオチド修飾がDNA合成を低下させる、プライマー
を含む、隔離された産生反応部位であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしており、かつ前記隔離された産生反応部位が、前記細胞以外の細胞由来のLCVRまたはHCVRをコードする核酸を含まない、隔離された産生反応部位。
(項目43)
前記第1のメンバーが、同じプライマーまたは異なるプライマー内の前記第2のメンバーとアニールして、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む二本鎖構造を形成する能力がある、項目42に記載の隔離された産生反応部位。
(項目44)
第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーとの間に位置したスペーサーを含む、自己アニーリング性オリゴヌクレオチドであって、前記第1のメンバーが、同じオリゴヌクレオチドまたは異なるオリゴヌクレオチドの前記第2のメンバーとアニールして、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含むヘアピン構造または二本鎖構造を形成する能力がある、自己アニーリング性オリゴヌクレオチド。
(項目45)
前記スペーサーが可撓性スペーサーまたはPEGスペーサーである、項目44に記載のオリゴヌクレオチド。
(項目46)
a)細胞由来のHCVRの重鎖(HC)エレメントをコードするセグメントを含む重鎖二本鎖cDNA(HC ds cDNA)のストランドであるHCストランド;
b)前記細胞由来のLCVRの軽鎖(LC)エレメントをコードするセグメントを含む軽鎖二本鎖cDNA(LC ds cDNA)のストランドであるLCストランド;ならびに
c)前記HCストランドおよび前記LCストランドの接合部を含む配列にハイブリダイズして、連結の部位に二重鎖領域を形成する能力があるスプリントオリゴヌクレオチドを含む、隔離された連結反応部位であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしており、前記HCストランドおよび前記LCストランドが共有結合性に連結され、前記隔離された連結反応部位が、前記細胞以外の細胞由来のHCVRまたはLCVRをコードする核酸を含まない、隔離された連結反応部位。
(項目47)
リガーゼをさらに含む、項目46に記載の隔離された連結反応部位。
図1は、抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含み、HCVRおよびLCVRがマッチした核酸配列を作製するいくつかの方法を描示する図である。A1、B1およびC2のボックスは、隔離された反応部位、特に隔離された細胞反応部位において起こるステップを指し示す。C3、D1、D2、D3、D4、D5およびD6のボックスは、隔離された反応部位、特に隔離された産生反応部位において起こるステップを指し示す。E1、E2およびE3のボックスは、隔離された反応部位、特に隔離された連結反応部位において起こるステップを指し示す。C1のボックスは、隔離された反応部位において必ずしも起きないステップを指し示す。本文で論じられるように、隔離された反応部位は、ミスマッチのHCおよびLCエレメントを生じる核酸を含まない。
図2A~2Dは、抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含み、HCVRおよびLCVRがマッチした核酸を作製する例示的な方法を示す一連の略図である。図2Aでは、細胞(例えばB細胞などの免疫細胞)を溶解させ、HCVRおよびマッチしたLCVRをコードするmRNAをビーズに捕捉させる。図2Bでは、捕捉されたmRNAを逆転写によりcDNAに変換させ、その後DNAポリメラーゼ(PCR)により増幅して、HCVRおよびLCVR cDNAのマッチした対を含むcDNAビーズを生じさせる。自己アニーリング性プライマー(例えば、第1のメンバー、および第1のメンバーにハイブリダイズする能力がある第2のメンバーを含み、第1および第2のメンバーがスペーサー、例えばPEGスペーサーにより分離されており、HCVRまたはLCVR配列にハイブリダイズする能力がある配列をさらに含むプライマー)を、逆転写反応および/またはDNAポリメラーゼ増幅に使用することができる。図2Cでは、LCVRまたはHCVR配列の各末端(例えば、LCVRの3’末端およびHCVRの5’末端)にハイブリダイズする能力がある配列を含むスプリントオリゴを使用し、LCVRおよびHCVRのマッチした対を結合させるリガーゼサイクリング反応を使用して、マッチしたLCVRおよびHCVR cDNA産物を融合させることができる。図2Dでは、融合したLCVR/HCVR産物を、例えばPCRにより増幅させることができる。 同上 同上 同上
図3は、TaqリガーゼおよびAmpligase熱安定性リガーゼ(Amp;Lucigen)が、VHおよびVL産物を効率的に連結させる能力があったことを示すポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)画像である。
図4A~4Bは、抗体4G2および9E10のそれぞれについての、天然で対形成する、連結されたVH+VL産物が、リガーゼサイクリングによりうまく産生されたことを示すゲル電気泳動画像である。図4Aでは、リガーゼサイクリング産物の変性PAGEにより、リガーゼを含む反応で、4G2および9E10のそれぞれについての連結されたVH+VL産物、ならびに個々のVHおよびVLポリヌクレオチドが生じたことが示された。リガーゼを欠く反応では、連結されたVH+VL産物は検出されなかった。図4Bでは、バルクPCR再増幅産物のアガロースゲル電気泳動により、4G2および9E10についてのVH-VL連結されたポリヌクレオチドがPCR反応において混合されても、天然の対形成が保持されたことが示された。
図5A~5Bは、自己アニーリング性プライマーを使用しての効率的かつ特異的なPCR産物捕捉を示すグラフおよび略図である。図5Aでは、(1)スペーサーを含み、ビーズ上のオリゴに相補的な5’配列およびVL鋳型配列に相補的な3’配列を有するVLプライマー、(2)スペーサーを欠き、ビーズ上のオリゴに相補的な5’配列およびVL鋳型配列に相補的な3’配列を有するVLプライマー、(3)ビーズ上のオリゴに相補的な5’配列およびVL鋳型配列に相補的な3’配列を欠くVLプライマー、ならびに(4)(1)と類似したデザインを有するが、VH鋳型に相補的な配列を有する3’末端(DNAポリメラーゼ伸長のため)を有するVHプライマーを含む一連のフォワードPCRプライマーデザインを、PCR産物を捕捉する能力について試験した。図5Bでは、スペーサーを含むVLプライマーを、VLオリゴ、VHオリゴ、およびVH+VLオリゴの効率的かつ特異的なPCR捕捉に使用した。残りのプライマーのうち、VHプライマーのみがオリゴのいずれか(特にVHオリゴおよびVH+VLオリゴ)を捕捉する能力があった。
図6は、天然で対形成するVH-VL産物が、4G2抗体を発現する細胞から得られた核酸から、滴中で産生されうることを示すアガロースゲル電気泳動画像である。NTC=液滴ワークフロー全体が実施されたが細胞が含まれていなかった試料;PCR NTC=鋳型なし対照。
図7A~7Bは、自己アニーリング性プライマー(図7A)は、未使用のプライマーレベルが高い時にPCR産物捕捉の競合を防止することができるが、非自己アニーリング性プライマー(図7B)は、未使用のプライマーレベルが低い時しかそれができないことを示す一連のグラフである。
標的分子または細胞、例えば、ヒトタンパク質または細胞と、高親和性および高特異性で結合するポリペプチド(例えば、抗体分子またはT細胞受容体分子)が本明細書に開示される。ある実施形態では、そのポリペプチドは結合ポリペプチドである。ある実施形態では、結合ポリペプチドは、抗体分子である。ある実施形態では、結合ポリペプチドはTCR分子(例えば、可溶性TCR分子)である。ある実施形態では、そのポリペプチドのライブラリー、そのポリペプチドまたはライブラリーを作製するための方法、そのポリペプチドをコードする核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、および組成物(例えば、薬学的組成物)、キット、容器もまた提供される。本明細書に記載された方法は、天然でマッチし、または対形成される2つまたはそれより多い鎖を含有する機能性ポリペプチドを作製または選択するのに有用である。本明細書に開示されたポリペプチド(例えば、抗体分子またはT細胞受容体分子)は、本明細書に開示された障害および状態などの障害を処置し、防止し、および/または診断するために(単独で、または他の作用物質または治療モダリティと組み合わせて)使用することができる。
理論に縛られることを望まないが、本明細書に記載された方法は、例えば、何百万個というB細胞/プラズマ細胞抗体のハイスループットの表現型(例えば、結合性)スクリーニング、および異なる種(例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、またはニワトリが挙げられるが、それらに限定されない)に由来したB細胞からの抗体発見を促進することができると考えられる。例えば、唯一の必要条件は、その種由来のVHおよびVL配列を適切に増幅するためのプライマーの知識であり得る。
本明細書に記載されたワークフローは、いかなる種における使用にも適するので、各種が抗原に対して異なる型の結合ポリペプチド(例えば、抗体)を発生するため、このワークフローは、(免疫化/ワクチン接種後の)標的抗原に対する多様な結合ポリペプチド(例えば、抗体)を発見する能力を有意に向上させることができる。(例えば、標的エピトープに対する)免疫寛容問題は、標的抗原を欠き、または標的抗原との有意なアミノ酸の違いを有する種(例えば、ニワトリは、ヒトまたはマウスがヒト抗原/エピトープに対する寛容を有するより、ヒト抗原/エピトープに対して寛容が低下している)を使用することにより、よりうまく克服することができる。
本明細書に記載された方法は、頑丈であり、かつ再成長することができる酵母において、抗体レパートリーの「表現型コピー」を作製することを促進することができる。感受性が高く、in vitroで長く生存せず、かつ厳しい抗体/BCR結合特徴づけを生きのびることができない初代B細胞を使用する場合と違って、これは、抗体レパートリーの厳しく、かつ繰り返される試験を促進する。
液滴において、天然で対形成するVH-VL配列を作製するための他の方法は、そのDNAを連結するためにDNAポリメラーゼでのオーバーラップ伸長(PCR)によるスプライシングを使用することができ、それは特異性に関する限界があり得、不正確な連結による多岐にわたるサイズの不均一な産物を生じ得る。本明細書に記載されたライゲーション方法は、そのような問題を被らない。
さらに、オーバーラップ伸長PCRによるスプライシングを使用する液滴方法には、滴内で融合していない任意のPCR産物が、VHとVLの間の共通の追加配列により、非滴PCR増幅中に融合される可能性を有するという固有の限界がある。滴の外側で起こる融合は、鎖が区画化されていないため、非天然の対形成をもたらす。本明細書に記載された例示的なライゲーションワークフローについて、VHおよびVLに共通配列を付加する必要がなく、したがって、この問題が発生しない。
そのようなPCR増幅は、いくつかの配列が他のものより効率的に増幅するため、多岐にわたる配列の有意に偏った出現をもたらし得、そのことは、PCR中に生じる指数関数的増幅後、著しい違いをもたらし得る。本明細書に記載されたワークフローは、PCR産物をビーズ上に捕捉させることにより、この問題を低減する。例えば、細胞のVHおよびVL配列は、非常に良く、または不十分に増幅された場合には、同様の量の産物が、ビーズ上に捕捉されるだろう。それにより、このステップを省き、かつオーバーラップ伸長PCRによるスプライシングにより連結を実施する方法と比べて、最終ライブラリーにおける抗体配列の出現がより一様になる。
定義
「HC可変領域」は、その用語が本明細書で使用される場合、重鎖CDR1、2、および3、ならびに重鎖FW領域1、2、3、および4を含むポリペプチドを指す。
「LC可変領域」は、その用語が本明細書で使用される場合、軽鎖CDR1、2、および3、ならびに軽鎖FW領域1、2、3、および4を含むポリペプチドを指す。
「重鎖可変領域配列」または「HCVRS」は、その用語が本明細書で使用される場合、抗原の結合を可能にするのに、重鎖CDR由来の十分な配列、および重鎖FW領域由来の十分な配列を含むポリペプチドを指す。実施形態では、HCVRSは、軽鎖可変領域と組み立てられ、かつ、例えば、抗原を結合することができる。ある実施形態では、HCVRSは、抗原の結合を可能にするのに、重鎖CDR1、2、および3由来の十分な配列、ならびに重鎖FW領域由来の十分な配列、例えば、重鎖FW領域1、2、3、および4を含む。ある実施形態では、HCVRSは、軽鎖可変領域と複合体形成するのに、かつ抗原の結合を可能にするのに、重鎖CDR1、2、および3、ならびに重鎖FW領域由来の十分な配列、例えば、重鎖FW領域1、2、3、および4を含む。
「軽鎖可変領域配列」または「LCVRS」は、その用語が本明細書で使用される場合、抗原の結合を可能にするのに、軽鎖CDR由来の十分な配列、および軽鎖FW領域由来の十分な配列を含むポリペプチドを指す。実施形態では、LCVRSは、重鎖可変領域と組み立てられ、かつ、例えば、抗原を結合することができる。ある実施形態では、LCVRSは、抗原の結合を可能にするのに、軽鎖CDR1、2、および3由来の十分な配列、ならびに軽鎖FW領域由来の十分な配列、例えば、軽鎖FW領域1、2、3、および4を含む。ある実施形態では、LCVRSは、重鎖可変領域と複合体形成するのに、かつ抗原の結合を可能にするのに、軽鎖CDR1、2、および3、ならびに軽鎖FW領域由来の十分な配列、例えば、軽鎖FW領域1、2、3、および4を含む。
LCまたはHC可変領域の「エレメント」は、その用語が本明細書で使用される場合、少なくとも1個のアミノ酸をコードする配列を指す。ある実施形態では、エレメントはCDRを含む。ある実施形態では、エレメントはFW領域を含む。ある実施形態では、エレメントはCDRおよびFW領域を含む。ある実施形態では、エレメントは、HCVRSまたはLCVRSを含む。ある実施形態では、エレメントは、少なくとも10個、20個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、または100個のアミノ酸残基を含む。
「マイクロチャンバー」は、その用語が本明細書で使用される場合、形成の際に、それが、単一細胞、または単一細胞由来の内容物を含有するような大きさにされている、例えば、十分に小さい、コンパートメントを指す。ある実施形態では、マイクロチャンバーは、それが含有する細胞の10倍~10,000倍である体積を有する。ある実施形態では、マイクロチャンバーは20pLの体積を有する。ある実施形態では、マイクロチャンバーは、100nLの最大寸法を有する。ある実施形態では、マイクロチャンバーは、液体の液滴を含む。実施形態では、マイクロチャンバーは、非混和性媒体、例えば、気体または第2の液体中に配置された第1の液体の液滴を含む。ある実施形態では、マイクロチャンバーは、非混和性の第2の液体、例えば、フッ素化油の中に第1の液体を分散させることにより形成された、第1の液体、例えば、溶解緩衝液またはPCR反応緩衝液の液滴を含む。ある実施形態では、マイクロチャンバーは、支持体、およびその支持体以外の物質、例えば、溶液を含む。ある実施形態では、液滴は、支持体(例えば、捕捉支持体、例えば、ビーズ)、およびその支持体以外の物質、例えば、溶液を含む。
「獲得すること」は、その用語が本明細書で使用される場合、実体、例えば、物理的実体またはデータの所有または提供を指す。物理的実体を獲得することは、物理的実体を作製または製造すること(直接的に獲得すること)、加えて、物理的実体を別の関係者または供給源から受け取ること(間接的に獲得すること)を含む。データまたは値を獲得することは、そのデータまたは値を作成すること(直接的に獲得すること)、加えて、データまたは値を別の関係者または供給源から受け取ること(間接的に獲得すること)を含む。
「マッチした」は、その用語が重鎖可変領域と軽鎖可変領域に関して本明細書で使用される場合、それらが同じ細胞由来であることを意味する。軽鎖可変領域のエレメントおよび重鎖可変領域のエレメントに関して、それは、そのエレメントが由来している軽鎖可変領域と重鎖可変領域が同じ細胞由来であることを意味する。
「隔離された反応部位」は、その用語が本明細書で使用される場合、第1の担持させた捕捉支持体と第2の担持させた捕捉支持体の間での、または一般的に、別の細胞のHCもしくはLC(またはα鎖もしくはβ鎖、またはγ鎖もしくはδ鎖)をコードする核酸からの、十分な分離を可能にし、その結果、前記第1の担持させた捕捉支持体には、別の細胞由来のHCまたはLC(またはα鎖もしくはβ鎖、またはγ鎖もしくはδ鎖)をコードする核酸が混入していない、部位、例えば、支持体上の場所、マイクロチャンバー、または支持体上のウェルを指す。ある実施形態では、隔離された反応部位は、第1のmRNAを担持させた捕捉支持体と第2のmRNAを担持させた捕捉支持体の間での、または一般的に、別の細胞のLCもしくはHCをコードする核酸からの、十分な分離を提供し、その結果、前記第1のmRNAを担持させた捕捉支持体には、別の細胞由来のHCまたはLC(またはα鎖もしくはβ鎖、またはγ鎖もしくはδ鎖)をコードする核酸、例えば、mRNAが混入していない。ある実施形態では、隔離された反応部位は、第1のcDNAを担持させた捕捉支持体と第2のcDNAを担持させた捕捉支持体の間での、または一般的に、別の細胞のHCもしくはLC(またはα鎖もしくはβ鎖、またはγ鎖もしくはδ鎖)をコードする核酸からの、十分な分離を提供し、その結果、前記第1のcDNAを担持させた捕捉支持体には、別の細胞由来のHCまたはLC(またはα鎖もしくはβ鎖、またはγ鎖もしくはδ鎖)をコードする核酸、例えば、cDNAが混入していない。分離は、例えば、支持体上の隔離された反応部位間の十分な距離により;隔離された反応部位が流体接続されていないように構成することにより;または、体積もしくはチャンバーと環境との間の非混和性バリアの形成により、提供され得る。ある実施形態では、隔離された反応部位は、支持体、およびその支持体以外の物質、例えば、溶液を含む。
「相補的な」は、その用語が本明細書で使用される場合、ワトソン・クリック対形成を形成することができる配列を指す。第1の配列が、第2の配列に相補的である場合、それは、その第2の配列全体と、またはその第2の配列の全部に満たない部分と、相補的であり得る。
「ディスプレイ実体」は、その用語が本明細書で使用される場合、ポリペプチドをコードする遺伝子を含む実体、例えば、ファージまたは細胞、例えば、酵母細胞を指す。
「AC可変領域」は、その用語が本明細書で使用される場合、TCRα鎖CDR1、2、および3、ならびにα鎖FW領域1、2、3、および4を含むポリペプチドを指す。
「BC可変領域」は、その用語が本明細書で使用される場合、β鎖CDR1、2、および3、ならびにβ鎖FW領域1、2、3、および4を含むポリペプチドを指す。
「GC可変領域」は、その用語が本明細書で使用される場合、TCRγ鎖CDR1、2、および3、ならびにγ鎖FW領域1、2、3、および4を含むポリペプチドを指す。
「DC可変領域」は、その用語が本明細書で使用される場合、δ鎖CDR1、2、および3、ならびにδ鎖FW領域1、2、3、および4を含むポリペプチドを指す。
「α鎖可変領域配列」または「ACVRS」は、その用語が本明細書で使用される場合、抗原の結合を可能にするのに、α鎖CDR由来の十分な配列、およびα鎖FW領域由来の十分な配列を含むポリペプチドを指す。実施形態では、ACVRSは、β鎖可変領域と組み立てられ、かつ、例えば、抗原を結合することができる。ある実施形態では、ACVRSは、抗原の結合を可能にするのに、α鎖CDR1、2、および3由来の十分な配列、ならびにα鎖FW領域由来の十分な配列、例えば、α鎖FW領域1、2、3、および4を含む。ある実施形態では、ACVRSは、β鎖可変領域と複合体形成するのに、かつ抗原の結合を可能にするのに、α鎖CDR1、2、および3、ならびにα鎖FW領域由来の十分な配列、例えば、α鎖FW領域1、2、3、および4を含む。
「β鎖可変領域配列」または「BCVRS」は、その用語が本明細書で使用される場合、抗原の結合を可能にするのに、β鎖CDR由来の十分な配列、およびβ鎖FW領域由来の十分な配列を含むポリペプチドを指す。実施形態では、BCVRSは、α鎖可変領域と組み立てられ、かつ、例えば、抗原を結合することができる。ある実施形態では、BCVRSは、抗原の結合を可能にするのに、β鎖CDR1、2、および3由来の十分な配列、ならびにβ鎖FW領域由来の十分な配列、例えば、β鎖FW領域1、2、3、および4を含む。ある実施形態では、BCVRSは、α鎖可変領域と複合体形成するのに、かつ抗原の結合を可能にするのに、β鎖CDR1、2、および3、ならびにβ鎖FW領域由来の十分な配列、例えば、β鎖FW領域1、2、3、および4を含む。
「γ鎖可変領域配列」または「GCVRS」は、その用語が本明細書で使用される場合、抗原の結合を可能にするのに、γ鎖CDR由来の十分な配列、およびγ鎖FW領域由来の十分な配列を含むポリペプチドを指す。実施形態では、GCVRSは、δ鎖可変領域と組み立てられ、かつ、例えば、抗原を結合することができる。ある実施形態では、GCVRSは、抗原の結合を可能にするのに、γ鎖CDR1、2、および3由来の十分な配列、ならびにγ鎖FW領域由来の十分な配列、例えば、γ鎖FW領域1、2、3、および4を含む。ある実施形態では、GCVRSは、δ鎖可変領域と複合体形成するのに、かつ抗原の結合を可能にするのに、γ鎖CDR1、2、および3、ならびにγ鎖FW領域由来の十分な配列、例えば、γ鎖FW領域1、2、3、および4を含む。
「δ鎖可変領域配列」または「DCVRS」は、その用語が本明細書で使用される場合、抗原の結合を可能にするのに、δ鎖CDR由来の十分な配列、およびδ鎖FW領域由来の十分な配列を含むポリペプチドを指す。実施形態では、DCVRSは、γ鎖可変領域と組み立てられ、かつ、例えば、抗原を結合することができる。ある実施形態では、DCVRSは、抗原の結合を可能にするのに、δ鎖CDR1、2、および3由来の十分な配列、ならびにδ鎖FW領域由来の十分な配列、例えば、δ鎖FW領域1、2、3、および4を含む。ある実施形態では、DCVRSは、α鎖可変領域と複合体形成するのに、かつ抗原の結合を可能にするのに、δ鎖CDR1、2、および3、ならびにδ鎖FW領域由来の十分な配列、例えば、δ鎖FW領域1、2、3、および4を含む。
α鎖またはβ鎖可変領域の「エレメント」は、その用語が本明細書で使用される場合、少なくとも1個のアミノ酸をコードする配列を指す。ある実施形態では、エレメントはCDRを含む。ある実施形態では、エレメントはFW領域を含む。ある実施形態では、エレメントはCDRおよびFW領域を含む。ある実施形態では、エレメントは、ACVRSまたはBCVRSを含む。ある実施形態では、エレメントは、少なくとも10個、20個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、または100個のアミノ酸残基を含む。
γ鎖またはδ鎖可変領域の「エレメント」は、その用語が本明細書で使用される場合、少なくとも1個のアミノ酸をコードする配列を指す。ある実施形態では、エレメントはCDRを含む。ある実施形態では、エレメントはFW領域を含む。ある実施形態では、エレメントはCDRおよびFW領域を含む。ある実施形態では、エレメントは、GCVRSまたはDCVRSを含む。ある実施形態では、エレメントは、少なくとも10個、20個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、または100個のアミノ酸残基を含む。
「マッチした」は、その用語がα鎖可変領域とβ鎖可変領域に関して本明細書で使用される場合、それらが同じ細胞由来であることを意味する。α鎖可変領域のエレメントおよびβ鎖可変領域のエレメントに関して、それは、そのエレメントが由来しているα鎖可変領域とβ鎖可変領域が同じ細胞由来であることを意味する。
「マッチした」は、その用語がγ鎖可変領域とδ鎖可変領域に関して本明細書で使用される場合、それらが同じ細胞由来であることを意味する。γ鎖可変領域のエレメントおよびδ鎖可変領域のエレメントに関して、それは、そのエレメントが由来しているγ鎖可変領域とγ鎖可変領域が同じ細胞由来であることを意味する。
本明細書で使用される冠詞である「1つの(a)」および「1つの(an)」とは、1つまたは1つを超える(例えば、少なくとも1つの)、冠詞の文法的目的語を指す。
文脈によりそうでないことが明らかに指し示されない限りにおいて、本明細書では、「または」という用語は、「および/または」という用語を意味するように使用され、互換的に使用される。
「約」および「およそ」とは一般に、測定値の性質または精度を踏まえ、測定される数量について許容可能な程度の誤差を意味するものとする。例示的な誤差の程度は、所与の値または値の範囲の、20パーセント(%)以内、典型的に、10%以内であり、より典型的には、5%以内である。
本明細書で開示される組成物および方法は、指定された配列、またはこれらと実質的に同一もしくは同様な配列、例えば、指定された配列と、少なくとも85%、90%、95%、またはこれを超えて同一な配列を有するポリペプチドおよび核酸を包含する。
本明細書のアミノ酸配列の文脈では、「実質的に同一な」という用語は、第1のアミノ酸配列と、第2のアミノ酸配列とが、共通の構造的ドメインおよび/または共通の機能的な活性を有しうるよう、i)第2のアミノ酸配列内の、アラインメントされたアミノ酸残基と同一であるか、またはii)これらのアミノ酸残基の保存的置換である、十分な数または最小数のアミノ酸残基を含有する、第1のアミノ酸を指すように使用される。例えば、参照配列、例えば、本明細書に提供される配列との少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する共通構造ドメインを含むアミノ酸配列。
本明細書のヌクレオチド配列の文脈では、「実質的に同一な」という用語は、第1のクレオチド配列と、第2のクレオチド配列とが、共通の機能的な活性を有するポリペプチドをコードするか、または共通の構造的ポリペプチドドメインもしくは共通の機能的なポリペプチド活性をコードするよう、第2の核酸配列内の、アラインメントされたヌクレオチドと同一な、十分な数または最小数のヌクレオチドを含有する、第1の核酸配列を指すように使用される。例えば、参照配列、例えば、本明細書に提供される配列との少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するヌクレオチド配列。
「機能的改変体」という用語は、天然に存在する配列と実質的に同一なアミノ酸配列を有するか、または実質的に同一なヌクレオチド配列によりコードされ、天然に存在する配列の、1つまたは複数の活性を有することが可能であるポリペプチドを指す。
配列の間の相同性または配列同一性(本明細書では、用語は互換的に使用される)の計算は、以下の通りに実施する。
2つのアミノ酸配列、または2つの核酸配列の同一性パーセントを決定するには、最適な比較を目的として、配列をアラインメントする(例えば、最適なアラインメントのために、第1のアミノ酸配列または核酸配列および第2のアミノ酸配列または核酸配列の一方またはその両方に、ギャップを導入することができ、非相同配列は、比較を目的とする場合、無視することができる)。典型的な実施形態では、比較を目的としてアラインメントされる基準配列の長さは、基準配列の長さの少なくとも30%、例えば少なくとも40%、50%、60%、例えば、少なくとも70%、80%、90%、100%である。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第1の配列内の位置が、第2の配列内の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドにより占有されていれば、分子は、この位置において同一である。
2つの配列の間の同一性パーセントとは、2つの配列の最適なアラインメントのために導入する必要がある、ギャップの数および各ギャップの長さを考慮に入れるときに、配列により共有される、同一な位置の数の関数である。
2つの配列の間の配列の比較、および同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。一部の実施形態では、2つのアミノ酸配列の間の同一性パーセントは、Blossum 62マトリクスまたはPAM250マトリクスのいずれか、および16、14、12、10、8、6、または4のギャップ重みづけ、および1、2、3、4、5、または6の長さ重みづけを使用する、GCGソフトウェアパッケージ(www.gcg.comで入手可能である)内のGAPプログラムへと組み込まれた、NeedlemanおよびWunsch((1970年)J. Mol. Biol.、48巻:444~453頁)によるアルゴリズムを使用して決定する。ある特定の実施形態では、2つのヌクレオチド配列の間の同一性パーセントは、NWSgapdna.CMPマトリクス、および40、50、60、70、または80のギャップ重みづけ、および1、2、3、4、5、または6の長さ重みづけを使用する、GCGソフトウェアパッケージ(www.gcg.comで入手可能である)内のGAPプログラムを使用して決定する。1つの適切なパラメータのセット(そうでないことが指定されない限りにおいて、使用すべきパラメータのセット)は、ギャップペナルティーを12とし、ギャップ伸長ペナルティーを4とし、フレームシフトギャップペナルティーを5とする、Blossum 62スコアリングマトリクスである。
2つのアミノ酸配列またはヌクレオチド配列の間の同一性パーセントは、PAM120重みづけ残基表、12のギャップ長ペナルティー、および4のギャップペナルティーを使用するALIGNプログラム(バージョン2.0)へと組み込まれた、E. MeyersおよびW. Miller((1989年)、CABIOS、4巻:11~17頁)によるアルゴリズムを使用して決定することができる。
本明細書で記載される核酸配列およびタンパク質配列を、公開データベースに照らした検索を実施する「クエリー配列」として使用して、例えば、他のファミリーメンバーまたは類縁の配列を同定することができる。このような検索は、Altschulら(1990年)、J. Mol. Biol.、215巻:403~10頁による、NBLASTプログラムおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使用して実施することができる。BLASTヌクレオチド検索を、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12で実施して、本明細書で記載される核酸と相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索を、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3で実施して、本明細書で記載されるタンパク質分子と相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較を目的としてギャップ付きアラインメントを得るには、Altschulら(1997年)、Nucleic Acids Res.、25巻:3389~3402頁において記載されている、gapped BLASTを用いることができる。BLASTプログラムおよびGapped BLASTプログラムを用いる場合は、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトのパラメータを使用することができる。www.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。
本明細書で使用される「低度のストリンジェンシー条件、中程度のストリンジェンシー条件、高度のストリンジェンシー条件、または極めて高度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする」という用語は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄のための条件について記載する。ハイブリダイゼーション反応を実施するための指針は、参照により組み込まれる、「Current Protocols in Molecular Biology」、John Wiley & Sons、N.Y.(1989年)、6.3.1~6.3.6において見出すことができる。この参考文献には、水性法および非水性法が記載されており、いずれも使用することができる。本明細書で言及される、具体的なハイブリダイゼーション条件は、以下の通り:1)6倍濃度の塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃における、低度のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件に続く、0.2倍濃度のSSC、0.1%のSDS中、少なくとも50℃で2回の洗浄(低度のストリンジェンシー条件のために、洗浄温度を55℃へと上昇させることができる);2)6倍濃度のSSC中、約45℃における、中程度のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件に続く、0.2倍濃度のSSC、0.1%のSDS中、60℃で1回または複数回の洗浄;3)6倍濃度のSSC中、約45℃における、高度のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件に続く、0.2倍濃度のSSC、0.1%のSDS中、65℃で1回または複数回の洗浄であり、4)極めて高度のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件は、65℃の、0.5Mのリン酸ナトリウム、7%のSDSに続く、0.2倍濃度のSSC、1%のSDS中、65℃で1回または複数回の洗浄であることが好ましい。極めて高度のストリンジェンシー条件4)が、適切な条件であり、そうでないことが指定されない限りにおいて、使用すべき条件である。
本明細書で記載される分子は、それらの機能に対して、実質的な影響を及ぼさない、さらなる保存的アミノ酸置換または非本質的アミノ酸置換を有しうることが理解される。
「アミノ酸」という用語は、天然または合成であれ、アミノ官能基および酸官能基の両方を含み、天然に存在するアミノ酸のポリマー内に含まれることが可能な、全ての分子を包含することを意図する。例示的なアミノ酸は、天然に存在するアミノ酸;それらの類似体、誘導体、および同類;改変体の側鎖を有するアミノ酸類似体;ならびに前出のうちのいずれかの、全ての立体異性体を含む。本明細書で使用された「アミノ酸」という用語は、D光学異性体またはL光学異性体の両方と、ペプチド模倣体(peptidomimetic)とを含む。
「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基を、類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置きかえたアミノ酸置換である。当技術分野では、類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーが規定されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ-分枝型側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を伴うアミノ酸を含む。
本明細書では、「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」(単鎖の場合)という用語は、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指すように、互換的に使用される。ポリマーは、直鎖状の場合もあり、分枝状の場合もあり、修飾アミノ酸を含む場合があり、非アミノ酸により中断される場合がある。用語はまた、例えば、ジスルフィド結合の形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化、または標識化構成要素とのコンジュゲーションなど、他の任意の操作により修飾されたアミノ酸ポリマーも包含する。ポリペプチドは、天然の供給源から単離することもでき、組換え法により、真核宿主または原核宿主から生成することもでき、合成手順の生成物の場合もある。ある実施形態では、ポリペプチドは、抗体分子である。別の実施形態では、ポリペプチドは、TCR分子、例えば、可溶性TCR分子である。
「核酸」、「核酸配列」、「ヌクレオチド配列」、または 「ポリヌクレオチド配列」、および「ポリヌクレオチド」という用語は、互換的に使用される。これらの用語は、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド、またはこれらの類似体である、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。ポリヌクレオチドは、一本鎖の場合もあり、二本鎖の場合もあり、一本鎖は、コード鎖の場合もあり、非コード(アンチセンス)鎖の場合もある。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体など、修飾ヌクレオチドを含みうる。ヌクレオチドの配列は、ヌクレオチド以外の構成要素により中断されうる。ポリヌクレオチドは、標識化構成要素とのコンジュゲーションなどにより、重合の後でさらに修飾することもできる。核酸は、組換えポリヌクレオチドの場合もあり、ゲノム、cDNA、半合成または合成起源のポリヌクレオチドの場合もあり、これらは、天然には存在しないか、または非天然の配置で、別のポリヌクレオチドへと連結される。
本明細書で使用される「単離された」という用語は、その元の環境または天然環境(例えば、天然に存在する場合は、天然環境)から取り出された材料を指す。例えば、生きている動物において存在する、天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、単離されていないが、人為的介入により、天然系に共存する材料の一部または全部から分離された、同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、単離されている。このようなポリヌクレオチドは、ベクターの一部であることが可能であり、かつ/またはこのようなポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは、組成物の一部でありうるが、このようなベクターまたは組成物が、それが天然で見出される環境の一部ではないという点で、依然として単離されている。
本明細書で使用される、例えば、本明細書に記載される障害「を処置する」という用語は、ある実施形態では、障害、例えば、本明細書に記載される障害を有し、かつ/または障害、例えば、本明細書に記載される障害の症状を経験する被験体(例えば、ヒト)が、抗体分子を投与した場合に、抗体分子を投与しなかった場合より重症度が軽い症状を患い、かつ/またはより急速に回復することを意味する。処置は、例えば、障害の影響もしくは症状、特徴、および/または原因の、1つまたは複数の顕在化を、部分的に、または完全に、緩和する場合もあり、好転させる(ameliorate)場合もあり、和らげる場合もあり、阻害する場合もあり、これらの重症度を低減し、かつ/またはこれらの発生率を低減し、必要に応じて、これらの発症を遅延させる場合もある。ある実施形態では、処置は、障害のある特定の徴候を呈さない被験体の処置、ならびに/または障害の早期の徴候だけを呈する被験体の処置である。ある実施形態では、処置は、障害の、1つまたは複数の確立した徴候を呈する被験体の処置である。ある実施形態では、処置は、障害を患うと診断された被験体の処置である。
本明細書で使用される、例えば、障害「を防止する」という用語は、被験体が、ポリペプチド(例えば、抗体分子)を受容すれば、被験体(例えば、ヒト)が、障害を有する可能性が低いことを意味する。
本明細書では、組成物および方法の多様な態様を、下記でさらに詳細に記載する。さらなる定義は、明細書を通して明示される。
結合ポリペプチドのライブラリー
結合ポリペプチド、例えば、抗体分子またはT細胞受容体分子のライブラリー(例えば、ディスプレイライブラリー)、および結合ポリペプチド、例えば、抗体分子またはT細胞受容体分子のライブラリーを作製する方法が本明細書に開示される。
ある実施形態では、本明細書に記載された方法は、2つのDNA断片、例えば、抗体重鎖可変領域(またはその一部分)と抗体軽鎖可変領域(またはその一部分)、TCRα鎖(またはその一部分)とTCRβ鎖(またはその一部分)、またはTCRγ鎖(またはその一部分)とTCRδ鎖(またはその一部分)をコードする配列を、リガーゼ媒介性アプローチを使用して、連結する。
例えば、抗体は、2つの型のポリペプチド鎖、軽鎖と重鎖で構成され、それらのそれぞれは、別個のmRNA分子から翻訳される。B細胞から特定の抗体(またはB細胞受容体)の機能ユニットをコピーするために、その特定の重鎖およびそれの同族の軽鎖の知識が維持されなければならない。これは、典型的には、個々のクローンがマイクロウェルプレートのウェル内にあるという方法を使用して実施され、そのことが、クローンを分離された状態にさせておき、したがって、その結果の重鎖配列および軽鎖配列は、対形成されることがわかっている。そのようなクローニングプロセスは、96ウェルまたは384ウェルプレートに適合するB細胞数へ十分、拡大する。しかしながら、ヒトおよび動物におけるB細胞レパートリーは、約10~1011個のB細胞の範囲であり得、それらの多くは異なるクローン(すなわち、異なるBCRまたは抗体)である。したがって、(1)鎖の天然の対形成を保持し、かつ(2)そのような多数の固有のクローンの機能照合を可能にする、何百万個~何十億個というB細胞のコピーを、効率的な様式で作製し得る必要性がある。そのような方法は、様々な方法により機能的に照合することができる抗体のレパートリーの再生可能なコピーを作製することを促進し得る。
ある実施形態では、本明細書に記載された方法は、以下の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、または全部)を使用する:(1)液滴(pL~nLの体積の滴)内の個々の細胞(例えば、B細胞またはT細胞)の小型化された区画化、(2)溶解し、かつ2つの鎖(例えば、抗体VHとVL、TCRα鎖とβ鎖、またはTCRγ鎖とδ鎖)をPCR増幅すること、(3)天然の鎖対形成が保持されるように前記2つの鎖を特異的に連結し、しかも、熱安定性リガーゼがその連結を触媒すること、および(4)酵母またはファージディスプレイなどの表面ディスプレイテクノロジーによりクローンのハイスループットの表現型照合を可能にする様式で、前記連結されたDNAを増幅すること。
本明細書に記載された方法は、発現した場合、機能性ポリペプチド、例えば、機能性抗原結合ポリペプチドをコードする、核酸配列を生じ得る。例えば、HCエレメントとLCエレメント(またはACエレメントとBCエレメント、またはGCエレメントとDCエレメント)は、頭から頭へ、または尾から尾への配向では構成されない。ある実施形態では、HCエレメントとLCエレメント(またはACエレメントとBCエレメント、またはGCエレメントとDCエレメント)は、頭から尾への配向で構成される。例えば、LCエレメント(またはLCVRS)のC末端が、HCエレメント(またはHCVRS)のN末端と、直接的または間接的に、連結され、またはHCエレメント(またはHCVRS)のC末端が、LCエレメント(またはLCVRS)のC末端と、直接的または間接的に、連結される。
例示的なワークフロー
細胞(例えば、免疫細胞、例えば、B細胞またはT細胞)は、個々に、滴中にカプセル化される。滴において、細胞は溶解され、mRNAは、mRNAへのハイブリダイゼーションのためのオリゴヌクレオチドを含有するビーズ上へ捕捉される。ビーズは、天然の対形成情報(例えば、2つの鎖、例えば、単一B細胞における重鎖と軽鎖;単一T細胞におけるα鎖とβ鎖;または単一T細胞におけるγ鎖とδ鎖の間の天然の対形成)を維持することを容易にする。次に、そのmRNAは、逆転写酵素(RT)によりcDNAへ逆転写される。逆転写は、溶解滴内で、滴の外側で、またはその後の滴(「PCR」滴)中で、実施され得る。捕捉されたmRNAまたはcDNAを有するビーズは、最初の滴から回収される。その後、ビーズは、新しい滴中にカプセル化され、その新しい滴において、核酸が、RT-PCR(mRNAが鋳型である場合)かまたはPCR(cDNAが鋳型である場合)のいずれかにより増幅される。2つの鎖をコードするcDNAは、滴において増幅される。増幅された産物は、特異的な相補的核酸ハイブリダイゼーションによりビーズ上へ捕捉されて戻る。捕捉された産物を有するビーズは、滴から回収され、その後、新しい滴中にカプセル化される。滴において、熱安定性リガーゼを使用して、一方の鎖(例えば、VH)をコードする増幅産物は、他方の鎖(例えば、VL)をコードする増幅産物と連結される。あるアプローチ(「付着性産物を連結すること」)において、付着性(または「粘着末端」)PCR産物が生成され、ハイブリダイズした付着性PCR産物の共有結合性ライゲーションが、熱安定性リガーゼにより実施される。別のアプローチ(「リガーゼサイクリング反応」)において、付着性PCR産物は産生されない。むしろ、滴において、DNAは、熱安定性リガーゼおよびスプリント(または架橋)オリゴヌクレオチドの使用により、互いに連結される。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、本明細書に記載された方法は、オーバーラップ伸長PCR方法により引き起こされる意図されない融合の可能性を低下させ、または排除すると考えられる(Turchaninovaら、Eur J Immunol. 2013年;43巻(9号):2507~2515頁)。天然で対形成する鎖を表す、ライゲーションされた産物はさらに増幅されて、酵母またはファージにおけるなどのディスプレイライブラリーを生じるのに十分な材料を生成する。scFv、scFab、Fab、または完全長IgGなどの形式における、天然で対形成する鎖(例えば、抗体重鎖と軽鎖、TCRα鎖とβ鎖、またはTCRγ鎖とδ鎖)をコードする増幅産物は、酵母またはファージディスプレイなどの適切な発現またはディスプレイビヒクルへ導入される。例えば、10個より多く、かつ10個またはそれより多い数までを有する、構築されたライブラリーは、確立された方法を使用して、所望の結合および/または他の表現型性質について迅速に照合することができる。
リガーゼの適切な基質である付着性PCR産物の作製
ある実施形態では、リガーゼの適切な基質である付着末端を有する増幅(例えば、PCR)産物が生成される。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、DNAポリメラーゼ伸長を、例えば、化学修飾された(例えば、損傷された)ヌクレオチドもしくは塩基、または増幅に使用されるプライマーへの他の変化の使用を通して、限定された位置で中途で終結させることができると考えられる。これらの化学修飾されたヌクレオチドまたは塩基(または他のプライマー変化)は、その後、増幅産物の1つの鎖へ組み込まれる。DNAポリメラーゼは、修飾ヌクレオチドを含有する鋳型鎖を読み通す時、それは、読み通すことができないため、修飾ヌクレオチドにおいて(またはその近くで)伸長を中途で停止する。この修飾による早期ポリメラーゼ終結は、付着末端を有する増幅産物の産生をもたらし得る。その増幅産物は、(類似の様式で産生され得る)相補性付着末端を有する別の増幅産物と効率的にハイブリダイズ(またはアニール)することができる。例えば、それぞれ相補性付着末端を有する、1つの鎖(例えば、VH)をコードするPCR産物および別の鎖(例えば、VL)をコードするPCR産物は、お互いに高効率でハイブリダイズ(またはアニール)することができる。次に、DNAポリメラーゼと共に液滴中に(例えば、熱サイクリングを通じて)存在する熱安定性リガーゼは、ハイブリダイズした(またはアニールした)DNA分子のライゲーション(共有結合性連結)を触媒する。
ある実施形態では、天然対形成情報は、増幅およびライゲーション中、維持される。ある実施形態では、増幅とライゲーションの両方は、同じ滴において、例えば、滴を破壊することなく、起こる。ある実施形態では、リガーゼは、95℃またはそれより高く(例えば、96℃もしくはそれより高く、97℃もしくはそれより高く、または98℃もしくはそれより高く)において、1回または複数回(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、15回、20回、25回、またはそれより多く)の熱サイクル中、少なくとも50%、例えば、少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%、または99%の活性を保持する。ある実施形態では、リガーゼは、95℃またはそれより高く(例えば、96℃もしくはそれより高く、97℃もしくはそれより高く、または98℃もしくはそれより高く)において、少なくとも5分間(例えば、少なくとも10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、45分間、または60分間)、少なくとも50%、例えば、少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%、または99%の活性を保持する。ある実施形態では、リガーゼは、95℃またはそれより高く(例えば、96℃もしくはそれより高く、97℃もしくはそれより高く、または98℃もしくはそれより高く)において、DNAポリメラーゼ活性を可能にする緩衝液条件下、少なくとも50%、例えば、少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%、または99%の活性を保持する。
ある実施形態では、修飾は、DNAポリメラーゼ活性を阻害またはブロックし、かつ依然としてライゲーションのための基質であり続ける。ある実施形態では、修飾は、増幅産物のリガーゼへの結合を阻害または阻止しない。ある実施形態では、修飾は、ホスホジエステル結合の形成を阻害または阻止しない。ある実施形態では、修飾は、大きくかさ高い化学基を含まない。例示的な修飾には、リボース2’-C(2位炭素)修飾(例えば、OH(すなわち、リボヌクレオチドであって、デオキシリボヌクレオチドではない)、O-メチル(O-CH)、またはアミン(NH));リボース4’-C(4位炭素)修飾;塩基修飾(例えば、非天然塩基、ウラシル、またはその他);脱塩基部位(例えば、AP部位または脱ピリミジン/脱プリン);またはスタガード型(staggered)プライマー(例えば、異なる長さのオーバーハング)が挙げられるが、それらに限定されない。ある実施形態では、修飾はウラシルを含み、ウラシルにより阻害されるDNAポリメラーゼ(例えば、古細菌DNAポリメラーゼ)が増幅に使用される。
滴中での付着末端PCR-ライゲーション実験を実施するための例示的なステップが下記に示されている。
細胞カプセル化
細胞は、個々に液滴中にカプセル化することができる。ある実施形態では、細胞は免疫細胞である。ある実施形態では、細胞はB細胞である。ある実施形態では、細胞はT細胞である。ある実施形態では、細胞は抗体産生細胞である。ある実施形態では、細胞は、単離された細胞または精製された細胞である。ある実施形態では、細胞は、被験体、例えば、ヒト、マウス、ウサギ、ラット、ヤギ、ヒツジ、またはニワトリから得られる。
ある実施形態では、液滴の体積は、10pLから100nLまで、例えば、10pLから100pLまで、10pLから1000pLまで、10pLから10nLまで、10nLから100nLまで、1000pLから100nLまで、100pLから100nLまで、100pLから10nLまで、100pLから1000pLまで、1000pLから10nLまで、または100pLから1000pLまでである。ある実施形態では、液滴の体積は、100pLから1000pLまでである。
ある実施形態では、液滴は油中水型液滴である。ある実施形態では、液滴は、担体(例えば、油)相、例えば、約1% フッ素系界面活性剤(fluorosurfactant)(RAN Biotechnologies)を有する3M(商標)HFE-7500を含む担体相中に存在する。
液滴は、例えば、マイクロ流体チップ(例えば、Dolomite製2R 100μm)を使用して、シリンジまたは圧力ポンプにより制御される流体相の流れで形成することができる。ある実施形態では、液滴の水相は、緩衝液、細胞溶解を助ける試薬、およびビーズを含む。ある実施形態では、緩衝液は、pH 7.5のTrisを含む。ある実施形態では、細胞溶解を助ける試薬は洗剤を含む。細胞溶解を助けるために使用することができる例示的な洗剤には、Tween-20、Triton X、IGEPAL、またはラウロイルサルコシンナトリウム(サルコシル)が挙げられるが、それらに限定されない。ある実施形態では、ビーズは磁気ビーズである。ある実施形態では、ビーズは、例えば、mRNA(例えば、重鎖または軽鎖をコードするmRNA)とアニールするためのオリゴヌクレオチド(例えば、プライマー)とカップリングしている。
ある実施形態では、液滴は、カプセル化後、1個以下の細胞を含有する。ある実施形態では、液滴は複数個のビーズを含有する。ある実施形態では、複数個のビーズが得られ、その複数個のうちの少なくとも80%、例えば、少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、または100%が、液滴当たり1個以下の細胞を含有する。ある実施形態では、複数個のビーズが得られ、その複数個のうちの少なくとも80%、例えば、少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、または100%が、液滴当たり少なくとも1個のビーズを含有する。典型的には、滴の占有は、液滴当たり1個以下の細胞、および液滴当たり少なくとも1個のビーズである。
細胞溶解
カプセル化後、液滴は、細胞溶解を促進するためにインキュベートすることができる。ある実施形態では、(例えば、合一した異なる溶液相を含有する)エマルジョンは、洗剤(例えば、Tween20)の存在下で、ビーズにより効率的に捕捉できるようにmRNA二次構造を低減させるため、かつ/または溶解効率を向上させるために加熱される。ある実施形態では、エマルジョンは、40℃から80℃の間、例えば、40℃から60℃の間、50℃から70℃の間、または60℃から80℃の間の温度、例えば、40℃、50℃、60℃、70℃、または80℃においてインキュベートされる。ある実施形態では、エマルジョンは、5~60分間、例えば、10~45分間、15~30分間、5~30分間、または30~50分間、インキュベートされる。ある実施形態では、細胞は熱により溶解される。ある実施形態では、細胞は酵素により溶解される。典型的には、細胞が溶解された後、mRNAが放出され、ビーズ上のオリゴヌクレオチドへアニールすることによりビーズ上に捕捉される。
ビーズ回収
(例えば、合一した異なる溶液相を含有する)エマルジョンは、滴不安定化試薬、例えば、パーフルオロオクタノール(PFO)を使用して破壊することができる。ある実施形態では、ビーズ含有水相が回収される。ある実施形態では、ビーズは磁気ビーズであり、磁石を使用して単離される。ある実施形態では、ビーズは、緩衝液(例えば、Tris、pH 7.5)において、洗浄され、再懸濁される。
逆転写
逆転写は、標準方法を使用して実施することができる。ある実施形態では、逆転写は、非エマルジョン反応において実施される。ある実施形態では、逆転写は、エマルジョン反応において実施される。ある実施形態では、捕捉されたmRNAを有するビーズは、緩衝液-酵素混合物(例えば、Superscript II RT)において再懸濁され、逆転写を促進するために35℃~45℃(例えば、40℃)で10~60分間(例えば、15分間)、インキュベートされる。ある実施形態では、ビーズにカップリングされたオリゴヌクレオチドは、第1のストランドcDNAの合成のためのプライマーとして使用される。ある実施形態では、ビーズは、逆転写後、緩衝液(例えば、Tris、pH 7.5)で洗浄される。
ビーズカプセル化
ビーズは、個々に液滴中にカプセル化することができる。ある実施形態では、液滴の体積は、5pLから500pLまで、例えば、5pLから400pLまで、5pLから300pLまで、5pLから200pLまで、5pLから100pLまで、5pLから50pLまで、5pLから25pLまで、400pLから500pLまで、300pLから500pLまで、200pLから500pLまで、100pLから500pLまで、50pLから500pLまで、25pLから500pLまで、10pLから500pLまで、10pLから400pLまで、25pLから300pLまで、50pLから200pLまで、または10pLから50pLまでである。ある実施形態では、液滴の体積は、10pLから50pLまでである。
ある実施形態では、液滴は油中水型液滴である。ある実施形態では、液滴は、担体(例えば、油)相、例えば、約1% フッ素系界面活性剤(RAN Biotechnologies)を有する3M(商標)HFE-7500を含む担体相中に存在する。
ある実施形態では、液滴は、カプセル化後、1個のビーズを含有する。ある実施形態では、複数個のビーズが得られ、その複数個のうちの少なくとも80%、例えば、少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、または100%が、液滴当たり1個以下のビーズを含有する。
PCRライゲーション反応
ある実施形態では、PCRライゲーション反応が実施される。ある実施形態では、PCRライゲーション反応は、抗体重鎖可変領域(またはその一部分)および抗体軽鎖可変領域(またはその一部分)をコードするヌクレオチド配列を含むライゲーションされた産物(例えば、二本鎖DNA)を生成する。ある実施形態では、PCRライゲーション反応は、TCRα鎖(またはその一部分)およびTCRβ鎖(またはその一部分)をコードするヌクレオチド配列を含むライゲーションされた産物(例えば、二本鎖DNA)を生成する。ある実施形態では、PCRライゲーション反応は、TCRγ鎖(またはその一部分)およびTCRδ鎖(またはその一部分)をコードするヌクレオチド配列を含むライゲーションされた産物(例えば、二本鎖DNA)を生成する。ある実施形態では、PCRライゲーション反応は、cDNAとカップリングしているビーズ、DNAポリメラーゼ、(例えば、前記cDNAの増幅のための)オリゴヌクレオチド、リガーゼ(例えば、熱安定性リガーゼ)、および緩衝液を含む液滴において、実施される。
その反応に使用することができる例示的なDNAポリメラーゼには、Phusion(登録商標)高忠実度DNAポリメラーゼ(NEB)、Q5(登録商標)高忠実度DNAポリメラーゼ(NEB)、Pfu DNAポリメラーゼ、KAPA DNAポリメラーゼ、Vent(登録商標)DNAポリメラーゼ、またはTaq DNAポリメラーゼが挙げられるが、それらに限定されない。
ある実施形態では、ライゲーション産物はscFv、FabまたはscFabカセットを含有する。ある実施形態では、カセット(例えば、scFvカセット)は、VL-リンカー-VHとして構築される。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、その順序は、発現または機能へ有意な影響を及ぼすことなく、VH-リンカー-VLへ切り換えることができると考えられる。ある実施形態では、カセット(例えば、scFv)カセットは、VH-リンカー-VLとして構築される。ある実施形態では、カセットは、定常領域配列(例えば、CH1ドメインおよび/またはCLドメイン)、例えば、VL-CLとカップリングしたVH-CH1を含む。
同様に、ライゲーション産物は、α鎖-リンカー-β鎖もしくはβ鎖-リンカー-α鎖、またはγ鎖-リンカー-δ鎖もしくはδ鎖-リンカー-γ鎖として構築されたカセットを含有し得る。
ある実施形態では、VL配列のためのリバースプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。ある実施形態では、VH配列のためのフォワードプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。
ある実施形態では、VH配列のためのリバースプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。ある実施形態では、VL配列のためのフォワードプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。
同様に、ある実施形態では、α鎖(またはγ鎖)配列のためのリバースプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。ある実施形態では、β鎖(またはδ鎖)配列のためのフォワードプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。
同様に、ある実施形態では、β鎖(またはδ鎖)配列のためのリバースプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。ある実施形態では、α鎖(またはγ鎖)配列のためのフォワードプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。
前記反応に使用することができる例示的なリガーゼ(例えば、熱安定性リガーゼ)には、Taq DNAリガーゼ、Pfu DNAリガーゼ、Ampligase(登録商標)熱安定性DNAリガーゼ、Tsc DNAリガーゼ、Rma DNAリガーゼ、Tfi DNAリガーゼ、またはTth DNAリガーゼが挙げられるが、それらに限定されない。
ある実施形態では、緩衝液は、DNAポリメラーゼ酵素活性とリガーゼ酵素活性の両方を支持する。
ある実施形態では、熱サイクリングは、エマルジョンを用いて(例えば、PCRチューブにおいて)実施される。ある実施形態では、熱サイクリングは、以下の条件を使用して実施される:95~98℃で30秒間~2分間の最初の変性;以下の10~30サイクル:95~98℃で10~30秒間の変性、50~60℃で10~30秒間のプライマーアニーリング、72℃で30秒間のポリメラーゼ伸長、および45~55℃で3分間の粘着産物アニーリングおよびライゲーション。反応は4℃で保持され得る。
水性部の回収
(例えば、合一した異なる溶液相を含有する)エマルジョンは、滴不安定化試薬、例えば、パーフルオロオクタノール(PFO)を使用して破壊することができる。ある実施形態では、水性部(例えば、連結産物、および必要に応じて、非連結産物を含有する)が回収される。ある実施形態では、ビーズは捨てられる。
連結産物の精製
連結産物(例えば、天然で連結されるVL-リンカー-VHを表す)は、非連結産物(例えば、非連結VHおよびVL)から精製することができる。ライゲーション産物は、非ライゲーション産物からサイズ分離により分離される。例えば、変性PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動)、または変性HPLC-SECを使用することができる。連結産物(約800~900bp)は、非連結産物(約350~500bp)から単離される。変性PAGE精製について、ライゲーションされたバンドが、ゲルから切り出され、ゲルスライスからDNAを抽出するために電気溶出(elecro-elution)が実施される(Bio-Rad Electro-Elutor)。
精製された連結産物の増幅
精製された連結産物は、例えば、PCRにより増幅することができる。例えば、精製された連結産物は、DNA含有修飾ヌクレオチドを穏和に読み通す条件下でのDNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)を使用するPCRにより増幅される。
最終PCR産物は、標準方法(例えば、発現ベクターでのエレクトロポレーション)を使用して、酵母へ導入されて、生物学的供給源に由来した天然で対形成するライブラリーを生じることができる。
リガーゼサイクリング
ある実施形態では、異なる鎖(例えば、VHおよびVL)は、粘着末端産物を直接、お互いにアニールすることを促進するだろう、両方の鎖に共通したDNA配列を組み込むように増幅されない。ある実施形態では、架橋(またはスプリント)オリゴヌクレオチドは、cDNAの増幅後であるが、熱安定性リガーゼの存在下で、含まれる。架橋オリゴヌクレオチドは、リガーゼの基質となるように、2つの鎖をお互いに直接隣接させて架橋することを促進し得る。次に、リガーゼは、DNAの鎖の間の共有結合形成を触媒する。この機構は、各鎖において、両方の鎖に共通した配列(例えば、VHとVLの両方における共通配列を有するオーバーハングDNA)の組込みをもたらさないので、オーバーラップ伸長PCRによるスプライシングの機会はない。
このアプローチのステップは、一般的に、エマルジョンPCRステップから始まることを除いて、上記と同じである。cDNAのPCR増幅は滴において実施され得る。プライマーは、オーバーハング配列を付加することができるが、一般的に、(上記のストラテジーと違って)付加される、両方の鎖(例えば、VLおよびVH)への共通配列はない。滴におけるビーズは、それのコンジュゲートされたオリゴヌクレオチドにより、それぞれが特異的なオーバーハング配列を有する、2つの鎖のdsDNA産物(例えば、VHおよびVL)で満たされ、または飽和する。滴は破壊され、ビーズに連結もアニールもされていないあらゆるPCR産物が洗い流される。2つの鎖(例えば、VHおよびVL)のdsDNAを含有するビーズは、熱安定性リガーゼおよびスプリントオリゴヌクレオチドの存在下で、新しい滴中にカプセル化される。このエマルジョン形式において、熱サイクリングが実施され、それは、3-DNA片複合体の形成を促進する。この複合体は、リガーゼの基質であり、リガーゼは、共有結合形成を触媒して、2つの鎖を連結する。ある実施形態では、熱サイクリングは、全ての「トップストランド」DNAの連結された産物への変換を、1つの基質により律速されるまで、助ける。別の実施形態では、両方のストランドがライゲーションされる。例えば、いったん「トップストランド」がライゲーションされたならば、それは、反対のストランドについての「スプリント」として働くことができ、それをリガーゼは基質として認識するだろう。理論に縛られることを望まないが、この様相は、特に、反応を効率的にさせ、すなわち、最初のライゲーションされた産物が、より多くの鋳型(スプリント)として働いて、さらにより多い追加のライゲーションされた産物を生成することができると考えられる。滴は破壊され、ライゲーションされた産物は、標準PCR手段により増幅される。
リガーゼサイクリング実験を実施するための例示的なステップが下記に示されている。
細胞カプセル化
細胞は、個々に液滴中にカプセル化することができる。ある実施形態では、細胞は免疫細胞である。ある実施形態では、細胞はB細胞である。ある実施形態では、細胞はT細胞である。ある実施形態では、細胞は抗体産生細胞である。ある実施形態では、細胞は、単離された細胞または精製された細胞である。ある実施形態では、細胞は、被験体、例えば、ヒト、マウス、ウサギ、ラット、ヤギ、ヒツジ、またはニワトリから得られる。
ある実施形態では、液滴の体積は、10pLから100nLまで、例えば、10pLから100pLまで、10pLから1000pLまで、10pLから10nLまで、10nLから100nLまで、1000pLから100nLまで、100pLから100nLまで、100pLから10nLまで、100pLから1000pLまで、1000pLから10nLまで、または100pLから1000pLまでである。ある実施形態では、液滴の体積は、100pLから1000pLまでである。
ある実施形態では、液滴は油中水型液滴である。ある実施形態では、液滴は、担体(例えば、油)相、例えば、約1% フッ素系界面活性剤(fluorosurfactant)(RAN Biotechnologies)を有する3M(商標)HFE-7500を含む担体相中に存在する。
液滴は、例えば、マイクロ流体チップ(例えば、Dolomite製2R 100μm)を使用して、シリンジまたは圧力ポンプにより制御される流体相の流れで形成することができる。ある実施形態では、液滴の水相は、緩衝液、細胞溶解を助ける試薬、およびビーズを含む。ある実施形態では、緩衝液は、pH 7.5のTrisを含む。ある実施形態では、細胞溶解を助ける試薬は洗剤を含む。細胞溶解を助けるために使用することができる例示的な洗剤には、Tween-20、Triton X、IGEPAL、またはラウロイルサルコシンナトリウム(サルコシル)が挙げられるが、それらに限定されない。ある実施形態では、ビーズは磁気ビーズである。ある実施形態では、ビーズは、例えば、mRNA(例えば、重鎖または軽鎖をコードするmRNA)とアニールするためのオリゴヌクレオチド(例えば、プライマー)とカップリングしている。
ある実施形態では、液滴は、カプセル化後、1個以下の細胞を含有する。ある実施形態では、液滴は複数個のビーズを含有する。ある実施形態では、複数個のビーズが得られ、その複数個のうちの少なくとも80%、例えば、少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、または100%が、液滴当たり1個以下の細胞を含有する。ある実施形態では、複数個のビーズが得られ、その複数個のうちの少なくとも80%、例えば、少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、または100%が、液滴当たり少なくとも1個のビーズを含有する。典型的には、滴の占有は、液滴当たり1個以下の細胞、および液滴当たり少なくとも1個のビーズである。
細胞溶解
カプセル化後、液滴は、細胞溶解を促進するためにインキュベートすることができる。ある実施形態では、(例えば、合一した異なる溶液相を含有する)エマルジョンは、洗剤(例えば、Tween20)の存在下で、溶解効率を向上させるために加熱される。ある実施形態では、エマルジョンは、40℃から80℃の間、例えば、40℃から60℃の間、50℃から70℃の間、または60℃から80℃の間の温度、例えば、40℃、50℃、60℃、70℃、または80℃においてインキュベートされる。ある実施形態では、エマルジョンは、5~60分間、例えば、10~45分間、15~30分間、5~30分間、または30~50分間、インキュベートされる。ある実施形態では、細胞は熱により溶解される。ある実施形態では、細胞は酵素により溶解される。典型的には、細胞が溶解された後、mRNAが放出され、ビーズ上のオリゴヌクレオチドへアニールすることによりビーズ上に捕捉される。
ビーズ回収
(例えば、合一した異なる溶液相を含有する)エマルジョンは、滴不安定化試薬、例えば、パーフルオロオクタノール(PFO)を使用して破壊することができる。ある実施形態では、ビーズ含有水相が回収される。ある実施形態では、ビーズは磁気ビーズであり、磁石を使用して単離される。ある実施形態では、ビーズは、緩衝液(例えば、Tris、pH 7.5)において、洗浄され、再懸濁される。ある実施形態では、ビーズは、mRNAのビーズからの解離を低下させるために、冷たい状態で保持される。
逆転写
逆転写は、標準方法を使用して実施することができる。ある実施形態では、逆転写は、非エマルジョン反応において実施される。ある実施形態では、逆転写は、エマルジョン反応において実施される。典型的な実施形態では、逆転写ステップは、PCR滴内で実施される。例えば、mRNAビーズが、cDNA形成およびdsDNA増幅を促進するための逆転写酵素とDNAポリメラーゼの両方と共に滴中にカプセル化される。ある実施形態では、捕捉されたmRNAを有するビーズは、緩衝液-酵素混合物(例えば、Superscript II RT)において再懸濁され、逆転写を促進するために35℃~45℃(例えば、40℃)で10~60分間(例えば、15分間)、インキュベートされる。ある実施形態では、ビーズにカップリングされたオリゴヌクレオチドは、第1のストランドcDNAの合成のためのプライマーとして使用される。ある実施形態では、ビーズは、逆転写後、緩衝液(例えば、Tris、pH 7.5)で洗浄される。
PCRのためのビーズカプセル化
ビーズは、個々に液滴中にカプセル化することができる。ある実施形態では、液滴の体積は、5pLから500pLまで、例えば、5pLから400pLまで、5pLから300pLまで、5pLから200pLまで、5pLから100pLまで、5pLから50pLまで、5pLから25pLまで、400pLから500pLまで、300pLから500pLまで、200pLから500pLまで、100pLから500pLまで、50pLから500pLまで、25pLから500pLまで、10pLから500pLまで、10pLから400pLまで、25pLから300pLまで、50pLから200pLまで、または10pLから50pLまでである。ある実施形態では、液滴の体積は、10pLから50pLまでである。
ある実施形態では、液滴は油中水型液滴である。ある実施形態では、液滴は、担体(例えば、油)相、例えば、約1% フッ素系界面活性剤(RAN Biotechnologies)を有する3M(商標)HFE-7500を含む担体相中に存在する。
ある実施形態では、液滴は、カプセル化後、1個のビーズを含有する。ある実施形態では、複数個のビーズが得られ、その複数個のうちの少なくとも80%、例えば、少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、または100%が、液滴当たり1個以下のビーズを含有する。
PCR反応
ある実施形態では、PCR反応が実施される。ある実施形態では、PCR反応は、cDNAとカップリングしているビーズ、DNAポリメラーゼ、(例えば、前記cDNAの増幅のための)オリゴヌクレオチド、および緩衝液を含む液滴において実施される。
その反応に使用することができる例示的なDNAポリメラーゼには、Phusion(登録商標)高忠実度DNAポリメラーゼ(NEB)、Q5(登録商標)高忠実度DNAポリメラーゼ(NEB)、Pfu DNAポリメラーゼ、KAPA DNAポリメラーゼ、Vent(登録商標)DNAポリメラーゼ、またはTaq DNAポリメラーゼが挙げられるが、それらに限定されない。
ある実施形態では、PCR産物はscFvカセットを含有する。ある実施形態では、scFvカセットは、VL-リンカー-VHとして構築される。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、その順序は、発現または機能へ有意な影響を及ぼすことなく、VH-リンカー-VLへ切り換えることができると考えられる。ある実施形態では、scFvカセットは、VH-リンカー-VLとして構築される。
同様に、PCR産物は、α鎖-リンカー-β鎖もしくはβ鎖-リンカー-α鎖、またはγ鎖-リンカー-δ鎖もしくはδ鎖-リンカー-γ鎖として構築されたカセットを含有し得る。
ある実施形態では、本明細書に記載された標的可変領域配列のためのプライマーは、(例えば、5’から3’へ)以下を含有することができる:捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドの配列に相補的である第1の配列、スペーサー(例えば、本明細書に記載されたスペーサー、例えば、PEGスペーサー)、前記第1の配列の少なくとも一部分に相補的である配列、ユニバーサルプライミング配列、および標的可変領域配列に相補的な配列。
ある実施形態では、VL配列のためのリバースプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。ある実施形態では、VH配列のためのフォワードプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。
ある実施形態では、VH配列のためのリバースプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。ある実施形態では、VL配列のためのフォワードプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。
同様に、ある実施形態では、α鎖(またはγ鎖)配列のためのリバースプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。ある実施形態では、β鎖(またはδ鎖)配列のためのフォワードプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。
同様に、ある実施形態では、β鎖(またはδ鎖)配列のためのリバースプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。ある実施形態では、α鎖(またはγ鎖)配列のためのフォワードプライマーは、以下の1つ、2つ、または全部を含有する:(a)リンカー配列をコードするオーバーハング配列、(b)例えば前記オーバーハングにおける、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド);または(c)5’-ホスフェート。
ある実施形態では、熱サイクリングは、エマルジョンを用いて(例えば、PCRチューブにおいて)実施される。ある実施形態では、熱サイクリングは、以下の条件を使用して実施される:95~98℃で30秒間~2分間の最初の変性;以下の10~30サイクル:95~98℃で10~30秒間の変性、50~60℃で10~30秒間のプライマーアニーリング、および72℃で30秒間のポリメラーゼ伸長。ある実施形態では、PCR産物のビーズへの捕捉を促進するために反応をゆっくり冷却させる。反応は4℃で保持され得る。
ビーズ回収
(例えば、合一した異なる溶液相を含有する)エマルジョンは、滴不安定化試薬、例えば、パーフルオロオクタノール(PFO)を使用して破壊することができる。ある実施形態では、ビーズ含有水相が回収される。ある実施形態では、ビーズは磁気ビーズであり、磁石を使用して単離される。ある実施形態では、ビーズは、緩衝液(例えば、Tris、pH 7.5)において、洗浄され、再懸濁される。
リガーゼサイクリングのためのビーズカプセル化
ビーズは、個々に液滴中にカプセル化することができる。ある実施形態では、液滴の体積は、5pLから500pLまで、例えば、5pLから400pLまで、5pLから300pLまで、5pLから200pLまで、5pLから100pLまで、5pLから50pLまで、5pLから25pLまで、400pLから500pLまで、300pLから500pLまで、200pLから500pLまで、100pLから500pLまで、50pLから500pLまで、25pLから500pLまで、10pLから500pLまで、10pLから400pLまで、25pLから300pLまで、50pLから200pLまで、または10pLから50pLまでである。ある実施形態では、液滴の体積は、10pLから50pLまでである。
ある実施形態では、液滴は油中水型液滴である。ある実施形態では、液滴は、担体(例えば、油)相、例えば、約1% フッ素系界面活性剤(RAN Biotechnologies)を有する3M(商標)HFE-7500を含む担体相中に存在する。
ある実施形態では、液滴は、カプセル化後、1個のビーズを含有する。ある実施形態では、複数個のビーズが得られ、その複数個のうちの少なくとも80%、例えば、少なくとも85%、90%、95%、98%、99%、または100%が、液滴当たり1個以下のビーズを含有する。
リガーゼサイクリング反応
ある実施形態では、リガーゼサイクリング反応が実施される。ある実施形態では、リガーゼサイクリング反応は、PCR産物とカップリングしているビーズ、スプリントオリゴヌクレオチド(例えば、1つのストランド(例えば、「トップ」VLストランド)の3’末端および別のストランド(例えば、「トップ」VHストランド)の5’末端に相補的であり、かつそれらにアニールする)、熱安定性リガーゼ、およびリガーゼ酵素活性を支持する1つまたは複数の反応成分(例えば、NAD)を含む液滴において実施される。
前記反応に使用することができる例示的なリガーゼ(例えば、熱安定性リガーゼ)には、Taq DNAリガーゼ、Pfu DNAリガーゼ、Ampligase(登録商標)熱安定性DNAリガーゼ、Tsc DNAリガーゼ、Rma DNAリガーゼ、Tfi DNAリガーゼ、またはTth DNAリガーゼが挙げられるが、それらに限定されない。
ある実施形態では、熱サイクリングは、エマルジョンを用いて(例えば、PCRチューブにおいて)実施される。ある実施形態では、熱サイクリングは、以下の条件を使用して実施される:以下の3~15サイクル:90~95℃で30秒間の変性、ならびに50~60℃で1~3分間のアニーリングおよびライゲーション。反応は4℃で保持され得る。
水性部の回収
(例えば、合一した異なる溶液相を含有する)エマルジョンは、滴不安定化試薬、例えば、パーフルオロオクタノール(PFO)を使用して破壊することができる。ある実施形態では、水性部(例えば、連結産物、および必要に応じて、非連結産物を含有する)が回収される。ある実施形態では、ビーズは捨てられる。
連結産物の精製
連結産物(例えば、天然で連結されるVL-リンカー-VHを表す)は、非連結産物(例えば、非連結VHおよびVL)から精製することができる。ライゲーション産物は、非ライゲーション産物からサイズ分離により分離される。例えば、変性PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動)、変性HPLC-SEC、アガロースゲル電気泳動、またはAMPure XPビーズを使用することができる。連結産物(約800~900bp)は、非連結産物(約350~500bp)から単離される。変性PAGE精製について、ライゲーションされたバンドが、ゲルから切り出され、ゲルスライスからDNAを抽出するために電気溶出(elecro-elution)が実施される(Bio-Rad Electro-Elutor)。
精製された連結産物の増幅
精製された連結産物は、例えば、PCRにより増幅することができる。例えば、精製された連結産物は、そのライゲーションされた産物の外側末端をアニールするオリゴヌクレオチドを用いた、標準条件下でのDNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)を使用するPCRにより増幅される。
最終PCR産物は、標準方法(例えば、発現ベクターでのエレクトロポレーション)を使用して、酵母または哺乳動物細胞へ導入されて、生物学的供給源に由来した天然で対形成するライブラリーを生じることができる。
抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含む核酸であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、核酸を作製する方法における例示的なステップは、図2A~2Dに示されている。
追加の例示的方法
ある態様では、本開示は、抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法を特徴とし、前記方法は、図1のステップ:A1、B1、C1、およびD1を実行し、それにより、HCVRのHCエレメントおよびLCVRのLCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、核酸配列を作製することを含む。
ある態様では、本開示は、抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法を特徴とし、前記方法は、図1のステップ:A1、B1、C1、D2、およびE1を実行し、それにより、HCVRのHCエレメントおよびLCVRのLCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、核酸配列を作製することを含む。
ある態様では、本開示は、抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法を特徴とし、前記方法は、図1のステップ:A1、B1、C2、およびD3を実行し、それにより、HCVRのHCエレメントおよびLCVRのLCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、核酸配列を作製することを含む。
ある態様では、本開示は、抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法を特徴とし、前記方法は、図1のステップ:A1、B1、C2、D4、およびE2を実行し、それにより、HCVRのHCエレメントおよびLCVRのLCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、核酸配列を作製することを含む。
ある態様では、本開示は、抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法を特徴とし、前記方法は、図1のステップ:A1、B1、C3、およびD5を実行し、それにより、HCVRのHCエレメントおよびLCVRのLCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、核酸配列を作製することを含む。
ある態様では、本開示は、抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法を特徴とし、前記方法は、図1のステップ:A1、B1、C3、D6およびE3を実行し、それにより、HCVRのHCエレメントおよびLCVRのLCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、前記HCVRおよび前記LCVRがマッチしている、核酸配列を作製することを含む。
前述の例示的な方法において、cDNAは、典型的には、このワークフロー概念において支持体(例えば、ビーズ)上に捕捉されない。例えば、mRNAは、支持体(例えば、ビーズ)から解離し、その後、cDNAが、隔離された反応部位(例えば、マイクロチャンバー)、例えば、滴における溶液中で作製され、その後、PCR産物が、隔離された反応部位(例えば、マイクロチャンバー)、例えば、滴における溶液中で鋳型としてのcDNAから作製される。ある実施形態では、方法は、RT-PCR反応を含み、両方の酵素ステップが滴における溶液中で起こる。前述の例示的な方法において、増幅産物は、典型的には、支持体(例えば、ビーズ)上に捕捉され、そのことは、対形成された産物を、次の隔離された反応部位(例えば、マイクロチャンバー)、例えば、次の滴へ移すのを容易にすることができる。
抗体分子
抗体分子および抗体分子のライブラリーが本明細書に開示されている。ある実施形態では、抗体分子または抗体分子のライブラリーは、本明細書に記載された方法により作製される。
本明細書で使用される「抗体分子」という用語は、タンパク質、例えば、免疫グロブリン鎖、または少なくとも1つの免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むその断片を指す。「抗体分子」という用語は、例えば、全長の成熟抗体、および抗体の抗原結合性断片を含む。例えば、抗体分子は、重(H)鎖可変ドメイン配列(本明細書では、VHと略記する)と、軽(L)鎖可変ドメイン配列(本明細書では、VLと略記する)とを含みうる。別の例では、抗体分子は、2つの重(H)鎖可変ドメイン配列と、2つの軽(L)鎖可変ドメイン配列とを含み、これにより、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fc、Fd、Fd’、Fv、単鎖抗体(例えば、scFv)、単一可変ドメイン抗体、ダイアボディー(diabody)(Dab)(二価および二特異性)、およびキメラ(例えば、ヒト化)抗体(これらは、全抗体または組換えDNA技術を使用してde novoで合成された抗体の修飾により生成され得る)など、2つの抗原結合性部位を形成する。これらの機能的な抗体断片は、それらのそれぞれの抗原または受容体と選択的に結合する能力を保持する。抗体および抗体断片は、IgG、IgA、IgM、IgD、およびIgEを含むがこれらに限定されない、任意のクラスの抗体、および任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4)の抗体に由来しうる。抗体分子は、モノクローナル抗体分子の場合もあり、ポリクローナル抗体分子の場合もある。抗体分子はまた、ヒト抗体、ヒト化抗体、CDRグラフト抗体、またはin vitroで作出された抗体でもありうる。抗体分子は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4から選択される重鎖定常領域を有しうる。抗体分子はまた、例えば、カッパ軽鎖またはラムダ軽鎖から選択される軽鎖も有しうる。本明細書では、「免疫グロブリン」(Ig)という用語を、「抗体」という用語と互換的に使用する。
抗原結合性断片の例は、(i)VLドメイン、VHドメイン、CLドメイン、およびCH1ドメインからなる一価断片である、Fab断片;(ii)ヒンジ領域におけるジスルフィド架橋により連結された2つのFab断片を含む二価断片である、F(ab’)2断片;(iii)VHドメインおよびCH1ドメインからなる、Fd断片;(iv)抗体の単一のアームのVLドメインおよびVHドメインからなる、Fv断片;(v)VHドメインからなる、ダイアボディー(dAb)断片;(vi)ラクダ科動物可変ドメインまたはラクダ化可変ドメイン;(vii)単鎖Fv(scFv)(例えば、Birdら(1988年)、Science、242巻:423~426頁;およびHustonら(1988年)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、85巻:5879~5883頁を参照されたい);(viii)単一ドメイン抗体を含む。これらの抗体断片は、当業者に公知である、いくつかの従来の技法を含む、任意の適する方法を使用して得ることができ、断片も、有用性について、無傷抗体と同じ形でスクリーニングすることができる。
「抗体」という用語は、無傷分子のほか、その機能的断片も含む。抗体の定常領域を変更して、例えば、変異させて、抗体の特性を修飾する(例えば、Fc受容体の結合、抗体のグリコシル化、システイン残基の数、エフェクター細胞の機能、または補体機能のうちの1または複数を増大または減少させる)ことができる。
抗体分子は、単鎖抗体でありうる。単鎖抗体(scFV)は、操作することができる(例えば、Colcher, D.ら(1999年)、Ann N Y Acad Sci、880巻:263~80頁;およびReiter, Y.(1996年)、Clin Cancer Res、2巻:245~52頁を参照されたい)。単鎖抗体を、二量体化または多量体化させて、同じ標的タンパク質の異なるエピトープに対する特異性を有する多価抗体を作出することができる。
本明細書で開示される抗体分子はまた、単一ドメイン抗体でもありうる。単一ドメイン抗体は、その相補性決定領域が、単一ドメインポリペプチドの部分である抗体を含みうる。例は、天然で軽鎖を欠く抗体である重鎖抗体、従来の4鎖抗体に由来する単一ドメイン抗体、操作抗体、および抗体に由来する足場以外の単一ドメイン足場を含むがこれらに限定されない。単一ドメイン抗体は、任意の当該分野による単一ドメイン抗体、または任意の将来的な単一ドメイン抗体でありうる。単一ドメイン抗体は、マウス、ヒト、ラクダ、ラマ、魚類、サメ、ヤギ、ウサギ、およびウシを含むがこれらに限定されない任意の種に由来しうる。一部の態様に従い、単一ドメイン抗体は、軽鎖を欠く重鎖抗体として公知である、天然に存在する単一ドメイン抗体である。このような単一ドメイン抗体については、例えば、WO94/04678において開示されている。明確さの理由で述べると、本明細書では、天然で軽鎖を欠く重鎖抗体に由来する、この可変ドメインは、従来の4鎖免疫グロブリンのVHから識別される、VHHまたはナノボディーとして公知である。このようなVHH分子は、Camelidae種、例えば、ラクダ、ラマ、ヒトコブラクダ、アルパカ、およびグアナコにおいて惹起される抗体に由来しうる。Camelidae以外の他の種も、天然で軽鎖を欠く重鎖抗体を産生することが可能であり、このようなVHHもまた想定される。
VH領域およびVL領域は、「フレームワーク領域」(FRまたはFW)と称する、より保存的な領域を分散させた、「相補性決定領域」(CDR)と称する超可変性領域へと細分することができる。本明細書で使用される「相補性決定領域」および「CDR」という用語は、抗体可変領域内のアミノ酸配列であって、抗原特異性および結合アフィニティーを付与するアミノ酸配列を指す。本明細書で使用される「フレームワーク」、「FW」、および「FR」という用語は、互換的に使用される。
フレームワーク領域およびCDRの範囲については、多数の方法により正確に規定されている(Kabat, E. A.ら(1991年)、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」、5版、U.S. Department of Health and Human Services、NIH刊行物第91-3242号;Chothia, C.ら(1987年)、J. Mol. Biol.、196巻:901~917頁;およびOxford Molecular’s AbM antibody modeling softwareにより使用されるAbMによる定義を参照されたい)。一般に、例えば、「Protein
Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains」、「Antibody Engineering Lab Manual」(Duebel, S.およびKontermann, R.編、Springer-Verlag、Heidelbergを参照されたい。ある実施形態では、以下の定義:重鎖可変ドメインのCDR1についてのAbMによる定義と、他のCDRについてのKabatによる定義とを使用する。ある実施形態では、全てのCDRについて、Kabatによる定義を使用する。加えて、KabatによるCDRまたはAbMによるCDRに関して記載される実施形態はまた、Chothiaによる超可変ループを使用して実行することもできる。各VHおよび各VLは、典型的に、アミノ末端から、カルボキシ末端へと、以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4で配置された、3つのCDRと、4つのFRとを含む。
本明細書で使用される「免疫グロブリン可変ドメイン配列」とは、免疫グロブリン可変ドメインの構造を形成しうるアミノ酸配列を指す。例えば、配列は、天然に存在する可変ドメインのアミノ酸配列の全部または一部を含みうる。例えば、配列は、1つ、2つ、またはこれを超えるN末端アミノ酸またはC末端アミノ酸を含む場合もあり、これらを含まない場合もあり、タンパク質構造の形成と適合性である、他の変更を含む場合もある。
「抗原結合性領域」という用語は、抗原またはそのエピトープに結合する界面を形成する決定基を含む抗体分子の部分を指す。タンパク質(またはタンパク質模倣体)に関して、抗原結合性領域は、典型的に、抗原に結合する界面を形成する、1つまたは複数のループ(少なくとも、例えば、4つのアミノ酸またはアミノ酸模倣体による)を含む。典型的に、抗体分子の抗原結合性領域は、少なくとも1つもしくは2つのCDRおよび/または超可変性ループ、またはより典型的に少なくとも3つ、4つ、5つ、もしくは6つのCDRおよび/または超可変性ループを含む。
本明細書では、「競合する」または「交差競合する」という用語は、別の抗体分子の、標的への結合に干渉する抗体分子の能力を指すように、互換的に使用される。結合への干渉は、直接的な場合もあり、間接的な場合(例えば、抗体分子または標的のアロステリックモジュレーションを介する)もある。抗体分子が、別の抗体分子の、標的への結合に干渉することが可能な程度と、したがって、抗体分子が、競合すると言いうるのかどうかとは、競合結合アッセイ、例えば、FACSアッセイ、ELISA、またはBIACOREアッセイを使用して決定することができる。ある実施形態では、競合結合アッセイは、定量的競合アッセイである。ある実施形態では、第1の抗体分子の標的への結合が、競合結合アッセイ(例えば、本明細書に記載の競合アッセイ)において10%またはそれより多く、例えば、20%またはそれより多く、30%またはそれより多く、40%またはそれより多く、50%またはそれより多く、55%またはそれより多く、60%またはそれより多く、65%またはそれより多く、70%またはそれより多く、75%またはそれより多く、80%またはそれより多く、85%またはそれより多く、90%またはそれより多く、95%またはそれより多く、98%またはそれより多く、99%またはそれより多くだけ低減される場合に、第1の抗体分子は、第2の抗体分子と標的に対する結合について競合するという。
本明細書で使用される「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」という用語は、単一の分子組成による抗体分子の調製物を指す。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対する単一の結合特異性およびアフィニティーを提示する。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術により作製することもでき、ハイブリドーマ技術を使用しない方法(例えば、組換え法)により作製することもできる。
「事実上のヒト」タンパク質とは、中和抗体応答、例えば、ヒト抗マウス抗体(HAMA)応答を惹起しないタンパク質である。HAMAは、多数の状況において、例えば、例えば、慢性疾患状態または再発性疾患状態の処置において、抗体分子を反復的に投与する場合に問題となりうる。HAMA応答は、血清からの抗体のクリアランスの増大のために(例えば、Salehら、Cancer Immunol. Immunother.、32巻:180~190頁(1990年)を参照されたい)、また、潜在的なアレルギー性反応のためにも(例えば、LoBuglioら、Hybridoma、5巻:5117~5123頁(1986年)を参照されたい)、反復抗体投与を、潜在的に無効としうる。
抗体分子は、ポリクローナル抗体の場合もあり、モノクローナル抗体の場合もある。一部の実施形態では、抗体を、組換えにより生成する、例えば、任意の適切なファージディスプレイ法またはコンビナトリアル法により生成することができる。
抗体を作製するための種々のファージディスプレイ法およびコンビナトリアル法が当該技術分野において公知である(例えば、Ladnerら、米国特許第5,223,409号;Kangら、国際公開WO 92/18619;Dowerら、国際公開WO 91/17271; Winterら、国際公開WO 92/20791; Marklandら、国際公開WO 92/15679;Breitlingら、国際公開WO 93/01288;McCaffertyら、国際公開92/01047;Garrardら、国際公開WO 92/09690;Ladnerら、国際公開WO 90/02809;Fuchsら、(1991) Bio/Technology 9:1370-1372;Hayら、(1992) Hum Antibod Hybridomas 3:81-85;Huseら、(1989) Science 246:1275-1281;Griffthsら、(1993) EMBO J 12:725-734;Hawkinsら、(1992) J Mol Biol 226:889-896;Clacksonら、 (1991) Nature 352:624-628; Gramら、(1992) PNAS 89:3576-3580;Garradら、(1991) Bio/Technology 9:1373-1377;Hoogenboomら、(1991) Nuc Acid Res 19:4133-4137;およびBarbasら、(1991) PNAS 88:7978-7982に記載されている通りであり、これらの全ての内容は本明細書に参考として援用される)。
ある実施形態では、抗体分子は、完全ヒト抗体(例えば、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体を産生するように遺伝子操作されたマウスにおいて作られる抗体)、または非ヒト抗体、例えば、齧歯類(マウスまたはラット)抗体、ヤギ抗体、霊長類(例えば、サル)抗体、ラクダ抗体である。ある実施形態では、非ヒト抗体は、齧歯類抗体(マウス抗体またはラット抗体)である。当技術分野では、齧歯類抗体を生成する方法が公知である。
ヒトモノクローナル抗体は、マウス系ではなく、ヒト免疫グロブリン遺伝子を保有するトランスジェニックマウスを使用して作出することができる。目的の抗原で免疫化された、これらのトランスジェニックマウスに由来する脾臓細胞を使用して、ヒトタンパク質に由来するエピトープに対して特異的なアフィニティーを伴う、ヒトmAbを分泌するハイブリドーマを生成することができる(例えば、Woodら、国際公開WO 91/00906,Kucherlapatiら、国際公開WO 91/10741; Lonbergら、国際公開WO 92/03918;Kayら、国際公開92/03917;Lonbergら、1994 Nature 368:856-859;Green, L.L.ら、1994 Nature Genet. 7:13-21;Morrison, S.L.ら、1994 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855;Bruggemanら、1993 Year Immunol 7:33-40;Tuaillonら、1993 PNAS 90:3720-3724;Bruggemanら、1991 Eur J Immunol 21:1323-1326を参照)。
抗体は、可変領域またはその部分、例えば、CDRを、非ヒト生物、例えば、ラットまたはマウスにおいて作出した抗体でありうる。キメラ抗体、CDRグラフト抗体、およびヒト化抗体は、本発明の範囲内にある。非ヒト生物、例えば、ラットまたはマウスにおいて作出し、次いで、ヒトにおける抗原性を減少させるように、例えば、可変領域のフレームワーク内または定常領域内で修飾した抗体も、本発明の範囲内にある。
キメラ抗体は任意の好適な組換えDNA技術によって作製することができる。いくつかが、当技術分野で公知である(Robinsonら、国際公開PCT/US86/02269;Akiraら、欧州特許出願184,187; Taniguchi, M.、欧州特許出願171,496;Morrisonら、欧州特許出願173,494;Neubergerら、国際公開WO 86/01533;Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Cabillyら、欧州特許出願125,023;Betterら、(1988 Science 240:1041-1043);Liuら、(1987)
PNAS 84:3439-3443;Liuら、1987, J. Immunol. 139:3521-3526;Sunら、(1987) PNAS 84:214-218;Nishimuraら、1987, Canc. Res. 47:999-1005;Woodら、(1985) Nature 314:446-449;およびShawら、1988, J. Natl Cancer Inst. 80:1553-1559を参照)。
ヒト化抗体またはCDRグラフト抗体は、少なくとも1つまたは2つであるが、一般に3つ全てのレシピエントCDR(免疫グロブリンの重鎖およびまたは軽鎖の)を、ドナーCDRで置きかえる。抗体は、非ヒトCDRの少なくとも1つの部分で置きかえる場合もあり、CDRの一部だけを、非ヒトCDRで置きかえる場合もある。抗原へのヒト化抗体の結合に要求される数のCDRを置きかえることだけが必要である。ある実施形態では、ドナーは、齧歯類抗体、例えば、ラット抗体またはマウス抗体であり、レシピエントは、ヒトフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークであろう。典型的に、CDRを提供する免疫グロブリンを、「ドナー」と呼び、フレームワークを提供する免疫グロブリンを、「アクセプター」と呼ぶ。一部の実施形態では、ドナー免疫グロブリンは、非ヒト(例えば、齧歯類)免疫グロブリンである。アクセプターフレームワークは、典型的に、天然に存在する(例えば、ヒト)フレームワークもしくはコンセンサスフレームワーク、またはこれと、約85%もしくはこれを超えて、例えば、90%、95%、99%、もしくはこれを超えて同一な配列である。
本明細書で使用される「コンセンサス配列」という用語は、類縁配列のファミリー内で、最も高頻度で生じるアミノ酸(またはヌクレオチド)から形成される配列を指す(例えば、Winnaker、「From Genes to Clones」(Verlagsgesellschaft、Weinheim、Germany、1987年を参照されたい)。タンパク質のファミリー内では、コンセンサス配列内の各位置は、ファミリー内のこの位置において最も高頻度で生じるアミノ酸で占有される。2つのアミノ酸が、同等に高頻度で生じる場合、いずれも、コンセンサス配列内に含まれうる。「コンセンサスフレームワーク」とは、コンセンサス免疫グロブリン配列内のフレームワーク領域を指す。
抗体は任意の好適な方法によってヒト化することができ、いくつかのそのような方法が、当技術分野で公知である(例えば、Morrison, S. L., 1985, Science 229:1202-1207, Oiら、1986, BioTechniques 4:214およびQueenら、米国特許第5,585,089号、米国特許第5,693,761号および米国特許第5,693,762号を参照、これらの全ての内容は本明細書に参考として援用される)。
ヒト化抗体またはCDRグラフト抗体は、免疫グロブリン鎖のうちの、1つ、2つ、または全てのCDRを、置きかえうる、CDRグラフティングまたはCDR置換により生成することができる。例えば、それらの全ての内容が、参照により本明細書に明示的に組み込まれる、米国特許第5,225,539号;Jonesら、1986年、Nature、321巻:552~525頁;Verhoeyanら、1988年、Science、239巻:1534頁;Beidlerら、1988年、J. Immunol.、141巻:4053~4060頁;Winter、US5,225,539を参照されたい。Winterは、ヒト化抗体を調製するのに使用しうる、CDRグラフティング法について記載している(その内容が、参照により本明細書に明示的に組み込まれる、Winter、US5,225,539である、1987年3月26日に出願された、英国特許出願第GB2188638A号)。
また、特異的なアミノ酸を、置換するか、欠失させるか、または付加したヒト化抗体も提示される。ドナーに由来するアミノ酸を選択するための基準については、例えば、その内容が、参照により本明細書に明示的に組み込まれる、US5,585,089、例えば、US5,585,089の12~16段において記載されている。抗体をヒト化する他の技法については、1992年12月23日に公表された、Padlanら、EP519596A1において記載されている。
ある実施形態では、抗体分子は、例えば、IgG1、IgG2(例えば、IgG2a)、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgEの重鎖定常領域から選択される;特に、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4の(例えば、ヒト)重鎖定常領域から選択される重鎖定常領域を有する。別の実施形態では、抗体分子は、例えば、カッパまたはラムダの(例えば、ヒト)軽鎖定常領域から選択される軽鎖定常領域を有する。定常領域を変更して、例えば、変異させて、抗体分子の特性を修飾する(例えば、Fc受容体の結合、抗体のグリコシル化、システイン残基の数、エフェクター細胞の機能、および/または補体機能のうちの1または複数を増大または減少させる)ことができる。ある実施形態では、抗体分子は、エフェクター機能を有し、補体に結合しうる。別の実施形態では、抗体分子は、エフェクター細胞を動員したり、補体に結合したりしない。ある特定の実施形態では、抗体分子は、Fc受容体に結合する能力が低減されているか、またはこの能力を有さない。例えば、抗体分子は、Fc受容体への結合を支援しない、アイソタイプもしくは亜型、断片、または他の改変体でありうる、例えば、抗体分子は、Fc受容体結合性領域を、変異または欠失させている。
ある実施形態では、抗体分子の定常領域を変更する。当技術分野では、抗体定常領域を変更するための方法が公知である。機能を変更した、例えば、細胞上のFcR、または補体のC1成分など、エフェクターリガンドに対するアフィニティーを変更した抗体分子は、抗体の定常部分内の、少なくとも1つのアミノ酸残基を、異なる残基で置きかえることにより生成することができる(例えば、それらの全ての内容が、参照により本明細書に組み込まれる、EP388,151A1、米国特許第5,624,821号および米国特許第5,648,260号を参照されたい)。また、S228P(EU命名法;Kabat命名法では、S241P)など、ヒトIgG4内の抗体構造を安定化させるアミノ酸変異も想定される。マウスまたは他の種の免疫グロブリンへと適用されれば、これらの機能を低減するか、または消失させる、同様の種類の変更も記載されうるであろう。
ある実施形態では、抗体分子内のアミノ酸だけが、正準のアミノ酸である。ある実施形態では、抗体分子は、天然に存在するアミノ酸;それらの類似体、誘導体、および同類;改変体の側鎖を有するアミノ酸類似体;および/または前出のうちのいずれかの、全ての立体異性体を含む。抗体分子は、アミノ酸のD光学異性体またはL光学異性体と、ペプチド模倣体とを含みうる。
本明細書で記載される抗体分子のポリペプチドは、直鎖状の場合もあり、分枝状の場合もあり、修飾アミノ酸を含む場合があり、非アミノ酸により中断される場合がある。抗体分子はまた、例えば、ジスルフィド結合の形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化、または標識化構成要素とのコンジュゲーションなど、他の任意の操作により修飾することもできる。ポリペプチドは、天然の供給源から単離することもでき、組換え法により、真核宿主または原核宿主から生成することもでき、合成手順の生成物の場合もある。
本明細書で記載される抗体分子は、非コンジュゲート形態において単独で使用することもでき、物質、例えば、毒素もしくは部分(例えば、治療薬;放射線を放出する化合物;植物起源、真菌起源、もしくは細菌起源の分子;または生物学的タンパク質(例えば、タンパク質毒素)もしくは生物学的粒子(例えば、例えば、ウイルスコートタンパク質を介する、組換えウイルス粒子)に結合させることもできる。例えば、抗体分子は、α放射体、β放射体、もしくはγ放射体、またはβおよびγの放射体などの放射性同位元素とカップリングさせることができる。
抗体分子は、誘導体化することもでき、別の機能的分子(例えば、別のペプチドまたはタンパク質)へと連結することもできる。本明細書で使用される「誘導体化」抗体分子とは、修飾抗体分子である。誘導体化法は、蛍光部分、放射性ヌクレオチド、毒素、酵素、またはビオチンなどのアフィニティーリガンドの付加を含むがこれらに限定されない。したがって、抗体分子は、免疫接着分子を含む、本明細書で記載される抗体の誘導体化形態、および他の形の修飾形態を含むことを意図する。例えば、抗体分子は、別の抗体(例えば、二特異性抗体またはダイアボディー)、検出可能な作用物質、毒素、医薬、および/または抗体もしくは抗体部分の、別の分子(ストレプトアビジンのコア領域またはポリヒスチジンタグなど)との会合を媒介しうるタンパク質もしくはペプチドなど、1つまたは複数の他の分子実体へと機能的に連結する(化学的カップリング、遺伝子融合、非共有結合的会合により、または他の形で)ことができる。
一部の種類の誘導体化抗体分子は、2つまたはこれを超える抗体(同じ種類、または、例えば、二特異性抗体を創出するように、異なる種類)を架橋することにより生成される。適切な架橋剤は、ヘテロ二官能性の架橋剤であって、適切なスペーサーで隔てられた、2つの顕著に異なる反応性基を有する架橋剤(例えば、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)、またはホモ二官能性の架橋剤(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル)を含む。このようなリンカーは、Pierce Chemical Company、Rockford、Illから市販されている。
抗体分子を誘導体化させうる(または標識化しうる)、有用な検出可能な作用物質は、蛍光化合物、多様な酵素、補欠分子族、発光材料、生物発光材料、蛍光放出性金属原子、例えば、ユーロピウム(Eu)、および他のランタニド、ならびに放射性材料(下記で記載する)を含む。例示的な蛍光性の検出可能な作用物質は、フルオレセイン、イソチオシアン酸フルオレセイン、ローダミン、5-ジメチルアミン-1-ナフタレンスルホニルクロリド、フィコエリトリンなどを含む。抗体はまた、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、グルコースオキシダーゼなどの検出可能な酵素によっても誘導体化させることができる。抗体を、検出可能な酵素で誘導体化させる場合、検出可能な酵素は、酵素が、検出可能な反応生成物を生成させるのに使用する、さらなる試薬を添加することにより検出することができる。例えば、検出可能な作用物質である、西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加は、検出可能である、有色の反応生成物をもたらす。抗体分子はまた、補欠分子族(例えば、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチン)によっても誘導体化させることができる。例えば、抗体を、ビオチンで誘導体化させ、アビジンまたはストレプトアビジンの結合の間接的測定を介して検出することができる。適切な蛍光材料の例は、ウンベリフェロン、フルオレセイン、イソチオシアン酸フルオレセイン、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド、またはフィコエリトリンを含み;発光材料の例は、ルミノールを含み、生物発光材料の例は、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンを含む。
標識化抗体分子は、(i)所定の抗原を、アフィニティークロマトグラフィーまたは免疫沈降などの標準法により単離すること;(ii)タンパク質の存在度および発現パターンについて評価するために、所定の抗原を検出する(例えば、細胞溶解物中または細胞上清中で)こと;(iii)組織内のタンパク質レベルを、例えば、所与の処置レジメンの有効性を決定する臨床試験手順の一部としてモニタリングすることを含む、多数の文脈で、例えば、診断に使用することもでき、かつ/または実験に使用することもできる。
抗体分子は、別の分子実体、典型的に、標識剤もしくは標識部分または治療剤もしくは治療部分(例えば、抗微生物剤もしくは抗微生物部分(例えば、抗菌剤もしくは抗菌部分、または殺菌剤もしくは殺菌部分)、免疫調節剤もしくは免疫調節部分、免疫刺激剤もしくは免疫刺激剤部分、細胞傷害剤もしくは細胞傷害部分、または細胞増殖抑制剤もしくは細胞増殖抑制部分)とコンジュゲートさせることができる。放射性同位元素は、診断的適用において使用することもでき、治療的適用において使用することもできる。抗体分子とカップリングさせうる放射性同位元素は、α放射体、β放射体、もしくはγ放射体、またはβおよびγの放射体を含むがこれらに限定されない。このような放射性同位元素は、ヨウ素(131Iまたは125I)、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジム、アスタチン(211At)、レニウム(186Re)、ビスマス(212Biまたは213Bi)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、リン(32P)、ロジウム(188Rh)、硫黄(35S)、炭素(14C)、トリチウム(H)、クロム(51Cr)、塩素(36Cl)、コバルト(57Coまたは58Co)、鉄(59Fe)、セレン(75Se)、またはガリウム(67Ga)を含むがこれらに限定されない。治療剤として有用な放射性同位元素は、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジム、アスタチン(211At)、レニウム(186Re)、ビスマス(212Biまたは213Bi)、およびロジウム(188Rh)を含む。例えば、診断法における使用のための標識として有用な放射性同位元素は、ヨウ素(131Iまたは125I)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、リン(32P)、炭素(14C)、およびトリチウム(H)、または上記で列挙した治療用同位元素のうちの1または複数を含む。
本開示は、放射性標識化抗体分子と、抗体分子を標識化する方法とを提示する。ある実施形態では、抗体分子を標識化する方法が開示される。方法は、抗体分子を、キレート剤と接触させて、これにより、コンジュゲート抗体を生成するステップを含む。コンジュゲート抗体を、放射性同位元素、例えば、111インジウム、90イットリウム、および177ルテチウムで放射性標識化して、これにより、標識化抗体分子を生成する。
一部の態様では、本開示は、本明細書で開示される抗体分子を作製する方法を提示する。方法は、抗原またはその断片を提供するステップと;抗原に特異的に結合する抗体分子を得るステップと;抗原および/または抗原を発現する生物の活性をモジュレートすることにおける、抗体分子の有効性を評価するステップとを含む。方法は、その誘導体(例えば、ヒト化抗体分子)を含む抗体分子を、被験体、例えば、ヒトへと投与するステップをさらに含みうる。
本開示は、上記の抗体分子をコードする単離核酸分子、ベクター、およびこれらの宿主細胞を提示する。核酸分子は、RNA、ゲノムDNA、およびcDNAを含むがこれらに限定されない。
他の結合ポリペプチド
本明細書における開示は、抗体分子に限定されることを意図するものではない。本明細書に記載された方法は、(例えば、少なくとも2つの対形成される、またはマッチした鎖を有する)2つまたはそれより多い鎖を有する任意の結合ポリペプチドに幅広く適用できる。
ある実施形態では、結合分子は、X鎖可変領域およびY鎖可変領域を含む。例えば、本明細書における態様、実施形態、および定義のいずれかにおいて、抗体重鎖(または可変領域)は、X鎖(または可変領域)に置き換えることができ、抗体軽鎖(または可変領域)は、Y鎖(または可変領域)に置き換えることができる。
ある態様において、本開示は、抗体X鎖可変領域(XCVR)のX鎖エレメント(XCエレメント)および抗体Y鎖可変領域(YCVR)のY鎖エレメント(YCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、XCVRおよびYCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、方法が、以下:
a)以下:
i)細胞由来のXCVRのXCエレメント、例えば、X鎖可変領域配列(XCVRS)をコードするセグメントを含むX鎖二本鎖cDNA(XC ds cDNA)のストランドである、X鎖(XC)ストランド;および
ii)上記細胞由来のYCVRのYCエレメント、例えば、Y鎖可変領域配列(YCVRS)をコードするセグメントを含むY鎖二本鎖cDNA(YC ds cDNA)のストランドである、Y鎖(YC)ストランド、
を含む、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップ、ならびに
b)XCストランドをYCストランドへ共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションするステップ
を含み、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のYCVRまたはXCVRをコードする核酸を含まず、それにより、XCVRのXCエレメントおよびYCVRのYCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、XCVRおよびYCVRがマッチしている、核酸配列を作製する、方法を特徴とする。
「マッチした」は、その用語がX鎖可変領域とY鎖可変領域に関して本明細書で使用される場合、それらが同じ細胞由来であることを意味する。ある実施形態において、X鎖可変領域およびY鎖可変領域は、多価タンパク質または多価タンパク質の一部を形成し得る。X鎖可変領域のエレメントおよびY鎖可変領域のエレメントに関して、それは、そのエレメントが由来しているX鎖可変領域とY鎖可変領域が同じ細胞由来であることを意味する。
「X鎖可変領域配列」または「XCVRS」は、その用語が本明細書で使用される場合、他のポリペプチド(例えば、抗原)の結合を可能にするのに十分な配列を含むポリペプチドを指す。実施形態では、XCVRSは、Y鎖可変領域と組み立てられ、かつ、例えば、抗原を結合することができる。「Y鎖可変領域配列」または「YCVRS」は、その用語が本明細書で使用される場合、他のポリペプチド(例えば、抗原)の結合を可能にするのに十分な配列を含むポリペプチドを指す。実施形態では、YCVRSは、X鎖可変領域と組み立てられ、かつ、例えば、抗原を結合することができる。
YCまたはXC可変領域の「エレメント」は、その用語が本明細書で使用される場合、少なくとも1個のアミノ酸をコードする配列を指す。ある実施形態では、エレメントはCDRを含む。ある実施形態では、エレメントはFW領域を含む。
ある実施形態では、XCエレメントは、XCVRSを含み、またはそれからなる。ある実施形態では、YCエレメントは、YCVRSを含み、またはそれからなる。
ある実施形態では、XC ds cDNAは、XCVRSをコードするセグメントを含む。ある実施形態では、YC ds cDNAは、YCVRSをコードするセグメントを含む。ある実施形態では、XC ds cDNAは、XCVRSをコードするセグメントを含み、かつYC ds cDNAは、YCVRSをコードするセグメントを含む。
ある実施形態では、細胞は免疫細胞、例えば、B細胞、例えば、ヒトB細胞である。ある実施形態では、細胞は哺乳動物細胞またはトリ細胞である。
ある実施形態では、核酸配列が、発現した時、XCエレメントおよびYCエレメント(例えば、XCVRSおよびYCVRS)が機能性抗原結合分子、例えば、XCおよびYCの単一鎖または複合体を形成するように、構成される。ある実施形態では、抗原結合分子が、例えば、本明細書に記載された方法またはアッセイにより決定される場合、in vitro、ex vivo、またはin vivoで機能的である。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップは、以下:
a)以下:(i)細胞由来のXCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および(ii)上記細胞由来のYCVRをコードする第2のmRNAに相補的なストランド
を含む第2のds cDNA、と結合した捕捉支持体(cDNAを担持させた捕捉支持体)を獲得するステップ、ならびに
b)第1および第2のds cDNAの増幅を可能にする条件下で、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを維持して、以下:上記細胞由来のXCVRのXCエレメント、例えば、XCVRSをコードするセグメントを含む複数個のXC ds
cDNA、および上記細胞由来のYCVRのYCエレメント、例えば、YCVRSをコードするセグメントを含む複数個のYC ds cDNA
を産生する、ステップを含む。
ある実施形態では、XC ds cDNAは、第1のds cDNAと同一、または実質的に同一である。例えば、XC ds cDNAのセンス鎖は、第1のds cDNAのセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なり、ならびに/またはXC ds cDNAのアンチセンス鎖は、第1のds cDNAのアンチセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なる。
ある実施形態では、YC ds cDNAは、第2のds cDNAと同一、または実質的に同一である。例えば、YC ds cDNAのセンス鎖は、第2のds cDNAのセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なり、ならびに/またはYC ds cDNAのアンチセンス鎖は、第2のds cDNAのアンチセンス鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%同一であり、もしくはそれと1ヌクレオチド以下、2ヌクレオチド以下、5ヌクレオチド以下、10ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、45ヌクレオチド以下、もしくは50ヌクレオチド以下、異なる。
ある実施形態では、XCストランドはセンス鎖である。ある実施形態では、YCストランドはセンス鎖である。ある実施形態では、XCストランドはアンチセンス鎖である。ある実施形態では、YCストランドはアンチセンス鎖である。ある実施形態では、XCストランドとYCストランドの両方がセンス鎖である。ある実施形態では、XCストランドとYCストランドの両方がアンチセンス鎖である。
ある実施形態では、捕捉支持体は、ビーズ、例えば、磁気ビーズを含む。ある実施形態では、捕捉支持体は、cDNAと結合する部分(例えば、オリゴヌクレオチド)、例えば、(i)XCストランドと結合する部分;(ii)YCストランドと結合する部分;または(iii)(i)と(ii)の両方を含む。ある実施形態では、例えば同様のレベルの各DNA分子型を捕捉するのに都合良い条件を生じることを促進するために、XCストランドと結合する部分は、YCストランドと結合する部分と異なる。ある実施形態では、XCストランドと結合する部分は、YCストランドと結合する部分と同一である。
ある実施形態では、第1のmRNAおよび第2のmRNAは、mRNAを担持させた捕捉支持体上に配置されている。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、以下:第1および第2のmRNAから(例えば、第1および第2のmRNAが、mRNAを担持させた捕捉支持体から溶液へ放出された後)、細胞のXCVRのXCエレメント、例えば、XCVRSをコードするセグメントを含む第1のcDNA、および細胞のYCVRのYCエレメント、例えば、YCVRSをコードするセグメントを含む第2のcDNAを産生するのに適した試薬混合物を含む。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、第1のds cDNAの産生を媒介するプライマーを含む。ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、第2のds cDNAの産生を媒介するプライマーを含む。
ある実施形態では、細胞由来のXCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるcDNAストランドが、第1のmRNAの逆転写により生成される。ある実施形態では、細胞由来のYCVRをコードする第2のmRNAに相補的であるcDNAストランドは、第2のmRNAの逆転写により生成される。
ある実施形態では、逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー内で起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバー内で起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で、または隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーの外側で、起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で、および隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーの外側で、起こる。ある実施形態では、逆転写が、隔離された反応部位の外側で、例えば、マイクロチャンバーの外側で、起こる。
ある実施形態では、増幅は、30サイクルまたはそれ未満、例えば、20サイクルまたはそれ未満、例えば、15サイクルもしくはそれ未満、14サイクルもしくはそれ未満、13サイクルもしくはそれ未満、12サイクルもしくはそれ未満、11サイクルもしくはそれ未満、10サイクルもしくはそれ未満、9サイクルもしくはそれ未満、8サイクルもしくはそれ未満、7サイクルもしくはそれ未満、6サイクルもしくはそれ未満、または5サイクルもしくはそれ未満を含む。
ある実施形態では、逆転写および/または増幅は、例えばXCVRSおよび/またはYCVRSに特異的な配列を含む、1つまたは複数のプライマーを使用する。
ある実施形態では、逆転写および/または増幅は、XC ds cDNAの産生を媒介する2つまたはそれより多いプライマーを使用するステップ含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含まない。ある実施形態では、増幅は、YC ds cDNAの産生を媒介する2つまたはそれより多いプライマーを使用するステップを含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含まない。
ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーは、例えばDNAポリメラーゼによるDNA合成を、例えば、低下させる、例えば、阻害する、ヌクレオチド修飾を含む。ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーは、例えば、DNAポリメラーゼによるDNA合成を、例えば、低下させる、例えば、阻害する、ヌクレオチド修飾を含まない。
ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、DNAポリメラーゼがDNAを伸長することを阻害する。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、DNAポリメラーゼ伸長を低下させる(例えば、ブロックする)任意の化学的実体が、本明細書に記載された方法に従って使用することができると考えられる。
ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、プライマーへの、例えば、プライマーにおける2個の隣接したヌクレオチド間での、スペーサーの挿入である。ある実施形態では、スペーサーは可撓性スペーサーである。ある実施形態では、スペーサーは炭素スペーサー(例えば、-(CH2)n-、式中、n=3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより大きい)、2個もしくはそれより多い(例えば、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多い)脱塩基ヌクレオチド、またはポリエチレングリコール(PEG)スペーサーである。ある実施形態では、スペーサーはPEGスペーサーである。ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、例えばリボースへの、2’-O-メチル、2’-OH、2’-NH、またはウラシルである。
ある実施形態では、ヌクレオチド修飾は、プライマーの内部に、または3’末端に位置する。ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーが、(i)第1のメンバー;(ii)第2のメンバー;および必要に応じて、(iii)第3のメンバー(例えば、本明細書に記載された、例えば、(i)と(ii)の間に位置する、ヌクレオチド修飾を含む)を含む。
ある実施形態では、第1のメンバーは、第2のメンバーとアニールする能力がある。ある実施形態では、第1のメンバーは、同じプライマー内の第2のメンバーと、例えば、分子内ハイブリダイゼーションを通して、アニールして、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二X鎖領域を含むヘアピン構造を形成する能力がある。別の実施形態では、第1のメンバーは、異なるプライマー内の第2のメンバーと、例えば、分子間ハイブリダイゼーションを通して、アニールまたはハイブリダイズして、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む二本鎖構造を形成する能力がある。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、修飾プライマーが形成し、支持体(例えば、ビーズ)捕捉に対する競合の低下(例えば、防止)を促進することができる、少なくとも2つの二次構造があると考えられる。例えば、二次構造は、(同じプライマー内での)分子内ハイブリダイゼーションにより形成されるヘアピン様構造であり得、または二次構造は、(2つの異なるプライマー間の)分子間ハイブリダイゼーションにより形成される二重鎖構造であり得る。
ある実施形態では、第1のメンバーは、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドの配列に相補的である配列を含む。ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、5’から3’へ)以下:(i)第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列;(ii)(例えば、PCR増幅または次世代シーケンシングのための)ユニバーサルプライミング配列;ならびに(iii)標的配列、例えば、XCVRSおよび/またはYCVRSに相補的な配列の1つ、2つ、または全部を含む。ある実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と同一、または実質的に同一である。別の実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と異なる。ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、酵母または哺乳動物細胞における)相同組換えのための配列を含む。
ある実施形態では、少なくとも1つのプライマーは、リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含む。ある実施形態では、リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含むプライマーは、リン酸化、例えば、5’リン酸化されている。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、可撓性(例えば、グリシンにより促進される)および親水性の一般的性質をもつ任意の配列は、本明細書に記載された方法に従って、有効に働き得ると考えられる。例示的なリンカーは、一般的に、Gly、Ser、Thr、またはAlaの1つまたは複数が過剰出現(overrepresentation)し、および疎水性残基、例えば、Trp、Tyr、Phe、Cys、Met、Leu、またはIleの1つまたは複数が過少出現(underrepresentation)し得る。プライマーの長さは、様々であり得、例えば、3~50個のアミノ酸残基(例えば、5~45個、10~40個、15~35個、20~30個、10~20個、10~30個、20~40個、または30~40個のアミノ酸残基)である。ある実施形態では、リンカー配列は、((Gly)m-Ser))n(式中、m=3、4、5、またはそれより大きい、およびn=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより大きい)を含み、またはそれからなる。ある実施形態では、リンカー配列は、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(式中、n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより大きい)を含み、またはそれからなる。
ある実施形態では、プライマーは、本明細書に、例えば、実施例に、記載されたプライマーである。
ある実施形態では、逆転写、増幅、またはその両方は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーにおける溶液中で起こる。ある実施形態では、逆転写、増幅、またはその両方は、支持体(例えば、ビーズ)上で起こらない。例えば、逆転写、増幅、またはその両方は、液滴内の溶液中で起こり得る。
ある実施形態では、XC ds cDNAは、5’オーバーハング、例えば、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力がある5’オーバーハングを含む。ある実施形態では、XC ds cDNAは、平滑末端、例えば、5’ホスフェートを含む平滑末端を含む。ある実施形態では、YC ds cDNAは、5’オーバーハング、例えば、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力がある5’オーバーハングを含む。ある実施形態では、YC ds cDNAは、平滑末端、例えば、5’ホスフェートを含む平滑末端を含む。ある実施形態では、XC ds cDNAおよびYC ds cDNAは、粘着末端を含み、例えば、両方が5’オーバーハングを有する。
ある実施形態では、XCストランドおよびYCストランドは、共有結合性に連結されて、例えば、ライゲーションされて、一本鎖核酸配列を生じ、XCおよびYCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である。ある実施形態では、XC ds cDNAの変性XCストランドおよびYC ds cDNAの変性YCストランドは、共有結合性に連結され、例えば、ライゲーションされ、XCおよびYCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である。ある実施形態では、XCストランドは、XC ds cDNA内に存在し、かつYCストランドがYC ds cDNA内に存在し、ならびにXC ds cDNAおよびYC ds cDNAが共有結合性に連結されて、例えば、ライゲーションされて、例えば、二本鎖核酸配列を生じる。
ある実施形態では、共有結合性連結、例えば、ライゲーションが、隔離された産生反応部位において起こる。ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー、または隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、XCストランドおよびYCストランド、またはXC ds cDNAおよびYC ds cDNAを共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションする能力がある試薬を含む。ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、XCストランドおよびYCストランド、またはXC ds cDNAおよびYC ds cDNAを共有結合性にカップリングする酵素を含む。ある実施形態では、酵素は、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼである。ある実施形態では、共有結合性連結は、リガーゼ熱サイクリングを含む。
ある実施形態では、共有結合性連結、例えば、ライゲーションは、隔離された産生反応部位とは異なる部位において起こる、例えば、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーにおいて起こる。ある実施形態では、XCストランドおよびYCストランドは、隔離された産生部位から隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーへ移され、共有結合性連結が、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーにおいて起こる。ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、XCストランドおよびYCストランド、またはXC ds cDNAおよびYC ds cDNAを共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションする能力がある試薬を含む。ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、XCストランドおよびYCストランド、またはXC ds cDNAおよびYC ds cDNAを共有結合性にカップリングする酵素を含む。ある実施形態では、酵素は、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼである。ある実施形態では、共有結合性連結は、リガーゼ熱サイクリングを含む。
ある実施形態では、共有結合性連結、例えば、ライゲーションは、以下:(a)隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを、XCストランドおよびYCストランドの変性を可能にする条件下で(例えば、95℃で)、加熱するステップ;(b)隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを、XCストランドおよびYCストランドへのスプリントオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で(例えば、50~65℃で)、冷却するステップ;(c)XCストランドおよびYCストランドのライゲーション(例えば、XCストランドとYCストランドの間のホスホジエステル結合の形成)を可能にする条件下で(例えば、45~65℃で)、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを維持するステップ;ならびに(d)ステップ(a)、(b)、および(c)を逐次的に、2サイクル、5サイクル、10サイクル、15サイクル、20サイクル、25サイクル、30サイクル、35サイクル、40サイクル、45サイクル、50サイクル、またはそれより多くのサイクル、繰り返すステップを含む。
ある実施形態では、XCストランドおよびYCストランドは、スプリントオリゴヌクレオチドの存在下で共有結合性に連結される、例えば、ライゲーションされる。ある実施形態では、スプリントオリゴヌクレオチドは、XCストランドとYCストランドの接合部を含む配列、またはその相補的配列にハイブリダイズし、ライゲーション部位において二重鎖領域を形成する。ある実施形態では、スプリントオリゴヌクレオチドは、例えばDNAポリメラーゼによる、DNA合成を阻害する修飾(例えば、NH基)を含む。ある実施形態では、修飾は、スプリントオリゴヌクレオチドの3’末端にある。
ある実施形態では、共有結合性に連結された、例えば、ライゲーションされた、XCおよびYCストランドに相補的なストランドは、増幅により産生される。
ある実施形態では、方法、例えば、共有結合性の連結のステップは、オーバーラップ伸長によるスプライシングまたはオーバーハング伸長によるスプライシング(SOE)PCRとしても公知のオーバーラップ伸長ポリメラーゼ連鎖反応(OE-PCR)のステップを含まない。
ある実施形態では、方法は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップの前に、mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップをさらに含む。
ある実施形態では、mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップは、a)i)細胞;ならびにii)上記細胞由来のXCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のYCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびにb)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体を、第1のmRNAおよび第2のmRNAと結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップを含み、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のXCVRまたはYCVRをコードする核酸を含まない。
ある実施形態では、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーは、溶解試薬、例えば、洗剤を含む。ある実施形態では、細胞は、熱または酵素により溶解される。ある実施形態では、捕捉支持体は、mRNA、例えば、オリゴ(dT)を結合する部分(例えば、オリゴヌクレオチド)を含む。
ある実施形態では、方法は、mRNAを担持させた捕捉支持体を、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーから放出させるステップをさらに含む。ある実施形態では、放出ステップは、例えば、非捕捉mRNAの交差結合を低下させるために、ポリ(dA)またはポリ(dT)オリゴヌクレオチドの存在下で実施される。
ある実施形態では、mRNAを担持させた捕捉支持体は、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーから、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーへ移される。
ある実施形態では、方法は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーから核酸配列を放出させるステップをさらに含む。ある実施形態では、方法は、核酸配列を増幅するステップをさらに含む。ある実施形態では、核酸配列の増幅は、例えば、核酸が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーから放出された後、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で起こる。ある実施形態では、核酸配列の増幅は、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーで起こる。
ある実施形態では、方法は、核酸配列の全部または一部分をシーケンシングするステップをさらに含む。
ある実施形態では、方法は、核酸配列の全部または一部分をベクターへ挿入するステップをさらに含む。ある実施形態では、ベクターは、核酸配列内に含まれない追加のXCエレメントまたはYCエレメントを供給する。ある実施形態では、ベクターは、XC CDR1、XC CDR2、またはその両方を供給する。ある実施形態では、方法は、ベクターを発現するステップをさらに含む。
ある実施形態では、方法は、核酸配列を発現して、XCVRのXCエレメント、例えば、XCVRSをコードするセグメント、およびYCVRのYCエレメント、例えば、YCVRSをコードするセグメントを含むポリペプチドを産生するステップをさらに含む。ある実施形態では、YCエレメントは、ポリペプチドにおいてXCエレメントのN末端側にある。ある実施形態では、XCエレメントは、ポリペプチドにおいてYCエレメントのC末端側にある。
ある実施形態では、方法は、前記ポリペプチドを抗原と接触させるステップをさらに含む。ある実施形態では、方法は、前記ポリペプチドがin vitro、ex vivo、またはin vivoで抗原を結合するかどうかを、例えば、本明細書に記載された方法またはアッセイにより、決定するステップをさらに含む。
ある局面では、本開示は、抗体重鎖可変領域(XCVR)のX鎖エレメント(XCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(YCVR)のY鎖エレメント(YCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、XCVRおよびYCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、以下:
a)i)細胞(例えば、本明細書に記載される細胞);ならびに
ii)上記細胞由来のXCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のYCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体(例えば、本明細書に記載される捕捉支持体)
を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体に、第1のmRNAおよび第2のmRNAを結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された細胞反応部位)、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップであって、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のXCVRまたはYCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
c)担持されたmRNAを鋳型として使用して、cDNAを生成する反応混合物、例えば、逆転写酵素を含む反応混合物とmRNAを担持させた捕捉支持体を接触させるステップ(これは、例えば、隔離された細胞反応部位において、隔離された産生反応部位において、またはいずれにおいてでもなく、例えば、隔離された反応部位においてではなく、起こり得る);
d)i)由来のX鎖(XC)ストランドであって、上記細胞由来のXCVRのXCエレメント、例えば、X鎖可変領域配列(XCVRS)をコードするセグメントを含むX鎖二本鎖cDNA(XC ds cDNA)のストランドであるXCストランド;および
ii)由来のY鎖(YC)ストランドであって、上記細胞由来のYCVRのYCエレメント、例えば、Y鎖可変領域配列(YCVRS)をコードするセグメントを含むY鎖二本鎖cDNA(YC ds cDNA)のストランドであるYCストランド
を含む、隔離された産生反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された産生反応部位)、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得し、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のYCVRまたはXCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;ならびに
e)XCストランドをYCストランドへ共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションするステップ
を含む、方法を特徴とする。
ある実施形態では、ステップa)~e)の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、または全部)は、本明細書に記載された方法に従って実施される。ある実施形態では、ステップa)~e)のそれぞれは、本明細書に記載された方法に従って実施される。
ある局面では、本開示は、抗体重鎖可変領域(XCVR)のX鎖エレメント(XCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(YCVR)のY鎖エレメント(YCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、XCVRおよびYCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって
a)i)細胞(例えば、本明細書に記載される細胞);ならびにii)上記細胞由来のXCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のYCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体(例えば、本明細書に記載される捕捉支持体)を含む、隔離された細胞反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された細胞反応部位)、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体に、第1のmRNAおよび第2のmRNAを結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップであって、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のXCVRまたはYCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
c)担持されたmRNAを鋳型として使用して、細胞由来のXCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および細胞由来のYCVRをコードする第2のmRNAに相補的なストランドを含む第2のds cDNA(cDNAを担持させた捕捉支持体)を産生する、反応混合物、例えば、逆転写酵素を含む反応混合物と、mRNAを担持させた捕捉支持体を接触させるステップを含む、隔離された産生反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された産生反応部位)、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップであって、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞(例えば、異なる細胞)由来のYCVRまたはXCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
d)第1のds cDNAおよび第2のds cDNAを増幅して、上記細胞由来のXCVRのXCエレメント、例えば、XCVRSをコードするセグメントを含む複数個のXC
ds cDNA;および上記細胞由来のYCVRのYCエレメント、例えば、YCVRSをコードするセグメントを含む複数個のYC ds cDNAを産生することを可能にする条件下で、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを維持するステップ;
e)XC ds cDNAのストランド(XCストランド)の、YC ds cDNAのストランド(YCストランド)への共有結合性連結、例えば、ライゲーションを含み、XCストランドおよびYCストランドがどちらもセンス鎖またはアンチセンス鎖である、隔離された連結反応部位(例えば、本明細書に記載される隔離された連結反応部位)、例えば、連結マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびに
f)共有結合性に連結された、例えば、ライゲーションされた、XCおよびYCストランドを増幅するステップ
を含む、方法を特徴とする。
ある実施形態では、ステップa)~f)の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または全部)は、本明細書に記載された方法に従って実施される。ある実施形態では、ステップa)~f)のそれぞれは、本明細書に記載された方法に従って実施される。
ある局面では、本開示は、複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する方法を特徴とし、方法は、
複数個のメンバーを作製するステップであって、メンバーのそれぞれが、X鎖可変領域(XCVR)のX鎖エレメント(XCエレメント)およびY鎖可変領域(YCVR)のY鎖エレメント(YCエレメント)をコードする配列を含み、かつXCVRおよびYCVRがマッチしており、本明細書に記載の方法により作製される、ステップ
を含み、複数個の固有核酸配列のそれぞれが、異なる固有の細胞由来のXCエレメントおよびYCエレメントを含み、それにより、複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する。
ある実施形態では、複数個の固有メンバーは、少なくとも10個、10個、10個、10個、10個、または10個の固有メンバーを含む。ある実施形態では、複数個の固有メンバーは、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、または10~10個の固有メンバーを含む。ある実施形態では、ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、(マッチしたXCエレメント配列およびYCエレメント配列をコードする)固有メンバーである。ある実施形態では、ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、(マッチしたXCエレメント配列およびYCエレメント配列をコードする)固有メンバーである。
ある局面では、本開示は、複数個の固有メンバーを含むライブラリーであって、
i)複数個の固有メンバーのそれぞれが、XCエレメント、例えば、XCVRSをコードするセグメント、およびYCエレメント、例えば、YCVRSをコードするセグメントを含み、各固有メンバーにおけるXCエレメントおよびYCエレメントがマッチしている;ii)複数個の固有メンバーのそれぞれが、異なる固有細胞由来の、XCエレメント、例えば、XCVRSをコードするセグメント、およびYCエレメント、例えば、YCVRSをコードするセグメントを含む;および
iii)ライブラリーが、以下:
a)ライブラリーが、本明細書に記載の方法により作製される;
b)複数個の固有メンバーが、少なくとも10個、10個、10個、10個、10個、もしくは10個の固有核酸配列を含む;
c)複数個の固有メンバーが、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、もしくは10~10個の固有メンバーを含む;
d)ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%が、(マッチしたXCエレメント配列およびYCエレメント配列をコードする)固有メンバーである;または
e)ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、(マッチしたXCエレメント配列およびYCエレメント配列をコードする)固有メンバーである、
の性質の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、または全部)を含む、
ライブラリーを特徴とする。
ある実施形態では、複数個の固有メンバーのそれぞれが、発現した時、XCエレメント、例えば、XCVRS、およびYCエレメント、例えば、YCVRSが、機能性抗原結合分子、例えば、scFvを形成するように、構成される。
ある実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーである。ある実施形態では、複数個のメンバーのそれぞれはさらに、ディスプレイ実体の表面上のメンバーのディスプレイを生じるポリペプチドをさらにコードする。ある実施形態では、ライブラリーはファージディスプレイライブラリーである。ある実施形態では、ライブラリーは酵母ディスプレイライブラリーである。ある実施形態では、ライブラリーは哺乳動物ディスプレイライブラリーである。
ある態様では、本開示は、a)本明細書に記載されたライブラリーを、例えば、本明細書に記載された方法により、獲得するステップ;およびb)前記ライブラリーの固有核酸によりコードされるポリペプチドを発現するステップを含む、結合ポリペプチド(例えば、XCエレメントおよびYCエレメントを含むポリペプチド)を作製する方法を特徴とする。
ある実施形態では、方法は、前記ポリペプチドを抗原と接触させるステップをさらに含む。ある実施形態では、方法は、抗原を結合するポリペプチドをコードする核酸を回収する(例えば、単離し、または精製する)ステップをさらに含む。
ある態様では、本開示は、本明細書に記載された隔離された産生反応部位(例えば、XCVRをコードする核酸、およびYCVRをコードする核酸を含み、前記XCVRおよび前記YCVRがマッチしている)である、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを特徴とする。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、異なる細胞由来のXCVRまたはYCVRをコードする核酸を含まない。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、以下の1つ、2つ、または全部を含む:(i)XCおよびYCのV遺伝子配列に特異的な1つもしくは複数のプライマー;(ii)XC cDNAおよびYC cDNA上へ導入されたオーバーハングに特異的な1つもしくは複数のプライマー;または(iii)第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーの間に位置するヌクレオチド修飾を含む第3のメンバー(例えば、スペーサー)を含む、1つもしくは複数のプライマーであって、前記第1のメンバーが、同じプライマーまたは異なるプライマーの前記第2のメンバーとアニールする能力、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む構造を形成する能力がある。
ある実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含まない。別の実施形態では、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーは、核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含む。
ある態様では、本開示は、(例えば、XCVRのXCエレメントおよびYCVRのYCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、前記XCVRおよび前記YCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法のための、)第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーの間に位置するヌクレオチド修飾を含む第3のメンバー(例えば、スペーサー)を含み、前記第1のメンバーが、同じオリゴヌクレオチドの前記第2のメンバーとアニールする能力がある、自己アニーリング性オリゴヌクレオチドを特徴とする。
ある実施形態では、第1のメンバーおよび第2のメンバーは、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含むヘアピン構造を形成する能力がある。ある実施形態では、第1のメンバーは5~40ヌクレオチド長、例えば、5~10ヌクレオチド長、5~20ヌクレオチド長、5~30ヌクレオチド長、30~40ヌクレオチド長、20~40ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、または15~25ヌクレオチド長である。ある実施形態では、第2のメンバーは5~40ヌクレオチド長、例えば、5~10ヌクレオチド長、5~20ヌクレオチド長、5~30ヌクレオチド長、30~40ヌクレオチド長、20~40ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、または15~25ヌクレオチド長である。
ある実施形態では、スペーサーは、本明細書に記載されたスペーサー、例えば、可撓性スペーサーまたはPEGスペーサーである。
ある実施形態では、第1のメンバーは、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドの配列に相補的である配列を含む。
ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、5’から3’へ)以下:(i)第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列;(ii)(例えば、PCR増幅または次世代シーケンシングのための)ユニバーサルプライミング配列;ならびに(iii)標的配列、例えば、XCVRSおよび/またはYCVRSに相補的な配列の1つ、2つ、または全部を含む。ある実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と同一、または実質的に同一である。別の実施形態では、ユニバーサルプライミング配列は、第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列と異なる。ある実施形態では、第2のメンバーは、(例えば、酵母または哺乳動物細胞における)相同組換えのための配列を含む。
ある態様では、本開示は、本明細書に記載された隔離された連結反応部位(例えば、XCVRをコードする核酸、およびYCVRをコードする核酸を含み、前記XCVRおよび前記YCVRがマッチしている)である、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを特徴とする。
ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、異なる細胞由来のXCVRまたはYCVRをコードする核酸を含まない。
ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、XCストランドとYCストランドの接合部を含む配列またはその相補的配列にハイブリダイズして、ライゲーションの部位に二重鎖領域を形成する能力があるスプリントオリゴヌクレオチド(例えば、本明細書に記載されたスプリントオリゴヌクレオチド)を含む。
ある実施形態では、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーは、核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含む。
T細胞受容体分子
本明細書における開示は、抗体分子に限定されることを意図するものではない。ある実施形態では、結合分子はTCR分子、例えば、可溶性TCR分子である。ある実施形態では、結合分子は、TCRα鎖可変領域およびTCRβ鎖可変領域を含む。ある実施形態では、結合分子は、TCRγ鎖可変領域およびTCRδ鎖可変領域を含む。例えば、本明細書における態様、実施形態、および定義のいずれかにおいて、抗体重鎖(または可変領域)は、TCRα鎖(または可変領域)に置き換えることができ、抗体軽鎖(または可変領域)は、TCRβ鎖(または可変領域)に置き換えることができる;または抗体重鎖(または可変領域)は、TCRγ鎖(または可変領域)に置き換えることができ、抗体軽鎖(または可変領域)は、TCRδ鎖(または可変領域)に置き換えることができる。
T細胞受容体(TCR)分子およびTCR分子のライブラリーが本明細書で開示されている。ある実施形態では、TCR分子、またはTCR分子のライブラリーは、本明細書に記載された方法により作製される。
本明細書で使用される「TCR分子」(「T細胞受容体分子」または「T細胞受容体分子」としても公知)という用語は、タンパク質、例えば、TCR鎖、または少なくとも1つのTCR可変ドメイン配列を含むその断片を指す。「TCR分子」という用語は、例えば、全長の成熟TCR、およびTCRの抗原結合性断片を含む。例えば、TCR分子は、α鎖可変ドメイン配列およびβ鎖可変ドメイン配列を含み得る。別の例において、TCR分子は、γ鎖可変ドメイン配列およびδ鎖可変ドメイン配列を含み得る。ある実施形態では、TCR分子は可溶性TCR分子である。
T細胞受容体は、T細胞の表面上に見出すことができ、主要組織適合複合体(MHC)分子に結合したペプチドとしての抗原の断片を認識することに関与する。TCRは、典型的には、2つの異なるタンパク質鎖を含む。ヒトにおいて、T細胞の約95%において、TCRは、アルファ(α)鎖およびベータ(β)鎖(それぞれ、TRAおよびTRBによりコードされる)を含み、T細胞の約5%においては、TCRは、ガンマおよびデルタ(γ/δ)鎖(それぞれ、TRGおよびTRDによりコードされる)を含む。この比率は、個体発生中、および疾患状態(例えば、白血病)において、変化し得る。TCRが抗原性ペプチドおよびMHC(ペプチド/MHC)と会合した時、Tリンパ球は、シグナル伝達、例えば、関連酵素、共受容体、特化したアダプター分子、および活性化された、または遊離した転写因子により媒介される一連の生化学的事象を通して活性化される。
例えば、天然に存在するTCRは、典型的には、例えば、インバリアントなCD3鎖分子との複合体の部分として発現した高可変性アルファ(α)およびベータ(β)鎖を含む、ジスルフィド連結された膜アンカー型ヘテロ二量体タンパク質である。この受容体を発現するT細胞は、α:β(またはαβ)T細胞と呼ばれることがあるが、少数のT細胞は、可変性ガンマ(γ)およびデルタ(δ)鎖により形成される、別の受容体を発現し、γδT細胞と呼ばれることがある。
TCRの各鎖は、2つの細胞外ドメイン:可変(V)領域および定常(C)領域を含み得る。定常領域は、細胞膜の近位にあり、その後に、膜貫通領域、および短い細胞質テールが続き、一方、可変領域は、ペプチド/MHC複合体と結合することができる。
TCRα鎖またはβ鎖の可変ドメインは、それぞれ3つの超可変または相補性決定領域(CDR)を有し得る。β鎖上の超可変性の追加の区域(HV4)もまた存在し得、それは、典型的には、抗原と接触せず、CDRとみなされない。これらの可変ドメインにおける残基は、TCRの2つの領域において、α鎖とβ鎖の界面に、およびCD3シグナル伝達複合体の近くにあるβ鎖フレームワーク領域に位置する。理論に縛られることを望まないが、ある実施形態では、CDR3が、プロセシングされた抗原を認識することに関与する主要なCDRであると考えられる。アルファ鎖のCDR1は、抗原性ペプチドのN末端部分と相互作用することができ、β鎖のCDR1は、そのペプチドのC末端部分と相互作用することができる。CDR2はMHCを認識し得る。β鎖のCDR4は、一般的に、抗原認識に関与するとは考えられておらず、スーパー抗原と相互作用する可能性がある。
TCRの定常ドメインは、例えば、2つの鎖の間の連結を、例えばジスルフィド結合を通して形成する短い接続配列を含む。
TCR多様性の発生は、体細胞V(D)J組換えによる個々の体細胞T細胞におけるDNAをコードするセグメントの遺伝子組換えから主に生じる。各組換えTCRは、例えばαβT細胞の場合α鎖とβ鎖、またはγδT細胞の場合、γ鎖とδ鎖により形成される、抗原結合部位の構造により決定される固有の抗原特異性を有し得る。例えば、TCRα鎖およびγ鎖は、VJ組換えにより生成され得、β鎖およびδ鎖は、VDJ組換えにより生成され得る。これらの特異的な領域(例えば、α鎖またはγ鎖についてのVおよびJ;β鎖またはδ鎖についてのV、D、およびJ)の交差は、ペプチド/MHC認識にとって典型的には重要であるCDR3領域に対応する。
TCR受容体は、可変TCR鎖の複合体(例えば、3つの二量体シグナル伝達モジュールCD3δ/ε、CD3γ/ε、およびCD247ζ/ζまたはζ/ηとのα鎖およびβ鎖)を形成し得る。T細胞は、T細胞と、抗原提示細胞 - APC(MHCクラスII)または任意の他の細胞型(MHCクラスI)との間の物理的接触中に特定のペプチド/MHC複合体を認識するクローンTCRを発現することができる。T細胞複合体からのシグナルは、特定の共受容体によるMHC分子の同時結合により増強され得る。例えば、ヘルパーT細胞および制御性T細胞において、共受容体は、MHCクラスIIに特異的であるCD4であり、細胞傷害性T細胞において、共受容体は、MHCクラスIに特異的であるCD8である。
「TCR」という用語は、無傷分子のほか、その機能的断片も含む。TCR断片は、当業者に公知である、いくつかの従来の技法を含む、任意の適する方法を使用して得ることができ、断片も、有用性について、TCR抗体と同じ形でスクリーニングすることができる。TCRの定常領域は、変化して、例えば、変異して、TCRの性質を改変することができる。
TCR分子は、単鎖TCRでありうる。単鎖TCRを、二量体化または多量体化させて、同じ標的タンパク質の異なるエピトープに対する特異性を有する多価TCRを作出することができる。
本明細書で開示されるTCR分子はまた、単一ドメインTCRでもありうる。単一ドメインTCRは、その相補性決定領域が、単一ドメインポリペプチドの部分であるTCRを含みうる。例は、天然でα、β、γまたはδ鎖を欠くTCRであるα、β、γまたはδ重鎖TCR、従来の2鎖TCRに由来する単一ドメインTCR、操作TCR、およびTCRに由来する足場以外の単一ドメイン足場を含むがこれらに限定されない。単一ドメインTCRは、任意の当該分野による単一ドメインTCR、または任意の将来的な単一ドメインTCRでありうる。単一ドメインTCRは、マウス、ヒト、ラクダ、ラマ、魚類、サメ、ヤギ、ウサギ、およびウシを含むがこれらに限定されない任意の種に由来しうる。
可変領域は、「フレームワーク領域」(FRまたはFW)と称する、より保存的な領域を分散させた、「相補性決定領域」(CDR)と称する超可変性領域へと細分することができる。本明細書でTCR分子の文脈において使用される「相補性決定領域」および「CDR」という用語は、TCR可変領域内のアミノ酸配列であって、抗原特異性および結合アフィニティーを付与するアミノ酸配列を指す。本明細書で使用される「フレームワーク」、「FW」、および「FR」という用語は、互換的に使用される。
本明細書で使用される「TCR可変ドメイン配列」とは、TCR可変ドメインの構造を形成しうるアミノ酸配列を指す。例えば、配列は、天然に存在する可変ドメインのアミノ酸配列の全部または一部を含みうる。例えば、配列は、1つ、2つ、またはこれを超えるN末端アミノ酸またはC末端アミノ酸を含む場合もあり、これらを含まない場合もあり、タンパク質構造の形成と適合性である、他の変更を含む場合もある。
「抗原結合性領域」という用語は、抗原またはそのエピトープに結合する界面を形成する決定基を含むTCR分子の部分を指す。タンパク質(またはタンパク質模倣体)に関して、抗原結合性領域は、典型的に、抗原に結合する界面を形成する、1つまたは複数のループ(少なくとも、例えば、4つのアミノ酸またはアミノ酸模倣体による)を含む。典型的に、TCR分子の抗原結合性領域は、少なくとも1つもしくは2つのCDRおよび/または超可変性ループ、またはより典型的に少なくとも3つ、4つ、5つ、もしくは6つのCDRおよび/または超可変性ループを含む。
本明細書では、「競合する」または「交差競合する」という用語は、別のTCR分子の、標的への結合に干渉するTCR分子の能力を指すように、互換的に使用される。結合への干渉は、直接的な場合もあり、間接的な場合(例えば、TCR分子または標的のアロステリックモジュレーションを介する)もある。TCR分子が、別のTCR分子の、標的への結合に干渉することが可能な程度と、したがって、TCR分子が、競合すると言いうるのかどうかとは、競合結合アッセイ、例えば、FACSアッセイ、ELISA、またはBIACOREアッセイを使用して決定することができる。ある実施形態では、競合結合アッセイは、定量的競合アッセイである。ある実施形態では、第1の抗体分子の標的への結合が、競合結合アッセイ(例えば、本明細書に記載の競合アッセイ)において10%またはそれより多く、例えば、20%またはそれより多く、30%またはそれより多く、40%またはそれより多く、50%またはそれより多く、55%またはそれより多く、60%またはそれより多く、65%またはそれより多く、70%またはそれより多く、75%またはそれより多く、80%またはそれより多く、85%またはそれより多く、90%またはそれより多く、95%またはそれより多く、98%またはそれより多く、99%またはそれより多くだけ低減される場合に、第1のTCR分子は、第2のTCR分子と標的に対する結合について競合するという。
TCRは、ポリクローナルの場合もあり、モノクローナル抗体の場合もある。一部の実施形態では、TCRを、組換えにより生成する、例えば、任意の適切なファージディスプレイ法またはコンビナトリアル法により生成することができる。ファージディスプレイ法およびコンビナトリアル法は、当該技術分野において公知である。
ある実施形態では、TCR分子は、完全ヒトTCR(例えば、ヒトTCR配列に由来するTCRを産生するように遺伝子操作されたマウスにおいて作られるTCR)、または非ヒトTCR、例えば、齧歯類(マウスまたはラット)TCR、ヤギTCR、霊長類(例えば、サル)TCR、ラクダTCRである。ある実施形態では、非ヒトTCRは、齧歯類TCR(マウスTCRまたはラットTCR)である。例えば、ヒトTCRは、マウス系ではなく、ヒトTCR遺伝子を保有するトランスジェニックマウスを使用して作出することができる。
TCRは、可変領域またはその部分、例えば、CDRを、非ヒト生物、例えば、ラットまたはマウスにおいて作出したTCRでありうる。キメラTCR、CDRグラフトTCR、およびヒト化TCRは、本発明の範囲内にある。非ヒト生物、例えば、ラットまたはマウスにおいて作出し、次いで、ヒトにおける抗原性を減少させるように、例えば、可変領域のフレームワーク内または定常領域内で修飾したTCRも、本発明の範囲内にある。
キメラTCRは任意の好適な組換えDNA技術によって作製することができる。
ヒト化TCRまたはCDRグラフトTCRは、少なくとも1つまたは2つであるが、一般に3つ全てのレシピエントCDR(TC鎖の)を、ドナーCDRで置きかえる。TCRは、非ヒトCDRの少なくとも1つの部分で置きかえる場合もあり、CDRの一部だけを、非ヒトCDRで置きかえる場合もある。抗原へのヒト化TCRの結合に要求される数のCDRを置きかえることだけが必要である。ある実施形態では、ドナーは、齧歯類抗体、例えば、ラットTCRまたはマウスTCRであり、レシピエントは、ヒトフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークであろう。典型的に、CDRを提供するTCRを、「ドナー」と呼び、フレームワークを提供するTCRを、「アクセプター」と呼ぶ。一部の実施形態では、ドナーTCRは、非ヒト(例えば、齧歯類)TCRである。アクセプターフレームワークは、典型的に、天然に存在する(例えば、ヒト)フレームワークもしくはコンセンサスフレームワーク、またはこれと、約85%もしくはこれを超えて、例えば、90%、95%、99%、もしくはこれを超えて同一な配列である。
本明細書で使用される「コンセンサス配列」という用語は、類縁配列のファミリー内で、最も高頻度で生じるアミノ酸(またはヌクレオチド)から形成される配列を指す(例えば、Winnaker、「From Genes to Clones」(Verlagsgesellschaft、Weinheim、Germany、1987年を参照されたい)。タンパク質のファミリー内では、コンセンサス配列内の各位置は、ファミリー内のこの位置において最も高頻度で生じるアミノ酸で占有される。2つのアミノ酸が、同等に高頻度で生じる場合、いずれも、コンセンサス配列内に含まれうる。「コンセンサスフレームワーク」とは、コンセンサスTCR配列内のフレームワーク領域を指す。
TCRは任意の好適な方法によってヒト化することができる。ヒト化TCRまたはCDRグラフトTCRは、免疫グロブリン鎖のうちの、1つ、2つ、または全てのCDRを、置きかえうる、CDRグラフティングまたはCDR置換により生成することができる。また、特異的なアミノ酸を、置換するか、欠失させるか、または付加したヒト化TCRも提示される。
ある実施形態ではTCR分子は、定常領域を有する。定常領域を変更して、例えば、変異させて、TCR分子の特性を修飾することができる。ある実施形態では、TCR分子の定常領域を変更する。当技術分野では、定常領域を変更するための方法が公知である。
ある実施形態では、TCR分子におけるアミノ酸だけが、正準のアミノ酸である。ある実施形態では、TCR分子は、天然に存在するアミノ酸;それらの類似体、誘導体、および同類;改変体の側鎖を有するアミノ酸類似体;および/または前出のうちのいずれかの全ての立体異性体を含む。TCR分子は、アミノ酸のD光学異性体またはL光学異性体と、ペプチド模倣体とを含みうる。
本明細書で記載されるTCR分子のポリペプチドは、直鎖状の場合もあり、分枝状の場合もあり、修飾アミノ酸を含む場合があり、非アミノ酸により中断される場合がある。TCR分子はまた、例えば、ジスルフィド結合の形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化、または標識化構成要素とのコンジュゲーションなど、他の任意の操作により修飾することもできる。ポリペプチドは、天然の供給源から単離することもでき、組換え法により、真核宿主または原核宿主から生成することもでき、合成手順の生成物の場合もある。
本明細書で記載されるTCR分子は、非コンジュゲート形態において単独で使用することもでき、物質、例えば、毒素もしくは部分(例えば、治療薬;放射線を放出する化合物;植物起源、真菌起源、もしくは細菌起源の分子;または生物学的タンパク質(例えば、タンパク質毒素)もしくは生物学的粒子(例えば、例えば、ウイルスコートタンパク質を介する、組換えウイルス粒子)に結合させることもできる。例えば、TCR分子は、α放射体、β放射体、もしくはγ放射体、またはβおよびγの放射体などの放射性同位元素とカップリングさせることができる。
TCR分子は、誘導体化することもでき、別の機能的分子(例えば、別のペプチドまたはタンパク質)へと連結することもできる。本明細書で使用される「誘導体化」TCR分子とは、修飾TCR分子である。誘導体化法は、蛍光部分、放射性ヌクレオチド、毒素、酵素、またはビオチンなどのアフィニティーリガンドの付加を含むがこれらに限定されない。したがって、TCR分子は、免疫接着分子を含む、本明細書で記載される抗体の誘導体化形態、および他の形の修飾形態を含むことを意図する。例えば、TCR分子は、別のTCR(例えば、二特異性TCR)、検出可能な作用物質、毒素、医薬、および/またはTCRもしくはTCR部分の、別の分子(ストレプトアビジンのコア領域またはポリヒスチジンタグなど)との会合を媒介しうるタンパク質もしくはペプチドなど、1つまたは複数の他の分子実体へと機能的に連結する(化学的カップリング、遺伝子融合、非共有結合的会合により、または他の形で)ことができる。
一部の種類の誘導体化TCR分子は、2つまたはこれを超えるTCR(同じ種類、または、例えば、二特異性TCRを創出するように、異なる種類)を架橋することにより生成される。適切な架橋剤は、ヘテロ二官能性の架橋剤であって、適切なスペーサーで隔てられた、2つの顕著に異なる反応性基を有する架橋剤(例えば、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)、またはホモ二官能性の架橋剤(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル)を含む。このようなリンカーは、Pierce Chemical Company、Rockford、Illから市販されている。
TCR分子を誘導体化させうる(または標識化しうる)、有用な検出可能な作用物質は、蛍光化合物、多様な酵素、補欠分子族、発光材料、生物発光材料、蛍光放出性金属原子、例えば、ユーロピウム(Eu)、および他のランタニド、ならびに放射性材料(下記で記載する)を含む。例示的な蛍光性の検出可能な作用物質は、フルオレセイン、イソチオシアン酸フルオレセイン、ローダミン、5-ジメチルアミン-1-ナフタレンスルホニルクロリド、フィコエリトリンなどを含む。TCRはまた、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、グルコースオキシダーゼなどの検出可能な酵素によっても誘導体化させることができる。TCRを、検出可能な酵素で誘導体化させる場合、検出可能な酵素は、酵素が、検出可能な反応生成物を生成させるのに使用する、さらなる試薬を添加することにより検出することができる。例えば、検出可能な作用物質である、西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加は、検出可能である、有色の反応生成物をもたらす。TCR分子はまた、補欠分子族(例えば、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチン)によっても誘導体化させることができる。例えば、TCRを、ビオチンで誘導体化させ、アビジンまたはストレプトアビジンの結合の間接的測定を介して検出することができる。適切な蛍光材料の例は、ウンベリフェロン、フルオレセイン、イソチオシアン酸フルオレセイン、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド、またはフィコエリトリンを含み;発光材料の例は、ルミノールを含み、生物発光材料の例は、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンを含む。
標識化TCR分子は、(i)所定の抗原を、アフィニティークロマトグラフィーまたは免疫沈降などの標準法により単離すること;(ii)タンパク質の存在度および発現パターンについて評価するために、所定の抗原を検出する(例えば、細胞溶解物中または細胞上清中で)こと;(iii)組織内のタンパク質レベルを、例えば、所与の処置レジメンの有効性を決定する臨床試験手順の一部としてモニタリングすることを含む、多数の文脈で、例えば、診断に使用することもでき、かつ/または実験に使用することもできる。
TCR分子は、別の分子実体、典型的に、標識剤もしくは標識部分または治療剤もしくは治療部分(例えば、抗微生物剤もしくは抗微生物部分(例えば、抗菌剤もしくは抗菌部分、または殺菌剤もしくは殺菌部分)、免疫調節剤もしくは免疫調節部分、免疫刺激剤もしくは免疫刺激剤部分、細胞傷害剤もしくは細胞傷害部分、または細胞増殖抑制剤もしくは細胞増殖抑制部分)とコンジュゲートさせることができる。放射性同位元素は、診断的適用において使用することもでき、治療的適用において使用することもできる。抗体分子とカップリングさせうる放射性同位元素は、α放射体、β放射体、もしくはγ放射体、またはβおよびγの放射体を含むがこれらに限定されない。このような放射性同位元素は、ヨウ素(131Iまたは125I)、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジム、アスタチン(211At)、レニウム(186Re)、ビスマス(212Biまたは213Bi)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、リン(32P)、ロジウム(188Rh)、硫黄(35S)、炭素(14C)、トリチウム(H)、クロム(51Cr)、塩素(36Cl)、コバルト(57Coまたは58Co)、鉄(59Fe)、セレン(75Se)、またはガリウム(67Ga)を含むがこれらに限定されない。治療剤として有用な放射性同位元素は、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジム、アスタチン(211At)、レニウム(186Re)、ビスマス(212Biまたは213Bi)、およびロジウム(188Rh)を含む。例えば、診断法における使用のための標識として有用な放射性同位元素は、ヨウ素(131Iまたは125I)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、リン(32P)、炭素(14C)、およびトリチウム(H)、または上記で列挙した治療用同位元素のうちの1または複数を含む。
本開示は、放射性標識化TCR分子と、TCR分子を標識化する方法とを提示する。ある実施形態では、TCR分子を標識化する方法が開示される。方法は、TCR分子を、キレート剤と接触させて、これにより、コンジュゲート抗体を生成するステップを含む。コンジュゲート抗体を、放射性同位元素、例えば、111インジウム、90イットリウム、および177ルテチウムで放射性標識化して、これにより、標識化TCR分子を生成する。
一部の態様では、本開示は、本明細書で開示されるTCR分子を作製する方法を提示する。方法は、抗原またはその断片を提供するステップと;抗原に特異的に結合するTCR分子を得るステップと;抗原および/または抗原を発現する生物の活性をモジュレートすることにおける、TCR分子の有効性を評価するステップとを含む。方法は、その誘導体(例えば、ヒト化TCR分子)を含むTCR分子を、被験体、例えば、ヒトへと投与するステップをさらに含みうる。
この開示は、上記のTCR分子をコードする単離核酸分子、そのベクターおよび宿主細胞を提供する。その核酸分子には、RNA、ゲノムDNA、およびcDNAが含まれるが、それらに限定されない。
動物モデル
本明細書で記載されるペプチド(例えば、結合ポリペプチド、例えば、抗体分子またはTCR分子)を、例えば、多様な動物モデルを使用して、in vivoにおいて評価することができる。例えば、動物モデルは、本明細書に記載された結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)の、標的分子または細胞の生物学的機能をモジュレートすることにおける有効性を試験するために使用することができる。別の例として、動物モデルはまた、本明細書に記載された結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)の、本明細書に記載された障害を処置し、防止し、または診断することにおける有効性を試験するために使用することができる。動物モデルはまた、例えば、副作用について調べ、結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)の濃度を、in situで測定し、標的分子の機能と本明細書に記載される障害との相関を裏付けるのにも使用することができる。
本明細書で記載される他の障害のための例示的な動物モデルはまた、当該技術分野において公知である。本明細書で記載される結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)を評価するために使用しうる、例示的な動物の種類は、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、およびサルを含むがこれらに限定されない。
薬学的組成物およびキット
一部の態様では、本開示は、薬学的に許容される担体と併せて製剤化される、本明細書で記載されるポリペプチド(例えば、結合ポリペプチド、例えば、抗体分子またはTCR分子)を含む組成物、例えば、薬学的に許容される組成物を提示する。
本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」は、生理学的に適合性である、ありとあらゆる溶媒、分散媒、等張剤、および吸収遅延剤などを含む。担体は、静脈内投与、筋内投与、皮下投与、非経口投与、直腸投与、脊髄投与、または表皮投与(例えば、注射または注入による)に適しうる。ある特定の実施形態では、薬学的組成物における結合ポリペプチドのうち約5%未満、例えば、約4%、3%、2%または1%未満が凝集物として存在する。別の実施形態では、薬学的組成物における結合ポリペプチドのうち少なくとも約95%、例えば、少なくとも約96%、97%、98%、98.5%、99%、99.5%、99.8%またはそれより多くが単量体として存在する。一部の実施形態では、凝集物または単量体のレベルを、クロマトグラフィー、例えば、高速サイズ除外クロマトグラフィー(HP-SEC)により決定する。
本明細書で明示される組成物は、様々な形態でありうる。これらは、例えば、溶液(例えば、注射用溶液および注入用溶液)、分散物または懸濁物、リポソーム、および坐剤など、液体剤形、半固体剤形、および固体剤形を含む。適切な形態は、投与および治療適用の意図される方式に依存する。典型的な適切な組成物は、注射用溶液または注入用溶液の形態でありうる。1つの適切な投与方式は、非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋内)投与方式である。ある実施形態では、結合ポリペプチドを、静脈内注入または静脈内注射により投与する。別の実施形態では、結合ポリペプチドを、筋内注射または皮下注射により投与する。
本明細書で使用される「非経口投与」および「非経口投与された」という語句は、通例、注射による、腸内投与および局所投与以外の投与方式を意味し、限定せずに述べると、静脈内注射および静脈内注入、筋内注射および筋内注入、動脈内注射および動脈内注入、髄腔内注射および髄腔内注入、関節包内注射および関節包内注入、眼窩内注射および眼窩内注入、心内注射および心内注入、皮内注射および皮内注入、腹腔内注射および腹腔内注入、経気管注射および経気管注入、皮下注射および皮下注入、表皮下注射および表皮下注入、関節内注射および関節内注入、被膜下注射および被膜下注入、くも膜下注射およびくも膜下注入、脊髄内注射および脊髄内注入、硬膜外注射および硬膜外注入ならびに胸骨内注射および胸骨内注入を含む。
治療用組成物は、滅菌であるものとし、製造条件下および保管条件下で安定であるものとすることが典型的である。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、分散物、リポソーム、または高い結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)の濃度に適する、他の秩序化構造として製剤化することができる。滅菌注射用溶液は、要求に応じて、上記で数え上げた成分のうちの1つまたは組み合わせと共に、適切な溶媒中に、要求される量で、活性化合物(例えば、結合ポリペプチド)を組み込むことに続く、濾過滅菌により調製することができる。一般に、分散物は、活性化合物を、基本分散媒と、上記で数え上げた成分に由来する要求される他の成分とを含有する滅菌ビヒクルへと組み込むことにより調製する。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、有効成分に、あらかじめ滅菌濾過されたその溶液に由来する、任意のさらなる所望の成分を加えた粉末をもたらす、真空乾燥および凍結乾燥である。溶液の適正な流動度は、例えば、レシチンなど、コーティングの使用により維持することができ、分散物の場合は、要求される粒子サイズの維持により維持することができ、界面活性剤の使用により維持することができる。注射用組成物の持続吸収は、組成物中に、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを組み入れることによりもたらすことができる。
本明細書に記載される結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)は、様々な方法により投与することができる。当技術分野では、いくつかの方法が公知であり、多くの治療適用、予防適用、または診断適用に適切な投与経路/投与方式は、静脈内注射または静脈内注入である。例えば、結合ポリペプチドは、約1~100mg/m、好ましくは、約5~50mg/m、約7~25mg/mの用量に達し、より好ましくは、約10mg/mの用量に達するように、10mg/分未満;好ましくは、5mg/分未満であるかまたはこれと等しい速度での静脈内注入により投与することができる。当業者により察知される通り、投与経路および/または投与方式は、所望される結果に応じて変動するであろう。ある特定の実施形態では、活性化合物は、インプラント、経皮パッチ、およびマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤など、化合物を、急速な放出に対して保護する担体と共に調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの、生体分解性ポリマー、生体適合性ポリマーを使用することができる。このような製剤を調製するための多くの方法は、特許になっているか、または、一般に、当業者に公知である。例えば、「Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems」、J. R. Robinson編、Marcel Dekker, Inc.、New York、1978年を参照されたい。
ある特定の実施形態では、結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)は、例えば、不活性の希釈剤または同化可能な可食性担体と共に、経口投与することができる。結合ポリペプチド(および、所望される場合、他の成分)はまた、硬質シェルまたは軟質シェルのゼラチンカプセルへと封入することもでき、錠剤へと圧縮することもでき、被験体の食餌へと直接組み込むこともできる。治療的経口投与のために、結合ポリペプチドは、賦形剤と共に組み込み、摂取可能な錠剤、口腔用錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁物、シロップ、ウェハーなどの形態で使用することができる。結合ポリペプチド(例えば、抗体分子)を、非経口投与以外で投与するために、化合物をコーティングするか、または化合物を、その不活化を防止する材料と共に共投与することが必要でありうる。治療用組成物、予防用組成物、または診断用組成物はまた、医療デバイスにより投与することもでき、当技術分野では、いくつかが公知である。
投薬レジメンは、所望される応答(例えば、治療的応答、予防的応答、または診断的応答)をもたらすように調整される。例えば、単回のボーラスを投与することもでき、いくつかに分けた用量を、ある期間にわたり投与することもでき、治療状況の要求により示されるように用量を比例して低減するか、または増大させることもできる。投与の容易さおよび投与量の均一性のために、非経口組成物を、単位剤形(dosage unit form)で製剤化することが、とりわけ有利である。本明細書で使用される単位剤形とは、処置される被験体のための単位投与量として適する、物理的に個別の単位であって、各単位が、要求される医薬担体を随伴させて、所望の治療効果をもたらすように計算された、所定数量の活性化合物を含有する単位を指す。単位剤形についての仕様は、(a)抗体分子の固有の特徴、および、達成される、特定の治療効果、予防効果、または診断上の効果、ならびに(b)当技術分野における固有の限界であって、個体における感受性の処置のために、このような結合ポリペプチドを化合させる限界により決定され、かつ、これに直接左右される。
結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)の治療有効量、予防有効量、または診断有効量についての、例示的で非限定的な範囲は、約0.1~50mg/kg、例えば、約0.1~30mg/kg、例えば、約約1~30、1~15、1~10、1~5、5~10、または1~3mg/kg、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40または50mg/kgである。結合ポリペプチドは、約1~100mg/m、例えば、約5~50mg/m、約7~25mg/mの用量に達し、例えば、約10mg/mの用量に達するように、10mg/分未満;例えば、5mg/分未満であるかまたはこれと等しい速度での静脈内注入により投与することができる。投与量値は、緩和される状態の種類および重症度と共に変動しうることに注目すべきである。任意の特定の被験体のために、具体的な投薬レジメンを、ある期間にわたり、個別の必要、および組成物を投与するまたは組成物の投与を管理する人物の職業的判断に従い調整すべきであり、本明細書で明示される投与量範囲は、例示的なものであるに過ぎず、特許請求される組成物についての範囲または実施を限定することを意図するものではないことをさらに理解されたい。
本明細書の薬学的組成物は、「治療有効量」、「予防有効量」、または「診断有効量」の、本明細書に記載される結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)を含みうる。
「治療有効量」とは、所望される治療結果を達成するのに必要な投与量で、これに必要な期間にわたる有効量を指す。結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)の治療有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびに抗体または抗体部分が、個体において所望される応答を誘発する能力などの因子に従い変動しうる。治療有効量はまた、抗体分子の任意の毒性作用または有害作用を、治療的に有益な効果が凌駕するときの量でもある。
「治療有効投与量」は、典型的に、測定可能なパラメータを、非処置被験体と比べて、少なくとも約20%、例えば、少なくとも約40%、少なくとも約60%、または少なくとも約80%阻害する。測定可能なパラメータは、例えば、血尿、有色の尿、泡沫状尿、疼痛、手および足における腫脹(浮腫)、または高血圧でありうる。結合ポリペプチド(例えば、抗体分子)が、測定可能なパラメータを阻害する能力を、本明細書に記載される障害の処置、または防止における有効性を予測する動物モデル系において評価することができる。代替的に、組成物のこの特性を、例えば、in vitroアッセイにより、結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)が、標的分子または細胞の生物学的機能をモジュレートする能力について検討することにより評価することができる。
「予防有効量」とは、所望される予防結果を達成するのに必要な投与量で、これに必要な期間にわたる有効量を指す。予防用量は、被験体において、疾患の前または疾患の早期に使用されるので、予防有効量は、治療有効量未満となることが典型的であろう。
「診断有効量」とは、所望される診断結果を達成するのに必要な投与量で、これに必要な期間にわたる有効量を指す。診断有効量とは、障害、例えば、本明細書に記載される障害を、in vitro、ex vivo、またはin vivoにおいて診断しうる量であることが典型的である。
また、本明細書で記載される結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)を含むキットも、本開示の範囲内にある。キットは、使用のための指示;他の試薬、例えば、標識、治療剤、または抗体分子をキレート化するか、または抗体分子を、標識もしくは治療剤もしくは放射性組成物へと他の形でカップリングするのに有用な薬剤;結合ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)を、投与用に調製するためのデバイスまたは他の材料;薬学的に許容される担体;および被験体への投与のためのデバイスまたは他の材料を含む、1つまたは複数の他の要素を含みうる。
核酸
本開示はまた、本明細書で記載されるポリペプチド(例えば、結合ポリペプチド、例えば、抗体分子またはT細胞受容体分子))をコードするヌクレオチド配列を含む核酸も特徴とする。
ある実施形態では、核酸は、本明細書に記載されたポリペプチド(抗体分子またはTCR分子)の重鎖可変領域のアミノ酸配列をコードする、またはそれと実質的に相同なヌクレオチド配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくはこれを超えて同一な、および/または本明細書に記載されたストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする能力がある配列)を有するヌクレオチド配列をさらに含む。別の実施形態では、核酸は、本明細書で記載されるポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)の軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列、またはこれと実質的に相同なヌクレオチド配列(例えば、これと、少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくはこれを超えて同一であり、および/または本明細書で記載されるストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズすることが可能な配列)をさらに含む。さらに別の実施形態では、核酸は、本明細書で記載されるポリペプチド(例えば、抗体分子またTCR分子)の重鎖可変領域および軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列、またはこれと実質的に相同なヌクレオチド配列(例えば、これと、少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくはこれを超えて同一であり、および/または本明細書で記載されるストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズすることが可能な配列)をさらに含む。
ある実施形態では、核酸は、本明細書で記載されるポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)の重鎖可変領域由来の少なくとも1つ、2つまたは3つのCDRをコードするヌクレオチド配列、またはこれと実質的に相同なヌクレオチド配列(例えば、これと、少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくはこれを超えて同一であり、および/または本明細書で記載されるストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズすることが可能な配列)をさらに含みうる。別の実施形態では、核酸は、本明細書で記載されるポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)の軽鎖可変領域由来の少なくとも1つ、2つまたは3つのCDRをコードするヌクレオチド配列、またはこれと実質的に相同なヌクレオチド配列(例えば、これと、少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくはこれを超えて同一であり、および/または本明細書で記載されるストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズすることが可能な配列)をさらに含む。さらに別の実施形態では、核酸は、本明細書で記載されるポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)の重鎖および軽鎖可変領域由来の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのCDRをコードするヌクレオチド配列、またはこれと実質的に相同なヌクレオチド配列(例えば、これと、少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくはこれを超えて同一であり、および/または本明細書で記載されるストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズすることが可能な配列)を含む。
ある実施形態では、核酸は、本明細書に記載されたヌクレオチド配列の部分を含む。その部分は、例えば、可変領域(例えば、VHまたはVL);1、2、もしくは3個、もしくはそれより多い(例えば、4、5、または6個の)CDR;または1、2、3、もしくは4個、もしくはそれより多いフレームワーク領域、必要に応じて、定常領域またはFc領域をコードしうる。
本明細書で開示される核酸は、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド、またはこれらの類似体を含む。ポリヌクレオチドは、一本鎖の場合もあり、二本鎖の場合もあり、一本鎖は、コード鎖の場合もあり、非コード(アンチセンス)鎖の場合もある。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体など、修飾ヌクレオチドを含みうる。ヌクレオチドの配列は、ヌクレオチド以外の構成要素により中断されうる。ポリヌクレオチドは、標識化構成要素とのコンジュゲーションなどにより、重合の後でさらに修飾することもできる。核酸は、組換えポリヌクレオチドの場合もあり、ゲノム、cDNA、半合成または合成起源のポリヌクレオチドの場合もあり、これらは、天然には存在しないか、または非天然の配置で、別のポリヌクレオチドへと連結される。
一部の態様では、適用は、本明細書で記載される核酸を含有する、宿主細胞およびベクターを特徴とする。核酸は、下記でより詳細に記載される通り、同じ宿主細胞内または別個の宿主細胞内に存在する、単一のベクターで存在する場合もあり、別個のベクターで存在する場合もある。
ベクター
本開示は、本明細書に記載されているような、ポリペプチド(例えば、結合ポリペプチド、例えば、抗体分子またはTCR分子)をコードするヌクレオチド配列を含むベクターを特色とする。
ベクターは、ウイルス、プラスミド、コスミド、ラムダファージ、または酵母人工染色体(YAC)を含むがこれらに限定されない。
多数のベクター系を利用することができる。例えば、ベクターの1つのクラスは、例えば、ウシパピローマウイルス、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルス、レトロウイルス(ラウス肉腫ウイルス、MMTV、またはMOMLV)、またはSV40ウイルスなど、動物ウイルスに由来するDNAエレメントを用いる。ベクターの別のクラスは、セムリキ森林ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、およびフラビウイルスなど、RNAウイルスに由来するRNAエレメントを用いる。
加えて、トランスフェクトされた宿主細胞の選択を可能とする、1つまたは複数のマーカーを導入することにより、DNAをそれらの染色体へと安定的に組み込んだ細胞を選択することもできる。マーカーは、例えば、栄養要求性宿主に対する原栄養性(prototropy)、殺生物剤耐性(例えば、抗生物質)、または銅などの重金属に対する耐性などをもたらしうる。選択用マーカー遺伝子は、発現させるDNA配列へと直接連結することもでき、共形質転換により、同じ細胞へと導入することもできる。mRNAの最適な合成のためには、さらなるエレメントもまた必要とされうる。これらのエレメントは、スプライスシグナルのほか、転写プロモーター、エンハンサー、および終結シグナルも含みうる。
発現のために、発現ベクターまたはDNA配列を含有する構築物を調製したら、発現ベクターを、適切な宿主細胞へとトランスフェクトまたは導入することができる。例えば、プロトブラスト融合、リン酸カルシウム沈殿、電気穿孔、レトロウイルスによる形質導入、ウイルスによるトランスフェクション、遺伝子銃、脂質ベースのトランスフェクション、または他の従来の技法など、多様な技法を利用して、これを達成することができる。プロトブラスト融合の場合、細胞を、培地中で増殖させ、適切な活性についてスクリーニングする。
当業者には、結果として得られるトランスフェクトされた細胞を培養し、産生されたポリペプチド(例えば、抗体分子)を回収するための方法および条件が公知であり、本記載に基づき利用される、具体的な発現ベクターおよび哺乳動物の宿主細胞に応じて、変動させるか、または最適化することができる。
細胞
本開示はまた、本明細書で記載されるポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)をコードする核酸を含む宿主細胞も提示する。ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)は、本明細書に記載された方法に従って操作することができる。例えば、宿主細胞は、本明細書に記載されるポリペプチド(例えば、本明細書に記載される抗体分子またはTCR分子)のヌクレオチド配列を有する核酸分子、またはこれと実質的に相同な配列(例えば、これと、少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくはこれを超えて同一であり、および/または本明細書で記載されるストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズすることが可能な配列)、または前記核酸のうちの1つの部分を含みうる。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)をコードする核酸を含むように、宿主細胞を遺伝子操作する。
ある特定の実施形態では、発現カセットを使用することにより、宿主細胞を遺伝子操作する。「発現カセット」という語句は、このような配列と適合性の宿主における遺伝子の発現に影響を及ぼすことが可能なヌクレオチド配列を指す。このようなカセットは、プロモーター、イントロンを伴うかまたは伴わないオープンリーディングフレーム、および終結シグナルを含みうる。例えば、誘導的プロモーターなど、発現を実施するのに必要または有用な、さらなる因子もまた使用することができる。
本開示はまた、本明細書で記載されるベクターを含む宿主細胞も提示する。
細胞は、真核細胞、細菌細胞、昆虫細胞、またはヒト細胞でありうるがこれらに限定されない。適切な真核細胞は、Vero細胞、HeLa細胞、COS細胞、CHO細胞、HEK293細胞、BHK細胞、およびMDCKII細胞を含むがこれらに限定されない。適切な昆虫細胞は、Sf9細胞を含むがこれらに限定されない。
ポリペプチドの使用
本明細書で開示されるポリペプチド(例えば、結合ポリペプチド、例えば、抗体分子またはTCR分子)のほか、本明細書で開示される薬学的組成物は、in vitro、ex vivo、およびin vivoにおける、治療的、予防的、および/または診断的有用性を有する。
ある実施形態では、ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)は、標的分子(例えば、タンパク質)または細胞の1つまたは複数の生物学的活性をモジュレート(例えば、低減(例えば、阻害、遮断または中和))するか、または増大(例えば、活性化、開始(initiate)または増強)する。例えば、これらのポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)は、標的分子または細胞の1つまたは複数の生物学的活性をモジュレートするために、培養物中の細胞に、in vitroもしくはex vivoで、または被験体、例えばヒト被験体に、例えばin vivoで、投与され得る。さらに、ある態様では、本開示は、障害が処置、予防または診断されるように、本明細書で記載されるポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)を被験体に投与するステップを含む、被験体において障害、例えば、本明細書で記載される障害を処置、予防または診断する方法を提示する。例えば、本開示は、障害、例えば、標的分子または細胞に関連する障害(例えば、本明細書に記載される障害)を処置、予防または診断するために、本明細書で記載されるポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)を、培養物中の細胞と、例えば、in vitroもしくはex vivoで接触させるステップ、または本明細書で記載されるポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)を、被験体に、例えばin vivoで投与するステップを含む方法を提示する。
本明細書で使用される「被験体」という用語は、ヒトおよび非ヒト動物を含むことを意図する。一部の実施形態では、被験体は、ヒト被験体、例えば、本明細書で記載される障害を有する、または本明細書で記載される障害を有する危険性があるヒト患者である。「非ヒト動物」という用語は、哺乳動物および非哺乳動物、例えば、非ヒト霊長動物を含む。ある実施形態では、被験体はヒトである。本明細書で記載される方法および組成物は、本明細書で記載される障害を有するヒト患者を処置するために適切である。本明細書で記載される障害を有する患者は、本明細書で記載される障害を発症しているが、(少なくとも一時的に)無症候性である患者、本明細書で記載される障害の症状を示した患者、または本明細書で記載される障害と関連するかもしくは付随する障害を有する患者を含む。
障害を処置または防止する方法
本明細書に記載されたポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)は、障害または状態を処置または防止するために使用することができる。ある実施形態では、ポリペプチドは、障害または状態を処置または防止するのに望ましくありうる、最適な、または改善された半減期を有する。理論により束縛されることを望まないが、ある実施形態では、本明細書に記載されたポリペプチド(例えば、最適な、または改善された半減期を有するポリペプチド)は、同じ、または類似した結合アフィニティーおよび/または特異性を有する別のポリペプチド(例えば、最適な、または改善された半減期を有さず、または有するように操作されていないポリペプチド)を凌ぐ1つまたは複数の利点を提供しうると考えられる。これらの利点には、増加した治療的もしくは防止的有効性、低減した投与量レジメン、または改善した薬物動態学的特性が含まうるが、それらに限定されない。ある実施形態では、ポリペプチドは、本明細書に記載された変異型Fc領域を含む。
本明細書に記載されたポリペプチドにより処置または防止することができる例示的な障害または状態には、がん(例えば、固形腫瘍または血液がん)、感染性疾患(例えば、細菌感染症またはウイルス感染症)、免疫障害(例えば、自己免疫障害)、炎症性障害、代謝性障害(例えば、糖尿病)、心血管障害、臓器移植拒絶が含まれるが、それらに限定されない。
がん
本明細書で記載されるポリペプチによって処置または予防され得る例示的ながんは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質癌、カポジ肉腫、エイズ関連リンパ腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨がん(例えば、ユーイング肉腫または骨肉腫および悪性線維性組織球腫)、脳腫瘍(例えば、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胚芽腫、中枢神経系生殖細胞腫瘍、頭蓋咽頭腫または上衣腫)、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍(例えば、消化管カルチノイド腫瘍)、心(心臓)腫瘍、胚芽腫、生殖細胞腫瘍、リンパ腫、子宮頸がん、胆管細胞癌、脊索腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性新生物、結腸がん、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、乳管内上皮内癌(DCIS)、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、感覚神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外生殖細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、眼がん(例えば、眼球内黒色腫または網膜芽細胞腫)、ファロピウス管がん、骨の線維性組織球腫、骨肉腫、胆嚢がん、胃(gastric/stomach)がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、生殖細胞腫瘍(例えば、中枢神経系腫瘍、頭蓋外腫瘍、性腺外腫瘍、卵巣がんまたは精巣がん)、妊娠性絨毛性疾患、神経膠腫、ヘアリーセル白血病、頭頸部がん、肝細胞(肝臓)がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼球内黒色腫、膵島腫瘍、膵神経内分泌腫瘍、カポジ肉腫、腎臓がん(例えば、腎細胞がんまたはウィルムス腫瘍)、ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)、喉頭がん、白血病(例えば、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)またはヘアリーセル白血病)、口唇および口腔(oral cavity)がん、肝臓がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)または小細胞肺がん)、リンパ腫(例えば、エイズ関連、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫または原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫)、ワルデンストレームマクログロブリン血症、男性乳がん、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、黒色腫(例えば、眼球内(眼)黒色腫)、メルケル細胞癌、中皮腫、転移性頸部扁平上皮がん、正中管癌(midline tract carcinoma)、口のがん(mouth cancer)、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、慢性骨髄増殖性新生物、鼻腔および副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、口腔(oral)がん、口唇および口腔(oral cavity)がん、中咽頭がん、骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫、卵巣がん(例えば、上皮卵巣がんまたは生殖細胞卵巣腫瘍)、膵がん、膵神経内分泌腫瘍(膵島腫瘍)、乳頭腫、傍神経節腫、副鼻腔および鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、胸膜肺芽腫(pleuropulmonary blastoma)、腹膜がん、前立腺がん、直腸がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫(例えば、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、軟部組織肉腫または子宮肉腫)、セザリー症候群、皮膚がん(例えば、黒色腫、メルケル細胞癌または非黒色腫皮膚がん)、小腸がん、扁平上皮癌、精巣がん、咽喉がん、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺がん、腎盂および尿管の移行上皮がん、尿道がん、子宮内膜子宮がん、腟がん、外陰部がん、またはそれらの転移性病変を含むがこれらに限定されない。
本明細書に記載されたポリペプチドにより処置または防止することができる例示的な感染性疾患には、Acinetobacter感染症、放線菌症、アフリカ睡眠病(アフリカントリパノソーマ症)、AIDS(後天性免疫不全症候群)、アメーバ症、アナプラズマ症、住血線虫症、アニサキス症、炭疽、arcanobacterium haemolyticum感染症、アルゼンチン出血熱、回虫症、アスペルギルス症、アストロウイルス感染症、バベシア症、bacillus cereus感染症、細菌性肺炎、細菌性腟炎、バクテロイデス感染症、バランチジウム症、バルトネラ症、バイリスアスカリス感染症、BKウイルス感染症、黒色砂毛症、ブラストシスティス症、ブラストミセス症、ボリビア出血熱、ボツリヌス中毒(および乳児ボツリヌス中毒)、ブラジル出血熱、ブルセラ症、腺ペスト、バークホルデリア感染症、ブルーリ潰瘍、calicivirus感染症(norovirusおよびsapovirus)、カンピロバクター症、カンジダ症(モニリア症;鵞口瘡)、毛細虫症、カリオン病、ネコ引っ掻き病、蜂巣炎、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)、軟性下疳、水痘、チクングンヤ熱、クラミジア感染症、chlamydophila pneumoniae感染症(台湾急性呼吸器因子またはtwar)、コレラ、黒色分芽菌症、ツボカビ症、肝吸虫症、clostridium
difficile大腸炎、コクシジオイデス症、コロラドダニ熱(CTF)、感冒(急性ウイルス性鼻咽喉炎;急性コリーザ)、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)、クリプトコッカス症、クリプトスポリジウム症、皮膚幼虫移行症(CLM)、シクロスポラ症、嚢虫症、サイトメガロウイルス感染症、デング熱、desmodesmus感染症、二核アメーバ症、ジフテリア、裂頭条虫症、メジナ虫症、エボラ出血熱、エキノコックス症、エーリキア症、蟯虫症(蟯虫感染症)、エンテロコッカス感染症、エンテロウイルス感染症、発疹チフス、伝染性紅斑(第五病)、突発性発疹(第六病)、肝蛭症、肥大吸虫症、致死性家族性不眠症(FFI)、フィラリア症、clostridium perfringensによる食中毒、自由生活アメーバ性感染症、フゾバクテリウム感染症、ガス壊疽(クロストリジウム性筋壊死)、ジオトリクム症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、ジアルジア症、鼻疽、顎口虫症、淋病、鼠径肉芽腫(鼠径リンパ肉芽腫症)、A群連鎖球菌感染症、B群連鎖球菌感染症、haemophilus influenzae感染症、手足口病(HFMD)、Hantavirus性肺感染症(HPS)、ハートランドウイルス病、helicobacter pylori感染症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、腎症候性出血熱(HFRS)、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、単純ヘルペス、ヒストプラスマ症、鉤虫感染症、ヒトボカウイルス感染症、ヒトewingiiエーリキア症、ヒト顆粒球アナプラズマ症(HGA)、ヒトメタニューモウイルス感染症、ヒト単球エーリキア症、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、ヒトパラインフルエンザウイルス感染症、膜様条虫症、エプスタイン・バーウイルス伝染性単核球症(Mono)、インフルエンザ(flu)、イソスポーラ症、川崎病、角膜炎、kingella
kingae感染症、クールー、ラッサ熱、レジオネラ症(レジオネラ病)、レジオネラ症(ポンティアック熱)、リーシュマニア症、ハンセン病、レプトスピラ症、リステリア症、ライム病(ライムボレリア症)、リンパ管フィラリア(象皮症)、リンパ性脈絡髄膜炎、マラリア、マールブルグ出血熱(MHF)、麻疹、中東呼吸器症候群(MERS)、類鼻疽(ウィットモア病)、髄膜炎、髄膜炎菌性疾患、横川吸虫症、微胞子虫症、伝染性軟属腫(MC)、サル痘、流行性耳下腺炎、発疹熱(地方性発疹チフス)、Mycoplasma肺炎、菌腫(曖昧性除去)、ハエ幼虫症、新生児結膜炎(新生児眼炎)、(新)異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD、nvCJD)、ノカルジア症、オンコセルカ症(河川盲目症)、オピストルキス症、パラコクシジオイデス症(南アメリカブラストミセス症)、肺吸虫症、パスツレラ症、アタマジラミ寄生症(アタマジラミ)、コロモジラミ寄生症(コロモジラミ)、ケジラミ症(毛ジラミ(pubic lice)、ケジラミ(crab lice))、骨盤内炎症性疾患(PID)、百日咳(pertussis)(百日咳(Whooping cough))、ペスト、肺炎球菌感染症、pneumocystis肺炎(PCP)、肺炎、灰白髄炎、プレボテラ感染症、一次アメーバ性髄膜脳炎(PAM)、進行性多巣性白質脳症、オウム病、Q熱、狂犬病、回帰熱、RSウイルス感染症、リノスポリジウム症、ライノウイルス感染症、リケッチア感染症、リケッチア痘症、リフトバレー熱(RVF)、ロッキー山紅斑熱(RMSF)、ロタウイルス感染症、風疹、サルモネラ症、SARS(重症急性呼吸器症候群)、疥癬、住血吸虫症、敗血症、細菌性赤痢(shigellosis)(細菌性赤痢(Bacillary dysentery))、帯状疱疹(shingles)(帯状疱疹(Herpes zoster))、天然痘(痘瘡)、スポロトリコーシス、ブドウ球菌食中毒、ブドウ球菌感染症、糞線虫症、亜急性硬化性全脳炎、梅毒、条虫症、テタヌス(開口障害)、白癬性毛瘡(かみそり負け)、頭部白癬(頭皮の白癬)、体部白癬(身体の白癬)、股部白癬(いんきんたむし)、手白癬(手の白癬)、黒癬、足白癬(アスリートフット)、爪白癬(爪真菌症)、癜風(なまず)、トキソカラ症(眼幼虫移行症(OLM))、トキソカラ症(内臓幼虫移行症(VLM))、トラコーマ、トキソプラズマ症、旋毛虫症、トリコモナス症、鞭虫症(鞭虫感染症)、結核、野兎病、腸チフス、発疹チフス、Ureaplasma urealyticum感染症、渓谷熱、ベネズエラウマ脳炎、ベネズエラ出血熱、Vibrio vulnificus感染症、Vibrio parahaemolyticus腸炎、ウイルス性肺炎、ウエストナイル熱、白色砂毛(white piedra)(白色砂毛(Tinea blanca))、Yersinia pseudotuberculosis感染症、エルシニア感染症、黄熱病、ジカ熱、または接合菌症が含まれるが、それらに限定されない。
本明細書に記載されたポリペプチドにより処置または防止することができる例示的な免疫障害または状態には、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質抗体症候群(APS)、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患(AIED)、軸索型&神経細胞型ニューロパチー(AMAN)、ベーチェット病、類天疱瘡、キャッスルマン病(CD)、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性再発性多病巣性骨髄炎(CRMO)、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST症候群、クローン病、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状ループス、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎(EoE)、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合型クリオグロブリン血症、エバンス症候群、線維筋痛症、線維化肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(HSP)、妊娠性疱疹もしくは妊娠性類天疱瘡(PG)、低ガンマグロブリン血症(hypogammalglobulinemia)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、封入体筋炎(IBM)、間質性膀胱炎(IC)、若年性関節炎、若年性糖尿病(1型糖尿病)、若年性筋炎(JM)、川崎病、ランバート・イートン症候群、白血球破壊性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、線状IgA病(LAD)、ループス、慢性ライム病、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎(MPA)、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッハ・ハーベルマン病、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ(PR)、PANDAS(Streptococcusに関連した小児自己免疫性神経精神疾患)、傍腫瘍性小脳変性症(PCD)、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリー・ロンバーグ症候群、毛様体扁平部炎(末梢性ぶどう膜炎)、パーソネージ・ターナー症候群(Parsonnage-Turner syndrome)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳脊髄炎、悪性貧血(PA)、POEMS症候群(多発ニューロパチー、臓器肥大、内分泌疾患、単クローン性ガンマグロブリン血症、皮膚の変化)、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆(PRCA)、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、下肢静止不能症候群(RLS)、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ(RA)、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子および精巣自己免疫、全身硬直症候群(SPS)、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、交感性眼炎(SO)、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トローザ・ハント症候群(THS)、横断性脊髄炎、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎(UC)、未分化結合組織病(UCTD)、ぶどう膜炎、血管炎、白斑症、またはウェゲナー肉芽腫症(多発性血管炎を伴う肉芽腫症(GPA))が含まれるが、それらに限定されない。
本明細書に記載されるポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)は、患者が回復するまで、患者の全身における、ポリペプチドの治療有効レベルを保つ頻度で投与することが典型的である。例えば、ポリペプチドは、少なくとも約1つ、2つ、5つ、10、20、30、または40の、ポリペプチドが、各標的分子または細胞に結合するのに十分な血清濃度を達成する頻度で投与することができる。ある実施形態では、ポリペプチドを、1、2、3、4、5、6、または7日ごと、1、2、3、4、5、または6週ごと、または1、2、3、4、5、または6か月ごとに投与する。
当技術分野では、多様なポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)を投与する方法が公知であり、下記でも記載される。使用されるポリペプチドの、適切な投与量は、被験体の年齢および体重と、使用される特定の薬物とに依存するであろう。
ポリペプチドは、それら自体で使用することもでき、第2の薬剤、例えば、抗菌剤、毒素、またはタンパク質、例えば、第2のポリペプチドへとコンジュゲートさせることもできる。この方法は、単独であるか、または第2の薬剤へとコンジュゲートさせた、ポリペプチドを、このような処置を要求する被験体に投与するステップを含む。ポリペプチドを使用して、様々な治療剤、例えば、毒素、またはこれらの混合物を送達することができる。
組み合わせ療法
ポリペプチド(例えば、抗体分子またはTCR分子)は、他の治療と組み合わせて使用することができる。例えば、組み合わせ療法は、1つまたは複数のさらなる治療剤、例えば、本明細書に記載の1つまたは複数のさらなる治療剤と共に共製剤化され、かつ/または共投与される、ポリペプチドを含みうる。他の実施形態では、ポリペプチドを、他の治療的処置モダリティー、例えば、本明細書に記載の他の治療的処置モダリティーと組み合わせて投与する。有利には、このような組み合わせ療法は、投与される治療剤の低投与量を用い、これにより、多様な単剤療法と関連する、可能な毒性または合併症を回避しうる。
本明細書で使用される「組み合わせで」投与されるとは、2つの(またはこれを超える)異なる処置を、障害への被験体の罹患の前に、またはこの経過中に、被験体に送達することを意味する。ある実施形態では、2つまたはこれを超える処置を、予防的に、例えば、被験体が、障害を有するか、または障害を伴うと診断される前に送達する。別の実施形態では、2つまたはこれを超える処置を、被験体が、障害を発症したか、またはこれを伴うと診断された後で送達する。一部の実施形態では、重複がなされるように、1つの処置の送達は、第2の処置の送達が始まるときに、依然として行われている。本明細書では、場合によって、これを、「同時的送達」または「共時的送達」と称する。他の実施形態では、1つの処置の送達は、他の処置の送達が始まる前に終了する。いずれかの場合の一部の実施形態では、処置は、投与の組み合わせのために、より有効である。例えば、第2の処置を第1の処置の非存在下で投与した場合にみられるものより、第2の処置はより有効である、例えば、より少量の第2の処置により同等の効果が見られるか、もしくは第2の処置が症状を、より大きな程度低減するか、または第1の処置について同様の状況が見られる。一部の実施形態では、送達は、障害と関連する症状または他のパラメータの低減が、他の処置の非存在下で送達された1つの処置により観察される低減を超えるような送達である。2つの処置の効果は、部分的に相加的な場合もあり、完全に相加的な場合もあり、相加性を超える場合もある。送達は、送達される第1の処置の効果が、第2の処置が送達されるときに、なおも検出可能であるような送達でありうる。
ある実施形態では、ポリペプチドは、本明細書に記載された障害を処置または防止するために、第2の治療(例えば、追加の作用物質)と組み合わせて投与される。ある実施形態では、追加の作用物質は、第2のポリペプチド(例えば、抗体分子)、例えば、第1のポリペプチド(例えば、抗体分子)とは異なるポリペプチド(例えば、抗体分子)である。組み合わせて使用することができる例示的なポリペプチド(例えば、抗体分子)には、本明細書に記載されたポリペプチド(例えば、抗体分子)の任意の組み合わせが含まれるが、それに限定されない。別の実施形態では、追加の作用物質は、ポリペプチド(例えば、抗体分子)以外である。例えば、追加の作用物質は、小分子または核酸分子でありうる。さらに別の実施形態では、第2の治療は、手術、放射線療法、細胞療法(例えば、幹細胞療法)、または臓器もしくは組織移植から選択される。
ある実施形態では、第2の治療は、以下のうちの1つまたは複数から選択される治療を含む:アンドロゲン補充療法、抗ホルモン療法、抗血清療法、自己免疫増強療法、生物療法、血液照射療法、近接照射療法、心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy)、細胞療法、細胞移入療法、キレート療法、化学療法、金療法、コバルト療法、寒冷圧迫療法(cold compression therapy)、寒冷療法、電気痙攣療法、電磁療法(electromagnetic therapy)、電子線治療(electron therapy)、電気療法、酵素補充療法、エピジェネティック療法(epigenetic therapy)、エストロゲン補充療法、体外衝撃波療法、高速中性子療法、フッ化物療法、遺伝子治療、温熱療法(heat therapy)、蠕虫療法、ホルモン療法、ホルモン補充療法、宿主調節療法(host modulatory therapy)、高圧酸素療法、温熱療法(hyperthermia therapy)、免疫抑制療法、免疫療法、術中電子線照射療法(intraoperative electron radiation therapy)、術中照射治療、逆さま療法(inversion therapy)、レーザー療法、光療法、リチウム療法、低レベルレーザー療法、磁気療法(magnet
therapy)、磁気共鳴療法(magnetic resonance therapy)、医療ガス療法(medical gas therapy)、医学的栄養療法(medical nutrition therapy)、分子シャペロン療法(molecular chaperone therapy)、分子療法、モノクローナル抗体療法、マイナスイオン療法(negative air ionization therapy)、中性子捕獲療法、中性子療法、経口補水療法、浸透圧療法、酸素療法、オゾン療法、緩和療法、粒子療法、ファージ療法、音素神経学的低クロム療法(phonemic neurological hypochromium therapy)、光線力学的療法、光線療法、光熱療法(photothermal therapy)、理学療法、増殖療法、タンパク質療法、陽子線療法(proton therapy)、パルス電磁場療法(pulsed electromagnetic field therapy)、PUVA療法、放射線療法、補水療法、呼吸療法、サルベージ療法、血清療法、幹細胞療法、定位照射療法、標的化療法、温熱療法(thermotherapy)、TK細胞療法、寛容原性療法(tolerogenic therapy)、経皮持続酸素療法、紫外線療法、またはウイルス療法(virotherapy)。
他の障害を処置または防止するために、本明細書に記載されたポリペプチドまたは組成物と組み合わせて使用することができる例示的な治療は、本明細書における「障害を処置または防止する方法」のセクションにも記載されている。
診断法
一部の態様では、本開示は、in vitro(例えば、生検または体液(例えば、血液、尿または脳脊髄液)試料中など、生物学的試料中)またはin vivo(例えば、被験体におけるin vivoイメージング)において、標的分子(例えば、タンパク質)または細胞の存在を検出するための診断法を提示する。方法は、(i)試料を、本明細書で記載されるポリペプチド(例えば、本明細書で記載される抗体分子)と接触させるか、または被験体に、ポリペプチド(例えば、抗体分子)を投与するステップと;(必要に応じて)(ii)基準試料、例えば、対照試料(例えば、生検または体液(例えば、血液、尿または脳脊髄液)試料など、対照の生物学的試料)または対照の被験体を、本明細書で記載されるポリペプチド(例えば、本明細書で記載される抗体分子)と接触させるステップと;(iii)ポリペプチド(例えば、抗体分子)と、試料もしくは被験体、または対照試料もしくは対照の被験体中の標的分子または細胞との間の複合体の形成を検出するステップとを含み、ここで試料または被験体における複合体の形成の、対照試料または対照の被験体と比べた変化、例えば、統計学的に有意な変化が、試料中の標的分子または細胞の存在を指し示す。ポリペプチド(例えば、抗体分子)は、結合した抗体または結合しなかったポリペプチド(例えば、抗体分子)の検出を容易とするように、検出可能な物質で、直接的に標識することもでき、間接的に標識することもできる。適切な、検出可能な物質は、本明細書に記載するような、多様な酵素、補欠分子族、蛍光材料、発光材料、および放射性材料を含む。
細菌を検出するために使用される試料を指す場合の「試料」という用語は、細胞試料、細胞溶解物試料、タンパク質試料、もしくは細胞の膜抽出物試料、血液、尿またはCSFなどの体液試料、または生検などの組織試料を含むがこれらに限定されない。
ポリペプチド(例えば、抗体分子)と、標的分子または細胞との複合体の形成は、標的分子または細胞に結合したポリペプチド(例えば、抗体分子)、またはこれらに結合しなかったポリペプチド(例えば、抗体分子)を測定するか、または可視化することにより検出することができる。任意の適切な検出アッセイを使用することができ、従来の検出アッセイは、酵素免疫測定アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、FACSアッセイ、BIACOREアッセイまたは免疫組織化学を含む。ポリペプチドの標識化に対する代替法として、検出可能な物質で標識化した標準物質と、標識化しないポリペプチドとを用いる競合免疫アッセイにより、試料中の標的分子または細胞の存在を、アッセイすることができる。このアッセイでは、生物学的試料と、標識化した標準物質と、ポリペプチドとを組み合わせ、非標識化結合分子に結合した標識化標準物質の量を決定する。試料中の標的分子または細胞の量は、ポリペプチド(例えば、抗体分子)に結合した標識化標準物質の量と反比例する。
本明細書に記載されたポリペプチド(例えば、抗体分子)は、本明細書に記載されたポリペプチドにより処置または防止することができる障害を診断するために使用することができる。本明細書に記載された検出または診断方法は、本明細書に記載された障害を処置または防止するために本明細書に記載された他の方法と組み合わせて使用することができる。
追加の実施形態は、下記の番号付けされた項において記載されている。
1.抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、HCVRおよびLCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、方法が、以下:
a)以下:
i)細胞由来のHCVRのHCエレメント、例えば、重鎖可変領域配列(HCVRS)をコードするセグメントを含む重鎖二本鎖cDNA(HC ds cDNA)のストランドである、重鎖(HC)ストランド;および
ii)上記細胞由来のLCVRのLCエレメント、例えば、軽鎖可変領域配列(LCVRS)をコードするセグメントを含む軽鎖二本鎖cDNA(LC ds cDNA)のストランドである、軽鎖(LC)ストランド、
を含む、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップ、ならびに
b)HCストランドをLCストランドへ共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションするステップ
を含み、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のLCVRまたはHCVRをコードする核酸を含まず、それにより、HCVRのHCエレメントおよびLCVRのLCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、HCVRおよびLCVRがマッチしている、核酸配列を作製する、方法。
2.HCエレメントがHCVRSまたはその機能性断片(例えば、その抗原結合断片)を含み、またはそれからなる、項1に記載の方法。
3.LCエレメントがLCVRSまたはその機能性断片(例えば、その抗原結合断片)を含み、またはそれからなる、項1または2に記載の方法。
4.核酸配列が、発現した時、HCVRSおよびLCVRSが機能性抗原結合分子、例えば、scFvを形成するように、構成される、項1~3のいずれかに記載の方法。
5.抗原結合分子、例えば、scFvが、例えば、本明細書に記載された方法またはアッセイにより決定される場合、in vitro、ex vivo、またはin vivoで機能的である、項4に記載の方法。
6.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップが、以下:
a)以下:
(i)細胞由来のHCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および
(ii)上記細胞由来のLCVRをコードする第2のmRNAに相補的なストランドを含む第2のds cDNA、
と結合した捕捉支持体(cDNAを担持させた捕捉支持体)を獲得するステップ、ならびに
b)第1および第2のds cDNAの増幅を可能にする条件下で、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを維持して、以下:
上記細胞由来のHCVRのHCエレメント、例えば、HCVRSをコードするセグメントを含む複数個のHC ds cDNA、および
上記細胞由来のLCVRのLCエレメント、例えば、LCVRSをコードするセグメントを含む複数個のLC ds cDNA
を産生する、ステップ
を含む、項1~5のいずれかに記載の方法。
7.HC ds cDNAが第1のds cDNAと同一、または実質的に同一である、項6に記載の方法。
8.LC ds cDNAが第2のds cDNAと同一、または実質的に同一である、項6または7に記載の方法。
9.捕捉支持体が、ビーズ、例えば、磁気ビーズを含む、項6~8のいずれかに記載の方法。
10.捕捉支持体が、cDNAと結合する部分(例えば、オリゴヌクレオチド)、例えば、(i)HCストランドと結合する部分;(ii)LCストランドと結合する部分;または(iii)(i)と(ii)の両方を含む、項6~9のいずれかに記載の方法。
11.第1のmRNAおよび第2のmRNAが、mRNAを担持させた捕捉支持体上に配置されている、項6~10のいずれかに記載の方法。
12.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、以下:
第1および第2のmRNAから(例えば、第1および第2のmRNAが、mRNAを担持させた捕捉支持体から溶液へ放出された後)、細胞のHCVRのHCエレメント、例えば、HCVRSをコードするセグメントを含む第1のds cDNA、および細胞のLCVRのLCエレメント、例えば、LCVRSをコードするセグメントを含む第2のds cDNAを産生するのに適した試薬混合物
を含む、項6~11のいずれかに記載の方法。
13.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、第1のds cDNAの産生を媒介するプライマーを含む、項6~12のいずれかに記載の方法。
14.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、第2のds cDNAの産生を媒介するプライマーを含む、項6~13のいずれかに記載の方法。
15.細胞由来のHCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるcDNAストランドが、第1のmRNAの逆転写により生成される、項6~14のいずれかに記載の方法。16.細胞由来のLCVRをコードする第2のmRNAに相補的であるcDNAストランドが、第2のmRNAの逆転写により生成される、項6~15のいずれかに記載の方法。17.逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー内で起こる、項15または16に記載の方法。
18.逆転写が、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバー内で起こる、項15または16に記載の方法。
19.逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で、または隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーの外側で、起こる、項15または16に記載の方法。
20.逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で、および隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーの外側で、起こる、項15または16に記載の方法。
21.逆転写が、隔離された反応部位の外側で、例えば、マイクロチャンバーの外側で、起こる、項15または16に記載の方法。
22.増幅が、20サイクルまたはそれ未満、例えば、15サイクルもしくはそれ未満、14サイクルもしくはそれ未満、13サイクルもしくはそれ未満、12サイクルもしくはそれ未満、11サイクルもしくはそれ未満、10サイクルもしくはそれ未満、9サイクルもしくはそれ未満、8サイクルもしくはそれ未満、7サイクルもしくはそれ未満、6サイクルもしくはそれ未満、または5サイクルもしくはそれ未満を含む、項6~21のいずれかに記載の方法。
23.逆転写および/または増幅が、例えばHCVRSおよび/またはLCVRSに特異的な配列を含む、1つまたは複数のプライマーを使用する、項6~22のいずれかに記載の方法。
24.増幅が、HC ds cDNAの産生を媒介する2つまたはそれより多いプライマーを使用するステップ含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含まない、項6~23のいずれかに記載の方法。
25.増幅が、LC ds cDNAの産生を媒介する2つまたはそれより多いプライマーを使用するステップを含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含まない、項6~24のいずれかに記載の方法。
26.少なくとも1つのプライマーが、例えばDNAポリメラーゼによるDNA合成を、例えば、低下させる、例えば、阻害する、ヌクレオチド修飾を含む、項25に記載の方法。
27.少なくとも1つのプライマーが、例えば、DNAポリメラーゼによるDNA合成を、例えば、低下させる、例えば、阻害する、ヌクレオチド修飾を含まない、項25または26に記載の方法。
28.ヌクレオチド修飾が、DNAポリメラーゼがDNAを伸長することを阻害する、項26または27に記載の方法。
29.ヌクレオチド修飾が、プライマーへの、例えば、プライマーにおける2個の隣接したヌクレオチド間での、スペーサーの挿入である、項26~28のいずれかに記載の方法。
30.スペーサーが、可撓性スペーサー、炭素スペーサー(例えば、-(CH2)n-、式中、n=3、4、5、またはそれより大きい)、2個もしくはそれより多い(例えば、3個、4個、5個、またはそれより多い)の脱塩基ヌクレオチド、またはPEGスペーサーである、項29に記載の方法。
31.ヌクレオチド修飾が、例えばリボースへの、2’-O-メチル、2’-OH、2’-NH、またはウラシルである、項26~28のいずれかに記載の方法。
32.ヌクレオチド修飾が、プライマーの内部に、または3’末端に位置する、項26~31のいずれかに記載の方法。
33.少なくとも1つのプライマーが、(i)第1のメンバー;(ii)第2のメンバー;および必要に応じて、(iii)本明細書に記載された、例えば、(i)と(ii)の間に位置する、ヌクレオチド修飾を含む、項23~32のいずれかに記載の方法。
34.第1のメンバーが、同じプライマーまたは異なるプライマー内の第2のメンバーとアニールして、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む、(分子内ハイブリダイゼーションによる)ヘアピン構造または(分子間ハイブリダイゼーションによる)二本鎖構造を形成する能力がある、項33に記載の方法。
35.第1のメンバーが、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドの配列に相補的である配列を含む、項33または34に記載の方法。
36.第2のメンバーが、(例えば、5’から3’へ)以下:(i)第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列;(ii)(例えば、PCR増幅または次世代シーケンシングのための)ユニバーサルプライミング配列;ならびに(iii)標的配列、例えば、HCVRSおよび/またはLCVRSに相補的な配列
の1つ、2つ、または全部を含み、必要に応じて、第2のメンバーが(例えば、酵母または哺乳動物細胞における)相同組換えのための配列を含む、項33~35のいずれかに記載の方法。
37.少なくとも1つのプライマーが、リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含む、項23~36のいずれかに記載の方法。
38.リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含むプライマーが、リン酸化、例えば、5’リン酸化されている、項37に記載の方法。
39.リンカー配列が、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(式中、n=1、2、3、4、5、またはそれより大きい)を含み、またはそれからなる、項37または38に記載の方法。
40.HC ds cDNAが、5’オーバーハング、例えば、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力がある5’オーバーハングを含む、項1~39のいずれかに記載の方法。
41.HC ds cDNAが、平滑末端、例えば、5’ホスフェートを含む平滑末端を含む、項1~40のいずれかに記載の方法。
42.LC ds cDNAが、5’オーバーハング、例えば、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力がある5’オーバーハングを含む、項1~41のいずれかに記載の方法。
43.LC ds cDNAが、平滑末端、例えば、5’ホスフェートを含む平滑末端を含む、項1~42のいずれかに記載の方法。
44.HC ds cDNAおよびLC ds cDNAが粘着末端を含み、例えば、両方が5’オーバーハングを有する、項1~43のいずれかに記載の方法。
45.HCストランドおよびLCストランドが、共有結合性に連結されて、例えば、ライゲーションされて、一本鎖核酸配列を生じ、HCおよびLCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である、項1~44のいずれかに記載の方法。
46.HC ds cDNAの変性HCストランドおよびLC ds cDNAの変性LCストランドが共有結合性に連結され、例えば、ライゲーションされ、HCおよびLCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である、項1~44のいずれかに記載の方法。
47.HCストランドがHC ds cDNA内に存在し、かつLCストランドがLC ds cDNA内に存在し、ならびにHC ds cDNAおよびLC ds cDNAが共有結合性に連結されて、例えば、ライゲーションされて、例えば、二本鎖核酸配列を生じる、項1~44のいずれかに記載の方法。
48.共有結合性連結、例えば、ライゲーションが、隔離された産生反応部位において起こる、項1~47のいずれかに記載の方法。
49.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、HCストランドおよびLCストランド、またはHC ds cDNAおよびLC ds cDNAを共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションする能力がある試薬を含む、項48に記載の方法。
50.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、HCストランドおよびLCストランド、またはHC ds cDNAおよびLC ds cDNAを共有結合性にカップリングする酵素を含む、項48または49に記載の方法。
51.共有結合性連結、例えば、ライゲーションが、隔離された産生反応部位とは異なる部位において起こる、例えば、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーにおいて起こる、項1~47のいずれかに記載の方法。
52.HCストランドおよびLCストランドが、隔離された産生部位から隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーへ移され、共有結合性連結が、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーにおいて起こる、項51に記載の方法。
53.隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーが、HCストランドおよびLCストランド、またはHC ds cDNAおよびLC ds cDNAを共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションする能力がある試薬を含む、項51または52に記載の方法。
54.隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーが、HCストランドおよびLCストランド、またはHC ds cDNAおよびLC ds cDNAを共有結合性にカップリングする酵素を含む、項51~53のいずれかに記載の方法。
55.酵素が、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼである、項50または54に記載の方法。
56.共有結合性連結、例えば、ライゲーションが、以下:
(a)隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを、HCストランドおよびLCストランドの変性を可能にする条件下で(例えば、95℃で)、加熱するステップ;
(b)隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを、HCストランドおよびLCストランドへのスプリントオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で(例えば、50~65℃で)、冷却するステップ;
(c)HCストランドおよびLCストランドのライゲーション(例えば、HCストランドとLCストランドの間のホスホジエステル結合の形成)を可能にする条件下で(例えば、45~65℃で)、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを維持するステップ;ならびに
(d)ステップ(a)、(b)、および(c)を逐次的に、2サイクル、5サイクル、10サイクル、15サイクル、20サイクル、25サイクル、30サイクル、35サイクル、40サイクル、45サイクル、50サイクル、またはそれより多くのサイクル、繰り返すステップ
を含む、項51~55のいずれかに記載の方法。
57.HCストランドおよびLCストランドが、スプリントオリゴヌクレオチドの存在下で共有結合性に連結される、例えば、ライゲーションされる、項1~56のいずれかに記載の方法。
58.スプリントオリゴヌクレオチドが、HCストランドとLCストランドの接合部を含む配列、またはその相補的配列にハイブリダイズし、ライゲーション部位において二重鎖領域を形成する、項57に記載の方法。
59.スプリントオリゴヌクレオチドが、例えばDNAポリメラーゼによる、DNA合成を阻害する修飾(例えば、NH基)を含む、項57または58に記載の方法。
60.修飾が、スプリントオリゴヌクレオチドの3’末端にある、項59に記載の方法。61.共有結合性に連結された、例えば、ライゲーションされた、HCおよびLCストランドに相補的なストランドが増幅により産生される、項1~60のいずれかに記載の方法。
62.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップの前に、mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップをさらに含む、項1~61のいずれかに記載の方法。
63.mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップが、
a)i)細胞;ならびに
ii)上記細胞由来のHCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のLCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体
を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびに
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体を、第1のmRNAおよび第2のmRNAと結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップ
を含み、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のHCVRまたはLCVRをコードする核酸を含まない、項62に記載の方法。
64.隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、溶解試薬、例えば、洗剤を含む、項63に記載の方法。
65.細胞が熱または酵素により溶解される、項63または64に記載の方法。
66.捕捉支持体が、mRNA、例えば、オリゴ(dT)を結合する部分(例えば、オリゴヌクレオチド)を含む、項63~65のいずれかに記載の方法。
67.mRNAを担持させた捕捉支持体を、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーから放出させるステップをさらに含む、項62~66のいずれかに記載の方法。
68.放出ステップが、例えば、非捕捉mRNAの交差結合を低下させるために、ポリ(dA)またはポリ(dT)オリゴヌクレオチドの存在下で実施される、項67に記載の方法。
69.mRNAを担持させた捕捉支持体が、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーから、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーへ移される、項62~68に記載の方法。
70.核酸配列を産生マイクロチャンバーから放出させるステップを含む、項1~69のいずれかに記載の方法。
71.核酸配列を増幅するステップをさらに含む、項1~70のいずれかに記載の方法。72.核酸配列の全部または一部分をシーケンシングするステップを含む、項1~71のいずれかに記載の方法。
73.核酸配列の全部または一部分をベクターへ挿入するステップを含む、項1~72のいずれかに記載の方法。
74.ベクターが、核酸配列に含まれない追加のHCエレメントまたはLCエレメントを供給する、項73に記載の方法。
75.ベクターが、HC CDR1、HC CDR2、またはその両方を供給する、項73または74に記載の方法。
76.ベクターを発現するステップを含む、項73~75のいずれかに記載の方法。
77.核酸配列を発現して、HCVRのHCエレメント、例えば、HCVRSをコードするセグメント、およびLCVRのLCエレメント、例えば、LCVRSをコードするセグメントを含むポリペプチドを産生するステップを含む、項1~76のいずれかに記載の方法。
78.LCエレメントが、ポリペプチドにおいてHCエレメントのN末端側にある、項77に記載の方法。
79.HCエレメントが、ポリペプチドにおいてLCエレメントのC末端側にある、項77に記載の方法。
80.ポリペプチドを抗原と接触させるステップをさらに含む、項77~79のいずれかに記載の方法。
81.ポリペプチドが抗原を結合するかどうかを決定するステップをさらに含む、項77~80のいずれかに記載の方法。
82.細胞が免疫細胞、例えば、B細胞またはT細胞、例えば、ヒトB細胞またはT細胞である、項1~81のいずれかに記載の方法。
83.細胞が哺乳動物細胞またはトリ細胞である、項1~82のいずれかに記載の方法。84.抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、HCVRおよびLCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、以下:
a)i)細胞;ならびに
ii)上記細胞由来のHCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のLCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体
を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体に、第1のmRNAおよび第2のmRNAを結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップであって、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のHCVRまたはLCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
c)担持されたmRNAを鋳型として使用して、cDNAを生成する反応混合物、例えば、逆転写酵素を含む反応混合物とmRNAを担持させた捕捉支持体を接触させるステップ(これは、例えば、隔離された細胞反応部位において、隔離された産生反応部位において、またはいずれにおいてでもなく、例えば、隔離された反応部位においてではなく、起こり得る);
d)i)ステップb)由来の重鎖(HC)ストランドであって、上記細胞由来のHCVRのHCエレメント、例えば、重鎖可変領域配列(HCVRS)をコードするセグメントを含む重鎖二本鎖cDNA(HC ds cDNA)のストランドであるHCストランド;および
ii)ステップb)由来の軽鎖(LC)ストランドであって、上記細胞由来のLCVRのLCエレメント、例えば、軽鎖可変領域配列(LCVRS)をコードするセグメントを含む軽鎖二本鎖cDNA(LC ds cDNA)のストランドであるLCストランド
を含む、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびに
e)HCストランドをLCストランドへ共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションするステップ
を含み、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のLCVRまたはHCVRをコードする核酸を含まない、方法。
85.抗体重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および抗体軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、HCVRおよびLCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって
a)i)細胞;ならびに
ii)上記細胞由来のHCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のLCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体
を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体に、第1のmRNAおよび第2のmRNAを結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップであって、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のHCVRまたはLCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
c)担持されたmRNAを鋳型として使用して、
細胞由来のHCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および
細胞由来のLCVRをコードする第2のmRNAに相補的なストランドを含む第2のds
cDNA(cDNAを担持させた捕捉支持体)
を産生する、反応混合物、例えば、逆転写酵素を含む反応混合物と、mRNAを担持させた捕捉支持体を接触させるステップを含む、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップであって、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のLCVRまたはHCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
d)第1のds cDNAおよび第2のds cDNAを増幅して、
上記細胞由来のHCVRのHCエレメント、例えば、HCVRSをコードするセグメントを含む複数個のHC ds cDNA;および
上記細胞由来のLCVRのLCエレメント、例えば、LCVRSをコードするセグメントを含む複数個のLC ds cDNA
を産生することを可能にする条件下で、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを維持するステップ;
e)HC ds cDNAのストランド(HCストランド)の、LC ds cDNAのストランド(LCストランド)への共有結合性連結、例えば、ライゲーションを含み、HCストランドおよびLCストランドがどちらもセンス鎖またはアンチセンス鎖である、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびにf)共有結合性に連結された、例えば、ライゲーションされた、HCおよびLCストランドを増幅するステップ
を含む、方法。
86.複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する方法であって、方法が、
複数個のメンバーを作製するステップであって、メンバーのそれぞれが、重鎖可変領域(HCVR)の重鎖エレメント(HCエレメント)および軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖エレメント(LCエレメント)をコードする配列を含み、かつHCVRおよびLCVRがマッチしており、項1~85のいずれかに記載の方法により作製される、ステップ
を含み、複数個の固有核酸配列のそれぞれが、異なる固有の細胞由来のHCエレメントおよびLCエレメントを含み、それにより、複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する、方法。
87.複数個の固有メンバーが、少なくとも10個、10個、10個、10個、10個、または10個の固有メンバーを含む、項86に記載の方法。
88.複数個の固有メンバーが、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、または10~10個の固有メンバーを含む、項86または87に記載の方法。
89.ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、(マッチしたHCエレメント配列およびLCエレメント配列をコードする)固有メンバーである、項86~88のいずれかに記載の方法。
90.ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、(マッチしたHCエレメント配列およびLCエレメント配列をコードする)固有メンバーである、項86~89のいずれかに記載の方法。
91.複数個の固有メンバーを含むライブラリーであって、
i)複数個の固有メンバーのそれぞれが、HCエレメント、例えば、HCVRSをコードするセグメント、およびLCエレメント、例えば、LCVRSをコードするセグメントを含み、各固有メンバーにおけるHCエレメントおよびLCエレメントがマッチしている;ii)複数個の固有メンバーのそれぞれが、異なる固有細胞由来の、HCエレメント、例えば、HCVRSをコードするセグメント、およびLCエレメント、例えば、LCVRSをコードするセグメントを含む;および
iii)ライブラリーが、以下:
a)ライブラリーが、項1~85のいずれかに記載の方法により作製される;
b)複数個の固有メンバーが、少なくとも10個、10個、10個、10個、10個、もしくは10個の固有核酸配列を含む;
c)複数個の固有メンバーが、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、もしくは10~10個の固有メンバーを含む;
d)ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%が、(マッチしたHCエレメント配列およびLCエレメント配列をコードする)固有メンバーである;または
e)ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、(マッチしたHCエレメント配列およびLCエレメント配列をコードする)固有メンバーである、
の性質の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、または全部)を含む、
ライブラリー。
92.複数個の固有メンバーのそれぞれが、発現した時、HCエレメント、例えば、HCVRS、およびLCエレメント、例えば、LCVRSが、機能性抗原結合分子、例えば、scFvを形成するように、構成される、項91に記載のライブラリー。
93.ライブラリーがディスプレイライブラリーである、項91~92のいずれかに記載のライブラリー。
94.複数個のメンバーのそれぞれが、ディスプレイ実体の表面上でのメンバーのディスプレイを生じるポリペプチドをさらにコードする、項91~93のいずれかに記載のライブラリー。
95.ライブラリーがファージディスプレイライブラリーである、項91~94のいずれかに記載のライブラリー。
96.ライブラリーが酵母ディスプレイライブラリーである、項91~94のいずれかに記載のライブラリー。
97.ライブラリーが哺乳動物ディスプレイライブラリーである、項91~94のいずれかに記載のライブラリー。
98.a)項91~97のいずれかに記載のライブラリーを獲得するステップ;および
b)ライブラリーの固有核酸によりコードされるポリペプチドを発現するステップ
を含む、結合ポリペプチドを作製する方法。
99.ポリペプチドを抗原に接触させるステップをさらに含む、項98に記載の方法。
100.抗原を結合するポリペプチドをコードする核酸を回収するステップをさらに含む、項98または99に記載の方法。
101.TCRα鎖可変領域(ACVR)のα鎖エレメント(ACエレメント)およびTCRβ鎖可変領域(BCVR)のβ鎖エレメント(BCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、ACVRおよびBCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、方法が、以下:
a)以下:
i)細胞由来のACVRのACエレメント、例えば、α鎖可変領域配列(ACVRS)をコードするセグメントを含むα鎖二本鎖cDNA(AC ds cDNA)のストランドである、α鎖(AC)ストランド;および
ii)上記細胞由来のBCVRのBCエレメント、例えば、β鎖可変領域配列(BCVRS)をコードするセグメントを含むβ鎖二本鎖cDNA(BC ds cDNA)のストランドである、β鎖(BC)ストランド、
を含む、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップ、ならびに
b)ACストランドをBCストランドへ共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションするステップ
を含み、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のBCVRまたはACVRをコードする核酸を含まず、それにより、ACVRのACエレメントおよびBCVRのBCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、ACVRおよびBCVRがマッチしている、核酸配列を作製する、方法。
102.ACエレメントがACVRSまたはその機能性断片(例えば、その抗原結合断片)を含み、またはそれからなる、項101に記載の方法。
103.BCエレメントがBCVRSまたはその機能性断片(例えば、その抗原結合断片)を含み、またはそれからなる、項101または102に記載の方法。
104.核酸配列が、発現した時、ACVRSおよびBCVRSが機能性抗原結合分子、例えば、単鎖TCR分子を形成するように、構成される、項101~103のいずれかに記載の方法。
105.抗原結合分子が、例えば、本明細書に記載された方法またはアッセイにより決定される場合、in vitro、ex vivo、またはin vivoで機能的である、項104に記載の方法。
106.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップが、以下:
a)以下:
(i)細胞由来のACVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および
(ii)上記細胞由来のBCVRをコードする第2のmRNAに相補的なストランドを含む第2のds cDNA、
と結合した捕捉支持体(cDNAを担持させた捕捉支持体)を獲得するステップ、ならびに
b)第1および第2のds cDNAの増幅を可能にする条件下で、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを維持して、以下:
上記細胞由来のACVRのACエレメント、例えば、ACVRSをコードするセグメントを含む複数個のAC ds cDNA、および
上記細胞由来のBCVRのBCエレメント、例えば、BCVRSをコードするセグメントを含む複数個のBC ds cDNA
を産生する、ステップ
を含む、項101~105のいずれかに記載の方法。
107.AC ds cDNAが第1のds cDNAと同一、または実質的に同一である、項106に記載の方法。
108.BC ds cDNAが第2のds cDNAと同一、または実質的に同一である、項106または107に記載の方法。
109.捕捉支持体が、ビーズ、例えば、磁気ビーズを含む、項106~108のいずれかに記載の方法。
110.捕捉支持体が、cDNAと結合する部分(例えば、オリゴヌクレオチド)、例えば、(i)ACストランドと結合する部分;(ii)BCストランドと結合する部分;または(iii)(i)と(ii)の両方を含む、項106~109のいずれかに記載の方法。
111.第1のmRNAおよび第2のmRNAが、mRNAを担持させた捕捉支持体上に配置されている、項106~110のいずれかに記載の方法。
112.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、以下:
第1および第2のmRNAから(例えば、第1および第2のmRNAが、mRNAを担持させた捕捉支持体から溶液へ放出された後)、細胞のACVRのACエレメント、例えば、ACVRSをコードするセグメントを含む第1のds cDNA、および細胞のBCVRのBCエレメント、例えば、BCVRSをコードするセグメントを含む第2のds cDNAを産生するのに適した試薬混合物
を含む、項106~111のいずれかに記載の方法。
113.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、第1のds cDNAの産生を媒介するプライマーを含む、項106~112のいずれかに記載の方法。114.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、第2のds cDNAの産生を媒介するプライマーを含む、項106~113のいずれかに記載の方法。115.細胞由来のACVRをコードする第1のmRNAに相補的であるcDNAストランドが、第1のmRNAの逆転写により生成される、項106~114のいずれかに記載の方法。
116.細胞由来のBCVRをコードする第2のmRNAに相補的であるcDNAストランドが、第2のmRNAの逆転写により生成される、項106~115のいずれかに記載の方法。
117.逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー内で起こる、項115または116に記載の方法。
118.逆転写が、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバー内で起こる、項115または116に記載の方法。
119.逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で、または隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーの外側で、起こる、項115または116に記載の方法。
120.逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で、および隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーの外側で、起こる、項115または116に記載の方法。
121.逆転写が、隔離された反応部位の外側で、例えば、マイクロチャンバーの外側で、起こる、項115または116に記載の方法。
122.増幅が、20サイクルまたはそれ未満、例えば、15サイクルもしくはそれ未満、14サイクルもしくはそれ未満、13サイクルもしくはそれ未満、12サイクルもしくはそれ未満、11サイクルもしくはそれ未満、10サイクルもしくはそれ未満、9サイクルもしくはそれ未満、8サイクルもしくはそれ未満、7サイクルもしくはそれ未満、6サイクルもしくはそれ未満、または5サイクルもしくはそれ未満を含む、項106~121のいずれかに記載の方法。
123.逆転写および/または増幅が、例えばACVRSおよび/またはBCVRSに特異的な配列を含む、1つまたは複数のプライマーを使用する、項106~122のいずれかに記載の方法。
124.増幅が、AC ds cDNAの産生を媒介する2つまたはそれより多いプライマーを使用するステップ含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含まない、項106~123のいずれかに記載の方法。
125.増幅が、BC ds cDNAの産生を媒介する2つまたはそれより多いプライマーを使用するステップを含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含まない、項106~124のいずれかに記載の方法。
126.少なくとも1つのプライマーが、例えばDNAポリメラーゼによるDNA合成を、例えば、低下させる、例えば、阻害する、ヌクレオチド修飾を含む、項125に記載の方法。
127.少なくとも1つのプライマーが、例えば、DNAポリメラーゼによるDNA合成を、例えば、低下させる、例えば、阻害する、ヌクレオチド修飾を含まない、項125または126に記載の方法。
128.ヌクレオチド修飾が、DNAポリメラーゼがDNAを伸長することを阻害する、項126または127に記載の方法。
129.ヌクレオチド修飾が、プライマーへの、例えば、プライマーにおける2個の隣接したヌクレオチド間での、スペーサーの挿入である、項126~128のいずれかに記載の方法。
130.スペーサーが、可撓性スペーサー、炭素スペーサー(例えば、-(CH2)n-、式中、n=3、4、5、またはそれより大きい)、2個もしくはそれより多い(例えば、3個、4個、5個、またはそれより多い)の脱塩基ヌクレオチド、またはPEGスペーサーである、項129に記載の方法。
131.ヌクレオチド修飾が、例えばリボースへの、2’-O-メチル、2’-OH、2’-NH、またはウラシルである、項126~128のいずれかに記載の方法。
132.ヌクレオチド修飾が、プライマーの内部に、または3’末端に位置する、項126~131のいずれかに記載の方法。
133.少なくとも1つのプライマーが、(i)第1のメンバー;(ii)第2のメンバー;および必要に応じて、(iii)本明細書に記載された、例えば、(i)と(ii)の間に位置する、ヌクレオチド修飾を含む、項123~132のいずれかに記載の方法。134.第1のメンバーが、同じプライマーまたは異なるプライマー内の第2のメンバーとアニールして、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む、(分子内ハイブリダイゼーションによる)ヘアピン構造または(分子間ハイブリダイゼーションによる)二本鎖構造を形成する能力がある、項133に記載の方法。
135.第1のメンバーが、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドの配列に相補的である配列を含む、項133または134に記載の方法。
136.第2のメンバーが、(例えば、5’から3’へ)以下:(i)第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列;(ii)(例えば、PCR増幅または次世代シーケンシングのための)ユニバーサルプライミング配列;ならびに(iii)標的配列、例えば、ACVRSおよび/またはBCVRSに相補的な配列
の1つ、2つ、または全部を含み、必要に応じて、第2のメンバーが(例えば、酵母または哺乳動物細胞における)相同組換えのための配列を含む、項133~135のいずれかに記載の方法。
137.少なくとも1つのプライマーが、リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含む、項123~136のいずれかに記載の方法。
138.リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含むプライマーが、リン酸化、例えば、5’リン酸化されている、項137に記載の方法。139.リンカー配列が、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(式中、n=1、2、3、4、5、またはそれより大きい)を含み、またはそれからなる、項137または138に記載の方法。
140.AC ds cDNAが、5’オーバーハング、例えば、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力がある5’オーバーハングを含む、項101~139のいずれかに記載の方法。
141.AC ds cDNAが、平滑末端、例えば、5’ホスフェートを含む平滑末端を含む、項101~140のいずれかに記載の方法。
142.BC ds cDNAが、5’オーバーハング、例えば、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力がある5’オーバーハングを含む、項101~141のいずれかに記載の方法。
143.BC ds cDNAが、平滑末端、例えば、5’ホスフェートを含む平滑末端を含む、項101~142のいずれかに記載の方法。
144.AC ds cDNAおよびBC ds cDNAが粘着末端を含み、例えば、両方が5’オーバーハングを有する、項101~143のいずれかに記載の方法。
145.ACストランドおよびBCストランドが、共有結合性に連結されて、例えば、ライゲーションされて、一本鎖核酸配列を生じ、ACおよびBCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である、項101~144のいずれかに記載の方法。
146.AC ds cDNAの変性ACストランドおよびBC ds cDNAの変性BCストランドが共有結合性に連結され、例えば、ライゲーションされ、ACおよびBCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である、項101~144のいずれかに記載の方法。
147.ACストランドがAC ds cDNA内に存在し、かつBCストランドがBC
ds cDNA内に存在し、ならびにAC ds cDNAおよびBC ds cDNAが共有結合性に連結されて、例えば、ライゲーションされて、例えば、二本鎖核酸配列を生じる、項101~144のいずれかに記載の方法。
148.共有結合性連結、例えば、ライゲーションが、隔離された産生反応部位において起こる、項101~147のいずれかに記載の方法。
149.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、ACストランドおよびBCストランド、またはAC ds cDNAおよびBC ds cDNAを共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションする能力がある試薬を含む、項148に記載の方法。
150.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、ACストランドおよびBCストランド、またはAC ds cDNAおよびBC ds cDNAを共有結合性にカップリングする酵素を含む、項148または149に記載の方法。
151.共有結合性連結、例えば、ライゲーションが、隔離された産生反応部位とは異なる部位において起こる、例えば、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーにおいて起こる、項101~147のいずれかに記載の方法。
152.ACストランドおよびBCストランドが、隔離された産生部位から隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーへ移され、共有結合性連結が、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーにおいて起こる、項151に記載の方法。
153.隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーが、ACストランドおよびBCストランド、またはAC ds cDNAおよびBC ds cDNAを共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションする能力がある試薬を含む、項151または152に記載の方法。
154.隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーが、ACストランドおよびBCストランド、またはAC ds cDNAおよびBC ds cDNAを共有結合性にカップリングする酵素を含む、項151~153のいずれかに記載の方法。
155.酵素が、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼである、項150または154に記載の方法。
156.共有結合性連結、例えば、ライゲーションが、以下:
(a)隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを、ACストランドおよびBCストランドの変性を可能にする条件下で(例えば、95℃で)、加熱するステップ;
(b)隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを、ACストランドおよびBCストランドへのスプリントオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で(例えば、50~65℃で)、冷却するステップ;
(c)ACストランドおよびBCストランドのライゲーション(例えば、ACストランドとBCストランドの間のホスホジエステル結合の形成)を可能にする条件下で(例えば、45~65℃で)、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを維持するステップ;ならびに
(d)ステップ(a)、(b)、および(c)を逐次的に、2サイクル、5サイクル、10サイクル、15サイクル、20サイクル、25サイクル、30サイクル、35サイクル、40サイクル、45サイクル、50サイクル、またはそれより多くのサイクル、繰り返すステップ
を含む、項151~155のいずれかに記載の方法。
157.ACストランドおよびBCストランドが、スプリントオリゴヌクレオチドの存在下で共有結合性に連結される、例えば、ライゲーションされる、項101~156のいずれかに記載の方法。
158.スプリントオリゴヌクレオチドが、ACストランドとBCストランドの接合部を含む配列、またはその相補的配列にハイブリダイズし、ライゲーション部位において二重鎖領域を形成する、項157に記載の方法。
159.スプリントオリゴヌクレオチドが、例えばDNAポリメラーゼによる、DNA合成を阻害する修飾(例えば、NH基)を含む、項157または158に記載の方法。
160.修飾が、スプリントオリゴヌクレオチドの3’末端にある、項159に記載の方法。
161.共有結合性に連結された、例えば、ライゲーションされた、ACおよびBCストランドに相補的なストランドが増幅により産生される、項101~160のいずれかに記載の方法。
162.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップの前に、mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップをさらに含む、項101~161のいずれかに記載の方法。
163.mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップが、
a)i)細胞;ならびに
ii)上記細胞由来のACVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のBCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体
を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびに
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体を、第1のmRNAおよび第2のmRNAと結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップ
を含み、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のACVRまたはBCVRをコードする核酸を含まない、項162に記載の方法。
164.隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、溶解試薬、例えば、洗剤を含む、項163に記載の方法。
165.細胞が熱または酵素により溶解される、項163または164に記載の方法。
166.捕捉支持体が、mRNA、例えば、オリゴ(dT)を結合する部分(例えば、オリゴヌクレオチド)を含む、項163~165のいずれかに記載の方法。
167.mRNAを担持させた捕捉支持体を、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーから放出させるステップをさらに含む、項162~166のいずれかに記載の方法。
168.放出ステップが、例えば、非捕捉mRNAの交差結合を低下させるために、ポリ(dA)またはポリ(dT)オリゴヌクレオチドの存在下で実施される、項167に記載の方法。
169.mRNAを担持させた捕捉支持体が、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーから、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーへ移される、項162~168に記載の方法。
170.核酸配列を産生マイクロチャンバーから放出させるステップを含む、項101~169のいずれかに記載の方法。
171.核酸配列を増幅するステップをさらに含む、項101~170のいずれかに記載の方法。
172.核酸配列の全部または一部分をシーケンシングするステップを含む、項101~171のいずれかに記載の方法。
173.核酸配列の全部または一部分をベクターへ挿入するステップを含む、項101~72のいずれかに記載の方法。
174.ベクターが、核酸配列に含まれない追加のACエレメントまたはBCエレメントを供給する、項173に記載の方法。
175.ベクターが、AC CDR1、AC CDR2、またはその両方を供給する、項173または174に記載の方法。
176.ベクターを発現するステップを含む、項173~175のいずれかに記載の方法。
177.核酸配列を発現して、ACVRのACエレメント、例えば、ACVRSをコードするセグメント、およびBCVRのBCエレメント、例えば、BCVRSをコードするセグメントを含むポリペプチドを産生するステップを含む、項101~176のいずれかに記載の方法。
178.BCエレメントが、ポリペプチドにおいてACエレメントのN末端側にある、項177に記載の方法。
179.ACエレメントが、ポリペプチドにおいてBCエレメントのC末端側にある、項177に記載の方法。
180.ポリペプチドを抗原と接触させるステップをさらに含む、項177~179のいずれかに記載の方法。
181.ポリペプチドが抗原を結合するかどうかを決定するステップをさらに含む、項177~180のいずれかに記載の方法。
182.細胞が免疫細胞、例えば、B細胞またはT細胞、例えば、ヒトB細胞またはT細胞である、項101~181のいずれかに記載の方法。
183.細胞が哺乳動物細胞またはトリ細胞である、項101~182のいずれかに記載の方法。
184.TCRα鎖可変領域(ACVR)のα鎖エレメント(ACエレメント)およびTCRβ鎖可変領域(BCVR)のβ鎖エレメント(BCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、ACVRおよびBCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、以下:
a)i)細胞;ならびに
ii)上記細胞由来のACVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のBCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体
を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体に、第1のmRNAおよび第2のmRNAを結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップであって、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のACVRまたはBCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
c)担持されたmRNAを鋳型として使用して、cDNAを生成する反応混合物、例えば、逆転写酵素を含む反応混合物とmRNAを担持させた捕捉支持体を接触させるステップ(これは、例えば、隔離された細胞反応部位において、隔離された産生反応部位において、またはいずれにおいてでもなく、例えば、隔離された反応部位においてではなく、起こり得る);
d)i)ステップb)由来のα鎖(AC)ストランドであって、上記細胞由来のACVRのACエレメント、例えば、α鎖可変領域配列(ACVRS)をコードするセグメントを含むα鎖二本鎖cDNA(AC ds cDNA)のストランドであるACストランド;および
ii)ステップb)由来のβ鎖(BC)ストランドであって、上記細胞由来のBCVRのBCエレメント、例えば、β鎖可変領域配列(BCVRS)をコードするセグメントを含むβ鎖二本鎖cDNA(BC ds cDNA)のストランドであるBCストランド
を含む、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびに
e)ACストランドをBCストランドへ共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションするステップ
を含み、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のBCVRまたはACVRをコードする核酸を含まない、方法。
185.TCRα鎖可変領域(ACVR)のα鎖エレメント(ACエレメント)およびTCRβ鎖可変領域(BCVR)のβ鎖エレメント(BCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、ACVRおよびBCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって
a)i)細胞;ならびに
ii)上記細胞由来のACVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のBCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体
を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体に、第1のmRNAおよび第2のmRNAを結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップであって、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のACVRまたはBCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
c)担持されたmRNAを鋳型として使用して、
細胞由来のACVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および
細胞由来のBCVRをコードする第2のmRNAに相補的なストランドを含む第2のds
cDNA(cDNAを担持させた捕捉支持体)
を産生する、反応混合物、例えば、逆転写酵素を含む反応混合物と、mRNAを担持させた捕捉支持体を接触させるステップを含む、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップであって、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のBCVRまたはACVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
d)第1のds cDNAおよび第2のds cDNAを増幅して、
上記細胞由来のACVRのACエレメント、例えば、ACVRSをコードするセグメントを含む複数個のAC ds cDNA;および
上記細胞由来のBCVRのBCエレメント、例えば、BCVRSをコードするセグメントを含む複数個のBC ds cDNA
を産生することを可能にする条件下で、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを維持するステップ;
e)AC ds cDNAのストランド(ACストランド)の、BC ds cDNAのストランド(BCストランド)への共有結合性連結、例えば、ライゲーションを含み、ACストランドおよびBCストランドがどちらもセンス鎖またはアンチセンス鎖である、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびにf)共有結合性に連結された、例えば、ライゲーションされた、ACおよびBCストランドを増幅するステップ
を含む、方法。
186.複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する方法であって、方法が、
複数個のメンバーを作製するステップであって、メンバーのそれぞれが、α鎖可変領域(ACVR)のα鎖エレメント(ACエレメント)およびβ鎖可変領域(BCVR)のβ鎖エレメント(BCエレメント)をコードする配列を含み、かつACVRおよびBCVRがマッチしており、項101~185のいずれかに記載の方法により作製される、ステップを含み、複数個の固有核酸配列のそれぞれが、異なる固有の細胞由来のACエレメントおよびBCエレメントを含み、それにより、複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する、方法。
187.複数個の固有メンバーが、少なくとも10個、10個、10個、10個、10個、または10個の固有メンバーを含む、項186に記載の方法。
188.複数個の固有メンバーが、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、または10~10個の固有メンバーを含む、項186または187に記載の方法。
189.ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、(マッチしたACエレメント配列およびBCエレメント配列をコードする)固有メンバーである、項186~188のいずれかに記載の方法。
190.ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、(マッチしたACエレメント配列およびBCエレメント配列をコードする)固有メンバーである、項186~189のいずれかに記載の方法。
191.複数個の固有メンバーを含むライブラリーであって、
i)複数個の固有メンバーのそれぞれが、ACエレメント、例えば、ACVRSをコードするセグメント、およびBCエレメント、例えば、BCVRSをコードするセグメントを含み、各固有メンバーにおけるACエレメントおよびBCエレメントがマッチしている;ii)複数個の固有メンバーのそれぞれが、異なる固有細胞由来の、ACエレメント、例えば、ACVRSをコードするセグメント、およびBCエレメント、例えば、BCVRSをコードするセグメントを含む;および
iii)ライブラリーが、以下:
a)ライブラリーが、項101~185のいずれかに記載の方法により作製される;
b)複数個の固有メンバーが、少なくとも10個、10個、10個、10個、10個、もしくは10個の固有核酸配列を含む;
c)複数個の固有メンバーが、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、もしくは10~10個の固有メンバーを含む;
d)ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%が、(マッチしたACエレメント配列およびBCエレメント配列をコードする)固有メンバーである;または
e)ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、(マッチしたACエレメント配列およびBCエレメント配列をコードする)固有メンバーである、
の性質の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、または全部)を含む、
ライブラリー。
192.複数個の固有メンバーのそれぞれが、発現した時、ACエレメント、例えば、ACVRS、およびBCエレメント、例えば、BCVRSが、機能性抗原結合分子、例えば、単鎖TCRを形成するように、構成される、項191に記載のライブラリー。
193.ライブラリーがディスプレイライブラリーである、項191~192のいずれかに記載のライブラリー。
194.複数個のメンバーのそれぞれが、ディスプレイ実体の表面上でのメンバーのディスプレイを生じるポリペプチドをさらにコードする、項191~193のいずれかに記載のライブラリー。
195.ライブラリーがファージディスプレイライブラリーである、項191~194のいずれかに記載のライブラリー。
196.ライブラリーが酵母ディスプレイライブラリーである、項191~194のいずれかに記載のライブラリー。
197.ライブラリーが哺乳動物ディスプレイライブラリーである、項191~194のいずれかに記載のライブラリー。
198.a)項191~197のいずれかに記載のライブラリーを獲得するステップ;および
b)ライブラリーの固有核酸によりコードされるポリペプチドを発現するステップ
を含む、結合ポリペプチドを作製する方法。
199.ポリペプチドを抗原に接触させるステップをさらに含む、項198に記載の方法。
200.抗原を結合するポリペプチドをコードする核酸を回収するステップをさらに含む、項198または199に記載の方法。
201.TCRγ鎖可変領域(GCVR)のγ鎖エレメント(GCエレメント)およびTCRδ鎖可変領域(DCVR)のδ鎖エレメント(DCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、GCVRおよびDCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、方法が、以下:
a)以下:
i)細胞由来のGCVRのGCエレメント、例えば、γ鎖可変領域配列(GCVRS)をコードするセグメントを含むγ鎖二本鎖cDNA(GC ds cDNA)のストランドである、γ鎖(GC)ストランド;および
ii)上記細胞由来のDCVRのDCエレメント、例えば、δ鎖可変領域配列(DCVRS)をコードするセグメントを含むδ鎖二本鎖cDNA(DC ds cDNA)のストランドである、δ鎖(DC)ストランド、
を含む、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップ、ならびに
b)GCストランドをDCストランドへ共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションするステップ
を含み、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のDCVRまたはGCVRをコードする核酸を含まず、それにより、GCVRのGCエレメントおよびDCVRのDCエレメントをコードする配列を含む核酸配列であって、GCVRおよびDCVRがマッチしている、核酸配列を作製する、方法。
202.GCエレメントがGCVRSまたはその機能性断片(例えば、その抗原結合断片)を含み、またはそれからなる、項201に記載の方法。
203.DCエレメントがDCVRSまたはその機能性断片(例えば、その抗原結合断片)を含み、またはそれからなる、項201または202に記載の方法。
204.核酸配列が、発現した時、GCVRSおよびDCVRSが機能性抗原結合分子、例えば、単鎖TCR分子を形成するように、構成される、項201~203のいずれかに記載の方法。
205.抗原結合分子が、例えば、本明細書に記載された方法またはアッセイにより決定される場合、in vitro、ex vivo、またはin vivoで機能的である、項204に記載の方法。
206.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップが、以下:
a)以下:
(i)細胞由来のGCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および
(ii)上記細胞由来のDCVRをコードする第2のmRNAに相補的なストランドを含む第2のds cDNA、
と結合した捕捉支持体(cDNAを担持させた捕捉支持体)を獲得するステップ、ならびに
b)第1および第2のds cDNAの増幅を可能にする条件下で、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを維持して、以下:
上記細胞由来のGCVRのGCエレメント、例えば、GCVRSをコードするセグメントを含む複数個のGC ds cDNA、および
上記細胞由来のDCVRのDCエレメント、例えば、DCVRSをコードするセグメントを含む複数個のDC ds cDNA
を産生する、ステップ
を含む、項201~205のいずれかに記載の方法。
207.GC ds cDNAが第1のds cDNAと同一、または実質的に同一である、項206に記載の方法。
208.DC ds cDNAが第2のds cDNAと同一、または実質的に同一である、項206または207に記載の方法。
209.捕捉支持体が、ビーズ、例えば、磁気ビーズを含む、項206~208のいずれかに記載の方法。
210.捕捉支持体が、cDNAと結合する部分(例えば、オリゴヌクレオチド)、例えば、(i)GCストランドと結合する部分;(ii)DCストランドと結合する部分;または(iii)(i)と(ii)の両方を含む、項206~209のいずれかに記載の方法。
211.第1のmRNAおよび第2のmRNAが、mRNAを担持させた捕捉支持体上に配置されている、項206~220のいずれかに記載の方法。
212.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、以下:
第1および第2のmRNAから(例えば、第1および第2のmRNAが、mRNAを担持させた捕捉支持体から溶液へ放出された後)、細胞のGCVRのGCエレメント、例えば、GCVRSをコードするセグメントを含む第1のds cDNA、および細胞のDCVRのDCエレメント、例えば、DCVRSをコードするセグメントを含む第2のds cDNAを産生するのに適した試薬混合物
を含む、項206~211のいずれかに記載の方法。
213.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、第1のds cDNAの産生を媒介するプライマーを含む、項206~212のいずれかに記載の方法。214.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、第2のds cDNAの産生を媒介するプライマーを含む、項206~213のいずれかに記載の方法。215.細胞由来のGCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるcDNAストランドが、第1のmRNAの逆転写により生成される、項206~214のいずれかに記載の方法。
216.細胞由来のDCVRをコードする第2のmRNAに相補的であるcDNAストランドが、第2のmRNAの逆転写により生成される、項206~215のいずれかに記載の方法。
217.逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー内で起こる、項215または216に記載の方法。
218.逆転写が、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバー内で起こる、項215または216に記載の方法。
219.逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で、または隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーの外側で、起こる、項215または216に記載の方法。
220.逆転写が、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーの外側で、および隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーの外側で、起こる、項215または216に記載の方法。
221.逆転写が、隔離された反応部位の外側で、例えば、マイクロチャンバーの外側で、起こる、項215または216に記載の方法。
222.増幅が、20サイクルまたはそれ未満、例えば、25サイクルもしくはそれ未満、24サイクルもしくはそれ未満、23サイクルもしくはそれ未満、22サイクルもしくはそれ未満、21サイクルもしくはそれ未満、20サイクルもしくはそれ未満、9サイクルもしくはそれ未満、8サイクルもしくはそれ未満、7サイクルもしくはそれ未満、6サイクルもしくはそれ未満、または5サイクルもしくはそれ未満を含む、項206~221のいずれかに記載の方法。
223.逆転写および/または増幅が、例えばGCVRSおよび/またはDCVRSに特異的な配列を含む、1つまたは複数のプライマーを使用する、項206~222のいずれかに記載の方法。
224.増幅が、GC ds cDNAの産生を媒介する2つまたはそれより多いプライマーを使用するステップ含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含まない、項206~223のいずれかに記載の方法。
225.増幅が、DC ds cDNAの産生を媒介する2つまたはそれより多いプライマーを使用するステップを含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含み、少なくとも1つのプライマーがヌクレオチド修飾を含まない、項206~224のいずれかに記載の方法。
226.少なくとも1つのプライマーが、例えばDNAポリメラーゼによるDNA合成を、例えば、低下させる、例えば、阻害する、ヌクレオチド修飾を含む、項225に記載の方法。
227.少なくとも1つのプライマーが、例えば、DNAポリメラーゼによるDNA合成を、例えば、低下させる、例えば、阻害する、ヌクレオチド修飾を含まない、項225または226に記載の方法。
228.ヌクレオチド修飾が、DNAポリメラーゼがDNAを伸長することを阻害する、項226または227に記載の方法。
229.ヌクレオチド修飾が、プライマーへの、例えば、プライマーにおける2個の隣接したヌクレオチド間での、スペーサーの挿入である、項226~228のいずれかに記載の方法。
230.スペーサーが、可撓性スペーサー、炭素スペーサー(例えば、-(CH2)n-、式中、n=3、4、5、またはそれより大きい)、2個もしくはそれより多い(例えば、3個、4個、5個、またはそれより多い)の脱塩基ヌクレオチド、またはPEGスペーサーである、項229に記載の方法。
231.ヌクレオチド修飾が、例えばリボースへの、2’-O-メチル、2’-OH、2’-NH、またはウラシルである、項226~228のいずれかに記載の方法。
232.ヌクレオチド修飾が、プライマーの内部に、または3’末端に位置する、項226~231のいずれかに記載の方法。
233.少なくとも1つのプライマーが、(i)第1のメンバー;(ii)第2のメンバー;および必要に応じて、(iii)本明細書に記載された、例えば、(i)と(ii)の間に位置する、ヌクレオチド修飾を含む、項223~232のいずれかに記載の方法。234.第1のメンバーが、同じプライマーまたは異なるプライマー内の第2のメンバーとアニールして、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む、(分子内ハイブリダイゼーションによる)ヘアピン構造または(分子間ハイブリダイゼーションによる)二本鎖構造を形成する能力がある、項233に記載の方法。
235.第1のメンバーが、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドの配列に相補的である配列を含む、項233または234に記載の方法。
236.第2のメンバーが、(例えば、5’から3’へ)以下:(i)第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列;(ii)(例えば、PCR増幅または次世代シーケンシングのための)ユニバーサルプライミング配列;ならびに(iii)標的配列、例えば、GCVRSおよび/またはDCVRSに相補的な配列
の1つ、2つ、または全部を含み、必要に応じて、第2のメンバーが(例えば、酵母または哺乳動物細胞における)相同組換えのための配列を含む、項233~235のいずれかに記載の方法。
237.少なくとも1つのプライマーが、リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含む、項223~236のいずれかに記載の方法。
238.リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含むプライマーが、リン酸化、例えば、5’リン酸化されている、項237に記載の方法。239.リンカー配列が、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(式中、n=1、2、3、4、5、またはそれより大きい)を含み、またはそれからなる、項237または238に記載の方法。
240.GC ds cDNAが、5’オーバーハング、例えば、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力がある5’オーバーハングを含む、項201~239のいずれかに記載の方法。
241.GC ds cDNAが、平滑末端、例えば、5’ホスフェートを含む平滑末端を含む、項201~240のいずれかに記載の方法。
242.DC ds cDNAが、5’オーバーハング、例えば、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力がある5’オーバーハングを含む、項201~241のいずれかに記載の方法。
243.DC ds cDNAが、平滑末端、例えば、5’ホスフェートを含む平滑末端を含む、項201~242のいずれかに記載の方法。
244.GC ds cDNAおよびDC ds cDNAが粘着末端を含み、例えば、両方が5’オーバーハングを有する、項201~243のいずれかに記載の方法。
245.GCストランドおよびDCストランドが、共有結合性に連結されて、例えば、ライゲーションされて、一本鎖核酸配列を生じ、GCおよびDCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である、項201~244のいずれかに記載の方法。
246.GC ds cDNAの変性GCストランドおよびDC ds cDNAの変性DCストランドが共有結合性に連結され、例えば、ライゲーションされ、GCおよびDCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である、項201~245のいずれかに記載の方法。
247.GCストランドがGC ds cDNA内に存在し、かつDCストランドがDC
ds cDNA内に存在し、ならびにGC ds cDNAおよびDC ds cDNAが共有結合性に連結されて、例えば、ライゲーションされて、例えば、二本鎖核酸配列を生じる、項201~245のいずれかに記載の方法。
248.共有結合性連結、例えば、ライゲーションが、隔離された産生反応部位において起こる、項201~247のいずれかに記載の方法。
249.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、GCストランドおよびDCストランド、またはGC ds cDNAおよびDC ds cDNAを共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションする能力がある試薬を含む、項248に記載の方法。
250.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、GCストランドおよびDCストランド、またはGC ds cDNAおよびDC ds cDNAを共有結合性にカップリングする酵素を含む、項248または249に記載の方法。
251.共有結合性連結、例えば、ライゲーションが、隔離された産生反応部位とは異なる部位において起こる、例えば、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーにおいて起こる、項201~247のいずれかに記載の方法。
252.GCストランドおよびDCストランドが、隔離された産生部位から隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーへ移され、共有結合性連結が、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーにおいて起こる、項251に記載の方法。
253.隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーが、GCストランドおよびDCストランド、またはGC ds cDNAおよびDC ds cDNAを共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションする能力がある試薬を含む、項251または252に記載の方法。
254.隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーが、GCストランドおよびDCストランド、またはGC ds cDNAおよびDC ds cDNAを共有結合性にカップリングする酵素を含む、項251~253のいずれかに記載の方法。
255.酵素が、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼである、項250または254に記載の方法。
256.共有結合性連結、例えば、ライゲーションが、以下:
(a)隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを、GCストランドおよびDCストランドの変性を可能にする条件下で(例えば、96℃で)、加熱するステップ;
(b)隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを、GCストランドおよびDCストランドへのスプリントオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で(例えば、60~66℃で)、冷却するステップ;
(c)GCストランドおよびDCストランドのライゲーション(例えば、GCストランドとDCストランドの間のホスホジエステル結合の形成)を可能にする条件下で(例えば、46~66℃で)、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを維持するステップ;ならびに
(d)ステップ(a)、(b)、および(c)を逐次的に、2サイクル、6サイクル、20サイクル、26サイクル、20サイクル、26サイクル、30サイクル、36サイクル、40サイクル、46サイクル、60サイクル、またはそれより多くのサイクル、繰り返すステップ
を含む、項251~255のいずれかに記載の方法。
257.GCストランドおよびDCストランドが、スプリントオリゴヌクレオチドの存在下で共有結合性に連結される、例えば、ライゲーションされる、項201~256のいずれかに記載の方法。
258.スプリントオリゴヌクレオチドが、GCストランドとDCストランドの接合部を含む配列、またはその相補的配列にハイブリダイズし、ライゲーション部位において二重鎖領域を形成する、項257に記載の方法。
259.スプリントオリゴヌクレオチドが、例えばDNAポリメラーゼによる、DNA合成を阻害する修飾(例えば、NH基)を含む、項257または258に記載の方法。
260.修飾が、スプリントオリゴヌクレオチドの3’末端にある、項259に記載の方法。
261.共有結合性に連結された、例えば、ライゲーションされた、GCおよびDCストランドに相補的なストランドが増幅により産生される、項201~260のいずれかに記載の方法。
262.隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップの前に、mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップをさらに含む、項201~261のいずれかに記載の方法。
263.mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップが、
a)i)細胞;ならびに
ii)上記細胞由来のGCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のDCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体
を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびに
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体を、第1のmRNAおよび第2のmRNAと結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップ
を含み、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のGCVRまたはDCVRをコードする核酸を含まない、項262に記載の方法。
264.隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、溶解試薬、例えば、洗剤を含む、項263に記載の方法。
265.細胞が熱または酵素により溶解される、項263または264に記載の方法。
266.捕捉支持体が、mRNA、例えば、オリゴ(dT)を結合する部分(例えば、オリゴヌクレオチド)を含む、項263~265のいずれかに記載の方法。
267.mRNAを担持させた捕捉支持体を、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーから放出させるステップをさらに含む、項262~266のいずれかに記載の方法。
268.放出ステップが、例えば、非捕捉mRNAの交差結合を低下させるために、ポリ(dA)またはポリ(dT)オリゴヌクレオチドの存在下で実施される、項267に記載の方法。
269.mRNAを担持させた捕捉支持体が、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーから、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーへ移される、項262~268に記載の方法。
270.核酸配列を産生マイクロチャンバーから放出させるステップを含む、項201~269のいずれかに記載の方法。
271.核酸配列を増幅するステップをさらに含む、項201~270のいずれかに記載の方法。
272.核酸配列の全部または一部分をシーケンシングするステップを含む、項201~271のいずれかに記載の方法。
273.核酸配列の全部または一部分をベクターへ挿入するステップを含む、項201~272のいずれかに記載の方法。
274.ベクターが、核酸配列に含まれない追加のGCエレメントまたはDCエレメントを供給する、項273に記載の方法。
275.ベクターが、GC CDR1、GC CDR2、またはその両方を供給する、項273または274に記載の方法。
276.ベクターを発現するステップを含む、項273~275のいずれかに記載の方法。
277.核酸配列を発現して、GCVRのGCエレメント、例えば、GCVRSをコードするセグメント、およびDCVRのDCエレメント、例えば、DCVRSをコードするセグメントを含むポリペプチドを産生するステップを含む、項201~276のいずれかに記載の方法。
278.DCエレメントが、ポリペプチドにおいてGCエレメントのN末端側にある、項277に記載の方法。
279.GCエレメントが、ポリペプチドにおいてDCエレメントのC末端側にある、項277に記載の方法。
280.ポリペプチドを抗原と接触させるステップをさらに含む、項277~279のいずれかに記載の方法。
281.ポリペプチドが抗原を結合するかどうかを決定するステップをさらに含む、項277~280のいずれかに記載の方法。
282.細胞が免疫細胞、例えば、B細胞またはT細胞、例えば、ヒトB細胞またはT細胞である、項201~281のいずれかに記載の方法。
283.細胞が哺乳動物細胞またはトリ細胞である、項201~282のいずれかに記載の方法。
284.TCRγ鎖可変領域(GCVR)のγ鎖エレメント(GCエレメント)およびTCRδ鎖可変領域(DCVR)のδ鎖エレメント(DCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、GCVRおよびDCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって、以下:
a)i)細胞;ならびに
ii)上記細胞由来のGCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のDCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体
を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体に、第1のmRNAおよび第2のmRNAを結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップであって、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のGCVRまたはDCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
c)担持されたmRNAを鋳型として使用して、cDNAを生成する反応混合物、例えば、逆転写酵素を含む反応混合物とmRNAを担持させた捕捉支持体を接触させるステップ(これは、例えば、隔離された細胞反応部位において、隔離された産生反応部位において、またはいずれにおいてでもなく、例えば、隔離された反応部位においてではなく、起こり得る);
d)i)ステップb)由来のγ鎖(GC)ストランドであって、上記細胞由来のGCVRのGCエレメント、例えば、γ鎖可変領域配列(GCVRS)をコードするセグメントを含むγ鎖二本鎖cDNA(GC ds cDNA)のストランドであるGCストランド;および
ii)ステップb)由来のδ鎖(DC)ストランドであって、上記細胞由来のDCVRのDCエレメント、例えば、δ鎖可変領域配列(DCVRS)をコードするセグメントを含むδ鎖二本鎖cDNA(DC ds cDNA)のストランドであるDCストランド
を含む、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびに
e)GCストランドをDCストランドへ共有結合性に連結する、例えば、ライゲーションするステップ
を含み、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のDCVRまたはGCVRをコードする核酸を含まない、方法。
285.TCRγ鎖可変領域(GCVR)のγ鎖エレメント(GCエレメント)およびTCRδ鎖可変領域(DCVR)のδ鎖エレメント(DCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、GCVRおよびDCVRがマッチしている、核酸配列を作製する方法であって
a)i)細胞;ならびに
ii)上記細胞由来のGCVRをコードする第1のmRNAおよび上記細胞由来のDCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体
を含む、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを獲得するステップ;
b)細胞の溶解、ならびに捕捉支持体に、第1のmRNAおよび第2のmRNAを結合させて、mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーを維持するステップであって、隔離された細胞反応部位、例えば、細胞隔離マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のGCVRまたはDCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
c)担持されたmRNAを鋳型として使用して、
細胞由来のGCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および
細胞由来のDCVRをコードする第2のmRNAに相補的なストランドを含む第2のds
cDNA(cDNAを担持させた捕捉支持体)
を産生する、反応混合物、例えば、逆転写酵素を含む反応混合物と、mRNAを担持させた捕捉支持体を接触させるステップを含む、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを獲得するステップであって、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーが、上記細胞以外の細胞由来のDCVRまたはGCVRをコードする核酸を含まない、ステップ;
d)第1のds cDNAおよび第2のds cDNAを増幅して、
上記細胞由来のGCVRのGCエレメント、例えば、GCVRSをコードするセグメントを含む複数個のGC ds cDNA;および
上記細胞由来のDCVRのDCエレメント、例えば、DCVRSをコードするセグメントを含む複数個のDC ds cDNA
を産生することを可能にする条件下で、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバーを維持するステップ;
e)GC ds cDNAのストランド(GCストランド)の、DC ds cDNAのストランド(DCストランド)への共有結合性連結、例えば、ライゲーションを含み、GCストランドおよびDCストランドがどちらもセンス鎖またはアンチセンス鎖である、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバーを獲得するステップ;ならびにf)共有結合性に連結された、例えば、ライゲーションされた、GCおよびDCストランドを増幅するステップ
を含む、方法。
286.複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する方法であって、方法が、
複数個のメンバーを作製するステップであって、メンバーのそれぞれが、γ鎖可変領域(GCVR)のγ鎖エレメント(GCエレメント)およびδ鎖可変領域(DCVR)のδ鎖エレメント(DCエレメント)をコードする配列を含み、かつGCVRおよびDCVRがマッチしており、項201~285のいずれかに記載の方法により作製される、ステップを含み、複数個の固有核酸配列のそれぞれが、異なる固有の細胞由来のGCエレメントおよびDCエレメントを含み、それにより、複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する、方法。
287.複数個の固有メンバーが、少なくとも20個、20個、20個、20個、20個、または20個の固有メンバーを含む、項86に記載の方法。
288.複数個の固有メンバーが、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、または20~20個の固有メンバーを含む、項286または287に記載の方法。
289.ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または200%が、(マッチしたGCエレメント配列およびDCエレメント配列をコードする)固有メンバーである、項286~288のいずれかに記載の方法。
290.ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、25%未満、20%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、(マッチしたGCエレメント配列およびDCエレメント配列をコードする)固有メンバーである、項286~289のいずれかに記載の方法。
291.複数個の固有メンバーを含むライブラリーであって、
i)複数個の固有メンバーのそれぞれが、GCエレメント、例えば、GCVRSをコードするセグメント、およびDCエレメント、例えば、DCVRSをコードするセグメントを含み、各固有メンバーにおけるGCエレメントおよびDCエレメントがマッチしている;ii)複数個の固有メンバーのそれぞれが、異なる固有細胞由来の、GCエレメント、例えば、GCVRSをコードするセグメント、およびDCエレメント、例えば、DCVRSをコードするセグメントを含む;および
iii)ライブラリーが、以下:
a)ライブラリーが、項201~285のいずれかに記載の方法により作製される;
b)複数個の固有メンバーが、少なくとも20個、20個、20個、20個、20個、もしくは20個の固有核酸配列を含む;
c)複数個の固有メンバーが、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、20~20個、もしくは20~20個の固有メンバーを含む;
d)ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは200%が、(マッチしたGCエレメント配列およびDCエレメント配列をコードする)固有メンバーである;または
e)ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、25%未満、20%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、(マッチしたGCエレメント配列およびDCエレメント配列をコードする)固有メンバーである、
の性質の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、または全部)を含む、
ライブラリー。
292.複数個の固有メンバーのそれぞれが、発現した時、GCエレメント、例えば、GCVRS、およびDCエレメント、例えば、DCVRSが、機能性抗原結合分子、例えば、単鎖TCRを形成するように、構成される、項291に記載のライブラリー。
293.ライブラリーがディスプレイライブラリーである、項291~292のいずれかに記載のライブラリー。
294.複数個のメンバーのそれぞれが、ディスプレイ実体の表面上でのメンバーのディスプレイを生じるポリペプチドをさらにコードする、項291~293のいずれかに記載のライブラリー。
295.ライブラリーがファージディスプレイライブラリーである、項291~294のいずれかに記載のライブラリー。
296.ライブラリーが酵母ディスプレイライブラリーである、項291~294のいずれかに記載のライブラリー。
297.ライブラリーが哺乳動物ディスプレイライブラリーである、項291~294のいずれかに記載のライブラリー。
298.a)項291~297のいずれかに記載のライブラリーを獲得するステップ;および
b)ライブラリーの固有核酸によりコードされるポリペプチドを発現するステップ
を含む、結合ポリペプチドを作製する方法。
299.ポリペプチドを抗原に接触させるステップをさらに含む、項298に記載の方法。
300.抗原を結合するポリペプチドをコードする核酸を回収するステップをさらに含む、項298または299に記載の方法。
301.項1~85、101~185、または201~285のいずれかに記載された隔離された産生反応部位である、隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー。
302.上記細胞以外の細胞由来の(i)HCVRもしくはLCVR、(ii)ACVRもしくはBCVR、または(iii)GCVRもしくはDCVRをコードする核酸を含まない、項301に記載の隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー。
303.以下:
(i)(a)HCおよびLC、(b)α鎖およびβ鎖、または(c)γ鎖およびδ鎖のV遺伝子配列に特異的な1つまたは複数のプライマー;
(ii)(a)HC cDNAおよびLC cDNA、(b)α鎖cDNAおよびβ鎖cDNA、または(c)γ鎖cDNAおよびδ鎖cDNA上に導入されたオーバーハングに特異的な1つまたは複数のプライマー;
(iii)第1のメンバー、第2のメンバー、および第1のメンバーと第2のメンバーの間に位置する、ヌクレオチド修飾(例えば、スペーサー)を含む、1つまたは複数のプライマーであって、第1のメンバーが、同じプライマーまたは異なるプライマーの第2のメンバーとアニールする能力、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む、(分子内ハイブリダイゼーションによる)ヘアピン構造または(分子間ハイブリダイゼーションによる)二本鎖構造を形成する能力がある、プライマー
の1つ、2つ、または全部を含む、項301または302に記載の隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー。
304.核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含まない、項301~303のいずれかに記載の隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー。
305.核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含む、項301~303のいずれかに記載の隔離された産生反応部位、例えば、産生マイクロチャンバー。
306.第1のメンバー、第2のメンバー、および第1のメンバーと第2のメンバーの間に位置する、ヌクレオチド修飾(例えば、スペーサー)を含む、自己アニーリング性オリゴヌクレオチドであって、第1のメンバーが、同じオリゴヌクレオチドまたは異なるオリゴヌクレオチドの第2のメンバーとアニールする能力、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む、(分子内ハイブリダイゼーションによる)ヘアピン構造または(分子間ハイブリダイゼーションによる)二本鎖構造を形成する能力がある、自己アニーリング性オリゴヌクレオチド。
307.第1および第2のメンバーが、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含むヘアピン構造を形成する能力がある、項306に記載のオリゴヌクレオチド。
308.第1のメンバーが、5~40ヌクレオチド長、例えば、5~10ヌクレオチド長、5~20ヌクレオチド長、5~30ヌクレオチド長、30~40ヌクレオチド長、20~40ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、または15~25ヌクレオチド長である、項306または307に記載のオリゴヌクレオチド。309.第2のメンバーが、5~40ヌクレオチド長、例えば、5~10ヌクレオチド長、5~20ヌクレオチド長、5~30ヌクレオチド長、30~40ヌクレオチド長、20~40ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、10~30ヌクレオチド長、または15~25ヌクレオチド長である、項306~308のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド。
310.スペーサーが可撓性スペーサーまたはPEGスペーサーである、項306~309のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド。
311.第1のメンバーが、捕捉支持体に付着したオリゴヌクレオチドの配列に相補的である配列を含む、項306~310のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド。
312.第2のメンバーが、(例えば、5’から3’へ)以下:(i)第1のメンバーの少なくとも一部分に相補的である配列;(ii)(例えば、PCR増幅または次世代シーケンシングのための)ユニバーサルプライミング配列;ならびに(iii)標的配列、例えば、GCVRSおよび/またはDCVRSに相補的な配列
の1つ、2つ、または全部を含み、必要に応じて、第2のメンバーが(例えば、酵母または哺乳動物細胞における)相同組換えのための配列を含む、項306~311のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド。
313.項51~83、85、151~183、185、251~283、または285のいずれかに記載された隔離された連結反応部位である、隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバー。
314.上記細胞以外の細胞由来の(i)HCVRもしくはLCVR、(ii)ACVRもしくはBCVR、または(iii)GCVRもしくはDCVRをコードする核酸を含まない、項313に記載の隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバー。
315.(i)HCストランドとLCストランド、(ii)ACストランドとBCストランド、または(iii)GCストランドとDCストランドの接合部を含む配列またはその相補的配列にハイブリダイズして、ライゲーションの部位に二重鎖領域を形成する能力があるスプリントオリゴヌクレオチドを含む、項313または314に記載の隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバー。
316.核酸を共有結合性に連結することができる試薬、例えば、リガーゼ、例えば、熱安定性リガーゼを含む、項313~315のいずれかに記載の隔離された連結反応部位、例えば、連結マイクロチャンバー。
317.例えば連結ステップにおいて、オーバーラップ伸長によるスプライシングまたはオーバーハング伸長によるスプライシング(SOE)PCRとしても公知のオーバーラップ伸長ポリメラーゼ連鎖反応(OE-PCR)(Higuchiら、Nucleic Acids Res. 1988年;16巻(15号):7351~67頁)のステップを含まない、項1~300のいずれかに記載の方法。
(実施例1)
滴中での付着末端PCR-ライゲーション
B細胞を液滴中にカプセル化した。B細胞を液滴中にカプセル化し、液滴の体積は10pL~100nL、典型的には約100~1000pLの範囲であった。B細胞の供給源には、例えば、マウス、ヒト、ラット、ウサギ、またはニワトリが含まれていてよい。担体(油)相は、約1% フッ素系界面活性剤(RAN Biotechnologies)を有する3M HFE-7500から構成されていた。液滴を、マイクロ流体チップ(例えばDolomite製2R 100μm)により、シリンジまたは圧力ポンプによりコントロールされた流体相の流れで形成させた。液滴の水相は、緩衝液(例えばトリス、pH7.5)、細胞溶解を助けるための洗剤、ならびに重鎖および軽鎖mRNAにアニールするためのオリゴヌクレオチド(プライマー)を含む磁気ビーズから構成されていた。滴の占有は、液滴当たり1個以下の細胞、かつ液滴当たり少なくとも1個のビーズであるべきである。
細胞溶解を容易とするため、液滴をインキュベートした。特定の洗剤(例えばTween20)の存在下での溶解効率を改善するため、エマルジョンを加熱した。例えば、エマルジョンを40℃、50℃、60℃、70℃、または80℃の温度までおよそ5~60分間加熱することができる。細胞が溶解された後、mRNAが放出され、ビーズ上のオリゴヌクレオチドにアニールすることによりビーズに捕捉された。
エマルジョンを破壊し、ビーズを回収した。PFO(パーフルオロオクタノール)などの滴不安定化試薬を使用してエマルジョン(または合一した異なる溶液相)を破壊した。ビーズを含む水相を回収した。磁石を使用してビーズを単離した。ビーズを緩衝液(例えばトリス、pH7.5)で洗浄し、再懸濁した。
逆転写(RT)を実施して、(非エマルジョン反応において)cDNA-ビーズを生じさせた。RT(例えば、Superscript II RT)を容易とするため、緩衝液-酵素混合物でビーズを再懸濁した。RTを容易とするため、反応を40℃で15分間インキュベートした。ビーズを緩衝液(例えばトリス、pH7.5)で1回洗浄した。
回収されたビーズを、PCR-ライゲーション反応のためにカプセル化することができる。体積約5pL~500pL、最も一般的には約10~50pLの範囲の液滴を使用することができる。担体(油)相は、約2% フッ素系界面活性剤(RAN Biotechnologies)を含む3M HFE-7500から構成されていてよい。滴を、cDNAを有するビーズ;PCR試薬(例えば、DNAポリメラーゼ、例えば、Phusion(登録商標)High-Fidelity DNA Polymerase(NEB)、Q5(登録商標)High-Fidelity DNA Polymerase(NEB)、Pfu DNAポリメラーゼ、KAPA DNAポリメラーゼ、Vent(登録商標)DNAポリメラーゼ、またはTaq DNAポリメラーゼを含む);VHおよびVL配列の増幅を可能にするオリゴヌクレオチド;熱安定性リガーゼ(例えば、Taq DNAリガーゼ、Pfu DNAリガーゼ、Ampligase(登録商標)熱安定性DNAリガーゼ、Tsc DNAリガーゼ、Rma DNAリガーゼ、Tfi DNAリガーゼ、またはTth DNAリガーゼ);および最適化された緩衝液条件(DNAポリメラーゼおよびリガーゼの酵素活性両方を支持するのに適合していること)とともにカプセル化することができる。
チューブで試験されたように、scFvカセットをVL-リンカー-VHとして構築した。順序は、機能にも性能にも顕著な影響を与えることなく入れ替えることができる(VH-リンカー-VL)。VL配列のリバースプライマーは、リンカー配列をコードし、修飾型ヌクレオチドを少なくとも1つ(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド)有するオーバーハング配列を含みうる。VLリバースプライマーは、5’-ホスフェート(リガーゼの基質となるのに必要)も含みうる。VH配列のフォワードプライマーは、リンカー配列をコードし、修飾型ヌクレオチドを少なくとも1つ(例えば、2’-O-メチル修飾を有する3個の連続したヌクレオチド)有するオーバーハング配列を含みうる。VHフォワードプライマーは、5’-ホスフェート(リガーゼの基質となるのに必要)も含みうる。滴の占有は、滴当たり1個以下のビーズであるべきである。
エマルジョンを用いて熱サイクリングを実施することができる。作出されたエマルジョンをPCRチューブに移すことができる。以下の条件を使用して熱サイクリングを実施することができる:最初の変性を95~98℃で30秒~2分間;変性を95~98℃で10~30秒間、プライマーアニーリングを50~60℃で10~30秒間、ポリメラーゼ伸長を72℃で30秒間、ならびに付着性産物アニーリングおよびライゲーションを45~55℃で3分間、を10~30サイクル。反応は4℃で維持されうる。
エマルジョンを破壊し、連結された(および連結されていない)産物を含む部分を回収した。PFO(パーフルオロオクタノール)などの滴不安定化試薬を使用してエマルジョンを破壊することができる。水相を回収し、ビーズを捨てることができる。
チューブで試験されたように、連結された産物(天然で連結されるVL-リンカー-VHを表す)を、連結されていないVHおよびVL産物から精製した。サイズ分離により、ライゲーションされた産物を、ライゲーションされていない産物から分離した。例えば、変性PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動)または変性HPLC-SECを使用することができる。連結産物(約800~900bp)を、非連結産物(約350~500bp)から単離した。変性PAGE精製では、ライゲーションされたバンドをゲルから切り出し、電気溶出を実施してゲルスライスからDNAを抽出した(Bio-Rad Electro-Elutor)。
精製された連結産物をPCRにより増幅することができる。修飾型ヌクレオチドを含むDNAを適度に読み通すことができるポリメラーゼ/条件、例えば、Taqポリメラーゼを使用することができる。
最終PCR産物を、標準的な方法(例えば、発現ベクターを用いてのエレクトロポレーション)を使用して酵母に導入し、生物学的供給源に由来する天然で対形成するライブラリーを生じさせることができる。
(実施例2)
リガーゼサイクリング手法
B細胞を液滴中にカプセル化した。B細胞を液滴中にカプセル化し、液滴の体積は10pL~100nL、典型的には約100~1000pLの範囲であった。B細胞の供給源には、例えば、マウス、ヒト、ラット、ウサギ、またはニワトリが含まれていてよい。担体(油)相は、約1% フッ素系界面活性剤(RAN Biotechnologies)を有する3M HFE-7500から構成されていた。液滴を、マイクロ流体チップ(例えば、Dolomiteの2R 100μm)により、シリンジまたは圧力ポンプによりコントロールされた流体相の流れで形成させた。液滴の水相は、緩衝液(例えばトリス、pH7.5)、細胞溶解を助けるための洗剤、ならびに重鎖および軽鎖mRNAにアニールするためのオリゴヌクレオチド(プライマー)を含む磁気ビーズから構成されていた。滴の占有は、液滴当たり1個以下の細胞、かつ液滴当たり少なくとも1個のビーズであるべきである。
細胞溶解を容易とするため、液滴をインキュベートした。特定の洗剤(例えばTween20)の存在下での溶解効率を改善するため、エマルジョンを加熱した。例えば、エマルジョンを40℃、50℃、60℃、70℃、または80℃の温度までおよそ5~60分間加熱することができる。細胞が溶解された後、mRNAが放出され、ビーズ上のオリゴヌクレオチドにアニールすることによりビーズに捕捉された。
エマルジョンを破壊し、ビーズを回収した。PFO(パーフルオロオクタノール)などの滴不安定化試薬を使用してエマルジョン(または合一した異なる溶液相)を破壊した。ビーズを含む水相を回収した。磁石を使用してビーズを単離した。ビーズを緩衝液(例えばトリス、pH7.5)で洗浄し、再懸濁した。
逆転写(RT)を実施して、(非エマルジョン反応において)cDNA-ビーズを生じさせることができる。RT(例えば、Superscript II RT)を容易とするため、緩衝液-酵素混合物でビーズを再懸濁することができる。RTを容易とするため、反応を40℃で15分間インキュベートすることができる。ビーズを緩衝液(例えばトリス、pH7.5)で1回洗浄することができる。
回収されたビーズを、PCR反応のためにカプセル化することができる。体積約5pL~500pL、最も一般的には約10~50pLの範囲の液滴を使用することができる。担体(油)相は、約2% フッ素系界面活性剤(RAN Biotechnologies)を含む3M HFE-7500から構成されていてよい。滴は、cDNAを含むビーズ(一部のビーズは「空」であってよく、これは問題ではない);PCR試薬(例えば、DNAポリメラーゼ、例えば、Phusion(登録商標)High-Fidelity
DNA Polymerase(NEB)、Q5(登録商標)High-Fidelity DNA Polymerase(NEB)、Pfu DNAポリメラーゼ、KAPA DNAポリメラーゼ、Vent(登録商標)DNAポリメラーゼ、またはTaq DNAポリメラーゼを含む);VHおよびVL配列の増幅を可能にするオリゴヌクレオチドとともにカプセル化されうる。
scFvカセットをVL-リンカー-VHとして構築することができる。順序は、機能にも性能にも顕著な影響を与えることなく入れ替えることができる(VH-リンカー-VL)。VLリバースおよびVHフォワードプライマーは、リンカーをコードするオーバーハング配列を含みうる。VHリバースプライマーは、5’-ホスフェートを有しうる。滴の占有は、滴当たり1個以下のビーズであるべきである。
エマルジョンを用いて熱サイクリングを実施することができる。作出されたエマルジョンをPCRチューブに移すことができる。標準的なPCR条件を使用して熱サイクリングを実施することができる:最初の変性を95~98℃で30秒~2分間;変性を95~98℃で10~30秒間、プライマーアニーリングを50~60℃で10~30秒間、ポリメラーゼ伸長を72℃で30秒間、を10~30サイクル。反応は4℃で維持されうる。
エマルジョンを破壊し、ビーズを回収することができる。PFO(パーフルオロオクタノール)などの滴不安定化試薬を使用してエマルジョン(または合一した異なる溶液相)を破壊することができる。ビーズを含む水相を回収することができる。磁石を使用してビーズを単離することができる。ビーズを洗浄して、ビーズに捕捉されなかったPCR産物を除去することができる。ビーズを緩衝液(例えばトリス、pH7.5)で再懸濁することができる。
回収されたビーズを、リガーゼサイクリング反応のためにカプセル化することができる。体積約5pL~500pL、最も一般的には約10~50pLの範囲の液滴を使用することができる。担体(油)相は、約2% フッ素系界面活性剤(RAN Biotechnologies)を含む3M HFE-7500から構成されていてよい。滴は、「トップ」VLストランドの3’末端および「トップ」VHストランドの5’末端に相補的であり、これらにアニールするスティント(stint)オリゴヌクレオチド;熱安定性リガーゼ(例えば、Taq DNAリガーゼ、Pfu DNAリガーゼ、Ampligase(登録商標)熱安定性DNAリガーゼ、Tsc DNAリガーゼ、Rma DNAリガーゼ、Tfi DNAリガーゼ、またはTth DNAリガーゼ);リガーゼ酵素活性を支持するのに必要な反応構成要素(例えばNAD)とともにカプセル化されうる。占有は、滴当たり1個以下のビーズであるべきである。
エマルジョンを用いて熱サイクリングを実施することができる。作出されたエマルジョンをPCRチューブに移すことができる。標準的な条件を使用して熱サイクリングを実施することができる:変性:90~95℃で30秒間、アニーリングおよびライゲーションを50~60℃で1~3分間、を3~15サイクル。反応は4℃で維持されうる。
エマルジョンを破壊し、連結産物を含む水性部分を回収することができる。PFO(パーフルオロオクタノール)などの滴不安定化試薬を使用してエマルジョン(または合一した異なる溶液相)を破壊することができる。水相を回収し、ビーズを捨てることができる。
精製された連結産物をPCRにより増幅することができる。連結されたVL-リンカー-VHのライゲーションされた断片の外側末端をアニールするオリゴヌクレオチドを用いて標準的な条件を使用することができる。
最終PCR産物を酵母に導入し、生物学的供給源に由来する天然で対形成するライブラリーを生じさせることができる。
(実施例3)
リガーゼサイクリング反応
この実施例では、VHおよびVL PCR産物を、熱安定性リガーゼおよびスプリントオリゴを使用して共有結合性に連結させた。
ハイブリドーマクローン(ATCC、HB-112、「4G2」)由来のRNAを、RNeasy Kit(Qiagen)を使用して単離した。SuperScript IV Reverse Transcriptase(Thermo Fisher)、および製造業者が推奨する条件に従って単離されたRNAを使用してcDNAを作出した。使用されたプライマーは、重鎖および軽鎖の定常領域を対象としていた:マウスIgG_CH1_rev(5’-CHGATGGGGSTGTYGTTKTRGC(配列番号1))およびマウスカッパ_Rev(5’-GTGCAGCATCAGCCC(配列番号2))。本明細書で使用される場合、ヌクレオチドは、IUPACヌクレオチドコード、例えば、R=AまたはG;Y=CまたはT;S=GまたはC;K=GまたはT;H=AまたはCまたはTにより定義される。
構成要素を混合し、65℃まで5分間加熱し、次いで氷上で少なくとも1分間インキュベートした。次いで以下の構成要素を添加した:
構成要素を混合し、次いで55℃で10分間インキュベートした。次いで80℃で10分間インキュベートすることにより反応を不活性化した。cDNA産物をPCRのための鋳型として使用し、VHおよびVL産物を別々に作出した。使用されたプライマーは以下を含んでいた:
4G2 VL_Fwd
5’-GACATCAAGATGACCCAGTCTC(配列番号3)
マウスカッパ_Rev-Phos
5’-/5Phos/ACCAGCAGAGCTCTCACCTGGTGCAGCATCAGCCC(配列番号4)
4G2 VH_Fwd-Phos
5’-/5Phos/GGAACTACCGAAGGCACAGGTGAGGTCCAGCTGCAACAGTC(配列番号5)
マウスIgG_CH1_rev
5’-CHGATGGGGSTGTYGTTKTRGC(配列番号1)
PCR反応はそれぞれ以下を含んでいた:
次いで熱サイクリングを以下の通り実施した:
AMPureビーズを使用してPCR産物を精製した。精製されたPCR産物をNanodropにより定量化した。リガーゼサイクリング反応を、VH産物、VL産物、およびスプリントオリゴのモル比1:1:1を達成するように、25μl反応において設定した。使用されたスプリントオリゴは以下の配列を有していた:
5’-ACCTGTGCCTTCGGTAGTTCCACCAGCAGAGCTCTCACCTG/3AmMO/(配列番号6)。
各リガーゼサイクリング反応は以下を含んでいた:
リガーゼサイクリング反応を変性PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動)により解析した。Taqリガーゼに加えて、さらなる熱安定性リガーゼ(Ampligase(Amp)、Lucigen)を評価した。
図3に示すように、TaqリガーゼおよびAmpligase熱安定性リガーゼを使用すると、VHおよびVL産物の効率的な連結が観察された。
(実施例4)
連結産物のバルク再増幅中の天然の対形成の保持
エマルジョンOE-PCRワークフローにより、オーバーラップ伸長によるスプライシングを容易とするための配列を必ず共有するVHおよびVL産物が生じる。このようなワークフローでは、滴中ではともにスプライシングされない保持されたあらゆるVH/VL産物が、産物のバルク(非エマルジョン)PCR増幅中にスプライシングされうる。全ての細胞産物(例えば、多くのクローン/固有の配列)が混合されているとこのようなスプライシングがバルク相中に発生するため、ランダムな(非天然の)対形成が発生する可能性があった(Eur J Immunol. 2013年;43巻(9号):2507~15頁を参照のこと)。このワークフローは、これの発生を低下させるだけでなく完全に防止するストラテジーから恩恵を受けることとなる。VHおよびVL産物が任意の共通の配列を共有しない方法が本明細書に記載されており、ゆえにこのワークフローは、バルク再増幅ステップ中にOE-PCRによる偶発的なスプライシングに感受性ではない。
これを実証するため、連結されたVH-VL産物を互いにサイズが異なる2つのハイブリドーマクローンから作出した。ゆえに天然の対形成 対 非天然の対形成について、産物のサイズにより評価することができた。ハイブリドーマ4G2由来のVHおよびVL産物は実施例3に記載されているように作出した。ハイブリドーマ9E10(ATCC、CRL-1729)「ミニ」VHおよびVL産物は、同じRTプライマーおよび以下のPCRプライマーを使用して同様に産生した:
9E10ミニ_VL_Fwd
5’-GGCAGTGGGTCTGGGACAG(配列番号7)
マウスカッパ_Rev-Phos
5’-/5Phos/ACCAGCAGAGCTCTCACCTGGTGCAGCATCAGCCC(配列番号4)
9E10_VH_Fwd
5’-/5Phos/GGAACTACCGAAGGCACAGGTGAGGTGCACCTGGTGGAGTCTGGGGG(配列番号8)
9E10ミニ_VH_Rev
5’-GGATAGTGGGTGTAAGTACCACGACTACCAATG(配列番号9)
産生された4G2 VHおよびVL産物は、それぞれ400bpおよび378bpのサイズであった。産生されたミニ9E10 VHおよびVL産物は、それぞれ203bpおよび168bpのサイズであった。AMPureビーズを使用してPCR産物を精製した。
次いで産物に、実施例3に記載されているように、20サイクルの熱サイクリングを使用してリガーゼサイクリング反応を行った。4G2および9E10 VH-VL産物を、液滴中で(個々のコンパートメント中で)天然で連結される産物の作出をシミュレートした別々のチューブにおいてライゲーションした。産物を変性PAGEにより解析した。4G2 VH-VLおよび9E10 VH-VLの天然で連結される産物は、それぞれ778bpおよび371bpのサイズに相当した。20サイクルのリガーゼサイクリングを使用して、ライゲーションされた両産物ならびにライゲーションされていないVHおよびVL DNAを含む産物を生じさせた。図4Aに示すように、天然で連結されるVH-VL産物が6G2および9E10の両方について作出された。
ライゲーション産物をAMPureビーズにより精製し、次いで合わせて、連結産物のPCR再増幅のための鋳型として使用した。このステップは、滴中でVH-VLの連結を実施した後の産物回収、その後の連結されたVH-VLのPCR再増幅をシミュレートしていた。これにより、PCRにおける鋳型として、ライゲーションされていないVHおよびVL DNAを有することで、PCRによるバルク再増幅中にDNAが一緒に連結される機会がもたらされた。DNAが個々のクローンごとに区画化されていなかったため、バルク相において発生した任意の連結により非天然の対形成がもたらされる。
PCR再増幅を下記の通り実施した。連結産物を増幅するために使用された「外側」プライマーは以下の通りである:
9E10ミニ_VL_Fwd
5’-GGCAGTGGGTCTGGGACAG(配列番号7)
4G2 VL_Fwd
5’-GACATCAAGATGACCCAGTCTC(配列番号3)
9E10ミニ_VH_Rev
5’-GGATAGTGGGTGTAAGTACCACGACTACCAATG(配列番号9)
マウスIgG_CH1_rev
5’-CHGATGGGGSTGTYGTTKTRGC(配列番号1)
PCR反応はそれぞれ以下を含んでいた:
次いで熱サイクリングを以下の通り実施した:
最後に、アガロースゲル電気泳動により産物を解析した。非天然で連結される産物はその中間体サイズにより容易に同定可能であった。特に、4G2-VL/9E10-ミニ-VHおよび9E10-ミニ-VL/4G2 VHの連結された産物は、それぞれ581bpおよび568bpのサイズに相当する。図4Bに示すように、バルク再増幅中に混合したときに天然の対形成の保持が観察された(レーン5)。
(実施例5)
PCR産物のビーズへの捕捉を容易とするためのオリゴデザイン
液滴中でのRT-PCR(例えば上記のような)後に、PCR産物を滴内でビーズに捕捉させ、VHおよびVL産物の天然のマッチングを保持することができる。dsDNA PCR産物のビーズへの効率的な捕捉を容易とするため、定義されたssDNAを末端に有する産物を作出するストラテジーを考案した。このssDNAの配列は、ビーズにコンジュゲートしたオリゴの配列に相補的である。したがって、これらの配列の相補性により、dsDNA PCR産物の特異的かつ効率的な捕捉が容易となる。
4G2 cDNA由来のPCR産物を、以下のプライマーおよびQ5 DNAポリメラーゼを用いるPCRを使用して産生した。リバースプライマーは、ビーズでのPCR産物の特異的な検出を容易とするための5’-ビオチン部分を含む。PCRストラテジーは以下の通りであった:
以下のプライマーを使用した:
4G2 VL Fwd +PEG
5’-TGGATCGTTACTAATATTCGC/iSp18/GGACTCAGACACTTCCGTGCGACATCAAGATGACCCAGTCTC(配列番号10)
4G2 VL Fwd -PEG
5’- TGGATCGTTACTAATATTCGCGGACTCAGACACTTCCGTGCGACATCAAGATGACCCAGTCTC(配列番号11)
4G2 VL Fwd No_5’
5’-GGACTCAGACACTTCCGTGCGACATCAAGATGACCCAGTCTC(配列番号12)
Mus Kap Revビオチン
5’-/5ビオチンTEG/ACCAGCAGAGCTCTCACCTGGTGCAGCATCAGCCC(配列番号13)
Mus IgG-HC Rev +PEG
5’-GCAATCCATCAACGTC/iSp18/CGTGACACATGTGGTTCAAGTACGGCHGATGGGGSTGTYGTTKTRGC(配列番号14)
4G2 VH Fwdビオチン
5’-/5ビオチンTEG/GGAACTACCGAAGGCACAGGTGAGGTCCAGCTGCAACAGTC(配列番号15)
PCR産物をアガロースゲル電気泳動により解析し、AMPureビーズにより精製し、Nanodropにより定量化した。
アミン標識された捕捉オリゴを、標準的な方法を使用してカルボキシル化ビーズ(COMPEL、Bangs Laboratories)にコンジュゲートさせた。上記のPCRプライマーにおけるPEGスペーサーの5’側の配列に相補的な配列を有する以下のオリゴを、ビーズへのコンジュゲーションに使用した。ビーズをVLオリゴのみ、VHオリゴのみ、または両オリゴにコンジュゲートさせた。
VL捕捉
5’-GCGAATATTAGTAACGATCCAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18//iSp18//iSp18//3AmMO/(配列番号16)
VH捕捉
5’-GACGTTGATGGATTGCAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18//iSp18//iSp18//3AmMO/(配列番号17)
PCR産物を捕捉するため、以下の反応を設定した。精製されたPCR産物を0.5×SSC緩衝液で希釈し、最終体積25μl中DNA250ngを達成した。オリゴとコンジュゲートしたビーズを0.5×SSCで洗浄し、次いでビーズ400,000個を希釈された各PCR産物と混合した。ビーズ-PCR産物混合物をピペットにより混合してビーズを懸濁し、次いでチューブをサーモサイクラーに入れて以下のプログラムを実行した:
試料は以下の通りであった:
温度インキュベーション後、試料を磁石に当ててチューブ側面にビーズを収集した。上清を除去し、ビーズを0.5×SSC緩衝液で洗浄した。1%BSAを含むPBSで1:1000に希釈したAlexaFluor 647 IgG Fraction Monoclonal Mouse Anti-Biotin抗体(Jackson)50μlを用いて、捕捉されたPCR産物について各試料をプローブした。室温で25分間混合しながらインキュベートした後、チューブを磁石に当て、上清を除去し、ビーズをPBS緩衝液で洗浄した。ビーズをPBS50μlに再懸濁し、次いでフローサイトメトリーにより解析した。
図5A~5Bに示すように、結果から、PCRプライマーにおけるPEGスペーサー、およびビーズにコンジュゲートした適切な相補的オリゴ(例えば試料(1)のように)についての要件を用いるこの方法による、効率的かつ特異的なPCR産物捕捉が裏付けられる。
(実施例6)
リガーゼサイクリングによる、滴中での、天然で対形成するVH-VL産物の作出
この実施例では、抗体4G2のVHおよびVL配列を発現する細胞を溶解させ、溶解物由来のmRNAを使用して、リガーゼサイクリングにより天然で対形成するVH-VL産物を作出した。
細胞溶解緩衝液を以下の通り調製した:
20%Ficoll PM400 300μl
20%サルコシル 10μl
5mM EDTA 40μl
2MトリスpH7.5 100μl
水 350μl
100%Optiprep 200μl
カルボキシル化COMPEL磁気ビーズ(Bangs Labs)を、以下のアミン修飾型オリゴとコンジュゲートさせた:
VL捕捉
5’-GCGAATATTAGTAACGATCCAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18//iSp18//iSp18//3AmMO/(配列番号16)VH捕捉
5’-GACGTTGATGGATTGCAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18//iSp18//iSp18//3AmMO/(配列番号17)
Mus_IgG_CH1_mRNA捕捉
5’-CTGGACAGGGATCCAKAGTTCCAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18//iSp18//iSp18//3AmMO/(配列番号18)
Mus_Kap_mRNA捕捉
5’-GTGCAGCATCAGCCCGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18//iSp18//iSp18//3AmMO/(配列番号19)
mRNA捕捉(例えば、VHおよび/またはVLをコードするmRNAの捕捉)にオリゴ(dT)も使用可能である。
使用される滴サイズで滴当たり約2.5個のビーズのカプセル化を容易とする密度2×10ビーズ/mlで、ビーズを溶解緩衝液に懸濁した。
4G2マウスハイブリドーマ細胞をPBSで洗浄し、0.1%BSAおよび24%Optiprepを含むPBSで密度2×10細胞/mlで再懸濁した。この密度により、滴2つ当たりおよそ1個の細胞での滴へのカプセル化が容易となる。滴に細胞およびビーズをともにカプセル化するため、2試薬100μm直径親フッ素性マイクロ流体チップ(Dolomite)を、3つのMitos P-Pump圧力ポンプ(Dolomite)によりコントロールされた溶液の流れで使用した。マイクロ流体チップは、水溶液用の2つのインプットチャネル、およびフルオロカーボン油用の2つのインプットチャネルを含んでいた。細胞およびビーズをそれぞれ速度10μl/分で流動させ、フッ素化油(1% フッ素系界面活性剤(RAN Biotechnologies)を含むHFE-7500)を55μl/分で流動させた。これらの流量により、体積およそ500plの液滴が生じた。エマルジョンを1時間収集した。
ビーズへのmRNA捕捉を容易とするため、エマルジョン(細胞および細胞なし対照)を45℃のヒートブロックに20分間適用した。次いでエマルジョンおよびビーズを、ビーズからのmRNAの解離を低下させるため4℃で維持し取り扱った。過剰量の油をシリンジにより除去し、RNAse阻害剤(1:100)を含む氷冷6×SSC緩衝液5mlをエマルジョンに添加した。滴の合一を誘導するため、PFO(1H,1H,2H,2H-パーフルオロ-1-オクタノール)をエマルジョンに添加した(100μL)。反転によって試料を完全に混合し、その後500×gで5分間、4℃で遠心分離した。水相をピペットにより混合し、収集し、次いで新たなチューブに移した。チューブを磁石に当てた後、RNase阻害剤(1:100)を含む氷冷緩衝液(100mMトリスHCl pH8、500mM KCl、15mM MgCl)500μlで、ビーズ(ハイブリダイズしたmRNAを有する)を2回洗浄した。次いで、RNase阻害剤(1:100)を含む氷冷緩衝液(100mMトリスHCl pH8、500mM KCl、15mM MgCl)500μlでビーズを懸濁した。
第2のエマルジョンをmRNAビーズおよびRT-PCR混合物で調製した。RT-PCRビーズ緩衝液(2×RT-PCR緩衝液(OneTaq One-Step RT-PCR、NEB)100μl、Optiprep70μl、RNase阻害剤4μl、予め混合された25μMプライマー6.4μl、および水32μl)でmRNAビーズを懸濁した。使用されたプライマーは以下であった:
4G2 VL Fwd +PEG
5’-TGGATCGTTACTAATATTCGC/iSp18/GGACTCAGACACTTCCGTGCGACATCAAGATGACCCAGTCTC(配列番号10)
Mus IgG-HC Rev +PEG
5’-GCAATCCATCAACGTC/iSp18/CGTGACACATGTGGTTCAAGTACGGCHGATGGGGSTGTYGTTKTRGC(配列番号14)
マウスカッパ_Rev-Phos
5’-/5Phos/ACCAGCAGAGCTCTCACCTGGTGCAGCATCAGCCC(配列番号4)
4G2 VH Fwd-Phos
5’-/5Phos/GGAACTACCGAAGGCACAGGTGAGGTCCAGCTGCAACAGTC(配列番号5)
別に、酵素混合物を調製した(2×RT-PCR緩衝液400μl、RT-PCR緩衝液で1.33倍に希釈した酵素43μl、RNase阻害剤16μl、および水341μl)。
ビーズおよび酵素混合物をそれぞれ2.5μl/分および7.5μl/分で、ならびに油(2% フッ素系界面活性剤を含むHFE7500)を35μl/分でともに流動させることにより、RT-PCR用のエマルジョンを作出した。2試薬30μm直径親フッ素性マイクロ流体チップ(Dolomite)を圧力ポンプとともに使用して液滴を作出した。これらの条件下で、体積およそ15~35plの液滴を、滴5つ当たり1個未満のビーズのビーズ占有で形成させた。ビーズが全てカプセル化されるまで(約30~60分間)滴を作出した。次いで、サーモサイクラーにおいて以下のプログラムで熱サイクリングするため、エマルジョンをPCRチューブにアリコートに分けた:
熱サイクリングを行ったエマルジョンを1本のチューブに合わせた。過剰量の油を、シリンジを使用して底部から除去した。滴を破壊するためPFO100μlを添加し、その後混合して2000×gで2分間遠心分離した。次いで水相をピペットにより混合し(ビーズを懸濁させるため)、新たなチューブに移した。ビーズは捕捉されたPCR産物を含んでいた。チューブを磁石に当て、上清を除去した。ビーズを氷冷0.5×SSC緩衝液500μlで穏やかに洗浄した。ビーズを再度磁石に当て、上清を除去し、次いで氷冷0.5×SSC緩衝液100μlで再懸濁した。
次いで、VHおよびVL産物を共有結合性に連結させるためのリガーゼサイクリングエマルジョン用に試料を調製した。ビーズ溶液(10×Taq Ligase緩衝液(NEB)20μl、60%スクロース117μl、および水63μl)でビーズを懸濁した。Taqリガーゼ混合物を調製した(10×Taq Ligase緩衝液80μl、Taq
Ligase42μl、スプリントオリゴ(0.1μM)13μl、および水665μl)。使用されたスプリントオリゴは、
5’-ACCTGTGCCTTCGGTAGTTCCACCAGCAGAGCTCTCACCTG/3AmMO/(配列番号6)であった。
ビーズ溶液を2μl/分で、酵素混合物を6μl/分で、油(2% フッ素系界面活性剤を含むHFE7500)を35μl/分で流動させることによりエマルジョンを作出した。2試薬30μm直径親フッ素性マイクロ流体チップ(Dolomite)を圧力ポンプとともに使用して、液滴を作出した。これらの条件下で、体積およそ15~35plの液滴を、滴5つ当たり1個未満のビーズのビーズ占有で形成させた。ビーズが全てカプセル化されるまで(約30~60分間)滴を作出した。次いで、サーモサイクラーにおいて以下のプログラムを使用して熱サイクリングするため、エマルジョンをPCRチューブにアリコートに分けた:
熱サイクリングを行ったエマルジョンを1本のチューブに合わせた。過剰量の油を、シリンジを使用して底部から除去した。滴を破壊するためPFO100μlを添加し、その後混合して2000×gで2分間遠心分離した。次いで水相をピペットにより混合し(ビーズを懸濁させるため)、PCRチューブに移した(チューブ当たり50μl)。次いで、ビーズにハイブリダイズしたライゲーションされたPCR産物の解離を容易とするため、試料を80℃に予め加熱したサーモサイクラーにかけた。ビーズを沈殿させた後、上清を除去して新たなチューブに移した。次いでAMPureビーズを使用して産物を精製した。
次いでライゲーションされた産物を、以下のプライマーを使用するPCRによりチューブ内で再増幅させた:
4G2-VL-Fwd-Reamp 5’-TGACCCAGTCTCCATCTTCA(配列番号23)
4G2-VH-Rev-Reamp 5’-TGTTGTTTTGGCTGAGGAGA(配列番号24)
熱サイクリングを以下の通り実施した:
アガロースゲル電気泳動により再増幅産物を解析した。図6に示すように、4G2細胞試料は連結されたVH-VL DNAの意図された産物を生じたが、陰性対照試料は産物を全く生じなかった。
例えば天然で対形成するVLおよびVHをインタクトなオープンリーディングフレーム間の可撓性リンカー配列とともに含む最終PCR産物を、酵母表面発現ベクターにクローニングし、標準的な方法を使用して酵母に形質転換させ、天然で対形成する酵母ディスプレイライブラリーを生じることができると考えられる。例えば、各末端にさらなる50bpをPCRにより組み込むことができる。これらの50bpは酵母発現ベクターにおける適切な配列にマッチし、インサートPCR産物(例えば天然で連結されるVL-VHを含む)および直鎖状酵母発現ベクターの酵母の同時形質転換に続く、酵母における相同組換えによるクローニングを容易とする。
(実施例7)
プライマーとのPCR産物捕捉の競合を防止するための自己アニーリング性プライマー
ビーズへのPCR産物捕捉は、PEGなどのスペーサーの組み込みによりPCR産物の末端に粘着末端(ssDNA)を作出することによって容易となった。これらのssDNA部分はビーズにコンジュゲートしたオリゴに対し配列相補性を有しており、それにより特異的なハイブリダイゼーションが容易となった。PCR産物中のこれらの配列は、増幅プライマーに含めることで組み込まれた。PCRプライマーはPCR産物のssDNA末端と同じ配列を有していたため、これらも特異的なハイブリダイゼーションによりビーズに捕捉されうる。このようなプライマー捕捉は必ずPCR産物捕捉と競合することとなる。
PCRによる抗体レパートリーの増幅には、典型的には様々な抗体遺伝子配列を増幅するための数多くのPCRプライマーが必要である。例えば、ヒトおよびマウスレパートリーのVおよびJ領域を認識するプライマーセットは、重鎖および軽鎖のV領域を対象とする約15~20のプライマーから構成されることが多い。数多くのプライマーが必要であることから、ビーズへのPCR産物の捕捉に対するプライマーの競合効果を悪化させる状況がもたらされる。マルチプレックスPCRシナリオでは、所与の滴(コンパートメント)においては、単一のプライマー(または限られた数)が、滴中で標的抗体配列に対し相補性を有しうる。残りのレパートリープライマーは標的配列にマッチしないこととなる。これらのマッチしないプライマーはPCR中にアンプリコンに組み込まれず、したがって、PCR産物捕捉について有効に競合する状態となっている。この限界に取り組むため、滴内の未使用のPCRプライマーが捕捉についてPCR産物と競合する能力を緩和するデザインを作出した。PCR産物捕捉は、例えば、未使用のプライマーの、アンプリコンを作出するプライマーに対するモル比15:1の条件下で達成可能である。
上記のように、カルボキシル化磁気ビーズを以下のアミン修飾型オリゴとコンジュゲートさせた。
VL_捕捉
GCGAATATTAGTAACGATCCAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18//iSp18//iSp18//3AmMO/(配列番号16)
VH_捕捉
GACGTTGATGGATTGCAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18//iSp18//iSp18//3AmMO/(配列番号17)
Mus_IgG_CH1_mRNA_capt
CTGGACAGGGATCCAKAGTTCCAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18//iSp18//iSp18//3AmMO/(配列番号18)
Mus_Kap_mRNA_capt
GTGCAGCATCAGCCCGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18//iSp18//iSp18//3AmMO/(配列番号19)
以下のオリゴを使用して、4G2ハイブリドーマに対応するVL配列を増幅するようにRT-PCR反応を設定した。これらのオリゴは、自己アニーリング性配列を有しないデザイン(非SA)および自己アニーリング性配列を有するデザイン(SA)を表す。さらに、5’-末端に自己アニーリング性配列を有するが、4G2 VLまたはVH mRNA配列にマッチしない3’-末端配列を有するオリゴ(ミスマッチ)を、マルチプレックスレパートリープライマーと類似した、PCR中に消費されない例示的なPCRプライマーとして含めた。ビーズ上で捕捉されたPCR産物の検出を容易とするため、リバースプライマーをビオチン化した。
下線は自己アニーリング性(相補的)配列を示す。
フォワード自己アニーリング性プライマー(4G2_VL_Fwd_SA)とともに使用される、競合するミスマッチオリゴの濃度については、以下の条件を使用した:
Fwd非自己アニーリング性プライマー(4G2_VL_Fwd_非SA)とともに使用される、競合するミスマッチオリゴの濃度については、以下の条件を使用した:
以下のプログラムを用いて試料に熱サイクリングを行った:
熱サイクリング後、試料をピペッティングにより穏やかに混合し、ビーズを懸濁した。次いで、ビーズへのPCR産物捕捉を容易とするため、以下のプログラムで試料をサーモサイクラーに入れた:
捕捉手順の後、チューブを磁石に当てて上清を回収した。上清をアガロースゲル電気泳動により解析し、PCR産物の作出の成功を確認した。捕捉されたPCR産物を有するビーズを、ビーズを分離するため磁石を使用して、氷冷PBSA(1%BSAを含む1×PBS)100μlで3回洗浄した。次いで各試料を、PBSA中の1:500 AlexaFluor 647 IgG Fraction Monoclonal Mouse
Anti-Biotin(Jackson)100μlとともに、回転させながら4℃で、光から離して45分間インキュベートした。インキュベーション後、ビーズを氷冷PBSA100μlで3回洗浄した。最終洗浄後、ビーズを氷冷PBSA100μlで再懸濁し、AlexaGluo647蛍光シグナルについてフローサイトメーターで解析した。
平均蛍光強度(MFI)を各試料について決定した。ミスマッチオリゴの非存在に対応するMFIと比較したMFIの百分率として、試料データをプロットした。図7A~7Bに示すように、自己アニーリング性プライマーのみが、ミスマッチプライマーオリゴの、マッチしたプライマーオリゴに対する比が高い時にPCR産物捕捉の競合を防止する能力があった。これらの結果は、特に自己アニーリング性プライマーデザインにより、未使用のプライマーが15倍多い条件-例えば複数抗体レパートリー条件をシミュレートする条件下で、PCR産物が効率的に捕捉されうることを示している。
参照による組込み
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、および受託番号は、各個別の刊行物または特許が、参照により組み込まれることが、具体的、かつ、個別に指し示された場合と同じ程度に、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
均等物
本発明の具体的な実施形態について論じてきたが、上記の明細書は、例示的なものであり、限定的なものではない。本明細書および下記の特許請求の範囲を検討すれば、当業者には、本発明の多くの変化形が明らかとなるであろう。本発明の全範囲は、特許請求の範囲を、それらの均等物の全範囲と共に参照し、本明細書を、このような変化形と共に参照することにより決定されるものとする。

Claims (39)

  1. T細胞受容体(TCR)α鎖可変領域(ACVR)のα鎖エレメント(ACエレメント)およびTCR β鎖可変領域(BCVR)のβ鎖エレメント(BCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、前記ACVRおよびBCVRが同じ細胞に由来する、核酸配列を作製する方法であって、前記方法が、以下:
    a)以下:
    i)細胞由来の前記ACVRのACエレメントをコードするセグメントを含むα鎖二本鎖cDNA(AC ds cDNA)のストランドである、α鎖(AC)ストランド;および
    ii)前記細胞由来の前記BCVRのBCエレメントをコードするセグメントを含むβ鎖二本鎖cDNA(BC ds cDNA)のストランドである、β鎖(BC)ストランド、
    を含む、隔離された産生反応部位を獲得するステップであって、
    ここで、前記ACストランドは一本鎖であり、前記BCストランドは一本鎖である、ステップ、ならびに
    b)前記一本鎖ACストランドを前記一本鎖BCストランドへ共有結合性に連結するステップであって、前記一本鎖ACストランドおよび前記一本鎖BCストランドは共有結合性に連結されて一本鎖核酸配列を生じ、
    前記ACストランドおよび前記BCストランドは、スプリントオリゴヌクレオチドおよびDNAリガーゼの存在下で共有結合性に連結され、前記スプリントオリゴヌクレオチドは、前記ACストランドと前記BCストランドの接合部を含む配列にハイブリダイズして連結部位において二重鎖領域を形成する、ステップ
    を含み、前記隔離された産生反応部位が、前記細胞以外の細胞由来のBCVRまたはACVRをコードする核酸を含まず、
    それにより、前記核酸配列を作製する、
    方法。
  2. ACエレメントが、α鎖可変領域配列(ACVRS)またはその抗原結合断片を含み、またはそれからなる、かつ/または前記BCエレメントが、β鎖可変領域配列(BCVRS)またはその抗原結合断片を含み、またはそれからなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記核酸配列が、発現した時、前記ACエレメントおよび前記BCエレメントが、機能性抗原結合分子を形成するように、構成される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記隔離された産生反応部位を獲得するステップが、以下:
    a)以下:
    (i)細胞由来のACVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および
    (ii)前記細胞由来のBCVRをコードし、第2のmRNAに相補的なストランドを含む第2のds cDNA、
    と結合した捕捉支持体を獲得するステップ、ならびに
    b)前記第1および前記第2のds cDNAの増幅を可能にする条件下で、前記隔離された産生反応部位を維持して、以下:
    前記細胞由来の前記ACVRのACエレメントをコードするセグメントを含む複数個のAC ds cDNA、および
    前記細胞由来の前記BCVRのBCエレメントをコードするセグメントを含む複数個のBC ds cDNA
    を産生する、ステップ
    を含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記捕捉支持体が、ビーズ、およびcDNAと結合する部分を含む、かつ/または前記隔離された産生反応部位が、前記第1および前記第2のmRNAから、前記細胞の前記ACVRの前記ACエレメント、をコードするセグメントを含む第1のds cDNA、および前記細胞の前記BCVRの前記BCエレメントをコードするセグメントを含む第2のds cDNAを産生するのに適した試薬混合物を含む、請求項1~のいずれかに記載の方法。
  6. 前記第1のds cDNAおよび前記第2のds cDNAが、プライマーの存在下で増幅され、前記プライマーの少なくとも1つが、第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーの間のヌクレオチド修飾を含み、前記ヌクレオチド修飾がDNA合成を低下させ、ここで、前記第1のメンバーまたは前記第2のメンバーは、ACエレメントをコードするセグメントに相補的な配列またはBCエレメントをコードするセグメントに相補的な配列を含み、前記第1のメンバーは前記第2のメンバーとアニールする能力がある、請求項またはに記載の方法。
  7. (i)前記ヌクレオチド修飾が、2個の隣接したヌクレオチド間のスペーサーの挿入、またはリボースへの修飾を含む、
    (ii)前記第1のメンバーが、同じプライマーまたは異なるプライマー内の前記第2のメンバーとアニールして、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む二本鎖構造を形成する能力がある、かつ/または
    (iii)前記プライマーの少なくとも1つのプライマーが、リン酸化されており、リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含む、
    請求項に記載の方法。
  8. (i)前記AC ds cDNAが、5’オーバーハングおよび平滑末端を含み、かつ前記BC ds cDNAが5’オーバーハングおよび平滑末端を含む、
    (ii)前記ACストランドおよび前記BCストランドが共有結合性に連結されて一本鎖核酸配列を生じ、ここで、前記ACおよびBCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である、
    (iii)前記共有結合性連結が、リガーゼを含む隔離された連結反応部位において起こる、かつ/または
    (iv)前記ACストランドおよび前記BCストランドがスプリントオリゴヌクレオチドの存在下で共有結合性に連結され、ここで、前記スプリントオリゴヌクレオチドは、前記ACストランドと前記BCストランドの接合部を含む配列にハイブリダイズして連結部位において二重鎖領域を形成する、
    請求項1~のいずれかに記載の方法。
  9. 前記スプリントオリゴヌクレオチドが、DNA合成を阻害する修飾を含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記隔離された産生反応部位を獲得するステップの前に、mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップであって、
    a)i)細胞;ならびに
    ii)前記細胞由来のACVRをコードする第1のmRNAおよび前記細胞由来のBCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体
    を含む、隔離された細胞反応部位を獲得するステップ;ならびに
    b)前記細胞の溶解、ならびに前記捕捉支持体を、前記第1のmRNAおよび前記第2のmRNAと結合させて、前記mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、前記隔離された細胞反応部位を維持するステップ
    を含み、前記隔離された細胞反応部位が、前記細胞以外の細胞由来のACVRまたはBCVRをコードする核酸を含まない、ステップ
    をさらに含む、請求項1~のいずれかに記載の方法。
  11. ポリ(dA)またはポリ(dT)オリゴヌクレオチドの存在下で、前記隔離された細胞反応部位から、前記mRNAを担持させた捕捉支持体を放出させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. (i)前記核酸配列を増幅するステップ、
    (ii)前記核酸配列の全部または一部分をシーケンシングするステップ、
    (iii)核酸配列の全部または一部分をベクターへ挿入するステップ、および/または
    (iv)前記核酸配列を発現して、前記ACVRの前記ACエレメントをコードするセグメント、および前記BCVRの前記BCエレメントをコードするセグメントを含むポリペプチドを産生するステップ
    をさらに含む、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記方法が、前記ポリペプチド抗原と接触させるステップおよび前記ポリペプチドが前記抗原を結合するかどうかを決定するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する方法であって、方法が、
    請求項1~13のいずれかに記載の方法によって前記複数個のメンバーを作製するステップであって、メンバーのそれぞれが、α鎖可変領域(ACVR)のα鎖エレメント(ACエレメント)およびβ鎖可変領域(CVR)のβ鎖エレメント(BCエレメント)をコードする配列を含み、前記ACVRおよび前記BCVRが同じ細胞に由来する、ステップを含み、前記複数個のそれぞれの固有核酸配列が、異なる固有の細胞由来のACエレメントおよびBCエレメントを含み、
    それにより、ライブラリーを作製する、
    方法。
  15. TCR γ鎖可変領域(GCVR)のγ鎖エレメント(GCエレメント)およびTCR δ鎖可変領域(DCVR)のδ鎖エレメント(DCエレメント)をコードする配列を含む核酸配列であって、前記GCVRおよびDCVRが同じ細胞に由来する、核酸配列を作製する方法であって、前記方法が、以下:
    a)以下:
    i)細胞由来の前記GCVRのGCエレメントをコードするセグメントを含むγ鎖二本鎖cDNA(GC ds cDNA)のストランドである、γ鎖(GC)ストランド;および
    ii)前記細胞由来の前記DCVRのDCエレメントをコードするセグメントを含むδ鎖二本鎖cDNA(DC ds cDNA)のストランドである、δ鎖(DC)ストランド、
    を含む、隔離された産生反応部位を獲得するステップであって、
    ここで、前記GCストランドは一本鎖であり、前記DCストランドは一本鎖である、ステップ、ならびに
    b)前記一本鎖GCストランドを前記一本鎖DCストランドへ共有結合性に連結するステップであって、前記一本鎖GCストランドおよび前記一本鎖DCストランドは共有結合性に連結されて一本鎖核酸配列を生じ、
    前記GCストランドおよび前記DCストランドは、スプリントオリゴヌクレオチドおよびDNAリガーゼの存在下で共有結合性に連結され、前記スプリントオリゴヌクレオチドは、前記GCストランドと前記DCストランドの接合部を含む配列にハイブリダイズして連結部位において二重鎖領域を形成する、ステップ
    を含み、前記隔離された産生反応部位が、前記細胞以外の細胞由来のDCVRまたはGCVRをコードする核酸を含まず、
    それにより、前記核酸配列を作製する、
    方法。
  16. 前記GCエレメントが、γ鎖可変領域配列(GCVRS)またはその抗原結合断片を含み、またはそれからなる、かつ/または前記DCエレメントが、δ鎖可変領域配列(DCVRS)またはその抗原結合断片を含み、またはそれからなる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記核酸配列が、発現した時、前記GCエレメントおよび前記DCエレメントが、機能性抗原結合分子を形成するように、構成される、請求項15または16に記載の方法。
  18. 前記隔離された産生反応部位を獲得するステップが、以下:
    a)以下:
    (i)細胞由来のGCVRをコードする第1のmRNAに相補的であるストランドを含む第1の二本鎖cDNA(ds cDNA);および
    (ii)前記細胞由来のDCVRをコードし、第2のmRNAに相補的なストランドを含む第2のds cDNA、
    と結合した捕捉支持体を獲得するステップ、ならびに
    b)前記第1および前記第2のds cDNAの増幅を可能にする条件下で、前記隔離された産生反応部位を維持して、以下:
    前記細胞由来の前記GCVRのGCエレメントをコードするセグメントを含む複数個のAC ds cDNA、および
    前記細胞由来の前記DCVRのDCエレメントをコードするセグメントを含む複数個のBC ds cDNA
    を産生する、ステップ
    を含む、請求項15~17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記捕捉支持体が、ビーズ、およびcDNAと結合する部分を含む、かつ/または前記隔離された産生反応部位が、前記第1および前記第2のmRNAから、前記細胞の前記GCVRの前記GCエレメント、をコードするセグメントを含む第1のds cDNA、および前記細胞の前記DCVRの前記DCエレメントをコードするセグメントを含む第2のds cDNAを産生するのに適した試薬混合物を含む、請求項15~18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記第1のds cDNAおよび前記第2のds cDNAが、プライマーの存在下で増幅され、前記プライマーの少なくとも1つが、第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーの間のヌクレオチド修飾を含み、前記ヌクレオチド修飾がDNA合成を低下させ、ここで、前記第1のメンバーまたは前記第2のメンバーは、GCエレメントをコードするセグメントに相補的な配列またはDCエレメントをコードするセグメントに相補的な配列を含み、前記第1のメンバーは前記第2のメンバーとアニールする能力がある、請求項18または19に記載の方法。
  21. (i)前記ヌクレオチド修飾が、2個の隣接したヌクレオチド間のスペーサーの挿入、またはリボースへの修飾を含む、
    (ii)前記第1のメンバーが、同じプライマーまたは異なるプライマー内の前記第2のメンバーとアニールして、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む二本鎖構造を形成する能力がある、かつ/または
    (iii)前記プライマーの少なくとも1つのプライマーが、リン酸化されており、リンカー配列の少なくとも一部分をコードする配列、またはその相補的配列を含む、
    請求項20に記載の方法。
  22. (i)前記GC ds cDNAが、5’オーバーハングおよび平滑末端を含み、かつ前記DC ds cDNAが5’オーバーハングおよび平滑末端を含む、
    (ii)前記GCストランドおよび前記DCストランドが共有結合性に連結されて一本鎖核酸配列を生じ、ここで、前記GCおよびDCストランドが、どちらもセンス鎖、またはどちらもアンチセンス鎖である、
    (iii)前記共有結合性連結が、リガーゼを含む隔離された連結反応部位において起こる、かつ/または
    (iv)前記GCストランドおよび前記DCストランドがスプリントオリゴヌクレオチドの存在下で共有結合性に連結され、ここで、前記スプリントオリゴヌクレオチドは、前記GCストランドと前記DCストランドの接合部を含む配列にハイブリダイズして連結部位において二重鎖領域を形成する、
    請求項20または21に記載の方法。
  23. 前記スプリントオリゴヌクレオチドが、DNA合成を阻害する修飾を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記隔離された産生反応部位を獲得するステップの前に、mRNAを担持させた捕捉支持体を獲得するステップであって、
    a)i)細胞;ならびに
    ii)前記細胞由来のGCVRをコードする第1のmRNAおよび前記細胞由来のDCVRをコードする第2のmRNAを結合する能力がある捕捉支持体
    を含む、隔離された細胞反応部位を獲得するステップ;ならびに
    b)前記細胞の溶解、ならびに前記捕捉支持体を、前記第1のmRNAおよび前記第2のmRNAと結合させて、前記mRNAを担持させた捕捉支持体を形成することを可能にする条件下で、前記隔離された細胞反応部位を維持するステップ
    を含み、前記隔離された細胞反応部位が、前記細胞以外の細胞由来のGCVRまたはDCVRをコードする核酸を含まない、ステップ
    をさらに含む、請求項1~23のいずれかに記載の方法。
  25. ポリ(dA)またはポリ(dT)オリゴヌクレオチドの存在下で、前記隔離された細胞反応部位から、前記mRNAを担持させた捕捉支持体を放出させるステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
  26. (i)前記核酸配列を増幅するステップ、
    (ii)前記核酸配列の全部または一部分をシーケンシングするステップ、
    (iii)核酸配列の全部または一部分をベクターへ挿入するステップ、および/または
    (iv)前記核酸配列を発現して、前記GCVRの前記GCエレメントをコードするセグメント、および前記DCVRの前記DCエレメントをコードするセグメントを含むポリペプチドを産生するステップ
    をさらに含む、請求項1~25のいずれかに記載の方法。
  27. 前記方法が、前記ポリペプチドを抗原と接触させるステップ、および前記ポリペプチドが前記抗原を結合するかどうかを決定するステップをさらに含み、請求項26に記載の方法。
  28. 複数個の固有メンバーを含むライブラリーを作製する方法であって、方法が、
    請求項15~27のいずれかに記載の方法によって前記複数個のメンバーを作製するステップであって、メンバーのそれぞれが、γ鎖可変領域(GCVR)のγ鎖エレメント(GCエレメント)およびδ鎖可変領域(DCVR)のδ鎖エレメント(DCエレメント)をコードする配列を含み、前記GCVRおよび前記DCVRが同じ細胞に由来する、ステップを含み、前記複数個のそれぞれの固有核酸配列が、異なる固有の細胞由来のGCエレメントおよびDCエレメントを含み、
    それにより、ライブラリーを作製する、
    方法。
  29. 前記ライブラリーが、以下:
    a)前記複数個の固有メンバーが、少なくとも10個、10個、10個、10個、10個、または10個の固有メンバーを含む、
    b)前記複数個の固有メンバーが、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、10~10個、または10~10個の固有メンバーを含む、
    c)前記ライブラリーにおけるメンバーの少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、固有メンバーである、または d)前記ライブラリーにおけるメンバーの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満が、固有メンバーである、
    の特性のうちの1つ、2つ、3つまたは全てを含む、
    請求項14または28に記載の方法。
  30. a)請求項29に記載の方法に従って作製したライブラリーを獲得するステップ;および
    b)前記ライブラリーの固有核酸によりコードされるポリペプチドを発現するステップを含む、結合ポリペプチドを作製する方法。
  31. 前記ポリペプチドを抗原に接触させるステップ、および前記抗原を結合するポリペプチドをコードする核酸を取得するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
  32. a)細胞由来のACVRのα鎖(AC)エレメントをコードするセグメントを含むα鎖二本鎖cDNA(AC ds cDNA)のストランドであるACストランド;
    b)前記細胞由来のBCVRのβ鎖(BC)エレメントをコードするセグメントを含むβ鎖二本鎖cDNA(BC ds cDNA)のストランドであるBCストランド、
    c)第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーとの間のヌクレオチド修飾を含むプライマーであって、前記ヌクレオチド修飾がDNA合成を低下させる、プライマー
    を含む、隔離された産生反応部位であって、前記ACVRおよび前記BCVRが同じ細胞に由来し、かつ前記隔離された産生反応部位が、前記細胞以外の細胞由来のACVRまたはBCVRをコードする核酸を含まず、ここで、前記第1のメンバーまたは前記第2のメンバーは、ACエレメントをコードするセグメントに相補的な配列またはBCエレメントをコードするセグメントに相補的な配列を含み、前記第1のメンバーは前記第2のメンバーとアニールする能力がある、
    隔離された産生反応部位。
  33. 前記第1のメンバーが、同じプライマーまたは異なるプライマー内の前記第2のメンバーとアニールして、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む二本鎖構造を形成する能力がある、請求項32に記載の隔離された産生反応部位。
  34. a)細胞由来のACVRのα鎖(AC)エレメントをコードするセグメントを含むα鎖二本鎖cDNA(AC ds cDNA)のストランドであるACストランド;
    b)前記細胞由来のBCVRのβ鎖(BC)エレメントをコードするセグメントを含むβ鎖二本鎖cDNA(BC ds cDNA)のストランドであるBCストランド;ならびに
    c)前記ACストランドおよび前記BCストランドの接合部を含む配列にハイブリダイズして、連結の部位に二重鎖領域を形成する能力があるスプリントオリゴヌクレオチドを含む、隔離された連結反応部位であって、前記ACVRおよび前記BCVRが同じ細胞に由来し、前記ACストランドおよび前記BCストランドが共有結合性に連結され、前記隔離された連結反応部位が、前記細胞以外の細胞由来のACVRまたはBCVRをコードする核酸を含まない、隔離された連結反応部位。
  35. リガーゼをさらに含む、請求項34に記載の隔離された連結反応部位。
  36. a)細胞由来のGCVRのγ鎖(GC)エレメントをコードするセグメントを含むγ鎖二本鎖cDNA(GC ds cDNA)のストランドであるGCストランド;
    b)前記細胞由来のDCVRのδ鎖(DC)エレメントをコードするセグメントを含むδ鎖二本鎖cDNA(DC ds cDNA)のストランドであるDCストランド、
    c)第1のメンバー、第2のメンバー、および前記第1のメンバーと前記第2のメンバーとの間のヌクレオチド修飾を含むプライマーであって、前記ヌクレオチド修飾がDNA合成を低下させる、プライマー
    を含む、隔離された産生反応チャンバーまたはウェルであって、前記GCVRおよび前記DCVRが同じ細胞に由来し、かつ前記隔離された産生反応部位が、前記細胞以外の細胞由来のGCVRまたはDCVRをコードする核酸を含まず、ここで、前記第1のメンバーまたは前記第2のメンバーは、GCエレメントをコードするセグメントに相補的な配列またはDCエレメントをコードするセグメントに相補的な配列を含み、前記第1のメンバーは前記第2のメンバーとアニールする能力がある、
    隔離された産生反応チャンバーまたはウェル。
  37. 前記第1のメンバーが、同じプライマーまたは異なるプライマー内の前記第2のメンバーとアニールして、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれより多い塩基対の二重鎖領域を含む二本鎖構造を形成する能力がある、請求項36に記載の隔離された産生反応チャンバーまたはウェル。
  38. a)細胞由来のGCVRのγ鎖(GC)エレメントをコードするセグメントを含むγ鎖二本鎖cDNA(GC ds cDNA)のストランドであるGCストランド;
    b)前記細胞由来のDCVRのδ鎖(DC)エレメントをコードするセグメントを含むδ鎖二本鎖cDNA(DC ds cDNA)のストランドであるDCストランド;ならびに
    c)前記GCストランドおよび前記DCストランドの接合部を含む配列にハイブリダイズして、連結の部位に二重鎖領域を形成する能力があるスプリントオリゴヌクレオチドを含む、隔離された連結反応部位であって、前記GCVRおよび前記DCVRが同じ細胞に由来し、前記GCストランドおよび前記DCストランドが共有結合性に連結され、前記隔離された連結反応部位が、前記細胞以外の細胞由来のGCVRまたはDCVRをコードする核酸を含まない、隔離された連結反応部位。
  39. リガーゼをさらに含む、請求項38に記載の隔離された連結反応部位。
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