JP2023164049A - サスペンションアームの支持構造 - Google Patents

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佳孝 野田
Yoshitaka Noda
功二 荒木
Koji Araki
健一 山下
Kenichi Yamashita
和弥 井上
Kazuya Inoue
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Abstract

Figure 2023164049000001
【課題】ブラケットの成型が容易であり、車輪やサスペンションアームからの入力に対する補強を施したサスペンションアームの支持構造を提供する。
【解決手段】第1支持部11と、第2支持部12と、第1補強部材13と、第2補強部材14と、一端部が第2支持部の基端部及び第1補強部材に接続される形状である第3補強部材15とを有するサスペンションアームの支持構造1であり、第1支持部、又は第2支持部は、サスペンションアームの基端部を揺動可能に支持し、車体の前側に配される第1ブラケット111と、車体の後側に配される第2ブラケット112とを有しており、第1ブラケットは車体の後方に延在する第1部分を備えており、第2ブラケットは、車体の前方に延在する第2部分を備えており、前記第1部分と前記第2部分とを接触させた形状であるサスペンションアームの支持構造。
【選択図】図1

Description

本発明は、サスペンションアームの支持構造に関する。
以下の特許文献1のように、サスペンションアームが車体の上下方向に揺動可能な状態で、サスペンションアームの基端部の一方と、サスペンションアームの基端部の他方とを支持するサスペンション装置が知られている。
特許文献1には、ダブルウィッシュボーン式のサスペンション装置が開示されている。特許文献1の装置では、車体の上方に配置された一対のブラケットによって、アッパーアームの基端部を揺動可能な状態で支持し、車体の下方に配置された一対のブラケットによって、ロアアームの基端部を揺動可能な状態で支持する。
特開2019-104272号公報
特許文献1のブラケットの構成は、必ずしも明確ではないが、互いに向かい合うように配置された2枚の板状部を有する上側ブラケット又は下側ブラケットに貫通孔を設けて、当該貫通孔とサスペンションアームの基端部に設けた貫通孔とに、軸を挿通して、サスペンションアームを上下方向に対して揺動可能な状態で支持する。
サスペンションアームを支持するブラケットには、車輪、及びサスペンションアームを介して、絶えず大きな応力が入力される。そのような大きな応力の入力によって、ブラケットやブラケットを固定している部材が変形すると、サスペンションアームの取付角度が変動し、アライメントが変化し、設計した通りの操舵性能が得られなくなる。また、強度が不十分であると、長期的な耐久性が問題になることがある。
また、要求される仕様によっては、ブラケットの形状が複雑化せざるを得ず、ブラケットの成形時に不良成型が増加し、歩留りが低下したり、ブラケットの製造が煩雑になるという問題がある。
本発明は、ブラケットの成型が容易であり、車輪やサスペンションアームからの入力に対する補強を施したサスペンションアームの支持構造を提供することを目的とする。
車体の前方に配される第1支持部と、車体の後方に配される第2支持部と、前記第1支持部と前記第2支持部との間に延在し、一端部が第1支持部に接続され、他端部が第2支持部に接続される形状である第1補強部材と、一端部が第1支持部の基端部及び第1補強部材に接続される形状である第2補強部材と、一端部が第2支持部の基端部及び第1補強部材に接続される形状である第3補強部材とを有するサスペンションアームの支持構造であり、第1支持部、又は第2支持部は、サスペンションアームの基端部を揺動可能に支持し、車体の前側に配される第1ブラケットと、車体の後側に配される第2ブラケットとを有しており、第1ブラケットは車体の後方に延在する第1部分を備えており、第2ブラケットは、車体の前方に延在する第2部分を備えており、前記第1部分と前記第2部分とを接触させた形状であるサスペンションアームの支持構造(以下、単に支持構造と称することがある。)により、上記の課題を解決する。
前記サスペンションアームの支持構造は、第1支持部、又は第2支持部は、前記第1ブラケットと第2ブラケットとに分割されているので、第1支持部、又は第2支持部の形状を複雑にしても、第1ブラケットと第2ブラケットとを別々に成形することが可能であり、第1支持部を単一の部材で構成する場合に比して、容易に成形することが可能である。
前記サスペンションアームの支持構造では、第1ブラケットと第2ブラケットとは、別々に成形され、第1支持部、又は第2支持部を構成する。第1支持部、又は第2支持部は、第1補強部材、第2補強部材、又は第3補強部材によって一体化され、フレームなどの車体を構成する部材に対して固定される。このような構成により、サスペンションアームの支持構造を補強し、入力に対する剛性と強度とを向上させることができる。
前記サスペンションアームの支持構造において、第2補強部材の一端部には、前記第1支持部の第1部分と前記第1支持部の第2部分とが接触した状態で、前記第1支持部の第1ブラケットと前記第1支持部の第2ブラケットとを収容する収容部が設けられた構成とすることが好ましい。前記収容部に第1ブラケットと第2ブラケットとを収容すれば、第1部分と第2部分とが自ずと接触した状態となり、第1部分と第2部分の位置が定まりやすくなり、支持構造の製造を効率化することが可能になる。
前記サスペンションアームの支持構造において、第3補強部材の一端部には、前記第2支持部の第1部分と前記第2支持部の第2部分とが接触した状態で、前記第2支持部の第1ブラケットと前記第2支持部の第2ブラケットとを収容する収容部が設けられた構成とすることが好ましい。前記収容部に第1ブラケットと第2ブラケットとを収容すれば、第1部分と第2部分とが自ずと接触した状態となり、第1部分と第2部分の位置が定まりやすくなり、支持構造の製造を効率化することが可能になる。
前記サスペンションアームの支持構造において、第1ブラケットと第2ブラケットとは、金属板を折り曲げた形状とすることが好ましい。これにより、第1ブラケット及び第2ブラケットを軽量化すると共に、第1ブラケット及び第2ブラケットの剛性と強度とを向上させることができる。
前記サスペンションアームの支持構造において、第1ブラケットと第2ブラケットとは、先端部にサスペンションアームの軸を支持する貫通孔を設けた支持部を有する形状としてもよい。また、前記サスペンションアームの支持構造において、第1支持部と第2支持部とは、基端部に、前記第1部分と前記第2部分とを備えており、前記第1部分及び前記第2部分は、前記支持部を基準として、金属板が折れ曲がった形状としてもよい。
前記サスペンションアームの支持構造において、第1補強部材、第2補強部材、又は第3補強部材は、金属板で構成することが好ましい。これにより、第1補強部材、第2補強部材、又は第3補強部材の重量を小さくすることができる。
前記サスペンションアームの支持構造は、例えば、フレーム部と、フレーム部に固定されるフレーム用ブラケットとをさらに備えており、第1補強部材、第2補強部材、又は第3補強部材は、フレーム用ブラケットに固定された構成としてもよい。
本発明は、ブラケットの成型が容易であり、車輪やサスペンションアームからの入力に対する補強を施したサスペンションアームの支持構造を提供することを目的とする。
サスペンションアームの支持構造の一実施形態を、斜め上方から見た状態を示す斜視図である。 図1のサスペンションアームの支持構造の一部を分解した状態を示す斜視図である。 図1のサスペンションアームの支持構造の右側面図である。 図1のサスペンションアームの支持構造の右側面の上方から見た状態を示す斜視図である。 図4のA部の拡大図であり、溶接個所をバツ印で示した図である。 図1のサスペンションアームの支持構造を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。 図1のサスペンションアームの支持構造において、ロアアームを取り付けた状態を示す
以下、本発明のサスペンションアームの支持構造の一実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の限られた例に過ぎず、本発明の技術的範囲は例示した実施形態に限定されるものではない。
図1ないし図7に、本発明のサスペンションアームの支持構造1(以下、単に支持構造と称する。)の一実施形態を示す。本実施形態の支持構造1は、ダブルウィッシュボーン式の懸架装置を構成するアッパーアームの基端部を、上下方向に対して揺動可能な状態で支持するためのものである。なお、アッパーアームの図示は省略する。
図示は省略するが、典型的なアッパーアームにおいては、アッパーアームの基端部に、2つのアームが設けられており、アームの基端部には、揺動軸を挿通するためのゴムブッシュが設けられる。アッパーアームの先端部には、ナックルなどの車輪の支持部材が設けられる。
本実施形態の支持構造1は、車体の前方に配される第1支持部11と、車体の後方に配される第2支持部12と、前記第1支持部11と前記第2支持部12との間に延在し、一端部が第1支持部11に接続され、他端部が第2支持部12に接続される形状である第1補強部材13と、一端部が第1支持部11の基端部及び第1補強部材13に接続される形状である第2補強部材14と、一端部が第2支持部12の基端部及び第1補強部材13に接続される形状である第3補強部材15とを有する。
上述の第1支持部11、第2支持部12、第1補強部材13、第2補強部材14、及び第3補強部材15を含む構造は、車体の右側の車輪に対応して少なくとも一つ、車体の左側の車輪に対応して少なくとも一つ、少なくとも計二つが設けられる。車体の前後に当該構造を設ける場合は、車体一台につき計4つ設けてもよい。
サスペンションアームの図示は省略するが、前記第1支持部11は、サスペンションアームの一方の基端部を上下方向に揺動可能な状態で支持し、前記第2支持部12は、サスペンションアームの他方の基端部を上下方向に揺動可能な状態で支持する。図1ないし図7に示した取付構造では、第1支持部11と第2支持部12とにより、アッパーアームの二つの基端部を支持する。
本実施形態の支持構造1は、フレーム部2と、フレーム部2に固定されるフレーム用ブラケット16とをさらに備える。第1補強部材13、第2補強部材14、及び第3補強部材15は、図5において、バツ印で示した個所で、フレーム用ブラケット16に固定されている。フレーム用ブラケット16は、平坦な金属製の板材であり、車長方向に板が延在する形状であり、後述する保持部21とサイドメンバ22との間に挟持された状態で、溶接によって、サイドメンバ22及び保持部21に対して固定される。
フレーム部2は、図1及び図2に示したように、車体の車長方向に沿って延びており、車幅方向に対して離隔した位置に配される一対のサイドメンバ22と、車体の車幅方向に沿って延びており、前記サイドメンバ22と交差する方向に延びる第1メンバ23と、車体の車幅方向に沿って延びており、前記サイドメンバ22と交差する方向に延びる第2メンバ24とを有する。第1メンバ23と第2メンバ24とは、互いに、車長方向に離隔した位置に配される。第1メンバ23の両端部は、サイドメンバ22から車体の内側に向けて斜め下方に延びる連結部25によって、サイドメンバ22に対して、固定されている。連結部25は、レイアウトによっては省略し、サイドメンバ22と第1メンバ23とを直接に接合してもよい。
一対のサイドメンバ22、第1メンバ23、第2メンバ24、連結部25は、何れも金属の板材を曲げた形状であり、第1壁と第2壁と第1壁及び第2壁とを連結する第3壁とを有する断面がコの字状であり、全体が棒状の部材である。第1メンバ23と第2メンバ24の底は、平坦な板231、241を溶接により固定することで閉じられた形状とされている。
第2メンバ24の左右の端部は、一対のサイドメンバ22の下面と接面するように溶接によって固定される。第2メンバ24の左右の端部には、金属板を略筒状の形状に成形したコイルスプリングの保持部21が溶接により固定される。第2メンバ24の左右の端部は、第3壁が切り欠かれており、第1壁と第2壁とが向かい合うように配置された形状とされる。保持部21は、前記第1壁と第2壁との間に挟まれるように固定される。保持部21の上端部には、平坦な金属板211が溶接により固定され、上端の開口部が閉じられた形状とされている。保持部21の下端部の開口部は、開口したままの形状とされており、コイルスプリングを保持部21の内部に固定する。なお、保持部21には、バンプストッパーを固定するためのブラケット8が固定される。バンプストッパーは、ロアアームの過剰な揺動を規制する。
第1メンバ23、及び第2メンバ24の左右の端部には、図6に示したように、第1壁に貫通孔232、242が設けられており、第2壁にも貫通孔233、243が設けられる。図7に示したように、ロアアーム9を取り付けた状態では、第1メンバ23の貫通孔232、233と、ロアアームの基端部のうちの一方に設けられたブッシュの貫通孔とは、連通する。これらの貫通孔に、軸を挿通及び固定することにより、第1メンバ23の左右の端部は、ロアアーム9の基端部のうちの一方を上下方向に揺動可能な状態で支持する支持部として機能する。
同様に、ロアアーム9を取り付けた状態では、第2メンバ24の貫通孔242、243と、ロアアーム9の基端部のうちの他方に設けられたブッシュの貫通孔とは、連通する。これらの貫通孔に、軸を挿通及び固定することにより、第2メンバ24の左右の端部は、ロアアーム9の基端部のうちの他方を上下方向に揺動可能な状態で支持する支持部として機能する。
前記第1支持部11は、車体の前側に配される第1ブラケット111と、車体の後側に配される第2ブラケット112とを有している。前記第1ブラケット111と前記第2ブラケット112によって、サスペンションアームの一方の基端部を揺動可能に支持する。図2に示したように、第1ブラケット111は車体の後方に延在する第1部分43を備えており、第2ブラケット112は、車体の前方に延在する第2部分44を備える。前記第1部分43と前記第2部分44とは、接触する形状である。
前記第2支持部12も、前記第1支持部11と同様に、車体の前側に配される第1ブラケット121と、車体の後側に配される第2ブラケット122とを有している。前記第1ブラケット121と前記第2ブラケット122によって、サスペンションアームの他方の基端部を揺動可能に支持する。第1ブラケット121は車体の後方に延在する第1部分43を備えており、第2ブラケット122は、車体の前方に延在する第2部分44を備える。前記第1部分43と前記第2部分44とは、接触する形状である。
本実施形態の例では、図5に示したように、第1部分43と第2部分44とは、両端部が突き当てられた状態とされる。より具体的には、第1部分43の側面部431と第2部分の側面部441とが、突き当てられて、接した状態にされ、第1部分43と第2補強部材14の一端部又は第3補強部材15の一端部とが接する部分、及び第2部分44と第2補強部材14の一端部又は第3補強部材15の一端部とが接する部分が、図5においてバツ印を付した個所で溶接され、固定される。なお、第1部分43は、第1ブラケット111又は121の高さ方向の長さよりも、長さを小さくした板状である。第2部分44は、第2ブラケット112又は122の高さ方向の長さよりも、長さを小さくした板状である。
第2補強部材14の一端部には、図4に示したように、前記第1部分43と前記第2部分44とが接触した状態で第1ブラケット111と第2ブラケット112とを収容する収容部61が設けられる。本実施形態の支持構造においては、第2補強部材14は、図5に示したように、金属の板材から構成され、一方の面と他方の面とが交差する、金属板を折り曲げた断面L字状の部材である。第2補強部材14の一端部の開口部の内側に、第1ブラケット111と第2ブラケット112とを収容すると、第1部分43と第2部分44とが接触した状態となる。第2補強部材14は、金属板が折り曲げられた形状とされているため、入力に対して、曲がりにくく、補強効果を発揮する。
図5に示した第2補強部材14は、一端部から他端部に折り曲げられた金属板が延在する形状であり、一端部と他端部との間に、図3に示したように、傾斜部71aを備える。第2補強部材14の一端部の開口部に差し込まれた第1支持部11は、傾斜部71aに接触して、第1支持部11が過度に深く挿し込まれないように挿し込みが規制され、第1支持部11の位置が定まる。傾斜部は、図3の例に限定されず、第1ブラケット111又は第2ブラケット112の挿込部72aを基準として、傾斜していればよい。挿込部は、その名の通り、第1ブラケット、及び第2ブラケットを収容部に挿し込むための部分である。
図5に示したように、本実施形態の取付構造では、第2補強部材14の一端部の収容部は、第2補強部材14と、第1補強部材13の一端部と、フレーム用ブラケット16とで、囲まれており、位置決め用の凹部を形成する。この凹部に、第1ブラケット111と第2ブラケット112とを挿し込むため、第1ブラケット111の第1部分43と第2ブラケット112の第2部分44とが、設計した通りの位置に、より定まりやすくなる。この収容部61は、第1ブラケット111と第2ブラケット112とを凹部に挿し込む際に、第1ブラケット111と第2ブラケット112とが、第2補強部材14の内壁面と、第1補強材13の一端部と、フレーム用ブラケット16の壁面とに摺れる程度の形状とする。
第3補強部材15の一端部には、図5に示したように、前記第1部分43と前記第2部分44とが接触した状態で第1ブラケット121と第2ブラケット122とを収容する収容部62が設けられる。本実施形態の支持構造においては、第3補強部材15は、図5に示したように、金属の板材から構成され、一方の面と他方の面とが交差する、金属板を折り曲げた断面L字状の部材である。第3補強部材15の一端部の開口部の内側に、第1ブラケット121と第2ブラケット122とを収容すると、第1部分43第2部分44とが接触した状態となる。第3補強部材15は、金属板が折り曲げられた形状とされているため、入力に対して、曲がりにくく、補強効果を発揮する。
第3補強部材15は、一端部から他端部に折り曲げられた金属板が延在する形状であり、一端部と他端部との間に、図3に示したように、傾斜部71bを備える。第3補強部材15の一端部の開口部に差し込まれた第2支持部12は、傾斜部71bに接触して、第2支持部12が過度に深く挿し込まれないように挿し込みが規制され、第2支持部12の位置が定まる。傾斜部は、図3の例に限定されず、第1ブラケット121又は第2ブラケット122の挿込部72bを基準として、傾斜していればよい。
図5に示したように、本実施形態の取付構造では、第3補強部材15の一端部の収容部は、第3補強部材15と、第1補強部材13の他端部と、フレーム用ブラケット16とで、囲まれており、位置決め用の凹部を形成する。この凹部に、第1ブラケット121と第2ブラケット122とを挿し込むため、第1ブラケット121の第1部分43と第2ブラケット122の第2部分44とが、設計した通りの位置に、より定まりやすくなる。この収容部62は、第1ブラケット121と第2ブラケット122とを凹部に挿し込む際に、第1ブラケット121と第2ブラケット122とが、第3補強部材15の内壁面と、第1補強材13の他端部と、フレーム用ブラケット16の壁面とに摺れる程度の形状とする。
図5に示したように、第1補強部材13、第2補強部材14、第3補強部材15、第1ブラケット111、121、第2ブラケット112、122及びフレーム用ブラケット16は、図5においてバツ印を付した個所で溶接することによって、固定される。
第1支持部11とフレーム用ブラケット16とは、第1支持部11の基端部と先端部との間に延在する両側の縁部がフレーム用ブラケット16と接する部分において溶接される。同様に、第2支持部12とフレーム用ブラケット16とは、第2支持部12の基端部と先端部との間に延在する両側の縁部がフレーム用ブラケット16と接する部分において溶接される。
第1支持部11と第2補強部材14とは、第1支持部11の側面において第1支持部11と第2補強部材14とが接する部分と、第1支持部11の正面において第1部分43及び第2部分44と第2補強部材14とが接する部分とが溶接される。同様に、第2支持部12と第3補強部材15とは、第2支持部12の側面において第2支持部12と第3補強部材15とが接する部分と、第2支持部12の正面において第1部分43及び第2部分44と第3補強部材15とが接する部分とが溶接される。
第1補強部材13とフレーム用ブラケット16とは、第1補強部材13の一方の縁部が第1補強部材13の長手方向に沿ってフレーム用ブラケット16と接する部分において溶接されている。平坦な金属板211と第1補強部材13とは、第1補強部材13の他方の縁部が第1補強部材13の長手方向に沿って平坦な金属板211と接する部分において溶接されている。
第2補強部材14と第1補強部材13とは、第1補強部材13の一端部から第2補強部材14が存する方向に向かって突出する板状の第1突部131が、第2補強部材14に接する部分において、溶接されている。同様に、第3補強部材15と第1補強部材13とは、第1補強部材13の他端部から第3補強部材15が存する方向に向かって突出する板状の第2突部132が、第3補強部材15に接する部分において、溶接されている。なお、第1突部は、第2補強部材と一体であり、第2補強部材から第1補強部材に向けて突出する形状にしてもよい。同様に、第2突部は、第3補強部材と一体であり、第3補強部材から第1補強部材に向けて突出する形状にしてもよい。
上記のように、本実施形態の取付構造においては、第1補強部材13は、幅と長さとを比較した際に、一方の寸法が他方よりも大きい長尺部材として構成される。また、第1補強部材13の幅は、第1支持部11の幅、又は第2支持部12の幅よりも大きく構成される。これによって、フレーム用ブラケット16又は平坦な金属板211に対して溶接する際の溶接長が大きくなり、入力に対する剛性、強度が大きくなるようにされている。第1補強部材13は、長手方向が車長方向となるように、フレーム用ブラケット16に固定される。
第2補強部材14、及び第3補強部材15は、幅と長さとを比較した際に、一方の寸法が他方よりも大きい長尺部材として構成される。また、第2補強部材14、又は第3補強部材15は、それぞれ、第1支持部11、又は第2支持部12の長さよりも大きく構成される。これによって、第2補強部材14、又は第3補強部材15を、フレーム用ブラケット16に対して溶接する際の溶接長が大きくなり、入力に対する剛性、強度が大きくなるようにされている。第2補強材14、及び第3補強材15は、長手方向が車体の上下方向となるようにフレーム用ブラケット16に固定される。このとき、第2補強部材14、及び第3補強部材15は、必ずしも、それらの長手方向の軸線が鉛直方向に一致するようにする必要はなく、適宜、角度を変更することができる。
第1支持部11の基部は、第2補強部材14の一端部と、第1支持部11の第1部分43及び第2部分44とが、板材の厚み方向に対して、重なった状態で固定される。同様に、第2支持部12の基部は、第3補強部材の一端部と、第2支持部12の第1部分43及び第2部分44とが、板材の厚み方向に対して、重なった状態で固定される。この構成により、剛性と強度がさらに高まるように工夫されている。
第1ブラケット111、121と第2ブラケット112、122とは、先端部にサスペンションアームの軸を支持する貫通孔41を設けた支持部42を有する形状である。サスペンションアームの基端部にはブッシュが設けられており、支持部42の貫通孔と、ブッシュの貫通孔とを連通させた状態で、軸を挿通及び固定することで、サスペンションアームの基端部を支持する。なお、第1ブラケット111の貫通孔41と、第2ブラケット112の貫通孔41とは、車長方向に離隔して配置されており、貫通孔41に挿通された軸は、車長方向に沿って延在する形状となる。
第1支持部11、及び第2支持部12において、前記第1部分43と前記第2部分44とは、共に、基端部に設けられる。上述の通り、先端部には、貫通孔41を設けた支持部42が設けられる。支持部42は、本実施形態の例では、車幅方向に板が延在する形状であり、後述する第1部分43又は第2部分44の高さに比して、高さが大きく構成されている。前記第1部分及び前記第2部分は、前記支持部を基準として、金属板を折り曲げた形状とされる。この形状より、第1ブラケット111、121と第2ブラケット112、122との剛性と強度が向上する。なお、第1ブラケット111、121においては、第1部分43と支持部42とがなす角度は略90°である。同様に、第2ブラケット112、122においては、第2部分44と支持部42とがなす角度は略90°である。
第1支持部11、又は第2支持部12は、上記のように、第1ブラケット111、121と第2ブラケット112、122とに分割された形状とされる。第1支持部11、又は第2支持部12は、第1ブラケット111、121と第2ブラケット112、122とを別々に、プレス成型や曲げ成形により、容易に成形することが可能である。金属板の曲げ加工又は金属板のプレス成型の際に使用する金型、加工装置、又は加工手順等が簡素化され、加工後の金属板のスプリングバックや金属板材の意図せぬ破断などの加工不良が低減され、製造効率が上昇する。
第1補強部材13、第2補強部材14、及び第3補強部材15は、いずれも、金属板で構成される。本実施形態の取付構造においては、何れも金属板を折り曲げた部分を有する形状としている。これにより、それぞれの部材の剛性と強度が向上する。本実施形態の例では、第2補強部材14、及び第3補強部材15は、板状の第1壁と板状の第2壁とを接合した断面がL字状の部材である。第1補強部材13も、板状の第1壁と板状の第2壁とを接合した断面がL字状の部材である。第1補強部材は、多段に折り曲げた状にしてもよい。
本実施形態の取付構造においては、第1支持部11、第2支持部12、第1補強部材13、第2補強部材14、第3補強部材15、フレーム用ブラケット16、コイルスプリングの保持部21、及び全てのフレーム部が、金属板材のプレス成型又は金属板材の曲げ加工により成形される。このため、各部材は、中空構造であり、車体の軽量化に寄与する。
第1ブラケットの第1部分の長さ、又は第2ブラケットの第2部分の長さを変更し、かつ第1補強部材、第2補強部材の収容部の大きさを変更することにより、支持構造のその他の部品は共用しつつ、第1ブラケットと第2ブラケットとの間の間隔を変更することが可能である。これにより、前記その他の部品を一の車種と他の車種とで共用することが可能になる。
支持構造で支持するサスペンションアームは、ダブルウィッシュボーン式の懸架装置のアッパーアームに限定されるものではない。サスペンションアームを車体の前後方向に離隔した状態で2つ備えている懸架装置であれば、前記サスペンションアームの基端部を、第1支持部と第2支持部とで揺動可能な状態で支持することができる。
上述のフレーム部は、サスペンションアーム、車輪の支持部材、エンジンなどの車体を構成する部品を取り付けるためのクロスメンバ構造を構成する。取付構造は、このクロスメンバ構造に限定されず、第1支持部、第2支持部、第1補強部材、第2補強部材、及び第3補強部材からなる取付構造を、その他の構成を有する車体のフレーム等の部材に対して適用してもよい。
第1ブラケットの第1部分と、第2ブラケットの第2部分とを、接触させる態様は、上述の突き当てる構成に限られない。例えば、第1部分の端部と第2部分の端部とのうち、一方の上に他方を重ねて、溶接によって、固定してもよい。
第1ブラット等の挿込口と傾斜部との間に比較的に明確な角部が形成される形状とした。この例に限定されず挿込口から傾斜部への変化は、より滑らかな円弧状などの形状にしてもよい。
1 サスペンションアームの支持構造
11 第1支持部
12 第2支持部
13 第1補強部材
14 第2補強部材
15 第3補強部材
111 第1ブラケット
121 第1ブラケット
112 第2ブラケット
122 第2ブラケット
61 収容部
62 収容部
42 支持部
41 貫通孔
43 第1部分
44 第2部分
16 フレーム用ブラケット

Claims (8)

  1. 車体の前方に配される第1支持部と、車体の後方に配される第2支持部と、
    前記第1支持部と前記第2支持部との間に延在し、一端部が第1支持部に接続され、他端部が第2支持部に接続される形状である第1補強部材と、
    一端部が第1支持部の基端部及び第1補強部材に接続される形状である第2補強部材と、
    一端部が第2支持部の基端部及び第1補強部材に接続される形状である第3補強部材とを有するサスペンションアームの支持構造であり、
    第1支持部、又は第2支持部は、サスペンションアームの基端部を揺動可能に支持し、車体の前側に配される第1ブラケットと、車体の後側に配される第2ブラケットとを有しており、
    第1ブラケットは車体の後方に延在する第1部分を備えており、第2ブラケットは、車体の前方に延在する第2部分を備えており、
    前記第1部分と前記第2部分とを接触させた形状であるサスペンションアームの支持構造。
  2. 第2補強部材の一端部には、前記第1支持部の第1部分と前記第1支持部の第2部分とが接触した状態で、前記第1支持部の第1ブラケットと前記第1支持部の第2ブラケットとを収容する収容部が設けられた請求項1に記載のサスペンションアームの支持構造。
  3. 第3補強部材の一端部には、前記第2支持部の第1部分と前記第2支持部の第2部分とが接触した状態で、前記第2支持部の第1ブラケットと前記第2支持部の第2ブラケットとを収容する収容部が設けられた請求項1又は2に記載のサスペンションアームの支持構造。
  4. 第1ブラケットと第2ブラケットとは、金属板を折り曲げた形状である請求項1に記載のサスペンションアームの支持構造。
  5. 第1ブラケットと第2ブラケットとは、先端部にサスペンションアームの軸を支持する貫通孔を設けた支持部を有する形状である請求項4に記載のサスペンションアームの支持構造。
  6. 第1支持部と第2支持部とは、基端部に、前記第1部分と前記第2部分とを備えており、
    前記第1部分及び前記第2部分は、前記支持部を基準として、金属板が折れ曲がった形状である請求項5に記載のサスペンションアームの支持構造。
  7. 第1補強部材、第2補強部材、又は第3補強部材は、金属板で構成される請求項1に記載のサスペンションアームの支持構造。
  8. フレーム部と、フレーム部に固定されるフレーム用ブラケットとをさらに備えており、
    第1補強部材、第2補強部材、又は第3補強部材は、フレーム用ブラケットに固定されている請求項1に記載のサスペンションアームの支持構造。
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