JP2024012808A - 自動車のコイルスプリング用ブラケット、及びそれを備えるサスペンションアームの支持構造 - Google Patents

自動車のコイルスプリング用ブラケット、及びそれを備えるサスペンションアームの支持構造 Download PDF

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佳孝 野田
Yoshitaka Noda
功二 荒木
Koji Araki
健一 山下
Kenichi Yamashita
和弥 井上
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Abstract

【課題】コイルスプリング用ブラケットにおいて、コイルスプリングが干渉しないサスペンションアームの支持構造を提供すること。【解決手段】車体の上下方向に揺動するサスペンションアームに一端部が支持されたコイルスプリングの他端部を支持するコイルスプリング用ブラケットであり、当該ブラケットは、コイルスプリングの他端部を受ける板状の受座と、当該受座に一端部が接続され、コイルスプリングの他端部を内蔵する板状の収納部とを有しており、当該収納部は、コイルスプリングの少なくとも一部を取り囲み、他端部にコイルスプリングを受け入れる開口部を有する形状であり、前記収納部は、コイルスプリングの線条が延びる方向に沿って延びる長孔が設けられており、前記長孔は収納部を構成する金属板材を貫通する貫通孔である自動車のコイルスプリング用ブラケットと、それを備えるサスペンションアームの支持構造である。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のコイルスプリング用ブラケット、当該ブラケットを備えるサスペンションアームの支持構造に関する。
特許文献1には、ショックアブソーバーの上端部と、コイルスプリングの上端部とを取り付けるためのサスペンションタワーが記載されている。特許文献1のサスペンションタワーは、車体の上方に向かって突出する部分を備えており、この部分に、ショックアブソーバーの上端部とコイルスプリングの上端部とを固定する。特許文献1のサスペンションタワーでは、ショックアブソーバーの上端部等が固定される部位に隣接する位置に、干渉回避用の貫通孔が設けられる。当該貫通孔は、車両用フロントサスペンション装置のボールジョイントが、サスペンションタワーに干渉しないようにするとされている。サスペンションタワーにショックアブソーバーを取り付ける部分は、補強パッチにより補強される。ショックアブソーバーから突き上げ荷重が入力された際には、上面壁部と呼ばれる部位の局所的な変形が小さく抑えられるとされている。
特開2009-35059号公報
特許文献1に示されたサスペンションタワーにおいては、車輪から突き上げ荷重が入力されると、上面壁部とボールジョイントとの干渉が生じやすい。干渉を避ける目的で、干渉回避用の貫通孔を設けると、上面壁部が変形しやすくなる。そのような変形を防ぐ目的で補強パッチによる補強が施されるものと思われる。
特許文献1の装置は、コイルスプリングの他端部を収納部内に内蔵するようにして、コイルスプリングの他端部を支持するコイルスプリング用ブラケットではない。コイルスプリングの他端部を収納部内に内蔵するようにして、コイルスプリングの他端部を支持するコイルスプリング用ブラケットでは、車輪から荷重が入力されると、コイルスプリング用ブラケットの内壁に対して、コイルスプリングが干渉し、異音が生じることがある。
本発明は、コイルスプリングの端部を支持するコイルスプリング用ブラケットにおいて、車輪から入力があった際に、コイルスプリング用ブラケットの内壁に対して、コイルスプリングが干渉しないように長孔による対策がされており、当該長孔によりコイルスプリング用ブラケットを車体側の部材に溶接可能にした自動車のコイルスプリング用ブラケットと、それを備えるサスペンションアームの支持構造とを提供することを目的とする。
車体の上下方向に揺動するサスペンションアームに一端部が支持されたコイルスプリングの他端部を支持するコイルスプリング用ブラケット(以下、単にブラケットと称することがある。)であり、当該ブラケットは、コイルスプリングの他端部を受ける板状の受座と、当該受座に一端部が接続され、コイルスプリングの他端部を内蔵する板状の収納部とを有しており、当該収納部は、コイルスプリングの少なくとも一部を取り囲み、他端部にコイルスプリングを受け入れる開口部を有する形状であり、前記収納部は、コイルスプリングの線条が延びる方向に沿って延びる長孔が設けられており、前記長孔は収納部を構成する金属板材を貫通する貫通孔である自動車のコイルスプリング用ブラケットにより、上記の課題を解決する。
上述の自動車のコイルスプリング用ブラケットと、当該コイルスプリング用ブラケットを固定するためのフレーム用ブラケットとを備えるサスペンションアームの支持構造であり、フレーム用ブラケットと、コイルスプリング用ブラケットとは、前記長孔における縁部と、前記長孔から露出するフレーム用ブラケットとを溶接により接合した形状であるサスペンションアームの支持構造により、上記の課題を解決する。
上記の自動車のコイルスプリング用ブラケット、及び上記のサスペンションアームの支持構造においては、車輪からの入力によりコイルスプリングが圧縮しコイルスプリングが変形した際に、コイルスプリングを構成する線条がブラケットの内壁に設けられた長孔に逃がされる。これにより、ブラケットの内壁とコイルスプリングとの衝突が回避され、異音の発生も回避することができる。上記長孔は貫通孔であるため、フレーム用ブラケットなどの車体側の部材と、上記ブラケットとを溶接する部分として利用することができる。
上記の自動車のコイルスプリング用ブラケット、及び上記のサスペンションアームの支持構造において前記収納部は、複数の金属板材で構成されており、複数の金属板材を溶接により接合した形状とすることが好ましい。これにより、例えば、ブラケットを金属の曲げ加工により成形する際に、金属板材の一部が局所的に引き伸ばされるなどの成形不良が生じにくくなり、歩留まりを向上させることができる。また、ブラケットの形状を複雑にしても金属の曲げ加工で成形することが可能である。また、ブラケットに要求される強度、剛性に応じて、部位ごとに金属板材の厚みを変更することが可能である。
上記のサスペンションアームの支持構造において、前記自動車用のコイルスプリング用ブラケットの側壁部は、車体の前後方向に間隔をあけて配置された金属板材で構成される第1取付部と第2取付部との間に挟持された形状であり、フレーム用ブラケットと、コイルスプリング用ブラケットとは、前記長孔における縁部と、前記長孔から露出するフレーム用ブラケットとが溶接により接合されており、前記溶接は、前記長孔における、少なくとも二つの長辺部のうちの一方と、二つの短辺部とに施されるものとすることが好ましい。この構成によれば、第1取付部及び第2取付部とブラケットの側壁部との接続部分における応力集中を低減し、長期的な強度を向上させ、前記接続部分における部材のひずみを低減することができる。
上記のサスペンションアームの支持構造は、アッパーアームの取付部と、ロアアームの取付部とをさらに備えるものとしてもよい。当該ロアアームの取付部は、車幅方向に延在する形状の第1クロスメンバと第2クロスメンバとに設けられた軸支部としてもよい。前記アッパーアームの取付部は、前記コイルスプリング用ブラケットの上方に設けられた軸支部としてもよい。
本発明によれば、コイルスプリングの端部を支持するコイルスプリング用ブラケットにおいて、車輪から入力があった際に、コイルスプリング用ブラケットの内壁に対して、コイルスプリングが干渉しないように長孔による対策がされており、当該長孔によりコイルスプリング用ブラケットを車体側の部材に溶接可能にした自動車のコイルスプリング用ブラケットと、それを備えるサスペンションアームの支持構造とを提供することができる。
コイルスプリング用ブラケットとそれを備えるサスペンションアームの支持構造の一実施形態を、車体の後方視点の上方から示す斜視図である。 サスペンションアームとコイルスプリングを取り外した状態における、図1のサスペンションアームの支持構造を車体の後方視点の下方から示す斜視図である。 コイルスプリング用ブラケットを構成する第1部材、第2部材、第3部材、及び第4部材を示す斜視図である。 コイルスプリング用ブラケットを構成する第1部材、第2部材、第3部材、及び第4部材を分解した状態のサスペンションアームの支持構造の側面図である。 コイルスプリング用ブラケットとフレーム用ブラケットとの溶接個所を示す側面図である。 参考例に係るコイルスプリング用ブラケットにおけるフレーム用ブラケットに対する溶接個所を示す側面図である。 図6に示したコイルスプリング用ブラケットを備えるサスペンションアームの支持構造を示す斜視図である。
以下、本発明のサスペンションアームの支持構造の一実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の限られた例に過ぎず、本発明の技術的範囲は例示した実施形態に限定されるものではない。
図1ないし図5に、本発明のコイルスプリング用ブラケット(以下、単にブラケットと称することがある。)5と、当該ブラケットを有するサスペンションアームの支持構造1(以下、単に支持構造と称することがある。)の一実施形態を示す。本実施形態の支持構造1は、ダブルウィッシュボーン式の懸架装置を構成するアッパーアームの基端部を、上下方向に対して揺動可能な状態で支持するためのものである。なお、アッパーアームの図示は省略する。
図示は省略するが、典型的なアッパーアームにおいては、アッパーアームの基端部に、2つのアームが設けられており、それぞれのアームの基端部には、揺動軸を挿通するためのゴムブッシュが設けられる。アッパーアームの先端部には、ナックルなどの車輪の支持部材が設けられる。
本実施形態の支持構造1は、車体の前方に配される第1支持部11と、車体の後方に配される第2支持部12と、前記第1支持部11と前記第2支持部12との間に延在し、一端部が第1支持部11に接続され、他端部が第2支持部12に接続される形状である第1補強部材13と、一端部が第1支持部11の基端部及び第1補強部材13に接続される形状である第2補強部材14と、一端部が第2支持部12の基端部及び第1補強部材13に接続される形状である第3補強部材15とを有する。本実施形態の支持構造1では、第1支持部11と第2補強部材14とは、連続する形状であり、一枚の金属板材を曲げた形状を有する。同様に、第2支持部12と、第2補強部材14とは、連続する形状であり、一枚の金属板材を曲げた形状を有する。
上述の第1支持部11、第2支持部12、第1補強部材13、第2補強部材14、第3補強部材15、及び後述するコイルスプリング用ブラケット5を含む構造は、車体の右側の車輪に対応して少なくとも一つ、車体の左側の車輪に対応して少なくとも一つ、少なくとも計二つが設けられる。車体の前後に当該構造を設ける場合は、車体一台につき計4つ設けてもよい。
サスペンションアームの図示は省略するが、前記第1支持部11は、一方のサスペンションアームを上下方向に揺動可能な状態で支持し、前記第2支持部12は、他方のサスペンションアームを上下方向に揺動可能な状態で支持する。図1ないし図5に示した取付構造1では、第1支持部11と第2支持部12とで、アッパーアームの基端部に設けられた2本のサスペンションアームを支持する。第1支持部11、及び第2支持部12は、アッパーアームの取付部として機能する。
第1支持部11、及び第2支持部12は、車体の前後方向に離隔して配置される一対の壁部を有しており、当該壁部には、アッパーアームの基端部に設けられたゴムブッシュの孔と連通する貫通孔が設けられる。当該貫通孔とゴムブッシュの孔に軸を挿通することにより、アッパーアームを揺動可能な状態で支持する。第1支持部又は第2支持部の壁部の貫通孔に挿通された軸は、車体の前後方向に沿って延在する形状となる。
フレーム部2は、図1及び図2に示したように、車体の前後方向に沿って延びており、車幅方向に対して離隔した位置に配される一対のサイドメンバ22と、車体の車幅方向に沿って延びており、前記サイドメンバ22と交差する方向に延びる第1クロスメンバ23と、車体の車幅方向に沿って延びており、前記サイドメンバ22と交差する方向に延びる第2クロスメンバ24とを有する。第1クロスメンバ23と第2クロスメンバ24とは、互いに、車体の前後方向に離隔した位置に配される。第1クロスメンバ23の両端部は、サイドメンバ22から車体の内側に向けて斜め下方に延びる連結部25によって、サイドメンバ22に対して、固定されている。連結部25は、レイアウトによっては省略し、サイドメンバ22と第1クロスメンバ23とを直接に接合してもよい。第2クロスメンバ24の両端部は、サイドメンバ22から車体の内側に向けて斜め下方に延びる形状であり、サイドメンバ22に直接に接続される。
一対のサイドメンバ22、第1クロスメンバ23、第2クロスメンバ24、連結部25は、何れも金属の板材を曲げた形状であり、第1壁と第2壁と第1壁及び第2壁とを連結する第3壁とを有する断面がコの字状であり、全体が略棒状の部材である。第1クロスメンバ23と第2クロスメンバ24の底は、平坦な板231、241を溶接により固定することで閉じられた形状とされている。
第2クロスメンバ24の左右の端部は、一対のサイドメンバ22の下面と接面するように溶接によって固定される。第2クロスメンバ24の左右の端部には、コイルスプリング用ブラケット5が溶接により固定される。第2クロスメンバ24の左右の端部は、車体の上方側の第3壁が切り欠かれており、第1壁と第2壁とが向かい合うように配置された形状とされる。第1壁と第2壁とは、金属板材で構成され、車体の前後方向に間隔をあけて配置され、ブラケット5を挟持する第1取付部531と第2取付部532として機能する。第1取付部531と第2取付部532とは、サイドメンバ22の下部から車体の外側に突出し、先端部には車体の上下方向に延在する部分を有する形状である。第1取付部及び第2取付部は、車体の前方側に設けられる第1クロスメンバ、及び車体の後方側に設けられる第2クロスメンバのうち、いずれのクロスメンバに設けてもよい。
本実施形態のブラケット5は、車体の上下方向に揺動するサスペンションアーム(ロアアーム9)に一端部が支持されたコイルスプリング91の他端部を支持する。ブラケット5は、コイルスプリング91の他端部を受ける板状の受座51と、当該受座51に一端部が接続され、コイルスプリングの他端部を内蔵する板状の収納部52を有する。受座51は、コイルスプリング91の他端部を受けることができる面積を有する平坦な板状の部材である。受座51には、コイルスプリング91の軸心に対応する部分に、板材を円形状に突出させた形状を有する凸部511を有する。凸部511には、加硫ゴムなどの弾性体で構成されるシート(図示略)が固定される。コイルスプリングの他端部は、前記シートを介して、受座51に対して固定される。なお、板状という場合、板に曲げた形状を含むものとする。
収納部52は、コイルスプリング91の他端部を取り囲む。収納部52には、車体の上下方向に沿って切欠部521が設けられている。コイルスプリング91を円筒とした際に、当該円筒の円周の大半の部分、すなわち円周の半分を超える部分が、車体の上下方向に延びる金属板材で構成された略筒状の収納部52によって覆われる。本実施形態のブラケット5においては、他の部品との干渉を回避する目的で、切欠部521を設定したが、切欠部521は省略してもよい。このように、収納部は、コイルスプリング91の他端部の少なくとも一部を取り囲み、収納部の他端部にコイルスプリング91を受け入れる開口部522を有する形状であればよく、コイルスプリング91の他端部の全周を取り囲む形状としてもよい。
収納部52は、コイルスプリング91の軸方向に沿って延びる略筒状の形状であり、収納部の上端部におけるコイルスプリングと収納部の内壁との隙間と、収納部の下端部におけるコイルスプリングと収納部の内壁との隙間とが同一である。収納部52には、上述のように、切欠部521が設けられており、その点において完全な筒状ではなく、略筒状である。
コイルスプリング91は、その上端部が前記シートを介して受座51に接することで支持されており、螺子止め等はされていない。受座51からコイルスプリング91の軸方向に沿って延びる板状の収容部52により、コイルスプリング91の脱落が阻止されるため、螺子止め等は省略することができる。この構造により、コイルスプリングの組み付け作業を簡略化することができる。
本実施形態のブラケット5では、収納部52は、複数の金属板材で構成されており、複数の金属板材を溶接により接合した形状を有する。具体的には、図3に示したように、収納部52は、フレーム用ブラケット16に接面する接続部として機能する第1部材523と、第1部材523における車体の前後方向の一端部に溶接に固定される第2部材524と、第1部材523における車体の前後方向の他端部に溶接に固定される第3部材525と、第3部材525の一端部に固定される第4部材526とを有する。第2部材524と第3部材525は、ブラケット5の側壁部を構成する。第4部材は、第3部材ではなく、第2部材の端部に溶接により固定される形状としてもよい。
第1部材523は、平坦部と当該平坦部から車幅方向の外側に向かって両端部が突出するように金属板材の縁部を折り曲げた突部とを有する。第1部材523の平坦部の下方には、車体の外側に向けて傾斜する傾斜部を有する。第2部材524、及び第3部材525は、平坦な板状であり、傾斜部を有しており、車体の下方に向かって幅が小さくなる形状である。第4部材526は、金属板材を円弧状に折り曲げた形状を有する。第2部材524の他端部と、第3部材525の他端部とは、第1部材523の突部に対して溶接により固定される。第4部材526の一端部は、第3部材525の一端部に溶接により固定される。そして、第1部材523、第2部材524、第3部材525、及び第4部材526は、それぞれの上端部が、上記受座51に対して、溶接により固定される。本実施形態の例では、このようにして、収納部52が構成される。
収納部52を上記のように、分割することにより、収納部を金属板材の曲げ加工によって容易に成形することができる。例えば、収納部が複雑な形状であっても、複数の金属板材に分割することにより、金属板材の曲げ加工により成形することが可能であるし、曲げ加工の際に金属板材が局所的に引き伸ばされて板厚が局所的に減少する現象が比較的に生じにくくなる。
収納部52の上端部は、平坦な金属板材で構成された受座51が溶接により固定され、上端の開口部が閉じられた形状とされている。収納部52の下端部の開口部522は、開口したままの形状とされており、コイルスプリング91を収納部52の内部に受け入れるのに適した形状とされる。
収納部52がフレーム用ブラケット16に対して接面する部分には、コイルスプリング91の線条911が延びる方向に沿って延びる長孔7が設けられている。当該長孔7は、車体の前後方向に沿って長く、車体の上下方向に沿って短い形状であり、収納部52を構成する金属板材を貫通する貫通孔である。
長孔の短手方向における幅は、コイルスプリングの線条の直径よりも大きいことが好ましく、特に限定されないが、例えば、コイルスプリングの線条の直径の1.1~5倍、好ましくは1.2~4倍である。
本実施形態の支持構造1は、上述のように、フレーム部2を備える。フレーム部2のサイドメンバ22には、フレーム用ブラケット16が溶接により固定される。フレーム用ブラケット16は、平坦な金属板材であり、車体の前後方向に平坦な板が延在する形状であり、溶接によって、フレーム用ブラケット16の一方の面がサイドメンバ22に対して固定される。フレーム用ブラケットの他方の面には第1補強部材13、第2補強部材14、第3補強部材15、コイルスプリング用ブラケット5が溶接により固定される。
ブラケット5は、上述の第1取付部531及び第2取付部532によって、第2クロスメンバ24に対して固定されると共に、フレーム用ブラケット16に対しても溶接により固定される。具体的には、ブラケット5の車体の前後方向における両端部が車体の上下方向に沿って、フレーム用ブラケット16に対して溶接されると共に、後述する長孔7の縁部においてもフレーム用ブラケット16に対して溶接により固定される。
ブラケット5と、フレーム用ブラケット16とは、前記長孔における縁部と、前記長孔7から露出するフレーム用ブラケット16とを溶接することにより接合される。具体的には、図5において太線で示したように、前記長孔7における縁部と、前記長孔から露出するフレーム用ブラケットとが溶接により接合される。前記溶接は、長孔7における、少なくとも二つの長辺部のうちの一方と、二つの短辺部とに施される。本実施形態では、図5に示したように、上側の長辺部と、左右の円弧状の両短辺部とに溶接を施す。なお、図5においては、溶接箇所を明示するために、第4部材526を省略した形状を示す。
フレーム用ブラケット16に対しては、第1補強部材13、第2補強部材14、及び第3補強部材15も溶接により固定される。具体的にこれらの部材は、図1において、太線で示した個所で、フレーム用ブラケット16に固定される。
第1補強部材13は、幅と長さとを比較した際に、一方の寸法が他方よりも大きい長尺部材として構成される。図1に示したように、第1補強部材13の長手方向の一辺は、フレーム用ブラケット16に対して、長手方向に沿って、溶接により固定される。第1補強部材13の長手方向の他辺は、受座51の上面に対して、長手方向に沿って、溶接により固定される。これによって、フレーム用ブラケット16又は平坦な受座51に対して溶接する際の溶接長が大きくなり、入力に対する剛性、強度が大きくなるようにされている。第1補強部材13は、長手方向が車体の前後方向となるように、フレーム用ブラケット16に固定される。
第1補強部材13の両端部は、それぞれ、第2補強部材14、又は第3補強部材15に向かって延びる突出部を有する。当該突出部の縁部と第2補強部材14、又は第3補強部材15とを溶接することにより、第1補強部材13と第2補強部材14、又は第3補強部材15とが、より強固に固定される。
第2補強部材14、及び第3補強部材15は、幅と長さとを比較した際に、一方の寸法が他方よりも大きい長尺部材として構成される。また、第2補強部材14、又は第3補強部材15は、それぞれ、第1支持部11、又は第2支持部12の長さよりも大きく構成される。
図1に示したように、第2補強材14の長手方向の一辺は、フレーム用ブラケット16に対して、長手方向に沿って、溶接により固定される。第2補強部材14の長手方向の他辺は、長手方向に沿って、ブラケット5の側壁部に対して溶接により固定される。同様に、第3補強材15の長手方向の一辺は、フレーム用ブラケット16に対して、溶接により固定される。第3補強部材15の長手方向の他辺は、ブラケット5の側壁部に対して溶接により固定される。これによって、第2補強部材14、又は第3補強部材15を、フレーム用ブラケット16に対して溶接する際の溶接長が大きくなり、入力に対する剛性、強度が大きくなるようにされている。第2補強材14、及び第3補強材15は、長手方向が車体の上下方向となるようにフレーム用ブラケット16に固定される。このとき、第2補強部材14、及び第3補強部材15は、必ずしも、それらの長手方向の軸線が鉛直方向に一致するようにする必要はなく、適宜、角度を変更することができる。
第1支持部11は、第2補強部材14の上端部に設けられる。第2支持部12は、第3補強部材15の上端部に設けられる。第2補強部材14、及び第3補強部材15は、共に長尺部材であり、ブラケット5に対して固定される。アッパーアームの取付部として機能する第1支持部11及び第2支持部12は、ブラケット5の上方に配置される。
ブラケット5には、バンプストッパー(図示略)を固定するためのバンプストッパー用のブラケット8が固定される。バンプストッパーは、ロアアームの上面に対向する位置に設けられ、ロアアームの過剰な揺動を規制する。
第1クロスメンバ23、及び第2クロスメンバ24の左右の端部には、図2に示したように、第1壁に貫通孔232、242が設けられており、第2壁にも貫通孔233、243が設けられる。なお、貫通孔232、233は、連結部25にも設けられる。第1クロスメンバ23の貫通孔と連結部25の貫通孔とは、重なった状態で連通する。図1に示したように、ロアアーム9を取り付けた状態では、第1クロスメンバ23の貫通孔232、233と、ロアアーム9の基端部のうちの一方に設けられたブッシュの貫通孔とが連通する。これらの貫通孔に、軸を挿通及び固定することにより、第1クロスメンバ23の左右の端部は、ロアアーム9の基端部のうちの一方を上下方向に揺動可能な状態で支持する軸支部として機能する。当該軸支部は、ロアアーム9の取付部として機能する。
同様に、ロアアーム9を取り付けた状態では、第2クロスメンバ24の貫通孔242、243と、ロアアーム9の基端部のうちの他方に設けられたブッシュの貫通孔とは、連通する。これらの貫通孔に、軸を挿通及び固定することにより、第2クロスメンバ24の左右の端部は、ロアアーム9の基端部のうちの他方を上下方向に揺動可能な状態で支持する軸支部として機能する。当該軸支部は、ロアアーム9の取付部として機能する。
上述の、第1補強部材13、第2補強部材14、及び第3補強部材15は、いずれも、金属板で構成される。本実施形態の取付構造においては、何れも金属板を折り曲げた部分を有する形状としている。これにより、それぞれの部材の剛性と強度が向上する。本実施形態の例では、第2補強部材14、及び第3補強部材15は、板状の第1壁と板状の第2壁とを接合した断面がL字状の部材である。第1補強部材13も、板状の第1壁と板状の第2壁とを接合した断面がL字状の部材である。第1補強部材は、多段に折り曲げた状にしてもよい。
本実施形態の取付構造においては、第1支持部11、第2支持部12、第1補強部材13、第2補強部材14、第3補強部材15、コイルスプリング用ブラケット5、及びフレーム部2が、金属板材のプレス成型又は金属板材の曲げ加工により成形される。このため、各部材は、中空構造であり、車体の軽量化に寄与する。フレーム部には、サイドメンバ22、第1クロスメンバ23、第2クロスメンバ24、及び連結部25が含まれる。
上記コイルスプリング用ブラケット5においては、車輪から入力があった際に、ブラケット5を車体側の部材に接合する接合部の内壁に対して、コイルスプリング91が干渉しないように長孔による対策がされている。車輪から入力があった際には、ロアアームが上方に揺動して、コイルスプリング91が圧縮される。このとき、コイルスプリング91が屈曲するように変形し、前記接合部に干渉して異音を生じさせることがある。本実施形態のブラケット5は、コイルスプリング91の線条911が延びる方向に沿って延びる長孔7が設けられており、当該長孔7は収納部5を構成する金属板材を貫通する貫通孔であるため、コイルスプリング91が屈曲するように変形した際に、コイルスプリング91の線条911を長孔7に逃がすことができる。これにより、前記接合部の内壁とコイルスプリング91の線条911との干渉が防止される。また、長孔の上部は、開口されておらず、板状部とされている。これにより、剛性を確保している。
上記の長孔7は、ブラケット5をフレーム用ブラケットなどの車体を構成する部材に対して溶接する部分として利用される。図5において太線で示したように、長孔7における縁部と、前記長孔7から露出するフレーム用ブラケット16とが溶接により接合されており、前記溶接は、少なくとも二つの長辺部のうちの一方と、二つの短辺部とに施されるものとすることにより、第1取付部531及び第2取付部532とブラケット5の側壁部との接続部分(図2の符号Aの部分)における応力集中を低減し、長期的な強度を向上させ、前記接続部分における部材のひずみを低減することができる。長孔の縁を上記のように溶接することにより、鉛直方向における溶接幅C(図5)が大きくなり、車輪から入力があった際に、ブラケットの上端部が第1取付部531及び第2取付部532を支点として、車体の外側に向かって倒れ込むように回転する動作が抑えられる。これにより、第1取付部531及び第2取付部532とブラケットの接合部における応力集中が小さく抑えられる。
図1ないし図5に示した本実施形態のブラケット5を備えるサスペンションアームの支持構造においては、第2取付部532とブラケット5の側壁部との溶接部分Aにおける応力値は、図6及び図7に示したブラケット5bを備えるサスペンションアームの支持構造1bにおける、第1取付部531b、及び第2取付部532bとブラケット5bの側壁部との溶接部分Bにおける応力値に比して、15%低減された。ブラケット5bは、長孔に替えて、上端部から車体の下方に向けて方形状に切り欠かれた開口部522が設けられた形状であり、分割形状ではなく、上述の第1部材523と第2部材524と第3部材とを1枚の連続する板材を曲げ加工により成形した形状を有する。図6において太線で示したように、車体の上下方向に沿って延在する縁部と車体の前後方向に沿って延在する縁部と、フレーム用ブラケット16とが、溶接により固定されている。
支持構造で支持するサスペンションアームは、ダブルウィッシュボーン式の懸架装置のアッパーアーム及びロアアームに限定されるものではない。サスペンションアームを車体の前後方向に離隔した状態で2つ備えている懸架装置であれば、支持構造で支持することができる。
上述の支持構造は、サスペンションアーム、車輪の支持部材、エンジンなどの車体を構成する部品を取り付けるためのクロスメンバ構造を構成する。上記のコイルスプリング用ブラケットを適用する支持構造は、このクロスメンバ構造に限定されない。コイルスプリング用ブラケットは、その他の構成を有する車体のフレーム等の部材に対して適用してもよい。
91 コイルスプリング
911 線条
5 コイルスプリング用ブラケット
51 受座
52 収納部
522 開口部
7 長孔
16 フレーム用ブラケット
1 サスペンションアームの支持構造
531 第1取付部
532 第2取付部
23 第1クロスメンバ
24 第2クロスメンバ

Claims (7)

  1. 車体の上下方向に揺動するサスペンションアームに一端部が支持されたコイルスプリングの他端部を支持するコイルスプリング用ブラケットであり、
    当該ブラケットは、コイルスプリングの他端部を受ける板状の受座と、当該受座に一端部が接続され、コイルスプリングの他端部を内蔵する板状の収納部とを有しており、
    当該収納部は、コイルスプリングの少なくとも一部を取り囲み、他端部にコイルスプリングを受け入れる開口部を有する形状であり、
    前記収納部は、コイルスプリングの線条が延びる方向に沿って延びる長孔が設けられており、前記長孔は収納部を構成する金属板材を貫通する貫通孔である自動車のコイルスプリング用ブラケット。
  2. 前記収納部は、複数の金属板材で構成されており、複数の金属板材を溶接により接合した形状である請求項1に記載の自動車のコイルスプリング用ブラケット。
  3. 請求項1又は2に記載の自動車用のコイルスプリング用ブラケットと、当該コイルスプリング用ブラケットを固定するためのフレーム用ブラケットとを備えるサスペンションアームの支持構造であり、
    フレーム用ブラケットと、コイルスプリング用ブラケットとは、前記長孔における縁部と、前記長孔から露出するフレーム用ブラケットとを溶接により接合した形状であるサスペンションアームの支持構造。
  4. 前記自動車のコイルスプリング用ブラケットの側壁部は、車体の前後方向に間隔をあけて配置された金属板材で構成される第1取付部と第2取付部との間に挟持された形状であり、
    フレーム用ブラケットと、コイルスプリング用ブラケットとは、前記長孔における縁部と、前記長孔から露出するフレーム用ブラケットとが溶接により接合されており、
    前記溶接は、前記長孔における、少なくとも二つの長辺部のうちの一方と、二つの短辺部とに施された形状である請求項4に記載のサスペンションアームの支持構造。
  5. アッパーアームの取付部と、ロアアームの取付部とをさらに備える請求項3に記載のサスペンションアームの支持構造。
  6. 前記ロアアームの取付部は、車幅方向に延在する形状の第1クロスメンバと第2クロスメンバとに設けられた軸支部である請求項5に記載のサスペンションアームの支持構造。
  7. 前記アッパーアームの取付部は、前記コイルスプリング用ブラケットの上方に設けられた軸支部である請求項5に記載のサスペンションアームの支持構造。
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