JP4133724B2 - サスペンションブッシュ用ワッシャ - Google Patents
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Description
図7に示すように、自動車の車輪W,Wを懸架するトーションビーム式サスペンションS1は、適度な弾性を持った略U字型断面の鋼材からなるトーションビーム100を備えている。トーションビーム100は、車幅方向に向けて配設される。このトーションビーム100の左右両端部には、車体後方側に緩く屈曲して車体の前後方向に延びる左右一対のトレーリングアーム101,101が溶接により接合されている。
車輪W,Wは、左右のトレーリングアーム101,101の後端外側に懸架されている。
トレーリングアーム101,101の車体前方側の端部は、ブッシュ110,110を介して車体側のブラケット(図示せず)に上下揺動自在に取り付けられている。一方、左右のトレーリングアーム101,101の車体の後部内側は、ブラケット102,102が一体形成され、そのブラケット102,120にブッシュ130,130を介して上下揺動を減衰させるダンパ140,140が締結手段150,150によって連結されている。
ダンパ140,140の上端は、アッパーインシュレータ141,141を介して車体側のブラケット(図示せず)に揺動自在に連結されている。
そして、トレーリングアーム101,101に負荷される上下方向の衝撃を緩衝する懸架用ばね部材120,120は、トレーリングアーム101,101とトーションビーム100との接合部付近に固定されたばね座104,104と、車体側ばね座(図示せず)に挟持されている。
ダンパ140は、トレーリングアーム101の上下揺動を減衰させる部材であり、ダンパ本体143と、ダンパ本体143の下端に溶接手段によって接合された円筒状の軸受からなる支持軸142を備える。このようなダンパ140では、トレーリングアーム101とダンパ140との結合部の構造によって、乗り心地が左右されるため、通常、ダンパ140の支持軸142にブッシュ130が介装されている。
このとき、締結手段150のワッシャ153は、図8(b)に示すように、ボルト151の中心Oに上下、左右ともに対称になるように締結される。
そして、そのワッシャ153が周辺部材の一部を避けて設置されたとしても、締結時には組み付け用の治具によって回転方向を規制する必要があるため、締結作業の作業性が悪くなるという問題点がある。
なお、本発明の一実施の形態として、自動車に搭載される後輪側のダンパの下端部に設置されるブッシュを例にして説明する。
また、本発明の実施の形態では、「前」は車両の進行方向側、「後」は車両の後退方向側、「上」は鉛直上方側、「下」は鉛直下方側、「左右」は車幅方向側とする。
ブッシュ3,3は、金属製の内筒及び外筒と、内筒と外筒との間に介在した合成ゴムなどからなる緩衝材とから形成されている。
また、トレーリングアーム2,2の上下方向の衝撃を緩衝する懸架用ばね部材4,4は、下端をトレーリングアーム2,2のう車体前後方向の中間部に固定されたばね座24,24に支持され、上端を車体に設けられたばね座(図示せず)に挟持されている。
そして、トレーリングアーム2,2の上下揺動を減衰させるダンパ6,6は、下端をトレーリングアーム2,2の後端内側に溶接手段によって固定されたダンパ用のブラケット21,21に、ブッシュ5,5を介して締結手段7,7によって連結されている。
ダンパ6,6の上端は、アッパーインシュレータ61,61を介して車体側部材(図示せず)に揺動自在に連結されている。
図4(a)、(b)に示すように、ダンパ6は、トレーリングアーム2の上下揺動を減衰させるための部材であり、ダンパ本体63と、ダンパ本体63の下端に溶接手段によって接合された円筒状の軸受からなる支持軸62を備える。このようなダンパ6では、トレーリングアーム2とダンパ6との結合部の構造によって、乗り心地が左右されるため、支持軸62にブッシュ5を圧入して、半浮動マウントされている。
なお、ダンパ本体63は、特許請求の範囲に記載の「サスペンションブッシュの周辺に設置された部品」に相当する。この「サスペンションブッシュの周辺に設置された部品」は、ダンパ本体63に限定されるものではなく、サスペンションブッシュの周辺に設置されて、ワッシャ73に干渉する可能性がある部品も含む。
なお、ブッシュ5は、特許請求の範囲に記載の「サスペンションブッシュ」に相当する。
なお、ボルト71は、座金部71bがない一般的なボルト(例えば、JIS B 1180に規定のボルトなど)であってもよい。また、座金部71bは、ボルト71とは別体の平座金などであってもよい。
ナット72は、例えば、一般的な形状からなる六角ナット(例えば、JIS B 1181に規定のナットなど)であり、ブラケット21の裏面側にワッシャ74を介してボルト71のねじ部71cに螺着される。
ダンパ6をトレーリングアーム2に組み付けるには、図1、図2及び図4に示すように、ブラケット21の軸筒部22(図4(a)参照)に、支持軸62に圧入されたブッシュ5を嵌入し、ワッシャ73を介してボルト71を軸筒部22(図4(a)参照)に挿通してブラケット21の裏面側からワッシャ74を介してナット72によって締め付ける。
図4(a)に示すように、ブッシュ5は、ブラケット21とワッシャ73とで挟持された状態で、ボルト71とナット72とによって締結されている。
図4(b)に示すように、ワッシャ73は、ブッシュ5より大きく支持軸62の側面と略同じ大きさに形成されている。このため、ブッシュ5に外力がかかって緩衝材53が軸筒部22の軸線方向に移動してずれたとしても、その緩衝材53の移動がワッシャ73によって阻止される。ワッシャ73は、ブッシュ5の外径より大きいため、ブッシュ5の側面全体を支持してブッシュ5が支持軸62から脱落することを防止できる。
これにより、ダンパ6の揺動及び伸縮による力は、直接ワッシャ73にかかることがなく、その力によってワッシャ73が変形したり、音が発生することも防止される。
したがって、ダンパ6の動きはスムーズになり、ワッシャ73はしっかりとブッシュ5及び支持軸62を保持することができる。
ワッシャ73は、図4(a)、(b)に示す略長円形のものに限定されるものではなく、重心P1の位置が締結位置の中心O1から鉛直下方向にずれていればよく、例えば、図5に示すように、略長方形のワッシャ8でもよい。
そのワッシャ8は、中央部に鉛直上下方向に長い長孔8aを穿設し、左右にL字状に折曲した鍔部8b,8cを有する金属製平板から形成されている。長孔8aは、ボルト71を鉛直上下方向に移動可能に形成されている。鍔部8b,8cは、ワッシャ8の左右両側を折曲したことにより、ワッシャ8自体を補強すると共に、両鍔部8b,8c間に配設されるボルト71の頭部71aが隠れるため、頭部71aを外力から保護することができる。
なお、長孔8aは、特許請求の範囲に記載の「孔」に相当する。
したがって、前記した実施の形態の逃げ部73a(図4(b)参照)同様にワッシャ8の上端8dは、ダンパ6(図4(a)参照)が揺動しても干渉することがない。
また、ワッシャ8は、図6に示すように、ボルト71の径D1より大きな内径D2でなる孔9aを有するワッシャ9であってもよい。ワッシャ9は、ボルト71を上下左右方向に移動できるような大きな孔9aを穿設した金属製の平座金によって形成されている。
このように構成しても、ワッシャ9は、ボルト71が挿入されたときに、自重によって鉛直下側に移動して、重心P2が締結位置の中心O2より下方になる。このため、ワッシャ9の上端9bから締結位置の中心O2までの長さL7が短く、ワッシャ9が鉛直下方向にずれた分だけ、上端9bをダンパ本体63の下端部63a(図4(b)参照)から離れた位置に設置させることができる。
したがって、前記した実施の形態の逃げ部73a(図4(b)参照)同様にワッシャ9の上端9bは、ダンパ6が揺動してもダンパ本体63(図4(a)参照)に干渉することがない。
また、ブッシュ5は、図4(a)に示すようなゴム製の緩衝材53に限定されるものではなく、合成樹脂やオイルや空気などからなる緩衝材を有したものであってもよく、その構造は特に限定されない。
そして、ブッシュ5が設置される箇所は、ダンパ6以外のサスペンションSであってもよい。このため、逃げ部73aは、ダンパ6の回避用に限定されるものではなく、ワッシャ73,8,9の周辺に設置された部品との干渉を回避するためのものである。
5 ブッシュ(サスペンションブッシュ)
6 ダンパ
7 締結手段
8,9,73 ワッシャ
8a 長孔(孔)
9a 孔
62 支持軸
73a 逃げ部
74 ワッシャ
S サスペンション
P,P1,P2 ワッシャの重心
O,O1,O2 締結位置の中心
Claims (1)
- 車両のサスペンションブッシュの支持軸に締結手段により締結されるサスペンションブッシュ用ワッシャであって、
前記支持軸あるいは前記締結手段のどちらか一方に支持されると共に、前記サスペンションブッシュに取り付けるときに、前記ワッシャが、鉛直下方向に移動できるように形成した孔と、
前記ワッシャの左右両側に、締結手段の頭部が隠れるL字状に折曲した鍔部と、
を有することを特徴とするサスペンションブッシュ用ワッシャ。
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- 2003-10-10 JP JP2003351666A patent/JP4133724B2/ja not_active Expired - Fee Related
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