JP2001121933A - ダブルウィッシュボーン式サスペンション及びそのアッパーリンク並びにロアーリンク - Google Patents
ダブルウィッシュボーン式サスペンション及びそのアッパーリンク並びにロアーリンクInfo
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- JP2001121933A JP2001121933A JP30551199A JP30551199A JP2001121933A JP 2001121933 A JP2001121933 A JP 2001121933A JP 30551199 A JP30551199 A JP 30551199A JP 30551199 A JP30551199 A JP 30551199A JP 2001121933 A JP2001121933 A JP 2001121933A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 製造が容易でかつ長期信頼性に優れた新規な
ダブルウィッシュボーン式サスペンション及びそのアッ
パーリンク並びにロアーリンクの提供。 【解決手段】 ダブルウィッシュボーン式サスペンショ
ンのアッパーリンク20のアーム21が断面コ字形をした一
対のアーム部材27,28 を対向するように上下に組み合わ
せた中空構造となっていると共に、その一方のアーム部
材28の屈曲部が他方のアーム部材27の屈曲部側に接近し
てそのジョイント部23で重なり合うように形成されてい
る。これによって、製造やボールジョイント26の組み付
けが容易となる上に、長期信頼性等が向上する。
ダブルウィッシュボーン式サスペンション及びそのアッ
パーリンク並びにロアーリンクの提供。 【解決手段】 ダブルウィッシュボーン式サスペンショ
ンのアッパーリンク20のアーム21が断面コ字形をした一
対のアーム部材27,28 を対向するように上下に組み合わ
せた中空構造となっていると共に、その一方のアーム部
材28の屈曲部が他方のアーム部材27の屈曲部側に接近し
てそのジョイント部23で重なり合うように形成されてい
る。これによって、製造やボールジョイント26の組み付
けが容易となる上に、長期信頼性等が向上する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のタイヤを
支持するサスペンションの一つであるダブルウィッシュ
ボーン式サスペンション及びこれを構成するアッパーリ
ンク並びにロアーリンクに関するものである。
支持するサスペンションの一つであるダブルウィッシュ
ボーン式サスペンション及びこれを構成するアッパーリ
ンク並びにロアーリンクに関するものである。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら自動車のフロントサスペンションに多用されているダ
ブルウィッシュボーン式サスペンションは、一般に、図
６及び図７に示すように、タイヤＴを支持，操舵するナ
ックルアーム１と、このナックルアーム１の上下端をボ
ールジョイント２，３を介してそれぞれ車体（図示せ
ず）側から揺動自在に支持するアッパーリンク４及びロ
アーリンク５と、タイヤＴにかかる荷重を支えるダンパ
ー６及びコイルバネ７とから主に構成されている。
ら自動車のフロントサスペンションに多用されているダ
ブルウィッシュボーン式サスペンションは、一般に、図
６及び図７に示すように、タイヤＴを支持，操舵するナ
ックルアーム１と、このナックルアーム１の上下端をボ
ールジョイント２，３を介してそれぞれ車体（図示せ
ず）側から揺動自在に支持するアッパーリンク４及びロ
アーリンク５と、タイヤＴにかかる荷重を支えるダンパ
ー６及びコイルバネ７とから主に構成されている。
【０００３】そして、このようなダブルウィッシュボー
ン式サスペンションを構成する各部品のうち、アッパー
リンク４及びロアーリンク５は、一般に、ダンパー６等
との位置関係により、及び図８に示すようにタイヤＴを
操舵した時に干渉しないようにするといった厳しいスペ
ース内に設置される都合上、図示するように、その殆ど
がくの字形又はＶ字形に形成されており、そのくの字形
又はＶ字形に形成されたアーム８の両端にブッシュ取付
部９，９を備えると共に、その屈曲部にボールジョイン
ト２，３を取り付けるためのジョイント部１０を備えた
構造となっている。
ン式サスペンションを構成する各部品のうち、アッパー
リンク４及びロアーリンク５は、一般に、ダンパー６等
との位置関係により、及び図８に示すようにタイヤＴを
操舵した時に干渉しないようにするといった厳しいスペ
ース内に設置される都合上、図示するように、その殆ど
がくの字形又はＶ字形に形成されており、そのくの字形
又はＶ字形に形成されたアーム８の両端にブッシュ取付
部９，９を備えると共に、その屈曲部にボールジョイン
ト２，３を取り付けるためのジョイント部１０を備えた
構造となっている。
【０００４】ところで、このような形状及び構造をした
従来のアッパーリンク４及びロアーリンク５は、厳しい
スペースレイアウトの中で所定の強度，剛性を満足する
ため中空（閉断面）構造となっている場合が多い。
従来のアッパーリンク４及びロアーリンク５は、厳しい
スペースレイアウトの中で所定の強度，剛性を満足する
ため中空（閉断面）構造となっている場合が多い。
【０００５】このような中空閉断面構造のアッパーリン
ク４及びロアーリンク５を製造するには、図９及び図１
０に示すように、先ず、断面コ字形をした一対のアーム
部材１１，１２をプレス加工等によってそれぞれ略相似
形になるように製作した後、これらアーム部材１１，１
２をそれぞれ対向するように上下に組み合わせ、その側
面を溶接によって一体化して中空のアーム８を形成し、
次に、例えば、図９に示すように、アーム８の屈曲部の
ジョイント部１０にこれを貫通するように取付部材１３
を溶接した後、この取付部材１３を介してボールジョイ
ント２を取り付けるか、あるいは、図１０に示すよう
に、アーム部材１１，１２の加工形状を変えてジョイン
ト部１０に取付孔１４が形成されるようにし、両アーム
部材１１，１２を組み合わせた後に、その取付孔１４内
にボールジョイント３を挿入し、上下のアーム部材１
１，１２で挟み込むようにしてからボルト等によってジ
ョイント部１０に取り付けるようになっている。
ク４及びロアーリンク５を製造するには、図９及び図１
０に示すように、先ず、断面コ字形をした一対のアーム
部材１１，１２をプレス加工等によってそれぞれ略相似
形になるように製作した後、これらアーム部材１１，１
２をそれぞれ対向するように上下に組み合わせ、その側
面を溶接によって一体化して中空のアーム８を形成し、
次に、例えば、図９に示すように、アーム８の屈曲部の
ジョイント部１０にこれを貫通するように取付部材１３
を溶接した後、この取付部材１３を介してボールジョイ
ント２を取り付けるか、あるいは、図１０に示すよう
に、アーム部材１１，１２の加工形状を変えてジョイン
ト部１０に取付孔１４が形成されるようにし、両アーム
部材１１，１２を組み合わせた後に、その取付孔１４内
にボールジョイント３を挿入し、上下のアーム部材１
１，１２で挟み込むようにしてからボルト等によってジ
ョイント部１０に取り付けるようになっている。
【０００６】しかしながら、先ず、図９に示すように、
ジョイント部１０にこれを貫通するように取付部材１３
を溶接した後、この取付部材１３を介してボールジョイ
ント２を取り付ける構造では、取付部材１３の製作や溶
接作業が必要となってくるため、製作コストが高くなっ
てしまうといった欠点がある。
ジョイント部１０にこれを貫通するように取付部材１３
を溶接した後、この取付部材１３を介してボールジョイ
ント２を取り付ける構造では、取付部材１３の製作や溶
接作業が必要となってくるため、製作コストが高くなっ
てしまうといった欠点がある。
【０００７】一方、図１０のようにジョイント部１０の
取付孔１４内にボールジョイント３を挿入して上下のア
ーム部材１１，１２で挟み込むようにして取り付けるよ
うな構造では、ジョイント部１０の精度を厳しく管理す
る必要があるため、高い加工精度が要求される上に、ア
ーム部材１１，１２の溶接がこのジョイント部１０で途
切れてしまうため、この部分が錆や亀裂の発生起点とな
り易く、長期信頼性に乏しいといった欠点がある。
取付孔１４内にボールジョイント３を挿入して上下のア
ーム部材１１，１２で挟み込むようにして取り付けるよ
うな構造では、ジョイント部１０の精度を厳しく管理す
る必要があるため、高い加工精度が要求される上に、ア
ーム部材１１，１２の溶接がこのジョイント部１０で途
切れてしまうため、この部分が錆や亀裂の発生起点とな
り易く、長期信頼性に乏しいといった欠点がある。
【０００８】また、これらアッパーリンク４及びロアー
リンク５は、いずれもそのジョイント部１０のアーム部
材１１，１２が、互いに離れた状態であるため、ボール
ジョイント２，３に上下の荷重が加わった場合に、その
荷重がいずれか一方のアーム部材１１，１２側に集中し
やすいといった欠点がある。
リンク５は、いずれもそのジョイント部１０のアーム部
材１１，１２が、互いに離れた状態であるため、ボール
ジョイント２，３に上下の荷重が加わった場合に、その
荷重がいずれか一方のアーム部材１１，１２側に集中し
やすいといった欠点がある。
【０００９】そこで、本発明はこのような課題を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は、製
造が容易でかつ長期信頼性に優れた新規なダブルウィッ
シュボーン式サスペンション及びそのアッパーリンク並
びにロアーリンクを提供するものである。
解決するために案出されたものであり、その目的は、製
造が容易でかつ長期信頼性に優れた新規なダブルウィッ
シュボーン式サスペンション及びそのアッパーリンク並
びにロアーリンクを提供するものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１の発明は、略くの字形に形成されたアーム
の両端にこれを車体側に揺動自在に支持するブッシュ取
付部を備えると共に、そのアームの屈曲部にボールジョ
イントを取り付けるためのジョイント部を備えたダブル
ウィッシュボーン式サスペンションのアッパーリンクに
おいて、上記アームが断面コ字形をした一対のアーム部
材を対向するように上下に組み合わせた中空構造となっ
ていると共に、そのアーム部材の一方の屈曲部が他方の
アーム部材の屈曲部に接近、又は両方のアーム部材の屈
曲部が互いに接近してそのジョイント部で重なり合うよ
うに形成されているダブルウィッシュボーン式サスペン
ションのアッパーリンクであり、請求項２の発明は、さ
らに上記アーム部材同士が溶接によって組み合わされ、
その溶接線が上記アームの一端部から他端部に亘って連
続しているダブルウィッシュボーン式サスペンションの
アッパーリンクである。
に、請求項１の発明は、略くの字形に形成されたアーム
の両端にこれを車体側に揺動自在に支持するブッシュ取
付部を備えると共に、そのアームの屈曲部にボールジョ
イントを取り付けるためのジョイント部を備えたダブル
ウィッシュボーン式サスペンションのアッパーリンクに
おいて、上記アームが断面コ字形をした一対のアーム部
材を対向するように上下に組み合わせた中空構造となっ
ていると共に、そのアーム部材の一方の屈曲部が他方の
アーム部材の屈曲部に接近、又は両方のアーム部材の屈
曲部が互いに接近してそのジョイント部で重なり合うよ
うに形成されているダブルウィッシュボーン式サスペン
ションのアッパーリンクであり、請求項２の発明は、さ
らに上記アーム部材同士が溶接によって組み合わされ、
その溶接線が上記アームの一端部から他端部に亘って連
続しているダブルウィッシュボーン式サスペンションの
アッパーリンクである。
【００１１】また、請求項３の発明は、略くの字形に形
成されたアームの両端または一方にこれを車体側に揺動
自在に支持するブッシュ取付部を備えると共に、そのア
ームの屈曲部にボールジョイントを取り付けるためのジ
ョイント部を有するダブルウィッシュボーン式サスペン
ションのロアーリンクにおいて、上記アームが断面コ字
形をした一対のアーム部材を対向するように上下に組み
合わせた中空構造となっていると共に、そのアーム部材
の一方の屈曲部が他方のアーム部材の屈曲部に接近、又
は両方のアーム部材の屈曲部が互いに接近してそのジョ
イント部で重なり合うように形成されているダブルウィ
ッシュボーン式サスペンションのロアーリンクであり、
さらに、請求項４の発明は上記アーム部材同士が溶接に
よって組み合わされ、その溶接線が上記アームの一端部
から他端部に亘って連続しているダブルウィッシュボー
ン式サスペンションのロアーリンクである。
成されたアームの両端または一方にこれを車体側に揺動
自在に支持するブッシュ取付部を備えると共に、そのア
ームの屈曲部にボールジョイントを取り付けるためのジ
ョイント部を有するダブルウィッシュボーン式サスペン
ションのロアーリンクにおいて、上記アームが断面コ字
形をした一対のアーム部材を対向するように上下に組み
合わせた中空構造となっていると共に、そのアーム部材
の一方の屈曲部が他方のアーム部材の屈曲部に接近、又
は両方のアーム部材の屈曲部が互いに接近してそのジョ
イント部で重なり合うように形成されているダブルウィ
ッシュボーン式サスペンションのロアーリンクであり、
さらに、請求項４の発明は上記アーム部材同士が溶接に
よって組み合わされ、その溶接線が上記アームの一端部
から他端部に亘って連続しているダブルウィッシュボー
ン式サスペンションのロアーリンクである。
【００１２】また、請求項５の発明は、上記請求項１又
は２に記載のアッパーリンクと、請求項３又は４に記載
のロアーリンクとを備えたダブルウィッシュボーン式サ
スペンションである。
は２に記載のアッパーリンクと、請求項３又は４に記載
のロアーリンクとを備えたダブルウィッシュボーン式サ
スペンションである。
【００１３】すなわち、請求項１に示すような構成をし
たアッパーリンクによれば、そのジョイント部が上下２
枚のリンク部材同士が重ね合って一枚の板材の状態とな
っているため、直ちにそのジョイント部にボールジョイ
ントを取り付けることができる。従って、従来のよう
に、このアッパーリンクとは別に取付部材を製作した
り、これを溶接するといった作業が省略できるため、製
作が容易となり、コストの低減を達成することができ
る。
たアッパーリンクによれば、そのジョイント部が上下２
枚のリンク部材同士が重ね合って一枚の板材の状態とな
っているため、直ちにそのジョイント部にボールジョイ
ントを取り付けることができる。従って、従来のよう
に、このアッパーリンクとは別に取付部材を製作した
り、これを溶接するといった作業が省略できるため、製
作が容易となり、コストの低減を達成することができ
る。
【００１４】また、請求項３に示すような構成をしたロ
アーリンクによれば、同様にそのジョイント部が上下２
枚のリンク部材同士が重ね合って一枚の板材の状態とな
っているため、直ちにそのジョイント部にボールジョイ
ントを取り付けることができる。従って、従来のような
高い加工精度が不要となるため、製作が容易となり、コ
ストの低減を達成することができる。
アーリンクによれば、同様にそのジョイント部が上下２
枚のリンク部材同士が重ね合って一枚の板材の状態とな
っているため、直ちにそのジョイント部にボールジョイ
ントを取り付けることができる。従って、従来のような
高い加工精度が不要となるため、製作が容易となり、コ
ストの低減を達成することができる。
【００１５】さらに、請求項２のアッパーリンク及び請
求項４のロアーリンクによれば、上下２枚のリンク部材
を接合するための溶接線がジョイント部で途切れること
なく、連続した一本の線となるため、錆や亀裂が発生し
難くなり、長期信頼性が向上する。
求項４のロアーリンクによれば、上下２枚のリンク部材
を接合するための溶接線がジョイント部で途切れること
なく、連続した一本の線となるため、錆や亀裂が発生し
難くなり、長期信頼性が向上する。
【００１６】そして、請求項５に示すように、このよう
なアッパーリンク及びロアーリンクを用いることによ
り、製作コストが安価で、かつ、長期信頼性に優れたダ
ブルウィッシュボーン式サスペンションを提供すること
ができる。
なアッパーリンク及びロアーリンクを用いることによ
り、製作コストが安価で、かつ、長期信頼性に優れたダ
ブルウィッシュボーン式サスペンションを提供すること
ができる。
【００１７】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適実施
の一形態を添付図面を参照しながら説明する。
の一形態を添付図面を参照しながら説明する。
【００１８】先ず、図１〜図３は本発明に係るダブルウ
ィッシュボーン式サスペンションのアッパーリンク２０
の実施の一形態を示したものである。
ィッシュボーン式サスペンションのアッパーリンク２０
の実施の一形態を示したものである。
【００１９】図示するように、このアッパーリンク２０
は、略くの字形（Ｖ字形）かつやや斜め下方に湾曲した
アーム２１の両端側にそれぞれリング状のブッシュ取付
部２２，２２が備えられていると共に、そのアーム２１
の屈曲部に水平に位置する略板状のジョイント部２３が
形成された構造となっており、これら各ブッシュ取付部
２２，２２にこのアッパーリンク２０を図示しない車体
側に揺動自在に支持連結するためのブッシュ２４，２４
がそれぞれ取り付けられると共に、ジョイント部２３に
その穿孔孔２５を利用して図示しないナックルアームの
上端側を連結支持するためのボールジョイント２６が取
り付けられるようになっている。
は、略くの字形（Ｖ字形）かつやや斜め下方に湾曲した
アーム２１の両端側にそれぞれリング状のブッシュ取付
部２２，２２が備えられていると共に、そのアーム２１
の屈曲部に水平に位置する略板状のジョイント部２３が
形成された構造となっており、これら各ブッシュ取付部
２２，２２にこのアッパーリンク２０を図示しない車体
側に揺動自在に支持連結するためのブッシュ２４，２４
がそれぞれ取り付けられると共に、ジョイント部２３に
その穿孔孔２５を利用して図示しないナックルアームの
上端側を連結支持するためのボールジョイント２６が取
り付けられるようになっている。
【００２０】また、このアーム２１は、従来と同様に、
断面コ字形をした上下一対のアーム部材２７，２８を互
いに対向するように組み合わせ、その側面を溶接して一
体化されて形成されている。
断面コ字形をした上下一対のアーム部材２７，２８を互
いに対向するように組み合わせ、その側面を溶接して一
体化されて形成されている。
【００２１】そして、図３（Ａ）に示すように各ブッシ
ュ取付部２２，２２からジョイント部２３に至る部分に
あってはその内部が断面略矩形状の中空構造となってい
るのに対し、図３（Ｃ）に示すように、そのジョイント
部２３にあっては、上下のアーム部材２７，２８の屈曲
部が相互に重なり合った状態となっている。
ュ取付部２２，２２からジョイント部２３に至る部分に
あってはその内部が断面略矩形状の中空構造となってい
るのに対し、図３（Ｃ）に示すように、そのジョイント
部２３にあっては、上下のアーム部材２７，２８の屈曲
部が相互に重なり合った状態となっている。
【００２２】すなわち、図２及び図３（Ｂ）に示すよう
に、この上下のアーム部材２７，２８のうち、下方に位
置するアーム部材２８の屈曲部付近には、各ブッシュ取
付部２２，２２から屈曲部にかけて徐々に上方、かつ面
状に隆起した隆起部Ｒが形成されており、この隆起部Ｒ
が両アーム部材２７，２８を組み合わせた際に、アーム
部材２７の下面に当接．密着することで両者が相互に重
なり合ってアーム部材２７，２８の板材が２枚重ねとな
った状態となっている。
に、この上下のアーム部材２７，２８のうち、下方に位
置するアーム部材２８の屈曲部付近には、各ブッシュ取
付部２２，２２から屈曲部にかけて徐々に上方、かつ面
状に隆起した隆起部Ｒが形成されており、この隆起部Ｒ
が両アーム部材２７，２８を組み合わせた際に、アーム
部材２７の下面に当接．密着することで両者が相互に重
なり合ってアーム部材２７，２８の板材が２枚重ねとな
った状態となっている。
【００２３】従って、このようなジョイント部２３に、
図１及び図３（Ｃ）に示すように、適当な数のボルト孔
を形成した後、ボルトＢによってボールジョイント２６
を取り付けることで一枚の板材に対してボールジョイン
ト２６を取り付けるような簡単な工程でボールジョイン
ト２６を取り付けることができるため、従来のようにこ
れとは別に取付部材１３を製作したり、これを溶接する
といった作業が省略できるため、製作が容易となり、コ
ストの低減を達成することが可能となる。しかも、タイ
ヤと車体間に発生する上下荷重がジョイント部２３を構
成する各アーム部材２７，２８に対して常に同時かつ同
方向に加わるため、ジョイント部２３のさらなる強度及
び耐久性も向上する。さらに、アーム部材２７，２８の
周縁部同士の溶接線が両ブッシュ取付部２２，２２間を
連続した線となっているため、亀裂や錆の発生起点がな
くなり、長期信頼性も向上する。尚、このような形態を
した上下アーム部材２７，２８は、従来と同様に、各ア
ーム部材２７，２８に応じた適当な形状の金型を一つあ
るいは２つ以上製作し、プレス加工によって容易に得る
ことができる。
図１及び図３（Ｃ）に示すように、適当な数のボルト孔
を形成した後、ボルトＢによってボールジョイント２６
を取り付けることで一枚の板材に対してボールジョイン
ト２６を取り付けるような簡単な工程でボールジョイン
ト２６を取り付けることができるため、従来のようにこ
れとは別に取付部材１３を製作したり、これを溶接する
といった作業が省略できるため、製作が容易となり、コ
ストの低減を達成することが可能となる。しかも、タイ
ヤと車体間に発生する上下荷重がジョイント部２３を構
成する各アーム部材２７，２８に対して常に同時かつ同
方向に加わるため、ジョイント部２３のさらなる強度及
び耐久性も向上する。さらに、アーム部材２７，２８の
周縁部同士の溶接線が両ブッシュ取付部２２，２２間を
連続した線となっているため、亀裂や錆の発生起点がな
くなり、長期信頼性も向上する。尚、このような形態を
した上下アーム部材２７，２８は、従来と同様に、各ア
ーム部材２７，２８に応じた適当な形状の金型を一つあ
るいは２つ以上製作し、プレス加工によって容易に得る
ことができる。
【００２４】次に、図４は本発明に係るダブルウィッシ
ュボーン式サスペンションのロアーリンク３０の実施の
一形態を示したものであり、その基本的な技術思想及び
効果は上述したアッパーリンク２０と同様である。
ュボーン式サスペンションのロアーリンク３０の実施の
一形態を示したものであり、その基本的な技術思想及び
効果は上述したアッパーリンク２０と同様である。
【００２５】すなわち、図４及び図５に示すように、こ
のロアーリンク３０は、略くの字形かつやや斜め下方に
湾曲したアーム３１を従来と同様に上下一対のアーム部
材３２，３３で形成し、その下方のアーム部材３３の屈
曲部の先端付近をそのまま上方に隆起させて上面側のア
ーム部材３２の屈曲部先端下面側に当接して重ね合わ
せ、その重ね合わせた部分に、図示しないナックルアー
ム下端側のボールジョイント３４を取り付けるためのジ
ョイント部３５を形成したものである。
のロアーリンク３０は、略くの字形かつやや斜め下方に
湾曲したアーム３１を従来と同様に上下一対のアーム部
材３２，３３で形成し、その下方のアーム部材３３の屈
曲部の先端付近をそのまま上方に隆起させて上面側のア
ーム部材３２の屈曲部先端下面側に当接して重ね合わ
せ、その重ね合わせた部分に、図示しないナックルアー
ム下端側のボールジョイント３４を取り付けるためのジ
ョイント部３５を形成したものである。
【００２６】これによって上記アッパーリンク２０側の
ボールジョイント２６と異なる構成のボールジョイント
３４であっても、そのジョイント部３５に一枚の板材に
対して取り付けるような簡単な工程でそのボールジョイ
ント３４を取り付けることができるため、従来のような
高い組み付け精度が不要となって製造工程が簡略化でき
ると共に、タイヤと車体間に発生する上下荷重がジョイ
ント部３４を構成する各アーム部材３２，３３に対して
常に同時かつ同方向に加わるため、ジョイント部３４自
体のさらなる強度及び耐久性も向上する。
ボールジョイント２６と異なる構成のボールジョイント
３４であっても、そのジョイント部３５に一枚の板材に
対して取り付けるような簡単な工程でそのボールジョイ
ント３４を取り付けることができるため、従来のような
高い組み付け精度が不要となって製造工程が簡略化でき
ると共に、タイヤと車体間に発生する上下荷重がジョイ
ント部３４を構成する各アーム部材３２，３３に対して
常に同時かつ同方向に加わるため、ジョイント部３４自
体のさらなる強度及び耐久性も向上する。
【００２７】そして、このような各実施の形態で説明し
たアッパーリンク２０及びロアーリンク３０を用いるこ
とにより、製作コストが安価で、かつ、長期信頼性及び
耐久性等に優れた新規なダブルウィッシュボーン式サス
ペンションを提供することができる。
たアッパーリンク２０及びロアーリンク３０を用いるこ
とにより、製作コストが安価で、かつ、長期信頼性及び
耐久性等に優れた新規なダブルウィッシュボーン式サス
ペンションを提供することができる。
【００２８】尚、本発明の実施の形態では、使用するボ
ールジョイント２６，３４の形態によってアッパーリン
ク２０とロアーリンク３０との形態がやや異なるものと
して説明したが、使用するボールジョイントの形態が同
じであれば、アッパーリンク２０と同じ形態のものをそ
のままロアーリンクとして、また、ロアーリンク３０と
同じ形態のものをそのままアッパーリンクとして使用す
ることも可能である。また、上記各実施の形態では、各
アーム２１，３１を構成する上下アーム部材２７，２８
及び３２，３３のうち、下側に位置するアーム部材２
８，３３の屈曲部側を隆起させて上側のアーム部材２
７，３２の屈曲部側に重ね合わせるようにした場合で説
明したが、下側に位置するアーム部材２８，３３の屈曲
部はそのままで上側のアーム部材２７，３２の屈曲部側
を陥没させたり、あるいは両屈曲部を互いに接近するよ
うな形態としても上記と同様な作用・効果を得ることが
可能となる。
ールジョイント２６，３４の形態によってアッパーリン
ク２０とロアーリンク３０との形態がやや異なるものと
して説明したが、使用するボールジョイントの形態が同
じであれば、アッパーリンク２０と同じ形態のものをそ
のままロアーリンクとして、また、ロアーリンク３０と
同じ形態のものをそのままアッパーリンクとして使用す
ることも可能である。また、上記各実施の形態では、各
アーム２１，３１を構成する上下アーム部材２７，２８
及び３２，３３のうち、下側に位置するアーム部材２
８，３３の屈曲部側を隆起させて上側のアーム部材２
７，３２の屈曲部側に重ね合わせるようにした場合で説
明したが、下側に位置するアーム部材２８，３３の屈曲
部はそのままで上側のアーム部材２７，３２の屈曲部側
を陥没させたり、あるいは両屈曲部を互いに接近するよ
うな形態としても上記と同様な作用・効果を得ることが
可能となる。
【００２９】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、従来のよ
うな高い組み付け精度が不要となって製造工程が簡略化
でき、しかも、別に取付部材を製作したり、これを溶接
するといった作業が省略できるため、製作が容易とな
り、コストの低減を達成することもできる。従って、こ
のようなアッパーリンク及びロアーリンクを用いること
で、安価で、かつ長期信頼性等に優れたダブルウィッシ
ュボーン式サスペンションを容易に提供することができ
る等といった優れた効果を発揮することができる。
うな高い組み付け精度が不要となって製造工程が簡略化
でき、しかも、別に取付部材を製作したり、これを溶接
するといった作業が省略できるため、製作が容易とな
り、コストの低減を達成することもできる。従って、こ
のようなアッパーリンク及びロアーリンクを用いること
で、安価で、かつ長期信頼性等に優れたダブルウィッシ
ュボーン式サスペンションを容易に提供することができ
る等といった優れた効果を発揮することができる。
【図１】本発明に係るダブルウィッシュボーン式サスペ
ンションのアッパーリンクの実施の一形態を示す上面側
斜視図である。
ンションのアッパーリンクの実施の一形態を示す上面側
斜視図である。
【図２】本発明に係るダブルウィッシュボーン式サスペ
ンションのアッパーリンクの実施の一形態を示す下面側
斜視図である。
ンションのアッパーリンクの実施の一形態を示す下面側
斜視図である。
【図３】（Ａ）は、図１中Ａ−Ａ線断面図である。
（Ｂ）は、図１中Ｂ−Ｂ線断面図である。（Ｃ）は、図
１中Ｃ−Ｃ線断面図である。
（Ｂ）は、図１中Ｂ−Ｂ線断面図である。（Ｃ）は、図
１中Ｃ−Ｃ線断面図である。
【図４】本発明に係るダブルウィッシュボーン式サスペ
ンションのロアーリンクの実施の一形態を示す上面側斜
視図である。
ンションのロアーリンクの実施の一形態を示す上面側斜
視図である。
【図５】（Ａ）は、図４中Ａ−Ａ線断面図である。
（Ｂ）は、図４中Ｂ−Ｂ線断面図である。
（Ｂ）は、図４中Ｂ−Ｂ線断面図である。
【図６】従来のダブルウィッシュボーン式サスペンショ
ンの一例を示す斜視図である。
ンの一例を示す斜視図である。
【図７】従来のダブルウィッシュボーン式サスペンショ
ンの一例を示す側面図である。
ンの一例を示す側面図である。
【図８】従来のダブルウィッシュボーン式サスペンショ
ンの一例を示す平面図である。
ンの一例を示す平面図である。
【図９】（Ａ）は、従来のダブルウィッシュボーン式サ
スペンションのアッパーリンクのジョイント部付近の一
例を示す部分斜視図である。（Ｂ）は、図９（Ａ）中Ａ
−Ａ線断面図である。
スペンションのアッパーリンクのジョイント部付近の一
例を示す部分斜視図である。（Ｂ）は、図９（Ａ）中Ａ
−Ａ線断面図である。
【図１０】（Ａ）は、従来のダブルウィッシュボーン式
サスペンションのロアーリンクのジョイント部付近の一
例を示す部分斜視図である。（Ｂ）は、図１０（Ａ）中
Ａ−Ａ線断面図である。
サスペンションのロアーリンクのジョイント部付近の一
例を示す部分斜視図である。（Ｂ）は、図１０（Ａ）中
Ａ−Ａ線断面図である。
20 アッパーリンク 21,31 アーム 22 ブッシュ取付部 23 ジョイント部 24 ブッシュ 26,34 ボールジョイント 27,32 上方アーム部材 28,33 下方アーム部材
【手続補正書】
【提出日】平成１１年１１月５日（１９９９．１１．
５）
５）
【手続補正１】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
Claims (5)
- 【請求項１】 略くの字形に形成されたアームの両端に
これを車体側に揺動自在に支持するブッシュ取付部を備
えると共に、そのアームの屈曲部にボールジョイントを
取り付けるためのジョイント部を備えたダブルウィッシ
ュボーン式サスペンションのアッパーリンクにおいて、
上記アームが断面コ字形をした一対のアーム部材を対向
するように上下に組み合わせた中空構造となっていると
共に、そのアーム部材の一方の屈曲部が他方のアーム部
材の屈曲部側に接近、又は両方のアーム部材の屈曲部同
士が互いに接近してそのジョイント部で重なり合うよう
に形成されていることを特徴とするダブルウィッシュボ
ーン式サスペンションのアッパーリンク。 - 【請求項２】 上記アーム部材同士が溶接によって組み
合わされると共に、その溶接線が上記アームの一端部か
ら他端部に亘って連続していることを特徴とする請求項
１に記載のダブルウィッシュボーン式サスペンションの
アッパーリンク。 - 【請求項３】 略くの字形に形成されたアームの両端ま
たは一方にこれを車体側に揺動自在に支持するブッシュ
取付部を備えると共に、そのアームの屈曲部にボールジ
ョイントを取り付けるためのジョイント部を有するダブ
ルウィッシュボーン式サスペンションのロアーリンクに
おいて、上記アームが断面コ字形をした一対のアーム部
材を対向するように上下に組み合わせた中空構造となっ
ていると共に、そのアーム部材の一方の屈曲部が他方の
アーム部材の屈曲部に接近、又は両方のアーム部材の屈
曲部が互いに接近してそのジョイント部で重なり合うよ
うに形成されていることを特徴とするダブルウィッシュ
ボーン式サスペンションのロアーリンク。 - 【請求項４】 上記アーム部材同士が溶接によって組み
合わされると共に、その溶接線が上記一方のアーム端部
から他方のアーム端部に亘って連続していることを特徴
とする請求項３に記載のダブルウィッシュボーン式サス
ペンションのロアーリンク。 - 【請求項５】 請求項１又は２に記載のアッパーリンク
と、請求項３又は４に記載のロアーリンクとを備えたこ
とを特徴とするダブルウィッシュボーン式サスペンショ
ン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30551199A JP2001121933A (ja) | 1999-10-27 | 1999-10-27 | ダブルウィッシュボーン式サスペンション及びそのアッパーリンク並びにロアーリンク |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30551199A JP2001121933A (ja) | 1999-10-27 | 1999-10-27 | ダブルウィッシュボーン式サスペンション及びそのアッパーリンク並びにロアーリンク |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001121933A true JP2001121933A (ja) | 2001-05-08 |
Family
ID=17946047
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30551199A Pending JP2001121933A (ja) | 1999-10-27 | 1999-10-27 | ダブルウィッシュボーン式サスペンション及びそのアッパーリンク並びにロアーリンク |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001121933A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003104021A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-09 | Bridgestone Corp | 車両用サスペンション装置 |
| DE10229919A1 (de) * | 2002-07-04 | 2004-01-15 | Volkswagen Ag | Lenker in Rohr-Schweiß-Konstruktion für eine Fahrzeugradaufhängung |
| KR20040042596A (ko) * | 2002-11-15 | 2004-05-20 | 현대자동차주식회사 | 차량의 리어서스펜션 |
| US8454041B2 (en) | 2010-07-21 | 2013-06-04 | Kubota Corporation | Suspension arm unit for vehicle |
| US8544251B2 (en) | 2008-06-27 | 2013-10-01 | The Toro Company | Reel mower with cutting units suspended by double A arm suspensions |
| KR101458300B1 (ko) * | 2013-03-04 | 2014-11-04 | 한국산업기술대학교산학협력단 | 더블 위시본 서스펜션 |
| JP2016055659A (ja) * | 2014-09-05 | 2016-04-21 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 自動車用足廻り部品及び自動車用足廻り部品の疲労強度向上方法 |
| JP2020183163A (ja) * | 2019-05-07 | 2020-11-12 | 株式会社ワイテック | 車両用サスペンションアーム |
-
1999
- 1999-10-27 JP JP30551199A patent/JP2001121933A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| KR101458300B1 (ko) * | 2013-03-04 | 2014-11-04 | 한국산업기술대학교산학협력단 | 더블 위시본 서스펜션 |
| JP2016055659A (ja) * | 2014-09-05 | 2016-04-21 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 自動車用足廻り部品及び自動車用足廻り部品の疲労強度向上方法 |
| JP2020183163A (ja) * | 2019-05-07 | 2020-11-12 | 株式会社ワイテック | 車両用サスペンションアーム |
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