JP2023154741A - 摩擦ローラ式増速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】摩擦ローラ式増速機において支持部材に対するローラの固定を容易に行う。【解決手段】摩擦ローラ式増速機10は、円筒状のリング部材22を有する入力軸11と、リング部材22の径方向内方に配置される出力軸12と、リング部材22の内周面、及び、出力軸12の外周面に接触する複数のローラ30と、複数のローラ30を支持する支持部材16,38と、を備えており、ローラ30は、支軸部31と、支軸部31の径方向外側に配置されたローラ部32と、支軸部31とローラ部32との径方向の間に配置され支軸部31に対してローラ部32の回転可能に支持する軸受部33と、を含む。【選択図】図2
Description
本発明は、摩擦ローラ式増速機に関する。
特許文献1には、図8に示すように、電動モータにより駆動される低速シャフト(入力軸)111と、低速シャフト111に設けられる円筒状のリング部材122の内周面に接触する複数のローラ130と、複数のローラ130の外周面に接触する高速シャフト(出力軸)112と、これらの部品が回転自在に取り付けられるハウジング115と、を備えた摩擦ローラ式増速機110が開示されている。
特許文献1の複数のローラ130は、円筒形状に形成されたローラ部132と、ローラ部132の軸方向の両端面から突出する一対の支軸部131とを一体に備えている。一方の支軸部131は、転がり軸受140を介してハウジング115に回転自在に支持されている。他方の支軸部131は、ハウジング115に固定される支持部材138に転がり軸受141を介して回転自在に支持されている。
特許文献1記載の摩擦ローラ式増速機110において、ローラ130をハウジング15に組み付けるには、予めローラ130の支軸部131に転がり軸受140,141を取り付け、その後、転がり軸受140,141をハウジング115及び支持部材138に取り付ける方法が採用される。この場合、転がり軸受140,141の外輪をハウジング115及び支持部材138にしまり嵌めで圧入することは困難であるため、ローラ130の高速回転に伴って、ハウジング115及び支持部材138に対して転がり軸受140,141の外輪が相対回転(クリープ)しやすくなり、これらの摩耗が進行する虞がある。
本開示は、摩擦ローラ式増速機において支持部材に対するローラの固定構造を改良することを目的とする。
本発明の摩擦ローラ式増速機は、
円筒状のリング部材を有する入力軸と、
前記リング部材の径方向内方に配置される出力軸と、
前記リング部材の内周面、及び、前記出力軸の外周面に接触する複数のローラと、
前記複数のローラを支持する支持部材と、を備えており、
前記ローラは、前記支持部材に固定される支軸部と、前記支軸部の径方向外側に配置されるローラ部と、前記支軸部と前記ローラ部との径方向の間に配置され前記支軸部に対して前記ローラ部を回転可能に支持する軸受部と、を含む。
円筒状のリング部材を有する入力軸と、
前記リング部材の径方向内方に配置される出力軸と、
前記リング部材の内周面、及び、前記出力軸の外周面に接触する複数のローラと、
前記複数のローラを支持する支持部材と、を備えており、
前記ローラは、前記支持部材に固定される支軸部と、前記支軸部の径方向外側に配置されるローラ部と、前記支軸部と前記ローラ部との径方向の間に配置され前記支軸部に対して前記ローラ部を回転可能に支持する軸受部と、を含む。
本発明によれば、摩擦ローラ式増速機において支持部材に対してローラの支軸部を直接強固に固定することができる。
<本開示の実施形態の概要>
以下、本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
(1)本開示の摩擦ローラ式増速機は、円筒状のリング部材を有する入力軸と、
前記リング部材の径方向内方に配置される出力軸と、
前記リング部材の内周面、及び、前記出力軸の外周面に接触する複数のローラと、
前記複数のローラを支持する支持部材と、を備えており、
前記ローラは、前記支持部材に固定される支軸部と、前記支軸部の径方向外側に配置されるローラ部と、前記支軸部と前記ローラ部との径方向の間に配置され前記支軸部に対して前記ローラ部を回転可能に支持する軸受部と、を含む。
以下、本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
(1)本開示の摩擦ローラ式増速機は、円筒状のリング部材を有する入力軸と、
前記リング部材の径方向内方に配置される出力軸と、
前記リング部材の内周面、及び、前記出力軸の外周面に接触する複数のローラと、
前記複数のローラを支持する支持部材と、を備えており、
前記ローラは、前記支持部材に固定される支軸部と、前記支軸部の径方向外側に配置されるローラ部と、前記支軸部と前記ローラ部との径方向の間に配置され前記支軸部に対して前記ローラ部を回転可能に支持する軸受部と、を含む。
上記構成の摩擦ローラ式増速機は、ローラが、支軸部と、ローラ部と、支軸部に対してローラ部を回転可能に支持する軸受部とを含むので、支持部材に対して支軸部を回転可能に支持する転がり軸受を備える必要が無く、支持部材に支軸部を直接固定することができる。そのため、支持部材に支軸部を圧入したりボルト固定したりすることによって支軸部を強固に固定することができ、支持部材に対する支軸部のクリープを抑制することができる。
(2)好ましくは、前記支軸部の軸方向の一端部が、前記支持部材に固定されている。
この構成によれば、支持部材に対して支軸部を片持ち状に支持することができ、支持部材の構造を簡素化することができる。
この構成によれば、支持部材に対して支軸部を片持ち状に支持することができ、支持部材の構造を簡素化することができる。
(3)好ましくは、前記支軸部に軸方向に貫通する挿入孔が形成され、前記挿入孔に挿入されかつ前記支軸部の前記一端部において前記支持部材に取り付けられる固定具を備える。
このような構成によって、支持部材で支軸部を容易に片持ち状に支持することができる。
このような構成によって、支持部材で支軸部を容易に片持ち状に支持することができる。
(4)上記(2)に代えて、前記支持部材が、前記支軸部の軸方向の一端部が固定される第1支持部材と、前記第1支持部材に連結され、前記支軸部の軸方向の他端部が固定される第2支持部材と、を含むものであってもよい。
これにより、支軸部の軸方向両端部を第1、第2支持部材で安定して支持することができる。
これにより、支軸部の軸方向両端部を第1、第2支持部材で安定して支持することができる。
(5)好ましくは、前記支軸部に、軸方向に延び前記支軸部の軸方向の端面で開口する第1油路と、前記第1油路に連通し、前記支軸部の外周面で開口する第2油路とが形成され、
前記支持部材に、前記支軸部の前記端面において前記第1油路の開口に連通する給油路が形成される。
この構成によれば、支持部材の給油路から第1油路及び第2油路を介して軸受部に潤滑油を供給することができる。
前記支持部材に、前記支軸部の前記端面において前記第1油路の開口に連通する給油路が形成される。
この構成によれば、支持部材の給油路から第1油路及び第2油路を介して軸受部に潤滑油を供給することができる。
(6)好ましくは、前記支軸部に、前記挿入孔に連通し、前記支軸部の外周面で開口する油路が形成され、
前記支持部材に、前記支軸部の軸方向の端面において前記挿入孔に連通する給油路が形成される。
この構成によれば、支持部材の給油路からボルトの挿入孔及び油路を介して軸受部に潤滑油を供給することができる。
前記支持部材に、前記支軸部の軸方向の端面において前記挿入孔に連通する給油路が形成される。
この構成によれば、支持部材の給油路からボルトの挿入孔及び油路を介して軸受部に潤滑油を供給することができる。
<本開示の実施形態の詳細>
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態の詳細を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る摩擦ローラ式増速機の断面図である。
摩擦ローラ式増速機10は、入力軸(低速軸)11に入力された回転を増速して出力軸(高速軸)12から出力する装置である。入力軸11には図示しない電動モータ等が接続され、当該電動モータの回転動力が入力される。出力軸12には、図示しない回転機器が接続され、出力軸12の回転動力が回転機器に伝達される。図1には、回転機器の一例として、遠心圧縮機のインペラ13が示されている。
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態の詳細を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る摩擦ローラ式増速機の断面図である。
摩擦ローラ式増速機10は、入力軸(低速軸)11に入力された回転を増速して出力軸(高速軸)12から出力する装置である。入力軸11には図示しない電動モータ等が接続され、当該電動モータの回転動力が入力される。出力軸12には、図示しない回転機器が接続され、出力軸12の回転動力が回転機器に伝達される。図1には、回転機器の一例として、遠心圧縮機のインペラ13が示されている。
摩擦ローラ式増速機10は、内部に密閉空間を有するハウジング15を備えている。ハウジング15は、対向して配置された一対の壁部16a,17aを有している。ハウジング15の一方の壁部16aには、出力軸12が軸受18を介して回転自在に支持されている。ハウジング15の他方の壁部17aには、入力軸11が軸受19を介して回転自在に支持されている。
入力軸11と出力軸12とは同心状に配置されている。図1には、入力軸11及び出力軸12の軸心に符号Cが付されている。本実施形態のハウジング15は、一方の壁部16aを有する第1ハウジング16と、他方の壁部17aを有する第2ハウジング17とを含む。第1ハウジング16と第2ハウジング17とは、図示しないボルトなどの連結具によって連結されている。
入力軸11は、連結部材21と、リング部材22とを含む。連結部材21は、円板状に形成され、ハウジング15内に配置される入力軸11の一端に設けられている。リング部材22は、円筒状に形成され、連結部材21の外周部に設けられている。
ハウジング15内に配置される出力軸12の一端部には、一対の鍔部23a,23bが設けられている。一方の鍔部23aは、出力軸12における第1ハウジング16側に設けられている。他方の鍔部23bは、出力軸12における第2ハウジング17側に設けられている。
図2は、図1のII-II線断面である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の摩擦ローラ式増速機10は、前述の入力軸11、出力軸12、及びハウジング15に加え、複数のローラ30を備えている。本実施形態の摩擦ローラ式増速機10は、3つのローラ30を備えている。3つのローラ30は、ハウジング15の内部に配置されている。3つのローラ30は、ハウジング15のうち第1ハウジング16に支持されている。言い換えると、第1ハウジング16は、ローラ30の支持部材として機能している。各ローラ30は、リング部材22の径方向内側かつ出力軸12の径方向外側であって、軸心Cの回りに周方向に間隔をあけて配置されている。なお、本実施形態の摩擦ローラ式増速機10は、3つのローラ30を備えているが、2又は4つ以上のローラ30を備えていてもよい。
図1及び図2に示すように、本実施形態の摩擦ローラ式増速機10は、前述の入力軸11、出力軸12、及びハウジング15に加え、複数のローラ30を備えている。本実施形態の摩擦ローラ式増速機10は、3つのローラ30を備えている。3つのローラ30は、ハウジング15の内部に配置されている。3つのローラ30は、ハウジング15のうち第1ハウジング16に支持されている。言い換えると、第1ハウジング16は、ローラ30の支持部材として機能している。各ローラ30は、リング部材22の径方向内側かつ出力軸12の径方向外側であって、軸心Cの回りに周方向に間隔をあけて配置されている。なお、本実施形態の摩擦ローラ式増速機10は、3つのローラ30を備えているが、2又は4つ以上のローラ30を備えていてもよい。
図3は、ローラの周辺を拡大して示す断面図である。
各ローラ30は、支軸部31と、ローラ部32と、軸受部33とを有する。支軸部31は、円柱形状に形成されたピンである。ローラ部32は、円筒形状に形成されている。ローラ部32の内径は、支軸部31の外径よりも大きい。ローラ部32の内周側には、支軸部31が挿入されている。ローラ部32の軸方向の長さは、支軸部31の軸方向の長さよりも小さい。支軸部31の軸方向の一端面(図3の右端面)は、ローラ部32の軸方向の一端面と略面一である。支軸部31の軸方向の他端面(図3の左端面)は、ローラ部32の軸方向の他端面から突出している。
各ローラ30は、支軸部31と、ローラ部32と、軸受部33とを有する。支軸部31は、円柱形状に形成されたピンである。ローラ部32は、円筒形状に形成されている。ローラ部32の内径は、支軸部31の外径よりも大きい。ローラ部32の内周側には、支軸部31が挿入されている。ローラ部32の軸方向の長さは、支軸部31の軸方向の長さよりも小さい。支軸部31の軸方向の一端面(図3の右端面)は、ローラ部32の軸方向の一端面と略面一である。支軸部31の軸方向の他端面(図3の左端面)は、ローラ部32の軸方向の他端面から突出している。
支軸部31の外周面には、周方向に延びる溝31aが、軸方向に間隔をあけて2箇所に形成されている。ローラ部32の内周面には、周方向に延びる溝32aが、軸方向に間隔をあけて2箇所に形成されている。支軸部31の溝31aとローラ部32の溝32aとは、径方向に対向して配置されている。これらの溝31a,溝32aは、いずれも断面円弧状に形成され、後述する転動体34の軌道となる。
軸受部33は、複数の転動体34により構成されている。複数の転動体34は、支軸部31の溝31aと、ローラ部32の溝32aとの間に周方向に並べて配置されている。複数の転動体34は、支軸部31の2つの溝31aと、ローラ部32の2つの溝32aとの双方に配置されている。したがって、複数の転動体34は、軸方向に間隔をあけて2列に配置されている。本実施形態の転動体34は、玉である。転動体34は、支軸部31とローラ部32との間で自転するとともに軸心C回りに公転する。これにより、支軸部31に対してローラ部32が相対回転可能に構成される。
各ローラ30の支軸部31は、第1ハウジング16に固定具36によって固定されている。本実施形態の固定具36は、ボルトである。ボルト36の一端部には六角柱形状の頭部36aが設けられ、ボルト36の他端部にはねじ溝が形成された雄ネジ36bが設けられている。支軸部31の軸心には、軸方向に貫通する挿入孔31bが形成されている。ボルト36は、この挿入孔31bに挿入されている。ボルト36の雄ネジ36bは、第1ハウジング16に形成された雌ねじ穴16bに取り付けられている。これにより、支軸部31が第1ハウジング16に固定されている。支軸部31は、軸方向の一端部(図3の左端部)が第1ハウジング16に支持され、軸方向の他端部(図3の右端部)は、支持されていない。したがって、支軸部31は、片持ち状に第1ハウジング16に支持されている。
図2及び図3に示すように、各ローラ30のローラ部32の外周面(以下、単に「ローラ30の外周面」ともいう)は、リング部材22の内周面に接触している。また、各ローラ30の外周面は、出力軸12の外周面に接触している。したがって、以上の構成により、入力軸11の回転は、リング部材22から複数のローラ30に伝達され、さらに複数のローラ30から出力軸12に増速された状態で伝達される。
各ローラ30の外周面は、出力軸12の外周面における一対の鍔部23a,23bの間に接触している。ローラ30は、一対の鍔部23a,23bによって出力軸12に対する軸方向の相対移動が制限される。
本実施形態のローラ30は、支軸部31と、ローラ部32と、軸受部33とを有し、軸受部33によって支軸部31に対してローラ部32が回転自在に支持されている。そのため、第1ハウジング16に支軸部31を回転自在に支持する必要が無く、当該支軸部31を第1ハウジング16に固定することができる。そのため、第1ハウジング16に対して支軸部31が相対回転(クリープ)しないように第1ハウジング16に支軸部31を強固に固定することができる。
また、支軸部31は、軸方向の一端部が第1ハウジング16に片持ち状に支持され、軸方向の他端部を支持するための構造が不要である。そのため、支軸部31の支持構造(支持部材16の構造)を簡素化することができ、ハウジング15を軸方向に小型化することができる。
また、支軸部31は、挿入孔31bに挿入された固定具(ボルト)36によって第1ハウジング16に固定されているので、第1ハウジング16に対して支軸部31を容易に片持ち状に支持することができる。
図2及び図3に示すように、各ローラ30の支軸部31には、潤滑油が流れる複数の油路31cが形成されている。本実施形態では、4つの油路31cが、支軸部31の軸心を中心として放射状に形成されている。4つの油路31cは、周方向に等間隔(90度間隔)に配置されている。各油路31cの径方向内端は、挿入孔31bに連通している。各油路31cの径方向外端は、支軸部31の外周面で開口している。各油路31cは、2列に配置された転動体34の列間に配置されている。
図3に示すように、第1ハウジング16には、潤滑油の供給路16cが形成されている。供給路16cは、一端が第1ハウジング16の外面で開口し、他端が第1ハウジング16における支軸部31の端面が接触する部分で開口している。供給路16cは、第1ハウジング16に固定された支軸部31の挿入孔31bに連通している。
したがって、供給路16cに供給された潤滑油は、ボルト36と挿入孔31bとの隙間を通り、挿入孔31bから油路31cを流れて軸受部33に供給される。そのため、支軸部31と転動体34との接触部分及びローラ部32と転動体34との接触部分が適切に潤滑される。
以上のように、支軸部31に対して挿入孔(油路)31bと油路31cとを形成することで、支軸部31とローラ部32との間に配置された軸受部33(転動体34)に対して容易に潤滑油を供給することができる。また、ボルト36が挿入される挿入孔31bを油路として機能させることで、支軸部31に対して軸方向に延びる専用の油路を形成しなくてもよく、支軸部31の構造を簡素化することができる。
支軸部31には複数の油路31cが放射状に形成されているので、いずれかの油路31cは、必ず挿入孔31bから下方向(斜め下方向を含む)に延びることになる。挿入孔31b内の潤滑油は重力によって下方へ流れようとするので、下方向に延びる油路31cに対して確実に潤滑油を導くことができる。言い換えると、支軸部31には複数の油路31cが放射状に形成されているので、支軸部31の周方向の向き(油路31cの向き)に配慮することなく第1ハウジング16に支軸部31を固定することができる。
なお、従来技術(図8参照)では、ローラ130の一方の支軸部131を回転自在に支持する転がり軸受140には、ハウジング115に形成された供給路116cから潤滑油が供給されていたが、他方の支軸部131を支持する転がり軸受141には潤滑油を供給できていなかった。この点、本実施形態では、支軸部31に形成された油路31b、31cを用いて軸受部33に適切に潤滑油を供給することができる。
図4は、ローラの概略的な側面図である。
図3及び図4に示すように、ローラ部32の軸方向の両端面には、複数の溝32bが形成されている。本実施形態では、4つの溝32bがローラ部32の軸心を中心として放射状に形成されている。4つの溝32bは、周方向に等間隔(90度間隔)に配置されている。各溝32bの一端は、ローラ部32の内周端に到っている。各溝32bの他端は、ローラ部32の外周端には到らず、径方向の途中に配置されている。
図3及び図4に示すように、ローラ部32の軸方向の両端面には、複数の溝32bが形成されている。本実施形態では、4つの溝32bがローラ部32の軸心を中心として放射状に形成されている。4つの溝32bは、周方向に等間隔(90度間隔)に配置されている。各溝32bの一端は、ローラ部32の内周端に到っている。各溝32bの他端は、ローラ部32の外周端には到らず、径方向の途中に配置されている。
前述したように、潤滑油は軸受部33に供給されるが、その後、ローラ部32の軸方向の両端から外部へ排出される。ローラ部32は、摩擦ローラ式増速機10の駆動によって回転(自転)するので、ローラ部32から排出された潤滑油は、ローラ部32の回転による遠心力で径方向外方へ流れる。本実施形態では、ローラ部32の両端面には放射状に延びる溝32bが形成されているので、この溝32bに沿って潤滑油を径方向外方へ誘導することができる。そして、溝32bによって誘導された潤滑油は、ローラ部32の軸方向の両端面と出力軸12の鍔部23a,23bとの接触部分に供給され、当該部分を潤滑する。溝32bは、ローラ部32と鍔部23a,23bとの接触部分にまで到っていてもよいし、ローラ部32の外周端に到っていてもよい。
図5は、変形例に係るローラの概略的な側面図である。本変形例に係るローラ部32には、軸方向の両端面における外周部に、多数の凹凸が形成されたディンプル部32cが設けられている。このディンプル部32cによって、ローラ部32から径方向外方へ流れる潤滑油を保持し、ローラ部32と鍔部23a,23bとの接触部分を適切に潤滑することができる。なお、本変形例のディンプル部32cは、第1の実施形態の溝32b(図4参照)とともに適用してもよい。この場合、溝32bによって径方向外側に導かれた潤滑油をディンプル部32cで保持することができる。
なお、図8に示す従来技術では、ローラ130と出力軸112の鍔部123a,123bとの接触部分には、ローラ130に形成された軸方向に沿って形成された油路150と、当該油路から斜めに形成された油路151とを用いて潤滑油が供給されていた。このように斜めに傾斜した細長い油路をローラ130に形成する加工は極めて困難である。この点、本実施形態では、ローラ部32の軸方向の端面に溝32bやディンプル部32cを形成するだけであるので、ローラ部32の加工を容易に行うことができる。
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係る摩擦ローラ式増速機の断面図である。図7は、ローラの周辺を拡大して示す断面図である。
上述の第1の実施形態では、図3に示すようにローラ30の支軸部31が固定具(ボルト)36によって第1ハウジング(支持部材)16に片持ち状に支持されていたが、本実施形態では、ローラ30の支軸部31が、第1ハウジング16によって構成される支持部材(第1支持部材)と、この支持部材16に固定された他の支持部材(第2支持部材)38とによって支持されている。第2支持部材38は、ボルト39によって第1支持部材16に固定されている。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る摩擦ローラ式増速機の断面図である。図7は、ローラの周辺を拡大して示す断面図である。
上述の第1の実施形態では、図3に示すようにローラ30の支軸部31が固定具(ボルト)36によって第1ハウジング(支持部材)16に片持ち状に支持されていたが、本実施形態では、ローラ30の支軸部31が、第1ハウジング16によって構成される支持部材(第1支持部材)と、この支持部材16に固定された他の支持部材(第2支持部材)38とによって支持されている。第2支持部材38は、ボルト39によって第1支持部材16に固定されている。
具体的に、支軸部31の軸方向の一端部は、第1支持部材16に形成された第1凹部16dに嵌合されることによって、第1支持部材16に固定及び支持されている。支軸部31の軸方向の他端部は、第2支持部材38に形成された第2凹部38dに嵌合されることによって、第2支持部材38に固定及び支持されている。支軸部31の一端部と他端部とは、それぞれ第1、第2凹部16d,38dにしまり嵌めによって嵌合されている。言い換えると、支軸部31の一端部と他端部とは、第1、第2凹部16d,38dに圧入されている。そのため、支軸部31が第1、第2支持部材16,38に対して相対回転(クリープ)しないように、支軸部31を強固に固定することができる。
図7に示すように、ローラ30の支軸部31には、軸方向に延びる第1油路31dが形成されている。第1油路31dは、軸方向に貫通して形成されている。ただし、第1油路31dは、第1支持部材16側の端部において開口し、第2支持部材38側の端部で閉じていてもよい。支軸部31には、複数(例えば4つ)の第2油路31eが形成されている。複数の第2油路31eは、支軸部31の軸心を中心として放射状に形成されている。各油路31d,31eは、周方向に等間隔(例えば90度間隔)に配置されている。第2油路31eの一端は、第1油路31dに連通している。第2油路31eの他端は、支軸部31の外周面で開口している。
第1支持部材16には、潤滑油の供給路16cが形成されている。供給路16cの一端は第1支持部材16の外面で開口し、他端は、第1支持部材16における第1凹部16dの底面において開口している。したがって、本実施形態においても、供給路16cに供給された潤滑油を、第1、第2油路31d,31eを介して軸受部33に供給することができる。
また、本実施形態では、ローラ30が、支軸部31と、ローラ部32と、軸受部33とを有し、支軸部31に対してローラ部32が回転自在に支持されているので、第1支持部材16及び第2支持部材38に支軸部31を回転自在に支持する必要が無く、当該支軸部31を第1支持部材16及び第2支持部材38に固定することができる。これにより、第1支持部材16及び第2支持部材38に対して支軸部31が相対回転(クリープ)しないように、第1支持部材16及び第2支持部材38に支軸部31を強固に固定することができる。また、本実施形態では、ローラ30の支軸部31の軸方向の両端部が第1、第2支持部材16,38に固定されているので、当該支軸部31を安定して支持することができる。
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の摩擦ローラ式増速機は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。
例えば、ローラ30の軸受部33を構成する転動体34は、玉に限らず「ころ」であってもよい。また、軸受部33は、内輪及び外輪を備え、内輪を支軸部31の外周面に固定し、外輪をローラ部32の内周面に固定してもよい。ただし、上記実施形態のように支軸部31及びローラ部32に軌道となる溝31a,32aを形成し、対向する溝31a,32a間に転動体34を配置することによって、ローラ30を径方向に小型化することができる。
支軸部31に形成される油路31c,31eの数は特に限定されるものではなく、1~3、又は5以上であってもよい。
10 :摩擦ローラ式増速機
11 :入力軸
12 :出力軸
16 :第1ハウジング(支持部材、第1支持部材)
22 :リング部材
30 :ローラ
31 :支軸部
31b :挿入孔(油路)
31c :油路
31d :第1油路
31e :第2油路
32 :ローラ部
33 :軸受部
36 :ボルト(固定具)
38 :第2支持部材
11 :入力軸
12 :出力軸
16 :第1ハウジング(支持部材、第1支持部材)
22 :リング部材
30 :ローラ
31 :支軸部
31b :挿入孔(油路)
31c :油路
31d :第1油路
31e :第2油路
32 :ローラ部
33 :軸受部
36 :ボルト(固定具)
38 :第2支持部材
Claims (6)
- 円筒状のリング部材を有する入力軸と、
前記リング部材の径方向内方に配置される出力軸と、
前記リング部材の内周面、及び、前記出力軸の外周面に接触する複数のローラと、
前記複数のローラを支持する支持部材と、を備えており、
前記ローラは、前記支持部材に固定される支軸部と、前記支軸部の径方向外側に配置されるローラ部と、前記支軸部と前記ローラ部との径方向の間に配置され前記支軸部に対して前記ローラ部を回転可能に支持する軸受部と、を含む、摩擦ローラ式増速機。 - 前記支軸部の軸方向の一端部が、前記支持部材に固定されている、請求項1に記載の摩擦ローラ式増速機。
- 前記支軸部に軸方向に貫通する挿入孔が形成され、前記挿入孔に挿入されかつ前記支軸部の前記一端部において前記支持部材に取り付けられる固定具を備える、請求項2に記載の摩擦ローラ式増速機。
- 前記支持部材が、前記支軸部の軸方向の一端部が固定される第1支持部材と、前記第1支持部材に連結され、前記支軸部の軸方向の他端部が固定される第2支持部材と、を含む、請求項1に記載の摩擦ローラ式増速機。
- 前記支軸部に、軸方向に延び前記支軸部の軸方向の端面で開口する第1油路と、前記第1油路に連通し、前記支軸部の外周面で開口する第2油路とが形成され、
前記支持部材に、前記支軸部の前記端面において前記第1油路の開口に連通する給油路が形成される、請求項1~4のいずれか1項に記載の摩擦ローラ式増速機。 - 前記支軸部に、前記挿入孔に連通し、前記支軸部の外周面で開口する油路が形成され、
前記支持部材に、前記支軸部の軸方向の端面において前記挿入孔に連通する給油路が形成される、請求項3に記載の摩擦ローラ式増速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022064278A JP2023154741A (ja) | 2022-04-08 | 2022-04-08 | 摩擦ローラ式増速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022064278A JP2023154741A (ja) | 2022-04-08 | 2022-04-08 | 摩擦ローラ式増速機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023154741A true JP2023154741A (ja) | 2023-10-20 |
Family
ID=88373556
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022064278A Pending JP2023154741A (ja) | 2022-04-08 | 2022-04-08 | 摩擦ローラ式増速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023154741A (ja) |
-
2022
- 2022-04-08 JP JP2022064278A patent/JP2023154741A/ja active Pending
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