JP2023149985A - ブラケットアセンブリ - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレーキアクチュエータから車体へ伝達される振動を抑制する。【解決手段】ブラケットアセンブリは、車体に固定される第1ブラケットと、第1ブラケットに接続されているとともに、ブレーキアクチュエータが取り付けられる第2ブラケットと、第1ブラケットと第2ブラケットとの間に介挿されるとともに、粘弾性を有する材料で構成された第1制振部材と、第1ブラケットと第2ブラケットとの一方に接合されているとともに、粘弾性を有する材料で構成された第2制振部材と、を備える。【選択図】図2
Description
本明細書が開示する技術は、ブラケットアセンブリに関し、特に車両の車体にブレーキアクチュエータを取り付けるブラケットアセンブリに関する。
特許文献1には、車両の車体にブレーキアクチュエータを取り付けるブラケットアセンブリが開示されている。このブラケットアセンブリは、車体に固定される第1ブラケットと、第1ブラケットに接続されているとともに、前記ブレーキアクチュエータが取り付けられる第2ブラケットとを備える。ブレーキアクチュエータと第2ブラケットとの間には、制振部材が介挿されている。
ブレーキアクチュエータでは、ポンプやバルブが内蔵されており、その作動に振動が発生する。ブレーキアクチュエータで生じる振動は、ブラケットアセンブリを介して車体に伝達されることがあり、そのときに発生する振動音が、車両のユーザに不快感を与え得る。従って、本明細書は、ブレーキアクチュエータから車体へ伝達される振動を、抑制し得る技術を提供する。
本明細書は、車両の車体にブレーキアクチュエータを取り付けるブラケットアセンブリを開示する。ブラケットアセンブリは、車体に固定される第1ブラケットと、第1ブラケットに接続されているとともに、ブレーキアクチュエータが取り付けられる第2ブラケットと、第1ブラケットと第2ブラケットとの間に介挿されるとともに、粘弾性を有する材料で構成された第1制振部材と、第1ブラケットと第2ブラケットとの一方に接合されているとともに、粘弾性を有する材料で構成された第2制振部材と、を備える。
上記したブラケットアセンブリでは、第1ブラケットと第2ブラケットとの間に、第1制振部材が介挿されている。これにより、ブレーキアクチュエータが生じた振動が、第2ブラケットから第1ブラケットへ伝達されることが抑制される。さらに、第1ブラケットと第2ブラケットとの一方には、第2制振部材が接合されている。このような構成によると、第1ブラケット又は第2ブラケットで生じる振動を、第2制振部材によって減衰することができる。特に、第2制振部材は、第1ブラケット又は第2ブラケットの任意のスペースに対して、比較的に広範囲に設けることができる。これにより、第2制振部材が設けられた第1ブラケット又は第2ブラケットでは、そこで生じる振動を効果的に減衰することができる。このように、第1制振部材と第2制振部材との組み合わせによって、ブレーキアクチュエータから車体へ伝達される振動を、十分に抑制することができる。
本技術の一実施形態において、第2制振部材は、第1ブラケットに接合されてもよい。このような構成によると、先ずは第1制振部材によって第2ブラケットから第1ブラケットへの振動伝達を抑制し、次いで第1制振部材によって第1ブラケットに伝達された振動を減衰することができる。但し、第2制振部材が接合される位置は、第1ブラケットに限定されず、第2ブラケットであってもよい。
上記した実施形態において、第1ブラケットは、一端において車体へ固定されるとともに、他端において第2ブラケットに接続されており、第2制振部材は、第1ブラケットの一端と他端との間において、第1ブラケットの全幅に亘って接合されてもよい。このような構成によると、第2ブラケットから第1ブラケットを介して車体へと伝達される振動を、より効果的に減衰することができる。
上記した実施形態において、第1ブラケットは、前記した一端を有する第1板状部分と、第1板状部分に対して屈曲しているとともに前記した他端を有する第2板状部分とを有してもよい。この場合、第2制振部材は、第1ブラケットの第1板状部分に接合されてもよい。
本技術の一実施形態において、ブラケットアセンブリは、第1ブラケットに取り付けられ、第1ブラケットとの間に第2制振部材を挟持する押えプレートをさらに備えてもよい。この場合、押えプレートは、第2制振部材を構成する材料よりも、剛性の高い材料で構成されていてもよい。このような構成によると、例えば第2制振部材が柔軟なシート状の部材であっても、比較的に剛性の高い押えプレートを用いることによって、第2制振部材の取り付けを容易に行うことができる。また、第1ブラケットと押えプレートとにより第2制振部材が挟持されるため、第2制振部材が第1ブラケットから剥離することを防止することができる。
上記した実施形態において、ブラケットアセンブリは、第1ブラケットと押えプレートとの間に配置され、第1ブラケットと押えプレートとの間の間隔を維持するスペーサをさらに備えてもよい。このような構成によると、第1ブラケットと押えプレートとの間に一定の間隔を維持することができる。そのため、第2制振部材が、押えプレートからの過度な押圧によって、クリープ変形することを抑制することができる。
上記した実施形態において、押えプレートを第1ブラケットに固定する締結具をさらに有し、スペーサは、締結具と同軸に配置されたカラーであってもよい。このような構成によると、共通の締結具によって押えプレートとスペーサとの両者を保持することができる。
図面を参照して、実施例のブラケットアセンブリ10について説明する。図1及び図2に示すように、本実施例のブラケットアセンブリ10は、車両の車体2にブレーキアクチュエータ4を取り付ける部材である。一例ではあるが、ブラケットアセンブリ10は、車両前部に位置するフロントコンパートメント内に配置される。ここでいうフロントコンパートメントとは、ダッシュパネルよりも前方部分を指す。ブラケットアセンブリ10は、例えば車体2のフロントサイドメンバ3にブレーキアクチュエータ4を取り付ける。フロントサイドメンバ3は、車両の左右両側において、それぞれ前後方向に沿って延びる骨格部材である。ブレーキアクチュエータ4は、車両のブレーキシステムにおいて、ブレーキマスタシリンダ(不図示)と各車輪のブレーキキャリパ(不図示)との間に接続されている。ブレーキアクチュエータ4は、電動モータや電磁バルブといった電動機器を内蔵しており、各車輪のホイールシリンダに供給されるブレーキ液圧を制御することができる。
ここで、図面におけるブラケットアセンブリ10の各方向は、車両に搭載されたときの方向、即ち車両の方向に準ずる。従って、方向FRは、車両の前後方向における前方を示し、方向RRは車両の前後方向における後方を示す。また、方向LHは車両の左右方向における左方を示し、方向RHは車両の左右方向における右方を示す。そして、方向UPは車両の上下方向における上方を示し、方向DWは車両の上下方向における下方を示す。
ブラケットアセンブリ10は、第1ブラケット12と、第2ブラケット16と、第1制振部材22と、第2制振部材24と、カラー26と、押えプレート28と、を備える。第1ブラケット12は、車体2に固定される。第2ブラケット16は、第1ブラケット12に接続されている。第2ブラケット16には、ブレーキアクチュエータ4が取り付けられる。
第1ブラケット12は、第1板状部分P1と第2板状部分P2とを含む。第1板状部分P1は、車体2に固定される一端12aを有する。第1板状部分P1は、一端12aに設けられた複数の接続箇所のそれぞれにおいて、締結具15を介して、車体2に締結されている。締結具15には、例えばボルト及びナットといったねじ部材を採用することができる。第2板状部分P2は、第1板状部分P1に対して屈曲しており、第2ブラケット16に接続される他端12bを有する。
具体的には、第1ブラケット12は、複数の板部材13、14を用いて構成されている。複数の板部材13、14は、第1板部材13と、第2板部材14とを含む。第1ブラケット12の第1板状部分P1は、第1板部材13を含み、第1ブラケット12の第2板状部分P2は、第1板部材13及び第2板部材14を含む。第1板部材13は、車体2のフロントサイドメンバ3の側面から上方に延びるとともに、第1ブラケット12の一端12aと他端12bとの間に屈曲部13wを有する。第2板部材14は、第1板部材13上に重ねて配置されてある。第2板部材14は、第1板部材13に、例えば溶接などによって接合されている。
第2ブラケット16は、第3板状部分P3と第4板状部分P4とを含む。第3板状部分P3には、ブレーキアクチュエータ4が取り付けられる一端16aを有する。第3板状部分P3は、一端16aに設けられた複数の接続箇所のそれぞれにおいて、締結具19を介して、ブレーキアクチュエータ4を締結する。締結具19には、ねじ部材を採用することができる。第4板状部分P4は、第3板状部分P3に対して屈曲しており、第1ブラケット12に接続される他端16bを有する。
具体的には、第2ブラケット16は、複数の板部材17、18を用いて構成されている。複数の板部材17、18は、第3板部材17と、第4板部材18とを含む。第2ブラケット16の第3板状部分P3は、第3板部材17を含み、第2ブラケット16の第4板状部分P4は、第3板部材17及び第4板部材18を含む。第3板部材17は、ブレーキアクチュエータ4の側面から、下方まで延びるとともに、第2ブラケット16の一端16aと他端16bとの間に屈曲部17wを有する。第4板部材18は、第3板部材17上に重ねて配置されてある。第4板部材18は、第3板部材17に、例えば溶接などによって接合されている。
第1ブラケット12と第2ブラケット16との間は、複数の締結具20によって、締結されている。具体的には、第1ブラケット12の他端12bを有する第2板状部分P2(即ち、第2板部材14)と、第2ブラケット16の他端16bを有する第4板状部分P4(即ち、第4板部材18)とが接合されている。また、第1制振部材22は、第1ブラケット12と第2ブラケット16との間に、介挿されている。第1制振部材22は、例えばゴム又はエラストマといった、粘弾性を有する材料を用いて構成されている。第1制振部材22は、筒状の部材である。第1制振部材22は、第1ブラケット12と第2ブラケット16との間を接続する締結具20と同軸に配置される。即ち、第1制振部材22は、ブレーキアクチュエータ4から第2ブラケット16への振動伝達経路上に配置されている。これにより、第1制振部材22によって第2ブラケット16から第1ブラケット12への振動伝達が抑制される。締結具20には、例えばボルト及びナットといったねじ部材を採用することができる。
図2、図3に示すように、第1ブラケット12には、さらに第2制振部材24が、例えば接着材(不図示)を介して接合されている。第2制振部材24は、粘弾性を有するシート状の部材であって、例えばゴム又はエラストマといった粘弾性を有する材料を用いて構成されている。このような構成によると、上記した第1制振部材22による振動伝達の抑制に加え、次いで第2制振部材24によって第1ブラケット12に伝達された振動を減衰することができる。第2制振部材24は、第1ブラケット12の一端12aと他端12bとの間において、第1ブラケット12の全幅(本実施例では、車両の前後方向における幅全体。図1参照)に亘って接合されている。このような構成によると、第2ブラケット16から第1ブラケット12を介して車体2へと伝達される振動を、より効果的に減衰することができる。
図2-図4に示すように、本実施例では、第2制振部材24は、第1ブラケット12に取り付けられる押えプレート28によっても、第1ブラケット12に接合される。押えプレート28は、板部材であり、第1ブラケット12に接合される裏面28bと、裏面28bの反対側に位置するおもて面28aを有する。押えプレート28は、例えば金属といった第2制振部材24よりも剛性の高い材料で構成されている。第1ブラケット12と押えプレート28(の裏面28b)との間には、第2制振部材24が挟持される。一例ではあるが、第2制振部材24と押えプレート28との間は、接着材を介して接合されている。また、第1ブラケット12と、押えプレート28との間には、カラー26が、配置されている。カラー26は、第1ブラケット12と押えプレート28との間の間隔を維持する。このような構成によると、カラー26は、第1ブラケット12と押えプレート28との間に一定の間隔を維持することができるスペーサとして機能する。そのため、第2制振部材24が、押えプレート28からの過度な押圧によって、クリープ変形することを抑制することができる。カラー26は、概して筒形状の部材である。カラー26は、例えば、金属といった第2制振部材24よりも剛性の高い材料で構成されている。
押えプレート28は、締結具30を用いて、第1ブラケット12に固定される。第2制振部材24には、その中心部に穴24hが形成されている。第2制振部材24の穴24h内には、カラー26が配置されている。カラー26は、締結具30と同軸に配置される。このような構成によると、共通の締結具30によって押えプレート28と、スペーサ(カラー26)の両者を保持することができる。即ち、締結具30は、第1ブラケット12の第1板部材13と、カラー26と、押えプレート28と、を通過して、押えプレート28及び第2制振部材24を第1ブラケット12に固定する。締結具30には、例えばボルト及びナットといったねじ部材を採用することができる。ここで、カラー26は、本明細書が開示する技術における「スペーサ」の一例である。スペーサは、カラー26に限定されず、貫通穴を有さない多角柱体の部品であってもよい。あるいは、スペーサは、押えプレート28と一体に形成された突起状のものであってもよい。
本実施例のブラケットアセンブリ10が車体2へ取り付けるブレーキアクチュエータ4では、ポンプやバルブが内蔵されており、その作動に振動が発生する。ブレーキアクチュエータ4で生じる振動は、ブラケットアセンブリ10を介して車体2に伝達されることがあり、そのときに発生する振動音が、車両のユーザに不快感を与え得る。
上記した課題を解決するために、本実施例におけるブラケットアセンブリ10では、第1ブラケット12と第2ブラケット16との間に、第1制振部材22が介挿されている。上述したが、これにより、ブレーキアクチュエータ4が生じた振動が、第2ブラケット16から第1ブラケット12へ伝達されることが抑制される。さらに、第1ブラケット12には、第2制振部材24が接合されている。このような構成によると、第1ブラケット12で生じる振動を、第2制振部材24によって減衰することができる。特に、第2制振部材24は、第1ブラケット12の任意のスペースに対して、比較的に広範囲に設けることができる。これにより、第2制振部材24が設けられた第1ブラケット12では、そこで生じる振動を効果的に減衰することができる。このように、第1制振部材22と第2制振部材24との組み合わせによって、ブレーキアクチュエータ4から車体2へ伝達される振動を、十分に抑制することができる。
但し、第2制振部材24がブラケットアセンブリ10に接合される位置は、第1ブラケット12に限定されず、第2ブラケット16であってもよい。その場合、第2ブラケット16で生じる振動を、第2制振部材24によって、効果的に減衰することができる。
本実施例のブラケットアセンブリ10は、押えプレート28を備える。押えプレート28は、第1ブラケット12に取り付けられるとともに、第1ブラケット12との間に第2制振部材24を挟持している。このような構成によると、例えば第2制振部材24が柔軟なシート状の部材であっても、比較的に剛性の高い押えプレート28を用いることによって、第2制振部材24の取り付けを容易に行うことができる。また、第1ブラケット12と押えプレート28とにより第2制振部材24が挟持されるため、第2制振部材24が第1ブラケット12から剥離することを防止することができる。但し、ブラケットアセンブリ10は必ずしも押えプレート28を備えていなくてもよく、単に第2制振部材24を接着材のみによって、第1ブラケット12上に接合されてもよい。
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書、又は、図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。本明細書又は図面に例示した技術は、複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:車体
3:フロントサイドメンバ
4:ブレーキアクチュエータ
10:ブラケットアセンブリ
12:第1ブラケット
12a:一端
12b:他端
16:第2ブラケット
22:第1制振部材
24:第2制振部材
26:カラー
28:押えプレート
P1:第1板状部分
P2:第2板状部分
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P1:第1板状部分
P2:第2板状部分
Claims (7)
- 車両の車体にブレーキアクチュエータを取り付けるブラケットアセンブリであって、
前記車体に固定される第1ブラケットと、
前記第1ブラケットに接続されているとともに、前記ブレーキアクチュエータが取り付けられる第2ブラケットと、
前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間に介挿されているとともに、粘弾性を有する材料で構成された第1制振部材と、
前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの一方に接合されているとともに、粘弾性を有する材料で構成された第2制振部材と、
を備える、ブラケットアセンブリ。 - 前記第2制振部材は、前記第1ブラケットに接合されている、請求項1に記載のブラケットアセンブリ。
- 前記第1ブラケットは、一端において前記車体へ固定されるとともに、他端において前記第2ブラケットに接続されており、
前記第2制振部材は、前記第1ブラケットの前記一端と前記他端との間において、前記第1ブラケットの全幅に亘って接合されている、請求項2に記載のブラケットアセンブリ。 - 前記第1ブラケットは、前記一端を有する第1板状部分と、前記第1板状部分に対して屈曲しているとともに前記他端を有する第2板状部分とを有し、
前記第2制振部材は、前記第1ブラケットの前記第1板状部分に接合されている、請求項3に記載のブラケットアセンブリ。 - 前記第1ブラケット又は前記第2ブラケットに取り付けられ、前記第1ブラケット又は前記第2ブラケットとの間に前記第2制振部材を挟持する押えプレートをさらに備え、
前記押えプレートは、前記第2制振部材を構成する前記材料よりも、剛性の高い材料で構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のブラケットアセンブリ。 - 前記第1ブラケット又は前記第2ブラケットと前記押えプレートとの間に配置され、前記第1ブラケット又は前記第2ブラケットと前記押えプレートとの間の間隔を維持するスペーサをさらに備える、請求項5に記載のブラケットアセンブリ。
- 前記押えプレートを前記第1ブラケット又は前記第2ブラケットに固定する締結具をさらに有し、
前記スペーサは、前記締結具と同軸に配置されたカラーである、請求項6に記載のブラケットアセンブリ。
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