JP2023149175A - 光源装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023149175000001
【課題】エネルギービームによって生成されるプラズマの発光効率を向上することが可能な光源装置を提供すること。
【解決手段】
本発明の一形態に係る光源装置は、エネルギービームにより液体原料をプラズマ化して放射線を取り出す光源装置であって、回転体と、原料供給部と、電場印加部とを具備する。前記回転体は、前記エネルギービームが入射する位置に配置される。前記原料供給部は、前記液体原料を前記回転体に供給する。前記電場印加部は、前記回転体に供給された前記液体原料とは異なる電位に設定され、前記エネルギービームの照射によりプラズマが生成されるプラズマ生成領域に電場を印加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線や極端紫外光等の出射に適用可能な光源装置に関する。
従来、X線は、医療用用途、工業用用途、研究用用途に用いられてきた。
医療用分野においては、X線は、胸部X線写真撮影、歯科X線写真撮影や、CT(Computer Tomogram)といった用途に用いられる。
工業用分野においては、X線は、構造物や溶接部などの物質内部を観察する非破壊検査、断層非破壊検査といった用途に用いられる。
研究用分野においては、X線は、物質の結晶構造を解析するためのX線回折、物質の構成元素を分析するためのX線分光(蛍光X線分析)といった用途に用いられる。
X線は、X線管を用いて発生させることができる。
X線管は、その内部に一対の電極(陽極、陰極)を有する。陰極フィラメントに電流を流して加熱しておき、陽極と陰極間に高電圧を印加すると、フィラメントから発生するマイナスの熱電子が陽極表面にあるターゲットに高速で衝突し、当該ターゲットからX線が発生する。
またX線管において、陽極側のターゲットを液体金属ジェットとし、このターゲットに電子ビームを照射することにより、高輝度のX線を取り出す技術も知られている。
X線のうち比較的波長の長い軟X線領域にある波長13.5nmの極端紫外光(以下、「EUV(Extreme Ultra Violet)光」ともいう)は、近年露光光として使用されている。
ここで、微細パターンが構成されているEUVリソグラフィ用のマスクの基材は、積層構造として、低熱膨張性ガラスから成る基板の上に、EUV光を反射させるための多層膜(例えば、モリブデンとシリコン)が設けられてなる反射ミラーである。
そして、多層膜上に波長13.5nmの放射線を吸収する材料をパターニングすることで、EUVマスクが構成される。
EUVマスクにおける許容できない欠陥の大きさは、従来のArFマスクの場合に比べると大幅に小さくなっており検出することが困難となっている。
そこで、EUVマスクの検査として、通常はアクティニック検査(Actinic inspection)と呼ばれる、リソグラフィの作業波長と一致する波長の放射線を用いた検査が行われる。
例えば、波長13.5nmの放射線を用いて検査を行うと、l0nmよりも良好な分解能で欠陥を検出することが可能となる。
一般にEUV光源装置としては、DPP(Discharge Produced Plasma)光源装置、LDP(Laser Assisted Discharge Produced Plasma)光源装置、及びLPP(Laser Produced Plasma)光源装置が挙げられる。
DPP方式のEUV光源装置は、EUV放射種(気相のプラズマ原料)を含む放電ガスが供給された電極間に高電圧を印加して、放電により高密度高温プラズマを生成し、そこから放射される極端紫外光を利用するものである。
LDP光源装置は、DPP光源装置が改良されたものであり、例えば、放電を発生させる電極(放電電極)表面にEUV放射種を含む液体状の高温プラズマ原料(例えば、Sn(スズ)やLi(リチウム)等)を供給し、当該原料に対してレーザビーム等のエネルギービーム(例えば、電子ビームやレーザビーム等)を照射して当該原料を気化し、その後、放電によって高温プラズマを生成するものである。
LPP光源装置は、EUV放射用ターゲット材料である微小な液滴状に噴出されたスズ(Sn)、または、リチウム(Li)等のドロップレットに対して、レーザ光を集光することにより当該ターゲット材料を励起してプラズマを発生させるものである。
このように、軟X線領域にあるEUV光を発生させるEUV光源装置として、DPP方式(LDP方式)や、LPP方式の光源装置を使用することが可能である。
一方で、EUV光源装置において、DPP方式(LDP方式)のものは、最終的には電極間の放電によってプラズマを生成しているので、EUV原料に起因するデブリが発生しやすい。
LPP方式のものは、EUV原料である微細なスズのドロップレットをターゲットとし、それに励起用レーザ光を集光させるため、光源の構造が複雑である。また、スズのドロップレットを安定して落下・供給することが難しく、EUV光を安定して生成することが困難である。
特許文献1には、円盤状の回転体に液体状のX線発生用のターゲット原料を塗布し、当該塗布された液体状原料にエネルギービーム(レーザビーム)を照射してX線を得る方法が提案されている。この方法によれば、比較的簡易な構成で、高輝度のX線を得ることが可能となる。
特許文献1に記載の方法をEUV光源装置に適用した場合、所謂LPP方式に相当するが、液体状のEUV原料をドロップレットとして供給する必要がない。そのため、EUV原料供給が容易で、かつ、確実に液体状のEUV原料にレーザビームを照射することが可能となり、比較的簡易な構成の装置でEUV放射を得ることが可能となる。
特許第6658324号公報
特許文献1のようなLPP方式の光源装置では、エネルギービームにより液体状原料を気化させ、その気化した原料に引き続きエネルギービームを照射することで原料を加熱励起して高温プラズマが生成される。生成された高温プラズマからは、EUV光やより波長の短いX線等の放射線を取り出すことが可能である。
このように、エネルギービームによって生成されるプラズマを利用した光源装置は、例えばリソグラフィ装置や各種の検査装置の光源としての応用が期待されており、プラズマの発光効率を向上して放射線の強度を高くする技術が求められている。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、エネルギービームによって生成されるプラズマの発光効率を向上することが可能な光源装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る光源装置は、エネルギービームにより液体原料をプラズマ化して放射線を取り出す光源装置であって、回転体と、原料供給部と、電場印加部とを具備する。
前記回転体は、前記エネルギービームが入射する位置に配置される。
前記原料供給部は、前記液体原料を前記回転体に供給する。
前記電場印加部は、前記回転体に供給された前記液体原料とは異なる電位に設定され、前記エネルギービームの照射によりプラズマが生成されるプラズマ生成領域に電場を印加する。
この光源装置では、エネルギービームが入射する位置に配置された回転体に液体原料が供給される。この液体原料はエネルギービームの照射によりプラズマ化する。プラズマが生成されるプラズマ生成領域には、液体原料とは異なる電位に設定された電場印加部を介して電場が印加される。これによりプラズマの状態を変化させることが可能となり、エネルギービームによって生成されるプラズマの発光効率を向上することが可能となる。
前記電場印加部は、前記プラズマ生成領域を挟んで前記回転体に面して配置された導電体であってもよい。
前記回転体は、表面及び裏面を有する円盤状の部材であり、前記表面に前記エネルギービームが入射するように配置されてもよい。この場合、前記電場印加部は、前記回転体の前記表面に対向して配置されてもよい。
前記光源装置は、さらに、前記回転体を収容し前記プラズマ生成領域が形成されるプラズマ生成部と、前記プラズマ生成領域に前記エネルギービームを取り込むビーム取り込み部と、前記プラズマ生成領域に生成された前記プラズマからの前記放射線を取り出す放射線取り出し部とを有するチャンバ部を具備してもよい。
前記電場印加部は、前記プラズマ生成部、前記ビーム取り込み部、又は前記放射線取り出し部の少なくとも1つを構成する部材であってもよい。
前記チャンバ部は、前記プラズマ生成領域に向けて突出した突出部を有してもよい。この場合、前記電場印加部は、前記突出部であってもよい。
前記チャンバ部は、前記ビーム取り込み部と前記放射線取り出し部とが接続されるチャンバ本体と、前記チャンバ本体の内部に少なくとも一部が設けられ前記回転体を収容する回転体収容チャンバとを具備してもよい。この場合、前記電場印加部は、前記回転体収容チャンバであってもよい。
前記回転体収容チャンバは、前記チャンバ本体と絶縁されていてもよい。
前記放射線は、X線、又は極端紫外光であってもよい。
前記放射線は、極端紫外光であってもよい。この場合、前記電場印加部は、前記回転体に供給された前記液体原料に対して高電位に設定されてもよい。
前記液体原料の電位は、負電位に設定されてもよい。この場合、前記電場印加部の電位は、グランド電位に設定されてもよい。
前記放射線は、硬X線であってもよい。この場合、前記電場印加部は、前記回転体に供給された前記液体原料に対して低電位に設定されてもよい。
前記液体原料の電位は、正電位に設定されてもよい。この場合、前記電場印加部の電位は、グランド電位に設定されてもよい。
前記光源装置は、さらに、前記プラズマからの前記放射線の状態を測定する放射線測定部と、前記放射線の状態の測定結果に基づいて前記液体原料と前記電場印加部との電位差を制御する電位制御部とを具備してもよい。
前記放射線測定部は、前記放射線の強度を測定してもよい。この場合、前記電位制御部は、前記放射線の強度の測定結果に基づいて前記放射線の強度が高くなるように前記液体原料と前記電場印加部との電位差を制御してもよい。
前記エネルギービームは、レーザ光であってもよい。
本発明によれば、エネルギービームによって生成されるプラズマの発光効率を向上することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る光源装置の構成例を示す模式図である。 原料供給機構の構成例を示す模式図である。 プラズマ生成領域に電場を印加する簡易的なモデルを示す模式図である。 EUV光を発生するプラズマに電場を印加した際のプラズマの挙動について説明するための模式図である。 硬X線を発生するプラズマに電場を印加した際のプラズマの挙動について説明するための模式図である。 第2の実施形態に係る光源装置の構成例を示す模式図である。 プラズマ生成領域に電場を印加する簡易的なモデルを示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
[光源装置の基本構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光源装置の構成例を示す模式図である。
図1は、光源装置1を設置面から所定の高さの位置で水平方向に沿って切断した場合の模式的な断面を、上方から見た場合の図である。
図1では、光源装置1の構成及び動作を理解しやすいように、断面の構成等を説明する必要のない部分については、断面の図示を省略している。
以下、X方向を左右方向(X軸の正側が右側、負側が左側)、Y方向を前後方向(Y軸の正側が前方側、負側が後方側)、Z方向を高さ方向(Z軸の正側が上方側、負側が下方側)として説明を行う。
もちろん、本技術の適用について、光源装置1が使用される向き等が限定される訳ではない。
光源装置1は、エネルギービームEBによりプラズマ原料23をプラズマ化して放射線Rを取り出すLPP方式の光源装置である。光源装置1は、例えば波長30nm以下の硬X線から軟X線(EUV光含む)までの放射線Rを放出することが可能である。
従って光源装置1を、X線発生装置、又はEUV光源装置(EUV放射発生装置)として使用することが可能である。もちろん、他の波長帯域の放射線を出射する光源装置に、本技術を適用することも可能である。
以下では、エネルギービームEBの照射によりプラズマPが生成される領域をプラズマ生成領域21と記載する。
光源装置1は、筐体2と、真空チャンバ3と、エネルギービーム入射チャンバ4と、放射線出射チャンバ5と、原料供給機構6と、制御部7とを含む。
筐体2は、おおよその外形が立方体形状となるように構成される。
筐体2は、前方面に形成される出射孔8と、右側面に形成される入射孔9と、後方面に形成される2つの貫通孔10及び11と、左側面に形成される貫通孔12とを有する。
筐体2の材料は限定されず、例えば金属製の筐体が用いられる。
本実施形態では、前方面の出射孔8を通り、Y方向(前後方向)に延在するように、放射線Rの出射軸EAが設定される。X線やEUV光等の放射線Rは、出射軸EAに沿って取り出され、出射孔8から前方側に向かって放出される。
また本実施形態では、右側面の入射孔9から、後方側に向かって左斜めに延在するように、エネルギービームEBの入射軸IAが設定される。
図1に示すように、筐体2の外部に、エネルギービームEBを出射するビーム源13が設置される。ビーム源13は、入射軸IAに沿ってエネルギービームEBが筐体2の内部に入射するように設置される。
エネルギービームEBとしては、電子ビームやレーザビームを使用することが可能である。ビーム源13の構成としては、これらのエネルギービームEBを出射可能な任意の構成が採用されてよい。
光源装置1には、複数のチャンバを含むチャンバ部Cが設けられる。具体的には、チャンバ部Cは、真空チャンバ3、エネルギービーム入射チャンバ(以下、単に入射チャンバという)4、及び放射線出射チャンバ(以下、単に出射チャンバという)5を有する。真空チャンバ3、入射チャンバ4および出射チャンバ5は、互いに空間的に接続される。すなわち、真空チャンバ3と入射チャンバ4とは互いに連結される。同様に、真空チャンバ3と出射チャンバ5とは互いに連結される。
なお、真空チャンバ3により、エネルギービームEBの照射によりプラズマ原料23のプラズマを生成する「プラズマ生成部」が実現される。従って、真空チャンバ3には、上記したプラズマ生成領域21が形成される。
また、入射チャンバ4により、プラズマ生成領域にエネルギービームを取り込む「ビーム取り込み部」が実現される。入射チャンバ4は、エネルギービームEBの入射軸IA上に位置するように形成される。
さらに、出射チャンバ5により、プラズマ生成領域に生成されたプラズマから放射線を取り出して出射する「放射線取り出し部」が実現される。出射チャンバ5は、放射線Rの出射軸EA上に配置される。
本実施形態では、チャンバ本体14と、チャンバ本体14の前方面から前方側に突出する外側突出部15と、チャンバ本体14の内周面から内部側に突出する2つの内側突出部16及び17とにより、チャンバ部C(真空チャンバ3、入射チャンバ4、及び出射チャンバ5)が構成される。
チャンバ部Cを構成する、チャンバ本体14、外側突出部15、及び2つの内側突出部16及び17の材料としては、金属材料が用いられる。
チャンバ本体14は、おおよその外形が直方体形状となるように構成され、前後左右の各面が、筐体2の前後左右の各面とそれぞれ対向するように配置される。
また、チャンバ本体14は、前方面と右側面との間の右前角部が、エネルギービームEBの入射軸IA上に位置するように配置される。
図1に示すように、チャンバ本体14の前方面には、出射孔18が形成される。出射孔18は、放射線Rの出射軸EA上で、筐体2の前方面の出射孔8と並ぶ位置に形成される。
チャンバ本体14の出射孔18の周縁部から、前方側に突出するように外側突出部15が構成される。外側突出部15は、筐体2の出射孔8に内接するように、筐体2の出射孔8よりも前方側に大きく突出するように構成される。
また、チャンバ本体14の内部側において、出射孔18の周縁部から内部側に突出するように、内側突出部16が構成される。
外側突出部15及び内側突出部16に囲まれた空間が、出射チャンバ5として機能する。出射チャンバ5を構成する部材である外側突出部15及び内側突出部16自体を、出射チャンバと呼ぶことも可能である。
外側突出部15及び内側突出部16は、チャンバ本体14と一体的に形成されてもよいし、別個に形成されたのちにチャンバ本体14に接続されてもよい。
出射チャンバ5は、放射線Rの出射軸EAを中心軸として、コーン形状となるように構成される。出射チャンバ5は、放射線Rの出射軸EAの方向において、中央部分の断面積が大きく、前後の端部に近づくにつれて断面積が小さくなるように構成される。すなわち、出射チャンバ5は、前後の端部に近づくにつれて絞られるような形状となる。
チャンバ本体14の右前角部には、入射窓19が形成される。入射窓19は、エネルギービームEBの入射軸IA上で、筐体2の右側面の入射孔9と並ぶ位置に形成される。
また、チャンバ本体14の右前角部の内部側において、入射窓19を囲む位置からエネルギービームEBの入射軸IAの方向に沿って突出するように、内側突出部17が構成される。
チャンバ本体14の内部空間のうち、内側突出部17に囲まれた空間が、入射チャンバ4として機能する。入射チャンバ4を構成する内側突出部17及びチャンバ本体14の右前角部の部分自体を、入射チャンバと呼ぶことも可能である。
内側突出部17は、チャンバ本体14と一体的に形成されてもよいし、別個に形成されたのちにチャンバ本体14に接続されてもよい。
入射チャンバ4は、エネルギービームEBの入射軸IAを中心軸として、コーン形状となるように構成される。入射チャンバ4は、エネルギービームEBの入射軸IAの方向において、チャンバ本体14の内部側の端部に近づくにつれて断面積が小さくなるように構成される。すなわち、入射チャンバ4は、内部側の端部に近づくにつれて絞られるような形状となる。
チャンバ本体14の内部空間のうち、出射チャンバ5として機能する内側突出部16の内部空間、及び入射チャンバ4として機能する内側突出部17の内部空間を除く空間が、真空チャンバ3として機能する。真空チャンバ3を構成する部分自体を、真空チャンバと呼ぶことも可能である。
図1に示すように、チャンバ本体14は、筐体2の左側面の貫通孔12から筐体2の外部に突出する部分を有し、その先端が排気用ポンプ20に接続される。
排気用ポンプ20により真空チャンバ3内が排気され、真空チャンバ3が減圧される。これにより、真空チャンバ3内にて生成される放射線Rの減衰が抑制される。
真空チャンバ3内は、入射チャンバ4及び出射チャンバ5に対して減圧雰囲気であればよく、必ずしも真空雰囲気でなくてもよい。また、真空チャンバ3内に不活性ガスが供給されていてもよい。
排気用ポンプ20の具体的な構成は限定されず、真空ポンプ等の任意のポンプが用いられてよい。
原料供給機構6は、真空チャンバ3内のプラズマ生成領域21にてプラズマPを生成し、放射線R(X線、EUV光)を放出するための機構である。
原料供給機構6は、原料供給用の円盤状の回転体22、及び液相のプラズマ原料(放射線原料)23を収容するコンテナ24を含む。回転体22及びコンテナ24は、真空チャンバ3の内部に配置される。
図1に示すように、円盤状の回転体22には、エネルギービームEBが入射する入射領域25が設定されている。回転体22は、入射領域25が入射軸IAと出射軸EAとの交点の位置に配置されるように、真空チャンバ3内に配置される。
回転体22の入射領域25にはプラズマ原料23が供給され、入射領域25にエネルギービームEBが入射することで、プラズマPが生成される。
真空チャンバ3内のプラズマPが生成される領域(空間)が、プラズマ生成領域21となる。従って、プラズマ生成領域21は、回転体22の入射領域25の位置に対応した領域となる。
光源装置1には、このようにエネルギービームEBの照射によりプラズマPが生成されるプラズマ生成領域21に電場を印加する電場印加部50が設けられる。電場印加部50は、回転体22に供給されたプラズマ原料23とは異なる電位に設定される部材である。従って、電場印加部50の電位は、プラズマ原料23に対して高電位(又は低電位)となるように設定される。
典型的には、電場印加部50は、プラズマ生成領域21を挟んで回転体22に面して配置された導電体である。とくに電場印加部50は、高温プラズマPにさらされた部分となるため、高融点の金属等を用いて構成することが好ましい。
電場印加部50の電位を適宜設定することで、プラズマ原料23と電場印加部50との間の空間には、プラズマ原料23と電場印加部50との間の電位差(電圧)に応じた電場が発生する。この電場がプラズマ生成領域21に印加される。
本実施形態では、電場印加部50は、チャンバ部Cを構成する部材である。具体的には、真空チャンバ3、入射チャンバ4、又は出射チャンバ5の少なくとも1つを構成する部材が、電場印加部50として用いられる。
図1に示す例では、真空チャンバ3を構成するチャンバ本体14と、出射チャンバ5を構成する内側突出部16と、入射チャンバ4を構成する内側突出部17とが電気的に接続され、チャンバ本体14、内側突出部16、及び内側突出部17により電場印加部50が構成される。
電場印加部50に設定される電位や、電場が印加されたプラズマPの挙動等については、後に詳しく説明する。
制御部7は、光源装置1が有する各構成要素の動作を制御する。
例えば、制御部7により、ビーム源13や排気用ポンプ20の動作が制御される。また制御部7により、後に説明する各種モータ、プラズマ原料循環装置、外部電圧源等の動作が制御される。
制御部7は、例えばCPUやメモリ(RAM、ROM)等のコンピュータに必要なハードウェア回路を有する。CPUがメモリに記憶されている制御プログラムをRAMにロードして実行することにより、種々の処理が実行される。
制御部7として、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)、その他ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスが用いられてもよい。
図1では、制御部7は機能ブロックとして模式的に図示されているが、制御部7が構成される位置等は任意に設計されてよい。
本実施形態では、制御部7は、後述する放射線診断部29からの放射線Rの状態の測定結果に基づいてプラズマ原料23と電場印加部50との電位差を制御する。
図1に示す例では、光源装置1は、外部電圧源51に接続される。外部電圧源51は、プラズマ原料23(コンテナ24)に接続され、プラズマ原料23に任意の電圧をかける電圧源である。制御部7は、放射線Rの状態に応じて外部電圧源51の出力を調整し、プラズマ原料23と電場印加部50との電位差を制御する。以下では、プラズマ原料23と電場印加部50との電位差を、プラズマ生成領域21に対する印加電圧Vと記載する。
本実施形態では、制御部7は、電位制御部として機能する。
以下、光源装置1を構成する各種チャンバ、及び原料供給機構6について、詳しく説明する。
[入射チャンバ]
入射チャンバ4は、チャンバ本体14の右前角部において、内側突出部17により構成される。チャンバ本体14の右前角部には入射窓19が配置され、ビーム源13から出射されるエネルギービームEBは、入射窓19を通って、入射軸IAに沿って、入射チャンバ4の内部に入射する。
なお、エネルギービームEBの入射軸IAは、入射チャンバ4の内部に入射するエネルギービームEBの光軸(主軸)とも言える。
入射窓19は、エネルギービームEBを透過可能な材料からなり、入射チャンバ4の内外の圧力差に耐え得る厚さで設計される。
エネルギービームEBが電子ビームの場合、例えば、チタンやアルミニウムといった金属の膜を用いることができる。
エネルギービームEBがレーザビームの場合、例えば、ガラス材料(石英ガラス)を用いることができる。
その他、エネルギービームEBを透過可能な任意の材料が用いられてよい。
内側突出部17は、回転体22の表面22aの入射領域25に向かって突出し、突出側の先端に入射側アパーチャ26が形成される。
入射側アパーチャ26は、エネルギービームEBの入射軸IA上にて、入射窓19と並ぶように配置される。
入射側アパーチャ26は、エネルギービームEBを入射チャンバ4から真空チャンバ3内に入射する。すなわち入射窓19から入射軸IAに沿って進行するエネルギービームEBは、入射側アパーチャ26を通って、真空チャンバ3内に配置された回転体22に入射する。
入射チャンバ4の内部には、飛散したプラズマ原料23やデブリを捕捉するための捕捉機構が配置される。
図1に示す例では、補足機構として、エネルギービームEBを透過し、プラズマ原料23やデブリを捕捉する板状の回転部材である回転式窓27が配置される。回転式窓27は、例えば、円盤状に構成される。
回転式窓27中心部には、図示を省略したモータの回転軸が取り付けられている。モータが回転軸を回転させることにより、回転式窓27は回転する。モータは、制御部7によって駆動制御される。
モータは、筐体2の外部に形成され、筐体2及びチャンバ本体14に形成された図示しない貫通孔を通って回転軸が回転式窓27に接続される。チャンバ本体14に回転軸を導入する際にはメカニカルシールが用いられ、入射チャンバ4内の雰囲気(後述するガス雰囲気)を維持しつつ、回転式窓27の回転が許容される。
また、回転式窓27を回転させる回転軸は、エネルギービームEBの入射軸IAとはオフセットされた位置に配置される。これにより、エネルギービームEBは、回転式窓27の回転軸に干渉されず、回転式窓27のビーム透過領域を通って進行することが可能となる。
回転式窓27を回転させることで、回転式窓27のビーム透過領域の実質的な面積を増大させることが可能となり、回転式窓27の長寿命化を図ることが可能となり、回転式窓27の交換頻度を低減することが可能となる。
図1に示すように、チャンバ本体14には、入射チャンバ4に連結するように、ガス注入路28が設置される。ガス注入路28を介して、図示を省略したガス供給装置から、入射チャンバ4内にガスが供給される。
供給されるガスは、エネルギービームEBに対して透過率の高いガスであり、例えばアルゴン(Ar)やヘリウム(He)といった希ガス等が採用される。
ガスは、入射チャンバ4の内部の圧力を増加させるために供給される。すなわちガス注入路28から入射チャンバ4内にガスが供給されることにより、入射チャンバ4の内部圧力を、真空チャンバ3の内部圧力よりも十分に高い圧力に維持することが可能となる。
内側突出部17は、突出側(入射側アパーチャ26が形成されている側)に進むにつれて断面積が小さくなるコーン形状からなる。そして、その先端部には入射側アパーチャ26が設けられている。これにより、ガスを供給して入射チャンバ4の内部圧力を増加させることに有利な構成となっている。
また内側突出部17がコーン形状に構成されることで、チャンバ本体14内において内側突出部17が占める空間を小さくすることが可能となり、他の部材の配置設計等の自由度を向上させることが可能となる。この結果、装置の小型化を図ることが可能となる。
[出射チャンバ]
出射チャンバ5は、出射軸EAを中心軸とするコーン形状からなり、前方側の端部(外側突出部15の前方側の端部)にマスク検査装置等の利用装置が接続される。図1に示す例では、利用装置の一部をなすチャンバとして、アプリケーションチャンバ30が接続される。
アプリケーションチャンバ30内の圧力は大気圧であってもよい。また、アプリケーションチャンバ30の内部は、必要に応じてガス注入路31よりガス(例えば、不活性ガス)を導入してパージしてもよい。またアプリケーションチャンバ30の内部のガスは図示を省略した排気手段により排気されていてもよい。
図1に示すように、外側突出部15には、出射チャンバ5に連結するように、ガス注入路32が設置される。ガス注入路32を介して、図示を省略したガス供給装置から、出射チャンバ5内にガスが供給される。
供給されるガスは、放射線Rに対して透過率の高いガスであり、例えばアルゴンやヘリウムといった希ガス等が採用される。
アルゴンやヘリウムは、エネルギービームEB及び放射線Rの両方に対して透過率の高いガスとして用いることが可能である。従って、入射チャンバ4及び出射チャンバ5の両方に同じガスが供給されてもよい。
この場合、ガス供給装置を共通して用いることが可能となるので、装置の簡素化を図ることが可能である。もちろん入射チャンバ4に供給されるガスと、出射チャンバ5に供給されるガスとして、互いに異なるガスが用いられてもよい。
ガスは、出射チャンバ5の内部の圧力を増加させるために供給される。すなわち、ガス注入路32から出射チャンバ5内にガスが供給されることにより、出射チャンバ5の内部圧力を、真空チャンバ3の内部圧力よりも十分に高い圧力に維持することが可能となる。
出射チャンバ5の内部には、出射チャンバ5の内に入射した放射線Rを利用装置内(アプリケーションチャンバ30内)に導光して集光するためのコレクタ(集光鏡)33が配置されている。図1では、出射チャンバ5に入射し集光される放射線Rの成分がハッチングにて図示されている。
コレクタ33の外表面は、冷却と位置合わせの目的で出射チャンバ5の内面(外側突出部15の内面)に接触している。
コレクタ33としては、例えば、単一シェルの斜入射反射鏡が用いられる。コレクタ33本体は、金属部材(例えばアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、ステンレス)で構成される。
コレクタ33の内側の反射面の反射コーティングは任意であるが、放射線Rを反射する反射コーティング材料としては、例えばルテニウム(Ru)が好適である。
なお、コレクタ33を、本体に高価なRuをコーティングした構造とする代わりに、本体をガラス(二酸化ケイ素:SiO2)とし、内側を研磨して放射線反射面を形成するように構成してもよい。
このガラス製コレクタは、反射面の反射率はRuコーティングが施された金属部材製コレクタと比較すると反射率は低いものの、当該Ruコーティングコレクタと比較すると材料コストが非常に低く、頻繁な交換が可能となる。
出射チャンバ5を構成する内側突出部16は、回転体22の表面22aの入射領域25に向かって突出し、突出側の先端に出射側アパーチャ34が形成される。
出射側アパーチャ34は、放射線Rの出射軸EA上にて、チャンバ本体14の出射孔18、及び筐体2の出射孔8と並ぶように配置される。
出射側アパーチャ34は、放射線Rを真空チャンバ3から出射チャンバ5内に入射させる。すなわち、プラズマPから放出される放射線Rの一部が、出射側アパーチャ34を通ってコレクタ33に入射する。コレクタ33により放射線Rが導光され、アプリケーションチャンバ30内にて集光される。
出射側アパーチャ34の開口面積を適宜設計することで、コレクタ33に入射する放射線Rの開き角を制御することが可能となる。
なお、放射線Rの出射軸EAは、プラズマPから出射チャンバ5内に取り込まれる放射線Rの光軸(主軸)とも言える。
内側突出部16は、突出側(出射側アパーチャ34が形成されている側)に進むにつれて断面積が小さくなるコーン形状からなる。従って、内側突出部16をコレクタコーンと呼ぶことも可能である。
コーン形状からなる内側突出部16の先端部には出射側アパーチャ34が設けられているので、ガスを供給して出射チャンバ5の内部圧力を増加させることに有利な構成となっている。
また内側突出部16がコーン形状に構成されることで、チャンバ本体14内において内側突出部16が占める空間を小さくすることが可能となり、他の部材の配置設計等の自由度を向上させることが可能となる。この結果、装置の小型化を図ることが可能となる。
図1に示すように、出射チャンバ5とアプリケーションチャンバ30との間には、フィルタ膜35が設けられる。
フィルタ膜35は、真空チャンバ3内のプラズマ生成領域21と、アプリケーションチャンバ30とを物理的に分離する(物理的に空間を分離する)ためのものであり、飛散するプラズマ原料23やデブリのアプリケーションチャンバ30への進入を防止する。
フィルタ膜35は、プラズマ生成領域21で発生する放射線Rを透過する材料からなる。放射線RがX線の場合、フィルタ膜35は例えば、X線に対する透過率が非常に高いベリリウム薄膜により構成される。放射線RがEUV光の場合は、例えば、ジルコニウム(Zr)により構成される。
なお、出射チャンバ5内はガスが供給されるものの真空チャンバ3と空間的に接続されるので減圧雰囲気である。一方、アプリケーションチャンバ30内は、上記したように大気圧であってもよい。
この場合、出射チャンバ5とアプリケーションチャンバ30との間には圧力差が生じる。よって、フィルタ膜35の厚みは、この圧力差に耐え得る厚みとなる。すなわち、フィルタ膜35は、真空チャンバ3と空間的に接続される出射チャンバ5内の減圧雰囲気を破壊しないように構成される。
出射チャンバ5の内部には、遮蔽部材(中央掩蔽)36が配置される。
遮蔽部材36は、放射線Rの出射軸EA上にて、チャンバ本体14の出射孔18、筐体2の出射孔8、及びフィルタ膜35と並ぶように配置される。
プラズマPから放出され出射チャンバ5に入射する放射線Rの中には、コレクタ33により集光されずに、出射チャンバ5内を進行する放射線成分も存在し得る。この集光されない放射性成分の少なくとも一部は広がりながら進行する。このような放射線成分は、通常、利用装置では利用されず、不要な場合が多い。
本実施形態では、遮蔽部材36により、コレクタ33により集光されない放射線成分を遮光することが可能である。
また図1に示すように、本実施形態では、入射チャンバ4の後方側に、左右方向に延在するようにガスノズル37が設置される。ガスノズル37は、チャンバ本体14の右側面に、シール部材等を介して設置される。
ガスノズル37は、図示を省略したガス供給装置に接続され、チャンバ本体14内にガスを供給する。
図1に示す例では、ガスノズル37から、入射軸IAと出射軸EAとの間の軸間領域の右側から左右方向に沿って左側に向かってガスが吹き付けられる。これにより、入射領域25から放出されるデブリを、入射軸IA及び出射軸EAから遠ざかる方向に移動させることが可能となる。
[原料供給機構]
図2は、原料供給機構6の構成例を示す模式図である。
図2には、図1の矢印Aの方向から回転体22及びコンテナ24を見た場合が図示されている。従って図2には、回転体22の表面22a側が図示されている。
図1及び図2に示すように、原料供給機構6は、回転体22と、コンテナ24と、モータ38と、軸部39と、スキマー40と、プラズマ原料循環装置41とを含む。
回転体22は、円盤状の部材であり、回転軸Oを中心に回転することで、プラズマ生成領域21にプラズマ原料23を供給する。回転体22は、表面22a及び裏面22bを有し、表面22aにエネルギービームEBが入射するように配置される。また表面22aの所定の位置に、エネルギービームEBが入射する入射領域25が設定される。
逆に言えば、回転体22の2つの主面のうち、エネルギービームEBが入射する入射領域25が設定される主面が表面22aとなる。そして反対側の主面が、裏面22bとなる。
従ってプラズマPが生成されるプラズマ生成領域21は、回転体22の表面22aに面した領域となる。プラズマ生成領域21に電場を印加する電場印加部50は、回転体22の表面22aに対向して配置される。ここで、表面22aに対向する配置とは、例えば表面22aに面する位置(表面22aから見える位置)に配置することを意味する。
図1に示す例では、電場印加部50となるチャンバ本体14の前方側の内壁と内側突出部17とが、表面22aに対向して配置されている。このように、表面22aに対向する部材を電場印加部50として用いることで、プラズマ生成領域21に効率的に電場を印加することが可能となる。
なお、プラズマ生成領域21に電場を印加するため、原料供給機構6のうちプラズマ原料23に接触する部分(回転体22、コンテナ24、スキマー40、プラズマ原料循環装置41)や、それらと電気的に接続する部分(モータ38や軸部39)は、電場印加部50となる部分(図1ではチャンバ本体14、内側突出部16及び17)に対して絶縁される。
従って、コンテナ24は、絶縁性の土台等を介してチャンバ本体14に配置され、コンテナ24や回転体22に接続する部分も、チャンバ本体14等とショートしないように適宜構成される。
回転体22は、例えばタングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)等の高融点金属を用いて構成される。
回転体22は、下方側の一部が、コンテナ24に貯留されたプラズマ原料23に浸漬されている。このとき、回転体22の位置や、コンテナ24内のプラズマ原料23の貯留量は、少なくとも回転体22の表面22aの一部がプラズマ原料23に浸かるように設定される。
放射線RとしてX線が出射される場合は、プラズマ原料23としてX線原料が用いられる。X線原料は常温で液体状である金属であり、例えば、ガリウム(Ga)や、ガリウム、インジウム(In)及びスズ(Sn)の共晶合金であるガリンスタン(登録商標)などのガリウム合金を用いることができる。
放射線RとしてEUV光が出射される場合は、プラズマ原料23としてEUV原料が用いられる。EUV光を放出するための原料としては、例えば、液体状のスズ(Sn)やリチウム(Li)が用いられる。
Sn、Liは常温では固体であるので、コンテナ24には図示を省略した温調手段が設けられる。例えば、EUV原料がSnの場合は、コンテナ24はSnの融点以上の温度に維持される。
回転体22の裏面22bの中心部には、モータ38の軸部39が接続される。制御部7によりモータ38の動作が制御され軸部39を介して回転体22が回転される。
軸部39は、回転体22の表面22aに直交する方向に延在する柱状の部材であり、その中心軸が回転体22及びモータ38の回転軸Oとなる。
軸部39は、筐体2の貫通孔10を通り、メカニカルシール42を介して、真空チャンバ3内に導入される。このとき、軸部39は、筐体2(貫通孔10)と接触しないように配置される。メカニカルシール42は、真空チャンバ3内の減圧雰囲気を維持しつつ、軸部39の回転を許容する。またメカニカルシール42は、電気絶縁性の材料を用いて構成され、軸部39(回転体22)を真空チャンバ3に対して絶縁する。
上記したように、回転体22は、コンテナ24に貯留されたプラズマ原料23に浸漬するように配置される。この状態で、回転体22が軸部39を中心に回転すると、表面22aになじんだプラズマ原料23がコンテナ24から引き上げられる。この方式により、表面22aの全周にわたってプラズマ原料23が塗布される。また、表面22aに塗布されたプラズマ原料23は、回転体22の回転とともに、エネルギービームEBの入射領域25に輸送される。
このように、本実施形態では、コンテナ24、モータ38、及び軸部39により、回転体22にプラズマ原料23が供給される。本実施形態では、コンテナ24、モータ38、及び軸部39により、原料供給部が実現される。
図2に示すように、本実施形態では、回転体22の表面22aの周縁部の近傍に、エネルギービームEBが入射する入射領域25が設定される。この入射領域25にプラズマ原料23が供給されるように、原料供給部(モータ38及び軸部39)の構成及び動作が適宜設計される。
スキマー40は、回転体22の表面22a上に供給されるプラズマ原料23の膜厚を所定の膜厚に調整するための膜厚調整部材として、回転体22の周縁部の所定の位置に設けられる。
スキマー40は、例えばチャネル構造を有する構造体であって、その内側に回転体22を挟むように所定の間隙をもって配置される。スキマー40は、回転体22の表面22aに塗布されたプラズマ原料23の一部を削ぎとるスクレーパーとして機能する。
回転体22の表面22aとスキマー40との間隔は、回転体22の表面22aのエネルギービームEBが入射する入射領域25におけるプラズマ原料23の膜厚に対応する。そして、スキマー40は、回転体22の表面22aの入射領域25におけるプラズマ原料23の膜厚を、所定の膜厚に調整可能な位置に配置される。
回転体22の表面22aとスキマー40との間隔を適宜設定する。これにより、コンテナ24の原料貯留部分において回転体22に塗布された液体状のプラズマ原料23は、回転体22の回転によってスキマー40を通過する際に、回転体22上における膜厚が所定の膜厚となるように調整される。
スキマー40によって膜厚が調整された回転体22上のプラズマ原料23は、回転体22の回転とともにエネルギービームEBが入射する入射領域25に輸送される。すなわち、回転体22の回転方向は、回転体22上のプラズマ原料23がスキマー40を通過後、入射領域25に輸送される方向である。そして、入射領域25において、回転体22上のプラズマ原料23にエネルギービームEBが照射され、プラズマPが発生される。
スキマー40により、入射領域25にほぼ均一にプラズマ原料23を供給することが可能となる。入射領域25におけるプラズマ原料23の厚みを安定させることにより、プラズマPから放射される放射線Rの強度を安定させることが可能となる。
プラズマ原料循環装置41は、放射線Rの発生動作によりプラズマ原料23が消費された場合に、適宜コンテナ24にプラズマ原料23を補充する。また、プラズマ原料循環装置41は、プラズマ原料23の温度調整機構(冷却機構)としても機能する。
図2に示すように、プラズマ原料循環装置41は、原料流入管路44と、原料排出管路45と、原料貯留槽46と、原料駆動部(ポンプ)47と、温度調整機構48とを含む。
原料貯留槽46には、プラズマ原料23が貯留される。
原料流入管路44及び原料排出管路45は、原料貯留槽46とコンテナ24とを連通するように、原料貯留槽46とコンテナ24との間に設置される。
原料駆動部47は、原料流入管路44に設置される。原料駆動部47が駆動することにより、原料貯留槽46に貯留されたプラズマ原料23が原料流入管路44に流出し、原料貯留槽46、原料流入管路44、コンテナ24、及び原料排出管路45の循環系にて、プラズマ原料23を循環させることが可能となる。
原料駆動部47としては、例えば磁力により液体金属(プラズマ原料23)を輸送することが可能な電磁ポンプが用いられる。もちろん、他の種類のポンプが用いられてもよい。
本実施形態では、原料貯留槽46及び原料駆動部47は、真空チャンバ3の外部であって、さらに筐体2の外部に配置される。
プラズマ原料循環装置41からコンテナ24へと延びる原料流入管路44及び原料排出管路45は、筐体2の貫通孔11を通り、シール部材49を介して真空チャンバ3内に導入され、コンテナ24に接続される。このとき、原料流入管路44及び原料排出管路45は、筐体2(貫通孔11)と接触しないように配置される。
シール部材49は、真空チャンバ3内の減圧雰囲気を維持しつつ、原料流入管路44及び原料排出管路45を真空チャンバ3の外側から内側へ貫通するのを許容する。またシール部材49は、電気絶縁性の材料を用いて構成され、原料流入管路44及び原料排出管路45(プラズマ原料23)を真空チャンバ3に対して絶縁する。
回転体22の表面22aに塗布されたプラズマ原料23のうち、エネルギービームEBが照射された部分は消費される。そのため、放射線R(X線又はEUV光)の発生動作を長期間安定して行うためには、大容量のプラズマ原料23をコンテナ24に貯留する必要がある。
一方で、光源装置1の真空チャンバ3の大きさとの兼ね合いから、真空チャンバ3の内部に収容可能なコンテナ24の大きさには制約があり、大容量のプラズマ原料23をコンテナ24に貯留することが困難な場合も多い。
そこで、大容量のプラズマ原料23を貯留可能な原料貯留槽46を真空チャンバ3の外部に設置し、原料流入管路44を介してコンテナ24の原料貯留部分にプラズマ原料23を補充可能に構成する。
これにより、コンテナ24の原料貯留部分のプラズマ原料23の量は長期間一定に保たれ、結果として放射線Rの発生動作を長期間安定して行うことが可能となる。
すなわち、プラズマ原料循環装置41は、コンテナ24の原料貯留部分のプラズマ原料23の量が一定となるように、コンテナ24の原料貯留部分と原料貯留槽46との間でプラズマ原料23を循環する。
また、回転体22の表面22aに塗布されたプラズマ原料23にエネルギービームEBが照射されると、当該プラズマ原料23(ターゲット)より放射線Rが発生すると同時に、回転体22自体が加熱される。この加熱された回転体22は、プラズマ原料23が貯留されているコンテナ24の原料貯留部分を通過する度に、コンテナ24内のプラズマ原料23との間で熱交換を行う。
そのため、そのままではコンテナ24内のプラズマ原料23の温度は徐々に変化してしまう。プラズマ原料23の粘度が温度により変化する場合、プラズマ原料23の温度の変化によりプラズマ原料23に対する回転体22の濡れ性が変化し、回転体22へのプラズマ原料23の付着状態が変化する。その結果、放射線Rの出力も変化するおそれがある。
本実施形態に係るプラズマ原料循環装置41は、比較的大型の原料貯留槽46を真空チャンバ3の外部(筐体2の外部)に備える。
そのため、コンテナ24の原料貯留部分において温度変化したプラズマ原料23が原料排出管路45を介して原料貯留槽46に流入したとしても、原料貯留槽46内のプラズマ原料23の温度はさほど変化せず、ほぼ一定に保たれる。
そして、ほぼ一定に温度が保たれたプラズマ原料23が、原料流入管路44を介してコンテナ24に流入される。
このように、プラズマ原料循環装置41によりプラズマ原料23を循環させることで、コンテナ24内のプラズマ原料23の温度はほぼ一定に保たれる。従って、回転体22へのプラズマ原料23の付着状態も安定し、放射線Rの出力を安定させることが可能となる。
さらに、原料貯留槽46内のプラズマ原料23の温度が、原料貯留槽46の内部に設けられた温度調整機構48によって調整されてもよい。
原料貯留槽46は、真空チャンバ3の外部(筐体2の外部)に設置されているため、真空チャンバ3の大きさに左右されない大容量の温度調整機構48を用いることができる。これにより、プラズマ原料23の温度を短時間で確実に所定の温度に調整することが可能となる。
このように、温度調整機構48を有するプラズマ原料循環装置41を用いることにより、プラズマ原料23の温度を一定に保ったまま、コンテナ24の原料貯留部分にプラズマ原料23を供給することが可能となる。
例えば、液体状態における温度が常温よりも低い液体金属が、プラズマ原料23として用いられるとする。この場合でも、常温よりも低い温度に保ったまま、液相のプラズマ原料23を、コンテナ24に供給することが可能である。
また、液体状態における温度が常温よりも低い液体金属が、プラズマ原料23として用いられるとする。この場合でも、常温より高い温度に保ったまま、液相のプラズマ原料23を、コンテナ24に供給することが可能である。
また、図1に示すように、本実施形態では、チャンバ本体14の前面側にて、真空チャンバ3と空間的に接続される領域に、放射線診断部29が構成される。放射線診断部29は、放射線Rの出射軸EAとは異なる方向に放射される放射線Rが入射する位置に構成される。
放射線診断部29は、プラズマPからの放射線Rの状態を測定する。ここで放射線Rの状態とは、放射線Rの強度、波長、スペクトルといった放射線Rの物理的状態である。例えば、放射線Rの有無を検出する検出器や、放射線の出力を測定する測定器により放射線診断部29が構成される。
放射線診断部29による測定結果は、放射線Rの診断や、プラズマPへの印加電圧Vの制御に用いられる。
また、図1に示すように、本実施形態では、筐体2の外側に外部電圧源51が配置される。外部電圧源51は、例えばGND電位を基準として正側の高電圧(+HV)や、負側の高電圧(-HV)を出力可能である。外部電圧源51において高電圧が印加される出力端子は、筐体2を貫通するフィードスルー52と、チャンバ本体14を貫通するフィードスルー53とを介して、コンテナ24に接続される。フィードスルー52及び53は、電気絶縁性の材料を用いて構成される。またフィードスルー53は、真空チャンバ3内の減圧雰囲気を維持する。
上記した制御部7が外部電圧源51を制御することで、プラズマ原料23と電場印加部50との電位差(印加電圧V)が制御される。
[プラズマ生成領域への電場の印加]
図3は、プラズマ生成領域21に電場を印加する簡易的なモデルを示す模式図である。
上記したように、本実施形態では、チャンバ本体14(真空チャンバ3)が、電場印加部50として設定される。すなわち、プラズマ生成領域21に真空雰囲気(減圧雰囲気)を形成する容器(チャンバ本体14)の構成部材が、電場印加部50として利用される。
なお図1に示す例では、チャンバ本体14の内壁に設けられ、プラズマ生成領域21に向けて突出した内側突出部16及び17も、チャンバ本体14と電気的に接続されており、電場印加部50として機能する。
図3には、プラズマ原料23が供給される回転体22と、電場印加部50となるチャンバ本体14とが、絶縁体55を介して接続されたモデルが模式的に図示されている。また図3では、内側突出部16及び17の図示は省略している。
例えばコンテナ24をチャンバ本体14に配置するための絶縁性の土台、モータ38の軸部39をチャンバ本体14に通す絶縁性のメカニカルシール42、及び原料流入管路44及び原料排出管路45をチャンバ本体14に通す絶縁性のシール部材49等が、絶縁体55となる。
このように各種の絶縁体55を間に設けることで、回転体22とチャンバ本体14とは電気的に分離される。
また、図3に示すように、本実施形態では、回転体22(プラズマ原料23)が、外部電圧源51(図3ではHVと記載)に接続され、チャンバ本体14がGND電位に接続される。
例えば、外部電圧源51からGND電位を基準として正の高電圧(+HV)が出力されると、回転体22に供給されたプラズマ原料23は、チャンバ本体14に対して高電位となる。逆に、外部電圧源51からGND電位を基準として負の高電圧(-HV)が出力されると、回転体22に供給されたプラズマ原料23は、チャンバ本体14に対して低電位となる。
この場合、プラズマ生成領域21には、プラズマ原料23とチャンバ本体14との間の電位差(+HV又は-HV)に応じた電場が印加される。例えばプラズマ原料23にかけられる電圧が大きいほど、プラズマ生成領域21にかかる電場の強度は大きくなる。
また、プラズマ原料23とチャンバ本体14との距離が短いほど、プラズマ生成領域21にかかる電場の強度は大きくなる。例えばチャンバ本体14と電気的に接続された内側突出部16(又は内側突出部17)がプラズマ生成領域21に向けて突出していることで、電場の強度を大きくすることが可能である。
このように、プラズマ原料23側に高電圧を印加し、チャンバ本体14はGND電位に落とす構成とすることで、例えばチャンバ本体14を筐体2等に対して電気的に分離する必要がなくなる。またチャンバ本体14や筐体2に作業者等が直接触れた場合でも感電するおそれがなく、安全な装置を実現することが可能である。
以下では、プラズマ生成領域21における電場の働きについて説明する。
[EUV光源における電場の働き]
図4は、EUV光を発生するプラズマに電場を印加した際のプラズマの挙動について説明するための模式図である。
以下では、図4を参照して、EUV光を発生するプラズマPが生成され、そのプラズマPに電場が印加される場合について説明する。この場合、プラズマ原料23としては、EUV原料となるSnやLi等が用いられる。またエネルギービームEBの強度及び波長(エネルギー)は、EUV光を発生可能なように適宜設定される。
光源装置1では、エネルギービームEBがプラズマ原料23に照射されることで、プラズマ原料23を構成する原子が負電荷をもつ電子60と正電荷をもつイオン61とに分離されて、プラズマPが生成される。このため、プラズマPには、負電荷の電子60と正電荷のイオン61とが多数含まれる。
図4には、プラズマPを構成するイオン61が大きい円で模式的に図示されており、またプラズマPを構成する電子60が小さい円で模式的に図示されている。また、プラズマ原料23が供給されエネルギービームEBが入射する回転体22と、GND電位に接続された電場印加部50とが矩形の領域として模式的に図示されている。
放射線RとしてEUV光(極端紫外光)を発生する場合、電場印加部50は、回転体22に供給されたプラズマ原料23に対して高電位に設定される。この場合、プラズマ原料23は低電位となるため、プラズマ原料23の近傍には正電荷のイオン61が集まる。これにより、EUV光の発光効率を高めることが可能となる。
以下では、EUV光を発生するプラズマPにおける電場の働きについて具体的に説明する。ここでは、プラズマ原料23としてSnを用い、エネルギービームEBとしてレーザ光を用いる場合を例に挙げるが、他のプラズマ原料やエネルギービームが用いられてもよい。
図4に示すように、回転体22に供給された液体状のスズ(Sn)をターゲットとして、エネルギービームEBであるレーザ光(レーザビーム)が照射される。照射されたレーザ光によりプラズマ原料23が気化する。そして気化したプラズマ原料23にさらにレーザ光が照射されて、プラズマ原料23が電離(プラズマ化)する。この結果、正電荷のイオン61(Sn+)と、負電荷の電子60(e-)とを含むプラズマPが生成される。プラズマPは、レーザ光を照射して生成されたレーザ生成プラズマである。
この過程で、プラズマPは断熱膨張により体積が増大する。またプラズマPの膨張速度は、例えば電子温度Teやイオン温度Tiに比例する。なお、プラズマPは体積が増大する一方で、その密度は低下することになる。
図4では、ターゲットであるプラズマ原料23を電場印加部50よりも低電位に設定し、プラズマP(プラズマ生成領域21)に電場が印加される。
ここでは、電場印加部50(チャンバ本体14等)の電位は、GND電位に設定される。また回転体22に供給されたプラズマ原料23の電位は、負電位に設定される。
具体的には、外部電圧源51からマイナスの高電圧(-HV)がコンテナ24に供給される。そしてコンテナ24を介して、プラズマ原料23及び回転体22の電位が-HVとなる。
EUV光を発生させるためには、例えばEUV光を発光可能な高温プラズマの状態でプラズマPを維持することが重要である。一方で、上記したようにプラズマPが膨張するとプラズマPの温度が低下し、高温プラズマとしての状態を維持することが難しい。このプラズマPの膨張に伴い、EUV光の輝度(発光強度)が低下することが考えられる。
そこで図4では、チャンバ本体14がGND電位に設定された状態で、プラズマ原料23にマイナスの印加電圧V=-HVが印加される。これにより、プラズマ生成領域21には、正電荷のイオン61(Sn+)をプラズマ原料23(回転体22)側に移動させる電場が発生する。
プラズマPを構成するイオン61(Sn+)は回転体22側に引き寄せられ、回転体22の近傍ではイオン密度が上昇する。すなわちプラズマ生成領域21に発生する電場は、イオン61(Sn+)を閉じ込めるともいえる。
この結果、プラズマPの膨張が抑えられるので、高温プラズマの状態が維持される。これにより、例えばプラズマ原料23に印加電圧Vを加えない場合と比べて、プラズマPから放射されるEUV光の輝度が向上する。
また、電場の付与によるプラズマP中のイオン61を閉じ込め効果により、プラズマPの膨張速度、すなわちプラズマPの冷却速度を抑えることが可能である。これにより、EUV光の発光に最適なイオン密度の状態を、電場を付与しない場合よりも長く維持することが可能となる。すなわち、EUV光を発光可能な時間を長くすることが可能である。
これにより、EUV光の発光効率(例えば単位時間当たりの発光量)を向上することが可能となる。
このように、光源装置1がEUV光源として構成された場合、ターゲットであるプラズマ原料23を負電位に設定することが好ましい。これにより、プラズマPの膨張が抑制され、EUV光の輝度や発光効率を向上することが可能である。
このような構成は、例えばEUV光を利用した検査光源等において輝度を増大させる場合に有用である。
[硬X線光源における電場の働き]
図5は、硬X線を発生するプラズマに電場を印加した際のプラズマの挙動について説明するための模式図である。
以下では、図5を参照して、硬X線を発生するプラズマPが生成され、そのプラズマPに電場が印加される場合について説明する。この場合、プラズマ原料23としては、X線原料となるGa、In、Sn、及びガリウム合金等が用いられる。またエネルギービームEBの強度及び波長(エネルギー)は、硬X線を発生可能なように適宜設定される。
放射線Rとして硬X線を発生する場合、電場印加部50は、回転体22に供給されたプラズマ原料23に対して低電位に設定される。この場合、プラズマ原料23は高電位となるため、プラズマ原料23の近傍には負電荷の電子60が集まる。これにより、硬X線の発光効率を高めることが可能となる。
以下では、硬X線を発生するプラズマPにおける電場の働きについて具体的に説明する。ここでは、プラズマ原料23としてSnを用い、エネルギービームEBとしてレーザ光を用いる場合を例に挙げるが、他のプラズマ原料やエネルギービームが用いられてもよい。
図5に示すように、回転体22に供給された液体状のスズ(Sn)をターゲットとして、エネルギービームEBであるレーザ光(レーザビーム)が照射され、正電荷のイオン61(Sn+)と、負電荷の電子60(e-)とを含むプラズマPが生成される。プラズマPは、レーザ光を照射して生成されたレーザ生成プラズマである。
ここで、硬X線の発生過程について説明する。上記したEUV光は、主にターゲット材の外側の軌道で電子が遷移することで発生するものであった。これに対し、硬X線は、ターゲット材の内側の軌道の電子を励起(内殻励起)することによって発生する線スペクトル状の特性X線である。
このような特性X線を得るには、ターゲット材の原子における内殻(例えばK殻)を励起することが必要である。内殻励起では、例えばK殻の電子が弾き飛ばされ空の軌道が生成される。この空の軌道に向かって外殻電子が遷移することにより、電子軌道のエネルギー差と等しいエネルギーをもった特性X線が放出される。なお、特性X線の波長は、ターゲット原子の種類に依存する。
内殻励起は、高温プラズマ中の電子によってもたらされる。すなわち、高温プラズマ中の電子が、内殻の電子を弾き飛ばすことで、空の軌道が生成される。このような電子をプラズマP内に生成するためには、高強度のエネルギービームEB(レーザビーム)をターゲット材に照射することが必要となる。
このような効果を高めるために、ターゲット材にバイアスがかけられる。
図5では、ターゲットであるプラズマ原料23を電場印加部50よりも高電位に設定し、プラズマP(プラズマ生成領域21)に電場が印加される。
ここでは、電場印加部50(チャンバ本体14等)の電位は、GND電位に設定される。また回転体22に供給されたプラズマ原料23の電位は、正電位に設定される。
具体的には、外部電圧源51からプラスの高電圧(+HV)がコンテナ24に供給される。そしてコンテナ24を介して、プラズマ原料23及び回転体22の電位が+HVとなる。
この結果、プラズマP中の電子60(e-)は、回転体22側に向かって加速される。従って、プラズマ原料23(Sn)やそのイオン61(Sn+)には、運動量が高められた電子60(e-)が衝突することになる。この結果、内殻励起と外殻電子の遷移がより効果的に発生する。すなわち、電子60(e-)の利用効率が上昇し、結果として特性X線の発生効率を向上することが可能である。
このように、光源装置1が硬X線光源として構成された場合、ターゲットであるプラズマ原料23を正電位に設定することが好ましい。これにより、プラズマP中の電子60を加速させて、内殻励起を効率的に引き起こすことが可能であり、硬X線の発生効率(輝度)を向上することが可能である。
[電場による放射線の制御]
本実施形態では、図1を参照して説明した放射線診断部29により、放射線R(EUV光又は硬X線)の強度が測定される。そして制御部7により、放射線Rの強度の測定結果に基づいて放射線Rの強度が高くなるようにプラズマ原料23と電場印加部50との電位差が制御される。
すなわち、放射線Rの強度をモニタリングして、強度が大きくなるように電位差が設定される。これにより、目的とする放射線Rの発光効率を向上することが可能となる。
図1に示す例では、外部電圧源51から出力される印加電圧V(+HV又は-HV)が、プラズマ原料23と電場印加部50との電位差となる。制御部7は、この印加電圧Vの大きさを制御することで、プラズマ生成領域21に印加される電場の強度を制御する。
例えば放射線診断部29は、プラズマPから放射される放射線Rのスペクトルを検出する。制御部7では、スペクトルの結果がモニタリングされ、目的とする波長の強度が増大するように印加電圧Vが調整される。これにより、放射線Rの発光効率を十分に向上することが可能となる。
また、放射線診断部29によって放射線Rの波長をモニタリングしながら電場の強さを調整することにより、放射線Rの波長を比較的簡便に制御することが可能である。すなわち、印加電圧Vを制御して、放射線Rの波長を制御してもよい。
例えば、印加電圧Vに応じて放射線Rのスペクトルが変化し、放射線Rの中心波長等がシフトするといったことがあり得る。この場合、中心波長が所定の波長となるように、印加電圧を調整するといったことが可能である。これにより、例えば中心波長を安定化することや、微調整するといったことが可能である。
以上、本実施形態に係る光源装置1では、エネルギービームEBが入射する位置に配置された回転体22にプラズマ原料23が供給される。このプラズマ原料23はエネルギービームEBの照射によりプラズマ化する。プラズマPが生成されるプラズマ生成領域21には、プラズマ原料23とは異なる電位に設定された電場印加部50を介して電場が印加される。これによりプラズマPの状態を変化させることが可能となり、エネルギービームEBによって生成されるプラズマPの発光効率を向上することが可能となる。
エネルギービームEBにプラズマ原料をプラズマ化する場合、プラズマPの状態を変化させる方法として、エネルギービームEBの強度(パワー)を変化させる方法が挙げられる。例えばエネルギービームEBがレーザビームの場合、ピークパワーが大きいYAGレーザ等のパルスレーザビームが採用される。
例えば強度の強いパルスレーザビームをプラズマ原料に照射することで、発光効率のよい高温プラズマが生成されるが、一方でパルスレーザビームを放出するレーザ源が大型化する可能性がある。
本実施形態では、ターゲットとなるプラズマ原料23にエネルギービームEBを照射してプラズマPが生成される。このプラズマPから放射線R(X線またはEUV光)を放出させるにあたり、プラズマ原料23と電場印加部50(チャンバ本体14等)との電位を制御し、プラズマ生成領域21に電場を印加する。これにより、プラズマPの状態を変化させることが可能となる。
例えば図4を参照して説明したように、EUV光を発生させる場合には、GNDに落とされたチャンバ本体14に対して、ターゲット(プラズマ原料23)側がマイナスの電位に設定される。これにより正電荷のイオン61を閉じ込めることが可能となり、プラズマPの膨張を抑えて高温プラズマの状態を良好に保つことが可能となる。この結果、プラズマPでのEUV光の発光効率を向上することが可能となる。
また例えば図5を参照して説明したように、硬X線を発生させる場合には、GNDに落とされたチャンバ本体14に対して、ターゲット(プラズマ原料23)側がプラスの電位に設定される。これによりプラズマP中の電子60をターゲットに向けて加速させることが可能となる。運動エネルギーの高い電子60が増加することで、硬X線を発生する内殻励起の頻度を増加することが可能となる。この結果、プラズマPでの硬X線の発光効率を向上することが可能となる。
<第2の実施形態>
本発明に係る第2の実施形態の光源装置について説明する。これ以降の説明では、上記の実施形態で説明した光源装置1における構成及び作用と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化する。
図6は、第2の実施形態に係る光源装置の構成例を示す模式図である。
光源装置101は、チャンバ本体14に、回転体収容チャンバ80を設けた構成となっている。以下では、図1を参照して説明した光源装置1と同様の構成については、図1と同じ符号を付けて説明する。
回転体収容チャンバ80は、チャンバ本体14の内部に少なくとも一部が設けられ、回転体22を収容する。図6に示す例では、回転体収容チャンバ80は、一部がチャンバ本体14(真空チャンバ3)から突出するように構成される。なお回転体収容チャンバ80は、チャンバ本体14の内部に完全に内包されていてもよい。
回転体収容チャンバ80は、原料供給機構6のうち、回転体22、コンテナ24、軸部39の一部、及びスキマー40を収容するように構成される。
図6に示す例では、回転体収容チャンバ80は、断面形状が平行四辺形となるような箱型の容器であり、チャンバ本体14の後方面に設けられた開口部65に嵌め込まれる。回転体収容チャンバ80の前方面は、回転体22に沿って配置され、回転体収容チャンバ80の後方面及び左側面の一部はチャンバ本体14から突出する。この突出部分は、チャンバ本体14とともに減圧雰囲気を維持するための隔壁として機能する。
回転体収容チャンバ80は、エネルギービーム用開口部81と、放射線用開口部82とを有する。エネルギービーム用開口部81は、エネルギービームEBの入射軸IAが通るように設けられた貫通孔である。また放射線用開口部82は、放射線Rの出射軸EA及び放射線診断部29への出射軸が通るように設けられた貫通孔である。
回転体22のプラズマ生成領域21へのエネルギービームEBの照射は、エネルギービーム用開口部81を介して行われる。また、エネルギービームEBの照射により生成される高温プラズマから放出される放射線R(X線またはEUV光)は、放射線用開口部82を介して、出射チャンバ5及び放射線診断部29に入射する。
なお、チャンバ本体14の内部と回転体収容チャンバ80の内部とは、エネルギービーム用開口部81、放射線用開口部82を介して空間的に接続される。従って両者の内部は減圧雰囲気に維持される。
本実施形態では、回転体収容チャンバ80が電場印加部50として用いられる。すなわち、回転体収容チャンバ80は、プラズマ生成領域21に電場を印加するために、回転体22に供給されたプラズマ原料23とは異なる電位に設定される部材である。
図6では、筐体2の外側に配置された外部電圧源51の出力端子が、筐体2を貫通するフィードスルー52を介して、回転体収容チャンバ80に接続される。そして回転体収容チャンバ80には、外部電圧源51により正の高電圧(+HV)もしくは負の高電圧(-HV)が印加される。
なお、外部電圧源51の動作は、制御部7により制御される。
一方、回転体収容チャンバ80に収容された収容物(回転体22、コンテナ24、コンテナ24が収容するプラズマ原料23、軸部39の一部等)や、チャンバ本体14、チャンバ本体14内の他の部品は、GND電位に接続される。
すなわち、回転体収容チャンバ80だけに高電圧がかかるように各部が構成される。
このため、本実施形態では、回転体収容チャンバ80は、チャンバ本体14と絶縁されている。具体的には、チャンバ本体14の開口部65に、回転体収容チャンバ80とチャンバ本体14とを電気的に分離する絶縁部材66が設けられる。
絶縁部材66は、例えばセラミックス等の電気絶縁性の材料を用いて構成される。また絶縁部材66は、チャンバ本体14及び回転体収容チャンバ80の減圧雰囲気を維持しつつ、回転体収容チャンバ80がチャンバ本体14の外側から内側へ貫通するのを許容する。
また、コンテナ24は、絶縁性の土台等を介して回転体収容チャンバ80に配置される。
また、モータ38の軸部39が回転体収容チャンバ80を貫通するように配置される。この貫通部分には、回転体収容チャンバ80内の減圧雰囲気を維持しつつ軸部39の回転を許容する電気絶縁性のメカニカルシール42が用いられる。
また、プラズマ原料循環装置41からコンテナ24に接続される原料流入管路44および原料排出管路45が回転体収容チャンバ80を貫通するように配置される。この貫通部分には、回転体収容チャンバ80の減圧雰囲気を維持する電気絶縁性のシール部材49が用いられる。
これにより、回転体収容チャンバ80は、チャンバ本体14、チャンバ本体14内の他の部品、及び回転体収容チャンバ80の収容物から電気的に絶縁される。
図7は、プラズマ生成領域21に電場を印加する簡易的なモデルを示す模式図である。
上記したように、本実施形態では、チャンバ本体14に設けられた回転体収容チャンバ80が、電場印加部50として設定される。すなわち、チャンバ本体14とは別に設けられた部材が、電場印加部50として利用される。
図7には、電場印加部50となる部材が絶縁体55を介してチャンバ本体14に導入されているモデルが模式的に図示されている。なおこのモデルでは、回転体22及びチャンバ本体14が電気的に接続されている。
例えばコンテナ24を回転体収容チャンバ80に配置するための絶縁性の土台、モータ38の軸部39を回転体収容チャンバ80に通す絶縁性のメカニカルシール42、及び原料流入管路44及び原料排出管路45をチャンバ本体14に通す絶縁性のシール部材49等が、絶縁体55となる。
このように各種の絶縁体55を間に設けることで、回転体収容チャンバ80は他の構成から電気的に分離される。
また、図7に示すように、本実施形態では、回転体収容チャンバ80が、外部電圧源51(図3ではHVと記載)に接続され、回転体22及びチャンバ本体14がGND電位に接続される。
例えば、外部電圧源51からGND電位を基準として正の高電圧(+HV)が出力されると、回転体収容チャンバ80は、回転体22に供給されたプラズマ原料23に対して高電位となる。逆に、外部電圧源51からGND電位を基準として負の高電圧(-HV)が出力されると、回転体収容チャンバ80は、回転体22に供給されたプラズマ原料23に対して低電位となる。
この場合、プラズマ生成領域21には、プラズマ原料23と回転体収容チャンバ80との間の電位差(+HV又は-HV)に応じた電場が印加される。
この構成では、プラズマ原料23と電場印加部50である回転体収容チャンバ80との距離を比較的短く設定することが可能である。このため、例えば図1等に示すようにチャンバ本体14を電場印加部50として用いる構成に比べて、プラズマ生成領域21に印加される電場の強度を大きくすることが可能である。
また、回転体収容チャンバ80に高電圧を印加し、回転体22及びチャンバ本体14はGND電位に落とす構成とすることで、例えば回転体22及びチャンバ本体14を筐体2等に対して電気的に分離する必要がなくなる。またモータ38やプラズマ原料循環装置41もGND電位となるため、装置を安全に取り扱うことが可能となる。
図6に示す光源装置101において、EUV光を発生する場合について説明する。
上記したように、EUV光を発生させる場合には、ターゲットであるプラズマ原料23を電場印加部50に対して低電位とすることが望ましい(図4参照)。この場合、電場印加部50である回転体収容チャンバ80には、外部電圧源51から正の印加電圧V(V=+HV)が供給される。
この結果、エネルギービームEBを照射してプラズマPが生成されると、プラズマPに含まれる正電荷のイオン61(例えばSn+等)が回転体22の近傍に閉じ込められる。これにより、プラズマPの膨張が抑制され高温プラズマの状態を良好に保つことが可能となる。この結果、プラズマPでのEUV光の発光効率を向上することが可能となる。
図6に示す光源装置101において、硬X線を発生する場合について説明する。
上記したように、硬X線を発生させる場合には、ターゲットであるプラズマ原料23を電場印加部50に対して高電位とすることが望ましい(図5参照)。この場合、電場印加部50である回転体収容チャンバ80には、外部電圧源51から負の印加電圧V(V=-HV)が供給される。
この結果、エネルギービームEBを照射してプラズマPが生成されると、プラズマPに含まれる負電荷の電子60が回転体22に向けて加速される。これにより運動エネルギーの高い電子60が増加し、硬X線を発生する内殻励起の頻度を増加することが可能となる。この結果、プラズマPでの硬X線の発光効率を向上することが可能となる。
上記では、図6に示すように、回転体収容チャンバ80がチャンバ本体14に貫通して配置される構成について説明した。例えば、チャンバ本体14の内部に収まるように、回転体収容チャンバ80が構成されてもよい。この場合、回転体収容チャンバ80には、軸部39、原料流入管路44、及び原料排出管路45の各部材を回転体収容チャンバ80に接触しないように通す貫通孔が設けられる。またチャンバ本体14には、軸部39を通すメカニカルシール42や、原料流入管路44及び原料排出管路45を通すシール部材49が設けられる。なお、この構成ではメカニカルシール42及びシール部材49は電気絶縁性でなくてもよい。
また回転体収容チャンバ80に代えて、棒状や板状の電極部材が電場印加部50として用いられてもよい。例えば図7のモデルに示すように、チャンバ本体14等のGND電位に接続される部材とは絶縁された金属部材が、回転体22の表面22aとプラズマ生成領域21を挟んで対向するように配置される。このような構成であっても、プラズマ生成領域21に必要に応じて電場を印加することが可能である。
<その他の実施形態>
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
上記では、チャンバ本体14と、その内側に配置されプラズマ生成領域21に突出する内側突出部16及び17とが電気的に接続される例について説明した。
例えば内側突出部16(又は内側突出部17)が、チャンバ本体14と絶縁されて、電場印加部50として用いられてもよい。すなわち、プラズマ生成領域に向けて突出した突出部(内側突出部16及び17)が、電場印加部50として用いられてもよい。
このように内側突出部16(又は内側突出部17)を電場印加部50とする構成は、例えば図7に示すモデルで表すことが可能である。
例えば放射線Rの出射チャンバ5を構成する内側突出部16が、セラミックス材料等からなる不図示の絶縁体によって、チャンバ本体14から電気的に絶縁される。そして内側突出部16に、外部電圧源51の出力端子が接続される。なお、チャンバ本体14及び回転体22(プラズマ原料23)は、GND電位に接続される。
この場合、内側突出部16に正電圧(+HV)を印加することで、EUV光の発光効率を向上することが可能である。また、内側突出部16に負電圧(-HV)を印加することで、硬X線の発光効率を向上することが可能である。
また、内側突出部16に電圧を印加することで、発生する電場によりイオン性のデブリを内側突出部16から反発させることや、デブリの進行方向を出射チャンバ5内へ進入する方向から逸らすことが可能となる。
なお、このような効果は、内側突出部16以外の部材が電場印加部50として用いられる場合でも有効である。例えば図1では、チャンバ本体14が電場印加部50としてGND電位に接続される。この構成において、チャンバ本体14から内側突出部16を絶縁する。そして、デブリをコントロールするための外部電圧源を新しく設け内側突出部16に接続する。これにより、出射チャンバ5へのデブリの侵入等を抑制することが可能である。
同様に、エネルギービームEBの入射チャンバ4を構成する内側突出部17を、セラミックス材料等からなる不図示の絶縁体によって、チャンバ本体14から電気的に絶縁してもよい。この場合、内側突出部17に高電圧を適宜印加することで、放射線Rの発光効率を向上することが可能である。
本開示において、説明の理解を容易とするために、「略」「ほぼ」「おおよそ」等の文言が適宜使用されている。一方で、これら「略」「ほぼ」「おおよそ」等の文言を使用する場合と使用しない場合とで、明確な差異が規定されるわけではない。
すなわち、本開示において、「中心」「中央」「均一」「等しい」「同じ」「直交」「平行」「対称」「延在」「軸方向」「円柱形状」「円筒形状」「リング形状」「円環形状」等の、形状、サイズ、位置関係、状態等を規定する概念は、「実質的に中心」「実質的に中央」「実質的に均一」「実質的に等しい」「実質的に同じ」「実質的に直交」「実質的に平行」「実質的に対称」「実質的に延在」「実質的に軸方向」「実質的に円柱形状」「実質的に円筒形状」「実質的にリング形状」「実質的に円環形状」等を含む概念とする。
例えば「完全に中心」「完全に中央」「完全に均一」「完全に等しい」「完全に同じ」「完全に直交」「完全に平行」「完全に対称」「完全に延在」「完全に軸方向」「完全に円柱形状」「完全に円筒形状」「完全にリング形状」「完全に円環形状」等を基準とした所定の範囲(例えば±10%の範囲)に含まれる状態も含まれる。
従って、「略」「ほぼ」「おおよそ」等の文言が付加されていない場合でも、いわゆる「略」「ほぼ」「おおよそ」等を付加して表現され得る概念が含まれ得る。反対に、「略」「ほぼ」「おおよそ」等を付加して表現された状態について、完全な状態が必ず排除されるというわけではない。
本開示において、「Aより大きい」「Aより小さい」といった「より」を使った表現は、Aと同等である場合を含む概念と、Aと同等である場合を含なまい概念の両方を包括的に含む表現である。例えば「Aより大きい」は、Aと同等は含まない場合に限定されず、「A以上」も含む。また「Aより小さい」は、「A未満」に限定されず、「A以下」も含む。
本技術を実施する際には、上記で説明した効果が発揮されるように、「Aより大きい」及び「Aより小さい」に含まれる概念から、具体的な設定等を適宜採用すればよい。
以上説明した本技術に係る特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。すなわち各実施形態で説明した種々の特徴部分は、各実施形態の区別なく、任意に組み合わされてもよい。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。
EB…エネルギービーム
R…放射線
P…プラズマ
C…チャンバ部
1、101…光源装置
3…真空チャンバ
4…入射チャンバ
5…出射チャンバ
6…原料供給機構
7…制御部
13…ビーム源
14…チャンバ本体
16…内側突出部
17…内側突出部
21…プラズマ生成領域
22…回転体
23…プラズマ原料
50…電場印加部
51…外部電圧源
80…回転体収容チャンバ

Claims (16)

  1. エネルギービームにより液体原料をプラズマ化して放射線を取り出す光源装置であって、
    前記エネルギービームが入射する位置に配置された回転体と、
    前記液体原料を前記回転体に供給する原料供給部と、
    前記回転体に供給された前記液体原料とは異なる電位に設定され、前記エネルギービームの照射によりプラズマが生成されるプラズマ生成領域に電場を印加する電場印加部と
    を具備する光源装置。
  2. 請求項1に記載の光源装置であって、
    前記電場印加部は、前記プラズマ生成領域を挟んで前記回転体に面して配置された導電体である
    光源装置。
  3. 請求項2に記載の光源装置であって、
    前記回転体は、表面及び裏面を有する円盤状の部材であり、前記表面に前記エネルギービームが入射するように配置され、
    前記電場印加部は、前記回転体の前記表面に対向して配置される
    光源装置。
  4. 請求項1から3のうちいずれか1項に記載の光源装置であって、さらに、
    前記回転体を収容し前記プラズマ生成領域が形成されるプラズマ生成部と、前記プラズマ生成領域に前記エネルギービームを取り込むビーム取り込み部と、前記プラズマ生成領域に生成された前記プラズマからの前記放射線を取り出す放射線取り出し部とを有するチャンバ部を具備する
    光源装置。
  5. 請求項4に記載の光源装置であって、
    前記電場印加部は、前記プラズマ生成部、前記ビーム取り込み部、又は前記放射線取り出し部の少なくとも1つを構成する部材である
    光源装置。
  6. 請求項4に記載の光源装置であって、
    前記チャンバ部は、前記プラズマ生成領域に向けて突出した突出部を有し、
    前記電場印加部は、前記突出部である
    光源装置。
  7. 請求項4に記載の光源装置であって、
    前記チャンバ部は、前記ビーム取り込み部と前記放射線取り出し部とが接続されるチャンバ本体と、前記チャンバ本体の内部に少なくとも一部が設けられ前記回転体を収容する回転体収容チャンバとを具備し、
    前記電場印加部は、前記回転体収容チャンバである
    光源装置。
  8. 請求項7に記載の光源装置であって、
    前記回転体収容チャンバは、前記チャンバ本体と絶縁されている
    光源装置。
  9. 請求項1に記載の光源装置であって、
    前記放射線は、X線、又は極端紫外光である
    光源装置。
  10. 請求項1に記載の光源装置であって、
    前記放射線は、極端紫外光であり、
    前記電場印加部は、前記回転体に供給された前記液体原料に対して高電位に設定される
    光源装置。
  11. 請求項10に記載の光源装置であって、
    前記液体原料の電位は、負電位に設定され、
    前記電場印加部の電位は、グランド電位に設定される
    光源装置。
  12. 請求項1に記載の光源装置であって、
    前記放射線は、硬X線であり、
    前記電場印加部は、前記回転体に供給された前記液体原料に対して低電位に設定される
    光源装置。
  13. 請求項12に記載の光源装置であって、
    前記液体原料の電位は、正電位に設定され、
    前記電場印加部の電位は、グランド電位に設定される
    光源装置。
  14. 請求項1に記載の光源装置であって、さらに、
    前記プラズマからの前記放射線の状態を測定する放射線測定部と、前記放射線の状態の測定結果に基づいて前記液体原料と前記電場印加部との電位差を制御する電位制御部とを具備する
    光源装置。
  15. 請求項14に記載の光源装置であって、
    前記放射線測定部は、前記放射線の強度を測定し、
    前記電位制御部は、前記放射線の強度の測定結果に基づいて前記放射線の強度が高くなるように前記液体原料と前記電場印加部との電位差を制御する
    光源装置。
  16. 請求項1に記載の光源装置であって、
    前記エネルギービームは、レーザ光である
    光源装置。
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