JP5245857B2 - 極端紫外光光源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放電により生成したプラズマより極端紫外光を発生させる極端紫外光光源装置に関し、特に、放電電極に供給された極端紫外光発生用高温プラズマ原料にエネルギービームを照射して気化させ、気化後の原料から放電により生成したプラズマより極端紫外光を発生させる極端紫外光光源装置に関する。
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、その製造用の投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。その要請に応えるため、露光用光源の短波長化が進められ、エキシマレーザ装置に続く次世代の半導体露光用光源として、波長13〜14nm、特に波長13.5nmの極端紫外光(以下、EUV(Extreme Ultra Violet)光ともいう)を放出する極端紫外光光源装置(以下、EUV光源装置ともいう)が開発されている。
EUV光源装置において、EUV光を発生させる方法はいくつか知られているが、そのうちの一つにEUV放射種の加熱励起により高温プラズマを発生させ、このプラズマから放射されるEUV光を取り出す方法がある。
このような方法を採用するEUV光源装置の種類の一つに、DPP(Discharge Produced Plasma:放電生成プラズマ)方式EUV光源装置がある。DPP方式EUV光源装置は、電流駆動によって生成した高温プラズマからのEUV放射光を利用するものである。
EUV光源装置において、強い放射強度の波長13.5nmのEUV光を放出する放射種、すなわち、EUV発生用高温プラズマ原料として、Li(リチウム)イオンとSn(錫)イオンが注目されている。
以下、DPP方式に基づくEUV放射のメカニズムを簡単に説明する。
DPP方式では、例えば内部に電極が配置された放電容器内をガス状の高温プラズマ原料雰囲気とし、当該雰囲気中の電極間において放電を発生させて初期プラズマを生成する。初期プラズマにおけるイオン密度は、例えば、1016cm-3程度、電子温度は、例えば、1eV以下程度である。
ここで、放電により電極間を流れる直流電流の自己磁場の作用により、上記した初期プラズマは収縮される。これにより初期プラズマの密度は高くなり、プラズマ温度が急激に上昇する。このような作用を、以下ピンチ効果と称する。ピンチ効果による加熱によって、高温となったプラズマのイオン密度は1017〜1020cm-3、電子温度は20〜30eV程度に到達し、この高温プラズマからEUV光が放射される。
近年、DPP方式において、放電が発生する電極表面に供給された固体もしくは液体のSnやLiにレーザ等のエネルギービームを照射して気化させ、その後、放電によって高温プラズマを生成する方法が特許文献1において提案されている。
以下、エネルギービームがレーザである場合を説明する。また、上記したこの方式をLAGDPP(Laser Assisted Gas Discharge Produced P1asma)方式と称することにする。
以下、特許文献1に示されたEUV光源装置について説明する。図9は同公報に示されたEUV光源装置の断面図である。
114,116は円盤状の電極であり、所定の圧力に調整された放電空間112に配置される。電極114および116は所定間隔だけ互いに離間しており、146を回転軸として回転する。
124は、波長13.5nmのEUV光を放射する高温プラズマ用原料である。高温プラズマ原料124は、加熱された溶融金属(melted metal)であり、コンテナ126に収容される。溶解金属124の温度は、コンテナ126内に設けられた温度調整手段130により調整される。
上記電極114,116は、その一部が溶融金属124を収容するコンテナ126の中に浸されるように配置される。電極114,116の表面上に乗った液体状の溶融金属124は、電極114,116が回転することにより、放電空間に輸送される。輸送された溶解金属124に対して(すなわち、所定間隔だけ互いに離間した電極114、116の表面に存在する溶解金属124に対して)、図示を省略したレーザ源よりレーザ120が照射される。レーザ120が照射された溶解金属124は気化する。
溶解金属124がレーザ120の照射により気化された状態で、電極114,116に、パルス電力が印加されることにより、領域112においてパルス放電が開始し、プラズマ122が形成される。
放電時に流れる大電流によりプラズマ122が加熱励起され高温化すると、この高温プラズマからEUV放射が発生する。EUV放射は図面上側に取り出される。
すなわち,上記した特許文献1に記載されているLAGDPP方式では、固体や液体等のターゲット(高温プラズマ原料)に対してレーザを照射し、原料を気化してガス状の高温プラズマ原料雰囲気(初期プラズマ)を生成する。DPP方式同様、初期プラズマにおけるイオン密度は、例えば、1016cm-3程度、電子温度は、例えば、1eV以下程度である。その後、放電電流駆動による加熱によって、高温となったプラズマのイオン密度は1017〜1020cm-3、電子温度は20〜30eV程度に到達し、この高温プラズマからEUVが放射される。
すなわち、この特許文献1に記載されているLAGDPP方式における放電電流駆動による加熱は、DPP方式と同様、ピンチ効果が利用されている。
なお、148は電源に相当するキャパシターバンクであり、絶縁性のフィードライン150を介してコンテナ126に収容された溶融金属124と電気的に接続されている。溶融金属124は導電性であるので、キャパシターバンク148より、溶融金属124を介して、一部が溶融金属124に浸漬している電極114,116に電気エネルギーが供給される。
本方式によれば、常温では固体であるSnやLiを放電が発生する放電領域の近傍で気化させることが容易になる。すなわち、放電領域に効率よく気化したSnやLiを供給できるので、放電後、効果的に波長13.5nmのEUV放射を取り出すことが可能となる。
また、特許文献1に記載されたEUV光源装置においては、電極を回転させているので、次のような利点がある。
(その1)常に新しいEUV発生種の高温プラズマ原料である固体または液体状の高温プラズマ原料を放電領域に供給することができる。
(その2)電極表面における、レーザが照射される位置、高温プラズマが発生する位置(放電部の位置)が常に変化するので、電極の熱負荷が低減し、消耗を防ぐことができる。
特表2007−505460号公報
しかしながら、特許文献1に示されたような装置の構成では、次のような問題がある。 上記EUV光源装置によれば、上記したように、レーザの照射により、電極表面上の原料が気化し、電極間で放電が開始してプラズマが形成される。しかしながら、効率のよいEUV放射の生成を実現するには、放電領域に供給される気化したプラズマ原料(例えばスズ)のガスの密度がある程度高いものである必要がある。なぜなら、前記したように、EUV光が放射される高温プラズマのイオン密度は、1017〜1020cm-3であり、この高温プラズマがピンチされる前の初期プラズマのイオン密度は1016cm-3程度必要だからである。
すなわち、放電が開始したとしても、例えば、放電領域に供給されたプラズマ原料のガスの密度が1016cm-3よりも低いと、放電により生成したプラズマから波長13.5nmのEUV光が発生しない。
特許文献1のEUV光源装置においては、プラズマ原料のガスはレーザを電極表面に塗布した液体または固体の原料に照射することにより両電極間(放電空間)に供給される。 しかし、レーザ照射により気化した原料は、両電極間の空間を3次元的に広がっていく。そのため、放電領域に供給されるプラズマ原料のガスの密度を制御することは困難であり、広がった原料ガスが対向する電極に達して放電が始まったときのガス密度は低くなり、必ずしもEUV放射に好適なものではない。
本発明は上記のような事情に鑑みなされたものであって、本発明の課題は、電極間に放電が生じた時の高温プラズマ原料の密度をできるだけ高い状態にすることが可能なEUV光源装置を提供することにある。
発明者らは、鋭意検討の結果、エネルギービーム(レーザビーム)の集光点より、エネルギービームの入射側にずれた位置にターゲットの表面を配置する、すなわち、原料の表面を、エネルギービームの集光点よりエネルギービームの入射側にずれた位置とすると、自由膨張の少ない初期プラズマを発生させることができることを見出した。
これにより、電極間に放電が生じた時の高温プラズマ原料の(ガスの)密度を、高い状態に維持することができる。
上記に基づき、本発明においては、以下のように前記課題を解決する。
対向して配置された一対の放電電極と、上記放電電極にパルス電力を供給するパルス電力供給手段と、上記放電電極に極端紫外光を放射させるための液体または固体の原料を電極上に供給する原料供給手段と、上記放電電極上に供給された上記原料に対し集光したエネルギービームを照射し、当該原料を気化させて上記一対の放電電極間で放電を開始させるエネルギービーム照射手段とを備えた極端紫外光光源装置において、上記原料の表面を上記エネルギービームの集光点より入射側にずれた位置に配置する。
本発明においては、極端紫外光を放射させるための原料を気化させるためのエネルギービームの集光点を、原料の表面よりも奥側に設定することにより、即ち、原料の表面を、エネルギービームの集光点より、エネルギービームの入射側にずれた位置に配置することにより、エネルギービームによって発生させたプラズマを、従来よりも自由膨張が少ないものにすることができる。
したがって、放電領域におけるプラズマ原料のガスの密度を高い状態、即ち極端紫外光の発生に適した状態に維持することができる。
本発明の実施例の極端紫外光(EUV)光源装置の構成(正面図)を示す図である。 本発明の実施例の極端紫外光(EUV)光源装置の構成(上面図)を示す図である。 図2においてレーザが集光している電極の部分を拡大して示した図である。 本発明の実施例の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例の動作を説明するためのタイミングチャートである。 電極間に発生するプラズマの状態を説明する図である。 本発明の実験例を説明する図である。 実験結果であるプラズマの形状を示す図である。 従来のEUV光源装置の断面図である。
図1、図2に、本発明の実施例の極端紫外光(EUV)光源装置の構成(断面図)を示す。図1は本実施例のEUV光源装置の正面図であり、EUV放射は同図左側から取り出される。図2は、本実施例のEUV光源装置の上面図である。
図1、図2に示すEUV光光源装置は、放電容器であるチャンバ1を有する。チャンバ1は、開口を有する隔壁1cを介して、大きく2つの空間に分割される。一方の空間には放電部が配置される。放電部は、EUV放射種を含む高温プラズマ原料を加熱して励起する加熱励起手段である。放電部は、一対の電極11,12等により構成される。
他方の空間には、高温プラズマ原料が加熱励起されて生成した高温プラズマから放出されるEUV光を集光して、チャンバ1に設けられたEUV取出部7より図示を省略した露光装置の照射光学系へ導くEUV集光鏡2、および、放電によるプラズマ生成の結果生じるデブリがEUV光の集光部へ移動するのを抑制するためのデブリトラップが配置される。本実施例においては、図1、図2に示すようにデブリトラップは、ガスカーテン13bならびにホイルトラップ3から構成される。
以下、放電部が配置される空間を放電空間1a、EUV集光鏡2が配置される空間を集光空間1bと呼ぶことにする。放電空間1aには真空排気装置4、集光空間1bには真空排気装置5が連結される。なお、ホイルトラップ3は,例えば,ホイルトラップ保持用隔壁3aによりチャンバ1の集光空間1b内に保持される。すなわち、図1、図2に示す例では、集光空間1bはホイルトラップ保持用隔壁3aにより、さらに2つの空間に分割されている。
なお、図1、図2においては、放電部がEUV集光部より大きいように示されているが、これは理解を容易にするためであり、実際の大小関係は図1、図2の通りではない。実際は、EUV集光部が放電部より大きい。すなわち、集光空間1bが放電空間1aより大きい。
1.本実施例のEUV光源装置の各部の構成
以下、本実施例のEUV光源装置の各部について詳細に説明する。
(1)放電部
放電部は、金属製の円盤状部材である第1の放電電極11、同じく金属製の円盤状部材である第2の放電電極12とからなる。第1および第2の放電電極11,12は、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル等の高融点金属からなり、所定距離だけ離間して互いに向かい合うように配置される。ここで、2つの電極11,12のうち一方が接地側電極であり、他方が高電圧側電極である。
両電極11,12の表面は同一平面上に配置してもよいが、図2に示すように、放電が発生しやすいように、電力印加時に電界が集中する周縁部のエッジ部分が、所定距離だけ離間して互いに向かい合うように配置することが好ましい。すなわち、各電極表面を含む仮想平面が交差するように各電極を配置することが好ましい。なお上記所定距離は、両電極の周縁部のエッジ部分間距離が最も短い部分での距離である。
両電極11,12にパルス電力供給手段(パルス電力発生器8)よりパルス電力が印加されると、上記周縁部のエッジ部分において放電が発生する。一般的には、両電極11,12の周縁部のエッジ部分間距離が最も短い部分で多く放電が発生する。以下、両電極間の放電が発生する空間を放電領域と呼ぶことにする。
上記したように、各電極11,12の周縁部のエッジ部分が所定距離だけ離間して互いに向かい合うように配置した場合、図2に示すように上方から俯瞰すると、第1および第2の放電電極11,12の表面を含む仮想平面が交差する位置を中心として、両電極11,12は放射状に配置されることになる。
図2においては、放射状に配置されている両電極11,12の周縁部のエッジ部分問距離が最も長い部分は、上記仮想平面の交差位置を中心としたとき、後述するEUV集光鏡2とは反対側に位置するように設置されている。
本実施例のEUV光源装置は、レーザの照射により気化した高温プラズマを原料とし、放電による電流駆動によって生成した高温プラズマからのEUV放射光を利用するものである。高温プラズマ原料の加熱励起手段は、一対の電極11,12間に発生した放電による大電流である。よって、電極11,12は放電に伴う大きな熱的負荷を受ける。また、高温プラズマは放電電極近傍に発生するので、電極11,12はこのプラズマからも熱的負荷を受ける。このような熱的負荷により電極は徐々に磨耗し金属デブリが発生する。
EUV光源装置は、露光装置の光源装置として使用される場合、高温プラズマから放出されるEUV放射光をEUV集光鏡2より集光し、この集光したEUV放射光を露光装置側へ放出する。金属デブリは、EUV集光鏡2にダメージを与え、EUV集光鏡2におけるEUV光反射率を劣化させる。
また、電極11,12は徐々に磨耗することにより、電極形状が変化する。これにより、一対の電極11,12間で発生する放電が徐々に不安定になり、その結果、EUV光の発生も不安定となる。EUV光光源装置を量産型の半導体露光装置の光源として用いる場合、上記したような電極の消耗を抑制し、電極寿命をできるだけ長くすることが必要となる。
このような要求に対応するため、図1、図2に示すEUV光源装置においては、第1の電極11、第2の電極12の形状を円盤状とし、かつ、少なくとも放電時に回転するように構成している。すなわち、第1および第2の電極11,12を回転させることにより、両電極においてパルス放電が発生する位置はパルス毎に変化する。
よって、第1および第2の電極11,12が受ける熱的負荷は小さくなり、電極11,12の磨耗スピードが減少し、電極の長寿命化が可能となる。以下、第1の電極11を第1の回転電極、第2の電極12を第2の回転電極ともいう。
具体的には、円盤上の第1の回転電極11、第2の回転電極12の中心部には、それぞれ、第1のモータ22aの回転軸22e、第2のモータ22bの回転軸22fが取り付けられている。第1のモータ22a、第2のモータ22bが、それぞれ回転軸22e,22fを回転させることにより、第1の回転電極11、第2の回転電極12は回転する。なお、回転の方向は特に規制されない。
ここで、回転軸22e,22fは、例えば、メカニカルシール22c,22dを介してチャンバ1内に導入される。メカニカルシール22c,22dは、チャンバ1内の減圧雰囲気を維持しつつ、回転軸の回転を許容する。
図1に示すように、第1の回転電極11と第2の回転電極12は、その一部が、第1のコンテナ11bと第2のコンテナ12b内の溶融したスズ11a,12aの中に浸されるように配置される。このスズ11a,12aは、波長13.5nmのEUV光を放射する高温プラズマ用原料であるとともに、第1の回転電極11、第2の回転電極12に電力を供給する給電用の金属としても働く。
第1のコンテナ11bおよび第2のコンテナ12bは、チャンバ1内の減圧雰囲気を維持可能な絶縁性の電力導入部11c,12cを介して、パルス電力供給手段であるパルス電力発生器8と接続される。第1、第2のコンテナ11b,12b、および、スズ11a,12aは導電性であり、第1の回転電極11の一部および第2の回転電極12の一部は、上記スズ11a,12aに浸漬しているので、第1のコンテナ11bおよび第2のコンテナ12b問にパルス電力発生器8からパルス電力を印加することにより,第1の回転電極11および第2の回転電極12間にパルス電力が印加される。
なお、図示を省略したが、第1のコンテナ11b、第2のコンテナ12bには、スズを溶融状態に維持する温度調節手段(図示せず)が備えられている。
(2)原料供給手段
第1のコンテナ11b、第2のコンテナ12bは、第1の回転電極11および第2の回転電極12の表面に、高温プラズマ原料であるスズ11a,12aを供給する原料供給手段でもある。
上記したように、第1の回転電極11および第2の回転電極12は、一部(周辺部)が液体状のスズを収容する上記コンテナの中に浸されるように配置されている。コンテナ11b,12b内で、スズ11a,12aは電極の周辺部表面に付着する。電極に付着したスズ11a,12aは、電極が回転することにより、放電領域に輸送される。放電領域に輸送されたスズ11aにレーザが照射され、スズ11aが気化することにより放電が開始する。
放電により電極表面に付着したスズ11a,12aは消費されるが、回転して再び第1のコンテナ11b、第2のコンテナ12b内のスズ11a,12aに浸されることにより、電極表面にスズ11a,12aが供給される。なお、本実施例においては、原料供給手段として上記のようなスズを溜めたコンテナを用いているが、電極表面に形成した溝や孔の中に、溶融したスズを滴下する、あるいは流し込むようなものを用いることもできる。
(3)原料を気化させるエネルギービーム照射手段
エネルギービーム照射手段は、レーザ23を照射するレーザ源23aならびにレーザ源23aの動作を制御するレーザ制御部23bを備える。
レーザ23を放出するレーザ源23aとしては、例えば、炭酸ガスレーザ源や、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ等の固体レーザ源、ArFレーザ、KrFレーザ、XeClレーザ等のエキシマレーザ源等を採用することができる。
また本実施例では、放電領域の所定の地点に照射するエネルギービームとしてレーザを照射しているが、レーザの代わりにイオンビーム、電子ビームを高温プラズマ原料に照射するようにしてもよい。
図3に、レーザの集光例について示す。同図は、図2のレーザが集光している電極の部分を拡大して示したものである。同図に示すように、レーザ源23aからレーザ23を第1の回転電極11上の高温プラズマ原料(スズ)11aに対して集光する。集光光学系23cとしては、例えば、凸レンズが使用される。
同図に示すように、本発明においては、レーザ23の集光点Pが原料11aの表面よりも奥側になるように設定されている。逆に言うと、原料の表面はレーザ23の集光点Pより入射側にずれた位置になるように配置されている。
回転電極11上の高温プラズマ原料(スズ)11aに対して、レーザ23を照射することにより、高温プラズマ原料(スズ)11aが気化する。気化したスズは、やがて対向配置された第2の回転電極12に達し、放電が開始する。
レーザ23の照射により気化した高温プラズマ原料は、レーザ23が入射する高温プラズマ原料11a表面の法線方向を中心にして広がる。よって、レーザ23は、気化後の高温プラズマ原料が対向する電極の方向に広がるように、高温プラズマ原料11a表面の放電領域に面する側に対して照射する必要がある。
ここで、レーザ23の照射により気化後の高温プラズマ原料のうち、放電による高温プラズマ形成に寄与しなかったものの一部、あるいは、プラズマ形成の結果分解生成する原子状ガスのクラスタの一部は、デブリとしてEUV光源装置内の低温部と接触し、堆積する。そのため、気化後の高温プラズマ原料がEUV集光鏡2の方向に広がらないように、レーザ23を高温プラズマ原料(スズ)11aに照射することが好ましい。
(4)パルス電力発生器
パルス電力供給手段であるパルス電力発生器8は、コンデンサと磁気スイッチとからなる磁気パルス圧縮回路部を介して,負荷である第1のコンテナ11bと第2のコンテナ12b、すなわち、第1の回転電極11と第2の回転電極12との間にパルス幅の短いパルス電力を印加する。
図1、図2にパルス電力発生器の構成例を示す。図1、図2のパルス電力発生器8は、可飽和リアクトルからなる2個の磁気スイッチSR2、SR3を用いた2段の磁気パルス圧縮回路を有する。コンデンサC1、第1の磁気スィッチSR2、コンデンサC2、第2の磁気スイッチSR3により2段の磁気パルス圧縮回路を構成している。
磁気スイッチSR1は、IGBT等の半導体スイッチング素子である固体スイッチSWでのスイッチングロスの低減用のものであり磁気アシストとも呼ばれる。なお、固体スイッチSWは、前述したスイッチング手段であり、以下ではスイッチング手段ともいう。
図1、図2に従って回路の構成と動作を以下に説明する。
まず、充電器CHの充電電圧が所定の値Vinに調整され、主コンデンサC0が充電器CHにより充電される。
このとき、IGBT等の固体スイッチSWはoffになっている。主コンデンサC0の充電が完了し、固体スイッチSWがonとなったとき、固体スイッチSW両端にかかる電圧は主に磁気スイッチSR1の両端にかかる。
磁気スイッチSR1の両端にかかる主コンデンサC0の充電電圧V0の時間積分値が磁気スイッチSR1の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR1が飽和して磁気スイッチが入り、主コンデンサC0、磁気スイッチSR1、昇圧トランスTr1の1次側、固体スイッチSWのループに電流が流れる。同時に、昇圧トランスTr1の2次側、コンデンサC1のループに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC1に充電される。
この後、コンデンサC1における電圧V1の時間積分値が磁気スイッチSR2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR2が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC1、磁気スイッチSR2、コンデンサC2のループに電流が流れ、コンデンサC1に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC2に充電される。
さらにこの後、コンデンサC2における電圧V2の時間積分値が磁気スイッチSR3の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR3が飽和して磁気スイッチが入り、第1のコンテナ11bと第2のコンテナ12b、すなわち、第1の回転電極11と第2の回転電極12との間に高電圧パルスが印加される。
ここで、磁気スイッチSR2、SR3及びコンデンサC1、C2で構成される各段の容量移行型回路のインダクタンスを後段に行くにつれて小さくなるように設定することにより、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行われ、第1の回転電極と第2の回転電極間において短パルスの強い放電を実現することが可能となり、プラズマへの入力パワーも大きくなる。
(5)EUV光集光部
放電部により放出されるEUV光は、EUV光集光部に設けられた斜入射型のEUV集光鏡2により集光され、チャンバ1に設けられたEUV光取出部7より図示を省略した露光装置の照射光学系へ導かれる。
この斜入射型のEUV集光鏡2は、一般に、複数枚の薄い凹面ミラーを入れ子状に高精度に配置した構造である。各凹面ミラーの反射面の形状は、例えば、回転楕円面形状、回転放物面形状、ウォルター型形状であり、各凹面ミラーは回転体形状である。ここで、ウォルター型形状とは、光入射面が、光入射側から順に回転双曲面と回転楕円面,もしくは、回転双曲面と回転放物面からなる凹面形状である。
上記した各凹面ミラーの基体材料は、例えば、ニッケル(Ni)等である。波長が非常に短いEUV光を反射させるので、凹面ミラーの反射面は、非常に良好な平滑面として構成される。この平滑面に施される反射材は、例えば、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、およびロジウム(Rh)などの金属膜である。各凹面ミラーの反射面にコーティングされる。
このように構成することにより、EUV集光鏡は、0°〜25°の斜入射角度のEUV光を良好に反射し、かつ、集光することが可能となる。
(6)デブリトラップ
上記した放電部とEUV光集光部との間には,EUV集光鏡2のダメージを防ぐために、放電後生成する高温プラズマと接する第1、第2の回転電極11,12の周縁部が当該高温プラズマによってスパッタされて生成する金属粉等のデブリや、高温プラズマ原料中のEUV放射種であるSnやLi等に起因するデブリ等を捕捉してEUV光のみを通過させるためのデブリトラップが設置される。
前記したように、図1、2に示す本実施例のEUV光源装置においては、デブリトラップはガスカーテン13bおよびホイルトラップ3から構成されている。
ガスカーテン13bは、ガス供給ユニット13からノズル13aを介してチャンバ1内に供給されるガスにより構成される。
図1に、ガスカーテン機構が示されている。ノズル13aは,直方体形状であり、ガスが放出される開口は細長い四角形状となっている。ガス供給ユニト13からノズル13aにガスが供給されると、ノズル13aの開口からシ一卜状のガスが放出され、ガスカーテン13bが形成される。ガスカーテン13bは、上記デブリの進行方向を変化させ、デブリがEUV集光鏡2に到達するのを抑制する。ここでガスカーテン13bに使用されるガスは、EUV光に対して透過率の高いガスが望ましく、例えば、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等の希ガスや水素(H2 )などが用いられる。
さらに、ガスカーテン13bとEUV集光鏡2との間には、ホイルトラップ3が設けられる。ホイルトラップ3は、高温プラズマから放射されるEUV光を遮らないように、高温プラズマ発生領域の径方向に設置される複数のプレートと、そのプレートを支持するリング状の支持体とから構成されている。
ガスカーテン13bとEUV集光鏡2との間にこのようなホイルトラップ3を設けると、高密度高温プラズマとホイルトラップ3との間の圧力が増加する。
圧力が増加すると,その場に存在するガスカーテンのガス密度が増加し、ガス原子とデブリとの衝突が増加する。デブリは衝突を繰り返すことにより、運動エネルギーを減少する。よって、EUV集光鏡2にデブリが衝突する際のエネルギーが減少して、EUV集光鏡2のダメージを減少させることが可能となる。
なお、チャンバ1の集光空間1b側に、ガス供給ユニット14を接続して、EUV光の発光に関係のないバッファーガスを導入してもよい。ガス供給ユニット14から供給されたバッファーガスはEUV集光鏡2側から、ホイルトラップ3を通過して、ホイルトラップ保持用隔壁3aと隔壁1cとの間の空間を通って真空排気装置4から排気される。このようなガスの流れが生じることにより、ホイルトラップ3では捕捉しきれなかったデブリがEUV集光鏡2側に流れ込むのを防ぎ、デブリによるEUV集光鏡2のダメージを少なくすることができる。
ここで、バッファーガスに加えて、塩素(Cl2 )等のハロゲンガスや水素ラジカルをガス供給ユニット14から集光空間に供給してもよい。これらのガスは、デブリトラップで除去されずにEUV集光鏡2に堆積したデブリと反応して当該デブリを除去するクリーニングガスとして機能する。よって,デブリ堆積によるEUV集光鏡2の反射率低下といった機能低下を抑制することが可能となる。
(7)隔壁
放電空間1aの圧力は,レーザ照射により気化した高温プラズマ原料を加熱励起するための放電が良好に発生するように設定され、ある程度以下の真空雰囲気に保持する必要がある。一方、集光空間1bは、デブリトラップでデブリの運動エネルギーを小さくする必要があるので、デブリトラップ部分で所定の圧力を維持する必要がある。
図1、図2では、ガスカーテン13bから所定のガスを流し、ホイルトラップ3で所定の圧力を維持しで、デブリの運動エネルギーを小さくする。そのために、集光空間1bは、結果として数100Pa程度の圧力の減圧雰囲気に維持する必要がある。
ここで、本発明のEUV光源装置においては、チャンバ1内を放電空間1aと集光空間1bとに区画する隔壁1cが設けられている。この隔壁1cには、両空間を空間的に連結する開口が設けられる。開口は圧力抵抗として機能するので、放電空間1aを真空排気装置4、集光空間1bを真空排気装置5でそれぞれ排気する際、ガスカーテン13bからのガス流量、開口の大きさ、各真空排気装置4,5の排気能力等を適宜考慮することにより放電空間1aを数Pa、集光空間1bを適切な圧力に維持することが可能となる。
2.本実施例の極端紫外光(EUV)光源装置の動作
本実施例のEUV光源装置は、露光用光源として用いられる場合、例えば、以下のように動作する。
図4は本実施例の動作を示すフローチャート、図5はEUV生成方式を説明するためのタイミングチャートであり、以下図4、図5により、本実施例の動作を説明する。
EUV光源装置の制御部26は、図5に示した時間データΔtdを記憶している。ここで、Δtdは、パルス電力供給手段(パルス電力発生器8)のスイッチング手段であるスイッチSW(例えばIGBT)にトリガ信号が入力した時点(時刻Td)から、スイッチSWがon状態となってコンデンサC2の電圧が閾値Vpに到達するまでの時間である。 なお、閾値Vpは、放電が発生したときに流れる放電電流の値が閾値Ip以上となる場合の電圧値である。また、閾値Ipは、所望の強度のEUV光を放射する高温プラズマを作るために必要な放電電流値の下限である。
一般に、放電電極11,12に印加される電圧Vが大きいと、放電電極間の電圧波形の立ち上がりは速くなる。よって、上記したΔtdは、放電電極11,12に印加される電圧Vに依存することになる。EUV光源装置の制御部26は、予め実験等で求めた電圧Vと時間Δtdとの関係をテーブルとして記憶している。
まず、EUV光源装置の制御部26からのスタンバイ指令が、真空排気装置5,真空排気装置4、ガス供給ユニット13,ガス供給ユニット14、第1のモータ22a、第2のモータ22bに送信される(図4のS101)。
スタンバイ指令を受信した、真空排気装置5,真空排気装置4、並びに、ガス供給ユニット13,ガス供給ユニット14は動作を開始する。すなわち、真空排気装置4が動作し、放電空間が真空雰囲気となる。一方、真空排気装置5が動作するとともに、ガス供給ユニット13が動作してガスカーテン13bが形成され、ガス供給ユニット14が動作して集光空間1b内にバッファーガス、クリーニングガスが供給される。
その結果、集光空間1bが所定の圧力に到達する。また、第1のモータ22a、第2のモータ22bが動作して、第1の回転電極11、第2の回転電極12が回転する。以下、上記した動作状態を総称してスタンバイ状態と呼ぶ(図4のS102)。
EUV光源装置の制御部26は、露光装置の制御部27にスタンバイ完了信号を送信する(図4のS103)。
スタンバイ完了信号を受信した露光装置の制御部27より、EUV光源装置の制御部26は発光指令を受信する。なお、EUV放射の強度を露光装置側がコントロールする場合、本発光指令には、EUV放射の強度データも含まれる。(図4のS104)。
EUV光源装置の制御部26は、充電制御信号をパルス電力発生器8の充電器CHに送信する。充電制御信号は、例えば、放電開始タイミングデータ信号等からなる。
上記したように、露光装置の制御部27からの発光指令にEUV放射の強度データが含まれる場合、主コンデンサC0への充電電圧データ信号も上記充電制御信号に含まれる。 例えば、予め、EUV放射強度と主コンデンサC0への充電電圧との関係が実験等により求められ、両者の相関を格納したテーブルが作成される。EUV光源装置の制御部26は、このテーブルを記憶しており、露光装置の制御部27から受信した発光指令に含まれるEUV放射の強度データに基づき、テーブルより主コンデンサC0の充電電圧データを呼び出す。
そして呼び出した充電電圧データに基づき、EUV光源装置の制御部26は、主コンデンサC0への充電電圧データ信号を含む充電制御信号をパルス電力発生器8の充電器CHに送信する(図4のS105)。
充電器CHは上記したように主コンデンサC0の充電を行う(図4のS106)。
EUV光源装置の制御部26は、予め記憶している時間データΔtdに基づき、パルス電力発生器8のスイッチSW(IGBT)に主トリガ信号を出力するタイミング、レーザ源23aの動作を制御するレーザ制御部23bへのトリガ信号の送出タイミングを計算する(図4のS107)。
なお、パルス電力供給手段(パルス電力発生器8)のスイッチング手段に主トリガ信号が入力してスイッチSW(IGBT)がonとなる時点Tdを基準として、レーザ23が照射される時間T1を、制御部26に予め設定しておいてもよい。
制御部26は、時刻TdにおいてスイッチSW(IGBT)に主トリガ信号を出力し、スイッチSWがonとなる(図4のS108、図5のS201)。
スイッチSWがonとなると、第1の回転電極11、第2の回転電極12間の電圧が立ち上がり、時間Δtd後に、コンデンサC2の電圧が閾値Vpに到達する(図5のS202)。上記したように、閾値Vpは、放電が発生したときに流れる放電電流の値が閾値Ip以上となる場合の電圧値であり、閾値Ipは、所望の強度のEUV光を放射する高温プラズマを作るために必要な放電電流値の下限である。
コンデンサC2の電圧が閾値Vpに到達した時点以降の時点T1(T1≧Td+Δtd)において、トリガ信号がレーザ制御部23bへ送出され、レーザ23が第1の電極11の表面上の高温プラズマ原料に照射される(図4のS109、図5のS203)。
レーザ23が放電電極11,12上の高温プラズマ原料に照射されて、高温プラズマ原料は気化する。上記したように、レーザ23の集光点は、高温プラズマ原料の表面よりも奥側に設定されている(高温プラズマ原料の表面はレーザ23の集光点より入射側にずれた位置に配置されている)ので、気化した高温プラズマ原料は、レーザ23が入射した高温プラズマ原料表面の法線方向を中心にして自由膨張を抑えられた状態で、対向する第2の電極に達し、この時点T3で一対の電極間で放電が開始し放電電流が流れる(図4のS110、図5のS204)。
放電は、第1の回転電極11、第2の回転電極12の周縁部のエッジ部分間で発生し、プラズマが形成される。プラズマを流れるパルス状の大電流によりプラズマが加熱励起され高温化すると、この高温プラズマから波長13.5nmのEUV放射が発生する。放電の磁気圧により、レーザ照射により気化した原料は広がらないまま圧縮され、直径の小さな密度の高いプラズマが形成される。これにより変換効率の高いEUV光が放射される(図4のステップS111、図5のS205)。
以上のように初回のEUV放射が終わると、次いで、図4のステップS104に戻り、露光装置からの発光指令を待機する。
図6は、電極間に発生するプラズマの状態を説明する図である。同図は、上下に対向する一対の放電電極の表面を示し、電極間のプラズマの状態が時間経過に伴いどのように変化するかを模式的に示したものである。
図6(a)はレーザの集光点が原料の表面にある従来の場合であり、図6(b)はレーザの集光点が原料の表面によりも奥にある(原料の表面がレーザの集光点よりもレーザの入射側にある)本発明の場合である。
従来の図6(a)においては、電極上の高温プラズマ原料(スズ)に対してレーザ照射を行うと、レーザ照射により発生した原料ガスは3次元方向に広がって対向する電極に達し、電極間に橋絡が発生して電流が流れ始め放電が開始する。原料ガスは放電電流の増加とともに磁気圧によって圧縮加熱され、ピンチプラズマが形成される。このピンチプラズマからEUV光が放射される。
しかし、原料ガスは、放電が始まるまでに、対向する電極に進展しつつ、かつ横方向にも膨張しているため、放電開始時点では大きく広がっておりガス密度は低い状態になっている。そのため、ピンチの効率が悪く、到達するイオン密度や電子温度が、高い変換効率のEUV光放射が得られる値にならない。
これに対し、本発明の図6(b)においては、電極上の高温プラズマ原料(スズ)に対してレーザを照射すると、発生した原料ガスは横方向には広がらず、縦長に対向する電極に向かって伸びていく。
そして、原料ガスが対向する電極に達し、電極間に橋絡が発生して電流が流れ始め放電が開始したとき、原料ガスは、従来に比べて、3次元方向への広がりが少ない、即ちガス密度が高い状態である。
したがって、原料ガスが放電電流の増加とともに磁気圧によって圧縮加熱される時、ピンチの効率が高まり、到達イオン密度や電子温度が、高い変換効率のEUV光放射が得られる値になる。
図7は、本発明の実験例を説明する図である。この実験においては、図7に示すように、レーザ源30から出射する波長(λ)532nm(1.06μmのYAGレーザビームの2倍波)、パルスエネルギー60mJ、パルス幅10ns、直径(D)10mmのレーザビームを、焦点距離fが600mmのレンズ31で100μmに集光した。
そして、厚さ(t)3mmの錫(Sn)のプレート33に対して、図7(a)(b)(c)に示すように、その表面をレーザビームの集光点およびその前後に配置して、CCDカメラ32により発生するプラズマの形状を撮像した。
図8(a)は、錫プレート33の表面をレーザビームの集光点の手前7mmの位置に配置した場合、図8(b)は、集光点に配置した場合、図8(c)は、集光点の7mm後に配置した場合のプラズマの形状である。
なお、レーザビームは、各図の上側から照射されており同図では点線で示している。また、図のハッチングを付した部分が発生したプラズマの密度の高い部分である。
錫プレ一トの表面を集光点の手前に配置した(a)の場合、レーザビーム照射によって発生するプラズマは、レーザビームが照射される方向(図面上側)に向かって収束し、プラズマの密度が高い部分が長く伸びている。
ここで、一対の電極の内、一方の電極上に配置した高温プラズマ原料に対して、エネルギービーム(レーザビーム)を照射することを考えると、気化した高温プラズマ原料が他方の電極に達した時、両電極に橋絡が発生し放電が開始する。
図8(a)のように、プラズマの密度が高い部分が長く伸びていれば、プラズマの密度が高い部分が自由膨張を抑えた状態で、対向する電極に到達することができる。したがって、高温プラズマ原料のガスが高い密度を維持した状態で放電が開始する。
そのため、放電開始後,原料ガスが放電電流の増加とともに磁気圧によって圧縮加熱される時、ピンチの効率が高まり、到達イオン密度や電子温度が、高い変換効率のEUV光放射が得られる値になり、強いEUV光を得ることができる。
これに対して、錫プレートの表面を集光点に配置した(b)の場合や、集光点の後に配置した(c)の場合は、プラズマの密度の高い部分は丸い形をしており、これは、ラズマの密度が高い部分が自由膨張していることを示す。したがって、気化した原料ガスが対向する電極に達したときには、プラズマの密度は低くなっており、これを圧縮加熱しても、高い変換効率のEUV光放射を得るに適したイオン密度や電子温度に到達しない。
1 チャンバ
1a 放電空間
1b 集光空間
1c 隔壁
2 EUV集光鏡
3 ホイルトラップ
3a ホイルトラップ保持用隔壁
4,5 真空排気装置
7 EUV取出部
8 パルス電力発生器
11,12 回転電極
11a,12a スズ
11b,12b コンテナ
11c,12c 電力導入部
13 ガス供給ユニット
13a ノズル
13b ガスカーテン
14 ガス供給ユニット
22a,22b モータ
22e、22f 回転軸
22c,22d メカニカルシール
23 レーザ
23a レーザ源
23b レーザ制御部
23c 集光光学系
26 制御部
27 露光機(制御部)
30 レーザ源
31 レンズ
32 CCDカメラ
33 錫(Sn)プレート
CH 充電器
C0 主コンデンサ
C1、C2 コンデンサ
SR1 磁気スイッチ(磁気アシスト)
SR2、SR3 磁気スイッチ
SW 固体スイッチ
Tr1 昇圧トランス

Claims (1)

  1. 対向して配置された一対の放電電極と、
    上記放電電極にパルス電力を供給するパルス電力供給手段と、
    上記放電電極に極端紫外光を放射させるための液体または固体の原料を電極上に供給する原料供給手段と、
    上記放電電極上に供給された上記原料に対し集光したエネルギービームを照射し、当該原料を気化させて上記一対の放電電極間で放電を開始させるエネルギービーム照射手段とを備えた極端紫外光光源装置において、
    上記原料の表面は、上記エネルギービームの集光点より入射側にずれた位置に配置される
    ことを特徴とする極端紫外光光源装置。
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