JP2009032776A - 極端紫外光光源装置及び極端紫外光光源装置における高速粒子の捕捉方法 - Google Patents

極端紫外光光源装置及び極端紫外光光源装置における高速粒子の捕捉方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ホイルトラップを設けることなく、高速イオンや高速原子を捕捉し、高速イオンや高速原子によるEUV集光鏡のダメージを抑制できるようにすること。
【解決手段】 放電ガスをプラズマ生成部2に供給し、高電圧パルス発生部11の放電回路11aから第1、第2の主放電電極2a、2b間に高電圧パルス電圧を印加する。これにより高温プラズマが発生し波長13.5nmの極端紫外光が放射される。この極端紫外光は集光反射鏡4により集光されEUV光取出部6から出射する。また、第1、第2の主放電電極2a、2b間に放電が発生するタイミングと略同一タイミングで第2の主放電電極2bと第3の電極15間に放電回路11bからパルス電力を供給する。これにより、プラズマP2が生成され、生成されたプラズマP2により生ずる電界と磁界により、上記高温プラズマに起因して生ずる高速粒子を捕捉する。
【選択図】 図1

Description

極端紫外光を放出する極端紫外光光源装置及び極端紫外光光源装置における高速粒子の捕捉方法に関し、詳細には極端紫外光の放出の際発生する高速イオンや高速原子に起因する極端紫外光集光手段のダメージを抑制することが可能な極端紫外光光源装置及び極端紫外光光源装置における高速粒子の捕捉方法に関するものである。
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、その製造用の投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。その要請に応えるため、露光用光源の短波長化が進められ、エキシマレーザー装置に続く次世代の半導体露光用光源として、波長13〜14nm、特に波長13.5nmの極端紫外光(Extreme Ultra Violet Radiation:以下、EUV光ともいう)光を放出する極端紫外光発生装置(以下、EUV光発生装置ともいう)が開発されている。
EUV光発生装置においてEUV光を発生させる方法は幾つか知られているが、そのうちの一つにEUV光放射種の加熱・励起により高温プラズマを発生させ、このプラズマから放出されるEUV光を取り出す方法がある。
このEUV光発生装置は、高温プラズマの生成方式により、LPP(LaserProduced Plasma,レーザ生成プラズマ)方式とDPP(Discharge Produced Plasma,放電生成プラズマ)方式とに大きく分けられる。
LPP方式のEUV光発生装置は、固体、液体、気体等のターゲットをパルスレーザで照射して発生する高温プラズマからのEUV放射光を利用するものである。
一方、DPP方式のEUV光発生装置は、電流駆動によって生成した高温プラズマからのEUV放射光を利用するものである。DPP方式のEUV光発生装置における放電方式には、Zピンチ方式、キャピラリー放電方式、プラズマフォーカス方式、ホローカソードトリガーZピンチ方式等がある。DPP方式のEUV光発生装置は、LPP方式のEUV光発生装置と比較して、光源装置の小型化、光源システムの消費電力が小さいといった利点あり、実用化への期待も大きい。
上記した両方式のEUV光発生装置において、波長13.5nmのEUV光を放出する放射種、すなわち、高温プラズマ用原料として、現在、10価前後のキセノン(Xe)イオン、8〜13価のスズ(Sn)イオン、2価のリチウム(Li)イオンが知られている。このうち、スズは、高温プラズマの発生に必要な電気入力と波長13.5nmのEUV光出力の比、すなわちEUV変換効率(=光出力/電気入力)が最も大きく、例えば、キセノンの変換効率より数倍大きい。このため、量産型大出力EUV光源の放射種としてスズが有力視されている。例えば、特許文献1に開示されているように、EUV放射種であるスズを供給するための原料としてガス状のスズ化合物(例えば、スタナンガス:SnH4 ガス)を使ったEUV光源開発も進んでいる。
(1)EUV光源装置の構成例
図10に、DPP方式EUV光源装置の概略構成例を示す。
図10に示すように、DPP方式EUV光源装置は、放電容器であるチャンバ1を有する。チャンバ1には、例えば、フランジ状の第1の主放電電極(カソード)2aとリング状の第2の主放電電極(アノード)2bとがリング状の絶縁材2cを挟んで取り付けられる。ここで、チャンバ2および第2の主放電電極2bは接地されている。
第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2bは、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル等の高融点金属からなる。また、絶縁材2cは、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド等からなる。
フランジ状の第1の主放電電極2a、リング状の第2の主放電電極2b、リング状の絶縁材2cは、それぞれの貫通穴が略同軸上に位置するように配置し、連通穴を構成している。
第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2bは、高電圧パルス発生部11と電気的に接続され、高電圧パルス発生部11よりパルス電力が供給されるよう構成される。第1の主放電電極2aおよび第2の主放電電極2b間にパルス電力が供給されると、上記連通穴、もしくは、連通穴近傍にて高温プラズマPが発生する。この高温プラズマPから、波長13.5nmのEUV光が放出される。
以下、第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b、絶縁材2c総称して放電部2、また、上記連通穴、および、連通穴近傍を高温プラズマ発生部と称することにする。
フランジ状の第1の主放電電極2aの凸部には、管状の予備電離用絶縁材8aが設けられる。更に、予備電離用絶縁材8aには、原料導入管7aが接続される。この原料導入管7aに接続された原料供給ユニット7より、EUV放射種を含む原料がチャンバ1内に供給される。上記原料は例えばSnH4 ガス、Xeガス、Li蒸気、Sn蒸気等である。
チャンバ1内には、EUV集光鏡4が設けられる。EUV集光鏡4は、例えば、径の異なる回転楕円体、または、回転放物体形状のミラーを複数枚具える。これらのミラーは、同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置され、例えば、ニッケル(Ni)等からなる平滑面を有する基体材料の反射面側に、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、およびロジウム(Rh)などの金属膜を緻密にコーティングすることで、0°〜25°の斜入射角度のEUV光を良好に反射し、かつ、集光できるように構成されている。
上記した放電部2とEUV集光鏡4との間には、高温プラズマと接する金属(例えば、放電電極)が上記プラズマによってスパッタされて生成する金属粉等のデブリや、放射種に起因するデブリ等の捕捉や運動エネルギーを低下させるとともにEUV光を通過させるためのホイルトラップ3が設置される。
ホイルトラップは、例えば特許文献2に記載されているように、高温プラズマ発生領域の径方向に設置される複数のプレートからなる。
すなわち、ホイルトラップは、例えば、図11に示すように、同心円状に配置された内部リング3aと外部リング3bの2個のリングと、この2個のリングにより両側が支持されて放射状に配置された複数の薄いプレート3dから構成されている。プレート3dは配置した空間を細かく分割することにより、その部分の圧力を上げ、デブリの運動エネルギーを低下させるとともに、プレート3dやリングに捕捉する。一方、このホイルトラップは高温プラズマから見ると、2個のリングを除けばプレートの厚みしか見えず、EUV光のほとんどは通過する。
チャンバ1には、ホイルトラップ3を支持するためのフレームによりホイルトラップ支持壁5が形成される。チャンバ1は、ホイルトラップ3およびホイルトラップ支持壁5を境として、EUV集光鏡4が配置される空間と放電部2が配置される空間とに分割される。
チャンバ1の放電部2が配置される空間には、高温プラズマ発生部の圧力をモニタする圧力モニタ13およびガス排気ユニットに接続されるガス排出口9aが設けられる。ガス排気ユニット9は、この圧力モニタ13の測定値に基づき、高電圧パルス発生部の圧力調整やチャンバ内排気を行う。
なお、チャンバ1のEUV集光鏡4が配置される空間側に、バッファガスユニット12を接続して、EUV光の発光に関係のないガスを導入してもよい。
バッファガスはEUV集光鏡4側から、ホイルトラップ3を通過して放電部2側に流れ、排気路を通って排気ユニット9から排気される。このようなバッファガスの流れが生じることにより、ホイルトラップ3では捕捉しきれなかったデブリが、放電部2側からEUV集光鏡4側に流れ込むのを防ぎ、デブリによるEUV集光鏡4のダメージを少なくすることができる。
また、図10に示すDPP方式EUV光源装置は、制御部21を有する。この制御部21は、露光機制御部22からのEUV発光指令等に基づき、高電圧パルス発生部11、原料供給ユニット7、ガス排気ユニット9、バッファーガスユニット12を制御する。
(2)EUV光源装置の動作例
このようなDPP方式のEUV光源装置において、EUV放射種を含む原料が供給された第1、第2の主放電電極2a,2b間に高電圧パルス発生部11よりパルス電力が供給されると、絶縁材2c表面に沿面放電(creeping discharge)が発生して第1、第2の主放電電極2a,2b間は実質、短絡状態になり、パルス状の大電流が流れる。
このとき、略同軸上に配置された第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2a、絶縁材2cが形成する連通穴もしくは連通穴近傍にプラズマが形成される。その後、ピンチ効果によるジュール加熱によって、プラズマが加熱され励起される。その結果、上記プラズマの略中心部に高温プラズマPが形成される。この高温プラズマPから波長が13.5nmであるパルス状のEUV放射が放出される。
高温プラズマPから放射された波長13.5nmのEUV光は、上記したEUV集光鏡4により集光され、チャンバ1に設けられたEUV光取出部6より外部に取り出される。このEUV光取出部6は、図示を省略した露光機の露光機筐体に設けられたEUV光入射部と連結される。すなわち、EUV集光鏡4より集光されるEUV光は、EUV光取出部6、EUV入射部を介して露光機へ入射する。
ここで、DPP方式光源装置には、チャンバ1内で放電を発生させるときにチャンバ1内に供給されたEUV放射種を含む原料を予備電離する予備電離手段を設けても良い。EUV光を発生させる際、高温プラズマ発生部の圧力は、例えば、1〜20Paに調節される。このような低い圧力下においては、電極構造によっては放電が発生し難くなり、結果としてEUV光の出力が不安定となる場合もある。放電が発生し難い状況下で安定した放電を生じさせるには、予備電離を行うことが望ましい。
図10においては、予備電離ユニット8は、導電性である第1の主放電電極2aの凸部と、第1の主放電電極2aの凸部に挿入された管状の予備電離用絶縁材8aと、この予備電離用絶縁材8aに挿入された導電性の原料導入管7aとにより構成される。
導電性である第1の主放電電極2aの凸部および原料導入管7aは、予備電離用電源部8bと接続される。予備電離用電源部8bから電圧パルスが第1の主放電電極2aの凸部および原料導入管7aの間に印加されると、図10に示すように、予備電離用絶縁材8aの内表面に沿面放電が発生し、チャンバ1内に導入されるEUV放射種を含む原料の電離を促進する。なお、上記予備電離用電源部8bは、制御部21により制御される。
ここで、同軸状に配置されている第1の主放電電極2aの凸部、予備電離用絶縁材8a、原料導入管7aは、EUV放射種を含む原料を供給する原料供給経路も兼ねている。
なお、DPP方式EUV光源装置に予備電離ユニット8を組み合わせた例については、例えば特許文献3に開示されている。
特開2004−279246号公報 特表2002−504746号公報 特開2003−218025号公報 特開2003−133100号公報 国際公開第2005/025280号パンフレット
上記したように、EUV放射種を含む原料が供給された第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間に発生したプラズマは、両電極間を流れるパルス状の大電流により生じた磁界によって、径方向に収縮されるピンチ効果を受ける。このピンチ効果によるジュール加熱によって、上記プラズマの略中心部に高温プラズマであるピンチプラズマ領域が生成される。生成されるピンチプラズマは、電気的にほぼ中性の状態であり、中性原子とイオンと電子により構成される。
その後、放電電流値の減少と共に放電電流の自己磁場が減衰する。そのため、プラズマを収縮させる力が低下し、ピンチプラズマの維持が徐々に困難となり、ピンチプラズマは、立体角4π方向へ断熱膨張する。すなわち、ピンチプラズマが崩壊し、イオンや中性原子が高速で、デブリとして四方八方に飛び散る。例えば、上記原料がXeであるとき、高速で飛び散るXeイオンの速度は、数1000m/s以上になる。
高速のイオンは、ガス中を移動する際に中性原子と衝突して荷電交換したり、電子と衝突して再結合したりすることで、プラズマから距離が離れるに従い中性原子化する。
これら高速のイオンまたは原子がEUV集光鏡の反射膜に衝突すると、高速のイオンまたは中性原子と反射膜原子との弾性衝突により、高速のイオンまたは中性原子の運動エネルギーが反射膜原子に与えられて反射膜原子がガス中に飛び出し、結果的にEUV集光鏡4から剥がされる。あるいは、高速のイオンまたは中性原子が、EUV集光鏡4の反射膜内部に注入される。
高速のイオンまたは中性原子であるEUV放射種に起因するデブリがEUV集光鏡4に衝突すると、EUV光に対して高反射率を持つEUV集光鏡表面に施されている反射膜がダメージを受け、EUV集光鏡4のEUV光に対する反射率が低下するという問題が生じる。
(1)従来の対策1
このような高速イオンまたは高速中性原子(以下、高速粒子ともいう)の衝突によるEUV集光鏡4のダメージを軽減する方策として、高速粒子の速度を減速して高速粒子の運動エネルギーを小さくすることが考えられる。
上記したホイルトラップ3は、高速粒子の減速手段として機能する。上記したように、ホイルトラップ3は、EUV放射が通過する空間を複数の薄いプレートにより細かく分割されている。これにより分割空間のガス圧力(例えば、EUV放射に寄与しなかったSnH4 ガス等の原料ガスの圧力)が上昇し、その結果、当該空間を通過する高速粒子の速度は減速される。
また、ホイルトラップ3のEUV放射の入力側にガスを導入してもよい。すなわち、高速粒子の飛散経路中にガスを導入することにより、導入ガス原子または分子と、高速粒子(高速のイオンまたは中性原子)との衝突頻度を増加させ、高速のイオンまたは中性原子の運動エネルギーの一部を飛散経路中の導入ガス原子または分子に移行させる。これにより、高速粒子の運動エネルギーは低下し、高速粒子の飛散スピードは減少する。
ここで、DPP方式のEUV光源装置が露光用光源装置として使用される場合、露光処理のスループットが大きいHVM(high volume manufacturing)装置として稼動することが要請される。そのためには、できるだけEUV放射の平均パワーが大きいことが望ましい。高温プラズマ発生部からホイルトラップ3に入力される輻射エネルギーは莫大となり、場合によっては、ホイルトラップ3の光学的透過率を大きくするために薄く製作されたプレートが溶解してしまう可能性もある。
また、高速粒子の運動エネルギーも著しく増大し、ホイルトラップ3による減速作用による当該運動エネルギーの低下が不十分となる可能性も大きくなる。
一方、ホイルトラップ3と上記した導入ガスを併用する場合でも、以下の理由により、高速粒子の減速は困難になる。
すなわち、ガスを導入する場合、導入ガス(例えば、Heガス)によるEUV放射の吸収の影響を考慮する必要がある。EUV放射を効率よく取り出すためには、高温プラズマ発生部からEUV光取出部までの光路中でのEUV放射の吸収をできるだけ低く維持する必要がある。よって、上記光路中は、100Pa以下の真空度を保持する必要がある。
そのため、上記した飛散経路中に導入するガスの圧力も100Paより大きく設定することはできない。この程度の圧力範囲では、高速粒子を十分に減速させることは難しい。 すなわち、HVM装置としてDPP方式のEUV光源装置が稼動する場合、ホイルトラップ、あるいはホイルトラップと導入ガスによる高速粒子の減速は不十分である。よって、EUV集光鏡の反射膜のダメージ発生を十分に抑制することは困難であり、このようなDPP方式のEUV光源装置は、稼働時間が長い露光装置用光源としては、短寿命であり、実用的ではない。
(2)従来の対策2
一方、高速粒子の衝突によるEUV集光鏡4のダメージを軽減する方策として、EUV集光鏡4に高速粒子が衝突しない方向に高速粒子の進行方向を偏向させることも考えられる。
例えば特許文献4に示すように、高速粒子の進行方向を偏向するために、EUV放射生成用プラズマと独立して飛散物除去用プラズマを別途生成する。そして、EUVの放射方向に進行する高速粒子(イオン、原子)と、飛散物除去用プラズマとを衝突させて、高速粒子の進行方向を変化させる。すなわち、高速粒子(イオン、原子)の進行方向をEUV放射の進行方向とは異なる方向に偏向させ、高速粒子の進行方向をEUV集光鏡に高速粒子が衝突しない方向とする。
図12は、特許文献4に記載されている高速粒子の進行方向を偏向させる構成を示す図である。図12に示す例は、LPP方式によりEUV放射を生成するものであり、EUV放射源2は、ターゲット3にレーザビーム1を照射してEUV放射するプラズマを生成する方式を採用している。一方、飛散物除去用プラズマ6は、ターゲット7にレーザビーム5を照射することにより生成される。
EUV放射源2より放射されるEUV放射は、アパーチャ4で整形される。飛散物除去用プラズマ6は、EUV放射源2とアパーチャ4との間の光路中に生成される。EUV放射源2から飛来する高速粒子は、飛散物除去用プラズマ6と衝突し、EUV放射の軌道から分離されるのでアパーチャ4を通過せず、結果として、アパーチャ4における放射の出射側に到達しない。
しかしながら、このような方法では、以下のような問題点がある。
すなわち、チャンバ内において、高温プラズマ発生部とEUV集光鏡との間に、別途、飛散物除去用プラズマの生成機構が必要となるので、構造が複雑になる。
また、高温プラズマ発生部(EUV放射源2)とターゲット7との距離はある程度大きくする必要がある。両者の距離が小さいと、ターゲット7は高温プラズマ発生部から入力される輻射エネルギーにより溶解し、飛散物除去用プラズマ6の生成が困難となる。特に、DPP方式のEUV光源装置が上記したようなHVM装置として稼動する場合、高温プラズマ発生部からターゲットに入力される輻射エネルギーは莫大となり、高温プラズマ発生部とターゲット7との距離は更に大きくなる。
一方、高温プラズマ発生部から放出される高速粒子は、高温プラズマ発生部から放射状に飛来する。よって、EUV集光鏡に入射する高速粒子が光軸と垂直な仮想断面上を通過する領域は、高温プラズマ発生部から遠ざかるに従って大きくなる。
すなわち、図13に示すように、EUV集光鏡4に入射する高速粒子が光軸と垂直な仮想断面A上を通過する領域Aと、当該高速粒子が光軸と垂直な仮想断面B上を通過する領域Bとを比較すると、高温プラズマ発生部からの距離が仮想断面Aより大きい仮想断面B上の領域Bの方が、領域Aより大きくなる。よって、仮想断面B近傍においては、飛散物除去用プラズマは、領域Bをカバーするように広範囲に生成する必要がある。
すなわち、上記したように、高温プラズマ発生部とターゲット7との距離が大きくなると、広範囲に渡って飛散物除去用プラズマ6を生成する必要がある。そのため、ターゲット5やレーザビーム7からなる飛散物除去用プラズマの生成機構が大掛かりとなってしまう。
更に、飛散物除去用プラズマ6を使用する方法は、高速粒子(イオン、原子)の進行方向をEUV放射の進行方向とは異なる方向に偏向させているだけで、低速化はしていない。そのため、偏向が完全でない場合、EUV反射鏡に大きなダメージが発生する可能性がある。
本発明は上述した事情に鑑みなされたものであって、特に露光用のHVM装置として使用される場合において、ホイルトラップ不要とすることにより、高入力エネルギー入射によるホイルトラップ溶解という不具合の生ずる可能性を回避し、また、格別の飛散物除去用プラズマ生成機構を設けることなく高速イオンや高速原子を捕捉し、高速イオンや高速原子によるEUV集光鏡のダメージを抑制できるようにすることを目的とする。
本発明においては、原料を加熱励起して高温プラズマを発生させ、この高温プラズマから放出される極端紫外光を取り出す極端紫外光光源装置において、放電によりプラズマを発生させ、発生したプラズマにより生ずる電界と磁界により、上記高温プラズマに起因して生ずる高速粒子を捕捉する。
すなわち、本発明においては、次のようにして前記課題を解決する。
(1)容器と、この容器内に極端紫外光を放射させるための原料を供給する原料供給手段と、上記容器内で放電により上記原料を加熱励起して高温プラズマを含む第1のプラズマを発生させるための第1の電極および第2の電極とからなる一対の主放電電極と、上記一対の主放電電極に高電圧パルスを印加する高電圧パルス発生部と、上記高温プラズマから放射される極端紫外光を集光する集光光学手段と、上記集光光学手段を介して極端紫外光を取り出す極端紫外光取出部とを有する極端紫外光光源装置において、一対の主放電電極と集光光学手段との間の空間に第2のプラズマを発生させる手段を設ける。
(2)上記(1)において、一対の主放電電極のうちの少なくとも一つを放電中回転させる。
(3)上記(1)(2)において、上記第2のプラズマを発生させる手段は、少なくとも上記第1のプラズマが生じている期間中、上記第2のプラズマが持続するように、上記第2のプラズマを発生させる。
(4)上記(1)(2)(3)において、第2のプラズマを発生させる手段を、第3の電極と、電極として機能する部材から構成し、上記電極として機能する部材と第3の電極との間に高電圧パルスを印加し、放電により第2のプラズマを発生させる。
(5)上記(4)において、第2のプラズマを発生させる手段を、第3の電極と第4の電極から構成する。
(6)上記(4)において、上記電極として機能する部材として、チャンバ内の一対の主放電電極が配置される空間と集光光学手段が配置される空間とを区画する開口が設けられた隔壁を用いる。
(7)上記(4)(5)(6)において、極端紫外光光源装置に、更に極端紫外光を放射させるための原料ガスあるいは極端紫外光に透明なガスを供給するガス供給手段を設け、上記第3の電極にガス排出口を設け、ガス供給手段からのガス供給を上記第3の電極のガス排出口から上記一対の主放電電極のある方向に噴出するように構成する。
(8)上記(4)(5)(6)(7)において、集光光学手段を表面に反射膜が構成された反射鏡とし、上記第3の電極の材質を上記反射鏡の反射膜を構成する物質と同一とする。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)極端紫外光を放射させるための第1のプラズマを発生させるとともに、電極に高電圧を印加して第2のプラズマを発生させ、第2のプラズマにより生ずる電界と磁界により高速粒子を捕捉し、低速化し中性化しているので、フォイルトラップを設けることなく、高速イオンや高速原子によるEUV集光鏡のダメージを抑制することができる。
(2)原料を加熱励起して高温プラズマを含む第1のプラズマを発生させるための一対の主放電電極を備えた極端紫外光光源装置において、上記一対の主放電電極のうちの少なくとも一つを放電中回転させるように構成することにより、主放電電極の長寿命化を図ることができる。
(3)EUV放射の出射側に、上記一対の主放電電極に加えて第3の電極を設け、第3の電極により第2のプラズマを発生させることにより、電界の作用により高速粒子の進行方向を偏向させ、また、磁界の作用により高速粒子の低速化および進行方向のランダム化を行うことができる。このため、EUV集光鏡に高速粒子が衝突することにより発生するEUV集光鏡のダメージを著しく減少させることが可能となる。
また、第3の電極を設け、第3の電極により第2のプラズマを発生させることにより、第2のプラズマの生成機構を簡単に構成することができる。
(4)少なくとも上記第1のプラズマが生じている期間中、上記第2のプラズマが持続するように、上記第2のプラズマを発生させることにより、上記高温プラズマにより発生する高速粒子を効果的に捕捉することができる。
また、第2のプラズマの生成タイミングを第1のプラズマの生成タイミングより早くすることにより、予備電離ユニットを設けることなく、予備電離を実施することが可能となる。
(5)第3の電極にガス排出口を設け、該第3の電極のガス排出口から一対の主放電電極のある方向に、極端紫外光を放射させるための原料ガスを噴出させることにより、高温プラズマ発生部における原料ガスの濃度をある程度の量に保持することができ、EUV光の放射強度を安定性を向上させることができる。
また、上記第3の電極のガス排出口から極端紫外光に透明なガスを噴出させることにより、原料ガスの拡散を抑制することができ、また、このガスとして、例えばH2 を供給すれば、第2のプラズマによりラジカル化、プラズマ化させEUV集光鏡表面に付着する不純物を除去することが可能となる。
(1)実施例1
図1に本発明の第1の実施例であるDPP方式EUV光源装置の概略構成例を示す。
なお、前記図10と共通する構成要素については説明を省略する。
図10に示した従来例に対し、図1に示す実施例1の構成例が相違する点は、ホイルトラップに代えて、第2の主放電電極2bとEUV集光鏡4との間に第3の電極15を設置し、当該第3の電極15にパルス電力を供給する点にある。その他の構成・動作は前記図10に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号を付している。なお、図1では図10に示した予備電離ユニット8は省略されるている。
第3の電極の材質としては、第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2bと同様、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)等の高融点金属が採用される。なお後に示す理由により、第3の電極15の材質として、EUV集光鏡4の表面に施された反射膜と同一の材質、例えば、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、またはロジウム(Rh)を採用してもよい。
第3の電極15へのパルス電力の供給は、高電圧パルス発生部11よりなされる。高電圧パルス発生部11は放電回路11aおよび放電回路11bを備える。なお、図1に示す放電回路11a、放電回路11bは簡略化した等価回路であり、放電回路11aは主としてコンデンサC0、可飽和リアクトルからなるパルス圧縮部SR、スイッチSW1とからなる。一方、放電回路11bは、主としてコンデンサC1、スイッチSW2とからなる。なお、各コンデンサC0、C1への充電器はここでは省略されている。
第1の主放電電極2aおよび接地されている第2の主放電電極2b間に、高電圧パルス発生部11に設けられた放電回路11aよりパルス電力が供給される。すなわち、第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間には、コンデンサC0に蓄えられたエネルギーE1が供給される。
一方、接地されている第2の主放電電極2bおよび第3の電極15間には、高電圧パルス発生部11に設けられた放電回路11bよりパルス電力が供給される。すなわち、第2の主放電電極2a、第3の電極15間には、コンデンサC1に蓄えられたエネルギーE2が供給される。
なお、エネルギーの大きさはE1>E2であり、第3の電極15と第1の主放電電極2aとは同一極性(−HV1、−HV2)となるように設定される。
また、放電回路11aと放電回路11bにおける回路の時定数は、放電回路11aにおける回路の時定数の方が放電回路11bにおける回路の時定数より小さくなるように設定されている。そのため、第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間には、短パルスの電力が供給される。一方、第2の主放電電極2b、第3の電極15間には長パルスの電力が供給される。
次に、本発明によるEUV光源装置の動作例について、図1、図2、図3、図4を用いて説明する。なお、図2はプラズマP1,P2の生成タイミングを示すタイムチャート、図3はプラズマP2による高速イオンの偏向の様子を示す図、図4はプラズマP2周辺に発生する磁場を説明する図である。
(1)原料供給ユニット7から原料導入管7aを介して、チャンバ1内に原料(例えば、SnH4 ガス)が導入される。原料は単位時間あたり一定の量が導入される。例えば、原料がSnH4 ガスである場合、チャンバ1内に導入されるSnH4 ガスの流量が所定の量に設定される。
(2)圧力モニタ13によって測定される圧力データに基づき、高温プラズマ発生部の圧力が所定の圧力(例えば、1〜20Pa)となるように、ガス排気ユニット9によりガス排気量が調節される。
(3)次に、図2に示すように、高電圧パルス発生部11の放電回路11aのスイッチSW1がon状態となる。その結果、コンデンサC0に蓄積されていたエネルギーE1が第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間に供給される。すなわち、パルス電力が第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間に供給される。なお、第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間に供給されるパルス電力は、放電回路11aのパルス圧縮部SRによりパルス圧縮される。
(4)第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間にパルス電力が供給されると、両電極間に放電が発生し、図2に示すようにパルス電流I1が流れ、プラズマP1が生成される。上記したようにプラズマP1は、両電極間に生じたプラズマが両電極間を流れるパルス状の大電流により生じた磁界によって径方向に収縮されるピンチ効果を受ける。
このピンチ効果によるジュール加熱によって、プラズマP1の略中心部に高温プラズマであるピンチプラズマ領域が生成される。生成されるピンチプラズマは、電気的にほぼ中性の状態であり、中性原子とイオンと電子により構成される。このような高温プラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
(5)その後、放電電流値の減少と共に放電電流の自己磁場が減衰する。そのため、プラズマを収縮させる力が低下し、ピンチプラズマの維持が徐々に困難となり、ピンチプラズマは、立体角4π方向へ断熱膨張する。すなわち、ピンチプラズマが崩壊し、イオンや中性原子が高速で、四方八方に飛び散る。
(6)一方、第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間に放電が発生するタイミングと略同一タイミングで第2の主放電電極2b、第3の電極15間に放電が発生するように、高電圧パルス発生部11の放電回路11bのスイッチSW2がon状態となる。
その結果、コンデンサC1に蓄積されていたエネルギーE2が第2の主放電電極2b、第3の電極15間に供給される。すなわち、パルス電力が第2の主放電電極2b、第3の電極15間に供給される。第2の主放電電極2a、第3の電極15間にパルス電力が供給されると、両電極間に放電が発生し、パルス電流I2が流れ、プラズマP2が生成される。
(7)上記したように、第2の主放電電極2bは接地されていて、第3の電極15の電位は負電圧(−HV2)であるので、電界の向きは、図3に示すように、第2の主放電電極2bから第3の電極15への方向となる。
ここで、例えば、原料がSnH4 である場合、高速イオンであるSn+ の進行方向は、この電界により第3の電極15に向けて偏向される。すなわち、EUV集光鏡4へ進行する高速イオンの量を低減することが可能となる。高速原子も高速イオンとの衝突により荷電交換が行われるので、結果的に、高速原子も電界により第3の電極15に向けて偏向される。
(8)また、図4に示すように、プラズマP2周辺には自己磁場が発生する。すなわち、磁界の方向は、電流の方向に対して周方向となる。このような磁場にまず電子が引き寄せられ、この電子に追従して高速イオンである正の電荷のSn+ も引き寄せられる。
その結果、高速イオンはプラズマP2に捕捉される。高速原子も高速イオンとの衝突により荷電交換が行われるので、結果的に、高速原子も高速イオンと同様、プラズマP2に捕捉される。
(9)プラズマP2に捕捉された高速イオンは、プラズマP2との衝突により低速化され、また進行方向もランダム化される。また、プラズマP2内の電子と結合し、中性化される。そのため、EUV集光鏡4へ到達する粒子(Sn等)の数は減少し、これらの粒子がEUV集光鏡へ到達したとしても低速化されているので、EUV集光鏡4のダメージは、従来の例と比較して著しく減少する。
すなわち、本実施例のEUV光源装置は、EUV放射の出射側に第1の主放電電極2aと同極性に設定した第3の電極15を配し、上記した電界の作用により、高速粒子の進行方向を偏向させ、また、磁界の作用により高速粒子をプラズマP2に捕捉させ、高速粒子の低速化および進行方向のランダム化を行っているので、EUV集光鏡4に高速粒子が衝突することにより発生するEUV集光鏡4のダメージを著しく減少させることが可能となる。
(10)高速粒子の放出は、プラズマP1が消滅するまで継続する。よって、捕捉用プラズマP2は、少なくともプラズマP1が消滅するまで持続していることが望ましい。
上記したように、放電回路11aと放電回路11bにおける回路の時定数は、放電回路11aにおける回路の時定数の方が放電回路11bにおける回路の時定数より小さくなるように設定されている。
そのため、第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間に供給されるパルス電力のパルス幅は、第2の主放電電極2a、第3の電極15間に供給されるパルス電力のパルス幅より短くなる。
よって、上記したように第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間に放電が発生するタイミングと略同一タイミングで第2の主放電電極2a、第3の電極15間に放電が発生するように設定すると、捕捉用プラズマP2は、プラズマP1が消滅後も暫く持続する。すなわち、確実にEUV集光鏡に高速粒子が衝突することにより発生するEUV集光鏡のダメージを減少させることが可能となる。
(11)高温プラズマから放射された波長13.5nmのEUV光は、上記したEUV集光鏡4により集光され、チャンバ1に設けられたEUV光取出部6より外部に取り出される。このEUV光取出部6は、図示を省略した露光機の露光機筐体に設けられたEUV光入射部と連結される。すなわち、EUV集光鏡4より集光されるEUV光は、EUV光取出部6、EUV入射部を介して露光機へ入射する。
なお、上記した第3の電極15は動作中に高温になるが、動作中の電子放出により冷却される。ここで、図示は省略したが、第3の電極15内部に冷媒が流れる循環部を構成し、第3の電極15の動作中に冷媒を用いた冷却を行えば、第3の電極15の冷却はより効果的に行われる。
また、第3の電極15の材質を、EUV集光鏡4の反射膜を構成する物質と同一としておくと、低温のEUV集光鏡4の表面に、第3の電極15からの蒸発物が適度に蒸着される。よって結果的に、EUV集光鏡4のエロージョンレートを低下することが可能となる。
ここで、図10に示したものと同様、上記EUV光源装置の動作は、例えば、制御部21によりコントロールされる。制御部21は、高電圧パルス発生部11、原料供給ユニット7、ガス排気ユニット9、バッファーガスユニット12等を制御する。また、図1に示すように露光機の制御部22からの動作指令に基づきEUV光源装置の動作を制御するように、制御部21を構成してもよい。
(2)実施例1の変形例1
実施例1においては、プラズマP1および捕捉用プラズマP2の生成タイミングが略同一タイミングとなるように放電回路11aにおけるスイッチSW1、放電回路11bにおけるスイッチSW2がonになるタイミング、並びに、放電回路11a、放電回路11bにおける回路定数が設定されている。
また、捕捉用プラズマP2の持続時間がプラズマP1の持続時間より長くなるように放電回路11a、放電回路11bにおける回路定数が設定されている。
このような放電回路11a、放電回路11bの設定により、捕捉用プラズマP2はプラズマP1が消滅後も暫く持続し、上記したように確実にEUV集光鏡4に高速粒子が衝突することにより発生するEUV集光鏡4のダメージを減少させることが可能となる。
ここで、図5に示すように、捕捉用プラズマP2の生成タイミングがプラズマP1の生成タイミングより早く、かつ、捕捉用プラズマP2がプラズマP1より長く持続しているように、放電回路11aにおけるスイッチSW1、放電回路11bにおけるスイッチSW2がonになるタイミング、並びに、放電回路11a、放電回路11bにおける回路定数が設定してもよい。
本構成においても、実施例1と同様捕捉用プラズマP2は、プラズマP1が消滅後も暫く持続するので、確実にEUV集光鏡に高速粒子が衝突することにより発生するEUV集光鏡のダメージを減少させることが可能となる。
更に、本構成によれば、以下のような利点がある。上記したように、捕捉用プラズマP2がプラズマP1より先に生成されると、高温プラズマ発生部におけるEUV放射種を含む原料の電離を促進する。すなわち、高温プラズマ発生部における予備電離が実現される。これにより、例えば1〜20Pa程度の低圧力下においても、第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間に安定した放電を発生させることが可能となり、安定にプラズマP1および高温プラズマを生成することが可能となる。
本構成によれば、従来のような予備電離ユニットを設けることなく、予備電離を実施することが可能となる。
(3)実施例1の変形例2
上記した実施例においては、プラズマP1を生成するための放電発生と、捕捉用プラズマP2を生成するための放電発生との両方に、接地側の電極である第2の主放電電極を使用していたが、この構成に限るものではない。
例えば、図6に示すように、第4の電極15aを設けて、第3の電極15とこの第4の電極15aとの間に放電を発生させ捕捉用プラズマP2を生成するようにしてもよい。
すなわち、図6に示すように第2の主放電電極2bに対してEUV集光鏡4側に、第2の絶縁材15bを介して第4の電極15aを取り付ける。
そして、第1の主放電電極2aと第2の主放電電極2bとの間に放電回路11aによりパルス電力を供給して放電を発生させてプラズマP1を生成し、第3の電極15と第4の電極15aとの間に放電回路11bよりパルス電力を供給して放電を発生させ捕捉用プラズマP2を生成する。
ところで、DPP方式EUV光光源装置を量産型の半導体露光装置の光源として用いる場合、放電電極寿命の長寿命化が要請される。このような要請に対応するために、近年、放電電極を回転させる回転電極型DPP方式EUV光光源装置が提案されている。
回転電極型DPP方式EUV光光源装置によれば、放電電極が回転するので、放電電極における放電発生位置が刻々と変化する。そのため、放電や高温プラズマから放電電極が受ける熱的負荷を小さくすることが可能となる。
熱的負荷が小さくなることにより、放電電極の放電による磨耗が抑制される。よって、放電電極形状変化が小さくなり、EUV光の発生の不安定性が抑制される。また、磨耗に起因する金属デブリの発生が小さくなり、金属デブリによるEUV集光鏡のダメージ発生を抑制することが可能となる。
以下、図7、図8を用いて、回転電極を採用したDPP方式EUV光源装置に対して本発明を適用した場合を説明する。
(4)実施例2
図7に本発明の第2の実施例である回転電極を採用したDPP方式EUV光源装置の概略構成例を示す。
図7に示すEUV光源装置は、基本的には図1に示すEUV光源装置において、第1の主放電電極、第2の主放電電極を回転可能に構成したものであり、その他の構成は、図1に示すEUV光源装置とほぼ同等である。よって、以下、図1と共通する構成要素については説明を省略する。
図7に示す例では、チャンバ1は、放電部20を収容する放電空間31とEUV集光鏡4を収容する集光空間32とに大きく分割され、放電空間31と集光空間32の間には隔壁1cが設けられている。
放電空間31は第1のガス排気ユニット81と接続され、集光空間32は第2のガス排気ユニット82と接続される。各空間は、それぞれに接続されたガス排気ユニット81,82により減圧雰囲気とされる。
放電空間31の圧力と不図示の露光装置の光学系に繋がる集光空間32の圧力は、放電条件またはその他の要因により、圧力差を生じさせる必要がある場合がある。上記したような排気構成により、両空間を差動排気することが可能となり、各空間の圧力差が所定の値となるように設定することが可能となる。
放電部20は、金属製の円盤状部材である第1の主放電電極20aと、同じく金属製の円盤状部材である第2の主放電電極20bとが絶縁材20cを挟むように配置された構造である。
第1の主放電電極20aの中心と第2の主放電電極20bの中心とは略同軸上に配置され、第1の主放電電極20aと第2の主放電電極20bは、絶縁材20cの厚みの分だけ離間した位置に固定される。ここで、第2の主放電電極20bの直径は、第1の主放電電極20aの直径よりも大きい。
第2の主放電電極20bには、モータ20dの回転軸20eが取り付けられている。ここで、回転軸20eは、第1の主放電電極20aの中心と第2の主放電電極20bの中心が回転軸20eの略同軸上に位置するように、第2の主放電電極20bの略中心に取り付けられる。
回転軸20eは、例えば、メカニカルシール20fを介してチャンバ1内に導入される。メカニカルシール20fは、チャンバ1内の減圧雰囲気を維持しつつ、回転軸20eの回転を許容する。
第2の主放電電極20bの下側には、例えばカーボンブラシ等で構成される第1の摺動子20fおよび第2の摺動子20gが設けられている。第2の摺動子20gは第2の主放電電極20bと電気的に接続される。一方、第1の摺動子20fは第2の主放電電極20bを貫通する貫通孔を介して第1の主放電電極20aと電気的に接続される。なお、図示を省略した絶縁機構により、第1の主放電電極20aと電気的に接続される第1の摺動子20fと第2の主放電電極20bとの間では絶縁破壊が発生しないように構成されている。
第1の摺動子20fと第2の摺動子20gは摺動しながらも電気的接続を維持する電気接点であり、高電圧パルス発生部11と接続される。高電圧パルス発生部11は、第1の摺動子20f、第2の摺動子20gを介して、第1の主放電電極20aと第2の主放電電極20bとの間にパルス電力を供給する。
すなわち、モータ20dが動作して第1の主放電電極20aと第2の主放電電極20bとが回転していても、第1の主放電電極20aと第2の主放電電極20bとの間には、第1の摺動子20f、第2の摺動子20gを介して、高電圧パルス発生部11の放電回路11aよりパルス電力が供給される。
放電回路11aから第1の摺動子20f、第2の摺動子20gとの配線は、図示を省略した絶縁性の電流導入端子を介してなされる。電流導入端子は、チャンバ1に取り付けられ、チャンバ1内の減圧雰囲気を維持しつつ、高電圧パルス発生部11から第1の摺動子20f、第2の摺動子20gとの電気的接続を可能とする。
金属製の円盤状部材である第1の主放電電極20a、第2の主放電電極20bの周辺部は、エッジ形状に構成される。放電回路11aより第1の主放電電極20a、第2の主放電電極20bに電力が供給されると、両電極のエッジ形状部分間で放電が発生する。放電が生じると、第1の主放電電極20a、第2の主放電電極20bの周辺部は放電により高温となるので、第1、第2の主放電電極20a,20bは、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル等の高融点金属からなる。また、絶縁材20cは、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド等からなる。
第2の主放電電極20bの周辺部には溝部が設けられ、この溝部に高温プラズマ用原料である固体Snや固体Liが供給される。原料供給は、予め、溝部に固体Snや固体Liを配置するようにしてもよいし、原料供給ユニット61より供給するようにしてもよい。原料供給ユニット61は、例えば、固形のSnやLiを定期的に第2の主放電電極20bの溝部に供給するように構成される。
第2の主放電電極20bの溝部に配置もしくは供給されたSnまたはLiは、第2の主放電電極20bの回転により放電部20におけるEUV光出射側であるEUV光集光部側に移動する。
一方、チャンバ1には、上記EUV集光部側に移動したSnまたはLiに対してレーザ光を照射するレーザ照射機30が設けられる。レーザ照射機30からのレーザ光は、チャンバ1に設けられた不図示のレーザ光透過窓部、レーザ光集光手段を介して、上記EUV集光部側に移動したSnまたはLi上に集光光として照射される。
上記したように、第2の主放電電極20bの直径は、第1の主放電電極20aの直径よりも大きい。よって、レーザ光は、第1の主放電電極20aの側面を通過して第2の主放電電極20bの溝部に照射されるように容易にアライメントすることができる。
レーザ照射機30よりレーザ光が照射されたSnまたはLiは、第1の主放電電極20a、第2の主放電電極20b間で気化し、一部は電離する。このような状態下で、第1、第2の主放電電極20a,20b間に高電圧パルス発生部11より電圧が約+20kV〜−20kVであるようなパルス電力を供給すると、第1の主放電電極20a、第2の主放電電極20bの周辺部に設けられたエッジ形状部分間で放電が発生する。
なお、放電空間の圧力値によっては、第2の主放電電極においてレーザ照射機によりレーザが照射される領域付近以外でも、第1の主放電電極2a、第2の放電電極2bの周辺部に設けられたエッジ形状部分間で不所望な放電が発生する可能性がある。しかしながら、上記したように、放電空間と集光空間を差動排気することにより、放電空間の圧力を所定の圧力に設定することが可能となる。
第3の電極15は、隔壁1cとEUV集光鏡4との間に設けられる。第3の電極15と隔壁1cとの間に高電圧パルス発生部11の放電回路11bからパルス電力が供給され、第3の電極15と隔壁1cとの間に放電が発生し、前述したように捕捉用プラズマP2が生成される。なお、隔壁1cは接地電位であり、第3の電極15には、負電圧のパルスが印加される。
放電部20からのEUV光の放射は以下のようにして行われる。
レーザ照射機30より、レーザ光がSnまたはLiに照射される。レーザ光が照射されたSnまたはLiは、第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間で気化し、一部は電離する。このような状態下で、第1、第2の主放電電極2a,2b間に高電圧パルス発生部11の放電回路11aより電圧が約+20kV〜−20kVであるようなパルス電力を供給すると、第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2bの周辺部に設けられたエッジ形状部分間であって、レーザ照射により気化したSnまたはLiが存在する領域で放電が発生し、高温プラズマが生成され、当該高温プラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
一方、前述したように第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間に放電が発生するタイミングと略同一タイミングで隔壁1cと第3の電極15間に放電が発生するように、高電圧パルス発生部11の放電回路11bから隔壁1cと第3の電極15間にパルス電力が供給される。
このように構成することにより、実施例1のDPP方式EUV光源装置と同様、Sn+ 等の高速イオンや、高速原子の進行方向の偏向や、隔壁1cと第3の電極15との間に生じるプラズマP2による高速イオンや高速原子の捕捉が可能となる。
結果として、EUV集光鏡4に高速粒子が衝突することにより発生するEUV集光鏡のダメージを著しく減少させることが可能となる。
なお、隔壁を設けない場合には、回転電極の接地側電極20bと第3の電極15との間でプラズマを生じさせて、当該プラズマにより上記した高速イオンや高速原子の捕捉を行うようにしてもよい。この場合は、実施例1の時と同様、回転電極の高圧側電極20aの極性(−HV1)と第3の電極15との極性(−HV2)は同一となるように設定される。
(5)実施例3
図8は、回転電極を採用したDPP方式EUV光源装置に対して本発明を適用した場合の別の例であり、回転電極の構成が図7に示すものと相違する。その他の構成は、図7に示すEUV光源装置とほぼ同等である。よって、以下、図7と共通する構成要素については、説明を省略する。
図8に示す回転電極型EUV光源装置は、特許文献5に記載されたものに実施例1に示された第3の電極15を付加したものである。また、図8では、制御部21、露光機22などは省略されている。
図8において、金属製の円盤状部材である第1および第2の主放電電極20a,20bは、パルス電力供給時に電界が集中する周縁部のエッジ部分が、所定距離だけ離間して互いに向かい合うように配置される。すなわち、各電極表面を含む仮想平面が交差するように各電極を配置することが好ましい。
なお上記所定距離は、両電極20a,20bの周縁部のエッジ部分間距離が最も短い部分での距離である。このように配置することにより、両電極の周縁部のエッジ部分間距離が最も短い部分(放電部45)で多く放電が発生するので、放電位置が安定する。
図8に示すEUV光源装置においては、EUV放射種を含む原料であるSnやLi等を加熱により液化させてコンテナ41,42に貯蔵し、この液化した原料を、回転軸46を軸として回転する第1および第2の主放電電極20a,20bの一部が通過するように構成したものである。このように構成することにより、EUV放射種を含む原料は、各主放電電極20a,20bのエッジ部に供給される。
具体的には、図8に示すように、第1の回転電極20aは、その一部が液化したEUV放射種を含む原料43を収容する導電性の第1のコンテナ41の中に浸されるように配置される。同様に、第2の回転電極20bは、その一部が液化した原料43を収容する導電性の第2のコンテナ42の中に浸されるように配置される。
第1のコンテナ41および第2のコンテナ42は、第1のチャンバ1a内の減圧雰囲気を維持可能な絶縁性の電力導入部44を介して高電圧パルス発生部11の放電回路11aと接続される。
原料43である液化したSnやLiは導電性であり、第1、第2のコンテナ41,42も導電性であるので、第1のコンテナ41および第2のコンテナ42間に放電回路11aからパルス電力を供給することにより、導電性の原料43に一部が浸漬している第1の主放電電極20aおよび第2の主放電電極20b間にパルス電力が供給される。
すなわち、図8に示すDPP方式EUV光源装置は、原料供給ユニット(第1、第2のコンテナ)が下側に、EUV光取出し部6が上側に位置するように構成される。
導電性の原料43に一部が浸漬している第1および第2の主放電電極20a,20bが回転すると、原料が付着した電極部分がEUV光出射側に移動する。EUV光出射側にはレーザ照射機30が設けられ、上記原料に対してレーザ光を照射する。このレーザ光により、上記原料は気化・電離する。
このような状態で、高電圧パルス発生部11の放電回路11aからパルス電力が第1、第2の主放電電極20a,20bに印加されると、電極間周辺部には高温プラズマが発生し、このプラズマからEUV光が放射される。
第3の電極15は、図7に示す構成と同様、隔壁1cとEUV集光鏡4との間に設けられ、第3の電極15と隔壁1cとの間に高電圧パルス発生部11の放電回路11bからパルス電力が供給される。これにより、第3の電極15と隔壁1cとの間に放電が発生し、前述したように捕捉用プラズマP2が生成される。なお、隔壁1cは接地電位であり、第3の電極15には、負電圧のパルスが印加される。
ここで、前述したように、上記第3の電極15と隔壁1cとの間には、第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間に放電が発生するタイミングと略同一タイミングで隔壁1cと第3の電極15間に放電が発生するように、放電回路11bからパルス電力が供給される。
このように構成することにより、実施例1のDPP方式EUV光源装置と同様、Sn+ 等の高速イオンや、高速原子の進行方向の偏向や、隔壁1cと第3の電極15との間に生じるプラズマによる高速イオンや高速原子の捕捉が可能となる。結果として、EUV集光鏡4に高速粒子が衝突することにより発生するEUV集光鏡4のダメージを著しく減少させることが可能となる。
(6)実施例4
次に、前記図1に示した第1の実施例のEUV光源装置において、極端紫外光を放射させるための原料ガスあるいは極端紫外光に透明なガスを供給するガス供給手段を設け、第3の電極から、上記ガスを一対の主放電電極のある方向に噴出するように構成した実施例について説明する。
なお、以下の実施例では、第1の実施例において、第3の電極からガスを噴出する例について説明するが、前記第2、第3の実施例において、第3の電極からガスを噴出するように構成してもよい。
図9に本発明の第4の実施例であるDPP方式EUV光源装置の概略構成例を示す。
なお、前記図1と共通する構成要素については、説明を省略する。図1に示す第1の実施例に対し、図9に示す実施例の構成例が相違する点は、第3の電極15に貫通孔15cを設け、この貫通孔を介して高温プラズマ発生部側へガスを供給する点にある。
図9において、第3の電極15は、貫通孔15cが設けられる。この貫通孔15cのEUV集光鏡4に対面する側の端部はガス供給ユニット16と接続されている。
ガス供給ユニット16からは、EUV放射種を含む原料ガス(例えば、Xe、SnH4 、Sn蒸気、Li蒸気等あるいはこれらと希ガス等との混合ガス:以下原料ガスともいう)あるいは、EUV放射にある程度透明なガス(以下動作ガスともいう)が導入される。第3の電極15の貫通孔15cから放出されるガスは、高温プラズマ発生部に対して供給される。
上記したように、EUV放射種を含む原料が供給された第1の主放電電極2a、第2の主放電電極2b間の放電により発生したプラズマは、EUV放射が発生したのち、放電電流値の減少と共に放電電流の自己磁場が減衰する。そのため、プラズマを収縮させる力が低下し、ピンチプラズマの維持が徐々に困難となり、ピンチプラズマは、立体角4π方向へ断熱膨張する。それに伴い、高温プラズマ発生部に存在したEUV放射種を含む原料も拡散し、高温プラズマ発生部における原料濃度は減少する。
そのため、次のEUV放射を発生させるには、高温プラズマ発生部で放電が発生する前までにEUV放射種を含む原料を供給する必要がある。仮に高温プラズマ発生部への原料の供給が不十分であると、EUV放射の発生後、次の放電を発生させて高温プラズマを生成しEUV放射を発生させても、十分な強度のEUV放射を得ることが困難となる。また、パルス状のEUV放射の発生動作において、EUV放射強度のpulse to pulseの安定性が不安定となる。
よって、このような不具合を回避するためには、原料供給ユニット7からのEUV放射種を含む原料の単位時間当たりの供給量を大きく設定する必要がある。例えば、当該原料が原料ガスである場合、原料供給ユニット7からチャンバ内への原料ガスの流量の大流量化を実現する必要がある。
ここで、上記したように、第3の電極15の貫通孔15cから高温プラズマ発生部に対してガスを供給すると、プラズマ拡散時におけるEUV放射種を含む原料の拡散が抑制され、高温プラズマ発生部における原料濃度の減少が小さくなる。
よって、原料供給ユニットからのEUV放射種を含む原料の単位時間当たりの供給量を低減することが可能となる。
第3の電極15の貫通孔15cから高温プラズマ発生部に対して供給されるガスがEUV放射種を含む原料ガスの場合、原料の拡散を抑制するとともに、高温プラズマ発生部への原料ガスの供給も行われるので、原料供給ユニットからの原料ガスの流量をより低減することが可能となる。
また、パルス状のEUV放射の発生動作において、高温プラズマ発生部における原料濃度をある程度の量に保持することが可能となるので、EUV放射強度のpulse to pulseの安定性を向上させることができる。
一方、第3の電極15の貫通孔15cから高温プラズマ発生部に対して供給されるガスが動作ガスの場合、原料の拡散を抑制することができるので、原料供給ユニットからの原料ガスの流量を低減することが可能となる。特に、動作ガスが水素(H2 )である場合、第2の主放電電極2bと第3の電極15間に生じる放電によりラジカル化および/またはプラズマ化し、これらがEUV集光鏡4表面に付着した不純物(例えば、Sn)と反応して、当該不純物を除去することが可能となる。よって、EUV集光鏡4の長寿命化が可能となる。
第1の実施例のDPP方式EUV光源装置の概略構成を示す図である。 本発明におけるプラズマP1,P2の生成タイミングを示すタイムチャートである。 プラズマP2による高速イオンの偏向の様子を示す図である。 プラズマP2周辺に発生する磁場を説明する図である。 第1の実施例の変形例1であるプラズマP2の生成タイミングがプラズマP1の生成タイミングより早い場合のタイムチャートである。 第1の実施例の変形例2を示す図である。 本発明の第2の実施例の回転電極を採用したDPP方式EUV光源装置の概略構成を示す図である。 本発明の第3の実施例の回転電極を採用したDPP方式EUV光源装置の他の概略構成を示す図である。 本発明の第4の実施例であるDPP方式EUV光源装置の概略構成例を示す図である。 DPP方式EUV光源装置の概略構成例を示す図である。 ホイルトラップの構成例を示す図である。 特許文献4に記載されている高速粒子の進行方向を偏向させる構成を示す図である。 EUV集光鏡に入射する高速粒子が光軸と垂直な仮想断面上を通過する領域を説明する図である。
符号の説明
1 チャンバ
2 放電部
2a 主放電電極(カソード)
2b 主放電電極(アノード)
2c 絶縁材
4 EUV集光鏡
6 EUV光取出部
7 原料供給ユニット
7a 原料導入管
8 予備電離ユニット
8a 予備電離用絶縁材
9 ガス排気ユニット
11 高電圧パルス発生部
11a,11b 放電回路
12 バッファガスユニット
13 圧力モニタ
15 第3の電極
15a 第4の電極
15b 絶縁材
15c 貫通孔
16 ガス供給ユニット
20 放電部
20a 第1の主放電電極
20b 第2の主放電電極
20c 絶縁材
20d モータ
21 制御部
22 露光機(制御部)
30 レーザ照射機

Claims (9)

  1. 容器と、この容器内に極端紫外光を放射させるための原料を供給する原料供給手段と、上記容器内で放電により上記原料を加熱励起して高温プラズマを含む第1のプラズマを発生させるための第1の電極および第2の電極とからなる一対の主放電電極と、上記一対の主放電電極に高電圧パルスを印加する高電圧パルス発生部と、上記高温プラズマから放射される極端紫外光を集光する集光光学手段と、上記集光光学手段を介して極端紫外光を取り出す極端紫外光取出部とを有する極端紫外光光源装置において、
    一対の主放電電極と集光光学手段との間の空間に第2のプラズマを発生させる手段を設けた
    ことを特徴とする極端紫外光光源装置。
  2. 上記一対の主放電電極のうちの少なくとも一つが放電中に回転するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の極端紫外光光源装置。
  3. 上記第2のプラズマを発生させる手段は、少なくとも上記第1のプラズマが生じている期間中、上記第2のプラズマが持続するように、上記第2のプラズマを発生させる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の極端紫外光光源装置。
  4. 上記第2のプラズマを発生させる手段は、第3の電極と、電極として機能する部材から構成されており、上記電極として機能する部材と第3の電極との間に高電圧パルスが印加されるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1,2または請求項3に記載の極端紫外光光源装置。
  5. 上記第2のプラズマを発生させる手段は、第3の電極と第4の電極から構成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の極端紫外光光源装置。
  6. 上記電極として機能する部材が、チャンバ内の一対の主放電電極が配置される空間と集光光学手段が配置される空間とを区画する、開口が設けられた隔壁である
    ことを特徴とする請求項4に記載の極端紫外光光源装置。
  7. 上記極端紫外光光源装置は、更に極端紫外光を放射させるための原料ガスあるいは極端紫外光に透明なガスを供給するガス供給手段を有し、
    上記第3の電極にはガス排出口が設けられていて、
    ガス供給手段からのガス供給は上記第3の電極のガス排出口から上記一対の主放電電極のある方向に噴出するように構成されている
    ことを特徴とする請求項4、5、6のいずれか1項に記載の極端紫外光光源装置。
  8. 上記集光光学手段が表面に反射膜が構成された反射鏡であり、上記第3の電極の材質が上記反射鏡の反射膜を構成する物質と同一である
    ことを特徴とする請求項4、5、6、7のいずれか1項に記載の極端紫外光光源装置。
  9. 原料を加熱励起して高温プラズマを発生させ、この高温プラズマから放出される極端紫外光を取り出す極端紫外光光源装置における高速粒子の捕捉方法であって、 放電によりプラズマを発生させ、発生したプラズマにより生ずる電界と磁界により、上記高温プラズマにより生ずる高速粒子を捕捉する
    ことを特徴とする極端紫外光光源装置における高速粒子の捕捉方法。
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