JP2007220949A - 極端紫外光光源装置および極端紫外光光源装置における集光光学手段の汚染抑制方法 - Google Patents

極端紫外光光源装置および極端紫外光光源装置における集光光学手段の汚染抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】デブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物を水素ラジカルと反応させ、集光光学手段へのスズの付着、堆積を防止するに際し、水素ラジカルを減少させることなく反応する空間に供給することができるようにすること。
【解決手段】ガスカーテン41にエネルギー供給手段6からエネルギーを供給して、ガスカーテン41を形成するガスの少なくとも一部をイオン化およびラジカル化させ、デブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物と反応させて高蒸気圧のスズ化合物とする。これにより、EUV集光鏡2へのスズの付着、堆積を防止することができる。その際、エネルギー供給手段6を、高密度高温プラズマが発生しデブリが放出されるタイミングと同期して動作させ、デブリ発生量の変化に応じてイオンおよびラジカルの量を制御することで、効率よく反応を起こすことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、極端紫外光を放射する極端紫外光光源装置に関する。より詳細には、極端紫外光源で発生するデブリを遮蔽し、集光鏡を長寿命化させるためのガスカーテンを備えた、スズを極端紫外光放射種に用いた極端紫外光光源装置および極端紫外光光源装置における集光光学手段の汚染を抑制する方法に関するものである。
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、その製造用の投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。その要請に応えるため、露光用光源の短波長化が進められ、エキシマレーザ装置に続く次世代の半導体露光用光源として、波長13〜14nm、特に波長13.5nmの極端紫外光(以下、EUV(Extreme Ultra Violet)光ともいう)光を放出する極端紫外光光源装置(以下、EUV光源装置ともいう)が開発されている。
EUV光源装置においてEUV光を発生させる方法はいくつか知られているが、そのうちの一つにEUV放射種を加熱して励起により高密度高温プラズマを発生させ、このプラズマから放出されるEUV光を取り出す方法がある。
このEUV光源装置は、高密度高温プラズマの生成方式により、LPP(Laser Produced Plasma、レーザ生成プラズマ)方式とDPP(Discharge Produced Plasma、放電生成プラズマ)方式とに大きく分けられる。
LPP方式のEUV光源装置は、EUV放射種を含む原料からなるターゲットに、レーザ光を照射することでレーザアブレーションにより高密度高温プラズマを生成し、そこから放射されるEUV光を利用するものである。
一方、DPP方式のEUV光源装置は、EUV放射種を含む原料が供給された電極間に、高電圧を印加することで放電により高密度高温プラズマを生成し、そこから放射されるEUV光を利用するものである。DPP方式のEUV光源装置における放電方式には、Zピンチ方式、キャピラリー放電方式、プラズマフォーカス方式、ホローカソードトリガーZピンチ方式等がある。DPP方式のEUV光源装置は、LPP方式のEUV光源装置と比較して、光源装置の小型化、光源システムの消費電力が小さいといった利点あり、実用化への期待も大きい。
上記した両方式のEUV光源装置において、波長13.5nmのEUV光を放出する放射種、すなわち、高密度高温プラズマ用原料として、現在、10価前後のキセノン(Xe)イオンとスズ(Sn)イオンが知られている。このうち、スズは、高密度高温プラズマの発生に必要な電気入力と波長13.5nmのEUV光出力の比、すなわちEUV変換効率(=光出力/電気入力)がキセノンより数倍大きいため、量産型大出力EUV光源の放射種としてスズが有力視されている。例えば、特許文献1に開示されているように、EUV放射種であるスズを加熱励起部に供給するための原料としてガス状のスズ化合物(例えば、スタナンガス:SnH4 ガス)を使ったEUV光源開発も進んでいる。
特開2004−279246号公報
しかしながら、スズは、蒸気圧が低く室温程度では固体であるため、光源チャンバ内に導入されるスズおよび/またはスズ化合物を加熱して励起し高密度高温プラズマを発生させる際に、スズに起因する大量のデブリが発生するという問題がある。
EUV光源装置は、光源チャンバ内で発生させた高密度高温プラズマから放出されるEUV光を、前記光源チャンバ内に配置された集光鏡(集光光学手段)を介して外部に出射するが、この集光鏡にスズに起因するデブリが付着した場合、集光鏡の13.5nmに対する反射率が低下し、その結果として外部に出射されるEUV光の強度が低下する。
この問題を解決するために、水素ラジカル等とスズとを反応領域(すなわち気相中、および/または、スズに起因するデブリが付着した付着物表面領域)において反応させて、蒸気圧が低いスズを蒸気圧が高いスズ水素化物にして気化させることが考えられる。このようにすれば、デブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物が集光鏡などに付着、堆積しにくくなり、また、集光鏡にいったん付着した固体のスズを除去する(集光鏡をクリーニングする)こともできると考えられる。
ここでいう水素ラジカルとは、水素原子(原子状水素ともいう)のことであり、不対電子を持つため活性化効果が高く、反応性に富んでいる粒子として知られる。また、水素ラジカル生成方法としては、例えば1800°C程度まで加熱したタングステンなどの高融点金属に、水素ガスを接触、分解させて高密度な水素ラジカルを生成する熱触媒方式や、高周波放電やマイクロ波放電で発生させたプラズマ中で水素イオンと共に生成される水素ラジカルを利用する放電プラズマ方式などがある。
これらの水素ラジカルによるスズ除去効果をさらに高めるには、スズに起因するデブリと水素ラジカルとが反応する反応領域内の水素ラジカル密度を高めることができればよい。ところが、水素ラジカルは電荷を持たないため、イオンや電子のように電場や磁場による制御ができず、いったん発生させた水素ラジカルはガス流に沿って移動する。
そのため、上記反応領域に水素ラジカルを導入する際は、例えば、ガラスやセラミックスなどの絶縁体の管をガイドとして用いて、水素ラジカルが拡散しないように輸送することが考えられる。
しかしながら、いかに管壁への水素ラジカル吸着が少ない絶縁体を用いたとしても、輸送中に水素ラジカル密度は減少する。したがって、高密度化のためには、水素ラジカル生成量を増やすだけなく水素ラジカル輸送方法を考慮しなければならない。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、デブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物を水素ラジカルと反応させ、集光光学手段へのスズの付着、堆積を防止するに際し、水素ラジカルを減少させることなく反応する空間に供給することができるようにするとともに、処理すべきデブリの発生量にあわせて水素ラジカルおよび水素イオンの生成を時間的に制御し、効率よくデブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物と反応させ、処理できるようにすることである。
上記課題を本発明においては、次のように解決する。
(1)容器と、この容器内に極端紫外光放射種であるスズを導入するためにスズおよび/またはスズ化合物を含む原料を供給する原料供給手段と、前記容器内で前記供給された原料を加熱して励起し高密度高温プラズマを発生させる加熱励起手段と、前記高密度高温プラズマから放出される極端紫外光を所定の位置に導く集光光学手段と、前記加熱励起手段と集光光学手段の間の空間にガスカーテンを形成するガス供給手段とを有する極端紫外光光源装置において、ガスカーテンにエネルギーを供給して前記ガスカーテンを形成するガスの少なくとも一部をイオン化および/またはラジカル化させるエネルギー供給手段を設ける。
(2)上記(1)において、エネルギー供給手段を、レーザ光または電子ビームとする。(3)上記(1)において、ガスカーテンを形成するためにガス供給手段から供給されるガスを、水素、もしくは水素とヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトン、窒素のうち、少なくともひとつを含む混合ガスとする。
(4)上記(1)(2)(3)において、極端紫外光光源装置が制御部を備え、該制御部が、上記加熱励起手段の動作タイミング(すなわち高密度高温プラズマが発生しデブリが放出されるタイミング)と、上記エネルギー供給手段の動作タイミングとを同期させる。 すなわち、加熱励起手段が動作タイミングとエネルギー供給手段の動作タイミングが所定の時間関係になるように(一方の動作から他方が動作するまでの時間が0もしくは一定値になるように)制御する。
(5)上記(4)において、上記加熱励起手段の動作タイミングと上記エネルギー供給手段の動作タイミングを、上記加熱励起手段の動作後に上記エネルギー供給手段が動作するように設定する。
(6)スズおよび/またはスズ化合物を含む原料を加熱して励起することにより発生させた高密度高温プラズマから放出される極端紫外光を取り出す極端紫外光光源装置に使用される集光光学手段の汚染抑制方法であって、集光光学手段の光入射側において、ガス供給手段からシート状の高速のガスを流すことによりガスカーテンを形成し、上記供給したガスの少なくとも一部をイオン化および/またはラジカル化させる。そして、上記イオン化および/またはラジカル化させたガスと高密度高温プラズマ発生後に形成されるスズおよび/またはスズ化合物とを反応させて高蒸気圧のスズ水素化物を生成して排出する。
本発明では以下の効果を得ることができる。
(1)放電部から放出されるデブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物が集光光学手段に到達するのを抑制するために加熱励起手段と集光光学手段の間の領域に形成されるガスカーテンにエネルギー供給手段よりエネルギーを供給し、上記ガスカーテンにおいて水素ラジカルおよび/またはイオンを生成する。このため、加熱励起手段から放出されるデブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物は、この水素ラジカルおよび/またはイオンと反応して、高蒸気圧のスズ水素化物になる。
これにより、スズが集光光学手段に付着、堆積しにくくなるため、集光光学手段のEUV光反射率を維持することができる。
(2)加熱励起手段におけるEUV光の発生は、DPP方式であってもLPP方式であってもパルス駆動で行われるから、加熱励起手段から放出されるデブリもまたパルス的に発生する。
そこで、ガスカーテンをラジカル化およびイオン化させるためのエネルギー供給手段の動作を、加熱励起手段からのデブリ放出タイミング、すなわちEUV光発生タイミングに同期させる。
これにより、処理すべきデブリの発生量にあわせて水素ラジカルおよび水素イオンの生成量が時間的に制御され、デブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物と効率よく反応させ、処理することができる。
また、水素ラジカルおよび水素イオンがスズと反応する空間および/またはその付近にエネルギーを供給して、水素ラジカルおよび水素イオンを生成するので、水素ラジカルおよびイオン輸送時の密度低下の問題も解決できるという利点がある。
図1は、本発明の第1の実施例に係るDPP方式のEUV光源装置の概略構成例を示す図である。
図1において、真空容器である光源チャンバ10内には、例えば、第1の主放電電極11(以下第1電極という)と第2の主放電電極電極12(以下第2電極という)が、絶縁体13を挟んで配置される。このように配置された第1電極11、第2電極12、絶縁体13は、EUV光源装置の放電部1を構成する。
第1電極11および第2電極12はリング状であり、絶縁体13もリング状であって、貫通穴が略同軸上に位置するよう配置される。ここで、第1電極11と第2電極12は高電圧パルス発生部15に接続され、絶縁体13によって両電極間は電気的に絶縁されている。
第1電極11、第2電極12は、例えば、タングステン、モリブデン、タンタルなどの高融点金属から構成される。絶縁体13は、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等のプラズマ耐性の高いセラミックス等から構成される。
光源チャンバ(以下チャンバという)10は、第1チャンバ10aと第2チャンバ10bとから構成される。第1チャンバ10aに接続された原料供給ユニット14から、EUV放射種であるスズを供給するための原料として、例えば、スタナン(SnH4 )などを放電部1に供給しながら、第1電極11と第2電極12の間で放電させると、EUV放射種を含む原料が加熱されて励起され、放電部1の略中心(貫通穴の中心)にプラズマPが発生する。
このプラズマPは、極めて高密度かつ高温でなければリソグラフィに利用する波長13.5nmのEUV光を放出しない。そこで、DPP方式EUV光源装置では瞬間的な放電を繰り返し行うパルス駆動方式を採用し、プラズマに供給するピーク電力を大きくすることで高密度高温プラズマを発生させている。すなわち、高電圧パルス発生部15から第1電極11と第2電極12の間に電力が供給されると、絶縁体13表面に沿面放電(creeping discharge)が発生して第1電極11、第2電極12間は実質、短絡状態になり、第1電極11、第2電極12間にパルス状の大電流が流れる。その後、ピンチ効果によるジュール加熱によって放電部1の略中心(貫通穴の中心)に高密度高温のプラズマPが発生し、この高密度高温のプラズマPからEUV光が放射される。
放電部1で発生したEUV光は、第2チャンバ10b内に配置されたEUV集光鏡2を介してEUV光取出部7より出射する。EUV光取出部7から出射した光は、図示略の露光機側光学系に進行する。
EUV集光鏡2は、回転楕円形状あるいは回転放物形状をしており、ニッケルなどの金属材料から構成され、その反射面は、EUV光を効率よく反射するために、ルテニウム、モリブデン、ロジウムなどの金属がコーティングされたものであり、25°以下の斜入射角度のEUV光を良好に反射できる。
制御部100は、原料供給ユニット14、ガス排気ユニット9を制御して、チャンバ10への原料供給、チャンバ10内の圧力を制御する。
また、制御部100は、タイミングコントローラ8を制御して高電圧パルス発生部15の動作を制御する。すなわち、高電圧パルス発生部15から第1電極11と第2電極12の間に供給する電力の供給タイミングを制御する。
放電部1において発生した高密度高温プラズマから、EUV光が放射されるのは上記の通りだが、それと同時に放電部1からはデブリも放出され、チャンバ10内に飛散する。ここでいうデブリとは、高密度高温プラズマにより削られた電極11、12と絶縁体13、放電に寄与して分解された原料、放電に寄与せずに排出された原料、反応生成物などのことである。
そこで、放電部1とEUV集光鏡2の間の領域に、水素ガスもしくは、水素ガスとヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトン、窒素のうち、少なくともひとつのガスとを含む混合ガスを供給するガス供給ユニット16に接続されたガスカーテンノズル4が配置される。ガス供給ユニット16から供給されるガスは、ガスカーテンノズル4によりデブリと交錯するように供給される。このように形成されたガスカーテン41は、放電部1から放出されEUV集光鏡2に向かって飛散するデブリの飛行軌道を湾曲させたり、局所的にガス圧力が高い部分を作り出し、そこで起こる粒子間衝突によりデブリを減速させたりすることで、デブリがEUV集光鏡2に到達することを妨げる。
なお、上記したガス供給ユニット16の動作は制御部100によって制御される。
さらに、ガスカーテンノズル4とEUV集光鏡2の間の領域には、ホイルトラップ3が配置される。このホイルトラップ3は、第1電極11や第2電極12がプラズマPと接することで発生する金属粉などのデブリを捕獲するためのものである。ホイルトラップ3は、例えば、タングステンやモリブデンといった高融点金属から構成される。
しかしながら、実際にはガスカーテン41およびホイルトラップ3でデブリをすべて捕獲することは困難であり、EUV集光鏡2に到達してしまうデブリもある。
そこで、デブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物と水素とを反応させ、高蒸気圧のスズ水素化物にすることで、デブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物をEUV集光鏡2に付着、堆積しにくくする。
本実施例では、ガス供給ユニット16からガスカーテンノズル4を介して供給される水素ガスもしくは、水素ガスとヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトン、窒素のうち、少なくともひとつのガスとを含む混合ガスに、レーザ光発生装置6から放出されるレーザ光17を照射することにより、化学的活性の高い水素イオンおよび水素ラジカルを生成する。
すなわち、レーザ光発生装置6で発生させたレーザ光17を、レーザ光集光手段61により集光させながらレーザ光入射窓部5を介してチャンバ10内部へ導入し、ガスカーテンノズル4から供給される上記水素ガスまたは上記混合ガスに照射して、水素イオンおよび水素ラジカルを生成する。
デブリと交錯するように供給されるガスカーテン41内もしくは近傍において水素イオンおよび水素ラジカルが生成されるので、スズに起因するデブリが大量に存在する反応空間およびその周辺で水素イオンおよび水素ラジカルが生成されることになり、効率的に水素ラジカル、水素イオンとデブリとを反応させることが可能となる。
また、従来問題であった水素ラジカルおよび水素イオン輸送時の密度低下の問題も解決される。
ここで、レーザ光発生装置6の動作は制御部100により制御される。すなわち、制御部100は、タイミングコントローラ8を制御して、レーザ光発生装置6からガスカーテン41に照射されるレーザ光17の照射タイミングを制御する。
なお、後述するようにタイミングコントローラ8は、高電圧パルス発生部15の動作タイミングとレーザ光発生装置6の動作タイミングとの間の遅延時間の制御を行う。
水素ガスもしくは、水素ガスとヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトン、窒素のうち、少なくともひとつのガスとを含む混合ガスへのレーザ光を照射すると、以下のような反応が起こり、水素ラジカルおよび水素が生成されるものと考えられる。
2 +hν → 2H ・・・(1)
2 +hν → 2H+ ・・・(2)
ここでhνは光のエネルギーであり、hはプランク定数、νは光の振動数である。
使用するレーザの種類としては、ガスカーテン41に含まれる水素分子をイオン化およびラジカル化できればよく、例えば、高出力のYAGレーザや炭酸ガスレーザ、色素レーザなどを用いる。
色素レーザなどの波長可変レーザでは、レーザ光の波長を水素のエネルギー吸収波長と一致させて、(1)式、(2)式のように直接的に水素ラジカル、水素イオンを発生させることができる。また、レーザ光の波長と水素のエネルギー吸収波長が一致しない場合でも、ガスカーテン41および原料に含まれる混合ガス、例えばヘリウムを介して、以下の(3)(4)式のような反応により間接的に水素にエネルギーを与えることで、水素ラジカルが生成されるものと考えられる。
He+hν → He* 、 He* +H2 → 2H+He ・・・(3)
He+hν → He+ 、 He+ +H2 → H+H+ +He ・・・(4)
ここで、He* は準安定状態のヘリウムのことである。
このようにして、ガスカーテン41のレーザ光17が照射された部分では、ガスカーテン41に含まれる水素がレーザ光を吸収して水素イオンや水素ラジカルになるか、または他の混合ガスがレーザ光を吸収してイオンやラジカルとなり、それらが水素に作用して水素イオンや水素ラジカルになる。これらは、デブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物と反応して、高蒸気圧のスズ水素化物、例えば、スタナンになる。以下にこれらの反応の一例を示す。
Sn+H→ SnH
SnH+H → SnH2
SnH2 +H → SnH3
SnH3 +H → SnH4
SnH3 +SnH3 → Sn2 6
Snx +H → Snx
Snx +H → Snx-1 +SnH
Snx +H → Snx-2 +Sn2
Sn2 H+H → 2Sn
Sn2 H+H → Sn2 2
Sn2 H+H → Sn2 3
Sn2 H+H → Sn2 4
Sn2 H+H → Sn2 5
Sn2 H+H → Sn2 6
チャンバ10内の圧力は数Paであるから、ここで生成されたスタナン等は、気相のまま第2のチャンバのガス排出口に接続されたガス排気ユニット9によりチャンバ10外へ排出できる。
ここでスズ水素化物にされるスズとは、スズ(Sn)蒸気やスズ微粒子(例えば、Snx といった金属クラスタ)など、相や形態を問わず単体として存在する(化合物でない)スズのことである。
また、スズ水素化物にされるスズ化合物とは、上記スズ(原子状ガスであるSn蒸気、金属クラスタSnx 等)やSnH、SnH2 、SnH3 (以下SnHx )といったフラグメントと装置内部に残留する水(H2 O)、炭化水素などとが気相反応することで形成されるスズの炭化物、酸化物などのことである。
なお、フラグメントSnHx はスズ水素化物であるが、ガスカーテンに含まれる水素イオンおよび/または水素ラジカルと反応して生成されるスズ水素化物がスタナン(SnH4 )であるとき、スタナンではないフラグメントSnHx は水素ラジカルと反応してスタナンにされる。よって、このような場合、本発明においては、スタナンでないフラグメントSnHx もスズ水素化物(スタナン)にされるスズ化合物として取り扱うこととする。
ここで、ガスカーテン41において生成するスズ水素化物は必ずしもスタナンである必要はなく、Sn2 6 など他の高蒸気圧スズ水素化物であってもよい。すなわち、ガスカーテン41では、デブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物を高蒸気圧のスズ水素化物にすることができればよい。
しかしながらスタナンは高蒸気圧のスズ水素化物としては最も化学的に安定であるため、ガスカーテン41において生成するスズ水素化物はスタナンであることが望ましい。
上記したように放電部1における高密度高温プラズマの生成と同時にデブリは発生し飛散する。よって、デブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物をより効率的にスズ水素化物にするには、デブリの発生・飛散タイミングと同期して、水素イオンや水素ラジカルの生成タイミングを制御すればよい。
図1に示す本発明のDPP方式EUV光源装置においては、タイミングコントローラ8により高電圧パルス発生部15とレーザ光発生装置6の動作を同期させ、デブリがEUV集光鏡2に向けて放出されるタイミングを考慮して、レーザ光17をガスカーテン41に照射した。これにより、ガスカーテン41に含まれる水素がラジカル化および/またはイオン化され、生成した水素イオンおよび水素ラジカルはデブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物と効率的に反応した。そして高蒸気圧のスズ水素化物になることで、EUV集光鏡2へのスズの付着、堆積が抑制することができた。
以下、具体的な制御手順について、説明する。
〔制御手順1〕
一般にEUV光源装置は、数kHzの繰り返し周波数でEUV光が放射される。すなわち、EUV光源装置がDPP方式の場合、数kHzの繰り返し周波数で放電が発生する。よって、デブリの発生・飛散も数kHzの繰り返し周波数で行われるものと考えられる。 仮に、EUV光源装置の繰り返し周波数が10kHzの場合、EUV光パルスの間隔は100μsとなる。
ここで、Snに起因するデブリのうち、SnイオンはEUV光発生とほぼ同時(nsオーダー)に発生する。Snクラスタ、Snフラグメントは、Snイオン数が減少始めた頃に発生する。EUV光発生後Snクラスタ、Snフラグメントが発生するまでの時間d1は、数μs程度と考えられる。
また、Snに起因するデブリのうち、Snイオンの寿命はnsオーダーと非常に短い。Snクラスタ、フラグメントSnHx の寿命は、Snイオンの寿命より長くμsオーダーと考えられている。
すなわち、Snに起因するデブリはEUV光パルス間隔内で寿命を終え、チャンバ10内に付着する。
一方、レーザ光17がガスカーテン41に照射されるとほぼ同時に水素イオンが発生し、続いて水素ラジカルが発生する。レーザ光17がガスカーテン41に照射された後、水素ラジカルが発生するまでの時間d2は数μs程度である。
また、水素イオンの寿命はnsオーダーと非常に短いのに対し、水素ラジカルの寿命はsオーダーと非常に長い。
よって、水素ラジカルの寿命がSnに起因するデブリの寿命と比べ圧倒的に長いことに着目し、水素ラジカルが発生後にSnに起因するデブリが放出されるようにすれば、確実にSnに起因するデブリと水素ラジカルとを反応させることが可能となる。
すなわち、水素ラジカル発生後にEUV光が放出されるように制御すればよい。
以下の説明する制御手順1は、タイミングコントローラ8から高電圧パルス発生部15、レーザ光発生装置6へそれぞれ送出される第1トリガ信号と第2トリガ信号の送出タイミングの制御を行い、レーザ光17がガスカーテン41に照射され水素ラジカルが発生した後にEUV光が放出されるようにするものである。
図2は上記制御手順1のフローチャート、図3はタイミングチャートであり、以下、図1を参照しながら、図2、図3を用いて説明する。
まず、露光機の制御部101からEUV光源装置の制御部100にスタンバイ信号が送出される(ステップS101、図3(a))。
スタンバイ信号を受信したEUV光源装置の制御部100は、原料供給ユニット14を制御して、原料供給量が所定量となるようにする。例えば、原料がSnH4 ガスである場合、SnH4 ガス流量が所定の値となるように制御する(ステップS102、図3(e)(f))。
EUV光源装置の制御部100は圧力モニタ30から送出される圧力データに基づき、高密度高温プラズマ発生部の圧力が所定の圧力(例えば、1〜20Pa)となるように、ガス排気ユニット9を制御して、ガス排気量を調節する(ステップS103、図3(g))。
また、EUV光源装置の制御部100は、ガスカーテン開始指令信号をガス供給ユニット16に送出する(ステップS104)。ガスカーテン開始指令信号を受信したガス供給ユニット16は、H2 、もしくはH2 およびHe、Ar、Xe、Kr、N2 の少なくとも1つからなるH2 混合ガスをガスカーテンノズル4から放出し、第2の容器(第2チャンバ10b)内でガスカーテンを形成する(ステップS105、図3(c)(d))。
EUV光源装置の制御部100は、露光機の制御部101にスタンバイ完了信号を送出する(ステップS106)。
スタンバイ完了信号を受信した露光機の制御部101は、EUV光源装置の制御部100に、EUV発光指令信号を送出する(ステップS107、図3(b))。
EUV発光指令信号を受信したEUV光源装置の制御部100は、タイミングコントローラ8にプリトリガ信号を送出する(ステップS108、図3(h))。
プリトリガ信号を受信したタイミングコントローラ8は、高電圧パルス発生部15に第1トリガ信号を送出するとともに、第2トリガ信号をレーザ光発生装置6に送出する(ステップS109、図3(i)(m))。
レーザ光発生装置6は、例えばLD励起QスイッチYAGレーザ装置を使用する。この場合、上記した第2トリガ信号は、QスイッチのOn信号に相当する。レーザ光発生装置6は、第2トリガ信号を受信後、QスイッチをOnとしてレーザ光17をガスカーテン41に照射する(ステップS110、図3(n))。
なお、第2トリガ信号(On信号)受信後、レーザ光17が発生するまでの遅延時間をDL とする。QスイッチがAO素子(音響光学素子)、EO素子(電気光学素子)の場合、遅延時間DL は例えば、数十ns以下である。また上記したように、レーザ光17がガスカーテン41に照射されて水素ラジカルが発生するまでの時間d2は、数μs以下である。
すなわち、レーザ光発生装置6が第2トリガ信号を受信して、時間(DL +d2)経過後にガスカーテン41に水素ラジカルが生成される(図3(o))。
一方、第1トリガ信号を受信した高電圧パルス発生部15は、第1電極11(カソード)、第2電極12(アノード)間に、パルス電力を印加する。すると絶縁体13表面に沿面放電(creeping discharge)が発生して第1電極11、第2電極12間は、実質短絡状態になり、第1電極11、第2電極12間にパルス状の大電流が流れる。その後、ピンチ効果によるジュール加熱によって高密度高温プラズマ発生部に高密度高温プラズマが発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される(ステップS111、図3(j)(k))。
ここで、高電圧パルス発生部15が充電用コンデンサと可飽和リアクトルからなる磁気パルス圧縮回路部とを有し、充電用コンデンサに充電された電気エネルギーを第1電極11、第2電極12間に移行してパルス電力として印加する場合、パルス電力は磁気パルス圧縮回路部によりパルス圧縮される。このような高電圧パルス発生部15を用いる場合、第1トリガ信号が高電圧パルス発生部15に入力されてから第1電極11、第2電極12間にパルス電力が印加されるまでの遅延時間d3は、充電用コンデンサの充電電圧値に依存する。
発明者らが用いた高電圧パルス発生部15は、上記したような充電用コンデンサと可飽和リアクトルからなる磁気パルス圧縮回路部とを有するものである。上記遅延時間d3は、高電圧パルス発生部を構成する回路素子にもよるが、一般に約5μs程度であり、第2トリガ信号(On信号)受信後レーザ光17が発生するまでの遅延時間DL より十分長い。また、放電が発生してEUV光が発生するまでの遅延時間DE は100ns程度であった。
ここで、上記したように高密度高温プラズマが発生すると、例えば、EUV放射種を含む原料がSnH4 である場合、SnイオンやSnx クラスタ、SnHx フラグメントが生成される。
すなわち、ステップS111において、高電圧パルス発生部15が第1トリガ信号を受信してほぼ時間(d3+DE )経過すると、Snに起因するデブリとしてSnイオンが発生する。また、時間(d3+DE +d1)経過後、Snx クラスタ、SnHx フラグメントが発生する(図3(l))。
以上をまとめると、発明者らが用いたDPP方式EUV光源装置によれば、第1トリガ信号が高電圧パルス発生部15に入力後、放電が発生してEUV光が放出され、Snに起因するデブリが生成されるまでの時間は、Snイオンの場合、d3+DE =約5μsとなる。また、Snx クラスタ、SnHx フラグメントの場合、d3+DE +d1=約5μs+数μsとなる。
一方、第2トリガ信号がQスイッチのOn信号としてレーザ光発生装置6に入力後、レーザ光17がガスカーテン41に照射され、水素イオン、水素ラジカルが生成されるまでの時間は、それぞれ、DL =数十ns以下、DL +d2=数μs以下となる。
すなわち、ステップS109で同時に第1トリガ信号および第2トリガ信号を送出したとき、レーザ光17がガスカーテン41に照射され水素イオンおよび水素ラジカルが発生して約5μs経過した後に、Snに起因するデブリが発生する。すなわち、水素ラジカルの寿命はsオーダーであるので、Snに起因するデブリが発生する時点においても水素ラジカルは存在する。
EUV光発光後、露光機の制御部101からEUV光源装置の制御部100にEUV放射停止信号(露光処理を終了するときはEUV放射終了信号に相当、また、露光処理を休止するときはEUV放射休止信号に相当)が入力されたかどうかを検定する(ステップS112)。
すなわち、ステップS112にて、露光機の制御部101からEUV光源装置の制御部100にEUV放射停止信号が入力したかどうかを検定し、検定時、上記信号が入力されていないとき(Noのとき)はステップS108に移行する。一方、上記信号が入力されたとき(Yesのとき)はエンドとなる。なお、エンドとなったときのEUV光源装置停止工程(ガス供給の停止、チャンバ内排気の停止等)については、説明を省略する。
制御手順1は、タイミングコントローラ8から高電圧パルス発生部15、レーザ光発生装置6へそれぞれ送出される第1トリガ信号と第2トリガ信号の送出タイミングの制御を行い、レーザ光17がガスカーテン41に照射され水素ラジカルが発生した後にEUV光が放出されるようにするものである。よって、常に水素ラジカルが存在している所にSnに起因するデブリを放出することが可能となり、確実にSnに起因するデブリと水素ラジカルとを反応させることができる。
〔制御手順2〕
上述した制御手順1は、ガスカーテン41における水素ラジカルをSnに起因するデブリが放電部1より放出される以前に生成して、確実にSnに起因するデブリと水素ラジカルとを反応させるようにしたものである。
ここで、水素イオンは、レーザ光17がガスカーテン41に照射されるとほぼ同時に発生する。しかし、水素イオンの寿命はナノ秒オーダーと非常に短い。よって制御手順1のように、水素ラジカル生成から所定の遅延時間経過後に、Snに起因するデブリが放電部1より放出されるようにしたとき、遅延時間によっては、水素イオンはSnに起因するデブリが放電部1より放出される以前に寿命を終える場合もある。この場合、水素イオンはSnに起因するデブリと反応することはない。
一方、水素イオンは水素ラジカルと比べ反応性が高い。よって、水素イオンは効率的にSnに起因するデブリと反応する。制御手順2は、水素イオンもSnに起因するデブリと反応するようにさせるものである。
上記したように、Snに起因するデブリのうちSnイオンはEUV光発生とほぼ同時に発生するが、Snイオンの寿命はナノ秒オーダーと非常に短い。
また、EUV光発生後Snクラスタ、Snフラグメントが発生するまでの時間d1は、数μs以下であり、その寿命はマイクロ秒オーダーと考えられている。
一方、水素イオンは、レーザ光17がガスカーテン41に照射されるとほぼ同時に発生するが、水素イオンの寿命はナノ秒オーダーと非常に短い。
水素イオンとSnに起因するデブリとを反応させる場合、以下の方法が考えられる。
(1)Snイオンの発生タイミングと水素イオンの発生タイミングとを一致させる。
(2)Snクラスタ、Snフラグメントの発生後、水素イオンを発生させる。
ここで、(1)の場合は、Snイオンおよび水素イオンの寿命がいずれもナノ秒オーダーと非常に短いので、高精度の同期制御が要求される。なお、Snクラスタ、Snフラグメントは、水素イオンの寿命が終わったあとに発生するので、水素イオンとは反応せず、水素ラジカルと反応することになる。
また、(2)の場合は、Snイオンは既に寿命を終えているので、水素イオンはSnクラスタ、Snフラグメントと反応することになる。ここで、Snクラスタ、Snフラグメントの寿命はマイコロ秒オーダーと比較的長いので、(1)の場合よりは精度の粗い制御を行うことが可能となる。
例えば、Snクラスタ、Snフラグメントの発生から0.5μs遅れて水素イオンが発生するようにすれば、確実にSnクラスタ、Snフラグメントと反応性が高い水素イオンとを反応させることが可能となる。なお、水素イオンの寿命が終わったあとも、引き続きSnクラスタ、Snフラグメントは寿命が秒オーダーと長い水素ラジカルと反応する。
以下、上記(2)の場合について、前記図1を参照しながら図4のフローチャート、図5のタイムチャートを用いて制御手順を説明する。
ここで、露光機の制御部からEUV光源装置の制御部100にEUV発光指令信号を送出され、制御部100がタイミングコントローラ8にプリトリガ信号を送出するまでは制御手順1のステップS101〜S108と同じであるので、説明を省略する。
図4、図5において、プリトリガ信号を受信したタイミングコントローラ8は、高電圧パルス発生部15に第1トリガ信号を送出するとともに、第1トリガ信号から時間Dだけ遅延して第2トリガ信号をレーザ光発生装置6に送出する(ステップS109、図5(h)(i)(m))。
第1トリガ信号の送出時刻をt1、第2トリガ信号の送出時刻をt2とするとき、遅延時間D=t2−t1となる。
第1トリガ信号を受信した高電圧パルス発生部15は、第1の主放電電極(カソード:第1電極11)、第2の主放電電極(アノード:第2電極12)間に、パルス電力を印加する。絶縁材(絶縁体13)表面に沿面放電(creeping discharge)が発生して第1の主放電電極(第1電極11)、第2の主放電電極(第2電極12)間は実質、短絡状態になり、第1の主放電電極(第1電極11)、第2の主放電電極(第2電極12)間にパルス状の大電流が流れる。その後、ピンチ効果によるジュール加熱によって高密度高温プラズマ発生部に高密度高温プラズマPが発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される(ステップS110’、図5(j)(k))。
ここで、発明者らが用いた高電圧パルス発生部15は、充電用コンデンサと可飽和リアクトルからなる磁気パルス圧縮回路部とを有するものである。第1トリガ信号が高電圧パルス発生部15に入力されてから第1電極11、第2電極12間にパルス電力が印加されるまでの遅延時間d3は、充電用コンデンサの充電電圧値に依存するが、ほぼ数μs程度であった。また、放電が発生してEUV光が発生するまでの遅延時間DE は100ns程度であった。
上記したように高密度高温プラズマPが発生すると、例えば、EUV放射種を含む原料がSnH4 である場合、SnイオンやSnx クラスタ、SnHx フラグメントが生成される。
すなわち、ステップS110’において、高電圧パルス発生部15が第1トリガ信号を受信してほぼ時間(d3+DE )経過すると、Snに起因するデブリとしてSnイオンが発生する。また、時間(d3+DE +d1)経過後、Snx クラスタ、SnHx フラグメントが発生する(図5(l))。
一方、レーザ光発生装置6は、制御手順1のときと同様、例えばLD励起QスイッチYAGレーザ装置である。この場合、上記した第2トリガ信号は、QスイッチのOn信号に相当する。ステップS107にて第2トリガ信号を受信したレーザ光発生装置6は、QスイッチをOnとして、ガスカーテン41にレーザ光17を照射する(ステップS111’、図5(n))。
なお、第2トリガ信号(On信号)受信後、レーザ光17が発生するまでの遅延時間をDLとする。QスイッチがAO素子、EO素子の場合、遅延時間DL は例えば、数十ns以下である。また上記したように、レーザ光17がガスカーテン41に照射されて水素ラジカルが発生するまでの時間d2は、数μs以下である。
すなわち、レーザ光発生装置6が第2トリガ信号を受信して、時間(DL +d2)経過後にガスカーテン41に水素ラジカルが生成される(図5(o))。
ここで、t1+d3+DE +d1<t2+DL +d2なる関係が成立すると、Snクラスタ、Snフラグメントの発生後、水素イオンが発生する。
すなわち、確実にSnクラスタ、Snフラグメントと反応性が高い水素イオンとを反応させることが可能となる。なお、水素イオンの寿命が終わったあとも、引き続きSnクラスタ、Snフラグメントは寿命が秒オーダーと長い水素ラジカルと反応する。
上記したように、遅延時間D=t2−t1であるので、遅延時間Dは、t2−t1>DE −DL +d1+d3−d2、すなわち、D>DE −DL +d1+d3−d2という関係が成立する値に設定される。
上記した例では、DE は100ns程度、DL は数十ns以下、d1は数μs、d2は数μs以下、d3は約5μsであるので、DE −DL +d1+d3−d2≒d3となる。 すなわち、D>d3となるので、例えば、D=5.5μsに設定してもよい。
EUV光発光後、露光機の制御部101からEUV光源装置の制御部100にEUV放射停止信号(露光処理を終了するときはEUV放射終了信号に相当、また、露光処理を休止するときはEUV放射休止信号に相当)が入力されたかどうかを検定する(ステップS112)。
すなわち、ステップS112にて、露光機の制御部101からEUV光源装置の制御部100にEUV放射停止信号が入力したかどうかを検定し、検定時、上記信号が入力されていないとき(Noのとき)はステップS108に移行する。一方、上記信号が入力されたとき(Yesのとき)はエンドとなる。なお、エンドとなったときのEUV光源装置停止工程(ガス供給の停止、チャンバ内排気の停止等)については、説明を省略する。
制御手順2は、タイミングコントローラ8から高電圧パルス発生部15、レーザ光発生装置6へそれぞれ送出される第1トリガ信号と第2トリガ信号の送出タイミングの制御を行い、Snクラスタ、Snフラグメントの発生後、水素イオンが発生するようにしたものである。
よって、確実にSnクラスタ、Snフラグメントと反応性が高い水素イオンとを反応させることが可能となる。なお、水素イオンの寿命が終わったあとも、引き続きSnクラスタ、Snフラグメントを寿命が秒オーダーと長い水素ラジカルと反応させることができる。
なお、制御手順2において、上記した(1)Snイオンの発生タイミングと水素イオンの発生タイミングとを同期させる方法を採用する場合は、t1+d3+DE +d1=t2+DL +d2なる関係が成立するように、第1トリガ信号と第2トリガ信号との間の遅延時間Dを設定すればよい。すなわち、D=DE −DL +d1+d3−d2となるように設定すればよい。
上記した制御手順1、2では、1回の主放電に対して1回のレーザ光照射を行っているがこれに限るものではない。例えば、デブリ放出量が最大となるタイミングの前後に高繰り返しのレーザパルスを照射するバースト動作にしてもよい。
また、ガスカーテン41において、水素イオン、水素ラジカルの生成量を増加させる場合は、レーザ光発生装置6を複数台設けて、ガスカーテン41へのレーザ光照射領域を広範囲にしてもよい。その際は、タイミングコントローラ8からそれぞれのレーザ光発生装置の制御を行ってもよい。
さらに、ガスカーテン41の広範囲の部分にレーザ光を照射するために、集光したレーザ光を走査してもよいし、逆にレーザビームエクスパンダー等を用いて照射範囲を広げてもよい。
上記した実施例ではガスカーテンへのエネルギー供給手段としてレーザ光発生装置を採用した例を示した。しかしエネルギー供給手段はレーザ光発生装置に限るものではなく、例えば、電子ビーム発生装置を用いてもよい。
図6に、上記エネルギー供給手段として電子ビーム発生装置を用いた実施形態の一例を示す。
電子ビーム発生用電源18に接続された電子ビーム管19はガスカーテン41に電子ビームが到達する前に減衰しないように、光源10内部に配置した。
第1の実施例と同様に、ガスカーテン41の少なくとも一部に電子ビームを照射して、ガスカーテン41に含まれる水素をイオン化もしくはラジカル化させる。電子ビームは、連続的に動作させることも可能だが、レーザ光と同様に、パルス駆動によりピーク電流を大きくして瞬間的に電子ビーム電流値を増加させてもよい。
電子ビーム発生装置をパルス動作させる場合は、上記したレーザ光発生装置をエネルギー供給手段として用いた場合と同様、高電圧パルス発生部15の動作と同期させることも可能である。
すなわち、電子ビームがガスカーテン41に照射され水素ラジカルが発生した後にEUV光が放出されるようにして、常に水素ラジカルが存在している所にSnに起因するデブリを放出させ、確実にSnに起因するデブリと水素ラジカルとを反応させることができる。
また、Snイオンの発生タイミングと水素イオンの発生タイミングとを同期させたり、Snクラスタ、Snフラグメントの発生後、水素イオンを発生させるようにして、Snに起因するデブリと水素イオン、水素ラジカルとを確実に反応させるようにすることも可能である。
具体的な制御手順は、例えば、上記した制御手段1、2と同様であるので、ここでは説明を省略する。
次に、本発明をLPP方式のEUV光源装置に適用した実施例を図7に示す。
LPP方式のEUV光源装置は、図1および図2に示したDPP方式のEUV光源装置と同様に光源チャンバ10を有する。光源チャンバ10には、EUV放射種である原料を供給するための原料供給ユニット14および原料供給ノズル20が設けられており、真空ポンプ等で構成されたガス排気ユニット9により光源チャンバ10内は真空状態に維持されている。
励起用レーザ光発生装置21で発生させたレーザ光22は、レーザ光集光手段24により集光されながらレーザ光入射窓部23を介してチャンバ10内部へ導入され、EUV集光鏡2の略中央部に設けられたレーザ光通過穴25を通って、原料供給ノズル20から供給されたスズおよび/またはスズ化合物を含む原料に照射される。ここで用いられる励起用レーザ光発生装置21は、例えば、繰り返し周波数が数kHzであるパルスレーザ装置であり、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザーなどが使用される。
また、ここで用いられるスズおよび/またはスズ化合物を含む原料としては、例えば、固体状、液状、ガス状のスタナンや、固体状、液状、ガス状のスズが使用される。
原料供給ノズル20から供給された原料は、レーザ光22の照射により加熱・励起されて高密度高温プラズマとなり、波長13.5nmのEUV光が放射される。放射されたEUV光は、EUV集光鏡2によりEUV光取出部7に向けて反射、集光され、露光機側光学系(図示せず)へと導かれる。ここで、EUV集光鏡2は、例えばモリブデンとシリコンの多層膜でコーティングされた球面形状の反射鏡であり、励起用レーザ光発生装置21およびレーザ光入射窓部23の配置によっては、レーザ光通過穴25を必要としない場合もある。
以上のように生成された高密度高温プラズマからは、DPP方式のEUV光源装置の場合と同様に、EUV光だけでなくデブリも放出される。
そこで、高密度高温プラズマとEUV集光鏡2の間の領域に、前述の実施例と同様にガスカーテンノズル4およびガス供給ユニット16によりガスカーテンを生成させて、デブリがEUV集光鏡に到達しないようにする。しかしながら、ガスカーテンを通過してEUV集光鏡に到達するデブリもあることは前述のとおりである。
本実施例では、スズプラズマを使ったEUV光源装置において、EUV集光鏡の汚染が最も深刻であるデブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物に対して、水素と反応させてスズ水素化物にする。
具体的には、ガス供給ユニット16からガスカーテンノズル4を介して供給される水素ガスもしくは、水素ガスとヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトン、窒素のうち、少なくともひとつのガスとを含む混合ガスに、レーザ光発生装置6から放出されるレーザ光17を照射することにより、化学的活性の高い水素イオンおよび水素ラジカルを生成する。
すなわち、レーザ光発生装置6で発生させたレーザ光17を、レーザ光集光手段61により集光させながらレーザ光入射窓部5を介して光源チャンバ10内部へ導入し、ガスカーテンノズル4から供給される上記水素ガスまたは上記混合ガスに照射して、水素イオンおよび水素ラジカルを生成する。
これらの水素イオンおよび水素ラジカルとデブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物とを反応させて蒸気圧の高いスズ水素化物を生成し、ガス排気ユニット6より排気する。デブリと交錯するように供給されるガスカーテン41内もしくは近傍において水素イオンおよび水素ラジカルが生成されるので、スズに起因するデブリが大量に存在する反応空間およびその周辺で水素イオンおよび水素ラジカルが生成されることになり、効率的に水素ラジカル、水素イオンとデブリとを反応させることが可能となる。
また、従来問題であった水素ラジカルおよび水素イオン輸送時の密度低下の問題も解決される。
これにより、デブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物はEUV集光鏡2に付着、堆積しにくくなり、EUV集光鏡2の寿命を延ばすことができる。
レーザ光発生装置6、励起用レーザ光発生装置21などの動作は、タイミングコントローラ8により制御されるが、具体的な制御手順は、前述したDPP方式のEUV光源装置の場合と同様であるので、ここでは説明を省略する。
上記実施例では、同軸上に配置されたリング状の第1の主放電電極、第2の主放電電極間にパルス状の大電流を流し、高密度高温プラズマを発生させるDPP方式のEUV光源装置に本発明を適用した場合について説明したが、次に、電極を回転移動させて液体や固体の状態の高密度高温プラズマ用原料を放電部に移動させるEUV光源装置(以下回転型電極EUV光源装置という)に本発明を適用した実施例について説明する。
図8は本実施例のEUV光源装置の断面図である。
図8において、本実施例のEUV光源装置は、光源チャンバ10が、放電空間を構成する第1のチャンバ10aと、集光空間を構成する第2のチャンバからなる。第1のチャンバ10aは、同図右側がEUV光の出射する側であり、EUV光出射側が、EUV集光鏡2が設けられた第2のチャンバ容器10bに取り付けられている。
EUV集光鏡2は、第1のチャンバ10aから出射したEUV光を集光し、EUV光取出部7から、図示しない露光装置に光を導く。なお、上記放電容器内の空間を放電空間と呼び、EUV集光鏡2が設けられた第2のチャンバ10b内の空間を集光空間と呼ぶ。
第1のチャンバ10a内には、円盤状の第1の放電電極11と、第2の放電電極12が、絶縁材13を挟むことにより間隔をあけ、両電極11,12の円の中心が一致するように、すなわち同心円状に重ね合わされて固定される。なお、第2の放電電極12の直径は、第1の放電電極11の直径よりもやや大きい。
第1の主放電電極11と第2の主放電電極12には、高電圧パルス発生部15が、第1、第2の摺動子15a,15bを介して接続され、高電圧パルスが供給される。第1の放電電極11と第2の放電電極12の周辺部にはエッジが形成されており、両電極に電力が供給されると、この両エッジ間で放電が発生する。
放電が生じると電極は高温になるので、第1の放電電極11、第2の放電電極12は、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル等の高融点金属からなる。また、絶縁材13は、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド等からなる。
第2の放電電極12の中心には、回転軸55aが取り付けられ、回転軸55aに取り付けられたモータ55により、第1の放電電極11、絶縁材13、第2の放電電極12 は、一体で回転する。
第1のチャンバ10a内のEUV光出射側の反対側には、EUV発生種の原料を電極2供給する原料供給ユニット14がある。
原料供給ユニット14は、EUV発生種の原料である固体状のSnを、モータ55により回転している第2の放電電極12の周辺部に供給する。
原料供給ユニット14によりSnが供給された電極部分は、回転してEUV光出射側に移動する。第1のチャンバ10aのEUV光出射側には、レーザ照射器56が設けられ、第2の放電電極12の周辺部に供給されたSnに対し、レーザ光を照射する。
上記したように、第2の放電電極12は、第1の放電電極11よりも直径が大きいので、レーザ光は、第1の放電電極11越しに第2の放電電極12の周辺部に照射される。レーザ照射によりSnは気化する。
このような状態で、両電極11,12に高電圧パルス発生部15からおよそ+20kV〜−20kVの高電圧パルス電圧が印加されると、両電極のエッジの間に放電が発生し、パルス状の大電流が流れる。その後、ピンチ効果によるジュール加熱によって、両電極間周辺部には気化したSnによる高密度高温プラズマが発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
放射されたEUV光は容器10bに設けられたEUV集光鏡2により反射されて集光され、EUV光取出部7より図示を省略した露光機側光学系である照射部に出射される。
上記構成のEUV光源装置において、本実施例では、放電容器である第1のチャンバ10aとEUV集光鏡2が設けられたチャンバ10bの間に、放電空間と集光空間とに区画する隔壁50を設け、この隔壁50に両空間を空間的に連結する開口51aを有するアパーチャ部材51を設ける。そして、上記隔壁50と、ホイルトラップ3の間にガスカーテンノズル4が設けられ、ガス供給ユニット16からガスカーテンノズル4を介して供給される水素ガスもしくは、水素ガスとヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトン、窒素のうち、少なくともひとつのガスとを含む混合ガスによりガスカーテン41が形成される。そして、前記したようにレーザ光発生装置6から放出されるレーザ光17を照射し、化学的活性の高い水素イオンおよび水素ラジカルを生成する。
すなわち、レーザ光発生装置6で発生させたレーザ光17を、レーザ光集光手段61により集光させながらレーザ光入射窓部5を介してチャンバ10内部へ導入し、ガスカーテンノズル4から供給される上記水素ガスまたは上記混合ガスに照射して、水素イオンおよび水素ラジカルを生成する。
なお、上記アパーチャ51の開口51aは圧力抵抗として機能するので、各空間を第1の排気装置9−1、第2の排気装置9−2で排気することにより、集光空間でガスカーテンノズル4からガスを供給しても、集光空間を数100Paに、また放電空間を数Paに維持することが可能である。
放電空間における高密度高温プラズマの生成と同時に発生するデブリは、上記アパーチャ51の開口51aを介して、開口51aとホイルトラップ3との間の領域に達し、前述したように、デブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物と、水素イオンおよび水素ラジカルとを反応させて蒸気圧の高いスズ水素化物を生成し、第2の排気装置9−2より排気する。
デブリと交錯するように供給されるガスカーテン41内もしくは近傍において水素イオンおよび水素ラジカルが生成されるので、スズに起因するデブリが大量に存在する反応空間およびその周辺で水素イオンおよび水素ラジカルが生成されることになり、効率的に水素ラジカル、水素イオンとデブリとを反応させることが可能となる。
レーザ光発生装置6などの動作は、タイミングコントローラ8により制御されるが、具体的な制御手順は、前述した制御手順1、2と同様であるので、ここでは説明を省略する。
以上に説明したように、本発明に係る極端紫外光光源装置(EUV光源装置)は、ガスカーテン41にレーザ光や電子ビームなどを照射して、ガスカーテン41に含まれる水素をイオン化および/またはラジカル化させ、デブリに含まれるスズおよび/またはスズ化合物と反応させて高蒸気圧のスズ水素化物にするので、EUV集光鏡2にスズが付着、堆積しにくくすることができる。
また、イオンおよびラジカルは、反応空間およびその周辺で生成されるため、イオンおよびラジカル輸送中の密度減少も最小限にすることができる。
本発明の第1の実施例のDPP方式のEUV光源装置の概略構成例を示す図である。 図1に示す装置の制御手順を示すフローチャート(1)である。 図1に示す装置の動作を示すタイムチャート(1)である。 図1に示す装置の制御手順を示すフローチャート(2)である。 図1に示す装置の動作を示すタイムチャート(2)である。 図1の装置において、エネルギー供給手段として電子ビーム発生装置を用いた実施例の概略構成例を示す図である。 本発明をLPP方式のEUV光源装置に適用した実施例を示す図である。 本発明を回転電極型のEUV光源装置に適用した場合の構成例を示す図である。
符号の説明
1 放電部
2 EUV集光鏡
3 ホイルトラップ
4 ガスカーテンノズル
41 ガスカーテン
5 レーザ光入射窓部
6 レーザ光発生装置
61 レーザ光集光手段
7 EUV光取出部
8 タイミングコントローラ
9 ガス排気ユニット
10 光源チャンバ
10a 第1チャンバ
10b 第2チャンバ
11 第1電極
12 第2電極
13 絶縁体
14 原料供給ユニット
15 高電圧パルス発生部
16 ガス供給ユニット
17 レーザ光
18 電子ビーム発生用電源
19 電子ビーム管
20 原料供給ノズル
21 励起用レーザ光発生装置
22 レーザ光
23 レーザ光入射窓部
24 レーザ光集光手段
30 圧力モニタ
50 隔壁
51 アパーチャ
51a 開口
55 モータ
100 制御部
101 露光機(制御部)
P プラズマ

Claims (7)

  1. 容器と、
    この容器内に極端紫外光放射種であるスズを導入するためにスズおよび/またはスズ化合物を含む原料を供給する原料供給手段と、
    前記容器内で前記供給された原料を加熱して励起し高密度高温プラズマを発生させる加熱励起手段と、
    前記高密度高温プラズマから放出される極端紫外光を所定の位置に導く集光光学手段と、
    前記加熱励起手段と集光光学手段の間の領域に、高速にシート状のガスを流しガスカーテンを形成させるガス供給手段とを有する極端紫外光光源装置において、
    上記ガスカーテンにエネルギーを供給して前記ガスカーテンを形成するガスの少なくとも一部をイオン化および/またはラジカル化させるエネルギー供給手段を設けた
    ことを特徴とする極端紫外光光源装置。
  2. 上記エネルギー供給手段がレーザ光である
    ことを特徴とする請求項1に記載の極端紫外光光源装置。
  3. 上記エネルギー供給手段が電子ビームである
    ことを特徴とする請求項1に記載の極端紫外光光源装置。
  4. 上記ガスカーテンを形成するガス供給手段で使用するガスが、水素、もしくは水素とヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトン、窒素のうち、少なくともひとつを含み水素が主成分である混合ガスである
    ことを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項に記載の極端紫外光光源装置。
  5. 極端紫外光光源装置は更に制御部を有し、
    前記制御部は、
    上記加熱励起手段の動作タイミングと上記エネルギー供給手段の動作タイミングとを同期させる
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4のいずれか1項に記載の極端紫外光光源装置。
  6. 上記加熱励起手段の動作タイミングと上記エネルギー供給手段の動作タイミングは、上記加熱励起手段の動作後に上記エネルギー供給手段が動作するように設定されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の極端紫外光光源装置。
  7. スズおよび/またはスズ化合物を含む原料を加熱して励起することにより発生させた高密度高温プラズマから放出される極端紫外光を取り出す極端紫外光光源装置に使用される集光光学手段の汚染抑制方法であって、
    集光光学手段の光入射側において、ガス供給手段からシート状の高速のガスを流すことによりガスカーテンを形成し、
    上記供給したガスの少なくとも一部をイオン化および/またはラジカル化させて、上記イオン化および/またはラジカル化させたガスと高密度高温プラズマ発生後に形成されるスズおよび/またはスズ化合物とを反応させて高蒸気圧のスズ水素化物を生成して排出する
    ことを特徴とする集光光学手段の汚染抑制方法。


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