JP2023149165A - 既存骨組み部材の補強用連結部構造 - Google Patents

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晃三 服部
Kozo Hattori
一夫 平松
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Abstract

【課題】建物の骨組み構造を形成する既存の鋼製骨組み部材に、ブレース材等の補強部材が連結される接合金物を、無溶接で連結部分に取り付けて、補強部材によって補強させる補強用連結部構造を提供する。【解決手段】連結部分56の周囲を囲んで設置された、補強部材20との接合金物11が予め取り付けられた矩形環状枠金物12と、鋼製骨組み部材52を巻き込んで、矩形環状枠金物12の内側に充填されて固化したセメント系固化材17とを含んで構成される。施工現場において、矩形環状枠金物12及びセメント系固化材17が、無溶接で施工されて連結部分56の鋼製骨組み部材52の周囲に固設される。接合金物11に補強部材20が無溶接で連結されて、補強部材20が鋼製骨組み部材52に一体として接合されることで、鋼製骨組み部材52による骨組み構造51が補強される。【選択図】図2

Description

本発明は、既存骨組み部材の補強用連結部構造に関し、特に既存の建物の骨組み構造を形成する既存の鋼製骨組み部材に、補強部材を連結して補強する際に採用される既存骨組み部材の補強用連結部構造に関する。
近年、既存の建物において、老朽化対策や耐震性の向上等を目的として、特に荷重を支持する部分である骨組み構造を補強することが必要となる場合があり、例えば鋼製の骨組み構造を効果的に補強するための手段として、ブレース材、フレーム材等による鋼製の補強部材を、既存の骨組み構造に一体として連結して補強する工法や構造が用いられている。このような補強部材を用いて補強する工法や構造では、一般に、既存の建物の骨組み構造を構成する鋼製の骨組み部材(鋼製骨組み部材)に、例えばガセットプレート等の接合金物を、補強工事の施工現場において溶接等によって取り付けて、これらの接合金物を介して、補強部材を骨組み構造に一体として連結することが行われている。
また、例えば補強すべき既存の建物が、工場やその他の施設であって、これらの建物での操業や使用を継続したまま、居ながら施工によって補強工事を行う場合、溶接等の火器を用いて、鋼製骨組み部材に接合金物を取り付ける作業を行うことは、不適切と考えられるため、火器を用いない無溶接の作業で接合金物を取り付けることによって、既存の建物の骨組み構造を、ブレース材等の補強部材で補強する方法や構造も提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1や特許文献2に開示された、既存の建物の骨組み構造を、ブレース材等の補強部材を用いて無溶接で補強する方法や構造によれば、特許文献1の補強方法では、接合金物であるガセットプレートの一部を、鋼製骨組み部材である柱材又は梁材に接着すると共に、ガセットプレート及び対向プレートによって柱材又は梁材を挟持した状態で、ガセットプレートと対向プレートとをボルト連結することによって、ブレース材等の補強部材が連結されるガセットプレートの剥離を、防止するようになっている。また特許文献2の補強構造では、ガセットプレートが予め接合された一対の鋼板を、柱材又は梁材を挟み込むように対向させて当該柱材又は梁材に当接させた状態で、これらの一対の鋼板をボルト部材で締め付けることによって、ブレース材等の補強部材が連結されるガセットプレートを、柱材又は梁材にしっかりと固定するようになっている。
特開2013-177797号公報 特開2016-153582号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示された、既存の建物の骨組み構造をブレース材等の補強部材を用いて無溶接で補強する方法や構造によれば、ガセットプレート及び対向プレートや、或いはガセットプレートが予め接合された一対の鋼板を、これらの間に柱材又は梁材を挟み込んだ状態で、ボルト部材を強固に締め付けてボルト連結することによって、接合金物であるガセットプレートを柱材や梁材に固定するようになっており、これによって、ガセットプレートが取り付けられる、補強部材が連結される部分の鋼製骨組み部材には、強固な締付け力によって、過大な応力を生じさせ易い。このため、特に老朽化した既存の建物の骨組み構造を、ブレース材等の補強部材によって補強する際には、老朽化した既存の鋼製骨組み部材に生じた応力によって、安定した補強構造を得られなくなることが考えらえる。
本発明は、既存の建物の骨組み構造を形成する既存の鋼製骨組み部材に、ブレース材等の補強部材が連結される接合金物を、締付け力による応力を生じさせることなく無溶接で連結部分に取り付けて、既存の建物の骨組み構造を、補強部材によって安定した状態で補強させることのできる既存骨組み部材の補強用連結部構造を提供することを目的とする。
本発明は、既存の建物の骨組み構造を形成する既存の鋼製骨組み部材に、ブレース材、フレーム材等による補強部材を連結して、前記骨組み構造を補強する際に採用される既存骨組み部材の補強用連結部構造であって、前記鋼製骨組み部材における前記補強部材の連結部分の周囲を矩形状に囲んで設置された、前記補強部材との接合金物が側面部から外側に突出して取り付けられている矩形環状枠金物と、前記連結部分の前記鋼製骨組み部材を巻き込むようにして、前記矩形環状枠金物の内側に充填されて固化したセメント系固化材とを含んで構成されており、前記接合金物は、前記矩形環状枠金物の側面部に、施工現場での施工前に予め一体として接合されたものとなっており、施工現場において、前記矩形環状枠金物及び前記セメント系固化材が無溶接で施工されて前記連結部分の前記鋼製骨組み部材の周囲に固設されると共に、前記矩形環状枠金物の前記接合金物に前記補強部材が無溶接で連結されていて、前記補強部材が前記鋼製骨組み部材に一体として接合されることで、前記鋼製骨組み部材による前記骨組み構造が補強される既存骨組み部材の補強用連結部構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の既存骨組み部材の補強用連結部構造は、前記接合金物が、予めボルト締着孔が形成されたガセットプレートであることが好ましい。
また、本発明の既存骨組み部材の補強用連結部構造は、前記セメント系固化材が、無収縮モルタルであることが好ましい。
さらに、本発明の既存骨組み部材の補強用連結部構造は、前記連結部分の前記鋼製骨組み部材の表面から、複数のリベットの頭部が突出していることが好ましい。
さらにまた、本発明の既存骨組み部材の補強用連結部構造は、前記矩形環状枠金物が、前記連結部分の前記鋼製骨組み部材の周囲に、前記連結部分の外周面から、前記リベットの頭部の突出高さの少なくとも1.5倍の間隔を保持した状態で設置されており、前記セメント系固化材は、これらの間隔部分に充填されて固化していることが好ましい。
また、本発明の既存骨組み部材の補強用連結部構造は、前記鋼製骨組み部材が、ラチス構造材によるものとなっていることが好ましい。
本発明の既存骨組み部材の補強用連結部構造によれば、既存の建物の骨組み構造を形成する既存の鋼製骨組み部材に、ブレース材等の補強部材が連結される接合金物を、締付け力による応力を生じさせることなく無溶接で連結部分に取り付けて、既存の建物の骨組み構造を、補強部材によって安定した状態で補強させることができる。
本発明の好ましい一実施形態に係る既存骨組み部材の補強用連結部構造によって骨組み構造が補強された、既存の建物を例示する略示断面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係る既存骨組み部材の補強用連結部構造を説明する、図1のA部における図3のC-Cに沿った拡大断面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係る既存骨組み部材の補強用連結部構造を説明する、図2のB-Bに沿った図1のA部の拡大断面図である。 図2のD-Dに沿った図1のA部の拡大断面図である。 図3のE部拡大図である。 本発明の好ましい他の実施形態に係る既存骨組み部材の補強用連結部構造によって補強された骨組み構造を例示する略示正面図である。 本発明の好ましい他の実施形態に係る既存骨組み部材の補強用連結部構造を説明する図6のE-Eに沿った拡大断面図である。
本発明の好ましい一実施形態に係る既存骨組み部材の補強用連結部構造10は、既存の建物として、例えば図1に示すような1900年頃に竣工された建物である、老朽化した製鉄所の建屋50を、好ましくは歴史遺産として長期にわたって保存可能とすることを目的として、建屋50を形成する骨組み構造51を、例えばフレーム材による補強部材20によって効果的に補強できるように、骨組み構造51を形成する鋼製骨組み部材52に、補強部材20を、無溶接で連結させるための連結部の構造として採用されたものである。
本実施形態では、既存の建物である老朽化した製鉄所の建屋50の骨組み構造51は、柱を形成する鋼製骨組み部材52として、平行に配置された弦材53と、弦材53の間をジグザグに縫うように配された腹材(ラチス材)54とによるラチス構造材を、組み付けて形成されたものとなっており、骨組み構造51を形成するラチス構造材52には、上下方向に所定の間隔をおいた所定の位置に、弦材53を囲うように矩形状に配置されて、鋼製の保形プレート枠部材55(図2、図3参照)が、リベット接合によって一体として取り付けられている。本実施形態の補強用連結部構造10は、骨組み構造51を形成するラチス構造材52における、保形プレート枠部材55がリベット接合によって取り付けられた部分を連結部分56として、図2及び図4に示すように、補強部材であるフレーム材20が接合される接合金物11を、締付け力による応力を生じさせることなく無溶接で取り付け可能とする、補強用の連結部の構造として採用されたものである。
そして、本実施形態の既存骨組み部材の補強用連結部構造10は、既存の建物として、例えば図1に示すような老朽化した製鉄所の建屋50の骨組み構造51を形成する、例えばラチス構造材による既存の鋼製骨組み部材52に、好ましくはフレーム材20による補強部材を連結して、骨組み構造51を補強する際に採用される補強用の連結部の構造であって、図2~図4に示すように、鋼製骨組み部材52における補強部材20の連結部分56の周囲を矩形状に囲んで設置された、補強部材20との接合金物11が側面部12aから外側に突出して取り付けられている矩形環状枠金物12と、連結部分56の鋼製骨組み部材52を巻き込むようにして、矩形環状枠金物12の内側に充填されて固化したセメント系固化材17とを含んで構成されている。接合金物11は、矩形環状枠金物12の側面部12aに、施工現場での施工前に予め工場等において一体として接合されたものとなっている。施工現場において、矩形環状枠金物12及びセメント系固化材17が、無溶接で施工されて連結部分56の鋼製骨組み部材52の周囲に固設されると共に、矩形環状枠金物12の接合金物11に補強部材20が無溶接で連結されていて、補強部材20が鋼製骨組み部材52に一体として接合されることで、鋼製骨組み部材52による骨組み構造51が補強されるようになっている。
また、本実施形態では、矩形環状枠金物12の側面部12aから突出して取り付けられた接合金物11は、予めボルト締着孔が形成されたガセットプレートとなっている。
本実施形態では、既存の建物である建屋50の骨組み構造51を形成する、鋼製骨組み部材52であるラチス構造材は、弦材53として、例えば4本の溝形鋼を用いたものとなっている(図2参照)。これらの4本の溝形鋼は、間隔をおいて背中合わせに配置した各一対の溝形鋼を、ラチス構造材52の中央部分を挟んだ両側に平行に立設するように配置した状態で設置されている。またラチス構造材(ラチス柱)52の中央部分を挟んだ両側に設置された各一対の溝形鋼は、これらを連結するようしてジグザグ状に斜めに接合された腹材(ラチス材)54(図3、図4参照)を介して一体化されて、鋼製骨組み部材52であるラチス構造材による、ラチス柱を形成している。
また、ラチス構造材52によるラチス柱には、上下方向に所定の間隔をおいた所定の位置に、4本の溝形鋼による弦材53を囲うように矩形状に配置されて、これらの4本の溝形鋼の位置ずれを防止して、これらが一体となって所望の強度を効率良く発揮できるように位置決めする、鋼製の保形プレート枠部材55が、好ましくはリベット接合によって取り付けられている。また保形プレート枠部材55の外周面には、複数のリベットの頭部57が突出している。本実施形態では、ラチス構造材52によるラチス柱における、保形プレート枠部材55が取り付けられた部分を連結部分56として、補強用連結部構造10を介して補強部材であるフレーム材20を連結することで、建屋50の骨組み構造51を無溶接で効果的に補強できるようになっている。
本実施形態では、補強用連結部構造10を介してラチス構造材52によるラチス柱の連結部分56に連結される、補強部材であるフレーム材20は、図1に示すように、建屋50内における、ラチス構造材52によるラチス柱と隣接する領域において、好ましくは角形鋼管(図2参照)を、ボルト接合等を介して、無溶接で建屋50の床面から組み付けることによって、安定した状態で設置されたものとなっている。フレーム材20は、当該フレーム材20を構成する、ラチス柱52に向けて横方向に張り出した部分の先端部に配置された縦方向支持フレーム20a(図1参照)を、ラチス構造材52によるラチス柱の、保形プレート枠部材55が取り付けられた連結部分56を挟んだ両側に、一対配置させるように組み付けられている(図2、図4参照)。各々の縦方向支持フレーム20aには、保形プレート枠部材55と対向する側の面から横方向に突出して、ボルト締着孔が形成されたフレーム側接合金物20bが、一体として固定されている。フレーム側接合金物20bは、ラチス構造材52におけるフレーム材20の連結部分56の周囲を矩形状に囲んで設置される、補強用連結部構造10を構成する後述する矩形環状枠金物12の接合金物11に、好ましくはボルト接合によって無溶接で連結されることになる。
本実施形態の補強用連結部構造10を構成する矩形環状枠金物12は、図2~図4に示すように、一方の対向する辺部(本実施形態では、短辺部)に配置される一対の第1枠金物13と、他方の対向する辺部(本実施形態では、長辺部)に配置される一対の第2枠金物14とを含んで形成されている。第1枠金物13は、例えば溝形鋼からなり、これらの平板部分13aを、互いに間隔をおいて平行に対向配置すると共に、上下の張出しリブ部13bを外側に突出させた状態で取り付けられる(図3参照)。第2枠金物14は、横長の矩形形状を備える鋼製プレート14aの長手方向の両端部に、垂直に折れ曲がって継手プレート14bが設けられた、横長コの字状の上面形状を有しており、一対の第1枠金物13の間隔部分に、互いに間隔をおいて平行に対向配置されて取り付けられる(図2参照)。各々の第2枠金物14の鋼製プレート14aにおける、継手プレート14bが突出する側と反対側の外側面には、当該外側面を矩形環状枠金物12の側面部12aとして、これの中央部分に、補強部材20であるフレーム材との接合金物11が、予め工場等において一体として接合されている。接合金物11は、第2枠金物14の鋼製プレート14aと垂直な、横方向に突出して取り付けられていると共に、好ましくは矩形の平面形状を有しており、またボルト締着孔が形成されている。
本実施形態では、第2枠金物14の継手プレート14bにもまた、ボルト締着孔が形成されており、これを第1枠金物13の平板部分13aにおける対応する箇所に形成されたボルト締着孔に合致させて、例えばボルト・ナット部材15を締着することで、一対の第1枠金物13と一対の第2枠金物14とを一体として組み付けて、矩形環状枠金物12を形成できるようになっている。
このように、第1枠金物13と第2枠金物14とを組み付けて、ラチス構造材52における補強部材20の連結部分56である保形プレート枠部材55の周囲を囲んで、矩形環状枠金物12を設置する作業は、例えば連結部分56を挟んだ両側に配置された、フレーム材20の縦方向支持フレーム20aのフレーム側接合金物20bに、接合金物11を、ボルト・ナット部材15を用いて無溶接で各々接合することによって、縦方向支持フレーム20a及びフレーム側接合金物20bに各々支持させて、一対の第2枠金物14を取り付ける(図4参照)。しかる後に、第2枠金物14の継手プレート14bに、第1枠金物13の平板部分13aを、ボルト・ナット部材15を用いて各々無溶接で接合することによって、第2枠金物14に支持させて一対の第1枠金物13を取り付ける。これによって、連結部分56である保形プレート枠部材55の周囲を囲んで、矩形環状枠金物12を、無溶接で組み付けて固設することができる(図2参照)。
また、本実施形態では、例えば連結部分56の周囲を囲んで組付けられた矩形環状枠金物12における、一対の第1枠金物13の下方の張出しリブ部分13bに支持させて、底板プレート16を、保形プレート枠部材55と矩形環状枠金物12との間のセメント系固化材17の充填空間を下方から覆うように配置して、例えば公知の固定金物(図示せず)を用いて取り付けることができる。これによって、取り付けた底板プレート16を、矩形環状枠金物12の内側にセメント系固化材17を充填する際の底型枠として用いることが可能になる(図3、図4参照)。
本実施形態では、ラチス構造材52における補強部材20の連結部分56である保形プレート枠部材55の表面から、複数のリベットの頭部57が突出している(図2、図3参照)。また矩形環状枠金物12は、補強部材20の連結部分56であるラチス構造材52の保形プレート枠部材55の部分の周囲に、全周に亘って、当該保形プレート枠部材55の外周面から、好ましくはリベットの頭部57の突出高さHの少なくとも1.5倍の間隔Sを保持した状態で、設置されていることが好ましい(図5参照)。これによって、セメント系固化材17の充填性が確保され、リベットの周囲が断面欠損となることを防ぐことによって、補強強度を保持することが可能になる。ラチス構造材52における補強部材20の連結部分56である保形プレート枠部材55と、これの周囲に配置された矩形環状枠金物12との間隔部分には、セメント系固化材17が充填されて固化することになる。
保形プレート枠部材55と矩形環状枠金物12との間隔部分を充填空間として充填される、セメント系固化材17としては、例えば各種のコンクリートやモルタルを用いることができる。保形プレート枠部材55と矩形環状枠金物12との間隔部分に充填する際の、施工性の向上や、固化後の品質の向上等の観点から、セメント系固化材17として、公知の各種の無収縮モルタルを用いることが好ましい。
無収縮モルタル等のセメント系固化材17は、例えば作業員の手作業によって、保形プレート枠部材55と矩形環状枠金物12との間隔部分に、保形プレート枠部材55を巻き込むようにして、無溶接で隙間なく充填された後に、固化することによって、連結部分56の鋼製骨組み部材52の周囲に容易に固設することができる。また、充填されたセメント系固化材17が固化することによって、矩形環状枠金物12の接合金物11にフレーム材20が連結されることで骨組み構造51を補強することが可能な、本実施形態の既存骨組み部材の補強用連結部構造10が、形成されることになる。本実施形態では、好ましくは上述のように、フレーム材20による補強部材は、矩形環状枠金物12を連結部分56である保形プレート枠部材55の周囲を囲んで設置する際に、ボルト接合によって、接合金物11に無溶接で既に連結された状態となっている。
そして、上述の構成を備える本実施形態の既存骨組み部材の補強用連結部構造10によれば、既存の建物50の骨組み構造51を形成する既存のラチス構造材52に、フレーム材20による補強部材が連結される接合金物11を、締付け力による応力を生じさせることなく、フレーム材20の連結部分56に無溶接で取り付けて、既存の建物50の骨組み構造51を、フレーム材20によって安定した状態で補強させることが可能になる。
すなわち、本実施形態によれば、補強用連結部構造10は、ラチス構造材52におけるフレーム材20の連結部分56の周囲を囲んで設置された、接合金物11が予め接合されている矩形環状枠金物12と、矩形環状枠金物12の内側に充填されて固化したセメント系固化材17とを含んで構成されている。これによって、施工現場においては、接合金物11が予め接合されている矩形環状枠金物12を、好ましくはフレーム材20及び当該接合金物11を介して、無溶接で鋼製骨組み部材52の周囲に固設することが可能になる。また矩形環状枠金物12は、これの内側に充填されて固化したセメント系固化材17によって、締付け力による応力をラチス構造材52に生じさせることなく、ラチス構造材52の保形プレート枠部材55による連結部分56に、当該セメント系固化材17を介して強固に一体として接合されるので、連結部分56のラチス構造材52に一体として接合された当該矩形環状枠金物12の接合金物11に、補強部材であるフレーム材20が無溶接で連結されていることによって、既存の建物50の骨組み構造51を、矩形環状枠金物12を及びセメント系固化材17を介することで、フレーム材20によって安定した状態で補強させることが可能になる。
また、本実施形態の補強用連結部構造10では、図5に示すように、ラチス構造材52を構成する保形プレート枠部材55による、フレーム材20が連結される連結部分56の表面から、複数のリベットの頭部57が突出している。これによって、セメント系固化材17が充填されている保形プレート枠部材55と矩形環状枠金物12との間に、せん断方向の力が作用した場合に、これらのリベットの頭部57によって支圧抵抗を効果的に発揮させることが可能になる。またこれによって、付着強度を向上させて、フレーム材20が連結される、保形プレート枠部材55による連結部分56のラチス構造材52に、矩形環状枠金物12が、より強固に一体として接合されるので、既存の建物50の骨組み構造51を、フレーム材20によってさらに安定した状態で効果的に補強させることが可能になる。このような付着強度を向上させる観点から、矩形環状枠金物12の内側面にもまた、複数の突起58を設けておくことが好ましい。
図6及び図7は、本発明の好ましい他の実施形態に係る既存骨組み部材の補強用連結部構造30を例示するものである。本他の実施形態の補強用連結部構造30では、補強部材31によって補強される既存の骨組み構造32は、格子状に組み付けられた、上下方向に間隔をおいて配置されて横方向に延設する複数の梁材33と、横方向に間隔をおいて配置されて上下方向に延設する、例えばH形鋼による複数の柱材34とによる骨組み構造となっている。また補強部材31は、格子部分の対角線方向に延設して配置された、例えば山形鋼によるブレース材となっている。
すなわち、本他の実施形態の既存骨組み部材の補強用連結部構造30は、梁材33と共に骨組み構造32を形成する、H形鋼による柱材34を鋼製骨組み部材として、これらの柱材34におけるブレース材31の連結部分である上下の端部に、柱材34の周囲を矩形状に囲んで設置された、ブレース材31との接合金物35が側面部から外側に突出して取り付けられている矩形環状枠金物36と、連結部分である上下の端部の柱材34を巻き込むようにして、矩形環状枠金物36の内側に充填されて固化したセメント系固化材37とを含んで構成されている。接合金物35は、矩形環状枠金物36の側面部に、予め工場等において一体として接合されたものとなっている。施工現場において、矩形環状枠金物36が、ボルト・ナット部材38等を用いて無溶接で施工されて、連結部分の柱材34の周囲に固設されると共に、好ましくは無収縮モルタルによるセメント系固化材37が、例えば作業員の手作業によって、矩形環状枠金物36の内側に充填されるようになっている。矩形環状枠金物36の接合金物35には、ブレース材31が、ボルト・ナット部材38等を用いて無溶接で連結されていて、ブレース材31が柱材34に一体として接合されることで、梁材33及び柱材34による骨組み構造32が補強されるようになっている。
また、本他の実施形態の既存骨組み部材の補強用連結部構造30では、矩形環状枠金物36の内側に充填されて固化した、セメント系固化材37との付着強度を向上させるために、柱材34を構成するH形鋼における、ブレース材31との連結部分である上下の端部には、ジベル部材として機能するボルト・ナット部材38が、H形鋼による柱材34のリブ部34aに複数締着されて固定されている。
本他の実施形態の既存骨組み部材の補強用連結部構造30によっても、矩形環状枠金物36の内側に充填されて固化したセメント系固化材37によって、締付け力による応力を既存の柱材34に生じさせることなく、ブレース材31の連結部分の柱材34に、接合金物35が予め取り付けられた矩形環状枠金物36を、当該セメント系固化材37を介して強固に一体として接合することができるので、連結部分の柱材34に一体として接合された矩形環状枠金物36の接合金物35に、補強部材であるブレース材31が無溶接で連結されていることによって、既存の建物の骨組み構造32を、ブレース材31によって安定した状態で補強させて、上記の実施形態の補強用連結部構造10と同様の作用効果が奏される。
なお、本発明は上記の各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、補強部材が連結される矩形環状枠金物の接合金物は、予めボルト締着孔が形成されたガセットプレートである必要は必ずしもなく、補強部材を無溶接で連結することが可能な、その他の種々の公知の接合金物であっても良い。矩形環状枠金物の内側に充填されて固化するセメント系固化材は、無収縮モルタルである必要は必ずしもなく、コンクリートやセメントミルク等のその他の種々のセメント系固化材であっても良い。
10,30 補強用連結部構造
11,35 接合金物
12,36 矩形環状枠金物
12a 側面部
13 第1枠金物
13a 平板部分
13b 張出しリブ部
14 第2枠金物
14a 鋼製プレート
14b 継手プレート
15,38 ボルト・ナット部材
16 底板プレート
17,37 セメント系固化材
20 フレーム材(補強部材)
20a 縦方向支持フレーム
20b フレーム側接合金物
31 ブレース材(補強部材)
32 骨組み構造
33 梁材
34 柱材
34a リブ部
50 製鉄所の建屋(既存の建物)
51 骨組み構造
52 ラチス構造材(鋼製骨組み部材、ラチス柱)
53 弦材(溝形鋼)
54 腹材(ラチス材)
55 保形プレート枠部材
56 鋼製骨組み部材における補強部材の連結部分
57 リベットの頭部
58 突起

Claims (6)

  1. 既存の建物の骨組み構造を形成する既存の鋼製骨組み部材に、ブレース材、フレーム材等による補強部材を連結して、前記骨組み構造を補強する際に採用される既存骨組み部材の補強用連結部構造であって、
    前記鋼製骨組み部材における前記補強部材の連結部分の周囲を矩形状に囲んで設置された、前記補強部材との接合金物が側面部から外側に突出して取り付けられている矩形環状枠金物と、前記連結部分の前記鋼製骨組み部材を巻き込むようにして、前記矩形環状枠金物の内側に充填されて固化したセメント系固化材とを含んで構成されており、前記接合金物は、前記矩形環状枠金物の側面部に、施工現場での施工前に予め一体として接合されたものとなっており、
    施工現場において、前記矩形環枠金物及び前記セメント系固化材が無溶接で施工されて前記連結部分の前記鋼製骨組み部材の周囲に固設されると共に、前記矩形環状枠金物の前記接合金物に前記補強部材が無溶接で連結されていて、前記補強部材が前記鋼製骨組み部材に一体として接合されることで、前記鋼製骨組み部材による前記骨組み構造が補強される既存骨組み部材の補強用連結部構造。
  2. 前記接合金物は、予めボルト締着孔が形成されたガセットプレートである請求項1記載の既存骨組み部材の補強用連結部構造。
  3. 前記セメント系固化材は、無収縮モルタルである請求項1又は2記載の既存骨組み部材の補強用連結部構造。
  4. 前記連結部分の前記鋼製骨組み部材の表面から、複数のリベットの頭部が突出している請求項1~3のいずれか1項記載の既存骨組み部材の補強用連結部構造。
  5. 前記矩形環状枠金物は、前記連結部分の前記鋼製骨組み部材の周囲に、前記連結部分の外周面から、前記リベットの頭部の突出高さの少なくとも1.5倍の間隔を保持した状態で設置されており、前記セメント系固化材は、これらの間隔部分に充填されて固化している請求項4記載の既存骨組み部材の補強用連結部構造。
  6. 前記鋼製骨組み部材は、ラチス構造材によるものとなっている請求項4又は5記載の既存骨組部材の補強用連結部構造。
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