JP2023109553A - 柱梁接合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】H形鋼により形成されるS梁の端部にSRC梁端部があり、SRC梁端部とRC柱が接合される柱梁接合構造に関し、SRC梁端部に対する溶接工等を不要にしながら、S梁のスパンが長い場合でもSRC梁端部の梁せいを可及的に低くすることのできる、柱梁接合構造を提供すること。【解決手段】鉄筋コンクリート製のRC柱40と、H形鋼により形成されるS梁10との、柱梁接合構造100であり、RC柱40の側面もしくは側面の近傍までS梁10の端面が延びており、S梁10の端部の所定区間は、S梁10の周囲にRC構造体21が一体に形成されている鉄骨鉄筋コンクリートであるSRC梁端部20となっており、少なくともS梁10の上フランジ12に対して、直接的もしくは間接的に鋼板60がボルト接合され、鋼板60の一部がRC柱40に埋設されている。【選択図】図2

Description

本発明は、柱梁接合構造に関する。
事務所ビルや商業施設、物流施設、病院等の柱の無い広い空間を有する建築物には、RC(Reinforced Concrete)梁に比べて一般に軽量なH形鋼により形成されるS(Steel)梁を備えた構造が適用されることがあり、柱と梁の双方がS造(鉄骨造)の建築物や、柱がRC(Reinforced Concrete)柱であり、RC柱に対してS梁が接合されているハイブリッド構造の架構形式が適用される。RC柱はS柱に比べて圧縮耐力が高いことと、S柱に比べて施工コストが安価であることから、施工コストが可及的に安価で、例えば梁のスパンが長くて広い空間の天井を安定的に支持する架構形式としては、RC柱とS梁を備えている建築物が好適である。より詳細には、この架構形式では、スパンの短い空間には、相対的に施工コストの安価なRC梁が適用され得る。
ところで、梁のスパンを可及的に長くしたい空間であっても、S梁の長さには限界があり、長いS梁の端部の応力をS梁のみで負担するのが難しいケースも往々にしてある。また、上記するようにS梁の施工コスト(材料コスト)が高価であることから、S梁が柱に接続される端部を鉄骨鉄筋コンクリート梁端部(SRC(Steel Reinforced Concrete)梁端部)とし、梁端部の応力をSRC梁端部にて効果的に負担しながらRC柱に応力伝達し、梁の中央部はS梁とすることにより、梁のスパンを長くしつつも梁端部の応力を負担できる構造とした、所謂ハイブリッド梁が適用される場合がある。しかしながら、上記するハイブリッド梁を適用した場合でも、スパンの長い梁においては、SRC梁端部の梁せいが高くなり、天井裏に収まらなくなるケースが生じ得る。
以上のことから、H形鋼により形成されるS梁の端部にSRC梁端部があり、SRC梁端部とRC柱が接合される柱梁接合構造に関し、S梁のスパンが長い場合でもSRC梁端部の梁せいを可及的に低くして天井裏に収めることのできる、柱梁接合構造が望まれる。
ここで、特許文献1には、鉄筋コンクリート造の一対の柱からそれぞれ内側に向けて突設した一対の鉄筋コンクリート部と、両端部側がそれぞれ各鉄筋コンクリート部に埋設された鉄骨部とを備える、混合構造梁が提案されている。この混合構造梁では、鉄骨部の両端部側のそれぞれに、軸線方向外側に突出して柱と一体に接合される棒状の接合部が設けられている。
より詳細には、H形鋼である鉄骨部において、接合部は、鉄骨部の上下一対のフランジ部の少なくとも一方に後端が溶接により固着され、少なくとも突出方向先端側に柱に定着する定着部を備えている、アンカーボルトや鉄筋である。接合部はその他、フランジ部に長ナットが溶接により固着され、アンカーボルトがその後端側を長ナットに螺合される形態もある。長ナットにアンカーボルトが螺合された後、長ナットの内部にグラウトや接着剤が充填されることにより、長ナットとアンカーボルトの一体化が図られる。
特開2007-291636号公報
特許文献1に記載の混合構造梁を適用することにより、鉄骨部と鉄筋コンクリート部の鉄筋とを接合することなく、確実で簡便に構築可能な混合構造梁を提供できるとしている。しかしながら、鉄骨部の両端部に予めアンカーボルトや鉄筋、長ナット(袋ナット)を溶接して側方に突設させることから、現場にて鉄骨梁を搬送して設置する際の搬送性(振り回し性、位置調整を含む設置性)が悪くなるといった課題がある。
また、溶接による固着作業には有資格者による溶接工が必須になるといった課題がある。また、袋ナットやグラウト、接着剤は特殊品であることから一般に高価であり、それらを用いた製作には別途の有資格者が必要になるといった課題もある。
さらに、上記する溶接工やグラウト等を用いた製作は一般に、ファブによる事前の作業となることから、現場での組み立てから逆算してファブに発注する必要があり、製作や運搬、グラウト等の硬化のための養生期間の確保や、これらに要するロスタイム等、前工程が長くなるといった課題もある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、H形鋼により形成されるS梁の端部にSRC梁端部があり、SRC梁端部とRC柱が接合される柱梁接合構造に関し、SRC梁端部に対する溶接工等を不要にしながら、S梁のスパンが長い場合でもSRC梁端部の梁せいを可及的に低くすることのできる、柱梁接合構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による柱梁接合構造の一態様は、
鉄筋コンクリート製のRC柱と、H形鋼により形成されるS梁との、柱梁接合構造であって、
前記RC柱の側面もしくは前記側面の近傍まで前記S梁の端面が延びており、
前記S梁の端部の所定区間は、前記S梁の周囲にRC構造体が一体に形成されている、鉄骨鉄筋コンクリートであるSRC梁端部となっており、
少なくとも前記S梁の上フランジに対して、直接的もしくは間接的に鋼板がボルト接合されており、前記鋼板の一部が前記RC柱に埋設されていることを特徴とする。
本態様によれば、SRC梁端部を構成するS梁の上フランジに対して、直接的もしくは間接的に鋼板がボルト接合され、鋼板の一部がRC柱に埋設されていることにより、SRC梁端部に対する溶接工等の特殊技能を不要にしながら、SRC梁端部に生じる曲げモーメントの一部を鋼板に負担させることができ、SRC梁端部のうちのRC構造体の曲げモーメントの負担を軽減することによってRC構造体(SRC梁端部)の梁せいを可及的に低くすることが可能になる。その結果、S梁のスパンが長い場合でも、SRC梁端部を一般の天井裏空間に収めることが可能になる。
ここで、「RC柱の側面もしくは側面の近傍までS梁の端面が延びている」とは、RC柱の側面とS梁の端面が当接している(連続している)形態と、RC柱の側面とS梁の端面が離れている形態の双方を含んでいる。仮に、後者の形態であっても、S梁の例えば上フランジに接合されている鋼板の一部がRC柱に埋設されていることにより、RC柱とS梁の一体性(連続性)が担保される。また、「少なくともS梁の上フランジに対して鋼板がボルト接合される」とは、上フランジにのみ鋼板がボルト接合されることの他に、上フランジと下フランジのそれぞれに鋼板がボルト接合されることを含む意味である。S梁が長くなることにより、その端部のSRC梁端部には、上側引張の曲げモーメントが卓越することから、この曲げモーメントに対抗するために、鋼板は上フランジに接合される必要がある。
一方、地震時に柱梁接合構造が大きく変位した際には、SRC梁端部において下側引張の曲げモーメントが生じる場合があり、この下側引張の曲げモーメントが常時の上側引張の曲げモーメントよりも大きくなる場合は、トータルとしてSRC梁端部には下側引張の曲げモーメントが発生することになる。従って、設計段階でこのような解析結果となる場合は、上フランジと下フランジの双方に、それぞれ必要となる鋼材量の鋼板をボルト接合する。
また、「少なくともS梁の上フランジに対して、直接的もしくは間接的に鋼板がボルト接合される」とは、上フランジ等に対して鋼板が直接ボルト接合される形態と、上フランジ等に直接固定される固定部材に対して鋼板が固定されていることにより、上フランジ等に対して鋼板が間接的に固定される形態を含む意味である。
また、本発明による柱梁接合構造の他の態様は、
前記S梁の下フランジに対して、直接的もしくは間接的に鋼板がボルト接合されており、前記鋼板の一部が前記RC柱に埋設されていることを特徴とする。
本態様によれば、上フランジと下フランジの双方に鋼板が直接的もしくは間接的にボルト接合されていることにより、地震時の変位による下側引張の曲げモーメントにより、トータルとしてSRC梁端部には下側引張の曲げモーメントが発生することになる場合に、常時の上側引張の曲げモーメントと、地震時の下側引張の曲げモーメントの双方に対応したSRC梁端部を備えた柱梁接合構造となる。例えば、解析結果に応じて、下フランジに比べて上フランジに相対的に鋼材量の多い態様で鋼板が設置される形態であってもよいし、上フランジと下フランジに対して同じ鋼材量となるように鋼板が設置される形態であってもよい。
また、本発明による柱梁接合構造の他の態様において、
前記鋼板は、前記RC柱の備える柱主筋のピッチよりも短い幅を有し、前記RC柱の備えるせん断補強筋及び前記柱主筋に干渉しない寸法を有していることを特徴とする。
本態様によれば、RC柱に埋設される鋼板が、RC柱の備える柱主筋のピッチよりも短い幅を有し、RC柱の備えるせん断補強筋と柱主筋に干渉しない寸法を有していることにより、配筋されたRC柱の柱主筋やせん断補強筋に対して、スムーズにそれらの間に鋼板の一部を設置することができ、効率的に柱梁接合構造を形成することができる。
また、本発明による柱梁接合構造の他の態様において、
前記鋼板における前記RC柱への埋設部には、スタッドジベルが取り付けられていることを特徴とする。
本態様によれば、鋼板のRC柱への埋設部にスタッドジベルが取り付けられていることにより、SRC梁端部に曲げモーメントやせん断力が作用した際の、RC柱からの鋼板の耐引き抜き性を向上させることができる。
また、本発明による柱梁接合構造の他の態様は、
前記上フランジの上面に複数の前記鋼板が載置され、ボルト接合されていることを特徴とする。
本態様によれば、上フランジの上面に複数の鋼板が載置され、ボルト接合されていることにより、一般に卓越する上側引張の曲げモーメントに対抗する鋼板の高さを上フランジの厚み分だけ長くすることができ、鋼板の負担する曲げモーメント(RC構造体の負担分以外の曲げモーメント)を増加させることによって、SRC梁端部の梁せいの低減を図ることができる。
また、本発明による柱梁接合構造の他の態様は、
前記上フランジの下面に複数の前記鋼板が載置され、ボルト接合されていることを特徴とする。
本態様によれば、上フランジの下面に複数の鋼板が載置され、ボルト接合されていることにより、上フランジの上方にあるSRC梁端部の上端主筋と鋼板との干渉を防止することができる。
また、本発明による柱梁接合構造の他の態様は、
前記鋼板が、平面視コの字状もしくは平面視櫛歯状で、前記RC柱に埋設される複数の短冊片を備えていることを特徴とする。
本態様によれば、鋼板が、平面視コの字状もしくは平面視櫛歯状で、RC柱に埋設される複数の短冊片を備えていることにより、鋼板の負担する曲げモーメントを増加させることができ、SRC梁端部の梁せいの低減を図ることができる。
また、本発明による柱梁接合構造の他の態様は、
前記上フランジを側方から挟持して前記上フランジにボルト接合される、断面視コの字状の鋼ブロックと、前記鋼ブロックから張り出して前記RC柱に埋設されている鋼板と、備えていることを特徴とする。
本態様によれば、断面視コの字状の鋼ブロックが上フランジを側方から挟持した状態でボルト接合されることにより、鋼板を直接上フランジにボルト接合する場合と比べて、鋼ブロックと鋼板のユニット体(例えば一体成形品)と上フランジとの固定強度を高めることができる。尚、このように、鋼板以外の部材が上フランジとボルト接合される形態が、「上フランジに対して間接的に鋼板がボルト接合される」形態となる。
また、本発明による柱梁接合構造の他の態様は、
前記SRC梁端部が接合される仕口を含めて、前記RC柱の全体が現場施工のRC柱であることを特徴とする。
本態様によれば、SRC梁端部が接合される仕口を含めて、RC柱の全体が現場施工のRC柱であることにより、効率的な施工の下で、SRC梁端部の梁せいが可及的に低い柱梁接合構造を施工することができる。
また、本発明による柱梁接合構造の他の態様は、
前記SRC梁端部が接合される仕口が現場施工のRC仕口であり、前記RC仕口に対して、プレキャストコンクリート製のPCa柱が接合されていることを特徴とする。
本態様によれば、SRC梁端部が接合される仕口が現場施工のRC仕口であり、RC仕口に対してプレキャストコンクリート製のPCa柱が接合されていることにより、SRC梁端部の梁せいが可及的に低い柱梁接合構造を、より一層効率的に施工することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の柱梁接合構造によれば、H形鋼により形成されるS梁の端部にSRC梁端部があり、SRC梁端部とRC柱が接合される柱梁接合構造に関し、SRC梁端部に対する溶接工等を不要にしながら、S梁のスパンが長い場合でもSRC梁端部の梁せいを可及的に低くすることができる。
実施形態に係る柱梁接合構造を備えたハイブリッド架構の一例の斜視図である。 実施形態に係る柱梁接合構造の一例の縦断面図であって、ハイブリッド梁における、S梁とSRC梁端部と鋼板の負担する曲げモーメントをともに示す図である。 S梁と鋼板の接合形態の一例の斜視図である。 S梁と鋼板の接合形態の他の例の斜視図である。 S梁と鋼板の接合形態のさらに他の例の斜視図である。 S梁と鋼板の接合形態のさらに他の例の斜視図である。 S梁と鋼板の接合形態のさらに他の例の斜視図である。
以下、実施形態に係る柱梁接合構造の一例について、ハイブリッド架構とともに添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[実施形態]
<ハイブリッド架構>
はじめに、図1を参照して、実施形態に係る柱梁接合構造を備えるハイブリッド架構の一例について説明する。ここで、図1は、実施形態に係る柱梁接合構造を備えたハイブリッド架構の一例の斜視図であり、一階と、二階の途中までの一部を示している。
ハイブリッド架構200は、柱の無い広い空間を有する、事務所ビルや商業施設、物流施設、病院等の建築物を形成し、構造形式の異なるRC柱40とS梁10を備えている架構である。
図示例のハイブリッド架構200は、梁のスパンt1が長い広い空間SP1と、梁のスパンt2が短い狭い(一般の)空間SP2を備えており、例えば事務所ビルに多い形態である。
下階(図示例は一階)のRC柱40Aと上階(図示例は二階)のRC柱40Bは、RC仕口50を介して連続したRC柱を形成しており、RC仕口50に対して大梁であるハイブリッド梁30の端部が接合されることにより、柱梁接合構造100が形成される。
上下のRC柱40B,40AとRC仕口50はいずれも、現場施工のRC部材であってもよいし、ハイブリッド梁30と接合されるRC仕口50のみが現場施工のRC部材であり、RC柱40B,40Aがプレキャストコンクリート部材であるPCa柱であってもよい。後者の形態では、ハイブリッド架構200の施工期間の短縮を図ることができる。
広い空間SP1の大梁であるハイブリッド梁30は、中央側のS梁10と、端部側(RC仕口50側)のSRC梁端部20とを有する。SRC梁端部20は、ハイブリッド梁30の端部から所定区間長t3の範囲に設けられており、S梁10がRC構造体21に埋設されることにより構成される(図2参照)。
狭い空間SP2の大梁90はRC梁であり、広い空間SP1と狭い空間SP2の小梁95は、相対的に薄幅のRC梁である。
このように、ハイブリッド架構200は、広い空間を備える建築物に対して、様々な形式の梁や柱が適用されている、合理的かつ経済的な構造形式の架構である。
詳細な図示を省略するが、ハイブリッド梁30は、一階の天井材と二階の床材の間の天井裏空間に収容されるが、常時荷重や地震時荷重等に起因してハイブリッド梁30の特にSRC梁端部20に生じる曲げモーメントにより、SRC梁端部20の梁せいt4が高くなり過ぎると、SRC梁端部20が天井裏空間に収まらなくなるケースが生じ得る。ハイブリッド架構200を構成する柱梁接合構造100は、SRC梁端部20の梁せいを可及的に低くして、SRC梁端部20を天井裏空間に収容することを可能にした接合構造である。
<柱梁接合構造>
次に、図2乃至図7を参照して、実施形態に係る柱梁接合構造と、柱梁接合構造を構成するS梁と鋼板の接合形態について説明する。ここで、図2は、実施形態に係る柱梁接合構造の一例の縦断面図であって、ハイブリッド梁における、S梁とSRC梁端部と鋼板の負担する曲げモーメントをともに示す図であり、図3は、S梁と鋼板の接合形態の一例の斜視図である。また、図4乃至図7は、S梁と鋼板の接合形態の他の例の斜視図である。尚、以下の説明では、RC仕口50の側面とS梁10の端面が当接している(連続している)形態を取り上げるが、図示例以外にも、RC仕口50の側面とS梁10の端面が離れている形態であってもよい。
大梁であるハイブリッド梁30は、一対のRC柱40の間に架設され、S梁10と、その端部にあるSRC梁端部20とを有する。S梁10はH形鋼により形成され、ウェブ11と、上フランジ12と、下フランジ13とを有する。
SRC梁端部20は、S梁10の端部の所定区間長t3の範囲において、S梁10を埋設するRC構造体21により形成される。SRC梁端部20では、S梁10の上方に複数の上端主筋22が配筋され、S梁10の下方に複数の下端主筋23が配筋され、上端主筋22と下端主筋23とS梁10を囲繞するように複数のせん断補強筋24が配筋され、これらがRC構造体21に埋設されることにより形成される。
複数のせん断補強筋24は、SRC梁端部20の長手方向に所定のピッチで配筋されるが、SRC梁端部20の両端近傍は、SRC梁端部20とS梁10やRC仕口50との断面変化領域であり、多くのせん断力が作用し得る領域であることに鑑み、狭幅のピッチで集中的にせん断補強筋24が配筋され、補強されている。
ここで、図示例では、上端主筋22や下端主筋23がRC仕口50の内部に延びていないが、必要に応じて、それらの端部がRC仕口50の内部に延びて定着されていてもよいし、それらの端部にスタッドジベル等が設けられている状態でRC仕口の内部に定着されていてもよい。
RC仕口50と上下のRC柱40B,40Aには、上下に連続した複数の柱主筋41が延びており、複数の柱主筋41を囲繞するせん断補強筋42が柱の長手方向に所定のピッチで配筋されている。
SRC梁端部20を構成するH形鋼10の上フランジ12の上面には、鋼板60がボルト70を介して接合されており、鋼板60の一部である埋設部61がRC仕口50に埋設されている。
図2に示すように、ハイブリッド梁30やハイブリッド梁30が支持する上階の床やその上の活荷重は、常時荷重としてハイブリッド梁30に作用する。例えば、模式的に常時荷重Qがハイブリッド梁30のスパン中央に作用するとした場合、ハイブリッド梁30の左側領域には図示例のような三角形分布の上側引張の曲げモーメントが作用することになり、SRC梁端部20の端部の曲げモーメントMが最大の曲げモーメントとなる。
曲げモーメント図に示すように、S梁10はSRC梁端部20との境界まで曲げモーメントの全部を負担し(曲げモーメントMs)、SRC梁端部20との境界から端部にかけて、S梁10の負担する曲げモーメントMsが減少する代わりにRC構造体21の負担する曲げモーメントMrcが増加する。そして、このRC構造体21の負担する曲げモーメントMrcにより、SRC梁端部20の梁せいt4が設定され、曲げモーメントMrcが大きな場合にSRC梁端部20の梁せいt4が高くなり、SRC梁端部20が天井裏空間に収まらなくなるケースが生じ得る。
そこで、柱梁接合構造100では、SRC梁端部20を構成するH形鋼10の上フランジ12に鋼板60をボルト接合し、鋼板60の埋設部61をRC仕口50に埋設して、鋼板60が曲げモーメントの一部を負担する(曲げモーメントMsp)することにより、RC構造体21の負担する曲げモーメントMrcを低減する。このことにより、曲げモーメントMrcにより設定されるSRC梁端部20の梁せいt4を可及的に低くすることができ、SRC梁端部20が天井裏空間に確実に収められる構成を実現する。
H形鋼10の上フランジ12と鋼板60の具体的な接合形態は、図3に示すように、上フランジ12の上面に鋼板60を載置し、上フランジ12にあるボルト孔12aと細長の鋼板60のボルト孔62を位置合わせし、双方のボルト孔12a、62に対してボルト70を挿通し、ナット締めすることにより接合される。
鋼板60の幅t5は、RC仕口50(やRC柱40A,40B)の備える柱主筋41のピッチよりも短い幅に設定されており、その全体の寸法は、RC仕口50等の備えるせん断補強筋42や柱主筋41と干渉しない寸法に設定されている。このことにより、組み付けられている柱主筋41やせん断補強筋42の隙間に、鋼板60の埋設部61をスムーズに挿入することが可能になる。
また、上フランジ12の上面に鋼板60がボルト接合されることにより、一般に卓越する上側引張の曲げモーメントに対抗する鋼板60の高さを、上フランジ12の厚み分だけ長くすることができ、鋼板60の負担する曲げモーメントMspを増加させることによって、SRC梁端部20の梁せいt4の低減を図ることができる。
ここで、図示を省略するが、必要に応じて、下フランジ13の例えば下面に対して鋼板をボルト接合してもよい。地震時に柱梁接合構造100が大きく変位した際には、SRC梁端部20において下側引張の曲げモーメントが生じる場合があり、この下側引張の曲げモーメントが常時の上側引張の曲げモーメントよりも大きくなる場合は、トータルとしてSRC梁端部には下側引張の曲げモーメントが発生することになる。そこで、設計段階でこのような解析結果となる場合は、上フランジ12と下フランジ13の双方に、それぞれ必要となる鋼材量の鋼板60をボルト接合するのが望ましい。
柱梁接合構造100では、H形鋼10の上フランジ12に対して鋼板60がボルト接合されることから、有資格者による溶接工等の特殊技能を不要にでき、誰でも施工(組み立て)が可能になる。
さらに、現場での鋼板60の取り付けをハイブリッド梁30の設置後に行うことにより、ハイブリッド梁30を重機にて吊り回しながらSRC梁端部20を所定位置に設置する際に、鋼板60が吊り回しや設置の障害になることを防止でき、施工コストの低減や、施工性の向上、工期の短縮に繋がる。例えば、鉄筋等が予めS梁等に溶接されている場合は、鉄筋等がS梁の吊り回しや設置の際の障害となる。
ハイブリッド梁30がRC仕口50やRC柱40の柱主筋41やせん断補強筋42に対して設置された後、H形鋼10の上フランジ12に対して鋼板60が後付けにてボルト接合され、RC仕口50とSRC梁端部20のコンクリート打設が行われることにより、柱梁接合構造100が現場施工される。
次に、図4乃至図7を参照して、S梁と鋼板の接合形態の他の例について説明する。
図4に示す例は、鋼板60の埋設部61の上下面に、複数のスタッドジベル63が取り付けられている形態である。複数のスタッドジベル63がRC仕口50に埋設されることにより、SRC梁端部20に曲げモーメントやせん断力が作用した際の、RC仕口50(RC柱)からの鋼板60の耐引き抜き性を向上させることができる。ここで、必要となる耐引き抜き性に応じて、上フランジ12の上面もしくは下面のいずれか一方にのみスタッドジベル63が取り付けられていてもよい。
一方、図5に示す例は、H形鋼10の上フランジ12の下面に、複数のスタッドジベル63を備えた二つの鋼板60がボルト接合されている形態である。
この形態によれば、上フランジ12の下面に複数の鋼板60がボルト接合されていることにより、上フランジ12の上方にあるSRC梁端部20の上端主筋22と鋼板60との干渉を防止することができる。ここで、下フランジ13に対してさらに鋼板60がボルト接合される場合は、下フランジ13の上面に鋼板60が載置されてボルト接合されることにより、鋼板60とSRC梁端部20の下端主筋23との干渉を防止することができる。
一方、図6に示す例は、基部64から二つの短冊片65が延びている、平面視コの字状の第一ユニット66を使用し、基部64がH形鋼10の上フランジ12にボルト接合される形態である。短冊片65には、複数のスタッドジベル63が取り付けられている。
第一ユニット66を適用することにより、H形鋼10に対する複数の鋼板(短冊片65)の取り付け性がより一層良好になる。ここで、図示を省略するが、基部と、基部から三つ以上の短冊片が延びる、平面視櫛歯状のユニットが適用されてもよい。
一方、図7に示す例は、H形鋼10の上フランジ12を側方から挟持して上フランジ12にボルト接合される、断面視コの字状の鋼ブロック67と、鋼ブロック67から張り出す鋼板68と備えている、第二ユニット69が適用される形態である。鋼板68には、複数のスタッドジベル63が取り付けられている。
断面視コの字状の鋼ブロック67が上フランジ12を側方から挟持した状態でボルト接合されることにより、鋼板を直接上フランジ12にボルト接合する場合と比べて、第二ユニット69と上フランジ12との固定強度を高めることができる。尚、図6,7に示す例は、鋼板に相当する短冊片65や鋼板68が上フランジ12に対して間接的に接合される形態あり、図3乃至図5に示す例は、鋼板60が上フランジ12に対して直接的に接合される形態である。
上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:S梁(H形鋼)
11:ウェブ
12:上フランジ
12a:ボルト孔
13:下フランジ
20:SRC梁端部
21:RC構造体
22:上端主筋
23:下端主筋
24:せん断補強筋
30:ハイブリッド梁
40,40A,40B:RC柱
41:柱主筋
42:せん断補強筋
50:RC仕口
60:鋼板
61:埋設部
62:ボルト孔
63:スタッドジベル
64:基部
65:短冊片
66:第一ユニット
67:鋼ブロック
68:鋼板
69:第二ユニット
70:ボルト
90:RC梁(RC大梁)
95:RC小梁
100:柱梁接合構造
200:ハイブリッド架構
SP1:広い空間
SP2:狭い(一般の)空間
Q:常時荷重
M:SRC梁端部の端部の曲げモーメント
Ms:S梁の負担する曲げモーメント
Mrc:RC構造体の負担する曲げモーメント
Msp:鋼板の負担する曲げモーメント

Claims (10)

  1. 鉄筋コンクリート製のRC柱と、H形鋼により形成されるS梁との、柱梁接合構造であって、
    前記RC柱の側面もしくは前記側面の近傍まで前記S梁の端面が延びており、
    前記S梁の端部の所定区間は、前記S梁の周囲にRC構造体が一体に形成されている、鉄骨鉄筋コンクリートであるSRC梁端部となっており、
    少なくとも前記S梁の上フランジに対して、直接的もしくは間接的に鋼板がボルト接合されており、前記鋼板の一部が前記RC柱に埋設されていることを特徴とする、柱梁接合構造。
  2. 前記S梁の下フランジに対して、直接的もしくは間接的に鋼板がボルト接合されており、前記鋼板の一部が前記RC柱に埋設されていることを特徴とする、請求項1に記載の柱梁接合構造。
  3. 前記鋼板は、前記RC柱の備える柱主筋のピッチよりも短い幅を有し、前記RC柱の備えるせん断補強筋及び前記柱主筋に干渉しない寸法を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の柱梁接合構造。
  4. 前記鋼板における前記RC柱への埋設部には、スタッドジベルが取り付けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の柱梁接合構造。
  5. 前記上フランジの上面に複数の前記鋼板が載置され、ボルト接合されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の柱梁接合構造。
  6. 前記上フランジの下面に複数の前記鋼板が載置され、ボルト接合されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の柱梁接合構造。
  7. 前記鋼板が、平面視コの字状もしくは平面視櫛歯状で、前記RC柱に埋設される複数の短冊片を備えていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の柱梁接合構造。
  8. 前記上フランジを側方から挟持して前記上フランジにボルト接合される、断面視コの字状の鋼ブロックと、前記鋼ブロックから張り出して前記RC柱に埋設されている鋼板と、備えていることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の柱梁接合構造。
  9. 前記SRC梁端部が接合される仕口を含めて、前記RC柱の全体が現場施工のRC柱であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の柱梁接合構造。
  10. 前記SRC梁端部が接合される仕口が現場施工のRC仕口であり、前記RC仕口に対して、プレキャストコンクリート製のPCa柱が接合されていることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の柱梁接合構造。
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