JP2023147329A - 接着剤付金属基材及び積層体 - Google Patents

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Takanori Sakuragi
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Abstract

【課題】高周波領域での低誘電特性を有し、樹脂フィルムと金属層との接着強度を十分に確保できる接着剤付金属基材及び積層体の提供。
【解決手段】金属層と、接着性樹脂から形成された接着性樹脂層とを備える接着剤付金属基材であって、前記接着性樹脂は、ポリイミド樹脂(A)、マレイミド化合物(B)及びラジカル開始剤を含み、前記ポリイミド樹脂(A)と前記マレイミド化合物(B)との重量比は、10:1~3:2であり、100質量部の前記マレイミド化合物(B)に対する、前記ラジカル開始剤の含有量は1質量部以上15質量部未満であり、前記接着性樹脂層の厚みは、1μm以上5μm以下である、接着剤付金属基材。
【選択図】なし

Description

本発明は、接着剤付金属基材及び積層体に関する。
近年、第5世代移動通信システム(いわゆる5G)に代表される伝送信号の高速化に伴い、6GHzを超える信号の高周波化が進んでいる。これに伴い、高速伝送向けのフレキシブルプリント回路基板(FPC:Flexible Printed Circuit)には、高周波領域での低誘電特性(低誘電率、低誘電正接)が求められる。
例えば特許文献1は、プリント配線板への使用を想定し、接着剤層を介して樹脂基材と金属基材とが積層された積層体を開示している。特許文献1が開示する積層体が備える接着剤層は、5Gの周波数帯に対しては低周波数帯であるものの、周波数1MHzにおける比誘電率が3.0以下であり、誘電正接が0.02以下である。
特開2021-3886号公報
高周波伝送では、高周波帯域になればなるほど電流は金属配線の表面にしか流れない。このため、表面の形状が平滑でないと、伝送損失が増大してしまう。これは表皮効果と呼ばれる公知の現象である。表皮効果による伝送ロスを低減するため、例えば金属基材には、表面粗さが小さい金属箔が使用される傾向にある。
金属箔の表面粗さが低下するほどアンカー効果が得られにくく、樹脂フィルムと金属箔との密着性は低下する。この場合には、FPCは回路剥離が生じやすく、屈曲応力によって容易に回路が脱落しやすいという課題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、高周波領域での低誘電特性を有し、樹脂フィルムと金属層との接着強度を十分に確保できる接着剤付金属基材及び積層体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下の構成を採用した。
[1]金属層と、接着性樹脂組成物から形成された接着性樹脂層とを備える接着剤付金属基材であって、前記接着性樹脂組成物は、ポリイミド樹脂(A)、マレイミド化合物(B)及びラジカル開始剤を含み、前記ポリイミド樹脂(A)と前記マレイミド化合物(B)との重量比は、10:1~3:2であり、100質量部の前記マレイミド化合物(B)に対する、前記ラジカル開始剤の含有量は1質量部以上15質量部未満であり、前記接着性樹脂層の厚みは、1μm以上5μm以下である、接着剤付金属基材。
[2]前記金属層は、表面粗さが1.5μm以下の銅箔である、[1]に記載の接着剤付金属基材。
[3]樹脂フィルムの片面又は両面に、請求項1又は2に記載の接着剤付金属基材を備える積層体であって、前記樹脂フィルムは、前記接着剤付金属基材が備える前記接着性樹脂層が前記金属層と接する面とは反対の面に積層され、前記樹脂フィルムは、変性ポリイミド樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、液晶ポリマーフィルム、環状オレフィン樹脂フィルム、ポリフェニレンエーテル樹脂フィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム、ビスマレイミド樹脂フィルム、トリアジン樹脂フィルム、ベンゾシクロブテン樹脂フィルム、低誘電エポキシ樹脂フィルムからなる群より選択される1種以上である、積層体。
[4]前記接着性樹脂層の厚みが1μm以上5μm以下であり、前記樹脂フィルムの厚みが38μm以上100μm以下であり、前記金属層の厚みが3μm以上18μm以下であり、下記式(1)を満たす、[3]に記載の積層体。
1%≦(X/Y)×100≦8% ・・・(1)
((1)中、Xは前記接着性樹脂層の厚み(μm)であり、Yは前記樹脂フィルムの厚み(μm)である。)
本発明によれば、高周波領域での低誘電特性を有し、樹脂フィルムと金属層との接着強度を十分に確保できる接着剤付金属基材及び積層体を提供することができる。
本実施形態の接着剤付金属基材の一例の断面模式図である。 本実施形態の積層体の一例の断面模式図である。
<接着剤付金属基材>
図1に本実施形態の接着剤付金属基材1の断面の模式図を示す。接着剤付金属基材1は、金属層10と接着性樹脂層11とを備える。
接着剤付金属基材1と、任意の低誘電基材とを組み合わせて熱ラミネートすることで、高速伝送用のFPCやリジット基板を製造できる。
低誘電基材として、例えばポリイミド樹脂フィルムや変性ポリイミド樹脂フィルムを使用すると、FPCが得られる。
低誘電基材として、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂を用いたプリプレグを使用すると、リジット基板を製造できる。
(金属層10)
金属層10には、回路基板に使用可能な任意の公知の導電性材料が使用できる。具体的には、SUS、銅、アルミニウム、鉄、スチール、亜鉛、ニッケル等の金属素材、前記金属素材の合金である。
金属層10は、金属箔が好ましく、銅箔がより好ましい。
金属層10が銅箔である場合、銅箔とした圧延銅箔や電解銅箔を用いることができる。FPCにおいて優れた屈曲特性(例えば、100万回以上の屈曲特性)が要求される場合、圧延銅箔を用いることが好ましい。
また、銅箔の素材としては、純銅や純銅にスズ(Sn)や銀(Ag)が微量添加された銅合金を用いてもよい。
金属層10は、表面粗さが1.5μm以下の金属箔が好ましく、1.4μm以下の金属箔がより好ましく、1.3μm以下の金属箔が特に好ましい。
金属層10は、表面粗さが1.5μm以下の銅箔が好ましく、1.4μm以下の銅箔がより好ましく、1.3μm以下の銅箔が特に好ましい。
銅箔を一例とする金属箔の表面粗さは、例えば株式会社キーエンス製のレーザー顕微鏡VK-9700により測定できる。
金属層10の厚みは、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、3μm以上がさらに好ましい。また金属層10の厚みは20μm以下が好ましく、19μm以下がより好ましく、18μm以下がさらに好ましい。
金属層10の厚みの上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
組み合わせの例は、金属層10の厚みは1μm以上20μm以下、2μm以上19μm以下、3μm以上18μm以下である。
(接着性樹脂層11)
接着性樹脂層11は、後述する接着性樹脂組成物から形成される。
接着剤付金属基材1によれば、接着性樹脂層11を介して、金属層10と任意の低誘電基材とを接着させることができる。
接着剤付金属基材1が備える接着性樹脂層11の厚みは、1μm以上5μm以下であり、1.2μm以上4.8μm以下が好ましく、1.4μm以上4.6μm以下がより好ましく、1.6μm以上4.5μm以下がさらに好ましい。
接着性樹脂層11の厚みが上記下限値以上であると、金属層10と低誘電基材とを接着させることができる。
一般的には、接着性樹脂層11の厚みを薄くすると、金属層10と低誘電基材との接着強度は低下し、厚くすると接着強度は向上すると考えられる。
しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、後述する特定の接着性樹脂組成物を用いた場合に、接着性樹脂層11の厚みが上記上限値を超えると、金属層10と低誘電基材との接着強度が低下することが見いだされた。
金属層10と低誘電基材という異種の材料同士を接着する場合において、後述する特定の接着性樹脂組成物を使用する場合、接着性樹脂層11の厚みが上記上限値以下の範囲において接着強度が向上することが見いだされた。
その理由としては、接着性樹脂層11の厚みが上記上限値以下の範囲であると、温度変化に伴う寸法変化が生じにくくなるためと推察される。
FPCやフレキシブル銅張積層板は、金属材料と樹脂材料という異種材料同士を組み合わせているため、使用環境の変化、特に温度変化によって形状が歪みやすい。このため、温度変化に伴う寸法変化が生じにくい本実施形態の接着剤付金属基材を用いると、歪みが生じにくいFPCやフレキシブル銅張積層板が得られやすい。
(接着性樹脂組成物)
接着性樹脂層11を形成するための接着性樹脂組成物について説明する。
本実施形態においては、特定の接着性樹脂組成物を用いて接着性樹脂層11を形成することで、例えば5Gを想定した場合の6GHz以上の周波数帯である10GHzの高周波領域での低誘電特性を発揮できる接着剤付金属基材と積層体を提供できる。
後述する特定の接着性樹脂組成物は、ポリイミド樹脂(A)の前駆体の一成分であるマレイミド化合物の含有量が特定の量を満たすため、得られる接着性樹脂層11が高周波領域で低誘電特性を発揮すると考えられる。マレイミド化合物のマレイミド基は、架橋後も環状構造を維持し、かつマレイミド基同士の架橋では対称構造となる。この場合には分子運動が抑制されやすく、得られる接着性樹脂層11が高周波領域で低誘電特性を発揮すると考えられる。
接着性樹脂組成物は、ポリイミド樹脂(A)、マレイミド化合物(B)及びラジカル開始剤を含む。
接着性樹脂組成物としては、国際公開第2022/004583号公報に開示された樹脂組成物が使用できる。
以下に具体的に記載する。
[ポリイミド樹脂(A)]
ポリイミド樹脂(A)は、イソシアネート変性ポリイミド樹脂(A1)又は末端変性イソシアネート変性ポリイミド樹脂(A2)である。イソシアネート変性ポリイミド樹脂(A1)を「ポリイミド樹脂(A1)」、末端変性イソシアネート変性ポリイミド樹脂(A2)を「ポリイミド樹脂(A2)」と記載する。
・ポリイミド樹脂(A1)
ポリイミド樹脂(A1)は、ジイソシアネート化合物(a)と中間体ポリイミド樹脂との反応により得られる。ジイソシアネート化合物(a)を「(a)成分」と記載する。
中間体ポリイミド樹脂は、以下に示す(b)成分、(c)成分及び(d)成分の反応物である。
(b)成分:脂肪族ジアミノ化合物(b)
(c)成分:四塩基酸二無水物(c)
(d)成分:芳香族ジアミノ化合物(d)
ポリイミド樹脂(A1)は、中間体ポリイミド樹脂が両末端に有する、アミノ基及び酸無水物基のいずれか一方又は両方と、(a)成分が有するイソシアネート基との反応物である。
中間体ポリイミド樹脂と(a)成分との反応は、中間体ポリイミド樹脂が末端に有するアミノ基又は酸無水物基と、(a)成分の有するイソシアネート基との共重合反応である。つまり、アミノ基とイソシアネート基との反応によりウレア結合が形成され、また酸無水物とイソシアネート基との反応によりイミド結合が形成される反応である。
中間体ポリイミド樹脂と(a)成分との共重合反応に用いる(a)成分の使用量は、中間体ポリイミド樹脂の末端官能基1当量に対して(a)成分のイソシアネート基は1当量未満が好ましく、0.50~0.99当量がより好ましく、0.67~0.98当量がさらに好ましい。
中間体ポリイミド樹脂に対する(a)成分の使用量を前記の範囲とすることにより、ポリイミド樹脂(A1)が充分に高分子量化される。さらに、未反応原料の残存率が低くなり、接着性樹脂組成物の硬化後の耐熱性やフレキシブル性等の諸特性が向上する。
尚、ここでいう中間体ポリイミド樹脂の末端官能当量は、中間体ポリイミド樹脂を合成する際の各原料の使用量から算出した値を意味する。
ポリイミド樹脂(A1)の合成に用いられる(a)成分は、分子中に2個のイソシアネート基を有するものであればすべて用いることが可能であり、また同時に複数のジイソシアネート化合物を反応させることができる。
(a)成分としては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリデンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、アリレンスルホンエーテルジイソシアネート、アリルシアンジイソシアネート、N-アシルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンまたはノルボルナン-ジイソシアネートメチルが好ましい。なかでも、柔軟性、接着性等のバランスに優れる、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートがより好ましい。
中間体ポリイミド樹脂と(a)成分との反応は、公知の合成方法で行えばよい。
具体的には、後述する合成方法で得られる中間体ポリイミド樹脂溶液に(a)成分を加え、80℃以上150℃以下の温度で加熱攪拌することにより、ポリイミド樹脂(A1)を得ることができる。
尚、中間体ポリイミド樹脂の合成反応、及び中間体ポリイミド樹脂と(a)成分との反応の際の反応時間は、反応温度により大きく影響されるが、反応の進行に伴う粘度上昇が平衡に達し、最大の分子量が得られるまで反応を行うことが好ましく、通常数十分間~10時間である。
上記で得られたイソシアネート変性ポリイミド樹脂溶液を、水、メタノール及びヘキサン等の貧溶媒中に投じて生成重合体を分離した後、再沈殿法によってポリイミド樹脂(A1)の固形分を得ることもできる。
・ポリイミド樹脂(A2)
ポリイミド樹脂(A2)は、両末端にアミノ基及び酸無水物基のいずれか一方又は両方を有する。このため、これらの官能基と反応し得る官能基を一つ有する化合物と反応させることにより末端を変性し、末端変性イソシアネート変性ポリイミド樹脂、すなわちポリイミド樹脂(A2)を調製することができる。
アミノ基及び酸無水物基のいずれか一方又は両方と反応し得る化合物としては、例えば、無水マレイン酸等の酸無水物基を有する化合物、ヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性水酸基を有する化合物、フェノール等のフェノール性水酸基を有する化合物、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基を有する化合物及びグリシジルメタクリレート等のエポキシ基を有する化合物等が挙げられる。
末端を変性することによって本発明のイソシアネート化合物の両末端をアミノ基及び酸無水物基以外の官能基に変えることができるため(例えば、ヒドロキシエチルアクリレートを用いて末端変性を行った場合、イソシアネート変性ポリイミド樹脂の末端をアクリロイル基に変えることができる)、アミノ基又は酸無水物基以外の官能基と反応する化合物と組み合わせた組成物とすることも可能である。
・・中間体ポリイミド樹脂
中間体ポリイミド樹脂は、上述した(b)成分、(c)成分及び(d)成分の反応物である。
(b)成分、(c)成分、(d)成分の反応は、(b)成分及び(d)成分中のアミノ基と、(c)成分中の酸無水物基との共重合反応でポリアミック酸を得る工程と、該ポリアミック酸の脱水環化反応(イミド化反応)で中間体ポリイミド樹脂を得る工程を含む。この2つの工程は、別々に行ってもよいが、連続的に一括で行うことが効率的である。
共重合反応に用いる(b)成分のモル数をMB、(c)成分のモル数をMC及び(d)成分のモル数をMDとしたときに、MB+MD>MCの関係を満たす場合には得られる中間体ポリイミド樹脂の両末端はアミノ基となり、MB+MD<MCの関係を満たす場合には得られる中間体ポリイミド樹脂の両末端は酸無水物基となる。
また、MB+MD=MCの関係を満たす場合には、得られる中間体ポリイミド樹脂は理論上分子量が無限大となり、両末端にアミノ基と酸無水物基を一つずつ有するものとなる。
共重合反応に用いる(b)成分の使用量の一例は、中間体ポリイミド樹脂の合成工程で用いる(b)成分、(c)成分、(d)成分、及び上述したポリイミド樹脂(A1)の合成工程で用いる(a)成分の質量の合計から、中間体ポリイミド樹脂合成時の脱水環化反応工程で生成した水の質量を除した質量(この質量は、最終的に得られるイソシアネート変性ポリイミド樹脂の質量に実質的に等しい)の10質量%以上50質量%以下の範囲となる量が好ましい。
(b)成分の量が前記の範囲を下回ると、中間体ポリイミド樹脂中の(b)成分に由来する脂肪族鎖の割合が少な過ぎて誘電率及び誘電正接が高くなってしまい、前記の範囲を上回ると、中間体ポリイミド樹脂中に(b)成分に由来する脂肪族鎖の割合が多過ぎて硬化物の耐熱性が低下する。
中間体ポリイミド樹脂の合成に用いられる(b)成分は、一分子中に二個のアミノ基を有する脂肪族系の化合物であれば特に限定されないが、炭素数6~36の脂肪族ジアミノ化合物が好ましい。
(b)成分の具体例としては、ヘキサメチレンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、C14分岐ジアミン、C18分岐ジアミン、ダイマージアミン及びジアミノポリシロキサン等が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(b)成分の具体例として記載したダイマージアミンとは、本明細書では、オレイン酸等の不飽和脂肪酸の二量体であるダイマー酸の有する二つのカルボキシ基を一級アミノ基に置換したものである(特開平9-12712号公報等参照)。
ダイマージアミンの市販品の具体例としては、PRIAMINE1074並びにPRIAMINE1075(いずれもクローダジャパン株式会社製)、及びバーサミン551(コグニスジャパン株式会社製)等が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
中間体ポリイミド樹脂の合成に用いられる(c)成分は、一分子中に2個の酸無水物基を有するものであれば特に限定されない。
(c)成分の具体例としては、無水ピロメリット酸、エチレングリコール-ビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセリン-ビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチルシクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、3a,4,5,9b-テトラヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)--1,3-ジオン、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ(2,2,2)-オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物及びビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、5,5’-((プロパン-2,2-ジイルビス(4,1-フェニレン))ビス(オキシ))ビス(イソベンゾフラン-1,3-ジオン)等が挙げられる。
なかでも、溶剤溶解性、基材への密着性及び感光性の面から、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物又は3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物が好ましい。これらは1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
中間体ポリイミド樹脂の合成に用いられる(c)成分は、下記式(1)~(4)からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含有することが好ましい。
Figure 2023147329000001
式(4)中、YはC(CF、SO、CO、O、直接結合又は下記式(5)で表される二価の連結基を表す。なお、式(5)で表される2つの連結部分は、それぞれ、無水フタル酸にそれぞれ結合する部分である。
Figure 2023147329000002
中間体ポリイミド樹脂の合成に用いられる(d)成分は、一分子中に二個のアミノ基を有する芳香族系の化合物であれば特に限定されない。
(d)成分の具体例としては、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-トリレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’-ジエトキシ-4,4’-ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノジフェニルチオエーテル、2,2’-ビス(3-アミノフェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホキサイド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、ベンチジン、3,3’-ジメチルベンチジン、3,3’-ジメトキシベンチジン、3,3’-ジアミノビフェニル、p-キシリレンジアミン、m-キシリレンジアミン、o-キシリレンジアミン、2,2’-ビス(3-アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、1,3’-ビス(3-アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(4-アミノ-3-メチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3,5-ジメチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3-エチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3,5-ジエチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3-プロピルフェニル)メタン及びビス(4-アミノ-3,5-ジプロピルフェニル)メタン等が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
中間体ポリイミド樹脂の合成に用いられる(d)成分は、下記式(6)及び(8)からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含有することが好ましい。
Figure 2023147329000003
式(6)中、Rはメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、式(8)中、ZはCH(CH)、SO、CH、O-C-O、O、直接結合、又は上記式(5)で表される二価の連結基を、Rは水素原子、メチル基、エチル基又はトリフルオロメチル基を表す。なお、式(5)で表される2つの連結部分は、それぞれ、無水フタル酸にそれぞれ結合する部分である。
中間体ポリイミド樹脂は公知の方法で合成することができる。
例えば、合成に用いる(b)~(d)成分の混合物に溶剤、脱水剤、触媒を加え、窒素などの不活性ガス雰囲気下で100乃至300℃で加熱撹拌することによってポリアミック酸を経てイミド化反応(脱水を伴う閉環反応)が起こり、中間体ポリイミド樹脂溶液が得られる。この時、イミド化に伴い発生する水は系外に留去し、反応終了後には脱水剤、触媒も系外に留去することで、洗浄を必要とせず純度の高い中間体ポリイミド樹脂を得ることができる。脱水剤としてはトルエン及びキシレン等が、触媒としてはピリジン及びトリエチルアミン等が挙げられる。
中間体ポリイミド樹脂の合成時に用い得る溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn-ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセチルアセトン、γ-ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキセン-1-オン、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチルイソアミルエーテル、エチル-t-ブチルエーテル、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、アニソール、フェネトール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2-エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ベンジル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ベンジル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、サリチル酸メチル、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
[マレイミド化合物(B)]
マレイミド基を有する化合物は、一分子中にマレイミド基を一つ以上有する化合物であれば特に限定されないが、一分子中にマレイミド基を二つ以上有する化合物が好ましく、3,4,4’-トリアミノジフェニルメタン、トリアミノフェノールなどと無水マレイン酸との反応で得られる多官能マレイミド化合物、トリス-(4-アミノフェニル)-ホスフェート、トリス(4-アミノフェニル)-ホスフェート、トス(4-アミノフェニル)-チオホスフェートと無水マレイン酸との反応で得られるマレイミド化合物、トリス(4-マレイミドフェニル)メタン等のトリスマレイミド化合物、ビス(3,4-ジマレイミドフェニル)メタン、テトラマレイミドベンゾフェノン、テトラマレイミドナフタレン、トリエチレンテトラミンと無水マレイン酸との反応で得られるマレイミド等のテトラマレイミド化合物、フェノールノボラック型マレイミド樹脂、イソプロピリデンビス(フェノキシフェニルマレイミド)フェニルマレイミドアラルキル樹脂、ビフェニレン型フェニルマレイミドアラルキル樹脂等挙げられ、市販品としては、MIR-3000、MIR-5000(いずれも日本化薬株式会社製)、BMI-70、BMI-80(いずれもケイ・アイ化成株式会社製)、BMI-1000、BMI-2000、BMI-3000(いずれも大和化成工業株式会社製)等が挙げられる。
マレイミド基を有する化合物は、ラジカル開始剤の作用によってマレイミド基同士で自己架橋するため、末端にアミノ基を有するイソシアネート変性ポリイミド樹脂と、マレイミド基を有する化合物と、ラジカル開始剤とを用いた樹脂組成物は、加熱によりマレイミド基が自己架橋し、かつポリイミド樹脂とマレイミド樹脂が共重合した硬化物となる。
[ラジカル開始剤]
マレイミド基同士の自己架橋に用い得るラジカル開始剤としては、ジクミルパーオキサイド及びジブチルパーオキサイド等の過酸化物類、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)及び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物類等が挙げられる。
本実施形態に用いる接着性樹脂組成物は、ポリイミド樹脂(A)とマレイミド化合物(B)との重量比は、10:1~3:2であり、7:1~5:2が好ましい。
ポリイミド樹脂(A)とマレイミド化合物(B)との重量比が上記の範囲であると、高周波領域での低誘電特性を有する接着剤付金属基材や積層体となる。また、表面荒さが1.5μm以下の低粗度の金属箔であっても密着しやすく、高い接着力を発揮しやすい。
本実施形態に用いる接着性樹脂組成物は、100質量部のマレイミド化合物(B)に対する、ラジカル開始剤の含有量は1質量部以上15質量部未満であり、4質量部以上10質量部以下が好ましい。
ラジカル開始剤の含有量が上記範囲を満たすと、樹脂フィルムと金属層との接着強度を十分に確保できる接着剤付金属基材や積層体となる。特に、表面荒さが1.5μm以下の低粗度の金属箔であっても密着しやすく、高い接着力を発揮しやすい。
接着性樹脂組成物は有機溶媒を含んでいてもよい。
有機溶剤の具体例としてはγ-ブチロラクトン類、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びN,N-ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶剤、テトラメチレンスルフォン等のスルフォン類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート及びプロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン及びシクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン及びキシレンなどの芳香族系溶剤が挙げられる。
有機溶剤は、有機溶剤を除く接着性樹脂組成物中の固形分濃度が通常10質量%以上80質量%以下であり、20質量%以上70質量%以下となる割合で使用することが好ましい。
接着性樹脂組成物は、ポリイミド樹脂(A)とマレイミド化合物(B)とを含む主剤を有機溶媒に添加し、さらにラジカル開始剤を添加して製造できる。
<積層体>
本実施形態の積層体は、樹脂フィルムの片面又は両面に、前記本実施形態の接着剤付金属基材を備える。
図2に、本実施形態の積層体2の断面の模式図を示す。積層体2は、樹脂フィルム12の両面に接着剤付金属基材1を備える。
樹脂フィルム12は、接着剤付金属基材1が備える接着性樹脂層11が金属層10と接する面とは反対の面11aに積層されている。
即ち、積層体2は、金属層10/接着性樹脂層11/樹脂フィルム12/接着性樹脂層11/金属層10がこの順で積層されている。
本実施形態の積層体が、樹脂フィルムの片面に前記本実施形態の接着剤付金属基材を備える場合には、金属層10/接着性樹脂層11/樹脂フィルム12がこの順に積層される。
(樹脂フィルム)
樹脂フィルム12は、変性ポリイミド樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、液晶ポリマーフィルム、環状オレフィン樹脂フィルム、ポリフェニレンエーテル樹脂フィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム、ビスマレイミド樹脂フィルム、トリアジン樹脂フィルム、ベンゾシクロブテン樹脂フィルム、低誘電エポキシ樹脂フィルムからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
積層体2において、接着性樹脂層11の厚みは、1μm以上5μm以下が好ましい。樹脂フィルムの厚みは、38μm以上100μm以下が好ましい。金属層10の厚みは、3μm以上18μm以下が好ましい。
接着性樹脂層11の厚みX(μm)と、樹脂フィルム12の厚みY(μm)は、以下に示す(1)の関係を満たすことが好ましい。
1%≦(X/Y)×100≦8% ・・・(1)
X/Yが上記下限値以上であると、金属層10と樹脂フィルム12とを十分に接着することができる。
X/Yが上記上限値以下であると、樹脂フィルム12に対して接着性樹脂層11の厚みが薄く、温度変化に伴う接着性樹脂層11の寸法変化が、樹脂フィルム12に及ぼす影響が小さくなると考えられる。このため、温度変化を経ても、接着強度が低下しにくくなると推察される。
積層体2の一例は、フレキシブル銅張積層板又は銅張積層板である。
以下、実施例として、より具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<接着性樹脂組成物の調製>
≪材料≫
ポリイミド樹脂(A)とマレイミド化合物(B)とを、ポリイミド樹脂(A):マレイミド化合物(B)=10:3の割合で混合し、使用した。
ラジカル開始剤は、過酸化ジクミル(シグマアルドリッチ社製)を使用した。
溶媒にはアニソールを使用した。
≪調製≫
ポリイミド樹脂(A)と、マレイミド化合物(B)との重量比が10:3となる割合で、主剤と溶媒を混合し、主剤を溶解した。
さらに、100質量部のマレイミド化合物(B)に対し、3質量部の過酸化ジクミルを添加し、固形分濃度が20質量%である接着性樹脂組成物1を調整した。
<接着剤付金属基材の製造>
表面粗さが1.2μmであり、厚みが12μmの無電解銅箔(福田金属箔粉工業、CF-T49A-DS-HD2-12)に、接着性樹脂組成物1をアプリケータを用いて塗工した。この際の塗工量は、乾燥後の接着性樹脂層の厚みが表1に記載の各厚みを満たす塗工量とした。
塗工後、140℃で1分間乾燥させ、実施例1~2、比較例1~2の接着剤付金属基材を製造した。
Figure 2023147329000004
<積層体の製造>
樹脂フィルムとして、厚みが38μmの変性ポリイミドフィルムを使用した。変性ポリイミドフィルムは、105℃で60分間事前乾燥させた。
変性ポリイミドフィルムの両面に、実施例1~2、比較例1~2のそれぞれの接着剤付金属基材を、銅箔/接着性樹脂層/変性ポリイミドフィルム/接着性樹脂層/銅箔の順となるよう積層した。その後、200℃、120分間、3MPaのラミネート条件でラミネートし、実施例1~2、比較例1~2の積層体をそれぞれ製造した。
<X/Y>
実施例1~2、比較例1~2の積層体について、「(X/Y)×100(単位%)」を表1に記載する。Xは接着性樹脂層の厚み(μm)であり、Yは樹脂フィルムの厚み(μm)である。
<接着強度の測定>
得られた積層体について、銅箔と変性ポリイミドフィルムとの接着強度を測定した。
得られた積層体を、幅10mmに切削して試験片を得た。
変性ポリイミドフィルム側を直径11cmのリングコアに貼り付け、銅箔部分を50mm/minの速度で引っ張ることで、90°剥離試験を行った。
この測定により、接着強度が0.8N/mm以上の場合を、「接着強度を十分に確保できる」と評価した。実施例1~2、比較1~2の接着強度を表2に記載する。樹脂フィルムと金属層との接着強度の指標として、FPCの製造工程における金属層の剥離を防止する観点から、接着強度が0.8N/mm以上が求められる。このため、0.8N/mmを合格値とした。
<誘電特性の測定>
得られたそれぞれの積層体について、エッチングにより銅箔を除去し、接着性樹脂層/変性ポリイミドフィルム/接着性樹脂がこの順に積層された試験片(横50mm、縦100mm)を得た。
得られた試験片であって、135℃で1時間乾燥させた試験片を乾燥後の試験片とした。乾燥後、さらに23℃、湿度50%の条件で24時間放置した後の試験片を調湿後の試験片とし、それぞれについて誘電特性を測定した。
誘電特性は、QWED社製の共振器を用い、スプリットポスト誘電体共振器法により、周波数10GHzについて、比誘電率及び誘電正接を測定した。
比誘電率が3.5以下であって、誘電正接が0.005以下であると、高周波領域での誘電特性が低いと評価した。
Figure 2023147329000005
表2に示した通り、実施例1~2は、10GHzという高周波領域での低い誘電特性を維持したまま、接着強度が合格値を満たしていた。
これは、接着性樹脂層の厚みが1μm以上5μm以下である実施例1~2は、サンプル作製工程の温度変化に伴う寸法変化が生じにくかったためと考えられる。
一方、比較例1~2は、高周波領域での低い誘電特性を有するものの、接着強度は0.8N/mmを下回っていた。
1:接着剤付金属基材、2:積層体、10:金属層、11:接着性樹脂層、12:樹脂フィルム

Claims (4)

  1. 金属層と、接着性樹脂組成物から形成された接着性樹脂層とを備える接着剤付金属基材であって、
    前記接着性樹脂組成物は、ポリイミド樹脂(A)、マレイミド化合物(B)及びラジカル開始剤を含み、
    前記ポリイミド樹脂(A)と前記マレイミド化合物(B)との重量比は、10:1~3:2であり、
    100質量部の前記マレイミド化合物(B)に対する、前記ラジカル開始剤の含有量は1質量部以上15質量部未満であり、
    前記接着性樹脂層の厚みは、1μm以上5μm以下である、接着剤付金属基材。
  2. 前記金属層は、表面粗さが1.5μm以下の銅箔である、請求項1に記載の接着剤付金属基材。
  3. 樹脂フィルムの片面又は両面に、請求項1又は2に記載の接着剤付金属基材を備える積層体であって、
    前記樹脂フィルムは、前記接着剤付金属基材が備える前記接着性樹脂層が前記金属層と接する面とは反対の面に積層され、
    前記樹脂フィルムは、変性ポリイミド樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、液晶ポリマーフィルム、環状オレフィン樹脂フィルム、ポリフェニレンエーテル樹脂フィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム、ビスマレイミド樹脂フィルム、トリアジン樹脂フィルム、ベンゾシクロブテン樹脂フィルム、低誘電エポキシ樹脂フィルムからなる群より選択される1種以上である、積層体。
  4. 前記接着性樹脂層の厚みが1μm以上5μm以下であり、
    前記樹脂フィルムの厚みが38μm以上100μm以下であり、
    前記金属層の厚みが3μm以上18μm以下であり、
    下記式(1)を満たす、請求項3に記載の積層体。
    1%≦(X/Y)×100≦8% ・・・(1)
    ((1)中、Xは前記接着性樹脂層の厚み(μm)であり、Yは前記樹脂フィルムの厚み(μm)である。)
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