JP2021161130A - ダイマージオール共重合ポリイミドウレタン樹脂及び前記樹脂を含む接着剤組成物 - Google Patents

ダイマージオール共重合ポリイミドウレタン樹脂及び前記樹脂を含む接着剤組成物 Download PDF

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隼人 入澤
Hayato Irisawa
哲生 川楠
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Abstract

【課題】 接着性、乾燥ハンダ耐熱性、硬化性および低誘電特性に優れる接着剤組成物を提供すること。【解決手段】 共重合成分として、酸無水物基を有するポリカルボン酸誘導体成分(a1)、ダイマージオール成分(a2)、イソシアネート成分(a3)、および不飽和結合成分(a4)を含有するポリイミドウレタン樹脂(A)。【選択図】なし

Description

本発明は、ダイマージオール共重合ポリイミドウレタン樹脂および前記樹脂を含む接着剤組成物に関する。より詳しくは、樹脂基材と樹脂基材または金属基材との接着に用いられる接着剤組成物に関する。特にフレキシブルプリント配線板(以下、FPCと略す)用接着剤組成物に関する。
フレキシブルプリント配線板(FPC)は、優れた屈曲性を有することから、パソコン(PC)やスマートフォンなどの多機能化、小型化に対応することができ、そのため狭く複雑な内部に電子回路基板を組み込むために多く使用されている。近年、電子機器の小型化、軽量化、高密度化、高出力化が進み、これらの流行から配線板(電子回路基板)の性能に対する要求がますます高度なものとなっている。
近年、それらの製品においては、大容量の情報を高速で伝送・処理するため高周波の電気信号が使用されているが、高周波信号は非常に減衰しやすいため、前記多層配線板等にも伝送損失を抑える工夫が求められる。
伝送損失は、誘電体即ち導体(銅回路)周囲の絶縁材料に由来する“誘電体損失”と、銅回路自体に由来する“導体損失”とに区別でき、双方を抑制する必要がある。
誘電体損失は、周波数と、銅回路周囲の絶縁材料の比誘電率及び誘電正接とに依存する。そして、周波数が高いほど、該絶縁材料としては、低誘電率且つ低誘電正接の材料を用いる必要がある。
一方、導体損失は、表皮効果、即ち、銅回路表面の交流電流密度が高くなりその抵抗が大きくなる現象に起因しており、周波数が5GHzを超えた場合に顕著となる。導体損失の主な対策は、銅回路表面の平滑化である。
誘電体損失を抑制するには、前記したように、絶縁材料として低誘電率且つ低誘電正接の材料を用いるのがよく、そのようなものとしては、特許文献1のような線状変性ポリイミド樹脂とマレイミド樹脂を含む、熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物が検討されている。
特開2006−37083号公報
しかしながら、特許文献1の組成物では大容量の情報を高速で伝送・処理するために必要な誘電特性が不足している問題があった。
本発明は、優れた接着強度および乾燥ハンダ耐熱性を示し、且つ比誘電率及び誘電正接(以下、両者を誘電特性と総称することがある。)が共に低い、新たなポリイミドウレタン樹脂および前記樹脂を含有する接着剤組成物を提供することを主たる課題とする。
本発明者らは、上記目標を達成するために鋭意検討した結果、柔軟成分としてダイマージオール成分を共重合させたポリイミドウレタン樹脂を架橋剤で硬化することで接着強度および乾燥ハンダ耐熱性が良好で、さらに誘電特性が低い接着剤組成物が得られることを見出した。
即ち本発明は、以下の構成からなる。
共重合成分として、酸無水物基を有するポリカルボン酸誘導体成分(a1)、ダイマージオール成分(a2)、イソシアネート成分(a3)、および不飽和結合成分(a4)を含有するポリイミドウレタン樹脂(A)。
前記不飽和結合成分(a4)は水酸基末端ポリブタジエンであることが好ましい。
前記ポリイミドウレタン樹脂(A)、および架橋剤(B)を含有する接着剤組成物。前記架橋剤(B)はマレイミド化合物であることが好ましい。
前記接着剤組成物の硬化物。前記硬化物は、10GHzにおける誘電正接が0.005以下であることが好ましい。
前記硬化物を含有する積層体。前記積層体を構成要素として含むフレキシブルプリント配線板。
本発明の樹脂および接着剤組成物は、接着性、乾燥ハンダ耐熱性、硬化性(ゲル分率)および低誘電特性に優れるので、層間絶縁層または接着層を有する電子部品において好適に使用することができる。
以下、本発明のポリイミドウレタン樹脂および接着剤組成物を詳述する。本発明の接着剤組成物は、ダイマージオールを必須成分として含有するポリイミドウレタン樹脂(A)、および架橋剤(B)を含む接着剤組成物である。
<ポリイミドウレタン樹脂(A)>
本発明のポリイミドウレタン樹脂(A)は、少なくとも酸無水物基を有するポリカルボン酸誘導体成分(a1)(以下、単に(a1)成分ともいう。)、ダイマージオール成分(a2)(以下、単に(a2)成分ともいう。)、イソシアネート成分(a3)(以下、単に(a3)成分ともいう。)、および不飽和結合成分(a4)(以下、単に(a4)成分ともいう。)を共重合成分とする樹脂である。ポリイミドウレタン樹脂(A)は、繰り返し単位中に少なくとも1個以上のイミド結合と、少なくとも1個以上のウレタン結合を有する。さらに、本発明の効果を損ねない範囲でアミド結合を有しても差し支えない。この場合、ポリアミドイミドウレタン樹脂となる。
<酸無水物基を有するポリカルボン酸誘導体成分(a1)>
本発明の接着剤組成物を構成する(a1)成分は、ポリイミドウレタン樹脂(A)の剛直成分としての役割を有する。具体的には、イソシアネート成分と反応してポリイミド系樹脂を形成する、酸無水物基を有するポリカルボン酸誘導体であり、例えば芳香族ポリカルボン酸誘導体、脂肪族ポリカルボン酸誘導体または脂環族ポリカルボン酸誘導体を用いることができる。これらを単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。なかでも芳香族ポリカルボン酸誘導体が好ましい。また、ポリカルボン酸誘導体の価数は特に限定されない。酸無水物基は1分子中に1個または2個有することが好ましく、酸無水物基を有するポリカルボン酸誘導体中にカルボキシル基を1つ以上含有していても構わない。この場合、得られる樹脂はポリアミドイミドウレタン樹脂となる。
芳香族ポリカルボン酸誘導体としては、特に限定されないが、例えば、トリメリット酸無水物(TMA)、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸二無水物(BisDA)、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)(TAHQ)、4,4'−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、1,4−ブタンジオールビスアンヒドロトリメリテート、ヘキサメチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリプロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等のアルキレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ぺリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、m−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−または3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[4−(2,3−または3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、または1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物等が挙げられる。
脂肪族ポリカルボン酸誘導体または脂環族ポリカルボン酸誘導体としては、特に限定されないが、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ヘキサヒドロピロメリット酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロへキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロへキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロへキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロへキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロへキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロへキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、またはヘキサヒドロトリメリット酸無水物等が挙げられる。
これらの酸無水物基を有するポリカルボン酸誘導体は単独でも2種以上を組み合わせて用いても構わない。コスト面などを考慮すれば、トリメリット酸無水物が特に好ましい。
(a1)成分の含有量は、ポリイミドウレタン樹脂(A)の全成分を200モル%としたとき、10モル%以上であることが好ましく、より好ましくは20モル%以上であり、さらに好ましくは30モル%以上である。また、75モル%以下であることが好ましく、より好ましくは70モル%以下であり、さらに好ましくは60モル%以下である。上記範囲内にすることにより、優れた接着性、乾燥ハンダ耐熱性、硬化性および低誘電特性を発現することができる。特に誘電正接が良好となる。ここで、ポリイミドウレタン樹脂(A)の全成分とは、全共重合成分((a1)成分、(a2)成分、(a3)成分および(a4)成分、並びに必要に応じて他の共重合成分)の合計量をいう。
<ダイマージオール成分(a2)>
本発明のポリイミドウレタン樹脂(A)を構成する(a2)成分はポリイミドウレタン樹脂(A)の柔軟成分としての役割を有し、ダイマージオールであれば特に限定されない。ダイマージオールとは、重合体脂肪酸から誘導される還元反応生成物であることが好ましい。重合体脂肪酸とはダイマー酸とも呼ばれ、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の炭素数18(C18)の不飽和脂肪酸、乾性油脂肪酸または半乾性油脂肪酸、およびこれらの脂肪酸の低級のモノアルコールエステルを触媒の存在下または非存在下に二分子重合させたもの(2量体)である。ダイマージオールはその分子中に残留不飽和結合並びに不純物としてトリマートリオール等を含有していても構わない。以下に、ダイマージオールの非限定的な構造式を以下に示す。一般式(1)〜一般式(5)において、mとnの合計(m+n)はそれぞれ独立に、6〜17であることが好ましい。より好ましくは7〜16である。また、pとqの合計(p+q)はそれぞれ独立に、8〜19であることが好ましく、より好ましくは9〜18である。一般式(1)〜一般式(3)における破線部は炭素−炭素単結合又は炭素−炭素二重結合を意味する。破線部は炭素−炭素単結合であることが好ましい。一般式(1)〜一般式(5)の化合物は単独で含有していてもよいし、2種以上を含有していても構わない。
Figure 2021161130
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ダイマージオール成分(a2)としては、例えばCRODA社製、商品名プリポール2033(二重結合を有する一般式(2)、一般式(3)および一般式(5)の混合物)、プリポール2030(二重結合を有さない一般式(1)および一般式(4)の混合物)やBASFジャパン社製、商品名ソバモール650NS、ソバモール908等が挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用しても構わない。
本発明の(a2)成分を用いることにより、ポリイミドウレタン樹脂(A)をより低誘電化することができる。(a2)成分の含有量は、ポリイミドウレタン樹脂(A)の全成分を200モル%としたとき、10モル%以上であることが好ましく、より好ましくは20モル%以上であり、さらに好ましくは30モル%以上である。また、90モル%以下であることが好ましく、より好ましくは80モル%以下であり、さらに好ましくは70モル%以下である。前記下限値以上とすることで、十分な低誘電特性が確保され、前記上限値以下とすることで耐熱性が良好となる。
<イソシアネート化合物(a3)>
本発明のポリイミドウレタン樹脂(A)を構成する(a3)成分は、イソシアネート化合物であれば特に限定されず、例えば芳香族ポリイソシアネート化合物、脂肪族ポリイソシアネート化合物または脂環族ポリイソシアネート化合物が挙げられる。より好ましくは芳香族ジイソシアネート化合物が用いられる。芳香族ポリイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3,2’−又は3,3’−又は4,2’−又は4,3’−又は5,2’−又は5,3’−又は6,2’−又は6,3’−ジメチルジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3,2’−又は3,3’−又は4,2’−又は4,3’−又は5,2’−又は5,3’−又は6,2’−又は6,3’−ジエチルジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3,2’−又は3,3’−又は4,2’−又は4,3’−又は5,2’−又は5,3’−又は6,2’−又は6,3’−ジメトキシジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート(TDI)、トリレン−2,6−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−[2,2ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン]ジイソシアネート、3,3’−または2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−または2,2’−ジエチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジエトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。耐熱性、接着性、溶解性、コスト面などを考慮すれば、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、3,3’−または2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネートが好ましく、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネートが更に好ましい。また、これらを単独で、または2種以上を併用することができる。本発明ではイソシアネート化合物を用いるためイミド結合を1ポットで合成できるのに対して、一般的なアミン化合物を用いる方法ではアミック酸を経由する(2ポット)必要があるため、工業的にはイソシアネート化合物を用いるイソシアネート法が有利である。
(a3)成分の含有量は、ポリイミドウレタン樹脂(A)の全成分を200モル%としたとき、70モル%以上であることが好ましく、より好ましくは80モル%以上であり、さらに好ましくは90モル%以上である。また、120モル%以下であることが好ましく、より好ましくは110モル%以下であり、さらに好ましくは105モル%以下である。
<不飽和結合成分化合物(a4)>
本発明のポリイミドウレタン樹脂(A)を構成する(a4)成分は、不飽和結合を含有し、且つイソシアネート基、水酸基、またはカルボン酸基のいずれかと反応する官能基を含有する化合物であることが好ましい。ポリイミドウレタン樹脂(A)に(a4)成分を共重合させることで、ゲル分率(硬化性)が良好となる。(a4)成分の含有量は、他原料と同時に共重合する場合、ポリイミドウレタン樹脂(A)の全成分を200モル%としたとき、1モル%以上であることが好ましい。ゲル分率が良好となることから、より好ましくは2モル%以上であり、さらに好ましくは3モル%以上である。また、接着強度の低下を抑制する観点から、30モル%以下であることが好ましい。より好ましくは25モル%以下であり、さらに好ましくは20モル%以下である。
また、ポリイミドウレタン樹脂(A)を(a4)成分で変性することもできる。この場合、変性前のポリイミドウレタン樹脂(A)末端のカルボン酸基および水酸基と、(a4)成分に含まれる官能基とが反応してポリイミドウレタン樹脂(A)の末端を変性することができる。(a4)成分は、ポリイミドウレタン樹脂(A)の反応終了後、またはポリイミドウレタン樹脂(A)の反応終了直前に添加することが好ましい。(a4)成分の含有量(添加量)は、変性前のポリイミドウレタン樹脂(A)のカルボン酸基数濃度と水酸基濃度の合計を1とした際に、(a4)成分の官能基濃度の比が、1.5以下であることが好ましい。副反応抑制の観点から、より好ましくは1.3以下であり、さらに好ましくは1.1以下である。また、反応の進行しやすさの観点から、0.7以上であることが好ましい。より好ましくは0.8以上であり、さらに好ましくは0.9以上である。
(a4)成分の具体例としては、例えば水酸基末端ポリブタジエン、イソシアナトメチルアクリレート、イソシアナトメチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルアクリレート、2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアナート、2−グリシジルメタクリレート(GMA)、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4-HBAGE)などが挙げられる。これらを単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。より好ましくは、水酸基末端ポリブタジエンである。
(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分および(a4)成分の仕込み量は、酸無水物基数+カルボキシル基数+水酸基数の合計とイソシアネート基数の比率が、イソシアネート基数/(酸無水物基数+カルボキシル基数+水酸基数)=0.7〜1.3となるようにすることが好ましく、0.8〜1.2となるようにすることがより好ましい。前記下限値以上とすることでポリイミドウレタン樹脂(A)の分子量を高くすることができ、塗膜が脆くなることを防ぐことができる。また、前記上限値以下とすることでポリイミドウレタン樹脂(A)の粘度を抑え、接着剤溶液を塗布する際のレベリング性が良好となる。
本発明で用いられるポリイミドウレタン樹脂(A)の重合反応は、1種以上の有機溶媒の存在下に、例えばイソシアネート法では遊離発生する炭酸ガスを反応系より除去しながら加熱縮合させることにより行うことが好ましい。
重合溶媒としては、イソシアネート基との反応性が低いものであれば使用することができ、例えば、アミン等の塩基性化合物を含まない溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、シクロヘキサン、イソホロン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム及び塩化メチレン等を挙げることができる。これらを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
乾燥時の揮発性とポリマー重合性、溶解性の良さから、重合溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノンが好ましい。より好ましくは、N−メチルピロリドンである。また、これらは接着剤組成物の希釈剤としても使用することができる。
溶媒の使用量は、生成するポリイミドウレタン樹脂(A)の0.8〜5.0倍(質量比)とすることが好ましく、1.0〜3.0倍とすることがより好ましい。使用量を前記下限値以上とすることで合成時の粘度の上昇を抑え、撹拌性が良好となる。また、前記上限値以下とすることで反応速度の低下を抑えることができる。
反応温度は、60〜200℃とすることが好ましく、100〜180℃とすることがより好ましい。反応温度を前記下限値以上とすることで反応時間を短くすることができる。また前記上限値以下とすることでモノマー成分の分解を抑えることができ、さらに三次元化反応によるゲル化を抑えることができる。反応温度は多段階で行ってもよい。反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件、特に反応濃度により適宜選択することができる。
反応を促進するためにトリエチルアミン、ルチジン、ピコリン、ウンデセン、トリエチレンジアミン(1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン)等のアミン類、リチウムメチラート、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムブトキサイド、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属化合物あるいはチタン、コバルト、スズ、亜鉛、アルミニウムなどの金属、半金属化合物などの触媒の存在下で反応させても良い。
<ポリイミドウレタン樹脂(A)の製造>
以下、本発明のポリイミドウレタン樹脂(A)の製造方法を例示するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
反応容器に(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、(a4)成分、重合触媒、および重合溶媒を加えて溶解した後、窒素気流下で撹拌しながら、80〜190℃、好ましくは100〜160℃で6時間以上反応させた後、重合溶媒で適当な溶液粘度まで希釈し、冷却することで目的のポリイミドウレタン樹脂(A)を得ることができる。(a4)成分を末端変性する場合は、上記反応後に末端変性する原料を加え、70〜90℃で4時間以上反応させた後、冷却することで目的のポリイミドウレタン樹脂(A)を得ることができる。すなわち、(a4)成分は、重合の際の初期反応時に原料(共重合成分)として仕込んでもよいし、反応終了間際に末端を変性する目的で仕込んでもよい。
本発明のポリイミドウレタン樹脂(A)は、25℃で0.3〜0.9dl/gの対数粘度に相当する分子量を有するものが好ましく、より好ましくは0.4〜0.8dl/gの対数粘度に相当する分子量を有するものである。対数粘度を前記下限値以上とすることで、官能基濃度の上昇を抑え、良好な誘電特性を発現することができる。また、前記上限値以下とすることで接着剤としての適正なハンドリング性を保持できる。
本発明のポリイミドウレタン樹脂(A)の酸価は60当量/10g以上であることが好ましく、より好ましくは80当量/10g以上であり、さらに好ましくは100当量/10g以上である。また、500当量/10g以下であることが好ましく、より好ましくは480当量/10g以下であり、さらに好ましくは460当量/10g以下である。酸価を前記範囲内にすることで、マレイミド(B)と適度に架橋し、優れた接着性、乾燥ハンダ耐熱性、硬化性及び低誘電特性を発現することができる。
<架橋剤(B)>
本発明の架橋剤(B)は、ポリイミドウレタン樹脂(A)の架橋剤として機能するものであれば特に限定されない。好ましくは1分子中に2個以上の官能基を有する化合物であり、官能基としてはエポキシ基、カルボジイミド基、イソシアネート基、アミノ基、メチロール基、アルコキシメチル基、イミノ基、アリジニル基等が挙げられる。これらの架橋剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても構わない。なかでもイミノ基が好ましく、低誘電特性の観点からマレイミド化合物がより好ましい。
マレイミド化合物は、1分子あたり1個以上のマレイミド基を有する化合物であれば、その種類は特に限定されない。1分子あたりマレイミド基を2個有するビスマレイミド化合物でもよいし、3個以上有するポリマレイミド化合物でもよい。マレイミド化合物は、ポリイミドウレタン樹脂(A)を熱ラジカル硬化することで、乾燥ハンダ耐熱性および誘電特性が良好となり、特に誘電正接が良好となる。好ましくは1分子あたりマレイミド基を2個有するビスマレイミド化合物、または3個以上有するポリマレイミド化合物であり、より好ましくはビスマレイミド化合物である。
マレイミド化合物の一例として、具体的には、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、3,3’−ジフェニルメタンビスマレイミド、3,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、フェニルメタンマレイミド、o−フェニレンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、p−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,5−ビスマレイミドペンタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、1,5−ビス(マレイミド)−2−メチルペンタン、DesignerMoleculesInc社製のBMI−3000 などが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用しても構わない。また、上記マレイミド化合物は、難燃性付与を目的にリン、シリコン、またはフッ素で変性されていてもよい。中でも、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、フェニルメタンマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、または1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンが好ましい。
本発明の架橋剤(B)の含有量は、ポリイミドウレタン樹脂(A)100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは3質量部以上であり、さらに好ましくは5質量部以上である。また、50質量部以下であることが好ましく、より好ましくは45質量部以下であり、さらに好ましくは40質量部以下である。前記下限値以上とすることで十分な架橋密度を得ることができ、前記上限値以下とすることで、誘電特性への影響を最小限に抑えることができる。
本発明の接着剤組成物の固形分中、ポリイミドウレタン樹脂(A)と架橋剤(B)の合計量は60質量%以上であることが好ましい。より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、特に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であっても差し支えない。前記範囲内とすることで優れた接着性、乾燥ハンダ耐熱性、硬化性および低誘電特性を発現することができる。
<その他の配合成分>
本発明の接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて難燃剤を配合しても良い。難燃剤としては、臭素系、リン系、窒素系、水酸化金属化合物等が挙げられる。中でも、リン系難燃剤が好ましく、たとえば、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステルが挙げられる。また、例えばホスフィン酸アルミニウム等のリン酸塩や、ホスファゼン等の公知のリン系難燃剤を使用できる。また、フェノール性水酸基を有するリン系難燃剤等を使用しても良い。フェノール性水酸基を有するリン系難燃剤等を併用する場合、フェノール性水酸基を有する化合物は、マレイミド化合物の熱硬化剤として作用する。従って、熱硬化後の塗膜の架橋密度を高くして乾燥ハンダ耐熱性や絶縁信頼性を向上することができる。
これらの難燃剤は単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。難燃剤を含有させる場合、ポリイミドウレタン樹脂(A)100質量部に対して、難燃剤を1〜200質量部の範囲で含有させることが好ましく、5〜150質量部の範囲がより好ましく、10〜100質量部の範囲がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで良好な難燃性を発現することができ、前記上限値以下とすることで良好な接着性、乾燥ハンダ耐熱性、硬化性および誘電特性を発現することができる。
本発明の接着剤組成物には、前記ポリイミドウレタン樹脂(A)、架橋剤(B)の他に、熱ラジカル硬化反応を促進する目的でラジカル開始剤を添加することができる。このようなラジカル開始剤としては、有機過酸化物を含有することが好ましく、具体的には、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキシド(化薬ヌーリオ製 トリゴノックスTMBH)、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(日本油脂製 パーブチルP)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、過酸化ベンゾイル、3,3´,5,5´−テトラメチル−1,4−ジフェノキノン、クロラニル、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノキシル、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−アミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシピバレート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシノルマルオクトエート、t−アミルパーオキシアセテート、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジーt−アミルパーオキサイド、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサン及びアゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。このうち、開始剤の半減期から、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキシド(化薬ヌーリオ製 トリゴノックスTMBH)、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(日本油脂製 パーブチルP)などが特に好ましい。これらは単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用しても構わない。下記硬化促進剤との併用についても同様である。
本発明の接着剤組成物には、前記ポリイミドウレタン樹脂(A)、架橋剤(B)の他に、接着性、耐薬品性、耐熱性等の特性をよりいっそう向上するために、硬化促進剤(重合触媒)を添加することができる。本発明で用いられる硬化促進剤としては、上記のポリイミドウレタン樹脂(A)と架橋剤(B)の熱ラジカル硬化反応を促進できるものであればよく、特に制限はない。
このような硬化促進剤の具体例としては、例えば、イミダゾール誘導体、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類、これらの有機酸塩および/またはエポキシアダクト、三フッ化ホウ素のアミン錯体、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン)等の三級アミン類、これらの有機酸塩及び/又はテトラフェニルボロエート、ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類、トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボロエート等の四級ホスホニウム塩類、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩類、前記ポリカルボン酸無水物、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート等の光カチオン重合触媒、スチレン−無水マレイン酸樹脂、フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物や、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物等が挙げられる。これらを単独で又は2種類以上組み合わせて用いても構わない。好ましくは潜在硬化性を有する硬化促進剤であり、DBU、DBNの有機酸塩及び/又はテトラフェニルボロエートや、光カチオン重合触媒等が挙げられる。
硬化促進剤の使用量は、ポリイミドウレタン樹脂(A)100質量部に対して、0〜20質量部が好ましい。20質量部以下とすることで接着剤組成物の保存安定性や乾燥ハンダ耐熱性の低下を抑えることができる。
本発明の接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、乾燥ハンダ耐熱性を向上させる目的で、フェノール性水酸基を有する化合物を添加することができる。フェノール性水酸基を有する化合物としては、構造中にフェノール性水酸基を含むものであれば特に限定されない。このようなフェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、三菱瓦斯化学社製OPE1000、OPE2000、sabic社製SA120、SA90、群栄化学社製レジトップFTC509、FATC809等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用しても構わない。
本発明の接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、乾燥ハンダ耐熱性を向上させる目的で、(a4)成分とは異なる不飽和結合を有する化合物を添加することができる。不飽和結合を有すればアリル基、ビニル基、アクリロイル基、アルキニル基であってもよい。このような不飽和結合を有する化合物の具体例としては、三菱瓦斯化学社製OPE−2st、sabic社製SA9000、群栄化学社製レジトップFTC809AE、FATC809等が挙げられる。
フェノール性水酸基を有する化合物及び不飽和結合を有する化合物の配合量は、それぞれポリイミドウレタン樹脂(A)100質量部に対して、1〜200質量部が好ましい。1質量部以上含有することで乾燥ハンダ耐熱性向上の効果が得られ、200質量部以下とすることでBステージシートの脆化を抑えることができる。
本発明の接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、熱圧着時の流れ出しを抑制する目的で、高耐熱樹脂を添加することができる。高耐熱樹脂としては、ガラス転移温度が160℃以上の樹脂であることが好ましい。具体的には、特に限定されないが、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などが挙げられる。また、高耐熱樹脂は溶剤に溶解することが好ましい。これらの条件を満たすものとしては、全酸成分に由来する構成単位を100モル%とした場合に、芳香環を有するポリカルボン酸の無水物が90モル%以上である樹脂が好ましい。これらの高耐熱樹脂の配合量は、ポリイミドウレタン樹脂(A)100質量部に対して、5〜60質量部が好ましく、更に好ましくは6〜50質量部である。配合量が少なすぎる場合は、流れ出し抑制効果が得られにくく、多すぎる場合は、Bステージ接着剤シート仮付け性や、接着性が低下することがある。
本発明の接着剤組成物には、接着性向上の目的でシランカップリング剤を加えることができる。その具体例としては、アミノシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、イソシアネートシラン、ケチミンシランもしくはこれらの混合物もしくは反応物、または、これらとポリイソシアネートとの反応により得られる化合物等が挙げられる。このようなシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン、ビスメトキシジメトキシシリルプロピルアミン、ビスエトキシジエトキシシリルプロピルアミン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン等のアミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルエチルジエトキシシラン等のメルカプトシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン等のビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリルシラン、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等のイソシアネートシラン、ケチミン化プロピルトリメトキシシラン、ケチミン化プロピルトリエトキシシラン等のケチミンシランが挙げられ、これらを単独、又は2種類以上併用して用いても構わない。これらのシランカップリング剤のうちエポキシシランは、反応性のエポキシ基を有するため、ポリイミドウレタン樹脂(A)と反応することができ、耐熱性、耐湿熱性向上の点で好ましい。シランカップリング剤の配合量は、接着剤組成物の不揮発分全体を100質量%とした場合、好ましくは0〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。配合量が上記範囲を超えると乾燥ハンダ耐熱性が低下することがある。
本発明の接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、乾燥ハンダ耐熱性を向上させる目的で有機・無機フィラーを添加することができる。無機フィラーとしては、例えば、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、酸化タンタル(Ta)、ジルコニア(ZrO)、窒化ケイ素(Si)、チタン酸バリウム(BaO・TiO)、炭酸バリウム(BaCO)、チタン酸鉛(PbO・TiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、酸化ガリウム(Ga)、スピネル(MgO・Al)、ムライト(3Al・2SiO)、コーディエライト(2MgO・2Al・5SiO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、チタン酸アルミニウム(TiO−Al)、イットリア含有ジルコニア(Y−ZrO)、ケイ酸バリウム(BaO・8SiO)、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム(CaCO)、硫酸カルシウム(CaSO)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸マグネシウム(MgO・TiO)、硫酸バリウム(BaSO)、有機化ベントナイト、カーボン(C)、有機化スメクタイトなどを使用することができ、これらは単独でも二種以上を組み合わせて用いても構わない。
本発明に用いられる有機フィラーとしては、ポリイミド樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子、アクリル樹脂粒子等が挙げられる。これらは単独でも二種以上を組み合わせて用いても構わない。
本発明に用いられるフィラーは、平均粒子径10μm以下、最大粒子径15μm以下の粒子径のものが好ましく、平均粒子径5μm以下がより好ましく、平均粒子径1μm以下がさらに好ましい。ここでいう平均粒子径(メジアン径)は、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて体積基準で求められる値である。平均粒子径が10μmを超えると、Bステージ接着剤フィルムが脆化するおそれや、外観不良が発生する場合がある。
<接着剤組成物>
本発明の接着剤組成物は、前記ポリイミドウレタン樹脂(A)成分、および架橋剤(B)成分を含有する組成物である。
本発明の接着剤組成物の硬化物は、周波数10GHzにおける誘電正接が0.005以下であることが好ましい。より好ましくは0.0045以下であり、さらに好ましくは0.004以下である。下限は特に限定されず、0.0001以上であれば実用上は問題ない。前記範囲内であることで優れた誘電特性を示すことができる。また、前記硬化物の比誘電率は3.0以下であることが好ましく、より好ましくは2.8以下であり、さらに好ましくは2.6以下である。下限は特に限定されず、2.0以上であれば実用上は問題ない。前記範囲内であることで優れた誘電特性を示すことができる。なお、前記接着剤組成物の硬化条件は大気圧条件下、空気中で170℃3時間とする。
接着剤組成物の硬化物は、後述する接着強度試験において強度が0.1N/mm以上であることが好ましい。より好ましくは0.2N/mm以上であり、さらに好ましくは0.5N/mm以上である。上限は特に限定されないが、2.0N/mm以下であれば実用上問題ない。前記範囲内であることで、優れた接着強度を示すことができる。
<接着剤溶液>
接着剤溶液は、本発明の接着剤組成物を前記重合溶媒に溶解したものである。接着剤溶液は、B型粘度計での粘度が25℃で3dPa・s〜40dPa・sの範囲が好ましく、4dPa・s〜30dPa・sの範囲がさらに好ましい。粘度が上記範囲以上とすることで、塗布時の溶液の流れ出し量を抑えることができ、所定の膜厚の接着剤組成物層が得られる。粘度を上記範囲以下とすることで、塗布の際、基材へのレベリング性が向上する。
<積層体>
接着剤溶液は、例えば、次のようにして溶剤を留去し、接着剤フィルムを得ることができる。即ち、離型フィルムに、スクリーン印刷法、スプレー法、ロールコート法、静電塗装法、カーテンコート法等の方法により5〜80μmの膜厚で前述の接着剤溶液を塗布し、塗膜を60〜150℃で3〜10分間乾燥し、溶剤を留去する。乾燥は空気中でも不活性雰囲気中でもよい。
また、熱圧着時の接着剤組成物の流動性を調整する目的で、溶剤乾燥後に加熱処理を行い、ポリイミドウレタン樹脂(A)と架橋剤(B)を一部反応させることもある。また、熱圧着前の状態をBステージと呼ぶ。
本発明の積層体はFPCの構成要素として使用される。FPCにおいて接着剤(接着剤組成物)や積層体が使われる部位としては、CL(カバーレイ)フィルム、接着剤フィルム、3層銅張り積層板が挙げられる。
CLフィルムおよび接着剤フィルムにおいては、Bステージ状態で巻き取り、保存、切断、打ち抜きなどの加工を行うことが一般的であり、Bステージ状態での柔軟性も必要である。一方、3層銅張り積層板においては、Bステージ状態形成後にすぐに熱圧着及び熱硬化を行うことが一般的である。
また、上記のいずれの用途においても、Bステージ状態の接着剤フィルムを被着体と熱圧着し、熱硬化処理を行って使用する。
CLフィルムは、絶縁性プラスチックフィルム/接着剤層もしくは絶縁性プラスチックフィルム/接着剤層/保護フィルムからなる。絶縁性プラスチックフィルムとは、ポリイミド、ポリイミドウレタン、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、アラミド、ポリカーボネート、ポリアリレート等のプラスチックからなる厚さ1〜200μmのフィルムであり、これらから選ばれる複数のフィルムを積層してもよい。保護フィルムは、接着剤の特性を損なうことなく剥離可能であれば特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンスルフィド等のプラスチックフィルム、及びこれらをシリコーンあるいはフッ化物あるいはその他の離型剤をコーティング処理したフィルム、これらをラミネートした紙、剥離性のある樹脂を含浸あるいはコーティングした紙などが挙げられる。
接着剤フィルムは、接着剤組成物からなる接着剤層の少なくとも片面に保護フィルムを設けた構造であり、保護フィルム/接着剤層、もしくは保護フィルム/接着剤/保護フィルムの構成である。接着剤層の中に絶縁性プラスチックフィルム層を設ける場合もある。接着フィルムは多層プリント基板に使用することができる。
3層銅張り積層板は、接着剤組成物によって絶縁性プラスチックフィルムの少なくとも片面に銅箔を貼り合わせた構成である。銅箔は、特に制限されないが、フレキシブルプリント配線板に従来用いられている圧延銅箔、電解銅箔を使用することができる。
このようにして得られたFPCの接着剤組成物層は、フレキシブルプリント配線板のソルダーレジスト層、表面保護層、層間絶縁層または接着層となる。このように本発明の接着剤組成物は、被膜形成材料として、半導体素子や各種電子部品用オーバーコートインキ、ソルダーレジストインキ、層間絶縁膜に有用である他、塗料、コーティング剤、接着剤等としても使用できる。ここで、ソルダーレジスト層とは、回路導体のはんだ付けする部分を除いた全面に皮膜形成されるもので、プリント配線板に電子部品を配線する際、はんだが不必要な部分に付着するのを防ぐとともに、回路が直接空気に暴露されるのを防止する保護皮膜として使用されるものである。表面保護層とは、回路部材の表面に貼り付けて加工工程や使用環境から電子部材を機械的、化学的に保護するために使用されるものである。層間絶縁層とは、パッケージ基板中の微細配線が形成されている層の間で通電するのを防ぐために使用されるものである。接着層とは、主に金属層とフィルム層を接着し、貼り合わせ加工を行う場合に使用されるものである。
本発明をさらに具体的に説明するために、以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の特性値の評価は以下の方法によって行なった。
<対数粘度>
ポリイミドウレタン樹脂(A)ポリマー濃度が0.6g/dlとなるようにN,N−ジメチルアセトアミドに溶解した。その溶液の溶液粘度及び溶媒粘度を30℃で、ウベローデ型粘度管により測定して、下記の式で計算した。
対数粘度(dl/g)=[ln(V1/V2)]/V3
V1:溶媒(N,N−ジメチルアセトアミド)がウベローデ型粘度管のキャピラリーを通過する時間から算出
V2:ポリマー溶液がウベローデ型粘度管のキャピラリーを通過する時間から算出
V3:ポリマー濃度(g/dl)
<酸価>
ポリイミドウレタン樹脂(A)0.2gを20mlのN−メチルピロリドンに溶解し、0.1Nの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、(A)成分10gあたりのカルボキシル基当量(当量/10g)を求めた。
<接着強度>
接着剤溶液をポリイミド(PI)フィルム(東レ・デュポン社製 商品名カプトンEN50)に乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、130℃、3分間熱風乾燥機で乾燥させ、Bステージ状態の接着剤フィルムを得た。このBステージ状態の接着剤フィルムの接着剤塗布面と銅箔(JX日鉱日石製 BHY 厚み18μm)の光沢面を真空プレスラミネート機で、160℃、3MPa、30秒間減圧下で熱圧着させ、その後、170℃で3時間加熱硬化した。硬化後の積層材(PIフィルム/接着剤層/銅箔)を、引っ張り試験機(島津製オートグラフAG−X plus)を用いて25℃の雰囲気下でポリイミドフィルムを90°の方向に50mm/minの速度で引き剥がし、接着強度を測定した。
<乾燥ハンダ耐熱性>
接着性評価と同様に加熱硬化させた積層材(PIフィルム/接着剤層/銅箔)を作製し、20mm角に切断し、熱風循環式乾燥機にて105℃で1時間乾燥後、所定温度のはんだ浴にポリイミド面を上にして30秒間フロートさせた。具体的には、30秒後に膨れまたは剥がれが発生しない温度を10℃刻みで観察し、その際の最高温度を乾燥ハンダ耐熱温度とした。
評価基準
◎:300℃×30秒で膨れまたは剥がれなし。
○:280℃×30秒で膨れまたは剥がれはないが、290℃×30秒で膨れまたは剥がれあり。
△:260℃×30秒で膨れまたは剥がれはないが、270℃×30秒で膨れまたは剥がれあり。
×:260℃×30秒で膨れまたは剥がれあり。
<比誘電率・誘電正接>
接着剤溶液をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シート(中興化成(株)製 スカイブドテープ MSF−100 10GHzにおける比誘電率2.07、誘電正接0.0025)に塗工し、130℃で3分乾燥させた後、170℃で3時間硬化させ厚さ25μmの硬化物シートを得た。次いで、該硬化物シートについて、10GHzにおける比誘電率及び誘電正接を、市販の誘電率測定装置(空洞共振器タイプ、Anritsu(株)製ShockLineVNAシリーズ MS46122B)を用いて測定した。測定はPTFEシートを剥離せずに硬化物シートのまま行った。別途PTFEシートのみの比誘電率および誘電正接を測定し、硬化物シートの測定値からPTFEの測定値を差し引いた。空洞共振器法による比誘電率及び誘電特性は次式により得た。
Figure 2021161130
Figure 2021161130
Figure 2021161130
Figure 2021161130
V:体積 f:共振周波数 Q:Q値
インデックスc:空の空洞共振器の場合
インデックスs:サンプルが装着された場合
評価基準
◎:誘電正接 0.0040未満
○:誘電正接 0.0040以上0.0045未満
△:誘電正接 0.0045以上0.0050未満
×:誘電正接 0.0050以上
<ゲル分率(硬化性)>
上記比誘電率・誘電正接と同様にして、硬化物シートを作製した。該硬化物シートに付着した硬化物サンプルのうち、0.125gを採取し、N−メチルピロリドン(NMP)25mlに溶解した。2時間常温で静置した後、ガラスフィルター(IWAKI ガラスろ過器 3G1)を用いてろ過し、ガラスフィルターごと150℃で12時間真空乾燥させた。真空乾燥後のガラスフィルターとサンプルの合計重量を秤量し、予め計量しておいたガラスフィルターの重量を差し引いたうえで、ゲル分率を算出した。なお、ゲル分率が高いほど硬化性が良好である。
ゲル分率[%]=ろ過後のサンプル重量/ろ過前のサンプル重量(0.125g)×100
(評価基準)
◎:80%以上
○:70%以上80%未満
△:60%以上70%未満
×:60%未満
製造例1
トリメリット酸無水物(Polynt製)105.7g、ダイマージオール(CRODA製 商品名プリポール2033)228.0g、イソシアネート成分として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(東ソー製 商品名ミリオネートMT)250.2g、不飽和結合成分として水酸基末端ポリブタジエン(日本曹達製商品名G‐1000)75.0gをフラスコに入れ、N,N−ジメチルアセトアミド916.5gに溶解した。その後、窒素気流下、撹拌しながら、140℃で6時間反応させた後、N,N−ジメチルアセトアミド640.0g加えて希釈し、室温まで冷却することにより、酸価362[当量/10g],対数粘度0.612[dl/g]の褐色で粘調なポリイミドウレタン樹脂溶液(A−1)を得た。
製造例2〜6、比較製造例1〜2
表1に記載の原料割合に従い、製造例1と同様の反応条件で製造した。
なお、表1の原料の行に記載の数値は樹脂中の各成分のモル比(モル%)を示す。
Figure 2021161130
Figure 2021161130
続いて表2に記載の配合割合に従って、ポリイミドウレタン樹脂(A)、架橋剤(B)、および、その他成分(C)を混合し、接着剤組成物(接着剤溶液)を調製し、上記の特性評価を行った。なお、表2に記載の(A)〜(C)の行に記載されている数値はいずれも固形分換算での質量分率[質量%]を表す。
表2から明らかなように、実施例1〜19は誘電特性、接着強度、および乾燥ハンダ耐熱性、および硬化性(ゲル分率)に優れ、低誘電特性と接着強度の両立もできていた。
一方で、比較例1〜2は(a4)成分を含まないため、硬化性(ゲル分率)が低かった。比較例3〜6はダイマージオール(a2)を使用していないため、誘電特性、並びに接着強度が悪かった。
以上説明した通り本発明の接着剤組成物は、接着性および乾燥ハンダ耐熱性を有しながら、低誘電特性に優れるので、特に層間絶縁層または接着層を有する電子部品において使用するのに好適である。このため、フレキシブルプリント配線板などの各種電子部品用接着剤等として電子機器の幅広い分野で使用できるため、産業界に大きく寄与することが期待される。

Claims (8)

  1. 共重合成分として、酸無水物基を有するポリカルボン酸誘導体成分(a1)、ダイマージオール成分(a2)、イソシアネート成分(a3)、および不飽和結合成分(a4)を含有するポリイミドウレタン樹脂(A)。
  2. 前記不飽和結合成分(a4)が水酸基末端ポリブタジエンである請求項1に記載のポリイミドウレタン樹脂(A)。
  3. 請求項1または2に記載のポリイミドウレタン樹脂(A)、および架橋剤(B)を含有する接着剤組成物。
  4. 前記架橋剤(B)がマレイミド化合物である請求項3に記載の接着剤組成物。
  5. 請求項3または4に記載の接着剤組成物の硬化物。
  6. 10GHzにおける誘電正接が0.005以下である請求項5に記載の硬化物。
  7. 請求項5または6に記載の硬化物を含有する積層体。
  8. 請求項7に記載の積層体を構成要素として含むフレキシブルプリント配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022210671A1 (ja) * 2021-03-30 2022-10-06 リンテック株式会社 硬化性接着剤組成物、及び硬化物
WO2022210672A1 (ja) * 2021-03-30 2022-10-06 リンテック株式会社 接着シート
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