JP2023144101A - 電極用成形体の製造方法 - Google Patents

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Akito Fukunaga
英二郎 岩瀬
Eijiro Iwase
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康裕 関沢
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Abstract

【課題】質量分布の均一性に優れる電極用成形体を製造可能な電極用成形体の製造方法を提供する【解決手段】本開示は、電極活物質を含む電極材料を準備する工程と、支持体上に上記電極材料を供給して、上記支持体上に上記支持体の幅方向に並んで配置される、上記電極材料を含む少なくとも2つの凸部を形成する工程と、上記支持体上の上記凸部を均す工程と、を含む電極用成形体の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本開示は、電極用成形体の製造方法に関する。
リチウムイオン電池等の電池に含まれる電解質としては、通常、電解液が用いられる。近年においては、安全性(例えば、液漏れの防止)の観点から、電解液を固体電解質に置き換えた全固体電池の開発が検討されている。
膜厚が均一な電極用シートを製造する方法として、例えば、特許第4876478号公報には、電極活物質、導電材、分散型結着剤、及び溶解型樹脂を含有するスラリーを噴霧して造粒することによって複合粒子からなる電極材料を得、上記電極材料を定量フィーダーによって、略水平に配置された一対のプレス用ロール又はベルトに供給し、上記プレス用ロール又はベルトで電極材料をシート状成形体に成形する工程を含む、電気化学素子電極用シートの製造方法が開示されている。
一方、電極活物質を含む粉体から電極用シートとしての圧延シートを製造する方法も検討されている。圧延シートを製造する際には、密度分布のばらつきが少ない圧延シートを製造することが求められる。供給対象物に対する粉体目付量を幅方向及び流れ方向に一定に制御することを目的として、例えば、特許第6211426号公報には、進行波の振動数及び振幅の少なくとも一方を変化させることにより供給口からの粉体の供給量を変化させる方法が開示されている。また、特許文献2には、リチウムイオン電池用粉体と基材とを加圧して圧延シートを形成するシート形成工程を含むリチウムイオン電池の製造方法が開示されている。
電極材料の供給量を制御する方法では、電極用シートの質量分布の均一性という点において改善の余地がある。例えば、特許第4876478号公報に記載された方法では定量フィーダーが用いられている。しかしながら、一対のプレス用ロールによって成形される電極用シートの質量分布は、依然として一対のプレス用ロールの精度に左右される傾向にある。特に、一対のプレス用ロールを用いる方法においては、目的とする電極用シートの幅が大きくなるほど、ロール間隙を均一にすることが困難となるため、幅方向における電極用シートの質量分布の均一性を向上させることは困難となる。同様に、特許第6211426号公報に記載された方法のように進行波によって供給口からの粉体の供給量を制御したとしても、電極用シートの幅方向における質量分布の均一性が十分とは言い難い。
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものである。
本開示の一実施形態は、質量分布の均一性に優れる電極用成形体を製造可能な電極用成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本開示は、以下の態様を含む。
<1> 電極活物質を含む電極材料を準備する工程と、支持体上に上記電極材料を供給して、上記支持体上に上記支持体の幅方向に並んで配置される、上記電極材料を含む少なくとも2つの凸部を形成する工程と、上記支持体上の上記凸部を均す工程と、を含む電極用成形体の製造方法。
<2> 上記支持体の幅方向において隣り合う2つの上記凸部の最大高さHmax、及び上記最大高さHmaxを規定する2つの上記凸部の間において高さが最小となる地点の高さLが、0≦L/Hmax<0.95の関係を満たす<1>に記載の電極用成形体の製造方法。
<3> 上記支持体の幅方向において隣り合う2つの上記凸部の最大高さHmax、及び上記最大高さHmaxを規定する2つの上記凸部の間の距離Dが、1<Hmax/(D×0.5)の関係を満たす<1>又は<2>に記載の電極用成形体の製造方法。
<4> 上記凸部の数が、少なくとも3つである<1>~<3>のいずれか1つに記載の電極用成形体の製造方法。
<5> 上記支持体の幅方向において隣り合う2つの上記凸部の間の距離が、等間隔である<4>に記載の電極用成形体の製造方法。
<6> 上記支持体の幅方向において隣り合う2つの上記凸部の間の距離が、10mm~40mmの範囲である<1>~<5>のいずれか1つに記載の電極用成形体の製造方法。
<7> 上記凸部を形成する工程において、上記凸部を、平面視で上記支持体の幅方向に直交する方向に延びる帯状に形成する<1>~<6>のいずれか1つに記載の電極用成形体の製造方法。
<8> 上記凸部を形成する工程において、上記支持体の幅方向の両端側にそれぞれ配置され、上記支持体の幅方向における上記電極材料の移動を規制する移動規制部材を用いる<1>~<7>のいずれか1つに記載の電極用成形体の製造方法。
<9> 上記凸部を均す工程において、上記支持体の幅方向の両端側にそれぞれ配置され、上記支持体の幅方向における上記電極材料の移動を規制する移動規制部材を用いる<1>~<8>のいずれか1つに記載の電極用成形体の製造方法。
<10> 上記凸部を形成する工程において、上記支持体の幅方向に並んで配置される少なくとも2つの吐出口から上記電極材料を吐出することによって、上記支持体上に上記電極材料を供給する<1>~<9>のいずれか1つに記載の電極用成形体の製造方法。
<11> 上記吐出口の数が、少なくとも3つである<10>に記載の電極用成形体の製造方法。
<12> 上記支持体の幅方向における上記吐出口の間隔が、等間隔である<11>に記載の電極用成形体の製造方法。
<13> 上記支持体の幅方向における上記吐出口の間隔が、10mm~40mmの範囲である<10>~<12>のいずれか1つに記載の電極用成形体の製造方法。
<14> 上記吐出口から吐出される上記電極材料の量の変動係数が、4以下である<10>~<13>のいずれか1つに記載の電極用成形体の製造方法。
<15> 上記吐出口の数が、少なくとも3つであり、上記支持体の幅方向の両端側にそれぞれ配置される上記吐出口から吐出される上記電極材料の量が、上記支持体の幅方向の両端側以外に配置される吐出口から吐出される上記電極材料の量よりも少ない<10>~<14>のいずれか1つに記載の電極用成形体の製造方法。
<16> 上記吐出口から上記電極材料を吐出する際、上記吐出口と上記支持体との間に配置され、上記電極材料の飛散を防止する飛散防止部材を用いる<10>~<15>のいずれか1つに記載の電極用成形体の製造方法。
本開示の一実施形態によれば、質量分布の均一性に優れる電極用成形体を製造可能な電極用成形体の製造方法を提供することができる。
図1は、本開示に係る電極用成形体の製造方法の一例を示す概略図である。 図2は、図1のI-I線に沿う支持体及び凸部の概略断面図である。
以下、本開示の実施形態について説明する。本開示は、以下の実施形態に何ら制限されず、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。本開示の実施形態について図面を参照して説明する場合、図面において重複する構成要素、及び符号については、説明を省略することがある。図面において同一の符号を用いて示す構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。図面における寸法の比率は、必ずしも実際の寸法の比率を表すものではない。
本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「工程」との用語には、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれか一方を意味する。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、「固形分」とは、1gの試料に対して、窒素雰囲気下、200℃で6時間乾燥処理を行った際に、揮発又は蒸発によって消失しない成分を意味する。
本開示において、序数詞(例えば、「第1」、及び「第2」)は、構成要素を区別するために使用する用語であり、構成要素の数、及び構成要素の優劣を制限するものではない。
<電極用成形体の製造方法>
本開示に係る電極用成形体の製造方法は、電極活物質を含む電極材料を準備する工程(以下、「準備工程」という場合がある。)と、支持体上に上記電極材料を供給して、上記支持体上に上記支持体の幅方向に並んで配置される、上記電極材料を含む少なくとも2つの凸部を形成する工程(以下、「凸部形成工程」という場合がある。)と、上記支持体上の上記凸部を均す工程(以下、「均し工程」という場合がある。)と、を含む。以下、「凸部」との用語は、特に明示がない限り、単数又は複数の凸部を意味する。
本開示に係る電極用成形体の製造方法は、上記工程を含むことで、質量分布の均一性に優れる電極用成形体を製造することができる。本開示に係る電極用成形体の製造方法が上記効果を奏する理由は、以下のように推察される。例えば、特許第4876478号公報、及び特許第6211426号公報に記載される方法では、電極材料の供給量が幅方向及び長さ方向において均一となるように電極材料を供給していると推測される。そして、幅方向及び長さ方向において均一に供給された電極材料の流動性は、著しく低いと考えられる。一方、本開示に係る電極用成形体の製造方法においては、支持体の幅方向に並んで配置される、電極材料を含む少なくとも2つの凸部を形成することで、隣り合う2つの凸部の間に凹部を形成することができる。つまり、支持体の幅方向に並んで配置される少なくとも2つの凸部を形成することで、支持体の幅方向に沿って凹凸構造を形成することができる。支持体の幅方向に沿って凹凸構造を形成することで、隣り合う2つの凸部の間に電極材料が移動可能な空間を形成できるため、特に支持体の幅方向において、凸部を形成する電極材料の流動性を大きくすることができる。このため、凸部を均す際に、凸部を形成する電極材料を幅方向に広げやすくすることができる。よって、本開示に係る電極用成形体の製造方法によれば、質量分布の均一性に優れる電極用成形体を製造することができる。
本開示において、「支持体の幅方向」とは、平面視において、電極材料が積層される支持体表面の面内方向に沿った任意の一方向(例えば、短手方向)を意味する。ただし、支持体を搬送する場合には、平面視において、電極材料が積層される支持体表面の面内方向に沿い、かつ、支持体の搬送方向に直交する方向を「支持体の幅方向」という。
本開示において、「平面視」とは、対象物を平面上に配置した場合において、上記平面に直交する方向から見ることを意味する。
本開示において、「支持体の長さ方向」とは、平面視において、電極材料が積層される支持体表面の面内方向に沿い、かつ、支持体の幅方向に直交する方向(例えば、長手方向)を意味する。
本開示において、「支持体の厚さ方向」とは、支持体の幅方向及び支持体の長さ方向にそれぞれ直交する方向を意味する。
<<準備工程>>
本開示に係る電極用成形体の製造方法は、電極活物質を含む電極材料を準備する工程(準備工程)を含む。本開示において、「電極材料を準備する」とは、電極材料を使用可能な状態にすることを意味し、特に断りのない限り、電極材料を調製することを含む。すなわち、準備工程においては、予め調製した電極材料若しくは市販されている電極材料を準備してもよく、又は電極材料を調製してもよい。
[電極材料]
電極材料は、電極活物質を含む。電極材料は、必要に応じて、電極活物質以外の成分を含んでいてもよい。以下、電極材料の成分について説明する。
(電極活物質)
電極活物質は、周期律表における第1族、又は第2族に属する金属元素のイオンを挿入、及び放出することが可能な物質である。電極活物質としては、例えば、正極活物質、及び負極活物質が挙げられる。
-正極活物質-
正極活物質としては、制限されず、正極に用いられる公知の活物質を利用できる。正極活物質は、可逆的にリチウムイオンを挿入及び放出できる正極活物質であることが好ましい。
正極活物質としては、例えば、遷移金属酸化物、及びリチウムと複合化できる元素(例えば、硫黄)が挙げられる。上記の中でも、正極活物質は、遷移金属酸化物であることが好ましい。
遷移金属酸化物は、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)、Mn(マンガン)、Cu(銅)、及びV(バナジウム)からなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属元素(以下、「元素Ma」という。)を含む遷移金属酸化物であることが好ましい。
遷移金属酸化物がLi、及び元素Maを含む場合、元素Maに対するLiのモル比(Liの物質量/元素Maの物質量)は、0.3~2.2であることが好ましい。本開示において「元素Maの物質量」とは、元素Maに該当する全ての元素の総物質量をいう。
また、遷移金属酸化物は、リチウム以外の第1族の元素、第2族の元素、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(スズ)、Pb(鉛)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)、Si(ケイ素)、P(リン)、及びB(ホウ素)からなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属元素(以下、「元素Mb」という。)を含んでいてもよい。元素Mbの含有量(すなわち、元素Mbに該当する全ての元素の総含有量)は、元素Maの物質量に対して、0mol%~30mol%であることが好ましい。
遷移金属酸化物としては、例えば、層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物、スピネル型構造を有する遷移金属酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物、リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物、及びリチウム含有遷移金属ケイ酸化合物が挙げられる。
層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物としては、例えば、LiCoO(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi(ニッケル酸リチウム)、LiNi0.85Co0.10Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi1/3Co1/3Mn1/3(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])、及びLiNi0.5Mn0.5(マンガンニッケル酸リチウム)が挙げられる。
スピネル型構造を有する遷移金属酸化物としては、例えば、LiCoMnO、LiFeMn、LiCuMn、LiCrMn、及びLiNiMnが挙げられる。
リチウム含有遷移金属リン酸化合物としては、例えば、オリビン型リン酸鉄塩(例えば、LiFePO、及びLiFe(PO)、ピロリン酸鉄塩(例えば、LiFeP)、リン酸コバルト塩(例えば、LiCoPO)、及び単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩(例えば、Li(PO(リン酸バナジウムリチウム))が挙げられる。
リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物としては、例えば、フッ化リン酸鉄塩(例えば、LiFePOF)、フッ化リン酸マンガン塩(例えば、LiMnPOF)、及びフッ化リン酸コバルト塩(例えば、LiCoPOF)が挙げられる。
リチウム含有遷移金属ケイ酸化合物としては、例えば、LiFeSiO、LiMnSiO、及びLiCoSiOが挙げられる。
遷移金属酸化物は、層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物であることが好ましく、LiCoO(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi0.85Co0.10Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、及びLiNi1/3Co1/3Mn1/3(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることがより好ましい。
正極活物質は、市販品であってもよく、又は公知の方法(例えば、焼成法)によって製造された合成品であってもよい。例えば焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、又は有機溶剤を用いて洗浄されてもよい。
正極活物質の組成は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法を用いて測定する。
正極活物質の形状は、制限されないが、取扱性の観点から、粒子状であることが好ましい。
正極活物質の体積平均粒子径は、制限されず、例えば、0.1μm~50μmとすることができる。正極活物質の体積平均粒子径は、0.3μm~40μmであることが好ましく、0.5μm~30μmであることがより好ましい。正極活物質の体積平均粒子径が0.3μm以上であることで、電極材料の集合体を容易に形成することができ、また、取り扱いの際に電極材料が飛散することを抑制できる。正極活物質の体積平均粒子径が40μm以下であることで、電極用成形体の厚さを容易に調節することができ、また、成形過程において空隙の発生を抑制することができる。
正極活物質の体積平均粒子径は、以下の方法により測定する。正極活物質と溶剤(例えば、ヘプタン、オクタン、トルエン、又はキシレン)とを混合することによって、0.1質量%の正極活物質を含む分散液を調製する。1kHzの超音波を10分間照射した分散液を測定試料とする。レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、株式会社堀場製作所製のLA-920)を用いて、温度25℃の条件下でデータの取り込みを50回行い、体積平均粒子径を求める。測定用のセルには、石英セルを用いる。上記測定を5つの試料を用いて行い、測定値の平均を正極活物質の体積平均粒子径とする。その他の詳細な条件については、必要に応じて、「JIS Z 8828:2013」を参照する。
正極活物質の粒子径を調整する方法としては、例えば、粉砕機、又は分級機を用いる方法が挙げられる。
電極材料は、1種単独の正極活物質を含んでいてもよく、又は2種以上の正極活物質を含んでいてもよい。
正極活物質の含有量は、電極材料の全固形分質量に対して、10質量%~95質量%であることが好ましく、30質量%~90質量%であることがより好ましく、50質量%~85質量であることがさらに好ましく、60質量%~80質量%であることが特に好ましい。
-負極活物質-
負極活物質としては、制限されず、負極に用いられる公知の活物質を利用できる。負極活物質は、可逆的にリチウムイオンを挿入及び放出できる負極活物質であることが好ましい。
負極活物質としては、例えば、炭素質材料、金属酸化物(例えば、酸化スズ)、酸化ケイ素、金属複合酸化物、リチウム単体、リチウム合金(例えば、リチウムアルミニウム合金)、及びリチウムと合金を形成可能な金属(例えば、Sn、Si、及びIn)が挙げられる。上記の中でも、負極活物質は、信頼性の観点から、炭素質材料、又はリチウム複合酸化物であることが好ましい。
炭素質材料は、実質的に炭素からなる材料である。炭素質材料としては、例えば、石油ピッチ、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック)、黒鉛(例えば、天然黒鉛、及び人造黒鉛(例えば、気相成長黒鉛))、ハードカーボン、及び合成樹脂(例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、及びフルフリルアルコール樹脂)を焼成してなる炭素質材料が挙げられる。炭素質材料としては、例えば、炭素繊維(例えば、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA(ポリビニルアルコール)系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、及び活性炭素繊維)も挙げられる。黒鉛としては、例えば、メソフェーズ微小球体、グラファイトウィスカー、及び平板状の黒鉛も挙げられる。本開示において、「平板状」とは、互いに反対方向を向く2つの主平面を有する形状を意味する。
金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属複合酸化物であることが好ましい。リチウムを吸蔵及び放出可能な金属複合酸化物は、高電流密度充放電特性の観点から、チタン、及びリチウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むことが好ましい。
金属酸化物、及び金属複合酸化物は、特に非晶質酸化物であることが好ましい。ここで、「非晶質」とは、CuKα線を用いたX線回折法において、2θ値で20°~40°の領域に頂点を有するブロードな散乱帯を有する物質を意味する。非晶質酸化物は、結晶性の回折線を有してもよい。非晶質酸化物において、2θ値で40°~70°の領域に観察される結晶性の回折線のうち最も強い強度は、2θ値で20°~40°の領域に観察されるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下であることが好ましく、5倍以下であることがより好ましい。非晶質酸化物は、結晶性の回折線を有しないことが特に好ましい。
金属酸化物、及び金属複合酸化物は、カルコゲナイドであることも好ましい。カルコゲナイドは、金属元素と周期律表第16族の元素との反応生成物である。
非晶質酸化物、及びカルコゲナイドからなる化合物群の中でも、半金属元素の非晶質酸化物、及びカルコゲナイドが好ましく、周期律表における第13族~15族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、及びBiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物、並びにカルコゲナイドがより好ましい。
非晶質酸化物、及びカルコゲナイドの好ましい例としては、Ga、SiO、GeO、SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Pb、Sb、Sb、SbBi、SbSi、Bi、SnSiO、GeS、SnS、SnS、PbS、PbS、Sb、Sb、及びSnSiSが挙げられる。また、上記した化合物は、リチウムとの複合酸化物(例えば、LiSnO)であってもよい。
負極活物質は、チタンをさらに含むことも好ましい。リチウムイオンの吸蔵放出時の体積変動が小さいことから急速充放電特性に優れ、そして、電極の劣化が抑制されることでリチウムイオン二次電池の寿命向上が可能となる観点から、チタンを含む負極活物質は、LiTi12(チタン酸リチウム[LTO])であることが好ましい。
負極活物質は、市販品であってもよく、又は公知の方法(例えば、焼成法)によって製造された合成品であってもよい。例えば焼成法によって得られた負極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、又は有機溶剤を用いて洗浄されてもよい。
負極活物質は、例えば、CGB20(日本黒鉛工業株式会社)として入手可能である。
負極活物質の組成は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法を用いて測定する。
負極活物質の形状は、制限されないが、取り扱い易く、そして、量産の際に均一性を管理しやすいという観点から、粒子状であることが好ましい。
負極活物質の体積平均粒子径は、0.1μm~60μmであることが好ましく、0.3μm~50μmであることがより好ましく、0.5μm~40μmであることが特に好ましい。負極活物質の体積平均粒子径が0.1μm以上であることで、電極材料の集合体を容易に形成することができ、また、取り扱いの際に電極材料が飛散することを抑制できる。負極活物質の体積平均粒子径が60μm以下であることで、電極用成形体の厚さを容易に調節することができ、また、成形過程において空隙の発生を抑制することができる。負極活物質の体積平均粒子径は、上記正極活物質の体積平均粒子径の測定方法に準ずる方法により測定する。
負極活物質の粒子径を調整する方法としては、例えば、粉砕機、又は分級機を用いる方法が挙げられる。上記方法においては、例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミル、又は篩が好適に用いられる。負極活物質の粉砕においては、水、又は有機溶剤(例えば、メタノール)を用いる湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。所望の粒子径に調整する方法は、分級であることが好ましい。分級においては、例えば、篩、又は風力分級機を用いることができる。分級は、乾式であってもよく、又は湿式であってもよい。
負極活物質として、Sn、Si、又はGeを含む非晶質酸化物を用いる場合、上記非晶質酸化物と併用することができる好ましい負極活物質としては、例えば、リチウムイオン又はリチウム金属を吸蔵及び放出できる炭素材料、リチウム、リチウム合金、及びリチウムと合金可能な金属が挙げられる。
電極材料は、1種単独の負極活物質を含んでいてもよく、又は2種以上の負極活物質を含んでいてもよい。
負極活物質の含有量は、電極材料の全固形分質量に対して、10質量%~80質量%であることが好ましく、20質量%~80質量%であることがより好ましく、30質量%~80質量%であることがさらに好ましく、40質量%~75質量%であることが特に好ましい。
正極活物質、及び負極活物質の表面は、表面被覆剤で被覆されていてもよい。表面被覆剤としては、例えば、Ti、Nb、Ta、W、Zr、Si、又はLiを含む金属酸化物が挙げられる。上記金属酸化物としては、例えば、チタン酸スピネル、タンタル系酸化物、ニオブ系酸化物、及びニオブ酸リチウム系化合物が挙げられる。具体的な化合物としては、例えば、LiTi12、LiTaO、LiNbO、LiAlO、LiZrO、LiWO、LiTiO、Li、LiPO、LiMoO、及びLiBOが挙げられる。
(無機固体電解質)
電極材料は、電池性能(例えば、放電容量、及び出力特性)の向上という観点から、無機固体電解質を含むことが好ましい。ここで、「固体電解質」とは、内部においてイオンを移動させることができる固体状の電解質を意味する。
無機固体電解質は、主たるイオン伝導性材料として有機物を含む電解質ではないことから、有機固体電解質(例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)に代表される高分子電解質、及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)に代表される有機電解質塩)とは明確に区別される。また、無機固体電解質は、定常状態では固体であるため、カチオン若しくはアニオンに解離又は遊離していない。よって、電解液、及びポリマー中でカチオン若しくはアニオンに解離又は遊離している無機電解質塩(例えば、LiPF、LiBF、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、及びLiCl)とも明確に区別される。
無機固体電解質は、周期律表における第1族又は第2族に属する金属元素のイオンの伝導性を有する無機固体電解質であれば制限されず、電子伝導性を有しないことが一般的である。
本開示に係る電極用成形体の製造方法によって得られる電極用成形体がリチウムイオン電池に用いられる場合、無機固体電解質は、リチウムイオンのイオン伝導性を有することが好ましい。
無機固体電解質としては、例えば、硫化物系無機固体電解質、及び酸化物系無機固体電解質が挙げられる。上記の中でも、無機固体電解質は、活物質と無機固体電解質との間に良好な界面を形成できるという観点から、硫化物系無機固体電解質であることが好ましい。
-硫化物系無機固体電解質-
硫化物系無機固体電解質は、硫黄原子(S)を含み、周期律表における第1族又は第2族に属する金属元素のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有することが好ましい。
硫化物系無機固体電解質は、少なくともLi、S、及びPを含有し、リチウムイオン伝導性を有することがより好ましい。硫化物系無機固体電解質は、必要に応じて、Li、S、及びP以外の元素を含んでいてもよい。
硫化物系無機固体電解質としては、例えば、下記式(A)で示される組成を有する無機固体電解質が挙げられる。
a1b1c1d1e1 :式(A)
式(A)中、Lは、Li、Na、及びKからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表し、Liであることが好ましい。
式(A)中、Mは、B、Zn、Sn、Si、Cu、Ga、Sb、Al、及びGeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表し、B、Sn、Si、Al、又はGeであることが好ましく、Sn、Al、又はGeであることがより好ましい。
式(A)中、Aは、I、Br、Cl、及びFからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表し、I、又はBrであることが好ましく、Iであることがより好ましい。
式(A)中、a1は、1~12を表し、1~9であることが好ましく、1.5~4であることがより好ましい。
式(A)中、b1は、0~1を表し、0~0.5であることがより好ましい。
式(A)中、c1は、1を表す。
式(A)中、d1は、2~12を表し、3~7であることが好ましく、3.25~4.5であることがより好ましい。
式(A)中、e1は、0~5を表し、0~3であることが好ましく、0~1であることがより好ましい。
式(A)中、b1、及びe1が0であることが好ましく、b1、及びe1が0であり、かつ、a1、c1、及びd1の比(すなわち、a1:c1:d1)が、1~9:1:3~7であることがより好ましく、b1、及びe1が0であり、かつ、a1、c1、及びd1の比(すなわち、a1:c1:d1)が、1.5~4:1:3.25~4.5であることが特に好ましい。
各元素の組成比は、例えば、硫化物系無機固体電解質を製造する際の原料化合物の配合量を調整することにより制御できる。
硫化物系無機固体電解質は、非結晶(ガラス)であってもよく、結晶化(ガラスセラミックス化)していてもよく、又は一部のみが結晶化していてもよい。上記のような硫化物系無機固体電解質としては、例えば、Li、P、及びSを含有するLi-P-S系ガラス、並びにLi、P、及びSを含有するLi-P-S系ガラスセラミックスが挙げられる。上記の中でも、硫化物系無機固体電解質は、Li-P-S系ガラスであることが好ましい。
硫化物系無機固体電解質のリチウムイオン伝導度は、1×10-4S/cm以上であることが好ましく、1×10-3S/cm以上であることがより好ましい。硫化物系無機固体電解質のリチウムイオン伝導度の上限は、制限されない。硫化物系無機固体電解質のリチウムイオン伝導度は、例えば、1×10-1S/cm以下であることが実際的である。
硫化物系無機固体電解質は、例えば、(1)硫化リチウム(LiS)と硫化リン(例えば、五硫化二燐(P))との反応、(2)硫化リチウムと単体燐及び単体硫黄の少なくとも一方との反応、又は(3)硫化リチウムと硫化リン(例えば、五硫化二燐(P))と単体燐及び単体硫黄の少なくとも一方との反応により製造できる。
Li-P-S系ガラス、及びLi-P-S系ガラスセラミックスの製造における、LiSとPとのモル比(LiS:P)は、65:35~85:15であることが好ましく、68:32~77:23であることがより好ましい。LiSとPとのモル比を上記範囲にすることにより、リチウムイオン伝導度をより高めることができる。
硫化物系無機固体電解質としては、例えば、LiSと、第13族~第15族の元素の硫化物とを含む原料組成物を用いてなる化合物が挙げられる。原料組成物としては、例えば、LiS-P、LiS-LiI-P、LiS-LiI-LiO-P、LiS-LiBr-P、LiS-LiO-P、LiS-LiPO-P、LiS-P-P、LiS-P-SiS、LiS-P-SnS、LiS-P-Al、LiS-GeS、LiS-GeS-ZnS、LiS-Ga、LiS-GeS-Ga、LiS-GeS-P、LiS-GeS-Sb、LiS-GeS-Al、LiS-SiS、LiS-Al、LiS-SiS-Al、LiS-SiS-P、LiS-SiS-P-LiI、LiS-SiS-LiI、LiS-SiS-LiSiO、LiS-SiS-LiPO、及びLi10GeP12が挙げられる。上記の中でも、原料組成物は、高いリチウムイオン伝導度の観点から、LiS-P、LiS-GeS-Ga、LiS-SiS-P、LiS-SiS-LiSiO、LiS-SiS-LiPO、LiS-LiI-LiO-P、LiS-LiO-P、LiS-LiPO-P、LiS-GeS-P、又はLi10GeP12であることが好ましく、LiS-P、Li10GeP12、又はLiS-P-SiSであることがより好ましい。
上記した原料組成物を用いて硫化物系無機固体電解質を製造する方法としては、例えば、非晶質化法が挙げられる。非晶質化法としては、例えば、メカニカルミリング法、及び溶融急冷法が挙げられる。上記の中でも、常温での処理が可能となり、また、製造工程の簡略化を図ることができる観点から、メカニカルミリング法が好ましい。
-酸化物系無機固体電解質-
酸化物系無機固体電解質は、酸素原子(O)を含み、周期律表における第1族又は第2族に属する金属元素のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有することが好ましい。
酸化物系無機固体電解質のイオン伝導度は、1×10-6S/cm以上であることが好ましく、5×10-6S/cm以上であることがより好ましく、1×10-5S/cm以上であることが特に好ましい。酸化物系無機固体電解質のイオン伝導度の上限は、制限されない。酸化物系無機固体電解質のイオン伝導度は、例えば、1×10-1S/cm以下であることが実際的である。
酸化物系無機固体電解質としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。ただし、酸化物系無機固体電解質は、以下の化合物に制限されない。
(1)LixaLayaTiO(以下、「LLT」という。xaは0.3≦xa≦0.7を満たし、yaは0.3≦ya≦0.7を満たす。)
(2)LixbLaybZrzbbb mbnb(MbbはAl、Mg、Ca、Sr、V、Nb、Ta、Ti、Ge、In、及びSnからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。xbは5≦xb≦10を満たし、ybは1≦yb≦4を満たし、zbは1≦zb≦4を満たし、mbは0≦mb≦2を満たし、nbは5≦nb≦20を満たす。)
(3)Lixcyccc zcnc(MccはC、S、Al、Si、Ga、Ge、In、及びSnからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。xcは0≦xc≦5を満たし、ycは0≦yc≦1を満たし、zcは0≦zc≦1を満たし、ncは0≦nc≦6を満たす。)
(4)Lixd(Al,Ga)yd(Ti,Ge)zdSiadmdnd(xdは1≦xd≦3を満たし、ydは0≦yd≦1を満たし、zdは0≦zd≦2を満たし、adは0≦ad≦1を満たし、mdは1≦md≦7を満たし、ndは3≦nd≦13を満たす。)
(5)Li(3-2xe)ee xeeeO(xeは0≦xe≦0.1を満たし、Meeは2価の金属原子を表し、Deeはハロゲン原子又は2種以上のハロゲン原子の組み合わせを表す。)
(6)LixfSiyfzf(xfは1≦xf≦5を満たし、yfは0<yf≦3を満たし、zfは1≦zf≦10を満たす。)
(7)Lixgygzg(xgは1≦xg≦3を満たし、ygは0<yg≦2を満たし、zgは1≦zg≦10を満たす。)
(8)LiBO
(9)LiBO-LiSO
(10)LiO-B-P
(11)LiO-SiO
(12)LiBaLaTa12
(13)LiPO(4-3/2w)(wはw<1を満たす。)
(14)LISICON(Lithium super ionic conductor)型結晶構造を有するLi3.5Zn0.25GeO
(15)ペロブスカイト型結晶構造を有するLa0.55Li0.35TiO
(16)NASICON(Natrium super ionic conductor)型結晶構造を有するLiTi12
(17)Li1+xh+yh(Al,Ga)xh(Ti,Ge)2-xhSiyh3-yh12(xhは0≦xh≦1を満たし、yhは0≦yh≦1を満たす。)
(18)ガーネット型結晶構造を有するLiLaZr12(以下、「LLZ」という。)
酸化物系無機固体電解質としては、Li、P、及びOを含むリン化合物も好ましい。Li、P、及びOを含むリン化合物としては、例えば、リン酸リチウム(LiPO)、リン酸リチウムの酸素の一部を窒素で置換したLiPON、及びLiPOD1(D1は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、及びAuからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。)が挙げられる。
酸化物系無機固体電解質としては、LiAON(Aは、Si、B、Ge、Al、C、及びGaからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。)も好ましい。
上記の中でも、酸化物系無機固体電解質は、LLT、LixbLaybZrzbbb mbnb(Mbb、xb、yb、zb、mb、及びnbは、上記のとおりである。)、LLZ、LiBO、LiBO-LiSO、又はLixd(Al,Ga)yd(Ti,Ge)zdSiadmdnd(xd、yd、zd、ad、md、及びndは、上記のとおりである。)であることが好ましく、LLT、LLZ、LAGP(Li1.5Al0.5Ge1.5(PO)、又はLATP([Li1.4TiSi0.42.612]-AlPO)であることがより好ましく、LLZであることが特に好ましい。
無機固体電解質は、粒子状であることが好ましい。
無機固体電解質の体積平均粒子径は、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。無機固体電解質の体積平均粒子径は、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
無機固体電解質の体積平均粒子径は、以下の方法により測定する。無機固体電解質と水(水に不安定な物質の体積平均粒子径を測定する場合はヘプタン)とを混合することによって、1質量%の無機固体電解質を含む分散液を調製する。1kHzの超音波を10分間照射した分散液を測定試料とする。レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、株式会社堀場製作所製のLA-920)を用いて、温度25℃の条件下でデータの取り込みを50回行い、体積平均粒子径を求める。測定用のセルには、石英セルを用いる。上記測定を5つの試料を用いて行い、測定値の平均を無機固体電解質の体積平均粒子径とする。その他の詳細な条件については、必要に応じて、「JIS Z 8828:2013」を参照する。
電極材料は、1種単独の無機固体電解質を含んでいてもよく、又は2種以上の無機固体電解質を含んでいてもよい。
電極材料が無機固体電解質を含む場合、無機固体電解質の含有量は、界面抵抗の低減、及び電池特性維持効果(例えばサイクル特性の向上)の観点から、電極材料の全固形分質量に対して、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが特に好ましい。同様の観点から、無機固体電解質の含有量は、電極材料の全固形分質量に対して、90質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが特に好ましい。
(バインダー)
電極材料は、電極材料同士の密着性の向上という観点から、バインダーを含むことが好ましい。バインダーとしては、有機ポリマーであれば制限されず、電池材料の正極又は負極において結着剤として用いられる公知のバインダーを利用できる。バインダーとしては、例えば、含フッ素樹脂、炭化水素系熱可塑性樹脂、アクリル樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。
含フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニレンジフルオリド(PVdF)、及びポリビニレンジフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合物(PVdF-HFP)が挙げられる。
炭化水素系熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素添加スチレンブタジエンゴム(HSBR)、ブチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエン、及びポリイソプレンが挙げられる。
アクリル樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸イソプロピル、ポリ(メタ)アクリル酸イソブチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸ヘキシル、ポリ(メタ)アクリル酸オクチル、ポリ(メタ)アクリル酸ドデシル、ポリ(メタ)アクリル酸ステアリル、ポリ(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸ベンジル、ポリ(メタ)アクリル酸グリシジル、ポリ(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、及び上記樹脂を形成するモノマーの共重合体が挙げられる。
バインダーとしては、例えば、ビニル系モノマーの共重合体も挙げられる。ビニル系モノマーの共重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル-アクリロニトリル共重合体、及び(メタ)アクリル酸ブチル-アクリロニトリル-スチレン共重合体が挙げられる。
バインダーの重量平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、20,000以上であることがより好ましく、50,000以上であることが特に好ましい。バインダーの重量平均分子量は、1,000,000以下であることが好ましく、200,000以下であることがより好ましく、100,000以下であることが特に好ましい。
バインダーにおける水分濃度は、質量基準で、100ppm以下であることが好ましい。
バインダーにおける金属濃度は、質量基準で、100ppm以下であることが好ましい。
電極材料は、1種単独のバインダーを含んでいてもよく、又は2種以上のバインダーを含んでいてもよい。
電極材料がバインダーを含む場合、バインダーの含有量は、界面抵抗の低減性、及びその維持性の観点から、電極材料の全固形分質量に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることが特に好ましい。バインダーの含有量は、電池性能の観点から、電極材料の全固形分質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが特に好ましい。
電極材料が、電極活物質、無機固体電解質、及びバインダーを含む場合、バインダーの質量に対する活物質及び無機固体電解質の合計質量の比([活物質の質量+無機固体電解質の質量]/[バインダーの質量])は、1,000~1であることが好ましく、500~2であることがより好ましく、100~10であることが特に好ましい。
(導電助剤)
電極材料は、活物質の電子伝導性の向上という観点から、導電助剤を含むことが好ましい。導電助剤としては、制限されず、公知の導電助剤を利用できる。特に、電極材料が正極活物質を含む場合、電極材料は、導電助剤を含むことが好ましい。
導電助剤としては、例えば、黒鉛(例えば、天然黒鉛、及び人造黒鉛)、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びファーネスブラック)、無定形炭素(例えば、ニードルコークス)、炭素繊維(例えば、気相成長炭素繊維、及びカーボンナノチューブ)、他の炭素質材料(例えば、グラフェン、及びフラーレン)、金属粉(例えば、銅粉、及びニッケル粉)、金属繊維(例えば、銅繊維、及びニッケル繊維)、及び導電性高分子(例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、及びポリフェニレン誘導体)が挙げられる。
上記の中でも、導電助剤は、炭素繊維、及び金属繊維からなる群より選択される少なくとも1種の導電助剤であることが好ましい。
導電助剤の形状としては、例えば、繊維状、針状、筒状、ダンベル状、円盤状、及び楕円球状が挙げられる。上記の中でも、導電助剤の形状は、活物質の電子伝導性の向上という観点から、繊維状であることが好ましい。
導電助剤のアスペクト比は、1.5以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。導電助剤のアスペクト比が1.5以上であることで、電極活物質の電子伝導性を向上させることができるため、電池の出力特性を向上させることができる。
導電助剤のアスペクト比は、10,000以下であることが好ましく、5,000以下であることがより好ましく、1,000以下であることが特に好ましい。さらに、導電助剤のアスペクト比は、500以下であることが好ましく、300以下であることがより好ましく、100以下であることが特に好ましい。導電助剤のアスペクト比が10,000以下であることで、導電助剤の分散性を向上させることができ、導電助剤が電極用成形体を突き抜けることによる短絡を効率的に防止できる。
導電助剤のアスペクト比は、以下の方法により測定する。走査型電子顕微鏡(SEM)(例えば、PHILIPS社製XL30)を用いて1000倍~3000倍の観察倍率で撮影した任意の3視野のSEM像を、BMP(ビットマップ)ファイルに変換する。画像解析ソフト(例えば、旭エンジニアリング株式会社製のIP-1000PCの統合アプリケーションである「A像くん」)を用いて50個の導電助剤の画像を取り込む。各導電助剤が重なることなく観察される状態で、各導電助剤の長さの最大値と最小値とを読み取る。「導電助剤の長さの最大値」とは、導電助剤の外周のある点から他の点までの線分のうち、長さが最大となる線分の長さ(すなわち長軸長)を意味する。「導電助剤の長さの最小値」とは、導電助剤の外周のある点から他の点までの線分であって、上記最大値を示す線分と直交する線分のうち、長さが最小となる線分の長さ(すなわち短軸長)を意味する。50個の各導電助剤の長さの最大値(長軸長)のうち、上位5点及び下位5点を除く40点の平均値(A)を求める。次に、50個の各導電助剤の長さの最小値(短軸長)のうち、上位5点及び下位5点を除く40点の平均値(B)を求める。平均値(A)を平均値(B)で除することによって、導電助剤のアスペクト比を算出する。
導電助剤の短軸長は、10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。
導電助剤の短軸長は、1nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましく、5nm以上であることが特に好ましい。
導電助剤の短軸長は、導電助剤のアスペクト比の測定方法において算出される50個の各導電助剤の長さの最小値である。
導電助剤の短軸長の平均値は、8μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることが特に好ましい。
導電助剤の短軸長の平均値は、1nm以上であることが好ましく、2nm以上であることがより好ましく、3nm以上であることが特に好ましい。
導電助剤の短軸長の平均値は、導電助剤のアスペクト比の測定方法において算出される50個の各導電助剤の長さの最小値(短軸長)のうち、上位1割(すなわち上位5点)及び下位1割(すなわち下位5点)を除いた各導電助剤の短軸長の平均値である。
電極材料は、1種単独の導電助剤を含んでいてもよく、又は2種以上の導電助剤を含んでいてもよい。
電極材料が導電助剤を含む場合、導電助剤の含有量は、活物質の電子伝導性の向上という観点から、電極材料の全固形分質量に対して、0質量%を超え10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%~8質量%であることがより好ましく、1質量%~7質量%であることが特に好ましい。
(リチウム塩)
電極材料は、電池性能の向上の観点から、リチウム塩を含むことが好ましい。リチウム塩としては、制限されず、公知のリチウム塩を利用できる。
リチウム塩としては、特開2015-088486号公報の段落0082~段落0085に記載のリチウム塩が好ましい。
電極材料は、1種単独のリチウム塩を含んでいてもよく、又は2種以上のリチウム塩を含んでいてもよい。
電極材料がリチウム塩を含む場合、リチウム塩の含有量は、電極材料の全固形分質量に対して、0.1質量%~10質量%であることが好ましい。
(分散剤)
電極材料は、分散剤を含むことが好ましい。電極材料が分散剤を含むことで、電極活物質、及び無機固体電解質のいずれか一方の濃度が高い場合における凝集を抑制できる。
分散剤としては、制限されず、公知の分散剤を利用できる。分散剤としては、分子量が200以上3,000未満の低分子又はオリゴマーからなり、下記官能基群(I)で示される官能基と、炭素数が8以上のアルキル基又は炭素数が10以上のアリール基と、を同一分子内に有する化合物が好ましい。
官能基群(I)は、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、シアノ基、スルファニル基、及びヒドロキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基であり、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、アルコキシシリル基、シアノ基、スルファニル基、及びヒドロキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基であることが好ましく、カルボキシ基、スルホン酸基、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基であることがより好ましい。
電極材料は、1種単独の分散剤を含んでいてもよく、又は2種以上の分散剤を含んでいてもよい。
電極材料が分散剤を含む場合、分散剤の含有量は、凝集防止と電池性能との両立の観点から、電極材料の全固形分質量に対して、0.2質量%~10質量%であることが好ましく、0.5質量%~5質量%であることがより好ましい。
(液体成分)
電極材料は、液体成分を含んでいてもよい。液体成分としては、例えば、電解液が挙げられる。
電解液としては、制限されず、公知の電解液を利用できる。電解液としては、例えば、電解質と、溶剤と、を含む電解液が挙げられる。具体的な電解液としては、例えば、電解質としてリチウム塩化合物と、溶剤としてカーボネート化合物と、を含む電解液が挙げられる。
リチウム塩化合物としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウムが挙げられる。電解液は、1種単独のリチウム塩化合物を含んでいてもよく、又は2種以上のリチウム塩化合物を含んでいてもよい。
カーボネート化合物としては、例えば、炭酸エチルメチル、炭酸エチレン、及び炭酸プロピレンが挙げられる。電解液は、1種単独のカーボネート化合物を含んでいてもよく、又は2種以上のカーボネート化合物を含んでいてもよい。
電解液に含まれる電解質としては、例えば、上記「無機固体電解質」の項において説明した材料も挙げられる。
電解液の成分として、例えば、イオン液体を用いてもよい。イオン液体は、電解質として用いても溶剤として用いてもよい。
電極材料における電解液の含有量は、電極材料の全質量に対して、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが特に好ましい。電極材料における電解液の含有量が30質量%以下であることで、電極材料を成形した際に電解液が滲み出ることを抑制することができる。
電極材料における電解液の含有量は、電池性能の向上の観点から、電極材料の全質量に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。
電極材料は、液体成分として、電解液の成分として含まれる溶剤以外の溶剤(以下、単に「溶剤」ともいう。)を含んでいてもよい。溶剤としては、例えば、アルコール化合物溶剤、エーテル化合物溶剤、アミド化合物溶剤、アミノ化合物溶剤、ケトン化合物溶剤、芳香族化合物溶剤、脂肪族化合物溶剤、及びニトリル化合物溶剤が挙げられる。
アルコール化合物溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1-プロピルアルコール、2-プロピルアルコール、2-ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,3-ブタンジオール、及び1,4-ブタンジオールが挙げられる。
エーテル化合物溶剤としては、例えば、アルキレングリコールアルキルエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、及びジオキサンが挙げられる。
アミド化合物溶剤としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、1-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、2-ピロリジノン、ε-カプロラクタム、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルプロパンアミド、及びヘキサメチルホスホリックトリアミドが挙げられる。
アミノ化合物溶剤としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、及びトリブチルアミンが挙げられる。
ケトン化合物溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びシクロヘキサノンが挙げられる。
芳香族化合物溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、及びキシレンが挙げられる。
脂肪族化合物溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、及びデカンが挙げられる。
ニトリル化合物溶剤としては、例えば、アセトニトリル、プロピロニトリル、及びイソブチロニトリルが挙げられる。
溶剤は、ニトリル化合物溶剤、芳香族化合物溶剤、及び脂肪族化合物溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の溶剤であることが好ましく、イソブチロニトリル、トルエン、及びヘプタンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤であることがより好ましく、トルエン、及びヘプタンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤であることが特に好ましい。
溶剤の沸点は、常圧(すなわち1気圧)において、50℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。溶剤の沸点は、常圧(すなわち1気圧)において、250℃以下であることが好ましく、220℃以下であることがより好ましい。
電極材料は、1種単独の溶剤を含んでいてもよく、又は2種以上の溶剤を含んでいてもよい。
電極材料における溶剤(電解液の成分として含まれる溶剤を含む。以下、本段落において同じ。)の含有量は、電極材料の全質量に対して、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが特に好ましい。電極材料における溶剤の含有量が30質量%以下であることで、電池性能の劣化を抑制することができ、また、電極材料を成形した際に溶剤が滲み出ることを抑制することができる。電極材料における溶剤の含有量の下限は、制限されない。電極材料における溶剤の含有量は、0質量%以上の範囲で決定すればよい。電極材料における溶剤の含有量は、0質量であってもよく、又は0質量%を超えてもよい。
電極材料における液体成分の含有量は、電極材料の全質量に対して、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが特に好ましい。電極材料における液体成分の含有量が30質量%以下であることで、電極材料を成形した際に液体成分が滲み出ることを抑制することができる。また、液体成分が溶剤を含む場合には、電池性能の劣化を抑制することができる。電極材料における液体成分の含有量の下限は、制限されない。電極材料における液体成分の含有量は、0質量%以上の範囲で決定すればよい。電極材料における液体成分の含有量は、0質量であってもよく、又は0質量%を超えてもよい。
上記の他、電極材料としては、例えば、以下の材料を用いることもできる。
(1)特開2017-104784号公報の段落0029~段落0037に記載の造粒体。
(2)特開2016-059870号公報の段落0054に記載の正極合剤塗料。
(3)特開2016-027573号公報の段落0017~段落0070に記載の複合粒子。
(4)特許第6402200号公報の段落0020~段落0033に記載の複合粒子。
(5)特開2019-046765号公報の段落0040~段落0065に記載の電極組成物。
(6)特開2017-054703号公報の段落0080~段落0114に記載の材料(例えば、活物質、正極スラリー、及び負極スラリー)。
(7)特開2014-198293号公報に記載の粉体。
(8)特開2016-062654号公報の段落0024~段落0025、段落0028、及び段落0030~段落0032に記載の活物質、バインダー、及び複合粒子。
(形状)
電極材料の形状は、制限されない。電極材料は、電池性能の観点から、粒子状の電極材料(すなわち、粉体)であることが好ましい。
(電極材料の調製方法)
電極材料は、例えば、電極活物質と、必要に応じて、電極活物質以外の上記成分と、を混合することによって調製できる。混合方法としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、プラネタリミキサー、ブレードミキサー、ロールミル、ニーダー、又はディスクミルを用いる方法が挙げられる。
<<凸部形成工程>>
本開示に係る電極用成形体の製造方法は、支持体上に電極材料を供給して、上記支持体上に上記支持体の幅方向に並んで配置される、上記電極材料を含む少なくとも2つの凸部を形成する工程(凸部形成工程)を含む。本開示に係る電極用成形体の製造方法が凸部形成工程を含むことで、凸部を形成する電極材料の流動性を大きくすることができるため、質量分布の均一性に優れる電極用成形体を製造することができる。
本開示において、「凸部」とは、支持体表面に沿い、かつ、支持体の幅方向に直交する方向(すなわち、支持体の長さ方向)から見た断面視において、支持体とは反対側の方向(すなわち、支持体から離間する方向)に突出する部分を意味する。断面視は、支持体の幅方向に沿ってレーザー変位計を用いて測定される高さ分布を利用してもよい。高さ分布によれば、測定面の表面形状を表す線(以下、「輪郭線」という。)によって断面形状を確認することができる。高さ分布は、レーザー変位計(例えば、LK-G5000、株式会社キーエンス製。以下同じ。)を用いて、支持体の幅方向に沿って0.1mm間隔で、支持体の表面、及び支持体上の電極材料の表面にレーザーを照射することによって測定する。
本開示において、「支持体の幅方向に並んで配置される少なくとも2つの凸部」とは、支持体表面に沿い、かつ、支持体の幅方向に直交する方向(すなわち、支持体の長さ方向)から見た断面視において、少なくとも2つの凸部が、支持体の幅方向において隣り合って配置されることを意味する。断面視は、支持体の幅方向に沿ってレーザー変位計を用いて測定される高さ分布を利用してもよい。高さ分布は、既述の方法によって測定する。
[支持体]
支持体としては、制限されず、公知の支持体を利用できる。支持体の材料としては、例えば、金属、及び樹脂が挙げられる。
金属としては、例えば、アルミニウム、及びステンレス鋼が挙げられる。金属を含む支持体としては、金属箔が好ましい。
樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリエチレンナフタレートが挙げられる。樹脂を含む支持体としては、樹脂フィルムが好ましい。
支持体は、紙であってもよい。紙としては、例えば、離型紙が挙げられる。
支持体は、集電体であってもよい。支持体が集電体であることで、電極材料を集電体上に容易に配置することができ、さらに、生産性を向上させることもできる。集電体としては、制限されず、公知の集電体を利用できる。
正極集電体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、及びチタンが挙げられる。正極集電体は、アルミニウム、又はアルミニウム合金であることが好ましい。正極集電体は、表面にカーボン、ニッケル、チタン、若しくは銀を含む被覆層を有する、アルミニウム、又はステンレス鋼であることも好ましい。
負極集電体としては、例えば、アルミニウム、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、及びチタンが挙げられる。負極集電体は、アルミニウム、銅、銅合金、又はステンレス鋼であることが好ましく、銅、又は銅合金であることがより好ましい。負極集電体は、表面にカーボン、ニッケル、チタン、若しくは銀を含む被覆層を有する、アルミニウム、銅、銅合金、又はステンレス鋼であることも好ましい。
集電体としては、アルミニウム箔、又は銅箔であることが好ましい。アルミニウム箔は、通常、正極における集電体として利用される。銅箔は、通常、負極における集電体として利用される。
支持体は、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、シリコーンコーティング、及びフッ素コーティングが挙げられる。
支持体の形状は、制限されない。支持体の形状は、平板状であることが好ましい。
支持体の厚さは、制限されない。支持体の平均厚さは、大面積の可能性の観点から、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることが特に好ましい。支持体の平均厚さは、柔軟性、及び軽量性の観点から、500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることが特に好ましい。支持体の平均厚さは、断面観察によって測定される3か所の厚さの算術平均とする。断面観察において、公知の顕微鏡(例えば、走査型電子顕微鏡)を用いることができる。
[電極材料の供給方法]
凸部形成工程においては、支持体上に電極材料を供給する。支持体上に電極材料を供給する方法としては、制限されず、公知の方法を利用できる。支持体上に電極材料を供給する方法としては、例えば、供給装置を用いる方法が挙げられる。
供給装置としては、例えば、スクリューフィーダー、ディスクフィーダー、ロータリーフィーダー、及びベルトフィーダーが挙げられる。供給装置は、供給量の精度の観点から、ディスクフィーダーであることが好ましい。例えば、ディスクフィーダーの吐出口の開口面積を大きくすることで、供給量の精度を向上させることができる。
供給装置において電極材料と接触する部分は、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、シリコーンコーティング、及びフッ素コーティングが挙げられる。表面処理は、コロナ処理であってもよい。
支持体上に電極材料を供給する方法としては、吐出口から電極材料を吐出することによって、支持体上に電極材料を供給する方法も挙げられる。凸部形成工程において、支持体の幅方向に並んで配置される少なくとも2つの吐出口から電極材料を吐出することによって、支持体上に電極材料を供給することが好ましい。吐出口から電極材料を吐出することで、例えば、支持体上に形成される凸部の数、位置、及び間隔を容易に制御することができる。以下、「吐出口」との用語は、特に明示がない限り、単数又は複数の吐出口を意味する。
「支持体の幅方向に並んで配置される少なくとも2つの吐出口」とは、平面視において、全ての吐出口が、支持体の幅方向に沿って直線状に配置される場合に限られず、支持体の幅方向に並んで配置される少なくとも2つの凸部を形成するために許容される範囲において、基準となる1つの吐出口の位置に対して、他の吐出口の位置が、支持体の長さ方向及び支持体の厚さ方向の少なくとも一方の方向に変化している場合を含む。例えば、支持体の幅方向に並んで配置される2つの凸部を形成することができる範囲であれば、複数の吐出口は、支持体の幅方向を基準にして、支持体の長さ方向に互いにずれて配置されていてもよく、又は支持体の厚さ方向に互いにずれて配置されていてもよい。具体的に、平面視において、複数の吐出口は、支持体の幅方向に直線的に並んで配置されていてもよく、又は千鳥状に配置されていてもよい。
吐出口は、支持体から離間して配置されることが好ましい。
吐出口の数は、少なくとも3つ(3以上)であることが好ましく、少なくとも4つ(4以上)であることがより好ましく、少なくとも6つ(6以上)であることがさらに好ましく、少なくとも8つ(8以上)であることが特に好ましい。吐出口の数が少なくとも3つであることで、幅方向における電極用成形体の質量分布の均一性を向上させることができる。吐出口の数の上限は、制限されず、例えば、支持体の幅、吐出口の間隔、及び吐出量に応じて決定すればよい。吐出口の数は、例えば、10以下であることが好ましい。
吐出口の数が複数である場合、支持体の幅方向における吐出口の間隔は、10mm~40mmの範囲であることが好ましい。吐出口の間隔が10mm以上であることで、凸部を均す際に必要な圧力を低減することができるため、工程汚染を防止することができる。吐出口の間隔が40mm以下であることで、幅方向における電極用成形体の質量分布の均一性を向上させることができる。支持体の幅方向における吐出口の間隔は、以下の方法によって測定する。平面視において、支持体の幅方向に直交する方向に平行で、かつ、吐出口の中心部を通る直線を引いた場合に、支持体の幅方向において隣り合う2直線間の距離を、「支持体の幅方向における吐出口の間隔」とする。
支持体の幅方向における吐出口の間隔は、生産性の向上、及び工程汚染の防止の観点から、15mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがより好ましい。
支持体の幅方向における吐出口の間隔は、幅方向における電極用成形体の質量分布の均一性の向上という観点から、35mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましい。
吐出口の数が複数である場合、支持体の幅方向における吐出口の間隔の平均値は、生産性の向上、工程汚染の防止、及び幅方向における電極用成形体の質量分布の均一性という観点から、10mm~40mmであることが好ましく、15mm~40mmであることがより好ましく、15mm~30mmであることが特に好ましい。支持体の幅方向における吐出口の間隔の平均値は、既述の方法によって測定される「支持体の幅方向における吐出口の間隔」を算術平均することによって算出する。
支持体の幅方向における吐出口の間隔は、等間隔であることが好ましい。吐出口の間隔が等間隔であることで、幅方向における電極用成形体の質量分布の均一性を向上させることができる。本開示において、「等間隔」とは、厳密に等間隔である場合に限られず、製造上許容される誤差を含むものとする。
吐出口から吐出される電極材料の量の変動係数は、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、4以下であることがさらに好ましく、2以下であることが特に好ましい。吐出口から吐出される電極材料の量の変動係数が10以下であることで、長さ方向における電極用成形体の質量分布の均一性を向上させることができる。吐出口から吐出される電極材料の量の変動係数の下限は、制限されない。吐出口から吐出される電極材料の量の変動係数は、例えば、0.01以上の範囲で決定すればよい。変動係数は、標準偏差を平均値で除することによって算出する。
支持体上に電極材料を供給する際、吐出口と支持体とを相対的に移動させながら、吐出口から電極材料を吐出することが好ましい。上記方法によって電極材料を供給することで、電極材料の分散性を向上させることができるため、電極用成形体の質量分布の均一性を向上させることができる。
本開示において、「吐出口と支持体とを相対的に移動させる」とは、支持体に対して吐出口を移動させること、吐出口に対して支持体を移動させること、及び吐出口と支持体とをそれぞれ移動させることを含む。吐出口と支持体とをそれぞれ移動させる場合、例えば、同一の方向軸に沿って互いに離間する方向に、吐出口と支持体とをそれぞれ移動させてもよい。凸部形成工程において、生産性の向上の観点から、吐出口に対して支持体を移動させることが好ましい。
支持体を移動させる手段としては、制限されず、公知の搬送手段を利用できる。支持体を移動させる手段としては、例えば、ベルトコンベア、リニアモーションガイド、及びクロスローラーテーブルが挙げられる。
吐出口から電極材料を吐出する方法において、吐出口を有する供給装置を用いてもよい。吐出口を有する供給装置を用いる場合、供給装置の吐出口から電極材料を吐出することができる。
吐出口は、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、シリコーンコーティング、及びフッ素コーティングが挙げられる。表面処理は、コロナ処理であってもよい。
吐出口は、電極材料の飛散による汚染を防止する観点から、電極材料の供給を制御する開閉機構を有することが好ましい。ここで、「開閉機構」とは、電極材料の流路を開閉できる可動機構を意味する。開閉機構に用いられる弁体としては、例えば、板状の弁体、及び球状の弁体が挙げられる。
供給装置を用いて電極材料を供給する場合、開閉機構は、供給装置から吐出口までの電極材料の流路に配置されることも好ましい。
電極材料の供給量は、安定性の観点から、0.01kg/分~100kg/分であることが好ましく、0.1kg/分~10kg/分であることがより好ましく、0.5kg/分~5kg/分であることが特に好ましい。吐出口の数が複数である場合、電極材料の供給量は、全ての吐出口から吐出される電極材料の量の合計を指す。
支持体への電極材料の供給量は、電池性能の観点から、10mg/cm~1,000mg/cmであることが好ましく、30mg/cm~700mg/cmであることがより好ましく、50mg/cm~500mg/cmであることが特に好ましい。
吐出口の数が少なくとも3つである場合、支持体の幅方向の両端側にそれぞれ配置される吐出口から吐出される電極材料の量は、支持体の幅方向の両端側以外に配置される吐出口から吐出される電極材料の量よりも少ないことが好ましい。支持体の幅方向の両端側にそれぞれ配置される吐出口から吐出される電極材料の量が支持体の幅方向の両端側以外に配置される吐出口から吐出される電極材料の量よりも少ないことで、幅方向における電極用成形体の質量分布の均一性を向上させることができる。
[凸部]
凸部は、支持体上に上記支持体の幅方向に並んで配置される。凸部は、支持体上に供給される電極材料によって形成される。凸部は、例えば、支持体上に電極材料を供給する際、支持体の幅方向において、支持体上に供給する電極材料の分布を制御することによって形成することができる。支持体の幅方向において、電極材料の供給量が相対的に多い領域には凸部が形成されやすい。上記したように、例えば、支持体の幅方向に並んで配置される少なくとも2つの吐出口から電極材料を吐出することで、凸部を容易に形成することができる。また、支持体上に電極材料を万遍なく供給した後、支持体の幅方向の任意の領域に存在する電極材料を除去することによって、凸部を形成してもよい。
凸部の断面形状は、上記のとおり、支持体とは反対側の方向(すなわち、支持体から離間する方向)に突出した形状であればよい。凸部の断面形状としては、例えば、半円状、及び台形状が挙げられる。ただし、凸部の断面形状は、上記した形状に制限されない。
支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部の最大高さHmax、及び最大高さHmaxを規定する2つの凸部の間において高さが最小となる地点の高さLは、0≦L/Hmax<1の関係を満たすことが好ましい。「L/Hmax」は、支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部に関して、凸部と、2つの凸部の間に形成される凹部との高低差を表す。Hmax、及びLが0≦L/Hmax<1の関係を満たすことで、幅方向における電極用成形体の質量分布の均一性を向上させることができる。なお、「L/Hmax」において、Hmaxの単位、及びLの単位は、同一とする。単位としては、例えば、mm(ミリメートル)が挙げられる。
「L/Hmax」の下限の好ましい範囲について説明する。Hmax、及びLは、0≦L/Hmaxの関係を満たすことが好ましく、0.2≦L/Hmaxの関係を満たすことがより好ましく、0.5≦L/Hmaxの関係を満たすことが特に好ましい。
「L/Hmax」の上限の好ましい範囲について説明する。Hmax、及びLは、L/Hmax<1の関係を満たすことが好ましく、L/Hmax<0.95の関係を満たすことがより好ましく、L/Hmax<0.9の関係を満たすことがさらに好ましく、L/Hmax<0.8の関係を満たすことが特に好ましい。
「L/Hmax」における「Hmax」は、以下に示すように、支持体の幅方向に沿って測定される高さ分布に基づいて測定する。まず、レーザー変位計を用いて、支持体の幅方向に沿って0.1mm間隔で、支持体の表面、及び支持体上の電極材料の表面にレーザーを照射することによって、高さ分布を測定する。次に、高さ分布において、隣り合う2つの凸部の高さをそれぞれ測定する。凸部の高さは、支持体の表面を基準面として測定する。すなわち、凸部の高さは、高さ分布において、支持体の表面から凸部の頂点(凸部の頂点を明確に特定できない場合、対象となる凸部の輪郭線において高さが最大となる部分をいう。以下同じ。)までの距離である。隣り合う2つの凸部のうち、一方の凸部の高さを「H1」とし、他方の凸部の高さを「H2」とする場合、「H1」、及び「H2」のうち、値が大きい方を「Hmax」とする。
「L/Hmax」における「L」は、以下に示すように、支持体の幅方向に沿って測定される高さ分布に基づいて測定する。まず、上記「Hmax」の測定方法に準ずる方法によって得られる高さ分布において、「Hmax」を規定する2つの凸部の間において高さが最小となる地点を特定する。高さ分布において、「Hmax」を規定する2つの凸部の間において高さが最小となる地点は、「Hmax」を規定する2つの凸部の頂点間をつなぐ輪郭線上に位置する。「Hmax」を規定する2つの凸部の間において高さが最小となる地点は、電極材料の表面に限られず、支持体の表面であってもよい。次に、高さ分布において、「Hmax」を規定する2つの凸部の間において高さが最小となる地点の高さを測定し、得られる値を「L」とする。「Hmax」を規定する2つの凸部の間において高さが最小となる地点の高さは、支持体の表面を基準面として測定する。すなわち、「Hmax」を規定する2つの凸部の間において高さが最小となる地点の高さは、支持体の表面から「Hmax」を規定する2つの凸部の間において高さが最小となる地点までの距離である。例えば、「Hmax」を規定する2つの凸部の間において高さが最小となる地点が支持体の表面である場合、「L/Hmax」の値は0となる。
「L/Hmax」を調節する方法としては、例えば、電極材料の供給量を調節する方法、及び凸部の間隔を調節する方法が挙げられる。
支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部の最大高さHmax、及び最大高さHmaxを規定する2つの凸部の間の距離Dは、1<Hmax/(D×0.5)の関係を満たすことが好ましく、1.1<Hmax/(D×0.5)の関係を満たすことがより好ましく、1.2<Hmax/(D×0.5)の関係を満たすことが特に好ましい。「Hmax/(D×0.5)」は、支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部の分布を表す。Hmax、及びDが、1<Hmax/(D×0.5)の関係を満たすことで、幅方向における電極用成形体の質量分布の均一性を向上させることができる。なお、「Hmax/(D×0.5)」において、Hmaxの単位、及びDの単位は、同一とする。単位としては、例えば、mm(ミリメートル)が挙げられる。
「Hmax/(D×0.5)」の上限の好ましい範囲について説明する。Hmax、及びDは、Hmax/(D×0.5)<2の関係を満たすことが好ましく、Hmax/(D×0.5)<1.8の関係を満たすことがより好ましく、Hmax/(D×0.5)<1.7の関係を満たすことが特に好ましい。Hmax、及びDが、Hmax/(D×0.5)<2の関係を満たすことで、生産性を向上させることができ、また、工程汚染を防止することもできる。
「Hmax/(D×0.5)」における「Hmax」は、「L/Hmax」における「Hmax」の測定方法に準ずる方法によって測定する。
「Hmax/(D×0.5)」における「D」は、以下に示すように、支持体の幅方向に沿って測定される高さ分布に基づいて測定する。まず、上記「Hmax」の測定方法に準ずる方法によって得られる高さ分布において、支持体の厚さ方向に平行で、かつ、「Hmax」を規定する2つの凸部(すなわち、支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部)の頂点をそれぞれ通る2つの直線を引く。次に、2つの直線間の距離を測定し、得られる値を「D」とする。なお、「D」の測定において、凸部の頂点を明確に特定できない場合(例えば、凸部の形状が台形である場合をいう。)、凸部の頂点は、対象となる凸部の輪郭線において高さが最大となる部分の中間地点とする。例えば、凸部の形状が台形である場合、台形の1組の相対する平行な2つの辺のうち上方にある辺の中間地点を凸部の頂点とする。
「Hmax/(D×0.5)」を調節する方法としては、例えば、電極材料の供給量を調節する方法、及び凸部の間隔を調節する方法が挙げられる。
凸部の数は、少なくとも3つ(3以上)であることが好ましく、少なくとも4つ(4以上)であることがより好ましく、少なくとも6つ(6以上)であることがさらに好ましく、少なくとも8つ(8以上)であることが特に好ましい。凸部の数が少なくとも3つであることで、幅方向における電極用成形体の質量分布の均一性を向上させることができる。凸部の数の上限は、制限されず、例えば、支持体の幅、及び凸部の間隔に応じて決定すればよい。凸部の数は、例えば、10以下であることが好ましい。
支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部は、互いに接触していてもよく、又は互いに分離していてもよい。
凸部形成工程において、支持体の幅方向に沿って所定の間隔で凸部を形成することが好ましい。支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部の間の距離は、10mm~40mmの範囲であることが好ましい。支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部の間の距離が10mm以上であることで、凸部を均す際に必要な圧力を低減することができるため、工程汚染を防止することができる。支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部の間の距離が40mm以下であることで、幅方向における電極用成形体の質量分布の均一性を向上させることができる。支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部の間の距離は、上記「最大高さHmaxを規定する2つの凸部の間の距離D」の算出方法に準ずる方法によって測定する。
支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部の間の距離は、生産性の向上、及び工程汚染の防止の観点から、15mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがより好ましい。
支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部の間の距離は、幅方向における電極用成形体の質量分布の均一性の向上という観点から、35mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましい。
支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部の間の距離の平均値は、生産性の向上、工程汚染の防止、及び幅方向における電極用成形体の質量分布の均一性という観点から、10mm~40mmであることが好ましく、15mm~40mmであることがより好ましく、15mm~30mmであることが特に好ましい。支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部の間の距離の平均値は、既述の方法によって測定される「支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部の間の距離」を算術平均することによって算出する。
凸部形成工程において、支持体の幅方向に沿って等間隔に凸部を形成することが好ましい。すなわち、支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部の間の距離は、等間隔であることが好ましい。支持体の幅方向において隣り合う2つの凸部の間の距離が等間隔であることで、幅方向における電極用成形体の質量分布の均一性を向上させることができる。
凸部を形成する工程において、凸部を、平面視で支持体の幅方向に直交する方向(すなわち、支持体の長さ方向)に延びる帯状に形成することが好ましい。ここで、「平面視で支持体の幅方向に直交する方向」における「直交」との用語は、厳密に直交である場合に限られず、略直交を含む。「略直交」とは、90°±3°で交わることを意味する。凸部を形成する工程において、凸部を、平面視で支持体の幅方向に直交する方向に延びる帯状に形成することで、支持体上に凸部を畝のように形成することができるため、幅方向及び長さ方向における電極材料の均一性を向上させることができる。凸部を帯状に形成する方法としては、例えば、支持体の幅方向に直交する方向に支持体を搬送しながら、支持体上に電極材料を供給する方法が挙げられる。吐出口から電極材料を吐出する場合、吐出口と支持体とを相対的に移動させながら、支持体上に電極材料を供給する方法も挙げられる。
[飛散防止部材]
支持体上に電極材料を供給する際、電極材料の飛散を防止する飛散防止部材(以下、単に「飛散防止部材」という場合がある。)を用いることが好ましい。また、吐出口から電極材料を吐出する際、吐出口と支持体との間に配置される飛散防止部材を用いることが好ましい。飛散防止部材を用いることで、工程汚染を防止することができる。本開示において、「電極材料の飛散を防止する」とは、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、電極材料の飛散を軽減することを意味し、電極材料の飛散を完全に防ぎ止めることに限られない。
飛散防止部材の材料としては、例えば、樹脂、及び金属が挙げられる。
金属としては、例えば、ステンレス鋼、銅、及びアルミニウムが挙げられる。
樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及びポリエチレンが挙げられる。
飛散防止部材は、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、シリコーンコーティング、及びフッ素コーティングが挙げられる。表面処理は、コロナ処理であってもよい。
飛散防止部材の形状は、制限されない。飛散防止部材は、電極材料の飛散を軽減する観点から、支持体の厚さ方向に延びていることが好ましい。飛散防止部材の形状は、枠状であることが好ましい。飛散防止部材の形状が枠状である場合、例えば、飛散防止部材の枠内を通過するように支持体上に電極材料を供給することで、電極材料の飛散を防止することができる。
飛散防止部材の高さは、制限されず、例えば、10mm~500mmの範囲で決定すればよい。飛散防止部材の高さは、25mm~400mmの範囲であることが好ましく、50mm~300mmの範囲であることがより好ましく、100mm~200mmの範囲であることが特に好ましい。
飛散防止部材は、支持体上に電極材料を供給する際に電極材料を仮受けすることができる部材であってもよい。支持体上に電極材料を供給する際に、電極材料を飛散防止部材で仮受けすること(すなわち、電極材料を、飛散防止部材で一時的に受けてから支持体上に供給すること)で、長さ方向における電極材料の均一性を向上させることができる。
凸部形成工程において、後述する移動規制部材を用いる場合、飛散防止部材は、支持体の幅方向の両端側にそれぞれ配置される移動規制部材よりも内側に配置されることが好ましい。
[移動規制部材]
凸部形成工程において、支持体の幅方向の両端側にそれぞれ配置され、支持体の幅方向における電極材料の移動を規制する移動規制部材(以下、単に「移動規制部材」という場合がある。)を用いることが好ましい。凸部形成工程において移動規制部材を用いることで、電極材料の飛散を防止することができるため、工程汚染を防止することができる。本開示において、「支持体の幅方向における電極材料の移動を規制する」とは、移動規制部材を基準にして支持体の幅方向の内側から外側へ電極材料が移動することを規制することを意味する。
凸部形成工程において移動規制部材を用いる場合、通常、支持体の幅方向の両端側にそれぞれ配置される移動規制部材間に位置する支持体上に電極材料を供給する。
移動規制部材の材料としては、例えば、樹脂、及び金属が挙げられる。
金属としては、例えば、ステンレス鋼、銅、及びアルミニウムが挙げられる。
樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及びポリエチレンが挙げられる。
移動規制部材は、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、シリコーンコーティング、及びフッ素コーティングが挙げられる。表面処理は、コロナ処理であってもよい。
移動規制部材の形状は、制限されない。支持体の幅方向の両端側にそれぞれ配置される移動規制部材は、支持体の長さ方向に延びていることが好ましい。支持体の幅方向両端の一方に配置される移動規制部材の端部と、支持体の幅方向両端の他方に配置される移動規制部材の端部とは、互いに連結していてもよい。一方の移動規制部材の端部と他方の移動規制部材の端部とを連結させることで、例えば、平面視において、U字状の移動規制部材、又は枠状の移動規制部材を形成できる。
移動規制部材の形状は、枠状であることが好ましい。具体的に、凸部形成工程において、支持体上に又は支持体の外周に沿って配置され、支持体の幅方向及び支持体の幅方向に直交する方向における電極材料の移動を規制する枠状の移動規制部材を用いることが好ましい。本開示において、「支持体の幅方向に直交する方向における電極材料の移動を規制する」とは、移動規制部材を基準にして支持体の幅方向に直交する方向の内側から外側へ電極材料が移動することを規制することを意味する。移動規制部材の形状が枠状であることで、移動規制部材の枠内の内側から外側へ電極材料が移動することを抑制することができる。
移動規制部材の高さは、制限されず、例えば、0.01mm~5mmの範囲で決定すればよい。移動規制部材の高さは、0.01mm~2mmの範囲であることが好ましく、0.1mm~1mmの範囲であることがより好ましく、0.2mm~1.0mmの範囲であることが特に好ましい。
<<均し工程>>
本開示に係る電極用成形体の製造方法は、支持体上の凸部を均す工程(均し工程)を含む。本開示に係る電極用成形体の製造方法が均し工程を含むことで、質量分布の均一性に優れる電極用成形体を製造することができる。本開示において、「凸部を均す」とは、質量分布の均一性を向上させるために必要な範囲で電極材料表面の凹凸を少なくすることを意味し、電極材料表面を完全に平らにすることに限られない。
支持体上の凸部を均す方法としては、制限されず、公知の方法を利用できる。凸部を均す方法としては、例えば、均し部材を用いる方法が挙げられる。例えば、均し部材を凸部に接触させることによって、凸部を均すことができる。
均し部材としては、例えば、ロール、プレス、スクレーパー、及び板状の部材(例えば、スキージ)が挙げられる。上記の中でも、均し部材は、連続性の観点から、ロールであることが好ましい。均し部材は、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、シリコーンコーティング、及びフッ素コーティングが挙げられる。
均し部材の温度は、制限されない。均し部材の温度は、例えば、10℃~50℃の範囲で決定すればよい。均し部材が温度調節手段を有する場合、均し部材の温度は、温度調節手段によって調節される均し部材の設定温度を指す。均し部材が温度調節手段を有しない場合、均し部材の温度は、均し部材の表面温度を指す。
均し工程において、凸部と均し部材とを相対的に移動させてもよい。例えば、凸部と均し部材とを相対的に移動させながら、支持体上の凸部を均すことができる。本開示において、「凸部と均し部材とを相対的に移動させる」とは、凸部に対して均し部材を移動させること、均し部材に対して凸部を移動させること、及び凸部と均し部材とをそれぞれ移動させることを含む。凸部と均し部材とをそれぞれ移動させる場合、同一の方向軸に沿って互いに離間する方向に、凸部と均し部材とをそれぞれ移動させることが好ましい。
均し工程において、支持体の幅方向の両端側にそれぞれ配置され、支持体の幅方向における電極材料の移動を規制する移動規制部材を用いることが好ましい。凸部形成工程において移動規制部材を用いることで、支持体の幅方向における電極材料の質量分布の均一性を向上させることができる。移動規制部材としては、例えば、上記「凸部形成工程」の項において説明した移動規制部材が挙げられ、好ましい態様も同様である。
凸部形成工程において、支持体上又は支持体の外周に沿って配置され、支持体の幅方向及び支持体の幅方向に直交する方向における電極材料の移動を規制する枠状の移動規制部材を用いることが好ましい。凸部形成工程において枠状の移動規制部材を用いることで、支持体の幅方向及び支持体の幅方向に直交する方向における電極材料の質量分布の均一性を向上させることができる。
<<加圧工程>>
本開示に係る電極用成形体の製造方法は、電極材料を加圧する工程(以下、「加圧工程」ともいう。)を含むことが好ましい。本開示に係る電極用成形体の製造方法が加圧工程を含むことで、電極用成形体の質量分布の均一性を向上させることができる。
本開示に係る電極用成形体の製造方法は、均し工程後に、加圧工程を含むことが好ましい。
電極材料を加圧する方法としては、制限されず、公知の方法を利用できる。電極材料を加圧する方法としては、例えば、加圧部材を用いる方法が挙げられる。
加圧部材としては、例えば、ロール、ベルト、及びプレスが挙げられる。
加圧部材は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。加圧工程において、例えば、1対のロールを用いてもよく、ロールとベルトとを組み合わせて用いてもよく、又は2つのベルトを用いてもよい。
加圧工程において、複数のロールを用いて、電極材料を段階的に加圧することが好ましい。複数のロールを用いて電極材料を段階的に加圧することで、電極材料の密度分布をより均一にできるため、成形性に優れる電極用成形体を得ることができる。例えば、ロール間の隙間を段階的に狭く調整した複数のロールを用いることで、電極材料を段階的に加圧できる。
圧力は、1MPa~1GPaであることが好ましく、5MPa~500MPaであることがより好ましく、10MPa~300MPaであることが特に好ましい。
<<被覆工程>>
本開示に係る電極用成形体の製造方法は、電極材料の支持体(上記「支持体」の項で説明した支持体をいう。)が配置される面とは反対側の面に他の支持体(以下、「第2の支持体」という。)を配置する工程(以下、「被覆工程」という場合がある。)を含んでいてもよい。本開示に係る電極用成形体の製造方法が被覆工程を含む場合、上記「支持体」の項で説明した支持体を「第1の支持体」という。
本開示に係る電極用成形体の製造方法は、均し工程後に、被覆工程を含むことが好ましい。本開示に係る電極用成形体の製造方法が加圧工程を含む場合、均し工程は、加圧工程の前に実施されてもよく、又は加圧工程の後に実施されてもよい。
第2の支持体としては、例えば、上記「支持体」の項において説明した支持体が挙げられる。
第2の支持体の形状は、制限されない。第2の支持体の形状は、平板状であることが好ましい。
第2の支持体の厚さは、制限されない。第2の支持体の平均厚さは、自己支持性、搬送性、及び貫通耐性の観点から、1μm~500μmであることが好ましく、3μm~300μmであることがより好ましく、5μm~200μmであることが特に好ましい。第2の支持体の平均厚さは、断面観察によって測定される3か所の厚さの算術平均とする。断面観察において、公知の顕微鏡(例えば、走査型電子顕微鏡)を用いることができる。
<<転写工程>>
本開示に係る電極用成形体の製造方法は、均し工程後に、電極材料を他の支持体(第2の支持体)上に転写する工程(以下、「転写工程」という場合がある。)を含んでいてもよい。本開示において、「電極材料を他の支持体上に転写する」とは、電極材料を他の支持体上に配置することを意味する。本開示に係る電極用成形体の製造方法が転写工程を含む場合、上記「支持体」の項で説明した支持体を「第1の支持体」という。
本開示に係る電極用成形体の製造方法が加圧工程を含む場合、本開示に係る電極用成形体の製造方法は、加圧工程後に、転写工程を含むことが好ましい。本開示に係る電極用成形体の製造方法が被覆工程を含む場合、本開示に係る電極用成形体の製造方法は、被覆工程後に、転写工程を含むことが好ましい。
転写工程においては、例えば、第1の支持体、及び電極材料の位置関係を上下に反転させながら、電極材料と第2の支持体とを接触させることで、電極材料を第2の支持体上に転写することができる。本開示に係る電極用成形体の製造方法が被覆工程を含む場合、例えば、第1の支持体、電極材料、及び第2の支持体の位置関係を上下に反転させることによって、電極材料を第2の支持体上に転写することができる。
転写工程において用いられる他の支持体(第2の支持体)は、上記「被覆工程」の項において説明した第2の支持体と同義であり、好ましい態様も同様である。
次に、本開示に係る電極用成形体の製造方法について図面を参照して説明する。図1は、本開示に係る電極用成形体の製造方法の一例を示す概略図である。図2は、図1のI-I線に沿う支持体及び凸部の概略断面図である。
図1においては、製造設備として、吐出口10、飛散防止部材40、移動規制部材50、移動規制部材51、及び均しロール60が用いられる。
図1において、4つの吐出口10は、それぞれ、電極材料20を吐出し、支持体30上に電極材料20を供給する。4つの吐出口10は、支持体30から離間し、かつ、支持体30の幅方向Xに並んで配置される。4つの吐出口10は、4台の供給装置(不図示)にそれぞれ連結している。
電極材料20は、電極活物質を含む。
支持体30は、支持体30の長さ方向Yの右側へ搬送される。
飛散防止部材40は、電極材料20の飛散を防止することができる。飛散防止部材40は、吐出口10と支持体30との間に配置される。飛散防止部材40は、支持体30の厚さ方向Zに、支持体30から吐出口10に向かって延びる4つの壁部を有する。すなわち、飛散防止部材40の形状は、枠状である。
移動規制部材50、及び移動規制部材51は、支持体30の幅方向Xにおける電極材料20の移動(電極材料20の飛散を含む。)を規制することができる。移動規制部材50、及び移動規制部材51は、それぞれ、支持体30の幅方向Xの両端側に配置される。なお、移動規制部材50の端部、及び移動規制部材51の端部は、互い連結していてもよい。
均しロール60は、均し部材の一例である。均しロール60は、凸部21に接触することで、凸部21を均すことができる。均しロール60は、支持体30の長さ方向Yにおいて、凸部21に接触可能な位置に設けられている。
例えば図1に示すように、凸部形成工程においては、支持体30の長さ方向(Y方向)の右側に支持体30を搬送しながら、4つの吐出口10から電極材料20をそれぞれ吐出することによって支持体30上に電極材料20を供給することで、支持体30上に4列の凸部21を畝のように形成している。平面視において、凸部21は、支持体30の長さ方向(Y方向)に延びる帯状となっている。
図2に示すように、断面視において、凸部21は、支持体30の幅方向(X方向)に並んで配置される。凸部21は、支持体30の厚さ方向(Z方向)において、支持体30から離間する方向に突出している。
図2において、H1、及びH2は、それぞれ、隣り合う2つの凸部21の高さを表す。既述のとおり、隣り合う2つの凸部の高さ(H1、及びH2)を測定することによって、隣り合う2つの凸部の最大高さHmaxを求めることができる。
図2において、Lは、隣り合う2つの凸部の間において高さが最小となる地点の高さを表す。
図2において、Dは、隣り合う2つの凸部の間の距離を表す。
例えば図1に示すように、均し工程においては、支持体30を支持体の長さ方向Yの右側に搬送しながら、均しロール60と凸部21とを接触させることによって、凸部21を均している。
<<電極用成形体>>
本開示に係る電極用成形体の製造方法によって得られる電極用成形体は、電極材料の成形物である。本開示に係る電極用成形体の製造方法によって得られる電極用成形体は、質量分布の均一性に優れるため、種々の電極として用いることができる。電極用成形体は、全固体二次電池の電極用成形体であることが好ましい。
電極用成形体の形状は、制限されず、例えば、用途に応じて決定すればよい。電極用成形体の形状は、平板状であることが好ましい。
電極用成形体の平均厚さは、電池性能(例えば、放電容量、及び出力特性)の向上の観点から、0.01m~2mmであることが好ましく、0.05mm~1.5mmであることがより好ましく、0.1mm~1mmであることが特に好ましい。電極用成形体の平均厚さは、断面観察によって測定される3か所の厚さの算術平均とする。断面観察において、公知の顕微鏡(例えば、走査型電子顕微鏡)を用いることができる。
以下、実施例により本開示を詳細に説明するが、本開示はこれらに制限されるものではない。
<実施例1>
[硫化物系無機固体電解質(Li-P-S系ガラス)の調製]
硫化物系無機固体電解質は、「T.Ohtomo,A.Hayashi,M.Tatsumisago,Y.Tsuchida,S.Hama,K.Kawamoto,Journal of Power Sources,233,(2013),pp231-235、及びA.Hayashi,S.Hama,H.Morimoto,M.Tatsumisago,T.Minami,Chem.Lett.,(2001),pp872-873」を参考にして調製した。
具体的には、アルゴン雰囲気下(露点:-70℃)のグローブボックス内で、硫化リチウム(LiS、Aldrich社製、純度:>99.98%)2.42g、五硫化二リン(P、Aldrich社製、純度:>99%)3.9gをそれぞれ秤量した後、上記硫化リチウム、及び上記五硫化二リンを、メノウ製乳鉢を用いて、5分間混合した。なお、LiSとPとのモル比(LiS:P)は、75:25とした。
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを66つ投入し、次いで、上記硫化リチウムと上記五硫化二リンとの混合物の全量を投入した後、アルゴン雰囲気下で容器を完全に密閉した。フリッチュ社製遊星ボールミルP-7(商品名)に容器を取り付け、温度25℃、回転数510rpm(revolutions per minute)で20時間メカニカルミリングを行うことによって、黄色粉体の硫化物系固体電解質(Li-P-S系ガラス)6.2gを得た。以上の工程を50回繰り返し、300gの硫化物系固体電解質を得た。
[正極用電極材料(P-1)の調製]
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、次いで、調製した上記Li-P-S系ガラス3.0gを投入した。フリッチュ社製遊星ボールミルP-7に容器を取り付け、温度25℃、回転数300rpmで2時間混合した。次に、活物質としてLCO(LiCoO、日本化学工業株式会社製)6.8g、及び導電助剤として株式会社デンカ製のLi-100(0.2g)を容器に投入し、次いで、遊星ボールミルP-7に容器を取り付け、温度25℃、回転数100rpmで10分間混合を行うことによって、粒子状の正極用電極材料(P-1)を得た。以上の工程を50回繰り返し、必要量の正極用電極材料(P-1)を得た。
[粉体シートの作製]
正極用電極材料(P-1)を、並列に40mmの間隔で配置した2台のディスクフィーダー(グローバルマテリアルズエンジニアリング株式会社製)にそれぞれ投入した。各ディスクフィーダーの吐出口から正極用電極材料(P-1)を吐出し、支持体(アルミニウム箔、平均厚さ:20μm、幅100mm、長さ200mm)の上に供給した。1つの吐出口から吐出される正極用電極材料(P-1)あたり、1つの凸部が形成された。次に、
均しロール(均し部材)を用いて、支持体の上に供給された電極材料(互いに隣接する2本)を均した。以上の手順によって、長手方向の長さが10cm以上であり、電極材料の目付量(目標値)が100mg/cmである粉体シートを得た。
<実施例2>
支持体上に幅方向の内寸が80mmである規制枠(移動規制部材)を配置した後、支持体上に正極用電極材料(P-1)を供給したこと以外は、実施例1と同様の手順によって、粉体シートを作製した。
<実施例3>
吐出口と支持体との間に、吐出口から吐出された正極用電極材料(P-1)を一時的に受けるホッパー(飛散防止部材、高さ:40mm、幅:80mm、長さ:20mm)を配置した後、上記ホッパーで正極用電極材料(P-1)を一時的に受ける過程を経て、支持体上に正極用電極材料(P-1)を供給したこと以外は、実施例1と同様の手順によって、粉体シートを作製した。
<実施例4>
供給装置を、吐出口から吐出される電極材料の量の変動係数が2であるディスクフィーダー(グローバルマテリアルズエンジニアリング株式会社製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の手順によって、粉体シートを作製した。
<実施例5>
供給装置の種類を、吐出口から吐出される電極材料の量の変動係数が10であるロータリーフィーダー(サンワ技研株式会社製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の手順によって、粉体シートを作製した。
<実施例6>
4台のディスクフィーダーを20mm間隔で並べたこと以外は、実施例1と同様の手順によって、粉体シートを作製した。
<実施例7>
8台のディスクフィーダーを10mm間隔で並べたこと以外は、実施例1と同様の手順によって、粉体シートを作製した。
<実施例8>
2台のディスクフィーダーを支持体の長さ方向にずらして千鳥状に配置したこと以外は、実施例1と同様の手順によって、粉体シートを作製した。
<実施例9>
ディスクフィーダーから吐出口までの領域のうち、正極用電極材料(P-1)が接触する面に表面コート剤(BICOAT(登録商標) NYF-11、株式会社吉田SKT製)を塗布したこと以外は、実施例1と同様の手順によって、粉体シートを作製した。
<実施例10>
正極用電極材料(P-1)と電解液とを混練することによって調製した正極用電極材料(P-2)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順によって、粉体シートを作製した。電解液の含有量は、正極用電極材料(P-2)の全質量に対して、30質量%であった。電解液としては、アルドリッチ社製のヘキサフルオロリン酸リチウム溶液(1.0M LiPF in EC/EMC=50/50(v/v))を用いた。「EC」とは、炭酸エチレンを意味する。「EMC」とは、炭酸エチルメチルを意味する。
<比較例1>
供給装置として、吐出口の幅が80mmである1つのディスクフィーダー(グローバルマテリアルズエンジニアリング株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順によって、粉体シートを作製した。
<比較例2>
支持体の上に供給された正極用電極材料(P-1)を均さなかったこと以外は、実施例1と同様の手順によって、粉体シートを作製した。
<質量分布の均一性に関する評価>
粉体シートの80か所([幅方向に8か所]×[長さ方向に10か所])から、それぞれ、1cmの大きさの試験片を切り取った。試験片の切り取りには、1つの枠あたりの枠内面積を1cmに調節した枠状のトムソン刃を用いた。次に、粉体シートの合計80か所から切り取った各試験片の質量を測定した。各試験片の質量から、粉体シートの幅方向における質量の標準偏差(σ)、粉体シートの長さ方向における質量の標準偏差(σ)、及び粉体シートの全体における質量の標準偏差(σ)をそれぞれ求め、以下の基準に従って、質量分布の均一性を評価した。以下の基準のうち、A、B、C、及びDを合格とした。
(基準)
A:0%≦σ<1%
B:1%≦σ<2%
C:2%≦σ<3%
D:3%≦σ<5%
E:5%≦σ<10%
F:10%≦σ
<生産性に関する評価>
10枚の粉体シートを作製した場合に、以下の式に従って算出される稼働率(r)に基づいて、以下の基準に従って生産性を評価した。正常に稼働した場合、1枚の粉体シートを作製するに要する時間は30秒である。正常に稼働することができれば、300秒で10枚の粉体シートを作製することができる。そこで、以下の式において、「目標の作製時間」は、300秒とした。以下の基準のうち、A、B、及びCを合格とした。
式:[稼働率(r)]=[目標の作製時間]/[実際の作製時間]
(基準)
A:0.9<r≦1.0
B:0.8<r≦0.9
C:0.6<r≦0.8
D:0.4<r≦0.6
E:r≦0.4
表1より、実施例1~10は、比較例1~2に比べて、質量分布の均一性(特に、幅方向における質量分布の均一性)が高いことがわかった。
2019年8月19日に出願された日本国特許出願2019-149869号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記載された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (14)

  1. 電極活物質を含む電極材料を準備する工程と、
    支持体上に前記電極材料を供給して、前記支持体上に前記支持体の幅方向に並んで配置される、前記電極材料を含む少なくとも2つの凸部を形成する工程と、
    前記支持体上の前記凸部を均す工程と、
    を含み、
    前記支持体の幅方向において隣り合う2つの前記凸部の最大高さHmax、及び前記最大高さHmaxを規定する2つの前記凸部の間において高さが最小となる地点の高さLが、0.9≦L/Hmax≦0.97の関係を満たし、
    前記支持体の幅方向において、前記最大高さHmaxを規定する2つの前記凸部の間の距離Dが、10mm~40mmの範囲である、
    電極用成形体の製造方法。
  2. 前記支持体の幅方向において隣り合う2つの前記凸部の最大高さHmax、及び前記最大高さHmaxを規定する2つの前記凸部の間において高さが最小となる地点の高さLが、0.9≦L/Hmax<0.95の関係を満たす請求項1に記載の電極用成形体の製造方法。
  3. 前記凸部の数が、少なくとも3つである請求項1又は請求項2に記載の電極用成形体の製造方法。
  4. 前記支持体の幅方向において、前記最大高さHmaxを規定する2つの前記凸部の間の距離Dが、等間隔である請求項3に記載の電極用成形体の製造方法。
  5. 前記凸部を形成する工程において、前記凸部を、平面視で前記支持体の幅方向に直交する方向に延びる帯状に形成する請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電極用成形体の製造方法。
  6. 前記凸部を形成する工程において、前記支持体の幅方向の両端側にそれぞれ配置され、前記支持体の幅方向における前記電極材料の移動を規制する移動規制部材を用いる請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電極用成形体の製造方法。
  7. 前記凸部を均す工程において、前記支持体の幅方向の両端側にそれぞれ配置され、前記支持体の幅方向における前記電極材料の移動を規制する移動規制部材を用いる請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の電極用成形体の製造方法。
  8. 前記凸部を形成する工程において、前記支持体の幅方向に並んで配置される少なくとも2つの吐出口から前記電極材料を吐出することによって、前記支持体上に前記電極材料を供給する請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の電極用成形体の製造方法。
  9. 前記吐出口の数が、少なくとも3つである請求項8に記載の電極用成形体の製造方法。
  10. 前記支持体の幅方向における前記吐出口の間隔が、等間隔である請求項9に記載の電極用成形体の製造方法。
  11. 前記支持体の幅方向における前記吐出口の間隔が、10mm~40mmの範囲である請求項8~請求項10のいずれか1項に記載の電極用成形体の製造方法。
  12. 前記吐出口から吐出される前記電極材料の量の変動係数が、4以下である請求項8~請求項11のいずれか1項に記載の電極用成形体の製造方法。
  13. 前記吐出口の数が、少なくとも3つであり、前記支持体の幅方向の両端側にそれぞれ配置される前記吐出口から吐出される前記電極材料の量が、前記支持体の幅方向の両端側以外に配置される吐出口から吐出される前記電極材料の量よりも少ない請求項8~請求項12のいずれか1項に記載の電極用成形体の製造方法。
  14. 前記吐出口から前記電極材料を吐出する際、前記吐出口と前記支持体との間に配置され、前記電極材料の飛散を防止する飛散防止部材を用いる請求項8~請求項13のいずれか1項に記載の電極用成形体の製造方法。
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