JP2000277129A - 燃料電池本体の製造装置及び製造方法 - Google Patents

燃料電池本体の製造装置及び製造方法

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JP2000277129A
JP2000277129A JP11085952A JP8595299A JP2000277129A JP 2000277129 A JP2000277129 A JP 2000277129A JP 11085952 A JP11085952 A JP 11085952A JP 8595299 A JP8595299 A JP 8595299A JP 2000277129 A JP2000277129 A JP 2000277129A
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phosphoric acid
fuel cell
porous body
mixed solution
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JP11085952A
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Hiroichi Nishida
博一 西田
Tamotsu Itoyama
保 糸山
Yoshinobu Tojima
義信 東島
Takafumi Kawasaki
貴文 河嵜
Shoichiro Hara
正一郎 原
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池本体の製造コストを低減し、かつリ
ン酸導入量(供給層化及び含浸)の管理の容易化、及び
リン酸導入量のバラツキを低減し得る、効率的かつ安価
な量産装置を提供する。 【解決手段】 電極1または多孔体2または電解質板3
に、リン酸またはリン酸混合液を供給及び層状に形成す
る機構を持つエリアAと、電極にリン酸混合液を含浸さ
せる機構をもち、なおかつ作業者が電極と多孔体と電解
質板を積層するエリアBとCとを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、リン酸型燃料電
池本体を製造するための装置及び製造方法に係るもので
あり、電極または多孔体または電解質板へのリン酸の導
入と、電極または多孔体または電解質板のセル積層に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】リン酸型燃料電池本体は、リン酸を電解
質とし燃料を改質して得られる水素と空気中の酸素を電
気化学的に反応させて直流電流を得る装置である。図1
8は、リン酸型燃料電池本体を構成するセルの分解斜視
図であり、図において、1は電極、2は多孔体、3は電
解質板であり、リン酸型燃料電池本体は、このような構
成のセルを一単位として、セルが積み重ねられた集合体
である。
【0003】次に、上記各構成体である電極と多孔体と
電解質板の詳細について説明する。まず電極1は、カー
ボン繊維で構成される電極基材の上に触媒層を形成した
ものであり、厚みが約0.2〜0.4mm、面積が約
0.5〜1m2の大面積薄膜シートである。電極基材は
反応ガスを透過させる役割とリン酸を貯蔵する役割を持
つ。カーボン繊維は親水性であるので、反応ガスを透過
させる働きを重視する場合には、カーボン繊維にフッ素
樹脂微粒子を付着させ融着することで撥水処理を施す。
触媒層は、カーボン担体及びこれに担持される貴金属粒
子からなる触媒粒子と、フッ素樹脂微粒子を混合してホ
ットプレスしたものであり、フッ素樹脂によって撥水さ
れたガスポアと、リン酸が保持される親水性のポアを持
つ。反応ガスは、ガスポアを拡散してリン酸に溶解し、
触媒粒子の上で反応する。次に、多孔体2は、浸透性に
優れた多孔のカーボン板より形成され、電極へ反応ガス
を分離供給する機能と、リン酸を貯蔵、補給する機能を
持っている。また、電解質板3は、シリコンカーバイド
の微粉末にフッ素樹脂微粒子をバインダーとして混合
し、混練、圧延成形したものである。
【0004】このような電極1または多孔体2または電
解質板3には、電池本体の組立の際にリン酸が導入され
るが、電極1または多孔体2または電解質板3のリン酸
含有量は電池特性を左右するので、適性量に管理する必
要がある。また、全面に均一にリン酸が導入されること
が必要となる。
【0005】ところで、電極1及び電解質板3のフッ素
樹脂含有量は、各々のリン酸による濡れ性を支配し、フ
ッ素樹脂含有量が多い程リン酸が濡れにくい。また、リ
ン酸は原液および常温で使用すると、粘性が高いため、
電極1及び電解質板3のリン酸の導入が困難であった。
多孔体2は、フッ素樹脂が含有されていないが、リン酸
は原液では粘性が高く、多孔体2への浸透性が悪かっ
た。
【0006】したがって、電極1へのリン酸の導入は、
フッ素樹脂をよく濡らすアルコールを用いて、そのアル
コールとリン酸の混合液を使用していた。また、電解質
板3へのリン酸の導入は、60〜80℃に加熱低粘化し
たリン酸、またはリン酸と純水の混合液を使用してい
た。また、多孔体2へのリン酸の導入は、浸透性を良く
するため、リン酸と純水の混合液を使用していた。以
下、従来のリン酸の導入方法とセル積層方法について説
明する。
【0007】リン酸とアルコールを混合する従来の方法
は、リン酸とアルコールをガラスの容器等に適量入れて
撹拌するものであるが、この撹拌時に発生する熱により
液温が上昇するため、混合液を自然冷却させた後に、液
供給装置に補充していた。
【0008】以上のようにして得られたリン酸とアルコ
ールの混合液を電極1に供給および層状に形成する従来
の方法としては、前記混合液を液供給装置から液吐出用
のノズルを通して吐出させていた。即ち、図19は例え
ば特開平09−63595号公報に示された、電極1に
リン酸とアルコールの混合液を供給層化する斜視図であ
り、図において、1は電極、4は先端に液噴出装置とし
てフィルムコートシステムを用いたノズル、矢印iはノ
ズル4の移動方向であり、5はノズル4より噴出する大
きな流速を有した扇形の液膜、6はこの扇形の液膜5に
より電極1の上面に供給層化された液層である。以上の
ようにノズル4により電極上面に非接触で混合液を供給
層化させる方法であった。
【0009】また、リン酸とアルコールを電極1に含浸
する従来の方法としては、電極1に供給層化された混合
液層の上に柔軟シートを手作業にて配置し、電極1を載
置している吸引減圧用プレートを介して、電極下面を吸
引ポンプにて吸引減圧する方法であった。
【0010】次に、従来の吸引減圧用プレートの構成を
以下に説明する。図20は例えば特開平09−6359
5号公報に示された吸引減圧用プレートを示す側面断面
図であり、図において、1は電極、7は電極1と同一の
面積でその上に電極1を載置する多孔体、8は多孔体7
を介して電極1の下面を吸引減圧するプレートで、この
プレート8には多孔体7を支持する複数の支柱8aと流
体経路8bが形成されている。9は吸引ポンプ(図示せ
ず)に接続されている排気管で、流体経路8bに連通し
ている。なお、矢印は吸引ポンプ(図示せず)を駆動し
たときの空気の流れを示す。即ち、吸引ポンプを駆動す
ることにより、電極1から多孔体7へ空気が流れ、次い
で多孔体7から流体経路8bを通って排気管9へと空気
は流れる。
【0011】リン酸とアルコールの混合液が含浸された
電極1からアルコールを除去する従来の方法としては、
真空乾燥あるいはホットプレートにて加熱乾燥させるも
のであった。
【0012】電極1の従来の搬送は、流体が供給される
多数のチャックを持つ装置で、いわゆるベルヌーイチャ
ック方式により行なわれており、電極1を非接触で保持
しながら搬送する方法であった。
【0013】また、多孔体2への従来のリン酸の導入の
方法としては、リン酸と純水の混合液を多孔体2の上に
手作業で供給して自然浸透させていた。
【0014】また、電解質板3への従来のリン酸の導入
方法としては、60〜80℃に加熱低粘化したリン酸、
またはリン酸と純水の混合液を電解質板3の上に供給
し、テフロンのヘラ等で引き延ばして電解質板上面に均
一に混合液を形成する方法であった。
【0015】そしてまた、従来のセル積層の方法は、多
孔体2と電解質板3に手作業でリン酸を導入しながら、
電極1と多孔体2と電解質板3を積層していた。
【0016】このとき用いる従来のセル積層用の台板
は、電解質板3へ供給する加熱低粘化したリン酸または
リン酸混合液の温度低下を防止するために、電解質板3
及び電極1と多孔体2を60℃〜80℃に加熱させるホ
ットプレートを使用をしていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたように、
リン酸とアルコールを混合する従来の方法は、全て手作
業で撹拌しているため、混合の度合が作業者によりバラ
ツキがあり、さらにその後自然冷却させるための多大な
時間が必要であった。
【0018】また、リン酸とアルコールの混合液を電極
へ供給および層状に形成する従来の方法は、高価なフィ
ルムコートシステムを使用していたので、装置コストの
高騰を招いていた。
【0019】また、リン酸とアルコールを電極へ含浸さ
せる従来の方法は、柔軟シートを手作業にて配置させね
ばならず、柔軟シートを電極面に配置する際に空気が混
入するなどの問題があるとともに、柔軟シートは100
0mm×500mm以上の大面積のため2人作業が必要
となった。また、吸引ポンプにて吸引減圧していたた
め、真空度の調整が困難で、リン酸含浸量のコントロー
ルが出来なかった。
【0020】さらに、従来の吸引減圧用のプレートは図
20のように構成されているので、吸引減圧用のプレー
ト内で真空度の分布が発生し、リン酸含浸量に分布を生
じた。
【0021】また、リン酸とアルコールの混合液が含浸
された電極からアルコールを除去する従来の方法として
の真空乾燥では、電極に含浸されたリン酸まで除去され
る可能性がある。また、ホットプレートでの加熱乾燥で
は、飛散されたアルコールを充満させないように作業場
所を十分に換気させなければならず、多大な作業スペー
スが必要になった。
【0022】また、従来の電極の搬送方法は、流体が供
給される多数の高価なチャックと、そのチャックを保持
する機構および移動手段とが必要で、電極搬送装置の製
造コストの高騰を招いていた。
【0023】また、多孔体への従来のリン酸の導入方法
は、手作業のため、多孔体全面に均一にリン酸を導入で
きなかった。
【0024】また、電解質板への従来のリン酸の導入方
法は、ヘラ等で引き伸ばしする手作業であるため、電解
質板面にダメージ(シワや破れ)を与えなるおそれがあ
り、電解質板の全面にリン酸を均一に導入するために
は、作業者にかなりの熟練が必要であった。
【0025】また、従来のセル積層方法は、セル積層の
際に、作業者が多孔体と電解質にリン酸を導入しなけれ
ばならず、多大な作業時間を要した。
【0026】また、従来用いられているセル積層用の台
板は、加熱され強酸性となったリン酸に対して腐食対策
を施すことが必要で、製造コストの高騰を招いていた。
【0027】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、電極と多孔体と電解質板へ、リン
酸またはリン酸混合液を自動で供給層化し、電極へリン
酸混合液を自動で含浸させることができ、液供給層化ヘ
ッドの駆動機構と、柔軟シート上下機構と、吸引減圧機
構を兼ね備えた装置であり、この装置上でセル積層が可
能な燃料電池本体を製造する安価な量産装置を提供する
ことを目的とする。さらにまた、量産に適した製造方法
を得ることを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る燃料電池本体の製造装置は、電極または多孔体または
電解質板の上面に、リン酸またはリン酸混合液を自動で
供給、及び供給後の液を層状に形成する機構と、この液
の上に柔軟シートを自動で配置する機構と、電極下面を
自動で吸引減圧する機構とを備えたものである。
【0029】請求項2記載の発明に係る燃料電池本体の
製造装置は、電極または多孔体または電解質板に、リン
酸またはリン酸混合液を供給及び層状に形成する機構を
持つエリアAと、このエリアAの両側に対称的に配置さ
れ、電極にリン酸混合液を含浸させる機構を有しかつ電
極と多孔体と電解質板を積層するエリアB並びにCとを
備えたものである。
【0030】請求項3記載の発明に係る燃料電池本体の
製造装置は、電極または多孔体または電解質板に、リン
酸またはリン酸混合液を供給及び層状に形成する機構に
は、3軸直交ロボットで駆動され、液供給装置から液が
圧送される液供給ヘッドを備えたものである。
【0031】請求項4記載の発明に係る燃料電池本体の
製造装置は、エリアBとCには、各々、その上下に、上
下動可能の柔軟シートと、電極にリン酸混合液を含浸さ
せる機構とを備えたものである。
【0032】請求項5記載の発明に係る燃料電池本体の
製造装置は、上記柔軟シートの下方には、2枚の吸引減
圧用プレートを載せて左右に移動するスライドベースが
配置されている。
【0033】請求項6記載の発明に係る燃料電池本体の
製造方法は、リン酸とアルコールの混合液を電極に含浸
させるとともに、送風機付き加熱乾燥機を用いて電極内
のアルコールを飛散させ、次に、多孔体の上面にリン酸
と純水の混合液を供給させ、順次、この上に前記リン酸
含浸およびアルコール飛散済みの電極(リン酸導入済み
の電極)を載せ、その上に電解質板を載せ、この電解質
板の上面にリン酸またはリン酸と純水の混合液を供給層
化し、その上にリン酸導入済み電極を載せ、その上に多
孔体を載せ、多孔体の上面にリン酸と純水の混合液を供
給させる。以上の工程を繰り返して、電極と多孔体と電
解質板を積層していくものである。
【0034】請求項7記載の発明に係る燃料電池本体の
製造方法は、リン酸とアルコールの混合液を含浸させた
電極を送風機付加熱乾燥機に配置し、80℃〜120℃
の温度で5分〜10分間乾燥させ電極内のアルコールを
飛散させるものである。
【0035】請求項8記載の発明に係る燃料電池本体の
製造方法は、燃料電池本体の製造装置と送風機付き加熱
乾燥機との間で電極の搬送に使用する電極搬送パレット
として、電極載置面が細状の線材からなり、この線材が
100mmピッチ以下でパレットの枠内に取付られてい
るパレットを使用するものである。
【0036】請求項9記載の発明に係る燃料電池本体の
製造方法は、燃料電池本体の製造装置と送風機付き加熱
乾燥機との間で電極の搬送に使用する電極搬送パレット
として、電極載置面がメッシュ状の線材からなり、この
メッシュ状の線材がパレットの枠内に取付られているパ
レットを使用するものである。
【0037】請求項10記載の発明に係る燃料電池本体
の製造方法は、電極と多孔体と電解質板を積層していく
方法として、燃料電池本体の製造装置の吸引減圧用のプ
レート上にセル積層用の積層台板を置き、順次、その積
層台板にワーク位置決め用のピンをセットし、ワーク載
置補助用のガイドを用いて多孔体を位置決め載置して、
積層台板から前記ピンを外し、多孔体の上面にリン酸と
純水の混合液を供給させ、再度前記ピンをセットし、補
助用のガイドを用いて、前記多孔体の上面にリン酸導入
済みの電極を位置決め載置して、再度前記ピンを外し、
補助用のガイドを用いて、前記電極の上に電解質板を載
置し、電解質板の上面にリン酸またはリン酸と純水の混
合液を供給層化させ、再度前記ピンをセットし、補助用
のガイドを用いて、前記電解質の上にリン酸導入済みの
電極を位置決め載置して、その上に多孔体を位置決め載
置し、再度前記ピンを外し、多孔体の上面にリン酸と純
水の混合液を供給する。以上の工程を繰り返して、セル
積層をしていくものである。
【0038】請求項11記載の発明に係る燃料電池本体
の製造装置は、リン酸混合液は、リン酸とアルコールの
混合液であって、これを電極に供給する機構としては、
リン酸とアルコールを混合撹拌する手段と、混合撹拌時
に発生する熱によって液温が上昇するのを抑える冷却手
段と、小径のニードル針を直線状に多数配置した液供給
ヘッドを備えたものである。
【0039】請求項12記載の発明に係る燃料電池本体
の製造装置は、リン酸またはリン酸混合液を層状に形成
する機構として、リン酸またはリン酸混合液を供給させ
た後、リン酸またはリン酸混合液を電極または電解質板
上面に自重により接触する回転体と、この回転体を移動
する手段を備えたものである。
【0040】請求項13記載の発明に係る燃料電池本体
の製造方法は、請求項12におけるリン酸混合液を電極
上面に層状に形成する工程において、回転体を電極上面
から離脱させる時に、電極下面を吸引減圧するものであ
る。
【0041】請求項14記載の発明に係る燃料電池本体
の製造装置は、リン酸またはリン酸混合液を電極または
電解質板上面に層状に形成する工程において、ニードル
針から吐出され電極または電解質板上でビード状になっ
た液に気体を噴射させ、リン酸を分散させる気体噴射機
構を備えたものである。
【0042】請求項15記載の発明に係る燃料電池本体
の製造装置は、電極の液層の上に柔軟シートを配置する
機構として、柔軟シートがエアシリンダにて上昇下降さ
せるヘッドに取り付けられており、エアシリンダ下降時
に電極の液層面に柔軟シートの自重力がかかるような機
構で、柔軟シートの中央部から端部へと順に電極の液層
面に接触していく柔軟シートの取付手段を備えたもので
ある。
【0043】請求項16記載の発明に係る燃料電池本体
の製造装置は、電極下面を吸引減圧する機構において、
電極を配置する吸引減圧用のプレートは、多数の真空層
とこの真空層内に設けられる多数のプラスチックフィル
タ等の撥水性の高い多孔体と、この多数の多孔体の上に
設けられて、かつ電極が載置できる大きさを持つプラス
チックフィルタ等の撥水性の高い多孔体とからなるもの
である。
【0044】請求項17記載の発明に係る燃料電池本体
の製造装置は、電極下面を吸引減圧する機構として、所
定の減圧度を可変設定できるエジェクタ式真空発生器を
備えたものである。
【0045】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は燃料電池本
体の製造装置の斜視図であり、大別して、電極1または
多孔体2(カーボン板)または電解質板3(シリコーン
混合物を混練、圧延成型した膜)に、リン酸またはリン
酸混合液を供給及び層状に形成する機構エリアAと、そ
の両側に対称的に配置された、電極にリン酸混合液を含
浸する機構エリアBとエリアCから構成される。図1に
おいて、10は装置の操作パネル、11はエリアAに配
置され電極1または多孔体2または電解質板3にリン酸
またはリン酸混合液を供給層化する液供給ヘッド、12
はこの液供給ヘッド11にリン酸またはリン酸混合液を
圧送する液供給装置、13は液供給ヘッド11を駆動さ
せる3軸直交XYZロボットであり、電極1の上面と液
供給ヘッド11が所定の間隔になるようにZ方向に移動
し、液供給ヘッド11からリン酸またはリン酸混合液を
吐出させながらX及びY方向に移動するものである。な
お、14は液圧送用のフレシキブルチューブである。次
に、15a,15bはエリアBとCに各々配置された柔
軟シート、16a,16bはこの柔軟シート15a,1
5bを昇降させるエアシリンダである。17a,17b
は電極1にリン酸混合液を含浸させるための吸引減圧用
プレート、18はこの吸引減圧用プレート17a,17
bを取り付けたスライドベース、19はスライドベース
18を載置するLMガイド、20はスライドベース18
を装置上で左右に移動させるためのエアシリンダ、21
は吸引減圧用のエジェクタ式真空発生器、22は吸引減
圧によるリン酸混合液の液溜め槽、23は吸引減圧用プ
レート17a,17bと液溜め槽22とを接続している
フレシキブルチューブである。
【0046】次に、以上のような装置の動作および作業
工程を(1)〜(5)にて順を追って説明する。 (1)電極1aをエリアBの吸引減圧用プレート17a
上に作業者がセットする。 (2)操作パネル10の電極塗布を選択して自動起動ボ
タンを押すと、スライドベース19が装置の図の左へ移
動するとともに、電極1aがリン酸塗布エリアAへ移動
し、吸引減圧用プレート17bがエリアCに移動する。
エリアAでは、液供給ヘッド11にて、電極1aへリン
酸とアルコールの混合液(以下、リン酸混合液と称す)
を供給層化する。この工程と並行して、作業者が別の電
極1bをエリアCのプレート17b上にセットする。電
極1aへのリン酸混合液の供給層化が終了すると、装置
は一旦停止する。 (3)操作パネル10の電極塗布含浸を選択して自動起
動ボタンを押すと、スライドベース18が装置の図の右
へ移動するとともに、電極1bはエリアCからエリアA
に移動し、ここでリン酸混合液が供給層化される。一方
電極1aはエリアBに移動する。そして、電極1aのリ
ン酸混合液層の上へ、柔軟シート15aが下降して載置
された後に、吸引減圧用のエジェクタ式真空発生器21
が駆動し、液溜め槽22とフレシキブルチューブ23を
介して、電極1aの下面を所定時間吸引減圧する。この
とき、大気の圧力と電極下面の圧力との差圧が柔軟シー
ト15aを介して混合液層に働き、リン酸混合液が電極
1aに移動し、電極1a内にリン酸混合液が含浸され
る。また、電極1aを透過したリン酸混合液は液溜め槽
22に溜る。 (4)電極1aへのリン酸混合液の含浸終了後、作業者
がエリアAの電極1aを取り除く。その後、別の電極1
cをエリアB内のプレート17a上に作業者がセットす
る。また、この工程と並行に行なわれている、電極1b
へのリン酸混合液の供給層化が終了すると装置は一旦停
止する。 (5)操作パネル10の電極塗布含浸を選択して自動起
動ボタンを押すと、電極1cにリン酸とアルコール混合
液の供給層化がなされ、電極1bはリン酸混合液の含浸
が行なわれる。以上の工程を繰り返し、電極1へのリン
酸混合液の供給層化と含浸がなされる。
【0047】以上のように、この燃料電池本体の製造装
置では、電極へのリン酸とアルコールの混合液の供給層
化と含浸を同時に行なえるため、生産性が向上する。
【0048】実施の形態2.図1において、24はリン
酸とアルコールの混合液が含浸された電極内部のアルコ
ールを飛散させるための送風機付き加熱乾燥機である。
なおここで、多孔体2は電極1または電解質板3にくら
べて浸透性が良いため、リン酸またはリン酸混合液を供
給するだけで、液が自然浸透する。よって、多孔体2は
供給後の液を層状に形成する必要がない。次の図2は送
風機付き加熱乾燥機24の詳細構成を示す斜視図であ
り、図において、71は90枚の電極が収納可能な収納
庫、72は収納庫の扉、73は電極1を収納する棚で、
74は収納庫71に風を送る送風機、75は送風機74
より送られてきた風を熱するヒーター、76はヒーター
にアルコールが逆流しないための逆流防止板、77はア
ルコールの排気口、78は排気口77から屋外へ排気す
るダクト、矢印jは屋外へ排気されるアルコールであ
る。
【0049】次に、燃料電池本体の製造方法(セル積
層)について順に説明する。尚、セル積層は、エリアB
とエリアCにて全く同じ方法でするため、エリアBにつ
いてのみ説明する。 (1)図1に示す燃料電池本体の製造装置にてリン酸と
アルコールの混合液を含浸した電極1を、送風機付き加
熱乾燥機24に入れてアルコールを飛散させる(以下こ
の電極をリン酸導入済みの電極と称する)。 (2)エリアBにある吸引プレート17aに多孔体2a
を載置し、エリアAに移動させて多孔体2aにリン酸と
純水の混合液を供給する。この液の供給終了後、多孔体
2aをエリアBへ移動させる。 (3)エリアBにて多孔体2aの上にリン酸導入済みの
電極1aを載せ、その上に電解質板3を載置した後に、
エリアAに移動させて電解質板3にリン酸またはリン酸
と純水の混合液を供給層化する。この液の供給層化終了
後、電解質板3をエリアBへ移動させる。 (4)エリアBにて電解質板3の上にリン酸導入済みの
別の電極1bを載せ、その上に別の多孔体2bを載せた
後に、エリアAに移動して多孔体2bにリン酸と純水の
混合液を供給する。以上の工程は、エリアCとエリアA
の間でも同様に行ない、上記に示したエリアBとエリア
A間の工程と交互に行なうものである。
【0050】このように、送風機付き加熱乾燥機24を
用いて、電極1のアルコールの飛散を行なうことによ
り、作業場の換気設備が不要となる。さらに、多孔体2
と電解質板3のリン酸導入が自動化されるため、作業者
によるリン酸導入量のバラツキを低減することができる
とともに、リン酸導入時間を短縮できるので、生産性が
向上する。
【0051】実施の形態3.リン酸とアルコール混合液
が含浸された電極1のアルコールの飛散方法は、送風機
付き加熱乾燥機24内に電極を入れて、80℃〜120
℃の温度で5分〜10分間乾燥させる方法で行なうこと
で、短時間でアルコールが飛散できるため、生産性が向
上する。また、90枚の電極を収納することが可能であ
るため、作業スペースの短縮化が図れる。
【0052】実施の形態4.図3は電極の搬送に使用す
るパレット25を示すものであり、25aは内部に電極
1が収まる形状のパレットの枠、26は電極1を載せる
ための細い線材(ワイヤ)で、枠25aに平行に取付け
られ、その取付ピッチは100mm以下である。
【0053】実施の形態5.次に、図4は図3の電極搬
送パレット25の電極1を載せるための細い線材26の
代りにメッシュ(スクリーン)27を使用したもので、
そのメッシュの粗さは500以下である。
【0054】上記電極搬送パレットの使用方法は、作業
者が電極1を電極搬送パレット25の枠内に載置し、そ
のパレットを燃料電池本体の製造装置の吸引減圧用のプ
レート17aまたは17bに載置し、電極1へのリン酸
とアルコール混合液の供給層化と含浸が終了後、作業者
が、電極搬送パレット25に載置された電極1を吸引減
圧用のプレート17aまたは17bより取り外し、その
電極1を送風機付き乾燥機24へ入れる。
【0055】従来の電極の搬送方法は、電極へのダメー
ジを防ぐため、流体が供給される多数の高価なチャック
とそのチャックを保持する機構および移動手段とが必要
な非接触搬送方法であったが、上記のような電極搬送パ
レットを使用することにより、搬送パレットに電極が載
置された状態で、装置に取付けおよび取り外しができる
ので、電極へのダメージを防ぎ、かつ作業性も良い。ま
た、電極搬送パレット25を、枠25aと線材26また
はメッシュ27で構成することにより、電極搬送パレッ
トの軽量化が図れるとともに、電極搬送パレットの製造
コストを低減することができる。
【0056】図5は電極搬送パレットにて電極1を吸引
減圧用プレート17a,17b上にセットした時の側面
断面図であり、多孔体64の上面には溝64aが形成さ
れており、電極搬送パレット25の線材26がその溝6
4aに入り込んだ状態である。
【0057】電極1の下面を吸引減圧する際、電極1の
下面と多孔体64の上面が密着するが、電極1はカーボ
ン繊維で構成されており柔らかいため電極1と多孔体6
4の間の線材26により、図6のように電極1に傷70
がつくおそれがある。よって、図5のように、溝64a
に線材26が入り込むようにすることにより、電極への
ダメージが防げる。
【0058】図7は上記電極搬送パレット25の線材2
6の代りに目の細かいメッシュ27を使用したもので、
多孔体64の上面はフラットの面である。
【0059】このようにメッシュ27の空間を介して電
極1の下面を吸引減圧できるため、電極へは傷がつくこ
とがなく、よって、多孔体64の上面に溝を形成する必
要はない。また、このメッシュ27は500メッシュ以
下とし、液の流動を妨げないため、電極下面の吸引減圧
の際、吸引減圧プレート17a,17b内の真空度の分
布は起こらない。
【0060】実施の形態6.図8は、セル積層を行う
際、吸引減圧用プレート17aまたは17bにセットす
るセル積層用台板を示す斜視図であり、28はセル積層
用台板、28aは該台板を吸引減圧用プレート17aま
たは17bの上に載置し位置決めするための位置決め板
であり、テフロン等で構成されている。29は電極1と
多孔体2をセル積層用台板28に位置決めする際の着脱
可能なワーク位置決めピン、30は運搬用の取手、31
はセルの積層体である。
【0061】このようにセル積層用台板28には、テフ
ロン等の柔軟かつ摺動性に優れた位置決め板28aを用
いているので、吸引減圧用のプレート17aまたは17
bへ前記台板を載置する際、ダメージを防ぎ、かつ位置
決めがスムーズに出来る。また、電極1と多孔体2の位
置決めの際に、ピン29をセットし、リン酸導入の際
は、このピン29を外すことにより、燃料電池本体の製
造装置上でセル積層を行ないながら、多孔体2と電解質
板3にリン酸の導入をすることが出来る。
【0062】なお、図1において、37aと37bは、
電極1または多孔体2または電解質板3を積層していく
時に使用するワーク載置用補助ガイド、38aと38b
は補助ガイド37aと37bを昇降させるためのエアシ
リンダである。
【0063】次に、上記セル積層台板28とワーク位置
決めピン29とワーク載置用補助ガイド37a,37b
を用いた燃料電池本体の製造方法(セル積層)について
順を追って説明する。尚、セル積層は、エリアBとエリ
アCにて全く同じ方法でするため、エリアBのみ説明す
る。 (1)エリアBの吸引プレート17a上に作業者がセル
積層台板28を置き、その積層台板28にワーク位置決
めピン29をセットする。この時、ワーク載置用の補助
ガイド37aは上昇している。 (2)作業者が、ワーク載置用の補助ガイド37aを用
いて、セル積層台板28に多孔体2aを位置決めおよび
載置した後に、セル積層台板28よりワーク位置決めピ
ン29を外す。 (3)操作パネル10の多孔体/一セル目を選択して自
動起動ボタンを押すと、ワーク載置用補助ガイド37a
が下降し、スライドベース19が装置左へ移動するとと
もに、多孔体2aがエリアAへ移動し、多孔体2aへリ
ン酸と純水の混合液が供給される。この供給工程が終了
すると、装置は一旦停止する。 (4)次に、自動起動させると、スライドベース19が
装置右へ移動するとともに、多孔体2aがエリアBに移
動し、ワーク載置用の補助ガイド37aが上昇して装置
は一旦停止する。ここで、セル積層及びリン酸混合液供
給工程の1サイクルが完了する。 (5)作業者が、エリアBの吸引プレート17a上の積
層台板28にピン29をセットし、補助ガイド37aを
用いて、上記多孔体2aの上にリン酸導入済みの電極1
aを位置決めおよび載置し、積層台板28よりピン29
を外し、その電極1aの上に電解質板3を載置する。 (6)操作パネル10の電解質板/一セル目を選択して
自動起動させると、補助用のガイド37aが下降し、ス
ライドベース19が装置左へ移動するとともに、エリア
Aに電解質板3が移動し、リン酸またはリン酸と純水の
混合液が供給層化される。この供給層化工程が終了する
と、装置は一旦停止する。 (7)自動起動させると、スライドベース19が装置右
へ移動するとともに、電解質板3がエリアBに移動し、
ワーク載置用の補助ガイド37aが上昇し、装置は一旦
停止する。 (8)エリアBで電解質板3aの上に、上記電極1aと
同様に別のリン酸導入済みの電極1bを位置決め載置す
る。また、上記多孔体2aと同様に別の多孔体2bを電
極1bの上に位置決め載置する。 (9)次に、操作パネル10の一セル目/二層目/多孔
体を選択し、自動起動ボタンを押すと、上記多孔体2a
と同様に、多孔体2bにエリアAでリン酸と純水の混合
液を供給する。なお、以上の工程は、吸引プレート17
b上で、エリアCとエリアAでも同様に行ない、上記吸
引プレート17a上のエリアBとエリアAの工程と交互
に行うものである。
【0064】このように、作業者がセル積層をしなが
ら、多孔体2と電解質板3へのリン酸供給層化が自動で
出来るので、生産性が向上する。
【0065】実施の形態7.図9はリン酸とアルコール
の混合液を液供給ヘッドに送る液供給装置の斜視図であ
り、39は小径のニードル針39aを直線上に多数配置
した液供給ヘッド、40はリン酸とアルコールを補給す
る圧力容器で、フレシキブルチューブ46を介して液供
給ヘッド39に接続され、リン酸とアルコールの混合液
を圧送する。41は圧力容器40内のリン酸とアルコー
ルを撹拌させる撹拌羽根、42は撹拌羽根40を回転さ
せるためのモーター、43はリン酸とアルコールを撹拌
する時に発生する熱によって液温が上昇するのを抑える
ための冷却パイプで、矢印aから矢印bへ冷却液が循環
する。44は圧力容器内の液温計、45は圧力容器40
の内圧を制御する減圧弁、矢印kは圧縮空気が供給され
る方向である。
【0066】従来の液供給部は、フィルムコートシステ
ムを用いていたので、製造コストの高騰を招いていた
が、液供給ヘッド39は、上記のように構成が簡単であ
るので液供給ヘッド39の製造コストを低減できる。ま
た、リン酸とアルコールを撹拌する時に発生する熱を冷
却して、液温を一定にできるため、常時安定したリン酸
とアルコールの混合液を液供給ヘッド39に送ることが
出来る。また、リン酸とアルコールの混合液を圧力容器
内に入れるようにしたので、液の吐出量のコントロール
を減圧弁45にて容易に制御できる。
【0067】実施の形態8.図10は電極1または電解
質板3に、リン酸またはリン酸の混合液を供給して層状
に形成する機構の斜視図であり、47は電極1または電
解質板3上に液供給ヘッド39より吐出されたビード状
のリン酸またはリン酸の混合液、48はビード状の液4
7を層状に形成するテフロン等の回転体、49はその回
転体48を支持するための回転軸で、電極1または電解
質板3の上に回転体48が自重により接触する構成であ
る。なお、矢印cは液供給ヘッド39と回転体48の移
動方向であり、矢印dは回転体48の回転方向であり、
51は回転体48により層状に形成されたリン酸または
リン酸の混合液である。
【0068】以上のように、リン酸またはリン酸の混合
液を電極1または電解質板3上に層状に形成する手段と
して、回転体48を用いているので、ムラなく均一に液
を引き延ばすことができる。また、回転体48の自重に
より面圧を一定にすることができるので、製造コストを
低減できる。
【0069】図11はリン酸とアルコールの混合液を回
転体48にて電極に層状に形成する工程において、電極
のズレや浮上を防止する方法を示した側面断面図であ
り、51は回転体48にて引き延ばしたリン酸とアルコ
ールの混合液である。なお、矢印gは電極上面から回転
体48を離脱させる方向、矢印hは電極下面を吸引減圧
した時に電極1が吸引される方向を示しており、64は
電極1を載置している多孔体である。
【0070】次に動作について説明する。電極1の上面
のリン酸とアルコールの混合液51を回転体48にて引
き延ばした後、電極上面から回転体48を矢印g方向に
離脱させる。この時、リン酸とアルコールの混合液の粘
性により、電極1が回転体48に密着し、回転体48と
一緒に浮き上がって位置ズレを起こす。これを防止する
ため、回転体48を矢印g方向に離脱させる時に、電極
下面を吸引減圧して矢印h方向に電極1を吸引させる。
【0071】実施の形態9.図12はリン酸またはリン
酸の混合液を層状に形成する機構の斜視図であり、図に
おいて、47は電極1または電解質板3上に液供給ヘッ
ド39より吐出されたビード状のリン酸またはリン酸の
混合液、52はビード状の液47に気体を噴射させ分散
させる矩形の噴出口を設けた気体噴射ヘッドで、電極1
または電解質板3の上のリン酸またはリン酸の混合液を
非接触で層状に形成するものである。なお、矢印eは液
供給ヘッド39と気体噴射ヘッド52の移動方向であ
り、矢印fは気体噴射ヘッド52より噴射する気体の方
向であり、53は気体噴射ヘッド52により層状に形成
されたリン酸またはリン酸の混合液である。
【0072】リン酸またはリン酸の混合液を作業者がヘ
ラ等で引き延ばす従来の方法では、ヘラ等の面圧のかか
りすぎにより、電解質板3にダメージが発生するおそれ
があるが、上記のように気体噴射による非接触方法で
は、電解質板3にダメージが生じるおそれがない。
【0073】実施の形態10.図13は柔軟シートの機
構の斜視図であり、15a,15bは柔軟シート、54
はこの柔軟シートを保持する枠、16a,16bはエア
シリンダ、55はエアシリンダ16a,16bのロッド
に取付けられた支持板、56はこの支持板55から柔軟
シートを保持する枠54を吊り下げるための引張バネ
で、エアシリンダ16a,16bの下降時に、電極1へ
柔軟シート15a,15bと、この柔軟シートを保持す
る枠54の自重がかかるようにしたものである。図14
は柔軟シート15a,15bと、柔軟シートを保持する
枠55の側面図であり、エアシリンダ16a,16bの
上昇時の柔軟シートの状態を示したものであり、柔軟シ
ート15a,15bの中央部が自重で下がっているもの
である。図15はエアシリンダ16a,16bの下降時
に柔軟シート15a,15bが電極1のリン酸とアルコ
ールの混合液51の上に載置したときの状態を示した側
面断面図であり、17a,17bは吸引減圧用プレー
ト、58は吸引減圧用プレート17a,17bと柔軟シ
ート15a,15bのシール面である。矢印は電極1の
下面を吸引減圧した時の空気の流れであり、この空気の
流れに沿って、リン酸とアルコールの混合液51が電極
内部を通り含浸される。
【0074】電極1におけるリン酸とアルコール混合液
の含浸量の分布は電極上面と柔軟シートの密着性が悪い
時に生じやすいが、上記のように、柔軟シート15a,
15bを電極1上面へ接触させる方法として、柔軟シー
ト15a,15bの中央部がまず接触し、順に柔軟シー
ト15a,15bの端部へと接触させていくことによ
り、電極1面と柔軟シート15a,15bの間に空気が
混入しないので、電極1におけるリン酸とアルコール混
合液の含浸量の分布は発生しない。また、柔軟シート1
5a,15bを引張バネ56で吊り下げて、常時電極1
へ柔軟シート15a,15bの自重がかかるようにして
いるため、面圧管理が容易である。
【0075】実施の形態11.図16は吸引減圧用プレ
ート17a,17bの構成を示す正面図(a)と側面断面
図(b)であり、図において、59はプラスチックフィル
タ等の撥水性の高い多孔体を設けるための多数の真空
層、60はその多数の真空層59を一定の真空度で減圧
するための排気口、61は多数の真空層59を分割する
支柱、62は支柱61の上にプラスチックフィルタ等の
撥水性の高い多孔体を設けるためのスペースである。
【0076】電極1へのリン酸とアルコール混合液の含
浸量の分布は、電極下面の吸引減圧用プレート内の真空
度の分布により起きるが、上記のように、吸引減圧用プ
レートに設けた多数の真空層59を一定の真空度で減圧
することにより、吸引減圧用プレート17a,17b内
全体の真空度の分布がなくなるので、リン酸とアルコー
ル混合液が電極全面に均一に含浸できる。
【0077】実施の形態12.図17は電極下面を吸引
減圧する機構の側面断面図であり、図において、63は
多数の真空層に設けるプラスチックフィルタ等の撥水性
の高い多孔体、64は電極が載置されるプラスチックフ
ィルタ等の撥水性の高い多孔体、65は多数の真空層の
排気口60に接続された配管継手、66は配管チュー
ブ、66aは真空用フレシキブルチューブ、67はエジ
ェクタ式真空発生器21と液溜め層22の間に設けたフ
ィルタ、68は真空計、69はエジェクタ式真空発生器
21の真空度を制御し、吸引減圧用プレート17a,1
7b内を所定の真空度に設定できる減圧弁である。な
お、矢印lは圧縮空気が供給される方向である。
【0078】電極1へのリン酸とアルコール混合液の含
浸量は、電極下面の吸引減圧用のプレート17a,17
b内の真空度により左右される。したがって、上記のよ
うに減圧弁69にてエジェクタ式真空発生器21の真空
度を制御し、電極下面の吸引減圧用のプレート17a,
17b内を所定の真空度に設定することにより、含浸量
をコントロールすることができる。
【0079】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、燃料電池本体
の製造装置に、電極の上面へリン酸とアルコールの混合
液を供給及び層状に形成する自動機構と、柔軟シートを
載置する自動機構と電極下面を吸引減圧する自動機構を
併設し、電極へのリン酸とアルコール混合液の供給層化
と含浸が同時にできる構成にしたので、供給層化時間と
含浸時間が短縮できるとともに、生産性が向上する効果
がある。
【0080】請求項2〜5の発明によれば、液を供給及
び層状化する機構エリアAの両側に対称的に柔軟シート
機構と吸引減圧機構を有する機構エリアBとCとを配設
したので、より効率的に作業が実施し得る。
【0081】請求項6の発明によれば、電極のアルコー
ルの飛散を送風機付き加熱乾燥機を用いて行なうように
したので、作業場の換気設備が不要となり、さらに、多
孔体と電解質板のリン酸導入を自動で行なう構成にした
ので、作業者によるリン酸導入量のバラツキを低減する
効果があり、さらに、リン酸導入時間を短縮できるの
で、生産性が向上する。
【0082】請求項7の発明によれば、リン酸とアルコ
ール混合液が含浸された電極からアルコールを飛散する
のに、送風機付き加熱乾燥機内に電極を入れて、80℃
〜120℃の温度で5分〜10分間乾燥させる方法とし
たので、短時間でアルコール飛散ができ、生産性が向上
する。また、送風機付き加熱乾燥機は例えば90枚の多
数の電極を収納できるので、作業スペースの短縮化が図
れる。
【0083】請求項8または9の発明によれば、電極搬
送パレットを、枠と線材またはメッシュによる構成とし
たので、電極搬送パレットの軽量化が図れるとともに、
電極搬送パレットの製造コストを低減することができる
効果がある。さらに、前記電極搬送パレットに電極が載
置された状態で、装置に取付けおよび取り外しができる
構成にしたので、電極へのダメージを防ぎ、かつ作業性
も良くなる効果がある。また、液の流動を妨げないメッ
シュを介して、電極下面の吸引減圧する構成にしたの
で、電極を載置する面に溝を形成しなくてよい効果があ
る。
【0084】請求項10の発明によれば、セル積層の方
法として、吸引減圧用のプレート上に載置するセル積層
用の台板を用い、電極と多孔体の位置決め載置の際にセ
ル積層用の台板にピンをセットし、補助用ガイドを上昇
させ、リン酸導入の際はセル積層用の台板からピンを外
し、補助用ガイドを下降させるようにしたので、燃料電
池本体の製造装置上でセル積層を行ないながら、多孔体
と電解質板にリン酸の導入をすることができる効果があ
る。
【0085】請求項11の発明によれば、液供給ヘッド
をニードル本体に小径のニードル針を直線状に多数配置
した構成にしたので、液供給ヘッドの製造コストを低減
できる効果がある。また、リン酸とアルコールを撹拌す
る時に発生する熱を冷却して、液温を一定にするように
したので、常時安定したリン酸とアルコールの混合液を
液供給ヘッドに送ることが出来る効果がある。
【0086】請求項12の発明によれば、リン酸または
リン酸の混合液を電極または電解質板上に層状に形成す
る手段として、回転体を用いる構成にしたので、ムラな
く均一に液を引き延ばすことができる効果がある。ま
た、回転体の自重により面圧を一定にすることができる
構成にしたので、製造コストを低減できる効果がある。
【0087】請求項13の発明によれば、回転体を電極
から離脱させる時に、電極下面を吸引減圧して電極を吸
引する構成にしたので、電極が回転体と一緒に浮き上が
って位置ズレを起こすことを防止できる効果がある。
【0088】請求項14の発明によれば、電極または電
解質板へのリン酸またはリン酸の混合液を気体噴射によ
る非接触で層状に形成する構成にしたので、面圧のかか
りすぎによる、電解質板へのダメージを防止する効果が
ある。
【0089】請求項15の発明によれば、柔軟シートを
電極1上面へ載置する時、柔軟シートの中央部がまず接
触し、順に柔軟シートの端部へと接触させていく構成に
したので、電極面と柔軟シートの間に空気が混入するこ
とがなく、さらに、電極におけるリン酸とアルコール混
合液の含浸量の分布が発生しない効果がある。また、柔
軟シートを例えば引張バネで吊り下げて、常時電極へ柔
軟シートの自重がかかる構成にしたので、面圧管理が容
易となる効果がある。
【0090】請求項16の発明によれば、、吸引減圧用
プレート内に設けられた、多数の真空層を一定の真空度
で減圧する構成にしたので、吸引減圧用プレート内全体
の真空度の分布がなくなり、リン酸とアルコール混合液
が電極全面に均一に含浸できる効果がある。
【0091】請求項17の発明によれば、電極下面を吸
引減圧する際、エジェクタ式真空発生器を用いて、電極
下面の吸引減圧用のプレート内を所定の真空度に設定す
る構成にしたので、電極におけるリン酸とアルコール混
合液の含浸量をコントロールすることができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1及び2による燃料電
池本体の製造装置の斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態2及び3による送風機
付き加熱乾燥機の構成を示す斜視図である。
【図3】 この発明の実施の形態4による電極載置面が
ワイヤで構成されている電極の搬送に使用するパレット
の斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態5による電極載置面が
メッシュで構成されている電極の搬送に使用するパレッ
トの斜視図である。
【図5】 この発明の実施の形態4による電極搬送パレ
ット(線材)で電極を吸引減圧用プレート上にセットし
た時の側面図である。
【図6】 この発明の実施の形態4による電極搬送パレ
ット(線材)により電極に傷がついた時の側面図であ
る。
【図7】 この発明の実施の形態5による電極搬送パレ
ット(メッシュ)で電極を吸引減圧用プレート上にセッ
トした時の側面図である。
【図8】 この発明の実施の形態6によるセル積層用台
板の斜視図である。
【図9】 この発明の実施の形態7によるリン酸とアル
コールの混合液を液供給ヘッドに送る液供給装置の斜視
図である。
【図10】 この発明の実施の形態8によるリン酸また
はリン酸の混合液を供給し回転体で層状に形成する機構
の斜視図である。
【図11】 この発明の実施の形態8によるリン酸とア
ルコールの混合液を回転体にて電極に層状に形成する工
程において電極のズレや浮上を防止する方法を示した側
面断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態9によるリン酸また
はリン酸の混合液を供給し気体噴射で層状に形成する機
構の斜視図である。
【図13】 この発明の実施の形態10による柔軟シー
トの機構を示した斜視図である。
【図14】 この発明の実施の形態10による柔軟シー
トの上昇時の状態を示した側面図である。
【図15】 この発明の実施の形態10による柔軟シー
トが電極に載置された状態を示した側面図である。
【図16】 この発明の実施の形態11による吸引減圧
用プレートの構成を示す正面図(a)と側面断面図(b)で
ある。
【図17】 この発明の実施の形態12による電極下面
を吸引減圧する機構の側面断面図である。
【図18】 燃料電池本体の1セルを示した斜視図であ
る。
【図19】 リン酸とアルコールの混合液を電極1に供
給および層状に形成する従来の方法を示す斜視図であ
る。
【図20】 吸引減圧用プレートの従来の構成を示す側
面図である。
【符号の説明】
1 電極、2 多孔体、3 電解質板、11,39 液
供給ヘッド、15a,15b 柔軟シート、17a,1
7b 吸引減圧用のプレート、21 エジェクタ式真空
発生器、24 送風機付き加熱乾燥機、25 パレッ
ト、26 細状の線材、27 メッシュ状の線材、28
セル積層用台板、29 ワーク位置決め用のピン、3
9a ニードル針、41 混合撹拌羽根、43 冷却パ
イプ、47リン酸またはリン酸混合液、48 回転体、
52 気体噴射機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東島 義信 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 河嵜 貴文 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 原 正一郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3H079 AA18 BB01 CC17 CC19 DD14 DD48 DD60 5H026 AA04 BB00 BB01 BB03 BB04 BB08 HH08 HH10

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極または多孔体または電解質板の上面
    に、リン酸またはリン酸混合液を自動で供給、及び供給
    後の液を層状に形成する機構と、この液の上に柔軟シー
    トを自動で配置する機構と、電極下面を自動で吸引減圧
    する機構とを備えたことを特徴とする燃料電池本体の製
    造装置。
  2. 【請求項2】 電極または多孔体または電解質板に、リ
    ン酸またはリン酸混合液を供給及び層状に形成する機構
    を持つエリアAと、このエリアAの両側に対称的に配置
    され、電極にリン酸混合液を含浸させる機構を有しかつ
    電極と多孔体と電解質板を積層するエリアB並びにCと
    を備えたことを特徴とする燃料電池本体の製造装置。
  3. 【請求項3】 電極または多孔体または電解質板に、リ
    ン酸またはリン酸混合液を供給及び層状に形成する機構
    には、3軸直交ロボットで駆動され、液供給装置から液
    が圧送される液供給ヘッドを備えていることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の燃料電池本体の製造装置。
  4. 【請求項4】 エリアBとCには、各々、その上下に、
    上下動可能の柔軟シートと、電極にリン酸混合液を含浸
    させる機構とを備えていることを特徴とする請求項2ま
    たは3に記載の燃料電池本体の製造装置。
  5. 【請求項5】 上記柔軟シートの下方には、2枚の吸引
    減圧用プレートを載せて左右に移動するスライドベース
    が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の燃
    料電池本体の製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載の燃料電池本体の製
    造装置を用いての製造方法であって、リン酸とアルコー
    ルの混合液を電極に含浸させるとともに、送風機付き加
    熱乾燥機を用いて電極内のアルコールを飛散させ、次
    に、多孔体の上面にリン酸と純水の混合液を供給させ、
    順次、この上に前記リン酸含浸およびアルコール飛散済
    みの電極(リン酸導入済みの電極)を載せ、その上に電
    解質板を載せ、この電解質板の上面にリン酸またはリン
    酸と純水の混合液を供給層化し、その上にリン酸導入済
    み電極を載せ、その上に多孔体を載せ、多孔体の上面に
    リン酸と純水の混合液を供給させる。以上の工程を繰り
    返して、電極と多孔体と電解質板を積層していくことを
    特徴とする燃料電池本体の製造方法。
  7. 【請求項7】 リン酸とアルコールの混合液を含浸させ
    た電極を送風機付加熱乾燥機に配置し、80℃〜120
    ℃の温度で5分〜10分間乾燥させ電極内のアルコール
    を飛散させることを特徴とする請求項6に記載の燃料電
    池本体の製造方法。
  8. 【請求項8】 燃料電池本体の製造装置と送風機付き加
    熱乾燥機との間で電極の搬送に使用する電極搬送パレッ
    トとして、電極載置面が細状の線材からなり、この線材
    が100mmピッチ以下でパレットの枠内に取付られて
    いるパレットを使用することを特徴とする請求項6に記
    載の燃料電池本体の製造方法。
  9. 【請求項9】 燃料電池本体の製造装置と送風機付き加
    熱乾燥機との間で電極の搬送に使用する電極搬送パレッ
    トとして、電極載置面がメッシュ状の線材からなり、こ
    のメッシュ状の線材がパレットの枠内に取付られている
    パレットを使用することを特徴とする請求項6に記載の
    燃料電池本体の製造方法。
  10. 【請求項10】 電極と多孔体と電解質板を積層してい
    く方法として、燃料電池本体の製造装置の吸引減圧用の
    プレート上にセル積層用の積層台板を置き、順次、その
    積層台板にワーク位置決め用のピンをセットし、ワーク
    載置補助用のガイドを用いて多孔体を位置決め載置し
    て、積層台板から前記ピンを外し、多孔体の上面にリン
    酸と純水の混合液を供給させ、再度前記ピンをセット
    し、補助用のガイドを用いて、前記多孔体の上面にリン
    酸導入済みの電極を位置決め載置して、再度前記ピンを
    外し、補助用のガイドを用いて、前記電極の上に電解質
    板を載置し、電解質板の上面にリン酸またはリン酸と純
    水の混合液を供給層化させ、再度前記ピンをセットし、
    補助用のガイドを用いて、前記電解質の上にリン酸導入
    済みの電極を位置決め載置して、その上に多孔体を位置
    決め載置し、再度前記ピンを外し、多孔体の上面にリン
    酸と純水の混合液を供給する。以上の工程を繰り返し
    て、セル積層をしていくことを特徴とする請求項6に記
    載の燃料電池本体の製造方法。
  11. 【請求項11】 リン酸混合液は、リン酸とアルコール
    の混合液であって、これを電極に供給する機構として
    は、リン酸とアルコールを混合撹拌する手段と、混合撹
    拌時に発生する熱によって液温が上昇するのを抑える冷
    却手段と、小径のニードル針を直線状に多数配置した液
    供給ヘッドを備えたことを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれか1項に記載の燃料電池本体の製造装置。
  12. 【請求項12】 リン酸またはリン酸混合液を層状に形
    成する機構として、リン酸またはリン酸混合液を供給さ
    せた後、リン酸またはリン酸混合液を電極または電解質
    板上面に自重により接触する回転体と、この回転体を移
    動する手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれか1項に記載の燃料電池本体の製造装置。
  13. 【請求項13】 請求項12におけるリン酸混合液を電
    極上面に層状に形成する工程において、回転体を電極上
    面から離脱させる時に、電極下面を吸引減圧することを
    特徴とする燃料電池本体の製造方法。
  14. 【請求項14】 リン酸またはリン酸混合液を電極また
    は電解質板上面に層状に形成する工程において、ニード
    ル針から吐出され電極または電解質板上でビード状にな
    った液に気体を噴射させ、リン酸を分散させる気体噴射
    機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    か1項に記載の燃料電池本体の製造装置。
  15. 【請求項15】 電極の液層の上に柔軟シートを配置す
    る機構として、柔軟シートがエアシリンダにて上昇下降
    させるヘッドに取り付けられており、エアシリンダ下降
    時に電極の液層面に柔軟シートの自重力がかかるような
    機構で、柔軟シートの中央部から端部へと順に電極の液
    層面に接触していく柔軟シートの取付手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃
    料電池本体の製造装置。
  16. 【請求項16】 電極下面を吸引減圧する機構におい
    て、電極を配置する吸引減圧用のプレートは、多数の真
    空層とこの真空層内に設けられる多数のプラスチックフ
    ィルタ等の撥水性の高い多孔体と、この多数の多孔体の
    上に設けられて、かつ電極が載置できる大きさを持つプ
    ラスチックフィルタ等の撥水性の高い多孔体とからなる
    プレートであることを特徴とする請求項1乃至5のいず
    れか1項に記載の燃料電池本体の製造装置。
  17. 【請求項17】 電極下面を吸引減圧する機構として、
    所定の減圧度を可変設定できるエジェクタ式真空発生器
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1
    項に記載の燃料電池本体の製造装置。
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