JP2023142267A - プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】得られる画像における微小色線の発生抑制性に優れるプロセスカートリッジの提供。【解決手段】導電性基材、前記導電性基材の上に設けられた感光層、及び、前記感光層の上に設けられた保護層を有する感光体と、前記感光体と接触して帯電を行うロール形状の帯電部材とを備え、前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m2・V)以上であるプロセスカートリッジ。【選択図】図1

Description

本発明は、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
従来の画像形成装置としては、特許文献1に記載されたものが挙げられる。
特許文献1には、感光体と、前記感光体表面を一様に帯電する帯電手段とを備えた画像形成装置において、前記感光体は、導電性支持体と前記導電性支持体上に設けた感光層及び保護層を有し、前記保護層が電子線照射によって硬化された硬化性樹脂と導電性粒子とを含有し、前記感光体は、テーバー磨耗が0.1~1.0(mg/1000回転)であり、前記帯電手段は、前記感光体表面に接触配置された帯電部材と、前記帯電部材に直流電圧と交流電圧とが重畳された帯電バイアスを印加して前記感光体表面を帯電する帯電バイアス印加電源と、前記帯電バイアスを交流電圧制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記帯電バイアスの印加時間に基づいて、前記交流電圧制御を行う際の交流電圧値を決定する、ことを特徴とする画像形成装置が開示されている。
特開2004-205581号公報
本開示は、導電性基材、前記導電性基材の上に設けられた感光層、及び、前記感光層の上に設けられた保護層を有する感光体と、前記感光体と接触して帯電を行うロール形状の帯電部材とを備えるプロセスカートリッジであって、前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m・V)未満である場合に比べて、得られる画像における微小色線の発生抑制性に優れるプロセスカートリッジを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段には、下記の態様が含まれる。
<1> 導電性基材、前記導電性基材の上に設けられた感光層、及び、前記感光層の上に設けられた保護層を有する感光体と、前記感光体と接触して帯電を行うロール形状の帯電部材とを備え、前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m・V)以上であるプロセスカートリッジ。
<2> 前記保護層の厚さが、1μm以上である<1>に記載のプロセスカートリッジ。
<3> 前記保護層の厚さが、3μm以上8μm以下である<2>に記載のプロセスカートリッジ。
<4> 前記感光層の厚さが、9μm以上である<1>乃至<3>のいずれか1つに記載のプロセスカートリッジ。
<5> 前記感光層の厚さが、9.5μm以上15μm以下である<4>に記載のプロセスカートリッジ。
<6> 前記感光層の厚さ(μm)/前記感光層の比誘電率の値と前記保護層の厚さ(μm)/前記保護層の比誘電率の値との和が、4.0以上7.0以下である<1>乃至<5>のいずれか1つに記載のプロセスカートリッジ。
<7> 前記感光層の厚さ(μm)/前記感光層の比誘電率の値と前記保護層の厚さ(μm)/前記保護層の比誘電率の値との和が、4.5以上6.0以下である<6>に記載のプロセスカートリッジ。
<8> 前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m・V)以上2.30μC/(m・V)以下である<1>乃至<7>のいずれか1つに記載のプロセスカートリッジ。
<9> 前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m・V)以上2.10μC/(m・V)以下である<8>に記載のプロセスカートリッジ。
<10> <1>乃至<9>のいずれか1つに記載のプロセスカートリッジと、帯電した前記感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える画像形成装置。
<1>に係る発明によれば、導電性基材、前記導電性基材の上に設けられた感光層、及び、前記感光層の上に設けられた保護層を有する感光体と、前記感光体と接触して帯電を行うロール形状の帯電部材とを備えるプロセスカートリッジであって、前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m・V)未満である場合に比べ、得られる画像における微小色線の発生抑制性に優れるプロセスカートリッジが提供される。
<2>に係る発明によれば、前記保護層の厚さが、1μm未満である場合に比べ、得られる画像における微小色線の発生抑制性により優れるプロセスカートリッジが提供される。
<3>に係る発明によれば、前記保護層の厚さが、3μm未満又は8μm超である場合に比べ、得られる画像における微小色線の発生抑制性により優れるプロセスカートリッジが提供される。
<4>に係る発明によれば、前記感光層の厚さが、9μm未満である場合に比べ、得られる画像における微小色線の発生抑制性により優れるプロセスカートリッジが提供される。
<5>に係る発明によれば、前記感光層の厚さが、9.5μm未満又は15μm超である場合に比べ、得られる画像における微小色線の発生抑制性により優れるプロセスカートリッジが提供される。
<6>に係る発明によれば、前記感光層の厚さ(μm)/前記感光層の比誘電率の値と前記保護層の厚さ(μm)/前記保護層の比誘電率の値との和が、4.0未満又は7.0超である場合に比べ、得られる画像における微小色線の発生抑制性により優れるプロセスカートリッジが提供される。
<7>に係る発明によれば、前記感光層の厚さ(μm)/前記感光層の比誘電率の値と前記保護層の厚さ(μm)/前記保護層の比誘電率の値との和が、4.5未満又は6.0超である場合に比べ、得られる画像における微小色線の発生抑制性により優れるプロセスカートリッジが提供される。
<8>に係る発明によれば、前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m・V)未満又は2.30μC/(m・V)超である場合に比べ、得られる画像における微小色線の発生抑制性により優れるプロセスカートリッジが提供される。
<9>に係る発明によれば、前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m・V)未満又は2.10μC/(m・V)超である場合に比べ、得られる画像における微小色線の発生抑制性により優れるプロセスカートリッジが提供される。
<10>に係る発明によれば、導電性基材、前記導電性基材の上に設けられた感光層、及び、前記感光層の上に設けられた保護層を有する感光体と、前記感光体と接触して帯電を行うロール形状の帯電部材とを備え、前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m・V)未満であるプロセスカートリッジを用いる場合に比べ、得られる画像における微小色線の発生抑制性に優れる画像形成装置が提供される。
本実施形態に用いられる帯電部材の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に用いられる感光体の層構成の一例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「電子写真感光体」を単に「感光体」ともいう。
本明細書において、帯電部材の「軸方向」とは、帯電部材の回転軸が延びる方向を意味する。「周方向」とは、帯電部材の回転方向を意味する。
また、本明細書において「導電性」とは、20℃における体積抵抗率が1×1014Ωcm以下であることを意味する。
<プロセスカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、導電性基材、前記導電性基材の上に設けられた感光層、及び、前記感光層の上に設けられた保護層を有する感光体と、前記感光体と接触して帯電を行うロール形状の帯電部材とを備え、前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m・V)以上である。
従来の感光体及び前記感光体と接触して帯電を行うロール形状の帯電部材を備え、直流電源で帯電した場合、プロセスカートリッジを画像形成に用いた場合、微小な色線が発生する場合があるという問題があった。
本発明者らが詳細な検討を行った結果、上記微小な色線は、帯電部材が感光体に接触した後の放電ムラにより、帯電残りが発生し、その部分が、得られる画像において、微小な幅数十μm、長さ数十μm乃至数cmの色線(単に「微小色線」ともいう。)となることを見出した。
本実施形態に係るプロセスカートリッジにおいては、導電性基材、前記導電性基材の上に設けられた感光層、及び、前記感光層の上に設けられた保護層を有する感光体を備え、前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m・V)以上であることにより、感光体の表面電位を得るための放電量が多いことから放電ムラが抑制され、得られる画像における微小色線の発生が抑制される。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの詳細について説明する。
〔感光体を帯電させるために必要な電荷〕
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m・V)以上であり、得られる画像における微小色線の発生抑制性の観点から、1.65μC/(m・V)以上2.30μC/(m・V)以下であることが好ましく、1.65μC/(m・V)以上2.10μC/(m・V)以下であることがより好ましく、1.70μC/(m・V)以上2.10μC/(m・V)以下であることが更に好ましく、1.80μC/(m・V)以上2.10μC/(m・V)以下であることが特に好ましい。
なお、本実施形態において、「感光体を帯電させるために必要な電荷」とは、帯電の際に流れる感光体への電流値に帯電時間(帯電ロール周方向接触時間)をかけたものを、さらに単位面積あたりに直したものをいう。
感光体を帯電させるために必要な電荷を1.65μC/(m・V)以上とする手段としては、特に制限はないが、後述する感光体の感光層の厚さ、保護層の厚さ、及び、感光層の厚さ(μm)/比誘電率の値と保護層の厚さ(μm)/比誘電率の値との和の値を調整する手段が好適に挙げられる。
本実施形態における感光体を帯電させるために必要な電荷は、以下の方法により測定するものとする。
感光体、帯電ロールを実機同様に接触、回転させ、狙いの表面電位になるよう、表面電位計(Trek社製表面電位計Model344)で計測しながら、帯電ロールにTrek社製 高圧電源610Cを用いて電流をかけてその電流値を測定し、この電流値に帯電時間(帯電ロール周方向接触時間=接触幅/感光体回転速度)をかけたものを、さらに帯電ロールと感光体との接触面積(帯電ロールと感光体との接触幅×帯電ロール長さ)と帯電後の感光体の表面電位とで割ることで感光体を帯電させるために必要な電荷を求める。
〔各層の厚さと比誘電率との関係〕
前記感光層の厚さ(μm)/前記感光層の比誘電率の値は、得られる画像における微小色線の発生抑制性の観点から、1以上8以下であることが好ましく、2.0以上6.0以下であることがより好ましく、2.5以上5.0以下であることが特に好ましい。
前記保護層の厚さ(μm)/前記保護層の比誘電率の値は、得られる画像における微小色線の発生抑制性の観点から、0.5以上5以下であることが好ましく、1.0以上4.0以下であることがより好ましく、1.0を超え3.0以下であることが特に好ましい。
前記感光層の厚さ(μm)/前記感光層の比誘電率の値と前記保護層の厚さ(μm)/前記保護層の比誘電率の値との和は、得られる画像における微小色線の発生抑制性の観点から、4.0以上7.0以下であることが好ましく、4.2以上6.0以下であることがより好ましく、4.5以上6.0以下であることが更に好ましく、4.5以上5.3以下であることが特に好ましい。
本実施形態における感光体又は帯電部材の各層の厚さは、Fisher社製渦電流膜厚計FisherSCOPE MMS PC2を用いて測定する。
本実施形態における感光層又は保護層の比誘電率は、以下の方法により測定するものとする。
感光体基材に単層を塗布し、蒸着によりφ5mmの金電極を作製し、測定機器はSchlumberger Solartron 1260 Impedance Gain-Phase Analyzerを用いてインピーダンスを測定し、比誘電率を算出する。2.5Hzの測定値を使用する。
〔帯電部材〕
本実施形態に用いられる帯電部材の形状としては、特に限定されるものではないが、ロール状、ブラシ状、ベルト(チューブ)状、ブレード状等の形状を挙げられる。これらの中でも、図1に例示するようなロール状帯電部材、すなわち、いわゆる帯電ロールの形態をとるものが好ましい。
図1は、本実施形態に用いられる帯電部材の一例を示している。図1に示す帯電部材208Aは、中空又は非中空の円筒部材である導電性基材30と、導電性基材30の外周面に配置された弾性層31と、弾性層31の外周面に配置された表面層32とを有する。
(導電性基材)
帯電部材は、ロール状の導電性基材を有することが好ましい。
導電性基材は、帯電部材の電極及び支持体として機能する。
導電性基材としては、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属または合金;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄;導電性の樹脂などの導電性の材質で構成されたものが用いられる。本実施形態における導電性基材は、帯電ロールの電極及び支持部材として機能するものであり、例えば、その材質としては鉄(快削鋼等)、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム,ニッケル等の金属が挙げられる。本実施形態においては、前記導電性基材は、導電性の棒状部材であり、前記導電性基材としては、外周面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂や、セラミック部材)、導電剤が分散された部材(例えば樹脂や、セラミック部材)等も挙げられる。前記導電性基材は、中空状の部材(筒状部材)であってもよく、非中空状の部材であってもよい。
(弾性層)
帯電部材は、導電性基材上に、弾性層を有することが好ましい。
弾性層は、例えば、弾性材料と、導電剤と、を含む導電性の層である。弾性層は、必要に応じて、その他添加剤を含んでもよい。
弾性層は、単層でもよく、複数の層が積層した積層体でもよい。弾性層は、導電性の発泡弾性層でもよく、導電性の非発泡弾性層でもよく、導電性の発泡弾性層と導電性の非発泡弾性層とが積層されていてもよい。
弾性材料としては、例えば、ポリウレタン、ニトリルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、エピクロロヒドリンゴム、エピクロロヒドリン-エチレンオキシドゴム、エピクロロヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテルゴム、スチレン-ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、塩素化ポリイソプレン、水素化ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、及びこれらを混合した弾性材料が挙げられる。これらの弾性材料の中でも、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エピクロロヒドリン-エチレンオキシドゴム、エピクロロヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテルゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、及びこれらを混合した弾性材料が好ましい。
導電剤としては、電子導電剤とイオン導電剤とが挙げられる。
電子導電剤としては、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カラーブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン;グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ-酸化アンチモン固溶体、酸化スズ-酸化インジウム固溶体等の金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理した物質;などの粉末が挙げられる。
イオン導電剤としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリアルキルアンモニウム等の過塩素酸塩又は塩素酸塩;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の過塩素酸塩又は塩素酸塩;などが挙げられる。
導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電剤は、例えば、平均一次粒径が1nm以上200nm以下であることが好ましい。
弾性層における電子導電剤の含有量は、弾性材料100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましく、15質量部以上25質量部以下がより好ましい。
弾性層におけるイオン導電剤の含有量は、弾性材料100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下が好ましく、0.5質量部以上3質量部以下がより好ましい。
なお、平均粒子径は、弾性層を切り出した試料を用い、電子顕微鏡により観察し、導電剤の100個の直径(最大径)を測定し、それを平均することにより算出する。また、平均粒径は、例えば、シスメックス社製ゼータサイザーナノZSを用いて測定してもよい。
導電剤の含有量は特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、弾性材料100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲であることが好ましく、15質量部以上25質量部以下の範囲であることがより好ましい。一方、上記イオン導電剤の場合は、弾性材料100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下の範囲であることがより好ましい。
弾性層に配合されるその他添加剤としては、例えば、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム、粘土鉱物等)等が挙げられる。
弾性層の厚さは、1mm以上10mm以下が好ましく、2mm以上5mm以下がより好ましい。
弾性層の体積抵抗率は、1×10Ωcm以上1×1014Ωcm以下が好ましい。
なお、弾性層の体積抵抗率は、次に示す方法により測定された値である。
弾性層からシート状の測定試料を採取し、その測定試料に対し、JIS K 6911(1995)に従って、測定治具(R12702A/Bレジスティビティ・チェンバ:アドバンテスト社製)と高抵抗測定器(R8340Aデジタル高抵抗/微小電流計:アドバンテスト社製)とを用い、電場(印加電圧/組成物シート厚)が1000V/cmになるよう調節した電圧を30秒印加した後、その流れる電流値より、下記式を用いて算出する。
体積抵抗率(Ωcm)=(19.63×印加電圧(V))/(電流値(A)×測定試料厚(cm))
弾性層に含まれる凹凸形成用粒子の形態としては、表面層に含まれる凹凸形成用粒子と同様の形態が挙げられる。
弾性層は、体積平均粒径が5μm以上20μm以下である凹凸形成用粒子を、弾性材料100質量部に対して5質量部以上30質量部以下で含有することが好ましい。弾性層は、体積平均粒径が5μm以上10μm以下である凹凸形成用粒子を、弾性材料100質量部に対して8質量部以上20質量部以下で含有することがより好ましい。
弾性層を、導電性基材上に形成する方法としては、例えば、弾性材料、導電剤、その他添加剤を混合した弾性層形成用組成物と、円筒状の導電性基材とを、共に押出成形機から押出して、導電性基材の外周面上に弾性層形成用組成物の層を形成し、次いで、弾性層形成用組成物の層を加熱して架橋反応させ弾性層とする方法;無端ベルト状の導電性基材の外周面に、弾性材料、導電剤、その他添加剤を混合した弾性層形成用組成物を押出成形機から押出して、導電性基材の外周面上に弾性層形成用組成物の層を形成し、次いで、弾性層形成用組成物の層を加熱して架橋反応させ弾性層とする方法;などが挙げられる。導電性基材は、その外周面に接着層を有していてもよい。
(表面層)
本実施形態に係る帯電部材は、弾性層上に表面層を更に有する。表面層は、例えば、樹脂を含む層である。表面層は、必要に応じて、その他添加剤等を含んでもよい。
表面層に用いることのできる前記結着樹脂としては、ウレタン樹脂、ポリエステル、フェノール、アクリル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、セルロース等が挙げられる。
表面層の抵抗率を適当な値に調整するために導電性粒子を含有させる場合が多い。
導電性粒子としては、粒径が3μm以下で体積抵抗率が10Ωcm以下であるものが好ましい。例えば、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物、若しくはそれらの合金からなる粒子、又はカーボンブラック等を用いられる。
前記表面層の厚さは、2μm以上15μm以下が好ましく、2μm以上10μm以下がより好ましく、3μm以上8μm以下が更に好ましい。
表面層の体積抵抗率は、1×10Ωcm以上1×10Ωcm以下が好ましい。
帯電部材の表面には、帯電性能、耐摩耗性、及び、フィルミング抑制の観点から、表面層に含まれる各種粒子の粒径、含有量、分散状態等によって、凹凸が形成されていることが好ましい。
本実施形態では、帯電性能、耐摩耗性、及び、フィルミング抑制の観点から、帯電部材の表面における凹凸の平均間隔Smは、50μm以上300μm以下の範囲が好ましく、70μm以上250μm以下の範囲がより好ましい。
ここで、帯電部材の表面における凹凸の平均間隔Smとは、JIS B 0601(1994)に規定された帯電部材の表面粗さを示す指標である。本実施形態における凹凸の平均間隔Smとは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分において1つの山及びそれに隣り合う1つの谷に対応する平均線の長さの和を求め、この多数の凹凸の間隔の算術平均値をマイクロメートル(μm)で表したものである。
帯電部材の表面における凹凸の平均間隔Smは、温度23℃ 、相対湿度55%の環境下において、接触式表面粗さ測定装置(サーフコム70、(株)東京精密製)を用いて測定された値である。ただし、測定距離を2.5mmとし、接触針としてはその先端がダイヤモンド(5μmR、90°円錐)のものを用い、場所を変えて3回繰り返し測定した際の平均値を、凹凸の平均間隔Smとする。
表面層の塗布方法としては、ロール塗布法、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いることができる。ロール塗布法は端部ダレを生じないため、端部付近を中央部付近より厚くする本発明に好ましく適用される。また、浸漬塗布法は端部ダレが生じるものの、欠陥の少ない膜を効率的に形成できるため好ましく適用される。
(接着層)
本実施形態に用いられる帯電部材は、導電性基材と弾性層との間に、接着層を有していてもよい。
弾性層と導電性基材との間に介在する接着層としては、樹脂層が挙げられ、具体的には、ポリオレフィン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ニトリルゴム、塩素ゴム、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂層が挙げられる。接着層は、導電剤(例えば、前述の電子導電剤又はイオン導電剤)を含有していてもよい。
接着層の厚さは、密着性の観点から、1μm以上100μm以下が好ましく、2μm以上50μm以下がより好ましく、5μm以上20μm以下が特に好ましい。
〔感光体〕
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、導電性基材、前記導電性基材の上に設けられた感光層、及び、前記感光層の上に設けられた保護層を有する感光体(「電子写真感光体」ともいう。)を備える。
図2は、本実施形態に用いられる感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。
図2に示す感光体7Aは、導電性基材4上に、下引層1、電荷発生層2及び電荷輸送層3が、この順序で積層された構造を有する。電荷発生層2及び電荷輸送層3が、感光層5を構成している。図示はしないが、感光体7Aは、電荷輸送層3上に、更に保護層6が設けられている。
本実施形態に用いられる感光体において、感光層は、図2に示す感光体7Aのように電荷発生層2と電荷輸送層3とが分離した積層型の感光層であってもよいし、電荷発生層2と電荷輸送層3とに代えて、電荷発生能及び電荷輸送能を有する単層型の感光層であってもよい。感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層と電荷輸送層との順序は特に限定されないが、感光体は、導電性基材上に、電荷発生層、電荷輸送層、及び保護層をこの順に有する構成が好ましい。感光体は、これらの層以外の層を含んでいてもよい。
(保護層)
保護層は、感光層上に設けられる。
保護層は、反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜、又は、非反応性の電荷輸送材料と電荷輸送性骨格を有さず反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料とを含む組成物の硬化膜で構成された層であり、且つ、外周面側の面の硬化度に対する前記導電性基材側の面の硬化度の割合が75%以上であることが好ましい。
保護層は、外周面側の面の硬化度Aに対する前記導電性基材側の面の硬化度Bの割合(=B/A×100)が75%以上であることが好ましく、80%以上100%以下であることがより好ましく、90%以上100%以下であることが更に好ましい。
上記割合が75%以上(好ましくは80%以上100%以下)であると、外周面側から導電性基材側にかけて硬化膜の硬化度の差が小さく抑えられているため、感光体の1回転当たりの保護層の摩耗量の変動が小さく抑えられ、保護層の長期的な耐摩耗性の変動が抑制されると考えられる。
保護層は、外周面側の面の硬化度Aが55%以上95%以下であることが好ましく、68%以上88%以下であることがより好ましく、74%以上82%以下であることが更に好ましい。
上記外周面側の面の硬化度Aが55%以上であると、外周面側の面が過度に柔らかくなり過ぎず、保護層の耐摩耗性により優れる。上記外周面側の面の硬化度Aが95%以下であると、外周面側の面が過度に硬くなり過ぎず、外周面側から導電性基材側にかけて硬化膜の硬化度の差がより小さく抑えられるため、感光体の1回転当たりの保護層の摩耗量の変動も小さく抑えられ、保護層の長期的な耐摩耗性の変動がより抑制されると考えられる。
保護層は、導電性基材側の面の硬化度Bが41%以上95%以下であることが好ましく、54%以上88%以下であることがより好ましく、67%以上82%以下であることが更に好ましい。
上記外周面側の面の硬化度Aが55%以上であると、導電性基材側の面が過度に柔らかくなり過ぎず、外周面側の面が過度に柔らかくなり過ぎず、保護層の耐摩耗性により優れる。また、硬化度Bが41%以上であることにより外周面側から導電性基材側にかけて硬化膜の硬化度の差がより小さく抑えられるため、感光体の1回転当たりの保護層の摩耗量の変動も小さく抑えられ、保護層の長期的な耐摩耗性の変動がより抑制されると考えられる。
上記導電性基材側の面の硬化度Aが95%以下であると、外周面側の面が過度に硬くなり過ぎず、外周面側から導電性基材側にかけて硬化膜の硬化度の差がより小さく抑えられるため、感光体の1回転当たりの保護層の摩耗量の変動も小さく抑えられ、保護層の長期的な耐摩耗性の変動がより抑制されると考えられる。
上記外周面側の面の硬化度、導電性基材側の面の硬化度及びこれらの割合比を制御する手法は特に制限されないが、例えば、保護層の形成工程において熱風乾燥工程(例えば、温度155℃以上で15分以上加熱する等)を有することなどが挙げられる。
硬化度の測定方法は下記の様にして行う。
(1)感光体表面から基材にかけて斜めに切削し、保護層を分離することなく導電性基材側部分も表面に露出させ、20mm×20mmの試験片を得る。
(2)得られた試験片について、外周面側の面、導電性基材側の面それぞれについて、赤外吸収分光法により下記の条件で、硬化反応基の残割合を測定する。
測定条件:赤外分光分析装置、(パーキンエルマー社製)
測定条件:ATR(Ge)法、硬化反応基検出波長の吸収ピークとベース波長の吸収ピークの面積比
保護層は、下記1)又は2)に示す層である。
保護層が、下記1)又は2)に示す層であると、帯電時の感光層の化学的変化が防止されたり、保護層の耐摩耗性に優れたりする。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)。
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)。
上記1)に示す層は、組成物中に非反応性の電荷輸送材料を更に含んでいてもよい。
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、-OH、-OR[但し、Rはアルキル基を示す]、-NH、-SH、-COOH、-SiRQ1 3-Qn(ORQ2Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1~3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。なお、反応性基含有非電荷輸送材料における反応性基としても、前記公知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
電荷輸送性骨格としては、像保持体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物(トリアリールアミン骨格を有する化合物)、ベンジジン系化合物(ベンジジン骨格を有する化合物)、ヒドラゾン系化合物(ヒドラゾン骨格を有する化合物)等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、電荷輸送性骨格として、トリアリールアミン骨格を含むことが好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
反応性基含有電荷輸送材料は、反応性基として連鎖重合性基を有する反応性基含有電荷輸送材料(以下、「特定の反応性基含有電荷輸送材料(a)」ともいう。)であってもよい。反応性基含有非電荷輸送材料は、1種単独で用いても、2種以上を併用していてもよい。
特定の反応性基含有電荷輸送材料(a)としては、下記一般式(A)で表される化合物であることが、電荷輸送性に優れることから、好ましい。
前記一般式(A)中、Ar乃至Arはそれぞれ独立に、置換若しくは未置換のアリール基を示し、Arは置換若しくは未置換のアリール基、又は、置換若しくは未置換のアリーレン基を表し、Dは連鎖重合性基を有する有機基を表し、c1乃至c5はそれぞれ独立に、0以上2以下の整数を表し、kは0又は1を表し、dは0以上5以下の整数を表し、eは0又は1を示し、Dの総数は4以上である。
一般式(A)において、Ar乃至Arはそれぞれ独立に、置換若しくは未置換のアリール基を示す。Ar乃至Arは、それぞれ、同一でもあってもよいし、異なっていてもよい。
ここで、置換アリール基における置換基としては、D:連鎖重合性基を有する有機基以外のものとして、炭素数1乃至4のアルキル基若しくはアルコキシ基、炭素数6以上10以下の置換若しくは未置換のアリール基等が挙げられる。
Ar乃至Arとしては、下記式(1)乃至(7)のうちのいずれかであることが好ましい。なお、下記式(1)乃至(7)は、Ar乃至Arの各々に連結され得る「-(D)C1」乃至「-(D)C4」を総括的に示した「-(D)」と共に示す。
前記式(1)乃至(7)中、Rは、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルキル基若しくは炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基及び炭素数7以上10以下のアラルキル基よりなる群から選ばれる1種を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基及びハロゲン原子よりなる群から選ばれる1種を表し、Arは置換又は未置換のアリーレン基を表し、Dは連鎖重合性基を有する有機基を表し、cは1又は2を表し、sは0又は1を表し、tは0以上3以下の整数を表す。
ここで、式(7)中のArとしては、下記構造式(8)又は(9)で表されるものが好ましい。
前記式(8)及び(9)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基及びハロゲン原子よりなる群から選ばれる1種を表し、t’はそれぞれ0以上3以下の整数を表す。
また、前記式(7)中、Z’は2価の有機連結基を示すが、下記式(10)乃至(17)のうちのいずれかで表されるものが好ましい。また、前記式(7)中、sはそれぞれ0又は1を表す。
前記式(10)乃至(17)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基若しくは炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基及びハロゲン原子よりなる群から選ばれる1種を表し、Wは2価の基を表し、q及びrはそれぞれ独立に、1以上10以下の整数を表し、t”はそれぞれ独立に、0以上3以下の整数を表す。
前記式(16)乃至(17)中のWとしては、下記式(18)乃至(26)で表される2価の基のうちのいずれかであることが好ましい。ただし、式(25)中、uは0以上3以下の整数を表す。
また、一般式(A)中、Arは、kが0の時は置換若しくは未置換のアリール基であり、このアリール基としては、Ar乃至Arの説明で例示されたアリール基と同様のものが挙げられる。また、Arは、kが1の時は置換若しくは未置換のアリーレン基であり、このアリーレン基としては、Ar乃至Arの説明で例示されたアリール基から、-N(Ar-(D)C3)(Ar-(D)C4)が置換する位置の水素原子を1つ除いたアリーレン基が挙げられる。
反応性基含有電荷輸送材料の含有量は、保護層を形成する際に用いられる組成物(固形分)に対して30質量%以上100質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以上100質量%以下、更に好ましくは50質量%以上100質量%以下である。この範囲とすることで、硬化膜の電気特性に優れ、硬化膜を厚膜化し得る。
非反応性の電荷輸送材料としては、例えば、p-ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。非反応性の電荷輸送材料は、1種単独で用いても、2種以上を併用していてもよい。
反応性基含有非電荷輸送材料としては、熱硬化性樹脂、硬化剤等が挙げられる。反応性基含有非電荷輸送材料は、1種単独で用いても、2種以上を併用していてもよい。
熱硬化性樹脂としては、グアナミン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。
硬化剤としては、グアナミン構造を有する化合物(以下、「グアナミン化合物」とも称する。)及びメラミン構造を有する化合物(以下、「メラミン化合物」とも称する。)等が挙げられる。
保護層が、例えば、反応性基含有電荷輸送材料と、熱硬化性樹脂(より好ましくはグアナミン樹脂、メラミン樹脂等)、グアナミン化合物及びメラミン化合物から選択される少なくとも1種との架橋体(架橋物)を含んで構成される硬化膜である場合、熱硬化性樹脂(より好ましくはグアナミン樹脂、メラミン樹脂等)、グアナミン化合物及びメラミン化合物を含まない場合に比べて、硬化度の高い硬化膜が得られやすく、耐摩耗性により優れる。
保護層は、前記1)及び2)に示す層の中でも、前記1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化物から構成されていることが好ましい。保護層が、前記1)に示す層であると、前記2)に示す層に比べ、保護層の硬度がより高くなり、耐摩耗性に優れる傾向にある。
-フッ素樹脂粒子-
保護層は、フッ素樹脂粒子を更に含んでいてもよい。
フッ素樹脂粒子を更に含むと、保護層の外周面に適度に凹凸が形成され、耐摩耗性により優れる。
保護層には、保護層の全固形分に対し、フッ素樹脂粒子が5質量%以上15質量%以下の含有量で含有されている。
フッ素樹脂粒子の含有量は、層全構成成分(固形分全量)に対して、5質量%以上15質量%以下が望ましく、より望ましくは7質量%以上12質量%以下である。
フッ素樹脂粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、別名「4フッ化エチレン樹脂」)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルコキシエチレン共重合体などの粒子が挙げられる。
中でも、電子写真感光体の耐摩耗性とクリーニング性の観点から、ポリテトラフルオロエチレン、及びテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体が望ましい。
フッ素樹脂粒子は、1種を単独でまたは2種以上を併用してもよい。
フッ素樹脂粒子を構成するフッ素樹脂の重量平均分子量は、例えば、3000以上500万以下がよい。
フッ素樹脂粒子の平均一次粒径は、例えば、0.05μm以上10μm以下であることが望ましく、より望ましくは0.1μm以上5μm以下である。
なお、フッ素樹脂粒子の平均一次粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-920(堀場製作所製)を用いて、フッ素樹脂粒子が分散された分散液と同じ溶剤に希釈した測定液を屈折率1.35で測定した値をいう。
フッ素樹脂粒子の市販品としては、例えば、ルブロン(登録商標)シリーズ(ダイキン工業株式会社製)、テフロン(登録商標)シリーズ(デュポン社製)、ダイニオンシリーズ(住友3M製)等が挙げられる。
-保護層の形成方法-
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
-厚さ-
保護層の厚さは、得られる画像における微小色線の発生抑制性の観点から、1μm以上であることが好ましく、1μm以上20μm以下であることがより好ましく、2μm以上10μm以下であることが更に好ましく、3μm以上8μm以下であることが特に好ましい。
(導電性基材)
本実施形態に係る感光体は、導電性基材の肉厚が3mm以上であり、4mm以上20mm以下であってもよく、4mm以上10mm以下であってもよい。
先述の通り、導電性基材の肉厚が3mm以上(特に4mm以上10mm以下)であると、肉厚が3mm未満である導電性基材を備える感光体に比べて、保護層を形成するときに、保護層における外周面側から導電性基材側にかけて熱が伝わり難くなり、これに伴い、外周面側から導電性基材側にかけて硬化膜の硬化度の差が大きくなる。そのため、得られた保護層は、感光体の1回転当たりの摩耗量が次第に小さくなり、保護層の長期的な耐摩耗性の変動が大きくなる。一方、本実施形態に係る感光体は、導電性基材の肉厚が3mm以上(特に4mm以上10mm以下)であっても、保護層を形成するときに、外周面側から導電性基材側にかけて硬化膜の硬化度の差が小さく抑えられる。そのため、保護層の長期的な耐摩耗性の変動が抑制される。
導電性基材としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基材としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フイルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基材の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基材の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて導電性基材に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基材を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基材の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基材の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基材を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基材の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基材には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これを更にアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピル-トリス(2-メトキシエトキシ)シラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロフルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノン等のフルオレノン化合物;2-(4-ビフェニル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ナフチル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ-t-ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピル-トリス(2-メトキシエトキシ)シラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基材上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層を更に設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro-Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、ヒドロキシガリウムフタロシアニン;クロロガリウムフタロシアニン;ジクロロスズフタロシアニン;チタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;ビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp-型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn-型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。
なお、n-型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn-型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液-液衝突や液-壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送材料としては、p-ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記構造式(a-1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記構造式(a-2)で示されるベンジジン誘導体が好ましい。
構造式(a-1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、それぞれ独立に置換若しくは無置換のアリール基、-C-C(RT4)=C(RT5)(RT6)、又は-C-CH=CH-CH=C(RT7)(RT8)を示す。RT4、RT5、RT6、RT7、及びRT8はそれぞれ独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
構造式(a-2)中、RT91及びRT92はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のアルコキシ基を示す。RT101、RT102、RT111及びRT112はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは無置換のアリール基、-C(RT12)=C(RT13)(RT14)、又は-CH=CH-CH=C(RT15)(RT16)を示し、RT12、RT13、RT14、RT15及びRT16はそれぞれ独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。Tm1、Tm2、Tn1及びTn2はそれぞれ独立に0以上2以下の整数を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
ここで、構造式(a-1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び前記構造式(a-2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「-C-CH=CH-CH=C(RT7)(RT8)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「-CH=CH-CH=C(RT15)(RT16)」を有するベンジジン誘導体が、電荷移動度の観点で好ましい。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、ポリエステル系の高分子電荷輸送材が好ましい。なお、高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2-ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは8μm以上30μm以下、特に好ましくは9μm以上14μm以下の範囲内に設定される。
(単層型感光層)
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下がよく、好ましくは0.8質量%以上5質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
-厚さ-
感光層の厚さ、すなわち、電荷発生層及び電荷輸送層が積層した積層型感光層、又は、単層型感光層の厚さは、得られる画像における微小色線の発生抑制性の観点から、9μm以上であることが好ましく、9μm以上20μm以下であることがより好ましく、9μm以上17μm以下であることが更に好ましく、9.5μm以上15μm以下であることが特に好ましい。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、画像形成装置に着脱されるカートリッジであることが好ましい。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、現像装置、感光体のクリーニング装置、感光体の除電装置、及び、転写装置よりなる群から選択される少なくとも1つの装置を更に備えていてもよい。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、直流電圧のみを印加する方式(DC帯電方式)、交流電圧のみを帯電部材に印加する方式(AC帯電方式)、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を帯電部材に印加する方式(AC/DC帯電方式)のいずれでもよい。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを有するものであれば特に制限されず、本実施形態に係るプロセスカートリッジを有し、帯電した前記感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備えることが好ましい。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、トナー像の転写後、帯電前の感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置、及び、トナー像の転写後、帯電前に感光体の表面に光を照射して除電する除電装置よりなる群から選ばれる少なくとも1つを更に備えていてもよい。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に直接転写する直接転写方式の装置、及び、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置、のいずれでもよい。
以下、本実施形態に係る帯電装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジの構成を、図面を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図3は、直接転写方式の画像形成装置を示す概略図である。図4は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。図4は、中間転写方式の画像形成装置を示す概略図である。
図3に示す画像形成装置200は、電子写真感光体(単に「感光体」ともいう。)207と、感光体207表面を帯電させる帯電装置208と、帯電装置208に接続した電源209と、感光体207表面を露光して潜像を形成する露光装置206と、感光体207上の潜像を、トナーを含む現像剤により現像する現像装置211と、感光体207上のトナー像を記録媒体500に転写する転写装置212と、トナー像を記録媒体500に定着させる定着装置215と、感光体207上に残留したトナーを除去するクリーニング装置213と、感光体207表面を除電する除電装置214と、を備える。除電装置214は、備えられていなくてもよい。
図4に示す画像形成装置210は、感光体207と、帯電装置208と、電源209と、露光装置206と、現像装置211と、感光体207上のトナー像を記録媒体500に転写する1次転写部材212a及び2次転写部材212bと、定着装置215と、クリーニング装置213と、を備える。画像形成装置210は、画像形成装置200と同様に除電装置を備えていてもよい。
帯電装置208は、ロール状の帯電部材からなり、感光体207の表面に接触して、感光体207の表面を帯電させる、接触帯電方式の帯電装置である。帯電装置208には、電源209から、直流電圧のみが印加される、交流電圧のみが印加される又は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。
露光装置206としては、半導体レーザ、LED(light emitting diode)等の光源を備える光学系装置が挙げられる。
現像装置211は、トナーを感光体207に供給する装置である。現像装置211は、例えば、ロール状の現像剤保持体を感光体207に接触又は近接させて、感光体207上の潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。
転写装置212としては、例えば、コロナ放電発生器、記録媒体500を介して感光体207に押圧する導電性ロールが挙げられる。
1次転写部材212aとしては、例えば、感光体207に接触して回転する導電性ロールが挙げられる。2次転写部材212bとしては、例えば、記録媒体500を介して1次転写部材212aに押圧する導電性ロールが挙げられる。
定着装置215としては、例えば、加熱ロールと、該加熱ロールに押圧する加圧ロールとを備える加熱定着装置が挙げられる。
クリーニング装置213としては、クリーニング部材として、ブレード、ブラシ、ロール等を備える装置が挙げられる。クリーニングブレードの材質としては、ウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
除電装置214は、例えば、転写後の感光体207表面に光を照射して、感光体207の残留電位を除電する装置である。除電装置214は、備えられていなくてもよい。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。図5は、4つの画像形成ユニットを並列配置したタンデム方式且つ中間転写方式の画像形成装置を示す概略図である。
画像形成装置220は、ハウジング400内に、各色のトナーに対応する4つの画像形成ユニットと、レーザ光源を備える露光装置403と、中間転写ベルト409と、2次転写ロール413と、定着装置414と、クリーニングブレード416を有するクリーニング装置と、を備える。
4つの画像形成ユニットは同じ構成を有するため、これらを代表して、感光体401aを含む画像形成ユニットの構成を説明する。
感光体401aの周囲には、感光体401aの回転方向に順に、帯電ロール402a、現像装置404a、1次転写ロール410a、クリーニングブレード415aが配置されている。1次転写ロール410aは、中間転写ベルト409を介して感光体401aに押圧している。現像装置404aには、トナーカートリッジ405aに収容されたトナーが供給される。
帯電ロール402aは、感光体401aの表面に接触して、感光体401aの表面を帯電させる、接触帯電方式の帯電装置である。帯電ロール402aには、電源から、直流電圧のみが印加される、交流電圧のみが印加される、又は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。
中間転写ベルト409は、駆動ロール406、張架ロール407及び背面ロール408により張架されており、これらのロールの回転により走行する。
2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介して背面ロール408に押圧するように配置されている。
定着装置414は、例えば、加熱ロールと加圧ロールとを備える加熱定着装置である。
クリーニングブレード416は、中間転写ベルト409上に残留したトナーを除去する部材である。クリーニングブレード416は、背面ロール408の下流に配置されており、転写後の中間転写ベルト409上に残留したトナーを除去する。
ハウジング400内には、記録媒体500を収容するトレイ411が設けられている。トレイ411内の記録媒体500は、搬送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との接触部に搬送され、更には定着装置414に搬送され、記録媒体500上に画像が形成される。画像形成後の記録媒体500は、ハウジング400の外部に排出される。
図6は、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。図6に示すプロセスカートリッジ300は、例えば、露光装置、転写装置及び定着装置を備える画像形成装置本体に着脱される。
プロセスカートリッジ300は、感光体207と、帯電装置208と、現像装置211と、クリーニング装置213とが、ハウジング301によって一体化されている。ハウジング301には、画像形成装置に着脱するための取り付けレール302と、露光のための開口部303と、除電露光のための開口部304とが設けられている。
プロセスカートリッジ300が備える帯電装置208は、ロール状の帯電部材からなり、感光体207の表面に接触して、感光体207の表面を帯電させる、接触帯電方式の帯電装置である。プロセスカートリッジ300が画像形成装置に装着され画像形成を行う際に、帯電装置208には、電源から、直流電圧のみが印加される、交流電圧のみが印加される、又は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。
<現像剤、トナー>
本実施形態に係る画像形成装置に適用される現像剤は、特に限定されない。現像剤は、トナーのみを含む一成分現像剤でもよく、トナーとキャリアとを混合した二成分現像剤でもよい。
現像剤に含まれるトナーは、特に限定されない。トナーは、例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤を含む。トナーの結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、スチレン-アクリル樹脂が挙げられる。
トナーは、外添剤が外添されていてもよい。トナーの外添剤としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機粒子が挙げられる。
トナーは、トナー粒子を製造し、そのトナー粒子に外添剤を外添して調製する。トナー粒子の製造方法としては、混練粉砕法、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法などが挙げられる。トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)は、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
二成分現像剤に含まれるキャリアは、特に限定されない。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散して配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;が挙げられる。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。以下の説明において、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
<実施例1>
〔帯電部材1の作製〕
(弾性層の作製)
下記の弾性層形成用混合物を、オープンロールで混錬し、SUS416からなる直径9mmのロール状の導電性基材の外周面を、厚さ1.5mmとなるように円筒状に被覆した。これを内径12.0mmの円筒形の金型に入れ、170℃で30分間加硫させ、金型から取り出した後、表面を研磨した。これにより、導電性基材の外周面に形成された、円筒状の導電性の弾性層を得た。
-弾性層形成用混合物-
・ゴム材(エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、GECHRON3106、日本ゼオン(株)製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック、アサヒサーマル、旭カーボン(株)製):25質量部
・導電剤(ケッチェンブラックEC、ライオン(株)製):8質量部
・イオン導電剤(過塩素酸リチウム):1質量部
・加硫剤(硫黄、200メッシュ、鶴見化学工業(株)製):1質量部
・加硫促進剤(ノクセラーDM、大内新興化学工業(株)製):2.0質量部
・加硫促進剤(ノクセラーTT、大内新興化学工業(株)製):0.5質量部
(表面層の形成)
下記の表面層形成用混合物を、ビーズミルで分散し、得られた分散液を、メタノールで希釈した。これを、上記で作製した導電性の弾性層の表面(外周面)に浸漬塗布した後、140℃で15分間加熱乾燥した。これにより、導電性の弾性層の表面に厚さ4μmの表面層を有する帯電部材1を得た。
得られた帯電部材1の表面における凹凸の平均間隔Smは、90μmであった。
-表面層形成用混合物-
・高分子材料(N-アルコキシメチル化ポリアミド、トレジン、ナガセケムテックス(株)製):100質量部
・導電剤(カーボンブラックMonarch1000、キャボット社製):30質量部
・溶剤(メタノール):500質量部
・溶剤(ブタノール):240質量部
〔感光体1の作製〕
(下引層の形成)
酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理を施した酸化亜鉛を得た。表面処理を施した酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、更に60℃で減圧乾燥を行い、アリザリンを付与させた酸化亜鉛を得た。
このアリザリンを付与させた酸化亜鉛:60質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート、スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):13.5質量部と、ブチラール樹脂(エスレックBM-1、積水化学工業社製):15質量部と、をメチルエチルケトン85質量部に混合した液38質量部とメチルエチルケトン:25質量部とを混合し、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い、分散液を得た。得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、及びシリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):40質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。この下引層形成用塗布液を浸漬塗布法にて肉厚5mmのアルミニウムの導電性基材上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い、厚さ20μmの下引層を得た。
(電荷発生層の形成)
電荷発生材料として、Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.5゜、16.3゜、25.0゜、28.3゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを用意した。ヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部及びn-酢酸ブチル200質量部を混合した混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn-酢酸ブチル175質量部及びメチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この塗布液を下引層上に浸漬塗布し、150℃下で10分間乾燥して、厚さ0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の形成)
電荷輸送剤(HT-1)38質量部と、電荷輸送剤(HT-2)10質量部と、ポリカーボネート(A)(粘度平均分子量4.8万)52質量部とをテトラヒドロフラン800質量部に加えて溶解し、電荷輸送層形成用の塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、140℃下で40分間乾燥して、厚さ10.8μmの電荷輸送層を形成した。
(保護層の形成)
反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の熱硬化膜で構成される保護層を以下のようにして形成した。
下記に示す反応性基含有電荷輸送材料である構造式で表される化合物(2)70質量部、下記に示す反応性基含有電荷輸送材料である構造式で表される化合物(3)15質量部、及び反応性基含有非電荷輸送材料である硬化性樹脂:ベンゾグアナミン樹脂(三和ケミカル社製ニカラックBL-60;既述の(H)-17)4.4質量部を、2-プロパノール220質量部に加え、混合して溶解させた後、硬化触媒としてNACURE5225(キングインダストリー社製)0.1部質量を加えて、保護層形成用塗布液を得た。
この保護層形成用塗布液を電荷輸送層の上に浸漬塗布し、室温(25℃)で30分風乾した後、窒素気流下、酸素濃度110ppmで、室温から表1に示す加熱温度(到達温度)まで加熱し、これを表1に示す加熱時間(保持時間)で保持して加熱処理し、硬化させた。そして、膜厚が10μmの保護層を形成した。以上の様にして、感光体1を得た。
得られた帯電部材1と感光体1とを組みあわせ、画像形成装置であるDocuCentre-V C2263(富士フイルムビジネスイノベーション(株)製)に着脱可能なプロセスカートリッジを作製した。
<実施例2~6、及び、比較例1~3>
表1のように、感光体の保護層及び感光層の厚さ、比誘電率を変更した以外は実施例1と同様にして各実施例のプロセスカートリッジを作製した。
<微小色線の発生抑制性評価>
富士フイルムビジネスイノベーション(株)製、DocuCentre-V C2263を用意し、得られたプロセスカートリッジをセットして濃度30%のハーフトーン画像を印刷し、微小色線の出現状態をグレード見本(色線の密度、平均長さで区分)で下記に示すG0乃至G4でグレード付けした。G0、G0.5又はG1であることが好ましい。
G0:微小色線の密度0本/25cm、微小色線の長さ0mm
G0.5:微小色線の密度0本/25cmを超え1本/25cm以下、微小色線の平均長さ20mm未満
G1:微小色線の密度1本/25cmを超え5本/25cm以下、微小色線の平均長さ20mm未満
G2:微小色線の密度1本/25cmを超え5本/25cm以下、微小色線の平均長さ20mm以上
G3:微小色線の密度5本/25cmを超え10本/25cm以下、微小色線の平均長さ20mm以上
G4:微小色線の密度10本/25cmを超え、微小色線の平均長さ20mm以上
なお、G3又はG4で、微小色線の平均長さが20mm未満の場合はそれぞれ、G2又はG3評価とする。
評価結果を表1にまとめて示す。
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、得られる画像における微小色線の発生抑制性に優れることがわかる。
1 下引層、2 電荷発生層、3 電荷輸送層、4 導電性基材、5 感光層、7A 電子写真感光体
208A 帯電部材、30 導電性基材、31 弾性層、32 表面層
200,210,220 画像形成装置、206 露光装置、207 電子写真感光体(感光体)、208 帯電装置、209 電源、211 現像装置、212 転写装置、212a 1次転写部材、212b 2次転写部材、213 クリーニング装置、214 除電装置、215 定着装置、500 記録媒体
400 ハウジング、401a,401b,401c,401d 感光体、402a,402b,402c,402d 帯電ロール、403 露光装置、404a,404b,404c,404d 現像装置、405a,405b,405c,405d トナーカートリッジ、406 駆動ロール、407 張架ロール、408 背面ロール、409 中間転写ベルト、410a,410b,410c,410d 1次転写ロール、411 トレイ、412 搬送ロール、413 2次転写ロール、414 定着装置、415a,415b,415c,415d クリーニングブレード、416 クリーニングブレード
300 プロセスカートリッジ、301 ハウジング、302 取り付けレール、303 露光のための開口部、304 除電露光のための開口部

Claims (10)

  1. 導電性基材、前記導電性基材の上に設けられた感光層、及び、前記感光層の上に設けられた保護層を有する感光体と、
    前記感光体と接触して帯電を行うロール形状の帯電部材とを備え、
    前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m・V)以上である
    プロセスカートリッジ。
  2. 前記保護層の厚さが、1μm以上である請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
  3. 前記保護層の厚さが、3μm以上8μm以下である請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
  4. 前記感光層の厚さが、9μm以上である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
  5. 前記感光層の厚さが、9.5μm以上15μm以下である請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
  6. 前記感光層の厚さ(μm)/前記感光層の比誘電率の値と前記保護層の厚さ(μm)/前記保護層の比誘電率の値との和が、4.0以上7.0以下である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
  7. 前記感光層の厚さ(μm)/前記感光層の比誘電率の値と前記保護層の厚さ(μm)/前記保護層の比誘電率の値との和が、4.5以上6.0以下である請求項6に記載のプロセスカートリッジ。
  8. 前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m・V)以上2.30μC/(m・V)以下である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
  9. 前記感光体を帯電させるために必要な電荷が、1.65μC/(m・V)以上2.10μC/(m・V)以下である請求項8に記載のプロセスカートリッジ。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジと、
    帯電した前記感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える
    画像形成装置。
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