JP2023134829A - 改良されたウイルス検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 試料から核酸の単離や試料の事前の加熱処理を行うことなく、一酵素系1ステップRT-PCR反応液と試料とを直接混合し、1ステップRT-PCRを実施することによりウイルスの有無の検出を可能とする方法およびキットを提供する。【解決手段】 試料中のRNAウイルスの検査方法として、以下の工程:(1)核酸の単離処理も加熱処理も行っていない試料と、逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼを含む一酵素系1ステップRT-PCR反応液とを混合する工程、及び、(2)反応容器を密閉後、1ステップRT-PCR反応を実施する工程、を包含することを特徴とする試料中のRNAウイルスの存在の有無を検査するための方法を提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は、核酸増幅によるRNAウイルスの検出法に関する。より具体的には、試料からの核酸の単離や試料の加熱を含む前処理をすることなく、試料に一酵素系のリアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(qRT-PCR)の反応液を加えることによるRNAウイルスの検出に関する。本発明の方法は、例えば、糞便試料、血液試料、環境拭き取り試料等におけるRNAウイルスを検出することが可能である。本発明は、生命科学研究、臨床診断や食品衛生検査、環境検査等にも利用できる。
核酸増幅法は数コピーの標的核酸を可視化可能なレベル、すなわち数億コピー以上に増幅する技術であり、生命科学研究分野のみならず、遺伝子診断、臨床検査といった医療分野、あるいは、食品や環境中の微生物検査等においても、広く用いられている。代表的な核酸増幅法は、PCR(Polymerase Chain Reaction)である。PCRは、(1)熱処理によるDNA変性(2本鎖DNAから1本鎖DNAへの解離)、(2)鋳型1本鎖DNAへのプライマーのアニーリング、(3)DNAポリメラーゼを用いた前記プライマーの伸長、という3ステップを1サイクルとし、このサイクルを繰り返すことによって、試料中の標的核酸を増幅する方法である。アニーリングと伸長を同温度で、2ステップで行う場合もある。
RNAを分析する場合、このPCRの前段として、鋳型RNAをcDNAに変換する逆転写(Reverse Transcription;RT)を実施する。これをRT-PCRという。このRT-PCRは、(1)RT、PCRを非連続に実施する2ステップRT-PCR、(2)RT、PCRを、単一酵素を利用して連続して実施する一酵素系1ステップRT-PCR、(3)逆転写酵素とDNAポリメラーゼの2種類の酵素を利用して、RT、PCRを連続的に実施する二酵素系1ステップRT-PCRの3つに大別される。
RT-PCRのうち、遺伝子検査やウイルス検査では、処理能力の高さや、反応途中での反応容器の開閉によるコンタミネーションを回避するため、1ステップRT-PCRが好まれる。二酵素系1ステップRT-PCRでは、逆転写酵素とDNAポリメラーゼの少なくとも2種類の酵素が使用される。一方で、一酵素系1ステップRT-PCRでは、Tth DNAポリメラーゼなどの逆転写活性を併せ持つDNAポリメラーゼが利用される。しかし、DNAポリメラーゼの逆転写酵素活性は一般に、レトロウイルス由来の逆転写酵素の逆転写効率には劣ることから、二酵素系1ステップRT-PCRの方が、一酵素系RT-PCRに比べて感度が高いとされている(非特許文献1)。従って、一酵素系1ステップRT-PCRは、二酵素系RT-PCRに比べて高感度化が難しいと考えられてきた。
ウイルス検査の代表例として、病原性RNAウイルスの一つであるノロウイルスが挙げられる。ノロウイルスは、急性胃腸炎の原因となる1本鎖RNAウイルスである。感染力が強く、集団食中毒や集団感染を引き起こすことから、公衆衛生上関心の高いウイルスである。ノロウイルスはGenogroupI(GI)及びGenogroupII(GII)の2つの遺伝子群に分類される。ノロウイルスの病原体検査では、組織培養法が確立できておらず、電子顕微鏡法、ELISAによる免疫学的抗原検出法、または核酸増幅技術を利用したウイルス遺伝子の検出法が開発されてきた。このうち、日本においては、厚生労働省医薬食品局安全部監視安全課の通知(食安監1105001号)に基づくRT-PCR法が公定法として普及している。
ノロウイルスの感染の原因として主にノロウイルスに汚染された食品を飲食することによるが、ヒトの手を介した感染が多いため、調理施設、医療現場、老人介護施設及び保育園などでは定期的な検便検査が求められている。大量調理施設衛生管理マニュアルには、調理従事者等の検便検査に、月に1回以上又は必要に応じノロウイルスの流行期である10月から3月についてノロウイルスの検査を含めることが追加されている。これはウイルスに感染していても症状がでない人(健康保因者)が少なからず存在し、これらの人たちが知らず知らずのうちに感染を広げる可能性があるためである。さらに、下痢や嘔吐などの症状がある調理従事者は医療機関を受診し、ノロウイルスに感染していることが判明した場合はリアルタイムPCR等の高感度検査を実施し、ノロウイルスを保有していないことが確認されるまでは食品に直接触れる調理作業を控えるなどの適切な処置をとることが望まれている。
ノロウイルスは、ウイルスRNAゲノムが約30nmのキャプシドタンパク質からなる正二十面体の内部に封入された、キャプシド構造を有する。キャプシド構造は、ウイルスが消化管などの過酷な環境でも生存できるように、胃酸による不活性化や胆汁酸の界面活性作用等に耐性を持つ。通常の界面活性剤や70%エタノールに代表されるウイルス不活化剤では、このキャプシド構造を破壊できず、ウイルスの感染能が維持される。キャプシド構造を破壊するには、少なくとも85℃以上、1分以上の過酷な条件での熱処理が必要とされている(非特許文献2)。
従来、糞便試料からのノロウイルスの検出は、例えば糞便の10%懸濁液を作製し、遠心上清から市販のウイルスRNA抽出キットを用いてRNAを抽出・精製し、このRNA抽出液を用いてノロウイルスの検出が行われてきた(食安監1105001号)。しかし、短時間で多数の検体を検査するには、このRNA抽出作業は煩雑である。
そこで、近年、糞便試料中のノロウイルスのキャプシドを前処理によって破壊し、ウイルスRNAを露出させた処理液をRT-PCRに供することでウイルスの有無を検出する手法がとられるようになった(特許文献1)。この手法では、試料に前処理液を添加後、熱処理を加えることで、糞便試料や拭き取り検査の濃縮試料から事前にRNAの単離を実施せずにウイルスキャプシドを破壊し、効率よくウイルスRNAの有無を検出できる。
この際、RNAの抽出を省略することで、糞便試料中に含まれる、多糖類などのPCR反応阻害物質が持ち込まれる。これらの影響を低減するような工夫がPCR反応液になされている。便試料にスパイクされたDNAを検出する際のPCR阻害は、マグネシウム存在下で夾雑耐性を持つrTth DNAポリメラーゼの使用によって、改善されることが報告されている(非特許文献3)。特許文献1に記載の方法では、前記rTth DNAポリメラーゼを使用して、夾雑耐性を強化した二酵素系1ステップRT-PCR系を利用している。
しかしながら、二酵素系1ステップRT-PCRに用いられるレトロウイルス由来の逆転写酵素は、好熱菌由来のDNAポリメラーゼに比べ、耐熱性の面で大幅に劣るとも言われている(非特許文献4)。このため、二酵素系1ステップRT-PCRでは、逆転写酵素を含む反応液に対して、ウイルス破砕のための熱処理を高温で実施することができない。従って、未処理の試料を直接RT-PCR反応液に添加し、熱処理によってウイルスのキャプシド構造を破壊してRNAを検出することができない。
特許文献1に記載の方法では、逆転写酵素の失活を避けるために、前処理において予め熱処理を施した試料に対して、RT-PCR反応液を添加する。この手法では、試料に前処理液を加えて熱処理を実施する作業と、その後のRT-PCR反応液を新たに添加する作業の2ステップを要することとなり、ウイルスキャプシドを破壊する前処理ステップに多少の手間と労力を要する。また、これらの試薬を添加する作業は、反応容器の蓋の開閉を含み、コンタミネーションを引き起こす可能性が完全には否定できない。
そこで、堅いキャプシド構造を有するRNAウイルスであっても、核酸の単離も事前の加熱処理も行われておらず夾雑物質を含み得る試料(いわゆるクルードサンプル)を、直接RT-PCR反応液に添加してRT-PCRを行う、迅速で簡便なウイルスRNAの検出法が求められている。
特開2018-000138号公報
BioTechniques,第25巻,1998年、第230-234頁 食品衛生学雑誌、第46巻、2005年、第235-245頁 J.Clin.Microbiol.,第38巻、2000年、第4463-4470頁 Nucleic Acids Research,第37巻、2009年、第473-481頁
事前に精製されたノロウイルス合成RNAに対する一酵素系1ステップRT-PCRによる低コピーRNAの検出において、耐熱性DNAポリメラーゼ量による影響を検討した結果を示す図である。
本発明の目的は、試料からウイルスRNAの単離や、試料の事前の前処理を行うことなく、1ステップRT-PCRにより、従来知られている手法以上の簡便な手法を用いてウイルスRNAの有無の検出を可能とすることである。
本発明者らは、上記事情に鑑み、鋭意研究を行った結果、ウイルスRNAの精製や事前の熱処理を行っていない試料を一酵素系の1ステップRT-PCR反応液と混合後、直接1ステップRT-PCRに供することで、ウイルスRNAの検出が可能であることを見出した。
さらに本発明者らは、ウイルスの変性に必要な熱処理ステップ、及び/またはホットスタート酵素を不活化する熱処理工程を1ステップRT-PCRサイクルに含むことができる反応液組成の検討を進め、従来知られていたマグネシウム存在下だけでなく、マンガン存在下においても、rTth DNAポリメラーゼ、Z05 DNAポリメラーゼ等の逆転写活性を有する耐熱性ポリメラーゼが夾雑耐性を持つことを見出した。また、従来RT-PCR反応中の非特異増幅を引き起こすために、DNAポリメラーゼ量の増加は望ましくないとされてきたが、全く予想外のことに、核酸の単離や事前の加熱処理等の前処理を行っていない試料の存在下であえて逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼ量を増量させることにより、夾雑耐性が付与され、非特異増幅を抑制できることを見出した。その結果、同一反応容器内において反応液と前記のような前処理を行っていない試料とを混合し反応容器を密閉後、RT-PCRのための温度サイクルで反応を行うだけで、ウイルスRNAを直接検出可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
代表的な本願発明は、以下の通りである。
[項1] 試料中のRNAウイルスの検査方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする試料中のRNAウイルスの存在の有無を検査するための方法。
(1)核酸の単離処理も加熱処理も行っていない試料と、逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼを含む一酵素系1ステップRT-PCR反応液とを混合する工程、及び、
(2)反応容器を密閉後、1ステップRT-PCR反応を実施する工程。
[項2] 前記一酵素系1ステップRT-PCR反応液における前記耐熱性DNAポリメラーゼの総量が4.2ng/μL以上である項1に記載の方法。
[項3] 前記工程(1)及び(2)が同一容器で行われることを特徴とする項1又は2に記載の方法。
[項4] 工程(2)において反応容器を密閉後、一度も蓋を開閉することなく1ステップRT-PCR反応を実施することを特徴とする項1から3のいずれかに記載の方法。
[項5] 工程(2)において、サイクル反応の前及び/又はサイクル反応中に、ウイルスを破砕してウイルス内の核酸を露出させるため及び/又は核酸増幅反応においてホットスタート酵素を活性化させるために熱処理を実施することを含む項1から4のいずれかに記載の方法。
[項6] 前記熱処理が、60℃以上であり、かつ1秒以上の加熱を行うことを特徴とする項1から5のいずれかに記載の方法。
[項7] 工程(2)のRT-PCR反応サイクルにおいて、PCRの伸長時間が15秒以下である項1から5のいずれかに記載の方法。
[項8] 試料が血液試料、糞便試料、及び/又は拭き取り検査試料 である項1から7のいずれかに記載の方法。
[項9] 試料が水、生理食塩水または緩衝液に懸濁された懸濁液である項1から8のいずれかに記載の方法。
[項10] 試料が懸濁液の遠心上清である項1から9のいずれかに記載の方法。
[項11] ウイルスがエンベロープをもたないRNAウイルスである項1から10のいずれかに記載の方法。
[項12] RNAウイルスがノロウイルスである項11に記載の方法。
[項13] ノロウイルスがGI型かGII型であるかの判別が可能であることを特徴とする項12に記載の方法。
[項14] 前記耐熱性DNAポリメラーゼがFamily Aに属するDNAポリメラーゼであることを特徴とする項1から13のいずれかに記載の方法。
[項15] 前記耐熱性DNAポリメラーゼが、Taq、Tth、Z05およびそれらの変異体からなる群から選択される少なくとも一種の逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼであることを特徴とする項1から14のいずれかに記載の方法。
[項16] 前記一酵素系1ステップRT-PCR反応液は、RNAウイルス由来の核酸を増幅するためのフォワードプライマー及びリバースプライマーを含み、前記フォワードプライマーの濃度が0.1μM以上2μM以下であり、かつ前記リバースプライマーの濃度が0.1μM以上2μM以下である項1から15のいずれかに記載の方法。
[項17] 前記一酵素系1ステップRT-PCR反応液は、ウイルス由来の核酸を検出するための蛍光標識プローブを含み、前記蛍光標識プローブの濃度が0.01μM以上1.0μM以下である項1から16いずれかに記載の方法。
[項18] 前記一酵素系1ステップRT-PCR反応液が、更に1mM以上の2価陽イオンを含む、項1から17のいずれかに記載の方法。
[項19] 逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼを含有する一酵素系1ステップRT-PCR反応液を含むことを特徴とする、核酸の単離処理も加熱処理も行っていない試料においてRNAウイルスの検査を行うための検査用キットまたは組成物。
[項20] 前記一酵素系1ステップRT-PCR反応液における前記耐熱性DNAポリメラーゼの総量が4.2ng/μL以上である項19に記載の検査用キットまたは組成物。
[項21] 前記耐熱性DNAポリメラーゼがFamily Aに属するDNAポリメラーゼであることを特徴とする項20に記載の検査用キットまたは組成物。
[項22] 前記耐熱性DNAポリメラーゼが、Taq、Tth、Z05およびそれらの変異体からなる群から選択される少なくとも一種の逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼであることを特徴とする項20または21に記載の検査用キットまたは組成物。
[項23] 前記一酵素系1ステップRT-PCR反応液は、ウイルス由来の核酸を増幅するためのフォワードプライマー及びリバースプライマーを含み、前記フォワードプライマーの濃度が0.1μM以上2μM以下であり、かつ前記リバースプライマーの濃度が0.1μM以上2μM以下である項19から22のいずれかに記載の検査用キットまたは組成物。
[項24] 前記一酵素系1ステップRT-PCR反応液は、ウイルス由来の核酸を検出するための蛍光標識プローブを含み、前記蛍光標識プローブの濃度が0.01μM以上1.0μM以下である項19から23のいずれかに記載の検査用キットまたは組成物。
[項25] 前記一酵素系1ステップRT-PCR反応液が、更に1mM以上の2価陽イオンを含む、項19から24のいずれかに記載の検査用キットまたは組成物。
[項26] RNAウイルスがエンベロープをもたないウイルスである項19から25いずれかに記載の検査用キットまたは組成物。
[項27] RNAウイルスがノロウイルスである項19から26のいずれかに記載の検査用キットまたは組成物。
[項28] ノロウイルスがGI型かGII型であるかの判別が可能であることを特徴とする項19から27のいずれかに記載の検査用キットまたは組成物。
本発明によって、試料からRNAウイルスの核酸の単離や事前の試料の熱処理を必要とせず、当該試料と1ステップRT-PCR反応液とを混合後、熱処理ステップを内包したRT-PCRが可能となる。従って、特定の実施態様において、試料中のウイルス、中でもウイルスの破砕が難しい非エンベロープウイルスの有無を検出するのに有用である。さらに、検査業務がさらに効率化することから、ウイルス感染しても症状のない被験者の検査量を増やすことができ、感染症予防にも寄与し得る。また、熱処理工程の省略化により反応容器の蓋の開閉作業も省略が可能となる。この結果、蓋の長時間開放におけるウイルス含有サンプルの飛散リスクを低減させることができ、他のサンプルへのコンタミネーションリスクも低減することができる。これにより、偽陽性発生リスクも抑えることができ、検査業務の精度を更に高めることができる。
以下、本発明の実施形態を示しつつ、本発明についてさらに詳説する。
本発明の一態様は、試料中のノロウイルスなどのRNAウイルスの検査であって、試料からウイルスRNAの精製や試料の事前の熱処理を行うことなく、逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼを含む一酵素系1ステップRT-PCR試薬と、試料とを混合することからなるRNAウイルスの存在の有無を検査するための方法である。ここで、RNAウイルスは、非エンベロープRNAウイルスであってもよく、更に、硬いキャプシド構造にRNAが保持されているRNAウイルスであってもよい。
本発明の試料中のRNAウイルスの存在の有無を検査するための方法は、少なくとも以下の工程が含まれることを特徴とするウイルスの存在の有無を検査するための方法である。
(1)核酸の単離処理も加熱処理も行っていない試料と、逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼを含む一酵素系1ステップRT-PCR反応液とを混合する工程。
(2)反応容器を密閉後、1ステップRT-PCR反応を実施する工程。
前記工程(1)における混合する工程は、例えば、分離精製を伴うような核酸の単離処理も加熱処理も行っていない試料に、逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼを含む一酵素系1ステップRT-PCR反応液を添加することによって行うことができる。前記工程(1)および(2)は、同一容器で行われることが好ましい。すなわち、工程(1)および(2)の間においては、混合液の全部または一部を別容器へ移し替えないことが好ましい。更には、工程(2)においては、反応容器を密閉後、反応容器の蓋の開閉を行わないことが好ましい。
本発明における検査対象はRNAウイルスであり、特に限定されるものではない。なかでも、脂質二重膜に由来するエンベロープを持たない、非エンベロープ性のRNAウイルスである。このような非エンベロープRNAウイルスとしては、アストロウイルス科ウイルス(例えば、アストロウイルス);カリシウイルス科ウイルス(例えば、サポウイルス、ノロウイルス);ピコルナウイルス科ウイルス(例えば、A型肝炎ウイルス、エコーウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルス、ポリオウイルス、ライノウイルス);へぺウイルス科ウイルス(例えば、E型肝炎ウイルス);レオウイルス科ウイルス(例えば、ロタウイルス)などが挙げられ、限定されるものではないが、好ましくはカリシウイルス科ウイルス及びレオウイルス科ウイルスの検出に有用であり、より好ましくはノロウイルス、サポウイルス、ロタウイルスの検出に有用であり、特にノロウイルスの検出に有用である。非エンベロープウイルスの多くが糞口感染などによって消化管に感染可能で、胃酸による不活性化や胆汁酸の界面活性作用等に耐性のある、堅いキャプシド構造にRNAが保持されている。
ノロウイルスは、大きく、GI型ノロウイルス及びGII型ノロウイルスの遺伝子型で分類されることが知られている。そして、GI型ノロウイルスとGII型ノロウイルスを判別することが、感染経路の推定などの疫学的データを収集する観点から望まれている。本発明のRNAウイルス検査法では、ノロウイルスの存在の有無を確認できるだけでなく、感染しているノロウイルスがGI型であるかGII型であるかの判別(鑑別)も可能であるという点で非常に有益である。
本発明において用いられる試料として、例えば糞便(排泄便、直腸便)、嘔吐物、唾液などが挙げられるが、限定されるものではなく、生体に由来するもの全般に用いることが可能であり、特に糞便(排泄便、直腸便)からの検出に有用である。本発明においては、これら試料を市販のRNA精製キットでRNAを単離したり、あるいは熱処理でRNAをウイルス構造から露出させるための事前の熱処理を実施したりする必要がないことを一つの特徴とするものである。前記試料は直接検出に供してもよいし、夾雑物の反応への影響を低減し、より安定した検査結果を得るために、水、生理食塩水または緩衝液に前記試料を懸濁した試料であってもよい。さらに、糞便など特に夾雑物の多い試料では、遠心分離し、その上清を使用してもよい。あるいは、フィルターろ過を実施してもよい。前記緩衝液としては、特に限定されるものではないが、ハンクス緩衝液、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、HEPES緩衝液、トリシン緩衝液などが挙げられる。
本発明における別の態様の試料としては、拭き取り検査試料である。汚染経路の解明や施設環境等の汚染状況の把握には、拭き取り検査が有用である。本発明において、拭き取り検査とは、特に限定されるものでないが、例えば綿棒等で該当区画や設備等を拭き取り、水や緩衝液に溶出し、ポリエチレングリコール(PEG)沈澱などで濃縮した試料である。具体的な拭き取り検査の要領としては、「ふきとり検体のノロウイルス検査法の改良」(http://idsc.nih.go.jp/iasr/32/382/dj3824.html)などが例示されるが、特に限定はされるものではなく、これに準ずる方法が広く含まれる。拭き取り箇所の例としては、まな板や包丁、ふきん、食器などの調理器具類、冷蔵庫の取手やトイレ、浴室のドアノブ、洗面所、厨房、トイレ、浴室などの蛇口、調理者の手や指、浴室、トイレ、洗面、手すり、居室などの施設などが挙げられる。また、拭き取り検査ではないが、環境検査として、下水試料の濃縮試料にも適用できる。これらの検査試料は、検査場所の汚れやほこりを多量含むことから、夾雑耐性を強化した本手法はこれらの検査に対して有益である。
試料の移し替えまたは加熱処理工程の際には、反応容器の開閉作業が生じる。反応容器の開閉作業は煩雑化かつ作業時間を伸ばす原因となる。これに加えて、ウイルス含有検体の入った反応容器の開閉には、ウイルス及びウイルス由来RNAの飛散リスクが生じる。ウイルスの飛散は作業者の安全及び健康を脅かすものであると同時に、検査作業環境の汚染を意味する。飛散したRNAウイルスは作業場においてエアロゾル化するため、同時に検査している他のサンプルの汚染リスクが問題となっている。このため、蓋の開閉工程のないRT-PCRを用いたウイルスの存在の有無を検査方法は、作業の単純化以上の意義を持っている。
前記工程(2)におけるRT-PCRサイクルは、1.熱処理、2.逆転写反応、3.PCRの3ステップから成る。各ステップの前後に、ホットスタート酵素を活性化させるための熱処理工程を含んでもよい。1の熱処理工程では、ウイルスを破砕してウイルス内の核酸を露出させる、及び/もしくは核酸増幅反応においてホットスタート酵素を活性化させる工程を含む。これらの熱処理工程を含むことにより、ウイルスのキャプシド構造からRNAを露出(溶出)させることが可能となる。前記熱処理工程の温度及び時間は、60℃以上であり、かつ1秒以上であればよく、好ましくは70℃、30秒以上、より好ましくは80℃、30秒以上、特に好ましくは85℃、30秒以上である。2の逆転写反応の温度は、耐熱性DNAポリメラーゼの逆転写活性と、プライマー及びプローブのTm値によって決定され、少なくとも25℃以上であればよい。より好ましくは37℃以上である。3のPCRでは、[1]熱処理によるDNA変性(2本鎖DNAから1本鎖DNAへの解離)、[2]鋳型1本鎖DNAへのプライマーのアニーリング、[3]DNAポリメラーゼを用いた前記プライマーの伸長、の3ステップを含んでいればよく、[2]と[3]を同一の温度で実施して、2ステップとしてもよい。迅速なRT-PCRを実施するためには、前記RT-PCR反応に使用するサーマルサイクラーは、前記[2]と[3]のステップの伸長時間を合わせて15秒以下、より好ましくは10秒以下の測定プログラムを設定することが望ましい。なお、本明細書において「PCRの伸長時間」とは、サーマルサイクラーでの設定温度を指す。
前記混合液に添加される1ステップRT-PCR溶液は、逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼを含むことを特徴とする。逆転写活性を有するDNAポリメラーゼとは、RNAをcDNAに変換する能力とDNAを増幅する能力を兼ね備えたDNAポリメラーゼである。また、耐熱性とは、70℃で1分以上の熱処理を実施しても、酵素活性が半分以上低下しないことをいう。由来は特に限定されるものではないが、Taq、Tth,Bst,Bca,KOD,Pfu,Pwo、Tbr,Tfi,Tfl,Tma,Tne、Vent,DEEPVENTやこれらの変異体が挙げられる。これまでに逆転写活性を有するDNAポリメラーゼとして、Thermus aquaticus由来のDNAポリメラーゼ(Taq)、Thermus thermophilus HB8由来のDNAポリメラーゼ(Tth)やThermus sp Z05由来のDNAポリメラーゼ(Z05)、Thermotoga maritima由来のDNAポリメラーゼ(Tma)、Bacillus caldotenax由来のDNAポリメラーゼ(Bca)、Bacillus stearothermophilus由来のDNAポリメラーゼ(Bst)などが挙げられ、これらの逆転写活性と耐熱性DNAポリメラーゼ活性が失われていない変異体であってもよい。また、Thermococcus kodakaraensis由来のDNAポリメラーゼ(KOD)の変異体であって、逆転写活性を有するものが知られており(例えば、RTX:reverse transcription xenopolymerase)、本発明にはこのような逆転写酵素活性を併せ持つ耐熱性DNAポリメラーゼであれば、限定されるものではない。
本明細書において、逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼの変異体とは、その由来である野生型DNAポリメラーゼのアミノ酸配列に対して、例えば85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上、なかでも好ましくは99%以上の配列同一性を有し、且つ、野生型DNAポリメラーゼと同様にRNAをcDNAに変換する活性及びDNAを増幅する活性を有するものをいう。ここで、アミノ酸配列の同一性を算出する方法としては、当該分野で公知の任意の手段で行うことができる。例えば、市販の又は電気通信回線(インターネット)を通じて利用可能な解析ツールを用いて算出することができ、一例として、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の相同性アルゴリズムBLAST(Basic local alignment search tool)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/においてデフォルト(初期設定)のパラメータを用いることにより、アミノ酸配列の同一性を算出することが可能である。また、本発明に用いられ得る変異体は、その由来である野生型DNAポリメラーゼのアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加(以下、これらを纏めて「変異」ともいう)したアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、且つ、野生型DNAポリメラーゼと同様にRNAをcDNAに変換する活性及びDNAを増幅する活性を有するものであってもよい。ここで1又は数個とは、例えば、1~80個、好ましくは1~40個、よりこのましくは1~10個、さらに好ましくは1~5個であり得るが、特に限定されない。
本発明に用いられる逆転写酵素活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼとしては、例えFamily Aに属するDNAポリメラーゼを使用することができ、特に好ましくは、Taq、Tth、Z05及びこれらの変異体からなる群より選択される逆転写活性を有するDNAポリメラーゼが挙げられる。一酵素系1ステップRT-PCR反応液に含まれる前記耐熱性DNAポリメラーゼの総量は、一例として、少なくとも4.2ng/μL以上あればよく、5.0ng/μL以上であることが好ましく、5.8ng/μL以上であることがより好ましい。なかでも好ましくは、8.3ng/μL以上である。一酵素系1ステップRT-PCR反応液に含まれる前記耐熱性DNAポリメラーゼの総量の上限は特に限定されないが、一例として、20ng/μL以下とすることができ、16.7ng/μL以下であっても十分に本発明の効果を得ることができる。ポリメラーゼの量は、Bradford法もしくはNanodrop(サーモフィッシャー社)により定量した値であり、安全データシート(SDS)から概算してもよい。BSAなどのタンパク質を含む場合は、後者の方法で算出することが望ましい。
本発明に用いられる1ステップRT-PCR反応液は、非特異的反応抑制の効果を高めるため、抗DNAポリメラーゼ抗体との併用、あるいは化学修飾により熱不安定ブロック基のDNAポリメラーゼへ導入することで、1ステップRT-PCR反応を実施する前に、DNAポリメラーゼの酵素活性を抑制され、ホットスタートPCRへの適用ができることが好ましい。
本発明に用いられる1ステップRT-PCR反応液には、耐熱性DNAポリメラーゼの他、緩衝剤、適当な塩、マグネシウム塩又はマンガン塩、デオキシヌクレオチド三リン酸、検出対象のウイルスRNAの検出対象領域に対応するプライマー対、さらに必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。
本発明で使用される緩衝剤としては、特に限定されないが、トリス(Tris),トリシン(Tricine),ビスートリシン(Bis-Tricine),ビシン(Bicine)などが挙げられる。硫酸、塩酸、酢酸、リン酸などでpHを6~9、より好ましくはpH7~9に調整されたものである。また、添加する緩衝剤の濃度としては、10~200mM,より好ましくは20~150mMで使用される。この際、反応に適当なイオン条件とするために、塩溶液が加えられる。塩溶液としては、塩化カリウム、酢酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウムなどが挙げられる。
本発明で使用されるdNTPとしては、dATP,dCTP,dGTP,dTTPがそれぞれ0.1~0.5mM、最も一般的には0.2mM程度加えられる。dTTPの代わり及び/又は一部としてdUTPを使用することによって、クロスコンタミネーションに対する予防処置をとってもよい。クロスコンタミネーションに対する予防処置を講じる場合、Uracil-N-glycosylase(UNG)を含むことが好ましい。
更に、本発明では、一酵素系1ステップRT-PCT反応液に、2価陽イオンを含むことが好ましい。このように2価陽イオンを含むことで、より安定して高い夾雑耐性が得られ高感度な検出が可能となる。2価陽イオンとしては、特に限定されないが、マグネシウムイオン、マンガンイオン、カルシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、ニッケルイオン、亜鉛イオン等を挙げることができる。好ましくは、2価陽イオンとして、マグネシウムイオン、マンガンイオンを含むことが好ましい。本発明において、一酵素系1ステップRT-PCR反応液にマグネシウムイオンやマンガンイオン等を添加する場合は、マグネシウムやマンガンを添加してもよいし、これらの塩を添加してもよい。マグネシウム又はその塩としては、マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム等が例示され、マンガン又はその塩としては、マンガン、塩化マンガン、硫酸マンガン、酢酸マンガンなどが例示される。このようなマグネシウム、マンガン、又はこれらの塩は、RT-PCR反応液中に1~10mM程度加えられることが好ましい。本発明のRNAウイルス検査方法において安定的に高い感度が得られ易いという観点からは、マンガン又はその塩を含むことが好ましい。特定の実施態様では、RT-PCR反応液において1mM以上のマンガン又はその塩を含むことが好ましく、1.5mM以上のマンガン又はその塩を含むことが好ましく、2.0mM以上のマンガン又はその塩を含むことがより好ましい。
さらに1ステップRT-PCR反応液に含まれる添加剤として、ウシ血清アルブミン、グリセロール、グリコール、及び界面活性剤よりなる群から選択された少なくとも1つを含んでいてもよい。
前記1ステップRT-PCR反応液に含まれるウシ血清アルブミンの濃度は特に限定されないが、RT-PCR反応液全体に対して、好ましくは少なくとも0.5mg/ml以上、より好ましくは少なくとも1mg/ml以上である。夾雑物の多い試料では、ウシ血清アルブミンの濃度が好ましくは2mg/ml以上、さらに好ましくは3mg/ml以上で、良好な検出が可能となる。上限は特に限定されないが、一例として、10mg/ml以下とすることができる。
前記1ステップRT-PCR反応液に含まれる界面活性剤としては、トリトンX-100(TritonX-100)、トリトンX-114(TritonX-114)、ツイーン20(Tween20),ノニデットP40、Briji35、Briji58、SDS、CHAPS、CHAPSO、Emulgen420などが挙げられるが、特に限定されない。RT-PCR反応液中の前記界面活性剤の濃度も特に限定はされないが、好ましくは0.0001%以上、より好ましくは0.002%以上、さらに好ましくは0.005%以上で、良好な検出が可能となる。上限は特に限定されないが、一例として、0.1%以下とすることができる。
さらには、当該技術分野でRT-PCRを促進することが知られる物質と組み合わせて使用することもできる。本発明において有用な促進物質とは、例えば、グリセロール、ポリオール、プロテアーゼインヒビター、シングルストランド結合タンパク質(SSB)、T4遺伝子32タンパク質、tRNA、硫黄または酢酸含有化合物類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ホルムアミド、アセトアミド、ベタイン、エクトイン、トレハロース、デキストラン、ポリビニルピロリドン(PVP),塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、酢酸テトラメチルアンモニウム(TMAA)、ポリエチレングリコールなどが挙げられるが、これらに限定されない。さらに反応阻害を低減するように、エチレングリコール-ビス(2-アミノエチルエーテル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、1,2-ビス(o-アミノフェノキシ)エタン-N,N,N’,N’-四酢酸(BAPTA)のようなキレート剤を含んでいてもよい。
本発明に用いられるプライマー対としては、一方のプライマーが他方のプライマーのDNA伸長生成物に互いに相補的である2種一対のプライマーが挙げられる。また、別の態様として、上記プライマーが2対以上含まれる、いわゆるマルチプレックスPCRも挙げられる。さらに、ターゲットとする核酸が亜型からなる場合、縮重プライマーを含んでもよい。本発明でエンベロープを持たないRNAウイルスの1種であるノロウイルスを検出する場合、プライマー対の例としては、ノロウイルス検出用のプライマーとしては、厚生労働省医薬食品局安全部監視安全課の通知(食安監1105001号)に記載のプライマー記載のプライマー(配列番号1~5)が挙げられるが、これに限るものではない。
前記記載のプライマーでは、配列番号1、2によりノロウイルスG1型、配列番号3~5によりノロウイルスG2型を検出する。検出対象のプライマー濃度としては、特に限定はされないが、RT-PCR反応液全体に対して、フォワードプライマーの濃度が0.1μM以上3μM以下であり、かつ前記リバースプライマーの濃度が0.1μM以上3μM以下であることが好ましい。より好ましくは、フォワードプライマーの濃度が0.1μM以上2μM以下であり、かつ前記リバースプライマーの濃度が0.5μM以上2μM以下である。
本発明は、別の態様としては、さらに、少なくとも1種類の標識されたハイブリダイゼーションプローブまたは2本鎖DNA結合蛍光化合物を含む検出方法である。これによって、増幅産物の分析を通常の電気泳動ではなく、蛍光シグナルのモニタリングで監視することができ、解析労力が低減される。さらには、反応容器を開放する必要がなく、コンタミネーションのリスク低減が可能である。ウイルスのサブタイプに対応する、それぞれのハイブリダイゼーションプローブを異なる蛍光色素で標識することによって、ウイルスのサブタイプを識別することも可能である。
2本鎖DNA結合蛍光化合物としては、例えば、SYBR(登録商標) Green I,SYBR(登録商標) Gold、SYTO-9、SYTP-13、SYTO-82(Life Technologies),EvaGreen(登録商標;Biotium)、LCGreen(Idaho),LightCycler(登録商標) 480 ResoLight(Roche Applied Science)などが挙げられる。
本発明において用いられるハイブリダイゼーションプローブとしては、例えば、TaqMan加水分解プローブ(米国特許第5,210,015号公報、米国特許第5,538,848号公報、米国特許第5,487,972号公報、米国特許第5,804,375号公報)、モレキュラービーコン(米国特許第5,118,801号公報)、FRETハイブリダイゼーションプローブ(国際公開第97/46707号パンフレット,国際公開第97/46712号パンフレット,国際公開第97/46714号パンフレット)などが挙げられる。ノロウイルス検出用のプローブの塩基配列としては、厚生労働省医薬食品局安全部監視安全課の通知(食安監1105001号)に記載の配列(配列番号6~9)が挙げられるが、これに限るものではない。前記記載のプローブ配列では、配列番号6または7によりノロウイルスG1型、配列番号8または9によりノロウイルスG2型を検出する。さらに、ターゲットとする核酸が亜型からなる場合、縮重配列を含んでもよい。蛍光標識プローブの濃度としては、0.01μM以上1.0μM以下であることが好ましい。より好ましくは、0.013μM以上0.75μM以下であり、更に好ましくは、0.02μM以上0.5μM以下である。
本発明の別の一態様は、試料中のウイルスRNAの検査用キットまたは組成物であって、逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼを含有する一酵素系1ステップRT-PCR反応液を含むことを特徴とする、核酸の単離処理も加熱処理も行っていない試料においてRNAウイルスの検査を行うための検査用キットまたは組成物である。
この実施態様において使用される逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼの種類や量、プライマー又はプローブの種類や量、検査対象となるRNAウイルス等は、前記のRNA検査方法において詳述したものと同様であり得る。
以下、実施例をもって、本発明を具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
試験例1.二酵素系1ステップRT-PCRによる熱処理工程の検討
(1)試料の調製
ヒト糞便10検体を10%(重量%)となるように懸濁した。この懸濁液を12,000rpmで5分間遠心し、上清を使用した。
(2-1)反応液
以下に示される組成の反応液を基本組成とし、二酵素系1ステップRT-PCRにおいて、糞便中のノロウイルスを検出した。
反応液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
前処理液(ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
10x プライマー液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
10x プローブ液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
4.2ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
0.01μg/μL 抗Tth抗体
0.05unit/μL RevertraAce(東洋紡)
(2-2)試料の熱処理
(1)で調製した試料1μLについて、条件1から条件6までの前処理を実施した。
条件1 90℃、1分間の熱処理
条件2 85℃、1分間の熱処理
条件3 80℃、1分間の熱処理
条件4 75℃、1分間の熱処理
条件5 70℃、1分間の熱処理
条件6 なし
(3)反応
前記反応液、前処理液、プライマー液、プローブ液を混合して、最終液量が24μLとなるようにRT-PCR反応液を調製した。条件1から6までの前処理を実施した試料に対して、前記RT-PCR反応液を加えた。これをBioRad製CFX96WELL DEEPを使用して、以下の温度サイクルでリアルタイムPCR反応を実施した。54℃、35サイクルの伸長ステップで蛍光値の読み取りを行った。
42℃ 3分(逆転写反応)
95℃ 10秒
95℃ 1秒-54℃ 10秒 10サイクル(PCR)
95℃ 1秒-54℃ 10秒 35サイクル(PCR)
(4)結果
条件1、2において、全ての検体でノロウイルスが陽性と判定された。一方、条件6では、18検体中12検体においてノロウイルス検体の検出が可能であるが、まれに検出できない検体が存在することが判明した。具体的には、検体5、9、11、13、14、17である。検体13、17は70℃以上、検体5は80℃以上、検体9、11、14は85℃以上の熱処理によって、ノロウイルスの検出が可能となった。従って、検体中のノロウイルスを高感度に検出するためには、少なくとも85℃以上の熱処理によって、ノロウイルスの破砕を実施する必要がある。
試験例2.二酵素系1ステップRT-PCRによる逆転写酵素の耐熱性の確認
(1)試料
ノロウイルスG1、G2合成RNA 1250コピー(N=2)を各RT-PCR反応液にスパイクした。
(2-1)反応液
以下に示される組成の反応液を基本組成とし、二酵素系1ステップRT-PCRにおける逆転写反応前の熱処理の有無によって、逆転写酵素の耐熱性を比較評価した。
反応液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
前処理液(ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
10x プライマー液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
10x プローブ液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
4.2ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
0.01μg/μL 抗Tth抗体
(2-2)逆転写酵素
条件1 0.05unit/μL RocketScriptTM(Bioneer)
条件2 0.05unit/μL AMV Reverse Transcriptase XL(Life Sciences Advanced Technologies)
条件3 0.05unit/μL EvoScript Reverse Transcriptase(Roche)
条件4 0.05unit/μL SunScript Reverse Transcriptase(SYGNIS)
条件5 0.05unit/μL RevertraAce(東洋紡)
条件6 Sensiscript 1μL/反応系(QIAGEN)
条件7 Omniscript 1μL/反応系(QIAGEN)
(3)反応
前記反応液、プライマー液、プローブ液を混合して、条件1から条件7までの逆転写酵素を含むRT-PCR反応液を、最終液量が25μLとなるように調製した。これを以下の温度サイクルA又はBで反応させ、サイクルの途中でrTth DNA polymerase及び抗Tth抗体を添加した。サイクルA及びサイクルB共に、条件1から4は逆転写温度を60℃、条件5から7は逆転写温度を37℃で実施した。リアルタイムPCR反応は、BioRad製CFX96WELL DEEPを使用して実施し、54℃、35サイクルの伸長ステップで蛍光値の読み取りを行った。
サイクルA
85℃ 1分
rTth DNA polymerase及び抗Tth抗体の添加
60℃ 10分 又は 37℃ 10分(逆転写反応)
95℃ 10秒
95℃ 1秒-54℃ 10秒 10サイクル(PCR)
95℃ 1秒-54℃ 10秒 35サイクル(PCR)
サイクルB
Tth DNA polymerase及び抗Tth抗体の添加
60℃ 10分 又は 37℃ 10分(逆転写反応)
95℃ 10秒
95℃ 1秒-54℃ 10秒 10サイクル(PCR)
95℃ 1秒-54℃ 10秒 35サイクル(PCR)
(4)結果
プローブ液(ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出―(東洋紡)添付品)ではFAMチャネルで内部コントロール遺伝子、Cy5チャネルでノロウイルスG1、ROXチャネルでノロウイルスG2を検出する。ここでは、G1、G2 RNAのCq値を表2に示す。感度が低く十分には検出ができなかった場合はハイフンで示す。この結果、サイクルAでは、全ての条件においてG1、G2共にRNAを検出できなかったのに対して、サイクルBでは全ての条件においてG1、G2共に陽性であった。すなわち、サイクルAに含まれる85℃、1分の熱処理工程において、全ての逆転写酵素が失活している。従って、サイクル反応の前に、ウイルスを破砕する、及び/もしくはホットスタート酵素を活性化させる手法として、熱処理を実施することを含むウイルスの検査方法において、逆転写酵素を使用する二酵素系1ステップRT-PCRは適さない。
試験例3.一酵素系1ステップRT-PCRにおける耐熱性DNAポリメラーゼ量の検討
(1)試料
事前に精製されたノロウイルスG1、G2合成RNA 50コピー(N=3)を各RT-PCR反応液にスパイクした。この試料は、事前に単離して精製されたRNAを反応液に添加していることから、糞便や血液などの生体由来成分の夾雑物質を含んでいない試料といえる。
(2-1)反応液
以下に示される組成の反応液を基本組成とし、一酵素系1ステップRT-PCRにおける糞便存在下での酵素量の検討を実施した。
2x 反応液 (RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
50mM Mn(OAc)(RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
10x プライマー液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
10x プローブ液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
0.01μg/μL 抗Tth抗体
(2-2)酵素量
条件1 4.2ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
条件2 8.3ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
条件3 12.5ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
条件4 16.7ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
(3)反応
各条件において、Mnの終濃度が2.5mMとなるようにRT-PCR反応液を調製し、20μLずつに分注した。これをBioRad製CFX96WELL DEEPを使用して、以下の温度サイクルでリアルタイムPCR反応を実施した。54℃、35サイクルの伸長ステップで蛍光値の読み取りを行った。
90℃ 1分
60℃ 3分(逆転写反応)
95℃ 10秒
95℃ 1秒-54℃ 10秒 10サイクル(PCR)
95℃ 1秒-54℃ 10秒 35サイクル(PCR)
(4)結果
G1、G2 RNAの増幅曲線を図1に示す。条件1から条件4について、耐熱性DNAポリメラーゼの量を増加させるに従って、G1、G2共に増幅曲線の到達蛍光強度が減少した。この傾向は、ノロウイルスGII型の検出において顕著であった。この結果は、反応液中のポリメラーゼ量が増加するに従って、非特異増幅が増加していることを示唆している。
試験例4.一酵素系1ステップRT-PCRにおける糞便存在下での耐熱性DNAポリメラーゼ量の検討
(1)試料
ノロウイルスG1、G2共に陰性のヒト糞便3検体を10%(重量%)となるように懸濁した。この懸濁液を12,000rpmで5分間遠心し、上清を使用した。ノロウイルスG1、G2合成RNA 50コピー(N=3)を各RT-PCR反応液にスパイクした。
(2-1)反応液
以下に示される組成の反応液を基本組成とし、一酵素系1ステップRT-PCRにおける糞便存在下での酵素量の検討を実施した。
2x 反応液 (RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
50mM Mn(OAc)(RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
10x プライマー液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
10x プローブ液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
0.01μg/μL 抗Tth抗体
(2-2)酵素量
条件1 2.5ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
条件2 4.2ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
条件3 5.0ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
条件4 5.8ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
条件5 6.7ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
条件6 8.3ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
条件7 12.5ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
条件8 16.7ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
(3)反応
各条件において、Mnの終濃度が2.5mMとなるようにRT-PCR反応液を調製し、20μLずつに分注した。これらのRT-PCR反応液に、(1)で調製した便懸濁液をそれぞれ1μLずつ添加した。これをBioRad製CFX96WELL DEEPを使用して、以下の温度サイクルでリアルタイムPCR反応を実施した。54℃、35サイクルの伸長ステップで蛍光値の読み取りを行った。
90℃ 1分
60℃ 3分(逆転写反応)
95℃ 10秒
95℃ 1秒-54℃ 10秒 10サイクル(PCR)
95℃ 1秒-54℃ 10秒 35サイクル(PCR)
(4)結果
G1、G2 RNAのCq値を表3に示す。感度が低く十分には検出ができなかった場合はハイフンで示す。条件1では、G1、G2共にノロウイルス合成RNA 50コピーを十分には検出できなかった。これに対して、酵素量を増加させることによって、条件4以降でノロウイルス合成RNAの検出が可能となり、とりわけ条件6以降ではG1、G2共に検出が安定化した。
試験例5.一酵素系1ステップRT-PCRにおける伸長時間の増加
(1)試料
ノロウイルスG1、G2共に陰性のヒト糞便3検体を10%(重量%)となるように懸濁した。この懸濁液を12,000rpmで5分間遠心し、上清を使用した。ノロウイルスG1、G2合成RNA 50コピー(N=3)を各RT-PCR反応液にスパイクした。
(2-1)反応液
以下に示される組成の反応液を基本組成とし、一酵素系1ステップRT-PCRにおける糞便存在下での酵素量の検討を実施した。
2x 反応液 (RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
50mM Mn(OAc)(RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
10x プライマー液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
10x プローブ液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
4.2ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
0.01μg/μL 抗Tth抗体
(3)反応
各条件において、Mnの終濃度が2.5mMとなるようにRT-PCR反応液を調製し、20μLずつに分注した。これらのRT-PCR反応液に、(1)で調製した便懸濁液をそれぞれ1μLずつ添加した。これをBioRad製CFX96WELL DEEPを使用して、以下の温度サイクルでリアルタイムPCR反応を実施した。54℃、35サイクルの伸長ステップで蛍光値の読み取りを行った。
90℃ 1分
60℃ 3分(逆転写反応)
95℃ 10秒
95℃ 1秒-54℃ 15秒 10サイクル(PCR)
95℃ 1秒-54℃ 15秒 35サイクル(PCR)
(4)結果
G1、G2 RNAのCq値を表4に示す。感度が低く十分には検出ができなかった場合はハイフンで示す。実施例4における酵素量4.2ng/μLでは、ノロウイルスG1/G2 RNAを十分には検出できなかったが、伸長時間を伸ばすことによってノロウイルスG2の感度の良い検出が可能となった。従って、伸長時間を短くして迅速にRT-PCRを実施するためには、一酵素系1ステップRT-PCR反応液中の酵素量を増加させる必要があることがわかる。これらの試験例4、5で認められた結果を総合考慮すると、具体的にTth DNAポリメラーゼを使用する場合に10秒以内の伸長時間とするためには、少なくとも5.8ng/μL以上、好ましくは8.3ng/μL以上の逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼを使用する必要があることが示された。
試験例6.一酵素系1ステップRT-PCRにおけるプライマー量の検討
(1)試料
ノロウイルスG1、G2共に陰性のヒト糞便3検体を10%(重量%)となるように懸濁した。この懸濁液を12,000rpmで5分間遠心し、上清を使用した。ノロウイルスG1、G2合成RNA 250コピーを各RT-PCR反応液にスパイクした。
(2-1)反応液
以下に示される組成の反応液を基本組成とし、一酵素系1ステップRT-PCRにおけるプライマー量の検討を実施した。
2x 反応液 (RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
50mM Mn(OAc)(RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
10x プローブ液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
4.2ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
0.01μg/μL 抗Tth抗体
(2-2)プライマー量
ノロウイルス検出用のプライマーとして、厚生労働省医薬食品局安全部監視安全課の通知(食安監1105001号)に記載のプライマー(配列番号1~5)を使用した。
条件1 10nM 各COG1F・COG1R・COG2F・COG2R、1nM ALPF
条件2 20nM 各COG1F・COG1R・COG2F・COG2R、2nM ALPF
条件3 40nM 各COG1F・COG1R・COG2F・COG2R、4nM ALPF
条件4 0.1μM 各COG1F・COG1R・COG2F・COG2R、10nM ALPF
条件5 0.2μM 各COG1F・COG1R・COG2F・COG2R、20nM ALPF
条件6 0.4μM 各COG1F・COG1R・COG2F・COG2R、40nM ALPF
条件7 0.9μM 各COG1F・COG1R・COG2F・COG2R、90nM ALPF
条件8 2μM 各COG1F・COG1R・COG2F・COG2R、0.2μM ALPF
(3)反応
各条件において、Mnの終濃度が2.5mMとなるようにRT-PCR反応液を調製し、20μLずつに分注した。これらのRT-PCR反応液に、(1)で調製した便懸濁液をそれぞれ1μLずつ添加した。これをBioRad製CFX96WELL DEEPを使用して、以下の温度サイクルでリアルタイムPCR反応を実施した。54℃、35サイクルの伸長ステップで蛍光値の読み取りを行った。
90℃ 1分
60℃ 3分(逆転写反応)
95℃ 10秒
95℃ 1秒-54℃ 10秒 10サイクル(PCR)
95℃ 1秒-54℃ 10秒 35サイクル(PCR)
(4)結果
G1、G2 RNAのCq値を表5に示す。感度が低く十分には検出できなかった場合はハイフンで示す。条件4から8までの範囲のプライマー濃度において、G1、G2共にノロウイルス合成RNA 250コピーを検出することが可能であった。
試験例7.一酵素系1ステップRT-PCRにおけるプローブ量の検討
(1)試料
ノロウイルスG1、G2共に陰性のヒト糞便3検体を10%(重量%)となるように懸濁した。この懸濁液を12,000rpmで5分間遠心し、上清を使用した。ノロウイルスG1、G2合成RNA 250コピーを各RT-PCR反応液にスパイクした。
(2-1)反応液
以下に示される組成の反応液を基本組成とし、一酵素系1ステップRT-PCRにおけるプローブ量の検討を実施した。
2x 反応液 (RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
50mM Mn(OAc)(RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
10x プライマー液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
4.2ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
0.01μg/μL 抗Tth抗体
(2-2)プローブ量
ノロウイルス検出用のプローブとして、厚生労働省医薬食品局安全部監視安全課の通知(食安監1105001号)に記載のプローブ(配列番号6~9)を使用した。
条件1 1nM 各Cy5標識プローブRING1-TP(a)・ROX標識RING2AL-TP、0.4nM Cy5標識プローブRING1-TP(b)
条件2 3nM 各Cy5標識プローブRING1-TP(a)・ROX標識RING2AL-TP、0.8nM Cy5標識プローブRING1-TP(b)
条件3 5nM 各Cy5標識プローブRING1-TP(a)・ROX標識RING2AL-TP、2nM Cy5標識プローブRING1-TP(b)
条件4 13nM 各Cy5標識プローブRING1-TP(a)・ROX標識RING2AL-TP、4nM Cy5標識プローブRING1-TP(b)
条件5 25nM 各Cy5標識プローブRING1-TP(a)・ROX標識RING2AL-TP、8nM Cy5標識プローブRING1-TP(b)
条件6 50nM 各Cy5標識プローブRING1-TP(a)・ROX標識RING2AL-TP、15nM Cy5標識プローブRING1-TP(b)
条件7 0.1μM 各Cy5標識プローブRING1-TP(a)・ROX標識RING2AL-TP、30nM Cy5標識プローブRING1-TP(b)
条件7 0.2μM 各Cy5標識プローブRING1-TP(a)・ROX標識RING2AL-TP、60nM Cy5標識プローブRING1-TP(b)
(3)反応
各条件において、Mnの終濃度が2.5mMとなるようにRT-PCR反応液を調製し、20μLずつに分注した。これらのRT-PCR反応液に、(1)で調製した便懸濁液をそれぞれ1μLずつ添加した。これをBioRad製CFX96WELL DEEPを使用して、以下の温度サイクルでリアルタイムPCR反応を実施した。54℃、35サイクルの伸長ステップで蛍光値の読み取りを行った。
90℃ 1分
60℃ 3分(逆転写反応)
95℃ 10秒
95℃ 1秒-54℃ 10秒 10サイクル(PCR)
95℃ 1秒-54℃ 10秒 35サイクル(PCR)
(4)結果
G1、G2 RNAのCq値を表6に示す。感度が低く十分には検出できなかった場合はハイフンで示す。条件4から8までの範囲のプローブ濃度において、G1、G2共にノロウイルス合成RNA 250コピーを検出することが可能であった。
試験例8.一酵素系1ステップRT-PCRにおける耐熱性DNAポリメラーゼの検討
(1)試料
ノロウイルスG1、G2共に陰性のヒト糞便3検体を10%(重量%)となるように懸濁した。この懸濁液を12,000rpmで5分間遠心し、上清を使用した。ノロウイルスG1、G2合成RNA 1250コピー(N=2)を各RT-PCR反応液にスパイクした。
(2)反応液
以下に示される組成の反応液を基本組成とし、一酵素系1ステップRT-PCRにおける耐熱性DNAポリメラーゼを検討した。ここで使用した2種類の耐熱性DNAポリメラーゼはいずれも、逆転写活性を有することが知られている。
(2-1)Thermus species Z05由来の耐熱性DNAポリメラーゼ
2x 反応液 (RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
50mM Mn(OAc)(RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
10x プライマー液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
10x プローブ液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
0.20unit/μL HawkZ05 Fast DNA Polymerase(Roche)
0.01μg/μL 抗Tth抗体
(2-2)Thermus acqaticus由来の耐熱性DNAポリメラーゼ Volcano2G RT-PCR 2x Master Mix(myPOLS Biotech)
10x プライマー液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
10x プローブ液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
Volcano 2G DNA Polymerase(myPOLS Biotech)
(3)反応
(2-1)において、Mnの終濃度が2.5mMとなるようにRT-PCR反応液を調製し、20μLずつに分注した。(2-2)において、Volcano 2G DNA Polymerase添付の取り扱い説明書に従い、RT-PCR反応液を調製した。これらのRT-PCR反応液に、(1)で調製した便懸濁液をそれぞれ1μLずつ添加した。これをBioRad製CFX96WELL DEEPを使用して、以下の温度サイクルでリアルタイムPCR反応を実施した。54℃、35サイクルの伸長ステップで蛍光値の読み取りを行った。
90℃ 1分
60℃ 3分(逆転写反応)
95℃ 10秒
95℃ 1秒-54℃ 10秒 10サイクル(PCR)
95℃ 1秒-54℃ 10秒 35サイクル(PCR)
(4)結果
条件1及び2のいずれの条件においても、G1、G2共にノロウイルス合成RNA 1250コピーを検出することが可能であった。
試験例9.一酵素系1ステップRT-PCRにおける不活化ノロウイルスの検出
(1)試料
不活化ノロウイルス NATtrol Norovirus GI/GII Positive Control(ZeptoMetrix、intact) 1250、250(N=2)、50(N=2)、25(N=2)、0コピーを各RT-PCR反応液にスパイクした。ここで、本試験例で用いた不活化ノロウイルスサンプルは、糞便と類似の環境を整えるために夾雑物質を含むものである。
(2)反応液
以下に示される組成の反応液を基本組成とし、一酵素系1ステップRT-PCRにおける不活化ノロウイルスの検出を実施した。
2x 反応液 (RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
50mM Mn(OAc)(RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
10x プライマー液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
10x プローブ液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
4.2ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
0.01μg/μL 抗Tth抗体
(3)反応
各条件において、Mnの終濃度が2.5mMとなるようにRT-PCR反応液を調製し、20μLずつに分注した。これをBioRad製CFX96WELL DEEPを使用して、以下の温度サイクルでリアルタイムPCR反応を実施した。54℃、35サイクルの伸長ステップで蛍光値の読み取りを行った。
90℃ 1分
60℃ 3分(逆転写反応)
95℃ 10秒
95℃ 1秒-54℃ 10秒 10サイクル(PCR)
95℃ 1秒-54℃ 10秒 35サイクル(PCR)
(4)結果
G1、G2 不活化ウイルスのCq値を表7に示す。感度が低く十分には検出できなかった場合はハイフンで示す。1250コピーから25コピーまでの不活化ノロウイルスを検出が可能であった。
試験例10.一酵素系1ステップRT-PCRにおける拭き取り検体の検出
(1)試料
(1-1)拭き取り試料
不活化ノロウイルス NATtrol Norovirus GI/GII Positive Control(ZeptoMetrix、intact) 1000コピー(N=2)をプラスチック板の10cm×10cm(100cm)領域に塗布した。BDラスパーチェックTMふき取り検査用スワブ(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)と濃縮液(ノロウイルス検出キットG1/G2 -ふき取り- <3色プローブ検出>(東洋紡)添付品)を用いて、上記の10cm×10cm(100cm)領域から拭き取り検体の回収と濃縮を実施した。拭き取り検体の回収と濃縮は、取扱説明書(ノロウイルス検出キットG1/G2 -ふき取り- <3色プローブ検出>(東洋紡)添付品)に従った。濃縮後の白色沈殿を、前処理液1μL(ノロウイルス検出キットG1/G2 -ふき取り- <3色プローブ検出>(東洋紡)添付品)で懸濁して、RT-PCR反応液にスパイクした。
(1-2)スパイク試料(コントロール)
不活化ノロウイルス NATtrol Norovirus GI/GII Positive Control(ZeptoMetrix、intact) 1000コピー(N=2)をRT-PCR反応液にスパイクした。
(2)反応液
以下に示される組成の反応液を基本組成とし、一酵素系1ステップRT-PCRにおける不活化ノロウイルスの検出を実施した。
2x 反応液 (RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
50mM Mn(OAc)(RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
10x プライマー液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
10x プローブ液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
4.2ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
0.01μg/μL 抗Tth抗体
(3)反応
各条件において、Mnの終濃度が2.5mMとなるようにRT-PCR反応液を調製し、20μLずつに分注した。これをBioRad製CFX96WELL DEEPを使用して、以下の温度サイクルでリアルタイムPCR反応を実施した。54℃、35サイクルの伸長ステップで蛍光値の読み取りを行った。
90℃ 1分
60℃ 3分(逆転写反応)
95℃ 10秒
95℃ 1秒-54℃ 10秒 10サイクル(PCR)
95℃ 1秒-54℃ 10秒 35サイクル(PCR)
(4)結果
G1、G2 不活化ウイルスのCq値を表8に示す。拭き取り試料とスパイク試料のいずれにおいても、不活化ノロウイルス1000コピーをN=2で検出可能であった。さらに、拭き取り試料はスパイク試料に比べて同等のCq値、すなわち同等の感度で検出できていることがわかる。従って、本発明は、拭き取り検査試料中のノロウイルスの検出にも適応可能であることが判明した。
試験例11.一酵素系1ステップRT-PCRによる検体の検出
(1)試料の調製
ヒト糞便16検体を10%(重量%)となるように懸濁した。この懸濁液を12,000rpmで5分間遠心し、上清を使用した。
(2)反応液
以下に示される組成の反応液を基本組成とし、従来の二酵素系1ステップRT-PCRと本発明の一酵素系1ステップRT-PCRにおける、糞便中のノロウイルスを検出について対比検討した。
(2-1)条件1
反応液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
10x プライマー液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
10x プローブ液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
前処理液(ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東・BR>M紡)添付品)
4.2ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
0.01μg/μL 抗Tth抗体
0.05unit/μL RevertraAce(東洋紡)
(2-2)条件2
2x 反応液 (RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
50mM Mn(OAc)(RNA-directTM Realtime PCR Master Mix(東洋紡)添付品)
10x プライマー液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
10x プローブ液 (ノロウイルス検出キットG1/G2-高速プローブ検出-(東洋紡)添付品)
4.2ng/μL rTth DNA polymerase(東洋紡)
0.01μg/μL 抗Tth抗体
(3)反応
(3-1)条件1
試料1μLに対して、前記前処理液を添加し、85℃、1分間の熱処理を実施した。その後、反応液、プライマー液、プローブ液の混合液45μLを添加し、RT-PCR反応液を調製した。これをBioRad製CFX96WELL DEEPを使用して、以下の温度サイクルでリアルタイムPCR反応を実施した。54℃、35サイクルの伸長ステップで蛍光値の読み取りを行った。
42℃ 3分(逆転写反応)
95℃ 10秒
95℃ 1秒-54℃ 10秒 10サイクル(PCR)
95℃ 1秒-54℃ 10秒 35サイクル(PCR)
(3-2)条件2
Mnの終濃度が2.5mMとなるようにRT-PCR反応液を調製し、19μLずつに分注した。これらのRT-PCR反応液に対し、試料1μLを添加した。これを以下の温度サイクルで、Applied Bioscience製サーマルサイクラー(Gene Amp(登録商標)PCR System 9700)を用いて、リアルタイムPCR反応を実施した。54℃、35サイクルの伸長ステップで蛍光値の読み取りを行った。
90℃ 1分
60℃ 3分(逆転写反応)
95℃ 10秒
95℃ 1秒-54℃ 10秒 10サイクル(PCR)
95℃ 1秒-54℃ 10秒 35サイクル(PCR)
(4)結果
G1、G2 糞便中のノロウイルスのCq値を表8に示す。感度が低く十分には検出できなかった場合はハイフンで示す。条件1において、ノロウイルスG1陽性とされた検体については、全て条件2でも検出が可能であった。同様に、条件1でノロウイルスG2陽性とされた検体についても、全て条件2でも検出が可能であった。従って、条件2の一酵素系1ステップRT-PCR反応液は、条件1の事前に加熱の前処理を施した二酵素系1ステップRT-PCR試薬と同等に、糞便中のノロウイルスの検出が可能である。また、検体6は、条件1及び条件2共にノロウイルスG1、G2陽性となった。この結果から、条件2の一酵素系1ステップRT-PCR反応液は、共感染の判別も可能であることが示された。
本発明は、分子生物学研究、さらに臨床検査や食品衛生管理などを目的とした検査において、好適に用いられる。

Claims (1)

  1. 試料中のRNAウイルスの検査方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする試料中のRNAウイルスの存在の有無を検査するための方法。
    (1)核酸の単離処理も加熱処理も行っていない試料と、逆転写活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼを含む一酵素系1ステップRT-PCR反応液とを混合する工程、及び、
    (2)反応容器を密閉後、1ステップRT-PCR反応を実施する工程。
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