JP2023128118A - リチウムイオン二次電池用負極活物質、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池用負極電極 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極活物質、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池用負極電極 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電を繰り返しても放電容量維持率(サイクル特性)の低下を抑制することができるリチウムイオン二次電池用負極活物質を提供すること。【解決手段】シリコン粒子が三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を含むマトリックスに分散された複合体であって、前記リチウムアルミノケイ酸塩は、下記一般式(1)で表されることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質。【化1】TIFF2023128118000008.tif26170ここで、上記一般式(1)において、xは、0.4≦x≦2.5、yは、0.4≦y≦6.8、δは、-0.4≦δ≦0.4の条件を満たす。【選択図】図10

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極活物質、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池用負極電極に関する。更に詳しくは、シリコン粒子が三次元網目構造を形成しているリチウムアルミノケイ酸塩に分散されたサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極活物質、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池用負極電極に関する。
二次電池は、例えば、携帯電話やパーソナルコンピュータ、電動工具、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(PEV)などに幅広く使われるようになっている。特に、リチウムイオン電池は、高出力かつ高いエネルギー密度を有しており、携帯用機器のバッテリーや車載用バッテリーとして広く普及している。リチウムイオン電池の負極活物質には、主にグラファイト材料が用いられている。グラファイト材料を負極活物質とするリチウムイオン電池の負極は、サイクル特性が良好であるものの、充電容量が372(mA・h/g)程度であり、比較的小さい。
近年、リチウムイオン電池は、車載用バッテリーとしての需要が増えてきていることもあり、リチウムイオン電池の更なる高エネルギー密度化が渇望されている。リチウムイオン電池のエネルギー密度を向上させるためには、リチウムイオン電池の負極に含まれる負極活物質により充電容量を向上させることが必要である。このような観点から、グラファイト材料の10倍以上の充電容量4200(mA・h/g)を持つシリコン材料を負極活物質とするシリコン系負極が注目を集めており、研究開発が盛んに行われている。
シリコン系負極として実用化されているものは、純粋なシリコンのみから構成されるSi負極やSiとSiOとの混合物であるSiOから構成されるSiO負極である。ここで、SiO負極は、ケイ素酸化物中にシリコンが分散した構造を有している。SiO負極は、ケイ素酸化物がシリコンの膨張収縮を抑えるため、シリコン単体のみから構成されるSi負極よりもサイクル特性に優れる。しかしながら、SiO負極は、初回充電時において、ケイ素酸化物がリチウムと副反応して、LiSiOを生成するためクーロン効率が低下する。このため、SiO負極に予めリチウムをドープしたLi-Si-O系負極についても開発が進められている。しかしながら、Li-Si-O系負極は、グラファイト系負極に比べるとサイクル特性に劣るため、技術的課題が残っている状況である。
特許文献1には、リチウムイオン二次電池用負極活性物質として有用とされるケイ素-ケイ素酸化物-リチウム系複合体、その製造方法及び該粉末を用いた非水電解質二次電池用負極材が開示されている。特許文献1に開示されたリチウムイオン二次電池用負極活性物質は、ケイ素酸化物中にシリコンが分散した構造を有しており、ケイ素酸化物にリチウムがドープされている。
特許文献2には、リチウムイオン二次電池用負極が開示されている。特許文献2に記載されたリチウムイオン二次電池用負極は、SiOとLiAlOとを含み、初期リチウム充電後に形成されるLiSiOとAlとを含んでいる。
特許文献3には、リチウムシリケート相と、リチウムシリケート相内に分散しているシリコン粒子とを含むリチウムシリケート複合粒子を備えた非水電解質二次電池用負極活物質が開示されている。特許文献3に開示された非水電解質二次電池用負極活物質が備えているリチウムシリケート複合粒子に含まれるリチウムシリケート相は、Liと、Siと、Oと、M(Mは、アルカリ金属の第1族、酸素族の第16族、希ガスの第18族およびSiを除く元素)と、を含む酸化物相であることが記載されている。
特開2007-294423号公報 特開2013-197012号公報 国際公開第2019/130787号
Inorg. Mater., 1987,23,1835-1837, Atdaev B.S., Grin’V.F., Sal’kov E.A., Chalaya.V.G. Russ. J. Inorg. Chem., 1986, 31, 503-506, Kosorukov A.A., Nadel L.G.,Chirkov A.S.
しかしながら、上記従来技術には、以下のような問題がある。特許文献1に開示されたリチウムイオン二次電池用負極活物質として有用とされるケイ素-ケイ素酸化物-リチウム系複合体は、ケイ素酸化物中にシリコンが分散した構造を有しているものであるが、ケイ素酸化物中の成分は、Li、Si、Oであり、Alはその成分として含まれていない。このため、上記ケイ素酸化物は、Li-Al-Si-O系化合物ではない。
さらに、特許文献2に開示されたリチウムイオン二次電池用負極は、SiOとLiAlOとを含むことから、上記負極は負極活物質としてAlを含む。しかしながら、上記負極は、SiOとLiAlOとをそれぞれの成分として含むものに過ぎないものであって、Li-Al-Si-O系化合物を含まない。しかも、上記リチウムイオン二次電池用負極は、初期リチウム充電後にLiSiOが形成されることにより、LiSiOとAlとを含む。
また、特許文献3に開示された非水電解質二次電池用負極活物質が備えているリチウムシリケート複合粒子に含まれるリチウムシリケート相は、LiとSiとOと広範囲な元素として規定されているM(Mは、アルカリ金属の第1族、酸素族の第16族、希ガスの第18族およびSiを除く元素)とを含み、三次元網目構造を有する特定化合物を狙った組成設計とはなっていない。このことから、三次元網目構造がマトリックスの主相にはなり得ない。
このように、特許文献1~3に開示されたリチウムイオン二次電池用負極活物質等は、いずれも三次元網目構造を有するLi-Al-Si-O系化合物を主相としない。このため、特許文献1~3に開示されたリチウムイオン二次電池用負極活物質とシリコン粒子とを含む負極材料は、リチウムの吸蔵・放出に伴うシリコン粒子の膨張収縮によりシリコン粒子が崩壊してしまう。その結果、特許文献1~3に開示された負極活物質を含む負極電極を備えたリチウムイオン二次電池は、充放電を繰り返す度にその充放電容量が低下して放電容量維持率(サイクル特性)が低下するという問題点を有する。
本発明は、これらの従来技術が抱える問題点に鑑みてなされたものであって、リチウムの吸蔵・放出に伴うシリコン粒子の膨張収縮によるシリコン粒子の崩壊を抑制して、充放電を繰り返しても放電容量維持率(サイクル特性)の低下を抑制することができるリチウムイオン二次電池用負極活物質、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池用負極電極を提供することを目的とする。
本発明が対象とするリチウムイオン二次電池用負極活物質は、シリコン粒子が三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を主相とするマトリックスに分散された複合体である。そして、本発明は、上記目的を達成するため、リチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれるシリコン粒子を分散させるためのマトリックスとして下記一般式(1)で表される三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を採択することにより、リチウムイオン二次電池用負極活物質の放電容量特性、充放電容量維持率をバランスよく並立させることができ、車載用のリチウムイオン二次電池として好適なサイクル特性をも有することを知見し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、第1にシリコン粒子が三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を主相とするマトリックスに分散された複合体であって、前記リチウムアルミノケイ酸塩は、下記一般式(1)で表されることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質を提供する。
Figure 2023128118000002
ここで、上記一般式(1)において、xは、0.4≦x≦2.5、yは、0.4≦y≦6.8、δは、-0.4≦δ≦0.4の条件を満たす。
なお、リチウムイオン二次電池用負極活物質は、
(a)前記一般式(1)において、SiとAlとの比(y/x)が1.0≦(y/x)≦5.5の範囲にあること、
(b)前記リチウムアルミノケイ酸塩がLiAlSiO、LiAlSi及びLiAlSiから選ばれる少なくとも1つであること、
(c)前記リチウムアルミノケイ酸塩は、JIS H7805:2005に規定されるX線回折法による結晶構造解析において、
ケイ素に起因する回折ピーク2θ(deg)として、28.20~28.60,47.10~47.50,55.90~56.30と、
リチウムアルミノケイ酸塩に起因する回折ピーク2θ(deg)として、25.10~25.90,47.10~47.90,55.80~56.80とを有すること、
(d)前記リチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれる前記シリコン粒子の含有率が40~90質量%であること、
(e)前記シリコン粒子の平均粒子径が、5~100nmであること等が好ましい手段として考えられる。
本発明は、第2にシリコン粒子が三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を含むマトリックスに分散されたリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法であって、
工程(I);炭酸リチウムと水酸化アルミニウムと二酸化ケイ素とを混合・粉砕した後、大気圧雰囲気下にて800~1000℃の温度により焼成をすることにより三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を製造する工程と、
工程(II);前記工程(I)において製造した前記リチウムアルミノケイ酸塩とシリコン粒子とを混合・粉砕することにより負極活物質前駆体を製造する工程と、
工程(III);前記工程(II)において製造した前記負極活物質前駆体を不活性ガス雰囲気下にて焼結する工程と、を含み、
前記リチウムアルミノケイ酸塩は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
Figure 2023128118000003
ここで、上記一般式(1)において、xは、0.4≦x≦2.5、yは、0.4≦y≦
6.8、δは、-0.4≦δ≦0.4の条件を満たす。
本発明は、第3に上記リチウムイオン二次電池用負極活物質を含むリチウムイオン二次電池用負極電極である。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質、及びリチウムイオン二次電池用負極活物質を含む二次電池用負極電極は、放電容量特性および放電容量維持率(サイクル特性)に優れている。このため、本発明によれば、リチウムイオン二次電池の小型軽量化が可能となり、当該リチウムイオン二次電池を携帯電話、パーソナルコンピュータ、電動工具、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(PEV)に搭載することにより、高い運動性能を有する製品を提供できるようになる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するLiAlSiOの三次元網目構造を示したモデル図である。 本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するLiAlSiの三次元網目構造を示したモデル図である。 本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するLiAlSiの三次元網目構造を示したモデル図である。 本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法の各工程を示すフロー図である。 本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するLiAlSiOとSi(シリコン粒子)からなる複合体(二次電池充放電前)のX線回折測定結果(XRD)を示したグラフである。 本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するLiAlSiOとSi(シリコン粒子)からなる複合体(二次電池充放電後)のX線回折測定結果(XRD)を示したグラフである。 実施例1で製造されたリチウムアルミノケイ酸塩のX線回折法(XRD)による回折パターンの測定結果であり、図7(a)は、実施例1で製造されたリチウムアルミノケイ酸塩の実測XRDプロファイルであり、図7(b)に既知のLiAlSiOの回折ピークを参照用XRDプロファイルである。 本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質を含む負極電極を備えた二次電池の構造を示したモデル図である。 比較例1で製造されたリチウムアルミノケイ酸塩のX線回折法(XRD)による回折パターンの測定結果であり、図9(a)は、比較例1で製造されたリチウムアルミノケイ酸塩の実測XRDプロファイルであり、図9(b)に既知のLiSiの回折ピークを参照用XRDプロファイルである。比較例1で得られたリチウムアルミノケイ酸塩のX線回折法(XRD)による回折パターンの測定結果である。 本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質を含む負極電極を備えた二次電池における充放電サイクルと放電容量維持率(サイクル特性)との関係を示すグラフである。
[第1実施形態]
第1実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質について説明する。本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質は、シリコン粒子が三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を主相とするマトリックスに分散された複合体であることを特徴とする。すなわち、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するマトリックスは、三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を主相とする。ここで「主相」とは、三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩が上記マトリックス中に50モル%以上含有していることをいう。さらに「主相」とは、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するマトリックスが三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩のみから構成されており、三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩が上記マトリックス中に100モル%含有していてもよいことをいう。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するマトリックスである三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩は、以下の一般式(1)で表される。
Figure 2023128118000004
ここで、上記一般式(1)において、xは、0.4≦x≦2.5、yは、0.4≦y≦6.8、δは酸素不定比性を意味し、-0.4≦δ≦0.4の条件を満たす。上記一般式(1)において、x、yは、それぞれ独立に同一であっても異なっていてもよい。さらに、上記一般式(1)において、xが0.5以上であれば、三次元網目構造形成の観点から、十分なAl-Si-Oの結合を形成できるため好ましい。xが1.2以下であれば、リチウムイオン(Li)伝導性の観点から、Alがリチウムイオン(Li)の移動を阻害しないため好ましい。さらに、yが0.5以上であれば、三次元網目構造形成の観点から、十分なAl-Si-Oの結合を形成できるため好ましい。yが5.5以下であれば、初期効率の観点から、充放電時にリチウム(Li)と反応し得るSiOの生成を抑制できるため好ましい。δは金属酸化物における酸素不定比性を意味し、δが-0.4以上0.0以下であれば、酸素空孔を伴う酸素欠損として有り得る値であって、δが0.0以上0.4以下であれば、格子間酸素の導入もしくは金属欠損による酸素過剰として有り得る値である。
図1~3は、リチウムイオン二次電池用負極活物質マトリックスであるリチウムアルミノケイ酸塩のミクロ構造を示したモデル図である。図1は、LiAlSiOのミクロ構造及びその構造式を示したモデル図であり、図2は、LiAlSiのミクロ構造図を示したモデル図であり、図3は、LiAlSiのミクロ構造図を示したモデル図である。図1~3に示されたリチウムアルミノケイ酸塩は、いずれもAl-Si-Oの原子間において共有結合が形成されており、これらの原子間においてネットワーク(三次元網目構造)を形成し、共有結合の占める割合が高く、分枝構造を有している。ここでいう三次元網目構造とは、可動イオンであるリチウムを除く他の元素が、三次元的に共有結合している構造のことをいう。リチウムイオンは、充放電反応時にLi-Al-Si-O化合物内を任意に移動し得る。リチウム以外の元素が、リチウムを介さずに三次元構造を形成するように結合することによって、リチウムイオン伝導性を保ちつつも、リチウムアルミノケイ酸塩の三次元網目構造による強度向上の効果を狙うことができる。例えば、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれるシリコン粒子を分散させるためのマトリックスとしては、LiAlSiO、LiAlSi、LiAlSiを挙げることができる。なお、リチウムアルミノケイ酸塩の中でも三次元網目構造の安定性及び耐久性の観点からLiAlSiOが特に好ましい。また、本実施形態の非水電解質リチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれるシリコン粒子を分散させるためのマトリックスとして、リチウムアルミノケイ酸塩を構成するアルミニウムをアルミニウムと同程度の化学的性質を有するCa、Mg、Ti、V、Fe、Ta、Y、Zr、Bi、Mn、Ba等に置き換えたリチウム金属ケイ酸塩を用いることができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するリチウムアルミノケイ酸塩は、JIS H7805:2005に規定されるX線回折法(XRD)による結晶構造解析において、ケイ素に起因する回折ピーク2θ(deg)として、28.20~28.60,47.10~47.50,55.90~56.30と、リチウムアルミノケイ酸塩に起因する回折ピーク2θ(deg)として、25.10~25.90,47.10~47.90,55.80~56.80とを有する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するリチウムアルミノケイ酸塩は、上記一般式(1)において、リチウムアルミノケイ酸塩を構成するSi(ケイ素)とAl(アルミニウム)との比率である(y/x)は、1.0≦(y/x)≦5.5の条件を満たすことが好ましい。リチウムアルミノケイ酸塩を構成するSi(ケイ素)とAl(アルミニウム)との比率であるSi/Al比(y/x)が上記範囲内であれば、過不足なく3次元網目状構造を形成するため望ましい。一方、Si/Al比(y/x)が上記範囲外である場合のデメリットは、以下の通りである。すなわち、Si/Al比(y/x)が1.0未満の場合、主相である3次元網目状構造マトリクスの他にAlが副相として現れるため好ましくない。また、Si/Al比(y/x)が5.5超の場合、主相である3次元網目状構造マトリクスの他に初期効率を低下させるSiOが副相として現れるため好ましくない。
なお、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するリチウムアルミノケイ酸塩は、上記一般式(1)を満たすものであれば、Si/Al比(y/x)が上記範囲外であっても、本発明の対象になり得る。その理由は、Si/Al比(y/x)が上記範囲外であれば、上記デメリットが生じるものの、その主相は三次元網目状構造をとるため、本発明の狙いの効果は発現できるからである。
このように、リチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するシリコン粒子のマトリックスの主相として用いられるリチウムアルミノケイ酸塩が上記一般式(1)を満たすものであれば、当該リチウムアルミノケイ酸塩を用いた上記負極活物質を含む負極におけるシリコン粒子の電気伝導性を確保することができる。また、リチウムアルミノケイ酸塩が上記一般式(1)を満たすものであれば、リチウムアルミノケイ酸塩は、高い強度を有することになり、上記負極を備えたリチウムイオン二次電池の充放電後においても三次元網目構造を維持することができる。このため、リチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれる活物質であるシリコン粒子は、リチウムアルミノケイ酸塩によって、その膨張収縮が抑制される。その結果、リチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれる活物質であるシリコン粒子は、上記負極を備えたリチウムイオン二次電池の充放電後においても、崩壊することがない。
上記シリコン粒子の平均粒子径は、5~100nmであることが好ましい。シリコン粒子の平均粒子径が5nm以上であれば、リチウムイオン二次電池用負極活物質のミクロ構造が安定するため好ましい。シリコン粒子の平均粒子径が100nm以下であれば、シリコン粒子の微細化により、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質を用いた負極電極を備えたリチウムイオン二次電池の充放電時の体積変化によるシリコン粒子の膨張を抑制することができるため好ましい。なお、シリコン粒子の平均粒子径は、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質のXRD測定を行い、Siピークの半値幅からSherrer式により算出することができる。ここで、Sherrer式は、D=Kλ/Bcosθで表され、D:結晶サイズ(nm)、K:Sherrer定数、λ:X線の波長(nm)、B:半値幅(rad)、θ:ブラッグ角(rad)である。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれるシリコン粒子(Si粒子)の含有率は、40~90質量%であることが好ましい。シリコン粒子の含有率が40質量%以上であれば、シリコン粒子とリチウムアルミノケイ酸塩をマトリックスとして用いた上記負極活物質を含む負極電極におけるシリコン粒子の電気伝導性を確保することができ、かつ、上記負極電極を備えたリチウムイオン二次電池の充放電が可能となるため好ましい。一方、シリコン粒子の含有率が90質量%以下であれば、上記負極電極を備えたリチウムイオン二次電池の放電容量維持率(サイクル特性)を向上できるため好ましい。
以上、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質は、シリコン粒子のマトリックスとして三次元網目構造を維持することができるリチウムアルミノケイ酸塩から構成されているので、シリコン粒子の崩壊を抑え、放電容量維持率(サイクル特性)に優れたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法について説明する。図4は、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法の各工程を示すフロー図である。図4に示されるように、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法は、シリコン粒子が三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を含むマトリックスに分散されたリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法であり、以下の工程(I)~(III)を含む。以下、各工程について説明する。
<工程(I);リチウムアルミノケイ酸塩を製造する工程>
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法は、工程(I);リチウムアルミノケイ酸塩を製造する工程を含む。工程(I)において製造されるリチウムアルミノケイ酸塩の原料は、炭酸リチウムと水酸化アルミニウムと二酸化ケイ素である。これらの原料を所定量、秤量する。炭酸リチウムと水酸化アルミニウムと二酸化ケイ素との混合比(質量比)は、三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を形成することができる混合比であれば、特に限定されるものではないが、LiAlSiOを作製する場合は、質量比で、炭酸リチウム:水酸化アルミニウム:二酸化ケイ素が2.0:3.0:4.0であることが好ましい。また、LiAlSiを作製する場合は、前述の二酸化ケイ素の比率を2倍とし、LiAlSiを作製する場合は、前述の二酸化ケイ素の比率を3倍とすることにより合成できる。ここで、炭酸リチウム:水酸化アルミニウム:二酸化ケイ素の質量比は、それぞれの原料に含まれるリチウム、アルミニウム、ケイ素の含有量によって適宜定めることができる。なお、工程(I)において原料として使用される炭酸リチウム以外にも水酸化リチウム、酸化リチウム、硫酸リチウムを使用することができる。工程(I)において原料として使用される水酸化アルミニウム以外にも酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、硫酸アルミニウム等を使用することができる。
次に、リチウムアルミノケイ酸塩の原料である所定量の炭酸リチウムと水酸化アルミニウムと二酸化ケイ素とを混合・粉砕する。これらの原料の混合・粉砕は、ボールミル等の装置により所定時間行う。混合・粉砕後の原料は、所定の粒子径を有する炭酸リチウムと水酸化アルミニウムと二酸化ケイ素の混合物となる。
さらに、上記で得られた原料を大気圧雰囲気下にて800~1000℃の温度により焼成をする。焼成する温度が800℃以上であれば、水酸化アルミニウムと二酸化ケイ素との反応が十分に進行し、Al-Si-Oの原子間にて共有結合を形成することができるため好ましい。焼成する温度が1000℃以下であれば、リチウムアルミノケイ酸塩の三次元網目構造を維持することができるため好ましい。
<工程(II);負極活物質前駆体を製造する工程>
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法は、前記工程(I)において製造した前記リチウムアルミノケイ酸塩とシリコン粒子とを混合・粉砕することにより負極活物質前駆体を製造する工程を含む。工程(II)において製造される負極活物質前駆体は、リチウムアルミノケイ酸塩とシリコン粒子を含む。工程(II)において、リチウムアルミノケイ酸塩とシリコン粒子とを混合・粉砕する。具体的には、リチウムアルミノケイ酸塩とシリコン粒子とをボールミル等の容器に投入し、その後ボールミルを回転させることにより、リチウムアルミノケイ酸塩とシリコン粒子を混合・粉砕する。ここで、リチウムアルミノケイ酸塩とシリコン粒子との質量比は、リチウムアルミノケイ酸塩が10~60質量%に対して、シリコン粒子が40~90質量%であることが好ましい。リチウムアルミノケイ酸塩の質量が上記範囲であれば、リチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれるシリコン粒子を十分に担持することができるため好ましい。また、シリコン粒子の質量が上記範囲であれば、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を保持することができるため好ましい。工程(II)において、三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩とシリコン粒子からなるリチウムイオン二次電池用負極活物質の前駆体が形成される。工程(II)においてリチウムアルミノケイ酸塩に混合されるシリコン粒子は、リチウムイオン二次電池用負極活物質の役割を有する。なお、工程(II)において、混合・粉砕前のリチウムアルミノケイ酸塩とシリコン粒子からなる混合物に含まれるシリコン粒子の粒子径は、0.2~100μmであることが好ましい。混合・粉砕前のシリコン粒子の粒子径を上記範囲に設定することにより、リチウムアルミノケイ酸塩とシリコン粒子とを混合・粉砕することにより得られる負極活物質前駆体に含まれるシリコン粒子の粒子径を5~100nmとすることができる。
<工程(III);負極活物質前駆体を不活性ガス雰囲気下にて焼結する工程>
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法は、工程(III);前記工程(II)において製造した前記負極活物質前駆体を不活性ガス雰囲気下にて焼結する工程を含む。前記負極活物質前駆体を不活性ガス雰囲気下にて焼結することにより、当該負極活物質前駆体がリチウムイオン二次電池用負極活物質となる。さらに、工程(III)において、リチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するマトリックスの主相であるリチウムアルミノケイ酸塩における酸素不定比性δを制御するために、不活性ガス雰囲気下にて焼結する前に酸素雰囲気下にて焼結してもよい。また、工程(III)において、リチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するマトリックスの主相であるリチウムアルミノケイ酸塩における酸素不定比性δを制御するために、不活性ガス雰囲気下にて焼結する前に還元剤存在下にて焼結してもよい。このように、工程(III)がその前工程として、前記負極活物質前駆体を不活性ガス雰囲気下、又は還元剤の存在下にて焼結することにより、酸素空孔を伴う酸素欠損、過剰酸素による金属欠損を補うことができる。
負極活物質前駆体の焼結温度は、500~1000℃であることが好ましい。負極活物質前駆体の焼結温度が500℃以上であれば、負極活物質前駆体が加熱されることによりリチウムイオン二次電池用負極活物質の構造が安定化するため好ましく、1000℃以下であれば、負極活物質前駆体の分解が起こることがないため好ましい。負極活物質前駆体の熱処理時間は0.5~40時間が好ましく、特に1~20時間が好ましい。熱処理時間が0.5時間以上であれば、前駆体の反応が進むため好ましい。40時間以下であれば、Liの揮発を抑えられるため好ましい。なお、負極活物質前駆体の焼結は、窒素、アルゴン等の不活性ガスの存在下において行う。その理由は、負極活物質前駆体が大気中の酸素と反応することなく、複合体の構造が強固となり、安定化したリチウムイオン二次電池用負極活物質を得ることができるためである。
図5は、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法に含まれる工程(I)~(III)を経由して製造されたLiAlSiOとSi(シリコン粒子)との複合体であるリチウムイオン二次電池用負極活物質のX線回折法(XRD)による測定結果である。具体的に、図5(a)は、製造されたLiAlSiOとSi(シリコン粒子)との複合体であるリチウムイオン二次電池用負極活物質のX線回折法(XRD)による測定結果である。図5(b)は、製造されたLiAlSiOとSi(シリコン粒子)との複合体であるリチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれるSi(シリコン粒子)のX線回折法(XRD)による文献測定結果である(非特許文献1)。図5(c)は、製造されたLiAlSiOとSi(シリコン粒子)との複合体であるリチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれるLiAlSiOのX線回折法(XRD)による文献測定結果(非特許文献2)である。
図5(a)からも明らかなように、工程(III)により、リチウムアルミノケイ酸塩とシリコン粒子とを混合して、粉砕することにより負極活物質前駆体を焼結した複合体は、シリコン粒子に起因する、28.43、47.29、56.11(2θ/deg)付近のピークと、LiAlSiOに起因する、25.26、47.56、55.96(2θ/deg)付近にピークを有している。
これらのピークは、示される国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)データベース(Atom Work;http://crystdb.nims.go.jp/)に収録されているSiの回折線ピークと、LiAlSiOの回折線ピークとほぼ一致していることが明らかとなった。これらのX線回折法(XRD)測定結果から、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法により製造された錯体化合物は、LiAlSiOとSi(シリコン粒子)との複合体であることが判明した。
図5(a)に示されるように、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法により製造されたリチウムアルミノケイ酸塩とシリコン粒子とを混合したリチウムイオン二次電池用負極活物質は、三次元網目構造を有する多結晶のLiAlSiOを主相とするマトリックスにシリコン粒子が分散した構造であることが明らかとなっている。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法により製造されたリチウムアルミノケイ酸塩を主相とするマトリックスとシリコン粒子とを混合したリチウムイオン二次電池用負極活物質は、当該リチウムイオン二次電池用負極活物質を含む負極を備えたリチウムイオン二次電池を充放電した後においても、そのミクロ構造を三次元網目構造として維持することができる。すなわち、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法により製造されたリチウムイオン二次電池用負極活物質は、リチウムアルミノケイ酸塩が三次元網目構造を有することにより、当該リチウムイオン二次電池用負極活物質を含む負極を備えたリチウムイオン二次電池を充放電した後においても、そのミクロ構造の基礎となる三次元的にアルミニウム(Al)とケイ素(Si)と酸素(O)との間に形成されたネットワーク(三次元網目構造)を維持することができる点において技術的特徴を有する。
図6は、本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するLiAlSiOとSi(シリコン粒子)からなる複合体(二次電池充放電後)のX線回折測定結果(XRD)を示したグラフである。具体的に、図6(a)は、二次電池充放電サイクル後にLiAlSiOの結晶がどのような形態で存在しているか確認するため、リチウムイオン二次電池用負極活物質を含む負極電極のX線回折測定(XRD)測定を行った測定結果である。図6(a)に示された負極電極のX線回折測定(XRD)測定において、グラファイト(MAG)の影響を除外するために、Si負極91%、バインダーCMC3.0%、バインダーSBR3.0%、導電助剤アセチレンブラック3.0%の比率とした電極を、発明の形態に示した手順と同様にして作製した。X線回折測定(XRD)には、充放電電流を0.5mAとしてサイクル試験を行い、5サイクル後のコイン型二次電池をグローブボックス内にて分解し、取り出した負極電極を用いた。
図6(b)は、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)データベース(Atom Work;http://crystdb.nims.go.jp/)に収録されているLiAlSiOの回折線ピークである。
図6(a)に示されたリチウムイオン二次電池用負極活物質を構成するLiAlSiOは、25°付近に、図6(b)に示されるLiAlSiOの回折線ピークを有していることが判明している。すなわち、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質は、当該リチウムイオン二次電池用負極活物質を含む負極電極を備えたリチウムイオン二次電池を充放電した後においても、そのミクロ構造の基礎となる三次元的にAlとSiとOとの間に形成されたネットワーク(三次元網目構造)を維持している結晶であることが明らかとなった。
以上説明したように、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法によれば、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、及び酸素(O)の結合が三次元的に形成された三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩をマトリックスとし、充放電後においても当該マトリックスにシリコン粒子が分散された複合体であるリチウムイオン二次電池用負極活物質を製造することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態のリチウムイオン二次電池用負極電極について説明する。本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極電極は、上記実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質を含んでいる。本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質を含む負極電極は、正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープかつ脱ドープが可能である。本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極電極の形態としては、上記実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質を含む負極合剤が負極集電体に担持されてなる負極電極、上記実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質のみから構成される負極電極を挙げることができる。
(他の負極活物質)
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極電極に含まれるリチウムイオン二次電池用負極活物質には、本発明の目的を妨げない範囲で上記実施形態のリチウムイオン二次電池用負極活物質に他の負極活物質を含むことができる。他の負極活物質としては、炭素材料、酸化物、硫化物、窒化物、金属又は合金であって、正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープかつ脱ドープが可能な材料を含んでいてもよい。
他の負極活物質として使用可能な炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維及び有機高分子化合物焼成体を挙げることができる。これらの炭素材料、酸化物、硫化物、窒化物等は、1種のみ用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。また、これらの炭素材料、酸化物、硫化物、窒化物等は、結晶質又は非晶質のいずれでもよい。
上記他の負極活物質の中では、充電時に未充電状態から満充電状態にかけて負極の電位がほとんど変化しない(電位平坦性がよい)、平均放電電位が低い、繰り返し充放電させたときの容量維持率が高い(サイクル特性がよい)などの理由から、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛を主成分とする炭素材料が好ましく用いられる。炭素材料の形状としては、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、又は微粉末の凝集体などのいずれでもよい。
負極合剤は、必要に応じて、バインダーを含有してもよい。バインダーとしては、熱可塑性樹脂を挙げることができ、具体的には、ポリフッ化ビニリデン、熱可塑性ポリイミド、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン及びポリプロピレンを挙げることができる。
(負極集電体)
本実施形態の負極電極が有する負極集電体としては、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、ステンレスなどの金属材料を形成材料とする帯状の部材を挙げることができる。なかでも、リチウムと合金を作り難く、加工しやすいという点で、銅(Cu)を形成材料とし、薄膜状に加工したものが好ましい。
このような負極集電体に負極合剤を担持させる方法としては、加圧成型による方法、溶媒などを用いてペースト化し負極集電体上に塗布、乾燥後プレスし圧着する方法が挙げられる。
以上説明したように、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極電極は、シリコン粒子が三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を含むマトリックスに分散されたリチウムイオン二次電池用負極活物質を含んでいる。このため、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極電極を備えた二次電池は、充放電容量維持率(サイクル特性)に優れ、特に車載用のリチウムイオン二次電池として好適なサイクル特性をも有する。
[第4実施形態]
第4実施形態のリチウムイオン二次電池について説明する。図7は、リチウムイオン二次電池用負極を備えたリチウムイオン二次電池の構造を示したモデル図である。図7に示されるように、本実施形態のリチウムイオン二次電池は、上記実施形態のリチウムイオン二次電池用負極電極を備えている。なお、上記リチウムイオン二次電池用負極電極の形状としては、例えば、当該電極を巻回の軸に対して垂直方向に切断したときの断面形状が、円、楕円、長方形、角を丸めた長方形となるような柱状の形状を挙げることができる。
また、このような電極を有するリチウムイオン二次電池の具体例であるリチウム二次電池の形状としては、国際電気標準会議(IEC)が定めた電池に対する規格であるIEC60086、又はJIS C8500で定められる形状を採用することができる。例えば、上記リチウムイオン二次電池用負極電極の好ましい形状としては、円筒型、角型などの形状を挙げることができる。さらに、リチウムイオン二次電池が備えているリチウムイオン二次電池用負極電極は、上記巻回型の構成に限らず、正極、セパレータ、上記負極、セパレータの積層構造を繰り返し重ねた積層型の構成であってもよい。積層型のリチウム二次電池としては、いわゆるコイン型電池、ボタン型電池、ペーパー型(又はシート型)電池を例示することができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、上記実施形態のリチウムイオン二次電池用負極電極に加えて、主として、正極活物質を含む正極電極、電解液、セパレータを含む。以下、各部材について説明する。
<正極電極>
本実施形態のリチウムイオン二次電池が備えている正極電極は、正極活物質、導電材及びバインダーを含む正極合剤を調製し、正極合剤を正極集電体に担持させることで製造することができる。
(正極活物質)
正極活物質としては、リチウムの可逆的なインターカレーションおよびデインターカレーションが可能な化合物(リチエイテッドインターカレーション化合物)を使用することができる。具体的には、コバルト、マンガン、ニッケルまたはこれらの組み合わせの金属とリチウムとの複合酸化物のうちの1種以上を使用することができる。正極活物質の具体的な例としてはコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等を例示することができる。
(導電材)
本実施形態のリチウムイオン二次電池が備えている正極電極に含まれる導電材としては、炭素材料を用いることができる。炭素材料として黒鉛粉末、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック)、繊維状炭素材料などを挙げることができる。カーボンブラックは、微粒で表面積が大きいため、少量を正極合剤中に添加することで、正極内部の導電性を高め、充放電効率及び出力特性を向上させることができる。一方、カーボンブラックを多く入れすぎるとバインダーによる正極合剤と正極集電体との結着力、及び正極合剤内部の結着力がいずれも低下し、かえって内部抵抗を増加させる原因となる。
正極合剤中の導電材の割合は、正極活物質100質量部に対して5~20質量部であると好ましい。導電材として黒鉛化炭素繊維、カーボンナノチューブなどの繊維状炭素材料を用いる場合には、この割合を下げることも可能である。
(バインダー)
正極電極が有するバインダーとしては、熱可塑性樹脂を用いることができる。この熱可塑性樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル系共重合体などのフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は、2種以上を混合して用いてもよい。
(正極集電体)
本実施形態の正極が有する正極集電体としては、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、ステンレスなどの金属材料を形成材料とする帯状の部材を用いることができる。なかでも、加工しやすく、安価であるという点で、アルミニウム(Al)を形成材料とし、薄膜状に加工したものが好ましい。
正極集電体に正極合剤を担持させる方法としては、正極合剤を正極集電体上で加圧成型する方法が挙げられる。また、有機溶媒を用いて正極合剤をペースト化し、得られる正極合剤のペーストを正極集電体の少なくとも一面側に塗布して乾燥させ、プレスし固着することで、正極集電体に正極合剤を担持させてもよい。
正極合剤をペースト化する場合、用いることができる有機溶媒としては、N,N-ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミンなどのアミン系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸メチルなどのエステル系溶媒、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド系溶媒が挙げられる。
正極合剤のペーストを正極集電体へ塗布する方法としては、例えば、スリットダイ塗工法、スクリーン塗工法、カーテン塗工法、ナイフ塗工法、グラビア塗工法及び静電スプレー法が挙げられる。
<セパレータ>
本実施形態のリチウムイオン二次電池が有するセパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族重合体などの材質からなる、多孔質膜、不織布、織布などの形態を有する材料を用いることができる。さらに、これらの材質を2種以上用いてセパレータを形成してもよいし、これらの材料を積層してセパレータを形成してもよい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池において、セパレータは、電池使用時(充放電時)に電解質を良好に透過させるため、JIS P8117で定められるガーレー法による透気抵抗度が、50秒/100cc以上、300秒/100cc以下であることが好ましく、50秒/100cc以上、200秒/100cc以下であることがより好ましい。
<電解液>
本実施形態のリチウムイオン二次電池が有する電解液は電解質及び有機溶媒を含有していてもよい。電解液に含まれる電解質としては、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(COCF)、Li(CSO)、LiC(SOCF、Li10Cl10、LiBOB(ここで、BOBは、bis(oxalato)borateを示す。)、LiFSI(ここで、FSIはbis(fluorosulfonyl)imideを示す。)、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩、LiAlClなどのリチウム塩が挙げられる。また、これらの電解質から選ばれる2種以上の電解質の混合物を使用してもよい。電解質としては、フッ素を含むLiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(SOCF及びLiC(SOCFからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。
有機溶媒としては、カーボネート類、エーテル類、ニトリル類、カーバメート類、含硫黄化合物を用いることができる。カーボネート類としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4-トリフルオロメチル-1,3-ジオキソラン-2-オン、1,2-ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタン等を例示することができる。エーテル類としては、1,2-ジメトキシエタン、1,3-ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン等を例示することができる。エステル類としては、ギ酸メチル、酢酸メチル、γ-ブチロラクトンを例示することができる。ニトリル類としては、アセトニトリル、ブチロニトリルを例示することができる。アミド類としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドを例示することができる。カーバメート類としては、3-メチル-2-オキサゾリドンを例示することができる。含硫黄化合物としては、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3-プロパンサルトンなどの含硫黄化合物を例示することができる。
有機溶媒としては、これらのうちの2種以上を混合して用いることが好ましい。中でもカーボネート類を含む混合溶媒が好ましく、環状カーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒及び環状カーボネートとエーテル類との混合溶媒がさらに好ましい。
電解液に変えて固体電解質を用いてもよい。固体電解質としては、例えばポリエチレンオキサイド系の高分子化合物、ポリオルガノシロキサン鎖又はポリオキシアルキレン鎖の少なくとも一種以上を含む高分子化合物などの有機系高分子電解質を用いることができる。また、高分子化合物に非水電解液を保持させた、いわゆるゲルタイプのものを用いることもできる。またLiS-SiS、LiS-GeS、LiS-P、LiS-B、LiS-SiS-LiPO、LiS-SiS-LiSO、LiS-GeS-Pなどの硫化物を含む無機系固体電解質が挙げられ、これらの2種以上の混合物を用いてもよい。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池において、固体電解質を用いる場合には、固体電解質がセパレータの役割を果たす場合もあり、その場合には、セパレータを必要としないこともある。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、二次電池であり、繰り返し充放電できる。このため、本実施形態のリチウムイオン二次電池は、例えば、車載用の電池として好適である。特に本実施形態のリチウムイオン二次電池は、バッテリーの電気を使用してモータを駆動させて走行するEV車(電動車両)に搭載する電池として好適に用いることができる。EV車(電動車両)には、バッテリーの電気のみを使用するBEV車(電気自動車)、HV車(ハイブリッド自動車)等が含まれる。本実施形態のリチウムイオン二次電池をHV車(ハイブリッド自動車)に適用する際には、自動車駆動用のモータに電力を供給する形態となるハイブリッド自動車用電池としての用途のみに限定されず、アイドリングストップ機能を有する自動車でエンジンの再始動を行うためのスターターモーターに電力を供給する形態として適用してもよい。なお、二次電池には、二次電池の一次電池的使用(充電後、一度の放電だけを目的とした使用)も含まれる。
以上説明したように、本実施形態のリチウムイオン二次電池は、負極電極にシリコン粒子が三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を含むマトリックスに分散されたリチウムイオン二次電池用負極活物質を含んだ負極電極を備えているので、充放電容量維持率(サイクル特性)に優れ、特に車載用のリチウムイオン二次電池として好適なサイクル特性をも有する。
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
(実施例1)
シリコン粒子を分散させるマトリックスとして、上記一般式(1)中、x=1.0、y=1.0、δ=0に設定したリチウムアルミノケイ酸であるLiAlSiOを製造し、リチウムアルミノケイ酸であるLiAlSiOを主相とするマトリックスを用いて、リチウムイオン二次電池用負極活物質を製造した後、当該負極活物質を含む負極電極を製造した。さらに上記負極電極を備えたリチウムイオン二次電池であるコイン型二次電池を製造した。そして、製造したコイン型二次電池の評価(放電容量維持率(サイクル特性))を行った。具体的には、以下のように負極活物質、負極電極、コイン型二次電池を製造し、当該コイン型二次電池を評価した。
<負極活物質の製造>
負極活物質に含まれるマトリックスの原料として、炭酸リチウム(LiCO)、二酸化ケイ素(SiO)及び水酸化アルミニウム(Al(OH))をLiAlSi0.63.2(質量%で、Li=38.5%、Si=23.0%、M(Al)=38.5%)の組成となるように秤量し、これらの原料を容器回転揺動型粉体混合機(ロッキングミキサー;愛知電機株式会社製「RM10-3」)に投入し、乾式混合を4.0時間行った。乾式混合には、メディアとしてナイロン製ボールミル(直径Φ:20mmの鉄心入り)を用いた。上記乾式混合の完了後、炭酸リチウム(LiCO)、二酸化ケイ素(SiO)及び水酸化アルミニウム(Al(OH))の混合粉が得られた。得られた混合粉を大気圧雰囲気下、800~1000℃にて焼成し、リチウムアルミノケイ酸を主相とするマトリックスを得た。
得られたリチウムアルミノケイ酸塩のX線回折法(XRD)による回折パターンの測定を行い、図7(a)に示されるXRDプロファイルを得た。図7(a)は、実施例1で製造されたリチウムアルミノケイ酸塩の実測XRDプロファイルである。図7(b)に既知のLiAlSiOの回折ピークを参照用XRDプロファイルである。なお、図7(b)に示される既知のLiAlSiOの回折ピークを参照用XRDプロファイルは、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)データベース(Atom Work ; http://crystdb.nims.go.jp/)に収録されているLiAlSiOの回折ピークを示している。
図7(a)に示された実施例1で製造されたリチウムアルミノケイ酸塩の実測XRDプロファイルと、図7(b)に示された既知のLiAlSiOの回折ピークを参照用XRDプロファイルとを対比して仔細に検討すると、実施例1で製造されたリチウムアルミノケイ酸塩の実測XRDプロファイルには、LiAlSiO化合物の反射ピークが25.25(2θ/deg)付近にメインピークとして存在していることが確認された。この結果により、実施例1で製造されたマトリックスの主相は、三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩であることが明らかとなった。
負極活物質の原料として、得られたLiAlSiOを主相とするマトリックスとSi(シリコン粒子)との混合物を用いた。所定量のLiAlSiOとSi(シリコン粒子)を遊星型ボールミル(ドイツ国 フリッチュ社製 クラッシクラインP-5)に投入し、回転数200rpm、15.0時間、粉砕を行った。Si(シリコン粒子)は、平均粒子径が10μmのシリコン粒子を用いた。なお、粉砕には、メディアとしてクロム鋼球(直径Φ20mm)を用いた。
粉砕された負極活物質の原料を、温度500~1000℃、1~100時間にて熱処理した。熱処理後のサンプルをタングステン乳鉢により粉砕し、目開き75μmの篩に通し、篩下に落ちたサンプルを負極活物質とした。このようにして、得られた負極活物質に含まれるSi粒子の平均粒子径は、Cu-Kα線によるX線回折において、2θ=28.4°付近を中心としたSi(111)に帰属される回折ピークの半値幅をもとに、シェラーの式により求めた結果、14nmであった。また、ICP発光分光分析装置(日立ハイテクサイエンス株式会社製 製品名「SPS3520UV-DD」)により負極活物質におけるLiとAlの含有量を分析したところ、LiとAlのモル比は1:1であった。
得られた負極活性物質を用いて、負極電極用スラリーを製造した。負極電極用スラリーは、負極電極用スラリー原料(負極活物質、グラファイト)、バインダーCMC、バインダーSBRとから構成される。負極電極用スラリーに含まれる負極電極用スラリー原料の粉末とバインダーCMCの粉末とが所定の質量割合となるように負極電極用スラリー原料の粉末及びバインダーCMCの粉末を秤量する。ここで、負極電極用スラリー原料は、負極活物質を30質量%とグラファイト70質量%から構成される。秤量した負極電極用スラリー原料の粉末とバインダーCMCの粉末にイオン交換水を投入して、自転公転ミキサー(株式会社シンキー(THINKY)製 製品名「あわとり練太郎ARE-310」)により、回転数を2000rpm、撹拌時間を1.0時間に設定し、撹拌することにより、混錬を行った。
混錬後の負極電極用スラリー原料の粉末とバインダーCMCの粉末とイオン交換水とを含む液体にイオン交換水を滴下して粘度調整した後、負極電極用スラリーに含まれるバインダーSBRが所定の質量割合となるように、バインダーSBRを添加して、再度回転数を2000rpm、撹拌時間を1.0時間に設定し、撹拌することにより混錬を行い、負極電極用スラリー(負極電極塗工用スラリー)を得た。この負極電極用スラリーを銅(Cu)箔に塗工した後、乾燥温度60℃にて乾燥し、ロール圧延機により圧延することにより負極電極を製造した。
<コイン型二次電池の製造>
図8に示されたリチウムイオン二次電池の一例として、コイン型二次電池を以下のように製造した。負極電極を直径Φ:13mmの円形状に打ち抜き、乾燥温度90℃、乾燥時間15.0hに設定し、真空乾燥をした。真空乾燥後の円形状の負極電極をグローブボックスに投入した。グローブボックス内において、CR2032用コイン型二次電池用部材、対極電極用金属Li(リチウム;直径Φ:15mm)、濃度1.0mol/LのLiPF電解液(電解質LiPF、電解液(エチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DEC))を用いてコイン型二次電池を組み立てた。
<コイン型二次電池の評価>
製造した上記コイン型二次電池を充放電装置にセットして、CC充電-放電、0.0~1.0V、レート0.1C(0.5mA)充放電試験を行った。コイン型二次電池の放電容量維持率(サイクル特性)を評価することにより、負極活物質の性能を評価した。表1及び図8に実施例1で製造した負極活物質を含む負極材料を備えたコイン型二次電池の放電サイクル数に対する放電容量維持率(サイクル特性)の測定結果を示す。
(実施例2)
負極活物質に含まれるマトリックスの原料に含まれる炭酸リチウム(LiCO)、二酸化ケイ素(SiO)及び水酸化アルミニウム(Al(OH))の比率を変えることにより、シリコン粒子を分散させるマトリックスとして、リチウムアルミノケイ酸塩を表す上記一般式(1)中、x=1.0、y=2.0、δ=0に設定したLiAlSi(実施例2)を製造した以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池用負極活物質を製造した。さらに、当該負極活物質を含む負極電極を製造し、上記負極電極を備えたリチウムイオン二次電池であるコイン型二次電池を製造し、実施例1と同様にコイン型二次電池の放電容量維持率(サイクル特性)を評価した。表1に実施例2で製造した負極活物質を含む負極材料を備えたコイン型二次電池の放電サイクル数に対する放電容量維持率(サイクル特性)の測定結果を示す。
(比較例1)
負極活物質に含まれるマトリックスの原料として、炭酸リチウム(LiCO)、二酸化ケイ素(SiO)及び水酸化アルミニウム(Al(OH))をLiAlSi0.12.65(質量%で、Li=47.6%、Si=47.6%、M(Al)=4.8%)の組成となるように秤量し、シリコン粒子を分散させるマトリックスを製造した以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池用負極活物質を製造した。得られたマトリックスのX線回折法(XRD)による回折パターンの測定を行い、図9(a)に示されるXRDプロファイルを得た。図9(a)は、比較例1で製造されたマトリックスの実測XRDプロファイルである。また、図9(b)に既知のLiSiの回折ピークを参照用XRDプロファイルとして示した。図9(b)は、国際回折データセンター(International Centre for Diffraction Data ; ICDD)データベースに収録されているLiSiの回折ピークを示している。
図9(a)に示された比較例1で製造されたマトリックスの実測XRDプロファイルを図9(b)に示された既知のLiSiの回折ピークを参照用XRDプロファイルと対比して仔細に検討すると、比較例1で製造されたマトリックスの実測XRDプロファイルには、LiSi化合物の反射ピークがメインピークとして存在していることが確認された。この結果により、比較例1で製造されたマトリックスの主相は、リチウムケイ酸塩(二次元層状構造)であることが明らかとなった。
さらに、当該負極活物質を含む負極電極を製造し、上記負極電極を備えたリチウムイオン二次電池であるコイン型二次電池を製造した。このコイン型二次電池について、実施例1と同様にコイン型二次電池の放電容量維持率(サイクル特性)を評価した。表1及び図10に比較例1で製造した負極活物質を含む負極材料を備えたコイン型二次電池の放電サイクル数に対する放電容量維持率(サイクル特性)の測定結果を示す。
Figure 2023128118000005
(評価結果)
実施例1、2において製造された負極活物質を含む負極電極を備えた二次電池の放電容量維持率(サイクル特性)と比較例1において製造された二次電池の放電容量維持率(サイクル特性)とを比較した。表1から明らかなように、実施例1、2において製造された負極活物質を含む負極電極を備えた二次電池の放電容量維持率(サイクル数16)は、ともに77%であるのに対し、同サイクル数における比較例1の放電容量維持率は、66%と大きく異なっている。この傾向はサイクル数25では、より顕著に現れている。図10は、このサイクル数に伴う放電容量維持率の変化をより細かく見たものである。同図からも実施例による放電容量維持率は常に比較例を上回っており、この差は充放電サイクル数の増加とともに、より顕著に現れていることが確認できる。これらの評価結果から、本発明の負極活物質を含む負極電極を備えた二次電池は良好な放電容量維持率(サイクル特性)を示すことが明らかとなった。
このように、本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれる三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩により期待される基本的な効果は、当該リチウムイオン二次電池用負極活物質を含む負極電極を備えた二次電池の放電容量維持率(サイクル特性)の改善である。すなわち、本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極活物質が奏する基本的な効果は、リチウムイオン二次電池の電解質が非水電解質の場合であっても、固体電解質の場合であっても同じであると考えられる。
リチウムイオン二次電池の電解質が電解液系(非水電解質)である場合には、リチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれる三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩が奏する効果により、シリコン粒子(Si粒子)の膨張収縮が抑えられる。その結果、リチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれるシリコン粒子(Si粒子)の崩壊、すなわちシリコン粒子(Si粒子)がイオン二次電池用負極から脱落することや、電解液がシリコン粒子(Si粒子)と反応することによるシリコン粒子(Si粒子)の失活を防ぐことができる。このように、本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極活物質を含む負極電極を備え、電解質が電解液系(非水電解質)である場合、二次電池の寿命特性が改善する。
一方、リチウムイオン二次電池の電解質が固体電解質である場合には、リチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれる三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩が奏する効果により、シリコン粒子(Si粒子)の膨張収縮が抑えられる。その結果、シリコン粒子が三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を含むマトリックスに分散された複合体であるリチウムイオン二次電池用負極活物質と固体電解質とが密着した状態を維持し易くなり、二次電池の寿命特性が改善する。しかも、リチウムイオン二次電池の電解質として、固体電解質を採用することにより、リチウムイオン二次電池の全固体化が可能となる。その結果、リチウムイオン二次電池の安全性及び信頼性が飛躍的に向上すると共に高エネルギー密度化、高出力化が可能となる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質は、放電容量、サイクル寿命特性および高率放電特性に優れている。このため、ハイブリッド自動車やアイドリングストップ車用途のアルカリ蓄電池の負極材として好適であるばかりでなく、電気自動車用のアルカリ蓄電池にも好適に用いることができるので、電機産業、自動車産業等の産業上有用である。
100 コイン型二次電池
101 上蓋
111 正極
112 スペーサー
113 SUSバネ
114 ガラスフィルター
102 受け皿
121 負極
122 パッキン
103 電解液
104 セパレータ

Claims (8)

  1. シリコン粒子が三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を主相とするマトリックスに分散された複合体であって、
    前記リチウムアルミノケイ酸塩は、下記一般式(1)で表されることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質。
    Figure 2023128118000006
    ここで、上記一般式(1)において、xは、0.4≦x≦2.5、yは、0.4≦y≦6.8、δは、-0.4≦δ≦0.4の条件を満たす。
  2. 前記一般式(1)において、SiとAlとの比(y/x)が1.0≦(y/x)≦5.5の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  3. 前記リチウムアルミノケイ酸塩がLiAlSiO、LiAlSi及びLiAlSiから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  4. 前記リチウムアルミノケイ酸塩は、JIS H7805:2005に規定されるX線回折法による結晶構造解析において、
    ケイ素に起因する回折ピーク2θ(deg)として、28.20~28.60,47.10~47.50,55.90~56.30と、
    リチウムアルミノケイ酸塩に起因する回折ピーク2θ(deg)として、25.10~25.90,47.10~47.90,55.80~56.80と、を有することを特徴とする請求項1~3いずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  5. 前記リチウムイオン二次電池用負極活物質に含まれる前記シリコン粒子の含有率が40~90質量%であることを特徴とする請求項1~4いずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  6. 前記シリコン粒子の平均粒子径が、5~100nmであることを特徴とする請求項1~5いずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  7. シリコン粒子がリチウムアルミノケイ酸塩を含むマトリックスに分散されたリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法であって、
    工程(I);炭酸リチウムと水酸化アルミニウムと二酸化ケイ素とを混合・粉砕した後、大気圧雰囲気下にて800~1000℃の温度により焼成をすることにより三次元網目構造を有するリチウムアルミノケイ酸塩を製造する工程と、
    工程(II);前記工程(I)において製造した前記リチウムアルミノケイ酸塩とシリコン粒子とを混合・粉砕することにより負極活物質前駆体を製造する工程と、
    工程(III);前記工程(II)において製造した前記負極活物質前駆体を不活性ガス雰囲気下にて焼結する工程と、を含み、
    前記リチウムアルミノケイ酸塩は、下記一般式(1)で表されることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
    Figure 2023128118000007
    ここで、上記一般式(1)において、xは、0.4≦x≦2.5、yは、0.4≦y≦6.8、δは、-0.4≦δ≦0.4の条件を満たす。
  8. 請求項1~6いずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極電極。
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