JP2023127562A - 粘着剤組成物、粘着テープ、化合物、及び、化合物の製造方法 - Google Patents

粘着剤組成物、粘着テープ、化合物、及び、化合物の製造方法 Download PDF

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Fumiya Sato
雄大 緒方
Takehiro Ogata
彰 下地頭所
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Abstract

【課題】極性の低い被着体に対しても高い接着強度を発揮することのできる粘着剤組成物を提供する。また、該粘着剤組成物を含有する粘着剤層を有する粘着テープ、該粘着剤組成物を形成するための化合物、該化合物の製造方法を提供する。【解決手段】ベースポリマーと、式(1)~(5)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位(A)を有する化合物(T1)とを含有する粘着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物、粘着テープ、化合物、及び、化合物の製造方法に関する。
従来から、様々な用途において部品を固定する際、粘着テープが広く用いられている。具体的には、例えば、携帯電子機器の表面を保護するためのカバーパネルをタッチパネルモジュール又はディスプレイパネルモジュールに接着したり、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとを接着したりするために、粘着テープが用いられている。このような部品の固定に用いられる粘着テープには、高い粘着性に加え、使用される部位の環境に応じて、耐熱性、熱伝導性、耐衝撃性等の機能が要求されている(例えば、特許文献1~3)。
特開2015-052050号公報 特開2015-021067号公報 特開2015-120876号公報
粘着性の向上を目的として、ベースポリマーに粘着付与樹脂を添加した粘着剤組成物が知られている。粘着付与樹脂は、通常、ベースポリマーのバルクの力学特性、表面極性等を変化させて、接着強度を向上させる。
近年、粘着テープの用途が広がり、粘着剤組成物にはより高い性能が求められている。
例えば、近年、電子機器の分野ではより大容量のデータをより高速に送受信することが求められ、いわゆる第5世代移動通信システム(5G)の実用化も進められており、これに伴い、伝送信号の高周波数化が進められている。しかしながら、高周波数化により、伝送信号の減衰量(「挿入損失」という)が大きくなるという問題が生じている。
挿入損失を抑えるために、電子機器の部品を構成する材料として、フッ素樹脂、シクロオレフィン樹脂等の誘電率及び誘電正接の低い材料(低誘電材料)を用いることが検討されている。しかしながら、低誘電材料は、極性が低く難接着性であることから、低誘電材料からなる被着体に対して充分な接着強度を有する粘着剤組成物を得ることは難しかった。特に、フッ素樹脂のなかでもパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等と比較して透明性がより高く、有用な材料となることが期待されるが、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)からなる被着体に対して充分な接着強度を得ることは特に難しかった。
本発明は、極性の低い被着体に対しても高い接着強度を発揮することのできる粘着剤組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該粘着剤組成物を含有する粘着剤層を有する粘着テープ、該粘着剤組成物を形成するための化合物、該化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本開示1は、ベースポリマーと、下記式(1)~(5)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位(A)を有する化合物(T1)とを含有する粘着剤組成物である。
Figure 2023127562000001
式(1)~(5)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。R、R及びRはそれぞれ水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。Lは置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、アルキレンオキサイド基を表し、あってもなくてもよい。nは1以上の整数を表す。
本開示2は、前記式(1)で表される構成単位は、下記式(1-1)、(1-2)及び(1-3)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記式(2)で表される構成単位は、下記式(2-1)及び(2-2)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記式(3)で表される構成単位は、下記式(3-1)で表される構成単位であり、前記式(4)で表される構成単位は、下記式(4-1)で表される構成単位である、本開示1の粘着剤組成物である。
Figure 2023127562000002
式(1-1)中、Ar’は置換若しくは非置換の芳香族ヘテロ環又は縮合環式芳香族炭化水素基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。
Figure 2023127562000003
式(1-2)中、R1’は置換若しくは非置換の炭化水素基を表し、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
Figure 2023127562000004
式(1-3)中、Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表し、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。
Figure 2023127562000005
式(2-1)中、Ar’は置換若しくは非置換の芳香族ヘテロ環又は縮合環式芳香族炭化水素基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
Figure 2023127562000006
式(2-2)中、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。R8’は置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
Figure 2023127562000007
式(3-1)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
Figure 2023127562000008
式(4-1)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。
本開示3は、前記構成単位(A)は、下記式(i)で表されるスチルベンジカルボン酸及びそのアルキルエステル、下記式(ii)で表される没食子酸及びそのアルキルエステル、下記式(iii)で表されるフランカルボン酸及びそのアルキルエステル、並びに、下記式(iv)で表される安息香酸ビニルからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来する構成単位である、本開示1又は2の粘着剤組成物である。
Figure 2023127562000009
本開示4は、前記化合物(T1)は、更に、テルペン系モノマー、ビニル系モノマー及び共役ジエン系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー(b)に由来する構成単位(B)を有する、本開示1~3のいずれかの粘着剤組成物である。
本開示5は、前記化合物(T1)は、前記構成単位(A)の含有率が1モル%以上、60モル%以下である、本開示1~4のいずれかの粘着剤組成物である。
本開示6は、前記化合物(T1)は、前記構成単位(A)の含有率が0.9重量%以上、60重量%以下である、本開示1~5のいずれかの粘着剤組成物である。
本開示7は、前記化合物(T1)は、重量平均分子量が400以上、1万以下である、本開示1~6のいずれかの粘着剤組成物である。
本開示8は、前記化合物(T1)は、少なくとも部分的に水添された水素添加体である、本開示1~7のいずれかの粘着剤組成物である。
本開示9は、前記化合物(T1)の含有量が、前記ベースポリマー100重量部に対して1重量部以上、100重量部以下である、本開示1~8のいずれかの粘着剤組成物である。
本開示10は、更に、ロジンエステル系樹脂、テルペン系樹脂及び石油系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の粘着付与樹脂(T2)を含有する、本開示1~9のいずれかの粘着剤組成物である。
本開示11は、前記粘着付与樹脂(T2)の含有量が、前記ベースポリマー100重量部に対して10重量部以上、100重量部以下である、本開示10の粘着剤組成物である。
本開示12は、前記ベースポリマーは、スチレン系モノマーに由来するブロックと共役ジエン系モノマーに由来するブロックとを有するブロック共重合体又はその水素添加体であるスチレン系エラストマーである、本開示1~11のいずれかの粘着剤組成物である。
本開示13は、前記スチレン系エラストマーは、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロック共重合体及びスチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)ブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、本開示12の粘着剤組成物である。
本開示14は、前記スチレン系エラストマーは、ジブロック比率が50重量%以上である、本開示12又は13の粘着剤組成物である。
本開示15は、前記スチレン系エラストマーは、スチレン含有量が20重量%以下である、本開示12又は13の粘着剤組成物である。
本開示16は、本開示1~15の粘着剤組成物を含有する粘着剤層を有する、粘着テープである。
本開示17は、前記粘着剤層は、動的粘弾性測定装置を用いて測定周波数10Hzで測定した損失正接が、-40℃以上、-10℃以下においてピークを有する、本開示16の粘着テープである。
本開示18は、前記粘着剤層は、パーフルオロアルコキシアルカンに対する90°方向の剥離力が5N/inch以上である、本開示16又は17の粘着テープである。
本開示19は、下記式(1)~(5)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位(A)を有する化合物である。
Figure 2023127562000010
式(1)~(5)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。R、R及びRはそれぞれ水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。Lは置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、アルキレンオキサイド基を表し、あってもなくてもよい。nは1以上の整数を表す。
本開示20は、前記式(1)で表される構成単位は、下記式(1-1)、(1-2)及び(1-3)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記式(2)で表される構成単位は、下記式(2-1)及び(2-2)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記式(3)で表される構成単位は、下記式(3-1)で表される構成単位であり、前記式(4)で表される構成単位は、下記式(4-1)で表される構成単位である、本開示19の化合物である。
Figure 2023127562000011
式(1-1)中、Ar’は置換若しくは非置換の芳香族ヘテロ環又は縮合環式芳香族炭化水素基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。
Figure 2023127562000012
式(1-2)中、R1’は置換若しくは非置換の炭化水素基を表し、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
Figure 2023127562000013
式(1-3)中、Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表し、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。
Figure 2023127562000014
式(2-1)中、Ar’は置換若しくは非置換の芳香族ヘテロ環又は縮合環式芳香族炭化水素基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
Figure 2023127562000015
式(2-2)中、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。R8’は置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
Figure 2023127562000016
式(3-1)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
Figure 2023127562000017
式(4-1)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。
本開示21は、前記構成単位(A)は、下記式(i)で表されるスチルベンジカルボン酸及びそのアルキルエステル、下記式(ii)で表される没食子酸及びそのアルキルエステル、下記式(iii)で表されるフランカルボン酸及びそのアルキルエステル、並びに、下記式(iv)で表される安息香酸ビニルからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来する構成単位である、本開示19又は20の化合物である。
Figure 2023127562000018
本開示22は、更に、テルペン系モノマー、ビニル系モノマー及び共役ジエン系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー(b)に由来する構成単位(B)を有する、本開示19~21のいずれかの化合物である。
本開示23は、前記構成単位(A)の含有率が1モル%以上、60モル%以下である、本開示19~22のいずれかの化合物である。
本開示24は、前記構成単位(A)の含有率が0.9重量%以上、60重量%以下である、本開示19~23のいずれかの化合物である。
本開示25は、重量平均分子量が400以上、1万以下である、本開示19~24のいずれかの化合物である。
本開示26は、少なくとも部分的に水添された水素添加体である、本開示19~25のいずれかの化合物である。
本開示27は、下記式(1)~(5)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位(A)と、テルペン系モノマー、ビニル系モノマー及び共役ジエン系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー(b)に由来する構成単位(B)とを有する化合物を製造する方法であって、前記構成単位(A)を構成するモノマー(a)と、前記モノマー(b)とを共重合させる化合物の製造方法である。
Figure 2023127562000019
式(1)~(5)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。R、R及びRはそれぞれ水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。Lは置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、アルキレンオキサイド基を表し、あってもなくてもよい。nは1以上の整数を表す。
本開示28は、前記構成単位(A)を構成するモノマー(a)と、前記モノマー(b)とをカチオン重合により共重合させる本開示27の化合物の製造方法である。
本開示29は、前記構成単位(A)を構成するモノマー(a)と、前記モノマー(b)とを共重合させた後、更に水素添加を行う本開示27又は28の化合物の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、粘着剤組成物に対して、芳香族基と、カルボキシ基又はカルボン酸エステル基とを有する特定の化合物(T1)を粘着付与樹脂として配合することを検討した。本発明者らは、このような粘着剤組成物であれば、極性の低い被着体に対しても高い接着強度を発揮できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、粘着剤組成物が極性の低い被着体に対して高い接着強度を発揮できる理由は定かではないが、化合物(T1)においては、芳香族基によってカルボキシ基又はカルボン酸エステル基におけるカルボニル酸素が電子供与を受け、その電子供与されたカルボニル酸素が極性の低い被着体と良好に相互作用するためと推測される。
本発明の粘着剤組成物は、ベースポリマーと、下記式(1)~(5)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位(A)を有する化合物(T1)とを含有する。
Figure 2023127562000020
式(1)~(5)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。R、R及びRはそれぞれ水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。Lは置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、アルキレンオキサイド基を表し、あってもなくてもよい。nは1以上の整数を表す。なお、*は連結部を表す。
上記化合物(T1)は、上記式(1)~(5)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位(A)を有する。
このような構成単位(A)を有する化合物(T1)、即ち、芳香族基と、カルボキシ基又はカルボン酸エステル基とを有する特定の化合物(T1)を含有することで、本発明の粘着剤組成物は、極性の低い被着体に対しても高い接着強度を発揮することができる。このような化合物(T1)もまた、本発明の1つである。
なお、粘着剤組成物が極性の低い被着体に対して高い接着強度を発揮できる理由は定かではないが、化合物(T1)においては、芳香族基によってカルボキシ基又はカルボン酸エステル基におけるカルボニル酸素が電子供与を受け、その電子供与されたカルボニル酸素が極性の低い被着体と良好に相互作用するためと推測される。
なお、上記式(1)~(5)で表される構成単位は、異性体が存在する場合、いずれの異性体も含む。また、上記式(2)で表される構成単位と上記式(3)で表される構成単位とは、いずれも-L-Ar-(COORで表される構造を有し、化学的な性質は近似しているといえる。上記式(4)で表される構成単位と上記式(5)で表される構成単位とは、いずれも-L-OCO-L-Arで表される構造を有し、化学的な性質は近似しているといえる。
なかでも、カルボキシ基又はカルボン酸エステル基周りの立体障害が少なく、被着体と相互作用しやすいことから、上記構成単位(A)は、上記式(1)~(4)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。更に、上記式(1)、上記式(3)及び上記式(4)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、上記式(1)及び上記式(3)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
上記化合物(T1)は、上記構成単位(A)を側鎖中に有していてもよいし、主鎖骨格中又は主鎖骨格の末端に有していてもよい。なかでも、粘着付与樹脂として用いられる場合に必要とされる好適な物性を有することができることから、上記化合物(T1)は、上記構成単位(A)を主鎖骨格中又は主鎖骨格の末端に有することが好ましい。
上記式(1)~(5)において、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。
上記置換若しくは非置換の芳香族基は特に限定されず、例えば、置換若しくは非置換の、ベンゼン環、芳香族ヘテロ環、縮合環式芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記置換若しくは非置換の芳香族基が置換されている場合、その置換基は特に限定されず、例えば、置換若しくは非置換の炭化水素基、極性官能基等が挙げられ、該極性官能基としても特に限定されず、例えば、アミノ基、カルボキシ基、カルボニル基、アルコキシ基、水酸基、ニトリル基、ニトロ基等が挙げられる。
上記芳香族ヘテロ環は特に限定されず、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、ベンゾフラン、クマリン、クロモン等が挙げられる。上記縮合環式芳香族炭化水素基は特に限定されず、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、ペンタセン、ピレン、トリフェニレン、コロネン等が挙げられる。
なお、上記化合物(T1)において、1つの構成単位(A)に含まれる複数のArは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、異なる構成単位(A)に含まれる複数のArも、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(1)~(5)において、Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。
上記置換若しくは非置換の炭化水素基は特に限定されず、例えば、炭素数1~20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、及び、これらが極性官能基等により置換されたもの等が挙げられる。上記極性官能基は特に限定されず、例えば、アミノ基、カルボキシ基、カルボニル基、アルコキシ基、水酸基、ニトリル基、ニトロ基等が挙げられる。
なお、上記化合物(T1)において、異なる構成単位(A)に含まれる複数のRは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(1)~(5)において、R、R及びRはそれぞれ水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。R、R及びRはそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記置換若しくは非置換の炭化水素基は特に限定されず、例えば、炭素数1~20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、及び、これらが極性官能基等により置換されたもの等が挙げられる。上記極性官能基は特に限定されず、例えば、アミノ基、カルボキシ基、カルボニル基、アルコキシ基、水酸基、ニトリル基、ニトロ基等が挙げられる。
なお、上記化合物(T1)において、異なる構成単位(A)に含まれる複数のRは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、異なる構成単位(A)に含まれる複数のRは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、異なる構成単位(A)に含まれる複数のRは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(1)~(5)において、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。
上記置換若しくは非置換の炭化水素基は特に限定されず、例えば、炭素数1~20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、及び、これらが極性官能基等により置換されたもの等が挙げられる。上記極性官能基は特に限定されず、例えば、アミノ基、カルボキシ基、カルボニル基、アルコキシ基、水酸基、ニトリル基、ニトロ基等が挙げられる。
なお、上記化合物(T1)において、1つの構成単位(A)に含まれる複数のRは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、異なる構成単位(A)に含まれる複数のRも、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(1)~(5)において、Lは置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、アルキレンオキサイド基を表し、あってもなくてもよい。Lは連結基(リンカー)であり、あってもなくてもよい。
上記置換若しくは非置換の炭化水素基は特に限定されず、例えば、炭素数1~20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、及び、これらが極性官能基等により置換されたもの等が挙げられる。上記極性官能基は特に限定されず、例えば、アミノ基、カルボキシ基、カルボニル基、アルコキシ基、水酸基、ニトリル基、ニトロ基等が挙げられる。
上記アルキレンオキサイド基は特に限定されず、例えば、炭素数2~4のアルキル基を有するアルキレンオキサイドを有し、アルキレンオキサイドの繰り返し数が1~20であるアルキレンオキサイド基等が挙げられる。
なお、上記化合物(T1)において、1つの構成単位(A)に含まれる複数のLは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、異なる構成単位(A)に含まれる複数のLも、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(1)~(5)において、nは1以上の整数を表す。
nの上限は特に限定されず、Arで表される置換若しくは非置換の芳香族基の置換可能な部位の数に応じて適宜決定される。原料の入手のし易さの観点から、nは1、2又は3であることが好ましく、粘着剤組成物の接着強度をより高めることができることから、nは1であることがより好ましい。
なかでも、上記式(1)で表される構成単位は、下記式(1-1)~(1-3)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、上記式(2)で表される構成単位は、下記式(2-1)~(2-2)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、上記式(3)で表される構成単位は、下記式(3-1)で表される構成単位であることが好ましい。また、上記式(4)で表される構成単位は、下記式(4-1)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2023127562000021
式(1-1)中、Ar’は置換若しくは非置換の芳香族ヘテロ環又は縮合環式芳香族炭化水素基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。
Ar’で表される置換若しくは非置換の芳香族ヘテロ環又は縮合環式芳香族炭化水素基は、上述したArで表される置換若しくは非置換の芳香族ヘテロ環又は縮合環式芳香族炭化水素基と同様であってよい。
及びnについては上述したとおりである。
Figure 2023127562000022
式(1-2)中、R1’は置換若しくは非置換の炭化水素基を表し、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
1’で表される置換若しくは非置換の炭化水素基は、上述したRで表される置換若しくは非置換の炭化水素基と同様であってよい。
で表される置換若しくは非置換の炭化水素基は特に限定されず、例えば、炭素数1~20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、及び、これらが極性官能基等により置換されたもの等が挙げられる。Rで表される極性官能基は特に限定されず、例えば、アミノ基、カルボキシ基、カルボニル基、アルコキシ基、水酸基、ニトリル基、ニトロ基等が挙げられる。
nについては上述したとおりである。
Figure 2023127562000023
式(1-3)中、Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表し、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。
及びRについては上述したとおりである。
Figure 2023127562000024
式(2-1)中、Ar’は置換若しくは非置換の芳香族ヘテロ環又は縮合環式芳香族炭化水素基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
Ar’、R及びnについては上述したとおりである。
Figure 2023127562000025
式(2-2)中、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。R8’は置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
8’で表される置換若しくは非置換の炭化水素基は、上述したRで表される置換若しくは非置換の炭化水素基と同様であってよい。
、R及びnについては上述したとおりである。
Figure 2023127562000026
式(3-1)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
Ar、R及びnについては上述したとおりである。
Figure 2023127562000027
式(4-1)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。
Arについては上述したとおりである。
上記式(1)で表される構成単位として、より具体的には例えば、安息香酸、サリチル酸、ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、2-メチル安息香酸、3-メチル安息香酸、4-メチル安息香酸、2-エチル安息香酸、3-エチル安息香酸、4-エチル安息香酸、4-tert-ブチル安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、シリング酸、バニリン酸、フランカルボン酸、これらの誘導体等に由来する構成単位等が挙げられる。なかでも、立体障害が少なく、被着体と相互作用しやすいことから、没食子酸及びそのアルキルエステル、並びに、フランカルボン酸及びそのアルキルエステルが好ましい。
上記没食子酸のアルキルエステルは特に限定されず、例えば、没食子酸メチル、没食子酸ブチル、没食子酸イソブチル、没食子酸イソアミル、没食子酸ヘキサデシル、没食子酸ステアリル等が挙げられる。上記フランカルボン酸のアルキルエステルは特に限定されず、例えば、フランカルボン酸メチル、フランカルボン酸エチル、フランカルボン酸ブチル、フランカルボン酸イソアミル、フランカルボン酸ヘキサデシル、フランカルボン酸ステアリル等が挙げられる。
上記式(2)で表される構成単位として、より具体的には例えば、2-ビニル安息香酸、3-ビニル安息香酸、4-ビニル安息香酸、ビニルナフタレンカルボン酸、これらの誘導体等に由来する構成単位等が挙げられる。なかでも、立体障害が少なく、被着体と相互作用しやすいことから、4-ビニル安息香酸及びその誘導体が好ましい。
上記式(3)で表される構成単位として、より具体的には例えば、スチルベンジカルボン酸、これらの誘導体等に由来する構成単位等が挙げられる。なかでも、立体障害が少なく、被着体と相互作用しやすいことから、スチルベンジカルボン酸及びそのアルキルエステルが好ましい。
上記スチルベンジカルボン酸のアルキルエステルは特に限定されず、例えば、スチルベンジカルボン酸メチル、スチルベンジカルボン酸エチル、スチルベンジカルボン酸ジメチル、スチルベンジカルボン酸ジエチル等が挙げられる。
上記式(4)で表される構成単位として、より具体的には例えば、安息香酸ビニル、これらの誘導体等に由来する構成単位等が挙げられる。なかでも、立体障害が少なく、被着体と相互作用しやすいことから、安息香酸ビニルが好ましい。
特に、上記構成単位(A)は、次の構成単位であることが好ましい。即ち、下記式(i)で表されるスチルベンジカルボン酸及びそのアルキルエステル、下記式(ii)で表される没食子酸及びそのアルキルエステル、下記式(iii)で表されるフランカルボン酸及びそのアルキルエステル、並びに、下記式(iv)で表される安息香酸ビニルからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来する構成単位である。上記構成単位(A)がこれらのモノマーに由来する構成単位であることで、被着体との相互作用をより高めることができる。なかでも、被着体との相互作用をより顕著に高めることができることから、下記式(i)で表されるスチルベンジカルボン酸及びそのアルキルエステル、並びに、下記式(ii)で表される没食子酸及びそのアルキルエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来する構成単位であることが更に好ましい。
Figure 2023127562000028
上記構成単位(A)は、石油由来材料のみからなってもよいが、生物由来材料を含むことが好ましい。石油資源の枯渇や、石油由来製品の燃焼による二酸化炭素の排出が問題視されている。そこで、石油由来材料に代えて生物由来材料を用いることにより、石油資源を節約する試みがなされるようになっている。上記構成単位(A)が生物由来材料を含んでいれば、石油資源を節約する観点で好ましい。また、上記構成単位(A)が生物由来材料を含んでいれば、生物由来材料は元々大気中の二酸化炭素を取り込んで生成されるため、これを燃焼させても総量としては大気中の二酸化炭素を増やすことがないと考えられ、二酸化炭素の排出量を削減する観点からも好ましい。
生物由来材料を含む上記構成単位(A)を構成するモノマーとしては、例えば、没食子酸、没食子酸メチル、没食子酸ブチル、没食子酸イソブチル、没食子酸イソアミル、没食子酸ヘキサデシル、没食子酸ステアリル、フランカルボン酸、フランカルボン酸メチル、フランカルボン酸エチル、フランカルボン酸ブチル、フランカルボン酸イソアミル、フランカルボン酸ヘキサデシル、フランカルボン酸ステアリル等が挙げられる。
上記化合物(T1)における上記構成単位(A)の含有率(モル基準)は特に限定されないが、好ましい下限は1モル%、好ましい上限は60モル%である。上記構成単位(A)の含有率が1モル%以上であれば、上記化合物(T1)を粘着剤組成物に配合することにより、粘着剤組成物の極性の低い被着体に対する接着強度をより高めることができる。上記構成単位(A)の含有率が60モル%以下であれば、上記化合物(T1)は、粘着付与樹脂として用いられる場合に必要とされる好適な物性を有することができる。上記構成単位(A)の含有率のより好ましい下限は5モル%、より好ましい上限は50モル%であり、更に好ましい下限は10モル%、更に好ましい上限は30モル%である。
上記化合物(T1)における上記構成単位(A)の含有率(重量基準)は特に限定されないが、好ましい下限は0.9重量%、好ましい上限は60重量%である。上記構成単位(A)の含有率が0.9重量%以上であれば、上記化合物(T1)を粘着剤組成物に配合することにより、粘着剤組成物の極性の低い被着体に対する接着強度をより高めることができる。上記構成単位(A)の含有率が60重量%以下であれば、上記化合物(T1)は、粘着付与樹脂として用いられる場合に必要とされる好適な物性を有することができる。上記構成単位(A)の含有率のより好ましい下限は5重量%、より好ましい上限は50重量%であり、更に好ましい下限は10重量%、更に好ましい上限は30重量%である。
上記化合物(T1)は、更に、テルペン系モノマー、ビニル系モノマー及び共役ジエン系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー(b)に由来する構成単位(B)を有することが好ましい。
上記構成単位(B)を有することにより、上記化合物(T1)は、粘着付与樹脂として用いられる場合に必要とされる好適な物性を有することができる。
なかでも、粘着剤組成物の極性の低い被着体に対する接着強度をより高めることができることから、テルペン系モノマーに由来する構成単位又はビニル系モノマーに由来する構成単位が好ましく、テルペン系モノマーに由来する構成単位とビニル系モノマーに由来する構成単位とを併用することも好ましい。
上記テルペン系モノマーは特に限定されず、例えば、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、ジペンテン、δ-3-カレン、ジメチルオクタトリエン、アロオシメン、ミルセン、オシメン、リナロール、コスメン等が挙げられる。なかでも、粘着剤組成物の極性の低い被着体に対する接着強度をより高めることができることから、α-ピネン、β-ピネン又はリモネンが好ましい。
上記ビニル系モノマーは特に限定されないが、上記化合物(T1)と上記ベースポリマーとの相溶性を向上させる観点から、1分子中に芳香環を2以上含む構造(例えば、ナフタレン構造、アントラセン構造、ビフェニル構造、アントラキノン構造、ベンゾフェノン構造等)を有さないビニル系モノマーが好ましい。上記1分子中に芳香環を2以上含む構造を有さないビニル系モノマーとして、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキセン、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、α-メチルスチレン、クマロン、インデン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、2-フェニル-2-ブテン等が挙げられる。なかでも、粘着剤組成物の極性の低い被着体に対する接着強度をより高めることができることから、スチレンが好ましい。
上記共役ジエン系モノマーは特に限定されず、例えば、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、シクロペンタジエン等が挙げられる。なかでも、粘着剤組成物の極性の低い被着体に対する接着強度をより高めることができることから、イソプレンが好ましい。
これらのモノマー(b)は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記構成単位(B)は、石油由来材料のみからなってもよいが、生物由来材料を含むことが好ましい。石油資源の枯渇や、石油由来製品の燃焼による二酸化炭素の排出が問題視されている。そこで、石油由来材料に代えて生物由来材料を用いることにより、石油資源を節約する試みがなされるようになっている。上記構成単位(B)が生物由来材料を含んでいれば、石油資源を節約する観点で好ましい。また、上記構成単位(B)が生物由来材料を含んでいれば、生物由来材料は元々大気中の二酸化炭素を取り込んで生成されるため、これを燃焼させても総量としては大気中の二酸化炭素を増やすことがないと考えられ、二酸化炭素の排出量を削減する観点からも好ましい。
生物由来材料を含む上記構成単位(B)を構成する上記モノマー(b)としては、例えば、テルペン系モノマー、エチレン、プロピレン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
上記化合物(T1)における上記構成単位(B)の含有率は特に限定されないが、好ましい下限は40モル%、好ましい上限は99モル%である。上記構成単位(B)の含有率が40モル%以上であれば、上記化合物(T1)は、粘着付与樹脂として用いられる場合に必要とされる好適な物性を有することができる。上記構成単位(B)の含有率が99モル%以下であれば、上記構成単位(A)の含有率を充分に確保することができるため、上記化合物(T1)を粘着剤組成物に配合することにより、粘着剤組成物の極性の低い被着体に対する接着強度をより高めることができる。上記構成単位(B)の含有率のより好ましい下限は50モル%、より好ましい上限は90モル%である。
上記化合物(T1)は、上記構成単位(A)を有する化合物であれば特に限定されないが、上記構成単位(A)を主鎖骨格中又は主鎖骨格の末端に有する場合、下記式で表される構造を有する共重合体であることが好ましい。
このような構造を有する共重合体は、後述するようなカチオン重合を用いた方法により得られる共重合体であり、粘着剤組成物の極性の低い被着体に対する接着強度をより高めることができる。
Figure 2023127562000029
式中、Aは構成単位(A)を表し、Bは構成単位(B)を表し、s及びtはそれぞれ1以上の整数を表す。なお、*は連結部を表す。
上記化合物(T1)は、上記構成単位(A)を有する化合物であれば特に限定されないが、上記構成単位(A)及び上記構成単位(B)を有する共重合体であることが好ましく、更に他の構成単位を有してもよい。共重合体である場合、上記構成単位(A)と上記構成単位(B)とは、ランダムに共重合していてもよいし、例えばそれぞれがブロックセグメントを形成したうえでブロックセグメント同士が結合する場合のように規則性又は周期性をもって共重合していてもよい。
上記化合物(T1)は、不飽和二重結合を有する脂肪族炭化水素基を有することが好ましい。
上記化合物(T1)は、上記不飽和二重結合を有する脂肪族炭化水素基を上記構成単位(A)又は上記構成単位(B)中に有していてもよいし、他の構成単位中に有していてもよい。なかでも、合成のし易さの観点、及び、上記化合物(T1)と上記ベースポリマーとの相溶性、特に上記化合物(T1)と上記スチレン系エラストマーとの相溶性を向上させる観点から、上記不飽和二重結合を有する脂肪族炭化水素基を上記構成単位(B)又は他の構成単位中に有することが好ましい。このような上記不飽和二重結合を有する脂肪族炭化水素基を有する上記構成単位(B)又は他の構成単位は特に限定されないが、テルペン系モノマー及び共役ジエン系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー(b)に由来する構成単位(B)が好ましい。即ち、上記化合物(T1)は、上記不飽和二重結合を有する脂肪族炭化水素基を、テルペン系モノマー及び共役ジエン系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー(b)に由来する構成単位(B)中に有することが好ましい。なかでも、粘着剤組成物の極性の低い被着体に対する接着強度をより高めることができることから、テルペン系モノマーに由来する構成単位中に有することが好ましい。
また、上記他の構成単位としては、例えば、フェノール系モノマーに由来する構成単位、無水マレイン酸に由来する構成単位等も挙げられる。
上記フェノール系モノマーは特に限定されず、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、ノリルフェノール、メトキシフェノール、ブロモフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。これらのフェノール系モノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化合物(T1)の分子量は特に限定されないが、重量平均分子量(Mw)の好ましい下限が400、好ましい上限が1万である。上記重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であれば、上記化合物(T1)は、粘着付与樹脂として用いられる場合に必要とされる好適な物性を有することができる。上記重量平均分子量(Mw)のより好ましい下限は500、より好ましい上限は5000であり、更に好ましい下限は700、更に好ましい上限は3000である。
上記重量平均分子量(Mw)を上記範囲に調整するには、例えば、上記化合物(T1)の組成、重合方法、重合条件等を調整すればよい。
なお、重量平均分子量(Mw)及び後述するような分子量分布(Mw/Mn)は、以下の方法により測定できる。
試料の溶液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過する。得られた濾液をゲル浸透クロマトグラフ(例えば、Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、試料のポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求める。カラムとしては、例えば、GPC KF-802.5L(昭和電工社製)を用い、検出器としては、示差屈折計を用いる。
上記化合物(T1)のヤング率は特に限定されないが、25℃におけるヤング率の好ましい下限が10MPaである。上記25℃におけるヤング率が10MPa以上であれば、上記化合物(T1)は、適度な硬さを有し、粘着剤というよりもむしろ粘着付与樹脂として用いられる場合に必要とされる好適な物性を有することができる。上記25℃におけるヤング率のより好ましい下限は50MPa、更に好ましい下限は70MPaである。
上記25℃におけるヤング率の上限は特に限定されないが、上記化合物(T1)を配合した粘着剤組成物が硬くなりすぎて接着強度が低下することを抑制する観点から、好ましい上限は10000MPa、より好ましい上限は5000MPaである。
上記25℃におけるヤング率を上記範囲に調整するには、例えば、上記化合物(T1)の分子量、上記化合物(T1)における上記構成単位(A)及び上記構成単位(B)の組成、含有率等を調整すればよい。
なお、25℃におけるヤング率は、引張り試験装置(例えば、ORIENTEC社製、テンシロン)を用い、引張速度200mm/min、掴み具間距離15mm、25℃の条件で引張り試験することにより測定できる。このときの測定サンプルは、例えば、化合物(T1)を10×50mmのサイズの金型に充填し、ガラス転移温度より100℃高い温度で融解して厚さ1mmの試験片を作製することにより調製することができる。
上記化合物(T1)のガラス転移温度は特に限定されないが、好ましい下限が0℃、好ましい上限が200℃である。上記ガラス転移温度が上記範囲内であれば、上記化合物(T1)は、ヤング率が上記範囲に調整され易く、粘着付与樹脂として用いられる場合に必要とされる好適な物性を有することができる。上記ガラス転移温度のより好ましい下限は10℃、より好ましい上限は150℃である。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(例えば、日立ハイテクサイエンス社製、SII Exstar 6000/DSC 6220)を用い、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minの条件で測定を行った際に1st runで得られる値を用いることができる。
上記化合物(T1)のヨウ素価は特に限定されないが、好ましい下限が2g/100g、好ましい上限が180g/100gである。上記ヨウ素価が2g/100g以上であれば、上記化合物(T1)と上記ベースポリマーとの相溶性、特に上記化合物(T1)と上記スチレン系エラストマーとの相溶性の悪化に起因して粘着剤組成物の接着強度が低下することを抑制することができる。上記ヨウ素価が180g/100g以下であれば、化合物を粘着剤組成物に配合することにより、粘着剤組成物の接着強度をより高めることができ、特に、極性の低い被着体に対しても接着強度をより高めることができる。上記ヨウ素価のより好ましい下限は70g/100g、より好ましい上限は170g/100gである。
なお、ヨウ素価とは、不飽和二重結合の量(C=C結合量)を示す指標であり、「JIS K 0070:1992」に記載の方法に準じて測定したものを指す。
上記化合物(T1)中の炭素(炭素原子)に占める生物由来の炭素(炭素原子)の含有率は特に限定されないが、炭素に占める生物由来の炭素の含有率が10%以上であることが好ましい。生物由来の炭素の含有率が10%以上であることが「バイオベース製品」であることの目安となる。
上記生物由来の炭素の含有率が10%以上であれば、石油資源を節約する観点や、二酸化炭素の排出量を削減する観点から好ましい。上記生物由来の炭素の含有率のより好ましい下限は30%、更に好ましい下限は60%、更により好ましい下限は70%、一層好ましい下限は90%である。上記生物由来の炭素の含有率の上限は特に限定されず、100%であってもよい。
なお、生物由来の炭素には一定割合の放射性同位体(C-14)が含まれるのに対し、石油由来の炭素にはC-14がほとんど含まれない。そのため、上記生物由来の炭素の含有率は、化合物(T1)に含まれるC-14の濃度を測定することによって算出することができる。具体的には、多くのバイオプラスチック業界で利用されている規格であるASTM D6866-20に準じて測定することができる。
上記化合物(T1)には、上述したような化合物(T1)の水素添加体も含まれる。即ち、上記化合物(T1)は、少なくとも部分的に水素添加された水素添加体であってもよい。なお、水素添加体とは、上述したような化合物(T1)に存在する炭素-炭素二重結合を少なくとも部分的に水素添加により飽和化した化合物である。すなわち、上記化合物(T1)は、上述したような化合物(T1)中の炭素-炭素二重結合の一部が水素添加された水添体であってもよく、上述したような化合物(T1)中の炭素-炭素二重結合の全てが水素添加された水添体であってもよい。このような水素添加体であっても、粘着剤組成物に配合する粘着付与樹脂として好適に用いられ、粘着剤組成物の極性の低い被着体に対する接着強度を高めることができる。なかでも、上記構成単位(B)としてのテルペン系モノマーに由来する構成単位における炭素-炭素二重結合が少なくとも部分的に水素添加されていることが好ましい。
上記化合物(T1)を製造する方法は特に限定されないが、例えば、次のような方法が好ましい。即ち、上記構成単位(A)と、上記モノマー(b)に由来する構成単位(B)とを有する化合物を製造する方法であって、上記構成単位(A)を構成するモノマー(a)と、上記モノマー(b)とを共重合させる方法である。このような化合物の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記化合物(T1)の製造方法では、上記モノマー(a)と上記モノマー(b)とをカチオン重合により共重合させることが好ましい。
カチオン重合を用いることにより、上記モノマー(a)のフェノール性水酸基、カルボキシ基、アルコキシ基、アミノ基等の官能基を予め化学修飾により保護することなく上記モノマー(a)と上記モノマー(b)とを共重合させることができ、その後の脱保護も不要となる。このため、より簡便な1段階の反応工程により上記モノマー(a)と上記モノマー(b)とを共重合させることができ、不純物の低減及び収率の向上にもつながる。
上記モノマー(a)と上記モノマー(b)とをカチオン重合により共重合させる方法としては、上記モノマー(a)と上記モノマー(b)とをルイス酸の存在下で反応させる方法が好ましい。このような方法によれば、上記モノマー(b)のカチオンが生じて、上記モノマー(b)同士のカチオン重合が進行するとともに、上記モノマー(a)と上記モノマー(b)とのFridel-Craftsアルキル化反応が進行すると考えられる。このような反応が繰り返し起こることにより、上記モノマー(a)に由来する構成単位(A)と、上記モノマー(b)に由来する構成単位(B)とを有する共重合体を得ることができる。
上記ルイス酸は特に限定されず、従来公知のルイス酸を用いることができ、例えば、塩化アルミニウム(AlCl)、ジエチルアルミニウムクロリド(EtAlCl)、塩化すず(IV)(SnCl)、塩化チタン(IV)(TiCl)、三塩化ホウ素(BCl)、三フッ化ホウ素エーテル錯体(BF・EtO)等が挙げられる。なかでも、より高い収率が得られることから、塩化アルミニウム(AlCl)が好ましい。
より具体的には例えば、上記モノマー(a)として没食子酸を用い、上記モノマー(b)としてα-ピネンを用い、これらをルイス酸である塩化アルミニウム(AlCl)の存在下で反応させる場合、下記スキームに示す反応が進行すると考えられる。
即ち、上記モノマー(b)であるα-ピネンのカチオンが生じて、α-ピネン同士のカチオン重合が進行する(下記スキームの上段)とともに、上記モノマー(a)である式(ii)で表される没食子酸と上記モノマー(b)であるα-ピネンとのFridel-Craftsアルキル化反応が進行する(下記スキームの中段)。このような反応が繰り返し起こることにより、没食子酸に由来する構成単位と、α-ピネンに由来する構成単位とを有する共重合体を得ることができる(下記スキームの下段)。なお、このような共重合体は、没食子酸に由来する構成単位を主鎖骨格中又は主鎖骨格の末端に有するものとなる。
Figure 2023127562000030
式中、s及びtはそれぞれ1以上の整数を表す。なお、*は連結部を表す。
また、例えば、上記モノマー(a)として安息香酸ビニルを用い、上記モノマー(b)としてα-ピネンを用い、これらをルイス酸である塩化アルミニウム(AlCl)の存在下で反応させる場合には、上記モノマー(a)中の不飽和二重結合と、上記モノマー(b)中の不飽和二重結合とのカチオン重合が進行すると考えられる。これにより、上記モノマー(a)である安息香酸ビニルに由来する構成単位(A)と、上記モノマー(b)であるα-ピネンに由来する構成単位(B)とを有する共重合体を得ることができる。
上記化合物(T1)の製造方法では、上記モノマー(a)と、上記モノマー(b)とを共重合させた後、更に水素添加を行ってもよい。これにより、少なくとも部分的に水素添加された水素添加体である上記化合物(T1)を得ることができる。
本発明の粘着剤組成物における上記化合物(T1)の含有量は特に限定されないが、従来の粘着付与樹脂に比べて少量であっても粘着剤組成物の極性の低い被着体に対する接着強度を高めることができ、上記ベースポリマー100重量部に対する好ましい下限が1重量部、好ましい上限が100重量部である。上記化合物(T1)の含有量が1重量部以上であれば、粘着剤組成物の極性の低い被着体に対する接着強度をより高めることができる。上記化合物(T1)の含有量が100重量部以下であれば、粘着剤組成物が硬くなりすぎて接着強度が低下することを抑制することができる。上記化合物(T1)の含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は50重量部であり、更に好ましい下限は10重量部、更に好ましい上限は30量部である。
本発明の粘着剤組成物は、更に、ロジンエステル系樹脂、テルペン系樹脂及び石油系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の粘着付与樹脂(T2)を含有してもよい。なかでも、粘着剤組成物の極性の低い被着体に対する接着強度をより高めることができることから、ロジンエステル系樹脂又はテルペン系樹脂が好ましい。
上記粘着付与樹脂(T2)は、軟化温度の好ましい下限が70℃、好ましい上限が170℃である。上記軟化温度が70℃以上であれば、粘着剤組成物が柔らかくなりすぎて接着強度が低下することを抑制することができる。上記軟化温度が170℃以下であれば、粘着剤組成物から形成される粘着剤層の界面の濡れ性が向上し、界面剥離してしまうことを抑制することができる。上記軟化温度のより好ましい下限は120℃である。
なお、軟化温度とは、JIS K2207環球法により測定した軟化温度である。
上記粘着付与樹脂(T2)は、水酸基価の好ましい下限が25、好ましい上限が150である。上記水酸基価が上記範囲内であることで、粘着剤組成物から形成される粘着剤層の界面の濡れ性が向上し、界面剥離してしまうことを抑制することができる。上記水酸基価のより好ましい下限は30、より好ましい上限は130である。
なお、水酸基価は、JIS K1557(無水フタル酸法)により測定できる。
上記粘着付与樹脂(T2)の含有量は特に限定されないが、上記ベースポリマー100重量部に対する好ましい下限は10重量部、好ましい上限は100重量部である。上記粘着付与樹脂(T2)の含有量が10重量部以上であれば、粘着剤組成物の極性の低い被着体に対する接着強度をより高めることができる。上記粘着付与樹脂(T2)の含有量が100重量部以下であれば、粘着剤組成物が硬くなりすぎて接着強度が低下することを抑制することができる。上記粘着付与樹脂(T2)の含有量のより好ましい下限は15重量部、より好ましい上限は60重量部であり、更に好ましい上限は50重量部、更により好ましい上限は40重量部である。
上記ベースポリマーは特に限定されず、例えば、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ウレタン系ポリマー、シリコーン系ポリマー等が挙げられる。なかでも、アクリル系ポリマー及びゴム系ポリマーが好ましく、被着体選択性が小さく、種々の被着体に接着可能であり、極性の低い被着体に対しても高い接着強度を発揮できることから、ゴム系ポリマーがより好ましい。上記ゴム系ポリマーのなかでは、スチレン系モノマーに由来するブロックと共役ジエン系モノマーに由来するブロックとを有するブロック共重合体又はその水素添加体であるスチレン系エラストマーがより好ましい。
上記アクリル系ポリマーは、初期のタックが向上するため低温時の貼り付け易さが良好となる観点から、アルキル基の炭素数が1~12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び、アルキル基の炭素数が13~18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構成単位を有することが好ましい。
上記アクリル系ポリマーにおける、上記アルキル基の炭素数が1~12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び、アルキル基の炭素数が13~18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構成単位の含有量は特に限定されない。上記含有量の好ましい下限は10重量%、好ましい上限は100重量%であり、より好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は95重量%であり、更に好ましい下限は50重量%、更に好ましい上限は90重量%である。上記含有量をこのような範囲内とすることにより、上記アクリル系ポリマーが高い粘着力を発揮することができる。
上記アクリル系ポリマーは、架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を有することが好ましい。
上記アクリル系ポリマーが上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を有することにより、架橋剤が添加されることにより、粘着剤組成物から形成される粘着剤層において上記アクリル系ポリマーの架橋構造が形成される。これにより、粘着剤層のゲル分率及びバルクの強度が上がり、極性の低い被着体に対しても接着強度が向上する。上記架橋性官能基は特に限定されず、例えば、アミノ基、カルボキシ基、カルボニル基、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基等が挙げられる。
上記アクリル系ポリマーにおける上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は0.01重量%、好ましい上限は20重量%である。上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量をこの範囲内とすることにより、粘着剤組成物から形成される粘着剤層のゲル分率及びバルクの強度が上がり、極性の低い被着体に対しても接着強度が向上する。上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量のより好ましい下限は0.05重量%、より好ましい上限は5重量%である。
上記アクリル系ポリマーは、必要に応じて、上述したような(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位及び上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位以外の共重合可能な他の重合性モノマーに由来する構成単位を含んでいてもよい。
上記アクリル系ポリマーを得るには、上述したようなモノマーの混合物を、重合開始剤の存在下にてラジカル反応させればよい。上記モノマー混合物をラジカル反応させる方法、即ち、重合方法としては、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、好ましい下限は20万、好ましい上限は200万である。上記重量平均分子量(Mw)が20万以上であれば、粘着剤組成物から形成される粘着剤層のバルクの強度が上がり、極性の低い被着体に対しても接着強度が向上する。上記重量平均分子量(Mw)が200万以下であれば、粘着剤組成物から形成される粘着剤層の界面の濡れ性が向上し、界面剥離してしまうことを抑制することができる。上記重量平均分子量(Mw)のより好ましい下限は40万、より好ましい上限は150万である。
上記アクリル系ポリマーの数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(分子量分布、Mw/Mn)は特に限定されないが、好ましい下限は1.05、好ましい上限は5.0である。Mw/Mnが5.0以下であると、低分子成分の割合が抑えられ、粘着剤組成物から形成される粘着剤層のバルクの強度が上がり、極性の低い被着体に対しても接着強度が向上する。Mw/Mnのより好ましい上限は4.5であり、更に好ましい上限は4であり、更により好ましい上限は3.5である。
上記重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を上記範囲に調整するには、例えば、上記アクリル系ポリマーの組成、重合方法、重合条件等を調整すればよい。
上記スチレン系エラストマーは、室温でゴム弾性(rubber elasticity)を有し、ハードセグメント部分とソフトセグメント部分とを有するブロック共重合体であればよい。なお、上記スチレン系モノマーに由来するブロックがハードセグメント部分であり、上記共役ジエン系モノマーに由来するブロックがソフトセグメント部分である。
上記スチレン系モノマーは特に限定されず、例えば、スチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、α-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,4-ジイソプロピルスチレン、4-t-ブチルスチレン、5-t-ブチル-2-メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、t-ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4-ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N-ジメチルアミノエチルスチレン、N,N-ジメチルアミノメチルスチレン、2-エチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン、2-t-ブチルスチレン、3-t-ブチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ビニルピリジン、ジフェニルエチレン、3級アミノ基含有ジフェニルエチレン等が挙げられる。上記3級アミノ基含有ジフェニルエチレンは特に限定されず、例えば、1-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-1-フェニルエチレン等が挙げられる。これらのスチレン系モノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記共役ジエン系モノマーは特に限定されず、例えば、イソプレン、1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-ヘプタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、2-クロロ-1,3-ブタジエン等が挙げられる。これらの共役ジエン系モノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記スチレン系エラストマーとして、具体的には例えば、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン-クロロプレン-スチレンブロック共重合体等が挙げられる。なかでも、極性の低い被着体に対しても高い接着強度を発揮しやすいことから、SISブロック共重合体及びSBSブロック共重合体が好ましく、SISブロック共重合体がより好ましい。これらのスチレン系エラストマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記スチレン系エラストマーは、上記スチレン系モノマーに由来するブロックと上記共役ジエン系モノマーに由来するブロックとのトリブロック共重合体に加えて、上記スチレン系モノマーに由来するブロックと上記共役ジエン系モノマーに由来するブロックとのジブロック共重合体を含有していてもよい。
上記スチレン系エラストマーにおける上記ジブロック共重合体の含有量(以下、「ジブロック比率」ともいう)は特に限定されないが、好ましい下限は50重量%、より好ましい下限は70重量%である。上記ジブロック比率が上記範囲内であれば、粘着剤組成物の被着体への密着性が高くなり、極性の低い被着体に対しても接着強度が向上する。上記ジブロック比率の上限は特に限定されないが、粘着剤組成物の凝集力を維持する観点から、好ましい上限は90重量%である。
なお、ジブロック比率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定される各共重合体のピーク面積比から算出することができる。
上記スチレン系エラストマーにおける上記スチレン系モノマーに由来するブロックの含有量(以下、「スチレン含有量」ともいう)は特に限定されないが、好ましい上限は20重量%、より好ましい上限は16重量%である。上記スチレン含有量が上記範囲内であれば、粘着剤組成物が硬くなりすぎず、被着体への密着性が高くなり、極性の低い被着体に対しても接着強度が向上する。上記スチレン含有量の下限は特に限定されないが、粘着剤組成物の凝集力を維持する観点から、好ましい下限は8重量%である。
なお、スチレン含有量は、H-NMRにより測定される各ブロックのピーク面積比から算出することができる。
上記スチレン系エラストマーの重量平均分子量は特に限定されないが、好ましい下限は5万、好ましい上限は60万である。上記重量平均分子量が5万以上であれば、粘着剤組成物から形成される粘着剤層のバルクの強度が上がり、極性の低い被着体に対しても接着強度が向上する。上記重量平均分子量が60万以下であれば、上記スチレン系エラストマーと他の成分との相溶性が低下しすぎることを防ぐことができる。上記重量平均分子量のより好ましい下限は10万、より好ましい上限は50万である。
本発明の粘着剤組成物は、上記ベースポリマーが上記アクリル系ポリマーである場合、架橋剤を含有することが好ましい。
上記架橋剤の種類及び量を調整することによって、粘着剤組成物から形成される粘着剤層のゲル分率を調整しやすくなる。上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
上記架橋剤の含有量は、上記アクリル系ポリマー100重量部に対する好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が10重量部であり、より好ましい下限が0.1重量部、より好ましい上限が5重量部である。
本発明の粘着剤組成物は、接着強度を向上させる目的で、シランカップリング剤を含有してもよい。上記シランカップリング剤は特に限定されず、例えば、エポキシシラン類、アクリルシラン類、メタクリルシラン類、アミノシラン類、イソシアネートシラン類等が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、遮光性を付与する目的で、着色材を含有してもよい。上記着色材は特に限定されず、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、酸化チタン等が挙げられる。なかでも、比較的安価で化学的に安定であることから、カーボンブラックが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、必要に応じて、無機微粒子、導電微粒子、酸化防止剤、発泡剤、有機充填剤、無機充填剤等の従来公知の微粒子及び添加剤を含有してもよい。
本発明の粘着剤組成物を含有する粘着剤層を有する粘着テープもまた、本発明の1つである。
上記粘着剤層は、動的粘弾性測定装置を用いて測定周波数10Hzで測定した損失正接(tanδ、以下、単に「損失正接」という)が、-40℃以上、-10℃以下においてピークを有することが好ましい。上記粘着剤層の損失正接が上記範囲においてピークを有することで、上記粘着剤層の極性の低い被着体に対する接着強度がより向上する。上記損失正接は、-15℃以下においてピークを有することがより好ましく、-20℃以下においてピークを有することが更に好ましい。上記損失正接は、-35℃以上にピークを有することがより好ましく、-30℃以上にピークを有することが更に好ましい。
なお、粘着剤層の損失正接は、粘弾性スペクトロメーター(例えば、アイティー計測制御社製、DVA-200、又はその同等品)を用い、低速昇温せん断変形モードの5℃/分、測定周波数10Hzの条件で、-100℃~200℃の動的粘弾性スペクトルを測定することで得ることができる。
上記粘着剤層のパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)に対する90°方向の剥離力は特に限定されないが、好ましい下限が5N/inchである。上記PFAに対する90°方向の剥離力が5N/inch以上であれば、上記粘着剤層の極性の低い被着体に対する接着強度がより向上する。上記PFAに対する90°方向の剥離力のより好ましい下限は7N/inch、更に好ましい下限は10N/inchである。
上記PFAに対する90°方向の剥離力の上限は特に限定されず、大きいほど好ましいが、好ましい上限は30N/inch、より好ましい上限は20N/inchである。
なお、粘着剤層のPFAに対する90°方向の剥離力は、以下の方法により測定できる。
パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)からなる被着体として、PFA樹脂フィルム(例えば、アズワン社製、ふっ素樹脂フィルム(PFA))を用意する。粘着テープを25mm幅に切り出して試験片を得る。得られた試験片の粘着剤層を被着体上に載せる。次いで、試験片上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラーを一往復させることにより、試験片と被着体とを貼り合わせる。その後、23℃で1時間静置して試験サンプルを作製する。静置後の試験サンプルについて、JIS K 6854-1に準じて、剥離速度50mm/分で90°方向の引張試験を行い、剥離力を測定する。
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は20μm、好ましい上限は100μmであり、より好ましい下限は25μm、より好ましい上限は80μmである。上記粘着剤層の厚みがこの範囲内であれば、上記粘着剤層が充分な接着強度を有することができる。
なお、粘着剤層の厚みは、ダイヤル厚み計(例えば、Mitutoyo社製、「ABSデジマチックインジケーター」)を使用して測定できる。
本発明の粘着テープは、基材を有していてもよい。この場合、上記粘着剤層は上記基材の片面に積層されていてもよいし、上記基材の両面に積層されていてもよい。
上記基材は特に限定されず、例えば、樹脂フィルム等が挙げられる。上記樹脂フィルムは特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のポリエステル系樹脂フィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルムが挙げられる。また、上記基材として、ポリエチレン発泡体シート、ポリプロピレン発泡体シート等のポリオレフィン発泡体シート、ポリウレタン発泡体シート等も挙げられる。なかでも、PETフィルムが好ましい。
上記基材の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は30μmであり、より好ましい下限は8μm、より好ましい上限は20μmである。
本発明の粘着テープは、必要に応じて、上記粘着剤層及び上記基材以外の他の層を有してもよい。
本発明の粘着テープの製造方法は特に限定されず、例えば、上記粘着剤層が上記基材の両面に積層されている場合、以下のような方法が挙げられる。
まず、ベースポリマー、化合物(T1)、粘着付与樹脂(T2)等に溶剤を加えて粘着剤組成物Aの溶液を作製して、この粘着剤組成物Aの溶液を基材の表面に塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去して粘着剤層Aを形成する。次に、形成された粘着剤層Aの上に離型フィルムをその離型処理面が粘着剤層Aに対向した状態に重ね合わせる。
次いで、上記離型フィルムとは別の離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面に粘着剤組成物Bの溶液を塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去することにより、離型フィルムの表面に粘着剤層Bが形成された積層フィルムを作製する。得られた積層フィルムを粘着剤層Aが形成された基材の裏面に、粘着剤層Bが基材の裏面に対向した状態に重ね合わせて積層体を作製する。そして、上記積層体をゴムローラー等によって加圧する。これにより、基材の両面に粘着剤層を有し、かつ、粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた両面粘着テープを得ることができる。
また、同様の要領で積層フィルムを2組作製し、これらの積層フィルムを基材の両面のそれぞれに、積層フィルムの粘着剤層を基材に対向させた状態に重ね合わせて積層体を作製し、この積層体をゴムローラー等によって加圧してもよい。これにより、基材の両面に粘着剤層を有し、かつ、粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた両面粘着テープを得ることができる。
本発明の粘着剤組成物、及び、本発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、極性の低い被着体に対しても高い接着強度を発揮することができることから、例えば、極性が低く難接着性である、フッ素樹脂、シクロオレフィン樹脂等の低誘電材料からなる被着体に対しても好適に用いられる。
特に、従来、フッ素樹脂のなかでもパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等と比較して透明性がより高く、有用な材料となることが期待されるが、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)からなる被着体に対して充分な接着強度を得ることは特に難しかった。本発明の粘着剤組成物、及び、本発明の粘着テープは、このようなパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)からなる被着体に対しても高い接着強度を発揮することができる。なお、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とは、テトラフルオロエチレン(四フッ化エチレン、C)の重合体であり、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)とは、テトラフルオロエチレン(四フッ化エチレン、C)とパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体である。
これらの用途における本発明の粘着テープの形状は特に限定されず、例えば、正方形、長方形、額縁状、円形、楕円形、ドーナツ型等が挙げられる。
本発明によれば、極性の低い被着体に対しても高い接着強度を発揮することのできる粘着剤組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該粘着剤組成物を含有する粘着剤層を有する粘着テープ、該粘着剤組成物を形成するための化合物、該化合物の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(合成例A)
(化合物(T1)の調製)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器にトルエン50重量部を入れて、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。30分後にトルエンを75℃に保持しながら塩化アルミニウム(AlCl)2重量部を投入した。ここに、没食子酸及びβ-ピネン合計50重量部(モル比は表1に示すとおり)をトルエン50重量部に溶かした溶液を1時間30分かけて、徐々に滴下し反応させた。4時間重合反応させた後、反応器内にピリジン0.1重量部を加えながら冷却することにより、塩化アルミニウム(AlCl)から発生した塩酸を中和した。中和により生じた沈殿物を濾過し、得られた濾液の分液操作を行った後、トルエンを揮発させて、固体状の化合物(T1)を得た。
得られた化合物(T1)についてH-NMR測定を行い、化合物(T1)が、没食子酸に由来する構成単位(A)と、β-ピネンに由来する構成単位(B)とを有する共重合体(構成単位(A)を主鎖骨格中又は主鎖骨格の末端に有する共重合体)であることを確認した。
得られた化合物(T1)をテトラヒドロフランに溶かした溶液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過した。得られた濾液をゲル浸透クロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、化合物(T1)のポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)を求めた。カラムとしては、GPC KF-802.5L(昭和電工社製)を用い、検出器としては、示差屈折計を用いた。
また、得られた化合物(T1)について、ASTM D6866-20に準じて生物由来の炭素の含有率を測定した。
(合成例B~F、H及びJ~N)
(化合物(T1)の調製)
モノマーを表1に示すように変更したこと以外は合成例Aと同様にして、化合物(T1)を得た。
(合成例G)
(化合物(T1)の調製)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器にトルエン50重量部を入れて、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。30分後にトルエンを75℃に保持しながら塩化アルミニウム(AlCl)2重量部を投入した。ここに、安息香酸ビニル及びβ-ピネン合計50重量部(モル比は表1に示すとおり)をトルエン50重量部に溶かした溶液を1時間30分かけて、徐々に滴下し反応させた。4時間重合反応させた後、反応器内にピリジン0.1重量部を加えながら冷却することにより、塩化アルミニウム(AlCl)から発生した塩酸を中和した。中和により生じた沈殿物を濾過し、得られた濾液の分液操作を行った後、トルエンを揮発させて、固体状の化合物(T1)を得た。
得られた化合物(T1)についてH-NMR測定を行い、化合物(T1)が、安息香ビニル酸に由来する構成単位(A)と、β-ピネンに由来する構成単位(B)とを有する共重合体(構成単位(A)を主鎖骨格中又は主鎖骨格の末端に有する共重合体)であることを確認した。
得られた化合物(T1)をテトラヒドロフランに溶かした溶液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過した。得られた濾液をゲル浸透クロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、化合物(T1)のポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)を求めた。カラムとしては、GPC KF-802.5L(昭和電工社製)を用い、検出器としては、示差屈折計を用いた。
また、得られた化合物(T1)について、ASTM D6866-20に準じて生物由来の炭素の含有率を測定した。
(合成例I)
(化合物(T1)の調製)
モノマーを表1に示すように変更したこと以外は合成例Gと同様にして、化合物(T1)を得た。
Figure 2023127562000031
(実施例1)
(1)粘着テープの製造
スチレン系エラストマー(SISブロック共重合体、日本ゼオン社製、Quintac 3433N、スチレン含有量:16重量%、ジブロック比率:56重量%)の固形分100重量部に対して、化合物(T1)(合成例A)40重量部を添加した。更に、トルエン(不二化学薬品社製)500重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物の溶液を得た。
厚み150μmの離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面に粘着剤組成物の溶液を塗布し、100℃で5分間乾燥させることにより、厚み50μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層を、基材となる厚み50μmのコロナ処理したPETフィルムの表面と貼り合わせた。次いで、同様の要領で、基材の反対の表面にも、上記と同じ粘着剤層を貼り合わせた。その後40℃で48時間加熱することで養生を行った。これにより、粘着剤層が基材の両面に積層されており、粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた粘着テープを得た。
(2)損失正接(tanδ)のピーク温度の測定
粘着剤層のみからなる測定サンプルを作製した。得られた測定サンプルについて、粘弾性スペクトロメーター(アイティー計測制御社製、DVA-200)を用い、低速昇温せん断変形モードの5℃/分、測定周波数10Hzの条件で、-100℃~200℃の動的粘弾性スペクトルを測定し、得られた動的粘弾性スペクトルから損失正接(tanδ)のピーク温度を得た。
(実施例2~27、比較例1~4)
ベースポリマー、化合物(T1)及び粘着付与樹脂(T2)の種類及び量を表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、粘着テープを得た。使用したスチレン系エラストマー及び粘着付与樹脂(T2)を以下に示す。
スチレン系エラストマー(SISブロック共重合体、日本ゼオン社製、Quintac 3433N、スチレン含有量:16重量%、ジブロック比率:56重量%)
スチレン系エラストマー(SISブロック共重合体、日本ゼオン社製、Quintac 3450、スチレン含有量:19重量%、ジブロック比率:30重量%)
スチレン系エラストマー(SISブロック共重合体、日本ゼオン社製、Quintac 3421、スチレン含有量:14重量%、ジブロック比率:26重量%)
スチレン系エラストマー(SISブロック共重合体、日本ゼオン社製、Quintac 3520、スチレン含有量:15重量%、ジブロック比率:78重量%)
スチレン系エラストマー(SISブロック共重合体、日本ゼオン社製、Quintac 3280、スチレン含有量:25重量%、ジブロック比率:17重量%)
スチレン系エラストマー(SBSブロック共重合体、クレイトンポリマージャパン社製、Kraton DX410、スチレン含有量:18重量%、ジブロック比率:60重量%)
テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSレジンPX1150」)
ロジンエステル系樹脂(荒川化学工業社製、商品名「パインクリスタルKE359」)
テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターG150」)
<評価>
実施例及び比較例で得られた粘着テープについて、以下の方法により評価を行った。結果を表2に示した。
(1)対PFA90°ピール試験
パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)からなる被着体として、PFA樹脂フィルム(アズワン社製、ふっ素樹脂フィルム(PFA))を用意した。粘着テープを25mm幅に切り出して試験片を得た。得られた試験片の粘着剤層を被着体上に載せた。次いで、試験片上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラーを一往復させることにより、試験片と被着体とを貼り合わせた。その後、23℃で1時間静置して試験サンプルを作製した。静置後の試験サンプルについて、JIS K 6854-1に準じて、剥離速度50mm/分で90°方向の引張試験を行い、剥離力を測定した。
◎:剥離力が7N/inch以上
○:剥離力が3N/inch以上、7N/inch未満
△:剥離力が1N/inch以上、3N/inch未満
×:剥離力が1N/inch未満
Figure 2023127562000032
本発明によれば、極性の低い被着体に対しても高い接着強度を発揮することのできる粘着剤組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該粘着剤組成物を含有する粘着剤層を有する粘着テープ、該粘着剤組成物を形成するための化合物、該化合物の製造方法を提供することができる。

Claims (29)

  1. ベースポリマーと、下記式(1)~(5)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位(A)を有する化合物(T1)とを含有することを特徴とする粘着剤組成物。
    Figure 2023127562000033
    式(1)~(5)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。R、R及びRはそれぞれ水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。Lは置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、アルキレンオキサイド基を表し、あってもなくてもよい。nは1以上の整数を表す。
  2. 前記式(1)で表される構成単位は、下記式(1-1)、(1-2)及び(1-3)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記式(2)で表される構成単位は、下記式(2-1)及び(2-2)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記式(3)で表される構成単位は、下記式(3-1)で表される構成単位であり、前記式(4)で表される構成単位は、下記式(4-1)で表される構成単位であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
    Figure 2023127562000034
    式(1-1)中、Ar’は置換若しくは非置換の芳香族ヘテロ環又は縮合環式芳香族炭化水素基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。
    Figure 2023127562000035
    式(1-2)中、R1’は置換若しくは非置換の炭化水素基を表し、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
    Figure 2023127562000036
    式(1-3)中、Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表し、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。
    Figure 2023127562000037
    式(2-1)中、Ar’は置換若しくは非置換の芳香族ヘテロ環又は縮合環式芳香族炭化水素基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
    Figure 2023127562000038
    式(2-2)中、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。R8’は置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
    Figure 2023127562000039
    式(3-1)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
    Figure 2023127562000040
    式(4-1)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。
  3. 前記構成単位(A)は、下記式(i)で表されるスチルベンジカルボン酸及びそのアルキルエステル、下記式(ii)で表される没食子酸及びそのアルキルエステル、下記式(iii)で表されるフランカルボン酸及びそのアルキルエステル、並びに、下記式(iv)で表される安息香酸ビニルからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来する構成単位であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
    Figure 2023127562000041
  4. 前記化合物(T1)は、更に、テルペン系モノマー、ビニル系モノマー及び共役ジエン系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー(b)に由来する構成単位(B)を有することを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  5. 前記化合物(T1)は、前記構成単位(A)の含有率が1モル%以上、60モル%以下であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  6. 前記化合物(T1)は、前記構成単位(A)の含有率が0.9重量%以上、60重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  7. 前記化合物(T1)は、重量平均分子量(Mw)が400以上、1万以下であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  8. 前記化合物(T1)は、少なくとも部分的に水素添加された水素添加体であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  9. 前記化合物(T1)の含有量が、前記ベースポリマー100重量部に対して1重量部以上、100重量部以下であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  10. 更に、ロジンエステル系樹脂、テルペン系樹脂及び石油系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の粘着付与樹脂(T2)を含有することを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  11. 前記粘着付与樹脂(T2)の含有量が、前記ベースポリマー100重量部に対して10重量部以上、100重量部以下であることを特徴とする請求項10記載の粘着剤組成物。
  12. 前記ベースポリマーは、スチレン系モノマーに由来するブロックと共役ジエン系モノマーに由来するブロックとを有するブロック共重合体又はその水素添加体であるスチレン系エラストマーであることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  13. 前記スチレン系エラストマーは、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロック共重合体及びスチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)ブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項12記載の粘着剤組成物。
  14. 前記スチレン系エラストマーは、ジブロック比率が50重量%以上であることを特徴とする請求項12記載の粘着剤組成物。
  15. 前記スチレン系エラストマーは、スチレン含有量が20重量%以下であることを特徴とする請求項12記載の粘着剤組成物。
  16. 請求項1~15のいずれかに記載の粘着剤組成物を含有する粘着剤層を有することを特徴とする粘着テープ。
  17. 前記粘着剤層は、動的粘弾性測定装置を用いて測定周波数10Hzで測定した損失正接が、-40℃以上、-10℃以下においてピークを有することを特徴とする請求項16記載の粘着テープ。
  18. 前記粘着剤層は、パーフルオロアルコキシアルカンに対する90°方向の剥離力が5N/inch以上であることを特徴とする請求項16記載の粘着テープ。
  19. 下記式(1)~(5)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位(A)を有することを特徴とする化合物。
    Figure 2023127562000042
    式(1)~(5)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。R、R及びRはそれぞれ水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。Lは置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、アルキレンオキサイド基を表し、あってもなくてもよい。nは1以上の整数を表す。
  20. 前記式(1)で表される構成単位は、下記式(1-1)、(1-2)及び(1-3)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記式(2)で表される構成単位は、下記式(2-1)及び(2-2)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記式(3)で表される構成単位は、下記式(3-1)で表される構成単位であり、前記式(4)で表される構成単位は、下記式(4-1)で表される構成単位であることを特徴とする請求項19記載の化合物。
    Figure 2023127562000043
    式(1-1)中、Ar’は置換若しくは非置換の芳香族ヘテロ環又は縮合環式芳香族炭化水素基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。
    Figure 2023127562000044
    式(1-2)中、R1’は置換若しくは非置換の炭化水素基を表し、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
    Figure 2023127562000045
    式(1-3)中、Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表し、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。
    Figure 2023127562000046
    式(2-1)中、Ar’は置換若しくは非置換の芳香族ヘテロ環又は縮合環式芳香族炭化水素基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
    Figure 2023127562000047
    式(2-2)中、Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。R8’は置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
    Figure 2023127562000048
    式(3-1)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。nは1以上の整数を表す。
    Figure 2023127562000049
    式(4-1)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。
  21. 前記構成単位(A)は、下記式(i)で表されるスチルベンジカルボン酸及びそのアルキルエステル、下記式(ii)で表される没食子酸及びそのアルキルエステル、下記式(iii)で表されるフランカルボン酸及びそのアルキルエステル、並びに、下記式(iv)で表される安息香酸ビニルからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来する構成単位であることを特徴とする請求項19記載の化合物。
    Figure 2023127562000050
  22. 更に、テルペン系モノマー、ビニル系モノマー及び共役ジエン系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー(b)に由来する構成単位(B)を有することを特徴とする請求項19記載の化合物。
  23. 前記構成単位(A)の含有率が1モル%以上、60モル%以下であることを特徴とする請求項19記載の化合物。
  24. 前記構成単位(A)の含有率が0.9重量%以上、60重量%以下であることを特徴とする請求項19記載の化合物。
  25. 重量平均分子量(Mw)が400以上、1万以下であることを特徴とする請求項19記載の化合物。
  26. 少なくとも部分的に水素添加された水素添加体であることを特徴とする請求項19記載の化合物。
  27. 下記式(1)~(5)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位(A)と、テルペン系モノマー、ビニル系モノマー及び共役ジエン系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー(b)に由来する構成単位(B)とを有する化合物を製造する方法であって、
    前記構成単位(A)を構成するモノマー(a)と、前記モノマー(b)とを共重合させる
    ことを特徴とする化合物の製造方法。
    Figure 2023127562000051
    式(1)~(5)中、Arは置換若しくは非置換の芳香族基を表す。Rは水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。R、R及びRはそれぞれ水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭化水素基を表す。Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、極性官能基を表す。Lは置換若しくは非置換の炭化水素基、又は、アルキレンオキサイド基を表し、あってもなくてもよい。nは1以上の整数を表す。
  28. 前記構成単位(A)を構成するモノマー(a)と、前記モノマー(b)とをカチオン重合により共重合させることを特徴とする請求項27記載の化合物の製造方法。
  29. 前記構成単位(A)を構成するモノマー(a)と、前記モノマー(b)とを共重合させた後、更に水素添加を行うことを特徴とする請求項27又は28記載の化合物の製造方法。

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