JP2023127508A - 積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの実装構造 - Google Patents

積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの実装構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2023127508A
JP2023127508A JP2022031342A JP2022031342A JP2023127508A JP 2023127508 A JP2023127508 A JP 2023127508A JP 2022031342 A JP2022031342 A JP 2022031342A JP 2022031342 A JP2022031342 A JP 2022031342A JP 2023127508 A JP2023127508 A JP 2023127508A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
internal electrode
ceramic capacitor
multilayer ceramic
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022031342A
Other languages
English (en)
Inventor
和博 西林
Kazuhiro Nishibayashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2022031342A priority Critical patent/JP2023127508A/ja
Priority to CN202211629010.2A priority patent/CN116705509A/zh
Priority to US18/107,539 priority patent/US20230282418A1/en
Publication of JP2023127508A publication Critical patent/JP2023127508A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/228Terminals
    • H01G4/232Terminals electrically connecting two or more layers of a stacked or rolled capacitor
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G2/00Details of capacitors not covered by a single one of groups H01G4/00-H01G11/00
    • H01G2/02Mountings
    • H01G2/06Mountings specially adapted for mounting on a printed-circuit support
    • H01G2/065Mountings specially adapted for mounting on a printed-circuit support for surface mounting, e.g. chip capacitors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/005Electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/005Electrodes
    • H01G4/008Selection of materials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/005Electrodes
    • H01G4/012Form of non-self-supporting electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/018Dielectrics
    • H01G4/06Solid dielectrics
    • H01G4/08Inorganic dielectrics
    • H01G4/12Ceramic dielectrics
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/018Dielectrics
    • H01G4/06Solid dielectrics
    • H01G4/08Inorganic dielectrics
    • H01G4/12Ceramic dielectrics
    • H01G4/1209Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material
    • H01G4/1218Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material based on titanium oxides or titanates
    • H01G4/1227Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material based on titanium oxides or titanates based on alkaline earth titanates
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/228Terminals
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/30Stacked capacitors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

【課題】低ESL特性を向上させることが可能な3端子型積層セラミックコンデンサ及びその実装構造を提供する。【解決手段】3端子型積層セラミックコンデンサ100において、積層体10の第1の内部電極層21は、第2の内部電極層22と対向する第1の対向電極部23a~dと、第1の端面10eに引き出され、第1の屈曲部を有する第1の引出電極部25a~dと、第2の端面10fに引き出され、第2の屈曲部を有する第2の引出電極部27a~dと、を有する。第2の内部電極層は、第1の内部電極層と対向する第2の対向電極部を有する。第1の屈曲部により、第1の引出電極部の一部又は全部が、第1の主面又は第2の主面のいずれか一方に向くように屈曲して配置され、第2の屈曲部により、第2の引出電極部の一部又は全部が、第1の主面10a又は第2の主面10bのいずれか一方に向くように屈曲して配置される。【選択図】図4

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの実装構造に関する。
従来、高速で動作する集積回路部品(IC)に供給される電源電圧を安定化するために用いられるデカプリングコンデンサとして、3端子型積層セラミックコンデンサが知られている。
3端子型積層セラミックコンデンサは、一般的に、厚さ方向に対向する上面及び下面、幅方向に互いに対向する両側面並びに長さ方向に互いに対向する両端面からなる、外形形状が直方体をなす外表面を有するセラミック本体を備える。
セラミック本体の内部には、各々複数の第1内部電極及び第2内部電極が積層方向において交互に配置されている。そして、第1内部電極は、その両端が積層方向に直交する向きに延出してセラミック本体の両端面に露出され、セラミック本体の両端面においてそれぞれ外部電極に接続されている。また、第2内部電極は、その両端がその両端が積層方向に直交する向きに延出して第1の側面及び第2の側面に露出され、セラミック本体の両側面においてそれぞれ外部電極に接続されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2013-201417号公報
3端子型積層セラミックコンデンサが良好な性能を獲得するためには、等価直列インダクタンス(以下、ESLと呼ぶ)の値を低く抑える(以下、低ESL特性と呼ぶ)ことが好ましい。
それゆえに、本発明の主たる目的は、低ESL特性を向上させることが可能な積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの実装構造を提供することである。
この発明に係る積層セラミックコンデンサは、積層された複数の誘電体層と、誘電体層上に積層された複数の内部電極層とを含み、積層方向に相対する第1の主面及び第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面と、積層方向及び幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面及び第2の端面と、を有する積層体と、第1の端面上に配置される第1の外部電極と、第2の端面上に配置される第2の外部電極と、第1の側面上に配置される第3の外部電極と、第2の側面上に配置される第4の外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサであって、積層体は、複数の内部電極層が対向する内層部を有し、複数の内部電極層は、第1の内部電極層と第2の内部電極層とを有し、第1の内部電極層は、第2の内部電極層と対向する第1の対向電極部と、第1の対向電極部から延び、第1の端面に引き出される第1の引出電極部と、第1の対向電極部から延び、第2の端面に引き出される第2の引出電極部と、を有し、第2の内部電極層は、第1の内部電極層と対向する第2の対向電極部と、第2の対向電極部から延び、第1の側面に引き出される第3の引出電極部と、第2の対向電極部から延び、第2の側面に引き出される第4の引出電極部と、を有し、第1の引出電極部は、第1の屈曲部を有し、第2の引出電極部は、第2の屈曲部を有し、第1の屈曲部により、第1の引出電極部の一部または全部が、第1の主面または第2の主面のいずれか一方に向くように配置され、第2の屈曲部により、第2の引出電極部の一部または全部が、第1の主面または第2の主面のいずれか一方に向くように配置される、積層セラミックコンデンサである。
この発明に係る3端子型積層セラミックコンデンサは、第1の内部電極層において、第1の引出電極部が、第1の屈曲部を有し、第2の引出電極部が、第2の屈曲部を有し、第1の屈曲部により、第1の引出電極部の一部または全部が、第1の主面または第2の主面のいずれか一方に向くように配置され、第2の屈曲部により、第2の引出電極部の一部または全部が、第1の主面または第2の主面のいずれか一方に向くように配置されることにより、第1の内部電極層から実装基板までの電流経路を、従来例より短くとることができる。
これにより、3端子型積層セラミックコンデンサにおける低ESL特性を向上させることが可能となる。
また、この発明に係る積層セラミックコンデンサの実装構造は、実装基板と、実装基板に実装された積層セラミックコンデンサとを備え、積層セラミックコンデンサは本発明の積層セラミックコンデンサであり、実装基板は、基板のコア材と、コア材上に配置された第1の外部電極と接続される第1の接続導体と、コア材上に配置された第2の外部電極と接続される第2の接続導体と、コア材上に配置された第3の外部電極と接続される第3の接続導体と、コア材上に配置された第4の外部電極と接続される第4の接続導体と、を有し、積層セラミックコンデンサは、最も第1の主面寄りまたは最も第2の主面寄りの第1の端面および第2の端面に引き出される第1の引出電極部および第2の引出電極部と、実装基板の実装面までとの距離が、最短距離となるように、第1の主面または第2の主面が実装基板側に向くように実装される、積層セラミックコンデンサの実装構造である。
また、本発明に係る3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造は、本発明に係る3端子型積層セラミックコンデンサの種々の作用をそのまま反映して、3端子型積層セラミックコンデンサの第1の内部電極層から実装基板までの電流経路を、従来例より短くとることができる。その結果、本発明に係る3端子型積層セラミックコンデンサの種々の効果を反映して、3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造における低ESL特性を向上させる効果を奏する。
本発明によれば、低ESL特性を向上させることが可能な積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの実装構造を提供することができる。
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの一例を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの一例を示す正面図である。 図1の線IV-IVにおける断面図である。 図1の線V-Vにおける断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの第1の内部電極層の構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの第2の内部電極層の構成を示す平面図である。 図4の線VIII-VIIIにおける断面図である。 (a)は図4の領域R1を示す拡大図であって、本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの作用を説明する断面模式図であり、(b)は図4の領域R2を示す拡大図であって、本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの作用を説明する断面模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの他の例の構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの他の例の構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの他の例の構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造の一例を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。 図15の線XVI-XVIにおける断面図である。 図15の線XVII-XVIIにおける断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの第2の内部電極層の構成を示す平面図である。 (a)は図17の領域R3を示す拡大図であって、本発明の第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの他の作用を説明する断面模式図であり、(b)は図17の領域R4を示す拡大図であって、本発明の第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの他の作用を説明する断面模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造の一例を示す断面図である。 従来の3端子型積層セラミックコンデンサの構成を示す断面図である。
A.第1の実施の形態
a.3端子型積層セラミックコンデンサ
本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの例として、3端子型積層セラミックコンデンサ100について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの一例を示す平面図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの一例を示す正面図である。図4は、図1の線IV-IVにおける断面図である。図5は、図1の線V-Vにおける断面図である。
図1ないし図5に示すように、3端子型積層セラミックコンデンサ100は、積層体10と、積層体10の表面に配置される外部電極30を含む。
積層体10は、直方体状であり、積層された複数の誘電体層12と、誘電体層12上に積層された複数の内部電極層20とを有する。複数の内部電極層20の各々は、複数の誘電体層12の各々の上に個別に配置されている。したがって、積層された複数の誘電体層12の各々の層間に複数の内部電極層20の各々が配置される。
さらに、積層体10は、互いに対向する第1の主面10a及び第2の主面10bと、第1の主面10a及び第2の主面10b間を連結しながら互いに対向する第1の側面10c及び第2の側面10dと、第1の主面10a及び第2の主面10b間を連結しながら、第1の側面10c及び第2の側面10dと直交する向きにて互いに対向する第1の端面10e及び第2の端面10fとを有する。この積層体10には、角部及び稜線部に丸みがつけられている。なお、角部とは、積層体10の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体10の隣接する2面が交わる部分のことである。
第1の主面10a及び第2の主面10b、第1の側面10c及び第2の側面10d、並びに第1の端面10e及び第2の端面10fは、それらの全部又は一部に凹凸などが形成されていてもよい。
ここで、積層体10の第1の主面10aと第2の主面10bとを結ぶ方向を積層方向xとして定義し、積層方向xと直交する方向のうち第1の側面10cと第2の側面10dとを結ぶ方向を幅方向yと定義し、積層方向x及び幅方向yと直交する第1の端面10eと第2の端面10fとを結ぶ方向を長さ方向zと定義する。また、以下の説明においては、積層体10、第1の外部電極30a及び第2の外部電極30bを含む3端子型積層セラミックコンデンサ100に関し、その長さ方向zの寸法をL寸法、その積層方向xの寸法をT寸法、及びその幅方向yの寸法をW寸法、とそれぞれ呼ぶ。以下の説明においては、これら用語を使用する。
積層体10において、複数の誘電体層12と複数の内部電極層20は、積層方向xに沿って積層される。
積層体10は、単数又は複数枚の誘電体層12とそれらの上に配置される複数枚の内部電極層20とから構成される内層部14を有する。内部電極層20は、第1の端面10e及び第2の端面10fの各々に引き出される第1の内部電極層21と、第1の側面10c及び第2の側面10dの各々に引き出される第2の内部電極層22とを有し、内層部14では、複数枚の第1の内部電極層21及び第2の内部電極層22が誘電体層12を介して対向していて、電荷を蓄えるコンデンサの特性を発現させる。
積層体10は、第1の主面10a側に位置し、第1の主面10aと第1の主面10a側の内層部14の最表面及びその最表面を含む平面との間に位置する複数の誘電体層12から形成される第1の主面側外層部16aを有する。
同様に、積層体10は、第2の主面10b側に位置し、第2の主面10bと第2の主面10b側の内層部14の最表面及びその最表面を含む平面との間に位置する複数の誘電体層12から形成される第2の主面側外層部16bを有する。
積層体10は、第1の側面10c側に位置し、第1の側面10cと第1の側面10c側の内層部14の最表面との間に位置する複数の誘電体層12から形成される第1の側面側外層部16cを有する。
同様に、積層体10は、第2の側面10d側に位置し、第2の側面10dと第2の側面10d側の内層部14の最表面との間に位置する複数の誘電体層12から形成される第2の側面側外層部16dを有する。
積層体10は、第1の端面10e側に位置し、第1の主面側外層部16aと第1の主面側外層部16aとの間に位置し、且つ、第1の端面10eと第1の端面10e側の内層部14の最表面との間に位置する複数の誘電体層12から形成される第1の端面側外層部16eを有する。
積層体10は、第2の端面10f側に位置し、第1の主面側外層部16aと第1の主面側外層部16aとの間に位置し、且つ、第2の端面10fと第2の端面10f側の内層部14の最表面との間に位置する複数の誘電体層12から形成される第2の端面側外層部16fを有する。
積層体10の寸法は、特に限定されない。
誘電体層12は、例えば、セラミック材料として、誘電体材料により形成することができる。このような誘電体材料としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、又はCaZrO3などの成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。上記の誘電体材料を主成分として含む場合、所望する積層体10の特性に応じて、例えば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない副成分を添加したものを用いてもよい。
焼成後の誘電体層12の厚みは、0.40μm以上5.0μm以下(例えば0.59μmなど)であることが好ましい。積層される誘電体層12の枚数は、30枚以上2000枚以下(例えば、234枚など)であることが好ましい。ただし、この誘電体層12の枚数は、内層部14を構成する誘電体層12の枚数並びに第1の主面側外層部16a及び第2の主面側外層部16bを構成する誘電体層12の枚数の総数である。
積層体10は、複数の内部電極層20として、複数の第1の内部電極層21及び複数の第2の内部電極層22を有する。複数の第1の内部電極層21及び複数の第2の内部電極層22は、積層体10の積層方向xに沿って誘電体層12を挟んで等間隔に交互に配置されるように埋設されている。
なお、各図中においては、説明を簡単にするため、複数の第1の内部電極層21は、積層方向xに沿って上から下の順に配列された4枚の第1の内部電極層21a、21b、21c及び21dを有するものとし、複数の第2の内部電極層22は積層方向xに沿って上から下の順に配列された4枚の第2の内部電極層22a、22b、22c及び22dを有するものとした。しかし、これらは例であって、第1の内部電極層21及び第2の内部電極層22の枚数は、後述する例その他任意の枚数であってよい。
第1の内部電極層21は、複数の誘電体層12の各々の上に配置され、積層体10の内部に位置している。
以下、第1の内部電極層21の構成を説明する。ただし、以下の説明においては主に第1の内部電極層21a及びそれに関連する電極層等の構成を例にとるが、第1の内部電極層21b~21d及びそれらに関連する電極層等も同様の構成を有する。
図6に示すように、第1の内部電極層21aは、積層方向x視で略矩形形状であって、第2の内部電極層22と対向する第1の対向電極部23aと、第1の内部電極層21の長さ方向zに沿って向かって左側に位置し、第1の対向電極部23aから積層体10の第1の端面10eの表面に引き出されて積層体10から露出する第1の端面側引出電極部25aと、第1の内部電極層21aの長さ方向zに沿って向かって右側に位置し、第1の対向電極部23aから積層体10の第2の端面10fの表面に引き出されて積層体10から露出する第2の端面側引出電極部27aとを有する。したがって、第1の内部電極層21aは、積層体10の第1の側面10c及び第2の側面10dの表面には露出していない。
更に、第1の内部電極層21aにおいて、第1の端面側引出電極部25aは、第1の屈曲部29aを有し、第2の端面側引出電極部27aは、第2の屈曲部29bを有する。
ここで図9の、図4中の領域R1および領域R2を示す要部拡大図を適宜参照して、第1の屈曲部29aおよび第2の屈曲部29bについて説明する。
第1の屈曲部29aにより、第1の端面側引出電極部25aは、第2の主面10bに向くように屈曲して配置される。
第2の屈曲部29bにより、第2の端面側引出電極部27aは、第2の主面10bに向くように屈曲して配置される。
なお、第1の端面側引出電極部25aは、第1の屈曲部29aにより、第1の主面10aに向くように屈曲して配置されてもよく、第2の端面側引出電極部27aは、第2の屈曲部29bにより、第1の主面10aに向くように屈曲して配置されてもよい。
従って、3端子型積層セラミックコンデンサ100が実装基板に実装された場合、積層体10において、第1の内部電極層21aの第1の端面側引出電極部25aは、第1の屈曲部29aにより、積層方向xに直交する平面に対して、積層方向xに沿って下向きである、3端子型積層セラミックコンデンサ100が実装される実装基板の実装面に向かうように屈曲している。
これにより、第1の端面側引出電極部25aの端部と第1の外部電極30aとの接続点CNは、積層方向xにおいて第1の屈曲部29aよりも下方にシフトしている。第1の端面側外層部16e内に位置する他の電極層も同様で、第1の内部電極層21b~21dの第1の対向電極部23b~23dと第1の端面10eとを接続する第1の端面側引出電極部25b~25dは、いずれも第1の屈曲部29aを有することで、3端子型積層セラミックコンデンサ100が実装される実装基板の実装面に向かうように屈曲する。
また、3端子型積層セラミックコンデンサ100が実装基板に実装された場合、積層体10において、第1の内部電極層21aの第2の端面側引出電極部27aは、第2の屈曲部29bにより、積層方向xに直交する平面に対して、積層方向xに沿って下向きである、3端子型積層セラミックコンデンサ100が実装される実装基板の実装面に向かうように屈曲している。
これにより、第2の端面側引出電極部27aの端部と第2の外部電極30bとの接続点CNは、積層方向xにおいて第2の屈曲部29bよりも下方にシフトしている。第2の端面側外層部16f内に位置する他の電極層も同様で、第1の内部電極層21b~21dの第1の対向電極部23b~23dと第2の端面10fとを接続する第2の端面側引出電極部27b~27dは、いずれも第2の屈曲部29bを有することで、3端子型積層セラミックコンデンサ100が実装される実装基板の実装面に向かうように屈曲する。
これにより、第1の屈曲部29aおよび第2の屈曲部29bにより形成される、コンデンサの実装基板の実装面側に向かって傾斜して形成される第1の端面側引出電極部25a及び第2の端面側引出電極部27aの全長を最大にして、第1の内部電極層21a~21dから実装基板までの電流経路を最短距離で形成して、3端子型積層セラミックコンデンサ100における低ESL特性を向上させることが可能となる。
さらに、第1の内部電極層21a~21dの有する第1の屈曲部29aは、第1の端面10eと第1の端面10e側の内層部14の最表面との間の長さ方向zの寸法の1/2の位置よりも内層部14側に位置する。
また、第1の内部電極層21a~21dの有する第2の屈曲部29bは、第2の端面10fと第2の端面10f側の内層部14の最表面との間の長さ方向zの寸法の1/2の位置よりも内層部14側に位置する。
これにより、第1の端面側引出電極部25a~25d及び第2の端面側引出電極部27a~27dを早い段階で屈曲させて、実装基板の実装面により近い位置までこれら引出電極部を引き出して、本発明の上記効果を奏しやすくなる。
したがって、図10に示すように、第1の屈曲部29aは、第1の端面側引出電極部25a~25d上及び第2の屈曲部29bは、第2の端面側引出電極部27a~27d上の境界La及びLbのように、上記の条件を満たす限り、第1の端面側引出電極部25a~25d上及び第2の端面側引出電極部27a~27d上の任意の位置にそれぞれ形成されるものであってもよい。
更に、積層体10において、隣り合う一対の第1の内部電極層21及びそれらの層間に位置する第2の内部電極層22に並びにそれらの層間に位置する誘電体層12の間には、以下の関係を有する。
すなわち、第1の端面10eと第1の端面10e側の内層部14の最表面と間の長さ方向zの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21との間に位置する誘電体層12の厚みをA1とし、第2の端面10fと第2の端面10f側の内層部14の最表面と間の長さ方向zの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21との間に位置する誘電体層の厚みをA2とし、内層部14の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21および第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層12の厚みをBとし、内層部14の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21または第2の内部電極層22の厚みをCとしたとき、A1>2×B+C、A2>2×B+Cの関係にある。
これにより、積層体10においては、第1の端面側外層部16e内に配置された第1の端面側引出電極部25a~25d及び第2の端面側外層部16f内に配置された第2の端面側引出電極部27a~27dを、実装基板の実装面側に向かって内層部14から大きな屈曲角をもって傾斜させることができ、本発明の上記効果をより容易に得ることが可能となる。
(A1の測定方法)
第1の端面側外層部16eの長さ方向zの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21との間に位置する誘電体層12の厚みをA1としたとき、A1は、以下に示す方法により測定される。
すなわち、まず、3端子型積層セラミックコンデンサ100の断面を露出させる。具体的には、3端子型積層セラミックコンデンサ100の1/2Wの位置となるまで研磨を行い、第1の側面10cまたは第2の側面10dと略平行になるように研磨し、LT断面を露出させる。次に、研磨断面における第1の端面側外層部16eの長さ方向zの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21との間に位置する誘電体層12の厚みを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定する。このとき、第1の端面側外層部16eの隣り合う第1の内部電極層21との間に位置する誘電体層12の最も第1の主面10a側もしくは最も第2の主面10b側から連続する計10層の誘電体層12の厚みを測定し、それを平均値化したものを1つの3端子型積層セラミックコンデンサ100のA1の寸法とする。
(A2の測定方法)
第2の端面側外層部16fの長さ方向zの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21との間に位置する誘電体層12の厚みをA2としたとき、A2は、以下に示す方法により測定される。
すなわち、まず、3端子型積層セラミックコンデンサ100の断面を露出させる。具体的には、3端子型積層セラミックコンデンサ100の1/2Wの位置となるまで、研磨を行い第1の側面10cまたは第2の側面10dと略平行になるように研磨し、LT断面を露出させる。次に、研磨断面における第2の端面側外層部16fの長さ方向zの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21との間に位置する誘電体層12の厚みを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定する。このとき、第2の端面側外層部16fの隣り合う第1の内部電極層21との間に位置する誘電体層12の最も第1の主面10a側もしくは最も第2の主面10b側から連続する計10層の誘電体層12の厚みを測定し、それを平均値化したものを1つの3端子型積層セラミックコンデンサ100のA2の寸法とする。
(Bの測定方法)
内層部14の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21および第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層12の厚みをBとしたとき、Bは、以下に示す方法により測定される。
すなわち、まず、3端子型積層セラミックコンデンサ100の断面を露出させる。具体的には、3端子型積層セラミックコンデンサ100の1/2Wの位置となるまで、研磨を行い第1の側面10cまたは第2の側面10dと略平行になるように研磨し、LT断面を露出させる。次に、研磨断面における内層部14の中央部において、積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21と第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層12の厚みを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定する。この時、内層部14の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21および第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層12の連続する計10層の誘電体層12の厚みを測定し、それを平均値化したものを1つの3端子型積層セラミックコンデンサのBの寸法とする。
(Cの測定方法)
内層部の中央部に位置する積層方向で隣り合う第1の内部電極層または第2の内部電極層の厚みをCとしたとき、Cは、以下に示す方法により測定される。
すなわち、まず、3端子型積層セラミックコンデンサ100の断面を露出させる。具体的には、3端子型積層セラミックコンデンサ100の1/2Wの位置となるまで、研磨を行い第1の側面10cまたは第2の側面10dと略平行になるように研磨し、LT断面を露出させる。次に、研磨断面における内層部14の中央部において、積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21または第2の内部電極層22の厚みを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定する。この時、第1の内部電極層21または第2の内部電極層22の隣り合う計10層の内部電極層の厚みを測定し、それを平均値化したものを1つの3端子型積層セラミックコンデンサ100のCの寸法とする。
なお、第1の内部電極層21の各々が有する第1の屈曲部29aおよび第2の屈曲部29bは、すべて同じ向きに屈曲するものとして説明を行ったが、本発明の屈曲部は、第1の内部電極層21を構成する一部の電極層については、異なる方向に屈曲する構成であってもよい。
また、上記の説明においては、第1の屈曲部29aおよび第2の屈曲部29bは、単一の屈曲点を有するものとして説明したが、本発明の屈曲点は複数の屈曲点から構成されるものでもよい。更に、この場合において、途中で(第1及び又は第2の)端面側引出電極部の向きが変わるように屈曲部が配置されていてもよい。
さらに、上記の説明においては、第1の屈曲部29aおよび第2の屈曲部29bの角度は、第1の側面10c又は第2の側面10dに平行な断面(LT断面)で見た際に、第1の主面10aおよび第2の主面10bのうちのいずれか一方に近づくにつれて大きくなるものであってもよいし、小さくなるものであってもよい。
なお、上記厚みA1、B及びCの条件を満たしながら、第1の側面10c又は第2の側面10dに平行な断面(LT断面)で見た際に、積層体10の有する複数の第1の屈曲部29aの角度は、第2の主面10bに近い側に位置する第1の屈曲部29aのほうが、より大きくなるように変化してもよいし、小さくなるように変化してもよい。
これにより、積層体10において、第1の端面側外層部16e内に配置された第1の端面側引出電極部25a~25dは、内層部14から放射状に広がるように配置され、それらの相互間隔は内層部14内に配置された第1の対向電極部23a~23dの相互間隔よりも大きくなる。
上記厚みA2、B及びCの条件を満たしながら、第1の側面10c又は第2の側面10dに平行な断面(LT断面)で見た際に、上記厚みA2が第2の端面側引出電極部27a~27dで同一である場合は、積層体10の有する複数の第2の屈曲部29bの角度は、第2の主面10bに近い側に位置する第2の屈曲部29bのほうが、より大きくなるように変化してもよりし、小さくなるように変化してもよい。
これにより、積層体10において、第2の端面側外層部16f内に配置された第2の端面側引出電極部27a~27dは、内層部14から放射状に広がるように配置され、それらの相互間隔は内層部14内に配置された第1の対向電極部23a~23dの相互間隔よりも大きくなる。
第1の屈曲部29aによる第1の対向電極部23a~23dと、第1の端面側引出電極部25a~25dとのなす角度は、0.1°以上40.0°以下であることが好ましい。
第2の屈曲部29bによる第1の対向電極部23a~23dと、第2の端面側引出電極部27a~27dとのなす角度は、0.1°以上40.0°以下であることが好ましい。
なお、第1の屈曲部29a、積層方向x視においては、図8に示すように、交差する第1の対向電極部23a及び第1の端面側引出電極部25aにより形成される一対の稜線部KLとして現れる。
また、第2の屈曲部29b、積層方向x視においては、図8に示すように、交差する第1の対向電極部23a及び第2の端面側引出電極部27aにより形成される一対の稜線部KLとして現れる。
次に、第1の内部電極層21aの第1の対向電極部23aの形状は、特に限定されないが、図6に示すように、積層方向x視で矩形状であることが好ましい。もっとも、積層方向x視でコーナー部が丸められていたり、コーナー部が積層方向x視で斜めに形成されたりしてよい(テーパー状)。また、長さ方向に沿っていずれかの方向に向かうにつれて傾斜がついている積層方向x視でテーパー状であってもよい。
第1の内部電極層21aの第1の端面側引出電極部25a及び第2の端面側引出電極部27aの形状は、特に限定されないが、図6に示すように、積層方向x視で矩形状であることが好ましい。もっとも、積層方向x視でコーナー部が丸められていたり、コーナー部が積層方向x視で斜めに形成したりしてよい(テーパー状)。また、長さ方向に沿っていずれかの方向に向かうにつれて傾斜がついている積層方向x視テーパー状であってもよい。
更に、第1の内部電極層21aにおいて、第1の対向電極部23aと第1の端面側引出電極部25a及び第2の端面側引出電極部27aとは、同一幅で形成されていてもよく、いずれか一方の幅が狭く形成されていてもよい。
次に、第2の内部電極層22の構成を説明する。図7に示すように、第2の内部電極層22は、積層方向x視で略十字形状、長さ方向z及び幅方向y視で平板形状であり、第2の内部電極層22aを例にとり、第1の内部電極層21の第1の対向電極部23aと対向する第2の対向電極部22a1、第2の対向電極部24aら平行に積層体10の第1の側面10cの表面に引き出される第1の側面側引出電極部26a、及び第2の対向電極部24aから平行に積層体10の第2の側面10dの表面に引き出される第2の側面側引出電極部28aを備える。
具体的には、第2の対向電極部24aは積層方向x視で矩形上であり、第1の側面側引出電極部26aは、第2の対向電極部24aの、第1の側面10c寄りの辺に一致する境界Bcから引き出され、積層体10の第1の側面10cの表面に露出する。第2の側面側引出電極部28aは、第2の対向電極部24aの、第2の側面10d寄りの辺に一致する境界Bdから引き出され、積層体10の第2の側面10dの表面に露出している。したがって、第2の内部電極層22は、積層体10の第1の端面10eの表面及び第2の端面10fの表面には露出していない。
なお、第2の内部電極層22aにおける第2の対向電極部24aの4つのコーナー部は、図7においては面取りされていないものとして示したが、面取りをした形状としてもよい。これにより、第2の対向電極部24aのコーナー部が、第1の内部電極層21の第1の対向電極部23aのような第1の内部電極層の有する対向電極部のコーナー部と重なることを避けて、電界集中を抑制することができる。その結果、電界集中により発生しうるセラミックコンデンサの絶縁破壊を抑制することができる。
第2の内部電極層22aの第2の対向電極部24aの形状は、特に限定されないが積層方向x視で矩形状であることが好ましい。もっとも、積層方向x視でコーナー部が丸められていたり、コーナー部が積層方向x視で斜めに形成されたりしてよい(テーパー状)。また、長さ方向に沿っていずれかの方向に向かうにつれて傾斜がついている積層方向x視テーパー状であってもよい。
第2の内部電極層22aの第1の端面側引出電極部25a及び第2の側面側引出電極部28aの形状は、特に限定されないが、図7に示すように、積層方向x視で矩形状であることが好ましい。もっとも、積層方向x視でコーナー部が丸められていたり、コーナー部が積層方向x視で斜めに形成したりしてよい(テーパー状)。また、長さ方向に沿っていずれかの方向に向かうにつれて傾斜がついている積層方向x視テーパー状であってもよい。
第2の内部電極層22において、第2の対向電極部24aと、第1の端面側引出電極部25a及び第2の側面側引出電極部28aとは、同一幅で形成されていてもよく、どちらか一方の幅が狭く形成されていてもよい。
第2の内部電極層22を構成する第2の内部電極層22b、22c及び22dも第2の内部電極層22aと同様の構成を有する。すなわち、第2の内部電極層22b、22c及び22dは、第1の内部電極層21と対向する第2の対向電極部24b、24c及び24dをそれぞれ有する。また、第2の内部電極層22b、22c及び22dは、第2の対向電極部24b、24c及び24dから積層体10の第1の端面10eまで面一で達する第1の側面側引出電極部26b、26c及び26dをそれぞれ有する。また、第2の内部電極層22b、22c及び22dは、第2の対向電極部24b、24c及び24dから積層体の第2の端面10fまで面一で達する第2の側面側引出電極部28b、28c及び28dをそれぞれ有する。
第1の内部電極層21及び第2の内部電極層22は、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、Ag-Pd合金等の、それらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料により構成することができる。
第1の内部電極層21の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.4μm以上5.0μm以下程度であることが好ましい。第2の内部電極層22の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.4μm以上5.0μm以下程度であることが好ましい。
第1の内部電極層21及び第2の内部電極層22の枚数は、特に限定されないが、合わせて30枚以上2000枚以下であることが好ましい。
第1の内部電極層21と第2の内部電極層22は、誘電体層12を介して、交互に積層されていてもよく、第1の内部電極層21が配置された誘電体層12が複数枚積層されたのちに、第2の内部電極層22が配置された誘電体層12が積層されていてもよい。このように、3端子型積層セラミックコンデンサ100において実現したい容量値に応じて、第1の内部電極層21と第2の内部電極層22の積層パターンを変更することができる。
積層体10の、第1の側面10c及び第2の側面10d並びに第1の端面10e側及び第2の端面10f側には、図1から図3に示されるように、外部電極30が配置される。
外部電極30は、3端子型積層セラミックコンデンサ100においては、独立した4つの電極である、第1の外部電極30a、第2の外部電極30b、第3の外部電極30c及び第4の外部電極30dを有するものとして構成される。
第1の外部電極30aは、第1の内部電極層21に電気的に接続され、第1の端面10eの表面に配置されている。また、第1の外部電極30aは、積層体10の第1の端面10eから積層体10の輪郭に沿って延伸して第1の主面10aの一部及び第2の主面10bの一部、並びに第1の側面10cの一部及び第2の側面10dの一部にも配置される。この場合、第1の外部電極30aは、第1の内部電極層21a~21dの第1の端面側引出電極部25a~25dと電気的に接続される。
第2の外部電極30bは、第1の内部電極層21に電気的に接続され、第2の端面10fの表面に配置されている。また、第2の外部電極30bは、積層体10の第1の端面10eから積層体10の輪郭に沿って延伸して第1の主面10aの一部及び第2の主面10bの一部、並びに第1の側面10cの一部及び第2の側面10dの一部にも配置される。この場合、第2の外部電極30bは、第1の内部電極層21a~21dの第2の端面側引出電極部27a~27dと電気的に接続される。
第3の外部電極30cは、第2の内部電極層22に電気的に接続され、第1の側面10cの表面に配置されている。また、第3の外部電極30cは、積層体10の第1の側面10cから積層体10の輪郭に沿って延伸して第1の主面10aの一部及び第2の主面10bの一部にも配置される。この場合、第3の外部電極30cは、第2の内部電極層22a~22dの第1の側面側引出電極部26a~26dと電気的に接続される。
第4の外部電極30dは、第2の内部電極層22に電気的に接続され、第2の側面10dの表面に配置されている。また、第4の外部電極30dは、積層体10の第2の側面10dから積層体10の輪郭に沿って延伸して第1の主面10aの一部及び第2の主面10bの一部にも配置される。この場合、第4の外部電極30dは、第2の内部電極層22a~22dの第2の側面側引出電極部28a~28dと電気的に接続される。
積層体10内においては、上述したように、内層部14として、第1の内部電極層21の第1の対向電極部23a~23dと第2の内部電極層22の第2の対向電極部24a~24dとが誘電体層12を介してそれぞれ対向している。これにより、積層体10は、第1の内部電極層21が接続された第1の外部電極30a及び第2の外部電極30bと第2の内部電極層22が接続された第3の外部電極30c及び第4の外部電極30dとの間に電荷を蓄えるコンデンサの本体部分として機能する。
外部電極30は、その内部構成の例として、少なくとも、金属成分及びセラミック成分を含む下地電極層32と、めっき層34とを含む。めっき層34は、下地電極層32の表面に配置される下層めっき層36とを含む。更に、外部電極30のめっき層34は、本実施の形態のように、下層めっき層36の表面に配置される上層めっき層38を含むことが好ましい。
下地電極層32は、第1の外部電極30aにおける第1の下地電極層32a、第2の外部電極30bにおける第2の下地電極層32b、第3の外部電極30cにおける第3の下地電極層32c、第4の外部電極30dにおける第4の下地電極層32dを含む。
下地電極層32は、焼き付け層、導電性樹脂層、薄膜層から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。以下、下地電極層32は焼き付け層であるとした場合を説明する。
焼き付け層は、ガラス成分及び金属を含む導電性ペーストを積層体10に塗布して焼き付けたものである。焼き付け層のガラス成分は、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼き付け層の金属は、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。
焼き付け層は、積層体10の基となる、第1の内部電極層21及び第2の内部電極層22並びに誘電体層12を有する積層チップと、当該積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時焼成することで得るようにしてもよい。また、焼き付け層は、積層チップを焼成して積層体10を得た後に、当該積層体10に導電性ペーストを塗布して焼き付けることで得るようにしてもよい。なお、積層チップと当該積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時に焼成する場合には、焼き付け層は、ガラス成分の代わりに誘電体材料を添加したものを用いることが好ましい。
焼き付け層は、単数層であってもよいし、複数層であってもよい。
第1の端面10eに位置する第1の外部電極30aとして焼き付け層を構成した場合、積層方向xの中央部における長さ方向zの厚みは、例えば、3μm以上70μm以下程度であることが好ましい。
第2の端面10fに位置する第2の外部電極30bとして焼き付け層を構成した場合、積層方向xの中央部における長さ方向zの厚みは、例えば、3μm以上70μm以下程度であることが好ましい。
更に、第1の主面10aの一部及び第2の主面10bの一部に位置する第1の外部電極30aの一部として焼き付け層を構成した場合、長さ方向zの中央部における積層方向xの厚みは、例えば、3μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
更に、第1の主面10aの一部及び第2の主面10bの一部に位置する第2の外部電極30bの一部として焼き付け層を構成した場合、長さ方向zの中央部における積層方向xの厚みは、例えば、3μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
次に、下地電極層32は導電性樹脂層であるとした場合を説明する。
下地電極層32として導電性樹脂層を用いる場合、導電性樹脂層は、既に設けた焼き付け層を更に覆うように配置されるものとしてもよい。また、焼き付け層を設けずに積層体10上に直接配置されるものとしてもよい。この場合において、導電性樹脂層は、焼き付け層上を完全に覆っていてもよいし、焼き付け層の一部を覆っていてもよい。
導電性樹脂層の材料は、例えば、導電性粒子と熱硬化性樹脂を含む。導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂を含むため、例えばめっき膜や導電性ペーストの焼成物からなる導電層よりも柔軟性に富んでいる。このため、3端子型積層セラミックコンデンサ100に物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、導電性樹脂層は緩衝層として機能し、3端子型積層セラミックコンデンサ100におけるクラックの発生を抑制することができる。
一方、導電性樹脂層に含まれる導電性粒子は、主に導電性樹脂層の通電性を担う。具体的には、導電性フィラー同士が接触することにより、導電性樹脂層内部に通電経路を形成する。
導電性樹脂層に含まれる導電性粒子としては金属粒子を使用することができる。更に、金属粒子に好適な金属としては、Ag、Cu、Ni、Sn、Bi、またはそれらの全部又は一部を含む合金を使用することができる。
更に、導電性粒子としては、金属粒子の表面をAgによりコーティングしたものを使用することもできる。この場合においては、金属としてCu、Ni、Sn、Bi又はそれらを含む合金を用いることが好ましい。導電性粒子として金属にAgをコーティングしたものを用いる理由としては、Agは金属の中でもっとも比抵抗が低いため電極材料に適しており、且つ貴金属であるため酸化せず耐候性が高いためである。また、上記のAgの特性を保ちつつ、母材の金属をより安価なものにすることが可能になるためである。
更に、導電性樹脂層に含まれる金属としては、Cu、Niに酸化防止処理を施したものを使用することもできる。
更に、導電性樹脂層に含まれる金属としては、金属粉の表面にSn、Ni、Cuをコーティングした金属粉を使用することもできる。金属粉の表面にSn、Ni、Cuをコーティングものものを使用する際には、母材である金属粉としてAg、Cu、Ni、Sn、Bi又はそれらの合金粉を用いることが好ましい。
次に、導電性樹脂層に含まれる金属粉の外形は、球形状、扁平状などのものを用いることができるが、球形状の金属粉と扁平状の金属粉とを混合して用いるのが好ましい。
次に、導電性樹脂層に好適な樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂を使用することができる。その中でも、耐熱性、耐湿性、密着性などに優れたエポキシ樹脂は最も適切な樹脂の一つである。
更に、導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂とともに硬化剤を含んでいることが好ましい。硬化剤としては、ベースである熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合は、フェノール系、アミン系、酸無水物系、イミダゾール系、活性エステル系、アミドイミド系など公知の種々の化合物を使用することができる。
更に、導電性樹脂層は、単数層で形成されていてもよいし、複数層で形成されていてもよい。
更に、導電性樹脂層の厚みは、最も厚い部分が10μm以上150μm以下の範囲にあることが好ましい。
次に、下地電極層32は薄膜層であるとした場合を説明する。
下地電極層32を薄膜層で設ける場合、薄膜層は、金属粒子の堆積による平均厚み1μm以下の層として形成する。また、薄膜層の作成は、スパッタ法又は蒸着法等の薄膜形成法による。
次に、めっき層34について説明する。
めっき層34は、下層めっき層36と、下層めっき層36の表面に配置される上層めっき層38とを含む。
めっき層34は、第1の下地電極層32aの表面に配置される第1のめっき層34aと、第2の下地電極層32bの表面に配置される第2のめっき層34bと、第3の下地電極層32cの表面に配置される第3のめっき層34cと、第4の下地電極層32dの表面に配置される第4のめっき層34dと、を含む。
下層めっき層36は、第1の外部電極30aにおける第1の下層めっき層36a、第2の外部電極30bにおける第2の下層めっき層36b、第3の外部電極30cにおける第3の下層めっき層3632c、第4の外部電極30dにおける第4の下層めっき層36dを含む。
また、上層めっき層38は、第1の外部電極30aにおける第1の上層めっき層38a、第2の外部電極30bにおける第2の上層めっき層38b、第3の外部電極30cにおける第3の上層めっき層38c、第4の外部電極30dにおける第4の上層めっき層38dを含む。
下層めっき層36及び上層めっき層38は、いずれも共通の構成を有していてもよく、例えば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つの金属を含んでいればよい。好ましくは、下層めっき層36はNiめっき層として形成され、上層めっき層38はSnめっき層として形成される。
Niめっき層は、3端子型積層セラミックコンデンサ100を実装基板上に実装する際に下地電極層32がはんだによって侵食されることを抑制することができる。また、Snめっき層は、3端子型積層セラミックコンデンサ100を実装基板上に実装する際の半田の濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。
下層めっき層36及び上層めっき層38の各々に関し、一層あたりの厚みは、2μm以上15μm以下であることが好ましい。
なお、下地電極層32を設けずにめっき層だけで外部電極30を形成してもよい。
以下、図示はしていないが、下地電極層32を設けずにめっき層を設ける構造について説明する。
第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bのそれぞれは、下地電極層が設けられず、めっき層が積層体10の表面に直接形成されていてもよい。すなわち、3端子型積層セラミックコンデンサ100は、第1の内部電極層21または第2の内部電極層22に電気的に接続されるめっき層を含む構造であってもよい。
このような構造を得る場合、前処理として積層体10の表面に触媒を配設した後で、めっき層が形成されてもよい。
なお、下地電極層を設けずに積層体上に直接めっき層を形成する場合は、下地電極層の厚みを削減した分を低背化すなわち薄型化または、積層体厚みすなわち内層部の厚みに転化できるため、積層体10の厚みの設計自由度を向上することができる。
めっき層は、積層体10の表面に形成される下層めっき電極と、下層めっき電極の表面に形成される上層めっき電極とを含むことが好ましい。下層めっき電極および上層めっき電極はそれぞれ、例えば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、Bi又はZnなどから選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金を含むことが好ましい。
さらに、下層めっき電極は、半田バリア性能を有するNiを用いて形成されることが好ましく、上層めっき電極は、半田濡れ性が良好なSnやAuを用いて形成されることが好ましい。
また、例えば、第1の内部電極層21および第2の内部電極層22がNiを用いて形成される場合、下層めっき電極は、Niと接合性のよいCuを用いて形成されることが好ましい。なお、上層めっき電極は必要に応じて形成されればよく、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bはそれぞれ、下層めっき電極のみで構成されてもよい。めっき層は、上層めっき電極を最外層としてもよいし、上層めっき電極の表面にさらに他のめっき電極を形成してもよい。
ここで、下地電極層32を設けずにめっき層だけで外部電極30を形成する場合、下地電極層32を設けずに配置するめっき層の1層あたりの厚みは、1.0μm以上15.0μm以下であることが好ましい。
さらに、めっき層は、ガラスを含まないことが好ましい。めっき層の単位体積あたりの金属割合は、99体積%以上であることが好ましい。
なお、外部電極30は、下地電極層32を設けずに下層めっき層36及び上層めっき層38だけで形成するようにしてもよい。すなわち、外部電極30を構成する第1の外部電極30aないし第4の外部電極30dの全部又は一部は、下地電極層32を設けずに、下層めっき層36及び上層めっき層38を積層体10の表面に直接形成した構成とすることができる。この場合、3端子型積層セラミックコンデンサ100は、第1の内部電極層21及び第2の内部電極層22に直接電気的に接続される下層めっき層36と、下層めっき層36上に配置された上層めっき層38を含む構造となる。
なお、この構造においては、下層めっき層36及び上層めっき層38はそれぞれ、例えば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、Bi又はZnなどから選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金を含むことが好ましい。下層めっき層36は、はんだバリア性能を有するNiを用いて形成されることが好ましく、上層めっき層38は、はんだ濡れ性が良好なSnやAuを用いて形成されることが好ましい。
また、例えば、第1の内部電極層21及び第2の内部電極層22がNiを用いて形成される場合、下層めっき層36は、Niと接合性のよいCuを用いて形成されることが好ましい。更に、上層めっき層38は必要に応じて形成されればよく、第1の外部電極ないし第4の外部電極はそれぞれ、下層めっき層36のみで構成されてもよい。
更に、外部電極30は、本実施の形態のように、上層めっき層38を最外層としてもよいし、上層めっき層38の表面にさらに他のめっき電極を形成してもよい。
下地電極層32を設けずに配置する下層めっき層36及び上層めっき層38の1層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。
更に、下層めっき層36及び上層めっき層38の各々は、組成としてガラスを含まないことが好ましい。また、下層めっき層36及び上層めっき層38の各々の単位体積あたりの金属割合は、99体積%以上であることが好ましい。
積層体10、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bを含む3端子型積層セラミックコンデンサ100の長さ方向zの寸法をL寸法とし、積層体10、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bを含む3端子型積層セラミックコンデンサ100の積層方向xの寸法をT寸法とし、積層体10、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bを含む3端子型積層セラミックコンデンサ100の幅方向yの寸法をW寸法とする。
3端子型積層セラミックコンデンサ100の寸法は、長さ方向zのL寸法が1.00mm以上1.20mm以下、幅方向yのW寸法が0.50mm以上0.70mm以下、積層方向xのT寸法が0.30mm以上0.39mm以下である。また、3端子型積層セラミックコンデンサ100の寸法は、マイクロスコープにより測定することができる。
ここで、図21において、従来例の3端子型積層セラミックコンデンサ1を示す。
従来の3端子型積層セラミックコンデンサは、積層体2と、その両端面に外部電極3a,3bと、両側面に外部電極3c,3dと、を有する。そして、積層体2の内部には、誘電体層4を介して、両端面に露出される複数の第1の内部電極層5と両側面に露出される第2の内部電極層6とが交互に積層されて配置される。
第1の内部電極層5の第1の端面側引出電極5aが第1の端面2aにまっすぐに引き出され、第2の端面側引出電極5bが第2の端面2bにまっすぐに引き出される構造である。
この場合、第1の内部電極層5と第2の内部電極層6とが対向する領域である内層部7から図示しない実装基板までの電流経路は、内層部7から第1の端面側引出電極5aが第1の端面2aにおける外部電極3aと接続する接続点cnまでの距離と、接続点cnから図示しない実装基板上の導体ランドまでの距離との総和となる。
これに対し、図9(a)に示すように、本発明の第1の実施の形態の3端子型積層セラミックコンデンサ100の場合の電流経路は、内層部14から図示しない実装基板までの電流経路は、第1の屈曲部29aから図示しない実装基板上の導体ランドに向かって傾斜した第1の端面側引出電極部25aの第1の外部電極30aとの接続点までの距離と、接続点CNから図示しない実装基板上の導体ランドまでの距離との総和となる。同様に、図9(b)に示すように、本発明の第1の実施の形態の3端子型積層セラミックコンデンサ100の場合の電流経路は、内層部14から図示しない実装基板までの電流経路は、第2の屈曲部29bから図示しない実装基板上の導体ランドに向かって傾斜した第2の端面側引出電極部27aの第2の外部電極30bとの接続点までの距離と、接続点CNから図示しない実装基板上の導体ランドまでの距離との総和となる。
従って、本発明の第1の実施の形態は、従来例より電流経路をより短くとることができる。
このように、図1に示す3端子型積層セラミックコンデンサ100は、第1の内部電極層21a~21dにおいて、第1の端面側引出電極部25a~25dが、第1の屈曲部29aを有し、第2の端面側引出電極部27a~27dが、第2の屈曲部29bを有し、第1の屈曲部29aにより、第1の端面側引出電極部25a~25dの一部または全部が、第1の主面10aまたは第2の主面10bのいずれか一方に向くように配置され、第2の屈曲部29bにより、第2の端面側引出電極部27a~27dの一部または全部が、第1の主面10aまたは第2の主面10bのいずれか一方に向くように配置されることにより、第1の内部電極層21a~21dから実装基板までの電流経路を、従来例より短くとることができる。
これにより、3端子型積層セラミックコンデンサ100における低ESL特性を向上させることが可能となる。
上述してきたように、本実施の形態にかかる3端子型積層セラミックコンデンサ100は、第1の内部電極層21aにおいて、第1の端面側引出電極部25aは、第1の屈曲部29aを有し、第2の端面側引出電極部27aは、第2の屈曲部29bを有する。
そして、第1の屈曲部29aにより、第1の端面側引出電極部25aは、第2の主面10bに向くように屈曲して配置され、第2の屈曲部29bにより、第2の端面側引出電極部27aは、第2の主面10bに向くように屈曲して配置される。
従って、第1の屈曲部29aおよび第2の屈曲部29bは、図11に示すように、第1の内部電極層21において、第1の対向電極部23a~23dと、第1の端面側引出電極部25a~25d及び第2の端面側引出電極部27a~27dとで同一且つ等間隔に配置されたものであってもよい。この場合、上記所期の効果に加えて、第1の端面側引出電極部25a~25d及び第2の端面側引出電極部27a~27dの間隔が均等となり、品質のばらつきを抑えて、安定した低ESL特性を得ることが可能となる。
また、第1の屈曲部29aおよび第2の屈曲部29bは、図12に示すように、第1の内部電極層21において、第1の端面側引出電極部25a~25d及び第2の端面側引出電極部27a~27dの相互間隔は、第1の対向電極部23a~23dの相互間隔よりも小さいものであってもよい。この場合、上記所期の効果に加えて、第1の端面側引出電極部25a~25dの各々と第1の外部電極30aとの接続点、及び第2の端面側引出電極部27a~27dの各々と第1の外部電極30aとの接続点を実装面により近接した位置に配置させて、内層部14と実装面との間の電流経路を更に短くして、低ESL特性を更に向上させることが可能となる。
b.3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造について、図13及び14を参照して説明する。
本実施の形態の3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造500は、図13および図14に示すように、第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサ100と実装基板50とを含む。実装基板50は、基板のコア材51及び導体ランド52を含む。基板のコア材51は、例えば、ガラス布(クロス)とガラス不織布を混ぜ合わせた基材にエポキシ樹脂やポリイミド樹脂を含侵させた材料からなる基板、又はセラミックスとガラスを混合したシートを焼き付けて製造するセラミックス基板により構成される。なお、基板のコア材51は、単層からなる基板であっても、複数層を積層してなる基板として構成されていてもよい。
基板のコア材51の厚みは特に限定されないが、例えば、200μm以上800μm以下とすることが好ましい。
基板のコア材51の一方の主面は、導体ランド52が配設されるとともに3端子型積層セラミックコンデンサ100の実装面となる基板側実装面51aを構成する。
導体ランド52は、第1の導体ランド52a、第2の導体ランド52b、第3の導体ランド52c、及び第4の導体ランド52dを含む。
第1の導体ランド52aは、接合材によって3端子型積層セラミックコンデンサ100の第1の外部電極30aと電気的に接続されるとともに機械的に接合される部位である。第2の導体ランド52bは、接合材によって3端子型積層セラミックコンデンサ100の第2の外部電極30bと電気的に接続されるとともに機械的に接合される部位である。第3の導体ランド52cは、接合材によって3端子型積層セラミックコンデンサ100の第3の外部電極30cと電気的に接続されるとともに機械的に接合される部位である。第4の導体ランド52dは、接合材によって3端子型積層セラミックコンデンサ100の第4の外部電極30dと電気的に接続されるとともに機械的に接合される部位である。
なお、導体ランド52は、基板のコア材51の基板側実装面51aの反対側の主面に設けるようにしてもよい。
導体ランド52の材質は特に限定されないが、例えば、銅、金、パラジウム、白金などの金属を用いることができる。また、導体ランド52の厚み、すなわち積層方向xにおける寸法は、特に限定されないが、例えば、20μm以上200μm以下とすることが好ましい。接合材は、例えば、高耐熱用エポキシ系接着剤を用いることができる。
なお、上記の説明において、実装基板50は本発明の実装基板に相当する。基板のコア材51は本発明の基板のコア材に相当する。基板側実装面51aは本発明の実装面に相当する。複数の導体ランド52は本発明の複数の接続導体に相当する。ただし、本発明の接続導体は、いわゆるランドのほか、積層セラミックコンデンサと実装基板との間に設けられて両者を電気的に接続可能な導体であれば、その他の用途、機能、形状、名称等によって限定されるものではない。
図13および図14に示す3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造500は、3端子型積層セラミックコンデンサ100の第2の主面10bを基板側実装面51aに相対させるように実装基板50に実装させる。これにより、第1の端面10e及び第2の端面10fから引き出される第1の端面側引出電極部25a~25d及び第2の端面側引出電極部27a~27dと実装基板50の基板側実装面51aまでとの距離が最短となった状態で、3端子型積層セラミックコンデンサ100と実装基板50との電気的接続が実現される。
従って、図13および図14に示す3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造500は、上記した本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサ100の種々の作用をそのまま反映して、3端子型積層セラミックコンデンサ100の第1の内部電極層21a~21dから実装基板50までの電流経路を、従来例より短くとることができる。その結果、本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサ100の種々の効果を反映して、3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造における低ESL特性を向上させる効果を奏する。
なお、上記の説明においては、3端子型積層セラミックコンデンサ100の第2の主面10bを基板側実装面51aに相対させるように実装基板50に実装させるものとした。しかしながら、第1の端面10e及び第2の端面10fから引き出される第1の端面側引出電極部25a~25d及び第2の端面側引出電極部27a~27dの各々の端部が、第1の主面10a寄りに位置している場合、すなわち第1の内部電極層21の第1の屈曲部29aおよび第2の屈曲部29bにより第1の端面側引出電極部25a~25dおよび第2の端面側引出電極部27a~27d第1の主面10aに向かって屈曲している場合は、3端子型積層セラミックコンデンサ100の第1の主面10aを基板側実装面51aに相対させるように実装基板50に実装させるようにする。これにより、上記第2の主面10bを基板側実装面51aに相対させた時と同様の構成が実現され、図1に示す3端子型積層セラミックコンデンサ100の種々の効果を反映した種々の効果を奏する。
c.3端子型積層セラミックコンデンサの製造方法
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法として、上記第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサ100の製造方法について説明する。
(準備)
まず、誘電体層用の誘電体シート、内部電極層用の導電性ペースト、並びに誘電体層用の誘電体ペーストを準備する。なお、誘電体シートは、第1の内部電極層が配置されるものと、第2の内部電極層が配置されるもの、及び内部電極層が配置されていないものとをそれぞれ用意する。誘電体シート及び導電性ペースト、並びに誘電体ペーストは、それぞれバインダ及び溶剤を含む。バインダ及び溶剤は、公知のものであってもよい。
(積層シートの作製)
次に、誘電体シート上に、導電性ペーストを、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷、インクジェットプリンタを用いた印刷等の方法により、内部電極層の各形状に対応した所定のパターンで印刷する。これにより、誘電体シート上の第1の内部電極層となる部分に導電性ペーストが塗布される(以下、このような誘電体シートを第1の塗布済み誘電体シートと呼ぶ)。また、誘電体シート上の第2の内部電極層となる部分に導電性ペーストが塗布される(以下、このような誘電体シートを第2の塗布済み誘電体シートと呼ぶ)。
具体的には、スクリーン印刷により内部電極層用の導電性ペーストを塗布する場合、第1の内部電極層を印刷するためのスクリーン版と、第2の内部電極層を印刷するためのスクリーン版を別々に準備し、これら2種類のスクリーン版をそれぞれ異なる誘電体シートに印刷できる印刷機を使用して、内部電極層の各々に対応する所定のパターンを印刷することができる。
次に、積層体の第1の端面側外層部及び第2の端面側外層部となる位置において、第2の塗布済み誘電体シートの内部電極層用の導電性ペーストが塗布されていない部分に対し、誘電体層用の誘電体ペーストを、例えばスクリーン印刷やグラビア印刷、インクジェットプリンタを用いた印刷等の方法により塗布する。具体的には、図7に示す第2の内部電極層及びそれが配置される誘電体層のレイアウトを参照して、第2の塗布済み誘電体シートにおける、第2の対向電極部の第1の端面側の端辺により第1の端面側の塗布領域ARaに、誘電体層用の誘電体ペーストを塗布する。同様に、第2の塗布済み誘電体シートにおける、第2の対向電極部の第2の端面側の端辺より第2の端面側の塗布領域ARbに、誘電体層用の誘電体ペーストを塗布する。
これにより、第2の塗布済み誘電体シートにおける、第2の対向電極部の第1の端面側の端辺に一致する境界Baに相当する箇所より第1の端面側の塗布領域ARaおよび第2の対向電極部の第2の端面側の端辺に一致する境界Bbに相当する箇所より第2の端面側の塗布領域ARbの厚みを厚くすることができる。
続いて、内部電極層のパターンが印刷されていない外層用の誘電体シートが所定枚数積層されることにより、第2の主面側の第2の主面側外層部となる部分が形成される。そして、第2の主面側外層部となる部分の上に第1の内部電極層のパターンが印刷された第1の塗布済み誘電体シート、および第2の内部電極層のパターンが印刷された第2の塗布済み誘電体シートを本発明の構造となるように順次積層されることにより、内層部を含む部分が形成される。この内層部を含む部分の上に、内部電極層のパターンが印刷されてない外層用の誘電体シートが所定枚数積層されることにより、第1の主面側の第1の主面側外層部となる部分が形成される。
内層部を含む部分を形成する際に、第2の塗布済み誘電体シートに対して第1の塗布済み誘電体シートを積層すると、第1の塗布済み誘電体シートは、第2の塗布済み誘電体シートの第2の対向電極部にとなる部分の両端面側に位置する境界Ba,Bbに沿ってその両端面側の部分が積層方向xに屈曲する。これにより、積層体の第1の内部電極層において第1の屈曲部および第2の屈曲部に対応する部位が形成される。
このとき、積層体を構成する全ての第2の塗布済み誘電体シートに対して誘電体ペーストを塗布した構成とすることにより、誘電体ペーストが塗布された部分の厚みは、塗布されていない部分の厚みより大きく、かつ積層枚数に応じて漸増する。その結果、図9に示すような、完成後の積層体の第1の端面側外層部及び第2の端面側外層部において、第1の内部電極層又は第2の内部電極層の厚みC、内層部における誘電体層の厚みB、及び上記誘電体ぺーストによって形成される誘電体層、すなわち積層方向xに沿って隣り合う一対の第1の端面側引出電極部に挟まれる誘電体層の厚みA1、積層方向xに沿って隣り合う一対の第2の端面側引出電極部に挟まれる誘電体層の厚みをA2としたときに、厚みA1、A2、B及びCの間にA1>2×B+C、A2>2×B+Cの関係をもたせることができる。
以上の工程により、積層シートが作製される。
(積層ブロックの作製)
次いで、積層シートを、静水圧プレスなどの手段により、誘電体シートの積層方向にプレスして積層ブロックを作製する。
(積層チップの作製)
積層ブロックを所定のサイズにカットすることにより、複数の積層チップを切り出す。このとき、バレル研磨などにより積層チップの角部及び稜線部に丸みをつけるようにしてもよい。
(積層体の作製)
積層チップを焼成することにより、積層体10を作製する。焼成温度は、誘電体シートの材料や内部電極層の材料にもよるが、900℃以上1400℃以下であることが好ましい。
(外部電極の形成)
(焼き付け層の場合)
以下の説明では、下地電極層は焼き付け層で形成するものとする。焼き付け層を形成する場合には、ガラス成分と金属とを含む導電性ペーストを塗布し、その後、焼き付け処理を行い下地電極層が形成される。この時の焼き付け処理の温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
積層体10の第1の側面10c及び第2の側面10d上に第3の外部電極30cの第3の下地電極層31c、第4の外部電極30dの第4の下地電極層32dを形成する。ここで、焼き付け層の形成方法としては、様々な方法を用いることができる。例えば、導電性ペーストをスリットから押し出して塗布する工法(いわゆる、ディップ工法)を用いることができる。この工法の場合、導電性ペーストの押し出し量を多くすることで、第1の側面10c上及び第2の側面10d上だけでなく、第1の主面10aの一部及び第2の主面10bの一部にまで下地電極層を形成することができる。
また、焼き付け層は、ローラ転写法を用いて形成することもできる。ローラ転写法の場合、ローラ転写の際の押し付け圧力を強くすることで、第1の側面10c上及び第2の側面10d上だけでなく、第1の主面10aの一部及び第2の主面10bの一部にまで下地電極層を形成することが可能となる。
次に、積層体10の第1の端面10e上及び第2の端面10f上に、第1の外部電極30aの第1の下地電極層32a、第2の外部電極30bの第2の下地電極層32bを形成する。
本実施の形態では、ディップ工法を用いて、第1の下地電極層32a及び第2の下地電極層32bの各々は、第1の端面10e、第2の端面10fだけでなく、第1の主面10aの一部及び第2の主面10bの一部並びに第1の側面10cの一部及び第2の側面10dの一部にまで延びるように形成した。
焼き付け処理の順序に関しては、上記に限定されるものではない。第3の外部電極30cの第3の下地電極層32c、第4の外部電極30dの第4の下地電極層32d、第1の外部電極30aの第1の下地電極層32a、第2の外部電極30bの第2の下地電極層32bを同時に焼き付けてもよいし、側面側と端面側とでそれぞれで焼き付けてもよい。
(導電性樹脂層の場合)
なお、第1の下地電極層32a~第4の下地電極層32dを導電性樹脂層で形成する場合は、以下の方法によることができる。導電性樹脂層は、焼き付け層の表面に形成されてもよく、焼き付け層を形成せずに導電性樹脂層を単体で積層体10上に直接形成してもよい。
導電性樹脂層の形成は、熱硬化性樹脂及び金属成分を含む導電性樹脂ペーストを焼き付け層上又は積層体10上に塗布し、250℃以上550℃以下の温度で熱処理を行い、樹脂を熱硬化させることにより行う。この時の熱処理時の雰囲気は、N2雰囲気であることが好ましい。また、樹脂の飛散を防ぎ、かつ、各種金属成分の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下に抑えることが好ましい。
導電性樹脂ペーストの塗布方法としては、下地電極層を焼き付け層で形成する方法と同様、例えば、導電性ペーストをスリットから押し出して塗布する工法やローラ転写法を用いて形成することができる。
(薄膜層の場合)
第1の下地電極層32a~第4の下地電極層32dを薄膜層で形成する場合は、外部電極30を形成したい所望の個所以外の部位をマスキングなどにより被覆し、露出した当該所望の箇所にスパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法を施すことにより行う。薄膜層で形成された第3の下地電極層32cは金属粒子が堆積された1μm以下の層とする。
(めっき層の作製)
最後に、第1の下層めっき層36a~第4の下層めっき層36d及び第1の上層めっき層38a~第4の上層めっき層38dを形成する。なお、めっき層は、第3の下地電極層32cの表面に形成されてもよく、積層体10上に直接形成されてもよい。本実施の形態においては、めっき層は、第1の下地電極層32a~第4の下地電極層32dの表面に形成される。より詳細には、第1の下地電極層32a~第4の下地電極層32d上に、第1の下層めっき層36a~第4の下層めっき層36dとしてNiめっき層を形成し、その表面に、第1の上層めっき層38a~第4の上層めっき層38dとしてSnめっき層を形成する。めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよい。但し、無電解めっきはめっき析出速度を向上させるために触媒などによる前処理が必要となり、工程が複雑化する。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。
上記のようにして、第1の実施の形態の3端子型積層セラミックコンデンサが得られる。
B.第2の実施の形態
a.3端子型積層セラミックコンデンサ
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサについて説明する。
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。図16は、図15の線XVI-XVIにおける断面図である。図17は、図15の線XVII-XVIIにおける断面図である。図18は、本発明の第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの第2の内部電極層の構成を示す平面図であって、図7と同方向の平面図に対応する。ただし、上記第1の実施の形態と同一又は相当する構成については、同一符号を付し、上記第1の実施の形態と共通する構成及び動作については、詳細な説明は省略する。
本実施の形態の3端子型積層セラミックコンデンサ200は、第1の実施の形態1の3端子型積層セラミックコンデンサ100において、第2の内部電極層22が異なる構成を備えたことを特徴とする。すなわち、図16及び17に示すように、3端子型積層セラミックコンデンサ200は、第2の内部電極層22aを例にとり、第1の内部電極層21と対向する第2の対向電極部24a、第2の対向電極部24aから積層体10の第1の側面10cの表面に引き出される第1の側面側引出電極部26a、及び第2の対向電極部24aから積層体10の第2の側面10dの表面に引き出される第2の側面側引出電極部28aを備える。
更に、第2の内部電極層22aにおいて、第1の側面側引出電極部26aは、第3の屈曲部29cを有し、第2の側面側引出電極部28aは、第4の屈曲部29dを有する。
ここで図19の、図17中の領域R3および領域R4を示す要部拡大図を適宜参照して、第3の屈曲部29cおよび第4の屈曲部29dについて説明する。
第3の屈曲部29cにより、第1の側面側引出電極部26aは、第2の主面10bに向くように屈曲して配置される。
第4の屈曲部29dにより、第2の側面側引出電極部28aは、第2の主面10bに向くように屈曲して配置される。
なお、第1の側面側引出電極部26aは、第3の屈曲部29cにより、第1の主面10aに向くように屈曲して配置されてもよく、第2の側面側引出電極部28aは、第4の屈曲部29dにより、第1の主面10aに向くように屈曲して配置されてもよい。
従って、3端子型積層セラミックコンデンサ200が実装基板に実装された場合、積層体10において、第2の内部電極層22aの第1の側面側引出電極部26aは、第3の屈曲部29cにより、積層方向xに直交する平面に対して、積層方向xに沿って下向きである、3端子型積層セラミックコンデンサ200が実装される実装基板の実装面に向かうように屈曲している。
これにより、第1の側面側引出電極部26aの端部と第3の外部電極30cとの接続点CNは、積層方向xにおいて第3の屈曲部29cよりも下方にシフトしている。第1の側面側外層部16c内に位置する他の電極層も同様で、第2の内部電極層22b~22dの第2の対向電極部24b~24dと第1の側面10cとを接続する第1の側面側引出電極部26b~26dは、いずれも第3の屈曲部29cを有することで、3端子型積層セラミックコンデンサ100が実装される実装基板の実装面に向かうように屈曲する。
また、3端子型積層セラミックコンデンサ200が実装基板に実装された場合、積層体10において、第2の内部電極層22aの第2の側面側引出電極部28aは、第4の屈曲部29dにより、積層方向xに直交する平面に対して、積層方向xに沿って下向きである、3端子型積層セラミックコンデンサ200が実装される実装基板の実装面に向かうように屈曲している。
これにより、第2の側面側引出電極部28aの端部と第4の外部電極30dとの接続点CNは、積層方向xにおいて第4の屈曲部29dよりも下方にシフトしている。第2の側面側外層部16d内に位置する他の電極層も同様で、第2の内部電極層22b~22dの第2の対向電極部24b~24dと第2の側面10dとを接続する第2の側面側引出電極部28b~28dは、いずれも第4の屈曲部29dを有することで、3端子型積層セラミックコンデンサ200が実装される実装基板の実装面に向かうように屈曲する。
これにより、第3の屈曲部29cおよび第4の屈曲部29dにより形成される、コンデンサの実装基板の実装面側に向かって傾斜して形成される第1の側面側引出電極部26a及び第2の側面側引出電極部28aの全長を最大にして、第2の内部電極層22a~22dから実装基板までの電流経路を最短距離で形成して、3端子型積層セラミックコンデンサ200における低ESL特性を向上させることが可能となる。
さらに、第2の内部電極層22a~22dの有する第3の屈曲部29cは、第1の側面10cと第1の側面10c側の内層部14の最表面との間の長さ方向zの寸法の1/2の位置よりも内層部14側に位置する。
また、第2の内部電極層22a~22dの有する第4の屈曲部29dは、第2の側面10dと第2の側面10d側の内層部14の最表面との間の長さ方向zの寸法の1/2の位置よりも内層部14側に位置する。
これにより、第1の側面側引出電極部26a~26d及び第2の側面側引出電極部28a~28dを早い段階で屈曲させて、実装基板の実装面により近い位置までこれら引出電極部を引き出して、本発明の上記効果を奏しやすくなる。
更に、積層体10において、隣り合う一対の第2の内部電極層22及びその層間に位置する第1の内部電極層21に並びにそれらの層間に位置する誘電体層12の間には、以下の関係を有する。
すなわち、第1の側面10cと第1の側面10c側の内層部14の最表面と間の幅方向yの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層12の厚みをA3とし、第2の側面10dと第2の側面10d側の内層部14の最表面と間の幅方向yの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21との間に位置する誘電体層12の厚みをA4とし、内層部14の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21および第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層12の厚みをBとし、内層部14の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21または第2の内部電極層22の厚みをCとしたとき、A3>2×B+C、A4>2×B+Cの関係にある。
これにより、積層体10においては、第1の側面側外層部16c内に配置された第1の側面側引出電極部26a~26d及び第2の側面側外層部16d内に配置された第2の側面側引出電極部28a~28dを、実装基板の実装面側に向かって内層部14から大きな屈曲角をもって傾斜させることができ、本発明の上記効果をより容易に得ることが可能となる。
(A3の測定方法)
第1の側面側外層部16cの幅方向yの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層12の厚みをA3としたとき、A3は、以下に示す方法により測定される。
すなわち、まず、3端子型積層セラミックコンデンサ200の断面を露出させる。具体的には、3端子型積層セラミックコンデンサ200の1/2Lの位置となるまで、研磨を行い、第1の端面10eまたは第2の端面10fと略平行になるように研磨し、WT断面を露出させる。次に、研磨断面における第1の側面側外層部16cの長さ方向zの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層12の厚みを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定する。このとき、第1の側面側外層部16cの隣り合う第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層12の最も第1の主面10a側もしくは最も第2の主面10b側から連続する計10層の誘電体層12の厚みを測定し、それを平均値化したものを1つの3端子型積層セラミックコンデンサ200のA3の寸法とする。
(A4の測定方法)
第2の側面側外層部16dの幅方向yの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層12の厚みをA4としたとき、A4は、以下に示す方法により測定される。
すなわち、まず、3端子型積層セラミックコンデンサ200の断面を露出させる。具体的には、3端子型積層セラミックコンデンサ200の1/2Lの位置となるまで、研磨を行い、第1の端面10eまたは第2の端面10fと略平行になるように研磨し、WT断面を露出させる。次に、研磨断面における第1の側面側外層部16cの長さ方向寸法の1/2の位置に位置する積層方向で隣り合う第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層12の厚みを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定する。このとき、第2の側面側外層部16dの隣り合う第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層12の最も第1の主面10a側もしくは最も第2の主面10b側から連続する計10層の測定し、それを平均値化したものを1つの3端子型積層セラミックコンデンサ200のA4の寸法とする。
なお、第1の内部電極層21の各々が有する第1の屈曲部29aおよび第2の屈曲部29bは、すべて同じ向きに屈曲するものとして説明を行ったが、本発明の屈曲部は、第1の内部電極層21を構成する一部の電極層については、異なる方向に屈曲する構成であってもよい。
また、上記の説明においては、第1の屈曲部29aおよび第2の屈曲部29bは、単一の屈曲点を有するものとして説明したが、本発明の屈曲点は複数の屈曲点から構成されるものでもよい。
さらに、上記の説明においては、第1の屈曲部29aおよび第2の屈曲部29bの角度は、第1の側面10c又は第2の側面10dに平行な断面(LT断面)で見た際に、第1の主面10aおよび第2の主面10bのうちのいずれか一方に近づくにつれて大きくなるものであってもよいし、小さくなるものであってもよい。
なお、上記厚みA3、B及びCの条件を満たしながら、第1の端面10e又は第2の端面10fに平行な断面(WT断面)で見た際に、積層体10の有する複数の第3の屈曲部29cの角度は、第2の主面10bに近い側に位置する第3の屈曲部29cのほうが、より大きくなるように変化してもよいし、小さくなるように変化してもよい。
これにより、積層体10においては、第1の側面側外層部16c内に配置された第1の側面側引出電極部26a~26dは、内層部14から放射状に広がるように配置され、それらの相互間隔は内層部14内に配置された第2の対向電極部24a~24dの相互間隔よりも大きくなる。
上記厚みA4、B及びCの条件を満たしながら、第1の端面10e又は第2の端面10fに平行な断面(WT断面)で見た際に、積層体10の有する複数の第4の屈曲部29dの角度は、第2の主面10bに近い側に位置する第2の屈曲部29bのほうが、より大きくなるように変化してもよりし、小さくなるように変化してもよい。
これにより、積層体10において、第2の側面側外層部16d内に配置された第2の側面側引出電極部28a~28dは、内層部14から放射状に広がるように配置され、それらの相互間隔は内層部14内に配置された第2の対向電極部24a~24dの相互間隔よりも大きくなる。
第3の屈曲部29cによる第2の対向電極部24a~24dと、第1の側面側引出電極部26a~26dとのなす角度は、0.1°以上40.0°以下であることが好ましい。
第4の屈曲部29dによる第2の対向電極部24a~24dと、第2の側面側引出電極部28a~28dとのなす角度は、0.1°以上40.0°以下であることが好ましい。
なお、第3の屈曲部29c、積層方向x視においては、図18に示すように、交差する第2の対向電極部24a及び第1の側面側引出電極部26aにより形成される一対の稜線部KLとして現れる。
また、第4の屈曲部29d、積層方向x視においては、図18に示すように、交差する第2の対向電極部24a及び第2の側面側引出電極部28aにより形成される一対の稜線部KLとして現れる。
本発明の第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサ200は、以上の構成を備えたことにより、第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサ100の効果に更に加えて、第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサ100と同様の作用に基づく同様の種々の効果を奏する。
すなわち、本発明の第2の実施の形態の3端子型積層セラミックコンデンサ100は、第3の屈曲部29cおよび第4の屈曲部29dを形成して第1の側面側引出電極部26a~26d及び第2の側面側引出電極部28a~28dを、3端子型積層セラミックコンデンサ200の実装基板の実装面側に向かって傾斜させることにより、第2の内部電極層22a~22dから実装基板までの電流経路を、従来例より短くとることができる。これにより、3端子型積層セラミックコンデンサ200における低ESL特性を更に向上させることが可能となる。
なお、第1の実施の形態にて説明した、3端子型積層セラミックコンデンサ100の第1の屈曲部29aおよび第2の屈曲部29bに関する種々の変形例は、第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサ200にも適用され、当該変形例と同様の効果を奏する。
b.3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造について、図20を参照して説明する。ただし、図14と同一又は相当する構成については、同一符号を付し、当該図を参照する第3の実施の形態と共通する構成及び動作については、詳細な説明は省略する。
3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造600は、図20に示すように、第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサ200と実装基板50とを含む。
以上のような構成を有する、本発明の第4の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造600は、3端子型積層セラミックコンデンサ200の第2の主面10bを基板側実装面51aに相対させるように実装基板50に実装させる。これにより、第1の側面10c及び第2の側面10dから引き出される第1の側面側引出電極部26a~26d及び第2の側面側引出電極部28a~28dと実装基板50の基板側実装面51aまでとの距離が最短となった状態で、3端子型積層セラミックコンデンサ100と実装基板50との電気的接続が実現される。
これにより、本発明の第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造600は、上記した本発明の第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサ200の種々の作用をそのまま反映する。すなわち、3端子型積層セラミックコンデンサ200の第1の内部電極層21a~21d及び第2の内部電極層22a~22dから実装基板50までの電流経路を、従来例より短くとることができる。
これにより、本発明の第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサ200の種々の効果を反映して、3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造における低ESL特性を向上させる効果を奏する。
なお、上記の説明においては、3端子型積層セラミックコンデンサ200の第2の主面10bを基板側実装面51aに相対させるように実装基板50に実装させるものとした。しかしながら、第1の側面10c及び第2の側面10dから引き出される第1の側面側引出電極部26a~26d及び第2の側面側引出電極部28a~28dの各々の端部が、第1の主面10a寄りに位置している場合、すなわち第2の内部電極層22の第3の屈曲部29cおよび第4の屈曲部29dが第1の主面10aに向かって屈曲している場合は、3端子型積層セラミックコンデンサ200の第1の主面10aを基板側実装面51aに相対させるように実装基板50に実装させるようにする。これにより、上記第1の主面10aを基板側実装面51aに相対させた時と同様の構成が実現され、本発明の第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサ200の種々の効果を反映した種々の効果を奏する。
c.3端子型積層セラミックコンデンサの製造方法
続いて、上記第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。ただし、本実施の形態の3端子型積層セラミックコンデンサの製造方法と第1の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの製造方法との相違点は積層シートの作製の工程の一部であり、第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法と共通する積層シートの作製の残りの工程及び他の各部の作製の工程については、詳細な説明は省略する。
第2の実施の形態に係る3端子型積層セラミックコンデンサの製造方法における積層シートの作製の工程は、以下の通りである。
本実施の形態においては、積層体の第1の側面側外層部及び第2の側面側外層部となる位置において、第1の塗布済み誘電体シートの内部電極層用の導電性ペーストが塗布されていない部分に対し、誘電体層用の誘電体ペーストを、例えばスクリーン印刷やグラビア印刷、インクジェットプリンタを用いた印刷等の方法により塗布する。具体的には、図18に示す第1の内部電極層及びそれが配置される誘電体層のレイアウトを参照して、第1の塗布済誘電体シートにおける、第1の対向電極部の第1の側面側の端辺より第1の側面側の塗布領域ARcに、誘電体層用の誘電体ペーストを塗布する。同様に、第1の塗布済み誘電体シートにおける、第1の対向電極部の第2の側面側の端辺より第2の側面側の塗布領域ARdに、誘電体層用の誘電体ペーストを塗布する。
これにより、第1の塗布済み誘電体シートにおける、第1の対向電極部の第1の側面側の端辺に一致する境界Bcに相当する箇所より第1の側面側の塗布領域ARcおよび第1の対向電極部の第2の側面側の端辺に一致する境界Bdに相当する箇所より第2の側面側の塗布領域ARdの厚みを厚くすることができる。
続いて、内部電極層のパターンが印刷されていない外層用の誘電体シートが所定枚数積層されることにより、第2の主面側の第2の主面側外層部となる部分が形成される。そして、第2の主面側外層部となる部分の上に第1の内部電極層のパターンが印刷された第1の塗布済み誘電体シート、および第2の内部電極層のパターンが印刷された第2の塗布済み誘電体シートを本発明の構造となるように順次積層されることにより、内層部を含む部分が形成される。この内層部を含む部分の上に、内部電極層のパターンが印刷されてない外層用の誘電体シートが所定枚数積層されることにより、第1の主面側の第1の主面側外層部となる部分が形成される。
内層部を含む部分を形成する際に、第2の塗布済み誘電体シートに対して第1の塗布済み誘電体シートを積層すると、第1の塗布済み誘電体シートは、第2の塗布済み誘電体シートの第2の対向電極部にとなる部分の両端面側に位置する境界Ba,Bbに沿ってその両端部分が積層方向xに屈曲する。これにより、積層体の第1の内部電極層において第1の屈曲部および第2の屈曲部に対応する部位が形成される。
さらに、内層部を含む部分を形成する際に、第2の塗布済み誘電体シートに対して第1の塗布済み誘電体シートを積層すると、第2の塗布済み誘電体シートは、第1の塗布済み誘電体シートの第1の対向電極部にとなる部分の両側面側に位置する境界Bc,Bdに沿ってその両側面側の部分が積層方向xに屈曲する。これにより、積層体の第2の内部電極層において第3の屈曲部および第4の屈曲部に対応する部位が形成される。
このとき、積層体を構成する全ての第2の塗布済み誘電体シートに対して誘電体ペーストを塗布した構成とすることにより、誘電体ペーストが塗布された部分の厚みは、塗布されていない部分の厚みより大きく、かつ積層枚数に応じて漸増する。その結果、図9に示すような、完成後の積層体の第1の端面側外層部及び第2の端面側外層部において、第1の内部電極層又は第2の内部電極層の厚みC、内層部における誘電体層の厚みB、及び上記誘電体ぺーストによって形成される誘電体層、すなわち積層方向xに沿って隣り合う一対の第1の端面側引出電極部に挟まれる誘電体層の厚みA1、積層方向xに沿って隣り合う一対の第2の端面側引出電極部に挟まれる誘電体層の厚みをA2としたときに、厚みA1、A2、B及びCの間にA1>2×B+C、A2>2×B+Cの関係をもたせることができる。
また、積層体を構成する全ての第1の塗布済み誘電体シートに対して誘電体ペーストを塗布した構成とすることにより、誘電体ペーストが塗布された部分の厚みは、塗布されていない部分の厚みより大きく、かつ積層枚数に応じて漸増する。その結果、図19に示すような、完成後の積層体の第1の側面側外層部及び第2の側面側外層部において、第1の内部電極層又は第2の内部電極層の厚みC、内層部における誘電体層の厚みB、及び上記誘電体ぺーストによって形成される誘電体層、すなわち積層方向xに沿って隣り合う一対の第1の側面側引出電極部に挟まれる誘電体層の厚みA3、積層方向xに沿って隣り合う一対の第2の側面側引出電極部に挟まれる誘電体層の厚みをA4としたときに、厚みA1、A2、B及びCの間にA3>2×B+C、A4>2×B+Cの関係をもたせることができる。
上記のようにして、第2の実施の形態の3端子型積層セラミックコンデンサが得られる。
D.実験例1
上記の製造方法にしたがって、図1に示す3端子型積層セラミックコンデンサを以下のように作製し、ESLを測定した。
(a)実験例1の試料の仕様
実験例1として、以下の仕様の3端子型積層セラミックコンデンサを準備した。準備した試料の仕様は以下の通りとした。
・3端子型積層セラミックコンデンサの寸法(設計値):L×W×T=1.136mm×0.632mm×0.361mm
・誘電体層の主成分の材料:BaTiO3
・容量:7.29μF
・定格電圧:4V
・誘電体層の層厚み(厚みB):表1を参照
・第1の内部電極層の電極材料:Ni
・第1の内部電極層の枚数:117枚
・第1の内部電極層の厚み(厚みC):0.56μm
・第1の端面側引出電極部(総計117枚)及び第2の端面側引出電極部(総計117枚)に、幅方向y視で実装基板側に向かって屈曲する第1の屈曲部および第2の屈曲部を形成した。
試料番号1の試料は、第1の端面と第1の端面側の内層部の最表面と間の長さ方向zの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをA1とし、第2の端面と第2の端面側の内層部の最表面と間の長さ方向zの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをA2とし、内層部の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層および第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層の厚みをBとし、内層部の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層または第2の内部電極層の厚みをCとしたとき、A1>2×B+C、A2>2×B+Cの関係とした。
試料番号2の資料は、上記厚みA1、A2、B及びCに対して、A1≒2×B+C、A2≒2×B+Cの関係とした。
試料番号3の試料は、上記厚みA1、A2、B及びCに対して、A1<2×B+C、A2<2×B+Cの関係とした。
(b)厚みA1、A2、B及びCの測定方法
上記A、B及びCの各厚みは、以下のようにして測定した。
(A1の測定方法)
第1の端面側外層部の長さ方向寸法の1/2の位置に位置する積層方向で隣り合う第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みA1は、以下の方法により測定した。
すなわち、まず、試料である3端子型積層セラミックコンデンサの断面を露出させた。具体的には、3端子型積層セラミックコンデンサの1/2Wの位置となるまで、研磨を行い側面と略平行になるように研磨し、LT断面を露出させた。次に、研磨断面における第1の端面側外層部の長さ方向寸法の1/2の位置に位置する積層方向で隣り合う第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定した。このとき、第1の端面側外層部の隣り合う第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の最も第1の主面側もしくは最も第2の主面側から連続する計10層の誘電体層の厚みを測定し、それを平均値化したものを1つの3端子型積層セラミックコンデンサのA1の寸法とした。
(A2の測定方法)
第2の端面側外層部の長さ方向寸法の1/2の位置に位置する積層方向で隣り合う第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みA2は、以下の方法により測定した。
すなわち、まず、試料である3端子型積層セラミックコンデンサの断面を露出させた。具体的には、3端子型積層セラミックコンデンサの1/2Wの位置となるまで、研磨を行い側面と略平行になるように研磨し、LT断面を露出させた。次に、研磨断面における第2の端面側外層部の長さ方向寸法の1/2の位置に位置する積層方向で隣り合う第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定した。このとき、第2の端面側外層部の隣り合う第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の最も第1の主面側もしくは最も第2の主面側から連続する計10層の誘電体層の厚みを測定し、それを平均値化したものを1つの3端子型積層セラミックコンデンサのA2の寸法とした。
(Bの測定方法)
内層部の中央部に位置する積層方向で隣り合う第1の内部電極層および第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みBは、以下の方法により測定した。
すなわち、まず、試料である3端子型積層セラミックコンデンサの断面を露出させた。具体的には、3端子型積層セラミックコンデンサの1/2Wの位置となるまで、研磨を行い側面と略平行になるように研磨し、LT断面を露出させた。次に、研磨断面における内層部中央部において、積層方向で隣り合う第1の内部電極層と第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定した。このとき、内層部の中央部に位置する積層方向で隣り合う第1の内部電極層および第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の連続する計10層の誘電体層の厚みを測定し、それを平均値化したものを1つの3端子型積層セラミックコンデンサのBの寸法とした。
(Cの測定方法)
内層部の中央部に位置する積層方向で隣り合う第1の内部電極層または第2の内部電極層の厚みCは、以下の方法により測定した。
すなわち、まず、3端子型積層セラミックコンデンサの断面を露出させた。具体的には、3端子型積層セラミックコンデンサの1/2Wの位置となるまで、研磨を行い側面と略平行になるように研磨し、LT断面を露出させた。次に、研磨断面における内層部中央部において、積層方向で隣り合う第1の内部電極層または第2の内部電極層の厚みを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定した。このとき、第1の内部電極層または第2の内部電極層の隣り合う計10層の内部電極層の厚みを測定し、それを平均値化したものを1つの3端子型積層セラミックコンデンサのCの寸法とした。
(c)ESLの測定方法
実験例1の各試料番号の試料を、それぞれ実装面を有する実装基板に実装し、回路基板のサンプルを作製した。これらの回路基板のランドを介して各外部電極に電圧を印加し、ESL値を測定した。具体的には、各外部電極に電圧を印加し、ネットワークアナライザ(社名:アジレント社製、型番:E5071B)を用いて、周波数が100MHzの場合の各サンプルのESL値を測定した。各試料番号の試料数は、それぞれ5個とした。そして、各試料番号の試料のESL値は、5個の平均値として算出した。なお、合格品の判定基準は、110pH以下とした。
(d)結果
表1は、試料番号1ないし試料番号3の試料に対するESL測定結果を示す。
Figure 2023127508000002

表1の結果から、試料番号1の試料は、第1の端面と第1の端面側の内層部の最表面と間の長さ方向zの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをA1とし、第2の端面と第2の端面側の内層部の最表面と間の長さ方向zの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをA2とし、内層部の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層および第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをBとし、内層部の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層または第2の内部電極層の厚みをCとしたとき、試料番号1の試料は、A1>2×B+CおよびA2>2×B+Cの条件を備えているので、試料番号1ないし試料番号3の試料のうち、最も良好なESLが得られた。
また、試料番号1ないし試料番号3のいずれも端面側引出電極部には屈曲部が設けられている場合、試料番号1ないし試料番号3の各試料のESRの結果から、「A1およびA2」と「2×B+C」との間の関係が、積層セラミックコンデンサのESLに影響しうることが確認された。
E.実験例2
上記の製造方法にしたがって、図15に示す3端子型積層セラミックコンデンサを以下のように作製し、ESLを測定した。
(a)実験例2の試料の仕様
実験例2として、以下の仕様の3端子型積層セラミックコンデンサを準備した。準備した試料の仕様は以下の通りとした。
・3端子型積層セラミックコンデンサの寸法(設計値):L×W×T=1.136mm×0.632mm×0.361mm
・誘電体層の主成分の材料:BaTiO3
・容量:7.29μF
・定格電圧:4V
・誘電体層の層厚み(厚みB):表1を参照
・第1の内部電極層の電極材料:Ni
・第1の内部電極層の枚数:117枚
・第1の内部電極層の厚み(厚みC):0.56μm
・隣接する一対の第1の端面側引出電極部(総計117枚)の間に位置する誘電体層の厚みに関し、第1の端面側の厚みA1は1.94μmに固定し、第2の端面側の厚みA2は1.97μmに固定した。
・第1の端面側引出電極部(総計117枚)及び第2の端面側引出電極部(総計117枚)に、幅方向y視で実装基板側に向かって屈曲する第1の屈曲部および第2の屈曲部を形成し、さらに、第1の側面側引出電極部(総計117枚)及び第2の側面側引出電極部(総計117枚)に、幅方向y視で実装基板側に向かって屈曲する第3の屈曲部および第4の屈曲部を形成した。
試料番号4の試料は、第1の側面10cと第1の側面10c側の内層部14の最表面と間の幅方向yの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層12の厚みをA3とし、第2の側面10dと第2の側面10d側の内層部14の最表面と間の幅方向yの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21との間に位置する誘電体層12の厚みをA4とし、内層部14の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21および第2の内部電極層22との間に位置する誘電体層12の厚みをBとし、内層部14の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層21または第2の内部電極層22の厚みをCとしたとき、A3>2×B+C、A4>2×B+Cの関係とした。
試料番号5の試料は、上記厚みA3、A4、厚みB及び厚みCに対して、A3≒2×B+C、A4≒2×B+C、の関係とした。
試料番号6は、上記厚みA3、A4、厚みB及び厚みCに対して、A3<2×B+C、A4<2×B+Cの関係とした。
(b)厚みA3及びA4の測定方法
上記A3及びA4の各厚みは、以下のようにして測定した。なお、厚みA1、A2、B、Cのそれぞれは、実験例1に記載の測定方法と同一とした。
(A3の測定方法)
第1の側面側外層部の幅方向寸法の1/2の位置に位置する積層方向で隣り合う第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みA3は、以下の方法により測定した。
すなわち、まず、3端子型積層セラミックコンデンサの断面を露出させた。具体的には、3端子型積層セラミックコンデンサの1/2Lの位置となるまで、研磨を行い端面と略平行になるように研磨し、WT断面を露出させた。次に、研磨断面における第1の側面側外層部の長さ方向寸法の1/2の位置に位置する積層方向で隣り合う第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定した。この時、第1の側面側外層部の隣り合う第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の最も第1の主面側もしくは最も第2の主面側から連続する計10層の誘電体層の厚みを測定し、それを平均値化したものを1つの3端子型積層セラミックコンデンサのA3の寸法とした。
(A4の測定方法)
第2の側面側外層部の幅方向寸法の1/2の位置に位置する積層方向で隣り合う第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みA4は、以下の方法により測定した。
すなわち、まず、3端子型積層セラミックコンデンサの断面を露出させた。具体的には、3端子型積層セラミックコンデンサの1/2Lの位置となるまで、研磨を行い端面と略平行になるように研磨し、WT断面を露出させた。次に、研磨断面における第1の側面側外層部の長さ方向寸法の1/2の位置に位置する積層方向で隣り合う第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定した。この時、第2の側面側外層部の隣り合う第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の最も第1の主面側もしくは最も第2の主面側から連続する計10層の測定し、それを平均値化したものを1つの3端子型積層セラミックコンデンサのA4の寸法とした。
(c)ESLの測定方法
実験例2の各試料番号の試料を、それぞれ実装面を有する実装基板に実装し、回路基板のサンプルを作製した。これらの回路基板のランドを介して各外部電極に電圧を印加し、ESL値を測定した。具体的には、各外部電極に電圧を印加し、ネットワークアナライザ(社名:アジレント社製、型番:E5071B)を用いて、周波数が100MHzの場合の各サンプルのESL値を測定した。各試料番号の試料数は、それぞれ5個とした。そして、各試料番号の試料のESL値は、5個の平均値として算出した。なお、合格品の判定基準は、110pH以下とした。
(d)結果
表2は、試料番号4ないし試料番号6の試料に対するESL測定結果を示す。
Figure 2023127508000003
表2の結果から、試料番号6の試料は、第1の端面と第1の端面側の内層部の最表面と間の長さ方向zの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをA1とし、第2の端面と第2の端面側の内層部の最表面と間の長さ方向zの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをA2とし、内層部の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層および第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをBとし、内層部の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層または第2の内部電極層の厚みをCとしたとき、試料番号1の試料は、A1>2×B+CおよびA2>2×B+Cの条件を備えており、かつ、第1の側面10cと第1の側面側の内層部14の最表面と間の幅方向yの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをA3とし、第2の側面と第2の側面側の内層部の最表面と間の幅方向yの寸法の1/2の位置に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをA4とし、内層部の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層および第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをBとし、内層部の中央部に位置する積層方向xで隣り合う第1の内部電極層または第2の内部電極層の厚みをCとしたとき、A3>2×B+C、A4>2×B+C条件を備えているので、試料番号1ないし試料番号6の試料のうち、最も良好なESLが得られた。
また、試料番号1ないし試料番号3のいずれも端面側引出電極部には屈曲部が設けられ、側面側引出電極部に屈曲部が設けられている場合、試料番号4ないし試料番号6の各試料のESRの結果から、「A3およびA4」と「2×B+C」との間の関係が、積層セラミックコンデンサのESLに影響しうることが確認された。
なお、以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
更に、第1の内部電極層21a~21dの第1の端面側引出電極部25a~25dの組及び第2の端面側引出電極部27a~27dの組は、いずれ一方の一組が屈曲部を有するものとしてもよい。
同様に、第2の内部電極層22a~22dの第1の側面側引出電極部26a~26dの組及び第2の側面側引出電極部28a~28dの組は、いずれ一方の一組が屈曲部を有するものとしてもよい。
更に、第1の内部電極層21a~21dの第1の端面側引出電極部25a~25dの組及び第2の端面側引出電極部27a~27dの組の各々について、その組に含まれる一部の引出電極部が屈曲部を有するものとしてもよい。
同様に、第2の内部電極層22a~22dの第1の側面側引出電極部26a~26dの組及び第2の側面側引出電極部28a~28dの組の各々について、その組に含まれる一部の引出電極部が屈曲部を有するものとしてもよい。
このように、本発明の屈曲部は、積層体が有する複数の内部電極層の全部又は一部に、対向電極部と引出電極部との境界から引出電極部までの間に、外部電極が接続される実装面に向かって屈曲するように形成されているものであればよく、その他の具体的な構成によって限定されるものではない。
以上のように、本発明は、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
100、200 3端子型積層セラミックコンデンサ
500、600 3端子型積層セラミックコンデンサの実装構造
10 積層体
10a 第1の主面
10b 第2の主面
10c 第1の側面
10d 第2の側面
10e 第1の端面
10f 第2の端面
12 誘電体層
14 内層部
16a 第1の主面側外層部
16b 第2の主面側外層部
16c 第1の側面側外層部
16d 第2の側面側外層部
16e 第1の端面側外層部
16f 第2の端面側外層部
20 内部電極層
21、21a、21b、21c、21d 第1の内部電極層
23a、23b、23c、23d 第1の対向電極部
25a、25b、25c、25d 第1の端面側引出電極部
27a、27b、27c、27d 第2の端面側引出電極部
22、22a、22b、22c、22d 第2の内部電極層
24a、24b、24c、24d 第2の対向電極部
26a、26b、26c、26d 第1の側面側引出電極部
28a、28b、28c、22d 第2の側面側引出電極部
29a 第1の屈曲部
29b 第2の屈曲部
29c 第3の屈曲部
29d 第4の屈曲部
30 外部電極
30a 第1の外部電極
30b 第2の外部電極
30c 第3の外部電極
30d 第4の外部電極
32 下地電極層
32a 第1の下地電極層
32b 第2の下地電極層
32c 第3の下地電極層
32d 第4の下地電極層
34 めっき層
34a 第1のめっき層
34b 第2のめっき層
34c 第3のめっき層
34d 第4のめっき層
36 下層めっき層
36a 第1の下層めっき層
36b 第2の下層めっき層
36c 第3の下層めっき層
36d 第4の下層めっき層
38 上層めっき層
38a 第1の上層めっき層
38b 第2の上層めっき層
38c 第3の上層めっき層
38d 第4の上層めっき層
50 実装基板
51 コア材
51a 基板側実装面
52 導体ランド
52a 第1の導体ランド
52b 第2の導体ランド
52c 第3の導体ランド
52d 第4の導体ランド
x 積層方向
y 幅方向
z 長さ方向

Claims (8)

  1. 積層された複数の誘電体層と、前記誘電体層上に積層された複数の内部電極層とを含み、積層方向に相対する第1の主面及び第2の主面と、前記積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面と、前記積層方向及び前記幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面及び第2の端面と、を有する積層体と、
    前記第1の端面上に配置される第1の外部電極と、
    前記第2の端面上に配置される第2の外部電極と、
    前記第1の側面上に配置される第3の外部電極と、
    前記第2の側面上に配置される第4の外部電極と、
    を備える積層セラミックコンデンサであって、
    前記積層体は、前記複数の内部電極層が対向する内層部を有し、
    前記複数の内部電極層は、第1の内部電極層と第2の内部電極層とを有し、
    前記第1の内部電極層は、前記第2の内部電極層と対向する第1の対向電極部と、前記第1の対向電極部から延び、前記第1の端面に引き出される第1の引出電極部と、前記第1の対向電極部から延び、前記第2の端面に引き出される第2の引出電極部と、を有し、
    前記第2の内部電極層は、前記第1の内部電極層と対向する第2の対向電極部と、前記第2の対向電極部から延び、前記第1の側面に引き出される第3の引出電極部と、前記第2の対向電極部から延び、前記第2の側面に引き出される第4の引出電極部と、を有し、
    前記第1の引出電極部は、第1の屈曲部を有し、
    前記第2の引出電極部は、第2の屈曲部を有し、
    前記第1の屈曲部により、前記第1の引出電極部の一部または全部が、前記第1の主面または前記第2の主面のいずれか一方に向くように屈曲して配置され、
    前記第2の屈曲部により、前記第2の引出電極部の一部または全部が、前記第1の主面または前記第2の主面のいずれか一方に向くように屈曲して配置される、
    積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記第1の屈曲部は、前記第1の端面と前記第1の端面側の前記内層部の最表面と間の長さ方向の寸法の1/2の位置よりも前記内層部側に位置しており、
    前記第2の屈曲部は、前記第2の端面と前記第2の端面側の前記内層部の最表面と間の長さ方向の寸法の1/2の位置よりも前記内層部側に位置している、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記第1の端面と前記第1の端面側の前記内層部の最表面と間の前記長さ方向の寸法の1/2の位置に位置する前記積層方向で隣り合う前記第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをA1、
    前記第2の端面と前記第2の端面側の前記内層部の最表面と間の前記長さ方向の寸法の1/2の位置に位置する前記積層方向で隣り合う前記第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをA2、
    前記内層部の中央部に位置する前記積層方向で隣り合う前記第1の内部電極層および前記第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをB、
    前記内層部の中央部に位置する前記積層方向で隣り合う前記第1の内部電極層または前記第2の内部電極層の厚みをC、
    としたとき、A1>2×B+C、A2>2×B+Cの関係にある、請求項1または請求項2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記第3の引出電極部は、第3の屈曲部を有し、
    前記第4の引出電極部は、第4の屈曲部を有し、
    前記第3の屈曲部により、前記第3の引出電極部の一部または全部が、前記第1の主面または前記第2の主面のいずれか一方に向くように屈曲して配置され、
    前記第4の屈曲部により、前記第4の引出電極部の一部または全部が、前記第1の主面または前記第2の主面のいずれか一方に向くように屈曲して配置される、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記第3の屈曲部は、前記第1の側面と前記第1の側面側の前記内層部の最表面と間の前記幅方向の寸法の1/2の位置よりも前記内層部側に位置しており、
    前記第4の屈曲部は、前記第2の側面と前記第2の側面側の前記内層部の最表面と間の前記幅方向の寸法の1/2の位置よりも前記内層部側に位置している、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記第1の側面と前記第1の側面側の前記内層部の最表面と間の前記幅方向の寸法の1/2の位置に位置する前記積層方向で隣り合う前記第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをA3、
    前記第2の側面と前記第2の側面側の前記内層部の最表面と間の前記幅方向の寸法の1/2の位置に位置する前記積層方向で隣り合う前記第1の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをA4、
    前記内層部の中央部に位置する前記積層方向で隣り合う前記第1の内部電極層および前記第2の内部電極層との間に位置する誘電体層の厚みをB、
    前記内層部の中央部に位置する前記積層方向で隣り合う前記第1の内部電極層または前記第2の内部電極層の厚みをC、
    としたとき、A3>2×B+C、A4>2×B+Cの関係にある、請求項1または請求項2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 実装基板と、
    前記実装基板に実装された積層セラミックコンデンサとを備え、
    前記積層セラミックコンデンサは請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサであり、
    前記実装基板は、基板のコア材と、
    前記コア材上に配置された前記第1の外部電極と接続される第1の接続導体と、
    前記コア材上に配置された前記第2の外部電極と接続される第2の接続導体と、
    前記コア材上に配置された前記第3の外部電極と接続される第3の接続導体と、
    前記コア材上に配置された前記第4の外部電極と接続される第4の接続導体と、
    を有し、
    前記積層セラミックコンデンサは、最も前記第1の主面寄りまたは最も前記第2の主面寄りの前記第1の端面および前記第2の端面に引き出される前記第1の引出電極部および前記第2の引出電極部と、前記実装基板の実装面までとの距離が、最短距離となるように、前記第1の主面または前記第2の主面が前記実装基板側に向くように実装される、積層セラミックコンデンサの実装構造。
  8. 前記積層セラミックコンデンサは請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサであり、
    前記積層セラミックコンデンサは、最も前記第1の主面寄りまたは最も前記第2の主面寄りの前記第1の側面および前記第2の側面に引き出される前記第3の引出電極部および前記第4の引出電極部と、前記実装基板の実装面までとの距離が、最短距離となるように、前記第1の主面または前記第2の主面が前記実装基板側に向くように実装される、請求項7に記載の積層セラミックコンデンサの実装構造。
JP2022031342A 2022-03-01 2022-03-01 積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの実装構造 Pending JP2023127508A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022031342A JP2023127508A (ja) 2022-03-01 2022-03-01 積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの実装構造
CN202211629010.2A CN116705509A (zh) 2022-03-01 2022-12-01 层叠陶瓷电容器及层叠陶瓷电容器的安装构造
US18/107,539 US20230282418A1 (en) 2022-03-01 2023-02-09 Multilayer ceramic capacitor and mounting structure of multilayer ceramic capacitor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022031342A JP2023127508A (ja) 2022-03-01 2022-03-01 積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの実装構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023127508A true JP2023127508A (ja) 2023-09-13

Family

ID=87824534

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022031342A Pending JP2023127508A (ja) 2022-03-01 2022-03-01 積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの実装構造

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20230282418A1 (ja)
JP (1) JP2023127508A (ja)
CN (1) CN116705509A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
US20230282418A1 (en) 2023-09-07
CN116705509A (zh) 2023-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7859823B2 (en) Multi-layered ceramic electronic component
JP4930609B2 (ja) 積層セラミック電子部品
US10971308B2 (en) Multilayer capacitor
CN112614697B (zh) 层叠陶瓷电容器
JP7363654B2 (ja) 積層セラミック電子部品
US11791102B2 (en) Multilayer ceramic electronic component and mount structure for multilayer ceramic electronic component
KR20160109858A (ko) 적층 세라믹 전자부품, 그 제조방법 및 전자부품이 실장된 회로기판
JP2022039808A (ja) 積層セラミックコンデンサ
US20230187138A1 (en) Ceramic electronic component
JP2022191911A (ja) 積層セラミック電子部品
JP2019212727A (ja) 積層セラミックコンデンサおよび積層セラミックコンデンサの実装構造
KR20190006883A (ko) 적층 세라믹 커패시터 및 그의 제조 방법
JP2023127508A (ja) 積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの実装構造
US11133131B2 (en) Multilayer ceramic electronic component
JP7273373B2 (ja) 積層セラミック電子部品
JP7196817B2 (ja) 積層セラミックコンデンサの使用方法および積層セラミックコンデンサの実装方法
CN114496562A (zh) 多层电容器
WO2024014093A1 (ja) 積層セラミックコンデンサおよび積層セラミックコンデンサの実装構造
WO2024018718A1 (ja) 積層セラミック電子部品および積層セラミック電子部品の実装構造
JP7302529B2 (ja) 積層セラミックコンデンサの使用方法および積層セラミックコンデンサの実装方法
KR102449364B1 (ko) 적층 세라믹 전자부품
US20230139075A1 (en) Multilayer capacitor
US20230162918A1 (en) Multilayer ceramic electronic component
WO2024018720A1 (ja) 積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの製造方法
JP2022129066A (ja) 積層セラミックコンデンサ