JP2023122255A - 枠体および建具 - Google Patents

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Hironori Ishii
琢二 山口
Takuji Yamaguchi
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Katsuya Murayama
心互 松村
Shingo Matsumura
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Abstract

【課題】火災時にビスホールからビスが外れることを所定時間維持できて防火性能を向上できる枠体および建具を提供すること【解決手段】下框52は、室外見付け面部521と、室内見付け面部522と、ビスホール526が形成された内周側見込み面部523と、外周側見込み面部524とで区画される中空部525を有する。縦框の内周側見込み面部533は、ビスホール526に螺合される組立ネジ91が挿通される挿通孔5331を有する。下框52の中空部525に配置される補強材62は、ビスホール526の組立ネジ91と螺合する螺合領域の少なくとも一部において内周側見込み面部523に対してビスホール526を挟んで対向配置される内周見込み片622と、室外見付け面部521に沿って設けられる見付け片621とを有する。内周見込み片622には加熱発泡材86が設けられる。【選択図】図5

Description

本発明は、枠体および建具に関する。
建物の開口に取り付けられた開口枠と、この開口枠に開閉可能に支持された開閉体とを備えた建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。開閉体は、例えば、取付枠と窓ユニットとを備え、取付枠は、上取付枠、下取付枠、一対の縦取付枠を四周枠組みして方形状に構成される。具体的には、上取付枠および下取付枠は、内部に中空部を有し、この中空部に面するビスホールが形成されている。そして、上取付枠および下取付枠の左右両端の小口を、左右の縦取付枠の側面に当接し、縦取付枠から上下取付枠の各ビスホールにビスを螺合することで、取付枠は四周枠組みされて方形状に構成される。
上取付枠および下取付枠の中空部には、ビスホールにおいてビスと螺合する挿入領域の室外側を覆う補強部を両端に有する金属製の補強材が設けられている。この補強材により、枠体が火災等により加熱されたとしても、ビスホールの挿入領域が加熱により変形等してしまうまでに所定時間を確保することが可能になり、ある程度の加熱環境下においても枠体が所望の形状を所定時間保持することができて防火性能を向上できる。
特開2014-202036号公報
しかしながら、ビスホールは断面略C字状に形成され、中空部側に面する開口溝が長手方向に連続しているため、アルミ形材製の取付枠が加熱されると、金属製の補強材でビスホールの室外側を覆っていても、熱が伝わってビスホールが軟化し、ビスホールの開口溝が広がってビスが外れてしまうという課題がある。
本発明の目的は、火災時にビスホールからビスが外れることを防止できて防火性能を向上できる枠体および建具を提供することにある。
本発明の枠体は、一対の第1框材と、一対の第2框材とを枠組みして構成される枠体であって、前記第1框材は、室外見付け面部と、室内見付け面部と、内周側見込み面部と、外周側見込み面部とで区画される中空部を有し、少なくとも前記内周側見込み面部には、前記中空部に配置されるビスホールが形成され、前記第2框材は、前記第1框材の小口が当接される当接面部を有し、この当接面部には前記ビスホールに螺合される組立ネジが挿通される挿通孔が形成され、前記一対の第1框材のうちの少なくとも一方の前記第1框材の前記中空部には金属製の補強材が配置され、前記補強材は、前記ビスホールの前記組立ネジと螺合する螺合領域の少なくとも一部において前記内周側見込み面部に対して前記ビスホールを挟んで対向配置される内周見込み片と、前記室外見付け面部に沿って設けられる見付け片と、を有し、前記内周見込み片には加熱発泡材が設けられていることを特徴とする。
本発明の建具は、四周枠組みして方形状に構成された開口枠と、前記開口枠に開閉自在に配置される開閉体と、を備えた建具において、前記開閉体は、前記枠体を備えて構成されることを特徴とする。
本発明の枠体および建具によれば、火災時にビスホールからビスが外れることを所定時間維持できて防火性能を向上できる。
本発明の実施形態の建具であるテラスドアを示す外観姿図である。 前記実施形態のテラスドアの縦断面図である。 前記実施形態のテラスドアの横断面図である。 前記実施形態の下框の室外部材および補強材を示す斜視図である。 (A)は下框および補強材の縦断面図であり、(B)は下框および補強材の要部を示す断面図である。 縦框および補強材の要部を示す横断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から図3に示すように、本実施形態のドア1は、建物の開口に取り付けられたドア枠2と、このドア枠2内に配置されたドア本体5とを備えるテラスドアである。
ドア枠2は、図1に示すように、上枠10、下枠20、左右の縦枠30、40を四角枠状に接合して形成されている。
上枠10は、図2に示すように、アルミ形材で構成された上枠本体11と、合成樹脂製のカバー材15とを備えて構成されている。同様に、図2および図3に示すように、下枠20、縦枠30、40は、アルミ形材で構成された下枠本体21、縦枠本体31、41と、合成樹脂製のカバー材25、35、45とを備えて構成されている。
各カバー材15、25、35、45には、ドア本体5の室内面に当接する気密材19、29、39、49が取り付けられている。これらの気密材19、29,39、49によって、ドア枠2とドア本体5との隙間101~104から室内空間に外気が流入することを防止している。
ドア本体5は、図1に示すように、上框51、下框52、左右の縦框53、54を枠組みして構成される枠体5Aと、枠体5Aの内部に組み込まれる複層ガラス59とを備えて構成されている。
ドア本体5の吊元側の縦框53は、丁番55を介してドア枠2の吊元側の縦枠30に取り付けられる。これにより、ドア本体5はドア枠2に開閉自在に取り付けられている。ドア本体5の戸先側の縦框54には、ハンドル56が取り付けられている。
縦框53には、図3に示すように、気密材39の室外側で隙間103を塞ぐ気密材57が取り付けられている。縦框54のエッジカバー部分には気密材58が取り付けられている。
上枠10およびドア本体5の上框51には、図2に示すように、ドアクローザー90が取り付けられている。
[枠体]
図1に示すように、枠体5Aは、上框51および下框52の小口を、縦框53、54に当接させて固定している、いわゆる縦勝ちの枠体である。このため、本実施形態では第1框材は上框51および下框52であり、第2框材は縦框53、54である。
[上框]
上框51は、図2に示すように、アルミ製の室外部材510と、合成樹脂製の室内部材519とを組み合わせて構成され、断熱性を向上させている。
室外部材510は、室外見付け面部511と、室内見付け面部512と、内周側見込み面部513と、外周側見込み面部514とで区画される中空部515を有する。内周側見込み面部513および外周側見込み面部514には、中空部515に配置されるビスホール516および第2ビスホール517が形成されている。
中空部515には、スチールやステンレスなどの金属製の補強材61が上框51の長手方向の略全長に亘って配置されている。補強材61は、室外見付け面部511に沿って配置される見付け片611と、内周側見込み面部513に対してビスホール516を挟んで対向配置される内周見込み片612とを備え、断面L字状に形成されている。
補強材61は、内周側見込み面部513から内周見込み片612にネジ込まれるビス615で固定されている。このため、補強材61は、内周見込み片612がビスホール516に当接した状態で内周側見込み面部513に固定されている。なお、ビス615は、補強材61の長手方向に沿って複数箇所に設けられ、その数は補強材61の長さ寸法に応じて設定されている。
上框51の室外見付け面部511の下端部と、内周側見込み面部513と、室内部材519の下端部とで、複層ガラス59を保持する凹溝が形成されている。
この凹溝には、断面略L字状の金属製の補強材71がビス615で内周側見込み面部513に固定されている。
[下框]
下框52は、図2および図4~図6に示すように、アルミ製の室外部材520と、合成樹脂製の室内部材529とを組み合わせて構成され、断熱性を向上させている。なお、図4は、室外部材520に対して、補強材62を側方にスライドさせた図であり、室外部材520と補強材62との長手方向の位置は実際の組み込み状態とは異なる。
室外部材520は、上框51と同様に、室外見付け面部521と、室内見付け面部522と、内周側見込み面部523と、外周側見込み面部524とで区画される中空部525を有する。
内周側見込み面部523および外周側見込み面部524には、中空部525に配置されるビスホール526および第2ビスホール527が形成されている。また、図4に示すように、内周側見込み面部523には、長手方向の中央部と、左右両端の近傍との3箇所に、平面矩形状の排水孔5231が形成されている。
中空部525には、スチールやステンレスなどの金属製の補強材62が下框52の長手方向の略全長に亘って配置されている。補強材62は、図4および図5に示すように、室外見付け面部521に沿って配置される見付け片621と、内周側見込み面部523に対してビスホール526を挟んで対向配置される内周見込み片622と、外周側見込み面部524に対して第2ビスホール527を挟んで対向配置される外周見込み片623とを備え、断面略コ字状に形成されている。
補強材62の長手方向の両端部、すなわち、縦框53、54側の端部には、内周見込み片622および外周見込み片623は形成されておらず、見付け片621から上方に延出する延出片624と、見付け片621から下方に延出する第2延出片625とが設けられている。
内周見込み片622には、排水孔626が形成されている。排水孔626は、内周側見込み面部523の排水孔5231に対応する3箇所の位置、つまり、補強材62を中空部525内の所定位置に配置した際に、各排水孔5231の直下となる位置にそれぞれ形成されている。
長手方向において、各排水孔626の位置には、見付け片621から上方に延出する延出片627が設けられている。また、外周見込み片623には、丸孔状の排水孔628が設けられている。排水孔628は、両端部近傍の2箇所に形成され、両端部近傍の2箇所の排水孔626よりも僅かに中央側の位置に形成されている。
補強材62は、内周側見込み面部523から内周見込み片622のネジ穴6221にネジ込まれるビス629で固定されている。このため、補強材62は、内周見込み片622がビスホール526に当接した状態で内周側見込み面部523に固定されている。なお、ビス629は、図4に示すように、補強材62の長手方向に沿って複数箇所に設けられている。
図2および図5に示すように、下框52の室外見付け面部521の上端部と、内周側見込み面部523と、室内部材529の上端部とで、複層ガラス59を保持する凹溝が形成されている。
この凹溝には、断面略コ字状の金属製の補強材72が配置され、補強材72はビス629で内周側見込み面部523に固定されている。
[縦框(吊元側)]
吊元側の縦框53は、図3および図6に示すように、アルミ製の室外部材530と、合成樹脂製の室内部材539とを組み合わせて構成され、断熱性を向上させている。
室外部材530は、図6に示すように、室外見付け面部531と、室内見付け面部532と、内周側見込み面部533と、外周側見込み面部534とで区画される中空部535を有する。
中空部535には、スチールやステンレスなどの金属製の補強材63が縦框53の長手方向の略全長に亘って配置されている。補強材63は、室外見付け面部531に沿って配置される見付け片631と、内周側見込み面部533に沿って配置される内周見込み片632とを備え、断面L字状に形成されている。
補強材63は、内周側見込み面部533からネジ込まれるビス635で固定されている。このため、補強材63は、内周見込み片632が内周側見込み面部533に当接した状態で内周側見込み面部533に固定されている。ビス635は、補強材63の長手方向である上下方向に沿って複数箇所に設けられている。
内周側見込み面部533は、上框51および下框52の左右両端の小口が当接される当接面部である。そして、図5(B)に示すように、縦框53の内周側見込み面部533および補強材63の内周見込み片632の下端部には、下框52のビスホール526にネジ込まれる組立ネジ91が挿通される挿通孔5331および挿通孔6321と、下框52の第2ビスホール527にネジ込まれる第2組立ネジ92が挿通される第2挿通孔5332および第2挿通孔6322とが形成されている。
また、図6に示すように、外周側見込み面部534には、挿通孔5331および第2挿通孔5332に対向する位置に、組立ネジ91および第2組立ネジ92を挿入するための挿入孔5341が形成されている。
組立ネジ91および第2組立ネジ92は、先端側のネジ山に比べて、頭部側のネジ山の高さが高くなるように構成されている。このため、先端側のネジ山の高さが低いので、ビスホール526および第2ビスホール527に組立ネジ91、第2組立ネジ92を容易にネジ込むことができる。そして、頭部側のネジ山の高さが高いので、組立ネジ91、第2組立ネジ92を完全にネジ込んだ場合には、ビスホール526および第2ビスホール527に組立ネジ91、第2組立ネジ92を強固に結合することができる。
なお、上框51と縦框53との接合構造は、下框52と縦框53との接合構造と同様なので説明を省略する。
[縦框(戸先側)]
戸先側の縦框54は、図3に示すように、アルミ製の室外部材540と、合成樹脂製の室内部材549とを組み合わせて構成され、断熱性を向上させている。
室外部材540は、室外見付け面部541と、室内見付け面部542と、内周側見込み面部543と、外周側見込み面部544とで区画される中空部545を有する。
中空部545には、スチールやステンレスなどの金属製の補強材64が縦框54の長手方向の略全長に亘って配置されている。補強材64は、補強材63と同様に断面L字状に形成され、内周側見込み面部543からネジ込まれる図示略のビスで固定されている。
内周側見込み面部543は、上框51および下框52の左右両端の小口が当接される当接面部であり、縦框53と同様に、縦框54と上框51、下框52とは、図示略の組立ネジ、第2組立ネジで固定されるため、説明を省略する。
縦框53、54の室外見付け面部531、541、内周側見込み面部533、543、室内部材539、549とで、複層ガラス59を保持する凹溝が形成されている。
これらの各凹溝には、断面略コ字状の金属製の補強材73、74が配置され、補強材73、74はビスで内周側見込み面部533、543に固定されている。
[加熱発泡材]
ドア枠2の上枠10、下枠20、縦枠30、40には、加熱発泡材80がそれぞれ貼られている。具体的には、上枠本体11、縦枠本体31、41の見込み面と、下枠本体21の見付け面とに加熱発泡材80がそれぞれ貼られている。火災時には、これらの加熱発泡材80が発泡して各隙間101~104を塞ぐことができる。また、カバー材35、45の気密材39、49の保持溝にも加熱発泡材81が配置されている。
ドア本体5の枠体5Aである上框51、下框52、縦框53、54の外周面には、火災時にドア枠2との隙間を塞ぐ加熱発泡材82がそれぞれ貼られている。また、複層ガラス59を保持する凹溝内においても、枠体5Aと複層ガラス59との間を塞ぐ加熱発泡材83が適宜配置されている。
さらに、補強材63、補強材64には、縦框53、54の中空部535、545を塞ぐ加熱発泡材84が上下方向の適宜な位置に貼られている。
次に、下框52内に配置される補強材62に貼られる加熱発泡材85、86について、図4~図6を参照して説明する。
加熱発泡材85は、補強材62の左右両端部において、延出片624の上端から見付け片621の下端部分まで貼られている。この加熱発泡材85は、補強材62の上端から下端近傍まで貼られているので、火災時に発泡することで、中空部525の左右両端を塞ぐことができる。
加熱発泡材86は、延出片624と延出片627との間に設けられた内周見込み片622の上面に貼られている。
ここで、下框52のビスホール526の左右両端部において、組立ネジ91が螺合される領域を螺合領域と定義し、下框52の第2ビスホール527の左右両端部において、第2組立ネジ92が螺合する領域を第2螺合領域と定義する。
図5および図6に示すように、延出片624に貼られた加熱発泡材85は、ビスホール526の螺合領域において組立ネジ91の頭部側のネジ山が螺合される部分に対向するように配置されている。このため、火災時に加熱発泡材85が発泡すると、ビスホール526において、組立ネジ91の頭部側のネジ山が螺合する領域を覆って保護することができる。
また、内周見込み片622の上面に貼られた加熱発泡材86は、ビスホール526の螺合領域において組立ネジ91の先端側のネジ山が螺合される部分に対向するように配置されている。このため、火災時に加熱発泡材86が発泡すると、ビスホール526において、組立ネジ91の先端側のネジ山が螺合する領域を覆って保護することができる。なお、加熱発泡材86は、内周見込み片622の上面に貼られており、火災時には、上方つまり内周側見込み面部523に向かって発泡するが、内周見込み片622および内周側見込み面部523間の高さ寸法はビスホール526の高さ寸法であり、比較的小さいため、発泡した加熱発泡材86は、室外見付け面部521、内周側見込み面部523、内周見込み片622、ビスホール526で区画される空間に充填され、ビスホール526の室外面を即座に覆うことができる。
また、加熱発泡材85および加熱発泡材86間には加熱発泡材が貼られていない部分もあるが、その部分も発泡した各加熱発泡材85、86が充填するため、ビスホール526の螺合領域の室外面は各加熱発泡材85、86で覆うことができる。
[実施形態の効果]
本実施形態の枠体5Aは、第1框材である下框52の中空部525に金属製の補強材62を配置し、この補強材62の内周見込み片622を、ビスホール526を挟んで内周側見込み面部523に対向配置するとともに、内周見込み片622においてビスホール526の室外側に加熱発泡材86を設けている。
このため、枠体5Aの室外側で火災が発生した場合、加熱発泡材86が発泡することでビスホール526の室外側を覆うことができ、ビスホール526を保護することができる。その上、ビスホール526の螺合領域の少なくとも一部において、ビスホール526の開口溝を金属製の内周見込み片622で塞ぐことができるため、ビスホール526が加熱によって軟化しても組立ネジ91は補強材62の内周見込み片622で保持され、組立ネジ91がビスホール526の開口溝から外れることを防止できる。以上のことから、火災時にビスホール526から組立ネジ91が外れてしまうことを防止でき、第1框材である上框51、下框52と、第2框材である縦框53、54とで構成される枠体5Aの構造を長時間維持でき、この枠体5A内に保持される複層ガラス59の脱落も防止でき、建具であるドア1の防火性能を向上できる。
補強材62に外周見込み片623を設けたので、第2組立ネジ92が螺合される第2ビスホール527の第2螺合領域の少なくとも一部において、第2ビスホール527の開口溝を金属製の外周見込み片623で塞ぐことができるため、第2ビスホール527が加熱によって軟化しても第2組立ネジ92は補強材62の外周見込み片623で保持され、第2組立ネジ92が第2ビスホール527から外れることを防止できる。このため、火災時には、ビスホール516および第2ビスホール527から組立ネジ91および第2組立ネジ92の両方のネジが外れてしまうことを防止でき、枠体5Aの構造をさらに長時間維持でき、ドア1の防火性能をより向上できる。
さらに、補強材62は、断面コ字状に形成されているので、強度を向上でき、かつ、中空部525に挿入する際にも安定するため作業性を向上できる。
補強材62の見付け片621に延出片624を設け、かつ、この延出片624に加熱発泡材85を設けているので、ビスホール526の螺合領域の少なくとも一部の室外側に金属製の延出片624および加熱発泡材85を配置することができる。このため、枠体5Aが火災等により加熱されたとしても、加熱発泡材85が発泡してビスホール526の螺合領域を覆うことができるので、ビスホール526が加熱によって変形するまでの時間を長くすることができ、枠体5Aの構造をさらに長時間維持でき、防火性能をさらに向上できる。
補強材62の長手方向の両端部における見付け片621に加熱発泡材85を設けたので、火災時に加熱発泡材85を発泡させることで、下框52の中空部525の両端部を加熱発泡材85で塞ぐことができ、防火性能を向上できる。
加熱発泡材85が発泡した際には、第2ビスホール527の室外側を覆うこともできるので、第2延出片625に加熱発泡材が設けられていなくても、第2ビスホール527を保護できる。
また、見付け片621の上端側を上方に延出して延出片624としているので、延出片624の上端から見付け片621の下端部の範囲に加熱発泡材85を設けることができる。このため、ビスホール526を保護する加熱発泡材と、中空部525を塞ぐ加熱発泡材とを一体にでき、加熱発泡材85を補強材62に貼り付ける作業も容易に行うことができる。
下框52と縦框53、54との接合部分には、枠体5Aで保持する複層ガラス59の荷重や、上框51および縦框53、54の荷重などが加わるため、ビスホール526が軟化した場合にビスホール526から組立ネジ91が外れやすいが、本実施形態では、第1框材のうち、特に下框52に前述の補強材62を配置しているので、組立ネジ91の抜け落ちを確実に防止できる。
下框52には排水孔5231を形成し、補強材62には、排水孔626や排水孔628を形成したので、下框52のガラス保持溝に雨水などが浸入しても、排水孔5231を介して中空部525に排水でき、さらに、補強材62の排水孔626、628や、補強材62の両端部の内周見込み片622、外周見込み片623が設けられていない部分を介して、下框52の外周側見込み面部524部分に形成された図示略の排水穴から室外側に排水することができる。したがって、中空部525に雨水などが溜まることも無く、排水性も確保できる。
[変形例]
本発明の建具は、前記実施形態のように、テラスドアに限らず、勝手口ドアや、ドア本体に上げ下げ窓等の開閉可能な窓ユニットが組み込まれた通風ドアでもよい。さらに、建具は、ドアに限らず、引違い窓や、開き窓等の窓枠に対して開閉自在に設けられる障子を有する各種建具でもよい。
前記実施形態では、第1框材を上框51、下框52とし、第2框材を縦框53、54としていたが、第1框材を縦框とし、第2框材を上框、下框とした横勝ちの建具としてもよい。
前記実施形態では、下框52のみに、加熱発泡材86が設けられた内周見込み片622を有する補強材62を設けていたが、上框51にも同様の補強材を設けてもよい。
また、前記実施形態の補強材62は、外周見込み片623には加熱発泡材を設けていないが、外周見込み片623において第2螺合領域の室外側に加熱発泡材を設けてもよい。
さらに、前記実施形態の補強材62は、第2延出片625に加熱発泡材を設けていないが、加熱発泡材85を第2延出片625の下端まで配置し、第2ビスホール527の室外側にも加熱発泡材85を配置してもよい。また、補強材62の延出片624および第2延出片625に別々の加熱発泡材85を配置してもよい。
前記実施形態の補強材62は、外周見込み片623を備えていたが、補強材としては、見付け片621および内周見込み片622のみを備える断面略L字状のものでもよい。
また、補強材としては、延出片624、第2延出片625、延出片627を備えずに.断面コ字状の補強材でもよい。また、排水経路を別途設けることができ、補強材に排水孔626等を形成する必要が無い場合は、内周見込み片622や外周見込み片623を補強材の全長に渡って形成してもよい。
補強材62の内周見込み片622は、ビスホール526に当接するものに限定されず、内周見込み片622がビスホール526から僅かに離れた位置に配置されるものでもよく、内周見込み片622は、ビスホール526から組立ネジ91が完全に外れることを防止できる位置に配置されていればよい。この場合、内周見込み片622に設けられる加熱発泡材86は、ビスホール526の下方位置に設けられるものでもよい。すなわち、内周見込み片622に設けられる加熱発泡材86の配置位置は、ビスホール526の室外側に限定されず、火災時にビスホール526において組立ネジ91が螺合される螺合領域を保護できる位置は配置されていればよい。
[発明のまとめ]
本発明の枠体は、一対の第1框材と、一対の第2框材とを枠組みして構成される枠体であって、前記第1框材は、室外見付け面部と、室内見付け面部と、内周側見込み面部と、外周側見込み面部とで区画される中空部を有し、少なくとも前記内周側見込み面部には、前記中空部に配置されるビスホールが形成され、前記第2框材は、前記第1框材の小口が当接される当接面部を有し、この当接面部には前記ビスホールに螺合される組立ネジが挿通される挿通孔が形成され、前記一対の第1框材のうちの少なくとも一方の前記第1框材の前記中空部には金属製の補強材が配置され、前記補強材は、前記ビスホールの前記組立ネジと螺合する螺合領域の少なくとも一部において前記内周側見込み面部に対して前記ビスホールを挟んで対向配置される内周見込み片と、前記室外見付け面部に沿って設けられる見付け片と、を有し、前記内周見込み片には加熱発泡材が設けられていることを特徴とする。
本発明の枠体によれば、第1框材の小口を第2框材の当接面部に当接させ、第1框材の内周側見込み面部に形成されて中空部に配置されるビスホールに、前記当接面部から挿通される組立ネジを螺合することで第1框材および第2框材を連結することができる。そして、少なくとも一方の第1框材の中空部に金属製の補強材を配置し、この補強材の内周見込み片を、前記ビスホールを挟んで内周側見込み面部に対向配置するとともに、前記内周見込み片に加熱発泡材を設けている。
このため、枠体の室外側で火災が発生した場合、加熱発泡材が発泡することでビスホールを覆うことができ、ビスホールを保護することができる。その上、螺合領域の少なくとも一部において、ビスホールの開口溝を金属製の内周見込み片で塞ぐことができるため、ビスホールが加熱によって軟化しても組立ネジは補強材の内周見込み片で保持されるため、組立ネジがビスホールの開口溝から外れることを防止できる。以上のことから、火災時にビスホールから組立ネジが外れてしまうことを防止でき、第1框材および第2框材で構成される枠体の構造を長時間維持でき、この枠体内に保持されるガラス等の面材の脱落も防止でき、防火性能を向上できる。
本発明の枠体において、前記補強材の前記見付け片は、前記内周見込み片よりも前記内周側見込み面部に向かって延出され、かつ、前記螺合領域の少なくとも一部に対して室外側に配置される延出片を有し、前記延出片には、前記螺合領域に対向する加熱発泡材が設けられていることが好ましい。
本発明の枠体によれば、補強材の見付け片に延出片を設けることで、ビスホールの螺合領域の少なくとも一部の室外側に金属製の延出片を配置し、この延出片に加熱発泡材を設けているので、枠体が火災等により加熱されたとしても、加熱発泡材が発泡してビスホールの螺合領域を覆うことができるので、ビスホールが加熱によって変形するまでの時間を長くすることができ、枠体の構造をさらに長時間維持でき、この枠体内に保持されるガラス等の面材の脱落も防止でき、防火性能をさらに向上できる。
本発明の枠体において、前記延出片は、前記補強材の長手方向の両端部にそれぞれ形成され、前記内周見込み片は、前記延出片よりも前記補強材の長手方向中心側に形成され、前記補強材の長手方向の両端部における前記見付け片には、加熱発泡材が設けられていることが好ましい。
本発明の枠体によれば、補強材の長手方向の両端部における見付け片に加熱発泡材を設けたので、火災時に加熱発泡材を発泡させることで、第1框材の中空部の両端部を加熱発泡材で塞ぐことができ、防火性能を向上できる。
本発明の枠体において、前記第1框材の前記外周側見込み面部には、前記中空部に配置される第2ビスホールが形成され、前記第2框材の前記当接面部には、前記第2ビスホールに螺合される第2組立ネジが挿通される第2挿通孔が形成され、前記補強材は、前記第2ビスホールの前記第2組立ネジと螺合する第2螺合領域の少なくとも一部において前記外周側見込み面部に対して前記第2ビスホールを挟んで対向配置される外周見込み片を有することが好ましい。
本発明の枠体によれば、第2螺合領域の少なくとも一部において、第2ビスホールの開口溝を金属製の外周見込み片で塞ぐことができるため、第2ビスホールが加熱によって軟化しても第2組立ネジは補強材の外周見込み片で保持されるため、第2組立ネジが第2ビスホールから外れることを防止できる。このため、火災時に第1ビスホールおよび第2ビスホールから組立ネジおよび第2組立ネジの両方のネジが外れてしまうことを防止でき、第1框材および第2框材で構成される枠体の構造をさらに長時間維持でき、この枠体内に保持されるガラス等の面材の脱落も防止でき、防火性能をさらに向上できる。
本発明の建具は、四周枠組みして方形状に構成された開口枠と、前記開口枠に開閉自在に配置される開閉体と、を備えた建具において、前記開閉体は、前記枠体を備えて構成されることを特徴とする。
本発明の建具によれば、前記各枠体と同様の効果を奏することができる。
1…ドア、2…ドア枠、5…ドア本体、5A…枠体、51…上框、52…下框、53…縦框、54…縦框、59…複層ガラス、62…補強材、85…加熱発泡材、86…加熱発泡材、91…組立ネジ、92…第2組立ネジ、520…室外部材、521…室外見付け面部、522…室内見付け面部、523…内周側見込み面部、524…外周側見込み面部、525…中空部、526…ビスホール、527…第2ビスホール、529…室内部材、621…見付け片、622…内周見込み片、623…外周見込み片、624…延出片、625…第2延出片、626…排水孔、627…延出片、628…排水孔、629…ビス、5231…排水孔、5331…挿通孔、5332…第2挿通孔、6321…挿通孔、6322…第2挿通孔。

Claims (5)

  1. 一対の第1框材と、一対の第2框材とを枠組みして構成される枠体であって、
    前記第1框材は、室外見付け面部と、室内見付け面部と、内周側見込み面部と、外周側見込み面部とで区画される中空部を有し、
    少なくとも前記内周側見込み面部には、前記中空部に配置されるビスホールが形成され、
    前記第2框材は、前記第1框材の小口が当接される当接面部を有し、この当接面部には前記ビスホールに螺合される組立ネジが挿通される挿通孔が形成され、
    前記一対の第1框材のうちの少なくとも一方の前記第1框材の前記中空部には金属製の補強材が配置され、
    前記補強材は、前記ビスホールの前記組立ネジと螺合する螺合領域の少なくとも一部において前記内周側見込み面部に対して前記ビスホールを挟んで対向配置される内周見込み片と、前記室外見付け面部に沿って設けられる見付け片と、を有し、
    前記内周見込み片には加熱発泡材が設けられている
    ことを特徴とする枠体。
  2. 請求項1に記載の枠体において、
    前記補強材の前記見付け片は、前記内周見込み片よりも前記内周側見込み面部に向かって延出され、かつ、前記螺合領域の少なくとも一部に対して室外側に配置される延出片を有し、
    前記延出片には、前記螺合領域に対向する加熱発泡材が設けられている
    ことを特徴とする枠体。
  3. 請求項2に記載の枠体において、
    前記延出片は、前記補強材の長手方向の両端部にそれぞれ形成され、
    前記内周見込み片は、前記延出片よりも前記補強材の長手方向中心側に形成され、
    前記補強材の長手方向の両端部における前記見付け片には、加熱発泡材が設けられている
    ことを特徴とする枠体。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の枠体において、
    前記第1框材の前記外周側見込み面部には、前記中空部に配置される第2ビスホールが形成され、
    前記第2框材の前記当接面部には、前記第2ビスホールに螺合される第2組立ネジが挿通される第2挿通孔が形成され、
    前記補強材は、前記第2ビスホールの前記第2組立ネジと螺合する第2螺合領域の少なくとも一部において前記外周側見込み面部に対して前記第2ビスホールを挟んで対向配置される外周見込み片を有する
    ことを特徴とする枠体。
  5. 四周枠組みして方形状に構成された開口枠と、
    前記開口枠に開閉自在に配置される開閉体と、を備えた建具において、
    前記開閉体は、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の枠体を備えて構成されることを特徴とする建具。
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