JP2023115995A - 半導体装置およびそれを用いた電力変換装置 - Google Patents

半導体装置およびそれを用いた電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低い導通損失とスイッチング損失を併せ持ち、かつ、ターンオフ遮断耐量を向上できる信頼性の高い半導体装置を提供する。【解決手段】互いに独立して駆動されるスイッチングゲートとキャリア制御ゲートとを有する半導体装置において、前記半導体装置を平面視した際、中心領域セルと、前記中心領域セルの全周を囲む外周領域セルと、前記外周領域セルの全周を囲む終端領域とを備え、前記中心領域セルは、前記スイッチングゲートと前記キャリア制御ゲートとを有するスイッチング素子を有し、前記外周領域セルは、前記中心領域セルと前記終端領域との間に配置され、前記外周領域セルのスイッチング素子のゲートは前記キャリア制御ゲートのみで構成されていることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置の構造に係り、特に、電力制御用のパワー半導体装置に適用して有効な技術に関する。
地球温暖化が世界共通の重要な緊急課題となっており、その対策の一つとしてパワーエレクトロニクス技術の貢献期待度が高まっている。特に、電力変換機能を司るインバータの高効率化に向けて、それを構成するパワースイッチング機能を果たすIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と、整流機能を果たすダイオードを主としたパワー半導体装置の低消費電力化が求められている。
図25に、代表的なインバータの部分回路図を示す。絶縁ゲート端子98を有するIGBT97には、IGBT97と逆並列にダイオード99が接続されている。インバータは、直流電源96から電力が供給され、IGBT97の絶縁ゲート端子98に電圧が印加され高速にターンオン、ターンオフを繰り返すことで接続された誘導性負荷95に供給する電力を制御する構成となっている。なお、誘導性負荷95は、例えばモータ(電動機)である。
IGBT97とダイオード99は導通時に導通損失を発生し、スイッチング時にスイッチング損失を発生するため、インバータを小型化・高効率化するにはIGBT97とダイオード99の導通損失とスイッチング損失を低減する必要がある。ここで、スイッチング損失は、IGBT97から発生するターンオン損失とターンオフ損失、ターンオン時にダイオード99から発生するリカバリー損失から構成される。
IGBTの導通損失とターンオフ損失を低減する技術として、例えば特許文献1に記載の2つの独立した制御が可能なゲートを有するダブルゲート型(デュアルゲート型とも呼ぶ)のIGBT構造に関する技術が知られている。
図26は、特許文献1に記載されたIGBTの断面図である。ゲートGsとゲートGcはともに、トレンチ形状を有しており、エミッタ電極7に対し、ゲートGsの絶縁ゲート電極91とゲートGcの絶縁ゲート電極92に高電圧が印加されると、p型ウェル層2のゲート電極界面に反転層である電子層が生成される。これにより、コレクタ電極8とエミッタ電極7の間に順方向電圧が印加されると、エミッタ電極7から絶縁ゲート電極(Gs)91と絶縁ゲート電極(Gc)92の表面に形成された電子層を介し、電子キャリアがn-型ドリフト層1に注入されて、p型コレクタ層4から正孔キャリアを引き出し、n-型ドリフト層1の内部で伝導度変調が生じIGBTは導通状態となる。
次に、ターンオフ時は、p型ウェル層2のゲート電極界面に反転層を形成しない閾値電圧未満の電圧をゲートに印加することで伝導度変調に寄与していたキャリアがエミッタ電極7とコレクタ電極8へ排出されて非導通状態へ移行し、その際に生じる電流と、エミッタ電極7とコレクタ電極8に印加される逆方向電圧によって、ターンオフ損失と呼ばれる電力損失が生じる。
ここで、2つの独立した制御が可能なゲートを有する本構造では、ターンオフ直前に、一方の絶縁ゲート電極(Gc)92に対して絶縁ゲート電極(Gs)91に先行して閾値電圧未満の電圧を印加することが可能であり、伝導度変調を抑制し、キャリア濃度が低減したドリフト領域を一時的に形成することが可能である。これにより、ターンオフ時に排出されるキャリアによる電流を低減でき、また高速に逆方向電圧がコレクタ電極8、エミッタ電極7間に印加されることで、ターンオフ損失を低減できる。
即ち、絶縁ゲート電極(Gs)91と絶縁ゲート電極(Gc)92に印加するゲートバイアスを、導通状態の直前と非導通状態の直前でそれぞれ変化させることで、n-型ドリフト層1に蓄積されるキャリア濃度を動的に制御することが可能であり、その制御によってターンオフ時に発生する損失を低減することが可能な技術である。
また、ダブルゲート型の他の態様として、コレクタ領域近傍の蓄積されたキャリア濃度を一時的に低下させ、ターンオフ時の電流を小さくする技術として、例えば特許文献2に記載のコレクタの注入効率の異なる2つのIGBTを並列接続した構造に関する技術が知られている。
図27は、特許文献2に記載されたIGBTの回路図である。IGBTは、構造の異なる2つのIGBT33,34から構成され、並列に接続してIGBTのスイッチング機能を果たす。2つのIGBT33,34は、キャリアの注入効率が高く低オン電圧なIGBT33と、注入効率が低く高オン電圧なIGBT34の別構造であり、それぞれのゲート35,36を独立に制御する。
ここで、キャリアの注入効率は、IGBT33,34のコレクタ領域における不純物濃度や、ドリフト領域のキャリアライフタイム制御量により調整される。導通状態においては、2つのIGBT33,34の両方のゲート35,36に、閾値電圧以上の電圧を印加することで、2つのIGBT33,34は共に導通し、低いオン電圧が得られる。
次に、ターンオフ時においては、低オン電圧のIGBT33のゲート35を先行して閾値電圧未満の電圧を印加することで、高オン電圧のIGBT34のみ導通状態とする。この制御を適用することで、一時的にキャリア濃度の低い状態を形成でき、その後の高オン電圧なIGBT34に閾値電圧未満の電圧を印加することで非導通状態に移行する際の、キャリア排出に伴う電流を低減できる。
この構成と制御から成る技術の利点は、ドリフト領域におけるコレクタ領域近傍のキャリア濃度、ここでは並列素子間での平均的なキャリア濃度を制御でき、高オン電圧のIGBT34のみを導通させることで一時的に平均キャリア濃度を下げられることから、ターンオフ時の電流を低減できる点にある。
これらのダブルゲート型IGBTは低損失な性能によって、電力損失による発熱を抑えることができ、従って、素子動作時の最大接合温度の上昇を抑制することができる。つまり、素子の接合寿命等により許容できる最大接合温度に対し、素子に通流できる電流を上昇することができことから、インバータにおいて同体積での大電力容量化が可能となる。また一方で、素子の電流密度を上げられることから、並列接続数を削減し、電力変換装置の小型化の価値を導出することもできる。
このように、IGBTの低損失化は、電力変換装置の大容量化、小型化につながる重要な要素であり、例えばダブルゲート型IGBTを使った電力変換装置として、例えば特許文献3のような技術が知られている。
国際公開第2014/038064号 特開2012-238715号公報
電力変換装置の大容量化、小型化に向けて、IGBTの低損失化と共に、ターンオフ遮断耐量の向上が必要である。ターンオフ遮断耐量とは、ターンオフスイッチング時において破壊なく正常に遮断することができる最大電流である。例えば、低損失なIGBTによって1.3倍の定格電流を実現するためには、ターンオフ遮断耐量も1.3倍の上昇が必要である。ここで、ターンオフ遮断耐量とは、RBSOA(Reverse Blocking Safe Operating Area)とも呼ばれる。
上記特許文献1及び2に記載のダブルゲート型IGBT構造においては、2つのゲートで蓄積キャリアを制御することで低損失な性能を導出できる記載がある一方で、ターンオフ遮断耐量については述べられていない。
一般にIGBTが形成された半導体チップ(以下、単に「チップ」と呼ぶ)は、アクティブ領域と、その外周部に配置され電界緩和を目的とした終端領域とから構成される。IGBTの蓄積キャリアは、ゲートが配置されたアクティブ領域で主に蓄積される一方で、横方向に拡散が生じ、終端領域においても蓄積される。この終端領域に蓄積されたキャリアが、ターンオフ時にアクティブ領域の周辺部に集中することで、電流集中が生じ、局所的な電力の上昇が生じて破壊するリスクがある。特にこの傾向は、厚いウェハを用いたチップと広い終端領域が必要な高耐圧IGBTにおいて顕著に確認される。
特許文献1及び2に記載のダブルゲート型IGBTでは、アクティブ領域におけるキャリアの制御について述べられている一方で、終端領域との境界等については述べられておらず、終端領域からの電流集中については改善が困難である。従って、ターンオフ遮断耐量を向上することができない。
以上のように、特許文献1や特許文献2の構造では、IGBTのアクティブ領域において、キャリア濃度を導通時とスイッチング時に制御することで、蓄積キャリア濃度を最適化して、導通損失とターンオフ損失を共に下げられることができる一方で、終端領域やその境界においてキャリア制御は困難であり、ターンオフ遮断耐量の向上は難しく、許容電流容量や電流密度の上昇は難しかった。
そこで、本発明の目的は、低い導通損失とスイッチング損失を併せ持ち、かつ、ターンオフ遮断耐量を向上できる信頼性の高い半導体装置及びそれを用いた電力変換装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、互いに独立して駆動されるスイッチングゲートとキャリア制御ゲートとを有する半導体装置において、前記半導体装置を平面視した際、中心領域セルと、前記中心領域セルの全周を囲む外周領域セルと、前記外周領域セルの全周を囲む終端領域とを備え、前記中心領域セルは、前記スイッチングゲートと前記キャリア制御ゲートとを有するスイッチング素子を有し、前記外周領域セルは、前記中心領域セルと前記終端領域との間に配置され、前記外周領域セルのスイッチング素子のゲートは前記キャリア制御ゲートのみで構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、低い導通損失とスイッチング損失を併せ持ち、かつ、ターンオフ遮断耐量を向上できる信頼性の高い半導体装置及びそれを用いた電力変換装置を実現することができる。
これにより、半導体装置及びそれを用いた電力変換装置の大容量化と信頼性向上が図れる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1に係る半導体装置の断面図である。 図1の半導体装置を用いた駆動回路図及び駆動信号を示す図である。 図1の半導体装置の高伝導期間におけるキャリア分布を概念的に示す図である。 図1の半導体装置の低伝導期間におけるキャリア分布を概念的に示す図である。 図1の半導体装置のターンオフスイッチング時におけるキャリア分布を概念的に示す図である。 従来の半導体装置のターンオフスイッチング時におけるキャリア分布を概念的に示す図である。 ターンオフスイッチング波形及び電力損失を示す図である。 最大定格電圧(MRV)とターンオフ遮断耐量(STD)の相関を示す図である。 スイッチング損失(SL)とターンオフ遮断耐量(STD)の相関を示す図である。 本発明の実施例2に係る半導体装置の平面レイアウト図である。 本発明の実施例2に係る半導体チップの上面図である。 本発明の実施例2に係る半導体装置におけるゲートの長手方向端部の平面レイアウト図である。 図12のB-B’断面図である。 図12の変形例を示す図である。(変形例1) 図12の変形例を示す図である。(変形例2) 本発明の実施例3に係る半導体装置の平面レイアウト図である。 図16のC-C’断面図である。 図16の半導体装置の蓄積キャリア濃度のプロファイル分布を示す図である。 本発明の実施例4に係る半導体装置の断面図である。 図19の変形例を示す図である。(変形例3) 図19及び図20の半導体装置の蓄積キャリア濃度のプロファイル分布を示す図である。 本発明の実施例5に係る半導体装置の平面レイアウト図である。 本発明の実施例6に係る半導体装置の平面レイアウト図である。 本発明の実施例7に係る半導体装置の断面図である。 代表的な電力変換装置の回路構成を示す図である。 特許文献1に記載の従来技術を適用した半導体装置の断面図である。 特許文献2に記載の従来技術を適用した半導体装置の回路図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
また、図中のn-,nという表記は、半導体層がn型であることを示し、かつnの不純物濃度はn-の不純物濃度よりも相対的に高いことを示す。また、p-,pという表記は、半導体層がp型であることを示し、かつpの不純物濃度はp-の不純物濃度よりも相対的に高いことを示す。
また、以下では、2つのゲートを有するIGBTをダブルゲート型IGBTと呼ぶが、デュアルゲート型IGBTとも呼ばれ、両者は同義である。
図1から図9を参照して、本発明の実施例1に係る絶縁ゲート型(ゲート制御型)の半導体装置について説明する。図1は、本実施例の半導体装置100の断面図である。
本実施例の半導体装置100は、複数のトレンチゲート形状を有するダブルゲート型IGBTであり、共通のn-型ドリフト層20に中心領域17と外周領域18と終端領域19が設けられている。中心領域17と外周領域18は、IGBT導通時に、ゲートバイアスによってn-型ドリフト層20にキャリアを注入する領域であり、一方、終端領域19は、IGBT非導通時に印加された高電圧に対し、電界を緩和するための領域である。
中心領域17の上部にはゲートとしてトレンチ形状を有したスイッチングゲート(Gs)11とキャリア制御ゲート(Gc)10を有するスイッチング素子が配置される。一方、外周領域18の上部にはゲートとしてスイッチングゲート(Gs)11が存在せずゲートがキャリア制御ゲート(Gc)10のみで構成されたスイッチング素子が配置される。
また、半導体装置100は、n-型ドリフト層20に縦方向で隣接するp型ウェル層25、p型ウェル層25とは反対側においてn-型ドリフト層20と縦方向で隣接するp型コレクタ層26を備える。
さらに、p型ウェル層25の上部には、p型給電層27とn型エミッタ層28が隣接して存在する。そして、これらp型ウェル層25、n型エミッタ層28は、ゲート絶縁膜(ゲート酸化膜)29を介して、トレンチゲート形状の第1のゲート電極であるスイッチングゲート(Gs)電極24と、同じくトレンチゲート形状の第2のゲート電極であるキャリア制御ゲート(Gc)電極23と接している。
ここで、スイッチングゲート(Gs)11は、n型エミッタ層28とp型ウェル層25に接するゲート絶縁膜29と、それに対向し接する様に設けられたスイッチングゲート(Gs)電極24から構成される。また、キャリア制御ゲート(Gc)10は、n型エミッタ層28とp型ウェル層25に接するゲート絶縁膜29と、それに対向し接する様に設けられたキャリア制御ゲート(Gc)電極23から構成される。これらのスイッチングゲート(Gs)11とキャリア制御ゲート(Gc)10を纏めて、以下、「トレンチゲート」とも呼ぶ。
エミッタ電極40は、下に凸のトレンチ形状を有しており、p型給電層27とn型エミッタ層28と接している。また、各トレンチゲートは、ゲート絶縁膜29を介して、互いに絶縁される。また、n-型ドリフト層20は、p型ウェル層25とは対極側の表面において、p型コレクタ層26と隣接する。そして、p型コレクタ層26に接したコレクタ電極41を備える。
終端領域19は、n-型ドリフト層20の上部において、断続的に設けられたp型高濃度層6とフローティング電極9を備える。このような構造とすることで、コレクタ電極41とエミッタ電極40の間に高電圧が印加された際、等電位線を一定間隔に配置し、電界集中によるアバランシェ降伏を防ぐことができる。
なお、終端領域19は、一般的にガードリングやターミネーションなどとも呼ばれる。また、p型高濃度層6は、断続的な配置ではなく、濃度勾配をつけた連続的な配置のものであっても良い。さらに、フローティング電極9を配置しない構造であっても良く、本発明は特定の終端領域の構造に限定されるものではない。
半導体装置100において、中心領域17と外周領域18と終端領域19のn-型ドリフト層20とエミッタ電極40とコレクタ電極41は共通であり、図11を用いて後述するように、1チップの半導体素子の内部に構成される。
ここで、外周領域18は中心領域17の全周を囲うように配置され、さらに、終端領域19は外周領域18の全周を囲うように配置される。つまり、外周領域18は中心領域17と終端領域19に挟まれた領域である(図11参照)。上述したように、中心領域17には、スイッチングゲート(Gs)11とキャリア制御ゲート(Gc)10の両方が配置され、外周領域18にはキャリア制御ゲート(Gc)10のみが配置される。これは以下に示すキャリア引き抜き期間でのキャリア濃度の低減効果を発揮するための構成である。
なお、本実施例で用いる半導体基板は、例えばケイ素(シリコン:Si)もしくは炭化ケイ素(SiC)から形成され、ゲート絶縁膜29は例えば二酸化ケイ素(SiO)から形成される。
次に、図2から図6を用いて、本実施例の半導体装置100の動作について説明する。図2は、本実施例の半導体装置100を用いた駆動回路図及び駆動信号を示している。
本実施例の半導体装置100は、キャリア制御ゲート(Gc)10とスイッチングゲート(Gs)11をそれぞれ駆動するゲートドライバ44,45による駆動信号によって、低損失かつ、ターンオフ遮断耐量の高い高信頼な動作を発揮する。
図2の右図の符号48はIGBTの導通期間であり、符号49は非導通期間を示している。先ず、IGBT導通期間において、キャリア制御ゲート(Gc)10とスイッチングゲート(Gs)11に対し、IGBTのp型ウェル層25に反転層を形成する閾値電圧(Vth)以上の電圧が印加される高伝導期間46と、キャリア制御ゲート(Gc)10には閾値未満の電圧が印加され、スイッチングゲート(Gs)11に対し、閾値電圧以上の電圧が印加される低伝導期間47が設定される。
高伝導期間46においては、IGBT内部の蓄積キャリア濃度が高まり、低オン電圧の性能が導出される。低伝導期間47においては、IGBT内部の蓄積キャリア濃度が低減し、続いて非導通期間49においては、スイッチングゲート(Gs)11に閾値電圧未満の電圧が印加されてIGBTがオフした際に、高速にIGBTに逆阻止の電圧が印加され、さらに、高速に電流が低減することで、低損失かつ高いターンオフ遮断耐量を担保可能なターンオフスイッチング50を実現できる。
即ち、図2の右図に示すような駆動信号で図2の左図に示す本実施例のIGBT構造を駆動することで、低損失かつ高いターンオフ遮断耐量を担保できるIGBT性能が導出される。
図3は、高伝導期間46における本実施例の半導体装置100のキャリア分布を示している。キャリア制御ゲート(Gc)10とスイッチングゲート(Gs)11に、p型ウェル層25に反転層である電子層を生成させる閾値電圧以上の正電圧が印加され、さらに、コレクタ電極41とエミッタ電極40の間にIGBTが導通する順方向電圧が印加された際の電子51と正孔52のキャリアの分布を示している。
エミッタ電極40からp型ウェル層25内に生成された電子層を経由し、n-型ドリフト層20にn型エミッタ層28から電子51が注入される。そして、n-型ドリフト層20において、注入された電子51に誘発され、p型コレクタ層26から正孔52が注入されて、n-型ドリフト層20の内部で電導度変調53が生じる。
ここで、本実施例の半導体装置100は、中心領域17と外周領域18を有しており、中心領域17に設けられたキャリア制御ゲート(Gc)10とスイッチングゲート(Gs)11、及び外周領域18に設けられたキャリア制御ゲート(Gc)10にそれぞれ隣接するn型エミッタ層28から電子51が注入されることで、伝導度変調53で蓄積されるキャリア濃度を高めることができる。
また、外周領域18に注入された電子51は、終端領域19へも拡散し、終端領域19下のp型コレクタ層26からも正孔52の注入を誘発することから終端領域19においても電動度変調53で蓄積されるキャリア濃度が高まる。
これによって、本実施例の半導体装置100では、低い電圧降下、即ち低オン電圧で、所定の電流を流すことができ、導通時の低損失な性能が導出される。
図4は、高伝導期間46を経て、キャリア制御ゲート(Gc)10に閾値電圧未満の負電圧が印加された低伝導期間47における本実施例の半導体装置100のキャリア分布を示している。
コレクタ電極41とエミッタ電極40の間にIGBTが導通する順方向電圧が印加された状態にて、キャリア制御ゲート(Gc)10に接するp型ウェル層25には、蓄積層が形成され、n-型ドリフト層20の内部で電導度変調に寄与していた正孔52が蓄積層を介してエミッタ電極40に排出される。
ここで、本実施例の半導体装置100は、中心領域17と外周領域18における正孔52がキャリア制御ゲート(Gc)10によって排出されるとともに、終端領域19においても蓄積されていた正孔52が、外周領域18のキャリア制御ゲート(Gc)10の正バイアスによって外周領域18のp型ウェル層25に形成された蓄積層を介してエミッタ電極40に排出される。
さらに、本実施例の半導体装置100は、外周領域18ではゲートとしてスイッチングゲート(Gs)11が存在せずゲートがキャリア制御ゲート(Gc)10のみで構成されたスイッチング素子としているので、外周領域18では中心領域17とは異なり電子51が注入されない。
これによって、中心領域17において、一時的に低濃度な蓄積キャリアのプロファイル54をn-型ドリフト層20内に形成できると共に、外周領域18と終端領域19においては、極低濃度な蓄積キャリアのプロファイル55をn-型ドリフト層20内に形成することができる。つまり、IGBT導通時において、中心領域17にのみ電流が通流される状態を形成することができる。
図5は、低伝導期間47を経て、スイッチングゲート(Gs)11に閾値電圧未満の負電圧が印加されたターンオフスイッチング時50における本実施例の半導体装置100のキャリア分布を示している。
低伝導期間47を経て、スイッチンゲート(Gs)11にオフバイアスが印加され、半導体装置100が導通状態から非導通状態へ推移するターンオフスイッチング動作に移行すると、n-型ドリフト層20内部の蓄積キャリア濃度が低いために、正孔52はエミッタ電極40へ、電子51はコレクタ電極41へ高速に排出されるため、高速にIGBTに逆阻止の電圧が印加されるとともに、高速に電流が低減し、低損失なターンオフスイッチングが実現される。
ここで、本実施例の半導体装置100は、直前の低伝導期間47において、外周領域18と終端領域19のキャリア濃度が極低濃度に蓄積された状態(プロファイル55)を形成できていたことから、ターンオフスイッチング時の電流はプロファイル55の領域に流れることは殆どなく、電流は中心領域17のみに限定される。即ち、エミッタ電極40へ流れる正孔52による電流は、外周領域18へ集中することなく、局所的な電流集中による電力発生とそれに伴う温度上昇を抑制することができ、通流した後に破壊なく遮断することのできる電流値で定義されるターンオフ遮断耐量を高めることができる。
図6は、本発明を分かり易くするために比較例として示す従来の半導体装置(IGBT)1000のターンオフスイッチング時のキャリア分布を示している。導通時に蓄積された高濃度の正孔52がエミッタ電極40へ排出されることで、低速に電流が低減する動作となり、大きなターンオフスイッチング損失が生じる。さらに、導通時に終端領域19において蓄積された正孔52が終端領域19との境界に配置されたセル32のエミッタ電極40へ集中して排出されることで、セル32の電流密度が高まり、局所的な電流集中による電力発生とそれに伴う温度上昇によって破壊が生じる。即ちターンオフ遮断耐量がセル32の破壊耐性によって限定されてしまう。
そこで、本実施例の半導体装置100により、IGBT内部の蓄積キャリア濃度をキャリア制御ゲート(Gc)10のゲートバイアスによって制御でき、特に外周領域18と終端領域19における蓄積キャリア濃度の制御性を高めることができ、導通時の低オン電圧な性能と、低いターンオフ損失の性能を両立し、さらに高いターンオフ遮断耐量を担保した高信頼なIGBTを実現できる。
次に、図7から図9を用いて、ターンオフ遮断耐量に関する本発明の効果を説明する。図7に、本発明のダブルゲート型IGBTのターンオフスイッチング波形58と、特許文献1を元にした従来のダブルゲート型IGBTのターンオフスイッチング波形57の比較を示す。ここでは、電力変換装置の使用条件である定格電流以上の大電流を流した状態での波形を比較する。
スイッチングゲート(Gs)11にオフバイアスを印加することで、IGBTは導通状態から非導通状態に推移し、図7には、その際のコレクタ電流Iとコレクタ・エミッタ間電圧VCEの変化、またIとVCEの積による発生電力GPを示している。
スイッチンゲート(Gs)11にオフバイアスが印加されると、IGBT内部のキャリアが排出され、まずVCEが上昇する。ここで、本発明のダブルゲート型IGBT58では、直前の低伝導期間47での外周領域18と終端領域19におけるキャリア濃度が低いことで、従来のダブルゲート型IGBT57に対し、高速にVCEが電源電圧まで上昇する。この現象は主に、ドリフト領域のエミッタ領域近傍、即ち表面寄りのキャリア濃度が本発明で下げられている効果である。
次に、VCEが電源電圧に達すると、Iの低減が始まる。本発明のダブルゲート型IGBT58では、低伝導期間47での外周領域18と終端領域19におけるキャリア濃度が低い、特にドリフト領域のコレクタ領域近傍、即ち裏面寄りのキャリア濃度が低いことで、高速にコレクタ電流Iが低下し、またテール期間も小さく0Aに至って、非導通状態に推移する。即ち、本発明のダブルゲート型IGBT58によれば、コレクタ・エミッタ間電圧VCE、コレクタ電流Iをともに従来のダブルゲート型IGBT57に対し高速に変化させることができる。
これらVCE、Iの変化による発生電力GPを積分することでターンオフスイッチング時の電力損失が算出されるが、図7に示すように、本発明のダブルゲート型IGBT58によれば、VCE、Iの変化期間が短いことで、発生する電力損失30が、従来の電力損失31に対し小さいことが判る。
本発明と従来のダブルゲート型IGBTの異なる点は、従来は外周領域18でもゲートとしてスイッチングゲート(Gs)11とキャリア制御ゲート(Gc)10とを有するスイッチング素子を用いるのに対し、本発明では、外周領域18ではゲートとしてスイッチングゲート(Gs)11が存在せずゲートがキャリア制御ゲート(Gc)10のみで構成されたスイッチング素子としている点であり、即ち本発明によって、外周領域18における局所的な電流集中が抑制され、局所的な電力損失が低減し、温度上昇を抑えることができる。これによってターンオフ遮断耐量を高めることができる。
図8は、本発明と従来のダブルゲート型IGBTにおけるターンオフ遮断耐量STDと電圧Vの相関を示す。MRVは最大定格電圧を、符号59は従来のダブルゲート型IGBTのターンオフ遮断耐量を、符号60は本発明のダブルゲート型IGBTのターンオフ遮断耐量を、それぞれ示している。
ここで、相関線の内側が、ターンオフスイッチングにおいて破壊せず、電力変換装置の使用許可を与えることができる安全動作領域(使用範囲RU)を示す。本発明によって、使用範囲RUが広がり、高電圧、大電流のスイッチング条件において、破壊耐量を向上させることができ、より大電力に対応した電力変換装置の設計許可条件を提供することができる。
図9は、本発明と従来のダブルゲート型IGBT63,62と、従来の一種のゲートから成る(シングルゲート型)IGBT61のスイッチング損失SLとターンオフ遮断耐量STDの相関を示す。
ここで、スイッチング損失SLは電力変換装置の通常動作で使用される定格電圧での性能を、ターンオフ遮断耐量STDは瞬時で保証すべき最大定格電圧での性能を示す。定格電圧と最大定格電圧の関係は、定格電圧<最大定格電圧の関係にある。従来の一種のゲートから成るIGBT61に対し、従来のダブルゲート型IGBT62では、動的にキャリアを制御することで、スイッチング損失SLを低減できる一方で、外周領域18の破壊耐量により、ターンオフ遮断耐量STDの上昇が難しかった。
本発明のダブルゲート型IGBT63を適用することで、従来のダブルゲート型IGBT62と同等以下のスイッチング損失SLと、より高いターンオフ遮断耐量STDを両立して導出することが可能となる。即ち低損失と高出力を両立したダブルゲート型IGBTを提供できる。
以上説明したように、本実施例の半導体装置100(ダブルゲート型IGBT)は、互いに独立して駆動されるスイッチングゲート(Gs)電極24とキャリア制御ゲート(Gc)電極23とを有し、半導体装置100を平面視した際、中心領域(セル)17と、中心領域(セル)17の全周を囲む外周領域(セル)18と、外周領域(セル)18の全周を囲む終端領域19とを備えており、中心領域(セル)17は、スイッチングゲート(Gs)とキャリア制御ゲート(Gc)とを有するスイッチング素子を有し、外周領域(セル)18は、中心領域(セル)17と終端領域19との間に配置され、外周領域(セル)18のスイッチング素子のゲートはキャリア制御ゲート(Gc)電極23のみで構成されている。
本実施例の半導体装置100(ダブルゲート型IGBT)によって、低導通損失と低ターンオフ損失を両立した低損失な性能と、高いターンオフ遮断耐量を有し、大電力に対応できる高信頼なIGBTを実現することができる。
図10から図15を参照して、本発明の実施例2に係る絶縁ゲート型(ゲート制御型)の半導体装置について説明する。図10は、本実施例の半導体装置200の平面レイアウト図であり、ゲートの長手方向について示している。図11は、図10の半導体装置200が搭載されたチップの上面図である。なお、図11に示すチップは、実施例1以降の全ての実施例において共通した構成である。
本実施例の半導体装置200は、図10及び図11に示すように、チップの外周に配置された終端領域19の内側に、外周領域18が配置され、さらにその内側に中心領域17が配置される。中心領域17に配置されたIGBTのトレンチゲートのゲート電極は、スイッチングゲート(Gs)電極24とキャリア制御ゲート(Gc)電極23で構成される。また、外周領域18に配置されたIGBTのトレンチゲートのゲート電極は、キャリア制御ゲート(Gc)電極23のみで構成される。
中心領域17と外周領域18は、例えば、共通の製造工程によって、マスクにより作り分けることで形成する。
ここで、それぞれ複数のスイッチングゲート(Gs)電極24とキャリア制御ゲート(Gc)電極23は、それぞれスイッチングゲート(Gs)配線14とキャリア制御ゲート(Gc)配線13に、コンタクト層39により接続されて束ねられ、2つのゲート信号によって、本実施例のIGBTは動作する。
なお、ここで、外周領域18におけるキャリア制御ゲート(Gc)電極23は、4本で示しているが、本数はこの限りではない。高耐圧な素子ほど、電界緩和のための終端領域19は面積が大きく、またドリフト層は厚く、高伝導期間46における終端領域19の電導度変調が促進される。従って、低電導期間47でそのキャリアを充分に引き抜くことで本発明の効果が発揮されるため、外周領域18を広く、キャリア制御ゲート(Gc)電極23の本数を増加することが有効である。
また、図10においては、スイッチングゲート(Gs)配線14とキャリア制御ゲート(Gc)配線13は、外周領域18と中心領域17のみを渡るように示しているが、配線抵抗を低減する目的や給電を容易化する目的で、終端領域19上に配線してもよい。
図12に、本発明の半導体装置200におけるゲートの長手方向端部の平面レイアウト図を示す。ゲートの長手方向端部においても、高耐圧化のために、電界緩和を目的とした終端領域19が配置される。この終端領域19においても、キャリアが蓄積されるため、本実施例では、中心領域17との間に外周領域18が配置される。
ここで、ゲートの長手方向の外周領域18においては、スイッチングゲート(Gs)電極24が中心領域17から延びる一方で、n型エミッタ層28に隣接しないダミーゲート領域42(スイッチングゲート(Gs)として機能しないダミー領域)を配置する。これは、スイッチングゲート(Gs)電極24にゲート絶縁膜を介して対向して配置されるn型エミッタ層28が形成されていない領域であり、即ち、低伝導期間47において、電子51が注入されない。つまり、ゲートの長手方向端部の外周領域18においても、n型エミッタ層28を有するトレンチゲートのゲート電極として、キャリア制御ゲート(Gc)電極23のみが配置された構成となる。
低伝導期間47においては、ゲートの長手方向端部の外周領域18のキャリア制御ゲート(Gc)電極23によって正孔52が排出されるため、ターンオフスイッチング時におけるゲートの長手方向においても外周領域18への電流集中が抑えられ、高いターンオフ遮断耐量を得ることができる。
なお、図12においては、スイッチングゲート(Gs)配線14とキャリア制御ゲート(Gc)配線13は、外周領域18と中心領域17のみを渡るように示しているが、配線抵抗を低減する目的や給電を容易化する目的で、終端領域19上に配線してもよい。
図13に、図12のB-B’断面を示す。外周領域18の外側に終端領域19が配置される。この断面の外周領域18において、スイッチングゲート(Gs)電極24には、対向して配置されるn型エミッタ層28が存在せず、ダミーゲート領域42が配置される。
つまり、半導体装置200を平面視した際、スイッチングゲート(Gs)電極24のゲート電極は外周領域18にも延在して配置されているが、外周領域18におけるゲート電極は、ゲート絶縁膜29を介してn型エミッタ層28が配置されていないダミーゲートである。
外周領域18に配置されたキャリア制御ゲート(Gc)電極23によって、高伝導期間46でn-型ドリフト層20に電導度変調で蓄積されたキャリアを、低伝導期間47で引き抜くことができ、これによって、ターンオフスイッチングにおいて、外周領域18における電流集中による破壊耐量を向上でき、高いターンオフ遮断耐量を得ることができる。
≪変形例1≫
図14に、図12の変形例を示す。
図14に示す変形例では、ゲートの長手方向において、キャリア制御ゲート(Gc)配線13とスイッチングゲート(Gs)配線14とコンタクト層39で、中心領域17と外周領域18を分割し、ゲートの長手方向の端部側の外周領域18においては、ゲート電極がキャリア制御ゲート(Gc)電極23のみから成る構成としている。
≪変形例2≫
図15に、図12の別の変形例を示す。
図15に示す変形例では、ゲートの長手方向における外周領域18において、スイッチングゲート(Gs)電極24が存在しないようなレイアウトにすることで、外周領域18におけるトレンチゲートのゲート電極をキャリア制御ゲート(Gc)電極23のみとした構成としている。
図14(変形例1)や図15(変形例2)の構成により、低伝導期間47においては、外周領域18のキャリア制御ゲート(Gc)電極23によって正孔52が排出されるため、ターンオフスイッチング時におけるゲートの長手方向においても外周領域18への電流集中が抑えられ、高いターンオフ遮断耐量を得ることができる。
なお、図14及び図15においては、スイッチングゲート(Gs)配線14とキャリア制御ゲート(Gc)配線13は、外周領域18と中心領域17のみを渡るように示しているが、配線抵抗を低減する目的や給電を容易化する目的で、終端領域19上に配線してもよい。
図16から図18を参照して、本発明の実施例3に係る絶縁ゲート型(ゲート制御型)の半導体装置について説明する。図16は、本実施例の半導体装置300の平面レイアウト図であり、ゲートの長手方向について示している。
図16に示すように、本実施例の半導体装置300では、中心領域17における隣り合うエミッタ領域の中心間隔をaとし、外周領域18における隣り合うエミッタ領域の中心間隔をbとした場合、b≦a、好ましくはb<aの関係となるようにレイアウトしている。
この関係によって、高伝導期間46において、外周領域18の電導度変調を抑制するとともに、低伝導期間47における正孔キャリア52の引抜きに作用するキャリア制御ゲート(Gc)電極23の面積を大きくすることができ、ターンオフスイッチングにおける外周領域18の破壊耐量をさらに向上することができる。
なお、外周領域18におけるキャリア制御ゲート(Gc)電極23は、6本で示しているが、本数はこの限りではない。高耐圧な素子ほど、電界緩和のための終端領域19は面積が大きく、またドリフト層は厚く、高伝導期間46における終端領域19の電導度変調が促進される。従って、低電導度期間47でそのキャリアを充分に引き抜くことで本発明の効果が発揮されるため、外周領域18を広く、キャリア制御ゲート(Gc)電極23の本数を増加することが有効である。
図16においても、スイッチングゲート(Gs)配線14とキャリア制御ゲート(Gc)配線13は、外周領域18と中心領域17のみを渡るように示しているが、配線抵抗を低減する目的や給電を容易化する目的で、終端領域19上に配線してもよい。
図17に、図16のC-C’断面を示す。中心領域17に対し、その外側に外周領域18が配置され、さらにその外側に終端領域19が配置される。そして、上述したb≦a、好ましくはb<aの関係が成り立つことで、外周領域18におけるキャリア制御ゲート(Gc)電極23の密度が中心領域17に対し高い構成となる。
外周領域18に高密度で配置されたキャリア制御ゲート(Gc)電極23によって、高伝導期間46で外周領域18と終端領域19のn-型ドリフト層20に電導度変調で蓄積されたキャリアを、低伝導期間47で効率よく引き抜くことができ、これによって、ターンオフスイッチングにおいて、外周領域18における電流集中による破壊耐量をさらに向上でき、より高いターンオフ遮断耐量を得ることができる。
図18に、高伝導期間46における半導体装置300の蓄積キャリア濃度ACCのプロファイル分布を示す。中心領域17に対しより高密度で外周領域18にキャリア制御ゲート(Gc)電極23を配置したb<aの構成とすることで、p型コレクタ層26から注入された正孔キャリア52は、外周領域18においてp型ウェル層25からエミッタ電極40へ排出され易く、外周領域18の電導度変調は抑制されるため、蓄積キャリア濃度プロファイルは、終端領域19に向かってb=aの配置に対し低濃度となる。
以上説明したように、本実施例の半導体装置300では、外周領域18におけるp型ウェル層25同士の間隔は、中心領域17におけるp型ウェル層25同士の間隔よりも狭い。
これによって、低伝導期間47における外周領域18と終端領域19のキャリア濃度はより低濃度となり、その後のターンオフスイッチングにおいて、外周領域18における電流集中による破壊耐量をさらに向上する効果を導出できる。
図19から図21を参照して、本発明の実施例4に係る絶縁ゲート型(ゲート制御型)の半導体装置400について説明する。図19は、本実施例の半導体装置400の断面図である。
図19に示すように、本実施例の半導体装置400では、外周領域18と終端領域19のn-型ドリフト層20にキャリアライフタイム低減層64が配置されている。キャリアライフタイム低減層64は、ヘリウムやプロトン等の軽イオンのキャリアライフタイムキラーの照射によって生成される結晶欠陥によって生成される。キャリアライフタイム低減層64は、局所的な導入によってその領域の伝導度変調を抑制させる効果がある。
本実施例では、中心領域17にはキャりライフタイム低減層64が存在しないため、高伝導期間の導通損失への影響は限定的であり、本発明のダブルゲート型IGBTが有する低導通損失の性能への影響は小さい。一方で、外周領域18と終端領域19にキャリアライフタイム低減層64を導入することで、外周領域18及び終端領域19の電導度変調を抑制できる。
これにより、高伝導期間46の蓄積キャリア濃度を低減できるとともに、低伝導期間47において、キャリア制御ゲート(Gc)電極23からの正孔52の排出効果が加わることで、外周領域18のキャリア濃度を実施例1~3の構成に対しさらに低減することができる。したがって、ターンオフスイッチングにおいて、外周領域18における電流集中による破壊耐量をさらに向上でき、より高いターンオフ遮断耐量を得ることができる。
≪変形例3≫
図20に、図19の変形例を示す。
図20に示す変形例では、n-型ドリフト層20に接するp型コレクタ層の不純物濃度について、外周領域18と終端領域19を中心領域17に対し低減させる。p型コレクタ層は、IGBTの導通時において、正孔52を注入させる層であり、その濃度を低減することで、注入効率が低減する。
図20では、中心領域17のp型コレクタ層26の濃度を高くし、外周領域18と終端領域19のp型コレクタ層69の濃度を低くすることで、高伝導期間46の導通損失への影響がなく、本発明のダブルゲート型IGBTが有する低導通損失の性能を維持することができる。一方で、外周領域18と終端領域19のp型コレクタ層69の濃度を低減することで、外周領域18及び終端領域19の電導度変調を抑制できる。
図21に、図19及び図20の構成による高伝導期間46の蓄積キャリア濃度ACCのプロファイル分布を示す。中心領域17に対し、外周領域18と終端領域19でキャリアライフタイムを低減する、もしくは、p型コレクタ層の濃度を低減させる、もしくは、その両方を適用することで、外周領域18及び終端領域19の電導度変調は抑制されるため、実施例1から実施例3に示した構造に対し低濃度となる。したがって、低伝導期間47における外周領域18と終端領域19のキャリア濃度はより低濃度となり、その後のターンオフスイッチングにおいて、外周領域18における電流集中による破壊耐量をさらに向上する効果を導出できる。
なお、図19及び図20の構成は、実施例1から実施例3に示した平面レイアウトに適用することができる。
図22を参照して、本発明の実施例5に係る絶縁ゲート型(ゲート制御型)の半導体装置500について説明する。図22は、本実施例の半導体装置500の平面レイアウト図であり、ゲートの長手方向について示している。
エミッタ電極40と接続されるp型給電層27とn型エミッタ層28の配置を図22に示している。n型エミッタ層28は、IGBTの導通時において、電子51をn-型ドリフト層20に注入する領域であるが、本実施例では、キャリア制御ゲート(Gc)電極23に接するn型エミッタ層28の単位面積あたりの密度を、スイッチングゲート(Gs)電極24に接するn型エミッタ層28の単位面積当たりの密度よりも低減させている。
即ち、外周領域18におけるn型エミッタ層28の面積密度が中心領域17におけるn型エミッタ層28の面積密度に対し低減された構成である。
以上説明したように、本実施例の半導体装置500は、平面視した際、外周領域18のキャリア制御ゲート(Gc)電極23に対してゲート絶縁膜29を介してn型エミッタ層28が配置されている部分の割合は、中心領域17のスイッチングゲート(Gs)電極24に対してゲート絶縁膜29を介してn型エミッタ層28が配置されている部分の割合よりも小さい。
本実施例によれば、低伝導期間47における、外周領域18からの電子注入効率を落とすことができるため、n-型ドリフト層20における外周領域18と終端領域19の電導度変調を抑制し、蓄積キャリア濃度を実施例1から実施例4の構成に対しさらに低減することができる。これによって、ターンオフスイッチングにおいて、外周領域18における電流集中による破壊耐量をさらに向上でき、より高いターンオフ遮断耐量を得ることができる。
なお、図22においても、スイッチングゲート(Gs)配線14とキャリア制御ゲート(Gc)配線13は、外周領域18と中心領域17のみを渡るように示しているが、配線抵抗を低減する目的や給電を容易化する目的で、終端領域19上に配線してもよい。
また、図22の構成は、実施例1から実施例3に示した平面レイアウトに適用することができる。
図23を参照して、本発明の実施例6に係る絶縁ゲート型(ゲート制御型)の半導体装置600について説明する。図23は、本実施例の半導体装置600の平面レイアウト図であり、ゲートパッド領域周辺について示している。
図23に示すように、本実施例の半導体装置600では、チップの外周に配置された終端領域19の内側の一部に、ゲートパッド領域65が配置され、終端領域19とゲートパッド領域65の内側に隣接して、外周領域18が配置され、さらにその内側に中心領域17が配置されている。
図23に示すように、本実施例の半導体装置600では、ゲートパッド領域65は、終端領域19と外周領域18に隣接する構成となる。
ゲートパッド領域65においても、その下部には、外周領域18,中心領域17,終端領域19と共通のn-型ドリフト層20とp型コレクタ層26が配置されるため、高伝導期間46において、ゲートパッド領域65のn-型ドリフト層20においても電導度変調が生じ、キャリア濃度が高まる。
低伝導期間47において、ゲートパッド領域65の周辺に配置された外周領域18のキャリア制御ゲート(Gc)電極23によって、正孔52が引き抜かれることで、ゲートパッド領域65の電導度変調は抑制され、その後のターンオフスイッチングにおいて、外周領域18への電流集中が抑制され、半導体装置600の破壊耐量を向上することができる。
これによって、ターンオフスイッチングにおいて、外周領域18における電流集中による破壊耐量をさらに向上でき、より高いターンオフ遮断耐量を得ることができる。
なお、図23では、1つのゲートパッド領域65を示しているが、実際にはスイッチングゲート(Gs)配線14用とキャリア制御ゲート(Gc)配線13用の2つのゲートパッド領域65が存在し、その両者のゲートパッド領域65に対し、本構成を適用する。
また、スイッチングゲート(Gs)配線14とキャリア制御ゲート(Gc)配線13は、外周領域18と中心領域17のみを渡るように示しているが、配線抵抗を低減する目的や給電を容易化する目的で、終端領域19上に配線してもよい。
また、ゲートパッド領域65は、終端領域19に隣接して配置しているが、終端領域19とゲートパッド領域65の間に、外周領域18が配置されてもよい。
また、本実施例は、実施例1から実施例3に示した平面レイアウトに適用することができる。さらに、実施例4に示したキャリアライフタイム低減層64や低濃度p型コレクタ層69を、ゲートパッド領域65に適用することで、ターンオフ遮断耐量の向上効果が得られる。
図24を参照して、本発明の実施例7に係る絶縁ゲート型(ゲート制御型)の半導体装置700について説明する。図24は、本実施例の半導体装置700の断面図である。
図24に示すように、本実施例の半導体装置700では、ゲート電極の形状を、一方の面がゲート絶縁膜29を介してp型ウェル層(エミッタウェル層)25と接し、他方の面がp型ウェル層(エミッタウェル層)25もn-ドリフト層20も存在せず絶縁膜(厚い酸化膜16)と接することを特徴としたサイドゲート形状としている。
実施例1から実施例6で説明したトレンチゲート形状では、トレンチゲートの下部におけるゲート電極とゲート絶縁膜29とn-型ドリフト層20とで形成されるMOS容量に加え、p型ウェル層25に対向する面とは反対側の面に配置されたp型フローティング層(またはn-型ドリフト層)15とゲート絶縁膜29とゲート電極とで形成されるMOS容量が並列に配置される。
これにより、トレンチゲート型ではそのMOS容量が帰還容量として働いてその値は大きく、IGBTがターンオフやターンオンスイッチングする際、この容量を充電するミラー期間が発生して、高速な電流・電圧の変化を妨げ、損失を上昇させる要因となる。
一方、本実施例のサイドゲート形状では、p型ウェル層25に対向する面とは反対側の面(すなわち他方の面)は厚い絶縁膜16が配置されており、容量成分は存在しない。従って帰還容量は、サイドゲートの下部におけるゲート電極とゲート絶縁膜29とn-型ドリフト層20とで形成されるMOS容量のみで形成され、トレンチゲート型に対し、その容量値は小さい。
そのため、トレンチゲート型に対して、スイッチングの際、より高速に電流・電圧が変化し、スイッチング損失が小さくなる。従って、本発明をサイドゲート構造のIGBTに適用した場合であっても、実施例1と同様に、本発明の効果である低損失な性能と外周領域18のスイッチング時の電力発生を抑えられることでより高いターンオフ遮断耐量を両立して導出することが可能になる。即ち低損失と高出力を両立したダブルゲート型IGBTを実現できる。
なお、図24において図示した外周領域18と終端領域19の境界に配置されたp型層70は、ターンオフスイッチング時の正孔キャリア52に対し抵抗として働き、外周領域18へ集中する電流を低減する領域として設けている。
本実施例によれば、低伝導期間47で外周領域18と終端領域19の正孔濃度を低減することができるため、外周領域18と終端領域19の電流を低減することができ、p型層70の長さ71を短くすることができる。即ち、本発明を適用することで中心領域17と外周領域18と終端領域19から成る全体の半導体装置の面積を低減でき、小型化の効果を生み出すこともできる。
なお、本発明は、エアコンや電子レンジなどの小電力機器から、自動車や鉄道、製鉄所のインバータなどの大電力機器まで広く使われているものに好適な半導体装置、半導体回路の駆動装置並びに電力変換装置に適用することができる。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…n-型ドリフト層
2…p型ウェル層
3…n型エミッタ層
4…p型コレクタ層
5…ゲート絶縁膜(酸化膜)
6…p型高濃度層
7…エミッタ電極
8…コレクタ電極
9…フローティング電極
10…キャリア制御ゲート(Gc)
11…スイッチングゲート(Gs)
12…p型給電層
13…キャリア制御ゲート(Gc)配線
14…スイッチングゲート(Gs)配線
15…p型フローティング層またはn-型ドリフト層
16…厚い絶縁膜
17…中心領域(セル)
18…外周領域(セル)
19…終端領域
20…n-型ドリフト層
23…キャリア制御ゲート(Gc)電極
24…スイッチングゲート(Gs)電極
25…p型ウェル層
26…p型コレクタ層
27…p型給電層
28…n型エミッタ層
29…ゲート絶縁膜(ゲート酸化膜)
30…本発明のダブルゲート型IGBTの電力損失
31…従来のダブルゲート型IGBTの電力損失
32…終端領域19との境界に配置されたセル
33…低オン電圧のIGBT
34…高オン電圧のIGBT
35…低オン電圧のIGBT33のゲート
36…高オン電圧のIGBT34のゲート
38…ゲートの制御回路
39…コンタクト層
40…エミッタ電極
41…コレクタ電極
42…ダミーゲート領域
44…ゲートドライバ
45…ゲートドライバ
46…高伝導期間
47…低伝導期間
48…導通期間
49…非導通期間
50…ターンオフスイッチング
51…電子のキャリア
52…正孔のキャリア
53…伝導度変調
54…一時的に低濃度な蓄積キャリアのプロファイル
55…一時的に極低濃度な蓄積キャリアのプロファイル
56…高濃度の蓄積キャリア
57…従来のダブルゲート型IGBTのターンオフスイッチング波形
58…本発明のダブルゲート型IGBTのターンオフスイッチング波形
59…従来のダブルゲート型IGBTのターンオフ遮断耐量
60…本発明のダブルゲート型IGBTのターンオフ遮断耐量
61…従来の一種のゲートから成るIGBTの性能
62…従来のダブルゲート型IGBTの性能
63…本発明のダブルゲート型IGBTの性能
64…キャリアライフタイム低減層
65…ゲートパッド領域
69…低濃度p型コレクタ層
70…外周領域と終端領域の境界のp型層
71…外周領域と終端領域の境界のp型層の長さ
91…絶縁ゲート電極(Gs)
92…絶縁ゲート電極(Gc)
93…制御回路
94…駆動回路
95…誘導性負荷
96…直流電源
97…IGBT
98…絶縁ゲート端子
99…ダイオード
100…半導体装置(ダブルゲート型IGBT)
200…半導体装置(ダブルゲート型IGBT)
300…半導体装置(ダブルゲート型IGBT)
400…半導体装置(ダブルゲート型IGBT)
401…半導体装置(ダブルゲート型IGBT)
500…半導体装置(ダブルゲート型IGBT)
600…半導体装置(ダブルゲート型IGBT)
700…半導体装置(ダブルゲート型IGBT)
1000…従来の半導体装置(IGBT)
I/V…電流/電圧
…コレクタ電流
CE…コレクタ・エミッタ間電圧
GP…発生電力
STD…ターンオフ遮断耐量
V…電圧
MRV…最大定格電圧
RU…使用範囲
SL…スイッチング損失
ACC…高伝導期間の蓄積キャリア濃度

Claims (10)

  1. 互いに独立して駆動されるスイッチングゲートとキャリア制御ゲートとを有する半導体装置において、
    前記半導体装置を平面視した際、中心領域セルと、前記中心領域セルの全周を囲む外周領域セルと、前記外周領域セルの全周を囲む終端領域とを備え、
    前記中心領域セルは、前記スイッチングゲートと前記キャリア制御ゲートとを有するスイッチング素子を有し、
    前記外周領域セルは、前記中心領域セルと前記終端領域との間に配置され、
    前記外周領域セルのスイッチング素子のゲートは前記キャリア制御ゲートのみで構成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記スイッチングゲートと前記キャリア制御ゲートに対してスイッチング素子に反転層が形成される電圧が印加される第1の状態と、
    前記スイッチングゲートに対してスイッチング素子に反転層が形成される電圧が印加され、前記キャリア制御ゲートに対してスイッチング素子に蓄積層が形成される電圧が印加される第2の状態と、
    前記スイッチングゲートと前記キャリア制御ゲートに対してスイッチング素子に蓄積層が形成される電圧が印加される第3の状態とを有し、
    前記半導体装置が導通状態から非導通状態に移行する際に、前記第1の状態、前記第2の状態、前記第3の状態の順に移行することを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記半導体装置を平面視した際、前記外周領域セルのキャリア制御ゲートに対してゲート絶縁膜を介してエミッタ層が配置されている部分の割合は、前記中心領域セルのスイッチングゲートに対してゲート絶縁膜を介してエミッタ層が配置されている部分の割合よりも小さいことを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記中心領域セルのスイッチング素子は、前記スイッチングゲートと前記キャリア制御ゲートとの間に配置されたエミッタ層およびウェル層を有し、
    前記外周領域セルのスイッチング素子は、前記キャリア制御ゲートと、エミッタ層と、ウェル層とを有し、
    前記外周領域セルにおける前記ウェル層同士の間隔は、前記中心領域セルにおける前記ウェル層同士の間隔よりも狭いことを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記中心領域セルと前記外周領域セルと前記終端領域は、共通のドリフト層を有し、
    前記外周領域セルと前記終端領域のドリフト層内に、キャリアライフタイムキラー層を有することを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記中心領域セルと前記外周領域セルと前記終端領域は、共通のドリフト層を有し、
    前記中心領域セルのドリフト層内にキャリアを注入する第1のキャリア注入層を有し、
    前記外周領域セルと前記終端領域のドリフト層内にキャリアを注入する第2のキャリア注入層を有し、
    前記第2のキャリア注入層の不純物濃度は、前記第1のキャリア注入層の不純物濃度よりも低いことを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記外周領域セルおよび前記終端領域に隣接するゲートパッド領域を備えることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項4に記載の半導体装置において、
    前記スイッチングゲートと前記キャリア制御ゲートは、トレンチゲート形状またはサイドゲート形状であることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項4に記載の半導体装置において、
    前記半導体装置を平面視した際、前記スイッチングゲートは前記外周領域セルにも延在して配置されており、
    前記外周領域セルにおける前記スイッチングゲートは、ゲート絶縁膜を介したエミッタ層が配置されていないダミーゲートであることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の半導体装置を用いた電力変換装置。
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