JP2023101180A - 薬剤揮散装置 - Google Patents

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JP2023101180A JP2022001633A JP2022001633A JP2023101180A JP 2023101180 A JP2023101180 A JP 2023101180A JP 2022001633 A JP2022001633 A JP 2022001633A JP 2022001633 A JP2022001633 A JP 2022001633A JP 2023101180 A JP2023101180 A JP 2023101180A
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幸雄 菊田
Yukio Kikuta
友美 岩本
Tomomi Iwamoto
涼子 浮田
Ryoko Ukita
泰史 大野
Yasushi Ono
由美 川尻
Yumi Kawajiri
幸治 中山
Koji Nakayama
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Abstract

Figure 2023101180000001
【課題】吹き込まれた空気に薬剤を十分に含ませることができ、これによって薬剤を効果的に揮散させることができる薬剤揮散装置を提供する。
【解決手段】揮散性薬剤を揮散可能に保持する薬剤揮散体3と、薬剤揮散体3を通気可能に収容する収容容器5とを備えた薬剤揮散装置1Aであって、収容容器5は、第一開口部10を有する正面部21と、第二開口部20を有する背面部31とを備え、正面部21と背面部31とが対向配置されており、正面部21と背面部31とを重ね合わせたとき、第一開口部10と第二開口部20とが重なる領域と、第一開口部10と第二開口部20とが重ならない領域とがあり、前記重なる領域の面積は、第一開口部10の面積又は第二開口部20の面積の20~80%となるように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、揮散性薬剤を揮散可能に保持する薬剤揮散体と、薬剤揮散体を通気可能に収容する収容容器とを備えた薬剤揮散装置に関する。
住宅において、玄関や、ベランダ付近の窓等は、害虫の侵入口となる。害虫の侵入を抑制する方法として、玄関やベランダ等に防虫具を配することが考えられる。このような防虫具として、例えば、風により容器内に吹き込まれた空気に防虫効果のある薬剤を含ませて揮散させるようにした薬剤揮散体が知られている(特許文献1,2を参照)。
特許文献1に係る薬剤揮散体は、開口部を有する細長直方体状の薬剤容器の内部に揮散性薬剤を保持させた担体を収納してなり、例えば、ドアノブに吊り下げて使用し、薬剤容器内に吹き込まれた空気に薬剤を含ませ、薬剤を含んだ空気を薬剤容器に設けられた開口部を通して放出し揮散させることにより、玄関から侵入しようとする蚊、ブユ等の飛翔害虫を駆除又は忌避することができるように構成されている。
特許文献2に係る薬剤揮散体は、開口部を有する矩形板状の薬剤容器の内部に揮散性薬剤を保持させた担体を収納してなり、例えば、ベランダの物干し竿や手摺等に吊り下げて使用し、薬剤容器内に吹き込まれた空気に薬剤を含ませ、薬剤を含んだ空気を薬剤容器に設けられた開口部を通して放出し揮散させることにより、ベランダ付近の窓から侵入しようとする蚊、ブユ等の飛翔害虫を駆除又は忌避することができるように構成されている。
特開2013-132216号公報 特開2008-194034号公報
特許文献1に係る薬剤揮散体において、開口部は、薬剤容器の正面部、背面部等に設けられている。薬剤容器の正面部及び背面部に設けられる夫々の開口部は、縦横に所定ピッチで規則的に配置される正方形状で同じサイズの多数の孔部の集合により形成されている。このような開口部が設けられた特許文献1の薬剤揮散体では、薬剤容器の正面部と背面部とを重ね合わせたとき、正面部側の開口部と背面部側の開口部とが略一致するように重なることになる。このため、ドアノブ以外の場所に設置した場合には、風の流れにより正面部側の開口部から薬剤容器の内部に吹き込まれた空気が、そのまま背面部側の開口部を通って薬剤容器の外部へと抜け易くなる。その結果、薬剤容器の内部に吹き込まれた空気に薬剤を十分に含ませることができないまま、薬剤容器の外部へと放出されることがある。従って、薬剤を効果的に揮散させる観点から改良の余地があるといえる。
特許文献2に係る薬剤揮散体においても、開口部は、薬剤容器の正面部、背面部等に設けられている。薬剤容器の正面部及び背面部に設けられる夫々の開口部は、複数の窓形状の孔部の集合により形成され、大部分の孔部が、正面部側から背面部側に向う投影視で略同じサイズ、配置となるように穿設されている。このような開口部が設けられた特許文献2の薬剤揮散体においても、上記特許文献1の薬剤容器と同様に、薬剤容器の正面部と背面部とを重ね合わせたとき、正面部側の開口部と背面部側の開口部とが略一致するように重なることになる。従って、上記特許文献1の薬剤容器と同様に、薬剤を効果的に揮散させる観点から改良の余地があるといえる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、吹き込まれた空気に薬剤を十分に含ませることができ、これによって薬剤を効果的に揮散させることができる薬剤揮散装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る薬剤揮散装置の特徴構成は、
揮散性薬剤を揮散可能に保持する薬剤揮散体と、
前記薬剤揮散体を通気可能に収容する収容容器と、
を備えた薬剤揮散装置であって、
前記収容容器は、
第一開口部を有する第一面部と、
第二開口部を有する第二面部と、
を備え、
前記第一面部と前記第二面部とが対向配置されており、
前記第一面部と前記第二面部とを重ね合わせたとき、前記第一開口部と前記第二開口部とが重なる領域と、前記第一開口部と前記第二開口部とが重ならない領域とがあり、
前記重なる領域の面積は、前記第一開口部の面積又は前記第二開口部の面積の20~80%となるように構成されることにある。
本構成の薬剤揮散装置によれば、第一面部と第二面部とを重ね合わせたとき、第一開口部と第二開口部とが重なる領域と、第一開口部と第二開口部とが重ならない領域とがあり、前記重なる領域の面積が、第一開口部の面積又は第二開口部の面積の20~80%となるように構成される。このような構成により、風の流れにより第一開口部又は第二開口部から収容容器の内部に吹き込まれた空気が、そのまま第二開口部又は第一開口部を通って収容容器の外部へと抜け難くなり、収容容器の内部において、空気が乱流状態となり、薬剤揮散体からの揮散性薬剤と空気とがかき混ぜられる。その結果、収容容器の内部に吹き込まれた空気に薬剤を十分に含ませることができ、薬剤を十分に含んだ空気を収容容器の外部へと放出させることができる。従って、薬剤を効果的に揮散させることができる。
本発明に係る薬剤揮散装置において、
前記薬剤揮散体における前記第一面部又は前記第二面部と対向する側の表面積が、1000~15000mmに設定されることが好ましい。
本構成の薬剤揮散装置によれば、薬剤揮散体における第一面部又は第二面部と対向する側の表面積が、1000~15000mmに設定されるので、薬剤を効果的に揮散可能な表面積を確保することができる。
本発明に係る薬剤揮散装置において、
前記第一面部又は前記第二面部における前記薬剤揮散体と対向する側の表面を、前記薬剤揮散体と接触可能で、且つ前記第一開口部又は前記第二開口部を有しない平面とみなした場合において、前記薬剤揮散体における前記平面と対向する側の表面を前記平面に投影したときの重なり面積が、前記薬剤揮散体の全体の表面積の15%以下に設定されることが好ましい。
本構成の薬剤揮散装置によれば、第一開口部又は第二開口部を有しない場合における、第一面部又は第二面部との対向面に対する薬剤揮散体の接触可能面積が、薬剤揮散体の全体の表面積の15%以下に設定される。実際には第一面部及び第二面部に開口部が設けられることから、実際の接触可能面積は、薬剤揮散体の全体の表面積の15%よりも確実に小さく抑えることができる。こうして、第一面部又は第二面部に接触しうる薬剤揮散体の部分をできるだけ小さくすることにより、薬剤の揮散が妨げられるのを避けるとともに、収容容器の汚染を防止することができる。
本発明に係る薬剤揮散装置において、
前記第一開口部及び前記第二開口部の夫々の面積は、前記第一面部及び前記第二面部の夫々の面積全体の10~50%に設定されることが好ましい。
本構成の薬剤揮散装置によれば、第一開口部及び第二開口部の夫々の面積が、第一面部及び第二面部の夫々の面積全体の10~50%に設定されるので、第一開口部及び第二開口部を通しての空気の取込・放出量が適切となり、薬剤の効能を適切に発揮しつつ、薬剤の過剰な揮散を回避することができて、薬剤揮散体の薬剤揮散性能を長期間に亘って持続することができる。
本発明に係る薬剤揮散装置において、
前記第一開口部及び前記第二開口部の夫々は、複数の孔部の集合により形成されることが好ましい。
本構成の薬剤揮散装置によれば、第一開口部及び第二開口部の夫々が、複数の孔部の集合により形成されるので、風の流れにより第一開口部又は第二開口部から収容容器の内部に吹き込まれた空気が、薬剤揮散体からの薬剤とかき混ぜられた後、第二開口部又は第一開口部を形成する複数の孔部を通過する際に、空気の流れを各孔部で絞ることによって流速を増加させる絞り効果により、収容容器から外部への放出速度を増加させることができ、薬剤をより効果的に揮散させることができる。
本発明に係る薬剤揮散装置において、
前記第一面部は、両端部に対し当該両端部の間の中間部が前記収容容器の外方に向けて突出した凸湾曲面状に形成され、
前記第一面部における前記孔部は、前記第一面部の前記両端部から前記中間部に亘って配置され、
前記配置される前記孔部の開口面積は、前記中間部から前記両端部に向かう方向に進むに従って大きくなるように設定されることが好ましい。
本構成の薬剤揮散装置によれば、第一面部は、両端部に対し当該両端部の間の中間部が収容容器の外方に向けて突出した凸湾曲面状に形成され、第一面部における複数の孔部は、第一面部の両端部から中間部に亘って配置される。これにより、第一面部における複数の孔部を通して収容容器の内部に空気を取り込む場合、凸湾曲面状の第一面部から離れる方向に末広がりの外部領域から空気が取り込まれることになり、第一面部が平面状である場合よりも広い外部領域から空気を取り込むことができる。また、収容容器の内部から薬剤を含んだ空気を第一面部における複数の孔部を通して収容容器の外部に放出する場合、凸湾曲面状の第一面部から離れる方向に末広がりの外部領域に向けて薬剤含有空気が放出されることになり、第一面部が平面状である場合よりも広い外部領域に薬剤含有空気を放出することができる。ところで、第一面部が凸湾曲面状に形成された場合、収容容器の内部に取り込み可能な空気の取込容量は、収容容器における第一面部の中間部を含む中間部分に対し、収容容器における第一面部の端部を含む端部分が構造上小さくなる。そこで、本発明においては、第一面部の両端部から中間部に亘って配置される複数の孔部の開口面積が、中間部から両端部に向かう方向に進むに従って大きくなるように設定される。これにより、空気の取込容量が相対的に小さい収容容器の端部分では、開口面積が相対的に大きい孔部を通して空気が取り込まれることになり、その結果、収容容器の内部全体に均一に空気を取り込むことができ、取り込んだ空気に薬剤を斑なく含ませることができる。
本発明に係る薬剤揮散装置において、
前記孔部は、前記第一面部において仮想的に描かれる、中心部から旋回方向に進むに従って遠ざかるような仮想渦巻線上で、且つ前記第一面部の両端部から当該両端部の間の中間部に亘って配置され、
前記配置される前記孔部の開口面積は、前記旋回方向に進むに従って大きくなるように設定されることが好ましい。
本構成の薬剤揮散装置によれば、第一面部に配置される複数の孔部の開口面積は、仮想渦巻線の旋回方向に進むに従って大きくなるように設定される。このため、風の流れにより第二面部における第二開口部から収容容器の内部に吹き込まれた空気が、薬剤揮散体からの薬剤とかき混ぜられた後、第一面部に配置される複数の孔部を通過する際に、空気の流れを各孔部で絞ることによって流速を増加させる絞り効果は、第一面部における中心部に近づくに従って大きくなり、中心部から仮想渦巻線の旋回方向に進むに従って小さくなる。従って、第一面部の中心部からは相対的に大きい流速で薬剤含有空気が放出され、第一面部の中心部から仮想渦巻線の旋回方向に離れるに従って、放出される薬剤含有空気の流速が小さくなる。その結果、第一面部からは、指向性を有する螺旋状の気流に薬剤を乗せて放出することができ、より遠くまで薬剤を揮散させることができる。
本発明に係る薬剤揮散装置において、
前記孔部の最小開口面積と最大開口面積との比率が、3:5~3:80に設定されることが好ましい。
本構成の薬剤揮散装置によれば、複数の孔部の最小開口面積と最大開口面積との比率が、3:5~3:80に設定されるので、空気の流れを各孔部で絞ることによって流速を増加させる絞り効果により、相対的に大きい流速で遠くまで揮散させる薬剤量と、相対的に小さい流速で近距離に揮散させる薬剤量との比率が適切となり、薬剤の効能を適切に作用させることができる。
本発明に係る薬剤揮散装置において、
前記孔部は、円形状又は円弧部を含む形状であり、
前記孔部のうち一の孔部の開口縁と当該一の孔部と隣り合う他の孔部の開口縁との最短距離が、前記一の孔部の径の大きさの1/6以上に設定されることが好ましい。
本構成の薬剤揮散装置によれば、隣り合う孔部が互いに独立した孔部として機能する距離で配置されることになり、一の孔部及び他の孔部の夫々を通して収容容器の内部に吹き込まれる空気の相互干渉を抑制することができるとともに、一の孔部及び他の孔部の夫々を通して収容容器の外部に放出される空気の相互干渉を抑制することができ、空気の取込・放出をスムーズに行うことができる。
本発明に係る薬剤揮散装置において、
前記収容容器は、第三開口部を有する第三面部をさらに備え、
前記第三面部は、前記第一面部と前記第二面部との間において、前記第一面部及び前記第二面部と交差する方向に延在することが好ましい。
本構成の薬剤揮散装置によれば、第一面部及び第二面部に設けられた第一開口部及び第二開口部による空気の取込・放出に加えて、第三面部に設けられた第三開口部を通して空気の取込・放出が行われるので、より広範囲に薬剤を揮散させることができる。
本発明に係る薬剤揮散装置において、
前記収容容器は、前記第一面部を含む一側容器部と、前記第二面部を含む他側容器部とを分離可能に嵌め合わせて構成され、
前記一側容器部には、前記収容容器の内方に向けて突出される突出部が形成され、
前記他側容器部には、前記突出部の両側縁に係合可能な一対の案内部が形成され、
分離状態にある前記一側容器部と前記他側容器部とを嵌め合わせ状態にする際、前記突出部が前記案内部によって案内されることが好ましい。
本構成の薬剤揮散装置によれば、分離状態にある一側容器部と他側容器部とを嵌め合わせ状態にする際に、一側容器部に設けられた突出部が、他側容器部に設けられた一対の案内部によって案内されるので、一側容器部と他側容器部との相対位置が適切となり、一側容器部と他側容器部とを嵌合状態として収容容器を使用可能な形態とする操作をスムーズに行うことができる。
本発明に係る薬剤揮散装置において、
前記揮散性薬剤は、30℃における蒸気圧が2×10-4~1×10-2mmHgであるピレスロイド系化合物であることが好ましい。
本構成の薬剤揮散装置によれば、薬剤揮散体に所定の蒸気圧のピレスロイド系化合物を揮散可能に保持させることにより、害虫を駆除又は忌避する用途において有効な薬剤揮散効果を発揮することができる。
図1は、第一実施形態に係る薬剤揮散装置を示す図である。 図2は、第一開口部の説明図である。 図3は、第二開口部の説明図である。 図4は、背面部上に正面部を重ね合わせたときの第一開口部と第二開口部との重なり領域を示す図である。 図5は、正面部上に背面部を重ね合わせたときの第一開口部と第二開口部との重なり領域を示す図である。 図6は、第一実施形態の薬剤揮散装置の縦断面図である。 図7は、収容容器における正面側容器部と背面側容器部との位置合せ構造を示す図である。 図8は、本発明の第二実施形態に係る薬剤揮散装置を示す図である。 図9は、第一開口部の説明図である。 図10は、第二開口部の説明図である。 図11は、背面部上に正面部を重ね合わせたときの第一開口部と第二開口部との重なり領域を示す図である。 図12は、正面部上に背面部を重ね合わせたときの第一開口部と第二開口部との重なり領域を示す図である。 図13は、第二実施形態の薬剤揮散装置の縦断面図である。
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることは意図しない。
〔第一実施形態〕
図1は、本発明の第一実施形態に係る薬剤揮散装置1Aを示す図である。図1(a)は、薬剤揮散装置1Aの全体を前方から見た斜視図である。図1(b)は、薬剤揮散装置1Aの全体を後方から見た斜視図である。図1(c)は、薬剤揮散装置1Aに組み込まれる薬剤揮散体3の全体を前方から見た斜視図である。
<全体構成>
図1(a)及び(b)に示す薬剤揮散装置1Aは、揮散性薬剤を揮散可能に保持する図1(c)に示すような薬剤揮散体3と、薬剤揮散体3を通気可能に収容する樹脂製の収容容器5と、収容容器5に付設される樹脂製のフック部7とを備えている。
<薬剤揮散体>
本発明に用いられる薬剤揮散体としては、各種材質によるシート状の平面構造体であっても、立体構造体であってもよい。シート状の平面構造体の場合は、例えば、パルプ、リンターなどの天然由来材料、レーヨン、ビスコースなどのセルロース系繊維、あるいはポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの合成繊維、ガラス繊維などが挙げられ、これらの一種又は二種以上を絡合させて、紙、布、不織布、フェルトなどの通気性を有しているシート状にしたもの、あるいは樹脂組成物を格子状やネット状に成形した樹脂メッシュが挙げられる。立体構造体の場合は、例えば、図1(c)に示すような薬剤揮散体3が挙げられる。この薬剤揮散体3は、棒状体を矩形波状に形成した複数本の波状体を、その頂部同士で交差させて接合させることにより構成したものである。薬剤揮散体3は、揮散性を有する揮散性薬剤を含有させた樹脂組成物を用いて形成されており、練り込まれた揮散性薬剤は、立体構造体の表面にブリードしてその表面から揮散することが可能とされている。
上記の平面構造体の樹脂メッシュや立体構造体を構成する樹脂組成物は、例えば、防虫成分を含む揮散性薬剤を樹脂に含有させた組成物であり、且つ含有する上記揮散性薬剤を揮散することが可能な組成物であるが、通常、揮散性薬剤含有樹脂ペレットを用いて製造される。
具体的には、揮散性薬剤として防虫成分を必要に応じて微粉末担体に担持させ、これを樹脂とともに混練させた防虫成分含有樹脂ペレットであり、また、防虫成分がトランスフルトリンの場合は結晶析出防止成分を含有させたものである。このペレットはマスターバッチとして用いることができ、必要に応じこれにさらに追加の樹脂を混合・混練したものは樹脂組成物として種々の樹脂成形体を製造する際の材料となる。この発明に係る防虫成分含有樹脂ペレットは、その形態で輸送、保存を行うことができ、その間にブリード、結晶析出などが起こることを抑制するものである。
上記樹脂としては、そのままで、又は後述する担体を使用したとき、含有させた上記揮散性薬剤を徐々に表面から揮散させることが可能であれば特に限定されるものではない。例えば、分岐低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂や、あるいは、これらとカルボン酸エステル(酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等)とのポリオレフィン系共重合体等が挙げられる。かかるカルボン酸エステルは、樹脂表面からの揮散性薬剤の揮散をコントロールするのに効果的で、一般にカルボン酸エステルのポリオレフィン系樹脂に対する配合比率が高くなるほど揮散性薬剤のブリードの速度を遅らせる傾向を有する。本発明では、カルボン酸エステルがポリオレフィン系樹脂に対して1~35重量%配合された、エチレン-ビニルアセテート共重合体(EVA)やエチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)等が好適に使用される。また、ポリオレフィン系共重合体とオレフィンの単独重合体との含有比率を調整して混合したポリマーブレンドを用いることもできるし、必要に応じてスチレン系エラストマー等の他の高分子化合物を含有させることもできる。なお、上記カルボン酸エステルとは、不飽和カルボン酸エステル又はカルボン酸ビニルエステルを意味する。
特に、この発明においては、エチレン-ビニルアセテート共重合体(エチレン-酢酸ビニル樹脂)を含むことが特に好ましい。エチレン-ビニルアセテート共重合体は、単にペレットを構成する樹脂成分としての機能のみならず、防虫成分であるトランスフルトリン、メトフルトリン及びプロフルトリンに対して、ブリード調整剤として作用する。このエチレン-ビニルアセテート共重合体の配合量は、上記防虫成分がトランスフルトリンやプロフルトリンの場合、ペレット全体に対して5質量%以上とされ、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。一方、上限は50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましい。なお、上記防虫成分がメトフルトリンの場合には、5質量%以上35質量%以下が適当である。また、上記防虫成分がメトフルトリンを主体とした混合物である場合には、10質量%以上35質量%以下が好適となる。
上記防虫成分を含む揮散性薬剤は、有効成分が揮散性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、他成分として、忌避剤、芳香剤、消臭剤、防黴剤、抗菌剤などを組み合わせて用いることができる。
上記防虫成分としては、トランスフルトリン、メトフルトリン、エムペントリン、プロフルトリン、アレスリン、フラメトリン、プラレトリン、レスメトリン、フタルスリン、フェノトリン、天然ピレトリン等のピレスロイド系殺虫成分、ジクロルボス、フェニトロチオン、マラソン等の有機リン系殺虫成分、メトプレン、ハイドロプレン等の昆虫成長制御剤等が挙げられ、なかでも、30℃における蒸気圧が2×10-4~1×10-2mmHgのピレスロイド系化合物であるトランスフルトリン、メトフルトリン、エムペントリン、プロフルトリンから選ばれるものが好ましい。これらの化合物のなかには、不斉炭素や不飽和結合に基づく光学異性体または幾何異性体が存在する場合があるが、それらの各々単独もしくは任意の混合物も本発明に包含されることはもちろんである。
上記忌避剤としては、1-メチルプロピル2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペリジンカルボキシラート(イカリジン)、ブチルアセチルアミノプロピオン酸エチル(IR3535)、N,N-ジエチルトルアミド(ディート)、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、2-エチル-ヘキサンジオール、ジブチルサクシネート、p-メンタン-3,8-ジオール等が挙げられる。
上記芳香剤としては、シトロネラ油、オレンジ油、レモン油、ライム油、ユズ油、ラベンダー油、ペパーミント油、ユーカリ油、ジャスミン油、檜油、緑茶精油、リモネン、α-ピネン、リナロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、アミルシンナミックアルデヒド、ベンジルアセテートなどが挙げられる。
上記消臭剤としては、揮発性のものではヒバ油、ヒノキ油、竹エキス、ヨモギエキス、キリ油やピルビン酸エチル、ピルビン酸フェニルエチル等のピルビン酸エステルなどが挙げられる。
上記防黴剤としては、2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、イソプロピルメチルフェノール、オルソフェニルフェノールなどが挙げられる。
上記抗菌剤としては、ヒノキチオール、テトラヒドロリナロール、オイゲノール、シトロネラール、アリルイソチオシアネートなどが挙げられる。
上記揮散性薬剤含有樹脂ペレットには、必要に応じて、タルク、アルミナ、シリカ、ホワイトカーボンとよばれる微結晶シリカや微粉末ケイ酸、珪藻土、ゼオライト類、粘度鉱物、木粉等の微粉末担体を併用してもよく、更に着色剤、安定剤、帯電防止剤等を適宜配合しても構わない。微粉末担体を使用すると、ペレット内に上記防虫成分等の揮散性薬剤を担持することができ、また、第一段階で樹脂に揮散性薬剤を高濃度に含有させたマスターバッチを調製し、第二段階で更に樹脂を用い所定濃度に希釈して得られる樹脂組成物の製造工程を採用することができ便利である。また、樹脂組成物内部から表面部にかけての連通気泡を生じ、内部の揮発性薬剤が表面にブリードしやすくなる場合もある。
上記樹脂組成物中における揮散性薬剤の含有量は、使用する揮散性薬剤の種類、樹脂の種類、使用環境、使用期間等によって適宜決定される。使用期間が長くなるほど揮散性薬剤の含有量を高くする必要があるが、1~20質量%の範囲に設定するのが適当である。
成形方法は特に限定されず、押出成形、射出成形、プレス成形、真空成形などを用いることができるが、特に押出成形や射出成形を好適に利用できる。
この発明に係る薬剤揮散体は、後述する収容容器5に収容し使用されることにより、多くの昆虫類をはじめとする節足動物、具体的には、アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカ等の蚊類、ブユ類、ヌカカ類、ユスリカ類、ハエ類、チョウバエ類、イガ類、ハチ類及びクモ類等に対して殺虫効果又は忌避効果に基づく優れた防虫効果を発揮する。
<収容容器>
図1(a)及び(b)に示すように、収容容器5は、使用時の姿勢で上下方向に細長な略直方体状の形態であり、正面側の部分を構成する正面側容器部11と、背面側の部分を構成する背面側容器部13とを備えている。正面側容器部11と背面側容器部13とは、所要箇所に設けられた相互に係合可能な係止手段15によって嵌め合わせ状態が維持されており、係止手段15による係止状態を解除することで相互に分離でき、収容容器5に対し薬剤揮散体3を出し入れ可能に構成されている。なお、以下の説明において、「薬剤」とは、特に断りのない限り、上述した揮散性薬剤のことである。
図1(a)に示すように、正面側容器部11は、正面部21、上面部23、下面部25及び左右の側面部27を備えている。これらの面部21,23,25,27は、何れも板状部材からなる。正面部21は、上下方向の両端部に対し当該両端部の間の中間部が収容容器5の外方(本例では前方)に向けて突出した凸湾曲面状に形成されている。正面部21の上側縁及び下側縁には、正面部21と交差する方向(本例では水平方向)で、且つ後方に向けて延在するように上面部23及び下面部25が夫々一体的に連設されている。正面部21の左右の各側縁には、正面部21と交差する方向(本例では水平方向)で、且つ後方に向けて延在するように側面部27が一体的に連設されている。
図1(b)に示すように、背面側容器部13は、背面部31、上面部33、下面部35及び左右の側面部37を備えている。これらの面部31,33,35,37は、何れも板状部材からなる。背面部31は、上下方向に平らに延在する帯状に形成されている。背面部31の上側縁及び下側縁には、背面部31と交差する方向(本例では水平方向)で、且つ前方に向けて延在するように上面部33及び下面部35が夫々一体的に連設されている。背面部31の左右の各側縁には、背面部31と交差する方向(本例では水平方向)で、且つ前方に向けて延在するように側面部37が一体的に連設されている。なお、背面側容器部13には、薬剤揮散装置1Aをドアノブに吊り下げて使用する場合に、ドア面との間に隙間を確保するための所要の突起部41が設けられるとともに、フック部7を係止するための調節孔兼開口部43が設けられている。
ここで、正面部21が本発明の「第一面部」に対応する。背面部31が本発明の「第二面部」に対応する。正面側容器部11及び背面側容器部13における上面部23,33、下面部25,35及び各側面部27,37を含む収容容器5の側面部61が本発明の「第三面部」相当する。
<第一開口部>
図2は、第一開口部10の説明図である。図2に示すように、正面部21は、第一開口部10を有している。第一開口部10は、所定の配置で正面部21に穿設される複数の孔部45A,45Bの集合により形成されている。本例において、第一開口部10は、円形状の複数の孔部45Aと、円形の一部及び角丸三角形の一部を組み合わせたような円弧部を含む略雫状の複数の孔部45Bとを含む。複数の孔部45Bは、正面部21における上下方向の真ん中位置の近傍に配置されている。複数の孔部45Bは、当該複数の孔部45Bの全てを包絡する包絡線の形状が上下方向に膨らみを持つように上下左右方向に所定ピッチで配置されている。複数の孔部45Aは、正面部21における上下方向の両端部から複数の孔部45Bの近傍における中間部に亘って配置されている。複数の孔部45Aは、複数の孔部45Bを基準として、複数の孔部45Bに対する間隔が、正面部21における上下方向の両端部に向かう方向に進むに従って順次大きくなるように、上下左右方向に所定ピッチで配置されている。なお、第一開口部10は、大部分が孔部45Aにより構成されている。以下において、孔部45Aと孔部45Bとを総称する場合は、孔部45と称することとする。
上記のように配置される複数の孔部45Aの開口面積は、正面部21における上下方向の中間部から両端部に向かう方向に進むに従って大きくなるように設定されている。
<第一開口部の面積>
孔部45の集合により形成される第一開口部10の面積は、正面部21の面積全体の10~50%に設定されることが好ましく、10~30%に設定されることがより好ましい。
上記のように、第一開口部10の面積が正面部21の面積全体の10~50%の範囲に設定されることにより、第一開口部10を通しての空気の取込・放出量が適切となり、薬剤の効能を適切に発揮しつつ、薬剤の過剰な揮散を回避することができて、薬剤揮散体3の薬剤揮散性能を長期間に亘って持続することができる。第一開口部10の面積が正面部21の面積全体の10%よりも小さい場合、薬剤の効能を十分に発揮できない虞がある。第一開口部10の面積が正面部21の面積全体の50%よりも大きい場合、薬剤の過剰な揮散により、薬剤揮散体3の薬剤揮散性能を長期間に亘って持続することができない虞がある。
<正面部での孔部面積比率>
ここで、正面部21の正面視全領域を上下方向に三等分し、上端部領域101A、下端部領域101B及びこれらの端部領域101A,101Bの間の中間部領域101Cを定める。この場合、中間部領域101Cに設けられた複数の孔部45のうち任意の1つの孔部の開口面積と、上端部領域101A及び下端部領域101Bに設けられた複数の孔部45のうち任意の1つの孔部の開口面積との比率は、6:1~6:36に設定されることが好ましい。
上記のように、孔部45の開口面積比率が6:1~6:36の範囲に設定されることにより、正面部21の上下方向の領域において、第一開口部10を通しての空気の取込・放出量の偏りを所定の許容範囲内に抑えることができ、薬剤揮散体3に含まれる薬剤が上下方向で部分的に過剰に減ることを抑えることができる。孔部45の開口面積比率が6:1~6:36の範囲から外れると、第一開口部10を通しての空気の取込・放出量の偏りが所定の許容範囲を超えて過剰となり、薬剤揮散体3に含まれる薬剤が上下方向で部分的に過剰に減る虞がある。
<正面部での孔部最大・最小面積比率>
正面部21においては、複数の孔部45の最小開口面積と最大開口面積との比率が、3:5~3:80に設定されることが好ましい。
上記のように、複数の孔部45の最大・最小面積比率が3:5~3:80の範囲に設定されることにより、空気の流れを孔部45で絞ることによって流速を増加させる絞り効果により、相対的に大きい流速で遠くまで揮散させる薬剤量と、相対的に小さい流速で近距離に揮散させる薬剤量との比率が適切となり、薬剤の効能を適切に作用させることができる。孔部45の最大・最小面積比率が3:5~3:80の範囲から外れると、遠くまで揮散させる薬剤量と、近距離に揮散させる薬剤量とのバランスが悪くなり、薬剤の効能を適切に作用させることができない虞がある。
<隣り合う孔部間の最短距離>
複数の孔部45のうち一の孔部45の開口縁と当該一の孔部45と隣り合う他の孔部45の開口縁との最短距離、すなわち、図2に示す例では、距離(L)が、一の孔部45の径(直径D)の大きさの1/6(約0.2)以上に設定されることが好ましい。
上記のように、隣り合う孔部45の間の最短距離(L)が一の孔部45の径(直径D)の大きさの1/6以上に設定されることにより、隣り合う孔部45が互いに独立した孔部として機能する距離で配置されることになり、一の孔部45及び他の孔部45の夫々を通して収容容器5の内部に吹き込まれる空気の相互干渉を抑制することができるとともに、一の孔部45及び他の孔部45の夫々を通して収容容器5の外部に放出される空気の相互干渉を抑制することができ、空気の取込・放出をスムーズに行うことができる。
<第二開口部>
図3は、第二開口部20の説明図である。図3に示すように、背面部31は、第二開口部20を有している。第二開口部20は、所定の配置で背面部31に穿設される複数の孔部47A,47B,47Cの集合により形成されている。本例において、第二開口部20は、比較的小径で開口面積が同じに設定される円形状の複数の孔部47Aと、孔部47Aよりも大径で開口面積がより大きく設定される複数の孔部47Bと、孔部47Bよりも大径で開口面積がさらに大きく設定される円形の一つの孔部47Cとを含む。孔部47Cは、背面部31における上下左右方向の真ん中位置、つまり中心位置に配置されている。複数の孔部47Bは、孔部47Cの左右両側に所定の間隔をあけて配置されている。複数の孔部47Aのうちの一部は、孔部47C及び複数の孔部47Bを取り囲み、且つ当該一部の孔部47Aの全てを包絡する包絡線の形状が上下方向に膨らみを持つように上下左右方向に所定ピッチで配置されている。複数の孔部47Aのうちの残部は、背面部31における上下方向の両端部寄りの位置から前記一部の孔部47Aの近傍における中間部に亘って配置されている。前記残部の孔部47Aは、前記一部の孔部47Aを基準として、当該一部の孔部47Aに対する間隔が、背面部31における上下方向の両端部に向かう方向に進むに従って順次大きくなるように、上下左右方向に所定ピッチで配置されている。なお、第二開口部20は、大部分が孔部47Aにより構成されている。以下において、孔部47A、孔部47B及び孔部47Cを総称する場合は、孔部47と称することとする。
<第二開口部の面積>
孔部47の集合により形成される第二開口部20の面積は、背面部31の面積全体の10~50%に設定されることが好ましく、10~30%に設定されることがより好ましいい。
上記のように、第二開口部20の面積が背面部31の面積全体の10~50%の範囲に設定されることにより、第二開口部20を通しての空気の取込・放出量が適切となり、薬剤の効能を適切に発揮しつつ、薬剤の過剰な揮散を回避することができて、薬剤揮散体3の薬剤揮散性能を長期間に亘って持続することができる。第二開口部20の面積が背面部31の面積全体の10%よりも小さい場合、薬剤の効能を十分に発揮できない虞がある。第二開口部20の面積が背面部31の面積全体の50%よりも大きい場合、薬剤の過剰な揮散により、薬剤揮散体3の薬剤揮散性能を長期間に亘って持続することができない虞がある。
<背面部での孔部面積比率>
ここで、背面部31の背面視全領域を上下方向に三等分し、上端部領域103A、下端部領域103B及びこれらの端部領域103A,103Bの間の中間部領域103Cを定める。この場合、中間部領域103Cに設けられた複数の孔部47のうち任意の1つの孔部の開口面積と、上端部領域103A及び下端部領域103Bに設けられた複数の孔部47のうち任意の1つの孔部の開口面積との比率は、6:1~6:36に設定されることが好ましい。
上記のように、孔部47の開口面積比率が6:1~6:36の範囲に設定されることにより、背面部31の上下方向の領域において、第二開口部20を通しての空気の取込・放出量の偏りを所定の許容範囲内に抑えることができ、薬剤揮散体3に含まれる薬剤が上下方向で部分的に過剰に減ることを抑えることができる。孔部47の開口面積比率が6:1~6:36の範囲から外れると、第二開口部20を通しての空気の取込・放出量の偏りが所定の許容範囲を超えて過剰となり、薬剤揮散体3に含まれる薬剤が上下方向で部分的に過剰に減る虞がある。
<背面部での孔部最大・最小面積比率>
背面部31においては、複数の孔部47の最小開口面積と最大開口面積との比率が、3:5~3:80に設定されることが好ましい。
上記のように、複数の孔部47の最大・最小面積比率が3:5~3:80の範囲に設定されることにより、空気の流れを孔部47で絞ることによって流速を増加させる絞り効果により、相対的に大きい流速で遠くまで揮散させる薬剤量と、相対的に小さい流速で近距離に揮散させる薬剤量との比率が適切となり、薬剤の効能を適切に作用させることができる。孔部47の最大・最小面積比率が3:5~3:80の範囲から外れると、遠くまで揮散させる薬剤量と、近距離に揮散させる薬剤量とのバランスが悪くなり、薬剤の効能を適切に作用させることができない虞がある。
<隣り合う孔部間の最短距離>
複数の孔部47のうち一の孔部47の開口縁と当該一の孔部47と隣り合う他の孔部47の開口縁との最短距離、すなわち、図3に示す例では、距離(L11,L13,L21)が、一の孔部47の径(直径D10,D20)の大きさの1/6(約0.2)以上に設定されることが好ましい。
上記のように、隣り合う孔部47の間の最短距離(L11,L13,L21)が一の孔部47の径(直径D10,D20)の大きさの1/6以上に設定されることにより、隣り合う孔部47が互いに独立した孔部として機能する距離で配置されることになり、一の孔部47及び他の孔部47の夫々を通して収容容器5の内部に吹き込まれる空気の相互干渉を抑制することができるとともに、一の孔部47及び他の孔部47の夫々を通して収容容器5の外部に放出される空気の相互干渉を抑制することができ、空気の取込・放出をスムーズに行うことができる。
<第一開口部と第二開口部との重なり領域面積割合>
図4は、背面部31上に正面部21を重ね合わせたときの第一開口部10と第二開口部20との重なり領域を示す図である。図4に示すように、正面部21と背面部31とを重ね合わせて、正面側から見た場合、第一開口部10を構成する孔部45と第二開口部20を構成する孔部47とが重なる領域(図4中網掛けハッチングを施した領域)と、孔部45と孔部47とが重ならない領域とがある。孔部45と孔部47とが重なる領域の面積は、第一開口部10を構成する孔部47の面積の20~80%となるように設定されることが好ましい。
図5は、正面部21上に背面部31を重ね合わせたときの第一開口部10と第二開口部20との重なり領域を示す図である。図5に示すように、正面部21と背面部31とを重ね合わせて、背面側から見た場合、第一開口部10を構成する孔部45と第二開口部20を構成する孔部47とが重なる領域(図5中網掛けハッチングを施した領域)と、孔部45と孔部47とが重ならない領域とがある。孔部45と孔部47とが重なる領域の面積は、第二開口部20を構成する孔部47の面積の20~80%となるように設定されることが好ましい。
<収容容器との接触可能面積の薬剤揮散体全表面積に対する割合>
図6は、薬剤揮散装置1Aの縦断面図である。図6において、薬剤揮散体3における正面部21と対向する側の表面3aの表面積は、1000~6000mmに設定され、好ましくは1000~5000mmに設定され、より好ましくは1000~4000mmに設定されるとともに、薬剤揮散体3における背面部31と対向する側の表面3bの表面積は、1000~6000mmに設定され、好ましくは1000~5000mmに設定され、より好ましくは1000~4000mmに設定される。これにより、薬剤を効果的に揮散可能な表面積を確保することができる。また、図6において、背面部31における薬剤揮散体3と対向する側の表面31aを、薬剤揮散体3と接触可能で、且つ第二開口部20を有しない平面とみなした場合において、薬剤揮散体3における前記平面と対向する側の表面3bを前記平面に投影したときの重なり面積が、薬剤揮散体3の全体の表面積の15%以下に設定されることが好ましい。なお、薬剤揮散体3における正面部21(背面部31)と対向する側の表面3a(3b)の表面積は、表面3a(3b)のみの面積であって、立体構造体の奥行部分(表面3aと表面3bとの間の柱構造部3c)を含む表面積ではない。また、薬剤揮散体3における前記平面と対向する側の表面3bは、当該表面3bのみの面であって、柱構造部3cの表面は含まない。
上記のように、収容容器5との接触可能面積の薬剤揮散体3の全体の表面積に対する割合が15%以下に設定される場合、実際には背面部31に第二開口部20を構成する孔部47が設けられることから、実際の接触可能面積は、薬剤揮散体3の全体の表面積の15%よりも確実に小さく抑えることができる。こうして、背面部31に接触しうる薬剤揮散体3の部分をできるだけ小さくすることにより、薬剤の揮散が妨げられるのを避けるとともに、収容容器5の汚染を防止することができる。なお、正面部21は、前述したように、前方(図6において左側)に向けて突出した凸湾曲面状に形成されていることから、薬剤揮散体3が正面部21に接触しうる部分は殆どなく、薬剤揮散体3の全体の表面積の15%よりも確実に小さく抑えることができるのは言うまでもない。
図6に示すように、正面部21は、上下方向の両端部に対し当該両端部の間の中間部が収容容器5の外方(前方)に向けて突出した凸湾曲面状に形成され、正面部21における複数の孔部45は、正面部21の上下方向の両端部から中間部に亘って配置されている。これにより、正面部21における複数の孔部45を通して収容容器5の内部に空気を取り込む場合、凸湾曲面状の正面部21から離れる方向に末広がりの外部領域から空気が取り込まれることになり、正面部21が平面状である場合よりも広い外部領域から空気を取り込むことができる。また、収容容器5の内部から薬剤を含んだ空気を正面部21における複数の孔部45を通して収容容器5の外部に放出する場合、凸湾曲面状の正面部21から離れる方向に末広がりの外部領域に向けて薬剤含有空気が放出されることになり、正面部21が平面状である場合よりも広い外部領域に薬剤含有空気を放出することができる。
ところで、正面部21が凸湾曲面状に形成された場合、収容容器5の内部に取り込み可能な空気の取込容量は、収容容器5における正面部21の中間部を含む中間部分5aの容量に対し、収容容器5における正面部21の端部を含む端部分5bの容量が構造上小さくなる。そこで、正面部21の上下方向の両端部から中間部に亘って配置される複数の孔部45の開口面積は、中間部から両端部に向かう方向に進むに従って大きくなるように設定される(図2参照)。これにより、空気の取込容量が相対的に小さい収容容器5の端部分5bでは、開口面積が相対的に大きい孔部45を通して空気が取り込まれることになり、その結果、収容容器5の内部全体に均一に空気を取り込むことができ、取り込んだ空気に薬剤を斑なく含ませることができる。
図1(a)及び(b)に示すように、収容容器5の側面部61において、正面側容器部11における側面部27と背面側容器部13における側面部37とによって構成される収容容器5の左右の側面部分は、第三開口部30を有している。第三開口部30は、上下方向に細長い角丸長方形状の複数の孔部49の集合により形成されている。こうして、第一開口部10を構成する孔部45、及び第二開口部20を構成する孔部47による空気の取込・放出に加えて、第三開口部30を構成する孔部49を通して空気の取込・放出が行われるので、より広範囲に薬剤を揮散させることができる。
<収容容器における各容器部の位置合せ構造>
図7は、収容容器5における正面側容器部11と背面側容器部13との位置合せ構造を示す図である。図7(a)は、正面側容器部11と背面側容器部13とを嵌め合わせる前の状態図である。図7(b)は、正面側容器部11と背面側容器部13とを嵌め合わせた後の状態図である。図7(a)及び(b)に示すように、正面側容器部(一側容器部)11には、収容容器5の内方に向けて突出される舌片状の突出部51が形成されている。一方、背面側容器部13には、突出部51の両側縁に係合可能に突出される細長板状の一対の案内部53が形成されている。また、背面側容器部(他側容器部)13には、一対の案内部53と隣り合うようにそれら案内部53の外側に配される一対の位置決め突起55が形成される一方、正面側容器部11には、一対の位置決め突起55と係合可能に切欠き状の一対の位置決め凹部57が形成されている。
図7(a)に示すような分離状態にある正面側容器部11と背面側容器部13とを、図7(b)に示すような、嵌め合わせ状態にする際に、突出部51が一対の案内部53によって案内されることにより、正面側容器部11と背面側容器部13との相対位置が適切となるように、すなわち、正面側容器部11と背面側容器部13との互いのセンタ位置が合うように、位置合せが行われ、最終的に一対の位置決め突起55と一対の位置決め凹部57との係合により、正面側容器部11と背面側容器部13とが嵌合状態に適した相対位置関係となるように位置決めが確実になされる。こうして、正面側容器部11と背面側容器部13とを嵌合状態として収容容器5を使用可能な形態とする操作をスムーズに行うことができる。
図1(a)及び(b)に示すように、フック部7は、紐状の成形品であり、両端部に収容容器5(背面側容器部13)に形成される調節孔兼開口部43に係止するための係止部(図示省略)が設けられている。
以上に述べたように構成される薬剤揮散装置1Aは、図1(a)及び(b)に示すように、収容容器5の内部に薬剤揮散体3を内蔵した状態で、例えば、玄関のドアノブにフック部7を掛けて吊り下げて使用し、収容容器5の内部に、例えば、第一開口部10を通して収容容器5の内部に吹き込まれた空気に薬剤を含ませ、薬剤を含んだ空気を第二開口部20及び第三開口部30を通して放出し揮散させることにより、玄関から侵入しようとする蚊、ユスリカ、チョウバエ等の飛翔害虫を駆除又は忌避する。
第一実施形態の薬剤揮散装置1Aでは、図4及び図5に示すように、正面部21と背面部31とを重ね合わせたとき、孔部45と孔部47とが重なる領域と、孔部45と孔部47とが重ならない領域とがあり、重なる領域(図4及び図5において網掛けハッチングで示す領域)の面積が、第一開口部10の面積又は第二開口部20の面積の20~80%となるように構成される。このような構成により、風の流れにより第一開口部10から収容容器5の内部に吹き込まれた空気が、そのまま第二開口部20を通って収容容器5の外部へと抜け難くなり、収容容器5の内部において、空気が乱流状態となり、薬剤揮散体3からの薬剤と空気とがかき混ぜられる。その結果、収容容器5の内部に吹き込まれた空気に薬剤を十分に含ませることができ、薬剤を十分に含んだ空気を収容容器5の外部へと放出させることができる。従って、薬剤を効果的に揮散させることができ、飛翔害虫を効果的に駆除又は忌避することができる。
〔第二実施形態〕
図8は、本発明の第二実施形態に係る薬剤揮散装置1Bを示す図である。図8(a)は、薬剤揮散装置1Bの全体を前方から見た斜視図である。図8(b)は、薬剤揮散装置1Bの全体を後方から見た斜視図である。図8(c)は、薬剤揮散装置1Bに組み込まれる薬剤揮散体63の全体を前方から見た斜視図である。図8(d)及び(e)は、薬剤揮散装置1Bの平面図及び底面図である。
<全体構成>
図8(a)及び(b)に示す薬剤揮散装置1Bは、薬剤を揮散可能に保持する図8(c)に示すような立体的メッシュ構造の薬剤揮散体63と、薬剤揮散体63を通気可能に収容する樹脂製の収容容器65と、収容容器65に付設される樹脂製のフック部67とを備えている。
<薬剤揮散体>
薬剤揮散体63は、第一実施形態の薬剤揮散装置1Aで用いられる薬剤揮散体3とサイズが異なるのみで基本的に同様のものである。従って、ここでの詳細説明は省略することとする。
<収容容器>
図8(a)及び(b)に示すように、収容容器65は、使用時の姿勢で板面を水平方向に臨ませた所定厚みの矩形板状の形態であり、正面側の部分を構成する正面側容器部71と、背面側の部分を構成する背面側容器部73とを備えている。正面側容器部71と背面側容器部73とは、所要箇所に設けられた相互に係合可能な係止手段75によって嵌め合わせ状態が維持されており、係止手段75による係止状態を解除することで相互に分離でき、収容容器65に対し薬剤揮散体63を出し入れ可能に構成されている。
正面側容器部71は、正面部81、上面部83、下面部85及び左右の側面部87を備えている。これらの面部81,83,85,87は、何れも板状部材からなる。正面部81は、上下左右方向に所定寸法で平らに延在する矩形状に形成されている。正面部81の上側縁及び下側縁には、正面部81と交差する方向(本例では水平方向)で、且つ後方に向けて延在するように上面部83及び下面部85が夫々一体的に連設されている。正面部81の左右の各側縁には、正面部81と交差する方向(本例では水平方向)で、且つ後方に向けて延在するように側面部87が一体的に連設されている。
背面側容器部73は、背面部91、上面部93、下面部95及び左右の側面部97を備えている。これらの面部91,93,95,97は、何れも板状部材からなる。背面部91は、上下左右方向に所定寸法で平らに延在する矩形状に形成されている。背面部91の上側縁及び下側縁には、背面部91と交差する方向(本例では水平方向)で、且つ前方に向けて延在するように上面部93及び下面部95が夫々一体的に連設されている。背面部91の左右の各側縁には、背面部91と交差する方向(本例では水平方向)で、且つ前方に向けて延在するように側面部97が一体的に連設されている。
ここで、正面部81が本発明の「第一面部」に対応する。背面部91が本発明の「第二面部」に対応する。正面側容器部71及び背面側容器部73における上面部83,93、下面部85,95及び各側面部87,97を含む収容容器65の側面部121が本発明の「第三面部」相当する。
<第一開口部>
図9は、第一開口部70の説明図である。図9に示すように、正面部81は、第一開口部70を有している。第一開口部70は、所定の配置で正面部81に穿設される複数の孔部105A,105Bの集合により形成されている。本例において、第一開口部70は、円形状の複数の孔部105Aと、半円形状の一つの孔部105Bとを含む。複数の孔部105Aは、正面部81において仮想的に描かれる、中心部から旋回方向に進むに従って遠ざかるような仮想渦巻線100上で、且つ正面部81の上下方向の両端部から当該両端部の間の中間部に亘って配置されている。一つの孔部105Bは、正面部81における上下方向の両端部の間の中間部において、一側部(図9において左側部)に配置されている。なお、第一開口部70は、大部分が孔部105Aにより構成されている。以下において、孔部105Aと孔部105Bとを総称する場合は、孔部105と称することとする。
上記のように配置される複数の孔部105Aの開口面積は、仮想渦巻線100の中心部からの旋回方向に進むに従って大きくなるように設定されている。
<第一開口部の面積>
孔部105の集合により形成される第一開口部70の面積は、正面部81の面積全体の10~50%に設定されることが好ましく、10~30%に設定されることがより好ましい。
上記のように、第一開口部70の面積が正面部81の面積全体の10~50%の範囲に設定されることにより、第一開口部70を通しての空気の取込・放出量が適切となり、薬剤の効能を適切に発揮しつつ、薬剤の過剰な揮散を回避することができて、薬剤揮散体63の薬剤揮散性能を長期間に亘って持続することができる。第一開口部70の面積が正面部81の面積全体の10%よりも小さい場合、薬剤の効能を十分に発揮できない虞がある。第一開口部70の面積が正面部81の面積全体の50%よりも大きい場合、薬剤の過剰な揮散により、薬剤揮散体63の薬剤揮散性能を長期間に亘って持続することができない虞がある。
<正面部での孔部面積比率>
ここで、正面部81の正面視全領域を上下方向に三等分し、上端部領域201A、下端部領域201B及びこれらの端部領域の間の中間部領域201Cを定める。この場合、中間部領域201Cに設けられた複数の孔部105のうち任意の1つの孔部の開口面積と、上端部領域201A及び下端部領域201Bに設けられた複数の孔部105のうち任意の1つの孔部の開口面積との比率は、6:1~6:36に設定されることが好ましい。
上記のように、孔部105の開口面積比率が6:1~6:36の範囲に設定されることにより、正面部81の上下方向の領域において、第一開口部70を通しての空気の取込・放出量の偏りを所定の許容範囲内に抑えることができ、薬剤揮散体63に含まれる薬剤が上下方向で部分的に過剰に減ることを抑えることができる。孔部105の開口面積比率が6:1~6:36の範囲から外れると、第一開口部70を通しての空気の取込・放出量の偏りが所定の許容範囲を超えて過剰となり、薬剤揮散体63に含まれる薬剤が上下方向で部分的に過剰に減る虞がある。
<正面部での孔部最大・最小面積比率>
正面部81においては、複数の孔部105の最小開口面積と最大開口面積との比率が、3:5~3:80に設定されることが好ましい。
上記のように、孔部105の最大・最小面積比率が3:5~3:80の範囲に設定されることにより、空気の流れを孔部105で絞ることによって流速を増加させる絞り効果により、相対的に大きい流速で遠くまで揮散させる薬剤量と、相対的に小さい流速で近距離に揮散させる薬剤量との比率が適切となり、薬剤の効能を適切に作用させることができる。孔部105の最大・最小面積比率が3:5~3:80の範囲から外れると、遠くまで揮散させる薬剤量と、近距離に揮散させる薬剤量とのバランスが悪くなり、薬剤の効能を適切に作用させることができない虞がある。
<隣り合う孔部間の最短距離>
複数の孔部105のうち一の孔部105の開口縁と当該一の孔部105と隣り合う他の孔部105の開口縁との最短距離、すなわち、図9に示す例では、距離(L31)が、一の孔部105の径(直径D30)の大きさの1/6(約0.2)以上に設定されることが好ましい。
上記のように、隣り合う孔部105間の最短距離(L31)が一の孔部105の径(直径D30)の大きさの1/6以上に設定されることにより、隣り合う孔部105が互いに独立した孔部として機能する距離で配置されることになり、一の孔部105及び他の孔部105の夫々を通して収容容器65の内部に吹き込まれる空気の相互干渉を抑制することができるとともに、一の孔部105及び他の孔部105の夫々を通して収容容器65の外部に放出される空気の相互干渉を抑制することができ、空気の取込・放出をスムーズに行うことができる。
<第二開口部>
図10は、第二開口部80の説明図である。図10に示すように、背面部91は、第二開口部80を有している。第二開口部80は、所定の配置で背面部91に穿設される複数の孔部107A,107B,107Cの集合により形成されている。本例において、第二開口部80は、円形状の複数の孔部107Aと、半円形状の複数の孔部107Bと、円形の一部を切り欠いたような形状の複数の孔部107Cとを含む。複数の孔部107Aは、背面部91における上下方向の両端部の一方端部(本例では下方端部)からその両端部の間の中間部に亘って配置されている。複数の孔部107Aは、上下方向の中間部から下方端部に向って進むに従って、上下左右方向の中心間距離が大きくなるように所定ピッチで互い違いに配置されている。なお、第二開口部80は、大部分が孔部107Aにより構成されている。以下において、孔部107A、孔部107B及び孔部107Cを総称する場合は、孔部107と称することとする。
上記のように配置される複数の孔部107Aの開口面積は、背面部91における上下方向の中間部から下方端部に向かう方向に進むに従って大きくなるように設定されている。
ここで、背面部91には、孔部107A、孔部107B及び孔部107Cと比較して極端に開口面積が大きく、例えば、覗き窓として機能するような孔部107Dや、その孔部107Dに付随する鍵穴状の孔部107Eが穿設されているが、これらの孔部107D,107Eは、本発明における開口部に含めずに除外することとする。
<第二開口部の面積>
孔部107の集合により形成される第二開口部80の面積は、背面部91の面積全体の10~50%に設定されることが好ましく、10~30%に設定されることがより好ましい。
上記のように、第二開口部80の面積が背面部91の面積全体の10~50%の範囲に設定されることにより、第二開口部80を通しての空気の取込・放出量が適切となり、薬剤の効能を適切に発揮しつつ、薬剤の過剰な揮散を回避することができて、薬剤揮散体63の薬剤揮散性能を長期間に亘って持続することができる。第二開口部80の面積が背面部91の面積全体の10%よりも小さい場合、薬剤の効能を十分に発揮できない虞がある。第二開口部80の面積が背面部91の面積全体の50%よりも大きい場合、薬剤の過剰な揮散により、薬剤揮散体63の薬剤揮散性能を長期間に亘って持続することができない虞がある。
<背面部での孔部面積比率>
ここで、背面部91の背面視全領域を上下方向に三等分し、上端部領域203A、下端部領域203B及びこれらの端部領域の間の中間部領域203Cを定める。この場合、中間部領域203Cに設けられた複数の孔部107のうち任意の1つの孔部の開口面積と、上端部領域203A及び下端部領域203Bに設けられた複数の孔部107のうち任意の1つの孔部の開口面積(孔部107D,107Eの開口面積を除外することから実質的に下端部領域に設けられた複数の孔部107の開口面積)との比率は、6:1~6:36に設定されることが好ましい。
上記のように、孔部107の開口面積比率が6:1~6:36の範囲に設定されることにより、背面部91の上下方向の中間部領域から下端部領域において、第二開口部80を通しての空気の取込・放出量の偏りを所定の許容範囲内に抑えることができ、薬剤揮散体63に含まれる薬剤が上下方向で部分的に過剰に減ることを抑えることができる。孔部107の開口面積比率が6:1~6:36の範囲から外れると、第二開口部80を通しての空気の取込・放出量の偏りが所定の許容範囲を超えて過剰となり、薬剤揮散体63に含まれる薬剤が上下方向で部分的に過剰に減る虞がある。
<背面部での孔部最大・最小面積比率>
背面部91においては、複数の孔部107の最小開口面積と最大開口面積との比率が、3:5~3:80に設定されることが好ましい。
上記のように、孔部107の最大・最小面積比率が3:5~3:80の範囲に設定されることにより、空気の流れを孔部107で絞ることによって流速を増加させる絞り効果により、相対的に大きい流速で遠くまで揮散させる薬剤量と、相対的に小さい流速で近距離に揮散させる薬剤量との比率が適切となり、薬剤の効能を適切に作用させることができる。孔部107の最大・最小面積比率が3:5~3:80の範囲から外れると、遠くまで揮散させる薬剤量と、近距離に揮散させる薬剤量とのバランスが悪くなり、薬剤の効能を適切に作用させることができない虞がある。
<隣り合う孔部間の最短距離>
複数の孔部107のうち一の孔部107の開口縁と当該一の孔部107と隣り合う他の孔部107の開口縁との最短距離、すなわち、図10に示す例では、距離(L41)が、一の孔部107の径(直径D40)の大きさの1/6(約0.2)以上に設定されることが好ましい。
上記のように、隣り合う孔部107間の最短距離(L41)が一の孔部107の径(直径D40)の大きさの1/6以上に設定されることにより、隣り合う孔部107が互いに独立した孔部として機能する距離で配置されることになり、一の孔部107及び他の孔部107の夫々を通して収容容器65の内部に吹き込まれる空気の相互干渉を抑制することができるとともに、一の孔部107及び他の孔部107の夫々を通して収容容器65の外部に放出される空気の相互干渉を抑制することができ、空気の取込・放出をスムーズに行うことができる。
<第一開口部と第二開口部との重なり領域面積割合>
図11は、背面部91上に正面部81を重ね合わせたときの第一開口部70と第二開口部80との重なり領域を示す図である。図11に示すように、正面部81と背面部91とを重ね合わせて、正面側から見た場合、第一開口部70を構成する孔部105と第二開口部80を構成する孔部107とが重なる領域(図11中網掛けハッチングを施した領域)と、孔部105と孔部107とが重ならない領域とがある。孔部105と孔部107とが重なる領域の面積は、第一開口部70を構成する孔部105の面積の20~80%となるように設定されることが好ましい。
図12は、正面部81上に背面部91を重ね合わせたときの第一開口部70と第二開口部80との重なり領域を示す図である。図12に示すように、正面部81と背面部91とを重ね合わせて、背面側から見た場合、第一開口部70を構成する孔部105と第二開口部80を構成する孔部107とが重なる領域(図12中網掛けハッチングを施した領域)と、孔部105と孔部107とが重ならない領域とがある。孔部105と孔部107とが重なる領域の面積は、第二開口部80を構成する孔部107の面積(開口面積)の20~80%となるように設定されることが好ましい。
<収容容器との接触可能面積の薬剤揮散体全表面積に対する割合>
図13は、薬剤揮散装置1Bの縦断面図である。図13において、薬剤揮散体63における正面部81と対向する側の表面63aの表面積は、2000~15000mmに設定され、好ましくは2000~12000mmに設定され、より好ましくは2000~10000mmに設定されるとともに、薬剤揮散体63における背面部91と対向する側の表面63bの表面積は、2000~15000mmに設定され、好ましくは2000~12000mmに設定され、より好ましくは2000~10000mmに設定される。これにより、薬剤を効果的に揮散可能な表面積を確保することができる。また、図13において、正面部81における薬剤揮散体63と対向する側の表面81aを、薬剤揮散体63と接触可能で、且つ第一開口部70を有しない平面とみなした場合において、薬剤揮散体63における前記平面と対向する側の表面63aを前記平面に投影したときの重なり面積が、薬剤揮散体63の全体の表面積の15%以下に設定されることが好ましい。なお、薬剤揮散体63における正面部81(背面部91)と対向する側の表面63a(63b)の表面積は、表面63a(63b)のみの面積であって、立体構造体の奥行部分(表面63aと表面63bとの間の柱構造部63c)を含んだ表面積ではない。また、薬剤揮散体63における前記平面と対向する側の表面63aは、当該表面63aのみの面であって、柱構造部63cの表面は含まない。
上記のように、薬剤揮散体63の全体の表面積に対する収容容器65との接触可能面積の割合が15%以下に設定される場合、実際には正面部81に第一開口部70を構成する孔部105が設けられることから、実際の接触可能面積は、薬剤揮散体63の全体の表面積の15%よりも確実に小さく抑えることができる。こうして、正面部81に接触しうる薬剤揮散体63の部分をできるだけ小さくすることにより、薬剤の揮散が妨げられるのを避けるとともに、収容容器65の汚染を防止することができる。
図8(a)及び(b)並びに(d)及び(e)に示すように、収容容器65の側面部121は、第三開口部30を有している。第三開口部90を有している。第三開口部90は、上下方向又は左右方向に細長い角丸長方形状の複数の孔部109の集合により形成されている。複数の孔部109は、正面側容器部71及び背面側容器部73における上面部83,93、下面部85,95及び各側面部87,97において、端縁部が所要範囲で切り欠かれることによって形成される。こうして、第一開口部70を構成する孔部105、及び第二開口部80を構成する孔部107による空気の取込・放出に加えて、第三開口部90を構成する孔部109を通して空気の取込・放出が行われるので、より広範囲に薬剤を揮散させることができる。
図8(a)及び(b)に示すように、フック部67は、リング状の成形品であり、収容容器65の上部に立ち上がった状態と、収容容器65の背面側に折り畳まれて背面部91に形成されたフック収納部110に格納される状態(図示省略)とを切替可能に構成されている。
以上に述べたように構成される薬剤揮散装置1Bは、図8(a)及び(b)に示すように、収容容器65の内部に薬剤揮散体63を内蔵した状態で、例えば、ベランダの物干し竿にフック部67を掛けて吊り下げて使用する。そして、例えば、収容容器65の内部に第一開口部70又は第二開口部80を通して収容容器65の内部に吹き込まれた空気に薬剤を含ませ、薬剤を含んだ空気を第二開口部80及び第三開口部90、又は第一開口部70及び第三開口部90を通して放出し揮散させることにより、ベランダの窓から侵入しようとする蚊、ユスリカ、チョウバエ等の飛翔害虫を駆除又は忌避する。
第二実施形態の薬剤揮散装置では、図11及び図12に示すように、正面部81と背面部91とを重ね合わせたとき、孔部105と孔部107とが重なる領域と、孔部105と孔部107とが重ならない領域とがあり、重なる領域(図11及び図12において網掛けハッチングで示す領域)の面積が、第一開口部70の面積又は第二開口部80の面積の20~80%となるように構成される。このような構成により、風の流れにより第一開口部70又は第二開口部80から収容容器65の内部に吹き込まれた空気が、そのまま第二開口部80又は第一開口部70を通って収容容器65の外部へと抜け難くなり、収容容器65の内部において、空気が乱流状態となり、薬剤揮散体63からの薬剤と空気とがかき混ぜられる。その結果、収容容器65の内部に吹き込まれた空気に薬剤を十分に含ませることができ、薬剤を十分に含んだ空気を収容容器65の外部へと放出させることができる。従って、薬剤を効果的に揮散させることができ、飛翔害虫を効果的に駆除又は忌避することができる。
また、第二実施形態の薬剤揮散装置1Bにおいて、風の流れにより第二開口部80から収容容器65の内部に吹き込まれた空気が、薬剤揮散体63からの薬剤とかき混ぜられた後、第一開口部70を形成する複数の孔部105を通過する際に、空気の流れを孔部105で絞ることによって流速を増加させる絞り効果は、図9に示すように配置される複数の孔部105の開口面積が、仮想渦巻線100の旋回方向に進むに従って大きくなるように設定されることから、正面部81における中心部に近づくに従って大きくなり、中心部から仮想渦巻線100の旋回方向に進むに従って小さくなる。このため、正面部81の中心部からは相対的に大きい流速で薬剤含有空気が放出され、正面部81の中心部から仮想渦巻線100の旋回方向に離れるに従って、放出される薬剤含有空気の流速が小さくなる。その結果、正面部81からは、指向性を有する螺旋状の気流に薬剤を乗せて放出することができ、より遠くまで薬剤を揮散させることができる。
以上、本発明の薬剤揮散装置について、複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、各実施形態に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の薬剤揮散装置は、蚊、ユスリカ、チョウバエ等の飛翔害虫を駆除又は忌避する用途において特に有効に利用可能である。
1A,1B 薬剤揮散装置
3 薬剤揮散体
5 収容容器
10 第一開口部
11 正面側容器部(一側容器部)
13 背面側容器部(他側容器部)
20 第二開口部
21 正面部(第一面部)
30 第三開口部
31 背面部(第二面部)
45 孔部
47 孔部
49 孔部
51 突出部
53 案内部
61 側面部(第三面部)
63 薬剤揮散体
65 収容容器
70 第一開口部
71 正面側容器部(一側容器部)
73 背面側容器部(他側容器部)
80 第二開口部
81 正面部(第一面部)
90 第三開口部
91 背面部(第二面部)
100 仮想渦巻線
105 孔部
107 孔部
109 孔部
121 側面部(第三面部)

Claims (12)

  1. 揮散性薬剤を揮散可能に保持する薬剤揮散体と、
    前記薬剤揮散体を通気可能に収容する収容容器と、
    を備えた薬剤揮散装置であって、
    前記収容容器は、
    第一開口部を有する第一面部と、
    第二開口部を有する第二面部と、
    を備え、
    前記第一面部と前記第二面部とが対向配置されており、
    前記第一面部と前記第二面部とを重ね合わせたとき、前記第一開口部と前記第二開口部とが重なる領域と、前記第一開口部と前記第二開口部とが重ならない領域とがあり、
    前記重なる領域の面積は、前記第一開口部の面積又は前記第二開口部の面積の20~80%となるように構成される薬剤揮散装置。
  2. 前記薬剤揮散体における前記第一面部又は前記第二面部と対向する側の表面積が、1000~15000mmに設定される請求項1に記載の薬剤揮散装置。
  3. 前記第一面部又は前記第二面部における前記薬剤揮散体と対向する側の表面を、前記薬剤揮散体と接触可能で、且つ前記第一開口部又は前記第二開口部を有しない平面とみなした場合において、前記薬剤揮散体における前記平面と対向する側の表面を前記平面に投影したときの重なり面積が、前記薬剤揮散体の全体の表面積の15%以下に設定される請求項1又は2に記載の薬剤揮散装置。
  4. 前記第一開口部及び前記第二開口部の夫々の面積は、前記第一面部及び前記第二面部の夫々の面積全体の10~50%に設定される請求項1~3の何れか一項に記載の薬剤揮散装置。
  5. 前記第一開口部及び前記第二開口部の夫々は、複数の孔部の集合により形成される請求項1~4の何れか一項に記載の薬剤揮散装置。
  6. 前記第一面部は、両端部に対し当該両端部の間の中間部が前記収容容器の外方に向けて突出した凸湾曲面状に形成され、
    前記第一面部における前記孔部は、前記第一面部の前記両端部から前記中間部に亘って配置され、
    前記配置される前記孔部の開口面積は、前記中間部から前記両端部に向かう方向に進むに従って大きくなるように設定される請求項5に記載の薬剤揮散装置。
  7. 前記孔部は、前記第一面部において仮想的に描かれる、中心部から旋回方向に進むに従って遠ざかるような仮想渦巻線上で、且つ前記第一面部の両端部から当該両端部の間の中間部に亘って配置され、
    前記配置される前記孔部の開口面積は、前記旋回方向に進むに従って大きくなるように設定される請求項5に記載の薬剤揮散装置。
  8. 前記孔部の最小開口面積と最大開口面積との比率が、3:5~3:80に設定される請求項6又は7に記載の薬剤揮散装置。
  9. 前記孔部は、円形状又は円弧部を含む形状であり、
    前記孔部のうち一の孔部の開口縁と当該一の孔部と隣り合う他の孔部の開口縁との最短距離が、前記一の孔部の径の大きさの1/6以上に設定される請求項5~8の何れか一項に記載の薬剤揮散装置。
  10. 前記収容容器は、第三開口部を有する第三面部をさらに備え、
    前記第三面部は、前記第一面部と前記第二面部との間において、前記第一面部及び前記第二面部と交差する方向に延在する請求項1~9の何れか一項に記載の薬剤揮散装置。
  11. 前記収容容器は、前記第一面部を含む一側容器部と、前記第二面部を含む他側容器部とを分離可能に嵌め合わせて構成され、
    前記一側容器部には、前記収容容器の内方に向けて突出される突出部が形成され、
    前記他側容器部には、前記突出部の両側縁に係合可能な一対の案内部が形成され、
    分離状態にある前記一側容器部と前記他側容器部とを嵌め合わせ状態にする際、前記突出部が前記案内部によって案内される請求項1~10の何れか一項に記載の薬剤揮散装置。
  12. 前記揮散性薬剤は、30℃における蒸気圧が2×10-4~1×10-2mmHgであるピレスロイド系化合物である請求項1~11の何れか一項に記載の薬剤揮散装置。
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