JP2019041591A - 樹脂製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】常温揮散性薬剤の揮散能力を、従来よりも長期にわたって十分に発揮し得る樹脂製品を提供する。【解決手段】正面側からの開口率が40〜85%であり、且つ、常温揮散性薬剤を10〜2000mg含有する樹脂成形体2と、該樹脂成形体を収納し、且つ、開口部及び空気通過量調整部11を有する収納容器3とを備え、前記樹脂成形体の開口部を通過する空気の風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂成形体からの前記揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgであり、且つ、前記収納容器の開口部の面積が最大であるとき、前記樹脂製品の開口部を通過する風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂製品からの前記揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgである、樹脂製品1。【選択図】図1
Description
本発明は、樹脂製品に関する。
従来、常温揮散性薬剤を含有するメッシュ状の樹脂成形体と、該樹脂成形体を収納する収納容器とを備えた樹脂製品が用いられている。
この種の樹脂製品として、常温揮散性薬剤を含有するメッシュ状の樹脂成形体と、該樹脂成形体から揮散した常温揮散性薬剤を通過させつつ、該樹脂成形体を収納する収納容器とを備えた樹脂製品が提案されている(特許文献1〜5参照)。
ここで、常温揮散性薬剤がその機能を発揮するためには、効率的に揮散されることが必要である。
また、常温揮散性薬剤が効率的に揮散されるうえでは、より長期にわたって十分に揮散されることが必要である。
また、常温揮散性薬剤が効率的に揮散されるうえでは、より長期にわたって十分に揮散されることが必要である。
上記事情に鑑み、本発明は、常温揮散性薬剤の揮散能力を、従来よりも長期にわたって十分に発揮し得る樹脂製品を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、常温揮散性薬剤の揮散能力を長期にわたって十分に発揮し得る樹脂製品について本発明者らが鋭意検討した結果、本発明を見出した。
本発明に係る樹脂製品は、
常温揮散性薬剤を含有し、且つ、開口部を有するメッシュ状の樹脂成形体と、該樹脂成形体を収納する収納容器とを備えた樹脂製品であって、
前記収納容器は、その正面部に開口部を有し、
前記樹脂成形体は、前記常温揮散性薬剤を10〜2000mg含有し、
前記樹脂成形体において開口部が占める面積が、前記樹脂成形体の全面積に対して40〜85%であり、
前記収納容器は、その開口部の面積を変更することによって該開口部を通過する空気の量を調整することが可能な空気通過量調整部を有しており、
正面側から前記樹脂成形体に流入する空気の風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂成形体からの前記常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgであり、且つ、
前記空気量調整部によって前記収納容器の開口部の面積が最大であるとき、前記収納容器の開口部を通過する風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂製品からの前記常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgである。
常温揮散性薬剤を含有し、且つ、開口部を有するメッシュ状の樹脂成形体と、該樹脂成形体を収納する収納容器とを備えた樹脂製品であって、
前記収納容器は、その正面部に開口部を有し、
前記樹脂成形体は、前記常温揮散性薬剤を10〜2000mg含有し、
前記樹脂成形体において開口部が占める面積が、前記樹脂成形体の全面積に対して40〜85%であり、
前記収納容器は、その開口部の面積を変更することによって該開口部を通過する空気の量を調整することが可能な空気通過量調整部を有しており、
正面側から前記樹脂成形体に流入する空気の風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂成形体からの前記常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgであり、且つ、
前記空気量調整部によって前記収納容器の開口部の面積が最大であるとき、前記収納容器の開口部を通過する風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂製品からの前記常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgである。
ここで、樹脂成形体において開口部が占める面積が、樹脂成形体の全面積に対して40〜85%であることは、前記樹脂成形体をその正面から投影することによって算出される、前記樹脂成形体の面積に対する前記樹脂成形体の開口部の面積の比率である。このように投影することによって、樹脂成形体が、影の領域と、影ではない領域とを有する平面形状として表わされ、これら領域の合計面積(すなわち、投影によって得られた平面形状の外周縁で囲まれた領域の面積)に対する開口部の合計面積(影ではない領域の合計面積)として、当該比率が算出される。この比率は、正面から見た樹脂成形体の開口の程度を表わす。
かかる構成によれば、樹脂成形体からの揮散量、樹脂製品全体からの揮散量が上記特定の場合において、空気通過量調整部によって収納容器の開口部を通過する空気の量を調整することが可能となる。
このように、樹脂成形体からの上記揮散量が0.01mg以上であり、樹脂製品からの上記揮散量が0.01mg以上であれば、十分に必要な量の常温揮散性薬剤を揮散し得る。また、樹脂成形体からの上記揮散量が0.5mg以下であり、樹脂製品からの上記揮散量が0.5mg以下であれば、常温揮散性薬剤を不必要に揮散することを抑制し得る。
そして、常温揮散性薬剤を樹脂製品から放出することが不要なときには、開口部を閉じて空気の通過を抑制することによって、樹脂製品からの常温揮散性薬剤の揮散を抑制し得る。これにより、樹脂成形体からの常温揮散性薬剤が、開口部から自然放出されることを抑制し得る。
一方、常温揮散性薬剤を樹脂製品から放出することが必要なときには、開口部を開放することによって、樹脂製品からの常温揮散性薬剤の揮散を可能とし、しかも、必要な量に応じて開口部の面積を変更することによって、樹脂製品からの常温揮散性薬剤の揮散量を調整し得る。
このように、必要に応じて樹脂製品からの常温揮散性薬剤の揮散量を調整し得ることができるため、常温揮散性薬剤が、長期にわたって揮散され得る。
従って、常温揮散性薬剤の揮散能力を、従来よりも長期にわたって十分に発揮し得る。
このように、樹脂成形体からの上記揮散量が0.01mg以上であり、樹脂製品からの上記揮散量が0.01mg以上であれば、十分に必要な量の常温揮散性薬剤を揮散し得る。また、樹脂成形体からの上記揮散量が0.5mg以下であり、樹脂製品からの上記揮散量が0.5mg以下であれば、常温揮散性薬剤を不必要に揮散することを抑制し得る。
そして、常温揮散性薬剤を樹脂製品から放出することが不要なときには、開口部を閉じて空気の通過を抑制することによって、樹脂製品からの常温揮散性薬剤の揮散を抑制し得る。これにより、樹脂成形体からの常温揮散性薬剤が、開口部から自然放出されることを抑制し得る。
一方、常温揮散性薬剤を樹脂製品から放出することが必要なときには、開口部を開放することによって、樹脂製品からの常温揮散性薬剤の揮散を可能とし、しかも、必要な量に応じて開口部の面積を変更することによって、樹脂製品からの常温揮散性薬剤の揮散量を調整し得る。
このように、必要に応じて樹脂製品からの常温揮散性薬剤の揮散量を調整し得ることができるため、常温揮散性薬剤が、長期にわたって揮散され得る。
従って、常温揮散性薬剤の揮散能力を、従来よりも長期にわたって十分に発揮し得る。
上記構成の樹脂製品においては、
前記収納容器の容積に対する前記樹脂成形体の体積の比率が、0.01〜10%であってもよい。
前記収納容器の容積に対する前記樹脂成形体の体積の比率が、0.01〜10%であってもよい。
かかる構成によれば、上記比率が上記範囲であることによって、より確実に、樹脂製品から揮散する常温揮散性薬剤の量を、上記範囲とし得る。
上記構成の樹脂製品においては、
前記常温揮散性薬剤が、ディート、イカリジン、トランスフルトリン、メトフルトリン、エンペントリンおよびプロフルトリンよりなる群から選択される1種以上を含有していてもよい。
前記常温揮散性薬剤が、ディート、イカリジン、トランスフルトリン、メトフルトリン、エンペントリンおよびプロフルトリンよりなる群から選択される1種以上を含有していてもよい。
かかる構成によれば、常温揮散性薬剤が上記群から選択される1種以上を含有することによって、より確実に、揮散され得る。
よって、常温揮散性薬剤の揮散能力を、より十分に発揮し得る。
よって、常温揮散性薬剤の揮散能力を、より十分に発揮し得る。
本発明によれば、常温揮散性薬剤の揮散能力を長期にわたって十分に発揮し得る樹脂製品が提供される。
以下、本発明に係る樹脂製品の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜図5に示すように、本実施形態の樹脂製品は、
常温揮散性薬剤を含有し、且つ、開口部7を有するメッシュ状の樹脂成形体2と、該樹脂成形体2を収納する収納容器3とを備えた樹脂製品1であって、
前記収納容器3は、開口部7を有し、
前記樹脂成形体2は、前記常温揮散性薬剤を10〜2000mg含有し、
前記樹脂成形体2において開口部7が占める表面積が、前記樹脂成形体2の全表面積に対して40〜85%であり、
前記収納容器3は、その開口部7の面積を変更することによって該開口部7を通過する空気の量を調整することが可能な空気通過量調整部11を有しており、
正面側から前記樹脂成形体2に流入する空気の風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂成形体2からの前記常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgであり、且つ、
前記空気通過量調整部11によって前記収納容器3の開口部7の面積が最大であるとき、前記収納容器3の開口部7を通過する風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂製品1からの前記常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgである。
常温揮散性薬剤を含有し、且つ、開口部7を有するメッシュ状の樹脂成形体2と、該樹脂成形体2を収納する収納容器3とを備えた樹脂製品1であって、
前記収納容器3は、開口部7を有し、
前記樹脂成形体2は、前記常温揮散性薬剤を10〜2000mg含有し、
前記樹脂成形体2において開口部7が占める表面積が、前記樹脂成形体2の全表面積に対して40〜85%であり、
前記収納容器3は、その開口部7の面積を変更することによって該開口部7を通過する空気の量を調整することが可能な空気通過量調整部11を有しており、
正面側から前記樹脂成形体2に流入する空気の風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂成形体2からの前記常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgであり、且つ、
前記空気通過量調整部11によって前記収納容器3の開口部7の面積が最大であるとき、前記収納容器3の開口部7を通過する風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂製品1からの前記常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgである。
[収納容器]
収納容器3は、樹脂成形体2から揮散した常温揮散性薬剤を通過させつつ、収納容器3の内部に樹脂成形体2を収納する。
収納容器3は、例えば、樹脂材料によって直方体状に形成された容器であり、正面部31、背面部33、2つの側面部35、底面部37、天面部39を有する。
樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
収納容器3は、樹脂成形体2から揮散した常温揮散性薬剤を通過させつつ、収納容器3の内部に樹脂成形体2を収納する。
収納容器3は、例えば、樹脂材料によって直方体状に形成された容器であり、正面部31、背面部33、2つの側面部35、底面部37、天面部39を有する。
樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
このような収納容器3は、直方体状であるため、互いに反対側に位置する面部を1つの対とすると、3つの対の面部を有する。この3つの対の面部のうち、他の対の面部よりも面積が大きい面部の対を、正面部31及び背面部33とし、残りを、水平方向に向いた2つの側面部35、下方に向いた底面部37、及び、上方に向いた天面部39とする。
図4及び図5に示すように、直方体状の収納容器3が壁やドア等の構造物50の近くに配置されるとき、該収納容器3が有する6つの面部のうち、構造物50に向けて位置する面部が背面部33(背面側)、その反対側に位置する面部が正面部31(正面側)、地面に向けて位置する面部が底面部37(底面側)、その反対側に位置する面部が天面部39、水平方向に向けて互いに反対側に位置する2つの面部が2つの側面部35(側面側)に相当する。
図1及び図2においては、紙面の奥側が背面側、紙面の手前側が正面側、紙面の下側が底面側、紙面の上側が天面側、紙面の左右側が2つの側面側に相当する。
図4及び図5に示すように、直方体状の収納容器3が壁やドア等の構造物50の近くに配置されるとき、該収納容器3が有する6つの面部のうち、構造物50に向けて位置する面部が背面部33(背面側)、その反対側に位置する面部が正面部31(正面側)、地面に向けて位置する面部が底面部37(底面側)、その反対側に位置する面部が天面部39、水平方向に向けて互いに反対側に位置する2つの面部が2つの側面部35(側面側)に相当する。
図1及び図2においては、紙面の奥側が背面側、紙面の手前側が正面側、紙面の下側が底面側、紙面の上側が天面側、紙面の左右側が2つの側面側に相当する。
収納容器3として、例えば、以下の2つの実施態様が挙げられる。
(i)収納容器3が、樹脂成形体2を収納する主体であって、該樹脂成形体2を出し入れ可能な開口を有する箱状の収納容器本体部3aと、該開口を塞ぐ蓋部3bとによって形成されている(図1参照)。
(ii)収納容器3が、収納容器部材(正面側)3cと収納容器部材(裏面側)3dとに分割され、かつ、該収納容器部材(正面側)3cと該収納容器部材(裏面側)3dとを嵌合して形成されている内部空間内に該樹脂成形体2を収納可能なように、該収納容器部材(正面側)3cと該収納容器部材(裏面側)3dとによって形成されている(図2参照)。
以下、前者(i)の実施態様について説明する。
(i)収納容器3が、樹脂成形体2を収納する主体であって、該樹脂成形体2を出し入れ可能な開口を有する箱状の収納容器本体部3aと、該開口を塞ぐ蓋部3bとによって形成されている(図1参照)。
(ii)収納容器3が、収納容器部材(正面側)3cと収納容器部材(裏面側)3dとに分割され、かつ、該収納容器部材(正面側)3cと該収納容器部材(裏面側)3dとを嵌合して形成されている内部空間内に該樹脂成形体2を収納可能なように、該収納容器部材(正面側)3cと該収納容器部材(裏面側)3dとによって形成されている(図2参照)。
以下、前者(i)の実施態様について説明する。
前者(i)の実施態様においては、収納容器3の正面部31、背面部33、2つの側面部35、及び、底面部37は、それぞれ、収納容器本体部3aの正面部、背面部、2つの側面部、及び、底面部に相当する。収納容器3の天面部39は、蓋部3bに相当する。
樹脂成形体2が収納容器本体部3aに入れられた状態で、該収納容器本体部3aの開口が蓋部3bによって覆われることによって、収納容器3は樹脂成形体2を収納する。
収納容器3が、収納容器本体部3aと蓋部3bとを有することによって、樹脂成形体2の交換が容易となる。
なお、収納容器3は、樹脂成形体2を収納した後、一体的に(蓋部3bを有しないように)形成されてもよい。
樹脂成形体2が収納容器本体部3aに入れられた状態で、該収納容器本体部3aの開口が蓋部3bによって覆われることによって、収納容器3は樹脂成形体2を収納する。
収納容器3が、収納容器本体部3aと蓋部3bとを有することによって、樹脂成形体2の交換が容易となる。
なお、収納容器3は、樹脂成形体2を収納した後、一体的に(蓋部3bを有しないように)形成されてもよい。
図4及び図5に示すように、収納容器3の正面部31(すなわち、収納容器本体部3aの正面部)の内表面及び外表面は、天面側または底面側から見て直線状に形成されている。
図4に示すように、収納容器3の2つの側面部35(すなわち、収納容器本体部3aの2つの側面部)の内表面及び外表面は、天面側または底面側から見て直線状に形成されている。
図5に示すように、収納容器3の底面部37(すなわち、収納容器本体部3aの底面部)の内表面及び外表面は、正面側から見て直線状に形成されている。
図4に示すように、収納容器3の2つの側面部35(すなわち、収納容器本体部3aの2つの側面部)の内表面及び外表面は、天面側または底面側から見て直線状に形成されている。
図5に示すように、収納容器3の底面部37(すなわち、収納容器本体部3aの底面部)の内表面及び外表面は、正面側から見て直線状に形成されている。
図5に示すように、収納容器3の天面部39(すなわち、蓋部3bの天面部)の内表面は、正面側または背面側から見て直線状に形成されている。
この他、収納容器3の天面部39は、図示しないが、両側面部35側の両端部から中央部に向かう程天面側(上方)に突出しているように(すなわち、底面部37から離れるように)形成されていてもよい。すなわち、収納容器3の天面部39の外表面及び内表面は、上方に突出しているように形成されていてもよい。本実施形態では、このような突出している形状は、収納容器3の天面部39の外表面および内表面だけに限らず、本発明の特徴を満たす限り、側面部35、底面部37、正面部31および背面部33の外表面および内表面等に形成されていてもよい。
このように、天面側が開口した収納容器本体部3aと、両側面部35側の両端部から中央部に向かう程天面側(上方)に突出しているように形成されている蓋部3bとによって、収納容器3が形成されていてもよい。
このように突出している形状としては、正面側から見て(前後方向に視て)、三角形状、凸形状、台形状、曲線状等が挙げられる。曲線状としては、円弧状、湾曲した形状等が挙げられる。
この場合、正面側または背面側から見て、天面部39の中央部が両端部よりも、天面側(上方)に0.5〜5.0cm突出していることが好ましい。
この他、収納容器3の天面部39は、図示しないが、両側面部35側の両端部から中央部に向かう程天面側(上方)に突出しているように(すなわち、底面部37から離れるように)形成されていてもよい。すなわち、収納容器3の天面部39の外表面及び内表面は、上方に突出しているように形成されていてもよい。本実施形態では、このような突出している形状は、収納容器3の天面部39の外表面および内表面だけに限らず、本発明の特徴を満たす限り、側面部35、底面部37、正面部31および背面部33の外表面および内表面等に形成されていてもよい。
このように、天面側が開口した収納容器本体部3aと、両側面部35側の両端部から中央部に向かう程天面側(上方)に突出しているように形成されている蓋部3bとによって、収納容器3が形成されていてもよい。
このように突出している形状としては、正面側から見て(前後方向に視て)、三角形状、凸形状、台形状、曲線状等が挙げられる。曲線状としては、円弧状、湾曲した形状等が挙げられる。
この場合、正面側または背面側から見て、天面部39の中央部が両端部よりも、天面側(上方)に0.5〜5.0cm突出していることが好ましい。
図4及び図5に示すように、収納容器3の背面部33の外表面及び内表面は、天面側または底面側から見て直線状に形成されている。
この他、背面部33は、凹状及び凸状の少なくとも一方であるように形成されていてもよい。
収納容器3の背面部33が凹状及び凸状の少なくとも一方であることによって、収納容器3の背面部33が構造物50の近くに配置されても、該背面部33と構造物50との間に隙間が形成されるため、この隙間から常温揮散性薬剤を揮散させ得る。
よって、常温揮散性薬剤を、より十分に揮散させ得る。
この他、背面部33は、凹状及び凸状の少なくとも一方であるように形成されていてもよい。
収納容器3の背面部33が凹状及び凸状の少なくとも一方であることによって、収納容器3の背面部33が構造物50の近くに配置されても、該背面部33と構造物50との間に隙間が形成されるため、この隙間から常温揮散性薬剤を揮散させ得る。
よって、常温揮散性薬剤を、より十分に揮散させ得る。
上記収納容器3の背面部33が凹状及び凸状の少なくとも一方である態様としては、例えば、収納容器の背面部が、突起を有する、蛇腹状である、または、波状である態様が、挙げられる。
かかる態様を採用することによって、収納容器の背面部が上記構造物の近くに配置されても、背面部と構造物との間に隙間が、より確実に形成されるため、この隙間から常温揮散性薬剤を揮散させ得る。
かかる態様を採用することによって、収納容器の背面部が上記構造物の近くに配置されても、背面部と構造物との間に隙間が、より確実に形成されるため、この隙間から常温揮散性薬剤を揮散させ得る。
[収納容器の開口部]
収納容器3の正面部31、及び、2つの側面部35は、それぞれ、開口部7を有している。開口部7は、樹脂成形体2と重なる位置に形成されている。
この開口部7を通過して、樹脂成形体2に含有された常温揮散性薬剤が、収納容器3の外部環境に揮散される。
正面部31、及び、2つの側面部35には、それぞれ開口部7が1つ以上形成されている。
かかる開口部7の形状、大きさ及び数量は、樹脂成形体2が通過できず、且つ、常温揮散性薬剤が開口部7を通過して外部環境に揮散されるように適宜設定される。
図1(ならびに図6および図7)では、細長い開口部7が並んで複数形成されているが、この他、図示しないが、開口部7は、格子状に複数形成されていてもよい。
収納容器3の正面部31、及び、2つの側面部35は、それぞれ、開口部7を有している。開口部7は、樹脂成形体2と重なる位置に形成されている。
この開口部7を通過して、樹脂成形体2に含有された常温揮散性薬剤が、収納容器3の外部環境に揮散される。
正面部31、及び、2つの側面部35には、それぞれ開口部7が1つ以上形成されている。
かかる開口部7の形状、大きさ及び数量は、樹脂成形体2が通過できず、且つ、常温揮散性薬剤が開口部7を通過して外部環境に揮散されるように適宜設定される。
図1(ならびに図6および図7)では、細長い開口部7が並んで複数形成されているが、この他、図示しないが、開口部7は、格子状に複数形成されていてもよい。
なお、図示しないが、正面部31、及び、2つの側面部35の他、背面部33、底面部37、及び、天面部39のいずれか1つ以上に、開口部が形成されていてもよい。
[収納容器の空気通過量調整部]
収納容器3の正面部31は、該正面部31の開口部7の面積を変更することによって該開口部7を通過する空気の量を調整することが可能な空気通過量調整部11を有する。
空気通過量調整部11は、該正面部31の開口部7の面積を変更することによって該開口部7を通過する空気の量を調整することが可能であればよく、特に限定されない。
収納容器3の正面部31は、該正面部31の開口部7の面積を変更することによって該開口部7を通過する空気の量を調整することが可能な空気通過量調整部11を有する。
空気通過量調整部11は、該正面部31の開口部7の面積を変更することによって該開口部7を通過する空気の量を調整することが可能であればよく、特に限定されない。
空気通過量調整部11としては、例えば、一端部が回転自在に支持され、他端部が開閉する開閉部13を複数有するもの、すなわち、ジャロジー(ルーパー)式のものが挙げられる。この開閉部13が閉じることによって、外部環境から内部への空気の通過を抑制し、開閉部13が開くことによって、開きの程度に応じて、外部環境から内部に空気が通過する開口が形成され、この開口が、開口部7となる。
開閉部13は、前記樹脂成形体2と重なり合う位置に配されているため、開閉部13によって形成された開口部7は、樹脂成形体2の開口部7と重なり合うことになる。
開閉部13は、前記樹脂成形体2と重なり合う位置に配されているため、開閉部13によって形成された開口部7は、樹脂成形体2の開口部7と重なり合うことになる。
具体的には、例えば、図5に示すように、開閉部13が正面部31の他の領域に対してなす角度が0°(平行)となるように閉じることによって、開口部7が閉鎖され、該開口部7を空気が通過できなくなる。図6に示すように、開閉部13が正面部31の他の領域に対してなす角度が90°(垂直)以上となるように開くことによって、開口部7が全開となり、開口部7を通過する空気の量が最大となる。図7に示すように、開閉部13が正面部31の他の領域に対してなす角度が0°から90°の間で変更されると、それに応じて、部分的に開口部7が開放され、開口部7を通過する空気の量が変更される。
図6及び図7では、開閉部13を各図の上下方向としたが、その他、各図の左右方向としても、その他の方向としてもよい。
図6及び図7では、開閉部13を各図の上下方向としたが、その他、各図の左右方向としても、その他の方向としてもよい。
この他、空気通過量調整部11としては、例えば、シャッター式のものや、蛇腹式のものなどが挙げられる。
収納容器3の正面部31の全面積(開口部7を含む)に占める開口部7の面積(複数の開口部7が形成されている場合、全ての開口部7の面積)の比率(開口率)としては、例えば、10〜50%を挙げることができる。
収納容器3の2つの側面部35のそれぞれにおいて、各側面部35の全面積(開口部7を含む)に占める開口部7の面積(複数の開口部7が形成されている場合、全ての開口部7の面積)の比率(開口率)としては、例えば、10〜50%を挙げることができる。
収納容器3の背面部33が開口部を有する場合には、背面部33の全面積(開口部を含む)に占める開口部の面積(複数の開口部7が形成されている場合、全ての開口部7の面積)の比率(開口率)としては、例えば、10〜50%を挙げることができる。
収納容器3の背面部33が開口部7を有する場合には、2つの側面部35の開口部7の面積の合計(A)と、正面部31及び背面部33に設けられた開口部の面積の合計(B)との比率(開口比率)が、A/B=0.3〜3.0を満たすことが好ましい。
上記開口比率が、A/B=0.3〜3.0を満たすことによって、揮散効率が向上され得る。
上記開口比率が、A/B=0.3〜3.0を満たすことによって、揮散効率が向上され得る。
収納容器3の底面部37が開口部7を有する場合においても、上記と同様、底面部37の全面積(開口部7を含む)に占める開口部7の面積(複数の開口部7が形成されている場合、全ての開口部7の面積)の比率(開口率)としては、例えば、10〜50%を挙げることができる。
収納容器3の天面部39が開口部7を有する場合においても、上記と同様、天面部39の全面積(開口部7を含む)に占める開口部7の面積(複数の開口部7が形成されている場合、全ての開口部7の面積)の比率(開口率)としては、例えば、10〜50%を挙げることができる。
収納容器3は、その背面部33に、外側に突出する足部(不図示)を有していてもよい。
足部が構造物と接触することによって、背面部33と構造物との間に隙間が形成される。
よって、背面部33が開口部を有する場合には、該背面部33が足部を有することが、背面側での常温揮散性薬剤の揮散を促進する点から、好ましい。
足部が構造物と接触することによって、背面部33と構造物との間に隙間が形成される。
よって、背面部33が開口部を有する場合には、該背面部33が足部を有することが、背面側での常温揮散性薬剤の揮散を促進する点から、好ましい。
本実施形態では、収納容器3は、天面部39から突出しているフック部9を有している。
フック部9が構造物50に引っ掛けて吊るされることによって、図4及び図5に示すように、収納容器3の背面部33が構造物50の近くに配置される。なお、図4及び図5では、フック部9が構造物50に引っ掛けられる状態を示す詳細を省略するが、フック部9は、従来公知の方法で、構造物50に引っ掛けられればよい。
フック部9は、天面部39と一体に成形されても、天面部39とは別体として成形され、その一端部が天面部39に係合されていてもよい。
このフック部9によって収納容器3が構造物50に引っ掛けられて吊るされる場合には、収納容器3の背面部33が構造物50に近づき過ぎるため、上記した足部が形成されていても、背面部33と構造物50との間には、空気が通過するのに十分な隙間が形成されない場合がある。この場合には、背面部33に開口部が形成されなくてもよい。
フック部9が構造物50に引っ掛けて吊るされることによって、図4及び図5に示すように、収納容器3の背面部33が構造物50の近くに配置される。なお、図4及び図5では、フック部9が構造物50に引っ掛けられる状態を示す詳細を省略するが、フック部9は、従来公知の方法で、構造物50に引っ掛けられればよい。
フック部9は、天面部39と一体に成形されても、天面部39とは別体として成形され、その一端部が天面部39に係合されていてもよい。
このフック部9によって収納容器3が構造物50に引っ掛けられて吊るされる場合には、収納容器3の背面部33が構造物50に近づき過ぎるため、上記した足部が形成されていても、背面部33と構造物50との間には、空気が通過するのに十分な隙間が形成されない場合がある。この場合には、背面部33に開口部が形成されなくてもよい。
収納容器3においては、例えば、2つの側面部35間での正面部31及び背面部33の長さに対する、正面部31と背面部33との間での各側面部35の長さは、特に限定されないが、例えば、5〜20倍であってもよい。
この他、収納容器3の大きさは、樹脂成形体2との間の隙間との関係で、後述するように設定される。
この他、収納容器3の大きさは、樹脂成形体2との間の隙間との関係で、後述するように設定される。
収納容器3は、例えば後述する方法によって製造される。
[樹脂成形体]
樹脂成形体2は、樹脂材料によってメッシュ状に成形されており、常温揮散性薬剤を含有している。樹脂成形体2に含有されている常温揮散性薬剤は、樹脂成形体2から外部環境に揮散する。
なお、図3〜図5では、樹脂成形体2のメッシュの形状を省略して示す。
樹脂成形体2は、樹脂材料によってメッシュ状に成形されており、常温揮散性薬剤を含有している。樹脂成形体2に含有されている常温揮散性薬剤は、樹脂成形体2から外部環境に揮散する。
なお、図3〜図5では、樹脂成形体2のメッシュの形状を省略して示す。
樹脂成形体2は、直方体状であるため、互いに反対側に位置する面部を1つの対とすると、3つの対の面部を有する。この3つの対の面部のうち、他の対の面部よりも面積が大きい面部の対を、正面部21及び背面部23とし、残りを、水平方向に向いた2つの側面部25、下方に向いた底面部27、及び、上方に向いた天面部29とする。
樹脂成形体2の正面部21、背面部23、2つの側面部25、底面部27、及び、天面部29は、それぞれ、収納容器3の正面部31、背面部33、2つの側面部35、底面部37、及び、天面部39と対向して配置される。
樹脂成形体2の正面部21、背面部23、2つの側面部25、底面部27、及び、天面部29は、それぞれ、収納容器3の正面部31、背面部33、2つの側面部35、底面部37、及び、天面部39と対向して配置される。
樹脂成形体2は、開口部7が占める面積(表面積)が、樹脂成形体の全面積(全表面積)に対して40〜85%となるように、開口部7を有している。
樹脂成形体2のメッシュの太さ(線径)や開口状態は、常温揮散性薬剤の揮散状態等に応じて適宜設定され得る。
樹脂成形体2の大きさは、収納容器3との間の隙間との関係で、後述するように設定される。
樹脂成形体2は、常温揮散性薬剤を10〜2000mg含有している。
樹脂成形体2は、正面側から樹脂成形体2に流入する空気の風速が0.1〜3m/秒である場合において、樹脂成形体2からの常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgとなるように形成されている。
かかる揮散量は、樹脂成形体2中の常温揮散性薬剤の含有量、樹脂成形体2中への常温揮散性薬剤の取り込み状態を調整することによって、調整し得る。
かかる揮散量は、樹脂成形体2中の常温揮散性薬剤の含有量、樹脂成形体2中への常温揮散性薬剤の取り込み状態を調整することによって、調整し得る。
樹脂成形体2は、樹脂材料がメッシュ状に成形された後の含浸によって常温揮散性薬剤を含有していても、樹脂材料に練り込まれつつメッシュ状に成形されることによって常温揮散性薬剤を含有していてもよい。
すなわち、樹脂成形体2は、例えば、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂のようなポリオレフィン系樹脂に常温揮散性薬剤を練り込んで成形することによって保持させる方法、或いは、これらポリオレフィン系樹脂に常温揮散性薬剤を塗布することによって保持させる方法や、不織布、織物等の繊維製のメッシュ状樹脂成形体に常温揮散性薬剤を含浸させることによって保持させる方法等によって、形成される。
このように形成されることによって、それぞれの常温揮散性薬剤の揮散速度を各常温揮散性薬剤に応じたものとすることができ、より効果的に薬剤に起因する効果を発現させることができる。
かかる樹脂成形体の製造方法については、後述する。
このように形成されることによって、それぞれの常温揮散性薬剤の揮散速度を各常温揮散性薬剤に応じたものとすることができ、より効果的に薬剤に起因する効果を発現させることができる。
かかる樹脂成形体の製造方法については、後述する。
[樹脂製品からの常温揮散性薬剤の揮散量]
本実施形態の樹脂製品1は、空気通過量調整部11によって収納容器3の開口部7の面積が最大であるとき、収納容器3の開口部7を通過する風速が0.1〜3m/秒である場合において、樹脂製品1からの常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgであるように構成されている。
かかる揮散量は、樹脂成形体2中の常温揮散性薬剤の含有量、樹脂成形体2中への常温揮散性薬剤の取り込み状態、収納容器3の容積と樹脂成形体2の体積との関係、収納容器の開口部7の最大面積等を調整することによって、調整し得る。
本実施形態の樹脂製品1は、空気通過量調整部11によって収納容器3の開口部7の面積が最大であるとき、収納容器3の開口部7を通過する風速が0.1〜3m/秒である場合において、樹脂製品1からの常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgであるように構成されている。
かかる揮散量は、樹脂成形体2中の常温揮散性薬剤の含有量、樹脂成形体2中への常温揮散性薬剤の取り込み状態、収納容器3の容積と樹脂成形体2の体積との関係、収納容器の開口部7の最大面積等を調整することによって、調整し得る。
本実施形態においては、収納容器3の容積に対する樹脂成形体2の体積の比率としては、例えば、0.01〜10%を挙げることができる。
[常温揮散性薬剤]
本実施形態の樹脂製品1に使用される常温揮散性薬剤としては、常温において空気中に揮散する性質を有する成分を含有するものであれば特に限定されない。
常温揮散性薬剤としては、例えば、25℃における蒸気圧が0.001Pa以上0.1Pa以下程度であるものが挙げられる。
本実施形態の樹脂製品1に使用される常温揮散性薬剤としては、常温において空気中に揮散する性質を有する成分を含有するものであれば特に限定されない。
常温揮散性薬剤としては、例えば、25℃における蒸気圧が0.001Pa以上0.1Pa以下程度であるものが挙げられる。
常温揮散性薬剤に含有される成分としては、例えば、ディート(N,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド)、イカリジン(2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボン酸 1−メチルプロピル)等の防虫成分が挙げられる。
常温揮散性薬剤に含有される成分としては、その他、例えば、ピレスロイド系化合物である防虫成分が挙げられる。
ピレスロイド系化合物である防虫成分は、他の成分よりも、強力な防虫効果を発揮させ得る。
ピレスロイド系化合物である防虫成分としては、揮散性能に優れる点から、25℃における蒸気圧が0.001Pa以上0.1Pa以下程度であるものが好ましい。具体的には例えば、トランスフルトリン(蒸気圧(25℃)0.002Pa)、メトフルトリン(蒸気圧(25℃)0.001Pa)、エンペントリン(蒸気圧(25℃)0.014Pa)、プロフルトリン(蒸気圧(25℃)0.01Pa)等を挙げることができる。
これらピレスロイド系化合物については、各種の光学異性体または幾何異性体が存在するが、いずれの異性体類も使用することができ、また、単独で使用するだけなく、2種以上を併用することもできる。
ピレスロイド系化合物である防虫成分は、他の成分よりも、強力な防虫効果を発揮させ得る。
ピレスロイド系化合物である防虫成分としては、揮散性能に優れる点から、25℃における蒸気圧が0.001Pa以上0.1Pa以下程度であるものが好ましい。具体的には例えば、トランスフルトリン(蒸気圧(25℃)0.002Pa)、メトフルトリン(蒸気圧(25℃)0.001Pa)、エンペントリン(蒸気圧(25℃)0.014Pa)、プロフルトリン(蒸気圧(25℃)0.01Pa)等を挙げることができる。
これらピレスロイド系化合物については、各種の光学異性体または幾何異性体が存在するが、いずれの異性体類も使用することができ、また、単独で使用するだけなく、2種以上を併用することもできる。
常温揮散性薬剤に含有される防虫成分としては、その他、例えば、EP0060617号明細書、特開2000−63329号公報、特開2001−11022号公報、特開平7−17916号公報等に記載されたエステル化合物が挙げられる。これらエステル化合物は、上記公報に記載された方法で製造することができる。
上記エステル化合物としては、例えば、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=(1R,3S)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、(1R)−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボンサン1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル等が挙げられる。
本実施形態においては、常温揮散性薬剤が、ディート、イカリジン、トランスフルトリン、メトフルトリン、エンペントリンおよびプロフルトリンよりなる群から選択される1種以上含有することが好ましい。
常温揮散性薬剤が上記群から選択される1種以上を含有することによって、より確実に、揮散され得る。
よって、通風の悪い構造物50の近くで使用する場合であっても、常温揮散性薬剤の揮散能力を、より十分に発揮し得る。
常温揮散性薬剤が上記群から選択される1種以上を含有することによって、より確実に、揮散され得る。
よって、通風の悪い構造物50の近くで使用する場合であっても、常温揮散性薬剤の揮散能力を、より十分に発揮し得る。
なお、本実施形態で用いられる常温揮散性薬剤は、上記成分以外に、または、上記成分と共に、共力剤、忌避剤、抗菌剤、防黴剤、芳香剤・消臭剤、香料といった成分等を含有していてもよい。
共力剤としては、オクタクロロジプロピルエーテル(商品名S−421)、イソボルニルチオシアノアセテート(商品名IBTA)、N−オクチルビシクロヘプテンカルボキシイミド(商品名サイネピリン222)、N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ〔2,2,2〕オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(商品名サイネピリン500)等が挙げられる。
忌避剤としては、N,N−ジエチル−m−トルアミド(商品名ディート)、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、2−エチル−1,3−へキサンジオール、1,4,4a,5a,6,9,9a,9b−オクタヒドロジベンゾフラン−4a−カルバルデヒド、p−メンタン−3,8−ジオール等が挙げられる。
抗菌剤としては、ヒノキチオール、テトラヒドロリナロール、オイゲノール、シトロネラール、アリルイソチオシアネート等が挙げられる。
防黴剤としては、イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール等が挙げられる。
芳香剤・消臭剤としては、シトロネラ油、オレンジ油、レモン油、ライム油、ユズ油、ラベンダー油、ペパーミント油、ユーカリ油、ジャスミン油、ヒバ油、ヒノキ油、竹エキス、ヨモギエキス、キリ油、緑茶精油、リモネン、α−ピネン、リナロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、アミルシンナミックアルデヒド、クミンアルデヒド、ベンジルアセテート、ピルビン酸エチルやピルビン酸フェニルエチルといったピルビン酸エステル等が挙げられる。
香料としては、「緑の香り」と呼ばれる青葉アルコールや青葉アルデヒド配合の香料成分等が挙げられる。
常温揮散性薬剤は、上記成分に加えて、着色剤、帯電防止剤等を適宜含有していてもよい。
これらを含有することによって、色彩が付加されたり、タイムインジケーターが装着されて使用終了時点の視認が可能になったりし、これによって、商品価値がより高まる。
これらを含有することによって、色彩が付加されたり、タイムインジケーターが装着されて使用終了時点の視認が可能になったりし、これによって、商品価値がより高まる。
常温揮散性薬剤は、いずれも十分な安定性を有しているが、さらなる安定性が高められるべく、酸化防止剤等の安定剤をさらに含有していてもよい。
安定剤としては、例えば、2,2´−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4´−メチレンビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、BHT、BHA、メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、2,2´−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4´−メチレンビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、BHT、BHA、メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
常温揮散性薬剤は、保管時、使用時の耐光性が一段と向上されるべく、紫外線吸収阻害剤を含有していてもよい。
紫外線吸収阻害剤としては、パラアミノ安息香酸類、桂皮酸類、サリチル酸類、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類等の紫外線吸収剤が挙げられる。
紫外線吸収阻害剤としては、パラアミノ安息香酸類、桂皮酸類、サリチル酸類、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類等の紫外線吸収剤が挙げられる。
[樹脂製品の製造方法]
次いで、本実施形態の樹脂製品1の製造方法について説明する。
本実施形態の樹脂製品1は、樹脂成形体2を収納容器3に収納することによって製造し得る。
例えば、収納容器3が、収納容器本体部3aと蓋部3bとを有する場合には、収納容器本体部3aに、その開口を通して樹脂成形体2を収納した後、収納容器3の開口を蓋部3bによって覆うことによって、樹脂製品1を製造し得る。
次いで、本実施形態の樹脂製品1の製造方法について説明する。
本実施形態の樹脂製品1は、樹脂成形体2を収納容器3に収納することによって製造し得る。
例えば、収納容器3が、収納容器本体部3aと蓋部3bとを有する場合には、収納容器本体部3aに、その開口を通して樹脂成形体2を収納した後、収納容器3の開口を蓋部3bによって覆うことによって、樹脂製品1を製造し得る。
[収納容器の製造方法]
本実施形態に用いる収納容器3は、ポリオレフィン系樹脂等の従来公知の樹脂材料を用いて、射出成形等の従来公知の方法によって製造し得る。
本実施形態に用いる収納容器3は、ポリオレフィン系樹脂等の従来公知の樹脂材料を用いて、射出成形等の従来公知の方法によって製造し得る。
[樹脂成形体の製造方法]
本実施形態に用いる樹脂成形体2は、例えば、熱可塑性樹脂に常温揮散性薬剤を練り込んで、メッシュ状に成形することによって、または、熱可塑性樹脂をメッシュ状に成形した後、得られた成形体に常温揮散性薬剤を塗布したり、含浸させたりすることによって製造し得る。成形方法としては、特に限定されないが、例えば、押出成形、射出成形、プレス成形、真空成形等を用いることができ、これらのうちでも、特に押出成形や射出成形を用いることが好ましい。
本実施形態に用いる樹脂成形体2は、例えば、熱可塑性樹脂に常温揮散性薬剤を練り込んで、メッシュ状に成形することによって、または、熱可塑性樹脂をメッシュ状に成形した後、得られた成形体に常温揮散性薬剤を塗布したり、含浸させたりすることによって製造し得る。成形方法としては、特に限定されないが、例えば、押出成形、射出成形、プレス成形、真空成形等を用いることができ、これらのうちでも、特に押出成形や射出成形を用いることが好ましい。
具体的には、本実施形態の樹脂成形体2は、通常、樹脂、ゴムを成形する場合と同様の方法で製造することができる。
例えば、練り込んで成形する場合には、まず、熱可塑性樹脂と、常温揮散性薬剤と、その他の成分とを、通常20〜140℃に調整したヘンシェルミキサー等を用いて予め混合、分散させることによって、均一な樹脂組成物を作製する。または、熱可塑性樹脂に常温揮散性薬剤、その他の成分を添加し、通常60〜220℃の温度に調整した単軸押出機、または二軸押出機等の押出機によって溶融・混練することによって、樹脂組成物を作製する。
次に、得られた樹脂組成物を、通常60〜220℃の範囲の適当な温度で射出成形、押出成形等により所定の形状に成形することによって、樹脂成形体2を製造する。または、例えば、得られた樹脂組成物を、Tダイキャスト成形、プレス成形、カレンダー成形、ロール成形等によってフィルム状やシート状等の板状に成形することによって、製造する。
この際、開口部を形成することを可能とする所定の金型を用いて、上記成形と同時に開口部を形成してもよい。また、成形した後、切削加工等によって開口部を形成してもよい。生産効率の点からは前者の同時形成が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、従来公知のものが使用できる。
非加熱条件下でも揮散効果を十分に得るという観点から、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂とカルボン酸エステルとの共重合体、または、これらの混合物が好ましい。
この他、同様の観点から、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂も好ましい。
非加熱条件下でも揮散効果を十分に得るという観点から、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂とカルボン酸エステルとの共重合体、または、これらの混合物が好ましい。
この他、同様の観点から、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂も好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン単量体を主なモノマー成分とする樹脂である。ポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂とカルボン酸エステルとの共重合体は、ポリオレフィン単量体を主なモノマー成分とし、他にカルボン酸エステル単量体をモノマー単位として含有する重合体である。
カルボン酸エステル単量体は、不飽和カルボン酸エステル又はカルボン酸ビニルエステルである。
不飽和カルボン酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸の低級アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸の低級アルキルエステルが挙げられ、カルボン酸ビニルエステルとしては、例えば酢酸ビニル等の低級脂肪酸のビニルエステルが挙げられる。
カルボン酸エステル単量体は、不飽和カルボン酸エステル又はカルボン酸ビニルエステルである。
不飽和カルボン酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸の低級アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸の低級アルキルエステルが挙げられ、カルボン酸ビニルエステルとしては、例えば酢酸ビニル等の低級脂肪酸のビニルエステルが挙げられる。
かかるカルボン酸エステル単量体単位を含有するポリオレフィン系共重合体としては、例えばカルボン酸エステル単量体単位を含有するポリエチレン系共重合体、及びカルボン酸エステル単量体単位を含有するポリプロピレン系共重合体が挙げられる。
具体的には、不飽和カルボン酸エステル単量体単位を含有するポリエチレン系共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、及びエチレン−メタクリル酸エチル共重合体が挙げられる。カルボン酸ビニルエステル単量体単位を含有するポリエチレン系共重合体としては、例えば、エチレン−ビニルアセテート共重合体が挙げられる。
カルボン酸エステル単量体単位を含有するポリプロピレン系共重合体としては、例えば、プロピレン−アクリル酸メチル共重合体、プロピレン−アクリル酸エチル共重合体、プロピレン−アクリル酸ブチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸メチル共重合体、及びプロピレン−メタクリル酸エチル共重合体が挙げられる。
上記共重合体は、モノマーを公知のラジカル重合触媒やイオン重合触媒を用いて、公知の重合方法によって重合させることによって製造し得る。公知の触媒としては、例えば、過酸化物触媒、チグラー−ナッタ系触媒、メタロセン系触媒等が挙げられ、公知の重合方法としては、例えば、溶液重合法、スラリー重合法、高圧イオン重合法、高圧ラジカル重合法、及び気相重合法が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂とカルボン酸エステルとの共重合体との混合物としては、例えば、エチレン−アクリル酸メチルとポリエチレンとのポリマーブレンド、エチレン−アクリル酸エチルとポリエチレンとのポリマーブレンド、エチレン−メタクリル酸メチルとポリエチレンとのポリマーブレンド、及びエチレン−メタクリル酸エチルとポリエチレンとのポリマーブレンドが挙げられる。
熱可塑性樹脂が、カルボン酸エステル等の単量体を含有する場合、該単量体の配合量を調整することによって、樹脂成形体2の表面からの常温揮散性薬剤の揮散をコントロールし得る。
ポリオレフィン系樹脂に対するこれらのカルボン酸エステル単量体の配合比率は、一般に、カルボン酸エステル単量体配合比率が高くなる程、常温揮散性薬剤のブリードの速度を遅らせる傾向がある。
従って、例えば、かかる観点を考慮して、使用する常温揮散性薬剤の種類や含有量、使用目的等に応じて上記配合比率を適宜調節すればよく、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂に対して1〜20質量%の範囲で、カルボン酸エステル単量体の配合比率が調整され得る。
ポリオレフィン系樹脂に対するこれらのカルボン酸エステル単量体の配合比率は、一般に、カルボン酸エステル単量体配合比率が高くなる程、常温揮散性薬剤のブリードの速度を遅らせる傾向がある。
従って、例えば、かかる観点を考慮して、使用する常温揮散性薬剤の種類や含有量、使用目的等に応じて上記配合比率を適宜調節すればよく、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂に対して1〜20質量%の範囲で、カルボン酸エステル単量体の配合比率が調整され得る。
また、熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂とカルボン酸エステルとの共重合体を含有する場合、常温揮散性薬剤とカルボン酸エステル単量体単位との質量比が、通常、3:1〜1:3、好ましくは2:1〜1:2の割合となるように、ポリオレフィン系樹脂とカルボン酸エステルとの配合比率が調整され得る。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルを単量体の成分として含有してなる樹脂である。塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独の重合体であっても、塩化ビニルと、該塩化ビニルと共重合可能な単量体との共重合体であっても、これら塩化ビニル単独の重合体と上記共重合体との混合物であってもよい。
塩化ビニルと該塩化ビニルと共重合可能な単量体との共重合体としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−酢酸ビニル三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体への塩化ビニルグラフト共重合体、及びこれらの混合物が挙げられる。
かかる塩化ビニル系樹脂は、懸濁重合、塊状重合、乳化重合、マイクロサスペンジョン重合、溶液重合等の通常の重合法により得られるものをそのまま、あるいは必要に応じて混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂は、塩化ビニル系樹脂のみであっても、塩化ビニル系樹脂と、該塩化ビニル系樹脂以外の従来公知の樹脂との混合物であってもよい。
塩化ビニル系樹脂以外の樹脂としては、例えばポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、及び、これらの2種以上の混合物が挙げられる。
この他、塩化ビニル系樹脂以外の樹脂としては、上記ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂とカルボン酸エステルとの共重合体も挙げられる。
塩化ビニル系樹脂以外の樹脂としては、例えばポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、及び、これらの2種以上の混合物が挙げられる。
この他、塩化ビニル系樹脂以外の樹脂としては、上記ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂とカルボン酸エステルとの共重合体も挙げられる。
熱可塑性樹脂は、塩化ビニル系樹脂を、50〜100質量%含有し得る。
本実施形態の樹脂成形体2においては、熱可塑性樹脂が10〜98質量%、好ましくは20〜95質量%含有される。
熱可塑性樹脂は、上記以外の樹脂を含有していてもよい。かかる樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(AB)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。)、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリアミド(6−ナイロン、6,6−ナイロン等のナイロンが挙げられる。)等が挙げられる。
樹脂成形体2は、常温揮散性薬剤及び熱可塑性樹脂の他、樹脂以外の高分子を含有してもよい。かかる高分子としては、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレンを硬質ブロックとし、イソプレン及びブタジエン等の共役ジエンの重合体又はその水素添加物を軟質ブロックとして、硬質ブロック及び軟質ブロックを共重合してなるブロック共重合体及びその水素添加物が挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとして、ポリスチレンを15〜70質量%、好ましくは20〜50質量%含有して共重合されたブロック共重合体の水素添加物を用いてもよい。
ブロック共重合体としては、一般に1個の硬質ブロックと1個の軟質ブロックとが各々の末端で結合したジブロック共重合体、2個の硬質ブロックと1個の軟質ブロックとが硬質ブロック−軟質ブロック−硬質ブロックの順で結合したトリブロック共重合体、硬質ブロック−軟質ブロック−の順で4ブロック以上が順次結合したマルチブロック共重合体及びこれらの水素添加物等が挙げられる。
これらのうち、ブロック共重合体としては、ジブロック若しくはトリブロック共重合体の水素添加物を用いることが、常温揮散性薬剤の安定性の点で好ましい。
ジブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。
トリブロック共重合体としては例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体の水素添加物が挙げられる。
ジブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。
トリブロック共重合体としては例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体の水素添加物が挙げられる。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーとして、通常JIS K7210に規定される試験方法(試験条件:230℃、2.16kg荷重)により測定されるメルトフローレート(以下、MFRと記す。)が0.2〜100g/10分、好ましくは1〜70g/10分、より好ましくは10〜70g/10分のものが用いられる。MFRが0.2g/10分より低い場合、溶融混練及び成形する際に流動性を確保すべく、230℃以上に加工する必要があるため、常温揮散性薬剤が蒸散により消失するおそれがある。また、MFRが100g/10分より高い場合には、溶融混練及び成形する際に流動性が高すぎるため、所望の形状の樹脂成形体2が得られなくなるおそれがある。
かかるスチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、セプトンSEPS 2007(株式会社クラレ商品名、ポリスチレン、イソプレン重合体及びポリスチレンのトリブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレンブロック含有量:30質量%、MFR:2.4g/10分)、セプトンSEPS 2104(株式会社クラレ商品名、ポリスチレン、イソプレン重合体及びポリスチレンのトリブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレンブロック含有量:65質量%、MFR:0.4g/10分)、セプトンSEP 2002(株式会社クラレ商品名、ポリスチレン及びイソプレン重合体のジブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレンブロック含有量:35質量%、MFR:70g/10分)、SEP 1001(株式会社クラレ商品名、ポリスチレン及びイソプレン重合体のジブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレンブロック含有量:30質量%、MFR:0.1g/10分)、SEP 2004(株式会社クラレ商品名、ポリスチレン及びイソプレン重合体のジブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレンブロック含有量:18質量%、MFR:5g/10分)等が挙げられる。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、樹脂成形体2の全量に対して通常1〜80質量%、好ましくは10〜50質量%含有されることがよい。
常温揮散性薬剤と、熱可塑性樹脂とを練り込む場合には、常温揮散性薬剤と熱可塑性樹脂とで樹脂ペレットを作製し、この樹脂ペレットを用いて成形してもよい。
また、樹脂ペレットと、さらに別の熱可塑性樹脂とを混合して用いて、成形してもよい。
かかる樹脂ペレットを用いる製造方法について、以下に詳述する。
また、樹脂ペレットと、さらに別の熱可塑性樹脂とを混合して用いて、成形してもよい。
かかる樹脂ペレットを用いる製造方法について、以下に詳述する。
上記樹脂ペレットは、例えば、常温揮散性薬剤と上記熱可塑性樹脂とを混練して成形されたペレット状の成形体である。
常温揮散性薬剤がトランスフルトリンを含有する場合には、樹脂ペレットが結晶析出防止成分を含有してもよい。
樹脂ペレットは、その形態で輸送、保存を行うことができるが、その間にブリード、結晶析出等が起こるおそれがある。
しかし、樹脂ペレットが上記結晶析出防止成分を含有することによって、結晶析出が抑制される。
樹脂ペレットを成形する際には、マスターバッチとして用いることができ、必要に応じこれに更に追加の熱可塑性樹脂を混合・混練したうえで、成形してもよい。
常温揮散性薬剤がトランスフルトリンを含有する場合には、樹脂ペレットが結晶析出防止成分を含有してもよい。
樹脂ペレットは、その形態で輸送、保存を行うことができるが、その間にブリード、結晶析出等が起こるおそれがある。
しかし、樹脂ペレットが上記結晶析出防止成分を含有することによって、結晶析出が抑制される。
樹脂ペレットを成形する際には、マスターバッチとして用いることができ、必要に応じこれに更に追加の熱可塑性樹脂を混合・混練したうえで、成形してもよい。
樹脂ペレットには、上記したポリオレフィン系樹脂、カルボン酸エステル単量体単位を含有するポリエチレン系共重合体、塩化ビニル系樹脂に加えて、別の樹脂が、熱可塑樹脂に含有されてもよい。
上記別の樹脂としては、エチレン−ビニルアセテート共重合体(エチレン−酢酸ビニル樹脂)が挙げられる。
エチレン−ビニルアセテート共重合体は、樹脂成形体2の基本骨格を構成する樹脂成分として機能するだけでなく、常温揮散性薬剤のうち、トランスフルトリン、メトフルトリン及びプロフルトリンに対して、ブリード調整剤として作用する。このエチレン−ビニルアセテート共重合体の配合量は、常温揮散性薬剤がトランスフルトリンやプロフルトリンの場合、樹脂ペレット全体に対して5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。5質量%未満の場合、ブリードを十分に抑制し得ないおそれがある。一方、上限は50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましい。多過ぎると、樹脂ペレットを他の樹脂と混合して得た樹脂成形体においてもブリードを抑制し過ぎてしまい、本来の目的である上記常温揮散性薬剤の揮散による防虫効果が低減され過ぎてしまうおそれがあるからである。尚、上記常温揮散性薬剤がメトフルトリンの場合には、同様の理由で5質量%以上35質量%以下が適当である。また、上記防虫成分がメトフルトリンを主体とし他の化合物との混合である場合には、10質量%以上35質量%以下が好適となる。
エチレン−ビニルアセテート共重合体は、樹脂成形体2の基本骨格を構成する樹脂成分として機能するだけでなく、常温揮散性薬剤のうち、トランスフルトリン、メトフルトリン及びプロフルトリンに対して、ブリード調整剤として作用する。このエチレン−ビニルアセテート共重合体の配合量は、常温揮散性薬剤がトランスフルトリンやプロフルトリンの場合、樹脂ペレット全体に対して5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。5質量%未満の場合、ブリードを十分に抑制し得ないおそれがある。一方、上限は50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましい。多過ぎると、樹脂ペレットを他の樹脂と混合して得た樹脂成形体においてもブリードを抑制し過ぎてしまい、本来の目的である上記常温揮散性薬剤の揮散による防虫効果が低減され過ぎてしまうおそれがあるからである。尚、上記常温揮散性薬剤がメトフルトリンの場合には、同様の理由で5質量%以上35質量%以下が適当である。また、上記防虫成分がメトフルトリンを主体とし他の化合物との混合である場合には、10質量%以上35質量%以下が好適となる。
上記共重合体中のエチレン単位とビニルアセテート単位との数比は、90:10〜70:30が好ましい。ビニルアセテート単位が少なすぎると、ポリエチレンとほとんど物性が変わらなくなってしまい、ブリードを十分に調整し得ないおそれがある。一方、ビニルアセテート単位が多過ぎると樹脂ペレットを成形し難くなるおそれがある。
上記エチレン−ビニルアセテート共重合体のメルトマスフローレイト(MFR)は、5g/10min以上、50g/10min以下が好ましい。MFRが小さ過ぎるとブリードを十分に抑制することが困難となり、MFRが大き過ぎると樹脂ペレットの物性に与える影響を無視できなくなるおそれがある。
熱可塑性樹脂に、上記エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)と共に上記ポリオレフィン系樹脂が含有される場合には、樹脂ペレットの質量調整や物性の調整という観点を考慮すると、エチレン−ビニルアセテート共重合体との親和性から、上記ポリオレフィン系樹脂として、ポリエチレンが好ましく、成形性の点では、特に低密度ポリエチレンが好ましい。低密度ポリエチレンとしては、具体的には、分岐低密度ポリエチレン(LDPE)、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。
樹脂ペレットには、必要に応じて、タルク、アルミナ、シリカ、ホワイトカーボンとよばれる微結晶シリカや微粉末ケイ酸、珪藻土、ゼオライト類、粘度鉱物、木粉等の微粉末担体が、含有されてもよい。
さらに、着色剤、安定剤、帯電防止剤等が含有されてもよい。
微粉末担体が含有されると、樹脂ペレット内に、常温揮散性薬剤を、より十分に保持することができる。また、第一段階で常温揮散性薬剤を高濃度に含有させたマスターバッチを調製し、第二段階で更に別の熱可塑性樹脂を用いて所定濃度に希釈した後、樹脂成形体2を成形するといった製造工程を採用することができるため、便利である。また、この製造工程によれば、樹脂成形体2の内部から表面部にかけて連通気泡が生じ、内部の常温揮散性薬剤が表面にブリードし易くなる場合もある。
さらに、着色剤、安定剤、帯電防止剤等が含有されてもよい。
微粉末担体が含有されると、樹脂ペレット内に、常温揮散性薬剤を、より十分に保持することができる。また、第一段階で常温揮散性薬剤を高濃度に含有させたマスターバッチを調製し、第二段階で更に別の熱可塑性樹脂を用いて所定濃度に希釈した後、樹脂成形体2を成形するといった製造工程を採用することができるため、便利である。また、この製造工程によれば、樹脂成形体2の内部から表面部にかけて連通気泡が生じ、内部の常温揮散性薬剤が表面にブリードし易くなる場合もある。
樹脂ペレットに上記微粉末担体が含有される場合、その含有量は、樹脂ペレット全体量に対して10質量%以上30質量%以下が好ましい。10質量%より少ないと、常温揮散性薬剤を保持する性能が劣り、マスターバッチによる製造が困難となるおそれがある。また、微粉末担体の含有量が少な過ぎて常温揮散性薬剤を十分に保持できず、常温揮散性薬剤のブリードが過大になるおそれがある。一方、30質量%よりも多いと、樹脂ペレットの強度や常温揮散性薬剤のブリード性に影響を及ぼすおそれがある。さらに、微粉末担体が、樹脂ペレットを用いて成形された樹脂成形体にも含有されることになるので、それが多過ぎると樹脂成形体の物性に影響を及ぼすおそれもある。
微粉末担体の大きさは、数平均粒子径が1μm以上30μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがより好ましい。数平均粒子径が30μmを超えると、表面積が不足する結果、常温揮散性薬剤を十分に保持し難くなり、また、樹脂ペレットがべたつき易くなる。一方、1μm未満である微粒子は、現実的には製造することが難しく、それ以上に粒径の場合と比較して、物性が大きく変わってくるおそれがあるため、好ましくない。
樹脂ペレットからの、常温揮散性薬剤の結晶析出を防止するための成分としては、具体的には例えば、常温で液状である二塩基酸エステル化合物、芳香族エステル化合物、高級脂肪酸エステル化合物、トランスフルトリンそれ自体以外のピレスロイド化合物、ピレスロイド用共力剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいが、複数種類を併用しても良い。
上記結晶析出防止成分のなかでは、二塩基酸エステル化合物が好ましい。そのうち、特に、沸点が200〜330℃の二塩基酸エステル化合物は結晶析出防止効果が高く、このような化合物として、例えば、ジブチルサクシネート、ジブチルグルコネート、ジエチルアジペート、ジエチルフタレート等を例示できるが、これらに限定されない。
また、上記ピレスロイド化合物としては、例えば、フェノトリン若しくはメトフルトリン、又はその両方を用いることができる。これらは上記の二塩基酸エステル化合物と併用すると、結晶析出防止効果が更に高まるので好ましい。
上記ピレスロイド用共力剤とは、ピレスロイド化合物と併用されたときにピレスロイドの殺虫効力を増強させ得るもので、具体的には、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドやピペロニルブトキサイド等が代表的である。これらの上記ピレスロイド用共力剤も、上記二塩基酸エステル化合物と併用することで結晶析出防止効果を高めることができる。
上記結晶析出防止成分の含有量は、樹脂ペレット全体量に対して1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
結晶析出抑制成分としては、二塩基酸エステル化合物が特に効果的であることから、これを主体に適宜他の結晶析出防止成分を組み合わせて用いればよい。
結晶析出抑制成分としては、二塩基酸エステル化合物が特に効果的であることから、これを主体に適宜他の結晶析出防止成分を組み合わせて用いればよい。
上記の配合及び混合比で薬剤含有樹脂ペレットを製造する際の手順は特に限定されない。例えば、まず上記防虫成分と上記微粉末担体とを混合した後、エチレン−ビニルアセテート共重合体と必要ならば他のポリオレフィン系樹脂等を加え、上記結晶析出防止成分とともに混練する手順が挙げられる。
樹脂成形体2には、これに種々の性能を付すために、上記以外の成分、例えば安定剤、可塑剤、軟化剤、粘度調節剤、防汚剤、顔料、染料、展着剤、防錆剤、滑剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤、帯電防止剤、加硫剤、加硫促進剤、架橋剤、発泡剤、有機充填剤、無機充填剤等を適宜添加することもできる。
安定剤としては、例えば金属系安定剤及び非金属系安定剤が挙げられる。金属系安定剤としては、高級脂肪酸と金属(カドミウム、バリウム、亜鉛、マグネシウム、鉛等が挙げられる)との塩、式
R10 mSnY4−m
〔式中、R10はメチル基、ブチル基、オクチル基を表し、mは1又は2を表す。〕
で示される有機スズ系安定剤、塩基性亜硫酸鉛、2塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤、アンチモンメルカプチド等のアンチモン系安定剤、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムと酸化マグネシウム、カルシウム・マグネシウム・亜鉛の水酸化物固溶体、ハイドロタルサイト、ゼオライト、リチウム・アルミニウム複塩等の水酸化物、過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム等の過塩素酸塩、パルミチン酸亜鉛、アジピン酸亜鉛等のカルボン酸亜鉛、亜鉛ラウリルメルカプチド等のアルキルメルカプチド、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、塩化亜鉛等の無機亜鉛化合物、及びステアリルアシッドホスファイト亜鉛塩等の亜鉛アシッドホスファイト等が挙げられる。
R10 mSnY4−m
〔式中、R10はメチル基、ブチル基、オクチル基を表し、mは1又は2を表す。〕
で示される有機スズ系安定剤、塩基性亜硫酸鉛、2塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤、アンチモンメルカプチド等のアンチモン系安定剤、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムと酸化マグネシウム、カルシウム・マグネシウム・亜鉛の水酸化物固溶体、ハイドロタルサイト、ゼオライト、リチウム・アルミニウム複塩等の水酸化物、過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム等の過塩素酸塩、パルミチン酸亜鉛、アジピン酸亜鉛等のカルボン酸亜鉛、亜鉛ラウリルメルカプチド等のアルキルメルカプチド、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、塩化亜鉛等の無機亜鉛化合物、及びステアリルアシッドホスファイト亜鉛塩等の亜鉛アシッドホスファイト等が挙げられる。
非金属系安定剤としては、例えば、エポキシ化動植物油、エポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ化脂環式化合物等のエポキシ化合物、リン酸系安定剤、ジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、アセト酢酸エチル、アセト酢酸ラウリル、ベンゾイル酢酸エチル、デヒドロ酢酸等のβ−ジケトン化合物、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、β−アミノクロトン酸エステル、1,4−ブタンビスアミノクロトン酸エステル、2−フェニルインドール、デヒドロピリミジンジカルボン酸ジラウリルエステル等のイミノ系化合物、及びチオ尿酸、チオジプロピオン酸エステル等の含硫黄化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−ブチリデンビス(3−ブチル−6−t−ブチルフェノール)、n−オクデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)プロピオネート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等の立体障害の大きい置換基をオルト位に有するフェノール化合物に代表されるフェノール系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール化合物及び2−ヒドロキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、サリチル酸エステル等の紫外線遮光剤、並びにヒンダードアミン系酸化防止剤が挙げられる。リン酸系安定剤としては、有機亜リン酸エステル、アシッドホスファイトが挙げられ、より具
体的にはトリデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニル(ブトキシエトキシエチル)ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)−4,4−イソプロピリデンジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、ジフェニルホスファイト、フェニルデシルホスファイト、ブチルアシッドホスファイト、オクチルアシッドホスファイト、ステアリルアシッドホスファイト等が挙げられる。
体的にはトリデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニル(ブトキシエトキシエチル)ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)−4,4−イソプロピリデンジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、ジフェニルホスファイト、フェニルデシルホスファイト、ブチルアシッドホスファイト、オクチルアシッドホスファイト、ステアリルアシッドホスファイト等が挙げられる。
可塑剤としては例えば、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソウンデシルフタレート等のフタル酸エステル、トリオクチルトリメリテート、トリ−2−エチルへキシルトリメリテート、トリデシルトリメリレート等のトリメリット酸エステル、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアゼレート、ジオクチルセバケート等の脂肪族2塩基酸エステル、トリクレジルホスフェート、トリキシリルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤が挙げられ、軟化剤としては、例えば石油系のプロセスオイル(パラフィン系、ナフテン酸系、芳香族系)、パインオイル等の天然油が挙げられる。可塑剤及び/又は軟化剤の配合量は、樹脂成形体2の成分、配合、用途等により適宜変更され得るものであるが、樹脂成形体2に可塑剤及び軟化剤の合計使用量と、含有される熱可塑性樹脂の使用量との質量比として、通常1:100〜120:100の割合、好ましくは1:100〜100:100の割合である。
樹脂ペレット中の常温揮散性薬剤の含有量は、樹脂成形体2中の常温揮散性薬剤の含有量が10〜2000mgとなるように適宜設定され得る。
樹脂ペレットとしては、常温揮散性薬剤がメトフルトリンを含有する場合には、樹脂ペレット全体量の10質量%以上50質量%以下が好ましく、15質量%以上35質量%以下がより好ましい。
また、常温揮散性薬剤がトランスフルトリンやプロフルトリンを含有する場合には、樹脂ペレット全体量の20質量%以上60質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がより好ましい。
常温揮散薬剤がいずれの成分を含有する場合でも、少な過ぎるとマスターバッチとして用いる際に、それだけ樹脂ペレットを多量に用意しなければならず、製造上非効率的となる。一方、多過ぎると、他の成分によっても、ブリード及び結晶析出を抑制しきれず、樹脂ペレットがべたついて、保存や輸送、成形の際に支障が出るおそれがある。なお、常温揮散性薬剤が複数種類の成分を含有する場合には、それらを合わせた含有率が60質量%以下であることが好ましい。
樹脂ペレットとしては、常温揮散性薬剤がメトフルトリンを含有する場合には、樹脂ペレット全体量の10質量%以上50質量%以下が好ましく、15質量%以上35質量%以下がより好ましい。
また、常温揮散性薬剤がトランスフルトリンやプロフルトリンを含有する場合には、樹脂ペレット全体量の20質量%以上60質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がより好ましい。
常温揮散薬剤がいずれの成分を含有する場合でも、少な過ぎるとマスターバッチとして用いる際に、それだけ樹脂ペレットを多量に用意しなければならず、製造上非効率的となる。一方、多過ぎると、他の成分によっても、ブリード及び結晶析出を抑制しきれず、樹脂ペレットがべたついて、保存や輸送、成形の際に支障が出るおそれがある。なお、常温揮散性薬剤が複数種類の成分を含有する場合には、それらを合わせた含有率が60質量%以下であることが好ましい。
上記樹脂ペレットを用いる場合、該樹脂ペレットをマスターバッチとし、これに、ポリオレフィン系樹脂等の別の熱可塑性樹脂を混合し、射出成形等することによって成形し、これによって樹脂成形体2を成形し得る。射出成形の条件は、使用する樹脂の種類、各成分の配合割合等を考慮して、周知の条件から適宜採用し得る。
本実施形態では、樹脂成形体2における常温揮散性薬剤の含有量は、使用する常温揮散性薬剤の種類、樹脂の種類、使用環境、使用期間等によって適宜決定される。
樹脂成形体2に保持される常温揮散性薬剤の含有量は、使用する常温揮散性薬剤の種類、使用環境、使用条件等によって適宜決定される。
例えば、防虫効果に必要な有効成分量を確保し、常温揮散性薬剤を練り込んだ後の成形を容易にし、さらに樹脂成形体2の表面に常温揮散性薬剤が過剰にブリードしてべたつきを起こすことを防止する点を考慮すると、樹脂成形体2に対する常温揮散性薬剤の含有量を、0.5〜20質量%の範囲にすることが好ましい。
常温揮散性薬剤の含有量が0.5質量%未満の場合には、防虫に必要な有効成分量を確保することが困難となり、一方、常温揮散性薬剤の含有量が20質量%を超える場合には、常温揮散性薬剤を練り込んだ後の成形が困難となり、さらに樹脂成形体2の表面に常温揮散性薬剤が過剰にブリードしてべたつきを起こし易くなる傾向にある。
例えば、防虫効果に必要な有効成分量を確保し、常温揮散性薬剤を練り込んだ後の成形を容易にし、さらに樹脂成形体2の表面に常温揮散性薬剤が過剰にブリードしてべたつきを起こすことを防止する点を考慮すると、樹脂成形体2に対する常温揮散性薬剤の含有量を、0.5〜20質量%の範囲にすることが好ましい。
常温揮散性薬剤の含有量が0.5質量%未満の場合には、防虫に必要な有効成分量を確保することが困難となり、一方、常温揮散性薬剤の含有量が20質量%を超える場合には、常温揮散性薬剤を練り込んだ後の成形が困難となり、さらに樹脂成形体2の表面に常温揮散性薬剤が過剰にブリードしてべたつきを起こし易くなる傾向にある。
なお、通常、樹脂成形体2に配合される常温揮散性薬剤の含有量は、10〜2000mgであり、これは、約2週間から1年間程度の期間において使用可能な量に相当するものとして例示される。
また、常温揮散性薬剤の含有量を設定するに当たっては、それが含有する成分の種類によって異なるものの、例えば、メトフルトリン、プロフルトリン、トランスフルトリンをそれぞれ単独で含有する場合には、通常、効果発現に必要な最低の揮散量が0.01mg/hr以上であることから、30日間の使用可能な含有量として、10〜300mgの範囲で設定すればよい。
また、常温揮散性薬剤の含有量を設定するに当たっては、それが含有する成分の種類によって異なるものの、例えば、メトフルトリン、プロフルトリン、トランスフルトリンをそれぞれ単独で含有する場合には、通常、効果発現に必要な最低の揮散量が0.01mg/hr以上であることから、30日間の使用可能な含有量として、10〜300mgの範囲で設定すればよい。
本実施形態の樹脂製品1は、例えば、害虫の生息場所及び/又は害虫の侵入場所等にそのまま設置することにより用いられる。このことを考慮して、樹脂成形体2に含有させる常温揮散性薬剤の量は、害虫を防除しようとする空間1m3あたりの通常0.001〜30g、好ましくは0.01〜30gであるのがよい。
これを実現するために、樹脂成形体2に対する常温揮散性薬剤の含有量は、前述の如く、0.5〜20質量%の範囲にすることが好ましい。
これを実現するために、樹脂成形体2に対する常温揮散性薬剤の含有量は、前述の如く、0.5〜20質量%の範囲にすることが好ましい。
上記のように樹脂ペレットを用いる場合には、樹脂ペレットが15質量%以上80質量%以下であり、これと混合する別の熱可塑性樹脂が20質量%以上85質量%以下であることが好ましい。この範囲であると、得られる樹脂成形体2に適当な量の常温揮散性薬剤が含有されることになることから、適度な揮散性が付与される。
本実施形態の樹脂成形体2の製造においては、メッシュ形状を構成するフィラメント(線)の直径(線径)が、揮散効率の点から0.1〜2mmの範囲となるように、樹脂成形体2を製造することが好ましい。
なお、フィラメントの直径は、常温揮散性薬剤の種類や使用期間に応じて上記範囲内から適宜設定される。すなわち、常温揮散性薬剤の蒸気圧が高い(揮散速度が速い)場合には、フィラメントの直径を大きくすることによって揮散を抑制するように調整し、常温揮散性薬剤の蒸気圧が低い(揮散速度が遅い)場合には、フィラメント直径を小さくすることによって揮散を促すように調整される。
なお、フィラメントの直径は、常温揮散性薬剤の種類や使用期間に応じて上記範囲内から適宜設定される。すなわち、常温揮散性薬剤の蒸気圧が高い(揮散速度が速い)場合には、フィラメントの直径を大きくすることによって揮散を抑制するように調整し、常温揮散性薬剤の蒸気圧が低い(揮散速度が遅い)場合には、フィラメント直径を小さくすることによって揮散を促すように調整される。
また、メッシュの網目(目開き)の大きさ(開口率)についても、揮散効率と通気性との点から40〜85%の範囲にすることが好ましく、更には50〜75%にすることが好ましい。
一方、メッシュの網目の形状については特に限定されず、必要に応じて角形、ひし形、六角形等適宜設定することができる。
[樹脂製品の使用]
次いで、本実施形態の樹脂製品1の使用について、説明する。
樹脂製品1の設置方法としては、例えば、床に置いたり、敷いたりする方法、天井から吊り下げる方法、壁に貼り付ける方法が挙げられる。常温揮散性薬剤が防虫効果を有する場合には、樹脂製品1の設置場所において、樹脂製品1から常温揮散性薬剤が徐々に揮散して害虫防除効力が発揮される。従って、樹脂製品1によれば、風通しの悪い構造物50の近くで使用されても、その効力が発揮される。なお、風通しの良い場所に設置された場合には、常温揮散性薬剤の揮散効率がより高くなり、より優れた害虫防除効力が発揮される。また、樹脂製品1は、害虫の生息場所及び/又は害虫の侵入場所の相対的に風上側に設置することが好ましい。かかる害虫の生息場所及び侵入場所としては、例えば厩、牛舎、鶏舎、豚舎等の畜舎;犬小屋、ウサギ小屋等のペット小屋;工場や作業場における出入口、排気口、電灯等の周辺;ベランダ、玄関等の家屋の外部;クロゼット、タンス(和ダンス、洋ダンス)の内部、ファンシーケース等衣類保管場所;寝室、居間、台所等の家屋内部;浄化槽内部;マンホールの蓋の下;キャンプ場や公園におけるテントの出入口、テント周辺、テント内部;バーベキュー、釣り、ハイキング、ガーデニング等の野外活動場所とその周辺部が挙げられる。
次いで、本実施形態の樹脂製品1の使用について、説明する。
樹脂製品1の設置方法としては、例えば、床に置いたり、敷いたりする方法、天井から吊り下げる方法、壁に貼り付ける方法が挙げられる。常温揮散性薬剤が防虫効果を有する場合には、樹脂製品1の設置場所において、樹脂製品1から常温揮散性薬剤が徐々に揮散して害虫防除効力が発揮される。従って、樹脂製品1によれば、風通しの悪い構造物50の近くで使用されても、その効力が発揮される。なお、風通しの良い場所に設置された場合には、常温揮散性薬剤の揮散効率がより高くなり、より優れた害虫防除効力が発揮される。また、樹脂製品1は、害虫の生息場所及び/又は害虫の侵入場所の相対的に風上側に設置することが好ましい。かかる害虫の生息場所及び侵入場所としては、例えば厩、牛舎、鶏舎、豚舎等の畜舎;犬小屋、ウサギ小屋等のペット小屋;工場や作業場における出入口、排気口、電灯等の周辺;ベランダ、玄関等の家屋の外部;クロゼット、タンス(和ダンス、洋ダンス)の内部、ファンシーケース等衣類保管場所;寝室、居間、台所等の家屋内部;浄化槽内部;マンホールの蓋の下;キャンプ場や公園におけるテントの出入口、テント周辺、テント内部;バーベキュー、釣り、ハイキング、ガーデニング等の野外活動場所とその周辺部が挙げられる。
また、本実施形態の樹脂製品1は、温血動物(イヌ、ネコ、ウサギ等のペット、馬、牛、鶏、豚等の家畜、及びヒトが挙げられる。)の体表部に直接又は着衣等の上から装着することにより、該温血動物を害虫による加害行動、特に蚊による吸血行動から保護することができる。装着方法としては、樹脂製品1を、紐等を用いて腰から吊り下げる、適当な留め具等を用いて足首、手首、腕胴体等に巻きつける、切り抜き・縫製して衣服の形態として着衣させる方法等が挙げられる。これらの場合、常温揮散性薬剤の使用量は、対象害虫や使用期間等により適宜選択されるものであるが、害虫による加害行動から保護しようとする温血動物の体表部1cm2あたり、通常0.001〜10mg、好ましくは0.01〜5mg、より好ましくは0.05〜2.5mgである。また、これらの場合、これら動物等が構造物50に相当する。
本実施形態の樹脂製品1は、多くの昆虫類をはじめとする節足動物、具体的には、アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカ等の蚊類、ブユ、ユスリカ類、ハエ類、チョウバエ類、イガ類等に対して殺虫効果又は忌避効果に基づく優れた防虫効果を発揮する。
具体的には例えば、以下に示される害虫の防除に用いることができる。
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)等のヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等;
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(agrotis segetum)等のヨトウ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana)等のハマキガ類、シンクイガ類(Carposinidae)、ハモグリガ類(Lyonetiidae)、ドクガ類(Lymantriidae)、ウワバ類(Autographa)、カブラヤガ(Agrotis segetum)及びタマナヤガ(Agrotis ipsolon)等のアグロティス属(Agrotis spp.)、ヘリコベルパ属(Helicoverpa spp.)、へリオティス属(Heliothis spp.)、コナガ(Plutella xylosttella)、イチモンジセセリ(Parnara guttata)、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola isselliella)等;
具体的には例えば、以下に示される害虫の防除に用いることができる。
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)等のヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等;
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(agrotis segetum)等のヨトウ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana)等のハマキガ類、シンクイガ類(Carposinidae)、ハモグリガ類(Lyonetiidae)、ドクガ類(Lymantriidae)、ウワバ類(Autographa)、カブラヤガ(Agrotis segetum)及びタマナヤガ(Agrotis ipsolon)等のアグロティス属(Agrotis spp.)、ヘリコベルパ属(Helicoverpa spp.)、へリオティス属(Heliothis spp.)、コナガ(Plutella xylosttella)、イチモンジセセリ(Parnara guttata)、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola isselliella)等;
双翅目害虫:アカイエカ(Culex pipiens pallens)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)、チカイエカ(Culex pipiens molestus)等のイエカ類、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)等のエーデス属、オオクロヤブカ(Armigeres subalbatus)等のアルミゲレス属、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)、コガタハマダラカ(Anopheres minimus)、ガンビアハマダラカ(Anopheles gambiae)等のハマダラカ類、サシバエ類、ヌカカ類、ユスリカ類、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、タネバエ(Delia platura)、ヒメイエバエ(Fannia canicularis)、タマネギバエ(Delia antiqua)等のハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、オオチョウバエ(Clogmia albipunctata)チョウバエ類、ブユ類、アブ類等;
鞘翅目害虫:ウエスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera virgifera)、サザンコーンルートワーム(Diabrotica undecimpunctata howardi)等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)等のコガネムシ類、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrusoryzophilus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、アズキゾウムシ(Callosobruchuys chienensis)等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)等のゴミムシダマシ類、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、キスジノミハムシ(Phylltreta nemorum)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)等のハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)等のエピラクナ属(Epilachna spp.)、ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシ(Paederus fuscipes)等;
網翅目害虫:チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplanetafuliginosa)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)等;
総翅目害虫:ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ハナアザミウマ(Thrips hawawiiensis)等;
膜翅目害虫:アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ(Athalia rosae)等のハバチ類等;
直翅目害虫:ケラ類、バッタ類等;
隠翅目害虫:ヒトノミ(Pulex irritans)、ネコノミ(Ctenocephalides felis)等;
シラミ目害虫:ヒトジラミ(Pediculus humanus)、ケジラミ(Phthirus pubis)、ウシジラミ(Haematopinus eurysternus)等;
等翅目害虫:ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus);
ダニ目害虫:コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides ptrenyssnus)等のヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、ムギコナダニ(Aleuroglyphus ovatus)等のコナダニ類、チリニクダニ(Glycyphagidae privatus)、イエニクダニ(Glycyphagidae domesticus)、サヤアシニクダニ(Glycyphagidae destructor)等のニクダニ類、クワガタツメダニ(Cheyletus malaccensis)、フトツメダニ(Cheyletus malaccesis)等のツメダニ類、ホコリダニ類、マルニクダニ類、イエササラダニ類、ハダニ類、イエダニ(Ornithonyssus bacoti)、トリサシダニ(Ornithonyssus sylvairum)、ワクモ(Dermanyssus gallinae)等のサシダニ類、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)、オウシマダニ(Boophilus microplus)等のマダニ類、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)等。
網翅目害虫:チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplanetafuliginosa)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)等;
総翅目害虫:ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ハナアザミウマ(Thrips hawawiiensis)等;
膜翅目害虫:アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ(Athalia rosae)等のハバチ類等;
直翅目害虫:ケラ類、バッタ類等;
隠翅目害虫:ヒトノミ(Pulex irritans)、ネコノミ(Ctenocephalides felis)等;
シラミ目害虫:ヒトジラミ(Pediculus humanus)、ケジラミ(Phthirus pubis)、ウシジラミ(Haematopinus eurysternus)等;
等翅目害虫:ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus);
ダニ目害虫:コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides ptrenyssnus)等のヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、ムギコナダニ(Aleuroglyphus ovatus)等のコナダニ類、チリニクダニ(Glycyphagidae privatus)、イエニクダニ(Glycyphagidae domesticus)、サヤアシニクダニ(Glycyphagidae destructor)等のニクダニ類、クワガタツメダニ(Cheyletus malaccensis)、フトツメダニ(Cheyletus malaccesis)等のツメダニ類、ホコリダニ類、マルニクダニ類、イエササラダニ類、ハダニ類、イエダニ(Ornithonyssus bacoti)、トリサシダニ(Ornithonyssus sylvairum)、ワクモ(Dermanyssus gallinae)等のサシダニ類、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)、オウシマダニ(Boophilus microplus)等のマダニ類、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)等。
本実施形態の樹脂製品1は、特に蚊(例えば、アカイエカ、ネッタイイエカ、チカイエカ、コダカアカイエカ等のイエカ類、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカ、オオクロヤブカ等のヤブカ類、シナハマダラカ、コガタハマダラカ、ガンビアハマダラカ等のハマダラカ類)等の吸血害虫の防除に有用である。
本実施形態の樹脂製品1は、吊り下げたり、網戸等に貼り付けたり、静置させたりすることにより、使用した常温揮散性薬剤に応じて、防虫剤、虫除け剤、芳香剤、消臭剤等として使用することができる。
以上の通り、本実施形態の樹脂製品1は、
常温揮散性薬剤を含有し、且つ、開口部7を有するメッシュ状の樹脂成形体2と、該樹脂成形体2を収納する収納容器3とを備えた樹脂製品1であって、
前記収納容器3は、その正面部31に開口部7を有し、
前記樹脂成形体2は、前記常温揮散性薬剤を10〜2000mg含有し、
前記樹脂成形体2において開口部7が占める面積が、前記樹脂成形体2の全面積に対して40〜85%であり、
前記収納容器3は、その開口部7の面積を変更することによって該開口部7を通過する空気の量を調整することが可能な空気通過量調整部11を有しており、
正面側から前記樹脂成形体2に流入する空気の風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂成形体2からの前記常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgであり、且つ、
前記空気量調整部11によって前記収納容器3の開口部7の面積が最大であるとき、前記収納容器3の開口部7を通過する風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂製品1からの前記常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgである。
常温揮散性薬剤を含有し、且つ、開口部7を有するメッシュ状の樹脂成形体2と、該樹脂成形体2を収納する収納容器3とを備えた樹脂製品1であって、
前記収納容器3は、その正面部31に開口部7を有し、
前記樹脂成形体2は、前記常温揮散性薬剤を10〜2000mg含有し、
前記樹脂成形体2において開口部7が占める面積が、前記樹脂成形体2の全面積に対して40〜85%であり、
前記収納容器3は、その開口部7の面積を変更することによって該開口部7を通過する空気の量を調整することが可能な空気通過量調整部11を有しており、
正面側から前記樹脂成形体2に流入する空気の風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂成形体2からの前記常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgであり、且つ、
前記空気量調整部11によって前記収納容器3の開口部7の面積が最大であるとき、前記収納容器3の開口部7を通過する風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂製品1からの前記常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgである。
かかる構成によれば、樹脂成形体2からの揮散量、樹脂製品1全体からの揮散量が上記特定の場合において、空気通過量調整部11によって収納容器3の開口部7を通過する空気の量を調整することが可能となる。
このように、樹脂成形体2からの上記揮散量が0.01mg以上であり、樹脂製品1からの上記揮散量が0.01mg以上であれば、十分に必要な量の常温揮散性薬剤を揮散し得る。また、樹脂成形体2からの上記揮散量が0.5mg以下であり、樹脂製品1からの上記揮散量が0.5mg以下であれば、常温揮散性薬剤を不必要に揮散することを抑制し得る。
そして、常温揮散性薬剤を樹脂製品1から放出することが不要なときには、開口部を閉じて空気の通過を抑制することによって、樹脂製品1からの常温揮散性薬剤の揮散を抑制し得る。これにより、樹脂成形体2からの常温揮散性薬剤が、開口部から自然放出されることを抑制し得る。
一方、常温揮散性薬剤を樹脂製品1から放出することが必要なときには、開口部7を開放することによって、樹脂製品1からの常温揮散性薬剤の揮散を可能とし、しかも、必要な量に応じて開口部7の面積を変更することによって、樹脂製品1からの常温揮散性薬剤の揮散量を調整し得る。
このように、必要に応じて樹脂製品1からの常温揮散性薬剤の揮散量を調整し得ることができるため、常温揮散性薬剤が、長期にわたって揮散され得る。
従って、常温揮散性薬剤の揮散能力を、従来よりも長期にわたって十分に発揮し得る。
このように、樹脂成形体2からの上記揮散量が0.01mg以上であり、樹脂製品1からの上記揮散量が0.01mg以上であれば、十分に必要な量の常温揮散性薬剤を揮散し得る。また、樹脂成形体2からの上記揮散量が0.5mg以下であり、樹脂製品1からの上記揮散量が0.5mg以下であれば、常温揮散性薬剤を不必要に揮散することを抑制し得る。
そして、常温揮散性薬剤を樹脂製品1から放出することが不要なときには、開口部を閉じて空気の通過を抑制することによって、樹脂製品1からの常温揮散性薬剤の揮散を抑制し得る。これにより、樹脂成形体2からの常温揮散性薬剤が、開口部から自然放出されることを抑制し得る。
一方、常温揮散性薬剤を樹脂製品1から放出することが必要なときには、開口部7を開放することによって、樹脂製品1からの常温揮散性薬剤の揮散を可能とし、しかも、必要な量に応じて開口部7の面積を変更することによって、樹脂製品1からの常温揮散性薬剤の揮散量を調整し得る。
このように、必要に応じて樹脂製品1からの常温揮散性薬剤の揮散量を調整し得ることができるため、常温揮散性薬剤が、長期にわたって揮散され得る。
従って、常温揮散性薬剤の揮散能力を、従来よりも長期にわたって十分に発揮し得る。
本実施形態の樹脂製品1においては、前記収納容器3の容積に対する前記樹脂成形体2の体積の比率としては、例えば、0.01〜10%を挙げることができる。
本実施形態の樹脂製品1においては、
前記常温揮散性薬剤が、ディート、イカリジン、トランスフルトリン、メトフルトリン、エンペントリンおよびプロフルトリンよりなる群から選択される1種以上を含有していてもよい。
前記常温揮散性薬剤が、ディート、イカリジン、トランスフルトリン、メトフルトリン、エンペントリンおよびプロフルトリンよりなる群から選択される1種以上を含有していてもよい。
かかる構成によれば、常温揮散性薬剤が上記群から選択される1種以上を含有することによって、より確実に、揮散され得る。
よって、常温揮散性薬剤の揮散能力を、より十分に発揮し得る。
よって、常温揮散性薬剤の揮散能力を、より十分に発揮し得る。
以上の通り、本実施形態によれば、常温揮散性薬剤の揮散能力を長期にわたって十分に発揮し得る樹脂製品1が提供される。
本実施形態の樹脂製品1は上記の通りであるが、本発明は、上記実施形態に限定されず、適宜設計変更され得る。
以下、実施例によって本発明をさらに説明する。
実施例1(樹脂製品の製造及び使用)
エチレンービニルアセテート共重合体(共重合体中のビニルアセテートの割合:28質量%、商品名:ウルトラセン710、東ソー株式会社製)10質量部、メトフルトリン(住友化学株式会社製)10質量部、ホワイトカーボン(カープレックス#80、EVONIK社製)5質量部、及び、直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンの単独重合体)25質量部を溶融混練し、得られた混練物を汎用の押出し機から押し出しながらホットカットをすることによって、樹脂ペレットを得た。
エチレンービニルアセテート共重合体(共重合体中のビニルアセテートの割合:28質量%、商品名:ウルトラセン710、東ソー株式会社製)10質量部、メトフルトリン(住友化学株式会社製)10質量部、ホワイトカーボン(カープレックス#80、EVONIK社製)5質量部、及び、直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンの単独重合体)25質量部を溶融混練し、得られた混練物を汎用の押出し機から押し出しながらホットカットをすることによって、樹脂ペレットを得た。
得られた樹脂ペレット50質量部と、上記直鎖状低密度ポリエチレン50質量部とを、5分間、混合・混練することによって、混練物を得た。
得られた混練物を、汎用の射出成形機を用いて金型に射出し、該金型を介して成形することによって、長さ(W)15.8cm、幅(D)9.4cm、高さ(H)1.1mmの直方体状であって、長さ(W)1.1cm、幅(D)1.1cmの格子を有するように格子状に形成された樹脂成形体を得た。
得られた樹脂成形体の質量は5.9g、常温揮散性薬剤の含有量は590mgであった。
得られた樹脂成形体を正面から投影することによって、樹脂成形体の面積に対する樹脂成形体の開口部の面積の比率を算出したところ、かかる開口率は、62%であった。
得られた混練物を、汎用の射出成形機を用いて金型に射出し、該金型を介して成形することによって、長さ(W)15.8cm、幅(D)9.4cm、高さ(H)1.1mmの直方体状であって、長さ(W)1.1cm、幅(D)1.1cmの格子を有するように格子状に形成された樹脂成形体を得た。
得られた樹脂成形体の質量は5.9g、常温揮散性薬剤の含有量は590mgであった。
得られた樹脂成形体を正面から投影することによって、樹脂成形体の面積に対する樹脂成形体の開口部の面積の比率を算出したところ、かかる開口率は、62%であった。
一方、収納容器として、長さ(W)17.5cm、幅(D)11.4cm、高さ(H)0.9cmであり、正面部の開閉部を全て開放し(正面部に対して角度90°)、且つ、背面部の開閉部を全て閉じた状態(背面部に対して角度0°)にしたときの開口面積が160m2であるような20枚の開閉部を有するジャロジー式の空気通過量調整部を正面部が有する、直方体状の樹脂製の収納容器部材(正面側)を作製した。また、長さ(W)17.5cm、幅(D)11.4cm、高さ(H)0.9cmであり、前記収納容器部材(正面側)と同様の開口部及び空気通過量調整部を背面部が有する、直方体状の収納容器部材(裏面側)を作製した。これら収納容器部材(正面側及び裏面側)は、該収納容器部材(正面側)と該収納容器部材(裏面側)とを嵌合することによって上記樹脂成形体を収納する内部空間が形成されるにように、作製した。
上記のように得られた樹脂成形体が、上記収納容器部材(正面側)と上記収納容器部材(裏面側)とを嵌合して形成されている内部空間内に収納されるように、該収納容器部材(正面側)と該収納容器部材(裏面側)とを嵌合することによって、収納容器に樹脂成形体が収納された樹脂製品を作製した。
なお、樹脂製品においては、樹脂成形体からのメトフルトリンの揮散量が、樹脂成形体の開口部を通過する風速が0.1〜3m/秒において、1時間あたり0.01〜0.5mgであり、且つ、収納容器からのメトフルトリンの揮散量が、正面部の開閉部を全て開放し(正面部に対して角度90°)、且つ、背面部の開閉部を全て閉じた状態(背面部に対して角度0°)にしたとき、該開口部を通過する風速が0.1〜3m/秒において、1時間あたり0.01〜0.5mgである。
一方、背面部に加えて、正面部の開閉部を全て閉じた状態にした際には、該開口部を通過する空気は略遮断され、樹脂成形体からのメトフルトリンの揮散量も1時間あたり略ゼロである。
試験例1(防虫性能試験)
次に、上記の実施例1にて作製した樹脂製品を、正面部及び背面部の双方とも可変式開口スロットを全開状態(すなわち、該スロットの開口率が100%である状態)、正面部及び背面部の可変式開口スロットを一部開けた状態(すなわち、該スロットの開口率が30%である状態)、及び、正面部及び背面部の可変式開口スロットを全て閉じた状態(すなわち、該スロットの開口率が0%である状態)とした。
かかる各状態の樹脂製品を、25℃に設定された5.8m3の部屋(幅1.8m×奥行1.8m×高さ1.8m)の壁における高さ1mの位置に、背面部が壁を向くように、フック部を用いて引っ掛けた。
この状態で、収納容器の正面部に、扇風機によって風速0.5mの空気を送り込み、直ちに、アカイエカ雌成虫10匹を放ち、2時間後に仰転数(ノックダウン数)を数えることよって、以下のように評価した。結果を表1に示す。
◎:8匹以上がノックダウンする場合
○:5匹以上8匹未満がノックダウンする場合
△:3匹以上5匹未満がノックダウンする場合
×:3匹未満がノックダウンする場合
次に、上記の実施例1にて作製した樹脂製品を、正面部及び背面部の双方とも可変式開口スロットを全開状態(すなわち、該スロットの開口率が100%である状態)、正面部及び背面部の可変式開口スロットを一部開けた状態(すなわち、該スロットの開口率が30%である状態)、及び、正面部及び背面部の可変式開口スロットを全て閉じた状態(すなわち、該スロットの開口率が0%である状態)とした。
かかる各状態の樹脂製品を、25℃に設定された5.8m3の部屋(幅1.8m×奥行1.8m×高さ1.8m)の壁における高さ1mの位置に、背面部が壁を向くように、フック部を用いて引っ掛けた。
この状態で、収納容器の正面部に、扇風機によって風速0.5mの空気を送り込み、直ちに、アカイエカ雌成虫10匹を放ち、2時間後に仰転数(ノックダウン数)を数えることよって、以下のように評価した。結果を表1に示す。
◎:8匹以上がノックダウンする場合
○:5匹以上8匹未満がノックダウンする場合
△:3匹以上5匹未満がノックダウンする場合
×:3匹未満がノックダウンする場合
上記の結果、常温揮散性薬剤を含有するメッシュ状の樹脂成形体とそれを収納する収納容器とからなる樹脂製品において、空気通過量調整部によって収納容器の開口部の開閉状態(すなわち、開口率)を変えることにより、所望の時期及び期間に、常温揮散性薬剤の効果を発揮させ得ることがわかった。
以上のように本発明の実施の形態及び実施例について説明を行なったが、各実施の形態及び実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態及び実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、害虫の生息場所及び/又は害虫の侵入場所等にそのまま設置することによって害虫を防除することが可能になる。
1:樹脂製品、2:樹脂成形体、21:正面部、23:背面部、25:側面部、27:底面部、29:天面部、3:収納容器、3a:収納容器本体部、3b:蓋部、3c:収納容器部材(正面側)、3d:収納容器部材(裏面側)、31:正面部、33:背面部、35:側面部、37:底面部、39:天面部、7:開口部、9:フック部、11:空気通過量調整部、13:開閉部
Claims (3)
- 常温揮散性薬剤を含有し、且つ、開口部を有するメッシュ状の樹脂成形体と、該樹脂成形体を収納する収納容器とを備えた樹脂製品であって、
前記収納容器は、その正面部に開口部を有し、
前記樹脂成形体は、前記常温揮散性薬剤を10〜2000mg含有し、
前記樹脂成形体において開口部が占める面積が、前記樹脂成形体の全面積に対して40〜85%であり、
前記収納容器は、その開口部の面積を変更することによって該開口部を通過する空気の量を調整することが可能な空気通過量調整部を有しており、
正面側から前記樹脂成形体に流入する空気の風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂成形体からの前記常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgであり、且つ、
前記空気量調整部によって前記収納容器の開口部の面積が最大であるとき、前記収納容器の開口部を通過する風速が0.1〜3m/秒である場合において、前記樹脂製品からの前記常温揮散性薬剤の揮散量が、1時間あたり0.01〜0.5mgである、樹脂製品。 - 前記収納容器の容積に対する前記樹脂成形体の体積の比率が、0.01〜10%である、請求項1に記載の樹脂製品。
- 前記常温揮散性薬剤が、ディート、イカリジン、トランスフルトリン、メトフルトリン、エンペントリンおよびプロフルトリンよりなる群から選択される1種以上を含有する、請求項1または2に記載の樹脂製品。
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JP2017164800A JP2019041591A (ja) | 2017-08-29 | 2017-08-29 | 樹脂製品 |
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JP2021101756A (ja) * | 2019-12-24 | 2021-07-15 | 小林製薬株式会社 | 自動車用揮散器 |
-
2017
- 2017-08-29 JP JP2017164800A patent/JP2019041591A/ja active Pending
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