JP2023098753A - プラスチック成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】折り目による成形不良を回避して全体の美観が向上し、また、所望の強度かつ厚みで折り曲げやすい折り目を備えたプラスチック成形品を提供する。【解決手段】平板部P1に成形された折り目部1を備えている。折り目部1は、並列している直線状の第1溝部11及び第2溝部12を有している。第1溝部11及び第2溝部12は、平板部P1の平板端縁P1aに至っておらず、また、折り目方向に直交するX-X部分端面視における第1溝部11及び第2溝部12の幅に対する深さの比率が50%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、折り目を備えたプラスチック成形品に関する。
従来から、プラスチック成形品は、成形性に優れていることから、あらゆる業種や場面で活用され、例えば、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売される生鮮品や惣菜といった食品用のカトラリーや包装用容器として使用される。所定の用途や機能に応じて変形させる折り目を備えたプラスチック成形品は、全体の品質を折り目の仕様に左右されやすいことから、折り目に特化した発明も存在する。折り目には、ヒンジも含まれる。
特許文献1は、ブロー成形品のヒンジ構造に関する。詳細には、中空部と、中空部同士の間に位置して中空部よりも薄い中実部とを備えた基体と、基体の表面に積層された表皮とを備えており、中実部は、表皮と逆側に凹溝状のヒンジ部を有し、ヒンジ部と逆側である表皮側にヒンジ部より幅の広い凹部を有する。この構成によれば、ヒンジ部の折り曲げにより表皮の浮き上がりが少なくなる効果を期待されている。
特開2004-74660号公報
しかしながら、特許文献1には、折り目そのものによる美観の低下を回避する技術は開示されていない。換言すると、特許文献1に開示された折り目は、折り曲げていない状態で視認されることから、成形品全体のサイズが小さかったり、折り目が形成される部位の面積が狭かったりすると、目立ってしまって美観を低下させるおそれがある。すなわち、折り目は、成形品又は折り目が形成される部位に対して最小限のサイズであることが望まれる。
また、特に、真空成形や圧空成形によるプラスチック成形品の場合、折り目が裁断不良の原因になることがある。詳細には、折り目が裁断箇所に跨ると、金型と密着していない部分の裁断面にバリが生じたり、裁断し切れずつぶれたりする。したがって、折り目は少なくとも裁断箇所に至らないように形成されることが望まれる。
また、一般的に、プラスチック成形品の強度が高いと折り曲げ頻度に応じて破断するおそれがあり、また、厚みが薄いと引張力に応じて破断するおそれがある。一方、折れ目の破断の回避を優先するために、プラスチック成形品の強度を低くすると柔らか過ぎて使用しにくく、また、厚みを増やすと重くなり原料コストも嵩む。したがって、プラスチック成形品とし適度な強度かつ厚みであり、折り目は折り曲げやすく破断しにくいことが望まれる。
そこで、本発明の第1の目的は、折り目による裁断不良を回避して全体の美観が向上し得るプラスチック成形品を提供することにある。本発明の第2の目的は、所望の強度かつ厚みで折り曲げやすい折り目を備えたプラスチック成形品を提供することにある。
すなわち、本発明におけるプラスチック成形品は、平板部に形成された折り目部を備え、折り目部は、並列している直線状の第1溝部及び第2溝部を有し、第1溝部及び第2溝部は、平板部の端縁に至っていないことを特徴とする。
また、本発明におけるプラスチック成形品は、平板部に形成された折り目部を備え、折り目部は、並列している直線状の第1溝部及び第2溝部を有し、折り目方向に直交する端面視における第1溝部及び第2溝部の幅に対する深さの比率が50%以上であることを特徴としてもよい。
上記端面視における第1溝部と第2溝部との間の幅と上記深さとが同一であることが望ましい。
第1溝部及び第2溝部は、上記端面視で同一形状であり、底部と、底部と連続している側部とを有し、底部と側部との境界がR状に形成されていることが望ましい。
第1溝部及び第2溝部の長手方向の端部は、平板部の端縁に向かって傾斜していることが望ましい。
上記プラスチック成形品は、食品用具でもよく、容器本体、又は、容器本体及び上記容器本体に装着する蓋体を備えた包装用容器でもよい。
なお、本発明において、「成形」とは、製法を限定せず単に形作ること又は形作られたこと、「成型」とは、所定の型に嵌めて形作ること又は形作られたことを意味し、換言すると、「成形」は「成型」を含む表現とする。「R状」とは、2つ以上の面の組み合わせで表れる直角・鋭角・鈍角といった角部分の先端が曲面に面取られた状態を意味し、曲面の度合いを曲率半径で数値化されてもよい。
本発明におけるプラスチック成形品によれば、折り目による成形不良を回避して全体の美観が向上でき、また、所望の強度かつ厚みで折り曲げやすい折り目を備えられる効果が期待される。
本発明の第1の実施形態におけるプラスチック成形品の部分拡大斜視図である。 図1のX-X部分拡大端面図である 図1のY-Y部分拡大断面図である。 上記プラスチック成形品とは別のプラスチック成形品における上記Y-Y部分に相当する部分拡大断面図である。 上記プラスチック成形品の第1の具体例を示す図である。 上記プラスチック成形品の第2の具体例を示す図である。 上記第2の具体例の平面図である。 上記第2の具体例の底面図である。 上記第2の具体例の正面図である。 上記第2の具体例の背面図である。 上記第2の具体例の左側面図である。 上記第2の具体例の右側面図である。 図7のL1―L1部分端面図である。 図7のL2―L2部分端面図である。 上記第2の具体例に形成された部位の別の例の(a)部分拡大平面図、(b)部分拡大右側面図、(c)部分拡大平面斜視図、(d)部分拡大底面斜視図である。 本発明の第2の実施形態における包装用容器の(a)平面斜視図、(b)底面斜視図である。 上記包装用容器の(a)平面図、(b)(a)のX-X部分における部分拡大端面図である。 上記包装用容器における閉蓋時及び開蓋時の状態遷移図である。 上記包装用容器とは別の包装用容器の部分拡大端面図である。
<第1の実施形態>
以下、図1~図2を参照しつつ、本発明の第1の実施形態におけるプラスチック成形品(以下「本プラスチック成形品」ともいう。)の構造について説明する。これらの図において、複数個存在する同一の部位については、一つの部位のみに符番した部分もある。説明の便宜上、断面をハッチングで示した部分もある。説明において、上方、下方、側方、垂直方向、水平方向等の方向を示す用語は、基本的に通常使用する向きで包装用容器を設置した状態を基準にし、これ以外を基準とする場合は適宜説明する。
<本プラスチック成形品Pの概要>
図1に示すように、本プラスチック成形品Pは、薄い板状の平板部P1に成形された折り目部1を備えており、換言すると、本プラスチック成形品Pが平板部P1でもよく、形状・サイズ・素材を限定されない。折り目部1は、並列している略直線状の第1溝部11及び第2溝部12を有している。
本プラスチック成形品Pは、特に限定されないが、少なくとも折り目部1が折り返されて使用されるものであり、好ましくは厚みが薄く重量が軽めなものであり、より好ましくはヒトの片手又は両手で取り扱えるサイズのものであり、例えば、食品用具、文具、日用雑貨、玩具、工業・農業・水産業用品、工業用部品であり、食品用具には、スプーン・フォーク・ナイフといったカトラリーや容器本体及び/又は蓋体といった包装用容器が含まれ、文具や日用雑貨には、クリップやケースやファイルが含まれる。
<本プラスチック成形品Pの形成方法・素材・寸法等の仕様>
本プラスチック成形品Pは、例えば、真空成型、熱板圧空成型、真空圧空成型、両面真空成型等のシート成型で、合成樹脂シートを熱成型することにより形成されてもよい。合成樹脂シートは、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂製やポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂製、ポリスチレン系樹脂製で、単層や多層のシートで形成されていてもよく、有色又は無色透明でも、不透明であってもよい。さらに、合成樹脂シートの表面及び/又は裏面を合成樹脂フィルムで覆ってもよく、表面を覆った場合は印刷を施してもよい。合成樹脂シートは、発泡樹脂製でも非発泡樹脂製でもよいが、本発明においては非発泡樹脂製のほうが所望の効果を得られやすい。合成樹脂シートの厚みは特に制限はないが、非発泡樹脂製の場合は0.25~1mmであればよく、好ましくは0.3~0.8mm、さらに好ましくは0.35~0.6mmである。発泡倍率が1.5~3倍の低発泡樹脂製の場合は0.5~3mmであればよく、好ましくは1~2mmである。また、発泡倍率が5~15倍の高発泡樹脂製の場合は1.5~5mmであればよく、好ましくは2~4mmであり、より好ましくは2.5~3.5mmである。なお、発泡倍率とは、発泡前のもの(発泡性組成物)と発泡後のもの(発泡シート)の比容積(単位:cc/g)を測定し、発泡後の比容積/発泡前の比容積によって算出されたものをいう。
<平板部P1>
図1に示すように、平板部P1は、本プラスチック成形品Pに対して所定の箇所にあり、かつ所定の割合を占めている部位であればよく、本プラスチック成形品Pの本質的な機能の発揮に必要な部位であっても、付加的な機能の発揮に必要な部位であってもよく、折り目部1の折り曲げ後に上記機能を発揮する部位の一部になってもよく、本プラスチック成形品Pと一体的に成形されていても、所定の方法で連結されていてもよい。平板部P1は、本プラスチック成形品Pの成形による裁断面に相当する平板端縁P1aを有する。平板端縁P1aは、周方向に平らでも湾曲していてもよい。
<折り目部1>
図1に示すように、折り目部1は、本プラスチック成形品P又は平板部P1に対して中央や端付近といった所定の箇所にあり、所定の割合を占めている部位であり、かつ平板部P1の折り目に相当する部位であればよい。折り目部1は、3本の第1溝部11、11、11及び3本の第2溝部12、12、12であるが、同一直線状に1本ずつでもよい。折り目部1は、目立ちにくさの観点から、好ましくは第1溝部11及び第2溝部12で構成されるが、これらに隣接する図示しない第3~第N溝部(Nは任意の数字)と共に構成されていてもよく、換言すると、蛇腹状に隣接し合う3列以上の第1~第N溝部で構成されてもよい。折り目部1は、第1溝部11を起端として折れ曲がっても、第2溝部12を起端として折れ曲がっても、第1溝部11と第2溝部12との間を起端として折れ曲がってもよい。
<第1溝部11及び第2溝部12>
図1に示すように、第1溝部11及び第2溝部12は、平板部P1から突出するように形成されており、突出する方向を限定しないが、目立ちにくさや折り曲げやすさの観点から、好ましくは上(表)から下(裏)に向かって突出するように形成されている。第1溝部11及び第2溝部12の役割は、平板部P1を折り曲げやすくすることであり、平板部P1の強度を高めることではない。第1溝部11の長さと第2溝部12の長さとは、同じでも異なっていてもよく、平板部P1の形状に応じた差があってもよい。第1溝部11及び/又は第2溝部12は、略直線状でよく、まっすぐな線状が好ましいが、振幅0.1~3mmの小波状でも、蛇行状でもよい。
図1に示すように、第1溝部11及び第2溝部12は、平板部P1の平板端縁P1aに至っていない。換言すると、折り目部1は、第1溝部11及び第2溝部12の長手方向の端部と平板端縁P1aとの間に相当する平板残存部P1b、P1bを有する。
この構成によれば、本プラスチック成形品Pの成形時の裁断箇所に折り目部1が跨らないことから、金型と平板残存部P1b、P1bとが密着しやすいため、平板端縁P1aにバリが生じたり、裁断し切れずつぶれたりしない効果を期待できる。
平板残存部P1bの幅は、0.2~1.5mmであり、好ましくは0.4~1.0mm、より好ましくは0.6~0.8mmであり、0.2mmより狭いと成形時や使用時に破断するおそれがあり、1.5mmより広いと折れ曲がりにくいおそれがある。
図2に示すように、折り目方向に直交する図1のX-X部分端面視における第1溝部11及び第2溝部12の幅W1及びW2に対する深さT1及びT2の比率が50%以上であり、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、50%より小さいと強度が高くなって折れ曲がりにくくなり、換言すると、平板部P1の強度を高める補強溝と同程度の仕様になってしまう。
この構成によれば、第1溝部11及び第2溝部12が上記補強リブより深く引き伸ばされて成形されるため、補強リブより薄い肉厚な分、折れ曲がりやすくなる効果を期待できる。
図2に示すように、上記端面視における第1溝部11と第2溝部12との間の幅W3と深さT1及びT2とが同一である。
この構成によれば、上記端面視で折り目部1の一端から他端に渡って曲げ応力が伝わることで、第1溝部11と第2溝部12との間を起端として折れ曲がりやすく、また、第1溝部11と第2溝部12との間が第1溝部11及び第2溝部12より厚い肉厚な分、折り目部1が破断しにくくなる効果を期待できる。
第1溝部11の幅W1及び第2溝部12の幅W2は、1.0~3.0mmであり、好ましくは1.5~2.5mm、より好ましくは1.8~2.3mmであり、1.0mmより狭いと折れ曲がりにくく、3.0mmより広いと目立ち過ぎてしまい、幅W1と幅W2とは、同じでも異なっていてもよい。
第1溝部11の深さT1及び第2溝部12の深さT2は、0.5mm以上であり、好ましくは0.7mm以上であり、より好ましくは1.0mm以上であり、0.5mmより浅いと折れ曲がりにくく、深さT1と深さT2とは、同じでも異なっていてもよい。
第1溝部11の幅W1及び第2溝部12の幅W2と、第1溝部11と第2溝部12との間の幅W3とは、同じでも異なっていてもよく、例えば幅W3が幅W1及び幅W2より狭くてもよい。第1溝部11の深さT1及び第2溝部12の深さT2と、第1溝部11と第2溝部12との間の高さT3とは、同じでも異なっていてもよく、例えば高さT3が深さT1及びT2より低くてもよい。
図2に示すように、第1溝部11及び第2溝部12は、上記端面視で同一形状であり、それぞれ第1溝底部11a、第2溝底部12aと、第1溝底部11aと連続している第1溝側部11b、11b、第2溝部12と連続している第2溝側部12b、12bとを有し、第1溝底部11aと第1溝側部11b、11bとの境界、第2溝底部12aと第2溝側部12b、12bとの境界がR状に形成されている。ここで、R状とは、直角でなく、曲面が形成されていることを意味する。
この構成によれば、上記境界が角張って形成されているよりも、折り目部1の折り曲げに応じて引っ張られても第1溝部11及び第2溝部12が型崩れせず柔軟に追従しやすい効果を期待できるのみならず、上記境界に外力が不意に加わってもつぶれにくい効果も期待できる。
図3に示すように、第1溝部11及び図示しない第2溝部12の長手方向における図1のY-Y部分断面視形状において、上記長手方向の端部は、平板部P1の平板端縁P1aに向かって壁状であって傾斜していなくてもよいが、図4に示すように、好ましくは坂状に傾斜している。詳細には、上記端部は、第1溝底部11aと第1溝側部11bとで構成されており、第1溝部11aのみが傾斜していてもよく、第1溝底部11aと第1溝側部11bとが傾斜していて折り目方向に直交する端面視で湾曲状であってもよい。
この構成によれば、上記端部が壁状に角張っているよりも、型に密着しやすい分、成形不良を回避しやすく、また、引き伸ばされず薄くなり過ぎない分、折り曲げに対する強度を確保しやすい効果を期待できる。
上記端部のR寸法(曲率半径)は、0.2~1.0mmでもよく、好ましくは0.3~0.7mm、より好ましくは0.4~0.6mmであり、0.2mmより小さいと薄くなり過ぎ、1.0mmより大きいと型の形状が複雑になりコストが割高になるおそれがある。
次に、図5、6を参照しつつ、本発明の第1の実施形態における別のプラスチック成形品について、上述したプラスチック成形品と相違する部分を説明し、同等の部分の説明を省略する。図1~4で示したものと同等なものは、参照を容易にするため、図5、6では図1~4において一律100を加えた番号にしている。
図5(a)に示すように、本プラスチック成形品P100は、カトラリーとしての折り畳み式スプーンであり、全体が平板部P101で構成され、平板部P101に対して折り目部101、101、101が形成されている。図5(b)に示すように、折り目部101、101、101が谷折りされると、スプーンの持ち手となる柄が形成される。
図6に示すように、本プラスチック成形品P200は、包装用容器であり、食品を収容する容器本体P200aと、容器本体P200aに装着する蓋体P200bとを備えているが、容器本体P200aのみでも蓋体P200bのみでもよい。容器本体P200aは、食品を載置する付番しない底面部と、底面部の周端縁から上方向に連続して立ち上がる付番しない本体側壁部と、蓋体P200bの内嵌合用として本体側壁部の上端縁から上方向に連続して立ち上がる付番しない本体嵌合部と、本体嵌合部の上端縁から上方向に連続して立ち上がる付番しない本体外壁部と、本体嵌合部の上端縁及び本体外壁部の外端縁から外方向に連続して延出する重畳片としての平板部P201とを備えおり、平板部P201に折り目部201が形成されている。
なお、図7~図14は、図6に示す包装用容器P200aの六面図及び端面図であり、付番その他説明を省略する。図15は、折り目部201の別の例を示している。すなわち、折り目部201は、図4に示すような第1溝部及び第2溝部であってもよい。折り目部201を備えた包装用容器P200aに関する詳細な説明は、後述する第2の実施形態として説明する。
本実施形態に示したプラスチック成形品は、上述した内容に限定されず、同等の効果を得られる限り、あらゆる部位の位置・形状・寸法や、部位同士の関係を含む。
<第2の実施形態>
以下、図16~図19を参照しつつ、本発明の第2の実施形態における包装用容器(以下「本包装用容器」ともいう。)の構造について説明する。これらの図において、複数個存在する同一の部位については、一つの部位のみに符番した部分もある。説明の便宜上、断面部分をハッチングで示した部分もある。説明において、上方、下方、側方、垂直方向、水平方向等の方向を示す用語は、基本的に通常使用する向きで包装用容器を設置した状態を基準にし、これ以外を基準とする場合は適宜説明する。本包装用容器は、図6に示す包装用容器P200aに相当する。
<本包装用容器の概要>
本包装用容器は、スーパーマーケット等の小売店内で販売される生鮮食品・惣菜・弁当といった内容物を包装するものであり、内容物を収容する容器本体1と、容器本体1の開口を閉じる蓋体2とを備えている。本包装用容器は、小売店内の陳列棚に載置できる程度の大きさであり、好ましくは内容物を包装した状態で2つ以上積み重ねやすい形状であり、かつ強度や剛性を有する。
<容器本体1の概要>
図16に示すように、容器本体1は、内容物を収容する収容部1aを有する。詳細には、容器本体1は、内容物を載置する底面部11と、底面部11の周端縁から上方向に連続して立ち上がる本体側壁部12とで形成される収容部1aと、蓋体2との内嵌合用として本体側壁部12の上端縁から上方向に連続して立ち上がる本体嵌合部13と、本体嵌合部13の上端縁から上方向に連続して立ち上がる本体外壁部14と、本体嵌合部13の上端縁及び本体外壁部14の外端縁から外方向に連続して延出する重畳片15とを備えている。容器本体1の平面視形状は、正方形の一角を切り落としたような五角形であり、互いに直交する2つの長辺と、隣接する長辺と直交する2つの短辺と、双方の短辺に対して傾斜している傾斜辺とで構成されているが、四角形でも六角形以上でもよい。重畳片15は、図6に示す平板部P201に相当する。
<蓋体2の概要>
図16に示すように、蓋体2は、容器本体1の収容部1aを覆うカバー部2aと、カバー部2aの外方に向かうツマミ片26を有する。詳細には、蓋体2は、平面状の天面部21と、天面部21の周端縁から下方向に連続して立ち下がる蓋体側壁部22とで形成されるカバー部2aと、蓋体側壁部22の下端縁から外方向に連続して延出する蓋体フランジ部23と、容器本体1との内嵌合用として蓋体フランジ部23の外端縁から上方向に連続して立ち上がる蓋体嵌合部24と、蓋体嵌合部24の上端縁から外方向に連続して延出する蓋体外端部25と、カバー部2aの外方に向かうツマミ片26とを備えている。蓋体2の平面視形状は、容器本体1の平面視形状と同じだが、異なっていてもよい。
<容器本体1の形成方法・素材・寸法等の仕様>
容器本体1は、例えば真空成型、熱板圧空成型、真空圧空成型、両面真空成型等のシート成型で、合成樹脂シートを熱成型することにより形成されてもよい。合成樹脂シートは、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂製やポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂製、ポリスチレン系樹脂製で、単層や多層のシートで形成されていてもよく、有色又は無色透明でも、不透明であってもよい。さらに、合成樹脂シートの表面及び/又は裏面を合成樹脂フィルムで覆ってもよく、表面を覆った場合は印刷を施してもよい。合成樹脂シートは、発泡樹脂製でも非発泡樹脂製でもよいが、本発明においては非発泡樹脂製のほうが所望の効果を得られやすい。合成樹脂シートの厚みは特に制限はないが、非発泡樹脂製の場合は0.25~1mmであればよく、好ましくは0.3~0.8mm、さらに好ましくは0.35~0.6mmである。発泡倍率が1.5~3倍の低発泡樹脂製の場合は0.5~3mmであればよく、好ましくは1~2mmである。また、発泡倍率が5~15倍の高発泡樹脂製の場合は1.5~5mmであればよく、好ましくは2~4mmであり、より好ましくは2.5~3.5mmである。なお、発泡倍率とは、発泡前のもの(発泡性組成物)と発泡後のもの(発泡シート)の比容積(単位:cc/g)を測定し、発泡後の比容積/発泡前の比容積によって算出されたものをいう。容器本体の大きさについて特に制限はないが、例えば幅150~350mm、奥行き150~350mmであってもよい。
<蓋体2の形成方法・素材・寸法等の仕様>
蓋体2は、例えば真空成型、熱板圧空成型、真空圧空成型、両面真空成型等のシート成型で、合成樹脂シートを熱成型することにより形成されてもよい。合成樹脂シートは、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂製やポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂製、二軸延伸ポリスチレン(OPS;Oriented Polystyrene)といったポリスチレン系樹脂製で、単層や多層のシートで形成されていてもよく、無色透明が好ましいが、有色又は不透明であってもよい。さらに、合成樹脂シートの表面及び/又は裏面を合成樹脂フィルムで覆ってもよく、表面を覆った場合は印刷を施してもよい。合成樹脂シートは、発泡樹脂製でも非発泡樹脂製でもよいが、本発明においては非発泡樹脂製のほうが所望の効果を得られやすい。合成樹脂シートの厚みは特に制限はないが、非発泡樹脂製の場合は0.18~1mmであればよく、好ましくは0.23~0.75mm、さらに好ましくは0.25~0.5mmである。容器本体の大きさについて特に制限はないが、例えば幅150~350mm、奥行き150~350mmであってもよい。
以下、容器本体1の詳細な構造を説明する。
<収容部1a>
図16に示すように、底面部11の面積及び本体側壁部12の高さはいずれでもよく、これらによって定まる収容部1aの容量に特に制限はないが、例えば200~1500ccであればよい。本体側壁部12は、縦方向や横方向に所定の段差や内側に凹んだ図示しない補強リブを単数又は複数有していても、有さずに面一でもよい。容器本体1の開口に相当する収容部1aの開口は、本体側壁部12の上端縁で形成される。
<本体嵌合部13>
図17に示すように、本体嵌合部13は、垂直方向の断面略L字型であり、本体側壁部12の上端縁の全部から周状に形成されており、かつ本体側壁部12より外方向に張り出ていてもよい。本体嵌合部13の高さはいずれでもよい。
<本体外壁部14>
図17に示すように、本体外壁部14は、本体嵌合部13の上端縁の一部を除いて周状に形成されており、換言すると、容器本体1の平面視形状における傾斜辺に相当する本体嵌合部13の上端縁の中央付近を除いて周状に形成されており、本体嵌合部13より外方向に張り出ている。本体外壁部14は、最内側に位置する本体外壁内端部14aと、最外側に位置する本体外壁外端部14bとを有し、垂直方向の断面で頂上が平坦な山型状だが、略三角形状でも円弧状でもよい。本体外壁部14の高さH、詳細には、本体外壁内端部14aの下端から上端までの距離は、3~8mmであり、好ましくは4~6mm、より好ましくは4.5~5.5mmであり、3mmより低いと蓋体外端部25に指が届きやすく密閉性が低下するおそれがあり、8mmより高いと突出し過ぎて成形性が低下するおそれがある。
<重畳片15>
図17に示すように、重畳片15は、閉蓋時にツマミ片26と重なるように収容部1aの外方に向かっており、換言すると、収容部1aより外側に位置してツマミ片26が載置するように成形された平面状の部位であり、また、ツマミ片26を挟む部位であり、詳細には、収容部1aに通じる基端片15aと、基端片15aと連続している折り返し片15bと、基端片15aと折り返し片15bとの間に位置するヒンジ15cと、ヒンジ15cを挟んで基端片15a及び折り返し片15bにそれぞれ形成される一対の固着部15d,15eとを有する。ここで、重畳片15の大きさには特に制限はないが、例えば15~35cmであればよく、20~30cmであればさらによい。ヒンジ15cは、図6に示す折り目部201に相当する。
この構成によれば、少なくともツマミ片26の先端部分が重畳片15と重なって隠れ、詳細には、ツマミ片26が基端片15aと折り返し片15bとに挟まれて隠れるため、閉蓋時に折り返し片15bを折り返して一対の固着部15d,15eを固着後、固着部15eを離脱して折り返し片15bを折り戻さない限り、ツマミ片26が現れず開封しようがないため、蓋体2の不正な開封の抑止効果と共に、開封の有無の容易な識別を期待できる。また、開封時には一連の動作が必要であるため需要者に対するアイキャッチ性も高く、固着部15eを離脱しても鋭利な部位が表れない限り安全性も高いことから、ユーザフレンドリーな開封構造としての認知も期待できる。また、固着部15d,15eの固着強度に適した材料で容器本体1を成形すればよい分、蓋体2の材料・剛性・強度といった仕様を柔軟に決定しやすくなる効果を期待できる。
さらに、重畳片15は、少なくとも折り返し片15b側の固着部15eを囲うように形成された破断部15fを有する。具体的には、破断部15fは、固着部15eを半周程度囲ってヒンジ15cに至っていても、全周を円状に囲ってもよい。この構成によれば、破断部15fの破断により固着部15dを折り返し片15bから容易に分離でき、破断しても鋭利な部位が表れないため安全性が高くなり、破断部15fの破断強度に適した材料で容器本体1の仕様を決定しやすい効果を期待できる。
<基端片15a>
図17に示すように、基端片15aは、本体嵌合部13を隔てて収容部1aに間接的に通じるが、いずれの部位も隔てず直接的に通じてもよい。基端片15aは、周状に形成された本体外壁部14の周方向の端部に挟まれた位置に形成されており、換言すると、本体外壁部14の一部を切り欠いた箇所に形成されており、形状・面積・寸法を限定しない。
<折り返し片15b>
図17に示すように、折り返し片15bは、基端片15aと一体的に形成されており、基端片15aの外端縁から外方向に連続しており、具体的には、収容部1aとは逆側に位置する基端片15aの外端縁から外方向に連続しており、折り返し先端片15btを含む。折り返し片15bの外端縁は、本体外壁外端部14bと連続している。折り返し片15bを折り返していない状態で、折り返し片15bと本体外壁外端部14bとが、容器本体1の最外端を形成する。折り返し片15bは、平面視で三角形状だが、形状・面積・寸法を限定しない。
<ヒンジ15c>
図17に示すように、ヒンジ15cは、基端片15aの外端縁に位置し、具体的には、収容部1aとは逆側に位置する基端片15aの外端縁に位置し、換言すると、収容部1aに向かって折り返し部15bが折れ曲がるように位置している。ヒンジ15cは、成形後の重畳片15に加工された部位であり、非切断部分と切断部分とが交互に形成されたミシン目でも、基端片15a及び折り返し片15bの厚みより薄く折れ曲がりやすい部位でもよく、別途成形された折り返し片15bを基端片15aと連結する部材でもよく、一体的に成形された基端片15aと折り返し片15bとを単に折り曲げた部位でもよい。ヒンジ15cは、本体外壁外端部14bに至っていてもいなくてもよい。
<固着部15d,15e>
図17に示すように、固着部15d,15eは、略同形状かつ同サイズであり、閉蓋時の固着された状態で下方向に突出して嵌合するスナップ嵌合部であり、上方向に突出して嵌合してもよいが、蓋体2の開蓋動作や本包装容器の持ち運び・積み重ねに対する影響に鑑みると、下向きに突出していると望ましい。固着部15d,15eは、嵌合式ではなく、熱圧着式でもよい。固着部15d,15eは、基端片15aや折り返し片15dの中央付近かつヒンジ15cから等距離に配置されているが、ツマミ片26との相関に応じて配置されてもよい。固着部15d,15eは、破断部15fによる分離以外に、所定の手段による破壊や変形により、基端片15aや折り返し片15bから離脱してもよい。
<破断部15f>
図17に示すように、破断部15fは、折り返し片15b側の固着部15eを囲ってヒンジ15cに至っており、この構成によれば、破断部15fの破断により固着部15eを除いて折り返し片15bがヒンジ15cを軸に回動自在となるため、折り返し片15bを切り離さなくてもツマミ片26を露出でき、切れ端を除去する手間を省ける効果を期待できる。
破断部15fは、非切断部分と切断部分とが交互に形成されたミシン目であり、固着部15eのみ囲っており、破断部15fの破断により固着部15d,15eの固着状態からヒンジ15cを軸に折り返し片15bを回動自在にするが、双方の固着部15d,15eを囲っている場合、破断部15fの破断により固着部15d,15eの固着状態のまま固着部15d,15eを除去してもよく、固着部15d,15eを折り返し片15b及び基端片15aから分離可能にする。破断部15fの非切断部分は1~5mmあればよく、切断部分は10~50mmあればよい。固着部15d,15e同士が外れる前に破断部15fが破断するために、破断部15fの破断強度が固着部15d,15eの嵌合強度より小さいことが好ましい。
以下、蓋体2の詳細な構造を説明する。
<カバー部2a>
図18に示すように、天面部21の面積及び蓋体側壁部22の高さはいずれでもよく、これらによって定まるカバー部2aの膨出量はいずれでもよく、球面のドーム状や角張った箱状といった形状も限定しない。蓋体側壁部22は、縦方向や横方向に所定の段差や内側に凹んだ図示しない補強リブを単数又は複数有していても、有さずに面一でもよい。カバー部2aは、天面部21及び蓋体側壁部22の一部を切り欠いて内側に凹むように形成されたカバー凹部2bを有する。
<蓋体嵌合部24>
図17に示すように、蓋体嵌合部24は、垂直方向の断面略L字型であり、蓋体フランジ部23の外端縁の全周から周状に形成されており、蓋体フランジ部23より外方向に張り出していてもよい。蓋体嵌合部24の高さは、本体嵌合部13の高さと同程度あればいずれでもよい。
<蓋体外端部25>
図17に示すように、蓋体外端部25は、蓋体嵌合部24の上端縁の一部を除いて周状に形成されており、換言すると、容器本体1の平面視形状における傾斜辺に相当する蓋体嵌合部24の上端縁の中央付近を除いて周状に形成されている。蓋体外端部25は、ツマミ片26を含んでもよく、換言すると、一部をツマミ片26としてもよい。蓋体外端部25の幅W、詳細には、蓋体外端部25の最内端から最外端までの距離は、0.5~5mmであり、好ましくは1.5~4mmであり、より好ましくは2~3.5mmであり、0.5mmより短いと蓋体2の強度や剛性が低下するおそれがあり、5mmより長いと突出し過ぎて成型性が低下するおそれがある。
<ツマミ片26>
図17に示すように、ツマミ片26は、カバー部2aより外側に位置し、蓋体外端部25から外方向に連続して延出しているが、蓋体嵌合部24の上端縁又は蓋体フランジ部23から外方向に連続して延出していてもよい。ツマミ片26は、ヒンジ15cに至らない程度に延出しており、蓋体外端部25の最外端からの突出量は6~16mmであり、好ましくは8~14mmである。ツマミ片26は、2つの舌片26a,26bを有し、舌片26a,26bの各々は、ヒンジ15cと平行し、かつ固着部15dを左右両側から挟むように所定の距離を隔てて形成されている。ツマミ片26は、2つの舌片26a,26bを有さない替わりに、中央付近に固着部15dより大きめで、かつ閉蓋時に固着部15dと重ならない位置に図示しない貫通孔を有してもよい。
以下、上述した重畳片15の作用効果を増進する容器本体1と蓋体2との関係性について説明する。
図17に示すように、蓋体2は、ツマミ片26を含む蓋体外端部25を有し、容器本体1は、収容部1aより外側に形成されて閉蓋時にツマミ片26を除いて蓋体外端部25と対向し、好ましくは密着している本体外壁部14を有する。この構成によれば、蓋体外端部25が本体外壁部14に包囲されており、ツマミ片26を除いて開蓋時に摘ままれる部分が露出していないため、蓋体2の不正な開封が困難であり、重畳片15の作用効果を増進する効果を期待できる。
図17に示すように、蓋体外端部25は、カバー部2aより外方に位置する蓋体嵌合部24から連続して外方に向かい、本体外壁部14は、収容部1aより上方に位置する本体嵌合部13から連続して上方に向かう。この構成によれば、蓋体2が容器本体1の内側で嵌合する分、蓋体2の密閉性が高まると共に、蓋体2の不正な開封が困難であり、重畳片15の作用効果をさらに増進する効果を期待できる。
図17に示すように、ツマミ片26は、舌片26a,26bからなり、基端片15a側の固着部15dは、閉蓋時に舌片26a,26bの間に位置するように形成される。この構成によれば、ツマミ片26及び固着部15dのサイズ・位置や舌片26a,26bの間隔といった仕様を厳密に決定しなくても、固着部15d,15eを互いに固着させ、かつ折り返し片15bの折り返しによりツマミ片26を基端片15aと共に挟み込めるため、蓋体2の不正な開封を予防する構造を形成しやすい効果を期待できる。
図17に示すように、折り返し片15bは、ヒンジ15cと対向する位置に折り返し先端片15btを有し、カバー部2aは、折り返し時に折り返し先端片15btを収めるカバー凹部2bを有する。この構成によれば、閉蓋時に固着部15d,15eを固着するため折り返し部15bを折り返すが、折り返し先端片15btをカバー凹部2bに収めて天面部21を超えて突出させない効果を期待でき、開蓋時にカバー凹部2bから指を挿入して折り返し先端片15btを摘まみやすくできる効果を期待できる。
<本包装用容器の使用方法の一例>
図18(a)及び(b)に示すように、本包装用容器の使用方法は、容器本体1の収容部1aに収容物を収容する工程と、収容物の入った容器本体1に対して、蓋体2のツマミ片26を容器本体1の基端片15aに配置して、図17に示す本体内嵌合13と蓋体嵌合部24とを嵌合する工程と、容器本体1の折り返し片15bを折り返し、ツマミ片26を折り返し片15bで覆い、ツマミ片26の端部を隠す工程と、固着部15d,15e同士を固着する工程とを含む。
この工程によれば、蓋体2で容器本体1の開口を閉じるだけで、舌片26a,26bで基端片15aの固着部15dを挟むようにツマミ片26を配置でき、換言すると、ツマミ片26を基端片15aに載置するだけで、容器本体1の開口を閉じる蓋体の位置を決定できるため、迷わず容易に閉蓋でき、そして、折り返し片15bをヒンジ15cで折り返し、かつ固着部15d,15eが固着する程度に押圧するだけで不正開封の予防構造が完成する効果を期待できる。
<本包装用容器の開封方法の一例>
図18(b)及び(c)に示すように、本包装用容器の開封方法は、上述した使用方法でパッキングされた収容物の入った包装用容器に対し、所定の変形や破壊により少なくとも折り返し片15bから固着部15eを離脱する工程、具体的にはカバー凹部2bに親指と人差し指を挿入して折り返し片15bの折り返し先端片15btを摘まみ、固着部15d,15eを固着させたまま折り返し片15bを折り戻しつつ破断部15fを切断しながら折り返し片15bを基端片15aから離し、ツマミ片26を露出される工程とを含む。
この工程によれば、開蓋時に、平面視で折り返し片15bが折られていて、かつツマミ片26が隠れているため、不正開封の予防構造を一見して認識しやすいアイキャッチ性を伴い、カバー凹部2bを介して折り返し先端片15btを容易に摘まめ、折り返し片15bを戻すだけで破断部15fを破断して折り返し片15bから固着部15eを容易に切り離せるため、迷わず容易に開蓋できる効果を期待できる。
次に、図19を参照しつつ、本発明の第2の実施形態における別の包装用容器について、上述した包装用容器と相違する部分を説明し、同等の部分の説明を省略する。図16~18で示した部品又は部位と同等なものは、参照を容易にするため、図19(a)及び(b)では一律100及び200を加えた番号にしている。
ここで、図19は、図17(b)と同義であり、すなわち別の包装用容器における所定の部位の部分拡大端面図であり、容器本体と蓋体との嵌合パターンを説明するものである。
図19(a)に示すように、容器本体101は、収容部101aと、収容部101aを形成する付番しない本体側壁部の上端縁から外方向に連続して延出する平坦状の本体フランジ部116aと、蓋体102との側面外嵌合用として本体フランジ部116aの外端縁から下方向に連続して立ち下がる本体嵌合部113と、本体嵌合部113の下端縁から外方向に連続して延出する平坦状の本体フランジ部116bと、本体フランジ部116bの外端縁から上方向に連続して立ち上がる本体外壁部114と、本体外壁部114を除く本体フランジ部116bの外端縁から外方向に連続して延出する図示及び付番しない重畳片とを備えている。
そして、蓋体102は、カバー部102aと、カバー部102aを形成する付番しない蓋体側壁部の下端縁から外方向に連続して延出する蓋体フランジ部123と、容器本体101との側面外嵌合用として蓋体フランジ部123の外端縁から下方向に連続して立ち下がる蓋体嵌合部124と、蓋体嵌合部124の下端縁から外方向に連続して延出する蓋体外端部125と図示及び付番しないツマミ片とを備えている。
図19(b)に示すように、容器本体201は、収容部201aと、収容部201aを形成する付番しない本体側壁部の上端縁から蓋体202との内外嵌合用として外方向かつ上方向に連続して突出する凸型の本体嵌合部213と、本体嵌合部213の外端縁から外方向に連続して延出する平坦状の本体フランジ部216と、本体フランジ部216の外端縁から上方向に連続して立ち上がる本体外壁部214と、本体外壁部214を除く本体フランジ部216の外端縁から外方向に連続して延出する図示及び付番しない重畳片とを備えている。
そして、蓋体202は、カバー部202aと、カバー部202aを形成する付番しない蓋体側壁部の下端縁から外方向に連続して延出する蓋体フランジ部223と、容器本体201との内外嵌合用として蓋体フランジ部223の外端縁から外方向かつ上方向に連続して突出する凸型の蓋体嵌合部224と、蓋体嵌合部224の下端縁から外方向に連続して延出する蓋体外端部225と図示及び付番しないツマミ片とを備えている。
なお、本実施形態に示した包装用容器は、上述した内容に限定されず、同等の効果を得られる限り、あらゆる部位の位置・形状・寸法や、部位同士の関係を含む。
<第1の実施形態>
P、P100、P200 プラスチック成形品
P200a 容器本体、P200b 蓋体
P1、P101、P201 平板部
P1a 平板端縁
P1b 平板残存部
1、101、201 折り目部
11 第1溝部
11a 第1溝底部
11b 第1溝側部
12 第2溝部
12a 第2溝底部
12b 第2溝側部
<第2の実施形態>
1,101,201 容器本体、1a,101a,201a 収容部
11 底面部
12 本体側壁部
13,113,213 本体嵌合部
14,114,214 本体外壁部、14a 本体外壁内端部、14b 本体外壁外端部
15 重畳片、15a 基端片、15b 折り返し片、15c ヒンジ、15d,15f 固着部、15e 破断部、15bt 折り返し先端片
116(116a,116b),216 本体フランジ部
2 蓋体、2a,102a,202a カバー部
21 天面部
22 蓋体側壁部
23,123,223 蓋体フランジ部
24,124,224 蓋体嵌合部
25,125,225 蓋体外端部
26 ツマミ片、26a,26b 舌片

Claims (7)

  1. 平板部に形成された折り目部を備え、
    折り目部は、
    並列している略直線状の第1溝部及び第2溝部を有し、
    第1溝部及び第2溝部は、
    平板部の端縁に至っていない
    ことを特徴とするプラスチック成形品。
  2. 平板部に形成された折り目部を備え、
    折り目部は、
    並列している直線状の第1溝部及び第2溝部を有し、
    折り目方向に直交する端面視における第1溝部及び第2溝部の幅に対する深さの比率が50%以上である
    ことを特徴とするプラスチック成形品。
  3. 前記端面視における第1溝部と第2溝部との間の幅と前記深さとが同一である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチック成形品。
  4. 第1溝部及び第2溝部は、
    前記端面視で同一形状であり、
    底部と、底部と連続している側部とを有し、
    底部と側部との境界がR状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプラスチック成形品。
  5. 第1溝部及び第2溝部の長手方向の端部は、平板部の端縁に向かって傾斜している
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプラスチック成形品。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプラスチック成形品は、
    食品用具である
    ことを特徴とするプラスチック成形品。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のプラスチック成形品は、
    容器本体、又は、容器本体及び前記容器本体に装着する蓋体を備えた包装用容器である
    ことを特徴とするプラスチック成形品。
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