JP2023096253A - レトルトパウチ成形食品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】栄養価の高い大麦やオーツ麦を、そのまますぐにレトルトパウチから直接食べられるように成形されたレトルトパウチ成形食品及びその製造方法を提供すること。【解決手段】大麦及び/又はオーツ麦、ゲル化剤、油脂並びに水を含有するレトルトパウチ成形食品であって、テクスチャーアナライザーの測定における粘着力/硬さ(N/N)が0.01~0.1であり、かつ粘着力が0.09~1Nであるレトルトパウチ成形食品、並びに、前記レトルトパウチ成形食品の製造方法であって、ゲル化剤及び油脂が水に分散された乳濁液を作製する第一工程、前記乳濁液に大麦及び/又はオーツ麦を分散させて粘性液を得る第二工程、前記粘性液をパウチに充填してレトルト加熱殺菌し、冷却することにより一塊に固化させる第三工程を特徴とするレトルトパウチ成形食品の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、大麦及び/又はオーツ麦を主原料としたレトルトパウチ成形食品及びその製造方法に関する。より詳細には、大麦及び/又はオーツ麦を主原料とし、常温でそのまま食べられる一塊に成形されたレトルトパウチ成形食品及びその製造方法に関する。
大麦やオーツ麦は、白米に比べて食物繊維が豊富で、白米と混ぜたり白米の代わりとしてそのままで食べられたりと、健康素材として広く利用されている。最近では、大麦やオーツ麦を加熱せずにそのまま食べられるようにレトルト加熱加工した、レトルトパウチ食品も上市されている。
これまでに、穀物を使ったレトルト製品としては、皮部を有する穀物粒と、食用油脂と乳化安定剤を含み、残りが水からなるO/Wエマルジョンとを包装容器内に収容し、レトルト処理した穀物粒包装食品(特許文献1)や、食用油脂及び乳化剤から得た水中油型乳化物を有効成分とするレトルト穀物食品用バラケ剤(特許文献2)などが提案されている。
また、乳蛋白と穀類を含む加熱調理された容器詰め食品にゼラチンを所定量配合することで、米の団塊化、レトルトパウチへの付着を抑制したものも提案されている(特許文献3)。
しかしながら、いずれもレトルトパウチから取り出して別の容器に移して食べるタイプの食品に関するものであり、一塊の状態でレトルトパウチから直接食べるものとして言及・示唆されているものはなかった。
また、乳蛋白と穀類を含む加熱調理された容器詰め食品にゼラチンを所定量配合することで、米の団塊化、レトルトパウチへの付着を抑制したものも提案されている(特許文献3)。
しかしながら、いずれもレトルトパウチから取り出して別の容器に移して食べるタイプの食品に関するものであり、一塊の状態でレトルトパウチから直接食べるものとして言及・示唆されているものはなかった。
本発明の目的は、栄養価の高い大麦やオーツ麦を、そのまますぐにレトルトパウチから直接食べられるように成形されたレトルトパウチ成形食品及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ゲル化剤及び油脂が水に分散した乳濁液に大麦及び/又はオーツ麦を添加して得られた粘性液をパウチ内でレトルト加熱殺菌処理することによって、大麦及び/又はオーツ麦が一塊状に成形されてレトルトパウチからきれいに取り出せるようになり、さらに驚くべきことに、得られた成形物は、ご飯のようなもちもちとした心地よい食感を有することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(1)大麦及び/又はオーツ麦、ゲル化剤、油脂並びに水を含有するレトルトパウチ成形食品であって、テクスチャーアナライザーの測定における粘着力/硬さ(N/N)が0.01~0.1であり、かつ粘着力が0.09~1Nであるレトルトパウチ成形食品、
(2)前記ゲル化剤が、こんにゃく粉、サイリウム及びジェランガムから選ばれる1種以上である、前記(1)に記載のレトルトパウチ成形食品、
(3)ゲル化剤及び油脂が水に分散された乳濁液に大麦及び/又はオーツ麦を添加して得られた粘性液がパウチ内でレトルト加熱殺菌処理されて、一塊状に固化されている、前記(1)又は(2)に記載のレトルトパウチ成形食品、
(4)大麦及び/又はオーツ麦の含有量が20~45重量%、ゲル化剤の含有量が0.1~3重量%、油脂の含有量が0.5~7重量%、水の含有量が50~75重量%である、前記(1)~(3)のいずれかに記載のレトルトパウチ成形食品、
(5)前記(1)~(4)のいずれかに記載のレトルトパウチ成形食品の製造方法であって、
ゲル化剤及び油脂が水に分散された乳濁液を作製する第一工程、
前記乳濁液に大麦及び/又はオーツ麦を分散させて粘性液を得る第二工程、
前記粘性液をパウチに充填してレトルト加熱殺菌し、冷却することにより一塊に固化させる第三工程、
を特徴とするレトルトパウチ成形食品の製造方法
に関する。
(1)大麦及び/又はオーツ麦、ゲル化剤、油脂並びに水を含有するレトルトパウチ成形食品であって、テクスチャーアナライザーの測定における粘着力/硬さ(N/N)が0.01~0.1であり、かつ粘着力が0.09~1Nであるレトルトパウチ成形食品、
(2)前記ゲル化剤が、こんにゃく粉、サイリウム及びジェランガムから選ばれる1種以上である、前記(1)に記載のレトルトパウチ成形食品、
(3)ゲル化剤及び油脂が水に分散された乳濁液に大麦及び/又はオーツ麦を添加して得られた粘性液がパウチ内でレトルト加熱殺菌処理されて、一塊状に固化されている、前記(1)又は(2)に記載のレトルトパウチ成形食品、
(4)大麦及び/又はオーツ麦の含有量が20~45重量%、ゲル化剤の含有量が0.1~3重量%、油脂の含有量が0.5~7重量%、水の含有量が50~75重量%である、前記(1)~(3)のいずれかに記載のレトルトパウチ成形食品、
(5)前記(1)~(4)のいずれかに記載のレトルトパウチ成形食品の製造方法であって、
ゲル化剤及び油脂が水に分散された乳濁液を作製する第一工程、
前記乳濁液に大麦及び/又はオーツ麦を分散させて粘性液を得る第二工程、
前記粘性液をパウチに充填してレトルト加熱殺菌し、冷却することにより一塊に固化させる第三工程、
を特徴とするレトルトパウチ成形食品の製造方法
に関する。
本発明のレトルトパウチ成形食品は、レトルトパウチから一塊状にきれいに取り出せてそのまますぐに食べられる成形食品である。また、適度な軟らかさともちもちとした食感を有する食品である。
以下、本発明のレトルトパウチ成形食品について詳述する。
本発明のレトルトパウチ成形食品は、「レトルトパウチ食品品質表示基準(消費者庁告示)」にてレトルトパウチ食品として定義される「プラスチックフィルム若しくは金属はく又はこれらを多層に合わせたものを袋状その他の形状に成形した容器(気密性及び遮光性を有するものに限る。)に調製した食品を詰め、熱溶融により密封し、加圧加熱殺菌したもの」を指す。
また、本発明において、パウチとは、前記容器をいい、レトルトパウチとは加圧加熱殺菌できるパウチをいう。
また、本発明において、パウチとは、前記容器をいい、レトルトパウチとは加圧加熱殺菌できるパウチをいう。
本発明のレトルトパウチ成形食品は、前記のようにレトルト加工により成形された成形物である。本発明において「成形物」とは、具体的には大麦及び/又はオーツ麦どうしが結着して一塊の状態になっているものを指す。
本発明のレトルトパウチ成形食品は、(a)大麦及び/又はオーツ麦、(b)ゲル化剤、(c)油脂及び(d)水を含有する。
(a)大麦及び/又はオーツ麦
大麦とは、イネ科の植物「大麦」(学名:Hordeum vulgare)をいい、その種子のことである。本発明では当該種子を粒状の状態で使用する。
本発明で使用する大麦の種類については、特に制限はなく、例えば、二条大麦、六条大麦、裸麦、バーリーマックス(スーパー大麦)、等が挙げられる。また、もち性の大麦「もち麦」も使用できる。前記大麦の品種については、例えば、日本で入手可能な品種であればいずれも使用可能である。例えば、もち麦であれば、ダイシモチ、キラリモチ、はねうまもち、あぐりもち、ワキシーファイバー、ホワイトファイバー、くすもち二条、弥冨モチ、紫早生裸麦等が挙げられる。
オーツ麦とは、燕麦(エンバク)、カラスムギとも呼ばれるイネ科カラスムギ属の植物(学名:Avena sativa)である。粒状のオーツ麦であればどのようなものでもよく、例えば、もみ殻を取り除いただけの「オートグローツ」、オートグローツを細かく割った「スティールカットオーツ」、オートグローツを蒸して圧扁し乾燥させた「ロールドオーツ」、ロールドオーツを細かくした「クイックオーツ」、ロールドオーツを一度加熱し乾燥させた「インスタントオーツ」等が挙げられる。
本発明のレトルトパウチ成形食品において、前記大麦又はオーツ麦をそれぞれ単独で使用してもよいし、大麦及びオーツ麦を混合して使用してもよい。また、大麦及びオーツ麦の品種も単独の品種で使用してもよいし、2種以上の品種を混合して使用してもよい。
大麦とは、イネ科の植物「大麦」(学名:Hordeum vulgare)をいい、その種子のことである。本発明では当該種子を粒状の状態で使用する。
本発明で使用する大麦の種類については、特に制限はなく、例えば、二条大麦、六条大麦、裸麦、バーリーマックス(スーパー大麦)、等が挙げられる。また、もち性の大麦「もち麦」も使用できる。前記大麦の品種については、例えば、日本で入手可能な品種であればいずれも使用可能である。例えば、もち麦であれば、ダイシモチ、キラリモチ、はねうまもち、あぐりもち、ワキシーファイバー、ホワイトファイバー、くすもち二条、弥冨モチ、紫早生裸麦等が挙げられる。
オーツ麦とは、燕麦(エンバク)、カラスムギとも呼ばれるイネ科カラスムギ属の植物(学名:Avena sativa)である。粒状のオーツ麦であればどのようなものでもよく、例えば、もみ殻を取り除いただけの「オートグローツ」、オートグローツを細かく割った「スティールカットオーツ」、オートグローツを蒸して圧扁し乾燥させた「ロールドオーツ」、ロールドオーツを細かくした「クイックオーツ」、ロールドオーツを一度加熱し乾燥させた「インスタントオーツ」等が挙げられる。
本発明のレトルトパウチ成形食品において、前記大麦又はオーツ麦をそれぞれ単独で使用してもよいし、大麦及びオーツ麦を混合して使用してもよい。また、大麦及びオーツ麦の品種も単独の品種で使用してもよいし、2種以上の品種を混合して使用してもよい。
本発明のレトルトパウチ成形食品において、大麦及び/又はオーツ麦の含有量は、得られるレトルトパウチ成形食品が一塊状の状態になる物性面の観点と食感の点から、固形重量として20~45重量%が好ましく、20~40重量%がより好ましい。
(b)ゲル化剤
ゲル化剤は、大麦及び/又はオーツ麦を分散させ、製造工程での沈殿を防止し、最終製品の食感や保形性を良くする目的で用いる。ゲル化剤を使用せず、例えば、キサンタンガム等のような増粘剤を用いた場合は、沈殿防止の効果は出るものの、レトルト加熱殺菌後にきれいな一塊状にならない。
ゲル化剤は、大麦及び/又はオーツ麦を分散させ、製造工程での沈殿を防止し、最終製品の食感や保形性を良くする目的で用いる。ゲル化剤を使用せず、例えば、キサンタンガム等のような増粘剤を用いた場合は、沈殿防止の効果は出るものの、レトルト加熱殺菌後にきれいな一塊状にならない。
本発明で使用するゲル化剤は、食品添加物のゲル化剤に限定されず、例えば、寒天、こんにゃく粉、サイリウム、ペクチン、ジェランガム、カラギーナン等の多糖類、ゼラチン、澱粉、加工澱粉、等が挙げられる。中でもこんにゃく粉、サイリウム、ジェランガム等の多糖類が、製造適正を考慮すると好ましい。
前記ゲル剤は、1種のみを使用してもよく、また、2種以上を混合して使用してもよい。
前記ゲル剤は、1種のみを使用してもよく、また、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明のレトルトパウチ成形食品において、ゲル化剤の含有量は、大麦及び/又はオーツ麦の沈殿を防止する適度な増粘効果を発揮し、かつ最終製品でレトルトパウチ成形食品の内容物を一塊状に固めてその食感を損なわない範囲にすることができれば特に限定はなく、例えば、0.1~3重量%が好ましく、0.3~2重量%がより好ましい。
(c)油脂
本発明のレトルトパウチ成形食品には、油脂を含有すると、製造適正が良くなり、かつ最終製品のレトルトパウチからの剥がれが良くなるという利点がある。
前記油脂としては、食品に使用できるものであれば特に限定はないが、例えば、菜種油等の植物性油脂、ラード等の動物性油脂、加工油脂、中鎖脂肪酸油等が挙げられる。中でも室温で液体の油脂を使用することが、製造工程や最終製品の物性の面で好ましい。
前記油脂は、1種のみを使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明のレトルトパウチ成形食品には、油脂を含有すると、製造適正が良くなり、かつ最終製品のレトルトパウチからの剥がれが良くなるという利点がある。
前記油脂としては、食品に使用できるものであれば特に限定はないが、例えば、菜種油等の植物性油脂、ラード等の動物性油脂、加工油脂、中鎖脂肪酸油等が挙げられる。中でも室温で液体の油脂を使用することが、製造工程や最終製品の物性の面で好ましい。
前記油脂は、1種のみを使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明のレトルトパウチ成形食品において、前記油脂の含有量としては、0.5~7重量%が好ましい。
(d)水
本発明のレトルトパウチ成形食品は、目的の食感となるように水を調整する。多いとやわらかいものとなり、少ないと硬くなる。例えば水を全体の50~75重量%含有させる。
前記の水の含有量とは、添加する水の量だけでなく、大麦及び/又はオーツ麦及びその他任意成分由来の水も合わせた合計の水分量を指す。
前記水分量を調べる手段としては、各原料の水分量から計算する計算法や、減圧乾燥法、カールフィッシャー法、赤外線吸収法等を用いればよい。
本発明のレトルトパウチ成形食品は、目的の食感となるように水を調整する。多いとやわらかいものとなり、少ないと硬くなる。例えば水を全体の50~75重量%含有させる。
前記の水の含有量とは、添加する水の量だけでなく、大麦及び/又はオーツ麦及びその他任意成分由来の水も合わせた合計の水分量を指す。
前記水分量を調べる手段としては、各原料の水分量から計算する計算法や、減圧乾燥法、カールフィッシャー法、赤外線吸収法等を用いればよい。
(e)その他任意成分
本発明のレトルトパウチ成形食品には、前記(a)~(d)に記載の成分の他に、その他の穀物類、豆類、種実類、イモ類、肉類、魚介類、果物類、野菜類、乳製品、植物又は動物由来のエキス類、糖質、食物繊維、油脂、食塩、スパイス、ハーブ、調味料、酸味料、香料、着色料、甘味料等の任意成分を含有してもよい。これらの任意成分を適宜選択して物性や風味を調整することで、前記レトルトパウチ成形食品に幅広い嗜好性を付与することができる。
なお、前記任意成分は、嗜好性や物理化学的安定性に悪影響を与えない範囲で使用すればよく、含有量については特に限定はない。
本発明のレトルトパウチ成形食品には、前記(a)~(d)に記載の成分の他に、その他の穀物類、豆類、種実類、イモ類、肉類、魚介類、果物類、野菜類、乳製品、植物又は動物由来のエキス類、糖質、食物繊維、油脂、食塩、スパイス、ハーブ、調味料、酸味料、香料、着色料、甘味料等の任意成分を含有してもよい。これらの任意成分を適宜選択して物性や風味を調整することで、前記レトルトパウチ成形食品に幅広い嗜好性を付与することができる。
なお、前記任意成分は、嗜好性や物理化学的安定性に悪影響を与えない範囲で使用すればよく、含有量については特に限定はない。
本発明のレトルトパウチ成形食品は、パウチに封入されて、加圧加熱されることで、成形物となっている。
前記成形物は、大麦及び/又はオーツ麦どうしが結着されて、全体として一塊状になっている状態であればよい。成形物の形状については、特に限定はなく、パウチの内部形状に合わせて、四面以上の立方体状、略球状、略楕円球状、略円柱状、略三角錐状、略角柱状、板状、略角柱状、棒状、略楕円球状等が挙げられる。
前記成形物は、大麦及び/又はオーツ麦どうしが結着されて、全体として一塊状になっている状態であればよい。成形物の形状については、特に限定はなく、パウチの内部形状に合わせて、四面以上の立方体状、略球状、略楕円球状、略円柱状、略三角錐状、略角柱状、板状、略角柱状、棒状、略楕円球状等が挙げられる。
本発明のレトルトパウチ成形食品は、テクスチャーアナライザーの測定における粘着力/硬さ(N/N)が0.01~0.1であり、かつ粘着力が0.09~1Nであることに特徴がある。
前記粘着力/硬さは、テクスチャーアナライザーで測定された粘着力の測定値を、テクスチャーアナライザーで測定された硬さの測定値で割った値であり、レトルトパウチ成形食品のご飯のような適度な粘りと心地よい噛み応えを示す物性を示す。前記粘着力/硬さの単位は「N/N」である。
前記粘着力/硬さが0.01未満であると粘り気がなさすぎて脆かったり硬く感じ易く、また、0.1よりも大きいとべちゃっとした嗜好性の劣る食感となり易い。
前記粘着力/硬さは、0.02~0.04の範囲内が好ましい。
前記粘着力/硬さが0.01未満であると粘り気がなさすぎて脆かったり硬く感じ易く、また、0.1よりも大きいとべちゃっとした嗜好性の劣る食感となり易い。
前記粘着力/硬さは、0.02~0.04の範囲内が好ましい。
前記粘着力は、レトルトパウチ成形食品を口中で咀嚼した場合の食感及び型崩れのし難さに影響がある物性である。
前記粘着力が0.09N未満であると、レトルトパウチから食品を取り出した場合に型崩れし易く、噛んでも容易に砕けてしまい易く、また、1Nよりも大きいと、口中で咀嚼しても粘りと硬さを強く感じて、心地よい食感とはなり難い。
前記粘着力は、0.1~0.5Nの範囲内が好ましい。
前記粘着力が0.09N未満であると、レトルトパウチから食品を取り出した場合に型崩れし易く、噛んでも容易に砕けてしまい易く、また、1Nよりも大きいと、口中で咀嚼しても粘りと硬さを強く感じて、心地よい食感とはなり難い。
前記粘着力は、0.1~0.5Nの範囲内が好ましい。
前記硬さについては、特に限定はないが、レトルトパウチから食品を取り出した場合に取り出しやすく、口中で咀嚼して心地よい食感となり易い観点から、3~30Nの範囲が好ましい。
本発明のレトルトパウチ成形食品では、前記粘着力/硬さ及び前記粘着力が前記の範囲内にあることで、レトルトパウチ内にある食品を取り出しても、一塊状のままで型崩れがせず、また、前記食品を口中で咀嚼すると、ご飯のようなもちもちとした心地よい食感が奏される。
前記硬さ及び粘着力は、テクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems社製「Texture Analyzer TA.XT.plus」)を用い、レトルトパウチ成形食品を90%圧縮して元の位置まで戻す反復圧縮試験時の硬さ(圧縮時の最大荷重)と粘着力(引張り時の最大荷重)をいう。
具体的には、後述の実施例に記載の条件で硬さ及び粘着力を測定することができる。
具体的には、後述の実施例に記載の条件で硬さ及び粘着力を測定することができる。
本発明のレトルトパウチ成形食品の製造方法としては、
ゲル化剤及び油脂が水に分散された乳濁液を作製する第一工程、
前記乳濁液に大麦及び/又はオーツ麦を分散させて粘性液を得る第二工程、
前記粘性液をパウチに充填してレトルト加熱殺菌し、冷却することにより一塊に固化させる第三工程、
を含む製造方法が挙げられる。
ゲル化剤及び油脂が水に分散された乳濁液を作製する第一工程、
前記乳濁液に大麦及び/又はオーツ麦を分散させて粘性液を得る第二工程、
前記粘性液をパウチに充填してレトルト加熱殺菌し、冷却することにより一塊に固化させる第三工程、
を含む製造方法が挙げられる。
本発明に使用するパウチとしては、プラスチックフィルム若しくは金属はく又はこれらを多層に合わせたものを袋状その他の形状に成形した容器であればよく、例えば、平袋、スタンディングパウチ等が挙げられる。
第一工程では、例えば、攪拌羽根のついたタンク等に水を入れ、そこにゲル化剤及び油脂を混合したものを投入し、水中に分散させて乳濁液を作製する。
第二工程では、前記乳濁液に大麦及び/又はオーツ麦を分散させて粘性液を得る。この際の温度は、50℃以下に調整することが好ましく、30℃以下の室温下で行うことがより好ましい。水の温度が50℃を超える場合、大麦及び/又はオーツ麦のα化(糊化)によって粘性が上がり、その後のパウチへの充填適正が悪くなる傾向がある。
第三工程では、第二工程で得られた粘性液をパウチに充填する。前記粘性液としては、粘度は10Pa・s以下であることが好ましく、かつ静置しても大麦及び/又はオーツ麦が沈降せずに均一に分散した状態を保つものであればよい。前記粘性液の粘度が高い場合、充填量が安定せず、また、液だれが起きてパウチの熱圧着部に粘性液が付着する等の問題が生じる。また、粘度が低すぎて大麦及び/又はオーツ麦の沈降が起きると、パウチ毎に大麦及び/又はオーツ麦の多いもの、少ないものという個体差が発生しやすく、品質にばらつきが生じてしまう。
前記粘性液は、流動状態となっており、これを前記パウチに公知の方法で充填して封入する。パウチの封入方法としては、例えば、パウチの開口部を開き、所定量の粘性液を充填し、パウチの開口部を閉じて熱圧着し、密封する方法等が挙げられる。
そしてその後、前記パウチに入った粘性液をレトルト殺菌する。前記レトルト殺菌には、レトルト食品の製造で公知の加圧加熱処理方法を用いればよく、例えば、粘性液を充填して封入したパウチを加圧加熱釜に入れて100℃以上の蒸気や加圧熱水により加熱する方法が挙げられる。また、加熱温度としては、例えば、110~130℃で10~60分加熱することが挙げられる。そして、その後、室温で冷ますことで、大麦及び/又はオーツ麦どうしが結着されて一塊の状態に固化される。
以上のようにして得られたレトルトパウチ成形食品は、大麦及び/又はオーツ麦どうしが結着された一塊の状態でレトルトパウチから取り出して常温でそのまま食べられる、携帯性・利便性に優れた栄養価の高い食品であり、ご飯のような心地よい食感を長期間維持した食品である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
(実施例1)
表1に示す配合(数値は重量%を示す)の通り、ゲル化剤と油脂を混合し、水に分散させて乳濁液を得た。その後、大麦(もち麦)を前記乳濁液に投入し、室温で混合して粘性液を作製し、この粘性液を100mm×130mmのサイズの平袋のパウチに65g充填し、封入した後、120℃30分間加圧加熱してレトルト殺菌することによりレトルトパウチ成形食品を得た。得られたレトルトパウチ成形食品はパウチから取り出すと厚み11mmの板状の一塊のもので、そのまま食べられるものとなった。
表1に示す配合(数値は重量%を示す)の通り、ゲル化剤と油脂を混合し、水に分散させて乳濁液を得た。その後、大麦(もち麦)を前記乳濁液に投入し、室温で混合して粘性液を作製し、この粘性液を100mm×130mmのサイズの平袋のパウチに65g充填し、封入した後、120℃30分間加圧加熱してレトルト殺菌することによりレトルトパウチ成形食品を得た。得られたレトルトパウチ成形食品はパウチから取り出すと厚み11mmの板状の一塊のもので、そのまま食べられるものとなった。
(実施例2~6)
表1に示す配合の通り、実施例1に使用した大麦を別の大麦やオーツ麦に変え、また、ゲル化剤の種類を変え、かつ、各成分の含有量を変えた以外は、実施例1と同様にしてレトルトパウチ成形食品を得た。
表1に示す配合の通り、実施例1に使用した大麦を別の大麦やオーツ麦に変え、また、ゲル化剤の種類を変え、かつ、各成分の含有量を変えた以外は、実施例1と同様にしてレトルトパウチ成形食品を得た。
(比較例1)
表1に示す配合の通り、油脂を使用しない以外は、実施例1と同様にして、レトルトパウチ成形食品を得た。
表1に示す配合の通り、油脂を使用しない以外は、実施例1と同様にして、レトルトパウチ成形食品を得た。
(比較例2)
表1に示す配合の通り、油脂を使用しない以外は、実施例2と同様にして、レトルトパウチ成形食品を得た。
表1に示す配合の通り、油脂を使用しない以外は、実施例2と同様にして、レトルトパウチ成形食品を得た。
(比較例3、4)
表1に示す配合の通り、オーツ麦を使用し、ゲル化剤の代わりに増粘剤(キサンタンガム)を使用した以外は、実施例1と同様にして、レトルトパウチ成形食品を得た。
表1に示す配合の通り、オーツ麦を使用し、ゲル化剤の代わりに増粘剤(キサンタンガム)を使用した以外は、実施例1と同様にして、レトルトパウチ成形食品を得た。
[試験例1]物性評価試験
テクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems社製「Texture Analyzer TA.XT.plus」)を用い、レトルトパウチ成形食品を90%圧縮して元の位置まで戻す反復圧縮試験時の硬さ(圧縮時の最大荷重)と粘着力(引張り時の最大荷重)をそれぞれ下記条件で測定した。結果を表1に示す。
<反復圧縮試験条件>
プローブ:直径10mmの円柱プローブ(P/10)
測定速度:2mm/秒
貫入距離:90%
測定温度:20℃
反復回数:1回
テクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems社製「Texture Analyzer TA.XT.plus」)を用い、レトルトパウチ成形食品を90%圧縮して元の位置まで戻す反復圧縮試験時の硬さ(圧縮時の最大荷重)と粘着力(引張り時の最大荷重)をそれぞれ下記条件で測定した。結果を表1に示す。
<反復圧縮試験条件>
プローブ:直径10mmの円柱プローブ(P/10)
測定速度:2mm/秒
貫入距離:90%
測定温度:20℃
反復回数:1回
なお、前記粘着力/硬さ(N/N)が0.01~0.1であり、かつ粘着力が0.09~1Nであるものを合格品とした。
[試験例2]官能評価試験
下記の項目に従い、官能評価を行った。結果を表1に示す。
下記の項目に従い、官能評価を行った。結果を表1に示す。
「食感」
〇:もちもちとしたご飯のような心地よい食感である。
△:硬かったり、水っぽかったりと、やや好ましくない食感である。
〇:もちもちとしたご飯のような心地よい食感である。
△:硬かったり、水っぽかったりと、やや好ましくない食感である。
「取り出しやすさ」
〇:レトルトパウチから取り出しやすい。
△:レトルトパウチへの付着や保形性の悪さにより、レトルトパウチから取り出しにくい。
〇:レトルトパウチから取り出しやすい。
△:レトルトパウチへの付着や保形性の悪さにより、レトルトパウチから取り出しにくい。
図1に示すように、実施例1~6で得られたレトルトパウチ成形食品1は、栄養価の高い大麦又はオーツ麦をそのまますぐに食べられるように成形された食品であり、レトルトパウチ3で包装された状態であるため、携帯性・利便性に優れたものである。また、いずれのレトルトパウチ成形食品1も平袋の内容形状に基づいた成形物となっており、レトルトパウチ3を立てた状態で、上部を切り開いて、下部から手で押し上げると、大麦又はオーツ麦の粒2どうしが結着された一塊状の成形物がつるんと取り出せ、ぼろぼろとこぼれずにそのまま食べられるものとなっていた。
また、表1の結果より、実施例1~6で得られたレトルトパウチ成形食品は、いずれもレトルトパウチからきれいに取り出して簡便に食べられるものとなり、もちもちとしたご飯のような心地よい食感のものであった。
一方、比較例1、2のレトルトパウチ成形食品は、食感は良いがレトルトパウチからの取り出しやすさに問題があるものであった。
また、比較例3、4のレトルトパウチ成形食品は、実施例1~6のものと比較して、食感及び取り出しやすさが劣るものとなった。
また、比較例3、4のレトルトパウチ成形食品は、実施例1~6のものと比較して、食感及び取り出しやすさが劣るものとなった。
1 レトルトパウチ成形食品
2 大麦又はオーツ麦の粒
3 レトルトパウチ
2 大麦又はオーツ麦の粒
3 レトルトパウチ
Claims (5)
- 大麦及び/又はオーツ麦、ゲル化剤、油脂並びに水を含有するレトルトパウチ成形食品であって、テクスチャーアナライザーの測定における粘着力/硬さ(N/N)が0.01~0.1であり、かつ粘着力が0.09~1Nであるレトルトパウチ成形食品。
- 前記ゲル化剤が、こんにゃく粉、サイリウム及びジェランガムから選ばれる1種以上である、請求項1に記載のレトルトパウチ成形食品。
- ゲル化剤及び油脂が水に分散された乳濁液に大麦及び/又はオーツ麦を添加して得られた粘性液がパウチ内でレトルト加熱殺菌処理されて、一塊状に固化されている、請求項1又は2に記載のレトルトパウチ成形食品。
- 大麦及び/又はオーツ麦の含有量が20~45重量%、ゲル化剤の含有量が0.1~3重量%、油脂の含有量が0.5~7重量%、水の含有量が50~75重量%である、請求項1~3のいずれかに記載のレトルトパウチ成形食品。
- 請求項1~4のいずれかに記載のレトルトパウチ成形食品の製造方法であって、
ゲル化剤及び油脂が水に分散された乳濁液を作製する第一工程、
前記乳濁液に大麦及び/又はオーツ麦を分散させて粘性液を得る第二工程、
記粘性液をパウチに充填してレトルト加熱殺菌し、冷却することにより一塊に固化させる第三工程、
を特徴とするレトルトパウチ成形食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021211874A JP2023096253A (ja) | 2021-12-27 | 2021-12-27 | レトルトパウチ成形食品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2021211874A Pending JP2023096253A (ja) | 2021-12-27 | 2021-12-27 | レトルトパウチ成形食品及びその製造方法 |
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2021
- 2021-12-27 JP JP2021211874A patent/JP2023096253A/ja active Pending
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