JP2023093963A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの軽量化によって転がり抵抗を低減しつつ、タイヤ強度を向上させてタイヤの振動モード振幅を抑制し、ロードノイズ性能を向上させることができる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】一対のビード10と、一対のサイドウォール20と、トレッド30と、カーカスプライ50と、を備えた空気入りタイヤ1であって、カーカスプライ50は、タイヤ幅方向Xに分割された一対のプライ片51を含み、一対のプライ片51のそれぞれは、トレッド30に配置されてタイヤ幅方向Xに互いに離間して対向するタイヤ幅方向内端51aを有し、一対のプライ片51のそれぞれのタイヤ幅方向内端51aの間のタイヤ径方向外側Y1に、補強層70が配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来、車両用の空気入りタイヤにおいては、一対のビードの間に、タイヤの骨格を形成するカーカスプライが架け渡された内部構造が知られている。特許文献1には、このようなカーカスプライに関して、タイヤのトレッドの幅方向中央部において不連続となる中抜き部を設けることにより、軽量化、及び軽量化に伴う転がり抵抗の低減が図られるとされた空気入りタイヤが開示されている。
特開2012-101647号公報
しかしながら、カーカスプライに中抜き部を設けると、タイヤの強度がタイヤ幅方向で不均一になり、タイヤ幅方向における中抜き部に対応する部位が、走行時に振動することによって、タイヤのロードノイズ性能が低下するおそれがある。
ロードノイズは、500Hz以下の周波数帯の音であり、路面入力、タイヤの振動、車両のサスペンションの振動、車内の順に伝わる間接音である。特に、問題となるのは315Hz帯であり、タイヤの振動と車両のサスペンションの振動とが共振し、車内音として大きなピークを持つ。このとき、タイヤは、断面2次振動モードという固有の振動形態をとる。この振動モードの振幅を抑制し、振動モードを高周波側へ移行することが、315Hz帯の音の低減に大きく影響する。
そこで、本発明は、タイヤの軽量化によって転がり抵抗を低減しつつ、タイヤ強度を向上させてタイヤの振動モード振幅を抑制し、ロードノイズ性能を向上させることができる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
本発明の空気入りタイヤは、一対のビードと、前記一対のビードのそれぞれからタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォールと、前記一対のサイドウォールの間に配置されたトレッドと、前記トレッドから前記ビードにわたるカーカスプライと、を備えた空気入りタイヤであって、前記カーカスプライは、タイヤ幅方向に分割された一対のプライ片を含み、前記一対のプライ片のそれぞれは、前記トレッドに配置されてタイヤ幅方向に互いに離間して対向するタイヤ幅方向内端を有し、前記一対のプライ片のそれぞれの前記タイヤ幅方向内端の間のタイヤ径方向外側に、補強層が配置されている。
本発明によれば、タイヤの軽量化によって転がり抵抗を低減しつつ、タイヤ強度を向上させてタイヤの振動モード振幅を抑制し、ロードノイズ性能を向上させることができる空気入りタイヤを提供することができる。
実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面図である。 図1の一部拡大図である。 タイヤの変形状態を表すシミュレーション結果を示す図である。
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る空気入りタイヤであるタイヤ1のタイヤ幅方向の断面を示している。図2は、図1の一部を拡大した図であって、後述するトレッド30から一方のビード10に亘る部分を示す断面図である。
実施形態に係るタイヤ1は、例えば、乗用車用の空気入りタイヤである。なお、実施形態に係るタイヤ1は、乗用車の他に、ライトトラック、トラック、バス等の各種車両用として採用することができる。
タイヤ1の構造は、タイヤ幅方向の断面において左右対称となっている。図1において、符号S1はタイヤ赤道面である。タイヤ赤道面S1は、タイヤ回転軸(タイヤ子午線)に直交する面で、かつ、タイヤ幅方向中心に位置する面である。
なお、図1の断面図は、タイヤ1を規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態を示している。規定リムとは、タイヤサイズに対応してJATMAに定められた標準となるリムを指す。また、規定内圧とは、例えばタイヤ1が乗用車用である場合には180kPaである。
ここで、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向であり、図1における紙面左右方向である。図1においては、タイヤ幅方向Xとして図示している。X1はタイヤ幅方向外側であり、X2はタイヤ幅方向内側である。タイヤ幅方向外側X1とは、タイヤ赤道面S1から離れる方向であり、図1においては紙面左側及び右側である。タイヤ幅方向内側X2とは、タイヤ赤道面S1に近づく方向であり、図1においては紙面中央側である。
また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向であり、図1における紙面上下方向である。図1においては、タイヤ径方向Yとして図示している。Y1はタイヤ径方向外側であり、Y2はタイヤ径方向内側である。タイヤ径方向外側Y1とは、タイヤ回転軸から離れる方向であり、図1においては紙面上側である。タイヤ径方向内側Y2とは、タイヤ回転軸に近づく方向であり、図1においては紙面下側である。
図1に示すように、タイヤ1は、タイヤ幅方向両側に設けられた一対のビード10と、一対のビード10のそれぞれからタイヤ径方向外側Y1に延びる一対のサイドウォール20と、一対のサイドウォール20の間に配置されたトレッド30と、トレッド30に配置されたベルト40と、トレッド30から一対のビード10にわたるカーカスプライ50と、カーカスプライ50のタイヤ内腔側に配置されたインナーライナー60と、カーカスプライ50のタイヤ径方向外側Y1に配置された補強層70と、を備えている。タイヤ1は、タイヤ赤道面S1に対してタイヤ幅方向Xに対称構造を有する。
ビード10は、ビードコア11と、ビードコア11からタイヤ径方向外側Y1に延びるビードフィラー12と、リムストリップゴム13と、を備える。
ビードコア11は、ゴムが被覆された金属製のビードワイヤがタイヤ周方向に複数回巻かれた環状の部材である。ビードコア11は、空気が充填されたタイヤ1を、リムに固定する役目を果たす部材である。
図2に示すように、ビードフィラー12は、タイヤ径方向外側Y1の先端であるタイヤ径方向外端12aを有する。ビードフィラー12は、タイヤ径方向内側Y2からタイヤ径方向外端12aに延びるにつれて先細り形状となっている。
ビードフィラー12は、ビード10の周辺部分の剛性を高め、高い操縦性及び安定性を確保するために設けられる。ビードフィラー12は、例えば、周囲のゴム部材よりも硬度の高いゴムにより構成される。
図1に示すように、リムストリップゴム13は、ビードコア11及びビードフィラー12を囲んで設けられるカーカスプライ50の外側をさらに囲んでいる。リムストリップゴム13は、タイヤ1が装着されるリムの内側部分と接触する。リムストリップゴム13のタイヤ幅方向外側X1の外表面には、タイヤ周方向に沿った頂部13aが形成されている。リムストリップゴム13の頂部13aは、外傷からリムを保護するリムプロテクタ14を構成する。リムプロテクタ14は、タイヤ周方向に環状に連続している。
サイドウォール20は、カーカスプライ50のタイヤ幅方向外側X1に配置されたサイドウォールゴム21をそれぞれ含む。サイドウォールゴム21は、タイヤ1の外壁面を構成する。サイドウォールゴム21は、タイヤ1がクッション作用をする際に最もたわむ部分であり、通常、耐疲労性を有する柔軟なゴムが採用される。サイドウォールゴム21のタイヤ径方向内側Y2の端部は、リムストリップゴム13のタイヤ径方向外側Y1の端部を覆っている。
トレッド30は、トレッドゴム31を備える。トレッド30には、無端状のベルト40及び補強層70が配置されている。ベルト40は、インナーライナー60のタイヤ径方向外側Y1に配置されている。補強層70は、ベルト40のタイヤ径方向外側Y1に配置されている。トレッドゴム31は、補強層70のタイヤ径方向外側Y1に配置されている。
トレッドゴム31は、走行時に路面と接地する踏面31aを構成する部材である。トレッドゴム31の踏面31aには、例えば複数の溝で構成されるトレッドパターン32が設けられる。図1に示すように、トレッドゴム31のタイヤ幅方向外側端部31Bは、ベルト40及び補強層70のタイヤ幅方向Xの外側を越えてタイヤ径方向内側Y2に屈曲し、カーカスプライ50に接触している。トレッドゴム31のタイヤ幅方向外側端部31Bは、サイドウォールゴム21のタイヤ径方向外側端部21Bで覆われている。
ベルト40は、トレッド30を補強する部材である。実施形態のベルト40は、インナーライナー60のタイヤ径方向外側Y1に配置された内側ベルト41と、内側ベルト41のタイヤ径方向外側Y1に配置された外側ベルト42と、を備えた2層構造である。内側ベルト41及び外側ベルト42は、いずれも複数のスチールコード等の金属製コードがゴムで覆われた構造を有する。図1に示すように、ベルト40は、内側ベルト41と外側ベルト42とが重なったタイヤ幅方向外側端部40Bをそれぞれ有する。
ベルト40は、内側ベルト41が外側ベルト42よりも幅広である。したがって、図2に示すように、内側ベルト41のタイヤ幅方向外側X1の先端であるタイヤ幅方向外端41Aは、外側ベルト42のタイヤ幅方向外側X1の先端であるタイヤ幅方向外端42Aよりもタイヤ幅方向外側X1に離れて配置されている。ベルト40を設けることにより、タイヤ1の剛性が確保され、路面に対するトレッド30の接地性が向上する。
カーカスプライ50は、タイヤ1の骨格となるプライを構成している。図1に示すように、実施形態のカーカスプライ50は、インナーライナー60のタイヤ外面側に配置されている。カーカスプライ50は、一対のプライ片51を含み、トレッド30のタイヤ幅方向中央部において不連続となる中抜き部50Hを有する。すなわち、カーカスプライ50は、中抜き部50Hを間に挟んでタイヤ幅方向Xの両側にそれぞれ配置される一対のプライ片51に分割された構成を有する。プライ片51は、トレッド30のタイヤ幅方向中央部において不連続となる中抜き部50Hを間に挟んでタイヤ幅方向Xの両側に配置される態様で、タイヤ1内に埋設されている。カーカスプライ50に中抜き部50Hが設けられることにより、タイヤ1が軽量化され、転がり抵抗が低減される。
プライ片51は、中抜き部50H側の先端であって、タイヤ幅方向Xで互いに離間して対向するタイヤ幅方向内端51aをそれぞれ有する。一対のプライ片51のそれぞれのタイヤ幅方向内端51aは、トレッド30のタイヤ幅方向外側X1の端部に配置され、タイヤ赤道面S1を挟んで離間して対向するように配置されている。
プライ片51は、タイヤ幅方向内側X2に、タイヤ幅方向内端51aを含むタイヤ幅方向内側端部51bをそれぞれ有する。一対のプライ片51のそれぞれのタイヤ幅方向内側端部51bは、トレッド30において、インナーライナー60よりもタイヤ径方向外側Y1に配置され、ベルト40(内側ベルト41及び外側ベルト42)のタイヤ幅方向外側端部40Bと、タイヤ径方向Yに重なって配置されている。これにより、プライ片51のタイヤ幅方向内側端部51bが、ベルト40のタイヤ幅方向外側端部40Bによって覆われた状態で配置されるため、プライ片51のタイヤ幅方向内側端部51b側の剥離が抑制される。
プライ片51は、タイヤ幅方向内端51aから、サイドウォール20に延在し、さらにビードコア11のタイヤ幅方向内側まで延びるプライ本体部51cと、プライ本体部51cからビードコア11に巻き付いて屈曲する屈曲部51dと、屈曲部51dからタイヤ径方向外側Y1に折り返される折り返し部51eと、折り返し部51eのタイヤ径方向外側Y1の先端である折り返し端51fと、を有する。
プライ本体部51c、屈曲部51d及び折り返し部51eは連続している。プライ本体部51cのタイヤ径方向内側Y2の端部は、ビードコア11及びビードフィラー12のタイヤ幅方向内側X2に配置されている。折り返し部51eは、ビードコア11及びビードフィラー12のタイヤ幅方向外側X1に配置されている。屈曲部51dは、ビードコア11のタイヤ径方向内側Y2に配置され、カーカスプライ50においてタイヤ径方向Yの最も内側の部分を構成する。図2に示すように、折り返し部51eは、タイヤ最大幅位置20Wよりもタイヤ径方向外側Y1まで延出している。折り返し端51fは、タイヤ最大幅位置20Wよりもタイヤ径方向外側Y1に配置されている。
プライ片51は、タイヤ1の骨格となる複数の図示しないカーカスコードを含んでいる。複数のカーカスコードは、例えばタイヤ幅方向Xに沿った面内に沿って延びており、タイヤ周方向に並んで配列されている。このカーカスコードは、ポリエステルやポリアミド等の絶縁性の有機繊維コード等により構成されている。プライ片51は、複数のカーカスコードがゴムにより被覆されて構成される。
インナーライナー60は、一対のビード10の間のタイヤ内面側に配置されている。インナーライナー60は、トレッド30の領域では、ベルト40、一対のプライ片51の内面を覆っている。また、インナーライナー60は、サイドウォール20の領域では、一対のプライ片51の内面を覆っている。さらに、インナーライナー60は、ビード10のタイヤ径方向外側Y1の領域では、プライ片51の内面を覆い、ビード10のタイヤ径方向内側Y2の領域では、リムストリップゴム13を覆っている。
インナーライナー60は、耐空気透過性ゴムにより構成されており、タイヤ内腔内の空気が外部に漏れるのを防ぐ。
ここで、ビードフィラー12に採用するゴムとしては、少なくともサイドウォールゴム21及びインナーライナー60よりも硬度が高いゴムが用いられる。ゴムの硬度は、JIS K6253に準拠して、23℃雰囲気において、タイプAデュロメータで測定される値(デュロメータ硬さ)である。
例えば、サイドウォールゴム21の硬度を基準としたとき、ビードフィラー12の硬度は、サイドウォールゴム21の硬度の1.2倍~2.3倍程度の硬度のゴムを用いることが好ましい。リムストリップゴム13の硬度は、サイドウォールゴム21の硬度の1倍~1.6倍程度の硬度のゴムを用いることがより好ましい。このような硬度とすることで、タイヤとしての柔軟性とビード10付近の剛性のバランスを確保することができる。
補強層70は、一対のプライ片51のそれぞれのタイヤ幅方向内端51aの間のタイヤ径方向外側Y1に配置されている。実施形態に示す補強層70は、ベルト40のタイヤ径方向外側Y1に配置され、一対のプライ片51のそれぞれのタイヤ幅方向内端51aのタイヤ径方向外側Y1の領域を含むベルト40の全体を覆っている。補強層70は、図示しないナイロン等の有機繊維コードをゴムで被覆することにより構成され、プライ片51よりも高い引張強度を有する。これにより、カーカスプライ50に中抜き部50Hが形成されることによって強度が低下したタイヤ1のタイヤ幅方向中央部が、カーカスプライ50よりも引張強度の高い補強層70によって補強され、タイヤ1の断面2次振動モードの振幅が抑制される。
補強層70は、ベルト40のタイヤ径方向外側Y1に配置される第1補強層71と、第1補強層71のタイヤ径方向外側Y1に配置される第2補強層72と、を有する。第1補強層71は、ベルト40に接して積層されている。第2補強層72は、第1補強層71に接して積層されている。
第1補強層71は、ベルト40のタイヤ幅方向Xの全幅よりも幅広に形成されている。すなわち、図2に示すように、第1補強層71のタイヤ幅方向外端71Aは、ベルト40における幅広の内側ベルト41のタイヤ幅方向外端41Aよりもタイヤ幅方向外側X1に配置されている。第1補強層71のタイヤ幅方向外側端部71Bは、ベルト40の内側ベルト41のタイヤ幅方向外端41A及び外側ベルト42のタイヤ幅方向外端42Aを覆っている。第1補強層71のタイヤ幅方向外端71Aは、トレッドゴム31のタイヤ幅方向外側端部31Bにおいて、プライ片51の外側面に接するように配置されている。
第2補強層72は、ベルト40のタイヤ幅方向Xの全幅よりも幅狭に形成されている。第2補強層72は、カーカスプライ50の中抜き部50Hの領域のタイヤ径方向外側Y1に対応する領域に配置されている。第2補強層72と一対のプライ片51とは、タイヤ径方向Yに重なっていない。詳しくは、図2に示すように、第2補強層72のタイヤ幅方向外端72Aは、プライ片51のタイヤ幅方向内端51aに対してタイヤ径方向Yに重なっていない。第2補強層72のタイヤ幅方向外端72Aは、プライ片51のタイヤ幅方向内端51aよりもタイヤ幅方向内側X2に距離L1だけ離れて配置されている。
このように、第2補強層72が、カーカスプライ50の中抜き部50Hに対応して配置され、一対のプライ片51とタイヤ径方向Yに重なっていないことにより、タイヤ1のタイヤ幅方向中央部の強度をより効果的に高めることができる。第2補強層72と一対のプライ片51とは重ならないため、重なって配置されることによる歪みの集中が避けられ、歪みの集中によって発生する故障を回避することができる。
歪みの集中によって発生する故障をより効果的に回避する観点では、距離L1は、少なくとも10mmであることが好ましい。
図2に示すように、補強層70は、タイヤ幅方向外側端部70Bに、第1補強層71に対してタイヤ径方向Yに重なって配置される一対のエッジ側補強層73をさらに有している。これにより、補強層70のタイヤ幅方向外側端部70Bは、第1補強層71とエッジ側補強層73との2層構造を有する。
実施形態に示すエッジ側補強層73は、第1補強層71をタイヤ幅方向Xの外側(第1補強層71のタイヤ幅方向外端71A)でタイヤ径方向内側Y2に折り返すことによって形成されている。しかし、エッジ側補強層73は、第1補強層71をタイヤ径方向外側Y1に折り返すことによって形成されてもよいし、第1補強層71とは独立した層を、第1補強層71のタイヤ径方向外側Y1及び内側Y2のいずれかに積層することによって形成されてもよい。
エッジ側補強層73のタイヤ幅方向内端73aは、外側ベルト42のタイヤ幅方向外端42Aよりもタイヤ幅方向内側X2に配置されているが、プライ片51のタイヤ幅方向内端51aよりもタイヤ幅方向外側X1に配置されている。エッジ側補強層73は、内側ベルト41のタイヤ幅方向外端41A及び外側ベルト42のタイヤ幅方向外端42Aを覆うように、トレッドゴム31のタイヤ幅方向外側端部31Bに延びている。補強層70のタイヤ幅方向外側端部70Bが、第1補強層71とエッジ側補強層73との2層構造であることにより、タイヤ1のショルダーが補強され、耐久性が向上する。
ここで、図3は、図1及び図2に示すタイヤ1の変形状態を表すシミュレーション結果を示している。1点鎖線は通常のタイヤ(比較例)であり、補強層70を有していないとともに、カーカスプライ50に中抜き部50Hを形成していない場合のタイヤの負荷状態における変形状態を示している。比較例のタイヤは、負荷状態において、タイヤ幅方向中央部が大きく変形することにより、断面2次振動モードの振幅が大きい。これによって、ロードノイズが発生する。
なお、図3におけるシミュレーション条件は、195/65R15サイズ、リム組、JATMA指定空気圧・荷重(70%)であり、タイヤのトレッドに振動を与えたときのタイヤの断面2次振動モードをFEMで解析したものである。
これに対し、実線で示す実施形態のタイヤ1(本発明)は、カーカスプライ50に中抜き部50Hを形成して軽量化されているにもかかわらず、補強層70が設けられることにより、負荷状態におけるタイヤ幅方向中央部の変形量は、通常のタイヤに比べてΔDp分低減される。変形量が低減することにより、断面2次振動モードの振幅が抑えられ、ロードノイズが低減する。タイヤ1の断面2次振動モードは、サイドウォール20の変形によって高周波へ移行するため、タイヤ1のノイズ性能は向上する。
図2に示すように、プライ片51のタイヤ幅方向内端51aと、ベルト40における幅狭の外側ベルト42のタイヤ幅方向外端42Aとは、タイヤ幅方向Xに離れて配置されている。実施形態に示すプライ片51のタイヤ幅方向内端51aは、外側ベルト42のタイヤ幅方向外端42Aに対して、距離L2だけタイヤ幅方向内側X2に離れて配置されている。
これにより、プライ片51のタイヤ幅方向内端51aと、外側ベルト42のタイヤ幅方向外端42Aとが揃って配置されることによる歪みの集中によって発生する故障が回避される。歪みの集中によって発生する故障をより効果的に回避する観点では、距離L2は、少なくとも10mmであることが好ましく、軽量化の観点から、10mm以上50mm以下であることがより好ましい。
以上説明した実施形態のタイヤ1によれば、以下の効果を奏する。
(1)実施形態に係るタイヤ1は、一対のビード10と、一対のビード10のそれぞれからタイヤ径方向外側Y1に延びる一対のサイドウォール20と、一対のサイドウォール20の間に配置されたトレッド30と、トレッド30からビード10にわたるカーカスプライ50と、を備えた空気入りタイヤ1であって、カーカスプライ50は、タイヤ幅方向Xに分割された一対のプライ片51を含み、一対のプライ片51のそれぞれは、トレッド30に配置されてタイヤ幅方向Xに互いに離間して対向するタイヤ幅方向内端51aを有し、一対のプライ片51のそれぞれのタイヤ幅方向内端51aの間のタイヤ径方向外側Y1に、補強層70が配置されている。
これにより、タイヤ1の軽量化によって転がり抵抗を低減しつつ、タイヤ強度を向上させてタイヤの振動モード振幅を抑制し、ロードノイズ性能を向上させることができる。
(2)実施形態に係るタイヤ1において、補強層70は、第1補強層71と、第1補強層71のタイヤ径方向外側Y1に配置される第2補強層72と、を有し、第2補強層72のタイヤ幅方向外端72Aは、第1補強層71のタイヤ幅方向外端71Aよりもタイヤ幅方向内側X2に配置され、一対のプライ片51と第2補強層72とは、タイヤ径方向Yに重なっていないことが好ましい。
これにより、タイヤ1のタイヤ幅方向中央部の強度をより効果的に高めることができる。第2補強層72と一対のプライ片51とは重ならないため、重なって配置されることによる歪みの集中が避けられ、歪みの集中によって発生する故障を回避することができる。
(3)実施形態に係るタイヤ1において、補強層70は、タイヤ幅方向外側端部70Bに、第1補強層71に対してタイヤ径方向Yに重なって配置される一対のエッジ側補強層73を有することが好ましい。
これにより、補強層70のタイヤ幅方向外側端部70Bが、第1補強層71とエッジ側補強層73との2層構造となり、タイヤ1のショルダーが補強され、耐久性が向上する。
(4)実施形態に係るタイヤ1において、一対のプライ片51のそれぞれのタイヤ幅方向内端51aは、第2補強層72のタイヤ幅方向外端72Aに対して、タイヤ幅方向外側X1に少なくとも10mm離れて配置されていることが好ましい。
これにより、第2補強層72と一対のプライ片51とが重なって配置されることによる歪みの集中によって発生する故障をより効果的に回避することができる。
(5)実施形態に係るタイヤ1において、補強層70のタイヤ径方向内側Y2且つ一対のプライ片51のタイヤ径方向外側Y1に、ベルト40を有し、ベルト40のタイヤ幅方向外側端部40Bと、一対のプライ片51のタイヤ幅方向内側端部51bとは、タイヤ径方向Yに重なって配置されることが好ましい。
これにより、プライ片51のタイヤ幅方向内側端部51bが、ベルト40のタイヤ幅方向外側端部40Bによって覆われた状態で配置されるため、プライ片51のタイヤ幅方向内側端部51b側の剥離が抑制される。
(6)実施形態に係るタイヤ1において、ベルト40は、内側ベルト41と、内側ベルト41のタイヤ径方向外側Y1に配置される外側ベルト42と、を有し、内側ベルト41のタイヤ幅方向外端41Aは、外側ベルト42のタイヤ幅方向外端42Aよりもタイヤ幅方向外側X1に配置され、一対のプライ片51のタイヤ幅方向内端51aと、外側ベルト42のタイヤ幅方向外端42Aとは、タイヤ幅方向Xに離れて配置されていることが好ましい。
これにより、プライ片51のタイヤ幅方向内端51aと、外側ベルト42のタイヤ幅方向外端42Aとが揃って配置されることによる歪みの集中によって発生する故障が回避される。
(7)実施形態に係るタイヤ1において、一対のプライ片51のタイヤ幅方向内端51aは、外側ベルト42のタイヤ幅方向外端42Aに対して、タイヤ幅方向内側X2に少なくとも10mm離れて配置されていることが好ましい。
これにより、一対のプライ片51のタイヤ幅方向内端51aと外側ベルト42のタイヤ幅方向外端42Aとが重なって配置されることによる歪みの集中によって発生する故障をより効果的に回避することができる。
1 タイヤ(空気入りタイヤ)
10 ビード
20 サイドウォール
30 トレッド
40 ベルト
40B ベルトのタイヤ幅方向外側端部
41 内側ベルト
41A 内側ベルトのタイヤ幅方向外端
42 外側ベルト
42A 外側ベルトのタイヤ幅方向外端
50 カーカスプライ
51 プライ片
51a プライ片のタイヤ幅方向内端
51b プライ片のタイヤ幅方向内側端部
70 補強層
70B 補強層のタイヤ幅方向外側端部
71 第1補強層
71A 第1補強層のタイヤ幅方向外端
72 第2補強層
72A 第2補強層のタイヤ幅方向外端
73 エッジ側補強層
X タイヤ幅方向
X1 タイヤ幅方向外側
X2 タイヤ幅方向内側
Y タイヤ径方向
Y1 タイヤ径方向外側
Y2 タイヤ径方向内側

Claims (7)

  1. 一対のビードと、
    前記一対のビードのそれぞれからタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォールと、
    前記一対のサイドウォールの間に配置されたトレッドと、
    前記トレッドから前記ビードにわたるカーカスプライと、を備えた空気入りタイヤであって、
    前記カーカスプライは、タイヤ幅方向に分割された一対のプライ片を含み、
    前記一対のプライ片のそれぞれは、前記トレッドに配置されてタイヤ幅方向に互いに離間して対向するタイヤ幅方向内端を有し、
    前記一対のプライ片のそれぞれの前記タイヤ幅方向内端の間のタイヤ径方向外側に、補強層が配置されている、空気入りタイヤ。
  2. 前記補強層は、第1補強層と、前記第1補強層のタイヤ径方向外側に配置される第2補強層と、を有し、
    前記第2補強層のタイヤ幅方向外端は、前記第1補強層のタイヤ幅方向外端よりもタイヤ幅方向内側に配置され、
    前記一対のプライ片と前記第2補強層とは、タイヤ径方向に重なっていない、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記補強層は、タイヤ幅方向外側端部に、前記第1補強層に対してタイヤ径方向に重なって配置される一対のエッジ側補強層を有する、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記一対のプライ片のそれぞれの前記タイヤ幅方向内端は、前記第2補強層の前記タイヤ幅方向外端に対して、タイヤ幅方向外側に少なくとも10mm離れて配置されている、請求項2又は3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記補強層のタイヤ径方向内側且つ前記一対のプライ片のタイヤ径方向外側に、ベルトを有し、、
    前記ベルトのタイヤ幅方向外側端部と、前記一対のプライ片のタイヤ幅方向内側端部とは、タイヤ径方向に重なって配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ベルトは、内側ベルトと、前記内側ベルトのタイヤ径方向外側に配置される外側ベルトと、を有し、
    前記内側ベルトのタイヤ幅方向外端は、前記外側ベルトのタイヤ幅方向外端よりもタイヤ幅方向外側に配置され、
    前記一対のプライ片の前記タイヤ幅方向内端と、前記外側ベルトの前記タイヤ幅方向外端とは、タイヤ幅方向に離れて配置されている、請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記一対のプライ片の前記タイヤ幅方向内端は、前記外側ベルトの前記タイヤ幅方向外端に対して、タイヤ幅方向内側に少なくとも10mm離れて配置されている、請求項6に記載の空気入りタイヤ。
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